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JP6862232B2 - 隔膜の製造方法、及びそれを用いた電極ユニットの製造方法 - Google Patents

隔膜の製造方法、及びそれを用いた電極ユニットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電解に用いる隔膜の製造方法およびそれを用いた電極ユニットの製造方法に関する。
アルカリイオン水、オゾン水または次亜塩素酸水などを生成する電解装置として、3室型の電解槽を有する電解装置が用いられている。3室型の電解槽は、ナフィオン等の陽イオン交換膜および四級アンモニウム塩や四級ホスホニウム塩等を有する陰イオン交換膜によって、電解槽が陽極室、中間室および陰極室と3室に区切られる。陽極室および陰極室には、貫通した多孔構造を有する陽極および陰極がそれぞれ配置されている。
このような電解装置では、例えば、中間室に食塩水を流し、左右の陰極室および陽極室に水を流して、中間室の食塩水を陰極および陽極で電解することにより、陽極室で発生した塩素ガスから次亜塩素酸水を生成するとともに、陰極室で水酸化ナトリウム水を生成する。生成した次亜塩素酸水は殺菌消毒水として、水酸化ナトリウム水は洗浄水として活用される。
このような3室型電解槽では陰イオン交換膜は塩素や次亜塩素酸により劣化しやすいために、パンチング等で作製した多孔陽極と陰イオン交換膜の間に、オーバーラップや切り込みを入れた不織布を挿入して塩素による劣化を低減させる技術があった。また、多数の穴の開いた電極に穴をふさがないように多孔膜を配置することは知られている。
しかしながら、上記の構造では非常に長期間の運転によって電解槽の劣化は避けられなかった。
特開2012−172199号公報 特開2006−322053号公報 特開平11−100688号公報
本発明が解決しようとする課題は、高効率で長寿命の隔膜の製造方法および電極ユニットの製造方法を提供することである。
実施形態によれば、フッ素原子を含有する疎水性の多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程と、
前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程と、
前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面に疎水性のアルミナ水和物層を形成する工程と、
前記アルミナ水和物層が形成された前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化する工程とを有する隔膜の製造方法が提供される。
図1は、第1の実施形態に係る隔膜の製造方法を示すフロー図である。 図2は、第2の実施形態に係る電極ユニットの概略図である。 図3は、第2の実施形態に係る電極ユニットの製造方法を示すフロー図である。 図4は、第3の実施形態に係る電解水生成装置の製造方法を示すフロー図である。 図5は、実施形態に係る電解水生成装置を示す概略図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1に、第1の実施形態にかかる隔膜の製造方法を表すフロー図を示す。
図1に示すように、実施形態にかかる隔膜の製造方法は、フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程(BL11)と、多孔質膜を分散液から取り出す工程(BL12)と、分散液で被覆された多孔質膜を加熱し、多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程(BL13)と、アルミナ水和物層が形成された多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程(BL14)を有する。
BL11では、疎水性の多孔質膜を、含水アルコールで分散された疎水性を有するアルミナ水和物粒子に接触する。アルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液は、分散性が良好でゲル化しにくいため、取り扱いが容易である。BL12では、疎水性の多孔質膜表面に、疎水性を有するアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液の塗布層を形成する。BL13では、加熱により、塗布層中のアルミナ水和物粒子が融合して、剥がれにくいアルミナ水和物被覆層となる。BL14では、アルミナ水和物粒子の疎水基が外れて親水性となり、安定化する。第1実施形態にかかるアルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質隔膜が得られる。
実施形態にかかる方法を用いると、疎水性の多孔質膜にアルミナ水和物を簡便に均一に被覆することが可能となり、親水化も容易である。これにより、塩素イオンの透過性を向上し、ナトリウムイオンの透過抑制が可能である。このため、実施形態によれば、効率よく電解が可能であり、高寿命で多孔質隔膜が得られる。
実施形態に使用される多孔質膜とは、複数の貫通孔を有する膜であり、貫通しない開口を有することも可能である。
実施形態に使用される含水アルコール分散液は、例えば、アルミナ水和物粒子ゲルを、アルコール溶液あるいはアルコール水溶液に分散することにより得られる。含水アルコール分散液の水分量は、例えば、0.1%〜80%にすることができる。
アルミナ水和物として、ベーマイトもしくは擬ベーマイトを用いることができる。また、アルミナ水和物粒子を疎水性基で被覆することができる。
アルミナ水和物は、組成式Al・(HO) (x=1〜2)で表すことができる。
好ましくは、x=1〜1.5であり、さらに好ましくはx=1〜1.3である。xが1に近いほどベーマイトの比率は大きくなる。
組成はアルミニウムの含有量を元素分析で測定してAlとしての量を決めることができる。
具体的には、多孔質膜の一部を塩酸と硝酸の混合溶液中で煮沸してアルミニウムを完全に溶解させる。ICP−AES(Inductively Coupled Plasma− Atomic Emission Spectrometry:高周波誘導結合プラズマ発光分光分析)でアルミニウム含有量を定量する。次に、多孔質膜の一部を室温真空下において弱く吸着している水分を除く。次に、熱分析装置で130〜1000℃で脱離する水の量を分析し、質量分析装置やガスクロマト装置で測定することによりxの値を決定することができる。
熱水もしくは水蒸気で加熱する工程を有することができる。70℃以上の熱水で処理するとベーマイトが主となりやすい。より好ましくは、80℃以上であり、さらに好ましくは、100℃以上である。100℃を超える場合は加圧して行うことができる。ベーマイト微粒子には擬ベーマイト微粒子も含まれる。擬ベーマイトはベーマイトより水和量が多く、加熱により容易にベーマイトとなる。加熱は80℃以上300℃以下が好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。
実施形態にかかる隔膜の製造方法において、多孔質膜をプラズマ処理、電子線処理もしくはUVオゾン処理を行うことにより、予め表面処理することができる。これらの処理により多孔質膜の表面には水酸基やカルボキシル基などの親水性基が導入されアルミナ水和物被覆層との結合が強くなり、よりはがれにくくなる。
酸性水溶液として、0.1重量%から10重量%の塩酸を使用することができる。
酸性水溶液が0.1重量%未満であると、疎水性基の脱離に時間がかかる傾向があり、10重量%を超えると、処理時間が飽和する傾向がある。
多孔質膜としてポリビニリデンジフルオルライドもしくはポリテロラフルオロエチレンを用いることができる。これらは化学的にも安定であり、また多孔質膜を形成しやすい。
空気中に取り出す工程として引き上げ法を用いることができる。引き上げ法を用いると、両面が同様にコートできることから、より均一な塗布が可能となる。
多孔質膜の平均孔径は、100nmから300nmにすることができる。平均孔径が100nmより小さいとアルミナ水和物で被覆した時にイオンの透過量が小さすぎる傾向があり、300nmより大きいとイオンの透過量が大きすぎる傾向がある。
アルミナ水和物の一次粒子の長径は10nmから100nmにすることができる。 長径が10nmより小さいと多孔質膜への被覆が不十分になる傾向があり、100nmより大きいとイオン透過率が大きすぎる他、剥がれやすい傾向がある。
加熱する工程が130℃以上にすることができる。加熱温度は基材に制限されるが130℃以上であればアルミナ水和物間の結合が強くなり剥がれにくくなる。好ましくは150℃以上でさらに好ましくは200℃以上である。加熱温度の上限は、300℃にすることができる。300℃を超えると、脱水が進みすぎて膜が脆くなる傾向がある。
多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程(BL14)の後、3重量%以上の濃度を有する塩化ナトリウム水溶液に浸漬した後、乾燥させる工程をさらに設けることができる。
BL14において親水化したアルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質隔膜に塩化ナトリウムを含浸させることにより、電解運転時の立ち上がりを早くすることができる。
濃度3重量%未満では膜に残る塩化ナトリウムの量が少なく、装置の立ち上がりが遅くなる傾向がある。より好ましくは10重量%以上であり、さらに好ましくは15重量%以上であるが20重量%を超えると多孔質隔膜表面についた塩化ナトリウムが剥がれやすくなり、ハンドリングが難しくなる傾向がある。
アルミナ水和物被覆層の表面での膜厚は、0.1〜10μmにすることができる。0.1μmより小さいとイオン透過性に対する効果が少なくなる傾向があり、10μmより大きいと膜が剥がれやすくなる傾向がある。より好ましくは1〜8μmであり、さらに好ましくは2〜6μmである。
多孔質隔膜の膜厚は10〜200μmにすることができる。膜厚が10μmより薄いと、膜の機械的強度が弱くなり破膜しやすくなる傾向がある。200μmより厚いとイオン透過性が小さくなり、電解効率が低下する傾向がある。膜厚は、好ましくは30〜150μmであり、さらに好ましくは40〜120μmである。
(第2の実施形態)
図2に、実施形態に用いられる電極ユニットの構成の一例を表す概略図を示す。
図示するように、実施形態にかかる電極ユニット20は、複数の開口と貫通孔を含む多孔構造を有する多孔電極基板21と、対向電極22とを有し、その間に配置された多孔質隔膜23を有する。対向電極22側の隔膜24および電解質保持部25をさらに設けることができる。
図3に、第2の実施形態にかかる電極ユニットの製造方法の一例を表す図を示す。
図示するように、第2の実施形態にかかる電極ユニットの製造方法は、アルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質膜を親水化し、多孔質隔膜を形成する工程(BL31)と、多孔質隔膜が水分を含んだ状態で、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程(BL32)とを有する。
アルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質隔膜を酸性水溶液に浸漬して親水化する工程は、例えば、第1の実施形態にかかる隔膜の製造方法と同様に、フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程、多孔質膜を分散液から取り出す工程、分散液で被覆された多孔質膜を加熱して、多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程、及び多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程を含む。好ましくは、多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程の後、多孔質膜を洗浄して酸性水溶液を除去する工程をさらに含むことができる。
BL31では、アルミナ水和物被覆と、フッ素原子を含む多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して、親水化して多孔質隔膜を得ることができる。
BL32では、親水化された多孔質隔膜を水分を含んだまま電極ユニットに組み込むことにより、初期運転立ち上げ時間を短くすることができる。
実施形態によれば、アルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質隔膜を用いることにより、効率よく電解が可能であり、高寿命な電極ユニットが得られる。
酸性水溶液としては、0.1重量%から10重量%の塩酸、硝酸、及び硫酸等を使用することができる。
多孔質膜の洗浄には、例えば、水、食塩水を使用することができる。
多孔電極基板の基材としてはチタン、クロム、アルミニウム、ステンレスやその合金等を用いることができる。好ましくはチタンやステンレスを使用することができる。
多孔電極基板の電極表面には触媒層を形成することができる。多孔電極基板を陽極に用いる場合には、触媒として、白金等の貴金属触媒や酸化イリジウム等の酸化物触媒を使用することができる。多孔電極基板に適用される触媒の単位面積当たりの量が電極の両面で異なることも可能である。これにより副反応等を抑制することができる。
基材は、0.01μm〜3μmの平面粗さを有することができる。
0.01μm未満では電極の実質の表面積が減少する傾向がある。3μmを超えると、電極の凸部に多孔質膜に対する応力が集中しやすくなる傾向がある。
電極の貫通孔は端が丸い長方形や円、楕円もしくは角が丸いひし形を有することができる。端が丸いと多孔質膜との接触において荷重の不均一性を低減することができる。開口面積を大きくする場合には、端が丸い長方形を用いることができる。一方、開口面積を小さくする場合には円を用いることができる。
多孔電極基板の開口部には外側が広くなるテーパーや曲面を形成することができる。開口部には外側が広くなるテーパーや曲面が形成されることにより、多孔質隔膜と穴部との接触角が鈍角になり、多孔質隔膜への応力集中が低減する傾向がある。開口数密度は多孔質隔膜側が大きい方が物質の拡散が良好となる傾向がある。
(第3の実施形態)
図4に、第3の実施形態にかかる電極ユニットの製造方法の一例を表す図を示す。
第3の実施形態にかかる電極ユニットの製造方法は、アルミナ水和物で被覆され、塩化ナトリウムが含浸された、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と、対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程(BL41)、及びこの電極ユニットを組み込み電解水生成装置を組み立てる工程(BL42)、電極ユニットの予備運転を行う工程(BL43)を含む。
実施形態に使用されるアルミナ水和物粒子で被覆され、塩化ナトリウムが含有されたフッ素原子を含有する多孔質隔膜を形成する方法は、例えば、第1の実施形態にかかる隔膜の製造方法と同様に、フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程、多孔質膜を前記分散液から取り出す工程、分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程、アルミナ水和物層が形成された多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化する工程を含み、さらに、親水化された多孔質膜を3重量%以上の濃度を有する塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させる工程を含む。
BL41では、電極ユニットに、塩化ナトリウム、及びアルミナ水和物被覆を有し、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を電極ユニットに組み込むことができる。
また、BL42では、塩化ナトリウム、及びアルミナ水和物被覆を有し、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を電解水生成装置に組み入れることができる。
さらに、BL43において、電極ユニットの予備運転を行うことにより、多孔質隔膜中に電解質を存在させることができ、次回からの運転開始を速くすることができる。また電極ユニットを取りはずして別の電解水生成装置に組み込むことができ、この場合にも長時間の予備運転は必要がなくなる。
このように、実施形態によれば、効率よく電解が可能であり、高寿命な電極ユニットが得られる。
図5は、第1実施形態にかかる隔膜、第2実施形態及び第3実施形態にかかる電極ユニットを適用可能な電解水生成装置の構成の一例を模式的に表す断面図である。
電解水生成装置50は、3室型の電解槽508および電極ユニット507を備えている。電解槽508は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、隔壁509および電極ユニット507により、陽極室510と陰極室511と、電極間に形成された中間室506との3室に仕切られている。
電極ユニット507は、陽極室510内に位置する第1電極503と、陰極室511内に位置し、所定の複数の貫通孔を有する第2電極(対向電極)504と、第1電極503の第2電極側の表面上に第1多孔質隔膜(電解質膜)501を有する。第2電極504の第1電極側表面に第2多孔質隔膜502を設けることができる。第1電極503および第2電極504は、隙間をおいて互いに平行に対向し、これらの多孔質隔膜501、502間に、電解液を保持する中間室(電解液室)506を形成している。中間室506内に、電解液を保持する図示しない保持体を設けても良い。第1電極503および第2電極504は、絶縁性を有する複数の図示しないブリッジにより、互いに連結してもよい。
電解水生成装置50は、電極ユニット507の第1および第2電極503、504に電圧を印加するための電源514、およびこれを制御する制御装置513を備えている。電源514と第1および第2電極503、504との間に電流計516、電圧計515を備えることができる。電流計516、電圧計515を制御装置513と接続することができる。
陽極室510、陰極室511には液体の流路を設けることができる。中間室506に塩化物イオンを含む電解質溶液を導入するラインL1、ラインL1に接続された電解質溶液タンク517、給水源から陽極室510および陰極室511に水を供給するラインL3、陽極室510から酸性電解水を取り出すラインL4、及び陰極室511からアルカリ性電解水を取り出すラインL5をさらに設けることができる。また、中間室506から塩化物イオンを含む余剰の電解質溶液を回収して電解質溶液タンク517に循環するためのラインL2を設けてもよいし、ラインL2の代わりに、塩化物イオンを含む電解質溶液を排出するためのラインを設けることができる。水質センサーとして酸性電解水を取り出すラインL4には導電率センサー518を、アルカリ性電解水を取り出すラインL5にはpHセンサー519を各々取り付けることができる。
第1多孔質隔膜(電解質膜)501として、第1実施形態にかかる多孔性隔膜を使用することができる。あるいは、電極ユニット507として、第2または第3の実施形態にかかる電極ユニットを使用することができる。
(実施例1)
図2に示す隔膜20と同様の隔膜を作製する。
まず、膜厚が100μmで、平均孔径が200nmのポリビニリデンフルオライド多孔質膜を用意する。10〜50nmの粒径(平均粒径20nm)を有し、表面をシランカップリング剤で疎水化したアルミナ水和物粒子(擬ベーマイト)使用し、10重量%の含水エタノール分散液(エタノール95%)を調製する。上記多孔質膜を得られた分散液に浸漬後、取り出して、大気中で130℃で5分加熱する。
次に、大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後取り出し、大気中で100℃で乾燥する。
次に、1重量%塩酸中に10分浸漬した後、水洗いすることにより、表面にアルミナ水和物層が形成された親水性の多孔質隔膜を作製する。
(実施例2)
図2で示す電極ユニットと同様の電極ユニットを作製する。
電極基材は、0.5mmの平坦なチタン製であり、2mm径の孔を3mmピッチで千鳥にパンチングで作製する。この電極を10重量%シュウ酸水溶液中1時間80℃で処理する。
塩化イリジウム(IrCl・nHO)に1−ブタノールを、Ir濃度が0.25Mになるように加えて調整した触媒溶液を、電極基材の小さい開口の面に塗布した後、乾燥と焼成をする。この場合、乾燥は80℃で10分間行ない、焼成は450℃で10分間行なう。触媒溶液の塗布と乾燥と焼成を5回繰り返して酸化イリジウム触媒を作製した電極基材を、反応電極面積が3cm×4cmに切り出して、それを多孔性電極基板(陽極)とする。
上記酸化イリジウムを塗布する代わりに白金をスパッタすること以外は上記多孔性電極基板と同様にして対向電極(陰極)を作成する。対向電極側の多孔質膜としてイオン交換膜であるナフィオン(登録商標)117を用いる。
実施例1と同様の多孔質隔膜およびナフィオン117膜を共に含水した状態で、両電極と電解液を保持する構造として、厚み5mmの多孔質ポリスチレンを用い、二つの多孔質膜とこれらをシリコーンシール剤およびネジを用いて重ねて電極ユニット507(20)とする。
この電極ユニット507を用いて図5で示す電解装置50を作製する。
ストレート流路が形成された塩ビ製の陽極室510と陰極室511、多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を供給するための容器517を電極ユニット507に接続する。制御装置513、電源514、電圧計515、電流計516を設置し、陽極室510および陰極室511に水道水を給するための配管L3と図示しないポンプ、多孔質ポリスチレンに飽和食塩水を循環供給するための飽和食塩水だめ517と配管L1、及び図示しないポンプを設置する。
この電解装置50を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。電解の初期効率は84%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。運転を停止し電解装置50内の液体を抜いて1週間乾燥させる。その後再び運転すると10分以内に効率は85%になり1000時間の連続運転後でも効率は82%と安定である。
(実施例3)
膜厚が60μmで平均孔径が100nmのポリテトラフルオロエチレン多孔質膜を用い、実施例1と同様に表面がシランカップリング剤で疎水化したアルミナ水和物粒子(擬ベーマイト)の含水エタノール分散液に浸漬した後取り出し、大気中で250℃で5分加熱する。
次に、大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後取り出し、大気中で100℃で乾燥する。
次に、5重量%塩酸中に20分浸漬した後水洗いし、表面にアルミナ水和物層が形成された親水性の多孔質隔膜を作製する。
実施例2と同様にして電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は80%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約50ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は80%になり1000時間の連続運転後でも効率は79%と安定である。
(実施例4)
実施例1と同様の多孔質隔膜を水洗後、乾かすことなく15重量%塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、大気中に取り出し、そのまま乾燥することにより表面や孔内部に塩化ナトリウムが含有された多孔質隔膜を二つ作製する。
電極は実施例2と同様にして作製する。両電極と電解液を保持する構造として、厚み5mmの多孔質ポリスチレンを用い、乾燥状態で二つの多孔質膜を多孔質ポリスチレンの両側に配置し、シリコーンシール剤およびネジを用いて重ねて電極ユニットとする。
乾いた状態の電極ユニットを用いることを除いては実施例2と同様にして電解装置を作製する。電圧8Vで電極ユニットの予備電解を行い、徐々に電流が増大し30分ほどで定常になる。陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は78%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は79%になり1000時間の連続運転後でも効率は78%と安定である。
(実施例5)
膜厚が100μmで、平均孔径が300nmのポリビニリデンフルオライド多孔質膜を用意する。アルミナ水和物微粒子(擬ベーマイト)(粒径50〜100nm)を用い、30重量%含水のエタノール水溶液で15重量%分散液を調製する。この多孔質膜を得られた分散液に浸漬し、大気中に取り出し、大気中で130℃で5分加熱する。これを2回繰り返す。
次に、大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後取り出し、大気中で100℃で乾燥する。
次に、1重量%塩酸中に10分浸漬した後水洗いし、表面にアルミナ水和物層が形成された親水性の多孔質隔膜を作製する。
実施例2と同様にして電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を、陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は85%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約100ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は84%になり1000時間の連続運転後でも効率は84%と安定である。
(実施例6)
膜厚が50μmで、平均孔径が80nmのポリビニリデンフルオライド多孔質膜を用意する。アルミナ水和物微粒子(擬ベーマイト)(粒径10〜30nm)を用い、30重量%含水のエタノール水溶液で10重量%分散液を調製する。大気中に取り出し、大気中で130℃で5分加熱する。これを2回繰り返す。
次に、大気中で沸騰した水中に5分浸漬した後取り出し、大気中で100℃で乾燥する。
次に、1重量%塩酸中に10分浸漬した後水洗いし、表面にアルミナ水和物層が形成された親水性の多孔質隔膜を作製する。
実施例2と同様にして電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は75%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約10ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は75%になり1000時間の連続運転後でも効率は73%と安定である。
(実施例7)
大気中で沸騰した水中に5分浸漬する代わりに、130℃の水蒸気中に10分間さらすことを除いては実施例1と同様にして多孔質隔膜を作製する。
実施例2と同様にして電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は83%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後、再び運転すると10分以内に効率は83%になり1000時間の連続運転後でも効率は82%と安定である。
(実施例8)
膜厚が120μmで、平均孔径が330nmのポリビニリデンジフルオライド多孔質膜を用いることを除いては実施例1と同様にして、多孔質隔膜を作製する。
実施例2と同様にして電解装置を作製する。
この電解装置を用いて、電極ユニットが乾かないうちに電圧8Vで電解を行い、陽極側では次亜塩素酸水を陰極側では水酸化ナトリウム水を製造する。
電解の初期効率は80%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約120ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。その後再び運転すると10分以内に効率は80%になり1000時間の連続運転後でも効率は81%と安定である。
(実施例9)
大気中で沸騰した水中に5分浸漬しないことを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製する。
電解の初期効率は80%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約70ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は80%になり1000時間の連続運転後でも効率は75%と比較的安定である。
(実施例10)
大気中で沸騰した水中に浸漬する代わりに60℃の水に浸漬することを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製する。
電解の初期効率は81%である。次亜塩素酸水へのナトリウムイオンの混入は約80ppmである。
運転を停止し液体を抜いて1週間乾燥させた。
その後再び運転すると10分以内に効率は80%になり1000時間の連続運転後でも効率は76%と比較的安定である。
(比較例1)
平均孔径が200nmのポリビニリデンフルオライド多孔質膜をアルミナ水和物による処理を行なわず、エタノール浸漬、水洗いすることを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製する。初期電解効率は80%と高いが、次亜塩素酸水にナトリウムイオンが1000ppm以上と高濃度に混入する。
(比較例2)
大気中130℃で加熱しないことを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製する。初期電解効率は83%と高いが、アルミナ水和物が剥離しやすく1000時間の連続運転後で効率は50%と低下する。
(比較例3)
塩酸による処理を行わないことを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製しようとしても、多孔質隔膜を含水することが困難である。
(比較例4)
アルコールを含有しない水分散のアルミナ水和物微粒子を用いるとポリテトラフルオロエチレン多孔質膜が水分散液に濡れにくく多孔質膜の内部はアルミナ水和物コートができない。
(比較例5)
塩酸による処理を行わないことを除いては実施例2と同様にして電極ユニットおよび電解装置を作製しようとしても、多孔性隔膜を含水することが困難である。
(比較例6)
15重量%塩化ナトリウム水溶液に浸漬しないことを除いては実施例4と同様にして電解装置を作製する。この電解装置を用いて、電圧8Vで予備電解を行い、徐々に電流が増大するが定常になるまで2時間以上かかる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願発明の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程と、
前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程と、
前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程と、
前記アルミナ水和物層が形成された前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程とを有する隔膜の製造方法。
[2]前記アルミナ水和物粒子がベーマイトもしくは擬ベーマイトからなる請求項1に記載の隔膜の製造方法。
[3]前記アルミナ水和物粒子が疎水性基で被覆されている請求項1または2に記載の隔膜の製造方法。
[4]前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程の前に、前記多孔質膜を熱水もしくは水蒸気で加熱する工程をさらに含む請求項1から3のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[5]前記酸性水溶液が0.1重量%から10重量%の塩酸である請求項1から4のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[6]前記多孔質膜がポリビニリデンジフルオライドもしくはポリテロラフルオロエチレンである請求項1から5のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[7]前記多孔質膜を取り出す工程は、引き上げ法である請求項1から6のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[8]前記多孔質膜は、100nmから300nmの平均孔径を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[9]前記アルミナ水和物粒子の一次粒子の長径は、10nmから100nmである請求項1から7のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[10]前記多孔質膜を加熱する工程は、130℃以上の温度で加熱することを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
[11]前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程の後、3重量%以上の濃度を有する塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させる工程をさらに含む請求項1から10のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
[12]アルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質膜を親水化し、多孔質隔膜を形成する工程と、
前記多孔質隔膜を、水分を含んだ状態で、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と、対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程を含む電極ユニットの製造方法。
[13]アルミナ水和物が被覆されたフッ素原子を含有する多孔質膜を親水化し、多孔質隔膜を形成する工程は、
フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程、
前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程、
前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程、
前記アルミナ水和物層が形成された多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程、及び
前記多孔質膜を洗浄して前記酸性水溶液を除去する工程を含む請求項12に記載の電極ユニットの製造方法。
[14]アルミナ水和物に被覆され、塩化ナトリウムが含浸された、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と、対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程と、前記電極ユニットを組み込み電解水生成装置を組み立てる工程、及び電解水生成装置の予備運転を行う工程とを含む電極ユニットの製造方法。
[15]前記アルミナ水和物に被覆され、塩化ナトリウムが含浸された、フッ素原子を含有する多孔質隔膜の形成は、
フッ素原子を含有する多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程、
前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程、
前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面にアルミナ水和物層を形成する工程、
前記アルミナ水和物層が形成された多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化し、多孔質隔膜を形成する工程、及び
前記多孔質隔膜を塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させる工程を含む請求項14に記載の電極ユニットの製造方法。
20…電極ユニット、21…多孔電極基板、22…対向電極、23…多孔質隔膜、24…対向電極側の隔膜、25…電解質保持手段、50…電解装置、501…アルミナ水和物を含む多孔質膜隔膜、502…第2の多孔質、503…第1電極、504…第2電極、507…電極ユニット、508…電解槽、509…隔壁、510…陽極室、511…陰極室、513…制御装置、514…電源、515…電圧計、516…電流計、517…塩水槽、518…導電率センサー、516…pHセンサー、

Claims (13)

  1. フッ素原子を含有する疎水性の多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程と、
    前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程と、
    前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面に疎水性のアルミナ水和物層を形成する工程と、
    前記アルミナ水和物層が形成された前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化する工程とを有する隔膜の製造方法。
  2. 前記アルミナ水和物粒子がベーマイトもしくは擬ベーマイトからなる請求項1に記載の隔膜の製造方法。
  3. 前記アルミナ水和物粒子が疎水性基で被覆されている請求項1または2に記載の隔膜の製造方法。
  4. 前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程の前に、前記多孔質膜を熱水もしくは水蒸気で加熱する工程をさらに含む請求項1から3のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  5. 前記酸性水溶液が0.1重量%から10重量%の塩酸である請求項1から4のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  6. 前記多孔質膜がポリビニリデンジフルオライドもしくはポリテロラフルオロエチレンである請求項1から5のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  7. 前記多孔質膜を取り出す工程は、引き上げ法である請求項1から6のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  8. 前記多孔質膜は、100nmから300nmの平均孔径を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  9. 前記アルミナ水和物粒子の一次粒子の長径は、10nmから100nmである請求項1から7のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  10. 前記多孔質膜を加熱する工程は、130℃以上の温度で加熱することを含む請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬する工程の後、3重量%以上の濃度を有する塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させる工程をさらに含む請求項1から10のいずれか1項に記載の隔膜の製造方法。
  12. フッ素原子を含有する疎水性の多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程と、
    前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程と、
    前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面に疎水性のアルミナ水和物層を形成する工程と、
    前記アルミナ水和物層が形成された多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化する工程と、
    前記多孔質膜を洗浄して前記酸性水溶液を除去して、多孔質隔膜を形成する工程と、
    前記多孔質隔膜を、水分を含んだ状態で、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と、対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程を含む電極ユニットの製造方法。
  13. フッ素原子を含有する疎水性の多孔質膜をアルミナ水和物粒子の含水アルコール分散液に浸漬する工程と、
    前記多孔質膜を前記分散液から取り出す工程と、
    前記分散液で被覆された前記多孔質膜を加熱し、前記多孔質膜表面に疎水性のアルミナ水和物層を形成する工程と、
    前記アルミナ水和物層が形成された前記多孔質膜を酸性水溶液に浸漬して親水化し、多孔質隔膜を形成する工程
    前記多孔質隔膜を塩化ナトリウム水溶液に浸漬し、乾燥させることにより、前記アルミナ水和物に被覆され、塩化ナトリウムが含浸された、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を形成する工程と、
    前記アルミナ水和物に被覆され、塩化ナトリウムが含浸された、フッ素原子を含有する多孔質隔膜を、複数の貫通孔を有する多孔電極基板と、対向電極との間に配置し、電極ユニットを組み立てる工程と、
    前記電極ユニットを組み込み電解水生成装置を組み立てる工程と、
    前記電解水生成装置の予備運転を行う工程を含む電極ユニットの製造方法。
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