JP6988013B1 - 延伸フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
1つの実施形態において、上記フィルムが、上記クリップからの開放後120秒以内に上記傾斜ガイドロールを通過する。
1つの実施形態において、ロール搬送が、上記フィルムに搬送方向下流に向かって連続してこの順に設けられたガイドロールXとガイドロールYとを通過させることを含み、該ガイドロールYが、該ガイドロールXよりも下方に配置され、該ガイドロールXが、上記傾斜ガイドロールであり、上記フィルムの弛まない側の端部が弛む側の端部よりも2mm〜80mm下方に位置するように傾斜して配置されている。
1つの実施形態において、上記ロール搬送が、上記フィルムに搬送方向下流に向かって連続してこの順に設けられたガイドロールXとガイドロールYとを通過させることを含み、該ガイドロールYが、該ガイドロールXよりも上方に配置され、該ガイドロールXが、上記傾斜ガイドロールであり、上記フィルムの弛まない側の端部が弛む側の端部よりも2mm〜80mm上方に位置するように傾斜して配置されている。
1つの実施形態において、上記クリップの開放地点から上記傾斜ガイドロールまでの上記フィルムの左右端部の搬送経路長が、同じである。
1つの実施形態において、上記傾斜ガイドロールが、その回転軸方向が該フィルムの搬送方向と略直交となるように配置されている。
1つの実施形態において、上記クリップが、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型のクリップであり、上記フィルムの左端部を把持する該クリップおよび右端部を把持する該クリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させながら走行移動させて、上記フィルムを斜め方向に延伸する。
1つの実施形態において、上記フィルムの左端部を把持するクリップと右端部を把持するクリップとを等速で走行移動させながら、上記フィルムの搬送方向を途中で変えることによって、上記フィルムを斜め方向に延伸する。
本発明の別の局面によれば、上記製造方法によって長尺状の延伸フィルムを得ること、および、長尺状の光学フィルムと該長尺状の延伸フィルムとを搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせることを含む、光学積層体の製造方法が提供される。
1つの実施形態において、上記光学フィルムが、偏光板であり、上記延伸フィルムが、λ/4板またはλ/2板である。
本発明の実施形態による延伸フィルムの製造方法は、長尺状のフィルムの幅方向の左右端部をそれぞれ、左右のクリップによって把持すること、該左右のクリップを走行移動させて該フィルムを斜め延伸し、次いで、該左右のクリップから開放すること、および、該フィルムをロール搬送すること、を含み、該ロール搬送が、該フィルムに傾斜ガイドロールを通過させることを含み、該傾斜ガイドロールが、該フィルムの弛む側の端部の搬送経路長が弛まない側の端部の搬送経路長よりも長くなるように、水平面に対して傾斜して配置されている。代表的には、本発明の実施形態による延伸フィルムの製造方法は、予熱工程をさらに含む。具体的には、左右のクリップによって把持されたフィルムは、予熱され、その後、斜め延伸に供される。
把持ゾーンA(延伸装置100aまたは100bのフィルム取り込みの入り口)においては、左右の無端ループ10L、10Rのクリップ20によって、延伸対象となるフィルムの両端部が互いに等しい一定のクリップピッチ、あるいは、互いに異なるクリップピッチで把持される。左右の無端ループ10L、10Rのクリップ20の移動(実質的には、基準レールに案内された各クリップ担持部材の移動)により、当該フィルムが予熱ゾーンBに送られる。
予熱ゾーンBにおいては、左右の無端ループ10L、10Rは、上記のとおり延伸対象となるフィルムの初期幅に対応する離間距離で互いに略平行となるよう構成されているので、基本的には横延伸も縦延伸も行わず、フィルムが加熱される。ただし、予熱によりフィルムのたわみが起こり、オーブン内のノズルに接触するなどの不具合を回避するために、わずかに左右クリップ間の距離(幅方向の距離)を広げてもよい。
A−3−1.可変ピッチ型のクリップを用いた斜め延伸
延伸装置100aの延伸ゾーンCにおいては、左右のクリップ20を、その少なくとも一方の縦方向のクリップピッチを変化させながら走行移動させて、フィルムを斜め延伸する。より具体的には、左右のクリップの当該クリップピッチをそれぞれ異なる位置で増大または縮小させること、それぞれ異なる変化速度で左右のクリップの当該クリップピッチを変化(増大および/または縮小)させること等によって、フィルムを斜め延伸する。このようにクリップピッチを変化させながら左右のクリップを走行移動させる結果、延伸ゾーンに同時に移行した一対の左右のクリップの内、一方のクリップが他方のクリップに先行して延伸ゾーンの終端に到達する。このような斜め延伸によれば、当該先行するクリップ側の端部が後行するクリップ側の端部よりも高い延伸倍率で延伸されることになり、その結果として、長尺フィルムの所望の方向(例えば、長手方向に対して45°の方向)に遅相軸を発現させることができる。
延伸装置100bの延伸ゾーンCにおいては、左の無端ループ10Lと右の無端ループ10Rとが非対称な方向に伸びている結果、フィルムの搬送方向が変化するように(具体的には、予熱ゾーンBにおけるフィルムの搬送方向(矢印Bの延びる方向)と解放ゾーンDにおけるフィルムの搬送方向(矢印Dの延びる方向)とが非平行となるように)構成されている。このような構成に起因して、斜め延伸ゾーンCにおける左右の無端ループ10L、Rの長さ(換言すると、斜め延伸ゾーンCにおける左右のクリップの走行距離)が異なる。その結果、等速で走行移動する一対の左右のクリップは、上記走行距離が短い方のクリップが先行走行することになり(図1Bでは、左のクリップが先行走行する)、フィルムが斜め方向に延伸される。当該実施形態の斜め延伸については、例えば、特開2004−226686号公報、WO2007/111313等の記載を参照することができる。
開放ゾーンDの任意の位置において、上記フィルムが、クリップから開放される。開放ゾーンDにおいては、通常、横延伸も縦延伸も行われず、必要に応じて、フィルムを熱処理して延伸状態を固定(熱固定)し、および/または、Tg以下まで冷却し、次いで、フィルムをクリップから開放する。なお、熱固定する際には、縦方向のクリップピッチを減少させ、これにより、応力を緩和してもよい。
ロール搬送は、クリップから開放されたフィルムに、該フィルムの弛む側の端部の搬送経路長が弛まない側の端部の搬送経路長よりも長くなるように、水平面に対して角度θ1をなすように傾斜して配置されている傾斜ガイドロールを通過させることを含む。このように傾斜して配置された傾斜ガイドロールを通過することにより、フィルムの弛む側に張力が付与されて全体的に平坦化することから、弛みおよび/またはシワが低減された延伸フィルムが得られ得る。また、水平面内でガイドロールを傾けることによっても搬送距離を変えることが可能であるが、本発明の実施形態によれば、傾斜ガイドロールの回転軸方向をフィルムの搬送方向に対して略直交にできることから、搬送安定性に優れるという利点がある。なお、本明細書において、ガイドロールとは、フィルムの搬送経路上に、フィルムに接して配置される回転自在なロールであり、駆動機構を備えていてもよく、駆動機構を備えていなくてもよい。ガイドロールは、サクションロール、ニップロール等の任意の形態であり得る。なお、本明細書において、略直交は、89.7°〜90.3°の範囲を含み、好ましくは89.9°〜90.1°の範囲を含み、より好ましくは90.0°である。
弛み量は、例えば、搬送ロール間において検出され得る。具体的には、弛み量は、搬送ロール間の中間点において、フィルムの幅方向における位置(搬送高さ)の差として検出され得る。
本発明の製造方法においては、任意の適切なフィルムを用いることができる。例えば、位相差フィルムとして適用可能な樹脂フィルムが挙げられる。このようなフィルムを構成する材料としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。好ましくは、ポリカーボネート樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルカーボネート系樹脂、シクロオレフィン樹脂である。これらの樹脂であれば、いわゆる逆分散の波長依存性を示す位相差フィルムが得られ得るからである。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、所望の特性に応じて組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法により得られた延伸フィルムは、別の光学フィルムと貼り合わせられて光学積層体として用いられ得る。例えば、本発明の製造方法によって得られた位相差フィルムは、偏光板と貼り合わせられて、円偏光板として好適に用いられ得る。
ダイヤルゲージ(PEACOCK社製、製品名「DG−205 type pds−2」)を用いて測定した。
(2)位相差値
Axometrics社製のAxoscanを用いて面内位相差Re(550)を測定した。
(3)配向角(遅相軸の発現方向)
測定対象のフィルムの中央部を、一辺が当該フィルムの幅方向と平行となるようにして幅50mm、長さ50mmの正方形状に切り出して試料を作成した。この試料を、Axometrics社製のAxoscanを用いて測定し、波長590nmにおける配向角θを測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
(5)弛み量
図7に示すように、ガイドロール50a、50b間の中間点(ロール間距離:912mm)におけるフィルム1の搬送経路の下方に超音波変位センサー300を配置し、搬送張力150N/mで搬送した際の幅方向の中央部と端部において超音波変位センサーから延伸フィルムまでの距離を測定し、最大距離(LMAX)と最小距離(LMIN)との差(LMAX−LMIN)を弛み量(mm)とした。なお、上記弛み量の測定は、サクションロール等を用いて弛みを矯正するために付与された張力をカットした後、搬送張力150N/mでロール搬送しながら行った。
(6)張力
フィルム搬送ライン中に設置したフィルム張力検出器によって、フィルムにかかる張力を測定した。
(ポリエステルカーボネート樹脂フィルムの作製)
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン 29.60質量部(0.046mol)、ISB 29.21質量部(0.200mol)、SPG 42.28質量部(0.139mol)、DPC 63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10−2質量部(6.78×10−5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネートを水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。得られたポリエステルカーボネート樹脂のTgは、140℃であった。
上記のようにして得られたポリエステルカーボネート樹脂フィルムを、図1Aに示すような延伸装置を用いて斜め延伸して、位相差フィルムを得た。
具体的には、ポリエステルカーボネート樹脂フィルムの左右端部を延伸装置の入り口で左右のクリップによって把持し、予熱ゾーンBで145℃に予熱した。予熱ゾーンにおいては、左右のクリップのクリップピッチ(P1)は125mmであった。
次に、フィルムが延伸ゾーンCに入ると同時に、右側クリップのクリップピッチの増大および左側クリップのクリップピッチの減少を開始し、右側クリップのクリップピッチをP2まで増大させるとともに左側クリップのクリップピッチをP3まで減少させた(第1の斜め延伸)。このとき、右側クリップのクリップピッチ変化率(P2/P1)は、1.42であり、左側クリップのクリップピッチ変化率(P3/P1)は0.78であり、フィルムの原幅に対する横延伸倍率は1.45倍であった。次いで、右側クリップのクリップピッチをP2に維持したままで、左側クリップのクリップピッチの増大を開始し、P3からP2まで増大させた(第2の斜め延伸)。この間の左側クリップのクリップピッチの変化率(P2/P3)は1.82であり、フィルムの原幅に対する横延伸倍率は1.9倍であった。なお、延伸ゾーンCはTg+3.2℃(143.2℃)に設定した。
次いで、開放ゾーンDにおいて、125℃で60秒間フィルムを保持して熱固定を行った。熱固定されたフィルムを、100℃まで冷却後、左右のクリップを開放し、延伸装置出口から送り出した。
以上のようにして、延伸装置出口から送り出されたフィルムを、室温環境下で、図2(a)および図2(b)に示すような4つのガイドロールを用いた搬送ライン(図示するように、第2のガイドロール54が第1のガイドロール52よりも下方に配置されている)で搬送し、搬送ロール間で弛み量を検出したところ、得られた延伸フィルムにおいては、幅方向の左端部に弛みが生じており、弛み量は、20mmであった。なお、4つのガイドロールは全て、搬送方向と回転軸方向とが直交するように、かつ、フィルムの右端部と左端部の位置が同じ高さになるように配置された水平ガイドロールであった。
上記ロール搬送において、延伸装置出口に最も近い箇所に配置された水平ガイドロール(第1のガイドロール52)をフィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも60mm下方となるように水平面に対して傾けて、傾斜ガイドロールとした。このとき、クリップの開放地点から傾斜ガイドロールまでのフィルムの左右端部の搬送経路長が、同じ長さとなるように、水平ガイドロールの幅方向中央を中心として左右端部を等量ずつ、傾斜させた。具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が30mm上方となり、右端部が30mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした。また、搬送方向最下流の水平ガイドロールのトルクを調整することにより、クリップ開放地点から搬送方向最下流の水平ガイドロールまでのフィルムに300N/mの張力を5.85秒間付与した。なお、フィルムと傾斜ガイドロールとの抱き角度は、90°であった。また、傾斜ガイドロールは、延伸装置の出口直後に位置しており、フィルムがクリップから開放されてから傾斜ガイドロールを通過するまでの時間は約20秒であった。
傾斜ガイドロールを、フィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも40mm下方となるように傾けて配置した(より具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が20mm上方となり、右端部が20mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした)こと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
傾斜ガイドロールを、フィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも30mm下方となるように傾けて配置した(より具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が15mm上方となり、右端部が15mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした)こと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
傾斜ガイドロールを、フィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも20mm下方となるように傾けて配置した(より具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が10mm上方となり、右端部が10mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした)こと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
傾斜ガイドロールを、フィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも10mm下方となるように傾けて配置した(より具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が5mm上方となり、右端部が5mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした)こと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
傾斜ガイドロールを、フィルムの右端部の位置が左端部の位置よりも6mm下方となるように傾けて配置した(より具体的には、クリップの開放地点の高さにおける水平面に対してフィルム左端部が3mm上方となり、右端部が3mm下方となるように水平ガイドロールを傾斜させて傾斜ロールとした)こと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。
傾斜ガイドロールを用いたロール搬送を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムにおいては、幅方向の左端部に弛みが生じており、弛み量は、20mmであった。また、延伸フィルムの位相差Re(590)は、147nmであり、遅相軸方向と長尺方向とのなす角度は45°であった。
上記実施例および比較例で得られた延伸フィルムを、長尺状のマスキングフィルム(東レフィルム加工社製、製品名「トレテック7832C−30」)とロールトゥロールで貼り合わせてフィルム積層体を得た。次いで、フィルム積層体からマスキングフィルムを剥離し、グラビアコーターで接着剤を塗工して偏光板と貼り合せ、UVを照射することにより、光学積層体を得た。光学積層体の外観(目視)および延伸フィルムの取り扱い性を、以下の基準に基づいて評価した。
〇:マスキングフィルム貼り合せ(貼り合せ張力150N/m)後に、シワがみとめられず、接着剤をフィルム全面に塗工ができる。
△:マスキングフィルム貼り合せの際、貼り合せ張力を300N/mに上げることでシワなく貼り合せができたが、接着剤塗工の際に、弛んだ箇所に接着剤を塗工できなかった。
×:マスキングフィルム貼り合せ後に、シワがあり、外観が劣化している。
以下の基準に基づいて、得られた延伸フィルムのシワを評価した。
〇:ポラリオンライト(ポラリオン社製、製品番号「NP−1」)を照射してもシワが視認されない。
△:蛍光灯を照射してもシワが視認されないが、ポラリオンライトを照射するとシワが視認される。
×:蛍光灯を照射するとシワが視認される。
得られた延伸フィルムに関して、弛みおよび/またはシワに起因してフィルムに歪みまたは折れが生じているか否かを目視によって確認し、以下の基準に基づいて評価した。
〇:フィルムに歪みおよび折れが生じていない。
×:フィルムに歪みおよび/または折れが生じている。
上記外観および取り扱い性評価において作製した光学積層体を、接着層を介して反射板または有機ELパネルの視認側に貼り合わせた。得られた光学積層体に関して、弛みまたはシワに起因する形状のムラまたは光抜けの有無を目視によって確認し、以下の基準に基づいて評価した。
〇:反射板およびパネル実装の両方において、ムラおよび光抜けが視認されない。
△:反射板でムラおよび/または光抜けが視認されるが、パネル実装では視認されない。
×:反射板およびパネル実装の両方において、ムラおよび/または光抜けが視認される。
表1に示されるとおり、長尺状の斜め延伸フィルムの製造においては、フィルムの弛む側の端部の搬送経路長が弛まない側の端部の搬送経路長よりも長くなるように、水平面に対して傾斜して配置されているガイドロールを通過させることにより、弛みおよび/またはシワが低減されることがわかる。
10L 無端ループ
10R 無端ループ
20 クリップ
50 ガイドロール
52 ガイドロール
54 ガイドロール
56 ガイドロール
58 ガイドロール
60 巻取り部
100 延伸装置
200 円偏光板
300 超音波変位センサー
Claims (10)
- 長尺状のフィルムの幅方向の左右端部をそれぞれ、左右のクリップによって把持すること、
該左右のクリップを走行移動させて該フィルムを斜め延伸し、次いで、該左右のクリップから開放すること、および、
該フィルムをロール搬送すること、を含む、延伸フィルムの製造方法であって、
該ロール搬送が、該フィルムに傾斜ガイドロールを通過させることを含み、
該傾斜ガイドロールが、該フィルムの弛む側の端部の搬送経路長が弛まない側の端部の搬送経路長よりも長くなるように、水平面に対して傾斜して配置されている、延伸フィルムの製造方法。 - 前記フィルムが、前記クリップからの開放後120秒以内に前記傾斜ガイドロールを通過する、請求項1に記載の延伸フィルムの製造方法。
- 前記ロール搬送が、前記フィルムに搬送方向下流に向かって連続してこの順に設けられたガイドロールXとガイドロールYとを通過させることを含み、
該ガイドロールYが、該ガイドロールXよりも下方に配置され、
該ガイドロールXが、前記傾斜ガイドロールであり、前記フィルムの弛まない側の端部が弛む側の端部よりも2mm〜80mm下方に位置するように傾斜して配置されている、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。 - 前記ロール搬送が、前記フィルムに搬送方向下流に向かって連続してこの順に設けられたガイドロールXとガイドロールYとを通過させることを含み、
該ガイドロールYが、該ガイドロールXよりも上方に配置され、
該ガイドロールXが、前記傾斜ガイドロールであり、前記フィルムの弛まない側の端部が弛む側の端部よりも2mm〜80mm上方に位置するように傾斜して配置されている、請求項1または2に記載の延伸フィルムの製造方法。 - 前記クリップの開放地点から前記傾斜ガイドロールまでの前記フィルムの左右端部の搬送経路長が、同じである、請求項3または4に記載の延伸フィルムの製造方法。
- 前記傾斜ガイドロールが、その回転軸方向が該フィルムの搬送方向と89.7°〜90.3°の角度をなすように配置されている、請求項1から5のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
- 前記クリップが、縦方向のクリップピッチが変化する可変ピッチ型のクリップであり、
前記フィルムの左端部を把持する該クリップおよび右端部を把持する該クリップの少なくとも一方のクリップピッチを変化させながら走行移動させて、前記フィルムを斜め方向に延伸する、請求項1から6のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。 - 前記フィルムの左端部を把持するクリップと右端部を把持するクリップとを等速で走行移動させながら、前記フィルムの搬送方向を途中で変えることによって、前記フィルムを斜め方向に延伸する、請求項1から6のいずれかに記載の延伸フィルムの製造方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載の製造方法によって長尺状の延伸フィルムを得ること、および
長尺状の光学フィルムと該長尺状の延伸フィルムとを搬送しながら、その長尺方向を揃えて連続的に貼り合わせることを含む、光学積層体の製造方法。 - 前記光学フィルムが、偏光板であり、
前記延伸フィルムが、λ/4板またはλ/2板である、請求項9に記載の光学積層体の製造方法。
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