図3は、本発明に係る絞り装置の第1実施例を概略的に示す。
絞り装置は、例えば、図4に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器6の出口と蒸発器2の入口との間に配置されている。絞り装置は、後述するチューブ本体10の一端10E1で、一次側配管Du1に接合されており、冷媒が流出されるチューブ本体10の他端10E2で二次側配管Du2に接合されている。一次側配管Du1は、凝縮器6の出口と絞り装置とを接続し、二次側配管Du2は、蒸発器2の入口と絞り装置とを接続するものとされる。蒸発器2の出口と凝縮器6の入口との間には、蒸発器2の出口に接合される配管Du3と、凝縮器6の入口に接合される配管Du4とにより、圧縮機4が接続されている。圧縮機4は、図示が省略される制御部により駆動制御される。これにより、冷凍サイクルシステムにおける冷媒が、例えば、図4に示される矢印に沿って循環されることとなる。
図3において、絞り装置は、上述の冷凍サイクルシステムの配管に接合されるチューブ本体10と、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ18と、ガイドチューブ18に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座18V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座18Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を主な要素として含んで構成されている。
チューブ本体10の内周部10aにおける他端10E2から所定距離、離隔した中間部には、チューブ本体10の内径よりも小なる外径を有するガイドチューブ18の固定部18Aの外周部が固定されている。
ガイドチューブ18は、例えば、銅、真鍮、または、アルミニウム、あるいは、ステンレス鋼等のうちのいずれかの材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ18は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部18Aと、後述するニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部18Bとから構成されている。
ガイドチューブ18は、かしめ加工によるチューブ本体10の窪み10CA1および10CA2により形成される突起がその固定部18Aの外周部の溝18CA1および18CA2に食い込むことにより固定されている。ガイドチューブ18は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部18Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材12を有している。
ストッパ部材12は、例えば、銅合金薄板材料でプレス加工により一様の厚さで成形されている。ストッパ部材12をプレス成型で形成したことにより、比較的安価に製作される。
ストッパ部材12の一端は、かしめ加工によるストッパ部材12の窪み12CA1により形成される突起がガイド部18Bの端部の溝18CB1に食い込むことにより、ガイド部18Bに固定されている。そのかしめ加工による窪み12CA1は、ストッパ部材12の円周方向に沿って所定の間隔をもって複数の箇所、例えば、3箇所に形成されている。円筒状のストッパ部材12は、閉塞端部を他端に有し、コイルスプリング16及びばね受け部材22を覆うような構造となっている。ストッパ部材12の他端は、ガイド部18Bからチューブ本体10の一端10E1側に向けて延びている。また、その閉塞端部は、平坦な内面を有している。その閉塞端部の内面は、後述する調整ねじ20P4の端面20P5を受け止めるものとされる。調整ねじ20P4は、ニードル部材20のガイド軸部20P2の一端に一体に形成され、ばね受け部材22の一端の雌ねじ22Aにねじ込まれる。ストッパ部材12の内側には、液状の冷媒が浸入する中空部14が形成されている。ストッパ部材12の窪み12CA1以外の部分の内周面とガイド部18Bの端部の溝18CB1以外の外周面との間には、所定の隙間が形成される。従って、図3に示される矢印に沿ってチューブ本体10の一端10E1側から供給される冷媒が、その隙間や、ガイド部18Bの孔部18bとガイド軸部20P2の外周部との隙間を通じてストッパ部材12の中空部14内に流入される。
ガイドチューブ18における後述する連通孔18Cよりも上流側部分には、ガイド部18Bが形成されている。ガイド部18Bの孔部18bには、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
ガイドチューブ18における固定部18Aの弁座18Vの弁ポート18P、孔部18bは、共通の中心軸線上に形成されている。その際、ガイドチューブ18におけるガイド部18Bと、固定部18Aとが、一体に形成されているので弁座18Vの弁ポート18P、孔部18bは、その中心を互いに一致させるように共通の中心軸線上に高精度に加工することが容易となる。
固定部18Aにおける弁座18Vとガイド部18Bとの間には、略円形の連通孔18Cが弁座18Vの直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔18Cは、図1および図2に拡大されて示されるように、Y座標軸に沿ってガイドチューブ18を貫通している。連通孔18Cは、弁ポート18Pを、ガイドチューブ18およびストッパ部材12の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
図1および図2において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。連通孔18Cの中心軸線COは、図1において、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されている。所定量ΔD(オフセット量)は、例えば、0.1mm以上0.6mm以下の範囲で設定されている。これにより、図2に示されるように、連通孔18Cを形成するY座標軸に沿った一方の内周面(以下、第1の内周面18ISaともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との間の相互間距離は、連通孔18Cを形成するY座標軸に沿った他方の内周面(以下、第2の内周面18ISbともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との相互間距離に比して小となる。従って、冷媒が通過する第1の内周面18ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積が、冷媒が通過する第2の内周面18ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積に比して小となるので連通孔18Cの両端から流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、第1の内周面18ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速は、第2の内周面18ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速に比して速くなる。これにより、図5に示されるように、第1の内周面18ISaに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の流速は、第2の内周面18ISbに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の流速に比して大となる。第1の内周面18ISaに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の圧力は、連続の式およびベルヌーイの定理に基づいて第2の内周面18ISbに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の圧力に比して小となる。その結果として、図5において、付勢力が、例えば、説明の便宜上、想定され得る代表的な作用点としての先細部20P1の作用点APに、矢印の示す方向、即ち、図2におけるほぼX座標軸方向に作用することにより、想定され得る代表的な回転中心としてのニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部18Bの孔部18bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。その際、先細部20P1の作用点APとニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RPとの間の距離Lが、比較的長く設定可能なので上述の付勢力がより高められる。
なお、上述の連通孔18Cにおける図1に示されるX座標軸に沿った断面形状は、略円形に限られることなく、例えば、楕円等の他の形状であってもよい。このような場合、ニードル部材20の先細部20P1は、冷媒が通過する第1の内周面18ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさが、冷媒が通過する第2の内周面18ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさと異なるように配置されてもよい。また、連通孔18Cの中心軸線COは、斯かる例に限られることなく、例えば、図1において、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ右側に偏倚するように設定されてもよい。
ガイドチューブ18における弁座18Vは、ニードル部材20における先細部20P1が挿入される弁ポート18Pを内部中央部に有している。弁ポート18Pは、所定の一様な直径で弁座18Vの中心軸線に沿って貫通する円形の開口を有している。なお、弁ポート18Pは、斯かる例に限られることなく、例えば、弁座18Vの中心軸線に沿って一端10E1に向けて末広状に貫通するものであってもよい。
ガイドチューブ18における弁座18Vよりも下流側部分には、弁ポート18Pの直径よりも内径が下流側に向けて徐々に大きくなる末広部18dが、固定部18Aの内側に形成されている。末広部18dは、円筒形の固定部18Aの内周部18eに連なっている。
ニードル部材20は、図3に示されるように、例えば、真鍮、または、ステンレス鋼等の材料で機械加工により作られ、弁座18Vに向かい合って形成される先細部20P1と、ガイド部18Bにおける孔部18bに摺動可能に嵌合されるガイド軸部20P2と、ガイド軸部20P2の先端に形成されるばね受け部材連結部20P3、および、調整ねじ20P4と、を主な要素として構成されている。
所定のテーパ角度を有する円錐台状の先細部20P1の最小径部は、ガイド軸部20P2の直径より僅かに小さく設定されている。先細部20P1は、ニードル部材20の調整ねじ20P4の端面20P5がストッパ部材12の閉塞端の内面に当接されるとき、基部を、即ち、後述する最端の張出部20Fとの連結部分を、弁ポート18Pから末広部18dの方向に所定距離、離隔した位置に有している。なお、上述の基部は、好ましくは、弁ポート18Pの直径よりも大なる直径を有するテーパ部分、あるいは、ストレート状部分を有するものでもよい。また、先細部20P1は、斯かる例に限れることなく、例えば、最端に張出部20Fを有しないものでも良い。
ニードル部材20のばね受け部材連結部20P3には、ばね受け部材22が、かしめ加工により固定されている。ばね受け部材連結部20P3は、例えば、環状の溝で形成されている。ばね受け部材22は、かしめ加工によるばね受け部材22の窪み22CA1により形成される突起がばね受け部材連結部20P3の溝に食い込むことにより固定されている。上述のガイド部18Bに向き合うばね受け部材22のばね支持部22Fには、コイルスプリング16の一端が支持されている。側方に張り出すばね支持部22Fは、上述の窪み22CA1からガイド部18Bに対し近接する方向に所定距離、離隔した位置に一体に形成されている。コイルスプリング16の他端は、上述のガイド部18Bのばね受け部18fに支持されている。ガイド部18Bのばね受け部18fに連なる当接部の端面18gとばね受け部材22のばね支持部22Fの筒状部の端部22Gとは、所定の距離、離隔されている。ばね受け部材22のばね支持部22Fの筒状部には、コイルスプリング16が巻装されている。これにより、仮に、ニードル部材20が、他端10E2に向って所定値以上、移動せしめられた場合、ガイド部18Bの当接部の端面18gとばね支持部22Fの筒状部の端部22Gとが当接するのでニードル部材20の移動が規制されることとなる。従って、コイルスプリング16が、所定値以上に過剰に圧縮されることが回避される。
ニードル部材20のばね受け部材連結部20P3と一体に形成される調整ねじ20P4の雄ねじは、ばね受け部材22の内周部の雌ねじ22Aの孔にねじ込まれている。その雌ねじ22Aの孔は、上述の窪み22CA1からガイド部18Bに対し離隔する方向に延びている。調整ねじ20P4は、コイルスプリング16の付勢力を調整するものとされる。
絞り装置は、ニードル部材20の先細部20P1の外周部が、差圧(一端10E1側の冷媒の入口圧力と他端10E2側の冷媒の出口圧力との差)により、弁ポート18Pの開口端部の周縁に対しさらに離隔し始める離隔開始タイミングは、コイルスプリング16の付勢力に基づいて設定される。コイルスプリング16のばね定数は、所定の値に設定されている。調整ねじ20P4により、コイルスプリング16の付勢力が調整された後、かしめ加工によるばね受け部材22の窪み22CA1により形成される突起が、ばね受け部材連結部20P3の溝に食い込むことによって、調整ねじ20P4のばね受け部材22に対する位置が、固定される。
調整ねじ20P4の端面20P5がストッパ部材12の閉塞端の平坦な内面に当接されるとき、ニードル部材20の先細部20P1の外周部における弁ポート18Pの開口端部に対応する位置において、先細部20P1の外周部が、弁ポート18Pの開口端部の周縁に対し所定の隙間を形成するように配置されている。これにより、微小弁開(調整ねじ20P4の端面20P5がストッパ部材12に当接した状態)から全開に至るまで、常に圧力差を発生させることが出来て、ニードル部材20の振動防止が可能である。その際、ニードル部材20の先細部20P1と弁ポート18Pの開口端部との間には、絞り部が形成される。絞り部とは、弁ポート18Pの周縁から先細部20P1の母線への垂線と、先細部20P1の母線との交点が、弁ポート18Pの縁から最も近い箇所(最狭部)をいう。この垂線が描く円錐面の面積が、絞り部の開口面積となる。
チューブ本体10内の冷媒の圧力が所定値以下の場合、調整ねじ20P4の端面20P5は、コイルスプリング16の付勢力によりストッパ部材12の閉塞端の内面に当接されている。
このような弁ポート18Pの開口端部の周縁に対して形成される所定の隙間の量により、上述の絞り部を通過する所定のブリード量が設定されることとなる。また、ニードル部材20のばね受け部材22における調整ねじ20P4の端面20P5は、ストッパ部材12の閉塞端の内面に当接されているのでコイルスプリング16の付勢力やニードル部材20に作用する二次側からの不所望な圧力により、ニードル部材20の先細部20P1が弁座18Vの弁ポート18Pの開口端に食い付くことが回避される。
上述のガイドチューブ18と、ガイドチューブ18の弁ポート18Pおよび孔部18bに挿入されたニードル部材20と、ニードル部材20の調整ねじ20P4が所定量、ねじ込まれたばね受け部材22と、ばね受け部材22とガイドチューブ18のガイド部18Bの端部との間に配されたコイルスプリング16と、ストッパ部材12により、ニードルサブアセンブリが形成される。また、弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の流速を制御する流速制御手段が、ガイドチューブ18の連通孔18Cと、ニードル部材20の先細部20P1とにより形成されることとなる。
斯かる構成において、冷媒の圧力によるニードル部材20に作用する力がコイルスプリング16の付勢力を超えない場合、上述したように、冷媒が、一次側配管Du1を通じて供給されるとき、冷媒の圧力は、チューブ本体10の一端10E1、チューブ本体10の内周部10aとストッパ部材12の外周部との間、連通路18C、上述の絞り部を通過することにより減圧され、その後、冷媒が、ガイドチューブ18の固定部18Aの内周部18eを通じて他端10E2から所定のブリード量で排出される。
さらに、冷媒の圧力によるニードル部材20に作用する力がコイルスプリング16の付勢力を超える場合、上述の絞り部を通じて流れる冷媒が、弁ポート18Pの周縁からさらに離隔する方向にニードル部材20を押圧することとなる。その際、第1の内周面18ISaに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の圧力は、連続の式およびベルヌーイの定理に基づいて第2の内周面18ISbに対応した弁座18Vの弁ポート18Pの周縁を通じて固定部18Aの末広部18dに流出する冷媒の圧力に比して小となる。その結果として、図5において、付勢力が、先細部20P1の作用点APに、矢印の示す方向、即ち、図2におけるほぼX座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
図6(A)および(B)は、図3に示される絞り装置に用いられるニードルサブアセンブリの他の一例を示す。なお、図6(A)および(B)において、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
ニードルサブアセンブリは、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ18´と、ガイドチューブ18´に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座18´V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座18´Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を含んで構成されている。
ガイドチューブ18´は、例えば、銅、真鍮、または、アルミニウム、あるいは、ステンレス鋼等のうちのいずれかの材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ18´は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部18´Aと、ニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部18´Bとから構成されている。
ガイドチューブ18´は、かしめ加工によるチューブ本体10の窪み10CA1および10CA2により形成される突起がその固定部18´Aの外周部の溝18´CA1および18´CA2に食い込むことにより固定されている。ガイドチューブ18´は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部18´Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材12を有している。
ガイドチューブ18´における後述する連通孔18´Cよりも上流側部分には、ガイド部18´Bが形成されている。ガイド部18´Bの孔部18´bには、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
ガイドチューブ18´における弁座18´Vは、ニードル部材20における先細部20P1が挿入される弁ポート18´Pを内部中央部に有している。弁ポート18´Pは、所定の一様な直径で弁座18´Vの中心軸線に沿って貫通する円形の開口を有している。なお、弁ポート18´Pは、斯かる例に限られることなく、例えば、弁座18´Vの中心軸線に沿って一端10E1に向けて末広状に貫通するものであってもよい。
ガイドチューブ18´における固定部18´Aの弁座18´Vの弁ポート18´P、孔部18´bは、共通の中心軸線上に形成されている。その際、ガイドチューブ18´におけるガイド部18´Bと、固定部18´Aとが、一体に形成されているので弁座18´Vの弁ポート18´P、孔部18´bは、その中心を互いに一致させるように共通の中心軸線上に高精度に加工することが容易となる。
固定部18´Aにおける弁座18´Vとガイド部18´Bとの間には、略円形の連通孔18´Cが弁座18´Vの直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔18´Cは、図6(A)に示されるように、Y座標軸に沿ってガイドチューブ18´を貫通している。連通孔18´Cは、弁ポート18´Pを、ガイドチューブ18´およびストッパ部材12の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
図6(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。連通孔18´Cの中心軸線COは、図6(A)においても、上述の図2に示される例と同様に、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されている。所定量ΔD(オフセット量)は、例えば、0.1mm以上0.6mm以下の範囲で設定されている。これにより、連通孔18´Cを形成するY座標軸に沿った一方の内周面(以下、第1の内周面18´ISaともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との間の相互間距離は、連通孔18´Cを形成するY座標軸に沿った他方の内周面(以下、第2の内周面18´ISbともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との相互間距離に比して小となる。従って、冷媒が通過する第1の内周面18´ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積が、冷媒が通過する第2の内周面18´ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積に比して小となる。従って、連通孔18´Cの両端から流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、第1の内周面18´ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速は、第2の内周面18´ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速に比して速くなる。これにより、第1の内周面18´ISaに対応した弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁を通じて固定部18´Aの末広部18´dに流出する冷媒の流速は、第2の内周面18´ISbに対応した弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁を通じて固定部18´Aの末広部18´dに流出する冷媒の流速に比して早くなる。第1の内周面18´ISaに対応した弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁を通じて固定部18´Aの末広部18´dに流出する冷媒の圧力は、連続の式およびベルヌーイの定理に基づいて第2の内周面18´ISbに対応した弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁を通じて固定部18´Aの末広部18´dに流出する冷媒の圧力に比して小となる。その結果として、図6(A)において、弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁近傍において形成される冷媒の流速差(圧力差)に起因した付勢力が、先細部20P1の作用点AP(図5参照)に、矢印の示す方向、即ち、図2におけるほぼX座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP(図5参照)回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部18´Bの孔部18´bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。その際、先細部20P1の作用点APとニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RPとの間の距離Lが、比較的長く設定可能なので上述の付勢力がより高められる。
さらに、ガイドチューブ18´における弁座18´Vよりも下流側部分には、弁ポート18´Pの直径よりも内径が下流側に向けて徐々に大きくなる末広部18´dが、固定部18´Aの内側に形成されている。末広部18´dは、円筒形の固定部18´Aの内周部18´eに連なっている。図6(B)に示されるように、拡大部18´ENが、末広部18´dに連なる内周部18´eの一部分に、例えば、円周角約90度以上180度未満の範囲でニードル部材20における先細部20P1の回りに形成されている。拡大部18´ENは、ニードル部材20における先細部20P1の外周部と内周部18´eとの間に形成される冷媒の流路の横断面積を、先細部20P1を挟んで向き合う部分の横断面積よりも部分的に拡大するように、特に、上述の第2の内周面18´ISbに対応した弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁を通じて流出する冷媒が流れる流路の横断面積を拡大するように形成されている。拡大部18´ENは、ニードル部材20の中心軸線に沿って円筒形の固定部18´Aの内周部18´eの端部まで延びている。
これにより、ニードル部材20における先細部20P1の周囲の冷媒の流路の横断面積が、先細部20P1を挟んで向き合う部分の横断面積よりも大となるので拡大部18´ENを通過する冷媒の流速が先細部20P1を挟んで向き合う部分を通過する冷媒の流速に比して遅くなる。従って、拡大部18´ENを通過する冷媒の流速と拡大部18´ENに先細部20P1を挟んで向き合う部分を通過する冷媒の流速との差に基づくニードル部材20における先細部20P1の作用点APに作用する付勢力の方向は、弁座18´Vの弁ポート18´Pの周縁近傍において形成される冷媒の流速差(圧力差)に起因した付勢力の方向と同一方向となるので上述の弁座18´Vの弁ポート18´P、および、拡大部18´ENの二箇所における流速差に基づく付勢力の相乗作用が得られることとなる。
なお、上述の連通孔18´Cにおける図6(A)に示されるX座標軸に沿った断面形状は、略円形に限られることなく、例えば、楕円等の他の形状であってもよい。このような場合、ニードル部材20の先細部20P1は、冷媒が通過する第1の内周面とニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさが、冷媒が通過する第2の内周面とニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさと異なるように配置されてもよい。また、連通孔18´Cの中心軸線COは、斯かる例に限られることなく、例えば、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ右側に偏倚するように設定されてもよい。
図7(A)および(B)は、図3に示される絞り装置に用いられるニードルサブアセンブリのさらなる他の一例を示す。なお、図7(A)および(B)において、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
ニードルサブアセンブリは、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ28と、ガイドチューブ28に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座28V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座28Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を含んで構成されている。
ガイドチューブ28は、例えば、銅、真鍮、または、アルミニウム、あるいは、ステンレス鋼等のうちのいずれかの材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ28は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部28Aと、ニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部28Bとから構成されている。
ガイドチューブ28は、かしめ加工によるチューブ本体10の窪み10CA1により形成される突起がその固定部28Aの外周部の溝28CA1に食い込むことにより固定されている。ガイドチューブ28は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部28Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材12を有している。
ガイドチューブ28における後述する連通孔28Cよりも上流側部分には、ガイド部28Bが形成されている。ガイド部28Bの孔部28bには、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
ガイドチューブ28における弁座28Vは、ニードル部材20における先細部20P1が挿入される弁ポート28Pを内部中央部に有している。弁ポート28Pは、所定の一様な直径で弁座28Vの中心軸線に沿って貫通する円形の開口を有している。なお、弁ポート28Pは、斯かる例に限られることなく、例えば、弁座28Vの中心軸線に沿って一端10E1に向けて末広状に貫通するものであってもよい。
ガイドチューブ28における固定部28Aの弁座28Vの弁ポート28P、孔部28bは、共通の中心軸線上に形成されている。その際、ガイドチューブ28におけるガイド部28Bと、固定部28Aとが、一体に形成されているので弁座28Vの弁ポート28P、孔部28bは、その中心を互いに一致させるように共通の中心軸線上に高精度に加工することが容易となる。
固定部28Aにおける弁座28Vとガイド部28Bとの間には、略円形の連通孔28Cが弁座28Vの直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔28Cは、図7(A)に示されるように、Y座標軸に沿ってガイドチューブ28を貫通している。連通孔28Cは、弁ポート28Pを、ガイドチューブ28およびストッパ部材12の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
図7(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。連通孔28Cの中心軸線COは、図7(A)においても、上述の図2に示される例と同様に、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されている。所定量ΔD(オフセット量)は、例えば、0.1mm以上0.6mm以下の範囲で設定されている。これにより、連通孔28Cを形成するY座標軸に沿った一方の内周面(以下、第1の内周面28ISaともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との間の相互間距離は、連通孔28Cを形成するY座標軸に沿った他方の内周面(以下、第2の内周面28ISbともいう)とニードル部材20の先細部20P1における向き合う外周面との相互間距離に比して小となる。従って、冷媒が通過する第1の内周面28ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積が、冷媒が通過する第2の内周面28ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積に比して小となる。従って、連通孔28Cの両端から流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、第1の内周面28ISaとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速は、第2の内周面28ISbとニードル部材20の先細部20P1の外周面との間を通過する冷媒の流速に比して速くなる。これにより、第1の内周面28ISaに対応した弁座28Vの弁ポート28Pの周縁を通じて固定部28Aの末広部28dに流出する冷媒の流速は、第2の内周面28ISbに対応した弁座28Vの弁ポート28Pの周縁を通じて固定部28Aの末広部28dに流出する冷媒の流速に比して早くなる。第1の内周面28ISaに対応した弁座28Vの弁ポート28Pの周縁を通じて固定部28Aの末広部28dに流出する冷媒の圧力は、連続の式およびベルヌーイの定理に基づいて第2の内周面28ISbに対応した弁座28Vの弁ポート28Pの周縁を通じて固定部28Aの末広部28dに流出する冷媒の圧力に比して小となる。その結果として、図7(A)において、弁座28Vの弁ポート28Pの周縁近傍において形成される冷媒の流速差(圧力差)に起因した付勢力が、先細部20P1の作用点APに、矢印の示す方向、即ち、図2におけるほぼX座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部28Bの孔部28bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。その際、先細部20P1の作用点APとニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RPとの間の距離Lが、比較的長く設定可能なので上述の付勢力がより高められる。
さらに、ガイドチューブ28における弁座28Vよりも下流側部分には、弁ポート28Pの直径よりも内径が下流側に向けて徐々に大きくなる末広部28dが、固定部28Aの内側に形成されている。末広部28dは、円筒形の固定部28Aの内周部28eに連なっている。固定部28Aの円筒状部の内周部28eとニードル部材20における先細部20P1の外周部との間には、図7(B)に示されるように、冷媒が通過する環状の流路28Rが形成される。図7(A)に示されるように、内周部28eを形成する円筒状部は、ニードル部材20における先細部20P1の最端の張出部20Fに向けて延び、略円形の貫通孔28AHを有している。貫通孔28AHは、図7(B)に示されるように、特に、上述の連通孔28Cの第2の内周面28ISbに対応した弁座28Vの弁ポート28Pの周縁を通じて末広部28dに流出する冷媒の流路28Rにおける流速を遅くするように、X座標軸に沿った方向、即ち、円筒形の固定部28Aの半径方向に沿って円筒状部を貫通している。
これにより、貫通孔28AHが設けられた円筒状部の一部により形成された流路28Rにおける冷媒の流速が先細部20P1を挟んで向き合う流路28Rを通過する冷媒の流速に比して遅くなる。従って、冷媒の流速差に基づくニードル部材20における先細部20P1の作用点APに作用する付勢力の方向は、弁座28Vの弁ポート28Pの周縁近傍において形成される冷媒の流速差(圧力差)に起因した付勢力の方向と同一方向となるので上述の弁座28Vの弁ポート28P、および、貫通孔28AHの二箇所における流速差に基づく付勢力の相乗作用が得られることとなる。
なお、上述の連通孔28Cにおける図7(A)に示されるX座標軸に沿った断面形状は、略円形に限られることなく、例えば、楕円等の他の形状であってもよい。このような場合、ニードル部材20の先細部20P1は、冷媒が通過する第1の内周面とニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさが、冷媒が通過する第2の内周面とニードル部材20の先細部20P1の外周面との間の断面積の大きさと異なるように配置されてもよい。また、連通孔28Cの中心軸線COは、斯かる例に限られることなく、例えば、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ右側に偏倚するように設定されてもよい。
図8(A)および(B)は、本発明に係る絞り装置の第2実施例を概略的に示す。
図3に示される例においては、ガイドチューブ18の連通孔18Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されているが、その代わりに、図8(A)に示される例においては、ガイドチューブ30の連通孔30Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSと交わるものとされる。なお、図8(A)および(B)において、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
絞り装置は、例えば、図4に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器6の出口と蒸発器2の入口との間に配置されている。絞り装置は、上述の冷凍サイクルシステムの配管に接合されるチューブ本体10と、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ30と、ガイドチューブ30に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座30V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座30Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を主な要素として含んで構成されている。
チューブ本体10の内周部10aにおける他端10E2から所定距離、離隔した中間部には、チューブ本体10の内径よりも小なる外径を有するガイドチューブ30の固定部30Aの外周部が固定されている。
ガイドチューブ30は、例えば、銅、真鍮、または、アルミニウム、あるいは、ステンレス鋼等のうちのいずれかの材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ30は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部30Aと、ニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部30Bとから構成されている。
ガイドチューブ30は、かしめ加工によるチューブ本体10の窪み10CA1および10CA2により形成される突起がその固定部30Aの外周部の溝30CA1および30CA2に食い込むことにより固定されている。ガイドチューブ30は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部30Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材12を有している。
ガイドチューブ30における後述する連通孔30Cよりも上流側部分には、ガイド部30Bが形成されている。ガイド部30Bの孔部30bには、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
ガイドチューブ30における固定部30Aの弁座30Vの弁ポート30P、孔部30bは、共通の中心軸線上に形成されている。その際、ガイドチューブ30におけるガイド部30Bと、固定部30Aとが、一体に形成されているので弁座30Vの弁ポート30P、孔部30bは、その中心を互いに一致させるように共通の中心軸線上に高精度に加工することが容易となる。
固定部30Aにおける弁座30Vとガイド部30Bとの間には、略円形の連通孔30Cが弁座30Vの直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔30Cの一端は、図8(A)に示されるように、Y座標軸に沿って延び弁座30Vの真下で開口し、連通孔30Cの他端は、固定部30Aとガイド部30Bとを連結する連結壁により形成されている。その連結壁は、連通孔30Cの一端の開口径もよりも小なる直径を有する細孔30Hを有している。これにより、連通孔30Cは、弁ポート30Pを、ガイドチューブ30およびストッパ部材12の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
なお、図8(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。連通孔30Cの中心軸線COは、図8(B)において、ニードル部材20の中心軸線CSに対し略直交するように設定されている。
斯かる構成において、連通孔30Cの両端から弁ポート30Pに向って流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、細孔30Hが連通孔30Cの一端の開口径もよりも小なる直径を有するので細孔30Hを介して流れ込む一方の冷媒の流速は、連通孔30Cの一端から流れ込む他方の冷媒の流速に比して速くなる。これにより、上述の一方の冷媒が弁座30Vの弁ポート30Pの周縁の一部を通じて固定部30Aの末広部30dに流出する流速は、上述の他方の冷媒が弁座30Vの弁ポート30Pの周縁の他の部分を通じて固定部30Aの末広部30dに流出する流速に比して大となる。その結果として、図8(A)において、付勢力が、先細部20P1の作用点APに、矢印の示す方向、即ち、図8(B)におけるほぼY座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部30Bの孔部30bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。これにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
上述の図8(A)に示される例におけるガイドチューブ30の連通孔30Cを形成する連結壁は、連通孔30Cの一端の開口径もよりも小なる直径を有する細孔30Hを有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図9に示されるように、ガイドチューブ30´の連通孔30´Cを形成する連結壁が、細孔を有しないものであってもよい。このような場合、ガイドチューブ30´の固定部における弁座とガイド部30´Bとの間には、略円形の連通孔30´Cが弁座の直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔30´Cの一端は、図9に示されるように、Y座標軸に沿って延び弁座の真下で開口し、連通孔30´Cの他端は、ガイドチューブ30´の固定部とガイド部30´Bとを連結する連結壁により形成されている。Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。
斯かる構成においても、連通孔30´Cの一端から矢印の示す方向に沿って弁ポートに向って流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、連通孔30´Cの他端が閉塞されているので連結壁の内壁面と先細部20P1の外周面との間の一方の冷媒の流速は、連通孔30´Cの一端から流れ込む他方の冷媒の流速に比して速くなる。これにより、上述の一方の冷媒が弁座の弁ポートの周縁の一部を通じて固定部の末広部に流出する流速は、上述の他方の冷媒が弁座の弁ポートの周縁の他の部分を通じて固定部の末広部に流出する流速に比して大となる。その結果として、図9において、付勢力が、先細部20P1の作用点に、矢印Fの示す方向、即ち、図9におけるほぼY座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部30´Bの孔の内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。これにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
さらに、上述の図8(A)に示される例に用いられるガイドチューブの変形例としては、例えば、図10に示されるように、ガイドチューブ32の連通孔32Cの中心軸線COが、ニードル部材20の中心軸線CSと交わり、連通孔32Cが貫通孔とされ、加えて、細孔32Hが連通孔32Cに連通するように構成されてもよい。
このような場合、ガイドチューブ32は、例えば、ガイドチューブ30の材質と同様な材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ32は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部と、ニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部とから構成されている。ガイドチューブ32における連通孔32Cよりも上流側部分には、ガイド部が形成されている。ガイド部の孔部には、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
固定部における弁座とガイド部との間には、略円形の連通孔32Cが弁座の直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔32Cの両端は、図10に示されるように、Y座標軸に沿って延び弁座の真下で開口している。また、連通孔32Cを形成する一方の内周面には、細孔32Hが開口している。細孔32Hは、図10に示されるように、X座標軸に沿って延び連通孔32Cと交わり連通孔32Cの内側に連通している。これにより、連通孔32Cは、弁ポートを、ガイドチューブ32およびストッパ部材12の外周部(不図示)とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
なお、図10において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。連通孔32Cの中心軸線COは、図10において、ニードル部材20の中心軸線CSに対し略直交するように設定されている。
斯かる構成においても、連通孔32Cの両端から矢印の示す方向に沿って弁ポートに向って流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、ニードル部材20の先細部20P1の一方の外周部と細孔32Hの内側の開口端との間を通過する一方の冷媒の流速は、向き合うニードル部材20の先細部20P1の他方の外周部と連通孔32Cを形成する内周面との間を通過する他方の冷媒の流速に比して遅くなる。これにより、上述の一方の冷媒が弁座の弁ポートの周縁の一部を通じて固定部の末広部に流出する流速は、上述の他方の冷媒が弁座の弁ポートの周縁の他の部分を通じて固定部の末広部に流出する流速に比して大となる。その結果として、図10において、付勢力が、先細部20P1の作用点に、矢印Fの示す方向、即ち、図10におけるほぼX座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心回りに所定のモーメントが作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部の孔の内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。これにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
図11(A)および(B)は、本発明に係る絞り装置の第3実施例を概略的に示す。
図3に示される例においては、ガイドチューブ18の連通孔18Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されているが、その代わりに、図11(A)に示される例においては、ガイドチューブ34の連通孔34Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し略直交するものとされる。なお、図11(A)および(B)において、図3に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。
絞り装置は、例えば、図4に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器6の出口と蒸発器2の入口との間に配置されている。絞り装置は、上述の冷凍サイクルシステムの配管に接合されるチューブ本体10と、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ34と、ガイドチューブ34に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座34V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座34Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を主な要素として含んで構成されている。
チューブ本体10の内周部10aにおける他端10E2から所定距離、離隔した中間部には、チューブ本体10の内径よりも小なる外径を有するガイドチューブ34の固定部34Aの外周部が固定されている。
ガイドチューブ34は、例えば、図8(A)および(B)に示されるガイドチューブ30の材料と同様な材料で機械加工により作られている。ガイドチューブ34は、チューブ本体10の内周部10aに固定される固定部34Aと、ニードル部材20のガイド軸部20P2を摺動可能に案内するガイド部34Bとから構成されている。
ガイドチューブ34は、かしめ加工によるチューブ本体10の窪み10CA1および10CA2により形成される突起がその固定部34Aの外周部の溝34CA1および34CA2に食い込むことにより固定されている。ガイドチューブ34は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部34Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材12を有している。
ガイドチューブ34における後述する連通孔34Cよりも上流側部分には、ガイド部34Bが形成されている。ガイド部34Bの孔部34bには、ニードル部材20のガイド軸部20P2が摺動可能に嵌合されている。
ガイドチューブ34における固定部34Aの弁座34Vの弁ポート34P、孔部34bは、共通の中心軸線上に形成されている。その際、ガイドチューブ34におけるガイド部34Bと、固定部34Aとが、一体に形成されているので弁座34Vの弁ポート34P、孔部34bは、その中心を互いに一致させるように共通の中心軸線上に高精度に加工することが容易となる。
固定部34Aにおける弁座34Vとガイド部34Bとの間には、略円形の連通孔34Cが弁座34Vの直下に形成されている。冷媒導入孔として機能する連通孔34Cの両端は、図11(A)に示されるように、Y座標軸に沿って延び弁座30Vの真下で開口している。連通孔34Cの一方の開口端に隣接した位置には、C形の流量調整片36が設けられている。流量調整片36は、一方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量を、他方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量に比べて少なくするように制限するものとされる。流量調整片36は、それ自体の弾性力に基づく保持力により、ガイドチューブ34の外周部に固定されている。これにより、連通孔34Cは、弁ポート34Pを、ガイドチューブ34およびストッパ部材12の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間に連通させることとなる。
なお、図11(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。
斯かる構成において、連通孔34Cの両端から弁ポート34Pに向って流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、流量調整片36が連通孔34Cの一方の開口端に隣接した位置に設けられているので一方の開口端を介して流れ込む一方の冷媒の流速は、連通孔34Cの他端から流れ込む他方の冷媒の流速に比して速くなる。これにより、上述の一方の冷媒が弁座34Vの弁ポート34Pの周縁の一部を通じて固定部34Aの末広部34dに流出する流速は、上述の他方の冷媒が弁座34Vの弁ポート34Pの周縁の他の部分を通じて固定部34Aの末広部34dに流出する流速に比して大となる。その結果として、図11(A)において、付勢力が、先細部20P1の作用点APに、矢印Fの示す方向、即ち、図11(B)におけるほぼY座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部34Bの孔部34bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。これにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
図12(A)および(B)は、本発明に係る絞り装置の第4実施例を概略的に示す。
図3に示される例においては、ガイドチューブ18の連通孔18Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されているが、その代わりに、図12(A)に示される例においては、ガイドチューブ34の連通孔34Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し略直交するものとされる。なお、図12(A)および(B)において、図3および図11(A)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。なお、図12(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材20の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。
絞り装置は、例えば、図4に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器6の出口と蒸発器2の入口との間に配置されている。絞り装置は、上述の冷凍サイクルシステムの配管に接合されるチューブ本体10と、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ34と、ガイドチューブ34に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座34V、および、ニードル部材20と、ニードル部材20を弁座34Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材20の一端を受け止める円筒状のストッパ部材42と、を主な要素として含んで構成されている。
チューブ本体10の内周部10aにおける他端10E2から所定距離、離隔した中間部には、チューブ本体10の内径よりも小なる外径を有するガイドチューブ34の固定部34Aの外周部が固定されている。
ガイドチューブ34は、チューブ本体10の一端10E1に最も近いガイド部34Bの端部の外周部に、金属製のストッパ部材42を有している。
円筒状のストッパ部材42は、例えば、銅合金薄板材料でプレス加工により一様の厚さで成形されている。ストッパ部材42をプレス成型で形成したことにより、比較的安価に製作される。
ストッパ部材42の一端は、かしめ加工によるストッパ部材42の窪み42CA1により形成される突起がガイド部34Bの端部の溝34CB1に食い込むことにより、ガイド部34Bに固定されている。そのかしめ加工による窪み42CA1は、ストッパ部材42の円周方向に沿って所定の間隔をもって複数の箇所、例えば、3箇所に形成されている。円筒状のストッパ部材42は、閉塞端部を他端に有し、コイルスプリング16及びばね受け部材22を覆うような構造となっている。
ストッパ部材42の外周部における窪み42CA1に隣接した位置には、流量調整用突起部42Dが一体に形成されている。流量調整用突起部42Dは、一方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量を、他方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量に比べて少なくするように制限するものとされる。流量調整用突起部42Dは、ストッパ部材42の外周部とチューブ本体10の内周部10aとの間の隙間を塞ぐように、ストッパ部材42の円周方向に沿って優弧をなす所定の円周角をもって延びている。
ストッパ部材42の他端は、ガイド部34Bからチューブ本体10の一端10E1側に向けて延びている。また、その閉塞端部は、平坦な内面を有している。その閉塞端部の内面は、後述する調整ねじ20P4の端面20P5を受け止めるものとされる。調整ねじ20P4は、ニードル部材20のガイド軸部20P2の一端に一体に形成され、ばね受け部材22の一端の雌ねじ22Aにねじ込まれる。ストッパ部材42の内側には、液状の冷媒が浸入する中空部44が形成されている。
ストッパ部材42の窪み42CA1以外の部分の内周面とガイド部34Bの端部の溝34CB1以外の外周面との間には、所定の隙間が形成される。従って、チューブ本体10の一端10E1側から供給される冷媒が、その隙間や、ガイド部34Bの孔部34bとガイド軸部20P2の外周部との隙間を通じてストッパ部材42の中空部44内に流入される。
斯かる構成において、連通孔34Cの両端から弁ポート34Pに向って流入される冷媒の流れが定常な流れであるとき、流量調整用突起部42Dが、一方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量を、他方の開口端から連通孔34C内に流入する冷媒の流量に比べて少なくするように制限するので一方の開口端を介して流れ込む一方の冷媒の流速は、連通孔34Cの他端から流れ込む他方の冷媒の流速に比して速くなる。これにより、上述の一方の冷媒が弁座34Vの弁ポート34Pの周縁の一部を通じて固定部34Aの末広部34dに流出する流速は、上述の他方の冷媒が弁座34Vの弁ポート34Pの周縁の他の部分を通じて固定部34Aの末広部34dに流出する流速に比して大となる。その結果として、図12(A)において、付勢力が、先細部20P1の作用点APに、矢印Fの示す方向、即ち、図12(B)におけるほぼY座標軸方向に作用することにより、ニードル部材20のガイド軸部20P2の回転中心RP回りに所定のモーメントが時計回り方向に作用するのでガイド軸部20P2の外周部とガイド部34Bの孔部34bの内周縁との間に摺動抵抗が反作用として生じることとなる。これにより、ニードル部材20のハンチング、および、ニードル部材20の先細部20P1の微振動がより確実に回避される。
図13(A)および(B)は、本発明に係る絞り装置の第5実施例を概略的に示す。
図3に示される例においては、ガイドチューブ18の連通孔18Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し所定量ΔDだけ左側に偏倚するように設定されているが、その代わりに、図13(A)に示される例においては、ガイドチューブ34の連通孔34Cの中心軸線COは、ニードル部材20の中心軸線CSに対し略直交するものとされる。なお、図13(A)および(B)において、図3および図11(A)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符合を付して示し、その重複説明を省略する。図13(A)および(B)において、Y座標軸は、ニードル部材40の中心軸線CSに交差するように設定され、Z座標軸は、ニードル部材40の中心軸線CSに対し平行に設定されている。X座標軸は、Y座標軸およびZ座標軸に対し直交している。
絞り装置は、例えば、図4に示されるように、冷凍サイクルシステムの配管における凝縮器6の出口と蒸発器2の入口との間に配置されている。絞り装置は、上述の冷凍サイクルシステムの配管に接合されるチューブ本体10と、チューブ本体10の内周部10aに固定されるガイドチューブ34と、ガイドチューブ34に一体に形成され冷媒の流量を調整する冷媒流量調整部を構成する弁座34V、および、ニードル部材40と、ニードル部材40を弁座34Vに対し近接する方向に付勢するコイルスプリング16と、コイルスプリング16の一方の端部を支持するばね受け部材22と、ニードル部材40の一端を受け止める円筒状のストッパ部材12と、を主な要素として含んで構成されている。
ニードル部材40は、例えば、上述のニードル部材20の材料と同様な材料で機械加工により作られ、弁座34Vに向かい合って形成される先細部40P1と、ガイド部34Bにおける孔部34bに摺動可能に嵌合されるガイド軸部40P2と、ガイド軸部40P2の先端に形成されるばね受け部材連結部40P3、および、調整ねじ40P4と、を主な要素として構成されている。
所定のテーパ角度を有する円錐台状の先細部40P1の最小径部は、ガイド軸部40P2の直径より僅かに小さく設定されている。先細部40P1は、ニードル部材40の調整ねじ40P4の端面40P5がストッパ部材12の閉塞端の内面に当接されるとき、弁ポート34Pの直径よりも大なる直径を有する基部、即ち、後述する最端の張出部40Fとの連結部分を、弁ポート34Pから末広部34dの方向に所定距離、離隔した位置に有している。
先細部40P1は、中心軸線CSから所定距離、離隔した位置に平坦面40PEを有している。平坦面40PEは、先細部40P1の中心軸線CSに沿って先細部40P1の下部近傍からガイド軸部40P2の連結部分まで所定の長さだけ形成されている。これにより、弁ポート34Pの周縁と平坦面40PEとの間にある冷媒の作動圧力が、図13(A)において先細部40P1の半径方向であって矢印Fの示す方向に作用し平坦面40PEに向き合う先細部40P1の外周面を、弁ポート34Pの周縁に向けて押圧することとなる。これにより、ニードル部材40の移動中、摺動抵抗がガイド軸部40P2の外周部とガイドチューブ34の孔部34bとの間に生じる。これにより、ニードル部材40のハンチング、および、ニードル部材40の先細部40P1の微振動がより確実に回避される。
ニードル部材40のばね受け部材連結部40P3には、ばね受け部材22が、かしめ加工により固定されている。ばね受け部材連結部40P3は、例えば、環状の溝で形成されている。ばね受け部材22は、かしめ加工によるばね受け部材22の窪み22CA1により形成される突起がばね受け部材連結部40P3の溝に食い込むことにより固定されている。
ニードル部材40のばね受け部材連結部40P3と一体に形成される調整ねじ40P4の雄ねじは、ばね受け部材22の内周部の雌ねじ22Aの孔にねじ込まれている。その雌ねじ22Aの孔は、上述の窪み22CA1からガイド部34Bに対し離隔する方向に延びている。調整ねじ40P4は、コイルスプリング16の付勢力を調整するものとされる。
なお、上述の各実施例において、ニードル部材のガイド軸部は、弁ポートに対し上流側に離隔した位置に形成されているが、斯かる例に限られることなく、例えば、ニードル部材が、そのガイド軸部の端部が弁ポートに近接した位置に形成されるか、または、そのガイド軸部の端部が弁ポート内に挿入されるように構成されるものであってもよい。