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JP6801572B2 - シート - Google Patents

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JP6801572B2 JP2017094074A JP2017094074A JP6801572B2 JP 6801572 B2 JP6801572 B2 JP 6801572B2 JP 2017094074 A JP2017094074 A JP 2017094074A JP 2017094074 A JP2017094074 A JP 2017094074A JP 6801572 B2 JP6801572 B2 JP 6801572B2
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Description

本願は、シートクッションの前端位置をシート前後方向に変位させるためのクッション長可変機構、及びシートクッションの前端側傾斜角度を変更するためのチルト機構を備えるシートに関する。
例えば、特許文献1に記載のシートでは、クッションフレームの前方側に設けられた異形ドラムを回転させることにより、シート前端部を変位させる機能を実現している。なお、シート前端部を変位させる機能として、特許文献1では、オットマン機能及びクッション長可変機能が例示されている。
特開2009−179192号公報
チルト機構は、シート前後方向に延びるチルトアーム等を有して構成されている。チルトアームが揺動すると、シートクッションの前端側傾斜角度が変化する。つまり、チルトアームは、揺動中心側が支持された片持ち支持構造となる。このため、チルトアームの延び方向前端側は、揺動中心側に比べてシート幅方向に大きく撓み変位し易い。
本願は、チルトアームの延び方向前端側におけるシート幅方向の撓み変位を抑制可能なシートの一例を開示する。
シートは、クッションパッド(7A)のシート前端側に設けられ、着席者の脚部を支持するためのセンタクッション部(5D)と、センタクッション部(5D)に対してシート幅方向にずれた位置に設けられたサイドクッション部(5B)であって、当該センタクッション部(5D)に対して相対的に変位可能なサイドクッション部(5B)と、センタクッション部(5D)をシート前後方向に変位させるためのクッション長可変機構(18)と、センタクッション部(5D)及びサイドクッション部(5B)の傾斜角度を変更するためのチルト機構(19)を構成するチルトアーム(20)であって、サイドクッション部(5B)を支持するとともに、シート前後方向に延びるチルトアーム(20)とを備える。
チルトアーム(20)の延び方向前端部(20D)には、シート幅方向から前端部(20D)に重なって当該前端部(20D)に一体化されている補強パッチ部(23A)が設けられている。これにより、チルトアーム(20)の延び方向前端部(20D)がシート幅方向に大きく撓み変位することを抑制でき得る。
センタクッション部(5D)がシート前方側に変位すると、当該センタクッション部(5D)とサイドクッション部(5B)とが離間するので、当該サイドクッション部(5B)のシート前端側において、チルトアーム(20)及び補強パッチ部(23A)が露出して意匠性を阻害するおそれがある。
これに対して、シートのサイドクッション部(5B)には、補強パッチ部(23A)を含む前端部(20D)をシート幅方向両側から挟み込むように当該補強パッチ部(23A)を包み込む覆いパッド部(7E)が設けられている。これにより、チルトアーム(20)及び補強パッチ部(23A)を覆うことができるので、意匠性が阻害されてしまうことを抑制でき得る。
なお、シートは、以下のように構成されていてもよい。
すなわち、補強パッチ部(23A)を含む前端部(20D)側は、シート前端側に向かうほどセンタクッション部(5D)に近づくようにシート前後方向に対して傾斜していることが望ましい。これにより、覆いパッド部(7E)が、補強パッチ部(23A)を含む前端部(20D)に引っ掛かるように係止された状態となる。したがって、覆いパッド部(7E)が補強パッチ部(23A)を含む前端部(20D)から外れてしまうことを抑制でき得る。
センタクッション部(5D)を覆うセンタ表皮部(7F)と、覆いパッド部(7E)を覆うサイド表皮(7D)と、センタ表皮部(7F)の一部及びサイド表皮(7D)の一部をチルトアーム(20)又は補強パッチ部(23A)に固定する固定具(P1)とを備えることが望ましい。これにより、センタ表皮部(7F)及びサイド表皮(7D)を確実に固定でき得る。
さらに、クッションパッド(7A)を支持するとともに、クッション長可変機構(18)及びチルト機構(19)が装着されたクッションフレーム(11)と、クッションフレーム(11)に固定され、センタクッション部(5D)及びサイドクッション部(5B)の下方側を覆うシールド(9A)とを備えるシートに本願を適用することが望ましい。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るシートの外観斜視図である。 本発明の実施形態に係るシートクッションの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るクッション部の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るクッションフレームの斜視図である。 A及びBはクッション長可変機構の作動を示す図である。 A及びBはクッション長可変機構の作動を示す図である。 本発明の実施形態に係るチルトアーム及びサイドフレームの斜視図である。 本発明の実施形態に係るチルトアーム及びサイドフレームの斜視図である。 本発明の実施形態に係るチルトアーム20の分解斜視図である。 Aは本発明の実施形態に係るチルト前端部20Bの上面図である。Bは本発明の実施形態に係るチルト前端部20Bの下面図である。 本発明の実施形態に係るチルト前端部20Bの特徴を示す図である。 は本発明の実施形態に係るチルト前端部20Bにおけるセンタ表皮部及びサイド表皮の組み付け説明図である。
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「1つの」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。
(第1実施形態)
1.シートの概要
本実施形態は、車両用シートに本発明に係るシートを適用したものである。図1に示す乗物用シート1は、シートバック3及びシートクッション5等を少なくとも備える。シートバック3は、着席者の背部を支持するための部位である。シートクッション5は、着席者の臀部を支持するための部位である。
シートクッション5は、図2に示すように、クッション部7、シールド部9及びクッションフレーム11等を少なくとも有する。クッション部7は、図3に示すように、クッションパッド7A及び表皮7B等を有して構成されている。
クッションパッド7Aはウレタン等の弾性的に変形可能な緩衝部材である。表皮7Bは、クッションパッド7Aの表面を覆う部材である。なお、クッションパッド7Aの表面とは、クッションパッド7Aのうち、例えば、着席者等が乗物用シート1を利用する際に目視可能な部位である。
このため、本実施形態に係る表皮7Bは、クッションパッド7Aの下面以外の部位、つまり上面、シート幅方向の両側面及びシート前後方向の両側面等を覆っている。なお、表皮7Bは、天然皮革、合成皮革又は織物等に構成されている。
シールド部9は、図1に示すように、クッションフレーム11の側面等を覆うカバーの一例である。本実施形態に係るシールド部9は、図2に示すように、フロントシールド9A及び一対のサイドシールド9B、9C等を有する。
フロントシールド9Aは、クッションフレーム11のシート前方側を覆う樹脂製の部材である。各サイドシールド9B、9Cは、クッションフレーム11のシート幅方向端部側を覆う樹脂製の部材である。各シールド9A〜9Cは、サイドフレーム12、13等のクッションフレーム11を構成する部材に固定されている。
2.クッションフレーム等の構成
2.1 クッションフレームの構造
クッションフレーム11は、シートクッション5の骨格を構成する金属製の部材である。当該クッションフレーム11は、図4に示すように、一対のサイドフレーム12、13及び一対の連結部材14、15等を少なくとも有する。
各サイドフレーム12、13は、シート幅方向両側それぞれに配設されてシート前後方向に延びる部材である。一対の連結部材14、15は、シート幅方向に延びて一対のサイドフレーム12、13を連結する部材である。
なお、連結部材14は、一対のサイドフレーム12、13のシート前端側を連結するパイプ状の部材である。連結部材15は、一対のサイドフレーム12、13のシート後端側を連結するパイプ状の部材である。
複数のリフタリンク16は、クッションフレーム11、つまりシートクッション5を昇降変位させるための部材である。各リフタリンク16の上端側は、各サイドフレーム12、13に直接的又は間接的に揺動可能に連結されている。各リフタリンク16の下端側は、車両フロア等に直接的又は間接的に揺動可能に連結されている。
なお、本実施形態では、各リフタリンク16の上端側は連結部材14、15の延び方向端部側に連結され、各リフタリンク16の下端側は複数のスライド装置17を介して車両フロア等に連結されている。
一対のスライド装置17は、乗物用シート1をシート前後方向にスライド変位可能とするための機構である。各スライド装置17は、車両フロア等に固定された固定レール17A、各リフタリンク16の下端側が揺動可能に連結固定された可動レール17B等を有する。
2.2 クッション長可変機構及びチルト機構
乗物用シート1は、クッション長可変機構18及びチルト機構19を有する。クッション長可変機構18は、図5A及び図5Bに示すように、シートクッション5の前端位置5Aをシート前後方向に変位させるための機構である。なお、クッション長可変機構18の構成は、例えば特許文献1に記載されたクッション長可変機構と同様である。
チルト機構19は、シートクッション5の前端側傾斜角度(以下、チルト角度という。)を変更するための機構である。チルト機構19は、図4に示すように、一対のチルトアーム20、21及びチルトパネル22等を有して構成されている。
一対のチルトアーム20、21それぞれは、一対のサイドフレーム12、13それぞれに揺動可能に連結されている。それらチルトアーム20、21は、当該サイドフレーム12、13との連結部からシート前方側に延びている。なお、チルトアーム20、21の詳細は後述する。
チルトパネル22は、シート幅方向に拡がる板状の部材であって、各チルトアーム20、21の延び方向先端側に固定されている。このため、一対のチルトアーム20、21及びチルトパネル22は、クッションフレーム11、つまりサイドフレーム12、13に対して一体的に揺動変位する。
クッション長可変機構18とチルト機構19とは、連動して作動せず、互いに独立して作動する。つまり、着席者は、チルト角度及びクッション長それぞれを個別に変更調整できる。
なお、クッション長可変機構18はチルトパネル22に固定されている。このため、チルト角度が変化すると、サイドフレーム12、13に対するクッション長可変機構18の固定角度も変化する。
つまり、チルト機構19が作動すると、シートクッション5の前端側のチルト角度が幅方向全域に亘って変化する。これに対して、クッション長可変機構18の作動時には、図6A及び図6Bに示すように、一対のサイドクッション部5B、5Cは変位せず、センタクッション部5Dが変位してクッション長が変化する。
このため、センタクッション部5Dと各サイドクッション部5B、5Cとの間には、切断部が設けられている。当該切断部は、センタクッション部5Dが一対の各サイドクッション部5B、5Cに対して独立して変位可能とするために切断部である。
なお、センタクッション部5Dは、シートクッション5のうち着席者の脚部を支持するための部位である。各サイドクッション部5B、5Cは、センタクッション部5Dに対してシート幅方向にずれた部位である。
3.チルトアームの前端側及びその周囲の構造
チルトアーム20は、サイドクッション部5Bを下方側から支持する。チルトアーム21は、サイドクッション部5Cを下方側から支持する。チルトパネル22は、センタクッション部5Dを下方側から支持する。
このため、チルトアーム20、21が揺動すると、クッションパッド7Aのシート前端部のチルト角度がシート幅方向全域に亘って変化する。チルトアーム20とチルトアーム21とは略左右対称構造である。以下、チルトアーム20を例に本実施形態に係るチルトアームの構造を説明する。
チルトアーム20は、図7に示すように、シート前後方向に延びるとともに、後端側にサイドフレーム12との連結部20Aが設けられている。チルトアーム20のシート幅方向一端側側面(本実施形態では、左側面)には、図8に示すように、補強プレート23が設けられている。
補強プレート23は、シート前後方向に延びて当該側面に溶接された帯板状の部材である(図9参照)。補強プレート23の延び方向前端部には補強パッチ部23Aが設けられている。
補強パッチ部23Aは、チルトアーム20の延び方向前端部20B(以下、チルト前端部20Bという。)に対応する部位に設けられている。チルト前端部20Bは、図10Aに示すように、略水平な仮想面に投影されたときに、略Z字を描くように折り曲げられた部位である。
具体的には、チルト前端部20Bは、シート幅方向と略平行な第1板部20C、並びに第1板部20Cに対して交差した第2板部20D及び第3板部20Eを有している。これにより、サイドクッション部5Bを広範囲で支持可能となる。
補強パッチ部23Aは、図10Bに示すように、シート幅方向からチルト前端部20B(本実施形態では、第2板部20D)に重なって第2板部20Dに一体化された部位である。本実施形態に係る第2板部20Dと補強パッチ部23Aは溶接にて一体化されている。
補強パッチ部23Aを含むチルト前端部20B(第2板部20D)側は、図11に示すように、シート前端側に向かうほどセンタクッション部5D(図11では、シート右端側)に近づくように、シート前後方向に対して傾斜している。
そして、サイドクッション部5Bには、覆いパッド部7Eが設けられている。覆いパッド部7Eは、サイドクッション部5Bを構成するサイドパッド7C(図2参照)のシート前端側に設けられた部位である。
覆いパッド部7Eは、図11に示すように、補強パッチ部23Aを含む第2板部20Dをシート幅方向両側から挟み込む部位である。このため、仮想の水平面に投影された覆いパッド部7Eは、第2板部20Dの前端に引っ掛かる鉤針状に形成されている。
補強パッチ部23Aを含む第2板部20Dのうち前端に位置する部位(本実施形態では、補強パッチ部23Aの前端)には、曲面部23Bが設けられている。曲面部23Bは、当該前端が覆いパッド部7Eに食い込むことを抑制するための部位である。
4.表皮の係止固定構造等について
4.1 センタクッション部
シートクッション5のうちセンタクッション部5Dは、クッション長可変機構18の可動ドラム18A(図5A参照)等に支持された状態で、当該可動ドラム18A等と共に変位する(図5B参照)。
表皮7Bのうちセンタクッション部5Dを構成する部分(以下、センタ表皮部7F(図3参照)という。)は、クッションパッド7Aのうちセンタクッション部5Dを構成する部分(以下、センタパッド部7G(図3参照)という。)を覆った状態で、当該センタパッド部7Gを可動ドラム18Aに押し付けている。
そして、センタ表皮部7Fの前端部が可動ドラム18Aの裏面側に折り返された状態で、当該前端部が可動ドラム18Aの裏面側に引っ掛けられて係止されている。なお、センタ表皮部7Fの前端部、つまり可動ドラム18Aの裏面側に係止された部位は、パワークリップ状の係止ホック(図示せず。)により可動ドラム18Aに固定されている。
4.2 サイドクッション部
クッションパッド7Aのうちサイドクッション部5Bを構成する部位(以下、サイドパッド7C(図3参照)という。)は、表皮7Bのうちサイド表皮7D(図3参照)により覆われている。
センタ表皮部7Fの一部とサイド表皮7Dの一部とは、図12に示すように、固定ピンP1にてチルトアーム20に固定されている。すなわち、センタ表皮部7Fとサイド表皮7Dとは、固定ピンP1にて当該表皮の厚み方向に重ねられた状態でチルトアーム20に固定されている。
固定ピンP1は、固定具の一例であって、センタ表皮部7F及びサイド表皮7Dを貫通した状態でチルトアーム20に設けられた貫通穴に嵌め込まれて係止固定されている。固定ピンP1は、センタクッション部5Dとサイドクッション部5Bとの切断部に対応する箇所に設けられている。
これにより、センタクッション部5Dが伸張した際に、センタパッド部7Gのシート幅方向の端面7H(図3)が露出してしまうこと、及びサイドパッド7Cのうちセンタパッド部7G側の端面が露出してしまうことを防止している。
固定ピンP2は、サイド表皮7Dのうち覆いパッド部7Eを覆う部分をチルトアーム20に固定する固定具である。当該固定ピンP2は、固定ピンP1と協働してサイド表皮7Dが覆いパッド部7Eからずれることを防止する。
なお、本実施形態では、固定ピンP1、P2とチルトアーム20との間には、プレート20F、20Gが配設されている。プレート20F、20Gは、金属製のチルトアーム20に表皮部7F、表皮7Dが接触すること回避し、当該表皮7F、7Dの損傷を抑制するための部材である。
4.本実施形態に係るシートの特徴
チルトアーム20の延び方向前端部である第2板部20Dには、シート幅方向から第2板部20Dに重なって当該第2板部20Dに一体化されている補強パッチ部23Aが設けられている。これにより、チルトアーム20の延び方向前端部(チルト前端部20B)がシート幅方向に大きく撓み変位することを抑制でき得る。
センタクッション部5Dがシート前方側に変位すると、当該センタクッション部5Dとサイドクッション部5Bとが離間するので、当該サイドクッション部5Bのシート前端側において、チルトアーム20及び補強パッチ部23Aが露出して意匠性を阻害するおそれがある。
これに対して、補強パッチ部23Aを含む第2板部20Dをシート幅方向両側から挟み込むように当該補強パッチ部23Aを包み込む覆いパッド部7Eが設けられている(図11参照)。これにより、チルトアーム20及び補強パッチ部23Aを覆うことができるので、意匠性が阻害されてしまうことを抑制でき得る。
補強パッチ部23Aを含む第2板部20D側は、シート前端側に向かうほどセンタクッション部5Dに近づくように、シート前後方向に対して傾斜している。
これにより、覆いパッド部7Eが、補強パッチ部23Aを含む第2板部20Dに引っ掛かるように係止された状態となる(図11参照)。したがって、覆いパッド部7Eが補強パッチ部23Aを含む第2板部20Dから外れてしまうことを抑制でき得る。
センタ表皮部7Fの一部及びサイド表皮7Dの一部がチルトアーム20に固定されている(図12参照)。これにより、センタ表皮部7F及びサイド表皮7Dを確実に固定でき得る。
ところで、本実施形態では、フロントシールド9Aはクッションフレーム11に固定され、かつ、クッションフレーム11にクッション長可変機構18及びチルト機構19が装着されている
つまり、クッション長可変機構18及びチルト機構19の作動状態によらず、フロントシールド9Aの位置は不動となる。したがって、クッション長及びチルト角度が最大となったときに、センタパッド部7Gとサイドパッド7Cと間に大きな隙間が発生し、意匠性が著しく阻害されるおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る乗物用シート1は、上述したように、意匠性が阻害されてしまうことを抑制でき得る。つまり、本実施形態に係る乗物用シート1は、フロントシールド9Aはクッションフレーム11に固定され、かつ、クッションフレーム11にクッション長可変機構18及びチルト機構19が装着されているシートに適用すると、特に好適である。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、補強パッチ部23Aを含む第2板部20D側は、シート前端側に向かうほどセンタクッション部5Dに近づくように、シート前後方向に対して傾斜していた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、補強パッチ部23Aを含む第2板部20D側がシート前後方向と略平行であってもよい。
上述の実施形態に係るチルト前端部20Bは、略Z字状に折れ曲がった形状であった。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、シート前後方向と略平行な板状、又は略L字状に折れ曲がった形状であってもよい。
上述の実施形態では、センタ表皮部7Fの一部及びサイド表皮7Dの一部がチルトアーム20に固定されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、センタ表皮部7Fの一部及びサイド表皮7Dの一部が補強パッチ部23A(補強プレート23)に固定された構成、又はその他の構成であってもよい。
上述の実施形態では、フロントシールド9Aがクッションフレーム11に固定されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、チルトアーム20、21の先端側にフロントシールド9Aが固定されて構成であってもよい。
上述の実施形態では、自動車用シートに本発明に係るシートを適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてもよい。
1… 乗物用シート 3… シートバック 5… シートクッション
5A… 前端位置 5B、5C… サイドクッション部
5D… センタクッション部 7… クッション部 7A… クッションパッド
7B… 表皮 7E… 覆いパッド部 7C… サイドパッド
7F… センタ表皮部 7G… センタパッド部 7D… サイド表皮
9… シールド部 9A… フロントシールド 9B、9C… サイドシールド
11… クッションフレーム 12、13… サイドフレーム
14、15… 連結部材 16… リフタリンク 17… スライド装置
18… クッション長可変機構 19… チルト機構
20、21… チルトアーム 20A… 連結部 20B… チルト前端部
20C… 第1板部 20D… 第2板部 20E… 第3板部
22… チルトパネル 23… 補強プレート 23A… 補強パッチ部
P1… 固定ピン P2… 固定ピン

Claims (4)

  1. 着席者の荷重を受けるクッションパッドを有するシートにおいて、
    前記クッションパッドのシート前端側に設けられ、着席者の脚部を支持するためのセンタクッション部と、
    前記センタクッション部に対してシート幅方向にずれた位置に設けられたサイドクッション部であって、当該センタクッション部に対して相対的に変位可能なサイドクッション部と、
    前記センタクッション部をシート前後方向に変位させるためのクッション長可変機構と、
    前記センタクッション部及び前記サイドクッション部の傾斜角度を変更するためのチルト機構を構成するチルトアームであって、前記サイドクッション部を支持するとともに、シート前後方向に延びるチルトアームと、
    前記チルトアームの延び方向前端部に設けられ、シート幅方向から前記前端部に重なって当該前端部に一体化されている補強パッチ部と、
    前記サイドクッション部に設けられ、前記補強パッチ部を含む前記前端部をシート幅方向両側から挟み込むように当該補強パッチ部を包み込む覆いパッド部と
    を備えるシート。
  2. 前記補強パッチ部を含む前記前端部側は、シート前端側に向かうほど前記センタクッション部に近づくように、シート前後方向に対して傾斜している請求項1に記載のシート。
  3. 前記センタクッション部を覆うセンタ表皮部と、
    前記覆いパッド部を覆うサイド表皮と、
    前記センタ表皮部の一部及び前記サイド表皮の一部を前記チルトアーム又は前記補強パッチ部に固定する固定具と
    を備える請求項1又は2に記載のシート。
  4. 前記クッションパッドを支持するとともに、前記クッション長可変機構及び前記チルト機構が装着されたクッションフレームと、
    前記クッションフレームに固定され、前記センタクッション部及び前記サイドクッション部の下方側を覆うシールドと
    を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート。
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