JP6823623B2 - 電線の防水接続構造および電線の防水接続方法 - Google Patents
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Description
このようなワイヤハーネスを車両に搭載する場合、複数の電線の接続部分を含む導体露出部分を覆うように熱収縮チューブを装着することによって導体部を保護および絶縁するようにしている。
また、特許文献1に記載された電線の防水接続構造は、スプライス部を含めた導体露出部分を覆うように熱収縮チューブを装着する場合、装着完了位置に位置決めすることが難しかった。
また、本発明に係る電線の防水接続構造は、前記熱収縮チューブを、前記スプライス部で互いに接続された前記複数の電線に対して前記スプライス部を含めた前記導体露出部分を覆うように装着する際、前記チューブ側係合部を前記スプライス部側係合部に係合させることによって装着完了位置に位置決めすることができる。
したがって、本発明に係る電線の防水接続構造は、高温環境下に長時間放置された場合であっても、前記スプライス部を含めた前記導体露出部分を覆う前記熱収縮チューブがズレて前記導体部が露出することによって、前記導体部の保護および絶縁の機能が損なわれることを防止し、しかも、前記熱収縮チューブを装着完了位置に容易に位置決め装着することができる。
このため、本発明の実施例に係る電線の防水接続方法は、前記チューブ側係合部と前記スプライス部側係合部とが係合されているため、高温環境下に長時間放置されて前記ホットメルト層が溶融することによって、前記熱収縮チューブが収縮して所定の装着完了位置からズレることが阻止される。
また、本発明に係る電線の防水接続方法は、前記熱収縮チューブを、前記スプライス部で互いに接続された複数の電線に対して前記スプライス部を含めた前記導体露出部分を覆うように装着する際、前記チューブ側係合部を前記スプライス部側係合部に係合させることによって装着完了位置に位置決めすることができる。
したがって、本発明に係る電線の防水接続方法は、高温環境下に長時間放置された場合であっても、前記スプライス部を含めた前記導体露出部分を覆う前記熱収縮チューブがズレて前記導体部が露出することによって、前記導体部の保護および絶縁の機能が損なわれることを防止し、しかも、前記熱収縮チューブを装着完了位置に容易に位置決め装着することができる。
本発明の実施例に係る電線の防水接続構造1は、例えば、車両に配索されるワイヤハーネスの複数の電線30の分岐接続部分として室外、特に、高温の環境下に長時間放置される場所に配置されるものである。
スプライス部11は、例えば、熱圧着(拡散接合)、溶着接合、あるいは、超音波接合によって複数の電線30の導体部31が接続された部分である。なお、この実施例では、スプライス部11は、熱圧着によって複数の電線30の導体部31が接続される。
この実施例では、電線30の導体部31は、アルミニウム、あるいは、銅等からなる導電性の複数の素線31aが束ねられた芯線を構成する部分である。
なお、導体部31は、複数の素線31aが束ねられたものに限らず、単芯線からなるものであっても構わない。
また、この実施例では、3本の電線30が互いに接続されるものを示したが、互いに接続される電線30の数はこれに限らず、2本、あるいは3本以上であってもよい。
熱収縮チューブ20は、熱収縮性の絶縁材からなる有底の筒状部材であり、内面にホットメルト層22が設けられている。
なお、熱収縮チューブ20は、底の無い筒状部材であっても構わない。
このようなチューブ側係合部21は、熱収縮チューブ20の外表面20bの一部を凹ませることによって熱収縮チューブ20の内面20aを凸状に押し出すことによって形成された部分である。
図4は、(a)がスプライス部形成工程を説明するための図であり、(b)が係合部付きスプライス部形成工程を説明するための図であり、(c)が熱収縮チューブ位置決め装着工程を説明するための図であり、(d)が熱収縮チューブ加熱工程を説明するための図である。
このスプライス部形成工程では、端末部の絶縁被覆を除去した複数の電線30の導体露出部分32の導体部31を互いに密着させた状態で、不図示のプレス機を用いて加熱しつつ圧着することによってスプライス部11を形成する。
なお、このスプライス部形成工程では、熱圧着(拡散接合)によってスプライス部11を形成しているが、これに限らず、溶着接合、あるいは、超音波接合によってスプライス部11を形成するようにしてもよい。
この係合部付きスプライス部形成工程では、不図示のプレス機を用いてスプライス部11の外表面11aに凹状のスプライス部側係合部12を形成する。
この熱収縮チューブ位置決め装着工程では、スプライス部11で互いに接続された複数の電線30に対して、チューブ側係合部21をスプライス部側係合部12に係合しつつ、スプライス部11を含めた複数の電線30の導体露出部分32を覆うように位置決め装着する。
このような熱収縮チューブ位置決め装着工程は、チューブ側係合部21をスプライス部側係合部12に係合することによって、熱収縮チューブ20を位置決め装着することができる。
この熱収縮チューブ加熱工程では、チューブ側係合部21がスプライス部側係合部12に係合することによって位置決め装着された熱収縮チューブ20に高温の熱を加えることによって、熱収縮チューブ20を収縮させるとともに、熱収縮チューブ20の内面20aに設けられたホットメルト層22を溶融させる。
このようにして熱収縮チューブ20が収縮されることによって、熱収縮チューブ20が熱収縮チューブ20に覆われた部分に追従される。
また、ホットメルト層22は、溶融した後、熱収縮チューブ20の内面20aと熱収縮チューブ20に覆われた部分との間に充填されて固化される。
このため、チューブ側係合部21は、スプライス部側係合部12に追従されるため、スプライス部側係合部12との係合状態がより強化される。
また、本発明に係る電線の防水接続構造1は、熱収縮チューブ20を、スプライス部11で互いに接続された複数の電線30に対してスプライス部11を含めた導体露出部分32を覆うように装着する際、チューブ側係合部21をスプライス部側係合部12に係合させることによって、装着完了位置に位置決めすることができる。
したがって、本発明に係る電線の防水接続構造1は、高温環境下に長時間放置された場合であっても、スプライス部11を含めた導体露出部分32を覆う熱収縮チューブ20がズレて導体部31が露出することによって、導体部31の保護および絶縁の機能が損なわれることを防止し、しかも、熱収縮チューブ20を装着完了位置に容易に位置決め装着することができる。
このため、本発明の実施例に係る電線の防水接続方法は、チューブ側係合部21とスプライス部側係合部12とが係合されているため、高温環境下に長時間放置されてホットメルト層22が溶融することによって、熱収縮チューブ20が収縮して所定の装着完了位置からズレることが阻止される。
また、本発明に係る電線の防水接続方法は、熱収縮チューブ20を、スプライス部11で互いに接続された複数の電線30に対してスプライス部11を含めた導体露出部分32を覆うように装着する際、チューブ側係合部21をスプライス部側係合部12に係合させることによって装着完了位置に位置決めすることができる。
したがって、本発明に係る電線の防水接続方法は、高温環境下に長時間放置された場合であっても、スプライス部11を含めた導体露出部分32を覆う熱収縮チューブ20がズレて導体部31が露出することによって、導体部31の保護および絶縁の機能が損なわれることを防止し、しかも、熱収縮チューブ20を装着完了位置に容易に位置決め装着することができる。
10 係合部付きスプライス部
11 スプライス部
11a 外表面
12 スプライス部側係合部
20 熱収縮チューブ
20a 内面
21 チューブ側係合部
22 ホットメルト層
30 電線
31 導体部
31a 素線
32 導体露出部分
33 絶縁被覆
Claims (2)
- 導体部が絶縁被覆によって包囲された複数の電線の前記絶縁被覆が除去された端末部の導体露出部分に、前記複数の電線が互いに接続するように形成されたスプライス部と、該スプライス部に凹状に形成されたスプライス部側係合部と、を備えた係合部付きスプライス部と、
前記スプライス部で互いに接続された前記複数の電線に対して、前記スプライス部を含めた前記導体露出部分を覆うように装着完了された状態で、前記スプライス部側係合部に係合されるように内面に凸状に形成されたチューブ側係合部を備え、かつ、前記内面にホットメルト層が設けられた熱収縮チューブと、
を有し、
前記チューブ側係合部は、前記熱収縮チューブの外表面の一部を前記熱収縮チューブの内側に向けて凹ませることにて前記熱収縮チューブの前記内面を凸状に押し出し形成された部分である
ことを特徴とする電線の防水接続構造。 - 導体部が絶縁被覆によって包囲された複数の電線の前記絶縁被覆が除去された端末部の導体露出部分の前記複数の電線が互いに接続されるスプライス部に凹状のスプライス部側係合部を形成する係合部付きスプライス部形成工程と、
前記スプライス部側係合部に係合されるように内面に凸状に形成されたチューブ側係合部を備え、かつ、前記内面にホットメルト層が設けられた熱収縮チューブを、前記スプライス部で互いに接続された前記複数の電線に対して、前記チューブ側係合部を前記スプライス部側係合部に係合しつつ、前記スプライス部を含めた前記複数の電線の前記導体露出部分を覆うように位置決め装着する熱収縮チューブ位置決め装着工程と、
前記熱収縮チューブ位置決め装着工程にて、前記チューブ側係合部が前記スプライス部側係合部に係合することによって位置決め装着された前記熱収縮チューブに対して該熱収縮チューブを収縮させる熱を加える熱収縮チューブ加熱工程と、
を含み、
前記熱収縮チューブ位置決め装着工程にて用いられる前記熱収縮チューブの前記チューブ側係合部は、前記熱収縮チューブの外表面の一部を前記熱収縮チューブの内側に向けて凹ませることにより前記熱収縮チューブの前記内面を凸状に押し出すことによって形成される
ことを特徴とする電線の防水接続方法。
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