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JP6878626B2 - リプルフィルタ設定の割り当て - Google Patents

リプルフィルタ設定の割り当て Download PDF

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JP6878626B2 JP2019568243A JP2019568243A JP6878626B2 JP 6878626 B2 JP6878626 B2 JP 6878626B2 JP 2019568243 A JP2019568243 A JP 2019568243A JP 2019568243 A JP2019568243 A JP 2019568243A JP 6878626 B2 JP6878626 B2 JP 6878626B2
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Description

本発明は、標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定して割り当てるための方法、治療計画システム、コンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品に関する。
イオンビーム治療では、イオン(例えば、プロトンまたは炭素イオンなどのより重いイオン)のビームが標的体積に向かって方向づけられる。標的体積は例えば癌腫瘍を表すことができる。イオンは組織を透過し、かつ癌細胞を破壊するためのエネルギーの線量を送達する。イオンビーム治療の利点は、ブラッグピークとして知られている線量分布における顕著なピークが存在することである。ブラッグピークは特定の深さで生じる線量送達のピークであり、その後に線量送達は急激に減少する。これは、組織に進入する場所に非常に近い場所でそのピークが生じ、かつイオン治療と同じ急激な減少により線量減少を制御することができない電子線治療またはX線治療と比較することができる。
患者におけるブラッグピークの深さはイオンのエネルギー量を調整することによって制御することができる。横方向位置は、ビームを偏向させるための電磁石を用いて制御することができる。イオンビーム治療におけるスポットは、特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を指す。スポットに送達される粒子の数は一般にスポット重量と呼ばれる。三次元空間における多くの異なる位置に線量をスポットで提供することによって、標的体積を所望の線量分布で覆うことができる。この手順はペンシルビームスキャニングとしても知られているアクティブスキャニングイオンビーム治療と呼ばれている。
どのようにスポットを送達すべきかという計画は治療計画システムにおいて行われる。治療計画システムは、それぞれがスポットの分布を含むエネルギー層のセットを決定する。次いでエネルギー層をイオンビームシステムに伝達し、このシステムがイオンビームを送達する。治療計画システムおよびイオンビームシステムはそれ自体が当該技術分野で知られている方法で接続されている。
深さ方向における滑らかな線量分布を保証するために、連続するエネルギー層間の距離をブラッグピークの幅に対して十分に小さくしなければならない。ブラッグピークが幅狭である場合、多くのエネルギー層が必要となり、これは治療時間が長引くことを意味する。この問題を克服するために、リプルフィルタと呼ばれるブラッグピークを幅広にする装置がそのような状況で使用されることが多い。大部分のイオン送達システムでは、送達時間のかなりの部分がエネルギーを切り換えることに費やされ、従ってエネルギー層の数の減少は総送達時間に対して大きな影響を有する。
イオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定の効率的な組み合わせを決定することを目的とする。
第1の態様によれば、標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するための方法が提供される。本方法は、治療計画システムにおいて行われ、かつ標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定する工程と、各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てる工程であって、各リプルフィルタ設定により当該ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを複数のサブビームのうちの1つに割り当てる工程とを含む。リプルフィルタ設定を割り当てる工程は、多くの異なるリプルフィルタ設定を決定するサブ工程と、各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成して各リプルフィルタ設定およびビーム方向のために1つのサブビームを生じさせ、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポット(各スポットは特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す)を含む状態で各サブビームを集めるサブ工程と、当該スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつその重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、総治療時間が減少した場合に性能測定値を高める第1の基準と治療体積における所望の線量分布が達成された場合に性能測定値を高める第2の基準とを含む複数の評価基準を組み合わせることによって計算される性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのコピーの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化するサブ工程とを含む。
各サブビームは2つ以上のエネルギーレベルを含む場合には隣接するエネルギーレベルを含んでいてもよい。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程は、最遠位のブラッグピークを有するサブビームのためにリプルフィルタの使用を控えることを意味するリプルフィルタ設定を割り当てることを含んでもよい。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程は、最小のブラッグピーク幅に基づいて行ってもよい。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程は、最大のブラッグピーク幅に基づいて行ってもよい。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程は、ユーザ構成において定められた幾何学的形状に基づいて行ってもよい。
当該幾何学的形状は、標的体積の遠位縁部からの標的マージンによって定められていてもよい。
本方法はスポットを最適化する工程の後に、各ビーム方向について、異なるリプルフィルタ設定を有し、かつ閾値を超える重量を有するスポットを有するエネルギー層によって覆われている任意の多重リプルフィルタ領域を見つける工程と、各多重リプルフィルタ領域の中でどの単一のリプルフィルタ設定を維持するかを決定し、かつ多重リプルフィルタ領域の中で他のリプルフィルタ設定を有するエネルギー層を除去する工程と、スポットを最適化する工程に戻る工程とをさらに含んでもよい。
どのリプルフィルタ設定を維持するかを決定する工程は、ユーザパラメータに従ってリプルフィルタ設定を維持することを決定することを含んでもよい。
第2の態様によれば、標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するための治療計画システムが提供される。本治療計画システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行された場合に本治療計画システムに、標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定させ、かつ各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てさせ、各リプルフィルタ設定により当該ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを複数のサブビームのうちの1つに割り当てる命令を格納するメモリとを備える。リプルフィルタ設定を割り当てるための命令は、プロセッサによって実行された場合に本治療計画システムに、多くの異なるリプルフィルタ設定を決定させ、各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成させて各リプルフィルタ設定およびビーム方向のために1つのサブビームを生じさせ、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポット(各スポットは特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す)を含む状態で各サブビームを集めさせ、かつ当該スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつその重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、総治療時間が減少した場合に性能測定値を高める第1の基準と治療体積における所望の線量分布が達成された場合に性能測定値を高める第2の基準とを含む複数の評価基準を組み合わせることによって計算される性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのコピーの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化させる命令を含む。
各サブビームは2つ以上のエネルギーレベルを含む場合には隣接するエネルギーレベルを含んでいてもよい。
第3の態様によれば、標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するための治療計画システムが提供される。本治療計画システムは、標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定するための手段と、各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てるための手段であって、各リプルフィルタ設定により当該ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを複数のサブビームのうちの1つに割り当てる手段とを備える。リプルフィルタを割り当てるための手段は、多くの異なるリプルフィルタ設定を決定するための手段と、各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成して各リプルフィルタ設定およびビーム方向のために1つのサブビームを生じさせ、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポット(各スポットは特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す)を含む状態で各サブビームを集めるための手段と、当該スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつその重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、総治療時間が減少した場合に性能測定値を高める第1の基準と治療体積における所望の線量分布が達成された場合に性能測定値を高める第2の基準とを含む複数の評価基準を組み合わせることによって計算される性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのコピーの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化するための手段とを含む。
第4の態様によれば、標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するためのコンピュータプログラムが提供される。コンピュータプログラムは、治療計画システムで実行された場合に本治療計画システムに、標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定させ、かつ各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てさせ、各リプルフィルタ設定により当該ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを複数のサブビームのうちの1つに割り当てさせるコンピュータプログラムコードを含む。リプルフィルタ設定を割り当てるためのコンピュータプログラムコードは本治療計画システムに、多くの異なるリプルフィルタ設定を決定させ、各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成させて各リプルフィルタ設定およびビーム方向のために1つのサブビームを生じさせ、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポット(各スポットは特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す)を含む状態で各サブビームを集めさせ、かつ当該スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつその重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、総治療時間が減少した場合に性能測定値を高める第1の基準と治療体積における所望の線量分布が達成された場合に性能測定値を高める第2の基準とを含む複数の評価基準を組み合わせることによって計算される性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのコピーの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化させるコンピュータプログラムコードを含む。
第5の態様によれば、第4の態様に係るコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読手段を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
一般に、特許請求の範囲で使用されている全ての用語は、本明細書において特に明示的に定義されていない限り当該技術分野でのそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「一/一つの/その要素、装置、成分、手段、工程など」への全ての言及は、特に明示的に記載されていない限り、当該要素、装置、成分、手段、工程などの少なくとも1つの例に公に言及しているものとして解釈されるべきである。本明細書に開示されている任意の方法の工程は、明示的に記載されていない限り、開示されている正確な順序で行われる必要はない。
次に、添付の図面を参照しながら本発明を例として説明する。
本明細書に示されている実施形態を適用することができる環境を示す概略図である。 図1の標的体積の異なるエネルギー層についてのブラッグピークの位置を示す概略図である。 一実施形態に係る図2のエネルギー層のうちの1つにおけるスポットの横方向分布を示す概略図である。 図1のイオンビームシステムのためのリプルフィルタの使用を示す概略図である。 異なるリプルフィルタ設定がブラッグピークに対して有する効果を示す概略グラフである。 異なるエネルギーおよび異なるサブビームのブラッグピークを示す概略グラフである。 標的体積の遠位縁部からのマージンによって定められる標的部分を示す概略グラフである。 図1の治療計画システムにおいて行われるリプルフィルタ設定を決定するための方法の実施形態を示すフローチャートである。 図1の治療計画システムにおいて行われるリプルフィルタ設定を決定するための方法の実施形態を示すフローチャートである。 一実施形態に係る図1の治療計画システムの構成要素を示す概略図である。 コンピュータ可読手段を含むコンピュータプログラム製品の一例を示す。
以下、本発明の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照しながら本発明をより完全に説明する。但し、本発明は多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、それどころかこれらの実施形態は、本開示を徹底的かつ完全なものとし、かつ本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために例として提供されている。同様の番号は本明細書を通して同様の要素を指す。
本明細書に示されている実施形態によれば、異なるリプルフィルタ設定を異なるサブビームに適用し、ここでは各サブビームは1つ以上のエネルギー層を含む。このように、リプルフィルタの使用の有益な効果は近位エネルギー層のために利用することができるが、急激な遠位での減少はなお達成される。リプルフィルタ設定は、各ビーム方向の異なるサブビームのための異なるフィルタ設定に基づいて割り当てられる。
図1は、本明細書に示されている実施形態を適用することができる環境を示す概略図である。治療計画システム1は、それぞれがイオンビーム治療のためのスポットの分布を含むエネルギー層のセットを決定する。これは治療計画12としてイオンビームシステム2に伝達される。治療計画12に基づいてイオンビームシステム2は、患者の標的体積3にスポットを提供するためのイオンビーム7を生成する。標的体積3は縁部4によって区切られている。
座標系において、図1では深さはz軸に沿って表されており、y軸は上向きである。従って、図1の表示は側面図であるとみなすことができる。深さ方向、すなわちz軸に沿ったスポットの最大線量(ブラッグピーク)の位置はイオンの運動エネルギーによって制御され、より高いエネルギーにより最大線量のより深い位置が得られる。さらに、y軸およびx軸(図1には図示せず)に沿った横方向位置は、ビーム7を偏向させるための電磁石を用いて制御される。このように、スポットを提供して標的体積3を三次元で覆う線量分布を達成することができる。
図2は、図1の標的体積3のエネルギー層のブラッグピーク位置を示す概略図である。図2は図1の表示と同じ視点からの側面図である。上で説明したように、ブラッグピークの深さ(z方向)はエネルギーレベルによって決まる。ここでは、4種類のエネルギーレベルのブラッグピーク深さが標的体積3において17a〜dで示されている。第1のエネルギーレベル17aは、異なる横方向への偏向を有するが第1の量のエネルギーのイオンが図1のシステムにおけるイオンビーム治療を用いて供給された場合にそのエネルギーレベルのブラッグピークが生じる線によって示されている。第2のエネルギーレベル17bは第2の量のエネルギーのイオンが供給された場合にブラッグピークが生じる線によって示されている(後略)。イオンビームが通過する組織の密度はその深さに影響を与えることに留意されたい。例えば、当該ビームが骨を通過する場合、これにより、当該ビームが筋肉組織を通過する場合とは異なる深さのブラッグピークが生じる。従って、各エネルギーレベル17a〜dのブラッグピーク深さは特定の深さの直線である必要はない。
連続するエネルギー層間の分離は、ユーザによって与えられる水当量の距離に基づいていても、それらのエネルギー層のブラッグピーク幅(水中)に自動的に基づいていてもよい。エネルギー層はブラッグピーク幅に対して互いに十分に近くに配置されているため、エネルギー層の自動選択は深さ方向の滑らかな線量分布を保証する。別の結果としては、ブラッグピークがより幅狭である場合、すなわち浅い深さにある場合およびリプルフィルタが使用されていない場合に、より多くのエネルギー層が必要になる。
図3は、一実施形態に係る図2のエネルギー層のうちの1つ(17a〜dを参照)におけるスポットの横方向分布を示す概略図である。エネルギー層はx−y平面に沿って示されている。エネルギー層は患者の標的体積において完全に平らである必要はないが、エネルギー層はここでは、患者が存在していない場合に見えるであろうように扁平な層として示されている。治療計画システム1は、各エネルギー層の任意のスポットのブラッグピークのz位置を計算することができるため、患者における組織を考慮して任意のスポットを扁平な二次元空間におけるエネルギー層上での位置と三次元空間におけるブラッグピークの位置との間で変換することができる。
スポット14はエネルギー層全体に与えられて、そのエネルギー層にある標的体積3を覆う。図3には示されていないが、スポット14のサイズは異なってもよく、異なるサイズのスポットを同じエネルギー層に提供することができる。
図3は1つのエネルギー層のスポット分布のみを開示しているが、標的体積のために使用される各エネルギー層に対応するスポット分布が存在する。
図4は、一実施形態に係る図1のイオンビームシステムのためのリプルフィルタ11の使用を示す概略図である。リプルフィルタ11は、この例では三角形状の断面を有し、かつイオンビームシステムの一部を形成している(図1の2を参照)。
三角形の頂点を通過するビーム7のイオンは、より多くの物質を横切り、かつより多くのエネルギーを失う。従って、それらの飛程は三角形の外側部分を通過するビーム7のイオンよりも短くなる。多数のイオンがこの種の繰り返し構造を通る場合の効果は、以下で説明する図5に示すように、ブラッグピークの広幅化ならびにプロトンの平均飛程の減少であろう。故にビーム7は当該フィルタを通過し、そのエネルギーは当該ビームの方向(z方向)に沿って分布される。
ブラッグピークの広幅化と同じ効果を達成する任意の他の種類のフィルタを同等に良好に適用できること、つまり当該フィルタを図4に示すように実装する必要はないことに留意されたい。異なるリプルフィルタ設定は、同時に適用されるリプルフィルタの異なる組み合わせの使用を指すこともできる。
図5は、異なるリプルフィルタ設定がブラッグピークに対して有する効果を示す概略グラフである。水平軸は水中での深さを表し、垂直軸は線量を表す。
第1の曲線20aは元の曲線としても知られているリプルフィルタが適用されていない場合の線量分布を示す。第2の曲線20bは第1のリプルフィルタが適用されている場合の線量分布を示す。第3の曲線20cは第2のより厚いリプルフィルタが適用されている場合の線量分布を示す。
ブラッグピークは各曲線のピークであり、これは線量の急激な減少の直前に現れる。元の曲線20aのブラッグピークが他の曲線20b〜cよりもどれほど高くかつ幅狭であるのかが分かる。より薄いリプルフィルタが適用されている第2の曲線20bのブラッグピークは中間の高さおよび中間の幅を有する。より厚いリプルフィルタが適用されている第3の曲線20cのブラッグピークは最も低く、かつ最も幅広でもある。またブラッグピークの深さは、リプルフィルタ効果が大きくなるにつれて減少する。
故に、異なるリプルフィルタ設定によりブラッグピーク幅(当該ビームに沿った方向)に対して異なる効果が得られる。ブラッグピーク幅は、最大線量の特定の割合のブラッグピークの幅、例えば80%の近位線量レベルの深さと80%の遠位線量レベルの深さとの差として定めることができる。
図6は、異なるエネルギーのブラッグピークを示す概略グラフである。左から右への曲線は徐々に増加するエネルギーレベルを表す。これはより少数のエネルギーレベルについてではあるが、エネルギー層が示されている図2と比較することができる。
エネルギーの増加と共に、ブラッグピークはより深くなっていく。これはより多くの物質が横切られ、かつその結果ブラッグピークがより幅広になり、かつより低くなるということも意味する。
本明細書中の実施形態によれば、異なるリップル設定が異なるサブビーム25a〜eに割り当てられる。各サブビーム25a〜eは1つ以上のエネルギーレベルを含む。この例では、増加する深さ方向の第1の6種類のエネルギーレベルが第1のサブビーム25aに割り当てられている。増加する深さ方向の次の5種類のエネルギーレベルが第2のサブビーム25bに割り当てられている。増加する深さ方向の次の4種類のエネルギーレベルが第3のサブビーム25cに割り当てられている。増加する深さ方向の次の3種類のエネルギーレベルが第4のサブビーム25dに割り当てられている。増加する深さ方向の最後の2種類のエネルギーレベルが第5のサブビーム25eに割り当てられている。
次いで、各サブビーム25a〜eに異なるリプルフィルタ設定を割り当てる。
例えば第1のサブビーム25aを見ると、ブラッグピークは非常に幅狭であり、これは、ブラッグピーク間の深い線量の谷を回避するためにより多くの層を追加する必要があり得ることを意味している。但し、エネルギー層の数の増加により治療時間が長引くことになる。対照的に、第5のサブビーム25eのブラッグピークは非常に幅広であり、さらなるエネルギー層もリプルフィルタの使用も必要とされない。
より幅狭なブラッグピークの幅を増加させて治療時間を減少させると共に、同時に第5のサブビーム25eのために同じリプルフィルタ設定を使用せずに最遠位のブラッグピークの広幅化を回避することが有利である。遠位での減少を急激な状態に維持するために最大深さ(第5のサブビーム25e)においてより幅狭なブラッグピークを有し、それにより標的体積の縁部を超えるあらゆる望ましくない線量を減少させることが有利である。故に、第1のサブビーム25aに最大のリプルフィルタ効果を有するリプルフィルタ設定を割り当てることができ、第5のサブビームに最も小さいリプルフィルタ効果を有するリプルフィルタ設定(例えば、リプルフィルタが全く存在しない)を割り当てることができる。中間のサブビーム25b〜dには増加する深さ方向に徐々に減少するリプルフィルタ効果を有するリプルフィルタ設定を割り当てることができる。
図7は、標的体積の遠位縁部からのマージンによって定められる標的部分を示す概略グラフである。ここには、4つの異なる標的部分30a〜dが存在する。第1の標的マージン31aは、第2の標的部分30bの遠位境界と標的体積3の遠位縁部との間の距離として定められている。第2の標的マージン31bは第3の標的部分30cの遠位境界と標的体積3の遠位縁部との間の距離として定められている。第3の標的マージン31cは第4の標的部分30dの遠位境界と標的体積3の遠位縁部との間の距離として定められている。
図8A〜図8Bは、リプルフィルタ設定を決定するための方法の実施形態を示すフローチャートである。本方法は本治療計画システム(図1の1を参照)において行われる。以下では、条件付き工程は本方法が2つの異なる可能な経路に分岐する工程である。任意の工程は行う必要がない工程である。最初に、図8Aの方法について説明する。
ビーム方向を決定する工程40では、標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定する。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程42では、本治療計画システムは、リプルフィルタ設定を少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つに割り当てる。これは、各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように行われる。各リプルフィルタ設定により当該ビームに沿った方向(すなわちz方向)のブラッグピーク幅に対して異なる効果が得られる。さらに、各エネルギーレベルを複数のサブビームのうちの1つに割り当てる。
一実施形態では、例えば図6に示されており、かつ上に記載されているように、各サブビームは2つ以上のエネルギーレベルを含む場合には隣接するエネルギーレベルを含む。言い換えるとそのような場合、サブビームはエネルギーレベルに関して重複していない。
任意に、リプルフィルタの使用を控えることを意味するリプルフィルタ設定は最遠位のブラッグピークを有するサブビームに割り当てられる。上で説明したように、これは最も急激な減少を与え、これは最遠位のブラッグピークには有用であり得る。「遠位」とはビーム方向、すなわちz方向にさらに沿っているものとして解釈されるべきである。
リプルフィルタ設定を割り当てる工程42は、ユーザによって構成または決定された最小のブラッグピーク幅および/または最大のブラッグピーク幅に基づいていてもよい。最小のブラッグピーク幅のみが定められている最も単純な形態では、その結果はただ1つのリプルフィルタ設定となる。最も複雑な状況では、最小および最大のブラッグピーク幅の組み合わせが定められていてもよい。これによりいくつかのサブビームが得られる。つまり、遠位縁部からエネルギー層を割り当てることを開始し、リプルフィルタ設定の選択は、定められている最大のブラッグピーク幅よりも小さいか同じであるが、最小のブラッグピーク幅よりも大きいか同じであるブラッグピーク幅が得られる設定に基づくものになるであろう。益々低下していくエネルギーを有するより多くのエネルギー層を追加する場合、ブラッグピーク幅は減少し、最終的に最小のブラッグピーク幅には到達せず、新しいリプルフィルタ設定を選択することが必要になる。このプロセスを近位縁部までずっと続けて、異なるリプルフィルタ設定を有するいくつかのサブビームを作り出す。
最も大きいリプルフィルタ設定を用いた場合であっても最小のブラッグピーク幅に到達することができない場合、最も大きいリプルフィルタ設定がなお選択される。同等に、最も小さいリプルフィルタ設定を用いた場合であっても最大のブラッグピーク幅を超えた場合、最も小さいリプルフィルタ設定が選択される。なお、どんなリプルフィルタの使用も完全に控えることもリプルフィルタ設定として定められている。
任意に、リプルフィルタ設定はユーザ構成において定められた幾何学的形状に基づいている。例えば、当該幾何学的形状は図7に示すように標的体積の遠位縁部からの標的マージンによって定めることができる。遠位標的マージンの組み合わせにより標的部分30a〜dが作り出され、ここには異なるリプルフィルタ設定が適用される。代替法として、当該幾何学的形状は体積の描写のために本治療計画システムの他のツールを用いて定めることができる。
各幾何学的形状におけるリプルフィルタ設定はユーザによって直接設定されてもよく、あるいは、各幾何学的形状は定められているそれ自体の最小もしくは最大のブラッグピーク幅を有していてもよい。
次に図8Bを見ると、リプルフィルタ設定を割り当てる工程42の実施形態が若干より詳細に記載されている。ここに示されている実施形態は最適化を使用することに基づいている。
リプルフィルタ設定を決定する工程42aでは、多くの(利用可能な)異なるリプルフィルタ設定を決定する。例えば5種類の異なるリプルフィルタ設定が存在してもよい。
コピーを生成して集める工程42bでは、本治療計画システムは、各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成する。これにより、各リプルフィルタ設定およびビーム方向のための1つのサブビームが生じる。さらに、本治療計画システムはエネルギー層がそれぞれ複数のスポットを含む状態で各サブビームを集める。上に記載したように、各スポットは特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す。
最適化する工程42cでは、本治療計画システムは、当該スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつ性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのコピーの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化する。これはその重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで続く。性能測定値は複数の評価基準を組み合わせることによって計算する。複数の評価基準は、総治療時間が減少した場合に性能測定値を高める第1の基準と治療体積における所望の線量分布が達成された場合に性能測定値を高める第2の基準とを含む。
第1の基準は治療時間を減少させることを目指す。幅狭なブラッグピークが生じる1つのリプルフィルタ設定からより幅広のブラッグピークが生じる別の設定に切り換える場合の治療時間における最大の利得は、エネルギー層の数の減少および、ひいては蓄積されるエネルギー切り換え時間の減少において認めることができる。エネルギー切り換え時間は、特定のスポットのスポット重量(および実際の送達)に関連づけられていない。スポット重量の変動に関する最適化の文脈では、第1の基準は、各スポットをエネルギー切り換え時間に関連づけるスポット特有の尺度を含む。そのような尺度はリプルフィルタ設定に依存しており、送達時間に直接もしくは間接的に関連づけることができる。それは多くの異なる方法で公式化することができ、例えば以下に基づいていてもよい。
a)リプルフィルタ設定。より幅広のブラッグピークが生じるリプルフィルタ設定は、より幅狭なブラッグピークが生じる設定と比較して治療時間を減少させる。特定のサブビーム内の各スポットはそのサブビームのリプルフィルタ設定に関連づけられている。
b)エネルギー層間隔。より大きいエネルギー層間隔はより小さいエネルギー層間隔と比較して治療時間を減少させる。特定のサブビームの特定の層内の各スポットにはエネルギー層間隔に関連づけられた量が割り当てられている。この量は例えば、隣接するエネルギー層のいずれかまでの最も短い水当量の距離であってもよく、故に1つのエネルギー層における全てのスポットでは同じになる。
c)サブビーム送達時間。この尺度のために各サブビームの総送達時間を推定する。特定のサブビーム内の各スポットにはそのサブビーム送達時間に直接比例する量が割り当てられている。代替法として、サブビーム内の各スポットには蓄積されるエネルギー切り換え時間に直接比例する量を割り当てることができる。両方の代替法のために、割り当てられる量は同じサブビーム内の全てのスポットでは同じである。
直接もしくは間接的に治療時間を減少させるかエネルギー層の数を減少させる他の尺度も使用することができる。
最適化する工程42cでは、スポットの重量を上述のように繰り返し変えて性能測定値を高める。線量分布はスポットの重量を変えることによって直接変更し、スポット重量と線量分布に関する第2の基準についての性能測定値に対する効果との間には直接的な関係が存在する。治療時間に関する第1の基準についてはそのような直接的な関係は存在しない。上記治療時間尺度は個々のスポットの送達間のエネルギー切り換え時間に関連づけられており、従って明示的にスポット重量に依存していない。但し、スポット重量に関して最適化が行われるので、好ましい尺度(幅広のブラッグピークを生じさせるリプルフィルタ設定、大きいエネルギー層間隔、短い送達時間)を有するスポットについてスポット重量が増加する場合に、第1の評価基準に関連づけられた性能測定値が高められるように、スポット重量と治療時間尺度との間に人工的関係を確立させる。一例として第1の基準をエネルギー層間隔に基づかせる場合、これは、より小さい割り当てられたエネルギー層間隔を有するスポットのために高いスポット重量をペナルティとして科し、次いでこれにより、より大きい割り当てられたエネルギー層間隔を有するスポットではより高いスポット重量が有利になるようにすることによる最適化において達成することができる。
最適化する工程42cの最終のサブ工程ではスポット濾過を行う。スポット濾過により特定の閾値未満の重量を有するスポットを除去し、これはイオン送達システムの能力に基づいてユーザまたは本システムによって直接設定することができる。
任意の(一つまたは複数の)多重リプルフィルタ領域に関する条件付き工程42dでは、本治療計画システムはそれが各ビーム方向について、異なるリプルフィルタ設定を有し、かつ閾値を超える重量を有するスポットを有するエネルギー層によって覆われている任意の多重リプルフィルタ領域を見つけることができるかを決定する。多重リプルフィルタ領域は深さ方向に延在し、かつエネルギー間隔によって区切られている。任意の多重リプルフィルタ領域が見つかった場合、本方法は、任意のリプルフィルタを維持することを決定する工程42eに進む。そうでなければ本方法は継続する。
任意のリプルフィルタを維持することを決定する工程42eでは、本治療計画システムは、各多重リプルフィルタ領域の中でどの単一のリプルフィルタ設定を維持するかを決定する。多重リプルフィルタ領域の中で他のリプルフィルタ設定を有するエネルギー層は除去する。どのリプルフィルタ設定を維持するかを決定する方法は、例えばリプルフィルタ設定、またはエネルギー間隔において蓄積されたスポット重量、あるいはこれらのパラメータの組み合わせに基づいていてもよい。維持するリプルフィルタ設定はユーザに定められたパラメータに従って決定することもできる。この工程の後に、重複しているリプルフィルタ設定を有するエネルギー間隔は存在せず、本方法は最適化する工程42cに戻る。
図9は、一実施形態に係る図1の治療計画システム1の構成要素を示す概略図である。プロセッサ60は、メモリ64に格納されており、従ってコンピュータプログラム製品であってもよいソフトウェア命令67を実行することができる好適な中央処理装置(CPU)、マルチプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路などのうちの1つ以上の任意の組み合わせを用いて提供される。プロセッサ60は、上の図8A〜図8Bを参照して記載されている方法を実行するように構成することができる。
メモリ64は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)の任意の組み合わせであってもよい。メモリ64は、例えば磁気メモリ、光メモリ、ソリッドステートメモリまたはさらにはリモートでマウントされたメモリのうちの任意の1つまたは組み合わせであってもよい永続ストレージも含む。
プロセッサ60におけるソフトウェア命令の実行中にデータを読み出し、かつ/または格納するためのデータメモリ66も提供される。データメモリ66は、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリーメモリ(ROM)の任意の組み合わせであってもよい。データメモリ66は例えばリプルフィルタ設定69を含んでいてもよい。
治療計画システム1は、他の外部実体との通信のためのI/Oインタフェース62をさらに備える。任意にI/Oインタフェース62はユーザインタフェースも含む。
治療計画システム1の他の構成要素は本明細書に示されている概念を曖昧にしないために省略されている。
図10はコンピュータ可読手段を含むコンピュータプログラム製品の一例を示す。このコンピュータ可読手段にはコンピュータプログラム91を格納することができ、このコンピュータプログラムはプロセッサに本明細書に記載されている実施形態に係る方法を実行させることができる。この例では、コンピュータプログラム製品は、CD(コンパクトディスク)またはDVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)またはブルーレイディスクなどの光ディスクである。上で説明したように、図9のコンピュータプログラム製品64などのコンピュータプログラム製品は装置のメモリ内にも具体化することができる。コンピュータプログラム91は描写されている光ディスク上のトラックとしてここに概略的に示されているが、コンピュータプログラムは、取外し可能なソリッドステートメモリ、例えばユニバーサル・シリアル・バス(USB)ドライブなどのコンピュータプログラム製品に適した任意の方法で格納することができる。
本発明を主に数個の実施形態を参照しながら上に説明してきた。但し当業者によって容易に理解されるように、上に開示されているもの以外の他の実施形態が、添付の特許請求の範囲によって定められているように本発明の範囲内で同等に可能である。

Claims (14)

  1. 標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法は、治療計画システム(1)においてコンピュータによって行われ、前記コンピュータはコンピュータ・ソフトウェアによって指令され、前記コンピュータ実装方法は、
    標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定する工程(40)と、
    各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、前記少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)であって、各リプルフィルタ設定は前記ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを前記複数のサブビームのうちの1つに割り当てる工程(42)と、
    を含み、
    前記リプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)は、
    多くの異なるリプルフィルタ設定を決定する第1のサブ工程(42a)と、
    各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成し、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポットを含む状態で各サブビームを集める第2のサブ工程(42b)であって、各スポットは、特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す、第2のサブ工程(42b)と、
    前記スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつ前記重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、前記性能測定値に対する効果を計算することによって全てのビーム方向の全てのサブビームの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化する第3のサブ工程(42c)であって、前記測定性能値は複数の評価基準を組み合わせることによって計算され、前記複数の評価基準は、総治療時間が減少される場合に前記性能測定値を高める第1の基準、および治療体積における所望の線量分布が達成される場合に前記性能測定値を高める第2の基準を含む、第3のサブ工程(42c)と、
    を含む、コンピュータ実装方法。
  2. 各サブビームは2つ以上のエネルギーレベルを含む場合には隣接するエネルギーレベルを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
  3. 前記リプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)は、最遠位のブラッグピークを有するサブビームのためにリプルフィルタの使用を控えることを意味するリプルフィルタ設定を割り当てることを含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
  4. 前記リプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)は最小のブラッグピーク幅に基づいて行われる、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
  5. 前記リプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)は最大のブラッグピーク幅に基づいて行われる、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
  6. 前記リプルフィルタ設定を割り当てる工程(42)はユーザ構成において定められた幾何学的形状に基づいて行われる、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法。
  7. 前記幾何学的形状は標的体積の遠位縁部からの標的マージンによって定められている、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
  8. 前記第3のサブ工程(42c)は、スポット濾過を行って閾値未満の重量を有するスポットを除去することを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
  9. 前記第3のサブ工程(42c)の後に、
    各ビーム方向について、異なるリプルフィルタ設定を有し、かつ閾値を超える重量を有するスポットを有するエネルギー層によって覆われている多重リプルフィルタ領域を見つける第4のサブ工程(42d)と、
    各多重リプルフィルタ領域の中でどの単一のリプルフィルタ設定を維持するかを決定し、かつ前記多重リプルフィルタ領域の中で他のリプルフィルタ設定を有するエネルギー層を除去する第5のサブ工程(42e)と、
    前記第3のサブ工程(42c)に戻る工程と、
    をさらに含む、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のコンピュータ実装方法。
  10. 前記第5のサブ工程(42e)は、ユーザパラメータに従ってリプルフィルタ設定を維持することを決定することを含む、請求項に記載のコンピュータ実装方法。
  11. 標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するための治療計画システム(1)であって、前記治療計画システム(1)は、
    プロセッサ(60)と、
    前記プロセッサによって実行された場合に、前記治療計画システム(1)に、
    標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定することと、
    各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、前記少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てることであって、各リプルフィルタ設定は前記ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを前記複数のサブビームのうちの1つに割り当てられることと、
    を行わせる命令(67)を格納するメモリ(64)と、
    を備え、
    前記リプルフィルタ設定を割り当てるための命令は、前記プロセッサによって実行された場合に、前記治療計画システム(1)に、
    多くの異なるリプルフィルタ設定を決定することと、
    各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成し、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポットを含む状態で各サブビームを集めることであって、各スポットは、特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表すことと、
    前記スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつ前記重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、前記性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのサブビームの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化することであって、前記測定性能値は複数の評価基準を組み合わせることによって計算され、前記複数の評価基準は、総治療時間が減少される場合に前記性能測定値を高める第1の基準、および治療体積における所望の線量分布が達成される場合に前記性能測定値を高める第2の基準を含むことと、
    を行わせる命令(67)を含む、治療計画システム(1)。
  12. 標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するための治療計画システム(1)であって、前記治療計画システム(1)は、
    標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定するための手段と、
    各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、前記少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てるための手段であって、各リプルフィルタ設定は前記ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルを前記複数のサブビームのうちの1つに割り当てる手段と、
    を備え、
    リプルフィルタを割り当てるための手段は、
    多くの異なるリプルフィルタ設定を決定するための手段と、
    各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成し、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポットを含む状態で各サブビームを集めるための手段であって、各スポットは、特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表す手段と、
    前記スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつ前記重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、前記性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのサブビームの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化するための手段であって、前記測定性能値は複数の評価基準を組み合わせることによって計算され、前記複数の評価基準は、総治療時間が減少される場合に前記性能測定値を高める第1の基準、および治療体積における所望の線量分布が達成される場合に前記性能測定値を高める第2の基準を含む手段と、
    を含む、治療計画システム(1)。
  13. 標的体積に異なるエネルギーレベルのイオンを提供することができるイオン治療ビームのためのリプルフィルタ設定を決定するためのコンピュータプログラム(67、91)であって、前記コンピュータプログラムは、治療計画システム(1)で実行された場合に前記治療計画システム(1)に、
    標的体積を覆うために使用するための少なくとも1つのビーム方向を決定することと、
    各サブビームに異なるリプルフィルタ設定が割り当てられるように、前記少なくとも1つのビーム方向のそれぞれ1つの複数のサブビームのそれぞれ1つにリプルフィルタ設定を割り当てることであって、各リプルフィルタ設定は前記ビームに沿った方向のブラッグピーク幅に対して異なる効果を生じさせ、かつ各エネルギーレベルは前記複数のサブビームのうちの1つに割り当てられることと、
    を行わせるコンピュータプログラムコードを含み、
    前記リプルフィルタ設定を割り当てるためのコンピュータプログラムコードは、前記治療計画システムに、
    多くの異なるリプルフィルタ設定を決定することと、
    各ビーム方向のために各リプルフィルタ設定のための1つのサブビームを生成し、かつエネルギー層がそれぞれ複数のスポットを含む状態で各サブビームを集めることであって、各スポットは、特定の横方向位置における特定のエネルギーレベルのイオンの集合体を表すことと、
    前記スポットの少なくともサブセットの重量を繰り返し変え、かつ前記重量のばらつきにより閾値を超えて性能測定値を高めることができなくなるまで、前記性能測定値に対する効果を計算することによって、全てのビーム方向の全てのサブビームの全てのエネルギーレベルのスポットを最適化することであって、前記測定性能値は複数の評価基準を組み合わせることによって計算され、前記複数の評価基準は、総治療時間が減少される場合に前記性能測定値を高める第1の基準、および治療体積における所望の線量分布が達成される場合に前記性能測定値を高める第2の基準を含むことと、
    を行わせるコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム(67、91)。
  14. 請求項13に記載のコンピュータプログラムおよび前記コンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読手段を含むコンピュータプログラム製品(64、90)。
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