JP6890436B2 - ハイブリッド空調システム、及びその制御方法 - Google Patents
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Description
GHPは、運転の際にエンジンの排熱が発生するため、例えば、室外熱交換器に着霜するほど外気温度が低い場合等には、当該排熱を用いる等して除霜運転ができるため、低温立ち上がり性が高い。また、駆動源としてエンジンを用いるためEHPに比して節電性が高いというメリットがある。一方で、低負荷における運転効率が低く、低負荷での省エネ性は高いとは言えない。
EHPは、低負荷での運転効率がGHPに比べ高く、低負荷での省エネ性に優れている。一方で、運転の際に排熱がほとんど発生しないため、GHPの如く低温時における除霜運転を行うことができず、低温立ち上り性は高いとは言えない。また、電動機を駆動源とし、運転に際して電力を消費することから、GHPに比べ節電性が高いとも言えない。
当該運転制御マップでは、例えば、図2に示すように、低負荷において省エネ性が高いEHPの運転容量比率を高くすると共に、負荷率が高くなるに従って、節電性や総合効率の高いGHPの運転容量比率を高くする設定となっている。
また、図示は省略するが、例えば、上述の如く、外気温度が室外熱交換器に着霜する程度に低い場合等には、運転制御部は、例外的に、上述の運転制御マップに従わずに、GHPのみを運転させ、GHPの排熱を用いる等して除霜運転を実行する場合もある。
ここで、EHP及びGHPは、起動処理を開始してから、所望の出力を発揮するまでに一定の時間を要するため、従来のハイブリッド式の空気調和装置にあっては、図5に示すように、GHPとEHPとの双方が停止する時間帯(図5で、T1で示す時間帯)が発生し、当該時間帯及びその時間帯から連続する一定期間(図5で、T2で示す時間帯)にあっては、室内熱交換器からの空調用空気の吹出温度が目標温度から乖離する(例えば、冷房運転時の場合には吹出温度が目標温度よりも高くなり、暖房運転時の場合には吹出温度が目標温度よりも低くなる)こととなり、使用者の使用感を損ねる虞があった。
更には、空調用空気の吹出温度の目標温度から乖離する場合、運転制御部は、その後の運転制御において、吹出温度が目標温度となるようGHP或いはEHPの空調出力を増加させるため、不要なエネルギを消費することとなり、省エネ性の観点から改善の余地があった。
冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムであって、その特徴構成は、
前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始し、且つ、
前記運転制御部は、前記起動処理の開始時点から所定待機時間が経過した後に前記停止処理を開始するものであり、且つ、
前記EHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記GHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのGHP待機時間を、前記GHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記EHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのEHP待機時間よりも短く設定する点にある。
冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムの制御方法において、
前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始し、且つ、
前記起動処理の開始時点から所定待機時間が経過した後に前記停止処理を開始するものであり、且つ、
前記EHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記GHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのGHP待機時間を、前記GHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記EHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのEHP待機時間よりも短く設定する点にある。
更に、空調用空気の吹出温度の目標温度からの乖離を抑制できるため、それに伴いGHP室外機ユニット又はEHP室外機ユニットの空調出力を従来技術の如く増加させる必要がなくなり、省エネ性を高めることができる。
更に、通常、EHP室外機ユニットの起動処理では、エンジン冷却水を圧送する冷却水ポンプの回転数の確認や、エンジン冷却水の温度の確認等に伴う処理が必要ないため、それらの実行に伴う時間分だけ、EHP室外機ユニットの起動時間が、GHP室外機ユニットの起動時間に比べ短くなる。
上記特徴構成によれば、EHP室外機ユニットの起動処理が開始した後にGHP室外機ユニットの停止処理を開始するまでの所定待機時間としてのGHP待機時間を、GHP室外機ユニットの起動処理が開始した後にEHP室外機ユニットの停止処理を開始するまでの所定待機時間としてのEHP待機時間よりも短く設定することで、GHP待機時間が不必要に長くなることを避けることができる。
即ち、上記特徴構成によれば、GHP待機時間とEHP待機時間との夫々を、GHP室外機ユニット及びEHP室外機ユニット夫々の実際の運転形態に合わせた状態で設定するから、GHP室外機ユニット及びEHP室外機ユニットの双方が停止状態となる時間が発生することを防止できると共に、不必要にGHP室外機ユニット及びEHP室外機ユニットの双方が起動状態となる時間が発生することが防止できる。結果、GHP室外機ユニットの起動処理が開始した後にEHP室外機ユニットの停止処理をする場合と、EHP室外機ユニットの起動処理が開始した後にGHP室外機ユニットの停止処理をする場合との何れの場合でも、室内熱交換器からの空調用空気の吹出温度と目標温度との乖離を低減できる。
以上より、空調負荷率の変動によるGHP室外機ユニットとEHP室外機ユニットの切り換え時において、快適性が低下することを防止すると共に、省エネ性を高め得るハイブリッド空調システム、及びその制御方法を実現できる。
冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムであって、その特徴構成は、
前記空調負荷率の過去の経時的な変動履歴を記憶する記憶部を備え、
前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始するものであり、
前記記憶部に記憶される前記空調負荷率の前記変動履歴に基づいて、前記運転制御部が前記運転容量比率の変更に伴って前記起動処理を実行し且つ前記停止処理を実行するときの前記起動処理の開始予測時点を予測する起動処理開始時点予測部を備え、
前記起動処理は、前記GHP室外機ユニット又は前記EHP室外機ユニットの予備動作を実行する予備動作処理を最初に実行するものであり、
前記運転制御部は、前記起動処理開始時点予測部にて予測された前記起動処理の前記開始予測時点よりも前に、前記起動処理にて起動される前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の前記予備動作処理を少なくとも完了させる点にある。
更に、空調用空気の吹出温度の目標温度からの乖離を抑制できるため、それに伴いGHP室外機ユニット又はEHP室外機ユニットの空調出力を従来技術の如く増加させる必要がなくなり、省エネ性を高めることができる。
以上より、空調負荷率の変動によるGHP室外機ユニットとEHP室外機ユニットの切り換え時において、快適性が低下することを防止すると共に、省エネ性を高め得るハイブリッド空調システム、及びその制御方法を実現できる。
更に、上記特徴構成によれば、起動処理開始時点予測部による起動処理の開始予測時点の予測が適切である場合、GHP室外機ユニット及びEHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理が実行される前に、起動処理に伴う処理である予備動作処理が完了することになるから、GHP室外機ユニットとEHP室外機ユニットとの双方が停止状態(出力が零の状態)となる時間を従来に比べて短くでき、室内熱交換器からの空調用空気の吹出温度の目標温度からの乖離を抑制でき、快適性が低下することを防止できる。
前記運転制御部は、前記起動処理開始時点予測部にて予測された前記起動処理の前記開始予測時点よりも前に、前記起動処理にて起動される前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の前記起動処理を完了させることが好ましい。
前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って前記起動処理を実行し且つ前記停止処理を実行する場合、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの少なくとも何れか一方の運転容量が零より大きい状態が維持されるように、前記停止処理を開始することが好ましい。
前記GHP室外機ユニットの前記起動処理は、少なくとも、
前記エンジンのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプの起動と、前記GHP室外熱交換器に設けられる室外機ファンの起動とを含む初期起動処理と、
前記冷却水ポンプの回転数の確認、前記エンジン冷却水の温度の確認、及び前記冷媒循環路を循環する冷媒の圧力の確認を含む確認処理と、
前記エンジンへ燃料を供給する燃料供給路を開閉する電磁弁を開動作して、前記エンジンを点火駆動する点火駆動処理とを含むものであり、
前記EHP待機時間は、少なくとも前記初期起動処理と前記確認処理と前記点火駆動処理とにかかる時間に基づいて決定されることが好ましい。
前記起動処理にて前記GHP室外機ユニットが起動される場合、
前記予備動作処理は、少なくとも、
前記エンジンのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプの起動と、前記GHP室外熱交換器に設けられる室外機ファンの起動とを含む初期起動処理と、
前記冷却水ポンプの回転数の確認、前記エンジン冷却水の温度の確認、及び前記冷媒循環路を循環する冷媒の圧力の確認を含む確認処理とを含む処理であることが好ましい。
以下、図面に基づいて説明する。
第1実施形態に係るハイブリッド空調システム100は、図1に示すように、電気事業者Pから電力の供給を受ける空気調和装置20と、その運転を制御する運転制御部としての制御装置Sとを備えている。
GHP室外機ユニット30は、冷媒循環路Cに設けられエンジンEを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機35と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器36とを有し、GHP制御部31にてその運転が制御される。
尚、図示は省略するが、エンジンEは、燃料ガスを供給する燃料供給路を開閉する電磁弁と、冷却水循環路と、当該冷却水循環路にエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプと、冷却水循環路を循環するエンジン冷却水の温度(例えば、エンジンジャケット出口の温度)を計測する温度計とを備えて構成されており、GHP室外機ユニット30内の冷媒循環路Cには、循環する冷媒の圧力(例えば、エンジン駆動式圧縮機35の出口の圧力)を計測する圧力計が備えられている。
尚、図示は省略するが、EHP室外機ユニット40内の冷媒循環路Cには、循環する冷媒の電気駆動式圧縮機45の出口の圧力を計測する圧力計が備えられている。
同様に、室内機ユニット60bは、冷媒循環路Cに設けられ、冷媒を減圧する膨張弁23と、冷媒と施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器24とを有する。
当該運転制御マップは、例えば、図2に示すように、低負荷率においては、省エネ性が高いEHP室外機ユニット40の運転容量比率を高くする(図2で、空調負荷率が20%以下の低負荷率においては、100%EHPで負荷を賄っている)と共に、負荷率が高くなるに従って、節電性や総合効率の高いGHP室外機ユニット30の運転容量比率を高くする設定となっている。
以下、図2に示す運転制御マップを例として、説明する。
ここで、GHP室外機ユニット30及びEHP室外機ユニット40は、起動処理を開始してから、所望の出力を発揮するまでに一定の時間を要するため、GHP室外機ユニット30及びEHP室外機ユニット40の双方が停止する時間帯が比較的長くなる虞があり、当該時間帯にあっては、室内熱交換器22、24からの空調用空気の吹出温度が目標温度から乖離する。
例えば、制御装置Sが、図2に示す運転制御マップに従って、図3に示すように、空調負荷率が20%から30%へ変更され、更にその後、空調負荷率が30%から20%へ変更される場合を考える。
このとき、制御装置Sは、図3に示すように、空調負荷率の20%から30%への変更に伴って、GHP室外機ユニット30の起動処理及びEHP室外機ユニット40の停止処理を実行する場合、GHP室外機ユニット30の起動処理の開始時点(図3でtaで示す時点)より後に、EHP室外機ユニット40の停止処理を開始(図3でtbで示す時点に開始)する。
更に、その後、制御装置Sは、空調負荷率の30%から20%への変更に伴って、EHP室外機ユニット40の起動処理及びGHP室外機ユニット30の停止処理を実行する場合、EHP室外機ユニット40の起動処理の開始時点(図3でtcで示す時点)より後に、GHP室外機ユニット30の停止処理を開始(図3でtdで示す時点に開始)する。
そこで、GHP室外機ユニット30の起動処理の開始時点(図3でtaで示す時点)からEHP室外機ユニット40の停止処理の開始時点(図3でtbで示す時点)までの間のEHP待機時間(所定待機時間の一例:図3でT3)、及びEHP室外機ユニット40の起動処理の開始時点(図3でtcで示す時点)からGHP室外機ユニット30の停止処理の開始時点(図3でtdで示す時点)までの間のGHP待機時間(所定待機時間の一例:図3でT4)につき、説明を追加する。
GHP室外機ユニット30の起動処理は、エンジンEのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプ(図示せず)の起動、GHP室外熱交換器36に設けられる室外機ファンの起動、及びGHP室外機ユニットに設けられる第1四方弁34(弁体の一例)の位置だしを含む初期起動処理と、冷却水ポンプの回転数の確認、冷却水循環路でエンジンEのジャケットの出口の温度計にて計測されるエンジン冷却水の温度の確認、及び冷媒循環路Cでエンジン駆動式圧縮機35の出口の圧力計にて計測される冷媒圧力の確認とを含む確認処理と、エンジンEへ燃料ガスを供給する燃料供給路(図示せず)を開閉する電磁弁(図示せず)を開動作して、エンジンEを点火駆動する点火駆動処理とを含むものである。
そこで、EHP待機時間(所定待機時間の一例:図3でT3)は、少なくとも初期起動処理と確認処理と点火駆動処理とにかかる時間に基づいて決定され、制御装置Sは、図示しない記憶部に予め記憶するEHP待機時間に基づいて、起動処理及び停止処理を実行する。
尚、EHP待機時間は、GHP室外機ユニット30の出力が発揮された時点(出力が零を超えた時点)以降に、EHP室外機ユニット40の停止処理を開始する観点からは、初期起動処理と確認処理と点火駆動処理とにかかる時間よりも長く設定されることが好ましい。
そこで、GHP待機時間(所定待機時間の一例:図3でT4)は、少なくとも初期起動処理と確認処理と駆動開始処理とにかかる時間に基づいて決定され、制御装置Sは、図示しない記憶部に予め記憶するGHP待機時間に基づいて、起動処理及び停止処理を実行する。
尚、GHP待機時間は、EHP室外機ユニット40の出力が発揮された時点(出力が零を超えた時点)以降に、GHP室外機ユニット30の停止処理を開始する観点からは、初期起動処理と確認処理と駆動開始処理とにかかる時間よりも長く設定されることが好ましい。
そこで、当該実施形態に係る記憶部は、GHP待機時間(図3でT4)をEHP待機時間(図3でT3)よりも短く設定する形態で、GHP待機時間及びEHP待機時間の双方を記憶している。
より好ましくは、記憶部は、GHP待機時間をEHP待機時間よりも、上記エンジン冷却水に関連する処理にかかる時間以上短く設定する形態で、GHP待機時間及びEHP待機時間の双方を記憶している。
上記第1実施形態にあっては、制御装置Sが、運転制御マップに基づいてGHP室外機ユニット30及びEHP室外機ユニット40の運転容量比率の変更に伴って、GHP室外機ユニット30及びEHP室外機ユニット40の何れか一方の起動処理と、GHP室外機ユニット30及びEHP室外機ユニット40の何れか他方の停止処理とを実行する場合に、起動処理の開始時点より後に停止処理を開始する例を示した。
当該第2実施形態にあっては、制御装置Sは、空調負荷率の過去の経時的な変動履歴に基づいて、起動処理及び停止処理を実行するものである。更に、当該第2実施形態にあっては、起動処理は、GHP室外機ユニット30又はEHP室外機ユニット40の予備動作を実行する予備動作処理を最初に実行するものである。
尚、当該第2実施形態に係るハイブリッド空調システム100は、基本的な構成については、上述した第1実施形態に係るハイブリッド空調システム100と同一であるので、以下では、同一の構成については説明を割愛し、第1実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
そこで、記憶部は、所定期間を単位として、空調負荷率の過去の経時的な変動履歴を記憶し、起動処理開始時点予測部は、当該記憶部に記憶される空調負荷率の過去の経時的な変動履歴に基づいて、運転制御部が運転容量比率の変更に伴って起動処理を実行し且つ停止処理を実行するときの起動処理の開始予測時点を予測する。
ここで、起動処理開始時点予測部は、例えば、複数の所定期間に亘る空調負荷率の過去の経時的な変動履歴から起動処理の開始予測時点を予測しても構わない。
具体的には、起動処理開始時点予測部は、カレンダーに照らし合わせて曜日を判別し、休日の空調負荷率の推移、平日の空調負荷率の推移を、空調負荷率の過去の経時的な変動履歴として、当日の空調負荷率の推移を予測し、それに基づいて、起動処理の開始予測時点を予測しても構わない。
また、起動処理開始時点予測部は、昨年の同時期の空調負荷率の推移を、空調負荷率の過去の経時的な変動履歴として、当日の空調負荷率の推移を予測し、それに基づいて、起動処理の開始予測時点を予測しても構わない。
更に、起動処理開始時点予測部は、外気温度の変動に基づいて、当日の空調負荷率の予測値を補正する制御を採用しても構わない。
より好ましくは、運転制御部は、起動処理開始時点予測部にて予測された起動処理の開始予測時点よりも前に、起動処理にて起動されるGHP室外機ユニット30又はEHP室外機ユニット40の起動処理を完了させる。
GHP室外機ユニット30の起動処理を実行する場合、上述した予備動作処理は、少なくとも、初期起動処理を含むものである。尚、初期起動処理に加えて確認処理も含むものとしても構わない。
EHP室外機ユニット40の起動処理を実行する場合、上述した予備動作処理は、少なくとも、初期起動処理を含むものである。尚、初期起動処理に加えて確認処理も含むものとしても構わない。
(1)上記実施形態にあっては、GHP室外機ユニット30の起動処理は、エンジンEのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプ(図示せず)の起動、GHP室外熱交換器36に設けられる室外機ファンの起動、及びGHP室外機ユニットに設けられる第1四方弁34(弁体の一例)の位置だしを含む初期起動処理と、冷却水ポンプの回転数の確認、冷却水循環路でエンジンEのジャケットの出口の温度計にて計測されるエンジン冷却水の温度の確認、及び冷媒循環路Cでエンジン駆動式圧縮機35の出口の圧力計にて計測される冷媒圧力の確認とを含む確認処理と、エンジンEへ燃料ガスを供給する燃料供給路(図示せず)を開閉する電磁弁(図示せず)を開動作して、エンジンEを点火駆動する点火駆動処理とを含むものである例を示した。
しかしながら、暖房運転又は冷房運転が維持される場合で、第2四方弁44の位置だしを行う必要がない場合、初期起動処理において、第2四方弁44の位置だしを省略しても構わない。
しかしながら、暖房運転又は冷房運転が維持される場合で、第2四方弁44の位置だしを行う必要がない場合、初期起動処理を省略しても構わない。
21 :膨張弁
22 :室内熱交換器
23 :膨張弁
24 :室内熱交換器
30 :GHP室外機ユニット
34 :第1四方弁
35 :エンジン駆動式圧縮機
36 :GHP室外熱交換器
40 :EHP室外機ユニット
44 :第2四方弁
45 :電気駆動式圧縮機
46 :EHP室外熱交換器
60a :室内機ユニット
60b :室内機ユニット
100 :ハイブリッド空調システム
C :冷媒循環路
E :エンジン
M :モータ
S :制御装置
Claims (7)
- 冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムにおいて、
前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始し、且つ、
前記運転制御部は、前記起動処理の開始時点から所定待機時間が経過した後に前記停止処理を開始するものであり、且つ、
前記EHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記GHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのGHP待機時間を、前記GHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記EHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのEHP待機時間よりも短く設定するハイブリッド空調システム。 - 前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って前記起動処理を実行し且つ前記停止処理を実行する場合、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの少なくとも何れか一方の運転容量が零より大きい状態が維持されるように、前記停止処理を開始する請求項1に記載のハイブリッド空調システム。
- 前記GHP室外機ユニットの前記起動処理は、少なくとも、
前記エンジンのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプの起動と、前記GHP室外熱交換器に設けられる室外機ファンの起動とを含む初期起動処理と、
前記冷却水ポンプの回転数の確認、前記エンジン冷却水の温度の確認、及び前記冷媒循環路を循環する冷媒の圧力の確認を含む確認処理と、
前記エンジンへ燃料を供給する燃料供給路を開閉する電磁弁を開動作して、前記エンジンを点火駆動する点火駆動処理とを含むものであり、
前記EHP待機時間は、少なくとも前記初期起動処理と前記確認処理と前記点火駆動処理とにかかる時間に基づいて決定される請求項1に記載のハイブリッド空調システム。 - 冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムの制御方法において、
前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始し、且つ、
前記起動処理の開始時点から所定待機時間が経過した後に前記停止処理を開始するものであり、且つ、
前記EHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記GHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのGHP待機時間を、前記GHP室外機ユニットの前記起動処理の開始時点から前記EHP室外機ユニットの前記停止処理の開始時点までの前記所定待機時間としてのEHP待機時間よりも短く設定するハイブリッド空調システムの制御方法。 - 冷媒が循環する冷媒循環路と、当該冷媒循環路にて冷媒を減圧する膨張弁と、
前記冷媒循環路に設けられ、エンジンを駆動源として冷媒を圧縮するエンジン駆動式圧縮機と、冷媒と施設の外の空気とを熱交換させるGHP室外熱交換器とを有するGHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、電動機を駆動源として冷媒を圧縮する電気駆動式圧縮機と、冷媒と前記施設の外の空気とを熱交換させるEHP室外熱交換器とを有するEHP室外機ユニットと、
前記冷媒循環路に設けられ、冷媒と前記施設の室内の空気とを熱交換させる室内熱交換器とを有する室内機ユニットとを空気調和装置として備え、
前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの運転容量比率が空調負荷率に応じて規定される運転制御マップに基づいて、前記GHP室外機ユニットと前記EHP室外機ユニットとの前記運転容量比率を制御する運転制御を実行する運転制御部とを備えたハイブリッド空調システムにおいて、
前記空調負荷率の過去の経時的な変動履歴を記憶する記憶部を備え、
前記運転制御部は、前記運転容量比率の変更に伴って、前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の起動処理を実行し、且つ前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか他方の停止処理を実行する場合、前記起動処理の開始時点より後に前記停止処理を開始するものであり、
前記記憶部に記憶される前記空調負荷率の前記変動履歴に基づいて、前記運転制御部が前記運転容量比率の変更に伴って前記起動処理を実行し且つ前記停止処理を実行するときの前記起動処理の開始予測時点を予測する起動処理開始時点予測部を備え、
前記起動処理は、前記GHP室外機ユニット又は前記EHP室外機ユニットの予備動作を実行する予備動作処理を最初に実行するものであり、
前記運転制御部は、前記起動処理開始時点予測部にて予測された前記起動処理の前記開始予測時点よりも前に、前記起動処理にて起動される前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の前記予備動作処理を少なくとも完了させるハイブリッド空調システム。 - 前記運転制御部は、前記起動処理開始時点予測部にて予測された前記起動処理の前記開始予測時点よりも前に、前記起動処理にて起動される前記GHP室外機ユニット及び前記EHP室外機ユニットの何れか一方の前記起動処理を完了させる請求項5に記載のハイブリッド空調システム。
- 前記起動処理にて前記GHP室外機ユニットが起動される場合、
前記予備動作処理は、少なくとも、
前記エンジンのエンジン冷却水を循環する冷却水ポンプの起動と、前記GHP室外熱交換器に設けられる室外機ファンの起動とを含む初期起動処理と、
前記冷却水ポンプの回転数の確認、前記エンジン冷却水の温度の確認、及び前記冷媒循環路を循環する冷媒の圧力の確認を含む確認処理とを含む処理である請求項5又は6に記載のハイブリッド空調システム。
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