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JP6893635B2 - 肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法、装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法、装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法に関する。また、本発明は、肝細胞がんの早期再発リスクを判定するための装置及びコンピュータプログラムに関する。
肝細胞がんは原発性肝がんの一つであり、肝細胞から発生する悪性腫瘍である。肝細胞がんの治療では、がん及びその周囲の組織を手術によって取り除く肝切除術などが行われる。一方、肝切除術などの治療を行っても、肝細胞がん患者全体の再発率は、術後3年で70%以上になることが知られている。
肝細胞がんの検査では、血液中の腫瘍マーカーの測定と、画像検査(超音波検査、CT及びMRIなど)とを組み合わせて行われている。肝細胞がんのマーカーとして、GPC3(Glypican-3)が知られている。GPC3は、580アミノ酸からなる約60 kDaの糖タンパク質であり、C末端領域でグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを介して細胞膜に結合している。GPC3は、肝細胞がん患者の肝臓組織の70〜100%で発現がみられるが、健常人の肝臓組織ではほとんど検出されない。GPC3は、生体内において、Furinと呼ばれる酵素によってR358/S359間で切断され、約40 kDaのN末端側ペプチドと、約30 kDaのC末端側ペプチドとに分かれていると考えられているが、通常、N末端側ペプチド及びC末端側ペプチドは、ジスルフィド結合によって共有結合した状態(全長型)で細胞膜に結合していると考えられている。
特許文献1には、GPC3のN末端側ペプチドを認識する2種類の抗体を用いて可溶化GPC3を検出することにより、がんを診断する方法が開示されている。特許文献1の発明者らは、マウス血清中の分泌型GPC3としてはN末端側ペプチドが優位であり、N末端側ペプチドを認識する抗GPC3抗体を用いてGPC3レベルを測定することが、がんの診断においては好ましいと結論付けている。一方、特許文献1では、C末端側ペプチドを認識する抗体を用いた検出系を用いてがんの診断や再発リスクの予測をすることは難しいことを示唆している(Table 1、段落[0138]など)。GPC3のN末端側ペプチドを認識する2種類の抗体を用いた場合、GPC3のN末端側ペプチドと全長型ペプチドとを検出することになる。しかし、特許文献1では、全長型ペプチドが検出限界以下であるため、がんの判定は、N末端側ペプチドの測定結果により行われていると考えられる。
特許文献2には、被検者から得られた体液サンプル中のGPC3レベルを、GPC3のC末端側ペプチドを認識する抗GPC3モノクローナル抗体及びGPC3のアミノ酸配列中の任意の部位を認識する抗GPC3ポリクローナル抗体を用いて測定することにより、被検者の肝細胞がんをスクリーニングする方法が開示されている。特許文献2には、検出されるGPC3の構造について言及されていないが、GPC3測定に用いられる抗体の種類からみて、同文献に記載の検出系では、GPC3のC末端側ペプチド及び全長型ペプチドが検出されると考えられる。なお、特許文献2の段落[0063]及び[0064]には、C末端側ペプチドを抗原としてポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体を作製することが好適であると記載されている。さらに、Exampleでは、C末端側ペプチド抗原を用いてポリクローナル抗体(Example 1)及びモノクローナル抗体(Example 2)を作製し、これらを用いてGPC3を検出している。これらのことから、特許文献2ではC末端側ペプチドを検出対象としていると考えられる。実際、特許文献1では全長型ペプチドが検出限界以下であると記載しており、これを考慮すると特許文献2におけるがんの判定はC末端側ペプチドの測定結果により行われていると考えられる。
米国特許出願公開第2006/0014223号明細書 米国特許出願公開第2005/0233392号明細書
肝切除術は、肝細胞がんの根治的治療であるが、患者への負担が大きい。そのため、肝細胞がんが、例えば術後1年以内のような早期に再発した場合、患者の状態によっては肝切除術を再び行うことは難しい。もし、肝細胞がんの早期再発を術前に予測できれば、治療計画の策定に際して、肝切除術以外の治療法を選択又は併用することを考慮できる。また、肝切除術を行った場合でも、早期に再発することが予測されていれば、術後の経過観察期間中に検査の頻度を多くするなど、再発に備えた対応を取ることができる。しかし、早期再発の予測を可能にする手段は、現時点では知られていない。
本発明者らは、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP(α-fetoprotein)及び/又はPIVKA-II(protein induced by vitamin-K absence or antagonist II)の濃度とに基づいて、再発時期を予測できることを見出して、本発明を完成した。
よって、本発明は、肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法を提供する。この方法は、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度とを測定する工程と、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ上記マーカーの濃度が上記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、上記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定する工程とを含む。
さらに、本発明は、肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法を提供する。この方法は、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度とを測定する工程と、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ上記マーカーの濃度が上記マーカーに対応する所定の閾値以上である患者を第1患者群に分類し、上記GPC3の濃度及び上記マーカーの濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である患者を第2患者群に分類する工程とを含む。この方法において、第1患者群は、第2患者群よりも早期再発リスクが高い群である。
また、本発明は、プロセッサ及び該プロセッサの制御下にあるメモリを含むコンピュータを備える、肝細胞がんの早期再発リスクの判定装置を提供する。この装置のメモリには、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度の測定結果を取得するステップと、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ上記マーカーの濃度が上記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、上記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定するステップと、上記患者の肝細胞がんの早期再発リスクの判定結果を出力するステップとをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが記録されている。
さらに、本発明は、肝細胞がんの早期再発リスクの判定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを提供する。このコンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能な媒体に記録されている。このコンピュータプログラムは、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度の測定結果を取得するステップと、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ上記マーカーの濃度が上記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、上記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定するステップと、上記患者の肝細胞がんの早期再発リスクの判定結果を出力するステップとをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIの少なくとも1つの濃度とに基づいて、肝細胞がんの早期再発リスクを予測することを可能にする。
本実施形態の肝細胞がんの早期再発リスクの判定装置の一例を示した概略図である。 図1の判定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 肝細胞がんの早期再発リスクの判定のフローチャートである。 肝細胞がんの早期再発リスクの判定のフローチャートである。 AFP濃度が所定の閾値以上であった検体(陽性)及び所定の閾値未満であった検体(陰性)の再発時期をプロットしたグラフである。 GPC3濃度が所定の閾値以上であり且つAFP濃度が所定の閾値以上であった検体(陽性)及びそれ以外の検体(陰性)の再発時期をプロットしたグラフである。 GPC3濃度が所定の閾値以上であり且つPIVKA-II濃度が所定の閾値以上であった検体(陽性)及びそれ以外の検体(陰性)の再発時期をプロットしたグラフである。 GPC3濃度が所定の閾値以上であり、AFP濃度が所定の閾値以上であり且つPIVKA-II濃度が所定の閾値以上であった検体(陽性)及びそれ以外の検体(陰性)の再発時期をプロットしたグラフである。
[1.早期再発リスクの予測を補助する方法]
「肝細胞がんの再発」及び「肝細胞がんが再発する」とは、根治的治療が行われた肝細胞がん患者が、再び肝細胞がんに罹患することをいう。「早期再発リスク」とは、肝細胞がん患者に根治的治療を行った場合に、該治療後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性をいう。該所定の期間は、6ヶ月以上1年以下であり得る。再発までの所定の期間は、具体的には6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月又は1年が例示される。
本実施形態に係る肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法(以下、単に「方法」ともいう)は、肝細胞がん患者に根治的治療を行う前に、早期再発リスクを予測することを可能にする。そのため、本実施形態の方法を実施する時点において、肝細胞がん患者に根治的治療が行われていなくてもよい。また、本実施形態の方法による予測結果を受けて、肝細胞がん患者に根治的治療を行わなくてもよい。この場合、早期再発リスクは、肝細胞がん患者から血液試料を採取したときに該患者に根治的治療を行ったと仮定した場合の再発の可能性と解釈してもよい。上記の再発までの所定の期間は、血液試料を採取した日からの期間である。よって、本実施形態において、早期再発リスクは、肝細胞がん患者から血液試料を採取した後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性であってもよい。
本実施形態の方法では、肝細胞がんの早期再発リスクを予測するためのタンパク質マーカーとして、GPC3と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーとの少なくとも2つを用いる。具体的には、肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度とを測定する。本実施形態では、血液試料におけるGPC3の濃度及びPIVKA-IIの濃度を測定することが好ましく、GPC3の濃度、AFPの濃度及びPIVKA-IIの濃度を測定することが特に好ましい。ここで、タンパク質マーカーの「濃度」は、検体の単位体積あたりのタンパク質マーカーの質量であってもよいし、タンパク質マーカーの濃度を反映する値又は指標(例えば、蛍光強度、発光強度など)であってもよい。
血液試料は、肝細胞がん患者から得られる血液(全血)、血漿及び血清が挙げられ、好ましくは血清及び血漿である。肝細胞がん患者の全血、血漿又は血清を適切な水性媒体で希釈して得られる希釈物を、血液試料として用いてもよい。そのような水性媒体は、血中タンパク質の濃度測定を妨げない限り特に限定されず、例えば水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などが挙げられる。GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度の測定を後述の免疫学的測定法で行う場合は、血液試料を、該測定法に用いるブロッキング液で希釈してもよい。
本実施形態の方法で予測される早期再発リスクは、上述のように、肝細胞がん患者の治療方針の決定に有用である。そのため、血液試料は、根治的治療が行われる前の肝細胞がん患者から取得することが好ましい。ここで、肝細胞がんの根治的治療は、肝細胞がんを根本から治すことを目指した治療法であれば特に限定されず、例えば、肝切除術、肝移植、経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、及び陽子線や炭素線の重粒子線治療などが挙げられる。
血液試料は、肝細胞がんの根治的治療の治療効果をより向上させるために該根治的治療の前に行われる補助的又は予備的な治療がなされた患者から取得してもよい。このような補助的又は予備的な治療としては、例えば、肝動脈塞栓術、肝動注化学療法、ワクチンなどの免疫療法などが挙げられる。本実施形態では、補助的又は予備的な治療として肝動脈塞栓術、肝動注化学療法、ワクチンなどの免疫療法などは行われているが、上述の根治的治療が行われていない患者から採取した血液試料も利用することができる。
GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度の測定方法は、血液試料中のこれらのタンパク質マーカーの濃度を反映する値又は指標を取得できる方法であれば特に限定されず、当該技術において公知の測定法から適宜選択できる。そのような測定方法としては、抗原抗体反応を利用する免疫学的測定法が好しく、例えば、酵素免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光免疫測定法、放射免疫測定法、免疫比濁法、免疫沈降法、ウェスタンブロット法、アフィニティクロマトグラフィ法などが挙げられる。それらの中でも、酵素免疫測定法のELISA法、特にサンドイッチELISA法が好ましい。
GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度の値は、測定値そのものであってもよいし、測定値を検量線に当てはめて取得される値であってもよい。検量線は、濃度既知の標準物質の希釈系列を調製し、これらを血液試料と同様に測定して得られた値から作成できる。この検量線に基づいて、血液試料中のGPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度を定量することができる。標準物質は、GPC3、AFP及びPIVKA-IIの天然由来のタンパク質であってもよいし、組換え型タンパク質であってもよい。
免疫学的測定法には、GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれに特異的に結合する抗体が用いられる。これらの抗体の種類は特に限定されず、モノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗体でもよい。抗体の由来は特に限定されず、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ヤギ、ウマ、ラクダなどのいずれの哺乳動物に由来する抗体でもよい。抗体のアイソタイプは、測定法に応じて適宜選択すればよいが、好ましくはIgGである。抗体には、抗体のフラグメント及びその誘導体も含まれ、例えば、Fabフラグメント、F(ab')2フラグメント、Fvフラグメント、一本鎖抗体(scFv)などが挙げられる。これらの抗体及び抗体フラグメントの作製方法は当該技術において公知である。
測定に用いる抗体は、必要に応じて、当該技術において公知の標識物質により標識されていてもよい。そのような標識物質は、検出可能なシグナルが生じるかぎり、特に限定されない。例えば、それ自体がシグナルを発生する物質(以下、「シグナル発生物質」ともいう)であってもよいし、他の物質の反応を触媒してシグナルを発生させる物質であってもよい。シグナル発生物質としては、例えば、蛍光物質、放射性同位元素などが挙げられる。他の物質の反応を触媒して検出可能なシグナルを発生させる物質としては、例えば、酵素が挙げられる。酵素としては、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼなどが挙げられる。蛍光物質としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、Alexa Fluor(登録商標)などの蛍光色素、GFPなどの蛍光タンパク質などが挙げられる。放射性同位元素としては、125I、14C、32Pなどが挙げられる。好ましい実施形態では、標識物質は酵素であり、特に好ましくはアルカリホスファターゼ及びペルオキシダーゼである。
本明細書において、「シグナルを検出する」とは、シグナルの有無を定性的に検出すること、シグナル強度を定量すること、及び、シグナルの強度を半定量的に検出することを含む。半定量的な検出とは、シグナルの強度を、「シグナル発生せず」、「弱」、「中」、「強」などのように段階的に示すことをいう。本実施形態では、シグナルの強度を定量的に検出することが好ましい。
シグナルを検出する方法自体は、当該技術において公知である。本実施形態では、上記の標識物質に由来するシグナルの種類に応じた測定方法を適宜選択すればよい。例えば、標識物質が酵素である場合、該酵素に対する基質を反応させることによって発生する光、色などのシグナルを、分光光度計などの公知の装置を用いて測定することにより行うことができる。
酵素の基質は、該酵素の種類に応じて公知の基質から適宜選択できる。例えば、酵素としてアルカリホスファターゼを用いる場合、基質として、CDP-Star(登録商標)(4-クロロ-3-(メトキシスピロ[1, 2-ジオキセタン-3, 2'-(5'-クロロ)トリクシロ[3. 3. 1. 13, 7]デカン]-4-イル)フェニルリン酸2ナトリウム)、CSPD(登録商標)(3-(4-メトキシスピロ[1, 2-ジオキセタン-3, 2-(5'-クロロ)トリシクロ[3. 3. 1. 13, 7]デカン]-4-イル)フェニルリン酸2ナトリウム)などの化学発光基質、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸(BCIP)、5-ブロモ-6-クロロ−インドリルリン酸2ナトリウム、p-ニトロフェニルリン酸などの発色基質が挙げられる。また、酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合、基質としては、ルミノール及びその誘導体などの化学発光基質、2, 2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸アンモニウム)(ABTS)、1, 2-フェニレンジアミン(OPD)、3, 3', 5, 5'-テトラメチルベンジジン(TMB)などの発色基質が挙げられる。
標識物質が放射性同位体である場合は、シグナルとしての放射線を、シンチレーションカウンターなどの公知の装置を用いて測定できる。また、標識物質が蛍光物質である場合は、シグナルとしての蛍光を、蛍光マイクロプレートリーダーなどの公知の装置を用いて測定できる。なお、励起波長及び蛍光波長は、用いた蛍光物質の種類に応じて適宜決定できる。
測定において、抗体を捕捉するための固相を用いる場合、固相の種類は特に限定されない。例えば、抗体を物理的に吸着する材質の固相、抗体と特異的に結合する分子が固定化されている固相などが挙げられる。抗体と特異的に結合する分子としては、プロテインA又はG、該抗体を特異的に認識する抗体(すなわち二次抗体)などが挙げられる。また、抗体と固相との間を介在する物質の組み合わせを用いて、両者を結合させることもできる。そのような物質の組み合わせとしては、ビオチンとアビジン(又はストレプトアビジン)、グルタチオンとグルタチオン-S-トランスフェラーゼ、ハプテンと抗ハプテン抗体などの組み合わせが挙げられる。例えば、抗GPC3抗体をあらかじめビオチン修飾している場合、アビジン又はストレプトアビジンが固定化された固相によって該抗体を捕捉できる。
固相の素材としては、有機高分子化合物、無機化合物、生体高分子などから選択できる。有機高分子化合物としては、ラテックス、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレートなどが挙げられる。無機化合物としては、磁性体(酸化鉄、酸化クロム、コバルト及びフェライトなど)、シリカ、アルミナ、ガラスなどが挙げられる。生体高分子としては、不溶性アガロース、不溶性デキストラン、ゼラチン、セルロースなどが挙げられる。これらのうちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。固相の形状は特に限定されず、例えば、粒子、マイクロプレート、マイクロチューブ、試験管などが挙げられる。
免疫学的測定には、非特異反応抑制剤を用いることが好ましい。抗原抗体反応において非特異反応抑制剤が存在することにより、偽陽性の発生を抑えることができる。非特異反応抑制剤としては、測定に用いる抗体と、血液試料に含まれる目的抗原以外の物質(例えばHAMAなどの異好抗体など)との結合を阻害する物質であれば特に制限されない。例えば、マウス血清、ヒツジ血清、ヤギ血清、マウス抗体、ヒツジ抗体、ヤギ抗体などが挙げられる。市販の非特異反応抑制剤を用いてもよく、例えば、TRUBlock(Meridian Life Science社)、ASSAY DEVELOPMENT BLOCKING KIT(SCANTIBODIS LABORATOR社)、THBR2(株式会社特殊免疫研究所)などが挙げられる。
AFP及びPIVKA-IIは、腫瘍マーカーとして公知であり、肝細胞がんの診断補助にも利用されている。そのため、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれを測定するための試薬キットも市販されている。該試薬キットには、AFPに特異的に結合する抗体、及びPIVKA-IIに特異的に結合する抗体が含まれている。本実施形態では、そのような市販の試薬キットを用いて、血液試料におけるAFP濃度及び/又はPIVKA-II濃度を測定してもよい。
肝細胞がん患者の血液中には、GPC3のN末端フォーム(例えばGPC3のN末端側のアミノ酸配列の全部又は一部を含み、且つC末端側のアミノ酸配列を含まないペプチド)と、GPC3のC末端フォーム(例えばGPC3のC末端側のアミノ酸配列の全部又は一部を含み、且つN末端側のアミノ酸配列を含まないペプチド)と、N末端フォーム及びC末端フォームから構成される全長型フォームが混在すると考えられている。本実施形態では、GPC3の濃度として、いずれのフォームの濃度を測定してもよいが、GPC3の全長型フォームの濃度を測定することが好ましい。ここで、「GPC3のN末端側のアミノ酸配列」とは、全長GPC3タンパク質が、その全長アミノ酸配列における任意の1つの部位(好ましくは358番目のアミノ酸残基と359番目のアミノ酸残基との間)で切断されて生じる2つのフラグメントのうち、全長GPC3タンパク質のN末端側を構成するフラグメントのアミノ酸配列をいう。「GPC3のC末端側のアミノ酸配列」とは、上記の2つのフラグメントのうち、全長GPC3タンパク質のC末端側を構成するフラグメントのアミノ酸配列をいう。なお、GPC3の全長アミノ酸配列を配列番号1として示す。この配列自体は公知である。
本実施形態では、GPC3の濃度は、GPC3のN末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第1の抗体と、GPC3のC末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第2の抗体との両方が結合するGPC3ペプチドの濃度であってもよい。そのような2種の抗体の両方が結合するGPC3ペプチドは、GPC3の全長型フォームに相当する。本発明者らは、そのようなGPC3ペプチドが、肝細胞がんの再発リスクの予測に有用であることをこれまでに見出している。上記のGPC3ペプチドの測定には、第1の抗体と第2の抗体とを用いるサンドイッチELISA法が適している。
本実施形態では、第1の抗体は、GPC3の1〜358番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体が好ましく、GPC3の301〜358番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体がより好ましい。以下、これらのモノクローナル抗体を「第1モノクローナル抗体」ともいう。そのようなモノクローナル抗体を作製する方法自体は、当該技術において公知である。例えば、Kohler及びMilstein, Nature, vol.256, p.495-497, 1975に記載される方法に従い、GPC3の1〜358番目又は301〜358番目のアミノ酸配列からなるペプチドを用いて、第1モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製すればよい。
第2の抗体は、GPC3の359〜580番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体が好ましく、GPC3の543〜552番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体がより好ましい。以下、これらのモノクローナル抗体を「第2モノクローナル抗体」ともいう。第2モノクローナル抗体も、GPC3の359〜580番目又は543〜552番目のアミノ酸配列からなるペプチドを用いて免疫すること以外は、第1モノクローナル抗体と同様にして作製できる。
サンドイッチELISA法によりGPC3の濃度を測定する場合、第1モノクローナル抗体を、GPC3を捕捉するための抗体(捕捉用抗体)として用い、第2モノクローナル抗体を、GPC3を検出するための抗体(検出用抗体)として用いることが好ましい。
本実施形態において、第1モノクローナル抗体及び第2モノクローナル抗体の両方が結合するGPC3ペプチドは、GPC3の第1番目から第580番目のアミノ酸配列からなる全長タンパク質であってもよいし、GPC3の第301番目から第552番目のアミノ酸配列を含むペプチドでもあってもよい。
本実施形態の方法では、測定工程において測定したGPC3の濃度、並びにAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度と、GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれに対応する所定の閾値との比較結果に基づいて、患者の肝細胞がんの早期再発リスクを判定する。以下、GPC3に対応する所定の閾値を「第1の閾値」と呼び、AFPに対応する所定の閾値を「第2の閾値」と呼び、PIVKA-IIに対応する所定の閾値を「第3の閾値」と呼ぶ。
例えば、測定工程においてGPC3の濃度及びAFPの濃度を測定したときは、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つAFPの濃度が第2の閾値以上である場合に、患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定することができる。
測定工程においてGPC3の濃度及びPIVKA-IIの濃度を測定したときは、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つPIVKA-IIの濃度が第3の閾値以上である場合に、患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定することができる。
測定工程においてGPC3の濃度、AFPの濃度及びPIVKA-IIの濃度を測定したときは、GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、AFPの濃度が第2の閾値以上であり、且つPIVKA-IIの濃度が第3の閾値以上である場合に、患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定することができる。
一方、測定工程で測定したGPC3の濃度、並びにAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である場合、患者の肝細胞がんの早期再発リスクが低いと判定してもよい。ただし、早期再発リスクは低いとしても、上記の所定の期間よりも後に再発するリスクは否定できない。よって、測定工程で測定したGPC3の濃度、並びにAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である場合、患者は経過観察の必要があると判定してもよい。
さらなる実施形態では、上記の測定工程において測定したGPC3の濃度、並びにAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度と、GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれに対応する所定の閾値との比較結果に基づいて、肝細胞がん患者を、早期再発リスクの高さに応じた群に分類してもよい。具体的には、測定工程で測定したGPC3濃度が第1の閾値以上であり、且つ測定工程で測定したAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度が該マーカーに対応する所定の閾値以上である患者を「第1患者群」に分類する。また、測定工程で測定したGPC3の濃度、並びにAFP及びPIVKA-IIから選択される少なくとも1のマーカーの濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である患者を「第2患者群」に分類する。この実施形態において、第1患者群は、第2患者群よりも早期再発リスクが高い群である。
本実施形態では、上記の判定結果に基づいて、医師などは、肝細胞がん患者について早期再発リスクの予測を補助することが可能になる。
本実施形態では、所定の閾値は、特に限定されず、例えば、根治的治療後1年以内に肝細胞がんが再発した患者についてのデータの蓄積により経験的に設定してもよい。あるいは、次のようにして、所定の閾値を設定してもよい。まず、根治的治療が行われる前の複数の肝細胞がん患者から血液試料を採取し、GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度を測定する。これらの患者に根治的治療が行われた後、所定の期間(例えば1年間)、経過を観察する。所定の期間内に患者に肝細胞がんが再発した場合、該患者を早期再発群に分類し、血液試料の採取日及び/又は根治的治療を実施した日から再発が確認された日までの期間を算出する。所定の期間内に患者に肝細胞がんが再発しなかった場合、該患者を非早期再発群に分類する。そして、早期再発群のGPC3濃度と、非早期再発群のGPC3濃度とを最も精度よく区別可能な値を求め、その値を第1の閾値として設定する。AFP及びPIVKA-IIの濃度についても同様に処理して、第2の閾値及び第3の閾値を設定する。閾値の設定においては、感度、特異度、陽性適中率、陰性適中率などを考慮することが好ましく、それらの中でも特異度及び陰性適中率を考慮することがより好ましい。
上記の第1の抗体及び第2の抗体を用いる免疫学的測定法(例えばELISA法)によってGPC3を測定する場合、第1の閾値は、例えば1 pg/mL以上35 pg/mL以下、好ましくは2 pg/mL以上15 pg/mL以下の範囲から設定できる。特に好ましい第1の閾値は8.0 pg/mLである。免疫学的測定法(例えばELISA法)によってAFPを測定する場合、第2の閾値は、例えば3 ng/mL以上160 ng/mL以下、好ましくは4 ng/mL以上9 ng/mL以下の範囲から設定できる。特に好ましい第2の閾値は7.9 ng/mLである。免疫学的測定法(例えばELISA法)によってPIVKA-IIを測定する場合、第3の閾値は、例えば1 mAU/mL以上290 mAU/mL以下、好ましくは1 mAU/mL以上215 mAU/mL以下の範囲から設定できる。特に好ましい第3の閾値は102 mAU/mLである。
本発明には、肝細胞がんの治療方法が含まれる。この方法は、上述の判定工程によって「早期再発リスクが高い」と判定された患者に対して根治的治療を行う工程;及び、根治的治療後に肝細胞がんの再発リスクを低下させる薬剤を投与する工程を含む。根治的治療については、上述のとおりである。再発リスクを低下させる薬剤としては、公知の薬剤を用いるか、ワクチンなどの新たな薬剤を用いることができ、例えば、肝炎ウイルス陽性肝細胞がんの場合、インターフェロンなどの抗ウイルス薬などが挙げられる。
[2.早期再発リスクの判定装置及びコンピュータプログラム製品]
本発明には、肝細胞がんの早期再発リスクの判定装置(以下、単に「判定装置」ともいう)が含まれる。また、本発明には、肝細胞がんの早期再発リスクの判定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム製品も含まれる。なお、該コンピュータプログラム製品が備える媒体は、コンピュータプログラムが非一時的に記録され、且つ、コンピュータが読取可能な媒体であってもよい。
以下に、上記の本実施形態の方法を実施するのに好適な装置の一例を、図面を参照して説明する。しかし、本実施形態は、この例に示される形態のみに限定されない。図1を参照して、判定装置11は、測定装置22と、該測定装置22と接続されたコンピュータシステム33とを含んでいる。
本実施形態において、測定装置の種類は特に限定されず、GFP3、AFP及びPIVKA-IIの測定方法に応じて適宜選択できる。図1に示される例では、測定装置22は、標識抗体を用いるELISA法により生じる化学発光シグナルを検出可能なプレートリーダである。あるいは、捕捉用抗体を固定した磁性粒子及び酵素標識された検出用抗体を用いるサンドイッチELISA法により生じる化学発光シグナルを検出可能な市販の自動免疫測定装置であってもよい。プレートリーダ及び自動免疫測定装置は、用いた標識物質に基づくシグナルの検出が可能であれば特に限定されず、標識物質の種類に応じて適宜選択できる。
抗原抗体反応を行ったプレートを測定装置22にセットすると、測定装置22は、タンパク質マーカーと特異的に結合した標識抗体に基づく光学的情報として化学発光シグナルを取得し、得られた光学的情報をコンピュータシステム33に送信する。なお、測定装置22に取得される光学的情報には、濃度値の算出ための濃度既知の検体の情報も含まれている。
コンピュータシステム33は、コンピュータ本体33aと、入力部33bと、検体情報や判定結果などを表示する表示部33cとを含む。コンピュータシステム33は、測定装置22から光学的情報を受信する。そして、コンピュータシステム33のプロセッサは、光学的情報に基づいて、肝細胞がんの早期再発リスクの判定プログラムを実行する。
図2を参照して、コンピュータ本体33aは、CPU(Central Processing Unit)330と、ROM(Read Only Memory)331と、RAM(Random Access Memory)332と、ハードディスク333と、入出力インターフェイス334と、読出装置335と、通信インターフェイス336と、画像出力インターフェイス337とを備えている。CPU330、ROM331、RAM332、ハードディスク333、入出力インターフェイス334、読出装置335、通信インターフェイス336及び画像出力インターフェイス337は、バス338によってデータ通信可能に接続されている。
CPU330は、ROM331に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM332にロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。CPU330がアプリケーションプログラムを実行することにより、上述した各機能ブロックが実現される。これにより、コンピュータシステムが、患者の肝細胞がんの早期再発リスクに関する情報を提供するための判定装置としての端末として機能する。
ROM331は、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROMなどによって構成されている。ROM331には、CPU330によって実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータが記録されている。
RAM332は、SRAM、DRAMなどによって構成されている。RAM332は、ROM331及びハードディスク333に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。RAM332はまた、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU330の作業領域として利用される。
ハードディスク333は、CPU330に実行させるためのオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム(肝細胞がんの早期再発リスクの判定のためのコンピュータプログラム)などのコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。ハードディスク333には、GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれに対応する所定の閾値など、後述の判定フローに用いられるデータが記録されていてもよい。
読出装置335は、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブなどによって構成されている。読出装置335は、可搬型記録媒体340に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。
入出力インターフェイス334は、例えば、USB、IEEE1394、RS−232Cなどのシリアルインターフェイスと、SCSI、IDE、IEEE1284などのパラレルインターフェイスと、D/A変換器、A/D変換器などからなるアナログインターフェイスとから構成されている。入出力インターフェイス334には、キーボード、マウスなどの入力部33bが接続されている。操作者は、当該入力部33bを使用することにより、コンピュータ本体33aにデータを入力することが可能である。
通信インターフェイス336は、例えば、Ethernet(登録商標)インターフェイスなどである。コンピュータシステム33は、通信インターフェイス336により、プリンタへの印刷データの送信が可能である。測定装置22は、通信インターフェイス336により、コンピュータシステム33への測定データ(光学的情報)の送信が可能である。
画像出力インターフェイス337は、LCD、CRTなどで構成される表示部33cに接続されている。これにより、表示部33cは、CPU330から与えられた画像データに応じた映像信号を出力することができる。表示部33cは、入力された映像信号にしたがって画像(画面)を表示する。
図3を参照して、判定装置10により実行される、肝細胞がんの早期再発リスクの判定フローについて説明する。ここでは、GPC3及びAFPのそれぞれと特異的に結合した標識抗体に基づく光学的情報(化学発光シグナル)から、GPC3及びAFPの濃度値を取得し、取得した値を用いて判定を行なう場合を例として説明する。しかし、本実施形態は、この例のみに限定されない。この例では、後述のステップS102において、AFPに代えて、PIVKA-IIの濃度値を算出し、GPC3及びPIVKA-IIの濃度値を用いて判定を行ってもよい。
ステップS101において、判定装置11のCPU330は、測定装置22から光学的情報を取得する。ステップS102において、CPU330は、取得した光学的情報からGPC3及びAFPの濃度値を算出し、算出したGPC3及びAFPの濃度値をハードディスク333に記憶する。ステップS103において、CPU330は、算出したGPC3の濃度値と、ハードディスク333に記憶された第1の閾値とを比較する。ここで、GPC3の濃度値が第1の閾値よりも低くないとき(すなわち、GPC3の濃度値が第1の閾値以上であるとき)、処理はステップS104に進行する。ステップS104において、CPU330は、算出したAFPの濃度値と、ハードディスク333に記憶された第2の閾値とを比較する。ここで、AFPの濃度値が第2の閾値よりも低くないとき(すなわち、AFPの濃度値が第2の閾値以上であるとき)、処理はステップS105に進行する。ステップS105において、CPU330は、患者の肝細胞がんの早期再発リスクは高いとの判定結果をハードディスク333に記憶する。
一方、ステップS103において、GPC3の濃度値が第1の閾値よりも低いとき、処理はステップS106に進行する。また、ステップS104において、AFPの濃度値が第2の閾値よりも低いとき、処理はステップS106に進行する。ステップS106において、CPU330は、患者の肝細胞がんの早期再発リスクは低いとの判定結果をハードディスク313に記憶する。あるいは、患者は経過観察が必要との判定結果をハードディスク333に記憶する。ステップ107において、CPU330は、判定結果を出力し、表示部33cに表示させたり、プリンタに印刷させたりする。これにより、患者の肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する情報を医師などに提供することができる。なお、この例において、ステップS103及びステップS104の処理は、順序を入れ替えることができる。
この例では、ステップS104において、AFPの濃度値及び第2の閾値に代えて、PIVKA-IIの濃度値と、ハードディスク333に記憶された第3の閾値とを比較してもよい。この場合、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値よりも低くないとき(すなわち、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値以上であるとき)、処理はステップS105に進行する。あるいは、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値よりも低いとき、処理はステップS106に進行する。
図4を参照して、GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれと特異的に結合した標識抗体に基づく光学的情報(化学発光シグナル)から、GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度値を取得し、取得した値を用いて判定を行なう場合を例として説明する。
ステップS201において、判定装置11のCPU330は、測定装置22から光学的情報を取得する。ステップS202において、CPU330は、取得した光学的情報からGPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度値を算出し、算出したGPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度値をハードディスク333に記憶する。ステップS203において、CPU330は、算出したGPC3の濃度値と、ハードディスク333に記憶された第1の閾値とを比較する。ここで、GPC3の濃度値が第1の閾値よりも低くないとき(すなわち、GPC3の濃度値が第1の閾値以上であるとき)、処理はステップS204に進行する。ステップS204において、CPU330は、算出したAFPの濃度値と、ハードディスク333に記憶された第2の閾値とを比較する。ここで、AFPの濃度値が第2の閾値よりも低くないとき(すなわち、AFPの濃度値が第2の閾値以上であるとき)、処理はステップS205に進行する。ステップS205において、CPU330は、算出したPIVKA-IIの濃度値と、ハードディスク333に記憶された第3の閾値とを比較する。ここで、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値よりも低くないとき(すなわち、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値以上であるとき)、処理はステップS206に進行する。ステップS206において、CPU330は、患者の肝細胞がんの早期再発リスクは高いとの判定結果をハードディスク333に記憶する。
一方、ステップS203において、GPC3の濃度値が第1の閾値よりも低いとき、処理はステップS207に進行する。ステップS204において、AFPの濃度値が第2の閾値よりも低いとき、処理はステップS207に進行する。ステップS205において、PIVKA-IIの濃度値が第3の閾値よりも低いとき、処理はステップS207に進行する。ステップS207において、CPU330は、患者の肝細胞がんの早期再発リスクは低いとの判定結果をハードディスク333に記憶する。あるいは、患者は経過観察が必要との判定結果をハードディスク333に記憶する。ステップ208において、CPU330は、判定結果を出力し、表示部33cに表示させたり、プリンタに印刷させたりする。これにより、患者の肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する情報を医師などに提供することができる。なお、この例において、ステップS203、S204及びS205の処理は、順序を入れ替えることができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「HISCL」は、シスメックス株式会社の登録商標である。
比較例: AFP濃度に基づく早期再発リスクの予測
(1) 血液試料
肝細胞がん患者(38例)から血液を、肝切除術の前に採取した。採取した血液から常法により血清を調製して、血液試料とした。調製した血清は、使用するまで-80℃で凍結保存した。38例のうち27例は、術後4年以内に肝細胞がんの再発が確認され、特に15例は、術後1年以内に再発が確認された。残りの11例は、術後4年以上無再発であった。
(2) AFP濃度の測定
各血液試料におけるAFPの濃度を、アルファーフェトプロテインキットHISCL AFP試薬(シスメックス株式会社)を用いて測定した。具体的な操作は、該キットに添付のマニュアルに従った。測定は、全自動免疫測定装置HISCL-800(シスメックス株式会社)により行った。
(3) 再発時期の予測
Youden indexを用いた解析により、AFP濃度の閾値を7.9 ng/mL又は8.0 ng/mLに設定した。測定したAFP濃度が閾値以上であった検体を「陽性」に分類し、閾値未満であった検体を「陰性」に分類した。図5に、閾値を7.9 ng/mLに設定した場合の陽性群及び陰性群について、再発時期をプロットした結果を示す。また、陽性に分類された患者を「1年以内に再発した患者」と判定した場合の感度及び特異度を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006893635
図5及び表1に示されるように、マーカーとしてAFPのみを用いて1年以内の早期再発を判定した場合、感度は93.3%と十分に高かったが、特異度は50%以下であった。
実施例: GPC3、AFP及びPIVKA-IIの濃度に基づく早期再発リスクの予測
(1) 血液試料
血液試料として、比較例で調製した血清(38例)を用いた。
(2) マーカー濃度の測定
(2.1) GPC3濃度の測定
血液試料中の全長型GPC3の濃度を、GPC3のN末端領域と結合する市販のモノクローナル抗体(以下、第1モノクローナル抗体という)と、GPC3のC末端領域と結合する市販のモノクローナル抗体(以下、第2モノクローナル抗体という)とを用いるサンドイッチELISA法により測定した。なお、第1及び第2モノクローナル抗体のそれぞれが認識するエピトープ領域は、本発明者らの事前検討により明らかにされている。第1モノクローナル抗体のエピトープ領域は、GPC3の301から358番目のアミノ酸配列からなる領域であり、第2モノクローナル抗体のエピトープ領域は、GPC3の543から552番目のアミノ酸配列からなる領域である。測定の具体的な操作は、以下の(i)〜(iv)のとおりである。
(i) 捕捉用抗体の固相化
第1モノクローナル抗体を、終濃度2μg/mLとなるようにPBSで希釈した。MaxiSorp黒色96ウェルイムノプレート(ThermoScientifc社)の各ウェルに、第1モノクローナル抗体溶液を50μLずつ添加し、室温で1時間インキュベートした。抗体溶液を除去し、各ウェルを300μLのHISCL洗浄液(シスメックス株式会社)で9回洗浄した。各ウェルにブロッキングバッファー(150 mM NaCl、10 mg/mL BSA、5mg/mLカゼイン及び0.01%(w/v) NaN3を含むpH 7.4の緩衝液)を250μLずつ添加して、室温で2時間インキュベートした。ブロッキングバッファーを除去し、各ウェルを300μLのHISCL洗浄液(シスメックス株式会社)で9回洗浄した。
(ii) 検出用抗体の酵素標識
第2モノクローナル抗体を、Alkaline Phosphatase Labeling Kit-SH(同仁化学研究所)を用いてアルカリホスファターゼ(ALP)標識した。標識の具体的な操作は、キットに添付のマニュアルに従った。標識した第2モノクローナル抗体を、終濃度0.1μg/mLとなるように、HISCL用非特異反応抑制剤(シスメックス株式会社)を添加したブロッキングバッファー(以下、希釈バッファーという)で希釈した。
(iii) 測定試料及標準試料の調製
血液試料を希釈バッファーで2倍に希釈して、測定試料を調製した。また、検量線作成のために、リコンビナント全長型GPC3(R&D systems社)をブロッキングバッファーで段階希釈して、終濃度15〜20,000 pg/mLの標準試料を調製した。
(iv) サンドイッチELISA
第1モノクローナル抗体を固相化した96ウェルプレートの各ウェルに、測定試料を50μLずつ添加して、室温で1時間インキュベートした。測定試料を除去し、各ウェルを300μLのHISCL洗浄液(シスメックス株式会社)で9回洗浄した。各ウェルに、ALP標識した第2モノクローナル抗体の溶液を50μLずつ添加して、室温で1時間インキュベートした。抗体溶液を除去し、各ウェルを300μLのHISCL洗浄液(シスメックス株式会社)で9回洗浄した。各ウェルにHISCL発光基質セット(シスメックス株式会社)を100μLずつ添加し、室温・暗所にて30分間インキュベートした。96ウェルプレートをプレートリーダInfinite F200 PRO(TECAN社)にセットし、発光強度を測定した。標準試料についても同様に測定し、4パラメーターロジスティック回帰法を用いて検量線を作成した。この検量線を用いて、発光強度からGPC3濃度を定量した。
(2.2) AFP濃度及びPIVKA-II濃度の測定
各血液試料におけるAFPの濃度を、比較例と同じキットを用いて測定した。各血液試料におけるPIVKA-IIの濃度を、PIVKA-IIキットHISCL PIVKA-II試薬(エーディア株式会社)を用いて測定した。具体的な操作は、試薬キットに添付のマニュアルに従った。いずれの測定も全自動免疫測定装置HISCL-800(シスメックス株式会社)により行った。
(3) 再発時期の予測
Youden indexを用いた解析により、GPC3濃度の閾値を8.0 pg/mLに設定し、AFP濃度の閾値を7.9 ng/mLに設定し、PIVKA-II濃度の閾値を102 mAU/mLに設定した。各マーカーの組み合わせに応じて、検体を陽性又は陰性に分類して、それぞれの再発時期をプロットした結果を図6〜8に示す。図6では、GPC3濃度が閾値以上であり且つAFP濃度が閾値以上であった検体を「陽性」に分類し、それ以外の検体を「陰性」に分類した。図7では、GPC3濃度が閾値以上であり且つPIVKA-II濃度が閾値以上であった検体を「陽性」に分類し、それ以外の検体を「陰性」に分類した。図8では、GPC3濃度が閾値以上であり、AFP濃度が閾値以上であり且つPIVKA-II濃度が閾値以上であった検体を「陽性」に分類し、それ以外の検体を「陰性」に分類した。各マーカーの組み合わせに応じて陽性に分類された患者を「1年以内に再発した患者」と判定した場合の感度及び特異度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006893635
図6及び表2に示されるように、GPC3及びAFPの濃度に基づいて再発時期を判定することにより、AFP単独に基づく判定(比較例)よりも特異度が改善した。図7及び表2に示されるように、GPC3及びPIVKA-IIの濃度に基づく再発時期の判定は、感度及び特異度がいずれも高かった。図8及び表2に示されるように、GPC3、AFP及びPIVKA-IIの3つのマーカーの濃度に基づいて再発時期を判定することにより、GPC3及びPIVKA-IIの濃度に基づく判定より、さらに特異度が向上した。これらのことから、GPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIの少なくとも1つの濃度とに基づいて、早期再発リスクを高精度に予測できることが示された。
図6〜8を参照すると、陽性に分類した患者群には、術後6ヶ月以内に再発した患者が含まれている。そこで、陽性に分類した患者を「6ヶ月以内に再発した患者」と判定した場合の感度及び特異度を上記と同様にして算出した。結果を表3に示す。
Figure 0006893635
表3に示されるように、GPC3の濃度と、AFP及びPIVKA-IIの少なくとも1つの濃度に基づいて、術後6ヶ月以内の再発リスクを予測できることが示された。特に、GPC3、AFP及びPIVKA-IIの3つのマーカーの濃度を用いることで、より高い特異度で術後6ヶ月以内の再発リスクを予測できることが示された。
GPC3、AFP及びPIVKA-IIのそれぞれに対応する閾値について、各患者を「1年以内に再発した患者」として判定した際の陰性適中率が70%以上又は80%以上となるような閾値を解析した。その結果、GPC3については、1 pg/mL〜35 pg/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が70%以上となり、特に2 pg/mL〜15 pg/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が80%となった。また、AFPについては、3 ng/mL〜160 ng/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が70%以上となり、特に4 ng/mL〜9 ng/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が80%となった。さらに、PIVKA-IIについては、1 mAU/mL〜290 mAU/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が70%以上となり、特に1 mAU/mL〜215 mAU/mLの間に閾値を設定すれば陰性適中率が80%となった。
11 肝細胞がんの早期再発リスクの判定装置
22 測定装置
33 コンピュータシステム
33a コンピュータ本体
33b 入力部
33c 表示部

Claims (14)

  1. 肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3(Glypican-3)の濃度と、AFP(α-fetoprotein)及びPIVKA-II(protein induced by vitamin-K absence or antagonist II)から選択される少なくとも1のマーカーの濃度とを測定する工程を含み
    前記GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ前記マーカーの濃度が前記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いことを示唆し、
    前記GPC3の濃度が、GPC3のN末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第1の抗体と、GPC3のC末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第2の抗体との両方が結合するGPC3ペプチドの濃度であり、
    前記肝細胞がんの早期再発リスクが、前記肝細胞がん患者から血液試料を採取した後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性であり、前記所定の期間が1年以下の期間である
    肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法。
  2. 前記測定工程において、GPC3の濃度と、AFPの濃度と、PIVKA-IIの濃度とを測定し、
    記GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、前記AFPの濃度が第2の閾値以上であり、且つ前記PIVKAIIの濃度が第3の閾値以上である場合、前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いことを示唆する
    請求項1に記載の方法。
  3. 記測定工程で測定した濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である場合、前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが低いことを示唆する請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の抗体が、GPC3の1〜358番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1の抗体が、GPC3の301〜358番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体である請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2の抗体が、GPC3の359〜580番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体である請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第2の抗体が、GPC3の543〜552番目のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合するモノクローナル抗体である請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記GPC3ペプチドが、GPC3の第301番目から第552番目のアミノ酸配列を含む請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. GPC3に対応する所定の閾値である第1の閾値が、1 pg/mL以上35 pg/mL以下の範囲から設定される請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. AFPに対応する所定の閾値である第2の閾値が、3 ng/mL以上160 ng/mL以下の範囲から設定される請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. PIVKAIIに対応する所定の閾値である第3の閾値が、1 mAU/mL以上290 mAU/mL以下の範囲から設定される請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3(Glypican-3)の濃度と、AFP(α-fetoprotein)及びPIVKA-II(protein induced by vitamin-K absence or antagonist II)から選択される少なくとも1のマーカーの濃度とを測定する工程と、
    前記GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ前記マーカーの濃度が前記マーカーに対応する所定の閾値以上である患者を第1患者群に分類し、前記GPC3の濃度及び前記マーカーの濃度のうち、少なくとも1の濃度が所定の閾値未満である患者を第2患者群に分類する工程と
    を含み、
    前記第1患者群は、前記第2患者群よりも早期再発リスクが高い群であ
    前記GPC3の濃度が、GPC3のN末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第1の抗体と、GPC3のC末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第2の抗体との両方が結合するGPC3ペプチドの濃度であり、
    前記肝細胞がんの早期再発リスクが、前記肝細胞がん患者から血液試料を採取した後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性であり、前記所定の期間が1年以下の期間である、
    肝細胞がんの早期再発リスクの予測を補助する方法。
  13. プロセッサ及び前記プロセッサの制御下にあるメモリを含むコンピュータを備え、前記メモリには、下記のステップ:
    肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3(Glypican-3)の濃度と、AFP(α-fetoprotein)及びPIVKA-II(protein induced by vitamin-K absence or antagonist II)から選択される少なくとも1のマーカーの濃度の測定結果を取得するステップと、
    前記GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ前記マーカーの濃度が前記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定するステップと、
    前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクの判定結果を出力するステップと
    を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが記録され、
    前記GPC3の濃度が、GPC3のN末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第1の抗体と、GPC3のC末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第2の抗体との両方が結合するGPC3ペプチドの濃度であり、
    前記肝細胞がんの早期再発リスクが、前記肝細胞がん患者から血液試料を採取した後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性であり、前記所定の期間が1年以下の期間である、
    肝細胞がんの早期再発リスクの判定装置。
  14. コンピュータが読み取り可能な媒体に記録されているコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムが、下記のステップ:
    肝細胞がん患者の血液試料におけるGPC3(Glypican-3)の濃度と、AFP(α-fetoprotein)及びPIVKA-II(protein induced by vitamin-K absence or antagonist II)から選択される少なくとも1のマーカーの濃度の測定結果を取得するステップと、
    前記GPC3の濃度が第1の閾値以上であり、且つ前記マーカーの濃度が前記マーカーに対応する所定の閾値以上である場合、前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクが高いと判定するステップと、
    前記患者の肝細胞がんの早期再発リスクの判定結果を出力するステップと
    を前記コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであ
    前記GPC3の濃度が、GPC3のN末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第1の抗体と、GPC3のC末端側のアミノ酸配列からなるペプチドと特異的に結合する第2の抗体との両方が結合するGPC3ペプチドの濃度であり、
    前記肝細胞がんの早期再発リスクが、前記肝細胞がん患者から血液試料を採取した後、所定の期間内に肝細胞がんが再発する可能性であり、前記所定の期間が1年以下の期間である、
    肝細胞がんの早期再発リスクの判定をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
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