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JP6862774B2 - 防振ゴム用重合体組成物、ゴム架橋物、および防振ゴム - Google Patents

防振ゴム用重合体組成物、ゴム架橋物、および防振ゴム Download PDF

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JP6862774B2 JP2016218385A JP2016218385A JP6862774B2 JP 6862774 B2 JP6862774 B2 JP 6862774B2 JP 2016218385 A JP2016218385 A JP 2016218385A JP 2016218385 A JP2016218385 A JP 2016218385A JP 6862774 B2 JP6862774 B2 JP 6862774B2
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Description

本発明は、防振ゴム用重合体組成物、ゴム架橋物、および防振ゴムに関する。
従来から、各種ゴム部品を形成するためのゴム材料として、ブタジエンゴムが広く用いられている。ブタジエンゴムの原料となるブタジエンは、ナフサのクラッキングによりエチレンを製造する際の副生物として生産されるものである。ところが、近年、エチレンの製造法として、エタン等の天然ガスを原料とする方法が拡大しており、ブタジエンの生産量の減少が予測されている。そのため、ブタジエンゴムの代替材料としてブタジエンを原料としない合成ゴムを用いることについて、種々の検討が進められている。
ブタジエンゴムの代替材料として検討されている合成ゴムの1つとして、シクロペンテンを開環重合することにより得られるシクロペンテン開環重合体が挙げられる。例えば、特開2016−37585号(特許文献1)には、シクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分100質量部に対してシリカを30質量部含む重合体組成物が開示されている。この重合体組成物から得られたゴム架橋物は、耐熱老化性、耐圧縮永久歪性に優れ、動倍率が低いため、防振材の用途に適用することができる。
特開2016−37585号公報
しかしながら、この特許文献1の技術により得られた防振ゴムは、高い防振性能を有するものの、幅広い用途でさらに高い防振性能が求められる防振ゴムとしては必ずしも適したものではなかった。
本発明の目的は、防振性能に優れ、汎用性が高い防振ゴムが得られる防振ゴム用重合体組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、シクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分と、窒素吸着比表面積が200m/g以下の炭素系材料とを含み、前記炭素系材料の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部である防振ゴム用重合体組成物が提供される。

本発明の一態様によれば、防振特性に優れ、汎用性の高い防振ゴムを与える防振ゴム用重合体組成物を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る防振ゴム用重合体組成物は、シクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分と、窒素吸着比表面積が200m/g以下の炭素系材料とを含み、炭素系材料の含有量が、ゴム成分100質量部に対して1〜200質量部である重合体組成物である。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物に含まれるゴム成分は、シクロペンテン開環重合体を含有する。シクロペンテン開環重合体は、その主鎖を構成する繰返し単位として、シクロペンテンを開環重合してなる繰返し単位を含有する重合体である。
シクロペンテン開環重合体の主鎖を構成するシクロペンテンを開環重合してなる繰返し単位の割合は、全繰返し単位に対して80モル%以上とすることが好ましく、より好ましくは90モル%以上とし、さらに好ましくは95モル%以上とし、特に好ましくは実質的にシクロペンテンを開環重合してなる繰返し単位のみからなるものとすることである。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物に含まれるシクロペンテン開環重合体は、シクロペンテン開環重合体の特性を維持する限り、シクロペンテンと共重合可能なその他の単量体に由来する繰返し単位を含有していてもよい。共重合可能なその他の単量体に由来する繰返し単位の割合は、全繰返し単位に対して20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがさらに好ましい。
シクロペンテンと共重合可能なその他の単量体としては、シクロペンテン以外のモノ環状オレフィン、モノ環状ジエン、モノ環状トリエン、多環の環状オレフィン、多環の環状ジエン、多環の環状トリエン等が挙げられる。シクロペンテン以外のモノ環状オレフィンとしては、置換基を有するシクロペンテンや、置換基を有していてもよいシクロオクテンが例示される。モノ環状ジエンとしては、置換基を有していてもよい1,5−シクロオクタジエンが例示される。モノ環状トリエンとしては、置換基を有していてもよい1,5,9−シクロドデカトリエンが例示される。また、多環の環状オレフィン、多環の環状ジエン、および多環の環状トリエンとしては、2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の置換基を有していてもよいノルボルネン化合物が例示される。
シクロペンテン開環重合体の分子量は、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の値として、100,000〜1,000,000であることが好ましく、150,000〜900,000であることがより好ましく、200,000〜800,000であることがさらに好ましい。シクロペンテン開環重合体をこのような分子量を有することにより、優れた機械的強度を有するゴム架橋物を得ることができる。
シクロペンテン開環重合体の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、4.0以下であり、好ましくは3.5以下であり、より好ましくは3.0以下である。このようなMw/Mnを有することにより、ゴム架橋物の機械物性をより優れたものとすることができる。
シクロペンテン開環重合体を構成する繰返し単位中に存在する二重結合において、そのシス/トランス比は、特に限定されないが、10/90〜90/10の範囲に設定することができる。低温特性に優れたゴム架橋物を得るという観点からは、90/10〜51/49の範囲であることが好ましく、90/10〜55/45の範囲であることがより好ましい。また、破壊強度特性に優れたゴム架橋物を得るという観点からは、10/90〜49/51の範囲であることが好ましく、10/90〜45/55の範囲であることがより好ましい。
なお、シクロペンテン開環重合体のシス/トランス比を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、シクロペンテンを重合して、シクロペンテン開環重合体を得る際における、重合条件を制御する方法等が挙げられる。一例を挙げると、シクロペンテンを重合する際の重合温度を高くするほど、トランス比率を高くすることができ、また、重合溶液におけるモノマー濃度を低くするほど、トランス比率を高くすることができる。
シクロペンテン開環重合体のガラス転移温度(Tg)は、特に限定されないが、低温下で優れた特性を示すものとするという観点から、好ましくは−90℃以下であり、より好ましくは−95℃以下、さらに好ましくは−98℃以下である。シクロペンテン開環重合体のガラス転移温度は、例えば、繰返し単位中に存在する二重結合におけるシス/トランス比等を調節することによって、調節することができる。
シクロペンテン開環重合体は、その分子構造が、炭素原子と水素原子のみからなるものであってもよく、また、分子構造中に炭素原子および水素原子以外の原子を含有させてもよい。より具体的には、周期表第15族の原子、周期表第16族の原子、およびケイ素原子からなる群から選ばれる原子を含有する変性基を含有させてもよい。このような変性基を含有させることにより、シクロペンテン開環重合体と炭素系材料との親和性を良好にすることができる。
このような変性基としては、窒素原子、酸素原子、リン原子、硫黄原子、およびケイ素原子からなる群から選ばれる原子を含有する変性基が好適であり、これらの中でも、窒素原子、酸素原子、およびケイ素原子からなる群から選ばれる原子を含有する変性基がより好適であり、ケイ素原子を含有する変性基がさらに好適である。
窒素原子を含有する変性基としては、アミノ基、ピリジル基、イミノ基、アミド基、ニトロ基、ウレタン結合基、またはこれらの基を含む炭化水素基が例示される。酸素原子を含有する変性基としては、水酸基、カルボン酸基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルデヒド基、エポキシ基、またはこれらの基を含む炭化水素基が例示される。ケイ素原子を含有する変性基としては、アルキルシリル基、オキシシリル基、またはこれらの基を含む炭化水素基が例示される。リン原子を含有する変性基としては、リン酸基、ホスフィノ基、またはこれらの基を含む炭化水素基が例示される。硫黄原子を含有する変性基としては、スルホニル基、チオール基、チオエーテル基、またはこれらの基を含む炭化水素基が例示される。また、変性基としては、上記した基を複数含有する変性基であってもよい。これらのうち、シクロペンテン開環重合体と炭素系材料との親和性を良好にする観点から、アミノ基、ピリジル基、イミノ基、アミド基、水酸基、カルボン酸基、アルデヒド基、エポキシ基、オキシシリル基、またはこれらの基を含む炭化水素基が好ましく、中でも、ゴム架橋物とした場合における防振特性を向上させる観点から、オキシシリル基が特に好ましい。なお、オキシシリル基とは、ケイ素−酸素結合を有する基をいう。
オキシシリル基の具体例としては、アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基、アシロキシシリル基、アルキルシロキシシリル基、アリールシロキシシリル基、またはヒドロキシシリル基等が挙げられる。これらの中でも、シクロペンテン開環重合体への導入効果高いという観点から、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基は、1つ以上のアルコキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリメトキシシリル基、(ジメトキシ)(メチル)シリル基、(メトキシ)(ジメチル)シリル基、トリエトキシシリル基、(ジエトキシ)(メチル)シリル基、(エトキシ)(ジメチル)シリル基、(ジメトキシ)(エトキシ)シリル基、(メトキシ)(ジエトキシ)シリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基等が挙げられる。
アリーロキシシリル基は、1つ以上のアリーロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリフェノキシシリル基、(ジフェノキシ)(メチル)シリル基、(フェノキシ)(ジメチル)シリル基、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基等が挙げられる。なお、これらのうち、(ジフェノキシ)(エトキシ)シリル基、(フェノキシ)(ジエトキシ)シリル基は、アリーロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
アシロキシシリル基は、1つ以上のアシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリアシロキシシリル基、(ジアシロキシ)(メチル)シリル基、(アシロキシ)(ジメチル)シリル基等が挙げられる。
アルキルシロキシシリル基は、1つ以上のアルキルシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、トリメチルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリエチルシロキシ(ジエチル)シリル基、トリス(ジメチルシロキシ)シリル基等が挙げられる。
アリールシロキシシリル基は、1つ以上のアリールシロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、その具体例としては、トリス(トリフェニルシロキシ)シリル基、トリフェニルシロキシ(ジメチル)シリル基、トリス(ジフェニルシロキシ)シリル基等が挙げられる。
ヒドロキシシリル基は、1つ以上のヒドロキシ基がケイ素原子と結合してなる基であり、具体例としては、トリヒドロキシシリル基、(ジヒドロキシ)(メチル)シリル基、(ヒドロキシ)(ジメチル)シリル基、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基等が挙げられる。なお、これらのうち、(ジヒドロキシ)(エトキシ)シリル基、(ヒドロキシ)(ジエトキシ)シリル基は、ヒドロキシ基に加え、アルコキシ基をも有するため、アルコキシシリル基にも分類されることとなる。
シクロペンテン開環重合体が、このような変性基を有する場合のその変性基の導入位置は、特に限定されないが、その導入効果をより高めるという観点から、重合体鎖の末端に変性基を有していることが好ましい。
シクロペンテン開環重合体が重合体鎖の末端に変性基を有する場合、一方の重合体鎖末端(片末端)のみに変性基が導入されたものであっても、両方の重合体鎖末端(両末端)に変性基が導入されたものであってもよく、また、これらが混在したものであってもよい。さらに、これらと、重合体鎖末端に特定の変性基が導入されていない未変性のシクロペンテン開環重合体とが混在していてもよい。
シクロペンテン開環重合体が、重合体鎖の末端に変性基を有する場合において、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖末端における、変性基の導入割合は、特に限定されないが、変性基が導入されたシクロペンテン開環重合体鎖末端数/シクロペンテン開環重合体鎖数の百分率の値として、60%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%以上である。なお、重合体鎖末端への変性基の導入割合を測定する方法としては、特に限定されないが、例えば、H−NMRスペクトル測定により求められる変性基に対応するピーク面積比と、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求められる数平均分子量とから求めることができる。
シクロペンテン開環重合体の合成方法は、目的とする重合体が得られる限りにおいて、特に限定されず、常法に従って合成すればよい。例えば、以下に説明する方法により、シクロペンテン開環重合体を合成することができる。
すなわち、シクロペンテン開環重合体は、例えば、周期表第6族遷移金属化合物(A)と下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)とを含む重合触媒の存在下で、シクロペンテンを含む単量体を開環重合することにより得ることができる。
(R3−xAl(OR (1)
(上記一般式(1)中、RおよびRは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、xは、0<x<3である。)
周期表第6族遷移金属化合物(A)は、周期表(長周期型周期表、以下同じ)第6族遷移金属原子を有する化合物であり、具体的には、クロム原子、モリブデン原子、またはタングステン原子を有する化合物である。このうち、モリブデン原子を有する化合物、またはタングステン原子を有する化合物が好ましく、特に、シクロペンテンに対する溶解性が高いという観点から、タングステン原子を有する化合物がより好ましい。また、周期表第6族遷移金属原子を有する化合物は、特に限定されないが、周期表第6族遷移金属原子のハロゲン化物、アルコラート、アリレート、オキシ化物等が挙げられ、これらの中でも、重合活性が高いという観点から、ハロゲン化物が好ましい。
このような周期表第6族遷移金属化合物(A)の具体例としては、モリブデンペンタクロリド、モリブデンオキソテトラクロリド、モリブデン(フェニルイミド)テトラクロリド等のモリブデン化合物;タングステンヘキサクロリド、タングステンオキソテトラクロリド、タングステン(フェニルイミド)テトラクロリド、モノカテコラートタングステンテトラクロリド、ビス(3,5−ジターシャリブチル)カテコラートタングステンジクロリド、ビス(2−クロロエテレート)テトラクロリド、タングステンオキソテトラフェノレート等のタングステン化合物;等が挙げられる。
周期表第6族遷移金属化合物(A)の使用量は、「重合触媒中の第6族遷移金属原子:シクロペンテン」のモル比で、1:100〜1:200,000の範囲にすることができ、好ましくは1:200〜1:150,000、より好ましくは1:500〜1:100,000の範囲である。周期表第6族遷移金属化合物(A)の使用量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、シクロペンテン開環重合体からの触媒残渣の除去が困難となり、得られるゴム架橋物の各種特性が低下する場合がある。
有機アルミニウム化合物(B)は、上記一般式(1)で表される化合物である。一般式(1)においてRおよびRで表される炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、ナフチル基等のアリール基;等が挙げられる。なお、一般式(1)で示される化合物においてRおよびRで表される基は、同じであっても、また異なっていてもよいが、得られるシクロペンテン開環重合体のシス比率を上述した好適な範囲に制御できるという点より、RおよびRのうち、少なくともRは、炭素原子が4個以上連続して結合してなるアルキル基であることが好ましく、特に、n−ブチル基、2−メチル−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、またはn−デシル基であることがより好ましい。
また、上記一般式(1)において、xは、0<x<3である。すなわち、一般式(1)においては、RとORとの組成比は、それぞれ0<3−x<3、および0<x<3の各範囲において、任意の値をとることができるが、重合活性を高くでき、しかも、得られるシクロペンテン開環重合体のシス比率を上述した好適な範囲に制御できるという点より、xは、0.5<x<1.5であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される有機アルミニウム化合物(B)は、例えば、下記一般式(2)に示すように、トリアルキルアルミニウムと、アルコールとの反応によって合成することができる。
(RAl + xROH → (R3−xAl(OR + (RH (2)
なお、上記一般式(1)中のxは、上記一般式(2)に示すように、対応するトリアルキルアルミニウムとアルコールの反応比を規定することによって、任意に制御することが可能である。
有機アルミニウム化合物(B)の使用量は、用いる有機アルミニウム化合物(B)の種類によっても異なるが、周期表第6族遷移金属化合物(A)を構成する周期表第6族遷移金属原子に対して、好ましくは0.1〜100倍モル、より好ましくは0.2〜50倍モル、さらに好ましくは0.5〜20倍モルの割合である。有機アルミニウム化合物(B)の使用量が少なすぎると、重合活性が不十分となる場合があり、多すぎると、開環重合時において、副反応が起こりやすくなる傾向にある。
開環重合反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶液中で行なってもよい。開環重合反応を溶液中で行う際に用いる溶媒としては、重合反応において不活性であり、開環重合に用いるシクロペンテンや、上述した重合触媒を溶解可能な溶媒であればよく、特に限定されないが、例えば、炭化水素系溶媒またはハロゲン系溶媒等が挙げられる。炭化水素系溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;等が挙げられる。また、ハロゲン系溶剤の具体例としては、ジクロロメタン、クロロホルム等のアルキルハロゲン;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン;等が挙げられる。
また、開環重合反応の重合反応系に、上述した変性基を有し、かつ、メタセシス反応性を有するオレフィン性炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物として、変性基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)を存在させてもよい。このような変性基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の存在により、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖末端に変性基を導入することができる。例えば、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖末端にオキシシリル基を導入する場合には、オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素を重合反応系に存在させればよい。
このようなオキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素の例としては、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖の一方の末端(片末端)のみに変性基を導入するものとして、ビニル(トリメトキシ)シラン、ビニル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリメトキシ)シラン、アリル(メトキシ)(ジメチル)シラン、アリル(トリエトキシ)シラン、アリル(エトキシ)(ジメチル)シラン、スチリル(トリメトキシ)シラン、スチリル(トリエトキシ)シラン、2−スチリルエチル(トリエトキシ)シラン、アリル(トリエトキシシリルメチル)エーテル、アリル(トリエトキシシリルメチル)(エチル)アミン等のアルコキシシラン化合物;ビニル(トリフェノキシ)シラン、アリル(トリフェノキシ)シラン、アリル(フェノキシ)(ジメチル)シラン等のアリーロキシシラン化合物;ビニル(トリアセトキシ)シラン、アリル(トリアセトキシ)シラン、アリル(ジアセトキシ)メチルシラン、アリル(アセトキシ)(ジメチル)シラン等のアシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のアルキルシロキシシラン化合物;アリルトリス(トリフェニルシロキシ)シラン等のアリールシロキシシラン化合物;1−アリルヘプタメチルトリシロキサン、1−アリルノナメチルテトラシロキサン、1−アリルノナメチルシクロペンタシロキサン、1−アリルウンデカメチルシクロヘキサシロキサン等のポリシロキサン化合物;等が挙げられる。また、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖の両方の末端(両末端)に変性基を導入するものとして、1,4−ビス(トリメトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)−2−ブテン、1,4−ビス(トリメトキシシリルメトキシ)−2−ブテン等のアルコキシシラン化合物;1,4−ビス(トリフェノキシシリル)−2−ブテン等のアリーロキシシラン化合物;1,4−ビス(トリアセトキシシリル)−2−ブテン等のアシロキシシラン化合物;1,4−ビス[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]−2−ブテン等のアルキルシロキシシラン化合物;1,4−ビス[トリス(トリフェニルシロキシ)シリル]−2−ブテン等のアリールシロキシシラン化合物;1,4−ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)−2−ブテン、1,4−ビス(ウンデカメチルシクロヘキサシロキシ)−2−ブテン等のポリシロキサン化合物;等が挙げられる。
オキシシリル基含有オレフィン性不飽和炭化水素等の変性基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)の使用量は、製造するシクロペンテン開環重合体の分子量に応じて適宜選択すればよいが、重合に用いるシクロペンテンに対して、モル比で、1/100〜1/100,000の範囲とすることができ、好ましくは1/200〜1/50,000、より好ましくは1/500〜1/10,000の範囲である。なお、変性基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)は、シクロペンテン開環重合体の重合体鎖末端への変性基の導入作用に加え、分子量調整剤としても作用する。
また、シクロペンテン開環重合体に、上述した変性基を導入しない場合には、得られるシクロペンテン開環重合体の分子量を調整するために、分子量調整剤として、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン化合物や1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン等のジオレフィン化合物を用い、これを重合反応系に添加してもよい。分子量調整剤の使用量は、上述した変性基含有オレフィン性不飽和炭化水素(C)と同様の範囲から適宜選択すればよい。
重合反応温度は、特に限定されないが、好ましくは−100℃以上であり、より好ましくは−50℃以上、さらに好ましくは−20℃以上、特に好ましくは0℃以上である。また、重合反応温度の上限は特に限定されないが、好ましくは100℃未満であり、より好ましくは90℃未満、さらに好ましくは80℃未満、特に好ましくは70℃未満である。重合反応時間は、特に限定されないが、好ましくは1分間〜72時間、より好ましくは10分間〜20時間である。
また、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)と一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)とを含む重合触媒を用いる方法に代えて、重合触媒として、ルテニウムカルベン錯体を用いて、ルテニウムカルベン錯体の存在下で、シクロペンテンを含む単量体を開環重合する方法により、シクロペンテン開環重合体を製造することもできる。
ルテニウムカルベン錯体は、シクロペンテンの開環重合触媒となるものであれば、特に限定されない。好ましく用いられるルテニウムカルベン錯体の具体例としては、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)−3,3−ジフェニルプロペニリデンルテニウムジクロリド、(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)t−ブチルビニリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジイソプロピルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリン−2−イリデン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)エトキシメチリデンルテニウムジクロリド等を挙げることができる。
ルテニウムカルベン錯体の使用量は、触媒中の金属ルテニウムとシクロペンテンとのモル比で、1:2,000〜1:2,000,000の範囲とすることができ、好ましくは1:5,000〜1:1,500,000、より好ましくは1:10,000〜1:1,000,000の範囲である。ルテニウムカルベン錯体の使用量が少なすぎると、重合反応が十分に進行しない場合がある。一方、多すぎると、得られるシクロペンテン開環重合体からの触媒残渣の除去が困難となり、ゴム架橋物とした際に各種特性が低下するおそれがある。
重合触媒として、ルテニウムカルベン錯体を使用する場合における、開環重合反応は、無溶媒で行ってもよいし、溶液中で行なってもよい。開環重合反応を溶液中で行う際に用いる溶媒としては、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)と一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)とを含む重合触媒を用いる場合と同様の溶媒(炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒等)を使用することができる。
また、ルテニウムカルベン錯体を重合触媒として用いる場合の重合反応温度および重合反応時間も、上述した周期表第6族遷移金属化合物(A)と一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)とを含む重合触媒を用いる場合の重合反応温度および重合反応時間と同様である。
そして、上記した周期表第6族遷移金属化合物(A)と一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物(B)とを含む重合触媒を用いる方法、または、重合触媒としてルテニウムカルベン錯体を用いる方法により得られるシクロペンテン開環重合体には、所望により、フェノール系安定剤、リン系安定剤、硫黄系安定剤等の老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤の添加量は、その種類等に応じて適宜決定すればよい。さらに、所望により、伸展油を配合してもよい。重合体溶液としてシクロペンテン開環重合体を得た場合において、重合体溶液から重合体を回収ためには、公知の回収方法を採用すればよく、例えば、スチームストリッピング等で溶媒を分離した後、固体をろ別し、さらにそれを乾燥して固形状ゴムを取得する方法等が採用できる。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物に含まれるゴム成分は、シクロペンテン開環重合体に加えて、その他のゴムを含んでいてもよい。シクロペンテン開環重合体以外のゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、溶液重合SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)、乳化重合SBR(乳化重合スチレンブタジエンゴム)、低シスBR(ブタジエンゴム)、高シスBR、高トランスBR(ブタジエン部のトランス結合含有量70〜95%)、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、乳化重合スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ポリイソプレン−SBRブロック共重合ゴム、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。中でも、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムが好ましく、ゴム架橋剤とした場合における防振特性を向上させる観点より、天然ゴムがより好ましく用いられる。これらのゴムは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物に含まれるゴム成分において、シクロペンテン開環重合体の含有量は、本発明の効果をより顕著なものとする観点から、全ゴム成分に対して、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは50質量%以上であり、好ましくは90質量%以下である。一方、シクロペンテン開環重合体以外のゴムの含有量は、全ゴム成分に対して、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは50質量%以下であり、好ましくは10質量%以上である。
本発明の実施形態に係る防振ゴム用重合体組成物は、上述したシクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分に、炭素系材料が含まれている。
炭素系材料としては、特に限定されず、カーボンブラック、黒鉛(グラファイト)等の炭素系材料を用いることができる。中でもカーボンブラックを用いるのが好ましい。
カーボンブラックの具体例は、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。これらの中でも、ファーネスブラックを用いることが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF−HS、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF、HAF−HS、HAF−LS、MAF、FEF等が挙げられる。黒鉛の具体例は、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛等の天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。なお、上述した炭素系材料は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭素系材料は、窒素吸着比表面積(NSA)が、200m/g以下であり、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは20〜150m/gである。また、ジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜200ml/100g、より好ましくは50〜160ml/100gである。なお、窒素吸着比表面積は、ASTM D−4820に準拠して、BET法にて測定することができる。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物中における炭素系材料の含有量は、シクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分100質量部に対して、1〜200質量部であり、好ましくは20〜150質量部、より好ましくは30〜100質量部である。炭素系材料の含有量を上記範囲とすることにより、ゴム架橋物とした際の防振特性を高めることができ、しかも汎用性の高い防振ゴムを提供することができる。炭素系材料の含有量が少なすぎると、得られるゴム架橋物は機械特性に劣るものとなる。一方、炭素系材料の含有量が多すぎると、重合体組成物としての加工性が低下する可能性がある。
また、本実施形態の防振ゴム用重合体組成物には、上記成分以外に、常法に従って、架橋剤、架橋促進剤、架橋活性化剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、ワックス、炭素系材料以外の充填剤、等の配合剤をそれぞれ必要量配合することができる。
架橋剤としては、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、アクリル酸亜鉛類、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の配合量は、防振ゴム用重合体組成物中のゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは0.7〜4質量部、さらに好ましくは1〜3質量部である。
架橋促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系架橋促進剤;1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジオルトトリルグアニジン、1−オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系架橋促進剤;チオウレア系架橋促進剤;チアゾール系架橋促進剤;チウラム系架橋促進剤;ジチオカルバミン酸系架橋促進剤;キサントゲン酸系架橋促進剤;等が挙げられる。これらの中でも、スルフェンアミド系架橋促進剤を含むものが特に好ましい。これらの架橋促進剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。架橋促進剤の配合量は、防振ゴム用重合体組成物中のゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
架橋活性化剤としては、例えば、ステアリン酸等の高級脂肪酸や酸化亜鉛等が挙げられる。架橋活性化剤の配合量は、特に限定されないが、架橋活性化剤として高級脂肪酸を用いる場合の配合量は、防振ゴム用重合体組成物中のゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.05〜15質量部、より好ましくは0.5〜5質量部であり、架橋活性化剤として酸化亜鉛を用いる場合の配合量は、防振ゴム用重合体組成物中のゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.05〜15質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。これらの架橋活性化剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
プロセス油としては、鉱物油や合成油を用いてよい。鉱物油には、アロマオイル、ナフテンオイル、パラフィンオイル等を用いることができる。
炭素系材料以外の充填剤としては、例えば、アルミニウム粉末等の金属粉;ハードクレー、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機粉末;デンプンやポリスチレン粉末等の有機粉末等の粉体;ガラス繊維(ミルドファイバー)、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の短繊維;シリカ、マイカ;等が挙げられる。これらの充填剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物を得る方法としては、特に限定されず、常法に従って各成分を混練すればよく、一例を挙げると、架橋剤および架橋促進剤を除く、炭素系材料等の配合剤と、シクロオレフィン開環重合体等のゴム成分とを混練後、その混練物に架橋剤および架橋促進剤を混合して目的の組成物を得ることができる。架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤とゴム成分との混練温度は、好ましくは70〜200℃、より好ましくは100〜180℃である。また、混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。混練物と架橋剤および架橋促進剤との混合は、100℃以下で行うことができ、好ましくは80℃以下まで冷却後に行われる。
本発明の実施形態に係るゴム架橋物は、上述した防振ゴム用重合体組成物を架橋することにより得られる。
本実施形態の防振ゴム用重合体組成物を架橋する架橋方法は、特に限定されず、ゴム架橋物の形状、大きさ等に応じて選択すればよい。この場合、金型中に、防振ゴム用重合体組成物を充填して加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、予め成形しておいた防振ゴム用重合体組成物を加熱して架橋してもよい。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃であり、架橋時間は、1〜120分程度である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさ等によっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
防振ゴム用重合体組成物の成形は、例えば、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロール等を用いることにより行うことができる。また加熱方法としては、プレス加熱、スチーム加熱、オーブン加熱、熱風加熱等のゴムの架橋に用いられる一般的な方法を適宜選択すればよい。
このようにして得られる本実施形態のゴム架橋物は、動倍率が低く、損失正接が高いため、防振性能に優れた防振ゴムとして好適に用いられる。また、本実施形態のゴム架橋物は、高周波および低周波のいずれの振動も低減することができるため、汎用性の高い防振ゴムとして好適に用いられる。
本発明の実施形態に係る防振ゴムは、上述したゴム架橋物を用いて得られるため、本実施形態の防振ゴムは、防振特性に優れ、高い汎用性を有する。そのため、本実施形態の防振ゴムは、例えば、鉄道車両、発電機、自動車、トラック・バス、船舶、住宅等の種々の防振部材として用いることができる。また、本実施形態の防振ゴムは、低周波および高周波のいずれの振動も低減できるゴム架橋物が用いられているため、低周波および高周波の振動を発生するエンジンマウント部材や高周波の振動を発生するサスペンション部材等の用途に幅広く用いることができる。そのため、本実施形態の防振ゴムは、例えば、自動車用のエンジンマウント、液体封入式マウント等の各種マウント、各種ブッシュ、ダンパー、サポートゴム、軸受け等の自動車用の防振ゴムに特に好適に用いられる。
以下、本発明について実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、質量基準である。また、各種の試験および評価は、下記の方法にしたがって行った。
〔シクロペンテン開環重合体、ブタジエンゴムの分子量〕
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、シクロペンテン開環重合体およびブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定した。GPCによる測定は、GPCシステム(東ソー社製、HLC−8220)により、Hタイプカラム(東ソー社製、HZ−M)2本を直列に連結して用い、テトラヒドロフランを溶媒として、カラム温度40℃で行った。また、検出器は、示差屈折計(東ソー社製、RI−8320)を用いた。なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算値として測定した。
〔シクロペンテン開環重合体のガラス転移温度(Tg)〕
示差走査型熱量計(DSC、日立ハイテクサイエンス社製、X−DSC7000)を用いて、−150℃〜40℃までを10℃/分の昇温で測定した。
〔シクロペンテン開環重合体のシス/トランス比、ブタジエンゴムのビニル/シス/トランス比〕
13C−NMRスペクトル測定により決定した。
〔末端変性シクロペンテン開環重合体のオキシシリル基の導入率〕
H−NMRスペクトル測定により、オキシシリル基に由来するピーク積分値と末端変性シクロペンテン開環重合体主鎖中の炭素−炭素二重結合に由来するピーク積分値との比率を求め、このピーク積分値の比率とGPCによる数平均分子量(Mn)の測定値に基づいて、オキシシリル基の導入率〔(オキシシリル基が導入されたシクロペンテン開環重合体鎖末端数/末端変性シクロペンテン開環重合体鎖数)の百分率〕を計算した。
〔静的弾性率(E)〕
試料となる重合体組成物を、金型を用いて、加圧しながら150℃で20分間プレス成形して、直径6mm、厚さ7.5mmの円柱状のゴム架橋物(試験片)を得た。得られた円柱状のゴム架橋物を用いて、JIS K6386:1999に準拠して、圧縮モードで試験速度5mm/分で変形量2mmの範囲のたわみを3回負荷し、3回目の負荷過程での圧縮ひずみ5%を与えたときの荷重(N)を測定した。また、静的弾性率(E)は、以下の式によって算出した。
E=F/A・ε
E:静的弾性率(MPa)
F:圧縮ひずみ5%を与えたときの荷重(N)
A:試験片の元の断面積(mm
ε:圧縮前の試験片の厚さに対する圧縮ひずみ。5%の圧縮ひずみの場合、0.05となる。
〔動的貯蔵弾性率(E´)、及び損失正接(tanδ)〕
試料となる重合体組成物を、金型を用いて、加圧しながら150℃で20分間プレス成形して、直径6mm、厚さ7.5mmの円柱状のゴム架橋物(試験片)を得た。得られた円柱状のゴム架橋物を用いて、JIS K6394:2007に準拠して、動的粘弾性装置(METRAVIB社製、DMA+1000)を用いて、測定モード:圧縮モード、静的ひずみ:5%、動的ひずみ:0.2%、または2%、測定周波数:100Hzの条件で動的貯蔵弾性率(E´)を測定し、また、測定モード:圧縮モード、静的ひずみ:5%、動的ひずみ:2%、測定周波数:10Hzの条件で損失正接(tanδ)を測定した。
なお、損失正接(tanδ)は、防振材料の防振特性を評価する指標の一つであり、損失正接の値が大きいほど防振性能が良いことを示す。また、上記の測定条件(動的ひずみ:2%、測定周波数:10Hz)における損失正接(tanδ)は、低周波の振動に対する防振特性(例えば、自動車の低周波アイドリング及びシェイクに対するエンジンマウントの防振性能)を評価するものである。
〔動倍率(E´/E)〕
上記方法に従って測定した静的弾性率(E)と動的貯蔵弾性率(E´)との比を計算することにより、動倍率(E´/E)を求めた。
なお、動倍率(E´/E)は、防振材料の防振特性を評価する指標の一つであり、動倍率の値が低いほど防振性能が良いことを示す。なお、上記の測定条件(動的ひずみ:0.2%、測定周波数:100Hz)における動倍率(E´/E)は、高周波振動に対する防振特性(例えば自動車の室内騒音等に対するエンジンマウントの防振性能)を評価するものであり、上記の測定条件(動的ひずみ:2%、測定周波数:100Hz)における動倍率(E´/E)は、高周波振動に対する防振特性(例えば自動車の室内騒音、振動対策乗り心地、操縦安定性に対するサスペンションの防振性能等)を評価するものである。
〔参考例1〕ジイソブチルアルミニウムモノ(n−へキソキシド)/トルエン溶液(2.5%)の調製
窒素雰囲気下、攪拌子の入ったガラス容器に、トルエン88部、および25.4%のトリイソブチルアルミニウム/n−ヘキサン溶液(東ソー・ファインケム社製)7.8部を加えた。次いで、容器を−45℃に冷却し、激しく攪拌しながら、n−ヘキサノール1.02部(トリイソブチルアルミニウムに対して当モル量)をゆっくりと滴下した。その後、攪拌しながら室温になるまで放置し、ジイソブチルアルミニウムモノ(n−へキソキシド)/トルエン溶液(2.5%)を調製した。
〔合成例1〕両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)の製造
窒素雰囲気下、攪拌子の入ったガラス容器に、1.0%のWCl/トルエン溶液87部、および参考例1で調製した2.5%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液43部を加え、15分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン300部および1,4−ビス(トリエトキシシリル)−2−ブテン1.24部を加え、これに、上記にて調製した触媒溶液130部を加えて、25℃で4時間重合反応を行った。4時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のエチルアルコールを加えて重合を停止した後、重合により得られた重合体100部に対して老化防止剤(商品名「イルガノックス1520L」、チバスペシャリティーケミカルズ社製、「イルガノックス」は登録商標)0.2部を添加した。次いで、多量のエタノールで凝固して重合体を回収し、40℃で3日間、真空乾燥することにより、両末端にトリエトキシシリルが導入された、両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)78部を得た。得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)の重量平均分子量(Mw)は366,000、ガラス転移温度(Tg)は−106℃、シス/トランス比は、シス/トランス=55/45であり、オキシシリル基導入率は143%であった。
〔合成例2〕未変性シクロペンテン開環重合体(a2)の製造
窒素雰囲気下、攪拌子の入ったガラス容器に、1.0%のWCl/トルエン溶液87部、および参考例1で調製した2.5%のジイソブチルアルミニウムモノ(n−ヘキソキシド)/トルエン溶液43部を加え、15分間攪拌することにより、触媒溶液を得た。そして、窒素雰囲気下、攪拌機付き耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン300部および1−ヘキセン0.26部を加え、これに、上記にて調製した触媒溶液130部を加えて、0℃で4時間重合反応を行った。4時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のエチルアルコールを加えて重合を停止した後、重合により得られた重合体100部に対して老化防止剤(商品名「イルガノックス1520L」、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.2部を添加した。次いで、多量のエタノールで凝固して重合体を回収し、40℃で3日間、真空乾燥することにより、未変性のシクロペンテン開環重合体(a2)74部を得た。得られた重量平均分子量(Mw)は389,000、ガラス転移温度(Tg)は−110℃、シス/トランス比は、シス/トランス=81/19であった。
〔合成例3〕未変性シクロペンテン開環重合体(a3)の製造
窒素雰囲気下、磁気攪拌子を入れた耐圧ガラス反応容器に、シクロペンテン1000部、1−ヘキセン0.42部、およびトルエン990部を加えた。次に、トルエン10部に溶解した(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド0.068部を加え、室温で3時間重合した。3時間の重合反応後、耐圧ガラス反応容器に、過剰のビニルエチルエーテルを加えて重合を停止した後、重合により得られた重合体100部に対して老化防止剤(商品名「イルガノックス1520L」、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.2部を添加した。次いで、多量のエタノールで凝固して重合体を回収し、50℃で24時間真空乾燥することにより、未変性のシクロペンテン開環重合体(a3)650部を得た。得られた未変性シクロペンテン開環重合体(a3)の重量平均分子量は(Mw)は434,000、ガラス転移温度(Tg)は−98℃、シス/トランス比は、シス/トランス=17/83であった。
〔合成例4〕末端変性ブタジエンゴム(a4)の製造
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン5670g、および1,3−ブタジエン700gを仕込んだ後、n−ブチルリチウムをシクロヘキサンと1,3−ブタジエンとに含まれる重合を阻害する不純物の中和に必要な量を添加し、さらに、n−ブチルリチウムを重合反応に用いる分として8.33mmolを加え、50℃で重合を開始した。重合を開始してから20分経過後、1,3−ブタジエン300gを30分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は80℃であった。連続添加終了後、さらに15分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、重合溶液に、1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン0.333mmol(重合に使用したn−ブチルリチウムの0.04倍モルに相当)を40%シクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、さらに下記式(3)で表されるポリオルガノシロキサン2.92mmol(重合に使用したn−ブチルリチウムの0.35倍モルに相当)を20%キシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させ、次いでテトラメトキシシランを8.33mmol(重合に使用したn−ブチルリチウムの1倍モルに相当)を25%シクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、末端変性ブタジエンゴム(a4)を含有する溶液を得た。そして、得られた溶液に、ゴム成分100部あたり、老化防止剤(商品名「イルガノックス1520L」、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.2部を添加し、スチームストリッピングにより溶媒を除去した後、60℃で24時間真空乾燥することにより、末端変性ブタジエンゴム(a4)を得た。得られた末端変性ブタジエンゴム(a4)の重量平均分子量は(Mw)は553,000、ビニル/シス/トランス比は、ビニル/シス/トランス=10/45/45であった。
Figure 0006862774
〔実施例1〕
バンバリー形ミキサー中で、合成例1で得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)70部および天然ゴム(SMR−CV60)30部を30秒素練りし、次いで、ステアリン酸2部、酸化亜鉛5部、カーボンブラック(商品名「シーストSO(FEF)」、東海カーボン社製、「シースト」は登録商標、窒素吸着比表面積(BET法):42m/g)50部、ナフテンオイル(商品名「ダイアナ プロセスオイルNS-100」、出光興産社製)5部、および老化防止剤としてN−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製、「ノクラック」は登録商標)2部を添加して、100℃にて、180秒混練した後、ラムの上部に残った配合剤をクリーニングした後、さらに150秒混練し、ミキサーから混練物を排出させた。次いで、混練物を、室温まで冷却した後、60℃のオープンロールで、得られた混練物と、硫黄1.4部、および、架橋促進剤としてN−(tert−ブチル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS−P」、大内新興化学工業社製、「ノクセラー」は登録商標)1.2部とを混練した後、シート状の重合体組成物を得た。
そして、得られた重合体組成物を用いて、上記方法に従い、ゴム架橋物を得て、静的弾性率、動的貯蔵弾性率、損失正接、および動倍率を算出して、評価した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
合成例1で得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)70部に代えて、合成例2で得られた未変性シクロペンテン開環重合体(a2)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
合成例1で得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)70部に代えて、合成例3で得られた未変性シクロペンテン開環重合体(a3)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
合成例1で得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)70部に代えて、未変性ブタジエンゴム(商品名「Nipol BR1220」、日本ゼオン社製、「Nipol」は登録商標、シス含有量97%以上)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
合成例1で得られた両末端変性シクロペンテン開環重合体(a1)70部に代えて、合成例4で得られた末端変性ブタジエンゴム(a4)70部を使用した以外は、実施例1と同様にして、重合体組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
バンバリー形ミキサー中で、合成例4で得られた末端変性ブタジエンゴム(a4)70部および天然ゴム(SMR−CV60)30部を30秒素練りし、次いでシリカ(商品名「NIPSIL AQ」、東ソー・シリカ社製、「NIPSIL」は登録商標)30部、ナフテンオイル(商品名「ダイアナ プロセスオイルNS-100」、出光興産社製)15部、シランカップリング剤としてビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド(商品名「Si69」、デグッサ社製、「Si69」は登録商標)3部を添加し、100℃にて、90秒間混練し、次いで、ステアリン酸1部、酸化亜鉛5部、および老化防止剤としてN−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2部を添加し、さらに180秒間混練し、ミキサーから混練物を排出させた。次いで、室温まで冷却した後、50℃のオープンロールで、得られた混練物と、硫黄1.4部および架橋促進剤としてN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーNS−P」、大内新興化学工業社製)1.2部と1,3−フェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)1.2部との混合物を混練した後、シート状の重合体組成物を得た。そして、得られた重合体組成物を用いて、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
合成例4で得られた末端変性ブタジエンゴム(a4)70部に代えて、合成例2で得られた未変性シクロペンテン開環重合体(a2)70部を使用した以外は、比較例3と同様にして、重合体組成物を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006862774
表1に示すように、シクロペンテン開環重合体および炭素系材料を含有する重合体組成物を架橋して得られたゴム架橋物(実施例1〜3)は、シクロペンテン開環重合体に代えて、ブタジエンゴムを用いた場合(比較例1、2)に比べて、動倍率が低く、かつ損失正接が高くなり、防振ゴムとして優れるものであった。また炭素系材料に代えて、シリカを用いた場合(比較例3、4)は、動倍率が高く、損失正接が低くなり、高い防振性能は得られなかった。
また、シクロペンテン開環重合体および炭素系材料を含有する重合体組成物を架橋して得られたゴム架橋物(実施例1〜3)では、高周波および低周波のいずれの振動に対しても優れた防振性能を示すものとなり、汎用性の高い防振ゴムとして好適なものであった。
以上、本発明の実施形態について実施例を挙げて説明したが、本発明は特定の実施形態、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

Claims (4)

  1. シクロペンテン開環重合体を含有するゴム成分と、
    窒素吸着比表面積が200m/g以下の炭素系材料とを含み、
    前記炭素系材料の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して30〜100質量部である防振ゴム用重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の防振ゴム用重合体組成物を架橋してなるゴム架橋物。
  3. 請求項2に記載のゴム架橋物を用いてなる防振ゴム。
  4. エンジンマウント部材またはサスペンション部材に用いられる、請求項3に記載の防振ゴム。
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