JP6940470B2 - スライドファスナー用テープおよびスライドファスナー - Google Patents
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Description
上記設定した特徴でテープを編むと、前記テープの厚みは0.1〜0.2mmであり、従来技術におけるテープより薄く、ひいてはテープの一層の軽量化を実現することができる。
また、本発明によれば、ファスナーテープは、エレメント取付部と、エレメント取付部以外の残りの部分であるテープ本体部と、を有し、ファスナーテープの内側縁がファスナーテープの幅方向に折り返されて折り返し部が形成され、折り返し部およびファスナーテープ上の折り返し部と重なる部分がファスナーテープのエレメント取付部を構成し、ファスナーストリンガーは、エレメント縫製糸によりエレメント取付部に縫合固定されており、ファスナーテープの幅方向に沿って、エレメント取付部に縫い付けるエレメント縫製糸がエレメント取付部の両端の間に位置している。このため、エレメント取付部が上下2層構造になっているので、エレメント取付部の厚みおよび硬さを高めることができ、ファスナーストリンガーをファスナーテープに縫製しやすくすることができる。
当該スライドファスナー用テープ3において、テープ3を構成する糸の経糸の繊度、経糸の織密度、緯糸の繊度、緯糸の織密度、および緯糸のマルチフィラメント構造を設定することにより、テープ3をより薄く、軽量とする。
特に、テープ3は、前後方向の長さが長く、左右方向の幅が短いため、スライドファスナーを衣料品等の物品上に取り付けると、スライドファスナーにかかる力は主にスライドファスナーの幅方向に由来する、または、テープ3は、主にその幅方向上の横引強度を受ける。
そして、本願においては、ファスナーテープ3を構成する糸において、緯糸2は常に経糸1よりも太く、かつ各々の緯糸2はいずれも33本〜39本のモノフィラメントを束ねて形成されるマルチフィラメントとして設定すると、テープ3の幅方向の横引強度を大幅に増大できることから、非常に軽量で、薄いテープ3は長期間の耐久性を持つ。
よって、本願に係るスライドファスナー用テープ3は薄さ、軽さおよび強度を兼備して、多方面の要求を満たすことができる。
テープ3を製造するとき、まず経糸1と緯糸2とを編んでなる布生地を得て、その後必要なテープ3のサイズに基づいて布生地を超音波で切断し、テープ3を得るが、前記テープ3の前縁、後縁、左縁及び右縁はいずれもテープ縁部31であり、前記テープ縁部31は布生地を超音波で切断して得られるため、テープ縁部31は非常に滑らかで、しかもテープ縁部31に毛羽立ち、ほつれ、変形等の現象は発生せず、しかも、テープ3は縫製糸を設ける必要がないという前提で、テープ縁部31箇所での糸の緩みを効果的に防止することができる。
また、テープ3は非常に薄いため、超音波切断後のテープ3のテープ縁部31の箇所の厚みはテープ3の残りの部分の厚みに非常に近いことから、視覚的にもテープ縁部31の厚みとテープ3の残りの部分の厚みとの差を視認することはできず、テープ3の外観の統一性および美感を極度に高めている。
また、テープ3はかなり薄いため、透明な糸を使用せずとも、テープ3に透明感を持たせることができる。黒色テープ3及び白色テープ3に対して、分光光度計を用いてそれぞれ光の透過率の実験を行い、実験結果を表1〜表50および図2に示した。
図2において、グラフA1は黒色テープ3の実験結果のグラフであり、グラフA2は白色テープ3の実験結果のグラフであって、これから分かるように、テープ3の光の透過率は15%〜30%であり、黒色テープ3の光の透過率は20.22%前後であり、白色テープ3の光の透過率は24.53%前後であった。
表1〜表50は、異なる波長の光照射の下での黒色のテープおよび白色のテープの対応する光の透過率を示している。
このうち、一対のテープ3における2枚のテープ3は、前後に延び、左右に並列して設けられている。
2列のファスナーストリンガー4は、各々のテープ3の内側縁にそれぞれ設けられており、各々の列のファスナーストリンガー4は、前後に配置されている複数のエレメントから構成されている。
スライダー5は、2列のファスナーストリンガー4の噛合又は分離を実現するために、2列のファスナーストリンガー4上に挟持されて、ファスナーストリンガー4が延びる方向で前後に移動する。
引手6は、使用者が引手6を持ってスライダー5の前後移動をさせやすくするために、スライダー5に取り付けられている。
上止部7は、スライドファスナーを閉じるときに、スライダー5がファスナーストリンガー4の前端から前に向けてファスナーストリンガー4から外れるのを制限するために、ファスナーストリンガー4の前端に設けられている。
下止部8は、スライドファスナーを開くときに、スライダー5がファスナーストリンガー4の後端から後に向けてファスナーストリンガー4から外れるのを制限するために、ファスナーストリンガー4の後端に設けられており、かつ下止部8は、2列のファスナーストリンガー4が噛合したときにその後端が分離しないようにしている。
好ましくは、前記スライドファスナーは、ナイロンファスナー、またはコイルファスナーである。ナイロンファスナーでは、図3および図4に示すように、前記ファスナーストリンガー4は、螺旋コイル状を呈し、かつエレメント縫製糸9により前記ファスナーテープ3に縫合固定されている。
テープ3は非常に薄いため、ファスナーストリンガー4を縫製しやすくするために、前記エレメント取付部32は上下2層構造となっている。具体的には、図4に示すように、テープ3の内側縁は、テープ3の幅方向で折り返された後に折り返し部34を形成し、折り返し部34は下方側に位置しており、前記折り返し部34、およびテープ3上の折り返し部34と重なる部分はテープ3のエレメント取付部32を共同して構成しているため、テープ3上の折り返し部34の上方に位置し、かつ折り返し部34と重なる部分がエレメント取付部32の上層構造を構成しており、折り返し部34がエレメント取付部32の下層構造を構成しており、上下2層構造のエレメント取付部32の厚みおよび硬さが明らかに高まり、ひいてはファスナーストリンガー4が縫製しやすくなっている。
しかも、図4に示すように、テープ3の幅方向に沿って、エレメント取付部32に縫い付けるエレメント縫製糸9がエレメント取付部32の両端の間に位置しており、つまりエレメント取付部32の幅は、エレメント取付部32に縫い付ける左右2本のエレメント縫製糸9の間の間隔よりも大きく、つまり、エレメント取付部32の左端は左向きにエレメント取付部32における左側エレメント縫製糸91を越え、かつエレメント取付部32の右端は右向きにエレメント取付部32における右側エレメント縫製糸92を越えている。
2 緯糸
3 テープ
31 テープ縁部
32 エレメント取付部
33 テープ本体部
34 折り返し部
4 ファスナーストリンガー
5 スライダー
6 引手
7 上止部
8 下止部
9 エレメント縫製糸
91 左側エレメント縫製糸
92 右側エレメント縫製糸
Claims (9)
- ファスナーテープ(3)を構成する糸の経糸(1)の繊度を22dTex〜28dTexとし、
前記経糸(1)の織密度を205本/インチ〜231本/インチとし、
ファスナーテープ(3)を構成する糸の緯糸(2)の繊度を81dTex〜87dTexとし、
前記緯糸(2)の織密度を42本/インチ〜48本/インチとし、
かつ前記緯糸(2)は、33本〜39本のモノフィラメントを束ねて形成されるマルチフィラメントであり、
前記ファスナーテープ(3)は、エレメント取付部(32)と、前記エレメント取付部(32)以外の残りの部分であるテープ本体部(33)と、を有し、
前記ファスナーテープ(3)の内側縁がファスナーテープ(3)の幅方向に折り返されて折り返し部(34)が形成され、
前記折り返し部(34)およびファスナーテープ(3)上の折り返し部(34)と重なる部分がファスナーテープ(3)の前記エレメント取付部(32)を構成し、
前記ファスナーストリンガー(4)は、エレメント縫製糸(9)により前記エレメント取付部(32)に縫合固定されており、
ファスナーテープ(3)の幅方向に沿って、エレメント取付部(32)に縫い付けるエレメント縫製糸(9)がエレメント取付部(32)の両端の間に位置しており、
前記エレメント取付部(32)のみが、前記折り返し部(34)を有して、2層構造となっており、
前記エレメント取り付け部(32)以外の残りの部分である前記テープ本体部(33)は、前記折り返し部(34)を有さず、1層構造となっている
ことを特徴とするスライドファスナー用テープ。 - 前記経糸(1)の繊度を25dTexとし、
前記経糸(1)の織密度を210本/インチ〜226本/インチとし、
前記緯糸(2)の繊度を84dTexとし、
前記緯糸(2)の織密度を43本/インチ〜46本/インチとし、
前記緯糸(2)は、36本のモノフィラメントを束ねて形成されるマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。 - 前記ファスナーテープ(3)の厚みが0.1〜0.2mmであることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。
- 前記ファスナーテープ(3)が平織組織であることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。
- 前記ファスナーテープ(3)の光の透過率が15%〜30%であることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。
- 前記ファスナーテープ(3)の外周にテープ縁部(31)を有し、前記テープ縁部(31)が超音波切断により得られることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。
- 前記ファスナーテープ(3)の材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、及びポリアミドのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナー用テープ。
- 2列のファスナーストリンガー(4)およびスライダー(5)を備えるスライドファスナーにおいて、一対の請求項1〜7のいずれか1項に記載のファスナーテープ(3)をさらに備え、
前記一対のファスナーテープ(3)の内側縁のそれぞれに、1列の前記ファスナーストリンガー(4)が設けられ、
前記スライダー(5)が2列のファスナーストリンガー(4)上に挟持されて、2列のファスナーストリンガー(4)の噛合又は分離を実現することを特徴とするスライドファスナー。 - 前記スライドファスナーは、ナイロンファスナーであり、
前記ファスナーストリンガー(4)は、螺旋コイル状を呈し、かつエレメント縫製糸(9)により前記ファスナーテープ(3)に縫合固定されることを特徴とする請求項8に記載のスライドファスナー。
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