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JP6827438B2 - 使用済み吸収性物品の処理装置及び処理方法 - Google Patents

使用済み吸収性物品の処理装置及び処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収する方法に関する。より詳しくは、本発明は、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品から、損傷が少ないパルプ繊維を回収する方法に関する。
使用済みの使い捨て紙おむつ等の吸収性物品を再資源化する試みがなされている。使用済み吸収性物品を再資源化するために、通常、使用済み吸収性物品を水中で分解し、吸収性物品の構成成分に分離し、回収することが行われる。しかし、吸収性物品に含まれる高吸水性ポリマーは、水分を吸収して質量が増加する上に、ゲル状になって流動性を失い、処理装置の処理能力を低下させる。
そこで、特許文献1は、石灰と次亜塩素と使用済み紙おむつを処理槽内に投入し、処理槽内で撹拌可能な最低限の水を供給しながら所定の時間にわたり撹拌し、処理槽内の液体を処理槽の外へ排出させると共に脱水し、排出された廃水を回収し水質処理を施して破棄することを特徴とする使用済み紙おむつの処理方法を提案している。
特開2010−84031号公報
しかし、特許文献1は、高吸水性ポリマーの不活化に充分な量の石灰を投入し、消毒剤(殺菌剤)として、次亜塩素を使用しているので、石灰によって、処理槽内が高いアルカリ環境となり、パルプ繊維が劣化する虞があるばかりか、石灰のカルシウムイオンにより架橋脱水された高吸水性ポリマーおよび未溶解石灰が大量に存在するために、本処理により回収されたパルプ繊維中の灰分量が非常に高くなってしまい、性能・品質が低下してしまう。また、次亜塩素使用による環境影響懸念も発生する。
本発明者らは、このような従来の問題点に着目し、使用済み紙おむつ等の使用済み吸収性物品に開孔部を設け、洗浄水流により内部のパルプ繊維および高吸水性ポリマーを漏れ出させ、使用済み吸収性物品の形態を保持したまま、分離した後、パルプ繊維に対して、洗浄効果が高くかつ損傷を与えることが少ない有機酸を、高吸水性ポリマーを不活化することができるpHで、洗浄水として使用することにより、損傷が少ないパルプ繊維を回収することができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収する方法であって、該方法が、使用済み吸収性物品の表面シートまたは/および裏面シートに面積円相当径が5〜45mmの開孔部または10〜45mmの切れ目を少なくとも1つ付与する工程、および開孔部または切れ目を付与した使用済み吸収性物品をpHが2.5以下の有機酸水溶液中で攪拌し、高吸水性ポリマーを不活化するとともに使用済み吸収性物品から開孔部または切れ目を通してパルプ繊維および高吸水性ポリマーを排出し、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマー、表面シートの素材、裏面シートの素材および有機酸水溶液を含む混合物を調製する工程を含むことを特徴とする。
本発明は、次の態様を含む。
[1]透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収する方法であって、該方法が、使用済み吸収性物品の表面シートまたは/および裏面シートに面積円相当径が5〜45mmの開孔部または10〜45mmの切れ目を少なくとも1つ付与する工程、および開孔部または切れ目を付与した使用済み吸収性物品をpHが2.5以下の有機酸水溶液中で攪拌し、高吸水性ポリマーを不活化するとともに使用済み吸収性物品から開孔部または切れ目を通してパルプ繊維および高吸水性ポリマーを排出し、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマー、表面シートの素材、裏面シートの素材および有機酸水溶液を含む混合物を調製する工程を含むことを特徴とする方法。
[2]前記混合物を、目開きが5〜15mmのスクリーンに通し、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物と、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物とに分離する工程をさらに含む[1]に記載の方法。
[3]パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物を酸化剤で処理し、不活化した高吸水性ポリマーを分解し、低分子量化し、可溶化する工程をさらに含む[2]に記載の方法。
[4]酸化剤で処理した混合物からパルプ繊維を分離する工程をさらに含む[3]に記載の方法。
[5]有機酸がクエン酸であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]有機酸水溶液のクエン酸濃度が2質量%以上であることを特徴とする[5]に記載の方法。
[7]表面シートまたは裏面シートが熱可塑性樹脂からなる素材を含み、かつ前記方法が、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥し、乾燥した混合物から熱可塑性樹脂からなる素材を分離する工程をさらに含むことを特徴とする[2]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[8]裏面シートが熱可塑性樹脂フィルムを含み、かつ前記方法が、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥し、乾燥した混合物から熱可塑性樹脂フィルムを分離する工程をさらに含むことを特徴とする[2]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[9]吸収性物品が、紙おむつ、尿取りパッド、ベッドシーツ、生理用ナプキンおよびペットシーツからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
本発明の方法によれば、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品から、パルプ繊維および高吸水性ポリマーを容易に分離し、損傷が少ないパルプ繊維を回収することができる。
本発明は、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収する方法である。
吸収性物品としては、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含むものであれば、特に限定されるものではなく、紙おむつ、尿取りパッド、ベッドシーツ、生理用ナプキン、ペットシーツ等を例示することができる。
透水性の表面シートとしては、透水性である限り限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂の繊維からなる透水性の不織布、開孔を有する熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる。
不透水性の裏面シートとしては、不透水性である限り限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂のフィルム、熱可塑性樹脂の繊維からなる不透水性の不織布等が挙げられる。
吸収体は、パルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む。
パルプ繊維としては、特に限定するものではないが、フラッフ状パルプ繊維、化学パルプ繊維等が挙げられる。
高吸水性ポリマーとは、SAPとも呼ばれ、水溶性高分子が適度に架橋された三次元網目構造を有するもので、数百倍〜千倍の水を吸収するが本質的に水不溶性であり、一旦吸収された水は多少の圧力を加えても離水しないものであり、たとえば、アクリル酸系、デンプン系、アミノ酸系の粒子状または繊維状のポリマーを例示することができる。
本発明の方法は、使用済み吸収性物品の表面シートまたは/および裏面シートに面積円相当径が5〜45mmの開孔部または10〜45mmの切れ目を少なくとも1つ付与する工程(以下単に「開孔工程」ともいう。)を含む。使用済み吸収性物品の表面シートまたは/および裏面シートに開孔部または切れ目を設けておくことにより、次工程の有機酸水溶液中で攪拌した際に、攪拌時の水流で使用済み吸収性物品の内部のパルプ繊維と高吸水性ポリマーを開孔部から漏れ出させ、使用済み吸収性物品の形態を残したまま、パルプおよび高吸水性ポリマーと、不織布およびフィルム等とを分離することができる。
開孔部の形状は、特に限定されず、たとえば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、星形等が挙げられる。開孔部の大きさは、面積円相当径が5〜45mmであり、好ましくは10〜40mmであり、より好ましくは15〜35mmである。面積円相当径とは、開孔部の面積と同一の面積を有する円の直径をいう。切れ目を設ける場合、切れ目の形状は、特に限定されず、直線でもよいし、曲線でもよいし、十字形でもよいし、×印でもよい。切れ目の長さは10〜45mmであり、好ましくは15〜40mmであり、より好ましくは20〜35mmである。開孔部の面積円相当径や切れ目の長さが小さすぎると、次工程の有機酸水溶液中で攪拌した際に、攪拌時の水流で使用済み吸収性物品の内部のパルプ繊維と高吸水性ポリマーを開孔部または切れ目から効率的に漏れ出させることができない。開孔部の面積円相当径や切れ目の長さが大きすぎると、攪拌時の衝撃で不透水性の裏面シートが破断し、おむつ形状を維持できなくなり、細かくなってしまい分離回収時の効率が悪化する虞がある。
表面シートまたは/および裏面シートに付与する開孔部または切れ目の数は、1つでもよいが、好ましくは複数であり、より好ましくは5〜30個である。
表面シートまたは/および裏面シートに付与する開孔部または切れ目の位置は、次工程において使用済み吸収性物品からパルプ繊維と高吸水性ポリマーを排出できる限り限定されないが、好ましくは吸収体が存在する位置である。
開孔部を付与する方法は、特に限定されないが、たとえば、使用済み吸収性物品をプレス開孔設備に投入し、穿孔棒等によるプレス処理により、付与することができる。また、切れ目を付与する方法は、特に限定されないが、たとえば、カッターを用いて表面シートまたは/および裏面シートを切断することにより、付与することができる。
開孔部または切れ目は、表面シートと裏面シートの一方にだけ付与してもよいし、両方に付与してもよい。開孔部または切れ目を表面シートと裏面シートの一方にだけ付与する場合、表面シートと裏面シートのいずれに付与してもよいが、使用済みおむつ廃棄時は通常裏面シートが外側になるように包まれて捨てられることから、裏面シートに付与することが好ましい。
本発明の方法は、開孔部または切れ目を付与した使用済み吸収性物品をpHが2.5以下の有機酸水溶液中で攪拌し、高吸水性ポリマーを不活化するとともに使用済み吸収性物品から開孔部または切れ目を通してパルプ繊維および高吸水性ポリマーを排出し、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマー、表面シートの素材、裏面シートの素材および有機酸水溶液を含む混合物を調製する工程(以下単に「有機酸処理工程」ともいう。)を含む。pHが2.5以下の有機酸水溶液で処理することにより、使用済み吸収性物品に含まれる高吸水性ポリマーのNaイオンがHイオンに置換され、高吸水性ポリマーの吸水能力を著しく低下させることができ、処理中に高吸水性ポリマーが吸水膨張し処理効率が低下するのを防止することができる。あらかじめ使用済み吸収性物品に開孔部または切れ目を付与しておくことにより、水溶液中で攪拌すると、開孔部または切れ目を通して、使用済み吸収性物品内のパルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーが徐々に処理槽内に出てくる。有機酸処理工程終了時には、吸収性物品の原型をほとんど有したまま、吸収性物品内部のパルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーの大半が処理槽内に出て、不織布・フィルム等と分離できる。
有機酸としては、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、アスコルビン酸、等が挙げられるが、クエン酸が特に好ましい。クエン酸のキレート効果により、排泄物中の金属イオン等がトラップされ除去可能であり、かつクエン酸の洗浄効果で、高い汚れ成分除去効果が期待できる。
有機酸水溶液のpHは2.5以下であり、好ましくは1.3〜2.4であり、より好ましくは1.5〜2.1である。pHが高すぎると、高吸水性ポリマーの吸水能力を十分に低下させることができない。また、一次殺菌能力が低下し、菌の死滅率が低下する恐れがある。pHが低すぎると、設備の腐食懸念が高まり耐用年数が低下したり、排水処理時の中和処理に多くのアルカリ薬品が必要となる虞がある。
有機酸水溶液の有機酸濃度は、有機酸水溶液のpHが2.5以下である限り限定されないが、有機酸がクエン酸の場合は、クエン酸の濃度は、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは2.0〜4.0質量%であり、さらに好ましくは2.0〜3.0質量%である。
有機酸水溶液は、さらに、洗剤等を含有してもよい。
処理温度すなわち有機酸水溶液の温度は、特に限定されず、加温してもよいが、室温のままでもよく、たとえば15〜30℃である。
処理時間は、高吸水性ポリマーを不活化し、パルプ繊維および高吸水性ポリマーの大半を使用済み吸収性物品から排出することができる限り限定されないが、好ましくは5〜60分であり、より好ましくは10〜30分である。
有機酸水溶液の量は、高吸水性ポリマーを不活化し、パルプ繊維および高吸水性ポリマーの大半を使用済み吸収性物品から排出することができる限り限定されないが、使用済み吸収性物品100質量部に対し、好ましくは300〜3000質量部であり、より好ましくは500〜2500質量部であり、さらに好ましくは1000〜2000質量部である。
有機酸処理工程を実行する具体的な方法は、特に限定されないが、たとえば、所定量の使用済み吸収性物品を洗浄設備に投入し、次いでpHが2.5以下の有機酸水溶液を投入し、攪拌する。有機酸水溶液には、必要に応じて、洗剤等を添加してもよい。
本発明の方法は、さらに、有機酸処理工程で得られたパルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマー、表面シートの素材、裏面シートの素材および有機酸水溶液を含む混合物を、目開きが5〜15mmのスクリーンに通し、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物と、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物とに分離する工程(以下「第一分離工程」ともいう。)を含むことができる。この工程では、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物はスクリーンを通過し、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物はスクリーンの上に残るので、両者を分離することができる。スクリーンの目開きは5〜15mmであるが、好ましくは7〜13mmである。スクリーンの目開きが、この範囲であれば、万が一裏面シートの一部が破断してしまっても、分離可能である。
本発明の方法は、さらに、パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物を酸化剤で処理し、不活化した高吸水性ポリマーを分解し、低分子量化し、可溶化する工程(以下単に「酸化剤処理工程」ともいう。)を含むことができる。パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物を酸化剤で処理することにより、不活化した高吸水性ポリマーを酸化分解し、低分子量化し、可溶化することができるとともに、パルプ繊維の二次殺菌および漂白、消臭を行うことができる。ここで、高吸水性ポリマーが分解し、低分子量化し、可溶化した状態とは、目開き2mmのスクリーンを通過する状態をいうものとする。すなわち、この工程において、高吸水性ポリマーを、目開き2mmのスクリーンを通過する程度にまで分解する。
酸化剤としては、不活化した高吸水性ポリマーを分解し、低分子量化し、可溶化することができる限り限定されないが、二酸化塩素、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。なかでも、分解能力の高さと環境影響の観点から、オゾンが好ましい。
酸化剤で処理する方法は、不活化した高吸水性ポリマーを分解し、低分子量化し、可溶化することができる限り限定されないが、たとえば、第一分離工程においてスクリーンを通して分離した後に得られたパルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物に酸化剤を添加する。または、さらに、その混合物を、パルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーが通過しない程度に目の細かいスクリーンに通して、混合物からパルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを分離し、分離したパルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを酸化剤水溶液に加えてもよい。
酸化剤としてオゾンを用いる場合は、パルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを含む混合物をオゾンと接触させることにより、より具体的にはパルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物にオゾンを吹き込むことにより、酸化剤処理を行うことができる。オゾンは、たとえば、オゾン水発生装置(エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS−25Vなど)を用いて発生させることができる。
パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物にオゾンを吹き込む場合、混合物中のオゾン濃度は、高吸水性ポリマーを分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、好ましくは1〜50質量ppmであり、より好ましくは2〜40質量ppmであり、さらに好ましくは3〜30質量ppmである。濃度が低すぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存する虞があり、また殺菌が不十分となる虞がある。逆に、濃度が高すぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与える虞があるとともに、安全性にも問題を生じる虞がある。
オゾン処理の時間は、高吸水性ポリマーを分解することができる時間であれば、特に限定されない。処理時間は、オゾン濃度が高ければ短くてよく、オゾン濃度が低ければ長い時間を要する。
オゾン濃度(ppm)と処理時間(分)の積(以下「CT値」ともいう。)は、好ましくは100〜6000ppm・分であり、より好ましくは200〜4800ppm・分であり、さらに好ましくは300〜3600ppm・分である。CT値が小さすぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存する虞がある。逆に、CT値が大きすぎると、パルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながる虞がある。
処理時間は、オゾン濃度に依存することは、上述のとおりであるが、好ましくは20〜120分であり、より好ましくは30〜100分であり、さらに好ましくは40〜80分である。
オゾン処理の際の温度は、高吸水性ポリマーを分解することができる温度であれば、特に限定されない。パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物にオゾンを吹き込む場合、混合物は、加熱してもよいが、室温のままでもよい。
酸化剤処理工程では、高吸水性ポリマーが酸化剤による酸化分解作用を受け、高吸水性ポリマーの三次元網目構造が崩れ、高吸水性ポリマーは保水性を失い、低分子量化し、可溶化する。
パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物にオゾンを吹き込む場合、混合物は酸性であることが好ましい。より好ましくは、混合物のpHは2.5以下であり、さらに好ましくは1.5〜2.4である。酸性の状態で処理することにより、オゾンによる高吸水性ポリマーの分解除去効果が向上し、短時間で高吸水性ポリマーを分解することができる。
酸化剤として、二酸化塩素を用いる場合は、パルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを含む混合物を二酸化塩素と接触させることにより、より具体的にはパルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物に二酸化塩素を吹き込むことにより、酸化剤処理を行うことができる。二酸化塩素は、市販のものを使用することができる。
パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物に二酸化塩素を吹き込む場合、混合物中の二酸化塩素の濃度は、高吸水性ポリマーを分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、好ましくは150〜1100質量ppmであり、より好ましくは200〜1000質量ppmであり、さらに好ましくは300〜900質量ppmである。濃度が低すぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存する虞があり、また殺菌が不十分となる虞がある。逆に、濃度が高すぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与える虞があるとともに、安全性にも問題を生じる虞がある。
処理時間は、オゾン処理の場合と同様である。
酸化剤として、次亜塩素酸ナトリウムを用いる場合は、パルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを含む混合物を次亜塩素酸ナトリウムと接触させることにより、より具体的にはパルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物に次亜塩素酸ナトリウムを添加することにより、または混合物からスクリーンにより分離したパルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬することにより、酸化剤処理を行うことができる。次亜塩素酸ナトリウムは、市販のものを使用することができる。
パルプ繊維、不活化した高吸水性ポリマーおよび有機酸水溶液を含む混合物に次亜塩素酸ナトリウムを添加する場合、またはパルプ繊維および不活化した高吸水性ポリマーを次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬する場合、混合物中または次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、高吸水性ポリマーを分解することができる濃度であれば、特に限定されないが、好ましくは0.5〜2質量%であり、より好ましくは0.75〜1.5質量%である。濃度が低すぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化することができず、回収したパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存する虞があり、また殺菌が不十分となる虞がある。逆に、濃度が高すぎると、酸化力も高まるため、パルプ繊維に損傷を与える虞があるとともに、安全性にも問題を生じる虞がある。なお、芽胞(枯草菌等)を完全に殺菌処理するためには、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は1.0質量%以上であることが好ましい。
処理時間は、オゾン処理の場合と同様である。
本発明の方法は、さらに、酸化剤で処理した混合物からパルプ繊維を分離する工程(以下単に「パルプ繊維分離工程」ともいう。)を含むことができる。パルプ繊維を分離する方法は、特に限定されないが、たとえば、酸化剤で処理した混合物を目開き0.15〜2.0mmのスクリーンを通過させることにより、パルプ繊維を分離することができる。酸化剤で処理した混合物、より具体的にはパルプ繊維および高吸水性ポリマーの分解生成物を含む水溶液を、目開き0.15〜2.0mmのスクリーンを通過させることにより、高吸水性ポリマーの分解生成物を含む水溶液はスクリーンを通過し、パルプ繊維はスクリーンの上に残る。
分離したパルプ繊維は、必要に応じて、脱水し、乾燥し、回収することができる。
乾燥する場合、乾燥温度は、好ましくは105〜210℃であり、より好ましくは110〜190℃であり、さらに好ましくは120〜180℃である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、好ましくは10〜120分であり、より好ましくは15〜100分であり、さらに好ましくは20〜90分である。
本発明の方法は、表面シートまたは裏面シートが熱可塑性樹脂からなる素材を含む場合、さらに、第一分離工程で得られた表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥し、乾燥した混合物から熱可塑性樹脂からなる素材を分離する工程(以下単に「熱可塑性樹脂素材分離工程」ともいう。)を含むことができる。表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥することにより、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を二次殺菌を行うことができる。ここで熱可塑性樹脂からなる素材とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂の繊維からなる不織布、熱可塑性樹脂のフィルム等をいう。分離した熱可塑性樹脂からなる素材は、RPF化(固体燃料化)することができる。酸化剤処理工程を設けない場合や酸化剤処理工程を設けたとしても酸化剤としてオゾンを使用した場合は、RPF化工程で、塩素系薬剤が含まれないため、炉を傷めない高品質のRPF製造が可能である。
本発明の方法は、裏面シートが熱可塑性樹脂フィルムを含む場合、さらに、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥し、乾燥した混合物から熱可塑性樹脂フィルムを分離する工程(以下単に「フィルム分離工程」ともいう。)を含むことができる。表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を乾燥することにより、表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物を二次殺菌を行うことができる。有機酸処理工程後も第一分離工程後も、使用済み吸収性物品の表面シートおよび裏面シートはほぼ元の形態を残しているため、簡単に熱可塑性樹脂フィルムを剥して分離回収することができる。分離した熱可塑性樹脂フィルムは、ペレット化することにより、再度ポリ袋やフィルムとして再生することができる。表面シートの素材および裏面シートの素材を含む混合物から熱可塑性樹脂フィルムを分離した後の残りは、概ね熱可塑性樹脂からなる素材なので、RPF化(固体燃料化)に回すことができる。
特許文献1のように使用済み吸収性物品の処理に石灰を使用すると、石灰により処理槽内が高いpH(12.4)環境になり、セルロースが膨潤してパルプ繊維がアルカリセルロース化して劣化してしまうが、本発明は、高吸水性ポリマーの不活化にpH2.5以下の有機酸を用いるため、パルプ繊維を劣化させ難く、かつ使用済み吸収性物品に開孔部または切れ目を設けて、有機酸処理工程において攪拌時の水流で使用済み吸収性物品内部のパルプ繊維と高吸水性ポリマーを開孔部または切れ目から漏れ出させ、使用済み吸収性物品の形態を残したまま、パルプ繊維および高吸水性ポリマーと、不織布およびフィルム等とを分離することができる。また、有機酸としてクエン酸を用いたときは、クエン酸のキレート効果と洗浄力により、排泄物由来の汚れ成分除去効果が期待できる。また、除菌効果とアルカリ性臭気に対する消臭効果も期待できる。
不活化高吸水性ポリマーを酸化剤で分解除去することにより、回収パルプ繊維へのコンタミや、高吸水性ポリマーの吸水による汚泥の急激な増加を防止することが可能である。使用する酸化剤の種類と濃度を調整することにより、不活化高吸水性ポリマーの酸化分解と殺菌を同時に行うことが可能である。
また、酸化剤処理工程を設けない場合や酸化剤処理工程を設けたとしても酸化剤としてオゾンを使用した場合は、不織布・フィルム素材回収工程では、塩素系薬剤を一切使用しないため、燃焼炉を痛め難い高品質のRPF製造が可能である。フィルム素材を分別回収すれば、袋やフィルム用原料として再生可能である。有機酸処理後も使用済み吸収性物品の形態を有しており、フィルム素材を簡単に使用済み吸収性物品から剥して効率よく回収できる。
処理工程中に塩類を使用していないため、回収されたパルプ繊維に塩類の残存が無く、低灰分の高品質パルプが回収可能である。
本発明の方法によれば、使用済み吸収性物品からパルプ繊維を再生しても、パルプ繊維の劣化を抑制できるため、繰り返し再生しても、品質の低下を最小限に留めることが可能となる。従来法に比べパルプ繊維中の灰分増加や吸収性能低下が発生し難い。
芽胞菌(枯草菌、セレウス菌等)まで殺菌することができ、かつ高い洗浄効果と金属イオン除去効果で安全かつ不純物の少ないパルプ繊維を回収可能である。
有機酸の酸性効果により、高吸水性ポリマー中のNaイオンのHイオンへの置換が促進され、高吸水性ポリマーがポリアクリル酸ナトリウム系の場合は、ポリアクリル酸ナトリウムがポリアクリル酸に変わり、高吸水性ポリマーの吸水能力が低下することにより、洗浄中の有機酸水溶液吸水が抑えられ、少ない溶液量で処理可能である。また、吸水ゲルも小さくなり洗浄終了後のスクリーン分離により、パルプ繊維とともに、大部分処理排水と一緒に処理槽外へ排出され、その後の槽内残渣物の大部分が不織布・フィルム等の水分非吸収素材となるため、乾燥効率が高くなる。
パルプ繊維とともに処理槽外排出された、不活化高吸水性ポリマーは、酸化剤により酸化分解し低分子化することにより、通常の排水処理で簡単に処理可能となる。不活化高吸水性ポリマーを分解除去することにより、パルプ繊維の不純物を低減可能である。また、酸化剤の効果により、パルプ繊維の殺菌、漂白、消臭効果も期待できる。
有機酸処理後も、吸収性物品の形態を有しており、吸収性物品から熱可塑性樹脂フィルム素材を簡単に剥すことができ、効率よく回収可能である。
有機酸処理前に、使用済み吸収性物品に開孔部または切れ目を付与することにより、吸収性物品の形態を有したまま、吸収性物品内部のパルプ繊維と高吸水性ポリマーを有機酸処理中に漏れ出させ効率よく分離回収が可能である。
以下、本発明を実施例に基いてより詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
標準コンポスト(八幡物産株式会社製YK−8)100gを1Lのイオン交換水に浸漬し、5分間攪拌後、30分間静置し、その上澄み溶液を240mL採水して、人工汚水を調製した。調製した人工汚水について、測定機器としてキッコーマン株式会社製ルミテスターPD−30を用いて、ATP検査を実施したところ、ATP値は16126であった。
市販紙おむつ(ユニ・チャーム社製「ムーニー」(登録商標)Mサイズ)に、先に調製した人工汚水240mLを吸水させた後、裏面シートに、株式会社イチネンミツトモ製打ち抜きポンチ5mmを用いて、直径5mmの円形の孔を24か所開けた。孔を開けた紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯層に1個投入し、続けてクエン酸(扶桑化学工業株式会社製)を濃度2質量%(pH2.1)に溶解した水溶液を10L投入し、室温で15分間洗濯後、水洗濯層内の液中に浮遊する不織布、フィルム等の大型固形物をφ10mmの孔の開いたザルですくい取り分離後、排水し、槽内に残ったパルプ繊維と不活化した高吸水性ポリマー、および排水と一緒に槽外に排出されたパルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーを回収し、ATP検査を実施した。ATP検査の結果、ATP値は0であった。
その後、パルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーをナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)の袋(250mm×250mm)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。脱水したパルプ繊維と高吸水性ポリマーはナイロンネットの袋ごと濃度1質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に浸漬し、5分間攪拌洗浄を行い、再び脱水槽で5分間脱水し、その後105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥後、パルプ繊維を回収した。回収されたパルプ繊維の灰分、吸水倍率および保水倍率を分析したところ、灰分は0.44質量%であり、吸水倍率は16.0g/gであり、保水倍率は7.1g/gであった。
実施例2
標準コンポスト(八幡物産株式会社製YK−8)100gを1Lのイオン交換水に浸漬し、5分間攪拌後、30分間静置し、その上澄み溶液を240mL採水して、人工汚水を調製した。調製した人工汚水について、測定機器としてキッコーマン株式会社製ルミテスターPD−30を用いて、ATP検査を実施したところ、ATP値は16126であった。
市販紙おむつ(ユニ・チャーム社製「ムーニー」(登録商標)Mサイズ)に、先に調製した人工汚水240mLを吸水させた後、裏面シートに、オルファ株式会社製万能L型カッターを用いて、1本の線の長さが40mmの十字の切込を12か所開けた。切込を開けた紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯層に1個投入し、続けてクエン酸(扶桑化学工業株式会社製)を濃度2質量%(pH2.1)に溶解した水溶液を10L投入し、室温で15分間洗濯後、水洗濯層内の液中に浮遊する不織布、フィルム等の大型固形物をφ10mmの孔の開いたザルですくい取り分離後、排水し、槽内に残ったパルプ繊維と不活化した高吸水性ポリマー、および排水と一緒に槽外に排出されたパルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーを回収し、ATP検査を実施した。ATP検査の結果、ATP値は0であった。
その後、パルプ繊維と不活化高吸水性ポリマーをナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)の袋(250mm×250mm)に入れ、脱水槽で5分間脱水した。脱水したパルプ繊維と高吸水性ポリマーはメッシュ袋ごと濃度1質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に浸漬し、5分間攪拌洗浄を行い、再び脱水槽で5分間脱水し、その後105℃の熱風乾燥機で24時間乾燥後、パルプ繊維を回収した。回収されたパルプ繊維の灰分、吸水倍率および保水倍率を分析したところ、灰分は0.40質量%であり、吸水倍率は16.5g/gであり、保水倍率は7.5g/gであった。
比較例1
特許文献1(特開2010−84031号公報)に記載の方法を追試した。具体的には、市販紙おむつ(ユニ・チャーム社製「ムーニー」(登録商標)Mサイズ)に、先に調製した人工汚水240mLを吸水させた後、紙おむつを2槽式小型洗濯機(アルミス社製「晴晴」AST−01)の洗濯層に1個投入し、洗濯槽内にCaO(和光純薬)80gを投入し、続けて次亜塩素酸Na250ppm(和光純薬で購入したものを希釈して調製)6.5Lを投入した。15分間洗濯後、水洗濯層内の液中に浮遊する紙おむつを回収し、紙おむつが形態を保持したまま分離していなかったため、手で物理的に表面材を破り紙おむつ内部の不活化したSAPを含むパルプ繊維を回収した。回収したパルプ繊維の灰分、吸水倍率および保水倍率を分析したところ、灰分は15.9質量%であり、吸水倍率は8.0g/gであり、保水倍率は2.8g/gであった。
実施例3
(不活化高吸水性ポリマーの酸化剤による分解検証)
不活化高吸水性ポリマー10gをナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)の袋(250mm×250mm)に入れ、不活化高吸水性ポリマーとナイロンネットの袋の合計質量を測定した後、次亜塩素酸ナトリウム濃度1質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液500gに室温で60分間浸漬した。浸漬後、不活化高吸水性ポリマーとナイロンネットの袋の合計質量を測定したところ、ナイロンネットの袋のみの質量になっていた。すなわち、不活化高吸水性ポリマーが分解し、ナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)から完全に溶出したことが分かった。
なお、各分析項目の分析方法は、次のとおりである。
[パルプ繊維の灰分の分析方法]
灰分とは、有機質が灰化されてあとに残った無機質または不燃性残留物の量をいう。灰分は、生理処理用品材料規格の「2.一般試験法」の「5.灰分試験法」に従って測定する。すなわち、灰分は、次のようにして測定する。
あらかじめ白金製、石英製または磁製のるつぼを500〜550℃で1時間強熱し、放冷後、その質量を精密に量る。試料2〜4gを採取し、るつぼに入れ、その質量を精密に量り、必要ならばるつぼのふたをとるか、またはずらし、初めは弱く加熱し、徐々に温度を上げて500〜550℃で4時間以上強熱して、炭化物が残らなくなるまで灰化する。放冷後、その質量を精密に量る。再び残留物を恒量になるまで灰化し、放冷後、その質量を精密に量り、灰分の量(質量%)とする。
[パルプ繊維の吸水倍率の分析方法]
吸水倍率は、単位質量あたりのパルプ繊維が吸収する水の質量をいう。吸水倍率は、次のように測定する。
(1)ナイロンネット(株式会社NBCメッシュテック製250メッシュナイロンネット)の袋(200mm×200mm)を準備し、その質量N(g)を測定する。
(2)ナイロンネットに測定サンプル約5gを入れ、ナイロンネットの袋を含む質量A(g)を測定する。
(3)ビーカーに0.9%濃度の生理食塩水1Lを入れ、準備したサンプル入りのナイロンネットの袋を浸漬させ3分間放置する。
(4)袋を引き上げ、水切りネット上に3分間静置し、水切りする。
(5)サンプルの入ったナイロンネットの袋の水切り後の質量A(g)を測定する。
(6)同一のサイズにて切り出したナイロンネットをもう1セット準備し、サンプルを入れずに(3)、(4)を同様に実施し、水切り後のナイロンネットの袋のみの質量N(g)を測定する。
(7)次式により、吸水倍率(倍)を算出する。
吸水倍率=(A−N−(A−N))/(A−N
(8)測定は10回行い、10回の測定値を平均する。
[パルプ繊維の保水倍率の分析方法]
(9)「パルプ繊維の吸水倍率の分析方法」の(5)測定終了後、150Gで90秒間脱水し、質量D(g)を測定する。
(10)同一のサイズにて切り出したナイロンネットをもう1セット準備し、サンプルを入れずに(3)、(4)、(9)を同様に実施し、水切り後のナイロンネットの袋のみの質量N′(g)を測定する。
(11)次式により、保水倍率(倍)を算出する。
保水倍率=(D−N′−(A−N))/(A−N
本発明の方法は、透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収するのに好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. 透水性の表面シート、不透水性の裏面シート、ならびにパルプ繊維および高吸水性ポリマーを含む吸収体を含む使用済み吸収性物品の処理装置であって、該処理装置が、
    前記使用済み吸収性物品の前記表面シートまたは/および前記裏面シートに開孔部または切れ目を付与する開孔手段と、
    有機酸水溶液を貯留する処理槽を含む有機酸処理手段と、
    を備え、
    前記開孔手段が、前記使用済み吸収性物品の前記表面シートまたは/および前記裏面シートに面積円相当径が5〜45mmの開孔部または10〜45mmの切れ目を少なくとも1つ付与し、前記有機酸処理手段が、前記処理槽内に投入された、前記開孔部または前記切れ目を付与した前記使用済み吸収性物品を、pHが2.5以下の前記有機酸水溶液中で攪拌し、前記高吸水性ポリマーを不活化するとともに前記使用済み吸収性物品から前記開孔部または前記切れ目を通して前記パルプ繊維および前記高吸水性ポリマーを排出し、前記パルプ繊維、不活化した前記高吸水性ポリマー、前記表面シートの素材、前記裏面シートの素材および前記有機酸水溶液を含む混合物を調製するように構成された、
    処理装置。
  2. 前記混合物を、目開きが5〜15mmのスクリーンに通し、前記パルプ繊維、不活化した前記高吸水性ポリマーおよび前記有機酸水溶液を含む第1の混合物と、前記表面シートの素材および前記裏面シートの素材を含む第2の混合物とに分離する第一分離手段をさらに備える、
    請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記パルプ繊維、不活化した前記高吸水性ポリマーおよび前記有機酸水溶液を含む前記第1の混合物を酸化剤で処理し、不活化した前記高吸水性ポリマーを分解し、低分子量化し、可溶化する酸化剤処理手段をさらに備える、
    請求項2に記載の処理装置。
  4. 前記酸化剤で処理した前記第1の混合物からパルプ繊維を分離するパルプ繊維分離手段をさらに備える、
    請求項3に記載の処理装置。
  5. 前記表面シートまたは前記裏面シートが熱可塑性樹脂からなる素材を含み、
    前記処理装置が、前記表面シートの素材および前記裏面シートの素材を含む前記第2の混合物を乾燥し、乾燥した前記第2の混合物から前記熱可塑性樹脂からなる素材を分離する熱可塑性樹脂素材分離手段をさらに備える、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の処理装置。
  6. 前記裏面シートが熱可塑性樹脂フィルムを含み、
    前記処理装置が、前記表面シートの素材および前記裏面シートの素材を含む前記第2の混合物を乾燥し、乾燥した前記第2の混合物から熱可塑性樹脂フィルムを分離するフィルム分離手段をさらに備える、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載の処理装置。
  7. 前記吸収性物品が、紙おむつ、尿取りパッド、ベッドシーツ、生理用ナプキンおよびペットシーツからなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理装置。
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