特許文献1に記載されたシステムでは、車両の近くに目標対象が多数存在する場合、運転支援システムから運転者に対して頻繁に報知が行われることになる。これらの報知の中には、運転者が既に十分認識している目標対象に関するものや、誤報も含まれている可能性がある。このような報知が繰り返された場合、運転者は、全ての報知に対して注意を払うことが次第に億劫になり、報知に対する注意力は徐々に散漫になる。このため、重要な報知を運転者が見逃してしまう場合が発生し得るという問題点がある。
本発明の目的は、運転者に対して行う報知を、従来よりも運転者に適切に認識させることができる運転支援システム、およびプログラムを提供することにある。
本発明の第一態様に係る運転支援システムは、交通監視位置に関する情報(以下、交通監視位置情報という。)を取得し、車両の現在位置と前記交通監視位置との接近関係に基づき前記交通監視位置に関する報知制御を行う制御手段を備える運転支援システムであって、前記制御手段は、前記交通監視位置情報に関連する時期情報をさらに取得し、前記時期情報を加味して前記交通監視位置に関する報知制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御が行われる。よって、運転者には、時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御の結果としての報知がなされることになる。したがって、運転者に対して行う報知を、従来よりも運転者に適切に認識させることができる。
例えば、「前記時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御」として、時期情報を加味した報知方法で運転者に報知する制御を行うとよい。「前記時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御」としては、特に、前記時期情報を加味して、運転者が、報知された情報の重要性を認識できる報知制御を行うとよい。例えば時期情報に基づき重要性を報知する制御を行うとよい。また、「前記時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御」として、前記時期情報に基づく優先順位で交通監視位置に関する情報を報知する制御を行うとよい。このようにすれば、運転者が、重要な情報を優先的に取得できる。「前記時期情報を加味した前記交通監視位置に関する報知制御」として、前記時期情報に基づき多数の交通監視位置に関する情報の中から選択した情報を報知する制御を行うようにするとよい。このようにすれば、多数の情報の中から重要な情報を確実に取得できる。また、「前記時期情報を加味して前記交通監視位置に関する報知制御」として、前記時期情報に基づく重要性に応じた報知態様で報知を行う報知制御を行うと良い。例えば、前記時期情報に基づく重要性が高いほど、報知態様を目立つようにするなど、運転者の見逃しがなくなる報知態様とする制御を行うとよい。このようにすれば、運転者は、重要な報知を見逃してしまうことを抑止できる。
第一態様において、前記制御手段は、前記交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を前記時期情報として取得し、前記交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を加味した報知制御を行うとよい。これによって運転者は、交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を加味した報知制御による結果の報知を受けることとなる。
例えば「前記交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を加味した報知制御」として、新鮮度に関する情報を前記交通監視位置情報とともに報知する制御を行えば、運転者は、その交通監視位置に関する報知内容の新鮮度を認識できる。例えば「前記交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を加味した報知制御」として、新鮮度に関する情報に応じて前記交通監視位置情報を報知するか否かを制御すれば、運転者は、新鮮度に応じた交通監視位置情報の報知を受けることができる。
また、新鮮度の高い情報の信憑性は高い可能性が高いので、例えば「前記交通監視位置情報の新鮮度を示す情報を加味した報知制御」として、新鮮度の高い交通監視位置情報を運転者が優先的に認識できるように報知する制御を行えば、運転者は、より信憑性の高い情報を確実に取得できる。
第一態様において、前記新鮮度は、前記交通監視位置情報の登録・更新時期に関する情報であり、前記制御手段は、前記交通監視位置情報の登録・更新時期に関する情報と現在時期の近接関係に基づいて前記報知制御を行うとよい。これによって運転者は、交通監視情報の登録・更新時期に関する情報と現在時期の近接関係に基づいた報知制御による結果の報知を受けることとなる。
例えば、「前記交通監視位置情報の登録・更新時期に関する情報と現在時期の近接関係に基づく報知制御」として、登録・更新時期の新しい情報を優先的に報知する制御を行えば、運転者は、登録・更新時期の新しい情報を優先的に認識できる。一般的に、登録時期や更新時期の新しい情報の信憑性は高く、運転者にとって重要性が高い。従って、登録・更新時期の新しい情報を運転者が優先的に認識できるように報知する制御を行えば、運転者は、重要性の高い情報を確実に取得できる。なお上述の新鮮度は、交通監視位置情報の取得時期に関する情報とするとよい。
また例えば、「前記交通監視位置情報の登録・更新時期に関する情報と現在時期の近接関係に基づく報知制御」として、交通監視位置情報の登録・更新時期に関する情報と現在時期の近接関係を示す情報を、交通監視位置情報とともに報知する制御を行うとよい。このようにすれば、運転者は、近接関係を示す情報と交通監視位置情報の報知を受けることになるので、交通監視位置情報を、近接関係を示す情報とともに認識できる。これによって運転者は、登録時期や更新時期の新しい交通監視位置情報を認識し、安全に留意するべき位置を考慮して運転を行うことができる。
第一態様において、前記制御手段は、前記交通監視位置情報の示す位置における交通監視が行われる時間帯に関する情報を前記時期情報として取得し、前記交通監視位置情報の示す位置における交通監視が行われる時間帯に関する情報を加味した報知制御を行うとよい。このようにすれば、交通監視が行われる時間帯に関する情報を加味した報知制御による結果の報知を受けることになる。
例えば、「前記交通監視が行われる時間帯に関する情報を加味した報知制御」として、交通監視の行われる時間帯に現在の時間が含まれる交通監視情報を優先して報知する制御をすれば、運転者は交通監視の行われる時間帯に現在の時間が含まれる交通監視位置情報を優先的に認識できる。
また例えば、「前記交通監視が行われる時間帯に関する情報を加味した報知制御」として、前記交通監視位置情報の示す位置における交通監視が行われる時間帯に関する情報を前記交通監視情報とともに報知する制御を行えば、運転者は、前記交通監視情報とともに前記交通監視位置情報の示す位置における交通監視が行われる時間帯を認識できる。これによって運転者は、交通監視の行われる時間帯を認識し、安全運転に留意するべき時間帯を考慮して運転を行うことができる。
なお時間帯としては、例えば、一日の中の時間帯とするとよい。また例えば、月曜日の24時間のように1週間の中の時間帯とするとよい。また例えば、一年の中の時間帯とするとよい。この中でも特に、一日の中の時間帯とするとよい。このように一定の単位時間の中のある範囲の時間帯とするとよい。
第一態様において、前記制御手段は、前記時期情報の示す時間帯に現在時期が含まれるか否かによって異なる報知態様で報知制御を行うとよい。このようにすれば、運転者は、前記時期情報の示す時間帯に現在時期が含まれるか否かによって異なる報知態様の報知を受けることになる。
例えば、「前記時期情報の示す時間帯に現在時期が含まれるか否かによって異なる報知態様」として、含まれる場合には報知を行い、含まれない場合には報知を行わないような態様とするとよい。また例えば、「前記時期情報の示す時間帯に現在時期が含まれるか否かによって異なる報知態様」として、含まれる場合に、含まれない場合と比較してより認識しやすくなるような態様とするとよい。また例えば、「前記時期情報の示す時間帯に現在時期が含まれるか否かによって異なる報知態様」として、含まれるか否かが通知されるような態様とするとよい。これによって運転者は、運転の実行中に実施されている交通監視を認識できるので、即座に安全運転を心がけることができる。
第一態様において、前記制御手段は、前記交通監視位置とは別の交通監視位置に関する情報(以下、第二交通監視位置情報という)と、前記第二交通監視位置情報の示す位置における交通監視の時期に関する時期情報(以下、第二時期情報という。)とをさらに取得し、前記第二時期情報をさらに加味して前記交通監視位置に関する報知制御を行うとよい。このようにすれば、運転者は、前記第二時期情報をさらに加味した前記交通監視位置に関する報知制御の報知を受けることになる。
例えば、「前記第二時期情報をさらに加味した前記交通監視位置に関する報知制御」として、第二時期情報を前記交通監視位置情報とともに報知する制御を行えば、運転者は、その交通監視位置に関する第二時期情報を認識できる。また例えば、「前記第二時期情報をさらに加味した前記交通監視位置に関する報知制御」として、第二時期情報に応じて交通監視位置情報を報知するか否かを制御すれば、運転者は、第二時期情報に応じた交通監視位置情報の報知を受けることができる。
また例えば、「前記第二時期情報をさらに加味した前記交通監視位置に関する報知制御」における第二時期情報を、第二交通監視位置情報の示す位置における交通監視の時間帯とするとよい。時間帯は、例えば、一日の中の時間帯とするとよい。また例えば、月曜日の24時間のように1週間の中の時間帯とするとよい。また例えば、一年の中の時間帯とするとよい。このように一定の単位時間の中のある範囲の時間帯とするとよい。
第一態様において、前記第二交通監視位置情報は、前記交通監視位置情報よりも広域の交通監視位置を示す情報であり、前記制御手段は、前記交通監視位置情報の示す位置が前記第二交通監視位置情報の示す位置に含まれるか否かによって異なる報知態様で報知制御を行うとよい。これによって運転者は、前記交通監視位置情報の示す位置が前記第二交通監視位置情報の示す位置に含まれるか否かによって異なる報知態様の報知を受けることになる。従って運転者は、交通監視位置が第二交通監視位置に含まれている場合と、交通監視位置が第二交通監視位置に含まれていない場合とを区別して認識できる。
例えば、「前記交通監視位置情報の示す位置が前記第二交通監視位置情報の示す位置に含まれるか否かによって異なる報知態様」として、交通監視位置が第二交通監視位置に含まれる場合、運転者が交通監視位置を優先的に認識できるような態様で報知するとよい。これによって運転者は、第二交通監視位置の示す広い範囲から、特に重要な交通監視位置を特定して認識できる。
また例えば交通監視位置は、限られた非常に狭い領域を示す位置とするとよい。又は、ある程度の範囲を持った領域を示す位置とするとよい。また第二交通監視位置は、交通監視位置よりも広範囲の領域を示す位置とするとよい。
第一態様において、前記交通監視位置情報は、過去に実施された交通監視位置情報に基づいており、前記第二交通監視位置情報は、都道府県の警察によって発表された実施予定の交通監視位置情報に基づく構成構成とすると、都道府県の警察によって発表された実施予定の交通監視位置から、実際に交通監視が実施される位置を詳細に特定することができる。この位置を運転者に通知することによって、運転者は、運転に留意するべき地点を絞り込むことが可能となる。
本発明の第二態様に係るプログラムは、第一態様に係る運転支援システムのコンピュータに、各種手段を実行させる。これによって、第一態様と同様の効果を奏することができる。
上述の運転支援システムは、例えば以下の様に構成するとよい。交通監視を行う目標対象を示す情報と、登録日時を示す情報とが関連付けられて記憶された記憶手段を参照し、車両との位置関係が所定の関係を満たす前記目標対象のうち、前記位置関係が前記所定の関係を満たした時点よりも前の所定時間内に登録されたことを示す前記登録日時に関連付けられた前記目標対象に関する報知情報を、第一態様で運転者に報知する制御を行い、前記所定時間以上前に登録されたことを示す前記登録日時に関連付けられた前記目標対象に関する前記報知情報を、第二態様で前記運転者に報知する制御を行う。運転支援システムは、目標対象の登録日時に応じて、運転者に対して報知情報を報知する際の報知態様を変化させることができる。従って運転者は、目標対象が登録された時期を、報知情報の報知態様に基づいて把握することができる。例えば運転支援システムは、第一態様として、画像および音声によって報知情報を報知するとよい。また運転支援システムは、第二態様として、画像のみによって報知情報を報知するとよい。この場合、運転者は、登録日時の新しい目標対象に関する報知情報を、より明確に認識できる。一般的に、登録日時の新しい情報の信憑性は高く、運転者にとって重要性が高い。従って運転者は、運転支援システムによって報知される報知情報が多数である場合にも、登録日時の新しい目標対象に関する報知情報を優先して認識することができるので、重要度の高い報知情報を適切に認識できる。
また、前記交通監視の実施時期を特定し、前記目標対象と前記車両との前記位置関係が前記所定の関係を満たした時点と、前記実施時期とが所定の関係を満たす場合に、前記報知情報を前記第一態様で前記運転者に報知する制御を行うとよい。運転支援システムは、交通監視が実際に実施されている時期に報知情報を運転者に報知できる。例えば運転支援システムは、交通監視が日中に実施されている場合には、報知情報の報知を日中にのみ行い、夜中には行わないとよい。これによって運転者は、運転支援システムから報知されたタイミングで交通監視が実施されていると認識できる。また、交通監視が実施されていない時期には報知が行われないので、実際には交通監視が実施されていないにも関わらず報知情報の報知が繰り返されることによって、運転者が報知情報の報知を疑うようになることを防止できる。
また、前記交通監視の実施日時を示す情報が、前記目標対象を示す情報、および、前記登録日時を示す情報に関連付けて前記記憶手段に記憶されており、前記記憶手段に記憶された情報に基づき、前記交通監視の実施日時を特定するとよい。運転支援システムは、交通監視の実施時期を容易且つ適切に特定することができる。
また、前記交通監視の実施場所を特定し、前記目標対象と前記車両との前記位置関係が前記所定の関係を満たし、且つ、他の前記目標対象において行われる前記交通監視の前記実施場所と前記車両との前記位置関係が所定の関係を満たす場合に、前記報知情報を前記第一態様で前記運転者に報知する制御を行うとよい。運転支援システムは、交通監視が実施される可能性の高い場合に、運転者に対して報知情報を適切に報知できる。
また、前記目標対象を示す情報が更新されたことを示す情報が、前記目標対象を示す情報、および、前記登録日時を示す情報に関連付けられて前記記憶手段に記憶されており、前記更新されたことを示す情報を、前記報知情報の少なくとも一部として前記運転者に報知する制御を行うとよい。一般的に、更新された情報の信憑性は高く、運転者にとって重要性が高い。従って、更新されたことを示す情報が運転支援システムから報知されることによって、運転者は、重要度の高い情報を適切に認識できる。
また、所定の時期を特定し、前記目標対象と前記車両との前記位置関係が前記所定の関係を満たした時点と、前記所定の時期とが所定の関係を満たす場合に、前記報知情報を前記第一態様で前記運転者に報知する制御を行うとよい。例えば所定の時期として、交通安全強化週間等の時期を特定するとよい。一般的に、このような時期には、交通監視が実際に実施される可能性が高い。従って、このような時期に報知情報が運転支援システムから報知されることによって、運転者は、実際に交通監視が実施されている目標対象に関する情報を適切に認識できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャート等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1を参照し、運転支援システム4の概要について説明する。運転支援システム4は、車両内に設置される。運転支援システム4は、様々な情報を出力することによって、運転者の運転を支援する。運転支援システム4の一例として、レーダー探知機が挙げられる。運転支援システム4には、主制御を行う制御部41が設けられる。制御部41は、CPU42、EEPROM43、RAM44等を備えるマイコン等から構成されている。また制御部41には、GPS衛星からの電波を受信するGPS受信器(GPSモジュール)45、速度計測用のレーダーからのマイクロ波を受信するマイクロ波受信器(マイクロ波受信モジュール)46、交通取締りの連絡用のUHF帯の無線電波を受信する無線受信器(無線受信モジュール)47、各種の情報や警報画面を表示するカラー液晶から構成された表示部48、表示部48の表面に設けられたタッチパネル49、点滅又は点灯して報知を行うランプ50、警告の音声を発するスピーカ51、SDカード5が挿入されるカードリーダ52、および、車両のOBD情報を収集するためのOBDコネクタ53が接続されている。
制御部41は、各種の入力機器(GPS受信器45、マイクロ波受信器46、無線受信器47、タッチパネル49、OBDコネクタ53)から入力される情報に基づいて運転者に報知する情報を作成し、出力機器(表示部48、ランプ50、スピーカ51)を利用して情報を出力する。これらの基本構成は、基本的に従来の装置と同様である。運転支援システム4の機能は、制御部41に設けられたCPU42が実行するファームウェアとして制御部41のEEPROM43に格納され、これをCPU42が実行することで実現される。EEPROM43に記憶されたファームウェアは、SDカード5に記憶された新たなファームウェアによって更新することが可能である。
運転者の運転を支援するために運転支援システム4の出力機器から出力される主な情報は、運転者に安全運転を促すための警報情報である。警報情報は、例えば次のような場合に出力される。運転支援システム4は、SDカード5に第二DB431(図2参照、詳細後述)として記憶された目標対象の位置情報(緯度経度)と、GPS受信器45によって検出した車両の現在位置(緯度経度)から、両者の距離を求め、求めた距離が所定距離以下となった場合であって所定の条件(詳細は後述する)を満たす場合に、出力機器から警報情報を出力する。また例えば運転支援システム4は、マイクロ波受信器46によって速度測定装置(移動式レーダー等のレーダー波を発する速度測定装置)から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合であって所定の条件を満たす場合に、出力機器から警報情報を出力する。目標対象は、交通事故の発生しやすい危険な場所に設置される場合が多い。このため運転支援システム4は、警報情報を出力することによって、交通事故の発生しやすい危険な場所を運転者に認識させる。これによって運転支援システム4は、運転者に安全運転を促すことができる。
SDカード5には、地図データ、道路の種別や制限速度等を含む道路情報データ、表示部48に表示される画像または写真のデータ、スピーカ51から出力される音のデータ、及び各種データベースが記憶されている。各種データベースには、第一DB(図示せず)、第二DB431(図2参照)、及び第三DB432(図3参照)が少なくとも含まれる。なお、SDカード5に記憶される各種情報は、サーバを運用するオペレータによって登録され、インターネット等を介してユーザに提供される。ユーザは、インターネット等を介して提供された情報を取得し、SDカード5に記憶する。これによってユーザは、SDカード5に記憶された情報を最新の情報に更新できる。
第一DB、第二DB431、および第三DB432の詳細について説明する。第一DBには、位置情報に基づいて行政区画を特定することができるポリゴンデータが記憶されている。行政区画は市区町村毎に定められている。以下、行政区画によって表される領域を、区画領域ともいう。ポリゴンデータには、区画領域を識別するための領域識別情報が対応付けられている。制御部41は、GPS受信器45から出力される位置情報に基づいて第一DBを参照することによって、自車両が位置する区画領域を識別するための領域識別情報を、都道府県単位よりも小さい市区町村単位で特定することができる。
第二DB431には、運転者に報知する目標対象に関する情報(以下、「目標対象情報」という。)が記憶されている。目標対象として例えば、速度測定装置(レーダーのようにレーダー波(マイクロ波)を発する速度測定装置や、ループコイルのように、レーダー波を発しない速度測定装置を含む)、制限速度切替りポイント、取締エリア、検問エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング等がある。なお目標対象情報は、一般者からの投稿情報に基づいて作成される。オペレータは、一般者によって投稿された投稿情報を集計し、第二DB431に記憶する。
図2を参照し、第二DB431の詳細について説明する。図2に示すように、第二DB431には、目標対象の位置を示す緯度及び経度の情報(以下、「目標対象位置情報」という。)、目標対象の種別を示す情報、頻度、登録日時および更新日時、その他の情報が対応付けられ、目標対象情報として記憶されている。
第二DB431に記憶された目標対象情報のうち、頻度は、一般者からの投稿情報の数に基づき、オペレータによって対応付けられるパラメータである。頻度は、種別が「取締り」である目標対象にのみ対応付けられる。頻度が大きい程、対応する目標対象が実際に設置されている可能性が高いことを示す。なお運転者は、運転支援システム4に対して頻度の閾値を目標対象毎に設定することができる。運転支援システム4は、設定された閾値以上の頻度が対応付けられた目標対象が車両に近づいた場合に、警報情報を出力機器から出力することによって運転者に報知する。運転者は、運転支援システム4から出力される警報情報を、頻度に応じて絞り込むことができる。
登録日時は、目標対象情報がオペレータによって第二DB431に最初に登録された日時を示す。更新日時は、第二DB431に登録された目標対象の種別やその他の情報が変更された場合の日時を示す。なお詳細は後述するが、運転支援システム4は、登録日時および更新日時の新しい目標対象が車両に近づいた場合に、警報情報を出力する。理由は、登録日時および更新日時の新しい目標対象情報の信憑性は高く、実際に目標対象が設置されている可能性が高いためである。
なお上述の登録日時は、目標対象がオペレータによって第二DB431に最初に登録された日時ではなく、一般者から投稿情報が投稿された日時とするとよい。同様に更新日時は、目標対象情報を更新するための情報が一般者から投稿された日時とするとよい。これによって登録日時および更新日時を、実際に目標対象が設置された日時と近似させることができる。
その他の情報として、対応する目標対象によって交通監視等が実施される実施時刻が記憶される。なお詳細は後述するが、運転支援システム4は、自車両が目標対象に近づいた際の時刻が、実施時刻の範囲内に含まれている場合、警報情報を出力する。理由は、このような場合、自車両の近くに設置された目標対象によって交通監視等が実際に実施されている最中である可能性が高いためである。
なお実施時刻は、上述のように一日の中の時間帯としてもよいが、例えば、月曜日の24時間のように1週間の中の時間帯とするとよい。また例えば、一年の中の時間帯とするとよい。この中でも特に、上述した一日の中の時間帯とするとよい。
第三DB432について説明する。第三DB432には、交通状態を監視することによって安全運転を推進するための活動(以下、「監視活動」という。)に関する情報(以下、「監視活動情報」という。)である。監視活動の一例として、警察が行う取締りや検問がある。監視活動は、不特定の場所で不定期に行われる。制御部41は、第三DB432を参照することによって、自車両の近くで実施されている監視活動の詳細を特定できる。
図3を参照し、第三DB432の詳細について説明する。インデックス1〜15の上段には、監視活動が実施される「都道府県」、「開始日」、「開始時間」、「終了日」、「終了時間」、監視活動を行う「管轄」警察署、及び「実施場所」が対応付けられている。また下段には、監視活動の詳細を示す情報(以下、「詳細情報」という。)が対応付けられている。例えば、図3のうちインデックス2の情報(「開始日:20111107」「開始時間:12h00m」「終了日:20111107」「終了時間:18h00m」「管轄:岩手県警」「実施場所:葛巻町:302」、「詳細情報:[取締り]午後 岩手県警〜」)は、2011年11月7日 12時00分から18時00分までの間、岩手県警の管轄で、葛巻町内のいずれかの地域において取締りが行われることを意味している。「実施場所」のうち302は、市区町村を特定するための領域識別情報である。
詳細情報として、監視活動に関するテキスト情報が格納される。詳細情報として格納されたテキスト情報は、表示部48(図1参照)に表示されるメッセージとしてそのまま使用される。詳細情報は、全国の各都道府県警察のホームページ(以下、HPという。)を介して公表される情報が、所定のフォーマットに基づいてデータ化されたものである。制御部41は、詳細情報に基づくメッセージを、その内容に沿った場所及び時間で、表示部48にテロップ表示する。運転者は、テロップ表示されたメッセージに気付くことで、安全運転に心がけるようになる。以下、監視活動に関する情報であって全国の各都道府県警察のHPを介して公表される情報を総称し、公開取締情報ともいう。第三DB432に格納される情報は、全国の各都道府県警察のHPを介して公表されている取締り情報を、オペレータがデータ化することによって作成される。
監視活動情報に対応付けられる「実施場所」には、市区町村単位で区画領域を識別するための領域識別情報が格納される。このため例えば、監視活動が実施される場所として公表された情報が「県道」等のように、複数の市区町村にまたがるような場合、該当する市区町村を識別する領域識別情報は、すべて「実施場所」とされる。例えば図3の第三DB432のうちインデックス5の情報では、「県道」において監視活動が実行される場合に、「実施場所」として、領域識別情報「302(葛巻町)」「501(軽米町」」及び「209(一関市)」が、監視活動情報に対応付けられている。このように、監視活動が広域にわたって公開されている場合、複数の領域識別情報が共通の監視活動情報に対応付けられる。これによって、監視活動が実施される地域を明確化している。
ここで前述したように、第一DBには、市区町村単位で領域識別情報を特定可能なポリゴンデータが記憶されているので、自車両の位置する区画領域の領域識別情報は、市区町村単位で特定される。自車両の位置する区画領域の領域識別情報と、監視活動情報に「実施場所」として対応付けられている領域識別情報は、何れも市区町村単位であり同一である。このため、自車両が位置している区画領域と同一の地域を、監視活動情報における「実施場所」から画一的に検索することができるので、自車両の近くで実施されている監視活動の監視活動情報を容易に特定することができる。
運転支援システム4の表示部48に表示される表示画像について、図4〜図7を参照して説明する。運転支援システム4は、設定された表示モードに応じて異なる態様の表示画面を表示部48に表示する。運転支援システム4は、常時表示モードとして、レーダー待受表示モード、OBD表示モード、およびMAP表示モードを備えている。レーダー待受表示モードでは、時計およびスピードを示す画面、GPSの測位状況を示す画面の他、車両の傾斜状態を示す画面、車両に加わる加速度を示す画面等を表示部48に表示する。OBD表示モードでは、瞬間燃費、今回燃費、燃料流量、車速、冷却水温度、トリップメータ、全国道平均燃費、一般道平均燃費、高速道平均燃費、エンジン回転数、エンジン負荷率、スロットル開度等を示す画面を表示部48に表示する。MAP表示モードでは、自車両の近傍の地図画像31(図4〜図7参照)を表示部48に表示する。
それぞれの表示モードにおいて警報情報が出力される場合について説明する。レーダー待受表示モードおよびOBD表示モードでは、それぞれの常時表示モードに対応する画面に、警報情報を示すテロップが重ねて表示され、警告音がスピーカから51から出力される。これに対してMAP表示モードでは、自車両に近づいた目標対象を示す情報として、ターゲットアイコン21等(図4〜7参照)が地図画像31に重ねて表示される。また、目標対象情報を示す文字等が表示される。本実施形態における運転支援システム4は、このMAP表示モードにおいて警報情報を出力する場合の態様に特徴を有している。以下、詳説する。
図4を参照し、表示部48に表示される表示画面の一例である表示画面100について説明する。なお図4では、2011年11月10日 9:15時点で表示画面100が表示部48に表示された場合を想定している。自車両は、遠野市の国道396号線(図4中、道路28)上を走行中であるとする。従ってこの時点では、第二DB431(図2参照)におけるインデックス6の更新日時(2011/11/11 9:00)は記憶されていないものとする。
表示画面100には、メイン表示領域11、第一サブ表示領域12、第二サブ表示領域13、第三サブ表示領域14、および第四サブ表示領域15が設けられている。メイン表示領域11は、表示部48全体に設けられる。第一サブ表示領域12は、表示部48の上端且つ左右中央部分に設けられる。第三サブ表示領域14は、表示部48の下端に設けられる。第二サブ表示領域13は、第三サブ表示領域14の上側に設けられる。第四サブ表示領域15は、第二サブ表示領域13の上側且つ右側に設けられる。以下、其々の表示領域の詳細について説明する。
メイン表示領域11について説明する。メイン表示領域11は、自車両と目標対象との位置関係を示すための画像を表示する領域である。メイン表示領域11には、地図画像31が全体に表示される。地図画像31は、自車両の位置の周辺の地図データをSDカード5から読み出して生成する。メイン表示領域11に表示する地図画像31の範囲は、運転者による設定に基づいて決定する。メイン表示領域11に表示された地図画像31上に、自車アイコン20、ターゲットアイコン21、22・・・、および制限速度アイコン24が重ねて表示される。自車アイコン20は、地図画像31に対して自車両がどの位置にあるかを示すためのものである。制御部41は、GPS受信器45から出力された位置情報に基づいて、自車両位置を特定し、地図画像31のうち自車両位置に相当する部分に、自車アイコン20を重ねて表示する。ターゲットアイコン21、22・・・は、自車両との間の距離が所定距離以下であって所定の条件を満たす目標対象が地図画像31に対してどの位置に設置されているかを示すためのものである。ターゲットアイコン21、22・・・の内部に表示された文字や図形等は、目標対象の種別を示している。制御部41は、第二DB431(図2参照)に基づいて目標対象の位置を特定し、地図画像31のうち目標対象の位置に相当する部分に、ターゲットアイコン21、22・・・を重ねて表示する。制限速度アイコン24は、自車両が走行中の道路の制限速度を示している。制御部41は、走行中の道路に対応する道路情報データをSDカード5から読み出し、制限速度を取得して制限速度アイコン24内に表示する。
なお制御部41は、メイン表示領域11に表示する自車アイコン20及びターゲットアイコン21、22と地図画像31との間で位置合わせをし、同期をとって表示をする。具体的には以下のとおりである。自車アイコン20の表示位置は、メイン表示領域11の下方中央部位に固定する。車両の進行方向が上側になるように、地図画像31を回転させる。つまり、自車両の進行方向が変わった(曲がった)場合、それに合わせて地図画像31も回転させる。自車両が前進した場合、表示する地図画像31を下方にスクロール移動させる(いわゆるヘディングアップ表示)。なおこのような表示の制御は、カーナビゲーションシステムにおける地図の表示制御、即ち、自車両の位置を画面中央に固定した状態で、地図画像31を適宜スクロール等させる制御を利用することで実現することができる。
なお制御部41は、自車アイコン20とターゲットアイコン21、22との間の距離が所定距離以内となった場合、目標対象の種類に応じて模式図または写真のデータをSDカード5から読み出し、地図画像31に重ねて表示する。また、目標対象の種類に応じた音声データをSDカード5から読み出し、スピーカ51から出力する。例えば、速度測定装置が500m未満に接近した場合には、速度測定装置の模式図または写真のデータをSDカード5から読み出して、地図画像31に重ねて表示する。また、「500m先 速度測定装置です。スピード注意」という音声をSDカード5から読み出し、スピーカ51から出力する。
第一サブ表示領域12について説明する。第一サブ表示領域12は、メイン表示領域11に表示されたターゲットアイコン21、22、・・・によって示される目標対象の情報を、文字によって表示するために設けられる。第一サブ表示領域12に表示される情報は、目標対象の種別、および、自車両と目標対象との間の距離である。なお、第一サブ表示領域12内に文字が収まらない場合、制御部41は、図4に示すように文字をスクロール表示する。
第二サブ表示領域13について説明する。第二サブ表示領域13は、各種ステータス情報131、及び現在時刻132を表示するために設けられる。ステータス情報131として、車上狙い多発エリア情報、駐車禁止エリア情報、受信感度モード情報、GPS電波受信レベル情報等がある。現在時刻132は、GPS受信器45が受信したGPS電波に基づき制御部41が特定し、表示される。
第三サブ表示領域14について説明する。第三サブ表示領域14は、表示領域141、142に分かれている。表示領域141は、自車両が位置する区画領域の名称を表示する。制御部41は、GPS受信器45から出力された位置情報に基づき、第一DBを参照することによって、自車両が位置する区画領域の領域識別情報を特定する。制御部41は、特定された領域識別情報によって識別される区画領域の名称を表示領域141に表示する。表示領域142は、監視活動に関するメッセージを表示する。このメッセージは、第三DB432(図3参照)に格納された詳細情報に基づいて作成される。メッセージは、取締り実施日、時間、取締り種別、取締り場所(路線、管轄など)等の情報を含んでいる。
第四サブ表示領域15には、自車両の現在速度が表示される。制御部41は、GPS受信器45から出力される現在速度を第四サブ表示領域15に表示する。
表示部48に表示画面100を表示するために制御部41が実行する処理について説明する。はじめに制御部41は、第二DB431(図2参照)を参照する。制御部41は、メイン表示領域11に表示するターゲットアイコン21、22を特定するために、以下の(1)〜(3)の条件を満たす目標対象を第二DB431から選択する。
(1)自車両との間の距離が所定距離以下である場合
(2)目標対象情報が第二DB431に登録されてからの経過時間が4ヶ月以内であるか、又は、第二DB431に記憶された目標対象情報が更新されてからの経過時間が4ヶ月以内である場合
(3)実施時刻に現在時刻が含まれている場合
例えば制御部41は、図4の表示画面100を表示部48に表示するために、具体的に以下の処理を実行する。はじめに制御部41は、GPS受信器45によって自車両の現在位置(緯度経度)を取得する。次に制御部41は、第二DB431(図2参照)の位置情報を参照し、自車両との間の距離が所定距離以内の位置に設定された目標対象を選択する。例えば図2の第二DB431に記憶されたすべての目標対象が、自車両から所定距離以内の位置に設置されていたとする。
次に制御部41は、選択した目標対象に対応付けられた登録日時および更新日時を参照する。制御部41は、現時点での日時から遡って4ヶ月以内に登録または更新された目標対象を選択する。具体的には次のとおりである。制御部41は、第二DB431に記憶された目標対象のうち、現在日時(2011年11月10日 9:15)よりも4ヶ月前(2011年7月10日 9:15)の時点以降の登録日時又は更新日時が対応付けられた目標対象を選択する。この結果、制御部41は、インデックス1の目標対象「ループコイル」(登録日時:2011/7/16 10:00)、インデックス4の目標対象「新型Hシステム」(更新日時:2011/9/11 18:00)、および、インデックス5の目標対象「取締り(ねずみ捕り)」(登録日時:2011/9/2 19:00)を選択する。
次に制御部41は、選択した目標対象に対応付けられたその他の情報を参照する。制御部41は、その他の情報として記憶された実施時刻に、現在時刻が含まれているかを判断する。図2の第二DB431の場合、インデックス1、4の実施時刻は終日であるため、現在時刻は実施時刻に含まれる。一方、インデックス5の実施時刻(18:00〜0:00)には現在時刻(9:15)が含まれない。このため、インデックス5の目標対象「取締り(ねずみ取り)」による交通監視等は、現時点では実施されていない可能性が高い。このため制御部41は、インデックス5の目標対象「取締り(ねずみ捕り)」を除く、インデックス1の目標対象「ループコイル」、および、インデックス4の目標対象「新Hシステム」を、ターゲットアイコンとして地図画像31に重ねて表示する目標対象として最終的に選択する。
制御部41は、選択された目標対象「ループコイル」を示すターゲットアイコン21、および、目標対象「新Hシステム」を示すターゲットアイコン22を、地図画像31における位置情報によって示される位置に重ね、メイン表示領域11に表示する。また制御部41は、選択した目標対象のうち、現在日時よりも2ヶ月前(2011年9月10日 9:15)時点以降の登録日時または更新日時が対応付けられている目標対象を選択する。第二DBでは、インデックス4「新Hシステム」が該当する。制御部41は、選択した目標対象「新Hシステム」のターゲットアイコン22に、更新日時が新しいことを示す文字「!更新」が示された吹き出し画像23を重ねて表示する。なお、登録日時が新しいことを示す吹出し画像には、登録日時が新しいことを示す文字「!新設」が示された吹出し画像が重ねて表示される。
また制御部41は、ターゲットアイコン21、22によって示される目標対象の種別、及び、目標対象と自車両との間の距離を示す文字を、第一サブ表示領域12にスクロール表示する。なお、吹き出し画像23を重ねたターゲットアイコン22によって示される目標対象の種別および距離を示す文字には「!更新」の文字が先頭に付加される。結果、図4に示す表示画面100が表示される。
さらに制御部41は、GPS受信器45から出力された位置情報に基づき、第一DBを参照することによって、自車両が位置する区画領域の領域識別情報を特定する。制御部41は、特定された領域識別情報によって識別される区画領域の名称を、第三サブ表示領域14の表示領域141に表示する。運転者は、第三サブ表示領域14の表示領域141に表示された名称を視認することによって、自車両が位置する区画領域を認識できる。
次に制御部41は、第三DB432(図3参照)を参照する。制御部41は、自車両の近傍で実施されている監視活動に関する情報を、第三サブ表示領域14の表示領域142に表示するために、次の処理を実行する。制御部41は、GPS受信器45から出力された情報に基づき、自車両の位置情報、および現在日時を特定する。次に制御部41は、第三DB432を参照する。第三DB432に記憶された監視活動情報のうち、自車両が位置する区画領域の領域識別情報と同一の領域識別情報が「実施場所」として対応付けられている監視活動情報を選択する。次に、選択された監視活動情報に対応付けられている「開始日」、「開始時間」、「終了日」、「終了時間」(図3参照)に基づき、監視活動が実施されている期間を特定する。そして、特定された期間内に現在日時が含まれる監視活動情報をさらに選択する。制御部41は、該当する監視活動情報がある場合、選択した監視情報の詳細情報に基づいてメッセージを作成し、第三サブ表示領域14の表示領域142に表示する。
ここで現在日時は、2011年11月10日 9時15分であり、自車両が走行している場所は遠野市である。一方、第三DB432(図3参照)には、現在日時を含む期間内、及び、遠野市内で実施されている監視活動情報は記憶されていない。このため表示画面100の第三サブ表示領域14の表示領域142に、監視活動を示すメッセージは表示されない。なお、監視活動を示すメッセージが表示領域142に表示される場合の例は、図6、7を参照して後述する。
以上説明したように、運転支援システム4は、目標対象情報が第二DB431(図2参照)に登録された登録日時、および、目標対象情報が更新された更新日時を加味し、目標対象に関する情報を運転者に報知することができる(上述の(2)の条件)。上述では、第二DB431に記憶された6つの目標対象、すなわち自車両から所定距離内に設置された目標対象のうち、ループコイル(インデックス1)及び新Hシステム(インデックス4)を示すターゲットアイコン21、22のみが地図画像31に重ねて表示されることになる。例えば自車両の近傍に設置された目標対象のすべてが報知される場合、多数のターゲットアイコンが地図画像31上に重ねて表示されることになるので、運転者は、すべてのターゲットアイコンに注意を払うことが困難になる。一方、本発明では、上述したように、登録日時及び更新日時の新しい目標対象、すなわち、実際に設置されている可能性の高い目標対象を示すターゲットアイコン21、22のみが、地図画像31に重ねて表示される。従って運転者は、自車両の近傍に設置された目標対象のうち、実際に設置されている可能性が高い目標対象のみを確実に認識することができる。これによって運転者は、信憑性が高い目標対象情報を適切に取得し、より安全な運転を行うことができる。
取締、検問エリア等を示す目標対象情報は、基本的に一般者の各々が見たり、聞いたりした情報でのみ構成される、口コミ情報の最たるものである。従って、新しく追加(登録)された情報は特に、直近にそこで取締、検問が行われた可能性が高く、その重要度は非常に高い。よって、目標対象情報に含まれる登録情報、更新情報を参照することで、例えば、ここXヶ月以内に新設したデータかどうか判断が可能である。
また、ある時間経過するまでは、警報時に「!新設」マークや「!更新」マークを表示して新しい情報であることを示す。これにより運転者は、このエリアはより注意が必要であることを認識できる。なお、第二DB431には、一般者から投稿された投稿情報に含まれる口コミ情報(そのエリアの視覚的に特徴的な情報など)が対応付けられてもよい。制御部41は、目標対象情報を出力する場合、口コミ情報をサブ的に表示したり、音声案内したりしてもよい。
図4において自車両が走行中の道路と同一道路(国道396号線)上を、異なる時間帯、例えば20:10に再び走行したとする。この場合、第二DB431(図2参照)のインデックス5の実施時刻(18:00〜0:00)に現在時刻(20:10)が含まれることになる。この場合、インデックス5の目標対象「取締り(ねずみ取り)」による交通監視等が、自車両の走行中に実施されている可能性が高い。従って制御部41は、図4の表示画面100に加え、インデックス5の目標対象「取締り(ねずみ捕り)」を示すターゲットアイコン25を、ターゲットアイコン21、22とともに地図画像31に重ねて表示する。結果、図5に示す表示画面101が表示される。
以上説明したように、運転支援システム4は、目標対象によって実施される交通監視等の実施時刻が限定的である場合には、現在時刻が実施時刻に含まれている場合にのみ、対応する目標対象のターゲットアイコンを地図画像31に重ねて表示する(上述の(3)の条件)。従って運転者は、目標対象によって交通監視等が行われる時間帯を正確に認識し、この時間帯において特に安全運転に留意して運転を行うことができる。
なお上述では、現在時刻を含む実施時刻に対応付けられた目標対象のみ、ターゲットアイコンによって運転者に通知されており(図5、表示画面101参照)、現在時刻を含まない実施時刻に対応付けられた目標対象は、運転者に通知されない(図4、表示画面100参照)。これに対して例えば、現在時刻を含む実施時刻に対応付けられた目標対象と、現在時刻を含まない実施時刻に対応付けられた目標対象とを区別して運転者に通知するとよい。この場合、現在時刻を含む実施時刻に対応付けられた目標対象がより明確に認識されるような態様で、運転者に通知されるとよい。これによって運転者は、目標対象が設置されている場所を確実に認識しつつ、実際に交通監視等が実施されている目標対象を区別して認識することができる。
取締、検問は、実際には人間によって行われるものであり、その土地毎に、癖や偏りがある。取締、検問がよく実施される場所が登録されることになるが、それが実際に行われる時間も偏りがある。例えば、ある取締エリアが昼間のみねずみ捕りを実施していることが周知されており、その情報が入手できていれば、夜間は極端に言えば警報をする必要がない。どちらかと言えば、運転支援システム4は、警報しない側にするよりも、警報する側を誇張する方が安全であるため、例えば、ある取締エリアの有効時間帯での警報は、頻度を上昇させるか、「要警戒時間帯です」などの付加情報を表示、音声告知するとよい。色をより警戒色に変えるのも有効である。
図4及び図5において自車両が走行中の道路と同一道路(国道396号線)上を、異なる日付及び時間帯、例えば2011年11月11日 12:10に再び走行したとする。この場合、第三DB432(図3参照)のインデックス14の監視活動情報の実施期間(2011年11月11日 12:00〜21:00)内に、現在日時が含まれることになる。従って制御部41は、インデックス14の監視活動情報に基づいてメッセージを作成し、第三サブ表示領域14の表示領域142に表示する。結果、図6に示す表示画面102が表示部48に表示される。図6では、メッセージ「取締り 午後 遠野警察署 遠野市 国道396号線」が表示領域142に表示されている。
また、第三サブ表示領域14の表示領域142にメッセージを表示すると同時に、制御部41は、メイン表示領域11に表示した地図画像31のうち、監視活動の実施場所を示す部分を強調表示する。具体的には次のとおりである。制御部41は、第三DB432のインデックス14の監視活動情報の詳細情報から、監視活動が実施される場所「国道396号線」を抽出する。制御部41は、抽出した場所に相当する地図画像31上の場所を太線で示すことによって強調表示する。結果、図6の表示画面102で示されているように、国道396号線を示す道路28が太線で強調表示される。これによって運転者は、地図画像31によって示される地域(遠野市)の中から、現時点で監視活動が実施されている場所を絞り込んで認識できる。
なお、第二DB431(図2)のうちインデックス6の目標対象「取締り(移動オービス)」は、更新日時「2011/11/11 9:00」に新たに更新されている。目標対象情報は、現在日時から遡って4ヶ月以内に更新されていることになるので、制御部41は、目標対象「取締り(移動オービス)」を示すターゲットアイコン26を、メイン表示領域11の地図画像31に新たに重ねて表示する。また、現在日時よりも2ヶ月前(2011年9月11日 12:10)の時点以降に更新されたという条件も満たすので、ターゲットアイコン26には吹き出し画像27が重ねて表示される。
図6において自車両が走行中の道路と同一道路(国道396号線)上を、図6の場合と同一日および異なる時間帯、例えば2011年11月11日 20:10に再び走行したとする。この場合、第三DB432(図3参照)のインデックス14の監視活動「取締り」が実施される期間(2011年11月11日 12:00〜21:00)に現在日時が含まれ、且つ、第二DB431(図2参照)のインデックス5の目標対象「取締り(ねずみ取り)」の実施時刻(18:00〜0:00)に現在時刻が含まれる。従って自車両は、監視活動「取締り」が現時点で実施されている国道396号線上に設置された目標対象「取締り(ねずみ捕り)」に近づいていることになる。目標対象「取締り(ねずみ捕り)」の実施時刻に現在時刻が含まれているので、目標対象「取締り(ねずみ捕り)」において交通監視等が実際に行われている可能性は非常に高い。
そこで制御部41は、監視活動の実施場所である国道396号線を示す道路28を強調表示すると同時に、目標対象「取締り(ねずみ捕り)」を示すターゲットアイコン25を拡大し、道路28上に重ねて表示する。結果、図7に示す表示画面103が表示部48に表示される。運転者は、拡大表示されたターゲットアイコン25を視認することによって、目標対象「取締り(ねずみ捕り)」において実際に交通監視等が行われている可能性が非常に高い状態であることを認識できる。
以上説明したように、運転支援システム4は、目標対象における交通監視等の実施時刻(第二DB431、その他の情報参照)と、監視活動が実施される期間(第三DB432参照)とを加味し、運転者に警報情報を出力することができる。これによって運転者は、監視活動が実施される場所が示す広い範囲(図6、7における道路28)のうち、目標対象が設置されている特定場所(図7においてターゲットアイコン25が配置された場所)が、特に運転に留意するべき重要な地点であることを認識できる。これによって、都道府県の警察によって発表される、監視活動が実施される広範囲の領域から、実際に交通監視等が実施される特定の場所を詳細に特定できる。このため運転者は、運転に留意するべき地点を、広い範囲から絞り込むことが可能となる。
なお上述したように、運転支援システム4では、県境、所轄、市町村などの区分で、公開取締り情報が告知される。一方、周知の一般的な運転支援システムでは、電源ON時の出力時、もしくは、県境を超えたときに公開取締り情報の告知が行われる。運転支援システム4では、地図データにより、その注意するべき要警戒範囲の境界が全域にわたって明確に分かるので、POIである取締、検問エリアが、現時点で要警戒エリア(自車両から所定距離以内の領域)内に属しているかを判断できる。そこで、境界、時間帯変化で告知を行うことに加えて、公開取締「要警戒」領域に配置されている取締、検問エリアを警報告知する場合に、通常の警報告知と異なる方法をとる(例えば上述のように、ターゲットアイコン25を拡大表示する)ことができる。他の具体的としては、(a)通常より頻度を上げて警報する(レベル4→5など)、(b)表示に、「要警戒区域内」や「公開取締注意領域内」を示すものを付加する、(c)音声として「要警戒区域内」を付加する、等が挙げられる。
なお本発明は上述の実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上述では、登録日時、および更新日時が新しい目標対象のターゲットアイコンを、地図画像31に重ねて表示していた。これに対し、制御部41は、登録日時、および更新日時が新しい目標対象情報の頻度の値を増加させることによって、対応する目標対象のターゲットアイコンを地図画像31上に積極的に表示させるとよい。この場合、登録日時、更新日時が新しい目標対象と同時に、頻度の大きな目標対象のターゲットアイコンが、地図画像31上に重ねて表示されることになるので、運転者は、登録日時・更新日時が比較的古い目標対象であっても、頻度が大きい場合には、対応する目標対象を認識することが可能となる。
制御部41は、自車両の近傍に設置された目標対象を示すターゲットアイコンを、全て地図画像31に表示するとよい。また制御部41は、登録日時、更新日時が新しい目標対象のターゲットアイコンを、他のターゲットアイコンとは異なる態様で表示するとよい。例えば制御部41は、登録日時、更新日時の新しい目標対象のターゲットアイコンを、他のターゲットアイコンよりも大きく表示するとよい。または、登録日時、更新日時が新しいことを示す吹出し画像を、ターゲットアイコンに重ねて表示するとよい。第二サブ表示領域12に、登録日時、更新日時が新しい目標対象である旨を表示するとよい。同時に、音声によって、登録日時、更新日時が新しい目標対象である旨を通知するとよい。
制御部41は、監視活動に関するメッセージとして、第三DB432の詳細情報を表示領域142にテロップ表示する代わりに、または、テロップ表示と同時に、メイン表示領域11にサブウィンドウを表示し、サブウィンドウ内に詳細情報を表示すると良い。または、サブウィンドウの代わりに吹き出しを表示し、吹き出し内に詳細情報を表示すると同時に、ターゲットアイコンや道路等に吹き出しを関連付けると良い。