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JP6969621B2 - メラミン樹脂化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、メラミン樹脂化粧板に関する。
メラミン樹脂化粧板は、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性等に優れ、意匠性においても美しい外観を有することから、家具、壁、扉、間仕切り材、車輌の内装等の様々な分野で幅広く使用されている。
このようなメラミン樹脂化粧板に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2011−102014号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、メラミン樹脂と、カルビノール変性シリコーンオイル、及び、シランカップリング剤を必須成分とする樹脂組成物による表面層が形成されてなる払拭性化粧板が開示されている。
特開2011−102014号公報
メラミン樹脂化粧板の各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者は、従来のメラミン樹脂化粧板に関し、使用環境が変化した際に寸法変化が発生し易く、化粧板を壁面に貼り付けた際、化粧板の応力が発生し、壁面から化粧板が剥離するという課題を見出した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、化粧板を施工面に貼り付けた際の寸法安定性に優れたメラミン樹脂化粧板を提供するものである。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、メラミン樹脂化粧板の水蒸気透過係数という尺度が、使用環境が変化した際の寸法変化を抑えるための設計指針として有効であるという知見を得て、本発明を完成させた。
本発明によれば、
メラミン樹脂層と、前記メラミン樹脂層の一方の面に設けられたガスバリア層と、により構成される化粧層を少なくとも備えるメラミン樹脂化粧板であって、
前記ガスバリア層は、当該メラミン樹脂化粧板の意匠面に設けられ、
JISK7129:2008B法に従い、40℃90%RH環境下で測定される、前記化粧層の水蒸気透過度から算出される、水蒸気透過係数が10g・mm/(m・24h)以下であるメラミン樹脂化粧板が提供される。
本発明によれば、施工面に貼り付けた際の寸法安定性に優れたメラミン樹脂化粧板を提供することができる。
本実施形態のメラミン樹脂化粧板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態のメラミン樹脂化粧板の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。なお、文中の数字の間にある「〜」は特に断りがなければ、以上から以下を表す。
図1は、本実施形態のメラミン樹脂化粧板100の構成の一例を示す断面図である。
メラミン樹脂化粧板100は、メラミン樹脂層101と、メラミン樹脂層101の一方の面に設けられたガスバリア層103と、により構成される化粧層110を少なくとも備える。
そして、化粧層110の水蒸気透過係数が10g・mm/(m・24h)以下である。
ここで、水蒸気透過係数は、JISK7129:2008B法に従い、40℃90%RH環境下で測定される。
以下、本実施形態に係るメラミン樹脂化粧板100について詳細に説明する。
メラミン樹脂化粧板100において、化粧層110の水蒸気透過係数は、10g・mm/(m・24h)以下である。これにより、上述のように、メラミン樹脂化粧板100を施工面に貼り付けた際の寸法安定性を向上させることができる。
本発明者の検討によれば、従来のメラミン樹脂化粧板においては、使用環境が変化した際に寸法変化が発生し易いことが明らかになった。化粧板を施工面に貼り付けた際の寸法安定性に優れるメラミン樹脂化粧板を示す指標としては、これまで十分なものがなかった。
本発明者は、化粧層110の水蒸気透過係数を制御することによって、使用環境が変化しても、メラミン樹脂化粧板を施工面に貼り付けた際の寸法変化を抑えることができることを新たに知見した。本実施形態に係るメラミン樹脂化粧板100は、このような知見に基づいて、化粧層110の水蒸気透過係数を10g・mm/(m・24h)以下に制御するものである。これにより、メラミン樹脂化粧板100を施工面に貼り付けた際の寸法安定性を向上させることができる。したがって、使用環境が変化しても、寸法変化に起因して発生する応力を低減でき、化粧板を施工面に貼り付けた際、施工面から化粧板が剥離するのを抑制することができる。また、メラミン樹脂化粧板100を構成する各層間の剥離を抑制することができる。
このようなメラミン樹脂化粧板100が施工面に貼り付けた際の寸法安定性に優れる理由は明らかではないが、化粧層110の水蒸気透過係数が10g・mm/(m・24h)以下であるメラミン樹脂化粧板100は水分の出入りが少なく、使用環境変化に伴う水分吸収及び放出による寸法変化が起き難い構造になっているからだと考えられる。
使用環境が変化した際の寸法安定性をより向上させる観点からは、化粧層110の水蒸気透過係数が6g・mm/(m・24h)以下であることがより好ましい。なお、化粧層110の水蒸気透過係数の下限値は、メラミン樹脂化粧板100の柔軟性の観点から、例えば、0.001g・mm/(m・24h)以上とすることができる。
化粧層110の水蒸気透過係数は、化粧層110を構成する各層の構成成分の種類や各層の形成方法を適切に調節することにより制御することが可能である。本実施形態においては、とくにガスバリア層103の構成成分の種類や形成方法を適切に選択することにより、化粧層110の水蒸気透過係数を調整することができる。
メラミン樹脂化粧板100において、JIS K5600に準拠した鉛筆硬度試験により測定される、化粧層110側の表面硬度は好ましくは5H以上である。これによりメラミン樹脂化粧板100の耐傷付き性をより良好なものとすることができる。
化粧層110側の表面硬度は、化粧層110を構成する各層の構成成分の種類や各層の形成方法を適切に調節することにより制御することが可能である。
メラミン樹脂化粧板100において、100×(X−X)/Xで定義される重量変化率が好ましくは7.0%以下であり、より好ましくは4.0%以下である。
ここで、施工面に貼り付けたメラミン樹脂化粧板100を40℃95%RHの環境下に168時間保管したとき、保管前のメラミン樹脂化粧板100の重量(接着層と被着材の重量は除外)をXとし、保管後のメラミン樹脂化粧板100の重量をX(接着層と被着材の重量は除外)とする。
上記重量変化率が上記上限値以下であると、メラミン樹脂化粧板100において、使用環境に大きな変化が生じても、水分吸収及び放出による寸法変化をより効果的に抑制することができるため、メラミン樹脂化粧板100の寸法変化に起因して発生する応力をより一層低減することができる。その結果、施工面に貼着した際の施工面との剥離を抑制することができ、また、メラミン樹脂化粧板100を構成する各層間の剥離を抑制することができる。
化粧層110の上記重量変化率は、化粧層110を構成する各層の構成成分の種類や各層の形成方法を適切に調節することにより制御することが可能である。本実施形態においては、とくにガスバリア層103の構成成分の種類や形成方法を適切に選択することにより、化粧層110の上記重量変化率を調整することができる。
メラミン樹脂化粧板100は、ロール状に巻回積層されていてもよい。このとき、片面又は両面に支持基材を設け、この支持基材が介在した状態で巻回積層されていてもよい。メラミン樹脂化粧板100をロール状に巻回積層させる方法として、例えば、長尺シート状のメラミン樹脂化粧板100をロール状に巻き取ることで、メラミン樹脂化粧板100をロール状に巻回積層させることができる。
<メラミン樹脂層>
以下、メラミン樹脂層101について説明する。
メラミン樹脂層101はメラミン樹脂を含有する層であり、メラミン樹脂と化粧層基材を含むものが好ましい。これにより、表面に好適な表面硬度を付与することができ、傷の付き難いメラミン樹脂化粧板100を得ることができる。
このようなメラミン樹脂層101としては、例えば、化粧層基材の意匠面となる第一の面側にメラミン樹脂を含有する樹脂層が担持された構造のもの;化粧層基材の意匠面となる第一の面側および意匠面とは反対側の第二の面側の両方にメラミン樹脂を含有する樹脂層が担持された構造のもの;化粧層基材の意匠面となる第一の面側にメラミン樹脂を含有する樹脂層が担持され、意匠面とは反対側の第二の面側に熱可塑性樹脂を含有する樹脂層が担持された構造のもの等が挙げられる。
これらの中でも、メラミン樹脂層101としては、化粧層基材の意匠面となる第一の面側にメラミン樹脂を含有する樹脂層が担持され、意匠面とは反対側の第二の面側に熱可塑性樹脂を含有する樹脂層が担持された構造のものが特に好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、好ましくはアクリル樹脂、ウレタン樹脂等から選択される一種または二種以上である。
これにより、メラミン樹脂化粧板100に柔軟性を付与することができ、メラミン樹脂化粧板100の外曲げ加工性を向上させることができる。
メラミン樹脂層101に用いられる化粧層基材はシート状の基材であり、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、パルプ、リンター、合成繊維、ガラス繊維等を用いることができる。必要に応じて、酸化チタン等の顔料を含有する酸化チタン含有化粧紙等を用いることができる。
メラミン樹脂層101に用いられるメラミン樹脂としては、特に限定されるものではない。例えば、メラミンとホルムアルデヒドを中性又は弱アルカリ性下において反応させて得られるものを用いることができる。
メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比((ホルムアルデヒドのモル量)/(メラミンのモル量)の値であり、以下、単に「反応モル比」ということがある。)は特に限定されるものではないが、好ましくは1.0以上4.0以下、より好ましくは1.0以上2.0以下、さらに好ましくは1.1以上1.8以下である。反応モル比が上記下限値以上であると、未反応成分を低下させることができ、保存性が向上したり、コストを削減できたりする。また、上記上限値以下であると、硬化後の樹脂の柔軟性を向上させることができる。なお、メラミン樹脂としては、1種類を単独で用いることもできるし、反応モル比や重量平均分子量等が異なる2種類以上のメラミン樹脂を併用することもできる。また、メラミン樹脂としては、住友化学(株)製のメラミン樹脂等、市販のものを用いることもできる。
メラミン樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、200以上500以下が好ましく、特に250以上350以下が好ましい。重量平均分子量が上記下限値以上であると、未反応成分を低下させることができ、保存性が向上したり、コストを削減できたりする。また、上記上限値以下であると、化粧層基材への含浸性を向上させることができる。なお、重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
化粧層基材の意匠面となる第一の面側に担持される樹脂層中におけるメラミン樹脂の坦持量については、特に限定されるものではないが、好ましくは80質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは95質量%以上100質量%以下である。メラミン樹脂の含有量が上記下限値以上であると、メラミン樹脂化粧板100の表面硬度や耐汚染性をより効果的に向上させることができる。
メラミン樹脂を含有する樹脂層を化粧層基材の第一の面側または第二の面側に担持させる方法としては、特に限定されるものではない。メラミン樹脂を溶剤に溶解した樹脂ワニスを、例えば、スプレー装置、シャワー装置、キスコーター、コンマコーター等の公知の装置を用いて、化粧層基材に塗工した後、80℃以上130℃以下程度で加熱乾燥する方法等が挙げられる。
メラミン樹脂を溶解する溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール等が挙げられる。中でも水が好ましい。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。樹脂ワニスの固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されるものではないが、樹脂ワニスの30質量%以上70質量%以下が好ましく、特に45質量%以上60質量%以下が好ましい。これにより、樹脂ワニスの化粧層基材への含浸性を向上できる。
メラミン樹脂層101は、化粧層基材の意匠面と反対側である第二の面側に、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層が設けられていることが好ましい。
熱可塑性樹脂は、金属や各種素材との接着特性を有し、メラミン樹脂化粧板100に柔軟性を付与することができる。よって、第二の面側に、熱可塑性樹脂を担持することにより、メラミン樹脂層101と後述する基材層120との接着強度を向上させることができるとともに、メラミン樹脂化粧板100の曲げ加工性を向上させる効果を得ることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル系共重合体、ウレタンアクリル複合粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)等が挙げられる。これらの中でもウレタンアクリル複合粒子が好ましい。熱可塑性樹脂としては、これらの中の1種類が単独で含まれるもの用いることもできるし、異なる2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して含むものを用いることもできる。
熱可塑性樹脂は、これらの中でもアクリル樹脂およびウレタン樹脂を含むことが好ましい。
本実施形態において、熱可塑性樹脂を用いることで、後述する基材層120との良好な接着強度を発現することができる。さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。
本実施形態において、ウレタンアクリル複合粒子とは、単一粒子内にアクリル樹脂とウレタン樹脂との異相構造を有するものを意味する。ウレタン樹脂とアクリル樹脂とは、各々が基材層120との接着強度が高いため、ウレタンアクリル複合粒子を用いることで、基材層120とのより一層良好な接着強度を発現することができる。
さらに、ウレタン樹脂は、特に強靭性、弾性、柔軟性に優れ、アクリル樹脂は、特に透明性、耐久性、耐候性、耐薬品性、造膜性に優れる。また、本実施形態において「異相構造」とは、1個の粒子内に異なる種類の樹脂からなる相が複数存在する構造を意味し、例えば、コアシェル構造、局在構造、海島構造等が挙げられる。
また、ウレタンアクリル複合粒子が、化粧層基材の第二の面側に担持された時の粒子間の配列状態は、特に限定されるものではないが、例えば、直鎖構造等が挙げられる。粒子の構造及び粒子間の配列状態は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により確認することができる。
これらの中でも、ウレタンアクリル複合粒子は、アクリル成分をコアとし、ウレタン成分をシェルとするコアシェル構造を有するタイプであることが特に好ましい。ウレタンアクリル複合粒子が上記コアシェル構造であると、化粧層基材の第二の面側に担持させたときに、表面外郭がウレタン組成となるので、化粧層基材の第二の面側は、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂の両方の特性を有しつつ、外郭にウレタン樹脂の特性が付与される。
また、熱可塑性樹脂を含有する樹脂層には、上記熱可塑性樹脂以外にも、必要に応じて少量の増粘剤、浸透促進剤、消泡剤等を含んでいてもよい。
熱可塑性樹脂は、平均粒径が30nm以上100nm以下の熱可塑性樹脂エマルジョン樹脂粒子を含むことが好ましく、熱可塑性樹脂エマルジョン樹脂粒子の平均粒径は、60nm以上90nm以下であることが特に好ましい。これにより、化粧層基材の繊維間への坦持(含浸)性が向上し、より化粧層基材の内部に坦持(含浸)させることができるため、メラミン樹脂化粧板100に良好な柔軟性を付与することができる。
熱可塑性樹脂を含有する樹脂層を化粧層基材の第二の面側に担持させる方法としては、特に限定されるものではなく、メラミン樹脂を含有する樹脂層を化粧層基材の第一の面側または第二の面側に担持させる上述の方法と同様にして行うことができる。つまり、溶剤に溶解または分散された熱可塑性樹脂を塗工、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
熱可塑性樹脂に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水等が挙げられる。また、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。熱可塑性樹脂溶液の固形分(溶剤を除く全成分)は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂溶液の25質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上45質量%以下が特に好ましい。これにより、熱可塑性樹脂溶液の化粧層基材への坦持(含浸)性を向上できる。
メラミン樹脂層101中における樹脂層(すなわち化粧層基材以外の成分)の含有率としては特に限定されるものではないが、固形分換算で、例えば40質量%以上60質量%以下とすることができる。
メラミン樹脂層101の厚みは、例えば、0.05mm以上0.5mm以下とすることができる。
<ガスバリア層>
ガスバリア層103はメラミン樹脂層101よりもガスバリア性に優れている。これにより化粧層110の水蒸気透過係数を低下させることができる。
ガスバリア層103を構成する材料としては、例えば、バリア性を有する薄膜を形成できる金属、金属酸化物等が挙げられ、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、アルミニウム等から選択される一種または二種以上が好ましい。これによりメラミン樹脂化粧板100の耐摩耗性や耐擦傷性を維持しながら化粧層110の水蒸気透過係数を効果的に低下させることができる。
なお、酸化ケイ素には、二酸化ケイ素の他、一酸化ケイ素、亜酸化ケイ素が含有されていてもよい。
また、ガスバリア層103を構成する材料としては、例えば、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、アクリル酸系樹脂等により構成されたガスバリア性樹脂層を用いることもできる。
さらに、酸化ケイ素などの無機成分とシリコーン樹脂などの有機成分とを併用することもできる。
ガスバリア層103としては、酸化ケイ素を含むものが特に好ましい。これによりメラミン樹脂化粧板100の耐摩耗性や耐擦傷性をより一層良好なものとしつつ、化粧層110の水蒸気透過係数をより効果的に低下させることができる。
酸化ケイ素を含むガスバリア層103は、例えば、ゾルゲルプロセスや、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の真空プロセス等により形成することができる。
ガスバリア層103としては、シロキサン骨格を有するガラス質膜を含むことが特に好ましい。これによりメラミン樹脂化粧板100の耐摩耗性や耐擦傷性をより一層良好なものとしつつ、化粧層110の水蒸気透過係数をより効果的に低下させることができる。
シロキサン骨格を有するガラス質膜は、例えば、ガラスコーティング材により形成することができる。
本実施形態においては、例えば、ガラスコーティング材によりガラス質膜を形成し、さらにガラス質膜を養生してガラス質膜を含む層に対しエージングを行うこと等が、化粧層110の上記水蒸気透過係数および化粧層110の上記重量変化率を制御するための因子として挙げられる。
シロキサン骨格を有するガラス質膜を含むガスバリア層103は、例えば、次のようにして作製することができる。
まず、ガラスコーティング材をメラミン樹脂層の意匠面側に塗布し、乾燥する。
次いで、塗布したガラス質膜を養生し、エージングを行う。これにより、得られるメラミン樹脂化粧板100について、化粧層110の上記水蒸気透過係数および化粧層110の上記重量変化率を低下させることができる。これは、エージングによってガラス質膜の緻密性が向上すること等が要因として推定される。エージングは、例えば、20〜60℃、5日間〜50日間の条件により行うことができる。
ガラスコーティング材としては、例えば、墨東化成工業株式会社製のシラグシタール(商標)や、トクヤマ社製のTS−56等を用いることができる。
ガスバリア層103は単層のガスバリア層から構成されていてもよいし、複数のガスバリア層から構成されていてもよい。また、ガスバリア層103が複数のガスバリア層から構成されている場合には同一種類のガスバリア層から構成されていてもよいし、異なった種類のガスバリア層から構成されていてもよい。
ガスバリア層103の厚さは、バリア性や、接着性、耐摩耗性、耐擦傷性、取扱い性等のバランスの観点から、0.001μm以上100μm以下が好ましく、0.01μm以上50μm以下がより好ましい。
<基材層>
本実施形態のメラミン樹脂化粧板100は、図2に示すように、メラミン樹脂層101のガスバリア層103とは反対側の面に基材層120をさらに設けることが好ましい。
基材層120としては特に限定されるものではないが、例えば、繊維基材、プリプレグ、金属層から選択される一種または二種以上が挙げられる。
これにより、耐熱性、不燃性、剛性、取扱性などの様々な機能を付与することができる。
また、基材層120を1層又は2層以上の構成として用いることができるが、1層であることが好ましい。これにより、メラミン樹脂層101と基材層120との層間接着強度や化粧板の反りをコントロールしやすくなる。
(繊維基材)
基材層120に用いられる繊維基材の材質については、特に限定されるものではなく、例えば、天然繊維、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、無機繊維等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリベンゾオキサゾール樹脂繊維、ポリアミド樹脂繊維、芳香族ポリアミド樹脂繊維、全芳香族ポリアミド(アラミド)樹脂繊維等のポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、芳香族ポリエステル樹脂繊維、全芳香族ポリエステル樹脂繊維等のポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、フッ素樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維(ステンレス繊維)等を挙げることができる。これにより、メラミン樹脂化粧板100の吸湿性を低減することができる。これらの中でも、不燃性、強度、低吸湿性等の観点からガラス繊維基材を用いることが特に好ましい。
ガラス繊維基材としては、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス繊維織布、ガラス繊維不織布等が挙げられる。中でも不燃性、強度の点からガラス繊維織布(ガラスクロス)が好ましい。また、ガラス繊維織布を構成するガラスの材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもTガラスが好ましい。これにより、ガラス織布の熱膨張係数を小さくすることができ、メラミン樹脂化粧板100の環境影響を受けた後における反りの発生を抑制する効果を得ることができる。
繊維基材の重量は、特に限定されるものではないが、建築基準法第二条第9号の不燃性適合要件である「燃焼後の亀裂・貫通があってはならない」を満たす必要がある場合には、坪量100g/m以上とすることが好ましい。また、重量の上限は特に制約を必要としないが、材料コストと加工性の面から坪量250g/m以下が好ましい。
(プリプレグ)
本実施形態におけるプリプレグは、繊維基材に熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、フィラー等を含有する樹脂組成物を担持したシート状の材料である。樹脂組成物としては、メラミン樹脂層101と基材層120との層間接着強度が、メラミン樹脂化粧板100を形成するために十分であれば、特に限定されるものではない。繊維基材としては、例えば、基材層120に用いられる上記繊維基材と同様のものを挙げることができる。
繊維基材に坦持する樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱可塑性樹脂をプリプレグ全体に対して0.1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下含有することが特に好ましい。これにより、メラミン樹脂層101と基材層120との層間接着強度を向上させることができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。中でもアクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、アクリル樹脂とウレタン樹脂とを含有することが特に好ましい。
繊維基材に坦持する樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化性樹脂をプリプレグ全体に対して0.1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下含有することが特に好ましい。これにより、メラミン樹脂化粧板100における高い不燃性と曲げ加工性を低下させることなく、メラミン樹脂層101と基材層120との層間接着強度を向上させることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ユリア樹脂、マレイミド樹脂等が挙げられ、中でも、不燃性、耐熱性、密着性の観点からフェノール樹脂が好ましい。
繊維基材に樹脂組成物を担持させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶剤に溶解した樹脂を繊維基材に塗工し、加熱乾燥する方法等が挙げられる。
樹脂の溶解に用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール等が挙げられる。樹脂を5〜14倍で希釈し、ワニス固形分を3質量%以上10質量%以下で調整した塗布液を塗工する方法等が挙げられる。これにより、樹脂の繊維基材への坦持(含浸)性を向上させることができる。
基材層120の厚みは、0.01mm以上であることが好ましい。これにより、メラミン樹脂化粧板100の耐熱性、不燃性を向上させる効果を得ることができる。
また、厚みの上限については、特に限定されるものではないが、厚みが大きいほどメラミン樹脂化粧板100の厚みと重量が増大するとともに、コストも嵩むため、最終的な製品における設計上、許容される範囲で設定することが好ましく、0.35mm以下にすることが好ましい。
(金属層)
金属層を構成する金属材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上の金属の合金を用いることもできる。これらの中でも、汎用性、経時安定性、価格等の点から、アルミニウムが好ましい。また、金属層の形態としては、金属板、金属箔等を用いることができる。
金属層の厚みは、特に限定されるものではないが、メラミン樹脂化粧板100の耐熱性、不燃性、剛性、柔軟性、取扱性等の観点から、0.01mm〜3mmが好ましく、0.02〜2mmであることがより好ましい。
<化粧層>
化粧層110は、上述したメラミン樹脂層101及びガスバリア層103を有するものである。例えば、メラミン樹脂層101上にガスバリア層103を形成することにより得られる。
<メラミン樹脂金属化粧板の製造方法>
メラミン樹脂化粧板100の製造方法は、特に限定されないが、例えば、化粧層110と基材層120とを積層した後、温度130〜150℃、圧力1〜10MPa、時間3〜120分間程度で加熱加圧して成形する方法が挙げられる。また、加熱加圧による成形の際に、メラミン樹脂化粧板100の意匠面側に、鏡面仕上げ板を重ねることにより鏡面仕上げとすることができ、エンボス板又はエンボスフィルム等を重ねることによりエンボス仕上げとすることができる。
また、基材層120として金属層を用いる場合、接着剤を介してメラミン樹脂層101または他の基材層120を金属層に接着することが好ましい。例えば、液状又は半固形状の接着剤を金属層上に塗布した後、コールドプレス、あるいはロールプレスにて0.1〜0.5MPaで圧着する方法や、フィルム状の接着剤を金属層上に貼り付けた後、ホットプレスにて0.1〜0.5MPaで圧着する方法等が挙げられる。
液状又は半固形状の接着剤を金属層上に塗布する方法としては、特に限定するものではないが、加温可能なロールコータによって行われることが好ましい。
なお、接着強度を向上させるため、金属層の被接着面に、予め、プライマー処理、金属層腐食処理、サンディング処理等を行ってもよい。
上記接着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、合成ゴム系接着剤、エチレン酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ポリアミド系接着剤等が挙げられる。これにより、メラミン樹脂層101または他の基材層120と、金属層との接着強度を向上させることができる。
これらの接着剤の中でも、ウレタン樹脂系接着剤が好ましい。これにより、メラミン樹脂化粧板100に柔軟性を付与することができ、メラミン樹脂化粧板100の外曲げ加工性を向上させることができる。
また、接着剤の性状については、特に限定されるものではなく、例えは、液状のもの、半固形状のもの、フィルム状のもの等を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、実施形態の例を付記する。
1. メラミン樹脂層と、前記メラミン樹脂層の一方の面に設けられたガスバリア層と、により構成される化粧層を少なくとも備えるメラミン樹脂化粧板であって、
JISK7129:2008B法に従い、40℃90%RH環境下で測定される、前記化粧層の水蒸気透過係数が10g・mm/(m2・24h)以下であるメラミン樹脂化粧板。
2. 1.に記載のメラミン樹脂化粧板において、
JIS K5600に準拠した鉛筆硬度試験により測定される、前記化粧層側の表面硬度が5H以上であるメラミン樹脂化粧板。
3. 1.または2.に記載のメラミン樹脂化粧板において、
前記メラミン樹脂層はメラミン樹脂と化粧層基材を含むメラミン樹脂化粧板。
4. 1.乃至3.いずれかに記載のメラミン樹脂化粧板において、
当該メラミン樹脂化粧板を40℃95%RHの環境下に168時間保管したとき、
前記保管前の当該メラミン樹脂化粧板の重量をX1とし、
前記保管後の当該メラミン樹脂化粧板の重量をX2としたとき、
100×(X2−X1)/X1で定義される重量変化率が7.0%以下である、メラミン樹脂化粧板。
5. 1.乃至4.いずれかに記載のメラミン樹脂化粧板において、
前記メラミン樹脂層の他方の面に基材層がさらに設けられた、メラミン樹脂化粧板。
6. 5.に記載のメラミン樹脂化粧板において、
前記基材層が繊維基材、プリプレグ、および金属層から選択される一種または二種以上であるメラミン樹脂化粧板。
7. 1.乃至6.いずれかに記載のメラミン樹脂化粧板において、
前記ガスバリア層がシロキサン骨格を有するガラス質膜を含むメラミン樹脂化粧板。
8. 1.乃至7.いずれかに記載のメラミン樹脂化粧板において、
ロール状であるメラミン樹脂化粧板。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.メラミン樹脂化粧板の製造
(実施例1)
化粧層基材として坪量80g/mの酸化チタン含有化粧紙(大日本印刷(株)製)を用い、上記酸化チタン含有化粧紙の第2の面側に、ウレタンアクリル複合粒子のエマルジョン(ジャパンコーティングレジン社製「SU−100」、平均粒径:84nm、分散媒:水)を固形分で40g/mとなるように塗工し、続いて上記化粧紙の第1の面側(意匠面側)に、メラミン樹脂を含むワニス(メラミンに対するホルムアルデヒドの反応モル比1.4、樹脂固形分50質量%)を50g/mとなる様に塗工した後、120℃の熱風乾燥機にて90秒乾燥し、樹脂層(すなわち化粧層基材以外の成分)の含有率が53質量%、揮発分3%のメラミン樹脂層を得た。
なお、上記メラミン樹脂は以下の方法により合成した。まず、反応釜に原料メラミンとホルマリンを所定配合比率で仕込み、触媒添加した。その後、沸点まで昇温して還流反応し、メラミン溶解が完了したことを確認した。次いで、反応終点に達したら脱水処理にて樹脂固形分を調整し冷却した。
上記メラミン樹脂層の意匠面側に、ガラスコーティング材((株)トクヤマ製、TS−56、プラスチックレンズ用ハードコート液)を、ガスバリア層の厚さが4μmとなるように塗布・乾燥した。塗布・乾燥は、バーコート法により面内が均一な厚みとなるように塗布し、60℃5分間乾燥させた。その後、40℃で10日間養生(エージング)し、化粧層1を作製した。
得られた化粧層1の第2の面側に、基材層として厚み0.2mmのガラスクロス(南亜プラスチック社製「WEA7628」を積層し、140℃、2MPaの条件で40分間加熱加圧成形して、厚さ0.3mmのメラミン樹脂化粧板を得た。
(実施例2)
ガスバリア層の厚さが0.1μmとなるように塗布・乾燥した以外は、実施例1と同様の方法により、化粧層2を作製し、メラミン樹脂化粧板を得た。
(実施例3)
ガスバリア層の厚さ20μmとなるように塗布・乾燥した以外は、実施例1と同様の方法により、化粧層3を作製し、メラミン樹脂化粧板を得た。
(実施例4)
ガラスコーティング材(墨東化成工業(株)製、シラグシタール(商標))を、ガスバリア層の厚さが4μmとなるように塗布・乾燥し、その後、20℃で30日間養生(エージング)した以外は、実施例1と同様の方法により、化粧層4を作製し、メラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例1)
ガスバリア層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により、化粧層5を作製し、メラミン樹脂化粧板を得た。
(比較例2)
ガスバリア層を設ける際の養生をしなかったこと以外は、実施例2と同様の方法により、化粧層6を作製し、メラミン樹脂化粧板を得た。
2.試験方法
(1)水蒸気透過係数
水蒸気透過係数を測定するための化粧板は、基材層を積層させず、化粧層のみを140℃、2MPaの条件で40分間加熱加圧して、メラミン樹脂化粧板を得た。
得られた化粧板について、水蒸気透過係数を測定した。なお、水蒸気透過係数の測定は、JIS K7129:2008B法に従い、40℃90%RH環境下で測定した。
○:10g・mm/(m・24h)以下
×:10g・mm/(m・24h)超過
(2)重量変化率
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板を20mm角に切り出し、23℃50%RH環境下で168時間静置後に、メラミン樹脂化粧板の初期重量Xを測定した。
初期重量Xを測定後、基材層に両面粘着シート(コニシ社製)を貼着し、次に、アルミニウム板(厚さ1mm)を積層させ、試験片を作製した。試験片の重量Yを測定して、Y−Xより、両面粘着シート及びアルミニウム板の重量Zを算出した。
次に、試験片を40℃95%RH環境下で168時間静置後、試験片の重量Yを測定し、Y−Zより、メラミン樹脂化粧板の高湿環境保管後重量Xを測定した。100×(X−X)/Xで定義される重量変化率を算出した。
○:7.0%以下
×:7.0%超過
(3)外観(白化・濁り)
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板の意匠面を色々な角度から目視で観察し、以下の基準で評価を実施した。
○: 白化・濁りは見られない
×: 白化・濁りが見られる
(4)密着性
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板の意匠面に、セロハンテープ(ニチバン社製、商品名「セロテープ(産業用、「セロテープ」は登録商標) No.405 18mm×35m」)を貼り付け、貼り付けた箇所をしっかりと指で擦り付けた(テープを通して見られる色が均一に変化していることを確認した)。貼り付け後、5分以内に、60度の方向へ勢いよく引き剥がし、以下の基準で評価を実施した。
○: 剥離なし
×: 剥離あり
(5)鉛筆硬度
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板をJIS K5600に準拠した鉛筆硬度試験により評価を行った。
○: 硬度が5H以上
×: 硬度が4H以下
(6)耐熱性
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板をJIS K6902の耐熱性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、膨れ、剥離、クラック等異常の有無を確認した。
○: なし
×: あり
(7)耐熱水性
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板をJIS K6902の耐熱水性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、膨れ、白化の有無を確認した。
○: なし
×: あり
(8)耐汚染性
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板をJIS K6902の耐汚染性試験に準拠した方法で処理を行い、試験後に、表面の汚染材料残りの有無を確認した。
○:なし
×:あり
(9)信頼性試験
各実施例および各比較例のメラミン樹脂化粧板(1220mm幅×2420mm長)の基材層に、両面粘着シート(コニシ社製)を貼着し、次に、プライマー処理したプラスターボードに貼着して、試験片を作製した。
作製した試験片を、環境試験機に投入し、40℃95%RH環境下で24時間→40℃20%RH環境下で24時間を1サイクルとして、計10サイクル実施後、23℃50%RH環境下で24時間静置し、その後、浮きや剥離の有無を確認した。
○:浮きや剥離なし
×:浮きや剥離あり
上記試験の結果を表1に示す。
Figure 0006969621
100 メラミン樹脂化粧板
101 メラミン樹脂層
103 ガスバリア層
110 化粧層
120 基材層

Claims (7)

  1. メラミン樹脂層と、前記メラミン樹脂層の一方の面に設けられたガスバリア層と、により構成される化粧層を少なくとも備えるメラミン樹脂化粧板であって、
    前記ガスバリア層は、当該メラミン樹脂化粧板の意匠面に設けられ、
    JISK7129:2008B法に従い、40℃90%RH環境下で測定される、前記化粧層の水蒸気透過度から算出される、水蒸気透過係数が10g・mm/(m・24h)以下であるメラミン樹脂化粧板。
  2. 請求項1に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    JIS K5600に準拠した鉛筆硬度試験により測定される、前記化粧層の前記ガスバリア層表面側から測定した場合の表面硬度が5H以上であるメラミン樹脂化粧板。
  3. 請求項1または2に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    前記メラミン樹脂層はメラミン樹脂と化粧層基材を含むメラミン樹脂化粧板。
  4. 請求項3に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    前記化粧層基材が厚み0.2mmのガラスクロスであり、当該メラミン樹脂化粧板を40℃95%RHの環境下に168時間保管したとき、
    前記保管前の当該メラミン樹脂化粧板の重量をX1とし、
    前記保管後の当該メラミン樹脂化粧板の重量をX2としたとき、
    100×(X2−X1)/X1で定義される重量変化率が7.0%以下である、メラミン樹脂化粧板。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    前記メラミン樹脂層の他方の面に基材層がさらに設けられた、メラミン樹脂化粧板。
  6. 請求項5に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    前記基材層が繊維基材、プリプレグ、および金属層から選択される一種または二種以上であるメラミン樹脂化粧板。
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のメラミン樹脂化粧板において、
    前記ガスバリア層がシロキサン骨格を有するガラス質膜を含むメラミン樹脂化粧板。
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