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JP6824774B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP6824774B2 JP2017031276A JP2017031276A JP6824774B2 JP 6824774 B2 JP6824774 B2 JP 6824774B2 JP 2017031276 A JP2017031276 A JP 2017031276A JP 2017031276 A JP2017031276 A JP 2017031276A JP 6824774 B2 JP6824774 B2 JP 6824774B2
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Description

本発明は、吸収性物品に関するものである。
吸収性物品においては、脚周りに対するフィット性を高めるために、内面における幅方向両側部に、身体側に突出する立体ギャザーがそれぞれ前後方向に沿って延在しているものが一般的となっている(例えば特許文献1、2参照)。このような立体ギャザーを備えることによって、両立体ギャザー間に排泄物が留まり、特に着用者の脚周り部からの排泄物の漏れが防止される。
また、脚周りにおける更なる漏れ防止を図るため、吸収体の幅方向両側に延在するサイドフラップ部のうち、立体ギャザーの付根部分と突出部分との境界よりも側方に延在する脚周り部分に、前後方向に延在する細長状の弾性部材を伸張状態で固定することにより、サイドフラップ部の脚周り部分を、装着者の脚周りに対して弾性的にフィットする平面ギャザー(立体ギャザーに対する意味で「平面」と呼ぶが、装着時には平面とはならず脚周りに沿う曲面となるものであることはいうまでもない)とすることも一般的となっている。
しかしながら、このような一般的な吸収性物品の平面ギャザーには次のような問題点があった。すなわち、吸収性物品は、製造時に折り畳まれて多数枚が集積され、集積方向に圧縮された状態でポリバッグに収納されて出荷される。この際、平面ギャザーを有するサイドフラップ部は吸収体の側縁に沿う折り目によりトップシート表面上に折り倒された状態でポリバッグ内に圧縮収納されているため、折り癖が付く。この折り癖が原因となって、おむつ装着の際、サイドフラップ部が側方に開かず、脚周りに適切にフィットさせることができずに、装着感が悪化したり、横漏れを引き起こしたりするおそれがあった。
この問題を解決する一つの手法として、特許文献3記載のように、サイドフラップ部における最も外側に配置された平面ギャザーの弾性部材よりも外側に位置する部分を、それよりも内側の部分の上に折り返して固定したものが提案されている。この場合、平面ギャザーの弾性部材よりも外側の部分が内側に捲れることはなくなるが、サイドフラップ部の側縁部が薄いシート状部分となるため、先端(側縁)の接触面積が小さく、肌触りが硬いという問題点がある。
また、他の手法として、本出願人による特許文献4記載のものも知られている。この手法によれば、サイドフラップ部における弾性部材を有する部分及びその幅方向外側の部分が、自然に、その幅方向中央側の部分に対して幅方向外側に反り返って開くようになるため、サイドフラップ部における弾性部材よりも外側の部分が内側に捲れにくいものとなる。しかし、特許文献4記載のものでも、サイドフラップ部の側縁部は薄いシート状部分となるため、先端(側縁)の接触面積が小さく、肌触りが硬いという問題点がある。
特開2010−12272号公報 特許3825977号公報 特開2011−72736号公報 特開2012−161557号公報
そこで、本発明の主たる課題は、装着に際してサイドフラップ部が容易に開き、脚周りに適切にフィットできるとともに、サイドフラップの側縁の肌触りを柔軟にすることにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
排泄物を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の幅方向両側にそれぞれ延び出たサイドフラップ部とを備え、
各サイドフラップ部における少なくとも股間に位置する部分は、前記吸収体を有する部分から側方に延びる基部と、この基部の側縁で幅方向中央側に折り返された折り返し部とを有しており、
前記折り返し部における少なくとも前後方向の中間に位置する部分では、前記折り返し部の先端側に前記基部と接合された接合部を有するとともに、前記折り返し部における前記接合部よりも側方全体は前記基部と接合されていない非接合部となっており、
前記基部及び折り返し部のうち表側に位置する方には、前記非接合部の側縁から幅方向内側に離れた位置を通り前後方向に延在するサイド弾性部材が設けられており、
自然長状態では、前記サイド弾性部材の収縮に伴い前記サイドフラップ部が前後方向に収縮される、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、基部及び折り返し部のうち表側に位置する方にサイド弾性部材を有しており、自然長状態では、サイド弾性部材の収縮に伴いサイドフラップ部が前後方向に収縮されて、いわゆる平面ギャザーが形成される。いま、基部及び折り返し部のうち表側に位置する方を表側層とし、裏側に位置する方を裏側層とすると、表側層におけるサイド弾性部材を有する部分より幅方向内側の部分は、非接合部の幅方向内側の縁を起点として回動するように起き上がりつつ、裏側層から浮き上がる。一方、表側層におけるサイド弾性部材を有する部分及びその幅方向外側の部分は、その幅方向内側の部分とともに一体的に起き上がるように力が作用するが、側端で折り返されて裏側層に続いているために起き上がりが抑制されつつ幅方向中央側に寄るように変形する。この結果、サイドフラップ部は自然に、その幅方向中央側の部分に対して幅方向外側に反り返って開くようになり、容易に、装着者の脚周り表面に対して平面ギャザーを面的にフィットさせることができるようになる。
しかも、表側層におけるサイド弾性部材を有する部分及びその幅方向外側の部分が幅方向中央側に寄るように変形するのに伴い、裏側層の側端部が丸くまくれ上がる結果、サイドフラップ部の側縁はこの丸くまくれ上がった中空部分により形成される。したがって、サイドフラップ部の側縁の肌触りも良好となる。
<第2の態様>
前記折り返し部は前記基部の表側に折り返されており、
前記基部には三層以上のシート層が積層されており、
この基部のシート層のうち二層のみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く二層のみとなっており、
前記折り返し部の二層のシート層間に前記サイド弾性部材が設けられている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
後述する形態からも分かるように、一般的な吸収性物品のサイドフラップ部は三層以上のシート層が積層されているものが多い。このようなサイドフラップ部を表側に折り返して折り返し部及び基部を形成すると、肌に接触する側に位置する折り返し部が必然的に三層構造となり、しかもサイド弾性部材により収縮するため、折り返し部が硬くなりやすい。これに対して、折り返し部を表側に折り返す場合に、本態様のように基部のシート層のうち二層のみが折り返し部まで続き、折り返し部のシート層は、基部から続く二層のみとなっていると、折り返し部が硬くなりにくい。
<第3の態様>
前記吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装シートと、
前記サイドフラップ部を含む領域に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た突出部分と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記突出部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する立体ギャザーと、
を備えており、
前記基部は、前記立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記外装シートとの間に、前記液不透過性シートが挟まれた三層構造となっており、
前記基部のシート層のうち前記外装シート及び液不透過性シートのみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く前記外装シート及び液不透過性シートの二層のみとなっている、
第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
折り返し部を表側に折り返し、かつ折り返し部のシート層を二層とする場合、本態様のようになっているとサイドフラップ部の側縁まで液不透過性シートが存在し、漏れ防止性に優れるものとなる。
<第4の態様>
前記吸収体の裏側を覆う液不透過性シートと、
前記液不透過性シートの裏側を覆う外装シートと、
前記サイドフラップ部を含む領域に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た突出部分と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記突出部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する立体ギャザーと、
を備えており、
前記基部は、前記立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記外装シートとの間に、前記液不透過性シートが挟まれた三層構造となっており、
前記基部のシート層のうち前記ギャザーシート及び外装シートのみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く前記ギャザーシート及び外装シートの二層のみとなっている、
第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
折り返し部を表側に折り返し、かつ折り返し部のシート層を二層とする場合、本態様のようになっていると折り返し部に液不透過性シートが存在しないため、折り返し部の柔軟性に特に優れるものとなる。
<第5の態様>
前記折り返し部は前記基部の裏側に折り返されている、
第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様のように、折り返し部を基部の裏側に折り返すことで、接合部及びサイドフラップの素材の縁が裏側に位置し、肌に直接接触しなくなるため、サイドフラップ部の肌触りがより一層好ましいものとなる。
<第6の態様>
前記サイドフラップ部の折り返し位置と、当該サイドフラップ部における最も幅方向外側に位置するサイド弾性部材との幅方向最小間隔が3〜10mmであり、
前記非接合部の幅方向内側の縁と、当該非接合部における最も幅方向内側に位置するサイド弾性部材との幅方向最小間隔が3〜13mmである、
第1〜5のいずれか1つ態様の吸収性物品。
(作用効果)
各部の寸法は適宜定めればよいが、通常の場合、本態様の範囲内にあると好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、装着に際してサイドフラップ部が容易に開き、脚周りに適切にフィットできるとともに、サイドフラップの側縁の肌触りが柔軟になる、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の5−5線断面図である。 図1の6−6線断面図である。 (a)図1の7−7線断面図、(b)図1の8−8線断面図である。 帯状シートの(a)(c)平面図、及び(b)(d)断面図である。 展開状態の要部を拡大して示す断面図である。 他の形態における、展開状態の要部を拡大して示す断面図である。 他の形態における、展開状態の要部を拡大して示す断面図である。 他の形態における、展開状態の要部を拡大して示す断面図である。 平面ギャザーの変形態様を示す概略図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合するホットメルト接着剤を示しているが、ホットメルト接着剤に代えて、他の接着剤を用いたり、ヒートシール、超音波シール等の溶着を用いたりすることにより接合してもよいことはいうまでもない。また、以下の説明において、「前後方向LD(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このテープタイプ使い捨ておむつは、腹側部分Fから背側部分Bにかけて幅方向WDの中間部に設けられた吸収体56と、この吸収体56の表側を覆う液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を覆う液不透過性シート11とを有する本体部10と、本体部10における背側部分Bの胴周り部分の幅方向両側には、腹側部分Fと背側部分Bとを連結するファスニングテープ13がそれぞれ突出している。本体部10は、吸収体56よりも前側及び後側に延びる、吸収体56を有しないエンドフラップ部EFと、吸収体56よりも幅方向WDの両側に延びる、吸収体56を有しないサイドフラップ部SFとを有している。
より詳細には、図示例では、本体部10の外面全体が外装シート12により形成されており、その内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収体56を含む吸収要素50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。この部分はエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFの一部となる。
さらに、本体部10の表面における幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる立体ギャザー60,60が設けられており、この立体ギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、トップシート30の両側部から各サイドフラップ部SFの内面全体を覆うように延在されている。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は、使い捨ておむつの裏面を布のような肌触り・外観とするために設けられる。外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。外装シート12は省略することもでき、その場合、使い捨ておむつの裏面に液不透過性シート11が露出する形態とすることができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
図示例の液不透過性シート11は、トップシート30よりも幅が若干広く、外装シート12より幅が狭くなっているが、これに限定されず、液不透過性シート11は外装シート12と同じ幅とするなど、適宜変更することができる。
(トップシート)
トップシート30としては液透過性を有するもの、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
図示例のトップシート30は、吸収体56の側縁よりも側方に延びているが、これに限定されず、外装シート12の側縁まで延びていてもよく、また立体ギャザーを有する形態では立体ギャザーの付根部分まで延びていれば、吸収体の側縁よりも幅方向内側までしか延びていなくてもよいなど、適宜変更することができる。
(中間シート)
トップシート30を透過した排泄物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートともいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、排泄物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した排泄物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30の表面を肌触りを良くするものである。中間シート40としては、トップシート30と同様の素材を用いることもできる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40の素材は特に限定されず、例えばトップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生しにくいが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。なお、中間シート40はポリエチレンなどのフィルム素材に多数の細孔を設けたメッシュフィルムなどとすることも可能である。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分であり、図示例では吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっている。吸収体56が形状維持性に優れる場合等、必要に応じて包装シート58は省略することもでき、その場合は吸収要素50は吸収体56のみからなる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は図示例のように長方形形状とする他、前後方向中間に、その前後両側よりも幅が狭い括れ部を有する砂時計形状とすると、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、本体部10の周縁近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示し、符号10Xは本体部10の全幅を示し、符号10Lは本体部10の全長(図示形態ではおむつの全長に等しい)を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(立体ギャザー)
トップシート30上を横方向に移動する尿や軟便を遮り、横漏れを防止するために、使い捨ておむつの表面の幅方向WDの両側には、トップシート30の側部から肌側に立ち上がる(突出する)立体ギャザー60が前後方向全体にわたり設けられている。
図示例の立体ギャザー60は、サイドフラップ部SFを含む領域に固定された付根部分65と、この付根部分65から延び出た突出部分66と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分67と、突出部分66のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の自由部分68と、この自由部分68の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材63とを有している。立体ギャザー60は、先端で折り返されたギャザーシート62により形成されており、ギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等の細長状弾性部材を用いることができる。ギャザー弾性部材63は、図1及び図2に示すように各複数本、間隔を空けて設ける他、各1本設けることができる。ギャザー弾性部材63を有する部分の伸長率は特に限定されないが、通常の場合150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。
図示例の立体ギャザー60の付根部分65は、サイドフラップ部SFにのみ設けられており、液不透過性シート11の側部及び外装シート12の側部に接合されているが、サイドフラップ部SFから吸収体56と重なる領域の側部まで延びていてもよい。
立体ギャザー60の突出部分66は、前後方向LDの両端部が倒伏部分となっているものの、その間の部分は非固定の自由部分68とされており、この自由部分68がギャザー弾性部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そしてギャザー弾性部材63の収縮力が作用するので、ギャザー弾性部材63の収縮力により立体ギャザー60が立ち上がり脚周りに弾力的に密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
(サイドフラップ部)
特徴的には、図7に拡大して示すように、各サイドフラップ部SFは、吸収体56を有する部分から側方に延びる基部71と、この基部71の側縁で幅方向WD中央側に折り返された折り返し部72とを有している。また、折り返し部72の先端側には基部71と接合された接合部73を有するとともに、折り返し部72における接合部よりも側方全体は基部71と接合されていない非接合部74となっている。基部71及び折り返し部72のうち表側(肌側)に位置する方(図7に示す例では折り返し部72)には、非接合部74の側縁から幅方向WD内側に離れた位置を通り前後方向LDに延在するサイド弾性部材75が設けられており、自然長状態では、サイド弾性部材75の収縮に伴いサイドフラップ部SFが前後方向LDに収縮されて、各サイドフラップ部SFの脚周り部分にいわゆる平面ギャザー70が形成される。
いま、基部71及び折り返し部72のうち表側に位置する方(図7に示す例では折り返し部72)を表側層(肌側層)80とし、裏側(肌側と反対側)に位置する方(図7に示す例では基部71)を裏側層(非肌側層)81とすると、図11に示すように、表側層80におけるサイド弾性部材75を有する部分より幅方向WDの内側の部分は、非接合部74の幅方向WDの内側の縁を起点として回動するように起き上がりつつ、裏側層81から浮き上がる。一方、表側層80におけるサイド弾性部材75を有する部分及びその幅方向WDの外側の部分は、その幅方向WD内側の部分とともに一体的に起き上がるように力が作用するが、側端で折り返されて裏側層81に続いているために起き上がりが抑制されつつ幅方向WDの中央側に寄るように変形する。この結果、サイドフラップ部SFは自然に、その幅方向WDの中央側の部分に対して幅方向WDの外側に反り返って開くようになり、容易に、装着者の脚周り表面に対して平面ギャザー70を面的にフィットさせることができるようになる。しかも、表側層80におけるサイド弾性部材75を有する部分及びその幅方向WDの外側の部分が幅方向WDの中央側に寄るように変形するのに伴い、裏側層81の側端部が丸くまくれ上がる結果、サイドフラップ部SFの側縁はこの丸くまくれ上がった中空部分により形成される。したがって、サイドフラップ部SFの側縁の肌触りも良好となる。
サイドフラップ部SFは、図示例のように基部71から折り返し部72まで複数のシート層の積層構造が続いているとサイド弾性部材75を層間に挟むことができるため好ましいが、裏側層81のみ一層構造とするなど、一部又は全体にわたり一層構造とすることもできる。
サイド弾性部材75は、図7に示す例のようにギャザーシート62と液不透過性シート11との間や、図8に示す例のように液不透過性シート11と外装シート12との間など、表側層80の層間に挟むことができる。また、サイド弾性部材75は、表側層80と裏側層81との間に配置することもできる。
折り返し部72は、基部71の表側に折り返されるほか、基部71の裏側に折り返すこともできる。折り返し部72が基部71の表側に折り返されている場合、図8及び図9に示す例のように、基部71には三層以上のシート層が積層されており、この基部71のシート層のうち二層のみが折り返し部72まで続き、折り返し部72のシート層は、基部71から続く二層のみとなっており、折り返し部72の二層のシート層間にサイド弾性部材75が設けられているのは、一つの好ましい形態である。すなわち、一般的な使い捨ておむつのサイドフラップ部SFは三層以上のシート層が積層されているものが多い。このようなサイドフラップ部SFを表側に折り返して折り返し部72及び基部71を形成すると、肌に接触する側に位置する折り返し部72が必然的に三層構造となり、しかもサイド弾性部材75により収縮するため、折り返し部72が硬くなりやすい。これに対して、折り返し部72を表側に折り返す場合に、本態様のように基部71のシート層のうち二層のみが折り返し部72まで続き、折り返し部72のシート層は、基部71から続く二層のみとなっていると、折り返し部72が硬くなりにくい。
このように折り返し部72を表側に折り返し、かつ折り返し部72のシート層を二層とする場合、図8に示す例のように、サイドフラップ部SFの基部71が、立体ギャザー60を形成するギャザーシート62と、外装シート12との間に、液不透過性シート11が挟まれた三層構造となっており、基部71のシート層のうち外装シート12及び液不透過性シート11のみが折り返し部72まで続き、折り返し部72のシート層は、基部71から続く外装シート12及び液不透過性シート11の二層のみとなっていると、特に好ましい。この場合、サイドフラップ部SFの側縁まで液不透過性シート11が存在し、漏れ防止性に優れるものとなる。
また、折り返し部72を表側に折り返し、かつ折り返し部72のシート層を二層とする場合、図9に示す例のように、サイドフラップ部SFの基部71は、立体ギャザー60を形成するギャザーシート62と、外装シート12との間に、液不透過性シート11が挟まれた三層構造となっており、基部71のシート層のうちギャザーシート62及び外装シート12のみが折り返し部72まで続き、折り返し部72のシート層は、基部71から続くギャザーシート62及び外装シート12の二層のみとなっていると、特に好ましい。この場合、折り返し部72に液不透過性シート11が存在しないため、折り返し部72の柔軟性に特に優れるものとなる。
図10に示すように、折り返し部72は基部71の裏側に折り返されている形態も、一つの好ましい形態である。折り返し部72を基部71の裏側に折り返すことで、接合部73及びサイドフラップの素材の縁が裏側に位置し、肌に直接接触しなくなるため、サイドフラップ部SFの肌触りがより一層好ましいものとなる。この場合、サイドフラップ部SFの基部71が表側層80となり、サイドフラップ部SFの折り返し部72が裏側層81となる。
各部の寸法は適宜定めればよいが、サイドフラップ部SFの側縁が丸くまくれ上がりやすくなるように、サイドフラップ部SFの折り返し位置と、当該サイドフラップ部SFにおける最も幅方向WDの外側に位置するサイド弾性部材75との幅方向の間隔d1が3〜10mmであると好ましい。また、非接合部74の表側層80の浮き上がり高さを十分に確保するために、非接合部74の幅方向WDの内側の縁と、当該非接合部74における最も幅方向WDの内側に位置するサイド弾性部材75との幅方向の間隔d2が3〜13mmであると好ましい。
サイドフラップ部SFにおける非接合部74の表側層80の最大浮き上がり高さは、非接合部74の幅方向WDの内側の縁と、当該非接合部74における最も幅方向のWD内側に位置するサイド弾性部材75との幅方向最小間隔d2に等しく、立体ギャザー60の起立高さ60H(立体ギャザー60の突出部分66の幅として定まる)の0.1〜1倍、特に0.3〜0.9倍とするのが好ましい。サイドフラップ部SFにおける非接合部74の表側層80の浮き上がり高さを、立体ギャザー60の起立高さ60Hより低い範囲で十分に高く確保することで、平面ギャザー70及び立体ギャザー60を装着者の脚周りに適切にフィットさせることができる。
サイド弾性部材75としては糸ゴム等の細長状弾性部材を用いることができ、図1及び図2に示すように各複数本、3〜10mm程度の間隔を空けて設ける他、各1本のみ設けることもできる。サイド弾性部材75を有する部分(平面ギャザー70)の伸長率は特に限定されないが、通常の場合150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。
折り返し部72は、図示例のように本体部10の前後方向LDの全体にわたり設けるほか、股間を含む前後方向LDの中間にのみ設けてもよい。折り返し部72の前後方向LDの長さは適宜定めることができ、例えば本体部全長の30〜60%程度とすることができる。非接合部74の前後方向LD長さも適宜定めることができ、非接合部74を折り返し部72の前後方向LDの全体にわたって設けるほか、折り返し部72の前後方向LDの中間にのみ設けてもよい。
折り返し部72の幅は適宜定めることができ、例えば14〜55mm程度とすることができる。また、接合部73の幅は適宜定めることができ、例えば5〜15mm程度とすることができる。さらに非接合部74の幅は適宜定めることができ、例えば9〜33mm程度とすることができる。
(エンドフラップ部)
エンドフラップ部は、吸収体56よりも前側及び後側にそれぞれ延び出た部分であって、かつ吸収体56を有しない部分である。エンドフラップ部EFの寸法は適宜定めることができるが、例えばエンドフラップEFの前後方向長さは、本体部10の全長Lの5〜20%程度とするのが好ましく、乳幼児用おむつにおいては、10〜60mm、特に20〜50mmとするのが適当である。
(本体部)
本体部10は、一般的なテープタイプ使い捨ておむつのように、脚腹側部分F及び背側部分Bの胴周り部の幅が股間部の幅より広くなる(換言すれば、脚周りに沿うくびれた部を前後方向LDの中間に有する)形態としてもよいが、折り返し部72の形成を容易にするために、図示例のように全長にわたりおむつの幅が股間部の幅と同じである(換言すれば括れ部を有しない長方形)形態としてもよい。
(ファスニングテープ)
ファスニングテープ13は、図12に示す例のように左右個別に設ける他、図2に示す例のように、幅方向WDの中間に本体部の裏面に接合された取付け部と、この取付け部の幅方向両側に延びて背側部分Bの本体部10の両側縁から突出する突出部とを有する帯状シート90を設け、この帯状シート90の幅方向WDの両側の部分をファスニングテープ13として構成することもできる。
ファスニングテープ13の先端部には腹側に対する連結部13Aが設けられる。連結部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設けるほか、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その係止面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。おむつの装着に際しては、背側部分Bのサイドフラップ部SFを腹側部分Fのサイドフラップ部SFの外側に重ねた状態で、ファスニングテープを腹側部分F外面の適所に係止する。
ファスニングテープ13は、少なくとも連結部13Aより幅方向内側の一部が弾性伸縮するようになっていると、胴周りのフィット性が向上するため好ましい。ファスニングテープ13の伸長率は特に限定されないが、150〜250%程度であるのが好ましい。弾性伸縮可能なファスニングテープ13の構造は特に限定されるものではなく、例えば図6(a)(b)に例示するように、ゴムシートや伸縮不織布等のようにそれ自体で弾性を有するシートを用いて、ファスニングテープ13の少なくとも弾性伸縮部分を形成することもできる。また、図6(c)(d)にも例示するように、二枚の不織布等のシート層91をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両シート層91間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性伸縮部材92を幅方向WDに沿って伸張した状態で固定したものを用いて、ファスニングテープ13の少なくとも弾性伸縮部分を形成するのも好適である。このようにシート基材91に複数本の細長状弾性伸縮部材92を間隔を空けて取り付けたものは、使い捨ておむつの技術分野では汎用されているため製造が容易であるだけでなく、細長状弾性伸縮部材92の太さ、本数、伸長率、間隔、及び素材の種類を異ならしめることにより、ファスニングテープ13の収縮特性を容易に調整できる利点もある。この場合におけるシート基材91としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。また、弾性伸縮部材92として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、例えば太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔92dで5〜15本程度設けることができる。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲット有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおけるファスニングテープ13の係止箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、ファスニングテープ13の連結部13Aがフック材の場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材を外装シート12の不織布に絡ませて係止することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「展開状態」とは自然長の状態から、収縮や弛み無く完全に完全に平坦に伸ばし広げた状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度37度で使用される。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつの他、パンツタイプ使い捨ておむつ、パッドタイプ使い捨ておむつ、生理用ナプキン等、吸収性物品全般に利用可能なものである。
10…本体部、11…液不透過性シート、12…外装シート、12T…ターゲットシート、13…ファスニングテープ、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性部材、70…平面ギャザー、71…基部、72…折り返し部、73…接合部、74…非接合部、75…サイド弾性部材、EF…エンドフラップ部、SF…サイドフラップ部、LD…前後方向、WD…幅方向、80…表側層、81…裏側層、13A…連結部。

Claims (5)

  1. 排泄物を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の幅方向両側にそれぞれ延び出たサイドフラップ部とを備え、
    各サイドフラップ部における少なくとも股間に位置する部分は、前記吸収体を有する部分から側方に延びる基部と、この基部の側縁で幅方向中央側に折り返された折り返し部とを有しており、
    前記折り返し部における少なくとも前後方向の中間に位置する部分では、前記折り返し部の先端側に前記基部と接合された接合部を有するとともに、前記折り返し部における前記接合部よりも側方全体は前記基部と接合されていない非接合部となっており、
    前記基部及び折り返し部のうち側に位置する方を肌側層とし、肌側と反対側に位置する方を非肌側層としたとき、前記肌側層には、前記非接合部の側縁から幅方向内側に離れた位置を通り前後方向に延在するサイド弾性部材が、幅方向に3〜10mmの間隔を空けて複数本設けられており、
    前記サイドフラップ部の折り返し位置と、当該サイドフラップ部における最も幅方向外側に位置するサイド弾性部材との幅方向最小間隔が3〜10mmであり、
    前記非接合部の幅方向内側の縁と、当該非接合部における最も幅方向内側に位置するサイド弾性部材との幅方向最小間隔が3〜13mmであり、
    自然長状態では、前記サイド弾性部材の収縮に伴い前記サイドフラップ部が前後方向に収縮されるのに伴って前記肌側層における前記サイド弾性部材を有する部分より幅方向の内側の第1部分は、前記非接合部の幅方向の内側の縁を起点として回動するように起き上がりつつ、前記非肌側層から浮き上がり、前記肌側層における前記サイド弾性部材を有する第2部分は、前記非肌側層から浮き上がりつつ幅方向の中央側に寄り、前記肌側層における前記第2部分より幅方向の外側の第3部分、及び前記非肌側層の側端部は、丸くまくれ上がる、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記折り返し部は前記基部の側に折り返されており、
    前記基部には三層以上のシート層が積層されており、
    この基部のシート層のうち二層のみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く二層のみとなっており、
    前記折り返し部の二層のシート層間に前記サイド弾性部材が設けられている、
    請求項1記載の吸収性物品。
  3. 排泄物を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の幅方向両側にそれぞれ延び出たサイドフラップ部とを備えるとともに、
    前記吸収体の肌側と反対側を覆う液不透過性シートと、
    前記液不透過性シートの肌側と反対側を覆う外装シートと、
    前記サイドフラップ部を含む領域に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た突出部分と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記突出部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する立体ギャザーと、
    を備えており、
    各サイドフラップ部における少なくとも股間に位置する部分は、前記吸収体を有する部分から側方に延びる基部と、この基部の側縁で幅方向中央側に折り返された折り返し部とを有しており、
    前記折り返し部は前記基部の肌側に折り返されており、
    前記基部は、前記立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記外装シートとの間に、前記液不透過性シートが挟まれた三層構造となっており、
    前記基部のシート層のうち前記外装シート及び液不透過性シートのみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く前記外装シート及び液不透過性シートの二層のみとなっており
    前記折り返し部における少なくとも前後方向の中間に位置する部分では、前記折り返し部の先端側に前記基部と接合された接合部を有するとともに、前記折り返し部における前記接合部よりも側方全体は前記基部と接合されていない非接合部となっており、
    前記折り返し部の二層のシート層間に、前記非接合部の側縁から幅方向内側に離れた位置を通り前後方向に延在するサイド弾性部材が設けられており、
    自然長状態では、前記サイド弾性部材の収縮に伴い前記サイドフラップ部が前後方向に収縮される、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  4. 排泄物を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の幅方向両側にそれぞれ延び出たサイドフラップ部とを備えるとともに、
    前記吸収体の肌側と反対側を覆う液不透過性シートと、
    前記液不透過性シートの肌側と反対側を覆う外装シートと、
    前記サイドフラップ部を含む領域に固定された付根部分と、この付根部分から延び出た突出部分と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分と、前記突出部分のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の自由部分と、この自由部分の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材とを有する立体ギャザーと、
    を備えており、
    各サイドフラップ部における少なくとも股間に位置する部分は、前記吸収体を有する部分から側方に延びる基部と、この基部の側縁で幅方向中央側に折り返された折り返し部とを有しており、
    前記折り返し部は前記基部の肌側に折り返されており、
    前記基部は、前記立体ギャザーを形成するギャザーシートと、前記外装シートとの間に、前記液不透過性シートが挟まれた三層構造となっており、
    前記基部のシート層のうち前記ギャザーシート及び外装シートのみが前記折り返し部まで続き、前記折り返し部のシート層は、前記基部から続く前記ギャザーシート及び外装シートの二層のみとなっており
    前記折り返し部における少なくとも前後方向の中間に位置する部分では、前記折り返し部の先端側に前記基部と接合された接合部を有するとともに、前記折り返し部における前記接合部よりも側方全体は前記基部と接合されていない非接合部となっており、
    前記折り返し部の二層のシート層間に、前記非接合部の側縁から幅方向内側に離れた位置を通り前後方向に延在するサイド弾性部材が設けられており、
    自然長状態では、前記サイド弾性部材の収縮に伴い前記サイドフラップ部が前後方向に収縮される、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  5. 排泄物を吸収し保持する吸収体と、この吸収体の幅方向両側にそれぞれ延び出たサイドフラップ部とを備え、
    各サイドフラップ部における少なくとも股間に位置する部分は、前記吸収体を有する部分から側方に延びる基部と、この基部の側縁で幅方向中央側に折り返された折り返し部とを有しており、
    前記折り返し部は前記基部の肌側と反対側に折り返されており
    前記折り返し部における少なくとも前後方向の中間に位置する部分では、前記折り返し部の先端側に前記基部と接合された接合部を有するとともに、前記折り返し部における前記接合部よりも側方全体は前記基部と接合されていない非接合部となっており、
    前記基部及び折り返し部のうち肌側に位置する方には、前記非接合部の側縁から幅方向内側に離れた位置を通り前後方向に延在するサイド弾性部材が設けられており、
    自然長状態では、前記サイド弾性部材の収縮に伴い前記サイドフラップ部が前後方向に収縮される、
    ことを特徴とする吸収性物品。
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