JP6882229B2 - ロボット用リンク構成部材およびロボット - Google Patents
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Description
本態様によれば、鋼板をプレス加工した2以上の成形部材を接合して、中空構造に形成することにより、鋳物によって構成する場合と比較して、強度を高く保持しながら肉厚を容易に薄くすることができる。これにより、鉄鋳物と比較して大幅に軽量化することができるとともに、アルミニウム合金鋳物と比較して欠陥の発生を低減することができる。
この構成により、鋼板をプレス成形する際に変形加工によるエンボス加工またはデボス加工による凹凸によってリブを形成して、リブの部分における断面係数を増大させたり、前記成形部材の外周面や内周面の表面上に溶接の肉盛そのものでリブを追加したり、溶接で他の部材を接合してリブを形成することで、ロボット用リンク構成部材の剛性を向上することができる。
この構成により、一の成形部材に設けられたフランジ部と他の成形部材に設けられたフランジ部とを重ね合わせて接合することにより、接合強度を高めた中空構造のロボット用リンク構成部材を構成することができ、かつ、接合されたフランジ部をリブとして剛性を向上することができる。
この構成により、中空構造のロボット用リンク構成部材の内部空間を外部に対して密封することができる。
この構成により、アクチュエータからのトルクが加えられる取付面を成形部材を構成する鋼板に積層した他の平板部材によって補強することができる。他の平板部材をアクチュエータ側に積層した場合には、追加工によって取付面の精度を向上することにしてもよい。
この構成により、線条体を2つの取付面間の筒状の本体内部の通路に配線し、線条体がアーム表面上に露出し、アームの動作の邪魔にならないようにすることができる。
この構成により、接合された補強部材の部分における断面係数を増大させてロボット用リンク構成部材の剛性を向上することができる。
この構成により、補強部材によっても2つの成形部材を接合するので、ロボット用リンク構成部材の剛性をさらに向上することができる。
この構成により、成形部材を構成する鋼板の厚さをさらに薄くすることができ、高い剛性を保ちながら、さらなる軽量化を図ることができる。
この構成により、熱収縮による残留応力の発生し易い溶接による接合を行うことなく、ボルトによってより簡易かつ確実に成形部材どうしを接合することができる。
この構成により、熱収縮による残留応力の発生し易い溶接による接合を行うことなく、リベットによってより簡易かつ確実に成形部材どうしを接合することができる。
この構成により、熱収縮による残留応力の発生し易い溶接による接合を行うことなく、接着剤によってより簡易かつ確実に成形部材どうしを接合することができる。
この構成により、弾性材料によって被覆された部分の成形部材が、作業者等と直接接触することを防止することができる。
また、本発明の他の態様は、上記いずれかのロボット用リンク構成部材を備えるロボットである。
本実施形態に係るロボット1は、図1および図2に示されるように、直立多関節型ロボットである。このロボット1は、床面に設置されるベース2と、鉛直な軸線回りにベース2に対して回転可能な旋回胴3と、水平な軸線回りに旋回胴3に対して揺動可能な第1アーム4と、第1アーム4の先端に、水平な軸線回りに第1アーム4に対して揺動可能な第2アーム5と、第2アーム5の先端に取り付けられた手首ユニット6とを備えている。
成形部材11,21に用いられる鋼板は、例えば、500MPa以上の引張強度、好ましくは1000MPa以上の引張強度を有する高張力鋼板、例えば、自動車用高張力鋼板である。
2つの成形部材11,21には、プレス成形の際に、エンボス加工またはデボス加工が施されている。これにより、底面部13,23の帯板12a,22aの部分に、長手方向に沿って、幅方向の中央が一方向に突出させられた形態のリブ11a,21aが成形されている。貫通孔17およびネジ孔18が設けられていない他方の成形部材21のリブ21aは、一方の成形部材11のリブ11aよりも長く設けられている。
本実施形態に係るロボット用リンク構成部材10によれば、鋳物で製造された従来のリンク構成部材と比較して、剛性を同等以上に維持しつつ肉厚を容易に薄くすることができるという利点がある。
取付面19a,19bを構成する平板状の鋼板である円板13a,13bに積層される他の鋼板16は、取付面19a,19bの外面または内面のいずれに接合されてもよいし、両方に接合されてもよい。特に、図13に示されるように、取付面19a,19bの外面に鋼板16を接合する場合には、追加工によって、2つの取付面19a,19bの平行度や位置度の精度を容易に向上することができる。また、この鋼板16は軽量化のためアルミ等の金属にしてもよい。
各成形部材51,61は、半円と長方形とを組み合わせた形状の底面部(鋼板)53,63と、底面部53,63の周縁から一方向に立ち上がる側壁部(鋼板)52,62とを有する箱状にプレス成形されている。底面部53,63には線条体を通過させる中央孔54,64と、中央孔54,64の径方向外方に周方向に間隔をあけて配列された複数の貫通孔55,65とを有する円環状の取付面が構成されている。取付面は、リング板状の他の鋼板(平板部材)56,66が積層状態に接合されることにより、補強されている。中央孔54,64の中心軸を減速機の中心軸に一致させ、貫通孔55,65を通して図示しないボルトにより減速機に固定することができる。
また、2つの成形部材11,21を接合する例を示したが、3以上の任意の数の成形部材11,21を接合してロボット用リンク構成部材10を構成することにしてもよい。
また、フランジ部15,25の突出したエッジ部位を弾性材料で覆うことで、エッジ部を無くすことも可能である。
10 ロボット用リンク構成部材
11,21,51,61 成形部材
11a,21a リブ
12a,22a 帯板(鋼板、本体)
12b,22b 円板(鋼板)
15,25 フランジ部
16,56,66 鋼板(平板部材)
19a,19b 取付面
31 ボルト
34 ガスケット(シール材)
35,37 リブ(補強部材)
52,62 側壁部(鋼板)
53,63 底面部(鋼板)
Claims (16)
- 鋼板を絞り加工によりプレス成形してなる2以上の本体用成形部材を接合した中空構造のロボット用リンク構成部材であって、
前記本体用成形部材に取付面を備え、該取付面にアクチュエータを直接取り付け可能である、ロボット用リンク構成部材。 - 補強部材を除き、鋼板を絞り加工によりプレス成形してなる2以上の本体用成形部材を接合した中空構造のロボット用リンク構成部材であって、
前記本体用成形部材に取付面を備え、該取付面にアクチュエータを直接取り付け可能である、ロボット用リンク構成部材。 - 片持ち構造である請求項1または請求項2に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記成形部材が、表面上に凹凸によって形成されたリブを備える請求項1から請求項3のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 各前記成形部材が、周縁に、相互に重ね合わせられた状態で接合される鍔状のフランジ部を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 相互に重ね合わせられる前記フランジ部どうしの間にシール材が挟まれている請求項5に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記取付面は、前記成形部材を構成する鋼板に他の平板部材を積層状態に接合して構成されている請求項1から請求項6のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 筒状の本体と、該本体の両端に配置された2つの前記取付面とを備え、
前記本体の内部に、一方の前記取付面から他方の前記取付面まで線条体を通過させることができる通路を備える請求項7に記載のロボット用リンク構成部材。 - 前記成形部材に、1以上の補強部材が接合されている請求項1から請求項8のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 一の前記成形部材に接合された前記補強部材に他の前記成形部材が接合されている請求項9に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記成形部材が、引張強度1000MPa以上の高張力鋼板をプレス成形してなる請求項1から請求項10のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記フランジ部どうしをボルトにより接合した請求項5または請求項6に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記フランジ部どうしをリベットにより接合した請求項5または請求項6に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記フランジ部どうしを接着剤により接合した請求項5または請求項6に記載のロボット用リンク構成部材。
- 前記成形部材の外周面の少なくとも一部が弾性材料により被覆されている請求項1から請求項14のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材。
- 請求項1から請求項15のいずれかに記載のロボット用リンク構成部材を備えるロボット。
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