JP6957136B2 - 洗濯用殺菌洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
次亜塩素酸ナトリウムは腐食性が高く、繊維を傷めるおそれがあり、また、過酢酸はきわめて強力な消毒剤であり、細菌芽胞に対しても幅広く有効ではあるが、刺激臭や皮膚刺激性などの問題があり人体には適さないため、取扱いには注意が必要である。
また、1重量%を超える高濃度の第4級アンモニウム塩を含む組成物を用いて、30℃〜80℃で表面を処理することにより、枯草菌およびスポロゲネス菌の芽胞を減少させ得ること(特許文献3)や、ダイマー型ビス第4級アンモニウム塩の溶液を加温または超音波照射しながら接触させる細菌芽胞の殺菌方法(特許文献4)も開示されている。
また、特許文献3または特許文献4に記載された処理または殺菌方法は、加温や超音波処理を加えることを要し、多量の衣類やリネン類を処理する業務用洗濯に用いるには、効率のよい方法であるとはいいがたい。
そこで、本発明は、次亜塩素酸ナトリウムや過酢酸などの酸化物を用いることなく、細菌芽胞に対し優れた殺菌効果を有し、安全性および取扱い性に優れる洗濯用殺菌洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
そして、洗浄剤成分として、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を用いた場合に、上記殺菌剤成分の殺菌活性および安定性に対する影響が少なく、かつ洗浄力にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]式(1)で示されるポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、アルカリ剤、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上を含有し、組成物のpHが12.5以上である、洗濯用殺菌洗浄剤組成物。
[2]ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上が、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよびその塩からなる群より選択される1種または2種以上である、上記[1]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[3]さらに、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上を含有する、上記[1]または[2]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[4]さらに、アルコールの1種または2種以上を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[5]アルコールの1種または2種以上が、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールからなる群より選択される1種または2種以上である、上記[4]に記載の殺菌洗浄剤組成物。
[6]非イオン界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシドおよびアシルグルカミドからなる群より選択される、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[7]両性界面活性剤が、アルキルベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型界面活性剤、アルキルスルホベタイン型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤およびアルキルアミンオキシド型界面活性剤からなる群より選択される、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
[8]細菌芽胞を対象とする、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の殺菌洗浄剤組成物。
なお、上記アルカリ剤としては、各社より提供されている市販の製品を使用することができる。
かかる本発明の組成物では殺菌効果が向上し、5〜10分間の短時間の処理で、細菌芽胞に対しても有効な殺菌効果を発揮し得る。
炭素数1〜18程度のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(パルミチル)、オクタデシル(ステアリル)等の直鎖状のアルキル基、2−プロピル(イソプロピル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、2−メチルプロピル(イソブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、3−メチルブチル(イソペンチル)、4−メチルペンチル(イソヘキシル)、1−メチルヘプチル(sec−オクチル)、6−メチルヘプチル(イソオクチル)、1,1−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、1−メチルトリデシル、12−メチルトリデシル(イソミリスチル)、1−メチルペンタデシル、14−メチルペンダデシル(イソパルミチル)、1−メチルヘプタデシル、16−メチルヘプタデシル(イソステアリル)等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、前記アルキル基には、アミノ基、アルキルアミノ基、アルカロイルアルキルアミノ基、フェニルカルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、またはアルキルフェノキシ基により置換されたアルコキシ基等により置換されたものも含まれる。
また、炭素数6〜12程度のアリール基としては、フェニル、メチルフェニル(トリル)、ナフチル等が挙げられ、炭素数7〜12程度のアラルキル基としては、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル(フェネチル)等が挙げられる。
ハロゲンイオンとしては、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等が挙げられる。無機酸イオンとしては、塩酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等が挙げられる。有機酸イオンとしては、メチル硫酸イオン等の炭素数1〜3程度のアルキル硫酸エステルイオン;酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、カプロン酸イオン等の炭素数2〜6程度のモノカルボン酸イオン;乳酸イオン、リンゴ酸イオン、クエン酸イオン等の炭素数3〜6程度のヒドロキシカルボン酸イオン;シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸イオン、フマル酸イオン、マレイン酸イオン、アジピン酸イオン等の炭素数2〜6程度のジカルボン酸イオンなどが挙げられる。
これらのうち、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸エステルイオン、ジカルボン酸イオンが好ましく、塩素イオン、臭素イオン、アジピン酸イオンが特に好ましい。
また、上記式(3)において、A2 −で示される無機または有機の陰イオンとしては、上記式(2)においてA1 −で示される陰イオンと同様のハロゲンイオン、無機酸イオン、有機酸イオン等が挙げられ、ハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキル硫酸エステルイオン、ジカルボン酸イオンが好ましく、塩素イオン、臭素イオン、アジピン酸イオンが特に好ましい。
好適な第4級アンモニウム塩としては、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルベンゼトニウム、臭化セトリモニウム、臭化ドミフェン、塩化ドファニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム等が挙げられ、これらの中でも、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウムがより好ましく、塩化ジデシルジメチルアンモニウムが特に好ましい。
炭素数5〜10の直鎖または分岐鎖一価アルカノールとしては、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール等が挙げられ、炭素数5〜8の直鎖一価アルカノールがより好ましく、炭素数5〜7の直鎖一価アルカノールが特に好ましい。
炭素数5〜10のアルカンジオールとしては、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール等、炭素数5〜10の1,2−アルカンジオールがより好ましい。
細菌芽胞に対する殺菌効果の観点からは、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールが好ましく、炭素数5〜7の一価アルカノール、モノテルペンアルコール、およびフェニル基またはフェノキシ基により置換された炭素数が1〜3のアルカノールがより好ましく、2−フェニルエタノール、2−フェニル−1−プロパノール、3−フェニル−1−プロパノール、2−フェノキシエタノール等がさらに好ましく、2−フェニルエタノールおよび3−フェニル−1−プロパノールが最も好ましい。
また、上記したような非イオン界面活性剤および両性界面活性剤は、自体公知の製造方法により調製して用いてもよいが、各社より洗浄剤成分として市販されている製品を用いることができる。
本発明の組成物のpHが12.5以上であれば、60分程度の処理時間で、細菌芽胞に対して有効な殺菌効果が認められ、効率的に衣類やリネン類の殺菌、洗浄を行うことができる。
また、本発明の組成物のpHは14以下であり、組成物の安定性の観点からは、13.5以下であることが好ましい。
本発明の組成物が、後述するペースト状等の高粘性の形態で提供される場合や、ゲル状等の固形状の形態で提供される場合には、たとえば25℃にて、pHメーターの電極を直接試料に刺すまたは押し当てて測定される。また、本発明の組成物が、粉末状、顆粒状等の形態で提供される場合には、たとえば該組成物を一般的な使用濃度で精製水に懸濁し、25℃で測定される。
さらに、着色、着香等を目的として、色素、香料等を用いることもできる。
液状の本発明の組成物は、上記したポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上ならびにアルカリ剤、あるいはさらに第4級アンモニウム塩および/またはアルコールと、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上とを、溶媒に溶解または懸濁させ、必要に応じて上記した一般的な添加成分を加えて調製することができ、計量キャップ付きボトル、トリガータイプのスプレー容器、スクイズタイプもしくはディスペンサータイプのポンプスプレー容器等に充填して、提供され得る。
溶媒としては、水(たとえば、蒸留水、脱イオン水等の精製水等);炭素数2〜4程度の低級アルコール(たとえば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、炭素数2〜4程度の多価アルコール(たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール等)等の有機溶媒を用いることができるが、繊維に対する腐食性等の取扱い性および経済性等を考慮すると、水または水と前記有機溶媒との混合物を用いることが好ましい。
芽胞形成細菌としては、バチルス アンスラシス(Bacillus anthracis)(炭疽菌)、バチルス セレウス(Bacillus cereus)(セレウス菌)、バチルス ズブチリス(Bacillus subtilis)(枯草菌)、バチルス コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス シュードマイコイデス(Bacillus pseudomycoides)等のバチルス(Bacillus)属に属する細菌、アリサイクロバチルス アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)、アリサイクロバチルス アシドフィルス(Alicyclobacillus acidiphilus)、アリサイクロバチルス ハーバリウス(Alicyclobacillus herbarius)等のアリサイクロバチルス(Alicyclobacillus)属に属する細菌、ブレビバチルス コシネンシス(Brevibacillus choshinensis)等のブレビバチルス(Brevibacillus)属に属する細菌、ゲオバチルス サーモデニトリフィカンス(Geobacillus thermodenitrificans)、ゲオバチルス カルドキシロシリティカス(Geobacillus caldoxylosilyticus)、ゲオバチルス ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)等のゲオバチルス(Geobacillus)属に属する細菌、パエニバチルス ボルテックス(Paenibacillus vortex)、パエニバチルス フクイネンシス(Paenibacillus fukuinensis)等のパエニバチルス(Paenibacillus)属に属する細菌、スポロラクトバチルス イヌリナス(Sporolactobacillus inulinus)、スポロラクトバチルス ラエビス(Sporolactobacillus laevis)等のスポロラクトバチルス(Sporolactobacillus)属に属する細菌、クロストリジウム テタニ(Clostridium tetani)(破傷風菌)、クロストリジウム ボツリヌム(Clostridium botulinum)(ボツリヌス菌)、クロストリジウム パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)(ウェルシュ菌)、クロストリジウム ノビィ(Clostridium novyi)、クロストリジウム セプティクム(Clostridium septicum)(ガス壊疽菌群)、クロストリジウム ディフィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム サーモセラム (Clostridium thermocellum )、クロストリジウム ブチリカム (Clostridium butyricum )、クロストリジウム アセトブチリクム (Clostridium acetobutylicum )等のクロストリジウム(Clostridium)属に属する細菌、デスルフォトマキュラム ニグリフィカンス(Desulfotomaculum nigrificans)、デスルフォトマキュラム サーモアセトキシダンス(Desulfotomaculum thermoacetoxidans)、デスルフォトマキュラム サーモベンゾイカム subsp. サーモベンゾイカム(Desulfotomaculum thermobenzoicum subsp. thermobenzoicum)、デスルフォトマキュラム サーモベンゾイカム subsp. サーモシントロフィカム(Desulfotomaculum thermobenzoicum subsp. thermosyntrophicum)、デスルフォトマキュラム サーモシステルナム(Desulfotomaculum thermocisternum)、デスルフォトマキュラム サーモサポボランス(Desulfotomaculum thermosapovorans)、デスルフォトマキュラム サーモサブテラネウム(Desulfotomaculum thermosubterraneum)等のデスルフォトマキュラム(Desulfotomaculum)属に属する細菌、ムーレラ サーモアセティカ(Moorella thermoacetica)、ムーレラ グリセリネ(Moorella glycerine)、ムーレラ ムルデリ(Moorella mulderi)、ムーレラ サーモオートトロフィカ(Moorella thermoautotrophica)等のムーレラ(Moorella)属に属する細菌、サーモアネロバクター マスラニイ(Thermoanaerobacter mathranii)、サーモアネロバクター アセトエチリカス(Thermoanaerobacter acetoethylicus)、サーモアネロバクター ブロキイ(Thermoanaerobacter brockii)、サーモアネロバクター セルロリティカス(Thermoanaerobacter cellulolyticus)、サーモアネロバクター エタノリカス(Thermoanaerobacter ethanolicus)、サーモアネロバクター イタリカス(Thermoanaerobacter italicus)、サーモアネロバクター キブイ(Thermoanaerobacter kivui)、サーモアネロバクター シデロフィラス(Thermoanaerobacter siderophilus)、サーモアネロバクター スルフロフィラス(Thermoanaerobacter sulfurophilus)、サーモアネロバクター サーモコプリエ(Thermoanaerobacter thermocopriae)、サーモアネロバクター サーモヒドロスルフリカス(Thermoanaerobacter thermohydrosulfuricus)、サーモアネロバクター ウィエジェリイ(Thermoanaerobacter wiegelii)等のサーモアネロバクター(Thermoanaerobacter)属に属する細菌等が挙げられる。
本発明の組成物は、これらの栄養型細胞のみならず、芽胞に対しても良好な殺菌効果を示す。
本発明の組成物が液状の組成物である場合は、衣類またはリネン類の洗浄および殺菌処理における取扱い性、効率等を考慮すれば、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上、ならびに、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤からなる群より選択される1種または2種以上等の各成分を、それぞれ最終濃度の10倍以上の濃度で含有する濃縮された組成物を調製し、使用時に水等により希釈して用いることが好ましい。
かかる濃縮された組成物については、安定性等の観点から、アルカリ剤以外の成分を含有する組成物と、アルカリ剤を含有する組成物とを別々に調製し、使用時に混合して用いることが好ましい。
また、本発明の組成物による衣類またはリネン類の処理時間は比較的短時間でよく、5分〜60分程度で十分な洗浄および殺菌効果を得ることができる。
特に、ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上およびアルカリ剤に加えて、第4級アンモニウム塩および/またはアルコールを含有する組成物では、5分〜10分程度の処理により、十分な殺菌効果が認められる。
表1に示す各成分を順次イオン交換水に添加溶解して、実施例1、2および比較例1の各洗濯用殺菌洗浄剤組成物を調製した。各洗濯用殺菌洗浄剤組成物について、25℃におけるpHを測定し、測定結果を表1に併せて示した。
(1)供試芽胞
バチルス セレウス(Bacillus cereus) ATCC14579を液体ブイヨン培地で24時間培養後、1/2濃度の標準寒天培地に塗抹して、偏光顕微鏡(「ECLIPSE E600」、株式会社ニコン製)下にて、観察される細菌の90%以上で芽胞形成が確認されるまで、2〜3週間培養した。次いで培地上に冷滅菌水を加えコンラージ棒で培地表面のコロニーを回収し、数回冷滅菌水で遠心洗浄した後、80℃で10分間加熱処理し氷水で急冷し、さらに冷滅菌水で数回遠心洗浄して、芽胞数が107〜108 Colony Forming Unit(CFU)/mLとなるように調製し、冷凍保存した。
5gのポリソルベート80および炭酸ナトリウム5gを水に溶解し、希釈して1000 mLとしたものを湿潤剤として用いた。この湿潤剤を2.5mLと、炭酸ナトリウム2.5gとを水に溶解して、5Lの洗浄液を調製した。
綿布(かなきん3号)を4〜5Lの上記洗浄液に入れ、1時間煮沸した。微量の湿潤剤を取り除くため、水を替えてさらに約5分間煮沸した。さらに、5Lの冷水で約5分間撹拌した後、自然乾燥させた。
乾燥後の綿布を2cm×2cmの大きさに裁断し、オートクレーブにて121℃で20分間滅菌処理した後、乾燥器で乾燥させて試験布とした。
供試芽胞を107CFU/mLとなるように滅菌水に懸濁し、供試芽胞懸濁液とした。
プラスチックシャーレに試験布5枚を重ならないように置き、試験布1枚につき、供試芽胞懸濁液0.02mLを接種してプラスチックシャーレの蓋を閉め、35℃の恒温槽内で1時間静置し、試験布を乾燥させた。
次いで、実施例1、2および比較例1の各殺菌洗浄剤組成物を試験液とし、上記試験布5枚を、試験液各20mL中に入れ、ゆっくりと(300rpmで)撹拌しながら、40℃で10分間処理した。
上記処理の後、各試験液から試験布を取り出して、それぞれフタ付容器に入れたレシチン・ポリソルベート80加ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト(SCDLP)ブロス20mL中に入れ、1分間撹拌し、SCDLPブロスにより、前記撹拌液の10倍段階希釈を行った。この段階希釈液各0.1mLをSCDLP寒天培地平板に塗抹し、35℃で、48時間培養した。
培養後、培地上に発育したコロニー数を測定し、各殺菌洗浄剤組成物にて処理した試験布に存在する生菌数を算出した。
なお、対照として、0.05(w/v)%のポリソルベート80水溶液を用い、同様に処理した。
実施例1、2および比較例1の各殺菌洗浄剤組成物で処理した場合の生菌数(対数値)と、対照で処理した場合の生菌数(対数値)との差(Δlog10CFU/試験布)を求めた。本試験においては、Δlog10 CFU/試験布が2.0以上である場合に、細菌芽胞に対する殺菌効果があると評価した。
一方、比較例1の殺菌洗浄剤組成物では、Δlog10 CFU/試験布値は0.2で、細菌芽胞に対する殺菌効果は認められなかった。
本発明の洗濯用殺菌洗浄剤組成物は、短時間の処理で良好な洗浄および殺菌効果を示し、繊維を傷めるおそれも少なく、病院、ホテル、飲食店等の施設内で着用される衣類、該施設内で使用されるリネン類等の業務用の洗濯の分野において有用である。
Claims (5)
- ポリアルキレンビグアナイド化合物およびその塩からなる群より選択される1種または2種以上が、ポリヘキサメチレンビグアナイドおよびその塩からなる群より選択される1種または2種以上である、請求項1に記載の殺菌洗浄剤組成物。
- さらに、第4級アンモニウム塩の1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の殺菌洗浄剤組成物。
- さらに、アルコールの1種または2種以上を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌洗浄剤組成物。
- アルコールの1種または2種以上が、炭素数5〜10のアルカノール、テルペンアルコールおよび芳香族アルコールからなる群より選択される1種または2種以上である、請求項4に記載の殺菌洗浄剤組成物。
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