以下に、本発明の携帯型管理装置を、プラント機器の状態収集システムに適用した実施形態として例にあげ、添付図面を用いて説明する。
図1に示されるように、状態収集システム1は、検出装置10と、ネットワーク構築装置20と、データ記憶装置30と、携帯端末(携帯型管理装置)40と、データ記憶カード50と、を備える。
検出装置10は、複数個備えられ、各検出装置10は、図示されていないプラント内に配置される複数のプラント機器のうち対応するプラント機器に取り付けられる。複数の検出装置10は、ネットワーク構築装置20が構築する、例えば無線LAN(Local Area Network)、及びZigBee(登録商標)等の規格を用いた無線センサネットワーク(Wireless Sensor Network;WSN)に接続できる。WSNは、いわゆるメッシュ型ネットワークであることが好ましい。すなわち、複数の検出装置10がネットワーク構築装置20と接続し、各検出装置10(例えば、検出装置10−b)は、それ自身が隣接する他の1又は複数の検出装置10(例えば、検出装置10−a及び検出装置10−c)とも接続することが好ましい。また、ネットワーク構築装置20から距離が離れていること等によってWSNと直接接続できない検出装置10(例えば、検出装置10−a)が存在するときは、プラント機器状態収集システム1は中継器60を更に備えて、WSNの接続可能範囲を補間してもよい。
ネットワーク構築装置20は、3G回線又はLTE(Long Term Evolution)回線等のモバイル通信を利用可能に構成されている。以下、「3G回線又はLTE回線等のモバイル通信」を「3G/LTE」とも呼ぶ。ネットワーク構築装置20は、3G/LTEを介してデータ記憶装置30と通信可能に構成されている。
図1に示される例では、3個の検出装置10−a,10−b,10−cがネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続されるように示されているが、WSNに接続される検出装置10は、4個以上であってもよく、1又は2個であってもよい。また、実際のプラント機器状態収集システム1では、図1と同様の複数のネットワーク構築装置が備えられている。
図2Aには、図1に示されるプラント機器状態収集システム1の各構成要素の内部構成の例が示される。図2Aに示される検出装置10は、制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15を有するセンサモジュールである。検出装置10は、図示されていない電源ケーブル等で電力を供給することが困難な場所に取り付けられることが想定されるため、更にバッテリ16を有していることが好ましい。また、検出装置10は、例えば制御部11、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の少なくとも1つに対して、電源ケーブル又はバッテリ16からの電力の供給を制御する電源制御部17を更に有してもよい。電源制御部17は、例えば、リレーシーケンス又はトランジスタ等のスイッチング素子等を有する、自己保持回路を備える。
検出装置10の制御部11は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15の動作を制御する。また、制御部11は、例えば、さらにバッテリ16の残量を取得可能に構成されていてもよい。検出装置10の検出部12は、検出装置10が取り付けられたプラント機器の状態を検出する。ここで、プラント機器とは、例えばスチームトラップ、回転機等であり、プラント機器の状態とは、例えばプラント機器の温度、振動、湿度、圧力、ph(ペーハー)等である。
検出装置10のネットワーク接続部13は、ネットワーク構築装置20によって構築されるWSNに接続可能に構成されている。検出装置10のタグ部14は、タグIC(integrated circuit)14−1及びタグアンテナ14−2を有する、例えば、NFC(Near Field Communication)に用いられるRF(Radio Frequency)タグである。
タグ部14は、後述する携帯端末40のタグ制御部(通信回路)42が、非接触で情報をタグIC14−1に例えば書き込むことによって格納させることができるように構成されている。ここで、非接触とは、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部42とを例えばケーブル等で有線接続されること等によって、検出装置10のタグ部14と携帯端末40のタグ制御部42とが直接的な状態又は間接的な状態で機械的に接触しないことをいう。また、タグ部14、具体的にはタグIC14−1に、検出装置10を特定する検出装置特定情報である、例えばセンサIDが予め格納されている。
検出装置10の報知部15は、例えばLED、ブザー等であって、制御部11の制御によって起動又は停止する。検出装置10のバッテリ16は、検出装置10が電源ON状態であるときに、少なくとも制御部11に対して電力を供給する。検出部12、ネットワーク接続部13、タグ部14及び報知部15に対する電力の供給は、例えば、制御部11を介して電力が供給されてもよく、制御部11を介さずに電力が供給されてもよい。
図2Aに示されるネットワーク構築装置20は、制御部21、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24を有するセンサゲートモジュールである。
ネットワーク構築装置20の制御部21は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、3G/LTE通信部22、ネットワーク構築部23及び記憶部24の動作を制御する。ネットワーク構築装置20が3G/LTE通信部22を有することによって、ネットワーク構築装置20は3G/LTEに接続可能である。また、ネットワーク構築装置20は、ネットワーク構築部23を有することによって、WSNを構築可能である。ネットワーク構築装置20が構築するWSNは、特定のネットワーク構築装置20によって構築されたWSNであることを特定するネットワーク特定情報である、例えばネットワークIDが与えられている。
ネットワーク構築装置20の記憶部24は、例えば、図2Bに示されているネットワーク構築装置20が構築するWSNのネットワーク構築情報(データ001)を格納する。ネットワーク構築情報(データ001)は、例えば、ネットワークID、このネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID及びこれらの検出装置10のWSNへの接続状態のリストを含む。ネットワークIDで特定されるWSNに中継器60が接続されているときは、ネットワーク構築情報(データ001)は、中継器ID及び中継器のWSNへの接続状態を更に含んでもよい。
図2Aに示されるデータ記憶装置30は、制御部31、3G/LTE通信部32及び記憶部33を有するクラウドサーバである。
データ記憶装置30の記憶部33は、例えば、図2Bに示されているプラント情報(データ002)を記憶する。プラント情報(データ002)は、例えば、複数のネットワークID、各ネットワークIDで特定されるWSNに接続されている検出装置10のセンサID、検出装置10の接続状態、検出装置10の取付情報(センサモジュール取付情報)、検出装置10の動作条件(センサモジュール動作条件)、プラント機器の状態及び検出装置10が検出する検出値、作業者ID及び作業内容を含む。検出装置10の取付情報は、例えば、プラント内の番地等の取付エリアを含む。検出装置10の動作条件は、例えば、検出装置10の検出部12が検出する検出項目を含む。また、中継器60が接続されているWSNが存在するときは、中継器ID、これらのWSNへの接続状態及び中継器の取付情報を更に含んでもよい。なお、プラント情報(データ002)には、ネットワーク構築情報(データ001)の全ての項目が含まれている。
図2Aに示される携帯端末40は、制御部41、タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー(鳴動手段)45を有する。携帯端末40は、プラント内で働く作業者がプラント内で携帯することが想定されるため、更にバッテリ(電池)46を有している。また、携帯端末40は、例えば制御部41、タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー45の少なくとも1つに対して、バッテリ46からの電力の供給を制御する電源制御部47を更に有する。電源制御部47は、例えば、リレーシーケンス又はトランジスタ等のスイッチング素子等を有する、自己保持回路を備える。この場合、電源制御部47は、バッテリ46の電力を定電圧化して出力するとともに、バッテリ46からの電圧値を入力信号として制御部41へ出力できる。また、電源制御部47は、制御部41の制御信号に基づいて、バッテリ46からの入力を停止(バッテリ46との接続を遮断)することもできるように回路構成される。携帯端末40は、情報の取得をタグ制御部42のみで行い、作業者が入力操作を行うためのタッチパネル式のディスプレイのような表示部及び入力部を備えない。以下、「携帯端末40」を「ノッカー40」とも呼ぶ。この場合、携帯端末40は、図2Cに示すように、筐体40−1内に、これら回路部品を実装するとともに、他にもタクトスイッチなどのスイッチ素子を内蔵して備え、筐体40−1の表面に操作可能に露出するスライドスイッチ40−2やプッシュスイッチ40−3によって入力操作可能にしている。
携帯端末40の制御部41は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、タグ制御部42、記憶部43、発光部44、ブザー45の動作を制御する。すなわち、制御部41は、発光部44、ブザー45からなる出力部を制御する発光制御部及び発音制御部としても機能する。また、制御部41は、例えば、さらにバッテリ46の残量を取得可能に構成されていてもよい。
携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42−1及びタグ制御アンテナ42−2を有する。タグ制御部42は、検出装置10のタグ部14へ非接触で情報を書き込むことによって格納させることができる。検出装置10は、タグ部14へ情報が格納された場合に、ネットワークへの参加や自身の制御、情報のネットワーク構築装置20への送信などの所定の動作を行う。
また、タグ制御部42は、データ記憶カード50から非接触で情報を読み込むことによって取得できる。タグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得は、携帯端末40を検出装置10あるいはデータ記憶カード50にかざすこと、すなわち、例えば携帯端末40を検出装置10あるいはデータ記憶カード50から所定の距離(例えば10cm)まで近づけることによって自動的に実行される。タグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得の具体的な動作は、図2Eを参照して後述する。
記憶部43は、タグ制御部42が読み込んだ情報を格納できる。
携帯端末40の発光部44は、例えば複数のLEDからなり、制御部41の制御によってタグ制御部42の状態やイベントに応じて所定の色で発光可能である。
携帯端末40のブザー45は、制御部41の制御によってタグ制御部42の状態やイベントに応じて所定の発音を出力可能である。発光部44及びブザー45の具体的な動作は、図2F〜図2Hを参照して後述する。携帯端末40のバッテリ46は、携帯端末40が電源ON状態であるときに、少なくとも制御部41に対して電力を供給する。タグ制御部42、記憶部43、発光部44及びブザー45に対する電力の供給は、例えば、制御部41を介して電力が供給されてもよく、制御部41を介さずに電力が供給されてもよい。
図2Cは、携帯端末40の外観を示す図である。携帯端末40は、筐体40−1と、スライドスイッチ40−2と、プッシュスイッチ40−3と、発光部44(出力部の一例)を構成するID用発光部44−1、作業内容用発光部44−2及び書込状態用発光部44−3と、を有する。筐体40−1は、例えば導電性樹脂と非導電性樹脂とを適宜組み合わせてなり、上述した各部を収容する。
スライドスイッチ40−2は、作業者のスライド操作に応じて携帯端末40の電源のオン・オフを切り替える電源スイッチである。プッシュスイッチ40−3は、作業者のプッシュ操作に応じて携帯端末40のアクティブ状態・非アクティブ状態を切り替え可能なアクティブスイッチ(操作スイッチ)である。プッシュスイッチ40−3は、例えば、タグ制御部42による通信許可・通信禁止を切り替えることができ、作業者の指先による押圧操作がある場合には、通信許可状態とし、押圧操作が無い場合には、元の位置に復帰して通信禁止状態とする信号を制御部41に発する。
ID用発光部44−1、作業内容用発光部44−2及び書込状態用発光部44−3は、携帯端末40の表面側から見て横方向に列状に配置されたLEDからなる。ID用発光部44−1は、青色に発光可能である。作業内容用発光部44−2は黄色及びシアン(青緑色)で切り替えて発光可能である。書込状態用発光部44−3は緑色及び赤色で切り替えて発光可能である。各発光部44−1〜44−3の各発光色の機能については後で述べる。
データ記憶カード50は、いわゆる非接触式のICカードであり、IC51と、アンテナ52とを有し、所定の情報をIC51に予め格納可能であり、かつ、携帯端末40と非接触で通信が可能である。データ記憶カード50は、IC51に予め格納される情報(作業者による作業に必要な情報)の種類に応じて複数種類が用いられる作業カードである。
図2Dはデータ記憶カード50の例を示す。本実施形態においては、複数種類のデータ記憶カード50として、ネットワークIDカード50−1、作業者IDカード50−2、作業内容(設置時用)カード50−3、及び作業内容(運用時用)カード50−4を有する。
ネットワークIDカード50−1は、情報としてネットワーク構築装置20が構築するWSNに接続するためのネットワーク情報が格納されている。このネットワーク情報には、WSNを特定するネットワーク特定情報であるネットワークID及びこのネットワークIDで特定されるWSNに接続するためのネットワークパスワードが含まれる。ネットワークIDカード50−1は、WSNの数だけ、すなわち、ネットワーク構築装置20の数だけ複数用意される。
作業者IDカード50−2は、情報として作業者を特定する作業者特定情報である、作業者IDが格納されている。作業者IDカード50−2は、作業者の数だけ複数用意される。
作業内容(設置時用)カード50−3は、情報として検出装置10に接続される検出部12の種類を示す種類情報(以下、単に「検出部12の種類」とも呼ぶ)を格納する。作業内容(設置時用)カード50−3は、プラント機器状態収集システム1で準備された検出部12の種類の数だけ複数用意され、例えば「温度センサ」、「振動センサ」、「センサなし(中継器)」、「汎用センサ」などがある。
作業内容(運用時用)カード50−4は、情報として設備点検などにおける作業者の作業内容を示す作業内容情報(以下、単に「作業内容」とも呼ぶ)を格納する。作業内容(運用時用)カード50−4は、作業内容等の種類の数だけ複数用意され、例えば設備点検等の作業内容として「異常なし」、「異常あり(注意)」、「異常あり(警告)」、「修理完了」などがある。また、作業内容として設置後の検出装置10に対して動作を変更させる動作内容を含んでもよく、動作内容としては「停止(自動復旧不可)」、「再接続」、「初期化」などがある。作業内容は、例えば英数字と記号の組み合わせからなるIDとして格納される。データ記憶装置30には、このIDに関連付けられて例えば作業内容を示す紐付けデータ(例えばテキストデータ)が格納される。これにより、送信データの負荷を軽減することができ、また、データ記憶装置30側でのデータ管理の自由度が増す。前述の作業者IDについても同様に英数字と記号の組み合わせからなり、データ記憶装置30に作業者IDに関連付けられて作業者を示す紐付けデータ(例えばテキストデータ)が格納される。
ネットワークIDカード50−1、作業者IDカード50−2、作業内容(設置時用)カード50−3、作業内容(運用時用)カード50−4は、樹脂や紙等からなるその外装部にそれぞれの種類に応じた対応色を有する。対応色は例えば印刷等で設けられる。具体的に、ネットワークIDカード50−1及び作業者IDカード50−2は、その対応色として青色を有する。以下、ネットワークIDカード50−1及び作業者IDカード50−2をまとめて「IDカード50−1,50−2」とも呼ぶ。作業内容(設置時用)カード50−3は、その対応色として黄色を有する。作業内容(運用時用)カード50−4は、その対応色としてシアン(青緑色)を有する。このほか、データ記憶カード50として、例えば携帯端末40に所定の動作をさせるカードを更に用意してもよい。
プラントの管理者は、3G/LTEに接続可能なノートパソコン等の管理端末70を用いることで、3G/LTEを介してプラント情報(データ002)を閲覧及び編集できる。その結果、管理者はプラント機器を直接監視に行くことなく、プラント機器の状態を遠隔で監視することが可能になり、異常状態を発見したときに、携帯端末40を携帯する作業者に修繕作業の指示等をすることが可能になる。
図2Aに示される中継器60は、制御部61、ネットワーク接続部62、タグ部63、報知部64及びバッテリ65を有する。また、電源制御部66を更に有してもよい。中継器60は、検出装置10と概ね同様の内部構造であるが、検出部を有さない点で検出装置10と異なる。
図2Eを参照して、携帯端末40のタグ制御部42による、検出装置10のタグ部14への情報の格納及びデータ記憶カード50からの情報の取得の動作の一例を説明する。図2Eにおいて、図中の細い矢印は命令等の信号を表し、図中の太い矢印は電力の供給を表す。また、携帯端末40のタグ制御部42による、中継器60のタグ部63への情報の格納の動作も同様であるので説明を省略する。
携帯端末40が検出装置10にかざされたとき、携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42−1が生成する例えば書き込み信号を、タグ制御アンテナ42−2が生成する例えば電波又は磁界に含んで、検出装置10に送信する。検出装置10のタグ部14は、タグアンテナ14−2で受信する電波を整流することによって又は受信する磁界による電磁誘導によって、タグアンテナ14−2に電力が発生する。タグアンテナ14−2は、発生した電力をタグIC14−1に供給し、タグIC14−1が起動する。タグアンテナ14−2が受信する電波又は磁界に含まれる信号が書き込み信号であったとき、起動したタグIC14−1は、書き込み信号に含まれる情報を格納する。
このように、携帯端末40のタグ制御部42が、タグ部14へ情報を格納するときは、検出装置10の内部からタグ部14に電力が供給される必要がない。すなわち、検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態であるときも、携帯端末40のタグ制御部42は、検出装置10のタグ部14への情報の格納ができる。
また、タグアンテナ14−2が受信した電波又は磁界によって起動したタグIC14−1は、例えば、電源制御部17に対して起動信号を出力する。起動信号を入力した電源制御部17は、電源制御部17がバッテリ16から供給される電力を、例えば少なくとも制御部11に対して供給する。例えば、電力が供給された制御部11が起動することによって、検出装置10が電源ON状態となる。すなわち、検出装置10は、携帯端末40のタグ制御部42によってタグ部14に情報が記憶されたときに、電源ON状態となるように構成されている。検出装置10の電源がON状態であるときは、制御部11がタグ部14のタグIC14−1に対して電力を供給することによって、制御部11によるタグIC14−1への情報の格納やタグIC14−1からの情報の取得ができる。
さらに、電源ON状態である検出装置10が電源OFF状態又はスリープ状態となるときは、制御部11は、電源制御部17に対して停止信号又はスリープ信号を出力する。停止信号又はスリープ信号を入力した電源制御部17は、例えば、少なくとも制御部11に対して電力の供給を停止又は電力供給の量を低下させる。例えば、制御部11への電力の供給が停止されたときに検出装置10は電源OFF状態となり、制御部11への電力供給の量が低下されたときに検出装置はスリープ状態となる。
一方、携帯端末40がデータ記憶カード50にかざされたとき、携帯端末40のタグ制御部42は、タグリーダ/ライタ42−1が生成する例えば読み込み信号を、タグ制御アンテナ42−2が生成する例えば電波又は磁界に含んで、データ記憶カード50に送信する。データ記憶カード50は、アンテナ52で受信する電波を整流することによって又は受信する磁界による電磁誘導によって、アンテナ52に電力が発生する。アンテナ52は、発生した電力をIC51に供給し、IC51が起動する。アンテナ52が受信する電波又は磁界に含まれる信号が読み込み信号であったとき、起動したIC51は、読み取り信号に応じてIC51に記憶されている情報を、アンテナ52が生成する電波又は磁界に含んで返信する。携帯端末40のタグ制御部42は、返信された電波又は磁界をタグ制御アンテナ4−2で受信し、電波又は磁界に含まれる情報をタグリーダ/ライタ42−1に送信する。これにより、タグリーダ/ライタ42−1にデータ記憶カード50の情報が格納される。
このように、携帯端末40のタグ制御部42が、データ記憶カード50から情報を取得するときは、作業者はタッチパネル式のディスプレイモジュールを用いるような手動操作による煩雑な入力操作を行う必要がない。すなわち、携帯端末40のタグ制御部42は、入力ミスや入力内容の確認時間を生じることなく、作業に必要な情報を格納できる。
次に、図2F、図2G及び図2Hを参照して、携帯端末40の状態遷移と発光部44及びブザー45の動作の例について説明する。
図2Fは携帯端末40の状態遷移を示している。携帯端末40は、電源オフの状態ST10のときスライドスイッチ40−2オンのイベントEV10が発生すると電源をオンにして非アクティブの状態ST20に遷移する。このとき、携帯端末40は、初期化の処理(初期処理)PC10を行う。
初期化の処理PC10において、発光部44は、タグ制御部42は初期化及び自身が正常に機能するか否かを判定する自己診断処理後に停止し、記憶部43に格納されているタグ制御部42が取得した読込情報は消去される。
非アクティブの状態ST20は、主にスイッチ入力を監視する待機モードであり、他の機能を省いた省電力モードでもある。非アクティブの状態ST20は、少なくともタグ制御部42及び発光部44を停止する。携帯端末40は、非アクティブの状態ST20のときプッシュスイッチ40−3オンのイベントEV20が発生するとアクティブの状態(作動モード)ST30に遷移する。このとき、携帯端末40のタグ制御部42が起動し、記憶部43に記憶される読込情報を読み出す読込情報ロードの処理PC20を行う。記憶部43に記憶される読込情報がない場合は、読み出しは行わない。
また、携帯端末40は非アクティブの状態ST20のときスライドスイッチ40−2オフのイベントEV30が発生すると電源オフの状態ST10に遷移する。アクティブの状態ST30は、携帯端末40の全ての機能が実行可能なモードであり、タグ制御部42と発光部44が起動する。アクティブの状態ST30における状態遷移については図2Gを参照して後で述べる。携帯端末40はアクティブの状態ST30のときプッシュスイッチ40−3オフのイベントEV40が発生すると非アクティブの状態ST20に遷移する。このとき、制御部41は、タグ制御部42が取得した読込情報を記憶部33に格納する読込情報セーブの処理PC30を行う。また、携帯端末40はアクティブの状態ST30のときスライドスイッチ40−2オフのイベントEV50が発生すると電源オフの状態(停止モード)ST10に遷移する。
図2Gは、携帯端末40のアクティブの状態ST30におけるタグ制御部42の状態遷移を示している。図2Hは、タグ制御部42の状態やイベント後処理に応じた発光部44及びブザー45の動作の例を示している。
携帯端末40のタグ制御部42は、記憶部33から読み出した読込情報の有無及びその内容によって、後述する状態ST31〜35に遷移する。まず、携帯端末40が初期化の処理PC10を経て、すなわち記憶部33に読込情報がない状態でアクティブの状態ST30に遷移すると、タグ制御部42はIDカード50−1,50−2の読込待機の状態(以下、ID読込待機の状態とも呼ぶ)ST31に遷移する。
ID読込待機の状態ST31は、格納している情報がなく、かつIDカード50−1,50−2のみが読み込み可能な状態である。ID読込待機の状態ST31において制御部41は発光部44のうちID用発光部44−1を青色で点滅発光(第1の状態)させる。他の作業内容用発光部44−2,書込状態用発光部44−3は消灯する。作業者は、ID用発光部44−1による対応色(青色)の点滅によって、IDカード50−1,50−2が読み込み可能であることが瞬時に理解できる。
ID読込待機の状態ST31のときネットワークIDカード50−1を読み込むイベント(以下、ネットワークID読込イベントとも呼ぶ)EV31−1が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得して作業内容(設置時)カード50−3の読み込み待機の状態(以下、作業内容(設置時)読込待機の状態とも呼ぶ)ST32に遷移する。このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV31−1に応じて読込成功通知の処理PC31−1を行う。
読込成功通知の処理PC31−1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点滅、作業内容用発光部44−2は消灯)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。作業者は、ブザー45の音声と書込状態用発光部44−3の点灯によりネットワークIDカード50−1の読み込みが成功したことを瞬時に理解できる。
また、ID読込待機の状態ST31のとき作業者IDカード50−2を読み込むイベント(以下、作業者ID読込イベントとも呼ぶ)EV31−2が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得して作業内容(運用時)カード50−4の読み込み待機の状態(以下、作業内容(運用時)読込待機の状態とも呼ぶ)ST33に遷移する。このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV31−2に応じて読込成功通知の処理PC31−2を行う。読込成功通知の処理PC31−2は、前述の読込成功通知の処理PC31−1と同じである。
作業内容(設置時)読込待機の状態ST32は、ネットワークIDカード50−1の読み込みが完了し、かつ、作業内容(設置時)カード50−3のみが読み込み可能な状態である。作業内容(設置時)読込待機の状態ST32において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44−1を青色で点灯(第2の状態)させ、作業内容用発光部44−2を黄色で点滅させる。書込状態用発光部44−3は消灯する。作業者は、ID用発光部44−1による対応色(青色)の点灯及び作業内容用発光部44−2の対応色(黄色)による点滅によって、ネットワークIDカード50−1の読み込みが完了し、今度は作業内容(設置時)カード50−3が読み込み待ちであることが瞬時に理解できる。
作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のとき作業内容(設置時)カード50−3を読み込むイベント(以下、作業内容(設置時)読込イベントとも呼ぶ)EV32−1が発生すると、タグ制御部42は検出部12の種類を取得して検出装置10へのネットワーク情報及び検出部12の種類(以下、設置情報とも呼ぶ)の書き込み待機の状態(以下、設置情報書込待機の状態とも呼ぶ)ST34に遷移する。このとき、制御部41は、作業内容(設置時)読込イベントEV32−1に応じて読込成功通知の処理PC32−1を行う。
読込成功通知の処理PC32−1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2は黄色点滅)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
また、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のとき作業者ID読込イベントEV32−2が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得して作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。このとき、タグ制御部42に格納されるネットワーク情報は消去される。すなわち、ネットワーク情報と作業者IDとはいずれか一方のみがタグ制御部42に格納できる。また、このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV32−2に応じて読込成功通知の処理PC32−2を行う。
読込成功通知の処理PC32−2は、前述の読込成功通知の処理PC32−1と同じである。また、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32のときネットワークID読込イベントEV32−3が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得、更新して再び作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV32−3に応じて、読込成功通知の処理PC32−3を行う。読込成功通知の処理PC32−3は、前述の読込成功通知の処理PC32−1と同じである。
作業内容(運用時)読込待機の状態ST33は、作業者IDカード50−2の読み込みが完了し、かつ作業内容(運用時)カード50−4のみが読み込み可能な状態である。作業内容(運用時)読込待機の状態ST33において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44−1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44−2をシアンで点滅させる。書込状態用発光部44−3は消灯する。作業者は、ID用発光部44−1による対応色(青色)の点灯及び作業内容用発光部44−2の対応色(シアン)による点滅によって、作業者IDカード50−2の読み込みが完了し、今度は作業内容(運用時)カード50−4の読み込み待ちであることが瞬時に理解できる。
作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のとき作業内容(運用時)カード50−4を読み込むイベント(以下、作業内容(運用時)読込イベントとも呼ぶ)EV33−1が発生すると、タグ制御部42は作業内容あるいは動作内容を取得して検出装置10への作業者ID及び作業内容等(以下、運用情報とも呼ぶ)の書き込み待機の状態(以下、運用情報書込待機の状態とも呼ぶ)ST35に遷移する。このとき、制御部41は、作業内容(運用時)読込イベントEV33−1に応じて読込成功通知の処理PC33−1を行う。読込成功通知の処理PC33−1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2はシアン点滅)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
また、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のときネットワークID読込イベントEV33−2が発生すると、タグ制御部42はネットワーク情報を取得して作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。このとき、タグ制御部42に格納される作業者IDは消去される。また、このとき、制御部41は、ネットワークID読込イベントEV33−2に応じて読込成功通知の処理PC33−2を行う。読込成功通知の処理PC33−2は、前述の読込成功通知の処理PC33−1と同じである。
また、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33のとき作業者ID読込イベントEV33−3が発生すると、タグ制御部42は作業者IDを取得、更新して再び作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。このとき、制御部41は、作業者ID読込イベントEV33−3に応じて、読込成功通知の処理PC33−3を行う。読込成功通知の処理PC33−3は、前述の読込成功通知の処理PC33−1と同じである。
設置情報書込待機の状態ST34は、ネットワークIDカード50−1及び作業内容(設置時)カード50−3の読み込みが完了し、検出装置10に設置情報を書込み可能な状態である。設置情報書込待機の状態ST34において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44−1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44−2を黄色で点灯させ、書込状態用発光部44−3を緑色で点滅させる。作業者は、ID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2による対応色(青色及び黄色)の点灯及び書込状態用発光部44−3の緑色による点滅によって、ネットワークIDカード50−1及び作業内容(設置時)カード50−3の読み込みが完了し、今度は検出装置10に設置情報が書き込み待ちであることが瞬時に理解できる。
設置情報書込待機の状態ST34のとき検出装置10へ設置情報を書き込むイベント(以下、設置情報書込イベントとも呼ぶ)EV34−1が発生すると、タグ制御部42は設置情報を保持しつつ再び設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。したがって、検出装置10への設置情報の書込みは連続して行うことができる。このとき、制御部41は設置情報書込イベントEV34−1に応じて、書込成功通知の処理PC34−1を行う。書込成功通知の処理PC34−1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2は黄色点灯)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッピッ」の音声を出力する。
また、設置情報書込待機の状態ST34のとき作業内容(設置時)読込イベントEV34−2が発生すると、タグ制御部42は検出部12の種類を取得、更新し再び設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。したがって、同じネットワーク情報を保持したまま検出部12の種類を変更して、検出装置10への設置情報の書込みを行うことができる。このとき、制御部41は、作業内容(設置時)読込イベントEV34−2に応じて、読込成功通知の処理PC34−2を行う。読込成功通知の処理PC34−2においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2が状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2は黄色点灯)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
運用情報書込待機の状態ST35は、作業者IDカード50−2及び作業内容(運用時)カード50−3の読み込みが完了し、検出装置10に運用情報を書込み可能な状態である。運用情報書込待機の状態ST35において、制御部41は発光部44のうちID用発光部44−1を青色で点灯させ、作業内容用発光部44−2をシアンで点灯させ、書込状態用発光部44−3を緑色で点滅させる。作業者は、ID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2による対応色(青色及びシアン)の点灯及び書込状態用発光部44−3の緑色による点滅によって、作業者IDカード50−2及び作業内容(運用時)カード50−4の読み込みが完了し、今度は検出装置10に運用情報が書き込み待ちであることが瞬時に理解できる。
運用情報書込待機の状態ST35のとき検出装置10へ運用情報を書き込むイベント(以下、運用情報書込イベントとも呼ぶ)EV35−1が発生すると、タグ制御部42は運用情報を保持しつつ再び運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。したがって、検出装置10への運用情報の書込みは連続して行うことができる。このとき、制御部41は運用情報書込イベントEV35−1に応じて、書込成功通知の処理PC35−1を行う。
書込成功通知の処理PC35−1においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2はシアン点灯)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッピッ」の音声を出力する。また、運用情報書込待機の状態ST35のとき作業内容(運用時)読込イベントEV35−2が発生すると、タグ制御部42は作業内容等を取得、更新し再び運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。したがって、同じ作業者IDを保持したまま作業内容等を変更して、検出装置10への運用情報の書込みを行うことができる。このとき、制御部41は、作業内容(運用時)読込イベントEV35−2に応じて、読込成功通知の処理PC35−2を行う。
読込成功通知の処理PC35−2においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2がタグ制御部42の状態に依存した動作(この場合では、ID用発光部44−1は青色点灯、作業内容用発光部44−2はシアン点灯)を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間緑色で点灯し、ブザー45が「ピッ」の音声を出力する。
また、上述した条件以外でデータ記憶カード50を読み込むイベントや検出装置10に書き込むイベントが発生したり、読込あるいは書込が失敗したりした場合は、制御部41は、エラー通知の処理を行う。このエラー通知の処理においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2がタグ制御部42の状態に依存した動作を行い、書込状態用発光部44−3が一定時間赤色で点灯し、ブザー45が「ピーー」の音声を出力する。作業者は、書込状態用発光部44−3の対応色(青色、黄色、シアン)並びに読込及び書込成功の報知色(緑色)以外の警告色(赤色)での点灯及びブザー45の警告音により、エラーであることを瞬時に理解できる。
また、図2Fの初期化の処理PC10において自己診断の結果エラー(正常な状態でない)となった場合、制御部11はこの結果に応じて自己診断エラーの処理を実行する。自己診断エラーの処理においては、制御部41の制御のもとID用発光部44−1及び作業内容用発光部44−2は消灯し、書込状態用発光部44−3が赤色で点滅し、ブザー45が「ピーピーピー」の音声を出力する。ブザー45の警告音により、自己診断エラーであることを瞬時に理解できる。
また、携帯端末40が初期化の処理PC10を経ないで、すなわち記憶部33に読込情報がある状態でアクティブの状態ST30となった場合は、タグ制御部42は記憶部33から読み出した読込情報の種類によって、各状態ST33〜ST35のいずれかに遷移する。具体的に、例えば、読込情報がネットワーク情報のみであった場合は、作業内容(設置時)読込待機の状態ST32に遷移する。また、例えば、読込情報が作業者IDのみであった場合は、作業内容(運用時)読込待機の状態ST33に遷移する。また、例えば、読込情報がネットワーク情報及び検出部12の種類であった場合は、設置情報書込待機の状態ST34に遷移する。また、例えば、読込情報が作業者ID及び作業内容等であった場合は、運用情報書込待機の状態ST35に遷移する。
また、携帯端末40は、図2Fの状態遷移に示すスライドスイッチ40−2による電源オフ操作の他に、稼働/停止に関する制御処理を行うことができ、図3A,図3Bに示す制御部41の処理フローを用いて説明する。
制御部41は、電源オフの状態ST10のときスライドスイッチ40−2オンのイベントEV10が発生すると電源をオンにして非アクティブの状態(待機モード)ST20に遷移する。このとき、上述した初期化の処理PC10を行う。
この際、初期化の処理(初期処理)PC10の自己診断処理として、制御部41は、電源制御部47からバッテリ46の電池残量(残容量)に関する情報を取得し(ステップS1)、取得した情報に基づいてバッテリ46の電池残量が、所定値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2の判定処理によって、電池残量が所定値未満であると判定した場合、制御部41は、システムをエラーモードに移行し、作業者に電池残量が少ないことを知らせるためのブザー45より、警告音を発生し、電源オフ状態(停止モード)ST10に移行する(ステップS3)。
また、ステップS2の判定処理によって、電池残量が所定値以上であると判定した場合、制御部41は、記憶部43から通常動作中に保存した情報を読み出し(ステップS4)、省電力モード(非アクティブ状態ST20)に移行する(ステップS5)。
図3Bは、起動後、省電力モードに移行した後のタイムアウトに関する処理を示す。制御部41は、プッシュスイッチ40−3の入力操作を監視するため、プッシュスイッチ40−3がオフ状態からオン状態へ変化したか否かを判定する(ステップS51)。
この判定により、プッシュスイッチ40−3のオン操作があった場合に、通信許可とみなし、制御部41は、タグ制御部42や記憶部43を作動させながら、上述したように、一次的にアクティブ状態ST30に移行して通信処理を行う(ステップS52)。
次に、制御部41は、押圧されたプッシュスイッチ40−3が、一定時間(例えば、5分間)押し続けられていないかどうか連続押圧判定処理を行う(ステップS53)。さらに制御部41は、プッシュスイッチ40−3が一定の時間(例えば、1時間)内に操作がなされたか否か無操作判定処理を行う(ステップS54)。
制御部41は、連続押圧判定、または無操作判定によって、プッシュスイッチ40−3が一定時間押し続けられた場合、または一定の時間操作が無い場合に、ブザー45を鳴動させて(ステップS55)作業者へ警報した後、電源制御部47を用いて電源オフ状態(停止モード)に移行する(ステップS56)。これにより、例えば、スライドスイッチ40−2のオフ操作忘れや、プッシュスイッチ40−3の固着など、作業者が意図せずに作動モード、または省電力モードである場合に、停止モードへ自動的に移行し、携帯端末40の余計な電力が消費してしまうことを抑止できる。また、スライドスイッチ40−2がオフ状態のまま電源が停止されてしまうため、これを作業者に警報出力によって、知らせることができる。この警報出力を行う際、制御部41は、ステップS1及びステップS2と同様の処理を再度行い、バッテリ46の残容量不足を知らせることもできる。また警報出力は、ブザー45による鳴動だけでなく、発光部44の点灯や点滅などによって出力することもできる。また、鳴動の周波数や周期、発光の点滅パターンや色、点灯順などを異ならせて、複数の警報内容を識別可能にすることもできる。
また、制御部41は、当然ながらスライドスイッチ40−2の入力を監視し(ステップS57)、オフ操作に応じて電源オフする(ステップS56)こともできる。なお、スライドスイッチ40−2がオン状態で、電源オフされた場合にあっては、スライドスイッチ40−2を、オフ、オンのスライド操作を行うことで、再び携帯端末40を起動することができる。
これらステップS51からS57の処理を繰り返すことによって、携帯端末40は、無駄な消費電力を低減できるタイムアウト機能を備えることになる。
斯かる携帯端末40によれば、バッテリ46から供給される電力を用いて、タグ制御部42を作動させて無線通信を行う携帯端末40であって、バッテリ46からの電力供給のオン/オフを切り替えるためのスライドスイッチ40−2と、タグ制御部42による通信の許可/禁止を切り替えるためのプッシュスイッチ40−3と、スライドスイッチ40−2がオンの状態でかつプッシュスイッチ40−3が許可の状態へ移行したことに基づいて、前記電力を用いてタグ制御部42を作動させる作動モード(アクティブ状態ST30)と、スライドスイッチ40−2またはプッシュスイッチ40−3からの信号入力を監視する省電力モード(非アクティブ状態ST20)と、バッテリ46からの電力供給を断つ停止モード(電源オフ状態ST10)とを切り替える制御部41と、を備え、制御部41は、スライドスイッチ40−2の投入後の初期処理として、バッテリ46の残量が所定値未満であるか否かを判定する残容量判定処理(ステップS2)を行い、前記所定値未満である場合に、前記停止モードへ移行する。
従って、携帯端末40は、起動時において、作業に十分な残容量を確認できるため、作業の途中で充電作業や電池交換作業などの電源準備を強いられることを抑止できるため、利便性の高い携帯型管理装置となる。
また、携帯端末40は、タイムアウト機能を備えることによって、無駄な電力消費を抑えることができ、充電や電池交換の頻度を少なくできるため、利便性の高い携帯型管理装置となる。特に、防水または防爆構造を施した筐体40−1内に設けられるバッテリ46では、筐体40−1を分解する必要があるなど電池交換作業が煩雑であるが、この場合であっても、上記作用による利便性の高い携帯型管理装置となる。
なお、本発明の携帯型管理装置を上述した実施の形態の構成にて例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構成においても、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良、並びに表示の変更が可能なことは勿論である。