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JP6880512B2 - 3次元測定装置、3次元測定方法及び3次元測定プログラム - Google Patents

3次元測定装置、3次元測定方法及び3次元測定プログラム Download PDF

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JP6880512B2 JP2018023606A JP2018023606A JP6880512B2 JP 6880512 B2 JP6880512 B2 JP 6880512B2 JP 2018023606 A JP2018023606 A JP 2018023606A JP 2018023606 A JP2018023606 A JP 2018023606A JP 6880512 B2 JP6880512 B2 JP 6880512B2
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Description

本開示は、3次元測定装置、3次元測定方法及び3次元測定プログラムに関する。
近年、対象物に符号化されたパターンやランダムドットパターンを投光し、当該パターンが投光された対象物を撮像した画像を解析することにより、対象物の3次元形状を測定するシステムが用いられている。
下記特許文献1には、オブジェクトにパターンが投光された画像を取得し、画像から基準成分を選択して、基準成分以外のパターン成分の相対座標を求め、幾何学モデルに基づく相対座標の線形変換によりオブジェクトの位置の相対的な深さを決定する、オブジェクトの3次元形状を決定する方法が記載されている。
下記特許文献2には、符号化されたパターンが投光されたオブジェクトの第1画像及び第2画像を撮像し、第2画像におけるエピポーラ線に沿って第1画像の画素領域を探索することで、オブジェクトの2次元画像から距離データを取得する方法が記載されている。
米国特許第6510244号明細書 米国特許第8208719号明細書
特許文献1及び2では、人物等の比較的大きな対象物の3次元形状を測定する技術が記載されているが、比較的小さな対象物の3次元形状を測定する場合には、対象物の3次元形状をより高解像度で測定する必要がある。そこで、パターンをより高密度として対象物に投光することが考えられる。しかしながら、バラ積みされた部品等の比較的小さな対象物の3次元形状を測定する場合、パターンが対象物の斜面に投光されて歪んだり、環境光等や対象物のテクスチャの影響によりパターンのコントラストが低下したり、対象物の表面の凹凸によりパターンが変形したりすることがあり、パターンを単に細かくするだけでは3次元形状の測定が困難な場合があることを発明者は見出した。すなわち、パターンを単に細かくするだけでは、撮像条件の変動に対するロバスト性が損なわれてしまう。
そこで、本発明は、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することのできる3次元測定装置、3次元測定方法及び3次元測定プログラムを提供する。
本開示の一態様に係る3次元測定装置は、対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部と、パターンが投光された対象物の画像を撮像する撮像部と、パターンの特徴点を抽出して、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部と、を備え、パターンは、少なくとも2ビットを表し、特徴点を含み、3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、単位パターンは、第1領域と、第1領域と区別され、第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である。ここで、対象物は、任意の物体であってよいが、例えばバラ積みされた部品であってよい。また、パターンの2次元構造は、任意の構造であってよいが、単位パターンが格子状に敷き詰められた構造であってよい。パターンの特徴点は、例えば単位パターンの中心点であってよい。また、単位パターンは、例えば正方形の内部に第1領域と第2領域によって任意の模様が表されたものであってよい。なお、単位パターンの外形は長方形であったり、平行四辺形であったりしてもよい。また、第1領域及び第2領域は、撮像部により撮像された画像の各画素の画素値に応じて区別されてよい。例えば、画素の輝度値によって第1領域及び第2領域を区別してよく、輝度値が閾値以上であるか否かによって、第1領域及び第2領域を区別してよい。
この態様によれば、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であることで、撮像条件が変動した場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
上記態様において、単位パターンは、画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である。ここで、単位パターンの短辺は、単位パターンの四辺のうち最も短い辺であってよい。
この態様によれば、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上の四辺形であることで、撮像条件が変動した場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。また、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が10画素以下の四辺形であることで、データが符号化された2次元構造を高密度で配列することができ、抽出される特徴点の密度を増大させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
上記態様において、画像上で、第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
この態様によれば、投光部により投光される単位パターンの第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比のみならず、撮像部により撮像される単位パターンにおいて第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、0.3以上0.9以下であることで、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
上記態様において、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、投光部により投光するパターンの面積比の範囲を設定する設定部をさらに備えてもよい。
この態様によれば、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比の範囲を設定することで、画像上における単位パターンの密度に応じて第1領域と第2領域の面積比の範囲を設定することができ、対象物の3次元形状を測定する解像度と、撮像条件の変動に対するロバスト性のバランスを調整することができる。
上記態様において、設定部は、画像上における単位パターンの短辺の画素数が少なくなるに従って、面積比の範囲を狭めるように設定してもよい。
この態様によれば、画像上における単位パターンの密度が高くなるに従って、第1領域と第2領域の面積比の範囲を狭めるように設定することができ、対象物の3次元形状を測定する解像度が高くなるに従って、第1領域と第2領域の面積比の範囲を撮像条件の変動に対するロバスト性が確保できるような範囲に絞っていくことができる。そのため、対象物の3次元形状を測定する解像度と、撮像条件の変動に対するロバスト性のバランスを調整することができる。
上記態様において、第1領域及び第2領域は、投光部により投光される光の明暗で区別されてもよい。
この態様によれば、光の明暗で第1領域及び第2領域を区別することで、モノクロの画像を撮像する撮像部であってもパターンを識別することができ、撮像部の構成を簡素化して3次元測定装置のコストを低減することができる。
上記態様において、第1領域及び第2領域は、投光部により投光される光の波長帯で区別されてもよい。
この態様によれば、光の波長帯で第1領域及び第2領域を区別することで、環境光等の白色光が対象物に照射された場合であっても、第1領域及び第2領域の差が変化しづらく、第1領域及び第2領域を識別することが容易となる。
上記態様において、第1領域及び第2領域は、投光部により投光される光の偏光で区別されてもよい。
この態様によれば、光の偏光で第1領域及び第2領域を区別することで、環境光等の光が対象物に照射された場合であっても、第1領域及び第2領域の差が変化しづらく、第1領域及び第2領域を識別することが容易となる。
上記態様において、単位パターンは、第1領域が分離せず連続した2次元形状を含んでもよい。
この態様によれば、単位パターンの2次元構造を単純化して、第1領域及び第2領域の識別を容易とすることができる。
上記態様において、単位パターンは、第1領域が、第2領域を挟んで分離した2次元形状を含んでもよい。
この態様によれば、単位パターンによって様々な2次元構造を構成することができ、単位パターンに符号化されたデータの密度を向上させることができる。これにより、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングをすることができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
上記態様において、パターンは、第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む単位パターンと、第1領域が、第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む単位パターンと、を含んでもよい。
この態様によれば、単位パターンの2次元構造のバリエーションを増加させて、単位パターンによって表すことのできるビット数を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度を向上させることができる。そのため、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングをすることができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
上記態様において、第1領域は、単位パターンにおいて、第2領域を挟んで2つに分離していてもよい。
この態様によれば、単位パターンの2次元構造を比較的単純にして、第1領域及び第2領域の識別を容易としつつ、単位パターンによって表すことのできるデータ量を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度を向上させることができる。そのため、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングをすることができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
上記態様において、第1領域は、単位パターンにおいて、第2領域を挟んで3つ以上に分離していてもよい。
この態様によれば、単位パターンの2次元構造を比較的複雑にして、単位パターンによって表すことのできるビット数が増え、単位パターンの位置の特定が容易になる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保しながら、ウィンドウマッチングの処理時間を短くして、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
上記態様において、投光部は、投光するパターンの大きさを変調させる変調素子を含んでよい。
この態様によれば、パターンが投光される対象物の凹凸や傾きに応じてパターンの大きさを変調し、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保することができる。また、パターンを大きくするように変調して、画像上における短辺の画素数を大きくすることで、3次元点群の数を少なくして、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
本開示の他の態様に係る3次元測定方法は、対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光することと、パターンが投光された対象物の画像を撮像することと、パターンの特徴点を抽出して、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出することと、を含み、パターンは、少なくとも2ビットを表し、特徴点を含み、3次元点群の位置を算出するために用いられる単位パターンを複数含み、単位パターンは、画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である。
この態様によれば、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上の四辺形であることで、撮像条件が変動した場合であっても、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。また、単位パターンが画像上において短辺が10画素以下の四辺形であることで、データが符号化された2次元構造を高密度で配列することができ、抽出される特徴点の密度を増大させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
本開示の他の態様に係る3次元測定プログラムは、対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部と、パターンが投光された対象物の画像を撮像する撮像部と、を備える3次元測定装置に備えられた演算部を、パターンの特徴点を抽出して、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部として動作させ、パターンは、少なくとも2ビットを表し、特徴点を含み、3次元点群の位置を算出するために用いられる単位パターンを複数含み、単位パターンは、画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である。
この態様によれば、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上の四辺形であることで、撮像条件が変動した場合であっても、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。また、単位パターンが画像上において短辺が10画素以下の四辺形であることで、データが符号化された2次元構造を高密度で配列することができ、抽出される特徴点の密度を増大させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
本発明によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することのできる3次元測定装置、3次元測定方法及び3次元測定プログラムを提供することができる。
本開示の実施形態に係る3次元測定装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係る3次元測定装置の制御部及び認識部の物理的構成を示す図である。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光されるパターンの一例を示す図である。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光される単位パターンの例を示す図である。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光される、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの例を示す図である。 撮像条件の変動により乱れたパターンの例を示す図である。 第1態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 第2態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 第3態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光される、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成される単位パターンの例を示す図である。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光され、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成され、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの他の例を示す図である。 第1態様で乱された他の例のパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 第2態様で乱された他の例のパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 第3態様で乱された他の例のパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る3次元測定装置の投光部により投光され、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成され、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの例を列挙した図である。 本実施形態に係る3次元測定装置により実行される対象物の3次元形状の測定処理のフローチャートである。 本実施形態の第1変形例に係る3次元測定装置の投光部により投光される単位パターンの例を示す図である。 本実施形態の第2変形例に係る3次元測定装置の投光部により投光される単位パターンの例を示す図である。 本実施形態の第3変形例に係る3次元測定装置の投光部により投光されるパターンの例を示す図である。 本実施形態の第4変形例に係る3次元測定装置の投光部により投光されるパターンの例を示す図である。 本実施形態の第5変形例に係る3次元測定装置の投光部により投光される単位パターンの例を示す図である。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」と表記する。)を、図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
§1 適用例
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る3次元測定装置10の機能ブロック図である。本実施形態に係る3次元測定装置10は、対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部20と、パターンが投光された対象物の画像を撮像する撮像部30と、投光部20及び撮像部30を制御し、撮像された画像に基づいて対象物の3次元形状を表す3次元点群を出力する制御部40と、3次元点群に基づいて、対象物の3次元形状を認識する認識部50とを備える。なお、3次元測定装置10は、必ずしも認識部50を備えなくてもよく、認識部50は、3次元測定装置10と通信可能な別体の装置で構成されてもよい。また、対象物は、例えばバラ積みされた部品であってよいし、平置きされた部品等の任意の物であってよい。
投光部20は、少なくとも2ビットを表し、特徴点を含み、3次元点群の位置を算出するために用いられる単位パターンを複数含むパターンを対象物に投光してよい。投光部20は、例えば、四辺形の単位パターンが格子状に敷き詰められたパターンを対象物に投光してよい。もっとも、パターンは任意の形状の単位パターンを含んでよく、例えば、円形、曲面、ランダムドット、グリッド状及び波状のうち少なくともいずれかの形状の単位パターンを含んでもよい。また、単位パターンは、単位パターンの並び順によって格子の列を特定可能に配列されていてよい。四辺形の単位パターンは、また、例えば正方形の内部に任意の模様が表されたものであってよいが、単位パターンの外形は長方形であったり、平行四辺形であったりしてもよい。
撮像部30は、投光部20に対して所定の距離及び角度で配置され、パターンが投光された対象物の画像を撮像する。画像には、対象物の位置や方位等の状態に応じて変形したパターンが撮像される。撮像部30は、一台であってよく、対象物の3次元形状を測定するために一枚の画像を撮像すればよい。もっとも、3次元測定装置10は、複数の撮像部を備えるものであってもよい。また、撮像部30は、対象物の画像を1枚撮像するものであってもよいし、複数枚撮像するものであってもよい。
制御部40は、パターンの特徴点を抽出して、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する。本実施形態では、制御部40は、単位パターンの中心を特徴点として抽出し、単位パターンに含まれる第1領域及び第2領域の2次元形状に基づいて、単位パターンが表すデータを復号する。ここで、単位パターンの第1領域及び第2領域は、互いに区別可能な領域であり、例えば、投光される光の明暗によって区別される領域であってよい。また、画像上の第1領域及び第2領域は、撮像部30により撮像された画像の各画素の画素値に応じて区別されてよい。例えば、画素の輝度値によって第1領域及び第2領域を区別してよく、輝度値が閾値以上であるか否かによって、第1領域及び第2領域を区別してよい。本実施形態では、第2領域は、第1領域よりも面積の大きい領域であると定義する。なお、第1領域及び第2領域の定義は逆であってもよく、第1領域が、第2領域よりも面積の大きい領域であると定義してもよい。なお、制御部40は、撮像部30の被写界深度内に投影されたパターンについて特徴点を抽出すればよく、被写界深度外に投影されてボケて撮像されたパターンについては特徴点を抽出しなくてもよい。すなわち、ボケの影響によって第1領域と第2領域の区別が曖昧となる場合には、その単位パターンを3次元点群の位置の算出に用いなくてよい。
制御部40は、例えば、画像上の注目する画素が属する列について、隣接する単位パターンが表すデータを復号し、データの並び順に基づいて、注目する画素が属する列が、投光部20により投光されたパターンのいずれの列に対応するか特定する。投光部20により投光されたパターンの列が特定されると、特定された列と投光部20の光源とを通り、対象物を貫く平面が特定される。また、画像上の注目する画素と、対象物に投光されたパターンのうち注目する画素に対応する単位パターンとを通る直線が特定される。ここで、投光部20と撮像部30との間の距離及び角度が既知であれば、投光部20を通る平面と撮像部30を通る直線との交点から3次元測定装置10までの距離、すなわち対象物までの距離を三角測量の方法で算出することができる。このようにして、制御部40は、1つの単位パターンから対象物の3次元形状を表す3次元点群の1つの点の位置を算出することができる。また、制御部40は、パターンに含まれる複数の単位パターンをウィンドウマッチングにより特定して、特定された複数の単位パターンそれぞれについて3次元点群の位置を算出してよい。なお、制御部40は、エピポーラ制約を用いて、投光部20により投光されたパターンの列のみならず、行も特定することとしてもよい。
対象物の3次元形状をより高解像度で測定するために、データが符号化された単位パターンをより高密度に配列してパターンを対象物に投光することが考えられる。単位パターンの大きさについては、撮像部30の解像度、すなわち撮像部30が有する受光素子の密度に起因する制約が存在する。仮に、データが符号化された単位パターンをより高密度に配列し、画像上における単位パターンの短辺が3画素未満となってしまうと、画像に基づいて単位パターンの特徴点を抽出したり、単位パターンの第1領域と第2領域を識別したりすることが困難となり、3次元形状の測定が困難となる。そこで、単位パターンの大きさは、画像上で、短辺が3画素以上であることが望まれる。単位パターンの短辺が画像上で3画素以上であれば、例えば画素の明暗によって第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点及び単位パターンが表すデータを復号することができる。なお、短辺とは、単位パターンの四辺のうち最も短い辺であってよい。
また、単位パターンの画像上における大きさを、短辺が10画素以下とすることで、データが符号化された単位パターンを高密度に配列して、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。なお、単位パターンの画像上における大きさは、短辺が9画素以下であったり、8画素以下であったりしてもよい。
まとめると、本実施形態に係る3次元測定装置10の撮像部30により撮像される画像は、画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である単位パターンを複数含むパターンが対象物に投光された画像であってよい。
発明者は、単位パターンを配列する密度を上げて、パターンを単に細かくするだけでは、環境光等の影響によりパターンのコントラストが低下した場合や、斜面に投光されてパターンが歪んだ場合等に、対象物の3次元形状の測定が困難となることを見出した。すなわち、パターンを単に細かくするだけでは、撮像条件の変動に対するロバスト性が損なわれてしまう。これに対して、発明者は、単位パターンに含まれる第1領域及び第2領域の形状を様々に変更して、撮像条件の変動に対するロバスト性を検証した。そして、第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、0.3以上0.9以下であれば、撮像条件が変動した場合であっても、単位パターンから特徴点を抽出したり、単位パターンが表すデータを復号したりすることができるようになることを見出した。ここで、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比は、投光部20により投光されるパターンにおいて0.3以上0.9以下であってよく、撮像部30により撮像される画像上でも、0.3以上0.9以下であってよい。なお、投光部20により投光されるパターンにおいて第1領域又は第2領域にノイズ加えられて第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が0.3以上0.9以下の範囲から僅かに外れたとしても、撮像部30により撮像される画像上で、第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が0.3以上0.9以下であれば、撮像条件が変動した場合であっても、単位パターンから特徴点を抽出したり、単位パターンが表すデータを復号したりすることができる。ここで、ノイズとは、投光されたパターンの第1領域中に含まれる第2領域であって、撮像された画像上で1画素と認識されない程度に微小な第2領域であってよい。また、その逆であってもよく、すなわち、ノイズとは、投光されたパターンの第2領域中に含まれる第1領域であって、撮像された画像上で1画素と認識されない程度に微小な第1領域であってもよい。
本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上の四辺形であることで、撮像条件が変動した場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。また、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が10画素以下の四辺形であることで、データが符号化された2次元構造を高密度で配列することができ、抽出される特徴点の密度及び符号化されるデータ量を増大させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
§2 構成例
[機能構成]
<投光部>
投光部20は、対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光するものであり、投光するパターンは任意のものを用いることができる。パターンの具体例については、図3等を用いて後に詳細に説明する。
投光部20により投光されるパターンは、四辺形の複数の単位パターンが敷き詰められたものであってよく、単位パターンは、第1領域及び第2領域を含んでよい。ここで、第1領域及び第2領域は、投光部20により投光される光の明暗で区別されてよい。例えば、第1領域を光が照射されている明るい領域と定義して、第2領域を光が照射されず暗い領域と定義してよいし、その逆であってもよい。光の明暗で第1領域及び第2領域を区別することで、モノクロの画像を撮像する撮像部30であってもパターンを識別することができ、撮像部30の構成を簡素化して3次元測定装置10のコストを低減することができる。
また、単位パターンの第1領域及び第2領域は、投光部20により投光される光の波長帯で区別されてもよい。例えば、第1領域を波長帯が450nm程度の青い光が照射されている領域と定義して、第2領域を波長帯が650nm程度の赤い光が照射さている領域と定義してよく、その逆であってもよい。他の例として、第1領域を波長帯が450nm程度の青い光が照射されている領域と定義して、第2領域を波長帯が580nm程度の黄色い光が照射されている領域と定義してよく、その逆であってもよい。さらに他の例として、第1領域を波長帯が450nm程度の青い光が照射されている領域と定義して、第2領域を波長帯が1μm程度の赤外線が照射されている領域と定義してよく、その逆であってもよい。このように、照射する光の波長帯で第1領域及び第2領域を区別することで、環境光等の白色光が対象物に照射された場合であっても、第1領域及び第2領域の差が変化しづらく、第1領域及び第2領域を識別することが容易となる。なお、対象物の吸光度に応じて、単位パターンの第1領域及び第2領域の差異が顕著となるような波長帯の組み合わせを選択して、第1領域及び第2領域を識別することとしてもよい。また、撮像部30の撮像素子の分光感度に応じて、単位パターンの第1領域及び第2領域の差異が顕著となるような波長帯の組み合わせを選択して、第1領域及び第2領域を識別することとしてもよい。
また、単位パターンの第1領域及び第2領域は、投光部20により投光される光の偏光で区別されてもよい。例えば、第1領域を第1方向に直線偏光している光が照射されている領域と定義して、第2領域を、第1方向と直交する第2方向に直線偏光している光が照射されている領域と定義してよく、その逆であってもよい。また、他の例として、第1領域を光の進行方向に対して時計回りに円偏光している光が照射されている領域と定義して、第2領域を光の進行方向に対して反時計回りに円偏光している光が照射されている領域と定義してよく、その逆であってもよい。なお、対象物の偏光における吸光度に応じて、単位パターンの第1領域及び第2領域の差異が顕著となるような偏光の組み合わせを選択して、第1領域及び第2領域を識別することとしてもよい。このように、光の偏光で第1領域及び第2領域を区別することで、例えば、黒体や透明体といった対象物に対して、環境光等の光が対象物に照射された場合であっても、第1領域及び第2領域の差が変化しづらく、第1領域及び第2領域を識別することが容易となる。
投光部20は、任意の固定パターンを投光するプロジェクタであってもよいし、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)等によって単位時間あたりに1つの固定パターンを投光するプロジェクタであってもよい。投光部20は、投光するパターンの大きさを変調させる変調素子を含んでもよく、例えば、対象物の凹凸や傾きに応じて投光するパターンの大きさを変調させてよい。パターンの大きさを対象物の状態に応じて変調することで、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保することができる。また、パターンを大きくするように変調して、画像上における短辺の画素数を大きくすることで、3次元点群の数を少なくして、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
<撮像部>
撮像部30は、パターンが投光された対象物の画像を撮像するものであり、撮像した画像を制御部40に出力したり、他の機器に出力したりするものであってよい。撮像部30は、投光部20と所定の距離及び角度で配置されてよく、例えば、投光部20による投光方向と、撮像部30の撮像方向が略同一であり、同一平面上に所定の距離で配置されてよい。
<制御部>
制御部40は、画像入力部41、画像記録部42、算出部43、3次元点群出力部44及び設定部45を含む。画像入力部41は、撮像部30により撮像された画像を撮像部30から取得し、画像記録部42に入力する。画像記録部42は、撮像部30により撮像された画像をメモリに記録する。
算出部43は、撮像されたパターンの特徴点を抽出する。算出部43は、パターンに含まれる単位パターン毎に特徴点を抽出してよく、例えば、単位パターンの中心を特徴点として抽出してよい。また、算出部43は、単位パターンに含まれる第1領域及び第2領域の2次元形状に基づいて、単位パターンが表すデータを復号する。そして、算出部43は、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する。より具体的には、注目する単位パターン及び注目する単位パターンに隣接する単位パターンについて、単位パターンが表すデータを復号し、データの並び順から注目する単位パターンが属する列を特定する。そして、注目する単位パターンから抽出された特徴点の画像上における位置と、特定された列とに基づいて、三角測量により対象物までの距離を算出する。なお、算出部43は、エピポーラ制約を用いて、注目する単位パターンが属する列のみならず、注目する単位パターンが属する行も特定することとしてもよい。このようにして、複数の単位パターンに対し対象物の3次元形状を表す複数の点の位置を算出し、対象物の3次元形状を表すことができる。
3次元点群出力部44は、算出された3次元点群のデータを認識部50に出力する。3次元点群出力部44は、3次元点群のデータを表示部に出力したり、3次元測定装置10以外の装置に出力したりしてもよい。
設定部45は、投光部20により投光するパターンを設定したり、撮像部30の絞りや露光時間等を設定したりしてよい。設定部45は、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、投光部20により投光するパターンに含まれる単位パターンの第1領域と第2領域の面積比の範囲を設定してよい。すなわち、設定部45は、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、第1領域と第2領域の面積比を、0.3以上0.9以下の範囲としたり、0.3以上0.9以下の範囲より狭めたりしてよい。このように、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比の範囲を設定することで、画像上における単位パターンの密度に応じて第1領域と第2領域の面積比の範囲を設定することができ、対象物の3次元形状を測定する解像度と、撮像条件の変動に対するロバスト性のバランスを調整することができる。
また、設定部45は、画像上における単位パターンの短辺の画素数が少なくなるに従って、第1領域と第2領域の面積比の範囲を狭めるように設定してよい。例えば、画像上における単位パターンの短辺の画素数が10画素の場合、第1領域と第2領域の面積比を、0.3以上0.9以下の範囲として、画像上における単位パターンの短辺の画素数が10画素より少なくなるに従って、第1領域と第2領域の面積比を、0.3以上0.9以下の範囲より狭くなるように設定してよい。これにより、画像上における単位パターンの密度が高くなるに従って、第1領域と第2領域の面積比の範囲を狭めるように設定することができ、対象物の3次元形状を測定する解像度が高くなるに従って、第1領域と第2領域の面積比の範囲を撮像条件の変動に対するロバスト性が確保できるような範囲に絞っていくことができる。そのため、対象物の3次元形状を測定する解像度と、撮像条件の変動に対するロバスト性のバランスを調整することができる。
<認識部>
認識部50は、CADモデル記憶部51、CADマッチング計算部52及びCADマッチング出力部53を含む。CADモデル記憶部51は、対象物の3次元CADモデルを記憶してよい。CADマッチング計算部52は、3次元点群出力部44より取得した3次元点群と、CADモデル記憶部51に記憶された対象物の3次元CADモデルとのマッチングを行ってよい。3次元点群と3次元CADモデルとのマッチングは、任意のアルゴリズムにより行われてよい。CADマッチング出力部53は、CADマッチング計算部52により計算されたマッチングの結果を、表示部や他の機器に出力してよい。
[ハードウェア構成]
<投光部>
次に、本実施形態に係る3次元測定装置10のハードウェア構成の一例を説明する。投光部20は、光源と、パターンを有する光を生成するためのフォトマスクとを含むものであってよく、例えば、レーザ光源と、回折光学素子とを含むものであってよい。また、投光部20は、固定パターンを形成する光学素子と、光変調素子としてDLP(Digital Light Processing)、LCD(Liquid Crystal Display)、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)又はMEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)等を有するプロジェクタであってよく、投光するパターンの大きさを変調させる変調素子を含んでよい。投光部20は、レーザ光源からの光を回折光学素子に入射させ、回折光学素子の表面に形成された回折パターンによって2次元構造を有する光を生成するものであってよい。なお、投光部20は、レンズ等の任意の光学部材を含んでよいし、光源から出射される光の波長帯は可視領域に限られず、赤外領域や紫外領域の波長帯であってもよい。
<撮像部>
撮像部30は、少なくとも投光部20により投光された光を検出する受光素子を含むカメラであってよい。撮像部30は、波長を分離するフィルタや偏光を分離するフィルタやその他レンズ等の任意の光学部材を含んでよい。
<制御部及び認識部>
図2は、本実施形態に係る3次元測定装置10の制御部40及び認識部50の物理的構成を示す図である。3次元測定装置10は、演算部に相当するCPU(Central Processing Unit)10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fとを有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、本例では3次元測定装置10が一台のコンピュータで構成される場合について説明するが、3次元測定装置10は、複数のコンピュータを用いて実現されてもよい。
CPU10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU10aは、パターンが投光された対象物の画像に基づいて、対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出し、3次元点群と3次元CADモデルとのマッチングを行うプログラム(3次元測定プログラム)を実行する演算部である。CPU10aは、入力部10eや通信部10dから種々の入力データを受け取り、入力データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bやROM10cに格納したりする。なお、図2では記載しないが、GPU(Graphical Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)等のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の並列演算処理を行うユニットによって、3次元形状の測定に関する機械学習の演算を行ってもよい。
RAM10bは、記憶部のうちデータの書き換えが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。RAM10bは、CPU10aが実行する3次元測定プログラムや、撮像部30から取得した対象物の画像、算出した3次元点群に関するデータ、対象物の3次元CADモデルといったデータを記憶してよい。なお、これらは例示であって、RAM10bには、これら以外のデータが記憶されていてもよいし、これらの一部が記憶されていなくてもよい。
ROM10cは、記憶部のうちデータの読み出しが可能なものであり、例えば半導体記憶素子で構成されてよい。ROM10cは、例えば3次元測定プログラムや、書き換えが行われないデータを記憶してよい。
通信部10dは、3次元測定装置10を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、投光部20及び撮像部30と、例えばLAN(Local Area Network)により接続されて、投光部20に対しパターンの設定に関する情報を送信し、撮像部30に対し絞り、露光時間又はシャッタースピード等の設定に関する情報を送信してよい。また、通信部10dは、撮像部30から対象物の画像を受信してよい。また、通信部10dは、インターネット等の通信ネットワークに接続されてもよい。さらに、FPGA(Field-Programmable Gate Array)によって、投光部20の投光時間を制御したり、投光部20の光変調素子を制御したり、撮像物30の露光時時間やシャッタースピードを制御したりしてもよい。
入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるものであり、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルを含んでよい。
表示部10fは、CPU10aによる演算結果を視覚的に表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。表示部10fは、例えば撮像部30により撮像された対象物の画像を表示したり、算出された3次元点群を表示したり、3次元点群とマッチングされた3次元CADモデルを表示したりしてよい。
3次元測定プログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続される通信ネットワークを介して提供されてもよい。3次元測定装置10では、CPU10aが3次元測定プログラムを実行することにより、図1を用いて説明した様々な動作が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、3次元測定装置10は、CPU10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
§3 動作例
図3は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光されるパターンの一例を示す図である。同図では、投光部20により投光されるパターンの一部を拡大して図示している。投光部20により投光されるパターンは、N×M(N及びMは任意の自然数)の格子状に配列された単位パターンUを含み、n×m(nはNより小さい自然数であり、mはMより小さい自然数)の格子状に配列された単位パターンUがひとまとまりとなった符号化領域Aを含む。本例のパターンでは、2×2の格子状に配列された単位パターンUがひとまとまりとなって1つの符号化領域Aを構成し、1つの符号化領域Aから1つのデータが復号される。隣接する符号化領域Aは、単位パターンUを重複して含んでもよい。
図4は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される単位パターンの例を示す図である。同図では、第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4を図示している。第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4は、第1領域S1と第2領域S2を含むパターンであり、比較的大きな正方形で構成される格子模様の中央に1つの比較的小さな正方形を配置した2次元構造を有する。
第1単位パターンU1は、左下と右上に白色の第1領域S1を含み、左上から右下にかけて黒色の第2領域S2を含む。第2単位パターンU2は、左上と右下に白色の第1領域S1を含み、左下から右上にかけて黒色の第2領域S2を含む。第3単位パターンU3は、左上と右下に黒色の第1領域S1を含み、左下から右上にかけて白色の第2領域S2を含む。第4単位パターンU4は、左下と右上に黒色の第1領域S1を含み、左上から右下にかけて白色の第2領域S2を含む。
ここで、白色で示した領域は、光が照射されている明るい領域であってよく、黒色で示した領域は、光が照射されていない暗い領域であってよい。もっとも、白色で示した領域が、光が照射されていない暗い領域であり、黒色で示した領域が、光が照射されている明るい領域であってもよい。また、白色で示した領域は、例えば青色の光が照射されている領域であってよく、黒色で示した領域は、赤色の光が照射されている領域であってもよいし、白色で示した領域は、第1方向に直線偏光した光が照射されている領域であってよく、黒色で示した領域は、第1方向と直交する第2方向に直線偏光した光が照射されている領域であってもよい。
第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4は、第1領域S1が、第2領域S2を挟んで分離した2次元形状を含んでいる。また、第1単位パターンU1と第2単位パターンU2は、互いに90°回転した形状であり、第3単位パターンU3と第4単位パターンU4は、互いに90°回転した形状であり、第1単位パターンU1と第4単位パターンU4は、互いに白黒反転した形状であり、第2単位パターンU2と第3単位パターンU3は、互いに白黒反転した形状である。
第1領域S1が、第2領域S2を挟んで分離していることで、単位パターンによって様々な2次元構造を構成することができ、単位パターンに符号化されたデータの密度を向上させることができる。これにより、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングをすることができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
また、第1領域S1は、第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4において、第2領域S2を挟んで2つに分離している。言い換えると、第1領域S1は、第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4において、第2領域S2を挟んで分離しているものの、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していない。第1領域S1の分離数を2つに抑えることで、単位パターンの2次元構造を比較的単純にして、第1領域S1及び第2領域S2の識別を容易とすることができる。また、単位パターンによって表すことのできるデータ量を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度を向上させることができる。そのため、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングをすることができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
図5は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの例を示す図である。同図では、図4に示す第1単位パターンU1、第2単位パターンU2、第3単位パターンU3及び第4単位パターンU4を含み、単位パターンの四辺の長さを変えずに、第1領域及び第2領域の面積比を変化させた第1パターンP1、第2パターンP2、第3パターンP3、第4パターンP4及び第5パターンP5を図示している。なお、本例では単位パターンの外形は正方形であり、単位パターンの四辺の長さはそれぞれ等しい。また、第1パターンP1について、単位パターンUと、単位パターンUから抽出された特徴点Fとを図示している。なお、第1パターンP1、第2パターンP2、第3パターンP3、第4パターンP4及び第5パターンP5は、パターンの一部を拡大して図示したものである。また、第1パターンP1について単位パターンUと特徴点Fを図示しているが、第2パターンP2、第3パターンP3、第4パターンP4及び第5パターンP5についても同様に単位パターンが含まれ、単位パターンから特徴点が抽出される。
第1パターンP1は、単位パターンUに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、4/5=0.8である例である。第2パターンP2は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、21/29≒0.724である例である。第3パターンP3は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、3/5=0.6である例である。第4パターンP4は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、5/13≒0.385である例である。第5パターンP5は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、0.2である例である。
図6は、撮像条件の変動により乱れたパターンの例を示す図である。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、画像のコントラストの変更、画像へのノイズ付加、画像の平滑化及び画像のアフィン変換によって、撮像条件の変動を再現したパターンの例を示している。ここで、アフィン変換は、特定方向に関する画像の拡大、縮小、せん断変形を含む。なお、同図では、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、3/5=0.6であるパターンの例を示している。
「変動無し」と示した図6の1行目には、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、撮像条件の変動が無い場合におけるパターンの例を示している。1行目に示したパターンには、図4に示した4種類の単位パターンが含まれている。
「第1条件」と示した図6の2行目には、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、第1条件で変動されたパターンの例を示している。ここで、第1条件は、最も明るい画素の輝度をMと表し、最も暗い画素の輝度をLと表すとき、M−L=30となるようにコントラストを低下させる条件である。2行目に示したパターンから、第1条件で画像が乱されることで、1行目に示した無変動の場合よりも第1領域と第2領域の識別が困難となっていることが確認できる。
「第2条件」と示した図6の3行目には、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、第2条件で変動されたパターンの例を示している。ここで、第2条件は、最も明るい画素の輝度をMと表し、最も暗い画素の輝度をLと表すとき、M−L=30となるようにコントラストを低下させ、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化する条件である。3行目に示したパターンから、第2条件で画像が乱されることで、1行目に示した無変動の場合よりも第1領域と第2領域の識別がさらに困難となっていることが確認できる。
「第3条件」と示した図6の4行目には、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、第3条件で変動されたパターンの例を示している。ここで、第3条件は、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の拡大を行い、パターンが伸びる方向に30°のせん断変形を行う条件である。4行目に示したパターンから、第3条件で画像が乱されることで、1行目に示した無変動の場合よりも第1領域と第2領域の識別がさらに困難となっていることが確認できる。
「第4条件」と示した図6の5行目には、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素、5画素及び6画素の場合それぞれについて、第3条件で変動されたパターンの例を示している。ここで、第3条件は、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の縮小を行い、パターンが縮む方向に30°のせん断変形を行う条件である。5行目に示したパターンから、第4条件で画像が乱されることで、1行目に示した無変動の場合よりも第1領域と第2領域の識別がさらに困難となっていることが確認できる。
図7は、第1態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG11で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG12で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG13で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG14で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG15で示している。
第1態様で乱されたパターンは、最も明るい画素の輝度をMと表し、最も暗い画素の輝度をLと表すとき、M−L=30となるようにコントラストを低下させ、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化したパターンである。すなわち、第1態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わることで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG11〜G15によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.3の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.8の範囲にあれば、復号の成功率が80%以上であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが6画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.9の範囲にあれば、復号の成功率が90%以上であることがわかる。
設定部45は、例えば、単位パターンの短辺の長さが6画素から10画素の場合、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比の範囲を、おおよそ0.4から0.9に設定して、単位パターンの短辺の長さが4画素又は5画素の場合、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比の範囲を、おおよそ0.4から0.8に狭めて設定することとしてもよい。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わった場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図8は、第2態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG21で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG22で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG23で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG24で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG25で示している。
第2態様で乱されたパターンは、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の拡大を行い、パターンが伸びる方向に20°のせん断変形を行うことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。すなわち、第2態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪むことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG21〜G25によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.3の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.9の範囲にあれば、復号の成功率が70%以上であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.9の範囲にあれば、復号の成功率が80%以上であることがわかる。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪んだ場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図9は、第3態様で乱されたパターンについて、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG31で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG32で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG33で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG34で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG35で示している。
第3態様で乱されたパターンは、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の縮小を行い、パターンが縮む方向に20°のせん断変形を行うことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。すなわち、第3態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪むことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG31〜G35によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.35の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.6から0.7の範囲にあれば、復号の成功率が90%以上であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.8の範囲にあれば、復号の成功率が90%以上であることがわかる。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪んだ場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図10は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成される単位パターンの例を示す図である。同図では、第5単位パターンU11、第6単位パターンU12、第7単位パターンU13及び第8単位パターンU14を図示している。第5単位パターンU11、第6単位パターンU12、第7単位パターンU13及び第8単位パターンU14は、第1領域S1と第2領域S2を含むパターンであり、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成されるように、矩形で構成される格子模様と円を組み合わせて構成された2次元構造を有する。
第5単位パターンU11は、左下と右上に白色の第1領域S1を含み、左上から右下にかけて黒色の第2領域S2を含む。第6単位パターンU12は、左上と右下に白色の第1領域S1を含み、左下から右上にかけて黒色の第2領域S2を含む。第7単位パターンU13は、左上と右下に黒色の第1領域S1を含み、左下から右上にかけて白色の第2領域S2を含む。第8単位パターンU14は、左下と右上に黒色の第1領域S1を含み、左上から右下にかけて白色の第2領域S2を含む。
ここで、白色で示した領域は、光が照射されている明るい領域であってよく、黒色で示した領域は、光が照射されていない暗い領域であってよい。もっとも、白色で示した領域が、光が照射されていない暗い領域であり、黒色で示した領域が、光が照射されている明るい領域であってもよい。また、白色で示した領域は、例えば青色の光が照射されている領域であってよく、黒色で示した領域は、赤色の光が照射されている領域であってもよいし、白色で示した領域は、第1方向に直線偏光した光が照射されている領域であってよく、黒色で示した領域は、第1方向と直交する第2方向に直線偏光した光が照射されている領域であってもよい。
図11は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光され、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成され、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの例を示す図である。同図では、図10に示す第5単位パターンU11、第6単位パターンU12、第7単位パターンU13及び第8単位パターンU14を含み、単位パターンの四辺の長さを変えずに、第1領域及び第2領域の面積比を変化させた第7パターンP11、第8パターンP12、第9パターンP13及び第10パターンP14を図示している。また、第7パターンP11について、単位パターンUと、単位パターンUから抽出された特徴点Fとを図示している。なお、第7パターンP11、第8パターンP12、第9パターンP13及び第10パターンP14は、パターンの一部を拡大して図示したものである。また、第7パターンP11について単位パターンUと特徴点Fを図示しているが、第8パターンP12、第9パターンP13及び第10パターンP14についても同様に単位パターンが含まれ、単位パターンから特徴点が抽出される。
第7パターンP11は、単位パターンUに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、4/5=0.8である例である。第8パターンP12は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、21/29≒0.724である例である。第9パターンP13は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、3/5=0.6である例である。第10パターンP14は、単位パターンに含まれる第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比が、5/13≒0.385である例である。
図12は、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成されるように、矩形で構成される格子模様と円を組み合わせて構成された2次元構造を有する単位パターンを複数含む他の例のパターンが第1態様で乱された場合における、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG41で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG42で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG43で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG44で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG45で示している。
第1態様で乱されたパターンは、最も明るい画素の輝度をMと表し、最も暗い画素の輝度をLと表すとき、M−L=30となるようにコントラストを低下させ、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化したパターンである。すなわち、第1態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わることで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG41〜G45によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.3の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.7の範囲にあれば、復号の成功率が80%以上であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.8の範囲にあれば、復号の成功率が90%以上であることがわかる。
設定部45は、例えば、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比の範囲を、おおよそ0.4から0.8に設定して、単位パターンの短辺の長さが4画素の場合、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比の範囲を、おおよそ0.4から0.7に狭めて設定することとしてもよい。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わった場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図13は、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成されるように、矩形で構成される格子模様と円を組み合わせて構成された2次元構造を有する単位パターンを複数含む他の例のパターンが第2態様で乱された場合における、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG51で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG52で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG53で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG54で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG55で示している。
第2態様で乱されたパターンは、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の拡大を行い、パターンが伸びる方向に20°のせん断変形を行うことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。すなわち、第2態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪むことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG51〜G55によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.3の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.7の範囲にあれば、復号の成功率がほぼ100%であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.9の範囲にあれば、復号の成功率がほぼ100%であることがわかる。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪んだ場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図14は、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成されるように、矩形で構成される格子模様と円を組み合わせて構成された2次元構造を有する単位パターンを複数含む他の例のパターンが第3態様で乱された場合における、第1領域及び第2領域の面積比と、パターンからデータを復号する際の成功率との関係を示すグラフである。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが10画素の場合を実線のグラフG61で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが8画素の場合を破線のグラフG62で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素の場合を一点鎖線のグラフG63で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが5画素の場合を二点鎖線のグラフG64で示し、画像上における単位パターンの短辺の長さが4画素の場合を点線のグラフG65で示している。
第3態様で乱されたパターンは、標準偏差が5であるガウス分布に基づいて画像にノイズを加え、標準偏差が1であるガウス分布に基づいて画像を平滑化し、x軸方向について2割の縮小を行い、パターンが縮む方向に20°のせん断変形を行うことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。すなわち、第3態様で乱されたパターンは、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪むことで画像が乱れた場合を再現したパターンである。
グラフG61〜G65によれば、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が0.3の場合に、復号の成功率が50%以上となることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが4画素から10画素のいずれの場合であっても、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.7の範囲にあれば、復号の成功率が90%以上であることがわかる。また、単位パターンの短辺の長さが5画素から10画素の場合に、単位パターンの第1領域及び第2領域の面積比が、おおよそ0.4から0.8の範囲にあれば、復号の成功率がほぼ100%であることがわかる。
このように、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であることで、環境光等によって画像のコントラストが低下し、撮像部30の撮像素子にノイズが加わり、対象物や背景の斜面にパターンが投光されてパターンが歪んだ場合であっても、第1領域と第2領域を識別することができ、単位パターンの特徴点を抽出し、単位パターンが表すデータを復号することができる。そのため、本実施形態に係る3次元測定装置10によれば、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図7〜9及び図12〜14によれば、図4に示した比較的大きな正方形で構成される格子模様の中央に1つの比較的小さな正方形を配置した2次元構造を有する単位パターンを複数含むパターンと、図11に示した矩形で構成される格子模様と円を組み合わせて構成された2次元構造を有する単位パターンを複数含む他の例のパターンとのいずれを用いても、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比が0.3以上0.9以下であり、単位パターンが画像上において短辺が3画素以上10画素以下の四辺形であれば、パターンからデータを復号する際の成功率が十分に高くなる。従って、パターンからデータを復号する際の成功率は、単位パターンの2次元構造を構成する模様に左右されず、単位パターンに含まれる第1領域と第2領域の面積比と、画像上における単位パターンの短辺の画素数とが重要であると考えられる。
図15は、本実施形態に係る3次元測定装置10の投光部20により投光され、符号化パターンが異なる図形の組み合わせで構成され、第1領域及び第2領域の面積比が異なるパターンの例を列挙した図である。同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素、5画素及び4画素の場合それぞれについて、単位パターンの中央に配置された図形が「正方形」の場合に第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比「S1/S2」を「4/5」、「21/29」、「3/5」及び「5/13」と変化させた場合のパターンの例を示している。また、同図では、画像上における単位パターンの短辺の長さが6画素、5画素及び4画素の場合それぞれについて、単位パターンの中央に配置された図形が「円形」の場合に第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比「S1/S2」を「4/5」、「21/29」、「3/5」及び「5/13」と変化させた場合のパターンの例を示している。
図15に示したパターンは、いずれも単位パターンの第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比S1/S2が0.3以上0.9以下であり、単位パターンは、画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形となっている。このようなパターンを用いることで、撮像条件の変動に対するロバスト性を高めつつ、対象物の3次元形状をより高解像度で測定することができる。
図16は、本実施形態に係る3次元測定装置10により実行される対象物の3次元形状の測定処理のフローチャートである。なお、対象物の3次元形状の測定処理に先立って、投光部20及び撮像部30のキャリブレーションが行われてもよく、投光部20によってテストパターンを投光して、撮像部30によりテストパターンを撮像し、テストパターンに含まれる単位パターンが画像上でどの程度の大きさとなるか確認したり、投光部20により投光する光量や撮像部30の絞り及び露光時間の調整を行ったりしてもよい。
3次元測定装置10は、画像上における単位パターンの短辺の画素数に応じて、単位パターンの第1領域の面積を第2領域の面積で割った面積比の範囲を設定する(S10)。ここで、面積比の範囲は、画像上における単位パターンの短辺の画素数が少ないほど範囲が狭まるように設定されてよい。
3次元測定装置10は、設定された範囲に含まれる面積比の第1領域及び第2領域を含む単位パターンを格子状に敷き詰めた2次元構造を有するパターンを、投光部20により対象物に投光する(S11)。3次元測定装置10は、パターンが投光された対象物の画像を撮像部30により撮像する(S12)。ここで、撮像部30は、パターンが投光された対象物の画像を一枚撮像すればよい。
3次元測定装置10は、パターンに含まれる単位パターン毎に特徴点を抽出し、単位パターンの2次元構造によって符号化されたデータを復号する(S13)。そして、3次元測定装置10は、画像における特徴点の位置及び復号されたデータに基づいて、3次元点群の位置を算出する(S14)。
その後、3次元測定装置10は、3次元点群とCADモデルとのマッチングを行う(S15)。最後に、3次元測定装置10は、マッチングした結果を出力する(S16)。以上で3次元形状の測定処理が終了する。なお、3次元点群とCADモデルとのマッチング及びその結果の出力は、省略されてもよく、3次元測定装置10は、算出した3次元点群の位置を出力して3次元形状の測定処理が終了してもよい。
§4 変形例
<4.1>
図17は、本実施形態の第1変形例に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される単位パターンの例を示す図である。同図では、8つの単位パターンの例を含む第1単位パターン群U20と、8つの単位パターンの例を含む第2単位パターン群U30とを示している。
第1単位パターン群U20のうち左上に示した単位パターンの例について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、第1領域S1は、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していてよい。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
また、第2単位パターン群U30のうち左上に示した単位パターンの例について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、第1領域S1は、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していてよい。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
第1領域S1が、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していることで、単位パターンの2次元構造を比較的複雑にして、単位パターンによって表すことのできるビット数が増え、単位パターンの位置の特定が容易になる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保しながら、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、ウィンドウマッチングの処理時間を短くして、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
<4.2>
図18は、本実施形態の第2変形例に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される単位パターンの例を示す図である。同図では、13の単位パターンの例を含む第3単位パターン群U40を示している。
第3単位パターン群U40のうち左上に示した単位パターンの例について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、単位パターンは、第1領域S1が分離せず連続した2次元形状を含んでよい。本例において、第1領域S1は、第2領域S2に囲まれた領域である。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
第1領域S1が分離せず連続した2次元形状であることで、単位パターンの2次元構造を単純化して、第1領域S1及び第2領域S2の識別を容易とすることができる。
また、第3単位パターン群U40のうち左下に示した単位パターンの例について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、第1領域S1は、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していてよい。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
第1領域S1が、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していることで、単位パターンの2次元構造を比較的複雑にして、単位パターンによって表すことのできるビット数を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度をさらに向上させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保しながら、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
第3単位パターン群U40として例示するように、投光部20により対象物に投光されるパターンは、第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む単位パターンと、第1領域が、第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む単位パターンと、を含んでもよい。このようにして、単位パターンの2次元構造のバリエーションを増加させて、単位パターンによって表すことのできるビット数を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度を向上させることができる。そのため、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、より少ない演算で画像上のパターンと投光されたパターンとのマッチングを行うことができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
<4.3>
図19は、本実施形態の第3変形例に係る3次元測定装置10の投光部20により投光されるパターンの例を示す図である。同図では、4つの符号化領域Aの例を示しており、符号化領域Aは、単位パターンU51、単位パターンU52及び単位パターンU53が2×2の格子状に配列されて構成されたり、単位パターンU54、単位パターンU55及び単位パターンU56が2×2の格子状に配列されて構成されたりしている。1つの符号化領域Aから1つのデータが復号されてよく、本例に示す4つの符号化領域Aによって4ビットの情報を表すことができる。
符号化領域Aのうち左上に示した単位パターンU51について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、単位パターンは、第1領域S1が分離せず連続した2次元形状を含んでよい。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
<4.4>
図20は、本実施形態の第4変形例に係る3次元測定装置10の投光部20により投光されるパターンの例を示す図である。同図では、4つの符号化領域Aの例を示しており、符号化領域Aは、単位パターンU61、単位パターンU62及び単位パターンU63が2×2の格子状に配列されて構成されたり、単位パターンU64、単位パターンU62及び単位パターンU63が2×2の格子状に配列されて構成されたり、単位パターンU65、単位パターンU62及び単位パターンU63が2×2の格子状に配列されて構成されたり、単位パターンU66、単位パターンU62及び単位パターンU63が2×2の格子状に配列されて構成されたりしている。1つの符号化領域Aから1つのデータが復号されてよく、本例に示す4つの符号化領域Aによって4ビットの情報を表すことができる。
符号化領域Aのうち左上に示した単位パターンU61について、第1領域S1及び第2領域S2を図示している。例示するように、単位パターンは、第1領域S1が分離せず連続した2次元形状を含んでよい。また、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
<4.5>
図21は、本実施形態の第5変形例に係る3次元測定装置10の投光部20により投光される単位パターンの例を示す図である。同図では、単位パターンU70及び単位パターンU71の例を示している。単位パターンU70及び単位パターンU71は、グリッド状の格子パターンを含み、それぞれ格子の太さが異なっている。単位パターンU70及び単位パターンU71では、格子の太さを変更することで第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比を変更している。
第1領域S1は、単位パターンU70及び単位パターンU71において、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離しており、具体的には9つに分離している。本例の場合も、第1領域S1の面積を第2領域S2の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下であってよい。
第1領域S1が、単位パターンにおいて、第2領域S2を挟んで3つ以上に分離していることで、単位パターンの2次元構造を比較的複雑にして、単位パターンによって表すことのできるビット数を増やし、パターンによって符号化されたデータの密度をさらに向上させることができる。そのため、撮像条件の変動に対するロバスト性を確保しながら、パターンの列を特定するために復号する必要がある単位パターンの数を減らすことができ、対象物の3次元形状を測定するための画像認識における演算負荷を低減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
[付記1]
対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部(20)と、
前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像する撮像部(30)と、
前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部(43)と、を備え、
前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
3次元測定装置(10)。
[付記2]
前記単位パターンは、前記画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である、
付記1に記載の3次元測定装置(10)。
[付記3]
前記画像上で、前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
付記1又は2に記載の3次元測定装置(10)。
[付記4]
前記画像上における前記単位パターンの短辺の画素数に応じて、前記投光部(20)により投光する前記パターンの前記面積比の範囲を設定する設定部(45)をさらに備える、
付記1から3のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記5]
前記設定部(45)は、前記画像上における前記単位パターンの短辺の画素数が少なくなるに従って、前記面積比の範囲を狭めるように設定する、
付記4に記載の3次元測定装置(10)。
[付記6]
前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部(20)により投光される光の明暗で区別される、
付記1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記7]
前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部(20)により投光される光の波長帯で区別される、
付記1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記8]
前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部(20)により投光される光の偏光で区別される、
付記1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記9]
前記単位パターンは、前記第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む、
付記1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記10]
前記単位パターンは、前記第1領域が、前記第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む、
付記1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記11]
前記パターンは、前記第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む前記単位パターンと、前記第1領域が、前記第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む前記単位パターンと、を含む、
付記1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記12]
前記第1領域は、前記単位パターンにおいて、前記第2領域を挟んで2つに分離している、
付記10又は11に記載の3次元測定装置(10)。
[付記13]
前記第1領域は、前記単位パターンにおいて、前記第2領域を挟んで3つ以上に分離している、
付記10又は11に記載の3次元測定装置(10)。
[付記14]
前記投光部(20)は、投光する前記パターンの大きさを変調させる変調素子を含む、
付記1から13のいずれか一項に記載の3次元測定装置(10)。
[付記15]
対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光することと、
前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像することと、
前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出することと、を含み、
前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
3次元測定方法。
[付記16]
対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部(20)と、前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像する撮像部(30)と、を備える3次元測定装置(10)に備えられた演算部を、
前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部(43)として動作させ、
前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
3次元測定プログラム。
10…3次元測定装置、10a…CPU、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、20…投光部、30…撮像部、40…制御部、41…画像入力部、42…画像記録部、43…算出部、44…3次元点群出力部、45…設定部、50…認識部、51…モデル記憶部、52…マッチング計算部、53…マッチング出力部

Claims (16)

  1. 対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部と、
    前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像する撮像部と、
    前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部と、を備え、
    前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
    前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
    前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
    3次元測定装置。
  2. 前記単位パターンは、前記画像上で、短辺が3画素以上10画素以下の四辺形である、
    請求項1に記載の3次元測定装置。
  3. 前記画像上で、前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
    請求項1又は2に記載の3次元測定装置。
  4. 前記画像上における前記単位パターンの短辺の画素数に応じて、前記投光部により投光する前記パターンの前記面積比の範囲を設定する設定部をさらに備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  5. 前記設定部は、前記画像上における前記単位パターンの短辺の画素数が少なくなるに従って、前記面積比の範囲を狭めるように設定する、
    請求項4に記載の3次元測定装置。
  6. 前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部により投光される光の明暗で区別される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  7. 前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部により投光される光の波長帯で区別される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  8. 前記第1領域及び前記第2領域は、前記投光部により投光される光の偏光で区別される、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  9. 前記単位パターンは、前記第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  10. 前記単位パターンは、前記第1領域が、前記第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  11. 前記パターンは、前記第1領域が分離せず連続した2次元形状を含む前記単位パターンと、前記第1領域が、前記第2領域を挟んで分離した2次元形状を含む前記単位パターンと、を含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  12. 前記第1領域は、前記単位パターンにおいて、前記第2領域を挟んで2つに分離している、
    請求項10又は11に記載の3次元測定装置。
  13. 前記第1領域は、前記単位パターンにおいて、前記第2領域を挟んで3つ以上に分離している、
    請求項10又は11に記載の3次元測定装置。
  14. 前記投光部は、投光する前記パターンの大きさを変調させる変調素子を含む、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の3次元測定装置。
  15. 対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光することと、
    前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像することと、
    前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出することと、を含み、
    前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
    前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
    前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
    3次元測定方法。
  16. 対象物に、2次元構造によってデータが符号化されたパターンを投光する投光部と、前記パターンが投光された前記対象物の画像を撮像する撮像部と、を備える3次元測定装置に備えられた演算部を、
    前記パターンの特徴点を抽出して、前記画像における前記特徴点の位置及び復号された前記データに基づいて、前記対象物の3次元形状を表す3次元点群の位置を算出する算出部として動作させ、
    前記パターンは、少なくとも2ビットを表し、前記特徴点を含み、前記3次元点群の位置を算出するために用いられる最小単位の単位パターンを複数含み、
    前記単位パターンは、第1領域と、前記第1領域と区別され、前記第1領域よりも面積の大きい第2領域とを含み、
    前記第1領域の面積を前記第2領域の面積で割った面積比は、0.3以上0.9以下である、
    3次元測定プログラム。
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