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JP6825042B2 - 眼科装置 - Google Patents

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JP6825042B2 JP2019111245A JP2019111245A JP6825042B2 JP 6825042 B2 JP6825042 B2 JP 6825042B2 JP 2019111245 A JP2019111245 A JP 2019111245A JP 2019111245 A JP2019111245 A JP 2019111245A JP 6825042 B2 JP6825042 B2 JP 6825042B2
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Description

この発明は、眼科装置に関する。
白内障は、レンズの役目を担う水晶体が混濁することにより徐々に視力が低下していく眼疾患である。白内障が進行した被検眼に対しては、一般的に、白内障手術が行われる。たとえば、白内障手術では、混濁した水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズ(Intraocular Lens:以下、IOL)を挿入することが行われる。IOLには、球面度のみを有するものや、乱視の矯正が可能なトーリックIOLや、遠方と近方の双方に焦点を合わせることが可能な多焦点IOLなどがある。白内障手術の前には、眼軸長や角膜曲率半径などの被検眼の構造を表す眼球情報を眼科装置により測定し、測定された眼球情報からIOLの度数を決定する必要がある。
このような眼科装置は、たとえば、特許文献1〜特許文献4に開示されている。特許文献1には、眼軸長を測定するための光学系と、被検眼の屈折力を測定するための光学系とを備え、被検眼の眼軸長と屈折力との測定を同時に実行可能な眼科装置が開示されている。特許文献2には、眼軸長を測定するための光学系と、角膜形状を測定するための光学系とを備えた眼科装置が開示されている。特許文献3には、スウェプトソースOCT(Optical Coherence Tomography:以下、OCT)の手法を用いて眼軸長の測定が可能な眼科装置が開示されている。特許文献4には、マイケルソン干渉計により眼軸長を測定する手法が開示されている。
特許第4523338号公報 特許第5500587号公報 特開2013−180111号公報 国際公開第2013/111090号
しかしながら、従来では、白内障手術前に複数の眼科装置を用いる必要があり、これらの設置スペースの確保が必要になっていた。また、1台の眼科装置で複数の眼球情報の取得が可能であっても、装置の大型化を招いていた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、白内障手術前に行われる複数の測定が可能な眼科装置の小型化を実現するための技術を提供することを目的とする。
実施形態に係る眼科装置は、光源からの光を参照光と測定光とに分割し、分割部材を用いて前記参照光を互いに異なる参照光路長に設定可能な第1ミラーユニット及び第2ミラーユニットに導き、前記測定光を被検眼に照射し、前記第2ミラーユニットを光軸方向に移動させることにより前記被検眼からの戻り光と前記第1ミラーユニットを経由した参照光との第1干渉光、及び前記戻り光と前記第2ミラーユニットを経由した参照光との第2干渉光を同時に検出する干渉光学系と、前記第1干渉光及び前記第2干渉光の検出結果から前記被検眼の構造を表す眼球情報を求める眼球情報算出部と、を含む。前記干渉光学系は、前記分割部材と前記第1ミラーユニットとの間の第1光路に対して挿脱可能な第1シャッターと、前記分割部材と前記第2ミラーユニットとの間の第2光路に対して挿脱可能な第2シャッターと、を含み、前記第1光路に前記第1シャッターが挿入され、且つ、前記第2光路から前記第2シャッターが退避された状態で前記測定光を前記被検眼に照射することで得られた干渉光の検出結果に基づいて前記第2ミラーユニットを光軸方向に移動した後、前記第1光路から前記第1シャッターを退避して前記測定光を前記被検眼に照射することで前記第1干渉光及び前記第2干渉光を同時に検出する。
この発明に係る眼科装置によれば、白内障手術前に行われる複数の測定が可能な眼科装置の小型化が可能になる。
実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の動作説明図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の構成例を示す概略図である。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る眼科装置は、他覚測定と自覚測定とを1台で実行可能な装置である。他覚測定は、被検者からの応答を参照することなく、主として物理的な手法を用いて被検眼に関する情報を取得するものである。他覚測定には、被検眼に関する値を測定するための他覚測定と、被検眼の画像を取得するための撮影とが含まれる。このような他覚測定には、たとえば、他覚屈折測定、角膜形状測定、眼圧測定、眼底撮影、OCTの手法を用いたOCT計測などがある。自覚測定は、被検者からの応答に基づいて結果を取得するものである。自覚測定には、たとえば、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレアー検査などの自覚屈折測定や、視野検査などがある。自覚測定では、被検者に情報(視標など)が提示され、その情報に対する被検者の応答に基づいて結果が取得される。
この実施形態では、OCT計測においてフーリエドメインタイプのOCTの手法を用いる場合について説明する。特に、この実施形態に係る眼科装置は、スペクトラルドメインOCTの手法を用いてOCT計測を行うことが可能である。なお、OCT計測は、スペクトラルドメイン以外のタイプ、たとえばスウェプトソースOCTの手法を用いてもよい。また、この実施形態におけるOCT計測は、タイムドメインタイプのOCTの手法を用いることも可能である。
また、この実施形態に係る眼科装置は、任意の自覚測定及び任意の他覚測定の少なくとも一方を実行することが可能である。以下、この実施形態に係る眼科装置は、自覚測定として、遠用検査、近用検査、コントラスト検査、グレアー検査などを実行可能であり、且つ、他覚測定として、他覚屈折測定、角膜形状測定、OCT計測などを実行可能な装置であるものとする。OCT計測では、眼軸長、角膜厚、前房深度、水晶体厚などの被検眼の構造を表す眼球情報の取得が行われる。この実施形態において、眼球情報は、眼軸長や水晶体厚などの眼内の所定の2つの部分間の距離を示す眼内距離を含むものとする。しかしながら、実施形態に係る眼科装置の構成は、これに限定されるものではない。
(眼科装置の外観構成)
第1実施形態に係る眼科装置の外観構成を図1に示す。眼科装置1000は、ベース200と、架台300と、ヘッド部400と、顔受け部500と、ジョイスティック800と、表示部10とを有する。
架台300は、ベース200に対して前後左右に移動可能とされる。ヘッド部400は、架台300と一体的に構成されている。顔受け部500は、ベース200と一体的に構成されている。
顔受け部500には、顎受け600と額当て700とが設けられている。顔受け部500により被検者(図示を略す)の顔が固定される。検者は、たとえば、眼科装置1000を挟んで被検者の反対側に位置して検査を行う。ジョイスティック800及び表示部10は、検者側の位置に配置されている。ジョイスティック800は、架台300上に設けられている。表示部10は、ヘッド部400の検者側の面に設けられている。表示部10は、たとえば、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。表示部10は、タッチパネル式の表示画面10aを有する。
ヘッド部400は、ジョイスティック800の傾倒操作によって前後左右に移動される。また、ヘッド部400は、ジョイスティック800をその軸に対して回転させることにより上下方向に移動される。これら操作によって、顔受け部500に保持されている被検者の顔に対するヘッド部400の位置が変わる。なお、左右方向の移動は、たとえば、眼科装置1000による検査対象を左眼から右眼にまたは右眼から左眼に切り替えるために行われる。
眼科装置1000には外部装置900が接続されている。外部装置900は、任意の装置であってよく、また、眼科装置1000と外部装置900との間の接続態様(通信形態など)も任意であってよい。外部装置900は、たとえば、レンズの光学特性を測定するための眼鏡レンズ測定装置を含む。眼鏡レンズ測定装置は、被検者が装用する眼鏡レンズの度数などを測定し、この測定データを眼科装置1000に入力する。また、外部装置900は、他の任意の眼科装置であってよい。また、外部装置900は、記録媒体から情報を読み取る機能を有する装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む機能を有する装置(ライタ)であってよい。
外部装置900の他の例として、当該医療機関内にて使用されるコンピュータがある。このような院内コンピュータは、たとえば、病院情報システム(Hospital Information System:HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)サーバ、医師端末などを含む。外部装置900は、当該医療機関の外部にて使用されるコンピュータを含んでよい。このような院外コンピュータは、たとえば、モバイル端末、個人端末、眼科装置1000のメーカ側のサーバや端末、クラウドサーバなどがある。
(光学系の構成)
眼科装置1000は被検眼の検査を行うための光学系を有する。この光学系の構成例について図2〜図5Bを参照して説明する。光学系はヘッド部400内に設けられている。光学系は、観察系5と、固視及び自覚測定系4と、グレアー光投影系8、レフ測定光投影系6と、レフ測定受光系7と、Zアライメント投影系1と、XYアライメントスポット投影系2と、ケラト測定用リング投影系3と、干渉光学系14とを含む。処理部9は、各種の処理を実行する。
観察系5は、被検眼Eの前眼部を観察するための光学系である。固視及び自覚測定系4は、被検眼Eに固視標及び自覚測定用の視標を提示するための光学系である。グレアー光投影系8は、前述の視標とともに被検眼にグレアー光を投影するための光学系である。レフ測定光投影系6は、眼屈折力を他覚的に測定するための光束を被検眼に投影するための光学系である。レフ測定受光系7は、レフ測定光投影系6により被検眼に投影された光の眼底反射光を受光するための光学系である。レフ測定受光系7は、干渉光学系14における光源(共通)から出力された測定光に対する眼底Efにおける戻り光(反射光、反射光束)から複数の点状の光束を形成し、この複数の点状の光束により形成された像を検出する機能を有する。固視及び自覚測定系4は、自覚測定を行うための光学系である。本例の固視及び自覚測定系4は、被検眼Eに視標を提示する機能を有する。Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2は、被検眼Eに対する光学系の位置合わせ(XYZアライメント)を行うために必要な光を投影するための光学系である。Zアライメント投影系1は、観察系5の光軸に沿う方向(前後方向)のアライメントを行うための機能を有する。XYアライメントスポット投影系2は、観察系5の光軸に直交する方向(上下方向、左右方向)のアライメントを行うためのスポットを投影する機能を有する。干渉光学系14は、他覚測定のために測定光を眼底Efに投影したりOCT計測を行ったりするための光学系である。干渉光学系14は、光源141から出力された測定光を眼底Efに投影する機能と、この測定光の戻り光を検出する機能とを有する。
(観察系5)
観察系5は、対物レンズ51と、ダイクロイックミラー52と、絞り53と、ハーフミラー54と、リレーレンズ55、56と、結像レンズ57と、撮像素子(CCD)58とを含む。撮像素子58の出力は、処理部9に入力される。処理部9は、撮像素子58から入力された信号に基づいて、表示部10に前眼部像E’を表示させる。
対物レンズ51と被検眼Eとの間には、ケラト板31が設けられている。ケラト板31は、角膜形状を測定するためのリング状光束を被検眼Eの角膜Cに投影するために用いられる。
(Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2)
ケラト板31の周辺にはZアライメント投影系1が設けられている。前述したように、Zアライメント投影系1は、観察系5の光軸前後方向のアライメントに用いられる。Zアライメント投影系1は、Zアライメント光源11を有する。Zアライメント光源11からの光は、角膜Cに投影される。角膜Cに投影された光は、角膜Cで反射し、結像レンズ12を経由してラインセンサー13上に投影される。角膜頂点の位置が観察系5の光軸上に対し前後方向に移動するとラインセンサー13上に投影された光束の位置が変化する。この位置の変化を解析することにより、対物レンズ51に対する被検眼Eの角膜頂点の位置を計測し、その計測値に基づいてアライメントすることができる。
XYアライメントスポット投影系2は、ハーフミラー54を介して観察系5から分岐した光路を形成している。前述したように、XYアライメントスポット投影系2は、上下方向及び左右方向のアライメントに用いられる。XYアライメントスポット投影系2は、XYアライメント光源21を有する。XYアライメント光源21から出力された光は、その一部がハーフミラー54にて反射されて絞り53を通過し、ダイクロイックミラー52を透過し、対物レンズ51を通過して被検眼Eに投影される。被検眼Eに投影された光は、角膜Cで反射され、対物レンズ51を通過して、観察系5と同じ光路を経由して撮像素子58に投影される。
図2などに示すように、表示画面10aには、前眼部像E’とともに、アライメントマークALと角膜Cで反射した輝点像Brとが表示される。手動でアライメントを行う場合、ユーザは、たとえば、表示画面10aに表示されている情報を参照しつつジョイスティック800を操作してヘッド部400の位置調整を行う。このとき、処理部9は、たとえば、アライメントマークALと角膜Cで反射した輝点像Brのずれ量で上下左右方向のずれ量を算出し、また、Zアライメント投影系1からの処理情報を基に光軸方向のずれ量を表示画面10aに表示させてよい。処理部9は、アライメントが完了したことに対応して測定を開始するように制御を行うことができる。
自動でアライメントを行う場合、上述のずれ量がキャンセルされるように電動の機構を制御してヘッド部400を移動させる。この機構は、駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力をヘッド部400に伝達する部材とを含む。処理部9は、アライメントが完了したことに対応して測定を開始するように制御を行うことができる。
(固視及び自覚測定系4)
固視及び自覚測定系4は、自発光式の液晶パネル41と、リレーレンズ42と、反射ミラー43と、ハーフミラー44と、合焦レンズ45と、リレーレンズ46と、バリアブルクロスシリンダ(以下、VCC)レンズ47と、反射ミラー48と、ダイクロイックミラー49及び52と、対物レンズ51とを含む。
グレアー光投影系8は、被検眼Eにグレアー光を照射するグレアー光源81と、リレーレンズ82とを有する。グレアー光源81、リレーレンズ82、ハーフミラー44、合焦レンズ45、リレーレンズ46、VCCレンズ47、反射ミラー48、ダイクロイックミラー49及び52、対物レンズ51は、グレアー光投影系を構成する。グレアー光投影系8は、固視及び自覚測定系4による視標の投影とともにグレアー光を被検眼Eに照射する。
固視及び自覚測定系4は、被検眼Eの眼底Efに視力測定用の視標を投影することが可能である。また、固視及び自覚測定系4は、視標のコントラストを変更可能である。
他覚測定(他覚屈折測定など)においては、風景チャートが眼底Efに投影される。この風景チャートを被検者に凝視させつつアライメントが行われ、雲霧視状態で眼屈折力が測定される。
なお、固視及び自覚測定系4は、光学式チャートによって視力測定用の視標を眼底Efに投影することも可能である。
(レフ測定光投影系6及びレフ測定受光系7)
レフ測定光投影系6とレフ測定受光系7とによりレフ測定系が構成される。レフ測定光投影系6は、干渉光学系14の光源141から出射した光を被検眼Eの眼底Efに投影する機能を有する。光源141から出射した光は、ファイバーカプラー142、コリメータレンズ61により平行光束となり、合焦レンズ62、リレーレンズ63、反射ミラー64、瞳レンズ65、穴開きプリズム66の中心部を通り、当該光路に対して挿脱可能な回転機構付光束偏心プリズム67(偏心部材)により偏心され、ダイクロイックミラー49及び52で反射し、対物レンズ51を通過して被検眼Eの眼底Efに投影される。ここで、被検眼Eの瞳孔と共役な位置近傍に配置された瞳レンズ65の表面には、中心部のみ光が通るようにエッチングが施されている。偏心プリズム67の効果は、被検眼眼底に投影された測定光束に血管や疾患が掛かった場合に、測定光の光量分布が変化、或いは低下することにより、測定精度の悪化を低減することにある。偏心プリズム67を回転させると、血管や疾患の測定光束への掛かり具合を平均化することができ、測定精度を向上させることが可能となる。また、近傍な位置とすることで、偏心プリズム67を回転させると、被検眼Eの瞳中心に対して、光束中心は偏心するため、被検眼瞳孔が小さい場合でも測定光が瞳孔を通過することが可能となる。但し、瞳孔と共役位置に配置しても、上記測定精度の向上効果は得ることができるので装置の仕様に合わせて選択することができる。穴開きプリズム66と偏心プリズム67を通過した光束の中心は偏心され、被検眼Eの瞳から所定距離だけ離れた位置から眼底Efに投影されることになるが、後述するように眼底Efから反射した光束は、同光路の偏心プリズム67に戻ることにより、あたかも偏心プリズム67が無い状態となり、レフ測定受光系7により撮像素子77に投影される。
レフ測定受光系7において、眼底Efから反射した光は対物レンズ51、ダイクロイックミラー52及び49で反射し、偏心プリズム67にて偏心され、穴開きプリズム66の周辺部にて反射される。穴開きプリズム66の周辺部にて反射された光は、瞳レンズ71、リレーレンズ72、合焦レンズ73にて平行光束とされ、6穴開口板74の開口部に入射し、それぞれ6本の光束に分離される。楔形6角プリズム75は、図2Bに示すように光軸OPの方向から見て、外側に斜面を持つ6つのプリズムから構成されている。6穴開口板74により分離された6本の光束は、楔形6角プリズム75にて所定角度だけ偏向される。結像レンズ76は、それぞれ6本の光束を撮像素子77に投影することにより、図2Cに示すように光軸OP中心の6つの点像が形成される。
合焦レンズ73、6穴開口板74、及び楔形6角プリズム75は、光軸方向に移動可能に構成された測定ユニット73Aに搭載される。屈折力測定の際、合焦レンズ62と測定ユニット73Aとは、連携して光軸方向に移動される。
なお、レフ測定受光系7は、楔形6角プリズム75に代えて、円錐プリズムを含んで構成されていてもよい。円錐プリズムは、眼底Efに投影された光源像を、被検眼Eの瞳中心または眼球光学中心から所定の距離だけ離れた周辺部を通過したリングパターンとして検出するために用いられる。
(干渉光学系14)
干渉光学系14は、レフ測定光投影系6と同じ構成を有する。光源141から出射した光束は、同光路を通り、被検眼Eの眼底Efに投影される。眼球情報を計測する場合には、偏心プリズム67は光路から退避され、測定光束は被検眼Eの瞳中心(または眼球光学中心)を通り眼底Efに投影される。
また、干渉光学系14は、OCT計測において眼底Efに投影された測定光の戻り光を検出する受光系として機能する。この受光系は、対物レンズ51、ダイクロイックミラー52及び49、光路に対して挿脱可能な回転機構付光束偏心プリズム67、穴開きプリズム66、瞳レンズ65、反射ミラー64、リレーレンズ63、合焦レンズ62、コリメータレンズ61、ファイバーカプラー142、分光器143を含む。
眼科装置1000の各部は処理部9によって制御される。たとえば、処理部9は、液晶パネル41、光源141、グレアー光源81、Zアライメント光源11及びXYアライメント光源21、ケラト板31のケラトリング光源32、合焦レンズ45、62及び73(合焦レンズ73が搭載された測定ユニット73A)、VCCレンズ47、網膜及び前房深度用シャッター154、角膜用シャッター157、参照ミラー156及び159、表示部10、挿脱可能な回転機構付光束偏心プリズム67などを制御する。
(角膜形状測定機能)
ケラト測定を行う場合、処理部9は、ケラトリング光源32を点灯させる。角膜Cに投影された角膜形状測定用リング状光束(ケラト板31)の角膜による反射光束は、観察系5により撮像素子58に前眼部像とともに投影される。処理部9は、撮像素子58によって取得された像に対して所定の演算処理を施すことにより、角膜の形状を表すパラメータを算出する。
(他覚測定機能)
レフ測定を行う場合、処理部9は、光源141を点灯させる。光源141からの光は、前述のようにファイバーカプラー142を通りコリメータレンズ61にて平行光となり、レフ測定光投影系6により眼底に投影される。被検眼Eが正視(=0D)の場合には、ファイバー端面(コリメータレンズ61の焦点位置)と被検眼Eの眼底Efが共役となる位置とが合焦レンズ62の基準位置となっている。この状態で眼底Efに投影された光束は、眼底Efで反射され、レフ測定受光系7を通り、途中に配置された6穴開口板74の開口部及び楔形6角プリズム75にて6本の分離された光束に偏角され、撮像素子77に投影される。被検眼Eが正視であるため、撮像素子77に投影された各光束は、基準の位置(中心から全て等間隔)に投影される。
被検眼が近視の場合、撮像素子77に投影された各光束は各点の中心方向に移動する。被検眼が遠視の場合、撮像素子77に投影された各光束は各点の中心から外側に向かって移動する。処理部9は、基準位置からの移動量を検出し、被検眼Eの屈折力を演算する(既知の方法)。或いは、処理部9は、合焦レンズ62と測定ユニット73A(合焦レンズ73、6穴開口板74、楔形6角プリズム75)を移動させその移動量から被検眼Eの屈折力を求めることもできる。
(OCT計測機能)
ここでは、OCT計測の例として被検眼Eの眼軸長(角膜頂点と網膜までの距離)を求める場合について説明する。OCT計測を行う場合、処理部9は光源141を点灯させる。光源141の点灯に同期して、角膜用シャッター157が、ビームスプリッター153と角膜用参照ミラーユニット161との間の光路に挿入され、網膜及び前房深度用シャッター154が、ビームスプリッター153と網膜及び前房深度用参照ミラーユニット160との間の光路から退避される。光源141からの光L0は、ファイバーカプラー142により測定光LSと参照光LRとに分離される。測定光LSは、レフ測定光投影系6と同光路を通り被検眼Eの眼底Efに投影される。このとき、偏心プリズム67は、光路外に退避されている。また、前述の被検眼Eの屈折力測定結果より、ファイバー端面は被検眼Eの眼底Efと共役となるように合焦レンズ62が移動されている。眼底Efで反射された光は同光路を戻りファイバー端面に投影され、ファイバーカプラー142に到達する。
一方、参照光LRは、コリメータレンズ151により平行光となり、50:50のビームスプリッター153により2つの光束(角膜用、網膜用)に分離され、それぞれ結像レンズ155、158により参照ミラー(反射ミラー)156、159に集光される。ここで、前述のように、角膜用シャッター157が光路に挿入され、且つ、網膜及び前房深度用シャッター154が光路から退避されているので、参照ミラー(網膜用参照ミラー)156から反射した光のみが、同光路を戻りファイバーカプラー142に到達する。眼底Ef及び参照ミラー156で反射した光は、ファイバーカプラー142で合波され干渉信号(干渉光LC)として、分光器143に導かれる。分光器143では、空間的に波長分離された光がラインセンサーに投影される。処理部9は、このラインセンサーから出力された信号に対し公知のFFT(Fast Fourier Transform:以下、FFT)を施すことにより深さ方向の情報を取り出すことができる。
網膜及び前房深度用参照ミラーユニット160と角膜用参照ミラーユニット161とは、被検眼Eの眼軸長に合わせて、干渉信号の位置が深さ方向で所定位置となるように移動される。たとえば、深さ方向に対するFFT後の干渉信号の強度変化を図4Bのように表すと、図4Aに示すように網膜及び前房深度用参照ミラーユニット160を光軸方向に移動させることにより、図4Bに示すように網膜による干渉信号SC0の位置が所定範囲内の所定位置となるように移動することができる。ここで、角膜用参照ミラー159の位置については、固定されていてもよい。
さらに、前述のZアライメント投影系1により角膜頂点座標が検出されるため、角膜頂点と対物レンズ51の距離(作動距離)を常に一定距離内に合わせることが可能となる。ここで、角膜用シャッター157が光路から退避されると、被検眼Eに投影された光のうち、角膜Cで反射した光との干渉信号が分光器143に同時に投影される。作動距離が所定範囲内である場合、角膜用参照ミラー159は、網膜による干渉信号SC1と重ならないように角膜位置とは距離dだけ離れた位置になるように配置されている(図5A)。従って、図5B(図4Bと同様に深さ方向に対するFFT後の干渉信号の強度変化を表す)に示すように、干渉信号計測範囲R内で、同時に2つの干渉信号(網膜による干渉信号SC1及び角膜による干渉信号SC2)を取得することが可能となる。特に、図5Bに示すように信号感度Sが変化する場合、信号成分の弱い網膜による干渉信号SC1を信号感度の高い計測範囲R1で検出し、信号成分の強い角膜による干渉信号SC2を信号感度の弱い計測範囲R2で検出することにより、2つの干渉信号を高精度に同時に取得することができる。
なお、干渉光学系14がスウェプトソースタイプのOCT装置と同様の構成を有する場合、低コヒーレンス光を出力する光源141の代わりに波長掃引光源が設けられるとともに、干渉光をスペクトル分解する光学部材が設けられない。干渉光学系14の構成については、光コヒーレンストモグラフィのタイプに応じた公知の技術を任意に適用することができる。
光源141は、たとえばSLD(Super Luminescent Diode)のような広帯域の低コヒーレンス光L0を出力する。光源141は、たとえば、中心波長が820nm〜880nmの範囲に含まれる低コヒーレンス光源である。これにより、測定光が視認されることによる被検者の負担を軽減しつつ、同一光源でレフ測定及びOCT計測の双方が可能になる。
なお、コリメータレンズ151と参照ミラー156、159との間の参照光LRの光路に、ガラスブロックや濃度フィルタが配置されていてもよい。ガラスブロックや濃度フィルタは、参照光LRと測定光LSの光路長(光学距離)を合わせるための遅延手段として、また参照光LRと測定光LSの分散特性や角膜用参照系(161)と網膜及び前房深度用参照系(160)の分散特性を合わせるための手段として作用する。
分光器143は、たとえば、コリメータレンズ、回折格子、結像レンズ、CCDを含んで構成される。分光器143に入射した干渉光LCは、コリメータレンズにより平行光束とされた後、回折格子によって分光(スペクトル分解)される。分光された干渉光LCは、結像レンズによってCCDの撮像面上に結像される。CCDは、この干渉光LCを受光して電気的な検出信号に変換し、この検出信号を処理部9に出力する。処理部9は、CCDからの検出信号に基づいて、被検眼Eの断層のOCT情報(たとえば、画像データなど)を生成する。この処理には、従来のスペクトラルドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFTなどの処理が含まれている。
また、干渉光学系14がスウェプトソースタイプのOCT装置と同様の構成を有する場合、分光器143は、たとえば、光分岐器と、バランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode:BPD)とを含んで構成される。分光器143に入射した干渉光LCは、光分岐器により分割され、一対の干渉光に変換される。BPDは、一対の干渉光をそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出信号(検出結果)の差分を処理部9に出力する。
なお、この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用したが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜採用することが可能である。
(自覚測定機能)
自覚測定を行う場合、処理部9は自発光式の液晶パネル41を駆動し、所望の視標を表示させる。また、処理部9は、他覚測定の結果に応じた位置に合焦レンズ45を移動させる。同様に、処理部9は、他覚測定で得られた被検眼Eの乱視状態(乱視度数、乱視軸角度)に基づいて、この乱視状態が矯正されるようにVCCレンズ47を制御することが可能である。乱視度数は、VCCレンズ47を構成する2つのシリンダレンズを独立に互いに逆方向に回転させることにより変更可能である。乱視軸角度は、VCCレンズ47を構成する2つのシリンダレンズを同方向に同じ角度だけ回転させることにより変更可能である。
検者または処理部9により視標が選択されると、処理部9は、液晶パネル41を駆動し、所望の視標を表示させる。この視標からの光は、リレーレンズ42、反射ミラー43、ハーフミラー44、合焦レンズ45、リレーレンズ46、VCCレンズ47、反射ミラー48、ダイクロイックミラー49及び52、対物レンズ51を経由して眼底Efに投影される。
被検者は、眼底Efに投影された視標に対する応答を行う。たとえば、視力表の場合には、被検者の応答により被検眼の視力値が決定される。たとえば、乱視検査の場合には、ドットチャートが駆動、表示され、被検者の応答により被検眼の乱視度数が決定される。視標の選択とそれに対する被検者の応答が、検者または処理部9の判断により繰り返し行われる。検者または処理部9は、被検者からの応答に基づいて視力値或いは処方値(S、C、A)を決定する。
また、グレアー検査が行われる場合、処理部9はグレアー光源81を点灯させる。そして、この状態で自覚測定が行われる。また、コントラスト検査が行われる場合、処理部9は、液晶パネル41を駆動することにより、表示する視標のコントラストを変更させる。
この実施形態では、固視及び自覚測定系4の構成、Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2の構成、ケラト系の構成、眼屈折力(レフ)の測定原理、自覚測定の測定原理、角膜形状の測定原理などは公知であるので、詳細な説明は省略する。
(情報処理系の構成)
眼科装置1000の情報処理系について説明する。眼科装置1000の情報処理系の機能的構成の例を図6及び図7に示す。情報処理系は、制御部110と、演算処理部120と、表示部170と、操作部180と、通信部190とを含む。制御部110は、演算処理部120、Zアライメント投影系1(Zアライメント光源11)、XYアライメントスポット投影系2(XYアライメント光源21)、ケラト測定用リング投影系3(ケラトリング光源32)、固視及び自覚測定系4、観察系5、レフ測定光投影系6(偏心プリズム67)、レフ測定受光系7、グレアー光投影系8(グレアー光源81)、干渉光学系14、表示部170及び通信部190を制御する。処理部9は、たとえば、制御部110と、演算処理部120とを含んで構成される。
(制御部110)
制御部110は、主制御部111と、記憶部112とを有する。制御部110は、たとえば、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。
(主制御部111)
主制御部111は、眼科装置1000の各種制御を行う。特に、主制御部111は、Zアライメント光源11、XYアライメント光源21、ケラトリング光源32、液晶パネル41、合焦レンズ45、VCCレンズ47を制御する。また、主制御部111は、合焦レンズ62、偏心プリズム67、測定ユニット73A、グレアー光源81、光源141、網膜及び前房深度用シャッター154、角膜用シャッター157、網膜及び前房深度用参照ミラーユニット160、角膜用参照ミラーユニット161などを制御する。特に、主制御部111は、偏心プリズム67の回転、挿脱を制御する。また、主制御部111は、測定ユニット73A及び合焦レンズ62を連携して光軸方向に移動させる。それにより、レフ測定受光系7の合焦位置が変更される。また、主制御部111は、撮像素子58、57や分光器143を制御することにより、これらにより取得された信号を取り込み、演算処理部120により画像の形成等を行わせる。
また、主制御部111は、記憶部112にデータを書き込む処理や、記憶部112からデータを読み出す処理を行う。
(記憶部112)
記憶部112は、各種のデータを記憶する。記憶部112に記憶されるデータとしては、たとえば、各モードにおける光学素子の設定情報、OCT情報の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部112には、眼科装置1000を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
(表示部170、操作部180)
表示部170は、制御部110による制御を受けて情報を表示する。表示部170は、図1などに示す表示部10を含む。
操作部180は、眼科装置1000を操作するために使用される。操作部180は、眼科装置1000に設けられた各種のハードウェアキー(ジョイスティック800、ボタン、スイッチなど)を含む。また、操作部180は、タッチパネル式の表示画面10aに表示される各種のソフトウェアキー(ボタン、アイコン、メニューなど)を含む。
表示部170及び操作部180の少なくとも一部が一体的に構成されていてもよい。その典型例として、タッチパネル式の表示画面10aがある。
(通信部190)
通信部190は、図1に示す外部装置900と通信するための機能を有する。通信部190は、たとえば処理部9に設けられていてもよい。通信部190は、外部装置900との通信の形態に応じた構成を有する。
(演算処理部120)
演算処理部120は、図7に示すように、眼屈折力算出部121と、眼球情報算出部122と、自覚度数算出部123と、自覚視力値算出部124とを有する。
眼屈折力算出部121は、光源141からの光を被検眼Eの眼底Efに照射してその戻り光を検出することにより被検眼Eの眼球光学系の眼屈折力を算出する。たとえば、眼屈折力算出部121は、レフ測定受光系7における撮像素子77によって取得された6本の光束の像に対して所定の演算処理を施すことにより眼屈折力を算出する。その具体例として、眼屈折力算出部121は、前述のように、撮像素子77に投影された6本の光束の像の位置の基準位置からの移動量を求め、求められた移動量から眼屈折力を求めることが可能である。また、円錐プリズムが適用された場合には、眼屈折力算出部121は、撮像素子77によって取得されたリングパターンの像の基準パターンからの変形や変位を求め、求められた変形や変位から眼屈折力を求めることが可能である。
眼球情報算出部122は、光源141からの光を被検眼Eに照射してその戻り光を検出することにより被検眼Eの構造を表す眼球情報を取得する。眼球情報は、眼軸長、角膜厚、前房深度、及び水晶体厚の少なくとも1つを含む。
また、眼球情報算出部122は、たとえば、観察系5における撮像素子58によって取得されたケラトリング像に対して演算処理を施すことにより角膜前面の強主経線や弱主経線の角膜曲率半径を算出し、算出された角膜曲率半径から角膜屈折力や角膜乱視度や角膜乱視軸角度を算出することが可能である。
また、制御部110は、視力測定における被検者からの応答に応じて入力される信号に基づいて、干渉光学系14及び眼球情報算出部162に眼軸長などの眼球情報の取得を実行させることが可能である。被検者からの応答に応じて入力される信号には、視力測定における被検者の応答入力に基づいて制御部110が眼球情報測定(眼軸長測定)を開始させるための信号や、応答時の視力値が所定の閾値以上であるときに生成される信号や、視力測定における検者または被検者が眼球情報測定(眼軸長測定)を開始させるための指示に基づいて生成された信号などがある。
また、眼球情報測定を開始させる場合、制御部110は、被検者からの応答時に投影されている視標に対応する視力値が閾値以上のとき、干渉光学系14及び眼球情報算出部162に眼球情報の取得を実行させることも可能である。閾値には、事前に決められた値や、当該被検眼の過去の視力測定値に基づいて決定された値などがある。
干渉光学系14及び眼球情報算出部122は、この実施形態に係る「眼球情報測定部」の一例である。観察系5、ケラト板31、Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2、及び眼球情報算出部122は、この実施形態に係る「角膜形状測定部」の一例である。
自覚度数算出部123は、被検眼Eの眼球光学系の眼屈折力と、被検眼Eの構造を表す眼球情報とを用いて、公知の計算式によりIOLの度数を求める。たとえば、自覚度数算出部123は、眼軸長、角膜厚、前房深度及び水晶体厚を用いて公知の計算式により求められたIOLの度数を求める。
自覚視力値算出部124は、被検者の眼底Efに投影された視標に基づく被検者の応答に基づいて、被検眼の視力値を求める。
(動作例)
この実施形態に係る眼科装置1000の動作例について説明する。
図8に、第1実施形態に係る眼科装置1000の動作例のフロー図を示す。
(S1)
まず、被検者の顔を顔受け部500で固定した後、ヘッド部400が被検眼Eの検査位置に移動される。検査位置とは、被検眼Eの検査を行うことが可能な位置である。前述のアライメント(Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2と観察系5とにより)を介して被検眼Eが検査位置に配置される。ヘッド部400の移動は、ユーザによる操作若しくは指示または制御部110による指示にしたがって、制御部110によって実行される。すなわち、被検眼Eの検査位置へのヘッド部400の移動と、他覚測定を行うための準備とが行われる。
制御部110は、たとえば、Zアライメント光源11及びXYアライメント光源21を消灯させた後、次のケラト測定の準備などを行うことが可能である。
(S2)
S1のアライメント状態が適正になったとき、眼科装置1000は、ケラト測定モードに移行する。ケラト測定モードへの移行は、制御部110からの指示、または操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により行われる。
ケラト測定モードに移行すると、制御部110は、ケラトリング光源32を点灯させる。ケラトリング光源32から光が出力されると、角膜Cに角膜形状測定用リング状光束光が投影される。眼球情報算出部122は、撮像素子58によって取得された像に対して演算処理を施すことにより、角膜曲率半径を算出し、算出された角膜曲率半径から角膜屈折力、角膜乱視度及び角膜乱視軸角度を算出する。制御部110では、算出された角膜屈折力などが記憶部112に記憶される。
(S3)
次に、眼科装置1000は、レフ測定モードに移行する。レフ測定モードへの移行は、制御部110からの指示、または操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により行われる。S3では、前述のようにレフ測定が行われ、眼屈折力算出部121は、眼屈折力を算出する。制御部110では、算出された眼屈折力などが記憶部112に記憶される。
(S4)
次に、眼科装置1000は、OCT計測モードに移行する。OCT計測モードへの移行は、制御部110からの指示、または操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により行われる。S4では、前述のようにOCT計測が行われ、眼球情報算出部122は、眼軸長などの眼球情報を算出する。制御部110では、算出された眼球情報が記憶部112に記憶される。
(S5)
次に、自覚度数算出部123は、S2〜S4で求められた被検眼Eの眼球光学系の眼屈折力と被検眼Eの構造を表す眼球情報とから、IOLの度数を求める。
(S6)
次に、眼科装置1000は、自覚測定モードに移行する。自覚測定モードへの移行は、制御部110からの指示、または操作部180に対するユーザの操作若しくは指示により行われる。S6では、前述のように自覚測定が行われ、自覚視力値算出部124は、視力値を求める。制御部110では、求められた視力値が記憶部112に記憶される。
なお、S6における自覚測定は、S4における眼軸長測定と同時に行われてもよい。この場合、被検眼において、図2に示すように自覚測定を行うための光学系(固視及び自覚測定系4)の光軸と眼軸長を測定するための光学系(干渉光学系)の光軸とがほぼ一致する。すなわち、眼軸長測定は、視軸がこれらの光軸にほぼ一致した状態で行われる。従来は、測定光軸と視軸との位置関係が一定の状態で測定することができなかった。しかしながら、この実施形態によれば、測定光軸と視軸との位置関係が一定の状態で測定することが可能となるため、被検眼とその測定光学系との位置関係が適正な状態で、眼軸長を測定することが可能になる。これにより、眼軸長についての測定精度が向上し、IOLの度数を高精度に求めることができるようになる。
また、S6では、コントラスト検査やグレアー検査が行われてもよい。たとえば、被検眼の自覚測定の終了後に、当該被検眼に対するコントラスト検査を行うための指示を操作部180に対してユーザが入力したとする。この指示を受けた制御部110は、コントラスト検査を行うための準備を行う。そして、被検眼のコントラスト検査が行われる。コントラスト検査では、視標のコントラストや縞視標の線の太さや濃さなどが変更され、どの程度まで視標の判別が可能かが検査される。制御部110は、取得されたコントラスト視力値を記憶部112に記憶させる。これにより、IOL適用後のコントラスト視力値が取得されるとともに、被検者や検者がIOLの適用が可能か否かを判断することが可能となる。
コントラスト検査の終了後に、当該被検眼に対するグレアー検査を行うための指示を操作部180に対してユーザが入力すると、この指示を受けた制御部110は、グレアー検査を行うための準備を行う。この準備には、グレアー光源81の点灯などが含まれる。そして、被検眼のグレアー検査が行われる。グレアー検査では、グレアー光源81による光が視標に当てられた状態で、どの程度まで視標の判別が可能かが検査される。制御部110は、取得されたグレアー視力値を記憶部112に記憶させる。これにより、IOL適用後のグレアー視力値が取得されるとともに、被検者や検者がIOLの適用が可能か否かを判断することが可能となる。
以上で、眼科装置1000の動作は、終了となる(エンド)。
(作用・効果)
実施形態に係る眼科装置1000の作用及び効果について説明する。
眼科装置は、眼屈折力測定部(たとえば、干渉光学系14の測定光の投影系、レフ測定受光系7及び眼屈折力算出部121)と、眼球情報測定部(たとえば、干渉光学系14及び眼球情報算出部122)とを含む。眼屈折力測定部は、光源(たとえば、光源141)からの光を被検眼Eに照射してその戻り光を検出することにより被検眼Eの眼球光学系の屈折力を取得する。眼球情報測定部は、光源(たとえば、光源141)からの光を被検眼Eに照射してその戻り光を検出することにより被検眼Eの構造を表す眼球情報を取得する。
このような構成によれば、屈折力を取得するための光源と眼球情報を取得するための光源とを共通化することができるため、白内障手術前にIOLの度数を決定するために行われる複数の測定が可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、眼屈折力測定部により形成された光源からの光の光路の一部と眼球情報測定部により形成された光源からの光の光路の一部とが共通であってもよい。
このような構成によれば、屈折力を取得するための光源と眼球情報を取得するための光源とその光路の一部とを共通化することができるため、白内障手術前にIOLの度数を決定するために行われる複数の測定が可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、眼屈折力測定部は、光源からの光を被検眼の瞳中心または眼球光学中心を通して被検眼の眼底に投影する投影系(たとえば、干渉光学系14の測定光の投影系)と、眼底で反射した光のうち被検眼の瞳中心または眼球光学中心から所定の距離だけ離れた周辺部を通過した光を受光する受光系(たとえば、レフ測定受光系7)と、投影系と受光系との共通の光路において被検眼の瞳と略共役な位置に設けられた偏心部材(たとえば、偏心プリズム67)とを含んでもよい。
このような構成によれば、上記のように白内障手術前にIOLの度数を決定するために行われる複数の測定が可能な眼科装置において、屈折力を取得するための測定光が投影された眼底面上に存在する疾患等による受光光束のむらを平均化することができ、測定精度を向上させることができる。
また、受光系は、眼底に投影された光源像を上記周辺部を通過した複数の点像として検出するための楔形プリズム(たとえば、楔形6角プリズム75)を含んでもよい。
このような構成によれば、レフ測定において測定光を被検眼Eの瞳中心から投影できるため、瞳周辺部からリング状の光束を測定光として眼底に投影する場合に比べて水晶体の混濁などに起因した測定光の散乱を抑え、眼屈折力の測定精度を向上させることができる。
また、受光系は、眼底に投影された光源像を上記周辺部を通過したリングパターンとして検出するための円錐プリズムを含んでもよい。
このような構成においても、レフ測定において測定光を被検眼Eの瞳中心から投影できるため、瞳周辺部からリング状の光束を測定光として眼底に投影する場合に比べて水晶体の混濁などに起因した測定光の散乱を抑え、眼屈折力の測定精度を向上させることができる。
また、眼球情報測定部は、干渉光学系(たとえば、干渉光学系14)と、眼球情報算出部(たとえば、眼球情報算出部122)とを含んでもよい。干渉光学系は、光源からの光を参照光と測定光とに分割し、測定光を被検眼に照射し、その戻り光と参照光との干渉光を検出する。眼球情報算出部は、干渉光学系による干渉光の検出結果に基づいて眼球情報を求める。
このような構成によれば、屈折力を取得するための光源を用いたOCTの手法により眼球情報を求めることができる。
また、眼球情報測定部は、光源からの光から複数の参照光を生成するための分割部材(たとえば、ファイバーカプラー142及びビームスプリッター153)を備え、被検眼の複数の位置からの測定光の反射光と、複数の参照光との干渉光の検出結果から眼球情報を取得してもよい。
このような構成によれば、被検眼の複数の位置に関する眼球情報を容易に取得することが可能になる。
また、眼球情報は、眼軸長、角膜厚、前房深度、及び水晶体厚のうち少なくとも1つを含んでもよい。
このような構成によれば、IOLの度数を決定するための公知の計算式(たとえば、SRK式など)に必要なパラメータの測定が可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、眼屈折力測定部により取得された屈折力と、眼球情報測定部により取得された眼球情報とに基づいて、眼内レンズの度数を算出する度数算出部(たとえば、自覚度数算出部123)を含んでもよい。
このような構成によれば、白内障手術前に複数の測定を行い、これらの測定結果に基づいてIOLの度数を求めることができる眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、眼科装置は、被検眼の角膜に所定のパターン光を照射し、その戻り光の検出結果に基づいて、角膜の形状を表すパラメータを取得する角膜形状測定部(たとえば、観察系5、ケラト板31、Zアライメント投影系1及びXYアライメントスポット投影系2、及び眼球情報算出部122)を含んでもよい。
このような構成によれば、白内障手術前に行われる複数の測定としてケラト測定が可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、眼科装置は、被検眼の眼底に視力測定用の視標を投影する視標投影部(たとえば、固視及び自覚測定系4)を含んでもよい。
このような構成によれば、白内障手術前に行われる複数の測定として自覚測定が可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、光源は、中心波長が820nm〜880nmの範囲に含まれる低コヒーレンス光源であってもよい。
このような構成によれば、測定光が視認されることによる被検者の負担を軽減しつつ、同一光源で収差情報の取得と眼球情報の取得とが可能な眼科装置を提供することが可能になる。
また、眼科装置は、被検眼の眼底に視力測定用の視標を投影する視標投影部(たとえば、固視及び自覚測定系4)と、光源(たとえば、光源141)からの光を被検眼に照射してその戻り光を検出することにより被検眼の構造を表す眼球情報を取得する眼球情報測定部(たとえば、干渉光学系14及び眼球情報算出部122)と、を含んでもよい。
このような構成によれば、自覚測定と眼球情報の取得とが可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。1台の眼科装置で自覚測定と眼球情報の取得とが可能になるため、たとえば、自覚測定が行われている被検眼とその測定光学系との位置関係を維持した状態で、当該被検眼の眼球情報の取得が可能になる。
また、眼科装置は、視標を投影するための光路と眼球情報を取得するための光路とを合成する光路合成部(たとえば、ダイクロイックミラー49、52)を含み、光路合成部により合成された光路を通じて、視標を投影するための光と眼球情報を取得するための光とが被検眼に導かれてもよい。
このような構成によれば、被検眼において、自覚測定を行うための光学系の光軸と眼球情報を取得するための光学系の光軸とが同軸になるため、眼球情報測定では、視軸がこれらの光軸にほぼ一致した状態で行われる。これにより、被検眼Eとその測定光学系との位置関係が適正な状態で、眼球情報を取得することが可能になる。そのため、眼球情報についての測定精度が向上し、IOLの度数を高精度に求めることができるようになる。
また、眼球情報測定部は、視標投影部により投影される視標を用いた視力測定が行われているとき、または当該視力測定の直後に、被検眼の眼球情報を取得してもよい。
このような構成によれば、自覚測定が行われている被検眼とその測定光学系との位置関係を維持した状態で、眼球情報の取得が可能になる。
また、眼科装置は、視力測定における被検者からの応答に応じて入力される信号に基づいて、眼球情報測定部に眼球情報の取得を実行させる制御部を含んでもよい。
このような構成によれば、自覚測定の状況に応じて、被検眼とその測定光学系との位置関係を維持した状態で眼球情報の取得の実行が可能になる。
また、制御部は、被検者からの応答時に投影されている視標に対応する視力値が閾値以上のとき、眼球情報測定部に眼球情報の取得を実行させてもよい。
このような構成によれば、自覚測定の状況に応じて、被検眼とその測定光学系との位置関係を維持した状態で眼球情報の取得の実行が可能になる。
また、眼科装置は、視標投影部による視標の投影とともにグレアー光を被検眼に照射するグレアー光投影系(たとえば、グレアー光投影系8)を含んでもよい。
このような構成によれば、さらに、グレアー検査も可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
また、視標投影部は、被検眼に投影される視標のコントラストを変更可能であってもよい。
このような構成によれば、さらに、コントラスト検査も可能な眼科装置の小型化を図ることが可能になる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、レフ測定においてレフ測定受光系7により取得された測定光の戻り光の像に基づいて測定を行う場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成は、これに限定されるものではない。第2実施形態では、レフ測定においてハルトマンプレート及びエリアセンサーを用いて測定を行う。以下では、第2実施形態に係る眼科装置について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図9に、第2実施形態に係る眼科装置の構成例を示す。図9において、図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第2実施形態に係る眼科装置1000aの構成が図2に示す第1実施形態に係る眼科装置1000の構成と異なる点は、レフ測定受光系7に代えて波面測定光学系7aが設けられた点である。波面測定光学系7aは、エリアセンサー76a、ハルトマン板75a、結像レンズ74a、絞り73a、リレーレンズ72、瞳レンズ71、ビームスプリッター66a、ダイクロイックミラー49及び52、対物レンズ51を含んで構成されている。絞り73a、結像レンズ74a、ハルトマン板75a、及びエリアセンサー76aは、光軸方向に移動可能に構成された測定ユニット73Bに搭載される。屈折力測定の際、合焦レンズ62と測定ユニット73Bとは、連携して光軸方向に移動される。
ハルトマン板75aは、被検眼Eからの戻り光の光路に設けられ、結像レンズ74aからの光束を複数の光束に分割する光学素子である。ハルトマン板75aは、遮光性を有するプレートに複数のピンホールが所定の配列で形成された絞りである。ハルトマン板75aに測定光の平行光束が入射すると、エリアセンサー76aには、複数のピンホールの配列状態に応じた戻り光の像が形成されるようになっている。エリアセンサー76aの反射面には、複数の撮像素子が配置されており、各撮像素子による戻り光の像の検出結果が処理部9に送られる。
被検眼Eからの戻り光は、対物レンズ51により集光され、ダイクロイックミラー52、49を経由し、ビームスプリッター66aによりその一部が反射される。ビームスプリッター66aで反射された戻り光は、瞳レンズ71、リレーレンズ72、絞り73、結像レンズ74aを経由し、ハルトマン板75aによって複数の光束に分割され、エリアセンサー76aが所定のエリア単位で戻り光の像を検出する。
図10及び図11に、第2実施形態に係る情報処理系の機能的構成例を示す。図10において、図6と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図11において、図7と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
この実施形態では、図6の演算処理部120に代えて演算処理部120aが設けられる。演算処理部120a(処理部9)は、エリアセンサー76aよる戻り光の像の検出結果を取得する。また、主制御部111は、測定ユニット73B及び合焦レンズ62を連携して光軸方向に移動させる。それにより、波面測定光学系7aの合焦位置が変更される。また、主制御部111は、撮像素子58やエリアセンサー76aや分光器143を制御することにより、これらにより取得された信号を取り込み、演算処理部120aにより画像の形成等を行わせる。
演算処理部120aは、収差算出部121aと、眼球情報算出部122と、自覚度数算出部123と、自覚視力値算出部124とを含む。
収差算出部121aは、エリアセンサー76aにより取得された戻り光の像の形態に基づいて、被検眼Eの眼球光学系の収差情報を算出する。たとえば、記憶部112は、ハルトマン板75aに対応する基準形態に対応したデータをあらかじめ記憶する。収差算出部121aは、エリアセンサー76aから当該エリアセンサー76aによって取得された戻り光の像のデータを取得する。収差算出部121aは、この戻り光の像のデータと記憶部112にあらかじめ記憶された基準形態に対応したデータとに基づいて戻り光の像の形態と基準形態とを比較することにより、被検眼Eを正視と同じ状態にするための収差情報を算出する。これにより、波面測定光学系7a及び収差算出部121aは、被検眼Eの眼球光学系の収差情報を取得することが可能である。波面測定光学系7a及び収差算出部121aは、この実施形態に係る「収差測定部」の一例である。「収差測定部」は、干渉光学系14の測定光の投影系をさらに含んで構成されていてもよい。
(作用・効果)
実施形態に係る眼科装置1000aの作用及び効果について説明する。
眼科装置において、収差測定部(たとえば、波面測定光学系7a及び収差算出部121a)は、ハルトマン板(たとえば、ハルトマン板75a)と、エリアセンサー(たとえば、エリアセンサー76a)と、収差算出部(たとえば、収差算出部121a)とを含む。ハルトマン板は、被検眼からの戻り光の光路に設けられる。エリアセンサーは、ハルトマン板を通過した戻り光を検出する。収差算出部は、エリアセンサーにより取得された戻り光の像の形態と、ハルトマン板に基づく基準形態とを比較することにより、収差情報を算出する。
このような構成によれば、被検眼Eの眼球光学系の収差情報について高次収差まで求めることが可能になる。
(その他の変形例)
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
上記の実施形態では、眼球情報算出部が、主として眼軸長を算出する例について説明したが、実施形態に係る眼球算出部は、これに限定されるものではなく、角膜厚や前房深度や水晶体厚についても同様に算出することが可能である。
上記の実施形態において説明した光学素子やその配置に限定されるものではない。たとえば、上記の実施形態におけるハーフミラーに代えてビームスプリッターが設けられてもよい。
眼圧測定機能、眼底撮影機能、前眼部撮影機能、光干渉断層撮影(OCT)機能、超音波検査機能など、眼科分野において使用可能な任意の機能を有する装置に対して、上記の実施形態に係る発明を適用することが可能である。なお、眼圧測定機能は眼圧計等により実現され、眼底撮影機能は眼底カメラや走査型検眼鏡(SLO)等により実現され、前眼部撮影機能はスリットランプ等により実現され、OCT機能は光干渉断層計等により実現され、超音波検査機能は超音波診断装置等により実現される。また、このような機能のうち2つ以上を具備した装置(複合機)に対してこの発明を適用することも可能である。
また、第1実施形態及び第2実施形態の適用が可能なシステムにおいて、当該2つの実施形態のうち所望の実施形態を動作モードの切り替えにより択一的に適用にすることが可能である。
1 Zアライメント投影系
2 XYアライメントスポット投影系
3 ケラト測定用リング投影系
4 固視及び自覚測定系
5 観察系
6 レフ測定光投影系
7 レフ測定受光系
7a 波面測定光学系
8 グレアー光投影系
9 処理部
10、170 表示部
14 干渉光学系
51 対物レンズ
67 偏心プリズム
110 制御部
111 主制御部
112 記憶部
120、120a 演算処理部
121 眼屈折力算出部
121a 収差算出部
122 眼球情報算出部
123 自覚度数算出部
124 自覚視力値算出部
141 光源
142 ファイバーカプラー
143 分光器
180 操作部
190 通信部
200 ベース
300 架台
500 顔受け部
600 顎受け
700 額当て
800 ジョイスティック
900 外部装置
1000、1000a 眼科装置
C 角膜
E 被検眼
Ef 眼底
L0 低コヒーレント光
LC 干渉光
LR 参照光
LS 測定光

Claims (12)

  1. 光源からの光を参照光と測定光とに分割し、分割部材を用いて前記参照光を互いに異なる参照光路長に設定可能な第1ミラーユニット及び第2ミラーユニットに導き、前記測定光を被検眼に照射し、前記第2ミラーユニットを光軸方向に移動させることにより前記被検眼からの戻り光と前記第1ミラーユニットを経由した参照光との第1干渉光、及び前記戻り光と前記第2ミラーユニットを経由した参照光との第2干渉光を同時に検出する干渉光学系と、
    前記第1干渉光及び前記第2干渉光の検出結果から前記被検眼の構造を表す眼球情報を求める眼球情報算出部と、
    を含み、
    前記干渉光学系は、
    前記分割部材と前記第1ミラーユニットとの間の第1光路に対して挿脱可能な第1シャッターと、
    前記分割部材と前記第2ミラーユニットとの間の第2光路に対して挿脱可能な第2シャッターと、
    を含み、
    前記第1光路に前記第1シャッターが挿入され、且つ、前記第2光路から前記第2シャッターが退避された状態で前記測定光を前記被検眼に照射することで得られた干渉光の検出結果に基づいて前記第2ミラーユニットを光軸方向に移動した後、前記第1光路から前記第1シャッターを退避して前記測定光を前記被検眼に照射することで前記第1干渉光及び前記第2干渉光を同時に検出する、眼科装置。
  2. 前記光源からの光を前記被検眼に照射してその戻り光を検出することにより前記被検眼の眼球光学系の屈折力を取得する眼屈折力測定部を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記眼屈折力測定部により形成された前記光源からの光の光路の一部と前記干渉光学系における前記光源からの光の光路の一部とが共通である
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記眼屈折力測定部は、
    前記光源からの光を前記被検眼の瞳中心または眼球光学中心を通して前記被検眼の眼底に投影する投影系と、
    前記眼底で反射した光のうち前記被検眼の瞳中心または眼球光学中心から所定の距離だけ離れた周辺部を通過した光を受光する受光系と、
    前記投影系と前記受光系との共通の光路において前記被検眼の瞳と略共役な位置に設けられた偏心部材と
    を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の眼科装置。
  5. 前記受光系は、前記眼底に投影された光源像を前記周辺部を通過した複数の点像として検出するための楔形プリズムを含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記受光系は、前記眼底に投影された光源像を前記周辺部を通過したリングパターンとして検出するための円錐プリズムを含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。
  7. 前記被検眼の眼底に視力測定用の視標を投影する視標投影部を含む
    ことを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の眼科装置。
  8. 前記眼屈折力測定部は、前記視標投影部により前記視標が投影されている前記被検眼の眼球光学系の屈折力を取得する
    ことを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
  9. 前記眼屈折力測定部により取得された前記屈折力と、前記眼球情報算出部により算出された前記眼球情報とに基づいて、眼内レンズの度数を算出する度数算出部を含む
    ことを特徴とする請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の眼科装置。
  10. 前記眼球情報算出部は、眼軸長、角膜厚、前房深度、および水晶体厚のうち少なくとも1つを前記眼球情報として算出する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の眼科装置。
  11. 前記被検眼の角膜に所定のパターン光を照射し、その戻り光の検出結果に基づいて、前記角膜の形状を表すパラメータを取得する角膜形状測定部を含む
    ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の眼科装置。
  12. 前記光源は、中心波長が820nm〜880nmの範囲に含まれる低コヒーレンス光源である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の眼科装置。
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