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JP6975953B2 - 異物除去装置及び異物除去方法 - Google Patents

異物除去装置及び異物除去方法 Download PDF

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JP6975953B2 JP2016255096A JP2016255096A JP6975953B2 JP 6975953 B2 JP6975953 B2 JP 6975953B2 JP 2016255096 A JP2016255096 A JP 2016255096A JP 2016255096 A JP2016255096 A JP 2016255096A JP 6975953 B2 JP6975953 B2 JP 6975953B2
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Description

本発明は、一枚一枚個別のフィルム、シートあるいは板等の1枚である枚葉体の表面にエア等の流体を吹つけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置及び異物除去方法に関する。
従来、特許文献1に記載の除塵装置(異物除去装置)が知られている。この除塵装置は、図1Aに示すような構造のクリーニングヘッド10(除塵ヘッド)を有している。このクリーニングヘッド10には、第1エア吸引室12、エア噴出室11及び第2エア吸引室13が、第1エア吸引室12と第2エア吸引室13とがエア噴出室11を挟むように一列に形成されている。第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13のそれぞれは、連通孔121、131を介して図示外の吸気ポンプに接続されている。この吸気ポンプの第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13に対する吸気作用によって、第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13内が減圧される。また、エア噴出室11は連通孔111を介して図示外のエアポンプ(正圧ポンプ)に接続されている。このエアポンプのエア噴出室11へのエア送り込み作用によって、エア噴出室11内が加圧される。
図1Aとともに図1Bを参照するに、クリーニングヘッド10において、エア噴出室11の部分には所定長の噴出スリット112が形成され、第1エア吸引室121及び第2エア吸引室13のそれぞれの部分には所定長の吸引スリット122、132が噴出スリット112に平行となるように形成されている。前述したエアポンプによるエア噴出室11内の加圧によって噴出スリット112からエアが噴出し、前記吸気ポンプによる第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13内の減圧によって吸引スリット122、132を通してエアが第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13に引き込まれる。第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13のそれぞれの部分に形成された吸引スリット122、132の流路は、外方に向かって噴出スリット112側に傾斜するように形成されている。これにより、噴出スリット112から噴出される気流が両脇の吸引スリット122、132に引き込まれ易くなる。なお、吸引スリット122、132の流路は、上述したように傾斜せずに、噴出スリット112の流路と同様に、垂直に形成されるものであってもよい。
この異物除去装置では、異物除去の対象となる、一枚一枚個別のガラス基板Wの1枚(枚葉体)が搬送テーブル15に載置され、搬送テーブル15の所定の方向Dへの移動によって1枚のガラス基板Wがその方向Dに移動するようになっている。上述したような構造のクリーニングヘッド10は、搬送テーブル15の上方に、ガラス基板Wとの間に所定の隙間が形成されるように、かつ、噴出スリット112及び2つの吸引スリット122、132が搬送テーブル15に対向するように配置されている(図1A参照)。また、クリーニングヘッド10は、噴出スリット112及び2つの吸引スリット122、132が搬送テーブル15の移動方向D(ガラス基板Wの搬送方向)に直交するように、かつ、第1エア吸引室12が第2エア吸引室13より搬送方向Dの上流側に位置するように配置されている(図1B参照)。
クリーニングヘッド10において、前記エアポンプ及び前記吸気ポンプの動作により、エア噴出室11の噴出スリット112からエアが噴出しつつ2つの吸気スリット122及び132を通してエア吸引室12、13にエアが引き込まれる状態で、搬送テーブル15が方向Dに移動する。移動する搬送テーブル15に載置されたガラス基板W(枚葉体)がクリーニングヘッド10の下方を通過する際に、噴出スリット112から噴出するエアによってガラス基板Wの表面の異物(埃、塵等)がまきあげられ、そのまきあげられた異物が吸気スリット122、132を通したエアの引き込みによってエア吸引室12、13に引き込まれる(図1A参照)。これにより、ガラス基板Wの表面の異物が除去されその表面がクリーニングされる。
特開2005−296809号公報
ところで、近年、精細化するフレキシブルディスプレイのフィルム状(シート状)の基材、異物混入対策が求められる電池のフィルム状(シート状)の電極やフィルム状(シート状)の絶縁体等の枚葉フィルム(枚葉シート)に対する異物除去に前述したクリーニングヘッド10を用いることが望まれている。この場合、異物除去の対象となる枚葉フィルム(枚葉シート)が比較的軽くて薄いので、例えば、図2A及び図2Bに示すように、クリーニングヘッド10のエア噴出室11に設けられた噴出スリット112の下方を枚葉フィルムWの下流側縁辺部分が通過する直前に、噴出スリット112から噴出するエアによって、その下流側縁辺部分がめくれ上がってしまうおそれがある。また、表面に噴出エアが吹きつけられて移動してきた枚葉フィルムWの上流側縁辺部分が、例えば、図3A及び図3Bに示すように、クリーニングヘッド10の噴出スリット112の下方を通過した直後に、噴出スリット112から噴出するエアによってその上流側縁辺部分がめくれ上がってしまうおそれがある。このように移動する枚葉フィルムWの下流側縁辺部分や上流側縁辺部分がめくり上がってしまうと、枚葉フィルムの適正な搬送ができなくなるおそれがあり、しいては適正な異物除去ができないおそれがある。
そこで、搬送テーブル15に多くの吸気孔を形成して、搬送テーブル15に載置された枚葉フィルムWを搬送テーブル15上に吸着させておくことが考えられる。しかし、この場合、枚葉フィルムWを確実に搬送テーブル15に吸着させるために、各吸気孔を通した吸引量を増大させると、枚葉フィルムWに吸気孔に対応した吸着痕が発生したり、傷がついたりするという新たな問題が生じ得る。
また、エア噴出室11の内圧を低下させて噴出スリット112から噴出するエアの流速を低下させることや、クリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとの隙間を大きくして枚葉フィルムWの表面に吹きつけられるエアの圧力を低下させることが考えられる。しかし、これらの場合も、異物除去の効果が低下してしまうという新たな問題が生じ得る。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、異物除去の対象となる枚葉体がフィルム状やシート状のものであっても、異物除去の効果を低下させることなく、強い吸着固定の仕組みを要せずに安定させた状態で異物を除去することが可能となる異物除去装置及び異物除去方法を提供するものである。
本発明に係る異物除去装置は、気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドを備え、該クリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置であって、前記噴出スリットから噴出する気体の流速が前記動作流速より小さい状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセット機構と、前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体を前記動作流速にて噴出させるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向させた状態を維持させつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転機構とを有する構成となる。
このような構成により、まず、噴出スリットから噴出する気体の流速が所定の動作流速より小さい状態で、クリーニングヘッドがフィルム状またはシート状の枚葉体の表面に対向する動作位置にセットされる。これにより、クリーニングヘッドを動作位置にセットする際に、噴出スリットから噴出する気体の枚葉体に作用する力を比較的小さくすることができる。その後、噴出スリットから所定の動作流速にて気体が噴出するとともに吸引スリットを通した気体が吸引される状態で、クリーニングヘッドが枚葉体の表面に対向した状態に維持されつつ、クリーニングヘッドと枚葉体とが相対的に回転される。そのクリーニングヘッドと枚葉体とが相対的に回転される状態で、クリーニングヘッドの噴出スリットから前記作動流速にて噴出する気体が枚葉体の表面に吹きつけられる。これにより、枚葉体は、その吹つけられる気体によって、押さえ付けられる力を受けながら、その表面から異物が除去され得る。
本発明に係る異物除去装置において、前記ヘッドセット機構が前記クリーニングヘッドを前記動作位置にセットする際に、前記噴出スリットから噴出される気体の流速がゼロに設定される構成とすることができる。
このような構成により、噴出スリットからの気体の流速がゼロ、即ち、噴出スリットから気体が噴出していない状態で、クリーニングヘッドが枚葉体の表面に対向する動作位置にセットされる。このため、クリーニングヘッドが動作位置にセットされる際に、噴出スリットから噴出する気体の枚葉体に作用する力をなくすことができる。
本発明に係る異物除去装置において、前記ヘッドセット機構は、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを前記枚葉体に対して移動させて前記動作位置にセットする構成とすることができる。
このような構成により、クリーニングヘッドが動作位置にセットされる際に、線状の噴出スリットがその一端から順次枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向にクリーニングヘッドが前記枚葉体に対して移動するので、噴出スリットから噴出する流体が枚葉体の縁線部分に与える影響を極力小さくすることができる。これにより、枚葉体の縁線部分を噴き上げる力を極力小さくすることができる。
本発明に係る異物除去装置は、気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドを備え、該クリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置であって、前記噴出スリットから前記動作流速にて気体が噴出している状態で、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを前記枚葉体に対して移動させて当該枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセット機構と、前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体が前記動作流速にて噴出されるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態を維持しつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転機構とを有する構成となる。
このような構成により、まず、噴出スリットから所定の動作流速にて気体が噴出している状態で、クリーニングヘッドがフィルム状またはシート状の枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットされる際に、線状の噴出スリットがその一端から順次枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向にクリーニングヘッドが前記枚葉体に対して移動する。これにより、噴出スリットから噴出する気体が枚葉体の縁線部分に与える影響を極力小さくすることができ、その結果、枚葉体を噴き上げる力を極力小さくすることができる。その後、噴出スリットから前記動作流速にて気体が噴出するとともに記吸引スリットを通して気体が吸引される状態が維持されつつ、枚葉体の表面に対向する動作位置にセットされたクリーニングヘッドと枚葉体とが相対的に回転される。そのクリーニングヘッドと枚葉体とが相対的に回転される状態で、クリーニングヘッドの噴出スリットから前記動作流速にて噴出する気体が枚葉体の表面に吹きつけられる。これにより、枚葉体は、その吹つけられる気体によって、押さえ付けられる力を受けながら、その表面から異物が除去され得る。
本発明に係る異物除去装置において、前記ヘッドセット機構は、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を直角に横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを移動させる構成とすることができる。
このような構成により、線状の噴出スリットから噴出する流体が枚葉体の縁線部分に与える影響を更に小さくすることができる。
なお、前述した各異物除去装置において、前記ヘッドセット機構は、クリーニングヘッドを枚葉体の表面に対向する動作位置にセットする際に、クリーニングヘッドを移動させるものでも、枚葉体を移動させるものでも、また、クリーニングヘッド及び枚葉体の双方を移動させるものであってもよい。
また、前記回転機構も、クリーニングヘッドを枚葉体に対向させた状態を維持させつつ、クリーニングヘッドを回転させるものでも、枚葉体を回転させるものでも、また、クリーニングヘッド及び枚葉体の双方を回転させるものであってもよい。
本発明に係る異物除去方法は、気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去方法であって、前記噴出スリットから噴出する気体の流速が前記動作流速より小さい状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセットステップと、前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体を前記動作流速にて噴出させるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向させた状態を維持させつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転ステップとを有する構成となる。
また、本発明に係る異物除去方法は、気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去方法であって、前記噴出スリットから前記動作流速にて気体が噴出している状態で、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを移動させ、当該クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセットステップと、前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体が前記動作流速にて噴出されるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態を維持しつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転ステップとを有する構成となる。
本発明に係る異物除去装置及び異物除去方法によれば、異物除去の対象となる枚葉体がフィルム状やシート状のものであっても、異物除去の効果を低下させることなく、強い吸着固定の仕組みを要せずに安定させた状態で異物を除去することができる。
図1Aは、クリーニングヘッドの基本的な構造を示すと共に、従来の異物除去装置におけるそのクリーニングヘッドと搬送テーブルで搬送される枚葉体との相対的な位置関係を示す断面図である。 図1Bは、従来の異物除去装置におけるクリーニングヘッドと搬送テーブルで搬送される枚葉体との相対的な位置関係を示す平面図である。 図2Aは、枚葉体の下流側縁辺部分がクリーニングヘッドの噴出スリットの下方を通過する際の状態例を示す断面図である。 図2Bは、クリーニングヘッドの噴出スリットから噴出するエアにより影響を受ける枚葉体の下流側縁辺部分の状態例を示す平面図である。 図3Aは、枚葉体の上流側縁辺部分がクリーニングヘッドの噴出スリットの下方を通過する際の状態例を示す断面図である。 図3Bは、クリーニングヘッドの噴出スリットから噴出するエアにより影響を受ける枚葉体の上流側縁絵部分の状態例を示す平面図である。 図4Aは、本発明の第1の実施の形態にかかる異物除去装置の構成を示す側面図である。 図4Bは、本発明の第1の実施の形態に係る異物除去装置の構成を示す平面図である。 図5Aは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、搬送テーブルにて枚葉フィルムが搬送されている状態を示す側面図である。 図5Bは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、搬送テーブルにて枚葉フィルムが搬送されている状態を示す平面図である。 図6Aは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、移動する枚葉フィルムとクリーニングヘッドとの相対的な位置関係(その1)を示す平面図である。 図6Bは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、移動する枚葉フィルムとクリーニングヘッドとの相対的な位置関係(その2)を示す平面図である。 図6Cは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、移動する枚葉フィルムとクリーニングヘッドとの相対的な位置関係(その3:クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態)を示す平面図である。 図7Aは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態を示す側面図である。 図7Bは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態を示す平面図である。 図8Aは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態におけるクリーニングヘッドと枚葉フィルムとの相対的な位置関係を拡大して示す平面図である。 図8Bは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態で、枚葉フィルムが載置されたターンテーブルが回転している状態を示す平面図である。 図9Aは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態における噴出スリット及び2つの吸引スリットと枚葉フィルムとの相対的な位置関係を拡大して示す平面図である。 図9Bは、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、動作位置にセットされたクリーニングヘッドと、回転するターンテーブルに載置された枚葉フィルムとの相対的な位置関係を示す平面図である。 図10は、図4A及び図4Bに示す異物除去装置において、異物除去後の枚葉フィルムがターンテーブルから排出される状態を示す平面図である。 図11Aは、本発明の第2の実施の形態に係る異物除去装置の構成を示す側面図である。 図11Bは、本発明の第2の実施の形態に係る異物除去装置の構成を示す平面図である。 図12は、 図12は、図11A及び図11Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態を示す平面図である。 図13Aは、図11A及び図11Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態におけるクリーニングヘッドと枚葉フィルムとの相対的な位置関係を拡大して示す平面図である。 図13Bは、図11A及び図11Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが動作位置にセットされた状態で、枚葉フィルムが載置されたターンテーブルが回転している状態を示す平面図である。 図14は、図11A及び図11Bに示す異物除去装置において、異物除去後の枚葉フィルムがターンテーブルから排出される状態を示す平面図である。 図15Aは、本発明の第3の実施の形態に係る異物除去装置の構成を示す側面図である。 図15Bは、本発明の第3の実施の形態に係る異物除去装置の構成を示す平面図である。 図16Aは、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが第1動作位置にセットされた状態を示す側面図である。 図16Bは、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが第1動作位置にセットされた状態を示す平面図である。 図17は、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが第1動作位置にセットされた状態で枚葉フィルムが載置された第1ターンテーブルが回転している状態を示す平面図である。 図18は、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、異物除去後の枚葉フィルムが第1ターンテーブルから排出される状態を示す平面図である。 図19は、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが第2動作位置にセットされた状態で枚葉フィルムが載置された第2ターンテーブルが回転している状態、及び第2ターンテーブルに新たな枚葉フィルムが投入される状態を示す平面図である。 図20は、図15A及び図15Bに示す異物除去装置において、クリーニングヘッドが第1動作位置にセットされた状態、及び異物除去後の枚葉フィルムが第2ターンテーブルから排出される状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る異物除去装置は、図4A及び図4Bに示すように構成されている。なお、図4Aは、異物除去装置の構成を示す側面図であり、図4Bは、異物除去装置の構成を示す平面図である。この異物除去装置は、例えば、フレキシブルディスプレイのフィルム状の基材、異物混入対策が求められる電池のフィルム状の電極やフィルム状の絶縁体等の枚葉フィルムを異物除去の対象としている。
図4A及び図4Bにおいて、この異物搬送装置は、クリーニングヘッド10、搬送キャリア20、回転機構21及び2本のレール30a、30bを備えている。平行に配置された2本のレール30a、30b上に往復動可能に搬送キャリア20が設置されている。搬送キャリア20は、図示外の搬送駆動機構によって2本のレール30a、30b上を投入・排出位置(図4A及び図4Bに示す位置)とヘッドセット位置(後述する図7A及び図7Bに示す位置)との間を往復動する。搬送キャリア20内には回転機構21が設けられている。回転機構21は、表面が搬送キャリア20の表面から露出する円盤状のターンテーブル211と、ターンテーブル211をその軸を中心にして回転させる駆動部212(モータ等を含む)とを有している。ターンテーブル211の表面には多数の吸気孔が形成されており、ターンテーブル211に載置された異物除去の対象となる枚葉フィルムWが吸着固定されるようになっている。
クリーニングヘッド10は、前述した図1Aに示すものと同様の構成を有し、第1エア吸引室12、エア噴出室11及び第2エア吸引室13が、第1エア吸引室12と第2エア吸引室13とがエア噴出室11を挟むように一列に形成されている。エア噴出室11に対して所定長の噴出スリット112が形成され、第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13のそれぞれに対して吸引スリット122、132が噴出スリット112に平行に形成されている。そして、エアポンプによるエア噴出室11内の加圧によって噴出スリット112からエアが噴出し、吸気ポンプによる第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13内の減圧によって吸引スリット122、132を通してエアが第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13に引き込まれる。
搬送キャリア20の移動方向におけるターンテーブル211とクリーニングヘッド10との位置関係は、搬送キャリア20が投入・排出位置にあるときに、ターンテーブル211とクリーニングヘッド10とがその移動方向において所定の間隔をもって配置され、搬送キャリア20がヘッドセット位置(図7A及び図7B参照)にあるときに、クリーニングヘッド10がターンテーブル211の真上に位置する関係となっている。ターンテーブル211及びクリーニングヘッド10のそれぞれは、搬送キャリア20の幅方向(移動方向に直交する方向)の中心に位置している。クリーニングヘッド10は、噴出スリット112及び2つの吸気スリット122、132を搬送キャリア20の表面に向けるとともに、それら噴出スリット112及び2つの吸気スリット122、132が搬送キャリア20の移動方向に平行となるように配置されている。また、クリーニングヘッド10は、搬送キャリア20がヘッドセット位置(図7A及び図7B参照)にあるときに、ターンテーブル211に載置された枚葉フィルムWとの間に所定の隙間(例えば、1mm〜5mm程度)が形成されるように搬送キャリア20に対向している。また、図示は省略されるが、搬送キャリア20が投入・排出位置にある状態で、異物除去の対象となる枚葉フィルムWをターンテーブル211に投入し(図4B参照)、異物除去済みの枚葉フィルムWをターンテーブル211から排出する(後述する図10参照)投入・排出機構が設けられている。
なお、搬送キャリア20の前記搬送駆動機構、回転機構21の駆動部212及び投入・排出機構、更に、クリーニングヘッド10のエア噴出室11を加圧するためのエアポンプ及び第1エア吸引室12及び第2エア吸引室13を減圧するための吸気ポンプのそれぞれの動作は、図示外の制御装置によって制御される。
上述したような構成の異物除去装置は、次のようにして動作する。
図4A及び図4Bに示すように、搬送キャリア20が投入・排出位置にあるときに、投入・排出機構(図示略)によってターンテーブル211上に所定の姿勢にて枚葉フィルムWが投入される。枚葉フィルムWは、ターンテーブル211の中央部に載置され吸引固定される。このとき、ターンテーブル211から離れているクリーニングヘッド10は、既に、異物除去の際と同様に、噴出スリット112から所定の動作流速にてエアが噴出している状態にある。また、このとき、クリーニングヘッド10は、2つの吸引スリット122、132を通してエアが吸引されている状態でもある。なお、クリーニングヘッド10におけるエア噴出室11内の圧力(加圧状態)を制御することにより、噴出スリット112から噴出するエアの流速が制御され、第1エア吸引室12及び第2エア吸引室内13の圧力(減圧状態)を制御することにより、2つの吸引スリット122、132を通したエアの吸引力が制御される。
上述した状態において、搬送キャリア20が2つのレール30a、30b上をヘッドセット位置(図7A及び図7B参照)に向かって移動する。
図5A及び図5Bに示すように、枚葉フィルムWが搬送キャリア20とともにヘッドセット位置に向けて方向Dに移動する際に、クリーニングヘッド10は、枚葉フィルムWの上方において、枚葉フィルムW内に進入する方向に相対移動する。その過程で、動作流速にてエアを噴出する線状の噴出スリット112は、図5Bとともに図6A、図6B及び図6Cに拡大して示すように、その一端から順次枚葉フィルムWの縁線を直角に横切って枚葉フィルムWに進入する方向に移動する。そして、搬送キャリア20がヘッドセット位置まで移動して停止すると、図7A及び図7Bに示すように、クリーニングヘッド10は、ターンテーブル211(枚葉フィルムW)の真上に位置し、動作位置にセットされる(ヘッドセットステップ)。なお、レール30a、30b上を投入・排出位置からヘッドセット位置まで移動する搬送キャリア20が、噴出スリット112から動作流速にてエアが噴出する状態のクリーニングヘッド10を動作位置にセットするヘッドセット機構に対応する。
この異物除去装置では、上述したようにクリーニングヘッド10が動作位置(図7A及び図7B参照)にセットされる際に、線状の噴出スリット112がその一端から順次枚葉フィルムWの縁線を直角に横切って枚葉フィルムWに進入する方向にクリーニングヘッド10が枚葉フィルムWに対して相対的に移動する(図6A、図6B、図6C参照)。このとき、線状の噴出スリット112は、枚葉フィルムWの縁線に対して、図6A、図6B、図6Cで示すように、1点Peで交差するように移動する。このため、噴出スリット112から異物除去の場合と同じ動作流速にてエアが噴出していても、噴出スリット112から噴出するエアが枚葉フィルムWの縁線部分の前記1点Peに対応した限られた範囲にしか吹きかけられず、噴出スリット112から噴出するエアによる枚葉フィルムWの縁線部分に与える影響は小さい。その結果、クリーニングヘッド10が動作位置にセットされる際において、噴出スリット112から噴出するエアによる枚葉フィルムWの縁線部分を噴き上げる力が小さなものとなり、ターンテーブル211に載置される枚葉フィルムWの吸着固定の力が小さいものであっても、枚葉フィルムWが縁線部分からめくり上がることはなく、枚葉フィルムWはターンテーブル211上で安定した姿勢に維持される。
次に、図7A及び図7Bとともに図8Aに拡大して示すように、クリーニングヘッド10がターンテーブル211の真上の動作位置にセットされると、回転機構21の駆動部212の動作によりターンテーブル211が、図8Bに示すように、所定の方向Aに回転させられる(回転ステップ)。このとき、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から動作流速にてエアが噴出するとともに2つの吸引スリット122、132を通してエアが吸引される状態が維持されている。このようにしてクリーニングヘッド10とターンテーブル211に吸着固定された枚葉フィルムWとが相対的に回転される過程で、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から前記動作流速にて噴出するエアが枚葉フィルムWの表面に吹きつけられる。そして、その吹付けられるエアによって枚葉フィルムWの表面の異物(埃、塵等)がまきあげられ、そのまきあげられた異物が2つの吸引スリット122、132を通したエアの引き込みによってエア吸引室12、13に引き込まれる(図1Aの状態参照)。これにより、枚葉フィルムWの表面の異物が除去されてその表面がクリーニングされる。
この異物除去装置では、動作位置にセットされたクリーニングヘッド10は、図9Aに示すように、線状の噴出スリット112が、ターンテーブル211に吸着固定された枚葉フィルムWの1つの縁線に1点Pe1で交差するとともに、枚葉フィルムWのその縁線に対向する縁線に1点Pe2で交差する状態にある。そして、ターンテーブル211の回転により、クリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとが相対的に回転している状態においても、クリーニングヘッド10は、線状の噴出スリット112が枚葉フィルムWの1つの縁線に1点Pe1で交差するとともに、枚葉フィルムWのその縁線に対向する縁線に1点Pe2で交差する状態に維持され続ける。このため、クリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとが相対的に回転する過程では、枚葉フィルムWは噴出スリット112から噴出するエアによって押さえ付けられる力を受けながら、その表面から異物が除去される。そして、枚葉フィルムWの各縁線部分は、1点Pe1、Pe2に対応した限られた範囲にしかエアが吹きつけられないので、噴出スリット112から噴出するエアが枚葉フィルムWの縁線部分に与える影響は極めて小さく、枚葉フィルムWが縁線部分からめくり上がることはなく、枚葉フィルムWはターンテーブル211上で安定した姿勢に維持される。
動作位置にあるクリーニングヘッド10の噴出スリット112から動作流速にてエアが噴出するとともに2つの吸引スリット122、132を通してエアが吸引される状態で、ターンテーブル211が所定回数(半回転以上)回転して、枚葉フィルムWの表面の全体にエアが吹きつけられると、ターンテーブル211の回転が停止される。そして、搬送キャリア20がヘッドセット位置(図7A及び図7B参照)から元の投入・排出位置に移動する。搬送キャリア20が、図10に示すように、投入・排除位置まで移動して停止すると、ターンテーブル211における枚葉フィルムWの吸着固定が解除され、異物除去済みの枚葉フィルムWが投入・排出機構によりターンテーブル211から排出されて所定のケース等に収容される。以後、同様の手順(図4A、図4B、図5A、図5B、図7A、図7B、図8A、図8B、図10参照)に従って、1枚ずつ枚葉フィルムWの表面からの異物除去の処理が行われる。
上述したような本発明の第1の実施の形態に係る異物除去装置によれば、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から所定の動作流速にてエアを噴出させた状態であっても、クリーニングヘッド10を動作位置(図7A及び図7B参照)にセットする際、及びクリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとを相対的に回転させる(図8B参照)際のいずれにおいても、噴出スリット112から噴出するエアの枚葉フィルムWの縁線部分に対する影響は小さい。このため、異物除去の効果を低下させることなく、枚葉フィルムWのターンテーブル211に対する吸引固定の力を大きく設定しなくても、枚葉フィルムWをターンテーブル211上で安定させた状態でその表面から異物を除去することができる。
また、上述したような異物除去装置では、クリーニングヘッド112を動作位置にセットする際に、噴出スリット112から噴出するエアの流速が異物除去で用いる動作流速に維持されるので、噴出スリット112の流速を切り換える必要がなく、枚葉フィルムWの表面から異物を除去する処理を効率よく行うことができる。
なお、クリーニングヘッド112を動作位置にセットする際に、噴出スリット112から噴出するエアの流速を異物除去で用いる動作流速より小さくする、あるいは、噴出スリット112からエアを噴出させない(流速をゼロに設定する)ことができる。この場合、ターンテーブル211での枚葉フィルムWに対する吸引固定の力を更に小さくすることができ、薄く軟らかい枚葉フィルムWに対する異物除去により適したものとなる。
本発明の第2の実施の形態に係る異物除去装置は、図11A及び図11Bに示すように構成される。なお、図11Aは、異物除去装置の構成を示す側面図であり、図11Bは、異物除去装置の構成を示す平面図である。
この異物除去装置は、図11A及び図11Bに示すように、噴出スリット112及び2つの吸引スリット122、132が搬送キャリア20の移動方向に直交する方向に延びるように、クリーニングヘッド10が配置される点で、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置(図4A及び図4B参照)と異なる。2つのレール30a、30b上を投入・排出位置とヘッドセット位置との間を往復動する搬送キャリア20及び搬送キャリア20に設けられた回転機構21(ターンテーブル211、駆動部212)については、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置と同じである。
この異物除去装置では、投入・排出位置にある搬送キャリア20のターンテーブル211に異物除去の枚葉フィルムWが投入されて、枚葉フィルムWがターンテーブル211に吸着固定されると(図11A、図11B参照)、搬送キャリア20は、投入・排出位置からヘッドセット位置に向けて移動する。その際、クリーニングヘッド10は、噴出スリット112からエアが噴出しておらず(噴出エアの流速がゼロ)、吸引スリット122、132を通した吸引も行われていない。このようにクリーニングヘッド10が動作していない状態で、移動する搬送キャリア20がヘッドセット位置に達すると、図12に示すように、クリーニングヘッド10がターンテーブル211の真上の動作位置にセットされる(ヘッドセットステップ)。
この異物除去装置では、クリーニングヘッド10は、動作位置にセットされる際に、噴出スリット112からエアが噴出していないので、ターンテーブル211に吸着固定された枚葉フィルムWは、噴出エアの影響を受けることがない。従って、枚葉フィルムWに対する吸引固定の力が小さいものであっても、縁辺部分でのめくり上がりもなく、ターンテーブル211上で安定した姿勢に維持される。
次に、図12とともに図13Aに拡大して示すように、クリーニングヘッド10がターンテーブル211の真上の動作位置にセットされると、回転機構21の駆動部212の動作によりターンテーブル211が、図13Bに示すように、所定の方向Aに回転させられる(回転ステップ)。このとき、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から所定の動作流速にてエアが噴出するとともに2つの吸引スリット122、132を通してエアが吸引される。これにより、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置(図8A、図8B、図9A、図9B参照)と同様に、ターンテーブル211と共に回転する枚葉フィルムWの表面にクリーニングヘッド10の噴出スリット112から前記動作流速にて噴出するエアが吹きつけられる。そして、その吹付けられるエアによって枚葉フィルムWの表面の異物(埃、塵等)がまきあげられ、そのまきあげられた異物が2つの吸引スリット122、132を通したエアの引き込みによってエア吸引室12、13に引き込まれる(図1Aの状態参照)。これにより、枚葉フィルムWの表面の異物が除去されてその表面がクリーニングされる。
このように、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から動作流速にて噴出するエアが回転する枚葉フィルムWに吹きかけられる過程では、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置と同様に、枚葉フィルムWの各縁線部分は、1点に対応した限られた範囲にしかエアが吹きつけられないので、噴出スリット112から噴出するエアが枚葉フィルムWの縁線部分に与える影響は極めて小さく、枚葉フィルムWが縁線部分からめくり上がることはなく、枚葉フィルムWはターンテーブル211上で安定した姿勢に維持される。
ターンテーブル211が所定回数回転して、枚葉フィルムWの表面の異物除去の処理が終了すると、ヘッドセット位置にあった搬送キャリア20は、投入・排出位置に戻る。そして、ターンテーブル211における枚葉フィルムWの吸着固定が解除され、図14に示すように、異物除去済みの枚葉フィルムWが投入・排出機構によりターンテーブル211から排出されて所定のケース等に収容される。以後、同様の手順(図11A、図11B、図12、図13A、図13B、図14参照)に従って、1枚ずつ枚葉フィルムWの表面からの異物除去の処理が行われる。
上述した本発明の第2の実施の形態に係る異物除去装置によれば、クリーニングヘッド10の噴出スリット112からエアを噴出させることなくクリーニングヘッド10を動作位置にセットするようにしているので、ターンテーブル10に吸着固定された枚葉フィルムWの縁線部分がクリーニングヘッド10の噴出スリット112の下方を通過する際に、その縁線部分が噴出エアによって影響を受けることがない。また、クリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとを相対的に回転させる(図13B参照)際においても、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置の場合と同様に、噴出スリット112から噴出するエアの枚葉フィルムWの縁線部分に対する影響は小さい。このため、異物除去の効果を低下させることなく、枚葉フィルムWのターンテーブル211に対する吸引固定の力を大きく設定しなくても、枚葉フィルムWをターンテーブル211上で安定させた状態でその表面から異物を除去することができる。
なお、第2の実施の形態に係る異物除去装置では、クリーニングヘッド10を動作位置(図12、図13A参照)にセットする際に、噴出スリット112からエアを噴出させていなかった(流速ゼロ)が、これに限定されない。噴出スリット112から動作流速より小さい所定の流速にてエアを噴出するようにしてもよい。この場合であっても、クリーニングヘッド10を動作位置にセットする際に、噴出スリット112から噴出するエアの枚葉フィルムWに作用する力を比較的小さくすることができるので、ターンテーブル211上における吸着固定の強さを枚葉フィルムWに吸着痕が発生しない範囲で適当に調整することにより、枚葉フィルムWの姿勢を安定的に維持させることができる。
本発明の第3の実施の形態に係る異物除去装置は、図15A及び図15Bに示すように構成される。なお、図15Aは、異物除去装置の構成を示す側面図であり、図15Bは、異物除去装置の構成を示す平面図である。
この異物除去装置は、図15A及び図15Bに示すように、搬送キャリア20に第1回転機構21及び第2回転機構22の2つの回転機構が設けられている点で、前述した第1の実施の形態に係る異物除去装置(図4A及び図4B参照)及び第2の実施の形態に係る異物除去装置(図11A及び図11B参照)と異なる。搬送キャリア20が2つのレール30a、30b上を往復動する構成については、第1の実施の形態及び第2の実施の形態のそれぞれに係る異物除去装置と同じである。
この異物除去装置では、第1回転機構21の第1ターンテーブル211と第2回転機構22の第2ターンテーブル221とが、搬送キャリア20においてその移動方向に沿って所定の間隔をもって配置されている。第1ターンテーブル211は第1駆動部212によって回転させられ、第2ターンテーブル221は第2駆動部222によって回転させられる。これら第1駆動部212及び第2駆動部222は前述した制御装置により制御される。第1ターンテーブル211の表面及び第2ターンテーブル221の表面は搬送キャリア20の表面から露出している。
搬送キャリア20は、2つのレール30a、30b上を第1の位置(図15A及び図15Bに示す位置)と第2の位置(後述する図16A及び図16に示す位置)との間で往復動する。クリーニングヘッド10は、搬送キャリア20が第1の位置にあるとき(図15A及び図15B参照)、第2ターンテーブル221の真上に位置し、搬送キャリア20が第2の位置にあるとき(図16A及び図16B)、第1ターンテーブル211の真上に位置するように配置されている。また、クリーニングヘッド10は、第1の実施の形態に係る異物除去装置(図4A及び図4B参照)と同様に、それぞれ線状の噴出スリット112及び2つの吸引スリット122、132が搬送キャリア20の搬送方向と平行に延びるように配置されている。また、搬送キャリア20の上方に設けられるクリーニングヘッド10と各ターンテーブル211、221に吸着固定された枚葉フィルムWとの間には所定の隙間(例えば、1mm〜5mm程度)が形成されている。
クリーニングヘッド10の噴出スリット112から異物除去で使用される動作流速にてエアが噴出するとともに2つの吸引スリット122、132を通してエアが吸引される状態が維持されつつ、上記異物除去装置は、次のように動作する。
図15A及び図15Bに示すように、搬送キャリア20が第1の位置にあるとき、投入・排出機構により異物除去の対象となる枚葉フィルムW1が第1ターンテーブル211に投入され、枚葉フィルムW1は第1ターンテーブル211に載置されて吸着固定される。このように第1ターンテーブル211に枚葉フィルムW1が吸着固定された状態で、搬送キャリア20は移動して、図16A及び図16Bに示すように、第2の位置に達すると停止する。搬送キャリア20が第2の位置になると、クリーニングヘッド10は、第1ターンテーブル211の真上に位置し、第1動作位置にセットされる。このとき、他の投入排出機構により異物除去の対象となる他の枚葉フィルムW2が第2ターンテーブル221に投入され、個の枚葉フィルムW2は第2ターンテーブル221に載置されて吸着固定される。
この状態で、図17に示すように、第1ターンテーブル211が回転する。この第1ターンテーブル211の回転により、第1動作位置にセットされたクリーニングヘッド10と第1ターンテーブル211に吸着固定された枚葉フィルムW1とが相対的に回転し、その過程で、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から動作流速にて噴出するエアが枚葉フィルムW1の表面に吹きつけられ、枚葉フィルムW1の表面の異物が除去される。
第1ターンテーブル211が所定数回転して枚葉フィルムW1に対する異物除去に係る処理が終了すると、搬送キャリア20は第1の位置に戻される。搬送キャリア20が第1の位置になると、図18に示すように、第1ターンテーブル211から異物除去済みの枚葉フィルムW1が投入・排出機構によって排出され、所定のケース等に収容される。一方、搬送キャリア20が第1の位置に戻ると、クリーニングヘッド10は、第2ターンテーブル221の真上に位置し、第2動作位置にセットされる。
クリーニングヘッド10が第2動作位置にセットされると、図19に示すように、第2ターンテーブル221が回転する。この第2ターンテーブル221の回転により、第2動作位置にセットされたクリーニングヘッド10と第2ターンテーブル221に吸着固定された枚葉フィルムW2とが相対的に回転し、その過程で、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から動作流速にて噴出するエアが枚葉フィルムW2の表面に吹きつけられ、枚葉フィルムW2の表面の異物が除去される。
上述したように第1ターンテーブル211から異物除去済みの枚葉フィルムW1が排出された(図18参照)後、第2の動作位置にセットされたクリーンヘッド10により回転する第2ターンテーブル221に吸着固定された枚葉フィルムW2の異物除去に係る処理が終了するまでの間の適当なタイミングで、図19に示すように、第1ターンテーブル211に新たな枚葉フィルムW3が投入され、その新たな枚葉フィルムW3が第1ターンテーブル211に吸着固定される。
その後、搬送キャリア20は、図19に示す第1の位置から、図20に示す第2の位置に移動する。このように、搬送キャリア20が第2の位置になると、図20に示すように、第2ターンテーブル221から異物除去済みの枚葉フィルムW2が投入・排出機構によって排出され、所定のケース等に収容される。そして、クリーニングヘッド10は、第1ターンテーブル211の真上に位置し、第1動作位置にセットされる。そして、前述したのと同様に、クリーニングヘッド10によって回転する第1ターンテーブル211に吸着固定された枚葉フィルムW3の表面の異物が除去される。

以後、同様の手順(図16A、図16B、図17、図18、図19、図20参照)に従って、搬送キャリア20が第1の位置と第2の位置とを往復動する過程で、第1ターンテーブル211と第2ターンテーブル221とに交互に投入される枚葉フィルムWに対する異物除去が単一のクリーニングヘッド10によって行われるとともに、第1ターンテーブル211と第2ターンテーブル221とから交互にその異物除去済みの枚葉フィルムWが排出される。
本発明の第3の実施の形態に係る異物除去装置によれば、第1ターンテーブル211と第2ターンテーブル221とに交互に投入される枚葉フィルムWに対する異物除去の処理が単一のクリーニングヘッド10により行われるとともに、第1ターンテーブル211と第2ターンテーブル221とから交互に異物除去済みの枚葉フィルムWが排出されるので、枚葉フィルムWに対する異物除去に係る処理を更に効率的に行うことができる。
そして、第1の実施の形態に係る異物除去装置と同様に、クリーニングヘッド10の噴出スリット112から所定の動作流速にてエアを噴出させた状態であっても、クリーニングヘッド10を第1動作位置(図16A及び図16B参照)及び第2動作位置(図18参照)にセットする際、及びクリーニングヘッド10と枚葉フィルムWとを相対的に回転させる(図17及び図19参照)際のいずれにおいても、噴出スリット112から噴出するエアの枚葉フィルムWの縁線部分に対する影響は小さい。このため、異物除去の効果を低下させることなく、枚葉フィルムWの各ターンテーブル211、221に対する吸引固定の力を大きく設定しなくても、枚葉フィルムWを各ターンテーブル211、221上で安定させた状態でその表面から異物を除去することができる。
なお、この第3の実施の形態における2つの回転機構を設ける構成は、第1の実施の形態に係る異物除去装置に適用したものであったが、第2の実施の形態に係る異物除去装置も適用することができる。
上述した各実施の形態に係る異物除去装置において、枚葉フィルムWを固定してクリーニングヘッド10を往復動させても、あるいは、枚葉フィルムW及びクリーニングヘッド10の双方を往復動させるようにしてもよい。また、同様に、枚葉フィルムWを固定してクリーニングヘッド10を回転させても、あるいは、枚葉フィルムW及びクリーニングヘッド10の双方を回転させるようにしてもよい。
異物対象の枚葉体は、フィルム状のもの(枚葉フィルム)に限定されず、フィルム状のものより厚いシート状のもの(枚葉シート)であっても、シート状のものよりも更に厚い板状のもの(枚葉プレート)であってもよい。
クリーニングヘッド10には少なくとも噴出スリット112が形成されていればよく、複数の噴出スリットが形成されていても、噴出スリットに加えて、1本の吸引スリットだけが形成されていても、更に、吸引スリットが形成されていなくてもよい。また、クリーニングヘッド10において一又複数の噴出スリットと一又は複数の吸引スリットとが形成される場合、それらの配置についても特に限定されない。例えば、上述したクリーニングヘッド10において、2つの噴出スリットにて1つの吸引スリットを挟むように各スリットを形成するようにしてもよい。
噴出スリット112から噴出する流体は、エアに限定されず、他の気体であっても、ガラス基板等の枚葉基板を洗浄する異物除去装置としての洗浄装置等では、水や洗浄液等の液体であってもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
以上、本発明に係る異物除去装置及び異物除去方法は、異物除去の対象となる枚葉体がフィルム状やシート状のものであっても、異物除去の効果を低下させることなく、強い吸着固定の仕組みを要せずに安定させた状態で異物を除去することが可能となるという効果を有し、一枚一枚個別のフィルム、シートあるいは板等の1枚である枚葉体の表面にエア等の流体を吹つけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置及び異物除去方法として有用である。
10 クリーニングヘッド
11 エア噴出室
12 第1エア吸引室
13 第2エア吸引室
111、121、131 貫通孔
112 噴出スリット
122、132 吸引スリット
20 搬送キャリア
21 回転機構
211 ターンテーブル
212 駆動部
30a、30b レール

Claims (10)

  1. 気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドを備え、該クリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置であって、
    前記噴出スリットから噴出する気体の流速が前記動作流速より小さい状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセット機構と、
    前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体を前記動作流速にて噴出させるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向させた状態を維持させつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転機構とを有する異物除去装置。
  2. 前記ヘッドセット機構が前記クリーニングヘッドを前記動作位置にセットする際に、前記噴出スリットから噴出される気体の流速がゼロに設定される請求項1記載の異物除去装置。
  3. 前記ヘッドセット機構は、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを前記枚葉体に対して移動させて前記動作位置にセットする請求項1記載の異物除去装置。
  4. 気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドを備え、該クリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去装置であって、
    前記噴出スリットから前記動作流速にて気体が噴出している状態で、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを前記枚葉体に対して移動させて当該枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセット機構と、
    前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体が前記動作流速にて噴出されるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態を維持しつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転機構とを有する異物除去装置。
  5. 前記ヘッドセット機構は、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を直角に横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを移動させる請求項4記載の異物除去装置。
  6. 前記回転機構は、静止している前記クリーニングヘッドに対して前記枚葉体を回転させる枚葉体回転機構を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の異物除去装置。
  7. 気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去方法であって、
    前記噴出スリットから噴出する気体の流速が前記動作流速より小さい状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセットステップと、
    前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体を前記動作流速にて噴出させるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で、前記クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向させた状態を維持させつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転ステップとを有する異物除去方法。
  8. 前記ヘッドセットステップにおいて、前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされる際に、前記噴出スリットから噴出される気体の流速がゼロに設定される請求項7記載の異物除去方法。
  9. 気体を噴出する所定長の噴出スリット及び所定長の吸引スリットを有するクリーニングヘッドとフィルム状またはシート状の枚葉体とを相対的に移動させながら、前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態で前記噴出スリットから所定の動作流速にて噴出される気体を前記枚葉体の表面に吹きつけて当該枚葉体の表面から異物を除去する異物除去方法であって、
    前記噴出スリットから前記動作流速にて気体が噴出している状態で、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを移動させ、当該クリーニングヘッドを前記枚葉体の表面に対向する所定の動作位置にセットするヘッドセットステップと、
    前記クリーニングヘッドが前記動作位置にセットされた後、前記噴出スリットから気体が前記動作流速にて噴出されるとともに前記吸引スリットを通して気体が吸引される状態を維持しつつ、前記クリーニングヘッドと前記枚葉体とを相対的に回転させる回転ステップとを有する異物除去方法。
  10. 前記ヘッドセットステップは、前記噴出スリットがその一端から順次前記枚葉体の縁線を直角に横切って当該枚葉体に進入する方向に前記クリーニングヘッドを移動させる請求項9記載の異物除去方法。
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