JP6809883B2 - 吐出キャップ - Google Patents
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Description
しかしながら、上記特許文献1の吐出キャップでは、内容物の吐出後に逆止弁が作動して内部容器を密閉するため、吐出口から逆止弁までの空間に内容物が残留してしまう虞があった。
この時、外部容器が形状を復元していく間は外部容器内は負圧状態であるため、吸入弁から外気を吸引し終わるまでの間、吐出口から逆止弁までの空間に残留している内容物は逆止弁と弁座との間の微小な隙間を通り、内部容器へ吸引、回収される。さらに、逆止弁と弁座との間の微小な隙間は十分に薄いため、内部容器へ吸引された残液の一部が表面張力により逆止弁と弁座との間の隙間に留まり、内部容器内への外気の進入を防止できる。
また、異物などで詰まってしまった溝は回収流路として機能しなくなるため、詰まっていない他の回収流路の内容物回収能力では対応しきれず、十分に内容物を回収できなくなるという問題があった。
また、粗面加工部に幅広い回収流路を形成するため、異物等が流路に詰まることを抑制し、内容物の回収能力が衰えにくく、かつ、流量制御弁を確実に作動させることが可能となる。
また、粗面加工部は、細かい凹凸を有したブラスト面を有しているため、回収流路がブラスト面の凸部を除く全体となり、さらに幅広い回収流路が形成でき、弁室側の回収流路形成部分の全面から均等に内容物を回収できるとともに、回収流路内に内容物が留まりやすい細かい流路が形成され、容器内へ異物や空気の流入を防ぐことができる。
請求項3に記載の構成によれば、流量制御弁と弁座との当接面の少なくともいずれか一方の表面に粗面加工部が設けられており、粗面加工部は、流量制御弁と弁座とが当接した際に弁室と容器内部とを連通する回収流路を形成するため、弁室内の内容物を回収流路を介して容器内部へ迅速に回収することができるとともに、流量制御弁と弁座との位置関係がズレて当接していても、粗面加工部が当接していれば、内容物の回収流路を安定的に確保できる。
また、粗面加工部に幅広い回収流路を形成するため、異物等が流路に詰まることを抑制し、内容物の回収能力が衰えにくく、かつ、流量制御弁を確実に作動させることが可能となる。
また、粗面加工部は、複数の細溝で形成されているため、回収流路内に異物が入りにくくなるとともに、回収流路内に内容物が留まりやすく、容器内への異物や空気の流入を防ぐことができる。
請求項5に記載の構成によれば、流入制御弁と弁座との当接面の少なくともいずれか一方の表面には、全周に粗面加工部が設けられているため、供給孔の全周にわたって形成された幅広い回収流路を介して、弁室内の内容物を容器内部へより迅速に回収することができるとともに、異物等による流路の詰まりをさらに抑制し、内容物の回収能力がより衰えにくくなり、流量制御弁をさらに確実に作動させることが可能となる。
請求項7に記載の構成によれば、粗面加工部は弁室内面全体もしくは流量制御弁表面全体の少なくともいずれか一方に設けられているため、回収流路をより広く安定的に確保でき、異物による回収流路の詰まりを防止できる。
また、閉塞栓は、上蓋を閉じた際に流量制御弁を押圧するため、流量制御弁による供給孔の閉塞をより強固にでき、吐出時以外に内容物が容器内部から漏出することを防ぐことができる。
吐出キャップ100は、容器200の容器口部201に嵌合され、容器200の内部に収容された内容物Pを吐出するものであり、図1乃至図3示すように、キャップ本体110と、上蓋120と、弁室130とが設けられている。
嵌合部112及びスカート壁115が容器口部201との嵌合箇所であり、キャップ本体110と容器200とは、嵌合部112とスカート壁115の内周面上方に設けられた係合凸部117との間に容器口部201を挿入することで嵌合し、スカート壁115の内周面下方に設けられた係止リブ116を、容器口部201の係止突条202が乗り越えた位置で吐出キャップ100と容器200との位置関係が固定される。
また、係合壁部137の上端には、外方に突出する突条137aが形成されている。
底部133上面から筒部138内面との弧状接続領域には後述する弁部139の弁シール面139aと当接する弁座134が形成されており、弁座134の表面には細かい凹凸状のブラスト面で形成された粗面加工部136が設けられている。
また、弁部139の外周面下端部には半径方向内方に向かって下方に傾斜する逆円錐台形状の弁シール面139aが形成されている。
接続片141は周方向に等角度間隔を置いて3個配設される帯状部材である。よって、弁部139には接続片141の弾性力による下向きの復元力が常時作用せしめられる。
弁室130内には、下方に付勢された流量制御弁132の弁部139が、底部133の供給孔135の周囲に形成された弁座134に当接するように設けられており、弁部139の弁シール面139aが弁座134の粗面加工部136に当接することで、弁部139と弁座134との間に回収流路142が形成される。
また、図3を参照すると底部133は半径方向内方に向かって下方へ傾斜するように設けられている。これによって、弁室130内の内容物Pを供給孔135側へ迅速に回収することができる。
まず、内容物Pの吐出手順を説明する。容器200を外側から押圧すると、容器200は変形し、加圧された内容物Pが、弁座134に付勢されている流量制御弁132の弁部139を供給孔135から押し上げ、弁部139の弁シール面139aと弁座134との間を通り、弁室130内へ流入する。
さらに容器200への押圧を続けると、内容物Pは吐出口113aを通って吐出キャップ100外へ吐出される。
弁室130内の内容物Pは、流量制御弁132の閉塞までの僅かな時間は、供給孔135から容器200内に勢いよく戻るが、全量が戻ることはなく、閉塞後にも弁室130内に内容物Pが残留する。
このとき、流量制御弁132と弁座134との位置関係が若干ズレて当接していても、弁シール面139aと粗面加工部136との当接面が十分に確保されていれば、内容物Pの回収流路142を安定的に確保できる。
また、加圧を解除された外部容器(図示しない)は弾性体で構成されており、元の形状に戻ろうとするため、容器200内は一時的に負圧状態となり、容器外の流体を容器200内へ吸引する力が発生する。
さらに、回収流路142はブラスト面により細かい流路で構成されているため、回収流路142内には表面張力により内容物Pが留まりやすく、内部容器(図示しない)内に外気が流入することがないため、内部容器(図示しない)内の内容物Pの劣化を防ぐことができるとともに、異物や空気の流入を防ぐことができる。
また、粗面加工部136は、弁室側から供給孔方向へ延びる複数の細溝で形成してもよく、その場合、細溝の深さを50〜100μmにすることで、弁室130内の内容物Pの回収量を抑えることなく、回収流路142内や容器200内への異物や空気の流入を一層防ぐことができる。
また、粗面加工部136を構成する細溝を、少なくとも1つの他の細溝と交差するように構成した場合、細溝に異物等が入って内容物Pの流入を閉塞した場合でも、異物の入った細溝が交差している他の細溝に分散・迂回して内容物Pを回収できる。
なお、上述した実施形態では、容器は内容物を収容する可撓性の内部容器と、内部容器を内包する弾性を備えた外部容器とで構成されているものとして説明したが、容器の構成はこれに限定されず、例えば、内部容器を用いずに外部容器のみで構成してもよく、容器底部に上下動可能なピストンを設けて、容器内容積が可変となるように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、吐出キャップにはヒンジ接続された上蓋が設けられているものとして説明したが、吐出キャップの形態はこれに限定されず、例えば、上蓋がなくてもよく、キャップ本体とは別体のスクリューキャップ式の上蓋として設けてもよい。
110 ・・・ キャップ本体
111 ・・・ 本体天面
112 ・・・ 嵌合部
113 ・・・ 吐出筒
113a ・・・ 吐出口
114 ・・・ 係止部
115 ・・・ スカート壁
116 ・・・ 係止リブ
117 ・・・ 係合凸部
120 ・・・ 上蓋
121 ・・・ 上蓋天面
122 ・・・ 閉塞栓
130 ・・・ 弁室
131 ・・・ 中栓
132 ・・・ 流量制御弁
133 ・・・ 底部
134 ・・・ 弁座
135 ・・・ 供給孔
136 ・・・ 粗面加工部
137 ・・・ 係合壁部
137a ・・・ 突条
138 ・・・ 筒部
139 ・・・ 弁部
139a ・・・ 弁シール面
140 ・・・ 基部
141 ・・・ 接続片
142 ・・・ 回収流路
200 ・・・ 容器
201 ・・・ 容器口部
202 ・・・ 係止突条
Claims (9)
- 容器口部に嵌合され、容器内部に収容された内容物を吐出する吐出キャップであって、
該吐出キャップは、容器口部と嵌合する嵌合部と、容器内部に収容された内容物を吐出する吐出口とを有するとともに、容器内部と前記吐出口との間に区画された弁室をさらに有し、
前記弁室には、容器内部と連通し内容物を取り出す供給孔及び弁座を有する底部と、流量制御弁とが設けられ、
前記流量制御弁は前記供給孔の軸線方向に沿って摺動可能に設けられるとともに、前記弁座方向に付勢されて前記弁座と当接可能に構成され、
前記流量制御弁と前記弁座との当接面の少なくともいずれか一方の表面には、粗面加工部が設けられ、
前記粗面加工部は、前記流量制御弁と前記弁座とが当接した際に、前記弁室と容器内部とを連通する回収流路を形成し、
前記粗面加工部は、細かい凹凸を有したブラスト面を有することを特徴とする吐出キャップ。 - 前記粗面加工部のブラスト面の表面粗さ(JIS B0601で定義されている算術平均粗さRa)は、50〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の吐出キャップ。
- 容器口部に嵌合され、容器内部に収容された内容物を吐出する吐出キャップであって、
該吐出キャップは、容器口部と嵌合する嵌合部と、容器内部に収容された内容物を吐出する吐出口とを有するとともに、容器内部と前記吐出口との間に区画された弁室をさらに有し、
前記弁室には、容器内部と連通し内容物を取り出す供給孔及び弁座を有する底部と、流量制御弁とが設けられ、
前記流量制御弁は前記供給孔の軸線方向に沿って摺動可能に設けられるとともに、前記弁座方向に付勢されて前記弁座と当接可能に構成され、
前記流量制御弁と前記弁座との当接面の少なくともいずれか一方の表面には、粗面加工部が設けられ、
前記粗面加工部は、前記流量制御弁と前記弁座とが当接した際に、前記弁室と容器内部とを連通する回収流路を形成し、
前記粗面加工部は、複数の細溝で形成されていることを特徴とする吐出キャップ。 - 前記細溝は、それぞれ少なくとも1つの他の細溝と交差していることを特徴とする請求項3に記載の吐出キャップ。
- 前記流量制御弁と前記弁座との当接面の少なくともいずれか一方の表面には、全周に前記粗面加工部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の吐出キャップ。
- 前記弁室の底部は、前記供給孔に向かう傾斜を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の吐出キャップ。
- 前記粗面加工部は、前記弁室内面全体もしくは前記流量制御弁表面全体の少なくともいずれか一方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の吐出キャップ。
- 該吐出キャップは、閉塞栓が設けられた上蓋を有しており、前記閉塞栓は、前記上蓋を閉じた際に、前記吐出口を閉塞するとともに、前記流量制御弁を押圧することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の吐出キャップ。
- 該容器は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の吐出キャップに嵌合する、内容物を収容する可撓性の内部容器と、前記内部容器を内包する外部容器とを有した容器であって、
前記外部容器には、前記内部容器と前記外部容器との間に外気を吸引可能な吸入弁が設けられていることを特徴とする容器。
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