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JP6942102B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

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JP6942102B2
JP6942102B2 JP2018161456A JP2018161456A JP6942102B2 JP 6942102 B2 JP6942102 B2 JP 6942102B2 JP 2018161456 A JP2018161456 A JP 2018161456A JP 2018161456 A JP2018161456 A JP 2018161456A JP 6942102 B2 JP6942102 B2 JP 6942102B2
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Description

この発明は、自走式掃除機に関し、特に、ゴミを発見した場合に、走行パターンを変化させてゴミを除去する自走式掃除機に関する。
近年、所定の走行パターンで自走しながら、自立的に障害物を回避しつつ、床面を掃除する自走式掃除機が知られている。
たとえば、特許文献1には、本体の移動中に障害物検知手段が障害物を検知した場合、本体の移動方向を変える障害物回避制御モードを本体に具備した自走式掃除機が記載されている。
また、特許文献2には、自走式掃除機において、塵埃が部屋の特定の場所に固まって存在している場合でも、塵埃の取り残しを少なくするものが記載されている。
この特許文献2の自走機器は、床面のゴミを検出するゴミ検出手段と、通常は予め定めた走行パターンを走行する走行手段と、走行手段の走行の向きを制御する走行制御手段と、障害物までの距離を測定する測距手段とを備えている。
また、ゴミ検出手段が清掃面のゴミを検出した場合、自走機器は、その周辺を念入りに走行し、その後通常の走行に戻るように走行パターンを変更する。
ここで、ゴミ検出手段としては、被掃除面のゴミを吸引する吸引手段の途中に光の発光部および受光部を設置し、そこをゴミが通過するときに発光部から出力する光が遮られることを検出することによりゴミの量を検出するものが記載されている。
特開2002−078650号公報 特開2004−243202号公報
しかしながら、ゴミを検出した場所を何度も往復することによって、その場所のゴミを除去することができるが、吸引力の高い掃除機の場合は、同じ場所を何度も掃除する必要はない。
また、ゴミの検出場所の近隣にも、ゴミが残っている可能性が高いので、念入りに掃除する範囲を、特定の場所に限定するのではなく、ある程度広げた方が好ましい場合もある。
通常走行においては、ランダムに部屋内を走行するパターンや、直線走行と回転動作を繰り返し行いながら、部屋全体を走行するパターンがあるが、このような走行パターンでは、ゴミの取りこぼしがある場合や、局所的に存在するゴミを効率的に除去することができない場合がある。
ゴミを検出した場合は、その検出位置を中心として、スパイラル状に旋回して徐々に円の半径を大きくしながら掃除を行うスポット運転をすることが考えられる。
しかし、スポット運転をした場合、どこまで円の半径を大きくすればよいかを判断することは難しい。たとえば、円の半径を次第に大きくしていくと、やがて部屋の中に存在する机の脚や椅子などの障害物に衝突することになる。
衝突した場合、方向転換などをしてその障害物を避けて、その後の走行を続けることになるが、衝突によって走行進路にずれを生じる場合もあるので、スポット運転を始めた位置に戻るのが難しい。
このようにスポット運転の開始位置に戻れない場合は、ゴミの取り残しが発生する場合や、同じルートを再度走行することになる場合もあり、必ずしも効率的にゴミの除去をすることができるとは限らない。
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、ゴミを検出した場合に、障害物に衝突しない範囲で集中的にゴミを除去するスポット運転を行い、障害物に衝突した場合などでも、ゴミを検出した位置に戻って、その後の走行を継続して、効率的な掃除を行うことのできる自走式掃除機を提供することを課題とする。
一態様に係る自走式掃除機は、予め定められている走行パターンで移動する通常走行モードと、ゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された場合には、ゴミが存在すると判定されたスポット初期位置とその位置の周囲を含む所定の床面領域を移動しつつゴミを収集し、前記通常走行モードとは異なり、前記スポット初期位置から開始されるスポット走行モードを行う自走式掃除機であって、筐体と、前記筐体を走行させる走行制御部と、床面のゴミを収集する集塵部と、前記床面のゴミの有無を検知するゴミ検知部と、前記検知されたゴミの有無に基づいて、床面に、所定量以上のゴミが存在するか否かを判定するゴミ判定部と、前記ゴミ判定部によってゴミが存在すると判定された場合、前記走行制御部によって、前記筐体を、前記所定の床面領域を、前記スポット走行モードの走行パターンで移動させ、前記集塵部によって前記所定の床面領域のゴミを収集させる制御部と、を備え、前記所定の床面領域が長方形領域であり、前記スポット走行モードは、前記ゴミ判定部によってゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された場合、前記長方形領域において走行してきた方向と略平行方向、かつ逆の方向に所定の距離だけ戻り、前記長方形領域において走行してきた軌跡を横切る動作を含むことを特徴とする。
この発明によれば、筐体を、所定方向に円形領域の円の半径を変化させる走行軌跡を描くように移動させ、所定方向の移動終了後、所定方向とは逆方向に円形領域の円の半径を変化させる走行軌跡を描くように移動させるので、効率的にゴミを除去することができる。
この発明の自走式掃除機の一実施例の構成ブロック図である。 この発明の自走式掃除機の概略斜視図である。 この発明のスポット走行モードの実施例1の説明図である。 この発明のスポット走行モードの実施例2の説明図である。 この発明のスポット走行モードの実施例3の説明図である。 この発明のスポット走行モードの実施例4の説明図である。 この発明の自走式掃除機の自動走行処理の第1実施例のフローチャートである。 この発明の自走式掃除機の自動走行処理の第2実施例のフローチャートである。 この発明の自走式掃除機の自動走行処理の第3実施例のフローチャートである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。なお、これによって、この発明が限定されるものではない。
<自走式掃除機の構成>
図1に、この発明の自走式掃除機の一実施例の構成ブロック図を示す。
図1において、この発明の自走式掃除機(以下、掃除機またはクリーナとも呼ぶ)は、主として、制御部11、充電池12、障害検知部13、角度検出部14、ゴミ検知部15、ゴミ判定部16、距離測定部17、誘導信号受信部18、スポット最大半径決定部19、充電台接続部20、走行制御部21、駆動輪22、吸気口31、排気口32、集塵部33、入力部34、記憶部41を備える。
また、掃除を行う部屋などの所定の位置に、充電台100を固定設置する。充電台100と自走式掃除機1を接続することにより、自走式掃除機1は充電台100と接触した状態で充電台からの電力の供給を受け、自走式掃除機1の充電池12を充電する。
この発明の自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する掃除ロボットである。この発明の自走式掃除機1は、掃除が終了すると、自律的に充電台に帰還
する機能を有する。
また、床面を掃除する複数の走行パターンを持ち、特に、所定量以上のゴミを検知した場合に、その検知した位置周辺を重点的に掃除しながら、所定の部屋の床面全体の清掃を行う機能を有する。
図2に、この発明の自走式掃除機の一実施例の概略斜視図を示す。
図2において、本発明の自走式掃除機1は、円盤形の筐体2を備え、この筐体2の内部および外部に、回転ブラシ、サイドブラシ10、集塵部33、電動送風機、複数の駆動輪22、障害検知部13、誘導信号受信部18、図1に示したその他の構成要素が設けられている。
図2において、誘導信号受信部18が配置されている部分を前方部、図示しない従動輪の後輪が配置されている部分を後方部、筐体内部にゴミ検知部15や集塵部33が配置されている部分を中間部と呼ぶ。自走式掃除機1は、通常、前方部の正面に向かって進行する。
筐体2は、吸気口31を有する平面視円形の底板と、筐体2に収容する集塵部33を出し入れする際に開閉する蓋部3を中央部分に有している天板2bと、底板および天板2bの外周部に沿って設けられた平面視円環形の側板2cとを備えている。また、底板には一対の駆動輪および後輪の下部を筐体2内から外部へ突出させる複数の孔部が形成され、天板2bにおける前方部と中間部との境界付近には排気口32が形成されている。なお、側板2cは、前後に二分割されており、側板前部はバンパーとして機能する。
自走式掃除機1は、一対の駆動輪22が同一方向に正回転して前進し、同一方向に逆回転して後退し、互いに逆方向に回転することにより静止した状態で旋回する。例えば、掃除機1は、掃除領域の周縁に到達した場合および進路上の障害物に衝突した場合、駆動輪が停止し、一対の駆動輪を互いに逆方向に回転して向きを変える。これにより、掃除機1は、設置場所全体あるいは所望の範囲全体に障害物を避けながら自走する。
また、自走式掃除機1は、充電台の誘導信号送信部102から出射される誘導信号を受信して、たとえば掃除が終了した場合、充電池12の充電残量が少なくなった場合、あるいは設定された掃除タイマーの設定時間が経過した場合に、自動的に充電台100に近づく方向に向かって、直線的な走行と回転動作、あるいは壁ぎわ走行などを繰り返して進行し、充電台100まで帰還する。
ただし、障害物があれば、それを避けながら、充電台100の方向へ移動する。
以下、図1に示す各構成要素を説明する。
図1の制御部11は、掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の掃除機能、走行機能などを実行する。
たとえば、後述するように、ゴミ判定部16によってゴミが存在すると判定された場合、制御部11は、筐体を、ゴミが存在すると判定されたスポット初期位置を含む所定の床面領域を、スポット走行モードの走行パターンで移動させ、集塵部33によって所定の床面領域のゴミを収集させる。
充電池12は、掃除機1の各機能要素に対して電力を供給する部分であり、主として、掃除機能および走行制御を行うための電力を供給する部分である。たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、Ni−Cd電池、などの充電池が用いられる。
充電池12の充電は、掃除機1と充電台100とを接続した状態で行われる。
掃除機1と充電台100との接続は、互いの接続部(20,101)である露出した充電端子どうしを接触させることにより行う。
なお、図示しない電池残量検出部を備え、充電池の残りの容量(電池残量)を検出し、検出された電池残量(%)に基づいて、充電台の方へ帰還するべきか否かを判断し、帰還してもよい。
走行制御部21は、自走式掃除機1の自律走行の制御をする部分であり、主として上記した駆動輪22の回転を制御して、直線走行および回転動作などをさせることによって、自動的に筐体を走行させる。駆動輪22は、左輪と右輪からなり、それぞれ異なる駆動用モータによって駆動させることにより、自走式掃除機1の前進、後退、回転、静止などの動作を行わせる。
この発明では、主として、通常走行モードと、スポット走行モードという2種類の走行モードを持つものとする。
通常走行モードは、ゴミの有無やゴミの多少に関係なく、所定の室内空間を、障害物を避けながら移動するモードであり、たとえば、不規則な走行を繰り返すランダム走行パターン、縦横に規則的な走行を繰り返すジグザグ走行パターンなどによって、室内全体の掃除を行う。
スポット走行モードは、後述するように、ゴミ判定部16によってゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された場合に、そのゴミが存在すると判定された位置と、その位置の周囲も含めた所定の床面領域を移動するモードである。
スポット走行モードでは、たとえば、ゴミが存在すると判定された位置を開始位置として、その位置を中心とする円の半径を徐々に大きくして、スパイラル(螺旋)状の走行軌跡を描くように筐体を移動させる走行パターン(スパイラル走行パターン)で、掃除を行う。
このスパイラル走行では、ゴミが存在するあるいはゴミが多いと判定された位置を中心とする所定の半径内の円形領域が、重点的に掃除される。
このゴミが存在するあるいはゴミが多いと判定された位置を、スポット初期位置と呼ぶ。
あるいは、ゴミが存在すると判定されたスポット初期位置を起点として、そのスポット初期位置を含む所定の長方形領域内を移動する走行パターン(矩形走行パターン)で、掃除を行ってもよい。
このスポット走行パターンの実施例については、後述する図3、図4、図5、図6に示す。
また、図示しないエンコーダを、駆動輪の左輪と右輪にそれぞれ設け、車輪の回転数や回転方向、回転位置、回転速度によって、所定の基準点(たとえば、充電台の位置)からの自走式掃除機の移動距離を計測してもよい。
障害検知部13は、筐体2の周囲に存在する障害物を検知する部分であり、たとえば、自走式掃除機1が走行中に、室内の机やいすなどの障害物に接触又は近づいたことを検知する。障害検知部13としては、たとえば、マイクロスイッチ、超音波センサ、赤外線測距センサなどからなる接触センサ又は障害物センサが用いられ、筐体2の側板2Cの前部に配置される。
また、段差も、障害物の1つであると考えれるので、障害検知部13として、段差を検知するクリフ検知センサを設けてもよい。
CPUは、障害検知部13から出力された信号に基づいて、障害物の存在する位置を認識する。認識された障害物の位置情報に基づいて、その障害物を避けて次に走行すべき方向を決定する。
また、後述するように、スポット走行モードで筐体を移動させているときに、障害検知部13が、所定の床面領域内に障害物を検知した場合、走行制御部21によって、筐体を、スポット初期位置に戻させる。
角度検出部14は、いわゆるジャイロセンサであり、自走式掃除機1の進行方向の角度を検出するものである。
ジャイロセンサ14から出力される信号に基づいて、基準となる方向からの角度が計算される。これにより、移動する方向が検出される。
たとえば、90度の左旋回をする場合は、ジャイロセンサの状態をチェックしながら、最初の角度位置から90度左方向に回転するように駆動用モータを制御して、静止した状態で、右輪と左輪とを互いに逆方向に回転させる。
また、ジャイロセンサ14は、この他に、現在位置の確認、移動制御の誤差の補正や姿勢の微調整にも用いられる。
ゴミ検知部15は、床面のゴミの有無を検知する部分であり、主として、自走式掃除機1の吸気口31から吸引された空気に含まれるゴミを検知する部分である。
ゴミ検知部15としては、たとえば、光学式センサが用いられ、吸気口31の近傍に、吸気口31をはさむように対向して配置された発光部と受光部とからなる。発光部としては、たとえば、赤外発光ダイオードが用いられ、受光部としては、フォトトランジスタが用いられ、ゴミがないときは、赤外発光ダイオードから出力された赤外光が、フォトトランジスタに検出される。
一方、吸気口31にゴミが吸引された場合、ゴミが吸気口付近を通過するときにそのゴミによって赤外光が遮られるので、赤外光がフォトトランジスタに受光されなくなる。
したがって、フォトトランジスタによる赤外光の受光の有無によって、ゴミの通過(有無)を検出することができる。
フォトトランジスタからは、赤外光の受光の有無に対応した信号が、ゴミ判定部16に与えられる。
ゴミ判定部16は、ゴミ検知部15によって検知されたゴミの有無に基づいて、床面に、所定量以上のゴミが存在するか否か、あるいはゴミの多少を判定する部分である。
たとえば、一定時間あたりの赤外光の受光がなかった回数をカウントすることにより、ゴミの多少を判定することができる。
この赤外光の受光がなかった回数をゴミの検知数(GC)と考えた場合、所定の数値をゴミ判定値(Gmax)47として予め記憶しておき、ゴミの検知数(GC)が、ゴミ判定値(Gmax)以上であった場合(GC≧Gmax)、そのゴミの検知位置を重点的に掃除すべきスポットと考えて、ゴミ有りと判定する。
一方、ゴミの検知数(GC)が、ゴミ判定値(Gmax)よりも小さかった場合、すなわちGC<Gmaxの場合、ゴミ無しと判定する。
このゴミ判定部16の判定結果は、後述するように、スポット走行をするか、スポット走行を中止するか、あるいは通常走行をするかの判断に利用する。
たとえば、後述するように、筐体をスポット走行モードの走行パターンで移動させているときに、ゴミ判定部16によって、ゴミが存在しないと判定された場合、スポット走行モードを中止し、筐体を、スポット初期位置に戻させる。
距離測定部17は、筐体2の現在位置から、障害検知部13によって検知された障害物までの距離を測定する部分である。たとえば、超音波センサから出力され障害物によって反射されてきた超音波の受信信号を利用して、その障害物までの距離を測定する。
また、後述するように、ゴミ判定部16によってゴミが存在すると判定されたスポット初期位置において、距離測定部17によって検知された障害物までの距離を測定する。
さらに、この測定距離に基づいて、スポット走行モードの走行パターンで筐体を移動さ
せる所定の床面領域を、上記検知された障害物に衝突しない範囲に設定する。
誘導信号受信部18は、筐体2の前方部に配置され、充電台100の誘導信号送信部102から出力された信号を受信する部分である。誘導信号は、自走式掃除機の帰還処理および充電台への接続処理に用いられ、たとえば、赤外線信号が用いられる。
スポット最大半径決定部19は、後述するように、スポット走行モードにおいて、スポット初期位置を円の中心として、円の半径を徐々に増加させながらスパイラル走行を行う場合、そのスパイラル走行の円の最大半径を決定する部分である。
最大半径は、距離測定部17によって測定された障害物までの距離から算出される。
たとえば、発見されたいくつかの障害物のうち、筐体から障害物までの距離が最小の距離をLminとすると、スパイラル走行によって自走式掃除機1がその障害物に近づいたとしても、障害物に接触することがないように、最大半径Rmとしては、障害物までの最小距離Lminよりも短い数値が設定される。
充電台接続部20は、充電池12を充電させるための電力を入力するための端子である。
この充電台接続部20と、充電台100の掃除機接続部101とを物理的に接触させることにより、充電台100の電力供給部104から与えられる電力を、充電池12に供給し充電する。
充電台接続部20は、掃除機接続部101と接触させるために、掃除機1本体の側面に露出した状態で形成される。
自走式掃除機1は、充電台100の近傍に帰還した後、誘導信号受信部18によって受信された赤外線を利用して、充電台接続部20と掃除機接続部101とを接触させるように、接続処理を行う。
集塵部33は、床面のゴミを収集する部分であり、吸気口31から取り込まれたゴミやちりを集める掃除機能を実行する部分である。主として、図示しない集塵容器と、フィルタ部と、集塵容器およびフィルタ部を覆うカバー部とを備える。
また、吸気口31と連通する流入路と、排気口32と連通する排出路とを有し、吸気口31から吸い込まれた空気を流入路を介して集塵容器内に導き、集塵後の空気を排出路を介して排気口32から外部へ放出する。
吸気口31および排気口32は、それぞれ掃除のための空気の吸気および排気を行う部分であり、前記したような位置に形成される。
入力部34は、ユーザが、掃除機1の動作を指示入力する部分であり、掃除機1の筐体表面に、操作パネル、あるいは操作ボタンとして設けられる。
あるいは、入力部34としては、掃除機本体とは別に、リモコンユニットを設け、ユーザがこのリモコンユニットに設けられた操作ボタンを押すことにより、赤外線や無線電波信号を送出し、無線通信により動作の指示入力をしてもよい。
入力部34として、電源スイッチ、起動スイッチ、主電源スイッチ、充電要求スイッチ、その他のスイッチ(運転モードスイッチ,タイマースイッチ)などが設けられる。
たとえば、自動走行中に、充電要求スイッチが押し下げられた場合に、充電台に帰還する必要があると判断し、帰還処理を実行する。
記憶部41は、自走式掃除機1の各種機能を実現するために必要な情報や、プログラムを記憶する部分であり、RAMやROM等の半導体記憶素子、ハードディスク、SSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
記憶部41には、主として、現在位置42、スポット初期位置43、最大半径44、現在半径45、測定距離46、ゴミ判定値47、距離判定値48などが記憶される。
現在位置42は、所定の基準点からの自走式掃除機1の相対的な位置を示したものであり、たとえば、基準点を充電台100の位置と設定した場合、充電台の位置をXY座標の原点(0,0)として、現在位置42は、XY座標値で表される。
現在位置42は、たとえば、充電台を出発した後、充電台から自走式掃除機が今いる位置までの移動距離と、ジャイロセンサ14によって検出された移動方向とを用いて、算出することができる。
スポット初期位置43は、スポット走行モードを開始する位置を示したものであり、これも、充電台などの基準点からの相対的な位置座標によって表される。
スポット走行モードを開始する位置は、たとえば、ゴミ判定部16によってゴミ有りと判定された位置とする。スポット初期位置43は、スパイラル走行の円の中心点でもある。
最大半径44は、スポット走行モードにおいて、スポット初期位置を中心とする円形領域の最大半径であり、筐体を移動させる床面領域の大きさを決定するものである。また、スパイラル走行をする場合に、スパイラル走行を終了させる位置における円の中心点からの半径を意味する。
現在半径45は、スパイラル走行をしているときの筐体の現在位置における円の中心点からの半径を意味する。言いかえれば、現在半径45は、筐体の現在位置と、スポット初期位置との距離に相当する。また、円の中心点は、スポット初期位置43に相当する。
この最大半径44をRmとし、スパイラル走行中の現在半径45をRaとすると、自走式掃除機1が移動することによって、現在半径Raは徐々に大きくなるが、現在半径Raが、最大半径Rmに一致した場合に、スポット走行モードのスパイラル走行を中止する。スポット走行モードを中止した場合、筐体を、スポット初期位置に戻してもよい。
現在半径45は、スパイラル走行の進行とともに徐々に変化するが、最大半径44は、予め設定した固定値とする。
最大半径44としては、出荷時に、適切な数値を固定値として記憶部41に記憶してもよいが、利用者が自ら、掃除を行う自己の部屋にとって適切と考える数値を、設定変更できるようにしてもよい。
また、後述するように、スポット走行モードを開始する前に、スポット初期位置の周囲に障害物があるか否かをチェックして、たとえば壁が障害物として検知された場合には、距離測定部17によって、その壁までの距離Lsを測定し、この測定距離Lsに基づいて、スポット走行モードの走行パターンで筐体を移動させる所定の床面領域を、検知された壁に衝突しない範囲に設定する。スポット走行モードの走行パターンがスパイラル走行である場合には、壁に衝突することのない程度の距離を、最大半径Rmとして決定し、記憶部41に記憶する。
たとえば、測定距離Lsよりも1cm程度小さな数値を、最大半径Rmとして設定する。
測定距離46は、距離測定部17によって測定される距離であり、主として、自走式掃除機1から壁やいすなどの障害物までの距離に相当する。
ゴミ判定値47は、ゴミ判定部16が、「ゴミ有り」と判定するためのしきい値である。
ゴミ判定値47としては、出荷時に所定の固定値を設定してもよいが、床面の材質などによって設定変更できるようにしてもよい。
上記したように、たとえば、ゴミ検知部15によるゴミ検知数が、ゴミ判定値47以上の場合に、「ゴミ有り」と判定し、ゴミ検知数がゴミ判定値47よりも小さい場合に、「ゴミ無し」と判定するものとする。
距離判定値48は、障害物が筐体の現在位置の近くに存在するか否かを判定するためのしきい値である。上記したように、距離測定部17によって測定された障害物までの距離が、この距離判定値48よりも小さい場合(測定距離<距離判定値)、近くに障害物が存在すると判定する。
一方、測定距離≧距離判定値の場合は、障害物は近くにないと判定する。
この発明の自走式掃除機1は、以上のような構成に加えて、他にも必要な構成や機能を備えてもよい。
たとえば、掃除中あるいは静止状態において、イオンを発生する構成(イオン発生器)を備えて、除菌や消臭(または脱臭)を行うようにしてもよい。
また、掃除処理を実行する時間を設定するタイマースイッチを設け、タイマースイッチの入(ON)操作がされた場合には、予め設定された時間(たとえば60分間)のカウントを開始し、その設定時間が経過するまで掃除処理を実行するようにしてもよい。
この設定時間が経過した後は、掃除処理を中止し、自動的に充電台に帰還するようにしてもよい。
<充電台の構成>
図1において、充電台100は、主として、掃除機接続部101、誘導信号送信部102、制御部103、電力供給部104とを備え、室内の壁などに配置された商用電源105のコンセントからのAC交流電力の供給を受ける。
電力供給部104は、商用電源105からの交流電力を受け入れ、掃除機1を充電することのできる直流電力に変換し、掃除機接続部101に与える部分である。
誘導信号送信部102は、たとえば、赤外線信号を送信する部分である。
充電台100の制御部103は、充電台の各種機能を実現する部分であり、主として、赤外線信号の発信処理と、充電電力の供給制御を行う。制御部103は、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータにより実現できる。
<スポット走行パターンの説明>
以下に、ゴミを検出し、ゴミ有りと判定された場合に行うスポット走行パターンのいくつかの実施例を示す。
(スポット走行パターン−実施例1)
図3に、スポット走行パターンの実施例1の概略説明図を示す。ここでは、スパイラル走行をする場合の走行軌跡の例を示す。
図3(a),(c)の「始S」は、自走式掃除機のスポット初期位置を示し、図3(b),(d)の「終E」は、スポット走行の終了位置を示している。スポット走行の終了位置は、スポット初期位置と同一であるものとする。
「始S」は、ゴミ判定部16によって、ゴミ有りと判定された位置に相当する。
スパイラル走行中も、ゴミ収集動作は継続して行う。
図3(a)と図3(b)は、スポット走行を開始するスポット初期位置の近くに障害物がない場合を示している。
図3(a),(b)の「Rm」の位置は、スパイラル走行の円運動によって、円の半径を徐々に大きくしていき、予め定められた円の最大半径Rmとなった位置を示している。
スパイラル走行は、図3(a)の「始S」で示すスポット初期位置からスタートし、スパイラル円の半径を所定の増加率で大きくしながら、時計と反対回りに回転する。ただし、回転方向は、時計と同じ方向でもよい。
スパイラル走行中は、常に、現在半径Raを記憶しておき、記憶部41に記憶された最大半径Rmと比較する。
そして、現在半径Ra<最大半径Rmの状態では、スパイラル走行をそのまま進めて、現在半径Raが最大半径Rmに一致した場合に、その位置で一旦停止する。すなわち、半径が増大するようなスパイラル走行を停止させる。
たとえば、最大半径Rm=1メートルに設定されていたとすると、スポット初期位置を中心とする半径1mの円形領域について、重点的な掃除がされたことになる。
その後、図3(b)に示すように、スパイラル走行を停止した位置から、円運動の半径を徐々に小さくしながら、スポット初期位置に戻るように、スパイラル走行を再開する。
図3(b)では、図3(a)と同様に、時計と反対回りに回転し、半径を小さくしながら、スポット初期位置に戻る場合を示している。
ただし、図3(a)のスパイラル走行の停止位置で、180度回転し、図3(a)に示したスパイラル走行の軌跡を逆にたどって、スポット初期位置に戻ってもよい。
図3(b)に示すように、スポット初期位置に戻った後は、通常走行モードに戻して、部屋内を、通常走行モードとして定められていた走行パターンで走行するようにすればよい。
図3(c)、図3(d)は、スポット初期位置の近傍に、障害物である柱があった場合、スパイラル走行をしている途中で、その柱に衝突したときの走行パターンの例を示している。
図3(c)において、図3(a)と同様にスパイラル走行をしているとき、スパイラルの現在半径が最大半径Rmに一致する前に、障害検知部13によって、柱に衝突したことを検知したとする。
このとき、衝突を検知した位置で一旦スパイラル走行を中止し、その位置で、180度反転する。
その後、図3(d)に示すように、図3(c)に示したスパイラル走行の軌跡を逆にたどって、円の半径を徐々に小さくしながら、スパイラルの終了位置に相当するスポット初期位置に戻る。
図3(d)において、スポット初期位置に戻った後は、通常走行モードに切り替えて、所定の走行パターンで掃除処理を継続する。
障害物である柱に衝突した後、その柱の位置を回避して、スパイラル走行を継続することも可能であるが、この場合は、スパイラルの円の形がくずれた走行パターンとなり、スポット初期位置に戻るのに時間がかかる場合や、戻るのが困難になる場合もある。
たとえば、衝突後も円の半径を大きくし続けた場合、最大半径の位置に来た後、スパイラルの軌跡を逆にたどって戻ろうとすると、また柱に衝突することになり、スポット初期位置に戻るのに時間がかかる。
そこで、スパイラルの現在半径が最大半径に一致する前に、障害物に衝突した場合は、ゴミを検知したスポット初期位置の近傍における重点的な掃除が終了したと考え、掃除すべき部屋の残りの領域の掃除を迅速に進めるために、スポット初期位置になるべく早く戻るようにした方が好ましい。
(スポット走行パターン−実施例2)
図4に、スポット走行パターンの実施例2の概略説明図を示す。
ここでは、重点的に掃除すべき領域が長方形領域であって、その長方形領域を、横方向にジグザグ走行しながら、スポット運転を行う場合の走行軌跡の例を示している。
図4(a),(b)の「S」で示す位置が、スポット初期位置であり、「E」で示す位置が、スポット終了位置であるとする。
図4(a)は、スポット走行を行う長方形領域に、障害物がない場合を示している。
破線で示す長方形領域(縦L1、横W1)を、予め定められたスポット走行の領域とす
る。
図4(a)において、スポット初期位置「S」を、長方形領域外としているが、スポット初期位置を、長方形領域の中に含めてもよい。また、ゴミの検出位置は、長方形領域内のたとえば中央位置であるものとし、走行してきた方向と逆の方向に所定の距離だけ戻った位置を、スポット初期位置としてもよい。
図4(a)の場合、スポット初期位置「S」をスタートして、図に示すような軌跡のとおりに走行して、スポット終了位置「E」まできたときに、スポット走行モードを終了する。
その後、通常運転モードに戻って、スポット終了位置から、所定の走行パターンで掃除を継続する。
図4(b)は、スポット走行を行う長方形領域において障害物である柱があり、スポット走行の途中で、その柱に衝突した場合を示している。
図4(b)において、右方向への移動中に、柱に衝突したとすると、その位置で一旦停止し、180度回転して所定の距離だけ戻る。あるいは停止した位置からそのままの状態で所定の距離だけ後進してもよい。
戻る所定の距離としては、特に、適切な距離を定めることはできないが、たとえば、柱に再度ぶつかることがないように、10数cm程度の距離だけ戻ればよい。
その後、戻った位置から、スポット走行を再開し、図4(b)に示すような軌跡を描きながら走行する。
ここで、戻った位置を考慮して、スポット走行再開後の長方形領域は、図4(a)の長方形領域の横幅W1よりも小さい横幅W2としてもよい(W1>W2)。
すなわち、再度柱に衝突することがないように、重点的に掃除する長方形領域を変更してもよい。
図4(b)において、たとえば、2回目のジグザグ走行をした後、長方形領域を出たところをスポット終了位置「E」とし、ここでスポット走行モードを終了してもよい。
また、図3(d)に示したのと同じように、柱に衝突した後、スポット初期位置に戻ってもよい。
(スポット走行パターン−実施例3)
図5に、スポット走行パターンの実施例3の概略説明図を示す。
ここでは、重点的に掃除すべき領域が長方形領域であって、その長方形領域を、8の字パターンで走行しながら、スポット運転を行う場合の走行軌跡を示している。
図5(a)は、図4(a)と同様にして定めたスポット初期位置「S」からスタートし、8の字を1つ描いたような走行をした場合を示している。ここでは、所定の長方形領域のやや内側のみを掃除している。
図5(a)において、8の字を描いた走行をした場合、障害物に衝突しなかったとすると、図5(b)に示すように、図5(a)の8の字パターンのやや外側の破線で示す軌跡上を走行させる。
長方形領域内に、障害物がなかったとすると、破線で示すような8の字パターンを走行した後、スポット終了位置「E」で、スポット走行モードを終了する。
一方、図5(c),(d),(e)は、長方形領域内に、障害物である柱があった場合を示している。
図5(c)に示すように、長方形領域の右下位置で、2周目の8の字走行をする経路上に、柱があったとする。
この場合、スポット走行の途中で、図5(d)に示すように、柱に衝突したとする。
柱に衝突したことを検知した場合、その位置で一旦停止してスポット走行を中止し、たとえば、図5(e)に示すような破線で示す走行軌跡を描いて、スポット終了位置「E」
へ進む。
あるいは、スポット終了位置を設定することができない場合は、衝突を検知した位置から、もとのスポット初期位置「S」へ戻ってもよい。
スポット終了位置「E」や、スポット初期位置「S」にきた後は、通常運転モードに戻り、所定の走行パターンで掃除を継続する。
もし、図5(d)に示すように、柱に衝突した後、さらに、8の字パターンの走行を継続しようとすると、8の字パターンがくずれ、走行パターンが複雑となるため、スポット運転の終了位置「E」や、初期位置「S」に行くのが遅くなる場合や、初期位置に戻れなくなる場合もありうる。
したがって、図5(e)に示すように、柱に衝突した場合は、スポット走行モードを終了して、迅速に通常走行モードに戻った方が、無駄な走行を回避して、部屋全体の掃除を早く終了させることができる。
(スポット走行パターン−実施例4)
図6に、スポット走行パターンの実施例4の概略説明図を示す。
ここでは、スポット初期位置で、ゴミを検知した後、図3に示すようなスパイラル走行を開始させる。スパイラル走行中におけるゴミ検知および判定処理において、ゴミ無しと判定された場合、そのゴミ無しと判定された位置(図6の「A」の位置)で、半径を増加させるスパイラル走行を一旦停止させる。その後、半径を減少させるスパイラル走行をして、もとのスポット初期位置へ戻る場合の走行軌跡を示している。
図6(a)および図6(c)は、「始S」で示すスポット初期位置から、時計と反対回りに、スパイラル走行を開始した後、ゴミ無しと判定された位置「A」まで走行した場合を示している。
図6(b)は、その位置「A」から、同方向にスパイラル走行を継続し、半径を徐々に減少させながら、スポット初期位置「始S」に相当する終了位置「終E」に戻ることを示している。
また、図6(d)は、上記位置「A」で一旦停止し、180度回転して、スパイラル走行の軌跡を逆方向にたどって、終了位置「終E」に戻る場合を示している。
ゴミ無しと判定された位置「A」における現在半径が、最大半径Rmよりも小さい場合、ゴミが少ないと予想される位置「A」よりも外側の領域のスポット掃除が省略されることになるので、ゴミが多いと考えられるスポット初期位置の近くの領域の重点的な掃除が効率的に行われ、スポット走行モードをより早く終了させることができる。
<自走式掃除機の自動走行処理>
以下に、この発明の自走式掃除機の自動走行処理について、3つの実施例のフローチャートを示す。
以下のフローチャートでは、ゴミ有りと判定された後に、スポット走行モードを開始するが、スポット走行モードとしては、スポット初期位置を円の中心としたスパイラル走行を行うものとして説明する。ただし、図4や図5のように、長方形領域を走行するようにしてもよい。
(自動走行処理の第1実施例)
図7に、この発明の自動走行処理の第1実施例におけるフローチャートを示す。
図7において、自走式掃除機1が起動され、ステップS1に示すように、現在、通常走行モードによって設定された自動走行パターンで、掃除を行っていたとする。
たとえば、所定のジグザグパターンで、走行していたとする。
ステップS2において、ゴミ検知部15がゴミを検出したか否かを、チェックする。
たとえば、一定時間ごとのゴミの検出数をカウントする。
ステップS3において、ゴミ判定部16が、ゴミ検出の結果に基づいて、ゴミ有りと判定すべきかどうかを判断する。
たとえば、ゴミの検出数が、記憶部41に記憶されたゴミ判定値47よりも大きいか否かを判定し、ゴミ検出数がゴミ判定値以上の場合、「ゴミ有り」と判定する。
逆に、ゴミ検出数がゴミ判定値より少ない場合、「ゴミ無し」と判定する。
ゴミ有りと判定された場合、ステップS6へ進み、ゴミ無しと判定された場合、ステップS4へ進む。
ステップS4において、制御部11が、通常走行モードを終了すべきか否かをチェックする。
通常走行モードを終了すべき場合とは、たとえば、充電池の残量が所定値よりも少なくなった場合、あるいは所定の掃除時間が経過したなどの場合である。
通常モードを終了すべき場合は、ステップS5へ進み、そうでない場合は、ステップS1へ戻る。
ステップS5において、充電台への帰還処理を実行する。
充電台への帰還処理は、たとえば、誘導信号受信部18が、充電台100から出力された誘導信号を受信しつつ、直線的走行あるいは壁ぎわ走行をしながら、充電台100のある方向へ戻る処理である。
充電台100の近傍へ戻り、掃除機接続部101と、充電台接続部20とを接触させることにより、充電可能状態となった後、処理を終了する。
ステップS6において、記憶部41から、スポット走行モードにおけるスパイラル走行時の最大半径44を読み出す。
ここで、最大半径44は、予め定められた固定値か、あるいは、利用者などによって設定入力された数値である。
ステップS7において、ゴミ有りと判定された位置を、スポット初期位置43として、記憶部41に記憶する。
ここで、記憶される位置は、たとえば、ジャイロセンサ14などを用いて算出された、所定の基準点(たとえば充電台)からの相対位置座標である。
ステップS8において、制御部11は、スポット走行モードを開始させる。
ここでは、図3に示したようなスパイラル走行を開始させるが、まずスパイラルの円の半径の初期値を、現在半径45に設定し、記憶部41に記憶する。
ステップS9において、制御部11は、現在半径45を、所定の増加率で徐々に大きくしながら、走行制御部21によって、スパイラル走行をさせる。
ステップS10において、障害検知部13によって、障害物に衝突していないか否かを、チェックする。
ステップS11において、障害物(たとえば、壁)に衝突したことを検知した場合、ステップS16へ進み、そうでない場合はステップS12へ進む。
ステップS16において、走行方向を180度反転し、進行方向を変更する。
すなわち、障害物に衝突したので、一時停止し、半径を増大させるようなスパイラル走行を中止して、もとのスポット初期位置へ戻る準備をする。
その後、ステップS17へ進む。
ステップS12において、障害検知部13の1つである超音波センサによって取得される信号を用いて、距離測定部17が、現在位置の周囲にある障害物(たとえば、壁)までの距離を測定する。
ステップS13において、測定距離が、記憶部41に記憶された所定の距離判定値48
よりも小さい場合、ステップS16へ進み、そうでない場合はステップS14へ進む。
測定距離<距離判定値であった場合は、近くに障害物が存在することを意味し、このまま、半径を増加させるようなスパイラル走行を継続していくと、その障害物に衝突する可能性があることを意味する。
したがって、実際にはまだ障害物に衝突してはいないが、近い将来障害物に衝突する可能性がある場合は、スパイラル走行を中止するために、ステップS16へ進む。
ステップS14において、スパイラル走行の現在位置における現在半径45と、読み出した最大半径44とを比較し、現在半径≧最大半径かどうかをチェックする。
現在半径≧最大半径の場合、すでに当初予定したスパイラル領域の掃除が終了したと考え、ステップS17へ進む。
一方、現在半径<最大半径の場合は、スパイラル走行を継続するため、ステップS15へ進む。
ステップS15において、スパイラルの円の半径を、所定の増加率で増加させ、現在半径45を更新して、記憶部41に記憶する。
その後、ステップS9へ戻り、スパイラル走行を継続する。
ステップS17において、制御部11は、スパイラルの円の半径を減少させながら走行するスパイラル逆転走行を行わせる。これにより、今まで走行してきたスパイラル走行の軌跡を逆にたどって、スポット初期位置まで戻ることになる。
ステップS18において、現在位置42をチェックする。
現在位置42は、ステップS7と同様に、ジャイロセンサ14などを用いて算出する。
ステップS19において、算出された現在位置42と、記憶部41に記憶されたスポット初期位置42とを比較し、両者がほぼ一致するか否かをチェックする。
両者の位置がほぼ一致した場合は、スポット走行モードを終了し、ステップ1へ戻る。
現在位置42がまだスポット初期位置43まで戻っていない場合は、ステップS20へ進む。
ステップS20において、スパイラルの円の半径を所定の減少率で減少させ、その後、ステップS17へ戻り、半径を減少させながらスパイラル走行を継続させる。
以上の処理により、スポット走行モードを開始した場合、ゴミ有りと判定された位置(スポット初期位置)を中心としたスパイラル走行をすることにより、スポット初期位置を中心とする周辺のゴミを、重点的に除去することができる。
また、スパイラル走行中に、障害物に衝突したり、近傍に障害物を発見した場合には、スパイラル走行を中止して、スパイラル走行の開始位置であるもとのスポット初期位置に戻ることにより、迅速に、部屋の他の領域の掃除を行うことが可能となる。
(自動走行処理の第2実施例)
図8に、この発明の自動走行処理の第2実施例におけるフローチャートを示す。
ここでは、予め記憶部41に記憶された最大半径を読み出して利用する第1実施例と異なり、ゴミ有りと判定された場合に、スポット走行モードを開始する前に、ゴミ有りと判定された位置(スポット初期位置)から障害物までの距離を測定し、その障害物までの測定距離に基づいて、スパイラル走行の最大半径を決定する。
図8のフローチャートにおいて、図7のステップと同じ処理を行うステップには、同一の符号を付与している。
図8において、ステップS1からS5の処理は図7と同様であり、ステップS3において、ゴミ有りと判定された場合に、ステップS31へ進む。
ステップS31において、距離測定部17が、障害検知部13の超音波センサから取得した信号を利用して、周囲にある障害物(たとえば、壁)までの距離を測定する。
このとき、ゴミ有りと判定された位置を中心として、360度の全部の方向について、障害物までの距離を測定し、記憶部41に記憶する。また、発見された障害物が複数ある場合は、それらの障害物までの距離のうち、最小の距離を記憶しておく。
ステップS32において、スポット最大半径決定部19が、ステップS31において測定された障害物までの距離を利用して、スパイラル走行をするときの円の半径の最大値(最大半径44)を決定し、記憶部41に記憶する。
スパイラル走行をするときに、発見された障害物に衝突することを避けるために、最大半径44としては、測定された障害物までの距離よりも短い数値を設定する。
最大半径として、どのような数値を設定するかの基準は、1つの基準に限定する必要はなく、任意の基準を採用することができる。
たとえば、最大半径44として、測定された距離よりも一律に1cmだけ短い数値を設定してもよい。あるいは、測定された距離に対して、5%だけ短い数値を、最大半径44に設定してもよい。
ステップS32の後、図7に示したのと同様に、ステップS7からステップS20までの処理を実行する。
これにより、スポット走行モードに入る前に、障害物までの距離を考慮したスパイラルの最大半径が事前に設定され、障害物に衝突しない範囲のスパイラル走行が行われ、障害物に衝突することなく、スポット初期位置を中心とするゴミが存在する領域の掃除を、迅速に行うことができる。
(自動走行処理の第3実施例)
図9に、この発明の自動走行処理の第3実施例におけるフローチャートを示す。
ここでは、スパイラル走行中に、ゴミ検出処理を実行し、ゴミ無しと判定された場合には、その位置で半径を増加させるようなスパイラル走行を中止し、スポット初期位置へ戻る処理について説明する。
このフローチャートは、図6(c),(d)に対応するものである。
図9において、図7のステップS10からS13までの処理の代わりに、ステップS41とS42の処理を実行する。
その他のステップについては、図7に示したフローチャートのステップと同様の処理を行うので、同一の符号を付与している。
図9において、ステップS1からS9までは、図7の処理と同様なので、説明を省略する。
ただし、ステップS6の代わりに、図8のステップS31とS32を実行してもよい。
ステップS9において、スパイラル走行を開始した後、ステップS41において、ゴミ検出部15によって、ゴミの検出確認処理を行う。
このステップS41の処理内容は、ステップS2と同様の処理を行えばよい。
ステップS42において、ゴミ判定部16が、ゴミの検出数に基づいて、ゴミ有りと判定できるか否かを判断する。
このステップS42の処理内容は、ステップS3と同様の処理を行えばよい。
ステップS42の判定処理において、ゴミ有りと判定された場合は、まだスパイラル走行を継続するために、ステップS14へ進む。
一方、ゴミ無しと判定された場合は、これ以上掃除をする必要はないと考えて、スパイラル走行を中止するために、ステップS16へ進む。
以下、ステップS14からステップS20までの処理は、図7と同様の処理である。
この処理によれば、図6(c),(d)に示したように、スパイラル走行中に、ゴミが
無いと判定された時点で、スポット走行モードの掃除を中止することができ、より迅速に、スパイラル走行を終了させて、スポット初期位置まで戻った後、通常走行モードで掃除を行うことができる。
<実施形態のまとめ>
(実施形態1)
ゴミ判定部によってゴミが存在すると判定された場合、スポット初期位置を含む所定の床面領域を、スポット走行モードの走行パターンで、重点的に掃除させる。このスポット走行モードの走行パターンとしては、次のうちいずれかを利用すればよい。
(1−a)スパイラル走行
掃除すべき床面領域を円形とし、その円の中心となるスポット初期位置を開始位置とし、円形領域の円の半径が徐々に大きくなるスパイラル状の走行軌跡を描くように、筐体を移動させる。
(1−b)長方形領域の走行
スポット初期位置を含む所定の大きさの長方形領域を掃除すべき床面領域として設定し、その長方形領域内を、ジグザグ走行させる。ジグザグ走行のパターンは、ランダムでよい。あるいは、長方形領域内を、8の字を描くように、筐体を移動させてもよい。
(1−c)その他の走行
床面領域の形状は、円形、長方形形状に限定するものではなく、その他の形状でもよい。また、走行パターンとしては、たとえば、ジグザグのようなパターンで、筐体を移動させてもよい。
(実施形態2)
スポット走行モードを中止する方法としては、主として、次のような3つのパターンがある。
(2−a)衝突検知
筐体をスポット走行モードの走行パターンで移動させているときに、障害物に実際に衝突した場合、その衝突した位置で、スポット走行モードを中止させる。
(2−b)障害物までの距離による判定
障害物を検知した場合、障害物までの距離を測定し、測定距離が所定の距離判定値よりも小さくなった場合に、その判定を行った位置で、スポット走行モードを中止させる。
(2−c)ゴミ検知による判定
筐体をスポット走行モードの走行パターンで移動させているときに、ゴミが存在しないと判定された場合に、その判定を行った位置で、スポット走行モードを中止させる。
(2−d)走行位置による判定
筐体が予め定められた位置に到達した場合、たとえば、スパイラル走行において、現在半径が最大半径と一致する位置にまで到達した場合、あるいは、所定の床面領域の全体の掃除を終了すべき位置に移動してきた場合、その位置で、スポット走行モードを中止させる。
(実施形態3)
(3−a)ゴミが存在すると判定された場合にスポット走行モードで走行する床面領域は、予め初期設定された走行パターンの領域をそのまま利用するか、あるいは、走行パターンが複数個記憶されている場合は、利用者が、入力部を用いて、利用する走行パターンの領域を設定できるようにしてもよい。たとえば、スパイラル走行をするか、長方形領域のランダム走行をするかを、利用者が設定してもよい。
(実施形態4)
(4−a)スポット走行モードで走行する床面領域の大きさについて、予め初期設定された大きさをそのまま利用するか、あるいは、スポット走行モードの走行を実際に開始する
前に、その大きさを、障害物に衝突しない範囲に設定してもよい。障害物に衝突しない範囲に設定するために、スポット初期位置に静止した状態で、全方位について障害物までの距離を測定し、スポット初期位置から見てその測定距離よりも短い距離の範囲内のみ移動するように、走行すべき床面領域を設定する。
(4−b)スパイラル走行をする場合は、障害物までの測定距離に基づいて、スパイラルの最大半径を設定する。
(4−c)長方形領域の走行をする場合、障害物までの測定距離に基づいて、長方形領域の縦と横の辺の長さを設定する。
(実施形態5)
スポット走行モードを中止した場合、次のようないずれかの措置をとることができる。(5−a)スポット走行モードを開始したスポット初期位置に戻り、スポット初期位置から、通常走行モードを再開する。
(5−b)スポット走行モードを中止した位置から、通常走行モードを再開する。
(実施形態6)
ゴミの検知方法としては、次の方法のうちいずれかを用いればよい。
(6−a)発光部および受光部を、吸気口の近傍に設け、受光部における光の受光の有無により、ゴミの有無を検知する。発行する光は、可視光、赤外光などを用いればよい。
(6−b)その他、吸引力の増減により、ゴミの有無を検知する方法も考えられる。
(実施形態7)
障害物の検知方法としては、次の方法のうち、いずれかを用いればよい。ただし、(7−a)と(7−b)の両方を利用することが好ましい。
(7−a)筐体側面に設けられたバンパー(側板前部)に連動したマイクロスイッチを設け、障害物に接触したときに、マイクロスイッチが押し下げられることによって、障害物に衝突したことを検知する。
(7−b)超音波センサにより、障害物までの距離を測定し、測定距離が、所定の距離判定値よりも短い場合に、障害物を検知したと判断する。
(7−c)その他、クリフ検知センサにより、段差を検知する。
11 制御部、 12 充電池、 13 障害検知部、 14 角度検出部、 15 ゴミ検知部、 16 ゴミ判定部、 17 距離測定部、 18 誘導信号受信部、 19
スポット最大半径決定部、 20 充電台接続部、 21 走行制御部、 22 駆動輪、 31 吸気口、 32 排気口、 33 集塵部、 34 入力部、 41 記憶部、 42 現在位置、 43 スポット初期位置、 44 最大半径、 45 現在半径、 46 測定距離、 47 ゴミ判定値、 48 距離判定値、 100 充電台、
101 掃除機接続部、 102 誘導信号送信部、 103 制御部、 104 電力供給部、 105 商用電源

Claims (3)

  1. 予め定められている走行パターンで移動する通常走行モードと、ゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された場合には、ゴミが存在すると判定されたスポット初期位置とその位置の周囲を含む所定の床面領域を移動しつつゴミを収集し、前記通常走行モードとは異なり、前記スポット初期位置から開始されるスポット走行モードを行う自走式掃除機であって、
    筐体と、
    前記筐体を走行させる走行制御部と、
    床面のゴミを収集する集塵部と、
    前記床面のゴミの有無を検知するゴミ検知部と、
    前記検知されたゴミの有無に基づいて、床面に、所定量以上のゴミが存在するか否かを判定するゴミ判定部と、
    前記ゴミ判定部によってゴミが存在すると判定された場合、前記走行制御部によって、前記筐体を、前記所定の床面領域を、前記スポット走行モードの走行パターンで移動させ、前記集塵部によって前記所定の床面領域のゴミを収集させる制御部と、を備え、
    前記所定の床面領域が長方形領域であり、
    前記スポット走行モードは、前記ゴミ判定部によってゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された場合、前記長方形領域において走行してきた方向と略平行方向、かつ逆の方向に所定の距離だけ戻り、前記長方形領域において走行してきた軌跡を横切る動作を含むことを特徴とする自走式掃除機。
  2. 前記走行制御部は、前記スポット走行モードにおいて、前記逆の方向に戻るように前記筐体を移動させた後、前記走行してきた方向に進むように前記筐体を移動させることを特徴とする請求項1に記載の自走式掃除機。
  3. 前記走行制御部は、前記スポット走行モードにおいて、前記ゴミ判定部によってゴミが存在する、あるいはゴミが多いと判定された位置を少なくとも2回通過する動作を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の自走式掃除機。
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