JP6813169B2 - 音声抑制装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明にかかる音声抑制装置の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係る音声抑制装置を模式的に示した図である。音声抑制装置としてのボイスキャンセリングヘッドセット1については、本実施の形態ではヘッドセットタイプのものを例に挙げて説明するが、この形状にはとらわれない。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1の実施の形態によれば、選択部23が主に発話者の音声信号の周波数特性に対応したフィルタを選択してキャンセリンリング信号が生成するので、発話者周囲に拡散する発話者の音声信号の抑制を行うことができる。
図6は、第1の実施の形態に係るボイスキャンセリングヘッドセット1を構成する音声検出マイク9が口の正面近傍に複数配置される変形例を示した図である。上記した第1の実施の形態においては、音声検出マイク9が単一であった。そのため、周囲の騒音の状況や気象条件、または発話者の呼吸音、唾液の飛散などによって、発話音声を正確に検出できない場合がある。本第1変形例においては、音声検出マイク9を複数配置することで、単一のマイクを用いるよりも発話音声の検出精度を向上できる。具体的には、複数の音声検出マイク9のうち発話者の口の正面に配置されるマイクでは、発話者の呼吸音も検出しても、口の両脇にあるマイクで発話音声を検出可能である。また、口の両脇にマイクを有するため、口から放射した発話音声を左右両方で拾うことができ、いわゆるステレオマイクと同等の効果が得られる。よって、音声検出マイク9を複数配置することで、単一のマイクを用いるよりも発話音声の検出精度の向上が図れる。
図7は、第1の実施の形態に係るボイスキャンセリングヘッドセット1のうち、音声検出マイク9がヘッドセットのハウジング周辺にある第2変形例を示した図である。第1の実施の形態においては、音声検出マイク9が口の正面近傍に配置されていた。また、本第1変形例においては、音声検出マイク9が口の正面近傍に複数配置されていた。しかしながら上記した第1の実施形態及び第1変形例においては、例えば検出する音声に発話者の呼吸音が混じったり、音声検出マイク9が発話者の唾液等の水滴で塞がれた場合、正常に音声を検出することができなくなってしまう。このような状態を防ぐために、本第2変形例においては、音声検出マイク9をヘッドセットのハウジング周辺に配置することで、発話者の呼吸音の検出や唾液等によるマイクの機能低下、ボイスキャンセリングの効果低減を抑えることができる。
変形例3においては、第1の実施の形態と同様にボイスキャンセリングヘッドセット1のうち、複数の音声検出マイク9および複数の制御スピーカ7が口の正面近傍に配置される(図6参照)。本第3変形例においては、音声検出マイク9および制御スピーカ7がそれぞれ対応しており、音声検出マイク9によって検出した発話者の発話音声に対し、対応する制御スピーカ7からボイスキャンセリング信号が出力される。この時、複数の音声検出マイク9のそれぞれで検出される発話音声は全て均一ではない場合が多く、微小な差分がある。そのため対応する制御スピーカ7から出力されるボイスキャンセリング信号も、それら差分に対応して異なることになる。本第3変形例においては、物理的な距離が最も近い音声検出マイク9および制御スピーカ7がそれぞれ対応しているとするが、本第3変形例と同等の効果が得られるのであればこの限りではない。また、信号処理部20でのキャンセリング信号生成は、各マイクから入力される信号を並列的に処理するのが、リアルタイムでのボイスキャンセリング機能を実現するために望ましい。しかし信号処理部20の制御スペックとの兼ね合いにより、所定のタイミングごとに直列的に処理する構成であっても構わない。これにより、発話音声の放射特性を考慮した場合においても、音声検出マイク9に最も近い制御スピーカ7からボイスキャンセリング信号が出力されるため、複数の音声検出マイク9のそれぞれで検出される発話音声の微小な差分を考慮して、ボイスキャンセリングヘッドセット1全体として最適なキャンセリング信号を発生することができる。結果、単一のマイクを用いるよりもボイスキャンセリング機能の精度を向上できる。
以下、本発明にかかる音声抑制装置の第2実施の形態について図4を参照しながら説明する。第2の実施の形態は、特に、街頭や車内、駅のプラットホームのような騒音環境下でヘッドセットを用いて通話する場合、受話信号が聞き取りにくく発話者の音声もつい音量を上げてしまい、発話音声の秘匿化という目的は図れないという課題に対応するものである。
<第2の実施の形態の効果>
屋内外でヘッドセットを用いて通話する場合、特に街頭、車内、駅のプラットホームのような騒音環境下では、受話信号が聞き取りにくく発話者の音声もつい音量を上げてしまい、発話音声の秘匿化という目的は図れない。上記した本第2の実施の形態によれば、騒音等の環境音があっても受話内容も聞き取りやすくなり、その結果、発話者の発話音量も必要以上に上げる必要がなくなるので発話音声を抑制することができる。
<その他の実施の形態>
上記した実施の形態においては、ボイスキャンセリングヘッドセット1の信号処理部20にてキャンセル信号を生成する構成であった。しかしながらこの信号処理部20はボイスキャンセリングヘッドセット1内のマイクロコンピュータや演算チップのようなハードウェア、ソフトウェアやアプリケーションによって実現される構成にとらわれない。信号処理部20がベッドセット内に無くパソコンなどの携帯電話やスマートフォンのような情報端末にあるような形態である場合、インターネットや無線通信を介して発話音声の信号を情報端末に送信し、演算は情報端末内で行っても良い。また、特にこの場合は情報端末などに発話者の音声をあらかじめ録音しておき、録音してある単語や文章の発話音声を利用してノイズキャンセリング信号を生成することで、演算処理の負荷を下げることも可能である。これらボイスキャンセリングヘッドセット1の機能を実現するためのソフトウェアやそれを記憶する媒体、プログラムについても同様の効果が得られる場合であれば、本実施の形態の範囲内として考えられる。
3 アーム部
4 ハウジング部
7 制御スピーカ
9 音声検出マイク
10 携帯端末
11 送話マイク
15 スピーカ
16 A/D変換部
17 D/A変換部
20 信号処理部
21 フーリエ変換部
22 周波数特性検出部
23 選択部
24 逆フーリエ変換部
26 A/D変換部
27 D/A変換部
28 加算器
30 信号処理部
39 誤差検出マイク
100 ボイスキャンセリングヘッドセット
K1 発話音声信号
K2 キャンセリング信号
K3 キャンセリング信号
N 騒音源
S2 受話信号
Claims (6)
- 発話者の口元周辺に配置される音声抑制装置であって、
発声された第1の音声信号を検出する第1のマイクと、
発話音源である発話者の口を曲線状に囲むように配置されるアーム部の先端付近に配置され、発話者を正面から見たときに、前記第1のマイクよりも発話音源の中心から遠い位置にあり、前記第1の音声信号を入力する第2のマイクと、
少なくとも前記第2のマイクとは離れて配置され、前記発話音源に向かって、第2の音声信号を出力する第1のスピーカと、
前記第1のマイクから入力された前記第1の音声信号に対し、前記第1の音声信号の周波数特性に応じて、前記第1の音声信号をキャンセルするための第2の音声信号を生成し、前記第2の音声信号を前記第1のスピーカへ出力する第1の信号処理手段と、
有線又は無線を介して携帯端末に接続可能な音声通信手段とを有し、
前記第2のマイクによって入力された第1の音声信号は前記携帯端末に送信される、
ことを特徴とする音声抑制装置。 - 前記信号処理手段は、第1の音声信号に対して逆位相にするとともに、前記第1のマイクと前記第1のスピーカとの距離に応じた減衰量を考慮した振幅レベルの第2の音声信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。 - 前記信号処理手段は、可変帯域通過フィルタを備え、
前記発話音声の放射特性を考慮して、前記第2の音声信号が前記第1の音声信号をキャンセルするように前記フィルタの通過周波数帯域を設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の音声抑制装置 - 前記信号処理手段は、前記発話音声の放射特性を考慮して前記第1のマイクと前記第1のスピーカとの間の伝達特性(伝達関数)を決定し、該伝達特性を前記第1の音声信号に畳み込む、
ことを特徴とする請求項3に記載の音声抑制装置 - 前記携帯端末との間の無線接続は、Bluetooth規格に準拠することを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。
- 前記第2のスピーカは発話者の耳を収容するハウジング部内に配置され、ハウジング部には屈曲自在なアームが連結され、当該アームに前記第1のマイクと前記第2のマイクが装着されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の音声抑制装置。
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