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JP6805473B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents

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JP6805473B2
JP6805473B2 JP2017234791A JP2017234791A JP6805473B2 JP 6805473 B2 JP6805473 B2 JP 6805473B2 JP 2017234791 A JP2017234791 A JP 2017234791A JP 2017234791 A JP2017234791 A JP 2017234791A JP 6805473 B2 JP6805473 B2 JP 6805473B2
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Description

本発明は吸収冷凍機に関し、特に比較的低い温度の熱源流体を導入して作動させつつ構成が簡素な吸収冷凍機に関する。
吸収液と冷媒との吸収冷凍サイクルによって冷水を冷却する吸収冷凍機がある。吸収冷凍機には、発電機の冷却水等の排温水を熱源として作動させる温水焚き吸収冷凍機がある。温水焚き吸収冷凍機では、熱源である温水の温度が高い程、温水からの回収熱量が増大して、省エネルギーに貢献する。他方、排温水の温度は、排出元の特性の影響を受け、温水焚き吸収冷凍機に投入するには低い場合がある。このような事情を考慮して、熱源温度より高い温度の被加熱媒体を取り出す第2種吸収ヒートポンプと吸収冷凍機とを設け、排温水を熱源として第2種吸収ヒートポンプの吸収器で排温水よりも高い温度の温水を生成し、これを吸収冷凍機の熱源として用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭59−89962号公報
しかしながら、特許文献1に記載された装置は、第2種吸収ヒートポンプと吸収冷凍機とを各々配管で連結したものであり、大型になってしまっていた。
本発明は上述の課題に鑑み、比較的低い温度の熱源流体を導入して作動させつつ構成が簡素な吸収冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図1に示すように、冷媒の液体Vfが蒸発して冷媒蒸気Ve1となる際に必要な蒸発潜熱を冷却対象流体Wから奪うことで冷却対象流体Wを冷却する第1の蒸発器E1と;第1の蒸発器E1で発生した冷媒蒸気Ve1を導入して第1の吸収液Sa1に吸収させる第1の吸収器A1と;第1の吸収器A1において冷媒蒸気Ve1を吸収したことにより濃度が低下した第1の吸収液Sw1を流す第1の吸収液流路15が内部に設けられた第2の吸収器A2であって、第2の吸収液Sa2が冷媒の蒸気Ve2を吸収した際に放出した吸収熱によって、第1の吸収液流路15を流れる第1の吸収液Sw1を加熱する第2の吸収器A2と;第2の吸収器A2に供給される冷媒の蒸気Ve2を生成するための冷媒の液体Vfを直接又は間接的に加熱する熱源流体Hを導入し、導入した熱源流体Hが保有する熱で冷媒の液体Vfを加熱して冷媒の蒸気Ve2を生成する第2の蒸発器E2と;第2の吸収器A2において第1の吸収液Sw1が加熱されたことにより生成された、第1の吸収液Sw1から離脱した冷媒Vsと、冷媒Vsが離脱して濃度が上昇した第1の吸収液Sa1と、を分離する気液分離部90と;気液分離部90で生成された濃度が上昇した第1の吸収液Sa1を第1の吸収器A1に導く第1の濃溶液流路91とを備える。
このように構成すると、第2の吸収器で発生させた吸収熱で第1の吸収液を加熱再生することができ、比較的低い温度の熱源流体を導入して作動させつつ簡素な構成とすることができる。
また、本発明の第2の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図3に示すように、上記本発明の第1の態様に係る吸収冷凍機1Aにおいて、第2の吸収器A2において冷媒の蒸気Ve2を吸収したことにより濃度が低下した第2の吸収液Sw2を導入し、導入した第2の吸収液Sw2を熱源流体Hが保有する熱で加熱することにより、第2の吸収液Sw2から冷媒Vgを離脱させて第2の吸収液Sw2の濃度を上昇させる再生器G2と;再生器G2において第2の吸収液Sw2から離脱した冷媒の蒸気Vgと、気液分離部90で生成された冷媒の蒸気Vsとを導入し、導入した冷媒の蒸気Vg、Vsを凝縮させて冷媒液Vfを生成する共通凝縮器Csとを備える。
このように構成すると、第1の吸収液から離脱した冷媒と第2の吸収液から離脱した冷媒とをまとめて凝縮させることができ、構成のさらなる簡素化を図ることができる。
また、本発明の第3の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図5に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る吸収冷凍機において、第2の吸収器A2aは、第1の吸収液流路を構成する加熱管15を複数本有し;加熱管15の内部を流れた第1の吸収液Sw1を、別の加熱管15の内部を反対方向に流れるように別の加熱管15に導く反転液室54を備え;複数の加熱管15は、反転液室54によって複数のパスに構成され;複数のパスのそれぞれは、流路断面積が同程度になるように構成されている。
このように構成すると、流れの下流側に行くに連れて第1の吸収液から離脱した冷媒の蒸気の割合が増加したときに、流れの下流側に行くに連れて第1の吸収液の流速が増大することとなって、各加熱管に流入する第1の吸収液の流量が均一に近くなり、加熱管内における流れの不均一などに起因する伝熱効率の低下を抑制することができると共に、局部的に第1の吸収液の濃度及び温度が高くなる状況を抑制して、第1の吸収液の結晶化を回避することが可能となる。
また、本発明の第4の態様に係る吸収冷凍機は、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係る吸収冷凍機において、第2の吸収器は、第1の吸収液流路を構成する加熱管を1本又は複数本有し;1本又は複数本の加熱管に連通し、連通した加熱管に第1の吸収液を供給する入口液室と;1本又は複数本の加熱管に連通し、入口液室から加熱管に供給されたすべての第1の吸収液を、加熱管を流れた後に収集する出口液室とを備える。
このように構成すると、入口液室から加熱管に液体の状態の第1の吸収液が供給されて、加熱管内における流れの不均一などに起因する伝熱効率の低下を抑制することができると共に、局部的に第1の吸収液の濃度及び温度が高くなる状況を抑制して、第1の吸収液の結晶化を回避することが可能となる。
また、本発明の第5の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図9に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る吸収冷凍機1において、第2の吸収器A2に導入される第1の吸収液Sw1を第1の吸収液流路15に押し込む第1の吸収液ポンプ99を備える。
このように構成すると、第1の吸収液流路内における第1の吸収液の流量を増大させることができ、第1の吸収液流路内における流れの不均一などに起因する局部的に第1の吸収液の濃度及び温度が高くなる状況を抑制することができて、第1の吸収液の結晶化を回避して伝熱効率を向上させることが可能になる。
また、本発明の第6の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第5の態様のいずれか1つの態様に係る吸収冷凍機1Bにおいて、気液分離部90は、第1の吸収液Sw1の入口が第1の吸収液流路15の出口に隣接して配置されることで、第2の吸収器A2と一体に構成されている。
このように構成すると、装置の大型化を抑制することができる。
また、本発明の第7の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図5(及び図6)に示すように、上記本発明の第6の態様に係る吸収冷凍機において、第2の吸収器A2a(A2b)の缶胴57に沿って設けられ、第1の吸収液流路15を流れた第1の吸収液Sa1を一旦貯留する液相部55qと、第1の吸収液Sw1から離脱した冷媒蒸気Vsが通過する気相部55gと、を有する出口液室55(55B)を備え;出口液室55(55B)は、気相部55gにエリミネータ96(96B)が設けられて、気液分離部として機能するように構成されている。
このように構成すると、出口液室において第1の吸収液の気体と液体とを分離することができる。
また、本発明の第8の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図7に示すように、上記本発明の第6の態様に係る吸収冷凍機において、第2の吸収器A2cの缶胴57に沿って設けられ、第1の吸収液流路15を流れた第1の吸収液Sa1を一旦貯留する液相部55qと、第1の吸収液Sw1から離脱した冷媒蒸気Vsが通過する気相部55gと、を有する出口液室55Cを備え;出口液室55Cは、気相部55gが水平に延びるように構成されると共に、気相部55gを流れる冷媒蒸気Vsを左右に蛇行させるように流路を制限する流路制限部材98が気相部55gの空間に複数設けられて、気液分離部として機能するように構成されている。
このように構成すると、簡便な構成で出口液室を気液分離部として機能させることができる。
また、本発明の第9の態様に係る吸収冷凍機は、例えば図8に示すように、上記本発明の第1の態様乃至第8の態様のいずれか1つの態様に係る吸収冷凍機1Cにおいて、第2の吸収器A2Hに供給される冷媒Vの蒸気を生成する第2の高温蒸発器E2Hと;第2の吸収器A2Hから直接又は間接的に導入した第2の吸収液S2が冷媒Vの蒸気を吸収した際に放出した吸収熱によって第2の高温蒸発器E2Hの冷媒Vfを加熱する第2の低温吸収器A2Lとを備える。
このように構成すると、第2の蒸発器に導入される熱源流体としてより低い温度のものが利用可能になる。
本発明によれば、第2の吸収器で発生させた吸収熱で第1の吸収液を加熱再生することができ、比較的低い温度の熱源流体を導入して作動させつつ簡素な構成とすることができる。
本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機の模式的系統図である。 本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機におけるデューリング線図である。 本発明の実施の形態の第1の変形例に係る吸収冷凍機の模式的系統図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る吸収冷凍機の模式的系統図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る吸収冷凍機が備える第2吸収器の第1の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る吸収冷凍機が備える第2吸収器の第2の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態の第2の変形例に係る吸収冷凍機が備える第2吸収器の第3の変形例の断面図である。 本発明の実施の形態の第3の変形例に係る吸収冷凍機の模式的系統図である。 本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機に循環ポンプを設けた場合の構成を示す部分系統図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る吸収冷凍機1を説明する。図1は、吸収冷凍機1の模式的系統図である。吸収冷凍機1は、主要機器として、第1吸収器A1と、第1蒸発器E1と、第1凝縮器C1と、第2吸収器A2と、第2蒸発器E2と、第2再生器G2と、第2凝縮器C2と、気液分離器90とを備えている。なお、吸収冷凍機1は、第1再生器を独立した構成として備えていない。吸収冷凍機1は、吸収液に対して冷媒が相変化をしながら循環することで熱移動を行わせ、冷却対象流体である冷水Wの温度を低下させる機器である。以下の説明において、吸収液に関し、吸収サイクル上における区別を容易にするために、性状や吸収サイクル上の位置に応じて、「第1希溶液Sw1」、「第2濃溶液Sa2」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「吸収液S」ということとする。また、冷媒に関し、吸収サイクル上における区別を容易にするために、性状や吸収サイクル上の位置に応じて、「第1蒸発器冷媒蒸気Ve1」、「再生器冷媒蒸気Vg」、「冷媒液Vf」等と呼称するが、性状等を不問にするときは総称して「冷媒V」ということとする。本実施の形態では、吸収液S(吸収剤と冷媒との混合物)としてLiBr水溶液が用いられており、冷媒Vとして水(HO)が用いられているが、これに限らず他の冷媒、吸収液(吸収剤)の組み合わせで使用してもよい。
第1吸収器A1は、第1蒸発器E1で発生した第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を第1濃溶液Sa1で吸収する機器であり、第1の吸収器に相当する。第1吸収器A1は、冷却水Yを流す冷却管11と、第1濃溶液Sa1を冷却管11の外面に向けて散布する第1濃溶液散布ノズル12とを、第1吸収器缶胴17の内部に有している。第1濃溶液散布ノズル12は、散布した第1濃溶液Sa1が冷却管11に降りかかるように、冷却管11の上方に配設されている。第1吸収器A1は、散布された第1濃溶液Sa1が第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を吸収することで濃度の低下した第1希溶液Sw1を第1吸収器缶胴17の下部に貯留すると共に、第1濃溶液Sa1が第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を吸収した際に発生した吸収熱を冷却水Yが奪うように構成されている。第1吸収器缶胴17の下部(典型的には底部)には、第1希溶液Sw1を第2吸収器A2に導く第1希溶液管18の一端が接続されている。第1希溶液管18には、第1希溶液Sw1を圧送するための第1希溶液ポンプ19が配設されている。
第1蒸発器E1は、冷水Wの熱で冷媒液Vfを蒸発させて第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を発生させることにより冷水Wを冷却する機器であり、第1の蒸発器に相当する。第1蒸発器E1は、冷水Wを流す蒸発管21と、冷媒液Vfを蒸発管21の外面に向けて散布する冷媒液散布ノズル22とを、第1蒸発器缶胴27の内部に有している。冷媒液散布ノズル22は、散布した冷媒液Vfが蒸発管21に降りかかるように、蒸発管21の上方に配設されている。第1蒸発器E1は、第1蒸発器缶胴27の下部に貯留されている冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル22に導く冷媒液管28と、冷媒液管28内の冷媒液Vfを冷媒液散布ノズル22に送る第1冷媒ポンプ29とを有している。第1蒸発器E1は、蒸発管21の外面に散布された冷媒液Vfが蒸発して第1蒸発器冷媒蒸気Ve1となるための気化熱を、蒸発管21内を流れる冷水Wから奪うことで冷水Wを冷却し、散布された冷媒液Vfのうち蒸発しなかった冷媒液Vfが蒸発器缶胴27の下部に貯留されるように構成されている。
本実施の形態では、第1吸収器A1と第1蒸発器E1とは隣接して配置されており、第1吸収器缶胴17の上部と第1蒸発器缶胴27の上部とが連通している。このような構成により、第1蒸発器缶胴27の内部で発生した第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を第1吸収器缶胴17の内部に導くことができるようになっている。
第1凝縮器C1は、気液分離器90から分離冷媒蒸気Vsを導入し冷却して凝縮させ、第1蒸発器E1に送る冷媒液Vfを生成する機器である。第1凝縮器C1は、冷却水Yの流路を形成する凝縮管41を、第1凝縮器缶胴47の内部に有している。凝縮管41は、分離冷媒蒸気Vsを直接冷却することができるように、分離冷媒蒸気Vsが凝縮した冷媒液Vfに浸らないように配設されていることが好ましい。凝縮管41の一端には、一端が冷却管11に接続されている冷却水連絡管34の他端が接続されている。凝縮管41の他端及び冷却管11の他端は、吸収冷凍機1外の冷却塔(不図示)に接続される配管に接続されている。このような構成により、凝縮管41から流出した冷却水Yは、冷却塔(不図示)で冷却されて冷却管11に供給されるように構成されている。第1凝縮器C1には、凝縮した冷媒液Vfを第1蒸発器E1に導く冷媒液管48が接続されている。冷媒液管48は、第1凝縮器缶胴47下部の冷媒液Vfが貯留されている部分(典型的には底部)に一端が接続され、他端が第1蒸発器缶胴27に接続されている。
第2吸収器A2は、第2蒸発器E2で発生した第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を第2濃溶液Sa2で吸収する機器であり、第2の吸収器に相当する。第2吸収器A2は、加熱管15と、第2濃溶液Sa2を加熱管15の外面に向けて散布する第2濃溶液散布ノズル52とを第2吸収器缶胴57の内部に有している。加熱管15は、第1吸収器A1で生成された第1希溶液Sw1を流す流路を構成する管であり、第1の吸収液流路に相当する。第2濃溶液散布ノズル52は、散布した第2濃溶液Sa2が加熱管15に降りかかるように、加熱管15の上方に配設されている。第2吸収器A2は、散布された第2濃溶液Sa2が第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収することで濃度の低下した第2希溶液Sw2を第2吸収器缶胴57の下部に貯留すると共に、第2濃溶液Sa2が第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収した際に発生した吸収熱により加熱管15の内部を流れる第1希溶液Sw1を加熱するように構成されている。第2吸収器缶胴57の下部(典型的には底部)には、第2希溶液Sw2を第2再生器G2に導く第2希溶液管58の一端が接続されている。
第2蒸発器E2は、第2吸収器A2に供給する第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を発生させる機器であり、第2の蒸発器に相当する。第2蒸発器E2は、熱源流体Hの流路を構成する熱源管61を、第2蒸発器缶胴67の内部に有している。第2蒸発器E2は、第2蒸発器缶胴67の内部に冷媒液Vfを散布するノズルを有していない。このため、熱源管61は、第2蒸発器缶胴67内に貯留された冷媒液Vfに浸かるように配設されている(満液式蒸発器)。第2蒸発器E2は、熱源管22周辺の冷媒液Vfが熱源管22内を流れる熱源流体Hの熱で蒸発して第2蒸発器冷媒蒸気Ve2が発生するように構成されている。第2蒸発器缶胴67には、第2蒸発器缶胴67内に冷媒液Vfを供給する冷媒液管88が接続されている。
本実施の形態では、第2吸収器A2と第2蒸発器E2とは隣接して配置されており、第2吸収器缶胴57の上部と第2蒸発器缶胴67の上部とが連通している。このような構成により、第2蒸発器缶胴67の内部で発生した第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を第2吸収器缶胴57の内部に導くことができるようになっている。
第2再生器G2は、第2吸収器A2で生成された第2希溶液Sw2を加熱し濃縮して第2濃溶液Sa2に再生する機器であり、再生器に相当する。第2再生器G2は、熱源流体Hの流路を構成する熱源管71と、第2希溶液Sw2を散布する第2希溶液散布ノズル72とを、第2再生器缶胴77の内部に有している。第2希溶液散布ノズル72には、第2希溶液管58の他端が接続されている。第2再生器G2の熱源管71を流れる熱源流体Hは、本実施の形態では、第2蒸発器E2の熱源管61を流れる熱源流体Hと同じになっており、熱源管61を流れた後に熱源管71を流れるように熱源流体連絡管37で接続されている。各熱源管61、71に異なる熱源媒体が流れることとしてもよい。第2希溶液散布ノズル72は、散布した第2希溶液Sw2が熱源管71に降りかかるように、熱源管71の上方に配設されている。第2再生器G2は、散布された第2希溶液Sw2が熱源流体Hで加熱されることにより、第2希溶液Sw2から冷媒Vが蒸発して濃度が上昇した第2濃溶液Sa2が生成される。第2再生器G2は、生成された第2濃溶液Sa2が下部に貯留されるように構成されている。第2再生器G2には、生成された第2濃溶液Sa2を第2吸収器A2に導く第2濃溶液管78が接続されている。第2濃溶液管78は、第2再生器缶胴77下部の第2濃溶液Sa2が貯留されている部分(典型的には底部)に一端が接続されており、他端が第2濃溶液散布ノズル52に接続されている。第2濃溶液管78には、第2濃溶液Sa2を圧送するための第2濃溶液ポンプ79が配設されている。
第2凝縮器C2は、冷却水Yの流路を形成する冷却水管81を、第2凝縮器缶胴87の内部に有している。第2凝縮器C2は、第2再生器G2で発生した冷媒Vの蒸気である再生器冷媒蒸気Vgを導入し、これを冷却水Yで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水管81は、再生器冷媒蒸気Vgを直接冷却することができるように、再生器冷媒蒸気Vgが凝縮した冷媒液Vfに浸らないように配設されていることが好ましい。第2凝縮器C2の冷却水管81を流れる冷却水Yは、本実施の形態では、第1吸収器A1の冷却管11及び第1凝縮器C1の凝縮管41を流れる冷却水Yと同じになっており、冷却管11及び凝縮管41に対して並列に流れるように構成されている。第2凝縮器C2には、凝縮した冷媒液Vfを第2蒸発器E2に導く冷媒液管88が接続されている。冷媒液管88は、第2凝縮器缶胴87下部の冷媒液Vfが貯留される部分(典型的には底部)に一端が接続されており、他端が第2蒸発器缶胴67に接続されている。冷媒液管88には、冷媒液Vfを圧送するための凝縮冷媒ポンプ89が配設されている。
第2再生器G2と第2凝縮器C2とは、相互に連通している。第2再生器G2と第2凝縮器C2とが連通することにより、第2再生器G2で発生した再生器冷媒蒸気Vgを第2凝縮器C2に供給することができるように構成されている。第2再生器G2と第2凝縮器C2とは、上部の気相部で連通している。また、第2再生器G2と第2凝縮器C2とは、連通していることにより、概ね同じ内部圧力となる。また、本実施の形態では、第2再生器G2及び第2凝縮器C2が、第1凝縮器C1と同じ高さで、第2吸収器A2及び第2蒸発器E2の下方、かつ、第1吸収器A1及び第1蒸発器E1の上方に設けられている。
気液分離器90は、第2吸収器A2の加熱管15を通過して加熱された第1希溶液Sw1が沸騰して生成された混合流体Sm(第1濃溶液Sa1と分離冷媒蒸気Vsとが混合した流体)を導入し、第1濃溶液Sa1と分離冷媒蒸気Vsとに分離する機器であり、気液分離部に相当する。分離冷媒蒸気Vsは、第1希溶液Sw1から離脱した冷媒Vの蒸気である。第1濃溶液Sa1は、分離冷媒蒸気Vsが離脱したことにより第1希溶液Sw1から濃度が上昇した吸収液Sである。気液分離器90には、第1濃溶液Sa1を第1吸収器A1に導く第1濃溶液管91と、分離冷媒蒸気Vsを第1凝縮器C1に導く分離冷媒蒸気管94と、第1濃溶液Sa1を第2吸収器A2の近傍の第1希溶液管18に導く戻り管95と、第2吸収器A2から混合流体Smを導入する加熱後第1吸収液管16とが接続されている。第1濃溶液管91は、第1の濃溶液流路を構成し、気液分離器90下部の第1濃溶液Sa1が貯留されている部分(典型的には底部)に一端が接続され、他端が第1濃溶液散布ノズル12に接続されている。分離冷媒蒸気管94は、気液分離器90上部の気相部(典型的には頂部)に一端が接続され、他端が第1凝縮器缶胴47の上部に接続されている。戻り管95は、気液分離器90下部の第1濃溶液Sa1が貯留されている部分(典型的には底部)に一端が接続され、他端が第2吸収器A2の近傍の第1希溶液管18に接続されている。加熱後第1吸収液管16は、一端が第2吸収器A2の加熱管15に接続され、他端が気液分離器90側部の気相部に接続されている。
吸収冷凍機1は、さらに、第1熱交換器31と、第2熱交換器32とを備えている。第1熱交換器31は、第1希溶液管18を流れる第1希溶液Sw1と第1濃溶液管91を流れる第1濃溶液Sa1とを熱交換させる機器である。第2熱交換器32は、第2希溶液管58を流れる第2希溶液Sw2と第2濃溶液管78を流れる第2濃溶液Sa2とを熱交換させる機器である。
引き続き図2を図1と併せて参照して、吸収冷凍機1の作用を説明する。図2は、吸収冷凍機1のデューリング線図である。図2のデューリング線図は、縦軸に冷媒(本実施の形態では水)の露点温度を、横軸に吸収液(本実施の形態ではLiBr水溶液)の温度をとっている。右上がりの線は吸収液の等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となる。なお、縦軸が示す露点温度は飽和圧力と対応関係にあるため、冷媒の蒸気が飽和蒸気である本実施の形態の吸収サイクルでは、縦軸は主要構成部材(吸収器、蒸発器、再生器、凝縮器)の内部圧力を表していると見ることもできる。
第2凝縮器C2では、第2再生器G2で蒸発した再生器冷媒蒸気Vgを受け入れて、冷却水管81を流れる冷却水Yで冷却して凝縮させ、冷媒液Vfとする。凝縮した冷媒液Vfは、凝縮冷媒ポンプ89で第2蒸発器E2の第2蒸発器缶胴67内に送られる。第2蒸発器缶胴67内に送られた冷媒液Vfは、露点温度T2Hの元で熱源管61内を流れる熱源流体Hによって加熱され、蒸発して第2蒸発器冷媒蒸気Ve2となる。第2蒸発器E2で発生した第2蒸発器冷媒蒸気Ve2は、第2蒸発器E2と連通する第2吸収器A2へと移動する。このように、吸収冷凍機1では、第2吸収器A2に供給される第2蒸発器冷媒蒸気Ve2となる冷媒液Vfを熱源流体Hの熱で直接加熱している。
第2吸収器A2では、第2濃溶液Sa2が第2濃溶液散布ノズル52から散布され、この散布された第2濃溶液Sa2が第2蒸発器E2から移動してきた第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収する。第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収した第2濃溶液Sa2は、濃度が低下して第2希溶液Sw2となる(A2a〜A2b)。第2吸収器A2では、第2濃溶液Sa2が第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、加熱管15を流れる第1希溶液Sw1が加熱される。第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収して第2濃溶液Sa2から濃度が低下した第2希溶液Sw2は、第2吸収器缶胴57の下部に貯留される。貯留された第2希溶液Sw2は、重力及び第2吸収器A2と第2再生器G2との内圧の差により第2再生器G2に向かって第2希溶液管58を流れ、第2熱交換器32で第2濃溶液Sa2と熱交換して温度が低下して、第2再生器G2に至る。
第2再生器G2に送られた第2希溶液Sw2は、第2希溶液散布ノズル72から散布され、熱源管71を流れる熱源流体Hによって露点温度T2Lの元で加熱され、散布された第2希溶液Sw2中の冷媒が蒸発して第2濃溶液Sa2となり(G2a〜G2b)、第2再生器缶胴77の下部に貯留される。他方、第2希溶液Sw2から蒸発した冷媒Vは再生器冷媒蒸気Vgとして第2凝縮器C2へと移動する。第2再生器缶胴77の下部に貯留された第2濃溶液Sa2は、第2濃溶液ポンプ79により、第2濃溶液管78を介して第2吸収器A2の第2濃溶液散布ノズル52に圧送される。第2濃溶液管78を流れる第2濃溶液Sa2は、第2熱交換器32で第2希溶液Sw2と熱交換して温度が上昇してから第2吸収器A2に流入し、第2濃溶液散布ノズル52から散布される。第2吸収器A2に戻った第2濃溶液Sa2は第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収し、以降同様のサイクルを繰り返す。
上述の第2吸収器A2、第2蒸発器E2、第2再生器G2、第2凝縮器C2における吸収サイクルが行われるのと並行して、第1吸収器A1等では以下のような吸収サイクルが行われる。分離冷媒蒸気管94を介して気液分離器90から第1凝縮器C1に導入された分離冷媒蒸気Vsは、凝縮管41を流れる冷却水Yによって露点温度T1Hの元で冷却されて凝縮し、冷媒液Vfとなって第1凝縮器缶胴47の下部に貯留される。第1凝縮器缶胴47内の冷媒液Vfは、冷媒液管48を介して第1蒸発器缶胴27内に導入される。
第1凝縮器缶胴47から第1蒸発器缶胴27に導入された冷媒液Vfは、第1蒸発器缶胴27の下部に貯留される。第1蒸発器缶胴27内の冷媒液Vfは、第1冷媒ポンプ29により、冷媒液管28を流れて冷媒液散布ノズル22に至る。冷媒液散布ノズル22に至った冷媒液Vfは、蒸発管21に向けて散布され、蒸発管21を流れる冷水Wの熱を得て露点温度T1Lの元で一部が蒸発して第1蒸発器冷媒蒸気Ve1となり、第1吸収器缶胴17に導入される。散布された冷媒液Vfに熱を奪われた冷水Wは、温度が低下して蒸発管21から流出し、空気調和機等の冷水Wの利用場所に供給される。冷媒液散布ノズル22から散布されて蒸発しなかった冷媒液Vfは、第1凝縮器缶胴47から導入された冷媒液Vfと混合して第1蒸発器缶胴27の下部に貯留される。
冷媒液Vfが冷水Wから熱を奪って生成された第1蒸発器冷媒蒸気Ve1は、上述のように、第1吸収器缶胴17に流入する。第1吸収器A1では、第1濃溶液散布ノズル12から冷却管11に向けて散布された第1濃溶液Sa1が、第1蒸発器E1から移動してきた第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を吸収し濃度が低下して第1希溶液Sw1となる(A1a〜A1b)。第1吸収器缶胴17内において、第1濃溶液Sa1が第1蒸発器冷媒蒸気Ve1を吸収する際には吸収熱が発生する。この発生した吸収熱は、冷却管11を流れる冷却水Yによって除去される。冷却管11を流れる冷却水Yは、吸収熱を奪って温度上昇して冷却水連絡管34に流出し、第1凝縮器C1の凝縮管41に供給される。第1吸収器缶胴17内で生じた第1希溶液Sw1は、第1吸収器缶胴17内に貯留される。
第1吸収器缶胴17内の第1希溶液Sw1は、第1希溶液ポンプ19に圧送されることにより、第1希溶液管18を流れ、第1熱交換器31で第1濃溶液Sa1と熱交換して温度が上昇する。その後、第1希溶液Sw1には、気液分離器90の下部に貯留された第1濃溶液Sa1のうち第1濃溶液管91に流出した所定の量を除いた残りの量が戻り管95を介して流入してきて、第1希溶液Sw1は流入してくる第1濃溶液Sa1と合流する。第1濃溶液Sa1と合流した第1希溶液Sw1は、第2吸収器A2内の加熱管15に導入される。第2吸収器A2内の加熱管15に導入された第1希溶液Sw1は、前述したように、第2濃溶液Sa2が第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収した際に発生した吸収熱によって加熱される。このように、第1希溶液Sw1は、他の媒体を介さずに、加熱管15内を流れたときに第2吸収器A2において発生した吸収熱で直接加熱されるので、他の媒体を介して加熱する従来の場合よりも熱効率が優れている。また、第1希溶液Sw1の再生のための加熱を、第2吸収器A2内に設けられた加熱管15において行っているため、第1希溶液Sw1の再生のための再生器を別途設けなくて済み、装置構成を簡素にすることができて、装置の大型化を抑制することができる。
加熱管15を流れて加熱された第1希溶液Sw1は、冷媒Vが離脱して濃度が上昇した第1濃溶液Sa1となる(15a〜15b)。加熱管15を流出した吸収液は、第1希溶液Sw1から離脱した冷媒Vである分離冷媒蒸気Vsと第1濃溶液Sa1との混合流体Smとして、加熱後第1吸収液管16を介して気液分離器90に流入する。気液分離器90では、分離冷媒蒸気Vsと第1濃溶液Sa1とが分離され、分離冷媒蒸気Vsは上方の気相部に集まり、第1濃溶液Sa1は下部に貯留される。気液分離器90で分離された分離冷媒蒸気Vsは、分離冷媒蒸気管94を介して第1凝縮器C1に流入する。他方、気液分離器90の下部に貯留された第1濃溶液Sa1は、貯留された第1濃溶液Sa1のうちの第1吸収器A1における熱出力に適正な所定量が第1濃溶液管91を流れ、第1熱交換器31において第1希溶液Sw1と熱交換して温度が低下したうえで第1濃溶液散布ノズル12に至る。気液分離器90の下部に貯留された第1濃溶液Sa1のうち第1濃溶液管91に流出した所定の量を除いた残りの量は、戻り管95及び一部の第1希溶液管18を介して、第1希溶液ポンプ19で圧送されてきた第1希溶液Sw1と合流したうえで加熱管15に流入し、上述の吸収熱で加熱され、加熱後第1吸収液管16を介して気液分離器90に戻る。つまり、気液分離器90の下部に貯留された第1濃溶液Sa1のうちの第1濃溶液管91に流出した所定の量を除いた残りの量は、加熱管15と気液分離器90との間を循環する。このとき、本実施の形態では、加熱管15と気液分離器90との間を循環する第1濃溶液Sa1は、気液分離器90と加熱管15との間の位置ヘッド及び密度差に基づく気泡ポンプ作用によって自然循環する。このように、気泡ポンプ作用により第1濃溶液Sa1を気液分離器90と加熱管15との間で自然循環させる場合には、気液分離器90を、最上部に配置された加熱管15よりも高い位置に設置すると、気泡ポンプ効果が旺盛になってよい。以降、同様のサイクルを繰り返す。
以上で説明したように、本実施の形態に係る吸収冷凍機1によれば、導入した熱源流体Hの温度よりも高温となる、第2吸収器A2における第2濃溶液Sa2が第2蒸発器冷媒蒸気Ve2を吸収した際に発生した吸収熱で、加熱管15を流れる第1希溶液Sw1を加熱するので、導入した熱源流体Hが比較的低い温度でも冷水Wを製造することができる。また、加熱管15を流れる第1希溶液Sw1が、第2吸収器A2において発生した吸収熱で直接加熱されるので、熱効率に優れたものとなる。また、第1希溶液Sw1の再生のための加熱を、第2吸収器A2内に設けられた加熱管15において行っているため、第1希溶液Sw1の再生のための再生器を別途設けなくて済み、装置構成を簡素にすることができて、装置の大型化を抑制することができる。
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態の第1の変形例に係る吸収冷凍機1Aを説明する。図3は、吸収冷凍機1Aの模式的系統図である。吸収冷凍機1Aは、吸収冷凍機1(図1参照)と比較して、以下の点が異なっている。吸収冷凍機1Aは、吸収冷凍機1(図1参照)における第1凝縮器C1及び第2凝縮器C2に代えて、共通凝縮器Csが設けられている。共通凝縮器Csは、第2再生器G2から再生器冷媒蒸気Vgを導入すると共に気液分離器90から分離冷媒蒸気Vsを導入し、導入した冷媒蒸気Vg、Vsを凝縮させて冷媒液Vfを生成する機器である。共通凝縮器Csは、冷却水Yの流路を形成する共通冷却水管481を、共通凝縮器缶胴487の内部に有している。共通冷却水管481の一端には、一端が冷却管11に接続されている冷却水連絡管34の他端が接続されている。共通凝縮器Csは、第2再生器G2から再生器冷媒蒸気Vgを導入することができるように、第2再生器G2と上部の気相部で連通している。共通凝縮器缶胴487の上部の気相部(典型的には頂部)には、分離冷媒蒸気管94の一端が接続されている。共通凝縮器缶胴487の下部の液相部(典型的には底部)には、冷媒液Vfを流出させる共通冷媒液管488の一端が接続されている。共通冷媒液管488の他端には、冷媒液Vfを第1蒸発器E1に導く冷媒液管48と、冷媒液Vfを第2蒸発器缶胴67に導く冷媒液管88とが接続されている。冷媒液管88には、冷媒液Vfを圧送するための凝縮冷媒ポンプ89が配設されている。吸収冷凍機1Aの上記以外の構成は、吸収冷凍機1(図1参照)と同様である。上述のように構成された吸収冷凍機1Aによれば、再生器冷媒蒸気Vgと分離冷媒蒸気Vsとを共通凝縮器Csにおいてまとめて凝縮させることができ、装置構成のさらなる簡素化を図ることができる。
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態の第2の変形例に係る吸収冷凍機1Bを説明する。図4は、吸収冷凍機1Bの模式的系統図である。吸収冷凍機1Bは、吸収冷凍機1(図1参照)と比較して、気液分離器90が第2吸収器A2と一体に構成されている点が異なっている。吸収冷凍機1Bは、第2吸収器缶胴57の内部に配設された加熱管15の出口が、気液分離器90に直接接続されていることで、気液分離器90が第2吸収器缶胴57の側壁に接して設けられている。このため、吸収冷凍機1Bでは、吸収冷凍機1(図1参照)で設けられていた加熱後第1吸収液管16(図1参照)が設けられていない。つまり、吸収冷凍機1Bでは、気液分離器90における混合流体Smの入口が、加熱管15の出口に隣接して配置されることで、気液分離器90と第2吸収器缶胴57とが一体に構成されている。吸収冷凍機1Bでは、気液分離器90は、第2吸収器A2の出口液室が気液分離機能を備えたものと見ることができる。吸収冷凍機1Bの上記以外の構成は、吸収冷凍機1(図1参照)と同様である。上述のように構成された吸収冷凍機1Bによれば、気液分離器90を第2吸収器A2とは独立した缶胴にする必要がなく、装置の大型化を抑制することができる。なお、気液分離器90の内圧は分離冷媒蒸気Vsが流入する第2凝縮器C2の内圧と同様に大気圧未満と低く、分離冷媒蒸気Vsの比容積が比較的大きいので気液分離器90は大型になりやすいが、大型化を抑制するために以下のように構成するとよい。
図5は、変形例に係る第2吸収器A2aの断面図である。第2吸収器A2aは、加熱管15と第2濃溶液散布ノズル52とが第2吸収器缶胴57内に収容され、第2吸収器缶胴57の外側に液室形成部材59が設けられて構成されている。液室形成部材59は、第2吸収器缶胴57の一端に設けられた液室形成部材59Aと、他端に設けられた液室形成部材59Bとの総称である。液室形成部材59は、各加熱管15に第1希溶液Sw1を供給し、あるいは各加熱管15から第1希溶液Sw1又は混合流体Smを収集する液室を内部に形成する部材である。本変形例では、液室は、便宜上、機能あるいは用途に応じて、入口液室53、出口液室55、これら以外の液室である反転液室54とそれぞれ呼称して区別している。第2吸収器缶胴57は、典型的には設置されたときに横長になるように形成されている。
加熱管15は、本変形例では、直線状に形成されたものの複数が第2吸収器缶胴57内に設けられている。各加熱管15は、横長の第2吸収器缶胴57の一端及びその反対側の他端に接合している。第2吸収器缶胴57の、加熱管15が接合する面は、加熱管15を挿通することができる孔が形成された管板(加熱管プレート)として形成されている。第2吸収器缶胴57の両端の管板に接合した加熱管15は、内部が第2吸収器缶胴57の内部と連通しないようになっている。換言すれば、加熱管15内を流れる第1希溶液Sw1あるいは混合流体Smと、第2吸収器缶胴57内に流出入して加熱管15の外側に存在する流体(第2濃溶液Sa2及び第2蒸発器冷媒蒸気Ve2)とが混合しないように構成されている。
各加熱管15は、本変形例では、散布された第2濃溶液Sa2を加熱管15の外面に薄い液膜としてできるだけ多く接触させる観点から、軸線が水平になるように配置されている。しかしながら、各加熱管15は、所望の吸収熱を得ることができる程度に第2濃溶液Sa2が外表面に濡れ広がる範囲内で、軸線が先上り勾配がつく斜めになるように配置されていてもよい。第2吸収器缶胴57内に設けられる加熱管15のうち、鉛直方向最下部に配置される加熱管15は、その下方に第2希溶液Sw2が貯留される空間が確保される位置に配置されている。他方、第2吸収器缶胴57の最上部に配置される加熱管15は、第2濃溶液散布ノズル52が設置できる空間が確保される位置に配置されている。
液室形成部材59は、各加熱管15の端部が接合している第2吸収器缶胴57の両面(管板)に取り付けられている。液室形成部材59は、一面が開口した直方体状の部材であり、その開口した面が、第2吸収器缶胴57の管板に取り付けられている複数の加熱管15の一端を覆うように、第2吸収器缶胴57の管板に取り付けられている。液室形成部材59が第2吸収器缶胴57の管板に取り付けられることにより、液室形成部材59と第2吸収器缶胴57の管板とに囲まれた空間が液室となる。液室形成部材59の内部に仕切板59sが設けられることにより、一方の液室形成部材59Aの内部は入口液室53、反転液室54、出口液室55に区分され、他方の液室形成部材59Bの内部は複数の反転液室54に区分されている。各液室53、54、55は、各加熱管15の内部と連通している。つまり、液室53、54、55には第1希溶液Sw1又は混合流体Smが流出入するようになっている。各液室53、54、55には、その液室53、54、55に流入する第1希溶液Sw1又は混合流体Smを流す加熱管15の一端、及び/又は、その液室53、54、55から流出した第1希溶液Sw1又は混合流体Smを流す加熱管15の一端が連通している。
仕切板59sは、ある1つの液室に第1希溶液Sw1又は混合流体Smを流出入させる1本又は2本以上の加熱管15が、反対側の液室では異なる液室に連通するように設置されている。これにより、各加熱管15及び液室を流れる第1希溶液Sw1又は混合流体Smは、最上流に位置する入口液室53からこれに連通する加熱管15を一方の向きに流れ、反対側の反転液室54で流れの向きを変えてこれに連通する別の加熱管15を一方の向きとは反対の向きに流れるというように、全体として向きを変えながら進む1つの流れとなって第2吸収器缶胴57内を通過するように構成されている。また、仕切板59sは、各加熱管15及び液室53、54、55を全体として1つの流れとして流れる第1希溶液Sw1又は混合流体Smが、第2吸収器缶胴57内を全体として下方から上方に向かう流れとなるように液室53、54、55を区画するべく設置されている。図5に示す例では、加熱管15が4パスに構成されている。ここで、「パス」とは、ある加熱管15内を流れる流体が、他の加熱管15内の流体と合流することなく、流れる流路の単位である。
本変形例では、4つのパスそれぞれの流路断面積が同程度に構成されている。パスそれぞれの流路断面積が同程度とは、典型的には、各加熱管15が全長にわたって流路断面積が一様に形成されていると共にすべての加熱管15の径が同じになっていることと、各加熱管15内を流れる流体が他の加熱管15内の流体に対して分流も合流もしないこととを含む構成を前提として、パスそれぞれを構成する加熱管15の本数が同程度ということを示しているが、パスによって加熱管15の径及び/又は本数が異なってもパスそれぞれの流路断面積が同程度ならばよい。このように構成されていることで、下流に至るほど混合流体Sm中における第1希溶液Sw1から離脱した分離冷媒蒸気Vsの量が増えて混合流体Smの体積流量が増えるのに対して、各パスの流路断面積は同程度に構成されているので、混合流体Smが加熱管15内を流れる流速は下流に至るほど速くなり、各加熱管15に流入する混合流体Smの流量は均一に近くなる。これによって、各加熱管15内における流れの不均一などに起因する伝熱効率の低下を抑制することができると共に、各パスにおいて局部的に吸収液Sの濃度及び温度が高くなる状況を抑制して吸収液Sの結晶化を回避することが可能になる。なお、各パスの流路断面積が同程度であることには、等面積である均等の場合のほか、各パスの流路断面積の比が所定の範囲内であることを含む。各パスの流路断面積の比が所定の範囲内であるとは、第1希溶液Sw1又は混合流体Smが流入しない加熱管15の出現又は流入する第1希溶液Sw1又は混合流体Smの流量が少なくて蒸発性能が低下する加熱管15の出現を回避することができる程度の流速を第1希溶液Sw1又は混合流体Smに与えることができる流路断面積比の範囲内である。所定の範囲の例として、条件によっては、流路断面積が最小となるパスにおける断面積に対する流路断面積が最大となるパスにおける断面積の比(最大断面積/最小断面積)を1.5以下とすることが挙げられる。この比の範囲の流路断面積の各パスは上流から下流までの間で並ぶ順番に制約はなく、パスを並べる順番と流路断面積に関連はない。
なお、加熱管15は、4パス以外の、例えば8パスや3パスや2パスに構成されていてもよく、1パスで構成されていてもよい。複数のパスに構成されている場合は、各パスの流路断面積が同程度に構成されているとよい。1パスで構成される場合は反転液室54が省略されて入口液室53と出口液室55とが設けられることとなる。すなわち、1パスでは、1本又は2本以上の加熱管15の一端が第1希溶液Sw1を供給する入口液室53に接続され、他端が混合流体Smを収集する出口液室55に接続されることとなり、換言すれば、加熱管15に流入した第1希溶液Sw1が加熱管15を流れた後に出口液室55に流入し、1本又は2本以上の加熱管15のそれぞれの内部を流れる流体が入口液室53から出口液室55に至る間に分流も合流もしないように構成されることとなる。このように構成されていることで、入口液室53から各加熱管15に液体状態の第1希溶液Sw1が供給されて、加熱管15内における流れの不均一などに起因する伝熱効率の低下を抑制することができると共に、局部的に吸収液Sの濃度及び温度が高くなる状況を抑制して吸収液Sの結晶化を回避することが可能になる。
入口液室53には、第1希溶液管18が接続されている。入口液室53は、第1希溶液管18から第1希溶液Sw1を受け入れて、受け入れた第1希溶液Sw1を入口液室53に連通している加熱管15に導くように構成されている。なお、戻り管95(図4参照)が第1希溶液管18ではなく入口液室53に接続されていてもよい。反転液室54は、入口液室53又は上流側の反転液室54から加熱管15を介して導入した第1希溶液Sw1又は混合流体Smを反転させて、導入した加熱管15とは別の加熱管15(他端で下流側の反転液室54又は出口液室55に連通している加熱管15)に第1希溶液Sw1又は混合流体Smを流出するように構成されている。出口液室55は、反転液室54から加熱管15を介して混合流体Smを導入するように構成されている。第2吸収器A2aでは、出口液室55が、気液分離部として機能するように構成されている。
出口液室55は、鉛直最上位にある加熱管15よりも上方に延びている。第2吸収器A2aでは、出口液室55を形成する部分の第2吸収器缶胴57の管板が、第2吸収器缶胴57の天板よりも上方に延びている。出口液室55は、上方が主として気体で満たされる気相部55gになっており、下方が液体で満たされる液相部55qとなっている。気相部55gには、エリミネータ96が配設されている。エリミネータ96は、細長い薄板を概ね直角に折り曲げて形成される形状の細長い部材を、長手方向が水平に延びるようにして(概ね直角の折れ線状が鉛直断面に現れるようにして)、長手方向に直交する水平方向に複数を所定の間隔で配列して構成されている。所定の間隔は、流体が概ね直角に沿って曲がりながらエリミネータ96を通過することで、液滴を離脱させることができる間隔である。エリミネータ96は、気相部55gにおける流体の流路の全断面積を覆うように取り付けられている。出口液室55の液相部55qには、混合流体Smから分離された第1濃溶液Sa1を流出する第1濃溶液管91が接続されている。戻り管95は、液相部55q又は第1濃溶液管91に接続されている。エリミネータ96を挟んで液相部55qとは反対側の気相部55gには、分離された分離冷媒蒸気Vsを流出する分離冷媒蒸気管94が接続されている。このように構成された出口液室55を有する第2吸収器A2aは、大きくなりがちな気液分離部をコンパクトに構成することができる。なお、出口液室55における気液分離効果を向上させるために、分離冷媒蒸気Vsの流れ方向にエリミネータ96を複数設けてもよい。
次に図6を参照して、別の変形例に係る第2吸収器A2bを説明する。図6は、第2吸収器A2bの断面図である。第2吸収器A2bは、出口液室55Bが、仕切板59sから鉛直上方に延びた後、第2吸収器缶胴57の天板の一部を覆うように水平方向に延びて構成されている点で、第2吸収器A2a(図5参照)と異なっている。図6に示す例では、出口液室55Bの水平に延びる部分が、第2吸収器缶胴57の天板の長さの概ね1/3を覆っている。出口液室55Bは、少なくとも第2吸収器缶胴57の天板よりも高い部分が気相部55gとなっており、気相部55gよりも下方が液相部55qとなっている。第2吸収器缶胴57の天板の上方の部分の気相部55gには、エリミネータ96Bが配設されている。エリミネータ96Bは、細長い薄板を概ね直角に折り曲げて形成される形状の細長い部材を、長手方向が鉛直に延びるようにして(概ね直角の折れ線状が水平断面に現れるようにして)、流路を横断する水平方向に複数を所定の間隔で配列して構成されている。エリミネータ96Bは、気相部55gにおける流体の流路の全断面積を覆うように取り付けられている。第2吸収器A2bの上記以外の構成は、第2吸収器A2a(図5参照)と同様である。このように構成された出口液室55Bを有する第2吸収器A2bは、入口液室53や反転液室54の大きさに影響を及ぼさずにエリミネータ96Bの断面積を高さ方向に自在に変えることができるので、大容量の分離冷媒蒸気Vsを気液分離することができる。なお、第2吸収器A2bにおいても、気液分離効果を向上させるために、分離冷媒蒸気Vsの流れ方向にエリミネータ96Bを複数設けてもよく、また、出口液室55Bの水平に延びる部分を第2吸収器缶胴57の天板の長さの範囲で適宜変えてもよい。
次に図7を参照して、さらに別の変形例に係る第2吸収器A2cを説明する。図7は、第2吸収器A2cの断面図である。第2吸収器A2cは、第2吸収器A2b(図6参照)と比較して、以下の点が異なっている。第2吸収器A2cの出口液室55Cは、気相部55gの水平方向に延びた部分が、第2吸収器缶胴57の天板の一部ではなく、第2吸収器缶胴57の天板の全部を覆うように構成されている。出口液室55Cの気相部55gには、気相部仕切板98が複数設けられている。気相部仕切板98は、内部を流れる分離冷媒蒸気Vsが左右に蛇行するように流路を制限する平板状の部材であり、流路制限部材に相当する。気相部仕切板98は、上下はそれぞれ液室形成部材59及び第2吸収器缶胴57に接しており、左右は一方が液室形成部材59に接して他方が液室形成部材59との間に流路となる空間が形成されるように取り付けられている。気相部仕切板98の左右の一方に形成される空間は、複数配列された気相部仕切板98の1つおきに左右交互に形成されるように、気相部仕切板98が設けられている。第2吸収器A2cの上記以外の構成は、第2吸収器A2b(図6参照)と同様である。このように構成された出口液室55Cを有する第2吸収器A2cは、簡便な構成で出口液室55Cを気液分離部として機能させることができる。なお、図7に示す第2吸収器A2cでは、気相部55gの水平方向に延びた部分が第2吸収器缶胴57の天板の全部を覆うように構成されているとしたが、分離冷媒蒸気Vsの気液分離を適切に行える範囲で、第2吸収器缶胴57の天板の全長よりも短くてもよい。また、気相部55gの水平方向に延びた部分が、第2吸収器缶胴57の天板ではなく上部側壁に沿って設けられていてもよい。また、気相部55gの水平方向に延びた部分は上り勾配がついていてもよい。また、図7に示す第2吸収器A2cでは、気相部55gにエリミネータが設けられていないが、エリミネータ96B(図6参照)を組み合わせてもよい。
次に図8を参照して、本発明の実施の形態の第3の変形例に係る吸収冷凍機1Cを説明する。図8は、吸収冷凍機1Cの模式的系統図である。吸収冷凍機1Cは、吸収冷凍機1(図1参照)において単段であった第2吸収器A2及び第2蒸発器E2が、二段昇温型となっている点が異なっている。すなわち、吸収冷凍機1Cは、図1に示されている吸収冷凍機1における第2吸収器A2及び第2蒸発器E2が、高温側の第2高温吸収器A2H及び第2高温蒸発器E2Hと、低温側の第2低温吸収器A2L及び第2低温蒸発器E2Lとに分かれている。このとき、第2高温吸収器A2Hが第2の吸収器に相当し、第2高温蒸発器E2Hが第2の高温蒸発器に相当し、第2低温吸収器A2Lが第2の低温吸収器に相当し、第2低温蒸発器E2Lが第2の蒸発器に相当する。第2高温吸収器A2Hは第2低温吸収器A2Lよりも内圧が高く、第2高温蒸発器E2Hは第2低温蒸発器E2Lよりも内圧が高い。第2高温吸収器A2Hと第2高温蒸発器E2Hとは、第2高温蒸発器E2Hの冷媒Vの蒸気を第2高温吸収器A2Hに移動させることができるように上部で連通している。第2低温吸収器A2Lと第2低温蒸発器E2Lとは、第2低温蒸発器E2Lの冷媒Vの蒸気を第2低温吸収器A2Lに移動させることができるように上部で連通している。また、吸収冷凍機1Cでは、吸収冷凍機1(図1参照)における凝縮冷媒ポンプ89が配設された冷媒液管88が、第2高温蒸発器E2Hの系統に導く高温凝縮冷媒ポンプ89Hが配設された高温冷媒液管88Hと、第2低温蒸発器E2Lの系統に導く低温凝縮冷媒ポンプ89Lが配設された低温冷媒液管88Lとに分かれている。第1吸収器A1から導入した第1希溶液Sw1は、第2高温吸収器A2Hで加熱される。熱源流体Hは、第2低温蒸発器E2Lに導入される。第2低温吸収器A2Lは、第2低温蒸発器E2Lから移動してきた冷媒Vの蒸気を、第2高温吸収器A2Hから導入した第2吸収液S2が吸収する際の吸収熱で、第2高温蒸発器E2H内の冷媒液Vfを加熱して、第2高温蒸発器E2H内に冷媒Vの蒸気を発生させ、発生した第2高温蒸発器E2H内の冷媒Vの蒸気は第2高温吸収器A2Hに移動して第2高温吸収器A2H内の第2濃溶液Sa2に吸収される際の吸収熱で第1希溶液Sw1を加熱するように構成されている。つまり、第2吸収器A2及び第2蒸発器E2が多段の場合は第2高温吸収器A2H(第2の吸収器)に供給される冷媒蒸気となる冷媒液を、熱源流体Hの熱で生成された冷媒蒸気が吸収液に吸収されて発生した吸収熱を介して、熱源流体Hの熱で間接的に加熱することとなる。吸収冷凍機1Cでは、図5乃至図7に示す第2吸収器A2a、A2b、A2cまわりの構成が、典型的には第2高温吸収器A2Hに適用される。第2吸収器A2及び第2蒸発器E2が三段以上の場合であっても、図5乃至図7に示す第2吸収器A2a、A2b、A2cまわりの構成は、典型的には、内部温度及び内圧が最も高くなる第2吸収器に適用される。しかしながら、吸収冷凍機1Cでは、第1希溶液Sw1のほか、第2低温吸収器A2L内の伝熱管(加熱管)内を流れる冷媒Vも、加熱対象流体に相当する。
以上の説明では、第2蒸発器E2及び第2低温蒸発器E2Lが満液式であるとしたが、散布式であってもよい。第2蒸発器E2及び/又は第2低温蒸発器E2Lを散布式とする場合は、第2蒸発器缶胴67及び/又は第2低温蒸発器E2Lの缶胴の上部に冷媒液Vfを散布する冷媒液散布ノズルを設け、満液式の場合に第2蒸発器缶胴67及び/又は第2低温蒸発器E2Lの缶胴の下部に接続することとしていた冷媒液管88及び/又は冷媒液管88Lの端部を、冷媒液散布ノズルに接続すればよい。また、第2蒸発器缶胴67及び/又は第2低温蒸発器E2Lの缶胴の下部の冷媒液Vfを冷媒液散布ノズルに供給する配管及びポンプを設けてもよい。
以上の説明では、気液分離器90の下部に貯留された第1濃溶液Sa1のうちの所定の量が第1濃溶液管91に流出し、残りの量が戻り管95、一部の第1希溶液管18、及び加熱後第1吸収液管16を介して加熱管15と気液分離器90との間を気泡ポンプ作用により自然循環することとしたが、図9の部分系統図に示すように、戻り管95との合流点よりも下流側の第1希溶液管18に循環ポンプ99を設けて強制的に循環させることとしてもよい。循環ポンプ99は、第1濃溶液Sa1と合流した第1希溶液Sw1(第1の吸収液S1)を加熱管15に押し込むポンプであり、第1の吸収液ポンプに相当する。循環ポンプ99によって第1の吸収液S1を加熱管15に押し込むこととすると、加熱管15内における第1の吸収液S1の流量を増大できると共に安定させることができ、加熱管15内における流れの不均一などに起因する伝熱効率の低下を抑制することができると共に局部的に第1の吸収液S1の濃度及び温度が高くなる状況を抑制することができて、第1の吸収液S1の結晶化を回避して第1の吸収液S1への吸収熱の伝熱効率を向上させることが可能になる。また、循環ポンプ99に加えて気液分離器90の第1の吸収液S1の入口にオリフィスや弁等の絞り部を設けると、加熱管15内の第1の吸収液S1の圧力を高めて加熱管15内における第1の吸収液S1の沸騰を抑制して加熱管15内での冷媒Vの蒸発を抑えることができるので、加熱管15内における第1の吸収液S1の濃度の変化をなくして第1の吸収液S1を液体のまま加熱することができ、伝熱作用を安定させることができる。加圧された第1の吸収液S1は、吸収熱で加熱されて高温になり、気液分離器90内で減圧されて分離冷媒蒸気Vsを発生して第1濃溶液Sa1となる。
1、1A、1B、1C 吸収冷凍機
15 加熱管
55 出口液室
55g 気相部
55q 液相部
57 第2吸収器缶胴
90 気液分離器
91 第1濃溶液管
96、96B エリミネータ
98 気相部仕切板
99 循環ポンプ
A1 第1吸収器
A2、A2a、A2b、A2c 第2吸収器
A2L 第2低温吸収器
Cs 共用凝縮器
E1 第1蒸発器
E2 第2蒸発器
E2H 第2高温蒸発器
G2 第2再生器
H 熱源流体
Sa1 第1濃溶液
Sa2 第2濃溶液
Sw1 第1希溶液
Sw2 第2希溶液
Vf 冷媒液
Ve1 第1蒸発器冷媒蒸気
Ve2 第2蒸発器冷媒蒸気
Vg 再生器冷媒蒸気
Vs 分離冷媒蒸気
W 冷水

Claims (9)

  1. 冷媒の液体が蒸発して冷媒蒸気となる際に必要な蒸発潜熱を冷却対象流体から奪うことで前記冷却対象流体を冷却する第1の蒸発器と;
    前記第1の蒸発器で発生した前記冷媒蒸気を導入して第1の吸収液に吸収させる第1の吸収器と;
    前記第1の吸収器において前記冷媒蒸気を吸収したことにより濃度が低下した前記第1の吸収液を流す第1の吸収液流路が内部に設けられた第2の吸収器であって、第2の吸収液が冷媒の蒸気を吸収した際に放出した吸収熱によって、前記第1の吸収液流路を流れる前記第1の吸収液を加熱する第2の吸収器と;
    前記第2の吸収器に供給される前記冷媒の蒸気を生成するための前記冷媒の液体を直接又は間接的に加熱する熱源流体を導入し、導入した前記熱源流体が保有する熱で冷媒の液体を加熱して冷媒の蒸気を生成する第2の蒸発器と;
    前記第2の吸収器において前記第1の吸収液が加熱されたことにより生成された、前記第1の吸収液から離脱した冷媒と、前記冷媒が離脱して濃度が上昇した前記第1の吸収液と、を分離する気液分離部と;
    前記気液分離部で生成された濃度が上昇した前記第1の吸収液を前記第1の吸収器に導く第1の濃溶液流路とを備える;
    吸収冷凍機。
  2. 前記第2の吸収器において前記冷媒の蒸気を吸収したことにより濃度が低下した前記第2の吸収液を導入し、導入した前記第2の吸収液を熱源流体が保有する熱で加熱することにより、前記第2の吸収液から前記冷媒を離脱させて第2の吸収液の濃度を上昇させる再生器と;
    前記再生器において前記第2の吸収液から離脱した前記冷媒の蒸気と、前記気液分離部で生成された前記冷媒の蒸気とを導入し、導入した前記冷媒の蒸気を凝縮させて冷媒液を生成する共通凝縮器とを備える;
    請求項1に記載の吸収冷凍機。
  3. 前記第2の吸収器は、前記第1の吸収液流路を構成する加熱管を複数有し;
    前記加熱管の内部を流れた前記第1の吸収液を、別の前記加熱管の内部を反対方向に流れるように前記別の加熱管に導く反転液室を備え;
    複数の前記加熱管は、前記反転液室によって複数のパスに構成され;
    前記複数のパスのそれぞれは、流路断面積が同程度になるように構成された;
    請求項1又は請求項2に記載の吸収冷凍機。
  4. 前記第2の吸収器は、前記第1の吸収液流路を構成する加熱管を1本又は複数本有し;
    1本又は複数本の前記加熱管に連通し、連通した前記加熱管に前記第1の吸収液を供給する入口液室と;
    1本又は複数本の前記加熱管に連通し、前記入口液室から前記加熱管に供給されたすべての前記第1の吸収液を、前記加熱管を流れた後に収集する出口液室とを備える;
    請求項1又は請求項2に記載の吸収冷凍機。
  5. 前記第2の吸収器に導入される前記第1の吸収液を前記第1の吸収液流路に押し込む第1の吸収液ポンプを備える;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸収冷凍機。
  6. 前記気液分離部は、前記第1の吸収液の入口が前記第1の吸収液流路の出口に隣接して配置されることで、前記第2の吸収器と一体に構成された;
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の吸収冷凍機。
  7. 前記第2の吸収器の缶胴に沿って設けられ、前記第1の吸収液流路を流れた前記第1の吸収液を一旦貯留する液相部と、前記第1の吸収液から離脱した冷媒蒸気が通過する気相部と、を有する出口液室を備え;
    前記出口液室は、気相部にエリミネータが設けられて、前記気液分離部として機能するように構成された;
    請求項6に記載の吸収冷凍機。
  8. 前記第2の吸収器の缶胴に沿って設けられ、前記第1の吸収液流路を流れた前記第1の吸収液を一旦貯留する液相部と、前記第1の吸収液から離脱した冷媒蒸気が通過する気相部と、を有する出口液室を備え;
    前記出口液室は、前記気相部が水平に延びるように構成されると共に、前記気相部を流れる前記冷媒蒸気を左右に蛇行させるように流路を制限する流路制限部材が前記気相部の空間に複数設けられて、前記気液分離部として機能するように構成された;
    請求項6に記載の吸収冷凍機。
  9. 前記第2の吸収器に供給される前記冷媒の蒸気を生成する第2の高温蒸発器と;
    前記第2の吸収器から直接又は間接的に導入した前記第2の吸収液が冷媒の蒸気を吸収した際に放出した吸収熱によって前記第2の高温蒸発器の冷媒を加熱する第2の低温吸収器とを備える;
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の吸収冷凍機。
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