以下図面を用いて本発明の液晶表示装置について説明する。なお実施形態においては最適構成として、強誘電性液晶表示素子を用いたフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を例示するが、これに限定されるものではなく、その他の液晶表示素子を用いた液晶表示装置であっても良いことは当然である。
[第1実施形態]
図1〜図6は本発明の第1実施形態におけるフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置であり、図1は液晶表示装置の構成を示すブロック図、図2は図1に示す画素部の構成を示すブロック図、図3は図2に示すデータ比較回路の構成を示す回路図、図4は本発明におけるフレーム構成を示すフレームチャート図、図5は1フレームに対するデータ書き込みと、表示データのフィールドを表わす説明図、図6は1フレームに対応する画像データの書き込み動作を説明する説明図である。
図1は第1実施形態における液晶表示装置100の構成を示すブロック図であり、液晶表示装置100は画像データを3分割したフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置である。液晶表示装置100はサブフレームデータ生成部10、データ書き込み回路11、データバッファ12、データ選択部13、駆動制御部14、データ供給部15、ライン選択部16、ランプ波発生部17、LED駆動部18、表示部20により構成されている。
表示部20はデータ線D1〜Dnと、ライン選択線L1〜Lmとが交わる交点に設けられた多数の画素部30により構成されている。なお本実施形態における表示部20は行数L1〜Lmが720本、列数D1〜Dnが1080本で、720×1280=921600個の画素30よりなる表示エリアを構成している。また本発明においては表示エリアを分割して複数の分割表示エリアを構成しており、第1実施形態においては720本の行数を3分割して240×1280個の分割表示エリアを3個設け、この3個の分割表示エリアに対して上から順に、1番目の表示エリアの画像データをTop画像データ(以後Tデータと略記する)、2番目の表示エリアの画像データをMiddle画像データ(以後Mデータと略記する)、3番目の表示エリアの画像データをBottom画像データ(以後Bデータと略記する)としている。
サブフレームデータ生成部10は図示しない撮像装置から供給される画像データを1フレーム毎に例えば3色×3個のサブフレームデータに変換して出力する。データ書き込み回路11はサブフレームデータ生成部10から供給されるサブフレームデータを1フレーム毎に出力端子Oa、Obに切り替え出力する。データバッファ12はAバッファ12aとBバッファ12bの2個のバッファを有するダブルバッファ構成であり、1フレームごとにデータ書き込み部11の出力端子Oa、Obから供給されるサブフレームデータを、それぞれAバッファ12aとBバッファ12bとの各メモリ部に書き込む。なお、本実施形態においてはそしてデータバッファ12を構成するAバッファ12aとBバッファ12bとには3分割した各分割表示エリアに対応する、1番目の表示エリアのTop画像データ、2番目の表示エリアのMiddle画像データ、3番目の表示エリアのBottom画像データに対応する3個のメモリ領域として、Tメモリ、Mメモリ、Bメモリが設けられている。
駆動制御部14はデータ選択部13への選択、転送制御信号、データ供給部15とライン選択部16への制御信号、ランプ波発生部17への発生制御信号、LED駆動部18への点灯制御信号を供給する。データ供給部15は駆動制御部14からの制御信号により、データ選択部13によって選択供給される、Aバッファ12aのデータと、Bバッファ12bのデータとを組み合わせて表示部20の各画素部30に供給する。またライン選択部16は駆動制御部14からの制御信号により、データ書き込みを行うラインをL1からLmに向かって順に選択していく。LED駆動部18は駆動制御部14からの制御信号により、駆動フィールドに合わせてR、G、Bの各LEDを点灯する。
次に図2、図3により画素部30の具体的構成及び動作を説明する。図2は図1に示す画素部30の構成を示すブロック図であり、画素メモリ31、データ比較回路32、画素駆動回路33、画素電極と共通電極とで挟まれた強誘電性液晶により構成される画素34により構成されている。そして画素メモリ31にはデータ供給部15から、画素データ信号Vdであるサブフレーム信号が供給され、またデータ比較回路32にはランプ波発生部17からランプ波信号Vsが供給され、さらに画素部30全体にはライン制御信号がライン選択部16から供給されている。
図3(a)は図2に示すデータ比較回路32の具体的構成を示す回路図である。データ比較回路32はコンパレータ32aにより構成されている。そしてコンパレータ32aの負入力端子(−)には画素メモリ31から画像データ信号Vdに対応する電圧値が供給され、コンパレータ32aの正入力端子(+)にはランプ波信号Vsが供給されている。コンパレータ32aの出力端子からは表示駆動信号Voが出力される。
図3に示す事例は、画像データ信号Vdが50%の場合を説明する。コンパレータ32aの正入力端子(+)に鋸歯状波形のランプ波信号Vsが供給されると、ランプ波信号Vsの電圧レベルが基準信号である画像データ信号Vdより低い間はコンパレータ32aの出力電圧Voは“0”であり、ランプ波信号Vsの電圧レベルが基準信号である画像データ信号Vdより高くなると、コンパレータ32aが動作して出力電圧Voが“1”に反転する。図2(b)はこの動作波形を示している。すなわちランプ波信号Vsの電圧レベルが画像データ信号Vdより低い間は出力電圧は“0”であり、ランプ波信号Vsの電圧レベルが基準信号である画像データ信号Vd(50%)より高くなると、コンパレータ32aが動作して出力電圧が“1”に反転する。そしてこの50%の出力電圧が画素駆動回路33を介して画素34に印加される。
上記のごとく、画像データ信号Vdが50%の場合には、フィールド期間の半分(50%)の間だけ出力電圧Voが画素30に印加され50%明度の表示が行われる。これは、強誘電性液晶の場合、液晶分子が2つの状態間での反転動作のみしか出来ず、アナログ的制御が出来ないので、画像データ信号Vdのアナログ値をコンパレータ32aを用いてパルス幅変調し、出力電圧Voのパルス幅で画素30の明度を制御している。
次に本発明における表示エリアの分割数(本実施形態では3分割T、M、B領域)とこの各分割エリアに対する書き込みを行うためのフィールド及び表示を行う為のフイールド構成に付いて説明する。図4は本発明のフレーム構成を示し、現在動作中のフレームを第nフレームとし(nは1以上の整数を表す)、この第nフレームの1つ前のフレームを第n−1フレーム、第nフレームの1つ後のフレームを第n+1フレームと記載する。そして各フレームには3個のサブフレームとして表示動作の制御と各分割表示エリアのデータ書き込み動作を制御する第1サブフレーム(第1SFと記載する)、第2サブフレーム(第2SFと記載する)、第3サブフレーム(第3SFと記載する)が設けられている。
図5は第nフレームによる表示エリアの書き込み動作を示しており、(a)はフレーム構成で、第nフレームにおける第1SF、第2SF、第3SFを示す。(b)は図1に示すデータバッファ12の、Aバッファ12a、Bバッファ12bにおける3分割された各メモリ領域T、M、B(図ではAメモリアドレス、Bメモリアドレスと記載する)に対する書き込み状態を示し、第nフレームによるAバッファ12aの書き込みを例示している。(c)は表示データが書き込まれるフィールドを示しており、各サブフレームにはR、R’、G、G’、B、B’の6個のフィールドがもうけられている。なお、後述するがR、G、Bは表示駆動するための駆動フィールドであり、R’、G’、B’は強誘電性液晶をDCバランス駆動するための補償フィールドである。
次に第nフレームにおける表示エリアT、M、Bの書き込み動作を説明する。図5(a)に示す第1SFにおいては(b)に梨地で示す如く、Aバッファ12aのTメモリに対するデータ書き込み動作(TMW)が行われる。同様に第2SFにおいてはAバッファ12aのMメモリに対するデータ書き込み動作(MMW)が行われ、第3SFにおいてはAバッファ12aのBメモリに対するデータ書き込み動作(BMW)が行われる。そして(c)に示すように、各サブフレームごとに6個のフィールドに表示データR、R’、G、G’、B、B’の表示が行われる。すなわち1フレーム期間において、3つのサブフレームにより分割された表示エリアT、M、Bに対する、画像データの1回の書き込み動作が行われる。
図6は図1に示すデータバッファ12に対する各表示データの書き込み動作を示し、第nフレームによるAバッファ12aの各メモリアドレスへの書き込みを例示している。すなわち(a)に示すように第1SFではT表示エリアの画像データであるTデータをAバッファ12aのTメモリに確定データとして記憶させる書き込み動作(TMW)が行われる。なおメモリアドレスに付した梨地は、そのメモリ領域に対するデータ書き込み動作が終了した確定データであることを示している。次に(b)に示すように第2SFにおいてはM表示エリアのMデータをAバッファ12aのMメモリに記憶させるデータ書き込み動作(MMW)が行われ、この時点では第1SFで書き込まれたTデータと第2SFで書き込まれたMデータが確定データ(梨地)となる。
さらに(c)に示すように第3SFにおいてはB表示エリアのBデータをAバッファ12aのBメモリに記憶させるデータ書き込み動作(BMW)が行われ、この時点では第1SFで書き込まれたTデータと第2SFで書き込まれたMデータと第3SFで書き込まれたBデータとの全てが確定データ(梨地)となる。すなわち、第nフレームにおいては、3分割された表示エリアの全ての画像データであるTデータ、Mデータ、BデータがAバッファ12aの3個のメモリ領域、Tメモリ、Mメモリ、Bメモリに確定データとして記憶される。
次に図7、図8により、図1に示すデータ選択部13による表示データの選択設定動作と表示動作を説明する。図7は第nフレームにおけるAメモリアドレス、Bメモリアドレスのデータ記憶状態と、表示動作での各サブフレームにおける表示データの構成図である。図7の内容は図6において説明した第nフレームでのAバッファ12aへのデータ書き込み動作中における表示動作を示している。この時点では(d)に示すようにBバッファ12bには、第nフレームの1つ前の第n−1フレームにて書き込まれた各画像データであるTデータ、Mデータ、BデータがBバッファ12bの3個のメモリ領域であるTメモリ、Mメモリ、Bメモリに確定データとして記憶されている。
次に図7(a)に示すAバッファ12aの画像データと、(d)に示すBバッファ12bの画像データとから(c)に示す表示データの選択設定動作を説明する。基本的に図1に示すデータ選択部13はデータバッファ12を構成するAバッファ12a、Bバッファ12bから確定した画像データを選択してデータ供給部15に設定する。まず第nフレームの第1SFにおけるAメモリアドレス、Bメモリアドレス、表示データの状態を説明する。(a)に示すAバッファ12aはTデータの書き込み中であり、確定データが存在しない。しかし(d)に示すBバッファ12bは、第nフレームの1つ前の第n−1フレームに書き込まれることによって、3個のメモリ領域であるTメモリ、Mメモリ、Bメモリに各画像データであるTデータ、Mデータ、Bデータが確定データとして記憶されている。なお、図5〜図8に示す各アドレス枠に記入された(n)、(n−1)等の記号は、そのアドレス枠が書き込まれたフレーム(図4に示す)を示している。すなわち第nフィールドで書き込まれたデータは(n)、第n−1フィールドで書き込まれたデータは(n−1)である。
そこで図7(c)に示す表示データの選択はAバッファ12a、Bバッファ12bの条件に従って行なわれる。すなわち第1SFの期間は、Bバッファ12bにしか確定データが存在しないので、Bバッファ12bの画像データのみを選択することになる。図7(c)の表示データにおける第1SF期間においてはTデータはBバッファ12bのTデータ(BTと略記)が選択され、MデータはBバッファ12bのMデータ(BMと略記)が選択され、BデータはBバッファ12bのBデータ(BBと略記)が選択される。すなわち第1SF期間においてはTデータ、Mデータ、Bデータのすべての表示データはBバッファ12bに1つ前のフレーム(n−1)で書き込まれて確定した画像データによって表示が行われる。その表示動作は図1に示すLED駆動部18の動作により、図7(b)に示すR、G、Bの駆動区間ではLEDが点灯してカラー表示がおこなわれ、またR’、G’、B’の非駆動区間ではLEDが消灯してカラー表示は行われず、強誘電性液晶のDCバランス駆動が行われる。
次に第2SFにおいては、(a)に示すAバッファ12aの書き込み動作(TMW)でTデータが確定している。そこで図7(c)の表示データは、第2SF期間においてはTデータは第nフレームにおいてAバッファ12aに確定されたTデータ(ATと略記)が選択され、MデータとBデータはBバッファ12bのMデータ(BM)とBデータ(BB)がそれぞれ選択される。すなわち第2SF期間においては、Tデータの表示データは現在書き込み中の第nフレームにおいてAバッファ12aに確定されたTデータ(AT)が選択され、またMデータ、Bデータの表示データはBバッファ12bに1つ前のフレーム(n−1)で書き込まれた画像データが選択される。この結果Aバッファ12aとBバッファ12bとの画像データを組み合わせて表示が行われる。
同様に第3SFにおいては、Aバッファ12aの書き込み動作(TMW、MMW)でTデータとMデータとが確定している。そこで図7(c)の表示データにおける第3SF期間においてはTデータとMデータはAバッファ12aの確定されたTデータ(AT)とMデータ(AM)がそれぞれ選択され、BデータのみBバッファ12bのBデータ(BB)が選択される。すなわち第3SF期間においては、Tデータ、Mデータの表示データは現在の第nフレームにおいてAバッファ12aに確定されたTデータ(AT)とMデータ(AM)が選択され、またBデータの表示データはBバッファ12bに1つ前の第(n−1)フレームで書き込まれたBデータ(BB)が選択される。この結果Aバッファ12a、Bバッファ12bの画像データを組み合わせて表示が行われる。
上記の如く、図7に(c)に示す本発明の表示データの選択方式によると、3個のサブフレームのうち、第1SFはTデータ、Mデータ、Bデータの全てが1つ前の第n−1フレームで書き込んだ画像データによる表示だが、第2SFではTデータとして現在書き込み中の第nフレームで書き込んだ画像データによる表示が行われ、また第3SFではTデータとMデータとして第nフレームで書き込んだ画像データによる表示が行われることになる。この結果、表示データとして、従来は全て1つ前の第n−1フレームで書き込んだ画像データによる表示を行っていたのに対し、本発明の場合には現在書き込み中の第nフレームで書き込んだ画像データを選択した分だけ、カラー画像における、ビューファインダに表示される画像と、実際に撮像される画像との時間的なずれを少なくすることが出来る。
図8は図7で説明した第nフレームに続く、第n+1フレームに対するAメモリアドレス、Bメモリアドレスと表示データの構成図である。図7において説明した第nフレームでの処理の1つ後の第n+1フレームでの、Bバッファ12bへのデータ書き込み動作中における表示動作である。この時点では(a)に示すようにAバッファ12aには、1つ前の第nフレームにて書き込まれたTデータ、Mデータ、BデータがAバッファ12aの3個のメモリ領域であるTメモリ、Mメモリ、Bメモリに確定データとして記憶されている。
次に図8(d)に示すBバッファ12bの画像データと、(a)に示すAバッファ12aの画像データとから(c)に示す表示データの選択設定動作を説明する。基本的に図1に示すデータ選択部13はデータバッファ12を構成するAバッファ12a、Bバッファ12bから確定した画像データを選択してデータ供給部15に設定する。まず第n+1フレームの第1SFにおいては、(d)に示すBバッファ12bはTデータの書き込み中であり、確定データが存在しない。しかし(a)に示すAバッファ12aは、1つ前の第nフレームで書き込まれることによって、3個のメモリ領域であるTメモリ、Mメモリ、Bメモリに各画像データであるTデータ、Mデータ、Bデータが確定データとして記憶されている。
そこで図8(c)に示す表示データの選択はAバッファ12a、Bバッファ12bの条件に従って行なわれる。すなわち第1SFの期間は、Aバッファ12aにしか確定データが存在しないので、Aバッファ12aの画像データのみを選択することになる。図8(c)の表示データにおける第1SF期間においてはTデータはAバッファ12aのTデータ(AT)が選択され、MデータはAバッファ12aのMデータ(AM)が選択され、BデータはAバッファ12aのBデータ(AB)が選択される。すなわち第1SF期間においてはTデータ、Mデータ、Bデータのすべての表示データはAバッファ12aに1つ前の第nフレームで書き込まれた画像データによって表示が行われる。
次に第2SFにおいては、(d)に示すBバッファ12bの書き込み動作(TMW)でTデータが確定している。そこで図8(c)の表示データにおける第2SF期間においてはTデータはBバッファ12bの確定されたTデータ(BT)が選択され、MデータとBデータはAバッファ12aのMデータ(AM)とBデータ(AB)がそれぞれ選択される。すなわち第2SF期間においては、Tデータの表示データは現在書き込み中の第n+1フレームにおいてBバッファ12bに確定されたTデータ(BT)が選択され、またMデータ、Bデータの表示データはAバッファ12aに1つ前の第nフレームで書き込まれた画像データが選択される。この結果Aバッファ12aとBバッファ12bとの画像データを組み合わせて表示が行われる。
同様に第3SFにおいては、Bバッファ12bの書き込み動作(TMW、MMW)でTデータとMデータとが確定している。そこで図8(c)の表示データにおける第3SF期間においてはTデータとMデータはBバッファ12bの確定されたTデータ(BT)とMデータ(BM)がそれぞれ選択され、BデータのみAバッファ12aのBデータ(AB)が選択される。すなわち第3SF期間においては、Tデータ、Mデータの表示データは現在の第n+1フレームにおいてBバッファ12bに確定されたTデータ(BT)とMデータ(BM)が選択され、またBデータの表示データはAバッファ12aに1つ前の第nフレームで書き込まれた画像データが選択される。この結果Aバッファ12a、Bバッファ12bの画像データを組み合わせて表示が行われる。
上記の如く、図7、図8の(c)に示す本発明の表示データの選択方式によると、3個のサブフレームのうち、第1SFはTデータ、Mデータ、Bデータの全てが1つ前のフレームで書き込んだ画像データによる表示だが、第2SFではTデータとして現在書き込み中のフレームで書き込んだ画像データによる表示が行われ、また第3SFではTデータとMデータとして現在書き込み中のフレームで書き込んだ画像データによる表示が行われることになる。この結果、例えばカメラのビューファインダに応用した場合、表示データとして、従来は全て1つ前のフレームで書き込んだ画像データによる表示を行っていたのに対し、本発明の場合には現在書き込み中のフレームで書き込んだ画像データを選択した分だけ、ビューファインダに表示される画像と、実際に撮像される画像との時間的なずれを少なくすることが出来る。
次に図9により、第1SFを事例として、サブフレームにおける各フィールドの駆動動作を説明する。(a)に示す如く第1フレームの第1SFには6個のフィールドである1FD〜6FDが設けられている。各フィールドである1FD〜6FDにおいては図3で説明した如くデータ比較回路32を構成するコンパレータ32aによって、画像データが時間幅信号に加工される。すなわち(b)に示す如く鋸歯状波形であるランプ波形信号Vsによって画像データの比較が連続的に行なわれる。1例として1FDのR画像データが50%、3FDのG画像データが80%、5FDのB画像データが40%のデータ信号である場合について説明する。
上記条件の場合、1FD、3FD、5FDは駆動区間を構成しており、(b)に示す如く1FDのR画像データは50%、3FDのG画像データは80%、5FDのB画像データは40%のレベルでランプ波形信号Vsと交わるので、(c)に示す駆動波形が1FDにおいてはR1とR2が50%、50%の方形波形、3FDにおいてはG1とG2が80%、20%の方形波形、5FDにおいてはB1とB2が40%、60%の方形波形となる。また、2FD、4FD、6FDは補償区間を構成しているので、各々R、G、Bの駆動波形を打ち消す駆動波形となっている。すなわち2FDでは1FDのR1とR2が50%、50%の駆動波形を打ち消すために、R1’とR2’が50%、50%で、かつR1、R2と逆相の波形となっている。同様に4FDではG1’とG2’が80%、20%でかつG1、G2と逆相の波形となり、さらに6FDではB1’とB2’が40%、60%でかつB1、B2と逆相の波形となっている。
すなわち、駆動区間と補償区間とには対象形の方形波で、互いに逆相の駆動電圧を供給することによって、常に交流駆動が行われ液晶表示素子の焼き付きが解消されている。なお、この2FD、4FD、6FDの補償区間における補償波形は、図3に示すデータ比較回路32で作成された1FD、3FD、5FDの駆動波形の逆相の波形信号を入力することにより容易に作成可能である。
(d)はLED発光の状態を示しており、1FDでは駆動区間なのでR−LEDが発光し、2FDでは補償区間なのでR−LEDは発光しない。同様に3FDでは駆動区間なのでG−LEDが発光し、4FDでは補償区間なのでG−LEDは発光せず、5FDでは駆動区間なのでB−LEDが発光し、6FDでは補償区間なのでB−LEDは発光しない。(e)は各フィールドにける各LEDの実際の発光時間を示しており、1FDでは(d)に示す如くR−LEDが発光しているが、(c)に示す如く駆動波形が50%なので、実際の発光時間は(e)に示す如く1FD期間の50%である。また、3FDではG−LEDが発光するが駆動波形が80%なので、実際の発光時間は(e)に示す如く3FD期間の80%であり、同様に5FDにおいてはB−LEDが発光するが駆動波形が40%なので、実際の発光時間は(e)に示す如く5FD期間の40%である。
すなわち第1SFでの表示は、R−LEDが50%、G−LEDが80%、B−LEDが40%の照度で表示が行われることになる。
図10は図1に示すAバッファ12aとBバッファ12bに記憶された画像データの一部と、表示部20における画素34の一部の関係を示す表であり、(a)に示すAバッファ12aの画像データと(c)に示すBバッファ12bの画像データとが、(b)に示す画素アレーのどこに表示されるかを示している。(a)に示すAバッファ12aの画素データ表には、画素データの一部を示し、TデータとしてAR11〜AB33、またMデータとしてはAR41〜AB63、さらにBデータとしてはAR71からAB93を例示している。また、(c)に示すBバッファ12bの画素データ表には、TデータとしてBR11〜BB33、またMデータとしてはBR41〜BB63、さらにBデータとしてはBR71〜BB93を例示している。さらに、(b)に示す画素アレー表にはTデータ表示画素として、11画素〜33画素、またMデータ表示画素として、41画素〜63画素、さらにBデータ表示画素として、71画素〜93画素を例示している。なお、(b)に示す画素アレー表において、各画素名に付与されている左側の数字は画素アレーの行番号を表し、右側の数字は画素アレーの列番号を表している。
(b)に示す画素アレー表の11画素から93画素について、Aバッファ12aとBバッファ12bに記憶された画像データとの関係を見ると、(b)に示す画素データ表の最初の11画素にはAバッファの画素データ表に示す11番の画像データであるAR11、AG11、AB11とBバッファの画素データ表に示す11番の画像データであるBR11、BG11、BB11の6データが順次表示される。また、最終の93画素にはAバッファの画素データ表に示す93番の画像データであるAR93、AG93、AB93とBバッファの画素データ表に示す93番の画像データであるBA93、BG93、BB93の6データが順次表示される。以下同様に(b)の画素アレー表のNN画素には、Aバッファの画素データ表に示すNN番の画像データであるARNN、AGNN、ABNNと、Bバッファの画素データ表に示すNN番の画像データであるBRNN、BGNN、BBNNの6データがそれぞれ順次表示される。なお、NNの各Nは1以上の整数を表し、左側のNは画素アレーの行番号を表し、右側のNは画素アレーの列番号を表している。
上記の如く、画素アレー表のTデータ表示画素には、Aバッファ12aとBバッファ12bとのTデータのR、G、Bが順次表示され、画素アレー表のMデータ表示画素には、Aバッファ12aとBバッファ12bとのMデータのR、G、Bが順次表示され、画素アレー表のBデータ表示画素には、Aバッファ12aとBバッファ12bとのBデータのR、G、Bが順次表示される。
[第2実施形態]
次に図11と図12により本発明の第2実施形態におけるフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置を説明する。第2実施形態におけるフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置の基本的な構成及び動作は第1実施形態にけるフィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置と同じであり、重複する説明は省略する。
第2実施形態における液晶表示装置が第1実施形態における液晶表示装置と異なるところは、第1実施形態における液晶表示装置では画像表示エリアをTop、Middle、Bottomの3個に分割した分割表示エリアと、それに対応して、Aバッファ12aとBバッファ12bに3分割されたメモリ領域を設けていたのに対し、第2実施形態における液晶表示装置では画像表示エリアをG1〜G9の9個に分割した分割表示エリアと、それに対応して、Aバッファ12aとBバッファ12bに9分割されたメモリ領域を設けていることである。
すなわち第2実施形態においては720本の行数を9分割して80×1080個の画素で構成される分割表示エリアを9個設け、この9個の分割表示エリアに対して上から順に、1番目の表示エリアの画像データをG1画像データ(以後G1データと略記する)、2番目の表示エリアの画像データをG2画像データ(以後G2データと略記する)とし、以下順に同様として9番目の表示エリアの画像データをG9画像データとしている。なお、回路構成及び動作に付いては第1実施形態の液晶表示装置と同じなので説明を省略し、第1実施形態における図7、8に対応するデータ選択部13による表示データの選択設定動作と表示動作を説明する。
第2実施形態における図11は、第1実施形態の図7に示す第nフレームにおけるAバッファ12aのメモリアドレスの書き込み動作に対応している。すなわち第2実施形態における図11が、第1実施形態の図7と異なるところは、第1実施形態の図7では画像表示エリアがTop、Middle、Bottomの3個であったのに対し、第2実施形態の図11では画像表示エリアがG1〜G9の9個に分割されていることである。
図11において(a)は、Aバッファ12aのメモリアドレス(Aメモリアドレス)、(b)は表示フィールド、(c)は表示データ、(d)はBバッファ12bのメモリアドレス(Bメモリアドレス)を示している。第2実施形態においては第1実施形態で3分割された表示領域T、M、Bはさらに3分割されており、全体としてG1〜G9の9分割表示エリアを有する。また、各サブフレームは各々6個のフィールド(sf)を有している。すなわち第1SFは第1sf〜第6sf、第2SFは第7sf〜第12sf、第3SFは第13sf〜第18sfのフィールドを有し、フレーム全体として18個のフィールドsf(第6sf以降は簡略記載している)に分割されている。なお、第1sf〜第6sfは、(b)に示す第1SFのR、R’、G、G’、B、B’の各フィールドとそれぞれ同義であり、第7sf〜第12sfは、(b)に示す第2SFのR、R’、G、G’、B、B’の各フィールドとそれぞれ同義であり、第13sf〜第18sfは、(b)に示す第3SFのR、R’、G、G’、B、B’の各フィールドとそれぞれ同義である。
次に第1実施形態において図7、図8にて説明した3分割表示エリアにおける表示データの選択設定動作と同様に、図11、図12により9分割エリアにおける表示データの選択設定動作を説明する。図11における(a)Aメモリアドレス、(b)フィールド、(c)表示データ、(d)Bメモリアドレスは、それぞれ図7における(a)、(b)、(c)、(d)に対応している。なお、図11、図12においてデータ書き込み中のAメモリアドレスまたはBメモリアドレスのみに18個のフィールド1sf〜18sfを記載し、他の構成表にはサブフィールド(第1SF〜第3SF)のみを記載している。
図11(a)は図7(a)に示す第nフレームでのAバッファ12aへのデータ書き込み動作を示している。この時点では図11(d)に示すようにBバッファ12bには、第nフレームの1つ前の第n−1フレームにて書き込まれた各画像データであるG1データ〜G9データがBバッファ12bの9個のメモリ領域に確定データとして記憶されている。(構成表へのデータの梨地による記載は省略している)
次に図11(a)に示すAバッファ12aへの画像データの書き込み動作を説明する。まず第1SFにおいては最初の3個の画像データG1〜G3(第1実施形態のTデータに対応)に対する書き込み動作が順次行われる。従って第1実施形態の3分割では書き込み動作TMWの終了時点でTメモリが確定データとなっていたが、第2実施形態の9分割では第1sf、第2sfでの書き込みが終了した時点で、メモリエリアのG1データが確定する。次に第3sf、第4sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG2データが確定する。さらに第5sf、第6sfでの書き込みが終了した時点で、メモリエリアのG3データが確定し、第1SFの書き込み動作が終了する。
すなわち、第1実施形態の3分割では第1SFに対応する1つの確定データ(Tデータ)の書き込み動作を1回の書き込み動作TMWで行っていたのに対し、第2実施形態における9分割の場合は、第1実施形態の3分割における1つの確定データ(Tデータ)を作成するのに、第1sf、第2sfでの書き込みが終了した時点で、メモリエリアのG1データを確定し、第3sf、第4sfでの書き込みが終了した時点で、メモリエリアのG2データを確定し、第5sf、第6sfでの書き込みが終了した時点で、メモリエリアのG3データを確定することによってデータの確定動作を3回に分割し、3つの確定データG1、G2、G3を順次作成している。
同様に、第2SFにおいては、第7sf、第8sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG4データを確定し、第9sf、第10sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG5データを確定し、第11sf、第12sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG6データを確定し、さらに第3SFにおいては、第13sf、第14sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG7データを確定し、第15sf、第16sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG8データを確定し、第17sf、第18sfでの書き込みが終了した時点でメモリエリアのG9データを確定して、nフレームの全データが確定される。
この各メモリエリアが確定データ化して行く状態を梨地で示しており、第1SFデータの書き込み動作の進行中に、2個のフィールドごとにG1データ、G2データ、G3データが順次確定データ化されていく。また第2SFデータの書き込み動作の進行中に、2個のフィールドごとにG4データ、G5データ、G6データが順次確定データ化されていく。さらに第3SFデータの書き込み動作の進行中に、2個のフィールドごとにG7データ、G8データ、G9データが順次確定データ化されていく。すなわち9分割の場合は3分割に比べて確定データの数が3倍になり、確定データ化する速度が3倍になっている。
次に図11(a)のAメモリアドレスと、(d)のBメモリアドレスとによる(c)の表示データの状態を説明する。まず第1SFにおけるAバッファ12aは、データの書き込み中であり第1sf、第2sfのフィールドでは確定データが存在しない。これに対して(d)に示すBバッファ12bには、第nフレームの1つ前の第n−1フレームに書き込まれることによって、9個のメモリアドレスG1〜G9に各画像データであるG1データ〜G9データが確定データとして記憶されている。この結果、第1sf、第2sfでは、(c)に示す表示データのG1データ〜G9データの全ては、メモリエリアに確定データの存在するBメモリデータ(構成表には単にBと記載)から全て供給されている。
次に第3sf、第4sfでは(a)のメモリアドレスG1には第1sf、第2sfで確定したG1データが存在するでG1のみAメモリデータ(構成表には単にAと記載)とし、他の全てのデータはBメモリデータから供給されている。更に第5sf、第6sfでは(a)のメモリアドレスG1にはメモリエリア第1sf、第2sfで確定したG1データと、メモリアドレスG2には第3sf、第4sfで確定したG2データが存在するのでG1、G2データはAメモリデータとし、他の全てのデータ(G3〜G9データ)はBメモリデータから供給されている。
次に第2SFにおける第7sf、第8sfでは、Aバッファ12aのメモリアドレスG1には第1sf、第2sfで確定したG1データと、メモリアドレスG2には第3s、第4sfで確定したG2データが存在し、さらにメモリアドレスG3には第5sf、第6sfで確定したG3データが存在するので、G1、G2、G3データはAメモリデータとし、他の全てのデータ(G4〜G9データ)はBメモリデータから供給されている。
以下図11(a)に示すごとく、同様にして第9sf、第10sfではG1〜G4データはAメモリデータとし、第11sf、第12sfではG1〜G5データはAメモリデータ、第13sf、第14sfではG1〜G6データはAメモリデータ、第15sf、第16sfではG1〜G7データはAメモリデータとし他はBデータとする。さらに第17sf、第18sfでは、G9だけがBメモリデータで、他のG1〜G8データはAメモリデータとなる。
表示データとしては図11(c)に示すごとく、AメモリデータとBメモリデータとの組み合わせ個数が、第3sf、第4sfからAメモリデータの数が順次増加して変化して行き、第9sf、第10sfで逆転し、Bメモリデータが減少して行く。すなわち、表示データとしては、AメモリデータとBメモリデータとの組み合わせによって行なうことは、第1実施形態の3分割による液晶表示装置と同じだが、第2実施形態の9分割による液晶表示装置の場合は、1フレームのなかで組み合わせる確定データの数が3倍になり、確定データ化する速度が3倍になっている。この結果画像の表示速度が上がり、カメラ等においてビューファインダに表示される画像と、実際に撮像される画像との時間的なずれをさらに小さくすることができる。
なお、図11(b)は(c)に示す表示データを画像として出射させる光源の動作を示すフィールドであり、フィールド数は(a)に示すフィールド(sf)と同数の18個となっている。第1SFを構成する第1sf、第2sfにはR発光とR’非発光が割り当てられ、第3sf、第4sfにはG発光とG’非発光が割り当てられ、第5sf、第6sfにはB発光とB’非発光が割り当てられている。さらに第2SFを構成するフィールドと、第3SFを構成するフィールドにも同様のカラー発光と、カラー非発光が割り当てられている。この2個1組のフィールドを使ってカラー発光と、カラー非発光を割り当てるのは、液晶表示装置をDCバランス駆動するためであり、奇数番号のフィールドがカラー発光による表示駆動に割り当てられ、偶数番号のフィールドがカラー非発光によるDCバランス駆動に割り当てられている。
次に図12により第2実施形態の液晶表示装置における、図11のnフレームに続くn+1フレームの動作を説明する。図12に示すn+1フレームの動作は、基本的に図11に示すnフレームの動作と同じであり、共通部分の説明は省略し、違いのみを説明する。図12に示すn+1フレームの動作が図11のnフレームの動作と異なるところは、(a)に示すAメモリアドレスと、(d)のBメモリアドレスとの動作が入れ替っていることである。すなわち図11(a)に示すメモリアドレスG1〜G9には前のnフレームで確定されたG1〜G9データが記憶されている。また(d)に示すメモリアドレスG1〜G9には第1SF、第2SF、第3SFの順で、第1sf〜第18sfに従ってG1〜G9データが書き込まれて行く(図11aと同じ書き込み動作であり、説明省略)。この結果、図12(a)と図11(d)は同様の構成になるが、記憶されているデータが互いに異なり、図12(d)と図11(a)とは同様の構成になるが、記憶されているデータ及び書き込まれるデータが互いに異なっている。
次に図12(a)のAメモリアドレスと、(d)のBメモリアドレスとによる(c)の表示データの状態を説明する。図12(c)に示すn+1フレームの表示データの組み合わせ構成は、図11(c)に示したnフレームの表示データの組み合わせ構成と基本的に同じになるが、異なるところはAデータとBデータとが入れ替っていることである。すなわち、図11(c)に示したnフレームの表示データの組み合わせ構成は、1つ前のフレームで確定済のBデータに書き込み中のAデータを組み合わせて画像形成していたが、図12(c)に示したn+1フレームの表示データの組み合わせ構成は、1つ前のフレームで確定済のAデータに書き込み中のBデータを組み合わせて画像形成していることである。
このように、2個のバッファ12、すなわちAバッファ12a、Bバッファ12bを用いて交互に書き込み動作と読み出し動作を行わせて表示データを作成するプロセスは、n−1番目より前のフレームとn+1番目より後のフレームを含む全てのフレームにおいて行われ、同様の画像形成が連続的に行われる。
なお、サブフレームとフィールドの数や順序は、上述の実施形態に示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の構成を適宜採用することができる。また、本発明は、白色光源を用いて白黒画像のみを表示するような液晶表示装置にも適用することができる。また、本発明は、EL素子(エレクトロ・ルミネンス)等の表示素子を用いた表示装置にも適用することができる。