JP6839447B2 - 胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド及びその使用 - Google Patents
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Description
本願は、2015年10月1日に、日本に出願された特願2015−196227号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
胆道癌は、早期には自覚症状がほとんどなく、黄疸、白色便、黄疸尿、腹痛等の症状が現れた時点ではある程度進行していることがあり、早期に発見することが治療において重要である。なお、本明細書における胆道癌とは病理組織学的に胆管上皮由来の腺癌、腺扁平上皮癌、肝内胆管細胞癌を包括する。
しかしながら、これらのペプチドは、正常細胞又は正常組織と腫瘍細胞又は腫瘍組織との区別なく広汎且つ非選択的に吸収されるため、標的選択的な薬剤輸送を要求する悪性腫瘍の治療DDS(Drag Delivery System)ツールに応用することは、重篤な副作用を惹起する点で利用困難である。特に、世界的に実験系で汎用されているTat等の細胞膜透過性(細胞吸収性)ペプチドは、肝臓に集積を引き起こす性質が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
これに対して、cyclic RGDは、唯一医薬化されているペプチドである。cyclic RGDは、新生血管あるいは既存血管中の内皮細胞(及び一部の腫瘍細胞)で高発現することが報告されているαvβ3インテグリンを標的としており、血管透過性亢進にその作用点を持っているため、単独でなく他の医薬との同時併用の形でイメージング剤やDDS剤として応用されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特許文献1に記載のcyclic RGDは、腫瘍細胞及び腫瘍組織そのものを標的とするペプチドではないため、がんを直接捕捉する性能を持つペプチドという点で新規であり、制がん医療技術の面で未だ改良の余地があった。
[1]以下の(a)〜(d)のいずれかのペプチドであって、環状構造である、ペプチド。
(a)配列番号3で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、
(b)配列番号3で表される配列の内、N末端から4番目のアルギニン残基がイソロイシン残基、アラニン残基、又はリシン残基に置換されている配列を含むアミノ酸配列からなり、L−アミノ酸からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド、
(c)配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチド、
(d)配列番号7で表される配列の内、C末端から4番目のアルギニン残基がイソロイシン残基、アラニン残基、又はリシン残基に置換されている配列を含むアミノ酸配列からなり、D−アミノ酸からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド
[2]配列番号3、5、6のいずれかで表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、又は、
配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチドである、[1]に記載のペプチド。
[3]配列番号3で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、又は、
配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチドである、[1]又は[2]に記載のペプチド。
[4][1]〜[3]のいずれか一つに記載のペプチドをコードすることを特徴とする核酸。
[5][4]に記載の核酸を含むことを特徴とするベクター。
[6][1]〜[3]のいずれか一つに記載のペプチドと、標識物質、修飾物質及び生理活性物質からなる群より選ばれる1種以上と、を含むことを特徴とする医薬組成物。
[7]前記標識物質が、安定同位体、放射性同位体又は蛍光物質である[6]に記載の医薬組成物。
[8]前記修飾物質が、糖鎖又はポリエチレングリコールである[6]又は[7]に記載の医薬組成物。
[9]胆道癌治療用又は診断用である、[6]〜[8]のいずれか一つに記載の医薬組成物。
一実施形態において、本発明は、以下の(a)又は(b)のペプチドを提供する。
(a)配列番号1で表される配列を含むアミノ酸配列からなるペプチド。
(b)配列番号1で表される配列と同一性が60%以上である配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド。
IVV法では、mRNAの3’末端にPEG(ポリエチレングリコール)スペーサーを介して抗生物質の一種のピューロマイシンを結合し、それを鋳型として無細胞翻訳反応を行うことにより、タンパク質とmRNAとがピューロマイシンを介して共有結合した単純なmRNA−タンパク質連結分子IVVが構築される。本発明者らは、IVVを独自に作製することにより、IVVライブラリーを構築した。このIVVライブラリーの中からベイト(餌)と結合するタンパク質を含むIVVをin vitroで釣り上げた後、そこに連結しているmRNAを逆転写反応し、PCRで増幅し、塩基配列を解読することによって、相互作用するタンパク質群を、ごく微量(質量分析法の千倍以上の感度)で同定できる。
(a)配列番号1で表される配列を含むアミノ酸配列からなるペプチド。
LVXGARLVVR (配列番号1)
[上記の配列番号1で表されるアミノ酸配列において、Xは、イソロイシン残基(I)、アラニン残基(A)、アルギニン残基(R)、リシン残基(K)又はヒスチジン残基(H)を表す。]
LVRGARLVVR (配列番号2)
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列と同一性が60%以上であるアミノ酸配列からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド。
さらに、前記(b)のペプチドは、胆道癌に特異的な集積性を有する。
「配列同一性(%)」 = [一致したアミノ酸の数]/[対象アミノ酸配列のアミノ酸の総数]×100 (1)
Retro−Inverso型であることにより、細胞内の酵素による分解を受けにくくなる。L−アミノ酸のみから構成される上記(a)又は(b)のペプチドの半減期が3〜6時間であるのに対し、Retro−Inverso型であることにより、半減期を8〜12時間まで長くすることできる。
L−アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸であり、D−アミノ酸は、L−アミノ酸残基のキラリティーが反転しているものである。また、胆道癌に特異的な集積性を高めるために、又は他の物性を最適化するために化学的修飾を受けていてもよい。
CLVRGARLVVRC (配列番号3)
本実施形態のペプチドは、N末端及びC末端にシステイン残基を備えることで、システイン残基が有するチオール基同士のジスルフィド結合を利用して環状化形態をとることができる。
一実施形態において、本発明は、上述したペプチドをコードする核酸を提供する。
「配列同一性(%)」 = [一致した塩基数]/[対象塩基配列の総塩基数]×100 (2)
一実施形態において、本発明は、上述した核酸を含むベクターを提供する。
一実施形態において、本発明は、上述したペプチドを含むキャリアを提供する。
MRI造影剤、CT造影剤及び磁性体としては、例えばガドリニウム、Gd−DTPA、Gd−DTPA−BMA、Gd−HP−DO3A、ヨード、鉄、酸化鉄、クロム、マンガン、又はその錯体、若しくはそのキレート錯体等が挙げられる。MRI造影剤、CT造影剤又は磁性体で標識された上述のペプチドは、MRI造影剤、CT造影剤又は磁性体と上述のペプチドとを直接又はリンカーを介すことで、物理的又は化学的に結合させて調製すればよい。具体的には配位結合、共有結合、水素結合、疎水性相互作用、物理吸着であってよく、何れも公知の結合、リンカー及び結合方法を採用することができる。
さらに、本実施形態のキャリアにおいて、上述の融合タンパク質をコードする核酸を含む発現ベクターを胆道癌細胞又は組織に直接導入し、発現させてもよい。
一実施形態において、本発明は、上述のキャリアと生理活性物質とを備える医薬組成物を提供する。
「生理活性物質」としては、胆道癌選択的な細胞障害活性を有する分子標的薬が好ましいが、上述のキャリアにより、胆道癌選択的に蓄積されるため、従来の抗癌剤として用いられているサイトトキシック薬でもよい。
また、生理活性物質は、上述のキャリアと、直接又はリンカーを介すことで、物理的又は化学的に結合されていてよい。具体的には配位結合、共有結合、水素結合、疎水性相互作用、物理吸着であってよく、何れも公知の結合、リンカー及び結合方法を採用することができる。また、本実施形態の医薬組成物において、上述のキャリアは上述の標識物質又は修飾物質を含んでいてもよい。
本実施形態の医薬組成物は、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢、性別、体重、症状、治療方法、投与方法、処理時間等を勘案して適宜調節される。
例えば、本実施形態の医薬組成物を注射剤により静脈内(Intravenous:i.v.)注射する場合、被検動物(好ましくはヒト)に対し、1回の投与において1kg体重当たり、5mg以上のペプチドの量を投与することが好ましく、5mg以上15mg以下のペプチドの量を投与することがより好ましく、5mg以上10mg以下のペプチドの量を投与することが特に好ましい。
投与形態としては、例えば、動脈内注射、静脈内注射、皮下注射、鼻腔内的、腹腔内的、経気管支的、筋内的、経皮的、又は経口的に当業者に公知の方法が挙げられ、静脈内注射又は腹腔内的投与が好ましい。
本実施形態の医薬組成物は、治療的に有効量の上述のキャリア及び生理活性物質、並びに薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む。薬学的に許容されうる担体又は希釈剤は、賦形剤、稀釈剤、増量剤、崩壊剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、乳化剤、芳香剤、着色剤、甘味料、粘稠剤、矯味剤、溶解補助剤、添加剤等が挙げられる。これら担体の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、カプセル剤、懸濁剤、乳剤、又はシロップ剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
また、担体としてコロイド分散系を用いることもできる。コロイド分散系は、ペプチドの生体内安定性を高める効果や、特定の臓器、組織、又は細胞へ、ペプチドの移行性を高める効果が期待される。コロイド分散系としては、ポリエチレングリコール、高分子複合体、高分子凝集体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、水中油系の乳化剤、ミセル、混合ミセル、リポソームを包含する脂質を挙げることができ、特定の臓器、組織、又は細胞へ、ペプチドを効率的に輸送する効果のある、リポソームや人工膜の小胞が好ましい。
又は、水若しくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用されるものが挙げられる。さらには、薬理学上許容される担体又は希釈剤、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化されたものが挙げられる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
本発明の一側面は、胆道癌の治療のための上述のキャリアと生理活性物質とを備える医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の上述のキャリア及び生理活性物質、並びに薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、胆道癌の治療剤を提供する。
また、本発明の一側面は、胆道癌の治療剤を製造するための上述のキャリア及び生理活性物質の使用を提供する。
また、本発明の一側面は、上述のキャリア及び生理活性物質の有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、胆道癌の治療方法を提供する。
一実施形態において、本発明は、胆道癌をイメージングするための方法であって、上述のキャリアを用いる方法を提供する。
また、例えば、標識物質として安定同位体、PET用核種又はSPECT用核種を備える上述のキャリアを注射剤により静脈内(Intravenous:i.v.)注射する場合、使用する安定同位体、PET用核種又はSPECT用核種の種類に応じた放射線量から投与量を決定すればよい。
独自に作製した、ピューロマイシン(puromycin)を介在して表現型としての12アミノ酸残基ペプチドとそれに対応する遺伝子型としてのmRNAコード配列を有するprotein−RNAキメラ型ランダムペプチドライブラリー(in vitro virus library; IVVL)を用いて、公知のIVV(in vitro virus)法に準じて、下記表1に示す各ペプチド(Peptide1〜4)を分離及び同定した。また、IVVL由来の同定された各ペプチドは、FITC(Fluoresceinisothiocyanate)ラベルで合成し、塩酸塩処理を施したものである。また、r9(9残基連続D−アルギニン)は、現在汎用されている非選択的膜透過性ペプチドである。
これらは、いずれもシグマアルドリッチジャパン(ジェノシス事業部)への委託合成により入手した。
HPNE細胞は、5%FBS含CS−C培地キットを用いて培養した。NuLi−1細胞は、BEGM培地(Bronchial Epithelial Growth Medium, Serum−free)を用いて培養した。Kidney細胞は、正常ヒト腎臓上皮細胞用増殖培地(RenaLife Comp Kit)を用いて培養した。TIME細胞は、EBM−2−MV Bullet kit(Endothelial Cell Basal Medium−2 Bullet kit)を用いて培養した。
M156細胞、M213細胞、M214細胞及びKKU−100細胞に、実施例1において作製したPeptide1、2及び3をそれぞれ、培地中に4μMとなるように添加した。それらの細胞を37℃で60分間培養した。続いて、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。検鏡の前にペプチドを添加した培養上清を除去し、1×PBS(−)で3回洗浄後、トリプシン処理し接着細胞を剥離してただちに新しい96穴プレートに移入して新しい培養液に再懸濁後、検鏡を行った。結果を図1に示す。
M213細胞に、実施例1において作製したPeptide3又はr9を、培地中に4μMとなるように添加し、37℃で60分間培養した。胆管癌細胞内へのペプチドの阻害を検討するための阻害剤として、培養開始から20分後に、0、5、20、50、100μMのクロルプロマジン又は0、2、10、50、100μMの5−(N−エチル−N−イソプロピル)アミロライド(EIPA)を、30分後に0、10、20、40、80μMのダイナソーを、それぞれ添加した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図2A〜図2Cに示す。
なお、クロルプロマジンはクラスリン依存性のエンドサイトーシスを阻害する阻害剤である。また、ダイナソーは、ダイナミンによるクラスリン依存性のエンドサイトーシスを阻害する阻害剤である。また、EIPAは、マクロピノサイトーシス(飲作用)を阻害する阻害剤である。
M214細胞に、実施例1において作製したPeptide3又はPeptide4を、0%、10%、50%FBS含有培地中に4μMとなるように添加し、37℃で60分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図3A及び図3Bに示す。
なお、Peptide3及びPeptide4は同じアミノ酸配列からなるペプチドであって、Peptide3はL体のアミノ酸のみから構成されており、Peptide4はD体のアミノ酸のみから構成されている。すなわち、Peptide3及びPeptide4は鏡面異性体の関係にある。
上記表1に示した各種胆道癌細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図4に示す。
上記表1に示した各種胆細胞癌細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図5に示す。
上記表1に示したその他各種組織由来の癌細胞及びM156細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図6に示す。
上記表1に示した各種組織由来の正常細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図7に示す。
共培養したM156細胞及びMMNK−1細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を含む培地を入れ、37℃で60分間培養した。また、同時に、共培養したM156細胞及びMMNK−1細胞に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で30分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図8に示す。
M214細胞を腹腔内(i.p.)注射したNOD−SCIDマウス(日本チャールズリバー社より購入した6週齢雌マウス)をヒト胆管癌細胞移植モデル(human leukemia−xenograft model)として作製した。続いて、マウス体重20gに対して150μgの実施例1で作製したPeptide3を静脈内(i.v.)注射した。投与後90分で開腹して腫瘍病変とペプチドの分布を蛍光実体顕微鏡下に観察した。結果を図9に示す。図9において、gallは胆嚢、livは肝臓、stは胃、spは脾臓、brは脳、hrは心臓、kdは腎臓、luは肺、tumorは悪性腫瘍を意味する。また、図9において、「Bright Field」とは明視野において撮影した画像であり、「FITC」は暗視野において撮影した画像である。さらに上部の画像はマウスの開腹時の画像であり、下部の左側の画像は、摘出された各種組織の画像であり、下部の右側の画像は、摘出された各種組織をスライスしたものの画像である。
M156細胞を植えた肝臓をNOD−SCIDマウス(日本チャールズリバー社より購入した6週齢雌マウス)に移植した。続いて、マウス体重20gに対して150μgの実施例1で作製したPeptide3を静脈内(i.v.)注射した。投与後90分で開腹して腫瘍病変とペプチドの分布を蛍光実体顕微鏡下に観察した。結果を図10に示す。図10において、gallは胆嚢、livは肝臓、stは胃、spは脾臓、brは脳、hrは心臓、kdは腎臓、luは肺、tumorは悪性腫瘍を意味する。また、図10において、「Bright Field」とは明視野において撮影した画像であり、「FITC」は暗視野において撮影した画像である。さらに上部の画像はマウスの開腹時の画像であり、下部の左側の画像は、摘出された各種組織の画像であり、下部の右側の画像は、摘出された各種組織をスライスしたものの画像である。
上記表1に示した各種胆道癌細胞、MMNK−1細胞及びHepatocyte細胞に、実施例1において作製したPeptide4(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図11に示す。
TKKK細胞を腹腔内(i.p.)注射し、さらにTKKK細胞を植えた肝臓を移植したNOD−SCIDマウス(日本チャールズリバー社より購入した6週齢雌マウス)をヒト胆管癌細胞移植モデル(human leukemia−xenograft model)として作製した。続いて、マウス体重20gに対して150μgの実施例1で作製したPeptide3又はPeptide4を静脈内(i.v.)注射した。投与後90分で開腹して腫瘍病変とペプチドの分布を蛍光実体顕微鏡下に観察した。結果を図12に示す。図12において、gallは胆嚢、livは肝臓、stは胃、spは脾臓、brは脳、hrは心臓、kdは腎臓、luは肺、tumorは悪性腫瘍を意味する。また、図12において、「Bright Field」とは明視野において撮影した画像であり、「FITC」は暗視野において撮影した画像である。さらに、上部の画像はPeptide3を添加したマウスから摘出された組織の画像であり、下部の画像はPeptide4を添加したマウスから摘出された組織の画像である。また、左側の画像は、摘出された各種組織の画像であり、右側の画像は、摘出された各種組織をスライスしたものの画像である。
図13A及び図13Bから、Peptide3を投与したマウスでは、悪性腫瘍で検出された蛍光が肝臓で検出された蛍光の約8.6倍であるのに対し、Peptide4を投与したマウスでは、悪性腫瘍で検出された蛍光が肝臓で検出された蛍光の約45.8倍であった。
また、図14から、いずれの組織での蛍光を1としたときにおいても、Peptide3を投与したマウスでの悪性腫瘍で検出された蛍光よりも、Peptide4を投与したマウスでの悪性腫瘍で検出された蛍光のほうが高い数値であった。
M156細胞を植えた肝臓をNOD−SCIDマウス(日本チャールズリバー社より購入した6週齢雌マウス)に移植した。続いて、マウス体重20gに対して150μgの実施例1で作製したPeptide4を静脈内(i.v.)注射した。投与後90分で開腹して腫瘍病変とペプチドの分布を蛍光実体顕微鏡下に観察した。結果を図15に示す。図15において、gallは胆嚢、livは肝臓、tumorは悪性腫瘍を意味する。また、図15において、「Bright Field」とは明視野において撮影した画像であり、「FITC」は暗視野において撮影した画像である。さらに上部の画像はマウスの開腹時の画像であり、下部の左側の画像は、摘出された肝臓及び悪性腫瘍の画像であり、下部の右側の画像は、摘出された肝臓及び悪性腫瘍をスライスしたものの画像である。
3例の胆管癌患者の腹水に、実施例1において作製したPeptide3(4μM)及び核染色剤であるHoechst(同仁堂社製)を添加し、37℃で120分間培養した。続いて、試験例1と同様の方法により、倒立型蛍光顕微鏡で生細胞における各ペプチドの取り込みを視覚的に評価した。結果を図16に示す。図16において、「Phase+Hoechst」とは、核染色像を含む明視野を示す。
Claims (9)
- 以下の(a)〜(d)のいずれかのペプチドであって、環状構造である、ペプチド。
(a)配列番号3で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、
(b)配列番号3で表される配列の内、N末端から4番目のアルギニン残基がイソロイシン残基、アラニン残基、又はリシン残基に置換されている配列を含むアミノ酸配列からなり、L−アミノ酸からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド、
(c)配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチド、
(d)配列番号7で表される配列の内、C末端から4番目のアルギニン残基がイソロイシン残基、アラニン残基、又はリシン残基に置換されている配列を含むアミノ酸配列からなり、D−アミノ酸からなり、且つ、胆道癌に特異的な集積性を有するペプチド - 配列番号3、5、6のいずれかで表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、又は、
配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチドである、請求項1に記載のペプチド。 - 配列番号3で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、L−アミノ酸からなるペプチド、又は、
配列番号7で表される配列を含むアミノ酸配列からなり、且つ、D−アミノ酸からなるペプチドである、請求項1又は2に記載のペプチド。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドをコードすることを特徴とする核酸。
- 請求項4に記載の核酸を含むことを特徴とするベクター。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のペプチドと、標識物質、修飾物質及び生理活性物質からなる群より選ばれる1種以上と、を含むことを特徴とする医薬組成物。
- 前記標識物質が、安定同位体、放射性同位体又は蛍光物質である請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記修飾物質が、糖鎖又はポリエチレングリコールである請求項6又は7に記載の医薬組成物。
- 胆道癌治療用又は診断用である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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