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JP6855508B2 - インペラぐらつきの低減された細胞培養のための容器およびスピナーフラスコ - Google Patents

インペラぐらつきの低減された細胞培養のための容器およびスピナーフラスコ Download PDF

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Description

関連出願の説明
本出願は、その内容全体が依拠され、かつ本明細書の一部を構成するものとしてここに援用される、2016年5月31日に出願された米国仮特許出願第62/343,321号の優先権の利益を主張する。
本開示は、広く、細胞培養のためのスピナーフラスコおよび容器に関する。より具体的には、本明細書に記載の実施形態は、インペラ組立体を有する使い捨てタイプのスピナーフラスコ容器に関する。
さまざまな科学分野において、培養培地 (たとえば液体懸濁液など)中で長期間にわたる細胞成育は有用である。しかしながら、細胞数が増加すると、培地中の栄養素が枯渇する。培地が淀むと、局所的な栄養素の枯渇により細胞増殖が阻害され、細胞が死滅する可能性がある。
一般に、細胞を効果的に増殖させるためには細胞培養懸濁液を撹拌しなければならないと理解されている。必要に応じて、細胞を付着させ得るマイクロキャリアを細胞培養培地内に懸濁させることができる。スピナーフラスコは、スピナーフラスコの底部の下方にある外部回転磁石によって駆動される吊下げインペラを使用して、細胞を懸濁状態に維持する細胞培養容器の一種である。成育細胞に加わる流体力学的応力は細胞を損傷したりそれらの形態を変える可能性があるなど、細胞培養の懸濁に与える影響を適切にするために、多くの異なる要素のバランスを取らなくてはならないため、吊下げインペラの設計は複雑である。その上、ブレードの設計および動作は、縣濁された細胞を保持するが細胞またはマイクロキャリアを剪断してはならない。
さらに、培養培地を汚染しないように注意しなければならない。スピナーフラスコは、典型的には、使用の合間、それぞれが洗浄、滅菌(通常はオートクレーブによる)および適切な保管を必要とするアマルガムの動作部分を含む、ガラスおよび金属製の再利用可能な細胞培養容器からなっている。
そのようなアマルガムの動作部分がスピナーフラスコに使用される場合、利用者は、部品の記録をつけ、細胞培養のための適切な状態を維持するためにかなりの時間を費やすおそれがある。
したがって、細胞の懸濁を保持しかつ剪断を防止する穏やかな撹拌を提供する、安価で使い捨てタイプの予め滅菌された完全一体型の細胞培養容器が依然として必要とされている。
本明細書は、複数の位置決め突起により安定化されたインペラ組立体を有する細胞培養のための使い捨てタイプのスピナーフラスコ容器のさまざまな実施形態を説明する。
本開示の態様によれば、上部、底部内表面を有する底部および円筒形の側壁を有する容器本体を含む細胞培養のための容器が提供される。該容器は、さらに、前記容器本体の内部に、該容器本体の上部に回転可能に連結された上部を有するインペラ組立体を有し、該インペラ組立体は、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、前記複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、該磁石受け部内の磁石、および前記平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有する。該容器はまた、容器本体の底部内表面に取り付けられかつインペラOリングの内縁から離間して配置された複数の位置決め突起も含む。
本開示の他の態様によれば、上部、底部内表面を有する底部および円筒形の側壁を有する容器本体を含む細胞培養のための容器が提供される。該容器はまた、前記容器本体の内部に、該容器本体の該上部に回転可能に連結された上部を有するインペラ組立体を有し、該インペラ組立体は、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、前記複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、該磁石受け部内の磁石、および前記平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングも有している。該容器は、さらに容器本体の底部内表面に取り付けられかつインペラOリングの内縁から離間して配置された複数の位置決め突起、および容器本体の底部内表面にインペラ組立体の中心軸に一致して取り付けられた中央突起を有する。
さらなる特徴および有益性は、以下の詳細な説明に記載されるが、ある程度は、その説明から当業者に容易に明らかになるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付図面などの本明細書に記載される実施形態を実施することによって容易に認識される。
前述の一般的説明および以下の詳細な説明のいずれも例示に過ぎず、本願特許請求の範囲の本質および特徴を理解するための要旨または骨子の提供を意図するものであると理解されるべきである。添付図面は、さらなる理解をもたらすために含まれ、本明細書に取り込まれ、本明細書の一部を構成する。図は、1以上の実施形態を示し、明細書の説明とともにさまざまな実施形態の原理および操作の説明を提供するものである。
図1は、一実施形態のスピナーフラスコの切欠き斜視図である。 図2は、図1に示すフラスコの分解図である。 図3は、一実施形態による下部のインペラ組立体および複数の位置決め突起を示すスピナーフラスコの切断上面図である。 図4は、一実施形態による下部のインペラ組立体および複数の位置決め突起の側断面図である。 図5は、一実施形態によるインペラ組立体の底部および複数の円錐形の位置決め突起の側断面図である。 図6は、一実施形態による図5に示されるインペラ組立体および位置決め突起の拡大側断面図である。 図7は、一実施形態のスピナーフラスコの上部俯瞰図である。 図8は、図4のA−A’線に沿う側断面図である。 図9は、図4のA−A’線に沿って90°回転させた側断面図である。 図10は、インペラ組立体およびシャフトの上部拡大図である。 図11は、一実施形態のスピナーフラスコの底部俯瞰図である。 図12Aは、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコ中で培養されたCytodex−1マイクロキャリアを示す画像である。 図12Bは、市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中で培養されたCytodex−1マイクロキャリアを示す画像である。 図13Aは、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコ中で培養されたベロ細胞を伴う付着強化型マイクロキャリアを示す画像である。 図13Bは、一実施形態による1Lの使い捨てタイプのスピナーフラスコ中で培養されたベロ細胞を伴う付着強化型マイクロキャリアを示す画像である。 図14Aは、一実施形態の複数の位置決め突起を有する1Lの使い捨てタイプのスピナーフラスコ中で培養されたCytodex−1マイクロキャリアを示す予測画像である。 図14Bは、一実施形態の複数の位置決め突起を有する1Lの使い捨てタイプのスピナーフラスコ中で培養されたベロ細胞を伴う付着強化型マイクロキャリアを示す予測画像である。
本明細書での使用において、用語「および/または」は、2以上の項目の列挙において使用されるとき、いずれか1つの列挙された項目それ自体が用いられ得る、または列挙された項目のいずれか2以上の組み合わせが用いられ得ることを意味する。たとえば、組成物が成分A、Bおよび/またはCを含有すると記載される場合、該組成物は、A単独、B単独、C単独、AおよびBの組み合わせ、AおよびCの組み合わせ、BおよびCの組み合わせ、またはA、BおよびCの組み合わせを含むことができる。
本明細書において、関係用語、たとえば第1および第2、上部および底部などは、ある実体または行為を別の実体または行為から区別するためにのみ使用され、必ずしもそのような実体または行為間の実際そのような関係または順序を要求または暗示するものではない。用語「含む」、「含有している」またはその他のあらゆる変化形は、構成要素の列挙を含むプロセス、方法、物品または装置が、それら構成要素だけでなく、それらプロセス、方法、物品または装置に列挙記載されてないかまたは固有ではない他の構成要素も含むことができるように、非排他的な包含を網羅することを意図する。
現在入手し得るいくつかの大容量スピナーフラスコは、マイクロキャリア培養に適合しないことが示されてきた。これらフラスコの使用は、マイクロキャリアおよび付着細胞の両方に物理的損傷をもたらす。細胞、マイクロキャリアに付着した細胞および/またはマイクロキャリア自体へのこの損傷の根本的原因は、容器の中央突起および他の形状物の間のインペラ接触によるものと考えられている。インペラブレードの底面と、容器の底部上の盛り上がった部分の頂上との間のクリアランスが不十分であっても細胞損傷を引き起こすことがある。
図1−11を参照すれば、細胞培養のための容器4は、本開示の態様による例示的形態が示される。容器4は、上部12および底部16、1以上の首付きアクセスポート32およびインペラ組立体58を有する容器本体8を含む。上部12および底部16は、溶接線20に沿って外周封止されることによって、上部相互接続リップ34および下部相互接続リップ38を両部の外縁周りで接合することになる。容器4は、実質的に円筒形状であり、中心軸A−A’と、内部表面、外部表面、頂上部74、側壁10および中央突起112を有する底部内表面70を有する。ある態様において、中央突起112は、円筒状の中央突起114(図4)または 円錐状の中央突起118(図5)であり得る。いかなるサイズの容器でも理論的に可能であるが、本開示の態様の攪拌容器のサイズは、通常、125mlから10リットルの範囲であり、具体的なサイズとしては、1リットル、2リットルおよび3リットル型が挙げられる。
インペラ組立体58は、A−A’中心軸に沿って延びる中心シャフト46を含む。本開示の種々の態様において、中心シャフト46は、可撓性、剛性でもよく、または他の様々な柔軟性を有することができる。それぞれ互いに90°の関係で配置された4枚の平板状ブレード50、54がシャフト46から連続して延びている。4枚の平板状ブレード50、54のうち、2枚が主ブレード50で、2枚が副ブレード54である。主ブレード50は、1枚が他の1枚と相互に180°の関係で配置され、2枚の副ブレード54は、互いに180°の関係で配置されている。中心シャフト46周りのブレード50、54の配置は、副−主ブレード方向の交互効果を生み出す。この配向性は、容器4内の水平面および垂直面の両方において、流体の混合を高めると理解される。ブレード50、54は、容器4が直立しているとき、垂直に配向された平面を示す。当業者に理解されるとおり、他のブレードの構成、形状および配置、たとえば4枚より少ないか多いブレードを用いるものなどを本開示に利用することができる。
図3−6を参照すれば、シャフト46の底部で、インペラ組立体の主および副ブレード50、54の下方にインペラOリング102がある。インペラOリング102は、平板状ブレードの底部切欠き部86に取り付けられ、インペラOリングの底縁は、平板状ブレード50、54の底縁66でもあり得る。複数の位置決め突起98は、インペラOリング102の内縁102aから離間してまたは内縁102aに沿って底部内表面70に取り付けられている。ある実施形態において、位置決め突起の群は、インペラOリング102の内縁102aに沿って互いに離間しあって配置された2、3、4、5、6またはそれ以上の位置決め突起98を含み得る。実施形態において、それら複数の位置決め突起98は、インペラOリング102の内縁102aに沿って、互いに等間隔で配置され得る。一実施形態では、 複数の位置決め突起は、各突起が互いに等間隔で配置された3個の位置決め突起98である。複数の位置決め突起は、インペラOリング102の内縁102aに沿って、互いに等間隔で配置された各突起を有し得る。
複数の位置決め突起98は、円筒、ブロック、立方、円錐、長方またはピラミッド形状の個々の突起を含むことができる。複数の位置決め突起98はまた、他の形状または各形状の組み合わせを有していてもよい。図4において、たとえば、複数の位置決め突起98は、円筒状の位置決め突起106として示される。図5−6において、複数の位置決め突起98は、円錐形の位置決め突起110として示される。いくつかの態様において、位置決め突起98の形状は、インペラ組立体58の鉛直または水平動作を防ぐために、インペラOリング102の内縁102aと持続的、周期的または頻繁に接触させるように決定することができる。複数の位置決め突起98は、インペラぐらつき(wobble)を最小化し、したがってインペラ組立体58と、容器4の底部内表面70に配置された中央突起112との接触を低減する
中央突起112は、図4−6に示すとおり、盛り上がった部分であり、さまざまな形状であり得る。たとえば、中央突起112は、図4および6に示すとおり、円筒状の中央突起114として構成され得る。他の実施形態では、図5に示すとおり、中央突起112は、円錐状の中央突起118として構成され得る。中央突起112としては、円筒状、ブロック状、立方形状、円錐形状、長方形状、ピラミッド状または他のどのような形状の突起も挙げることができる。ある実施形態では、中央突起112は、丸みを帯びたまたは面取りした縁を有し得る。中央突起112は、少なくとも2つの目的で機能する:1)マイクロキャリアおよび/または細胞が、インペラ組立体58の下に滞留または互いに集合するのを防ぐ; および2)インペラ破損を避けるため、輸送および回転の間のインペラ組立体58の鉛直または水平動作を最小化する。盛り上がった中央突起112は、インペラ組立体58の鉛直または水平動作の最小化に役立つが、位置決め突起98も、インペラ組立体58の鉛直または水平動作の最小化に役立つ。
ある実施形態において、中央突起112の頂上面とインペラ組立体58の底との距離は、約0.001インチ(約0.0025cm)から約0.1インチ(約0.254cm)であり得る。他の実施形態において、中央突起112の頂上とインペラ組立体58の底との距離は、約0.005インチ(約0.0127cm)から約0.05インチ(約0.127cm)であり得る。さらに他の実施形態において、中央突起112の頂上とインペラ組立体58の底との距離は、約0.01インチ(約0.0254cm)から約0.03インチ(約0.0762cm)であり得る。たとえば、中央突起112の頂上とインペラ組立体58の底との距離は、約0.0150インチ(約0.038cm)、約0.0185インチ(約0.047cm)、約0.0200インチ(約0.051cm)、約0.0250インチ(約0.064cm)、または列挙されたこれら値と本明細書に記載の範囲との間のすべての距離であり得る。複数の位置決め突起98、中央突起112、インペラ組立体58および容器4の他の寸法形状の許容範囲は、約+/−0.005インチ(約0.0127cm)である。ある実施形態において、複数の位置決め突起98、中央突起112、インペラ組立体58および容器4の他の寸法形状の許容範囲は、+/−0.001インチ(約0.0025cm)から+/−0.100インチ(約0.254cm)である。
ある実施形態において、中央突起112の底部外径(底部内表面に接続した中央突起の直径)と、インペラOリング102の内径との距離は、約0.01インチ(約0.025cm)から約1.0インチ(約2.54cm)であり得る。他の実施形態では、中央突起112の底部外径と、インペラOリング102の内径との距離は、約0.1インチ(約0.254cm)から約0.5インチ(約1.27cm)であり得る。さらに他の実施形態では、中央突起112の底部外径と、インペラOリング102の内径との距離は、約0.2インチ(約0.051cm)から約0.3インチ(約0.762cm)であり得る。たとえば、中央突起112の底部外径と、インペラOリング102の内径との距離は、約0.15インチ(約0.381cm)、約0.20インチ(約0.051cm)、約0.025インチ(約0.064cm)、約0.030インチ(約0.076cm)、約0.035インチ(約0.089cm)、または列挙されたこれら値と本明細書に記載の範囲との間のすべての距離であり得る。
本明細書に記載のスピナーフラスおよび細胞培養のための容器は、流体力学的剪断を最小化し得かつ容器4内の細胞懸濁を保持し得る温和な攪拌をもたらす、容易に入手可能で、安価で、使い捨て可能で、滅菌済で、全一体型の細胞培養容器4を提供することができる。フラスコの底部内表面70上の中央突起112および/または位置決め突起98は、マイクロキャリアおよび/または細胞が、インペラ組立体58の下に滞留または互いに集合するのを防ぎ、また、マイクロキャリア、細胞および/またはインペラ組立体58に与えるダメージを避けるため、輸送および回転の間のインペラ組立体58の鉛直動作を最小化することができる。
図10を参照すれば、中心シャフト46は、容器4の上部12の頂上部74の中心に配置され、そこに一体化されたシャフト受け部138との接触により容器4の上部12に取り付けられた充分にテーパーの切られた上端126を有する。Oリング82は、シャフト46上の受け溝130に配置される。Oリング82は、PTFE、ナイロンまたは他の同様の低摩擦材料製であり得る。Oリング82は、インペラ組立体58が容器4内に自由垂下するように環状棚134に支えられている。シャフト受け部138の中にこの単一の取り付け箇所を有することにより、可撓性シャフト46は自由に回転する。頂上部74内の円板最上部122は、シャフト受け部138を外部環境から遮断する。中心シャフト46は、より有利には、シャフト46の剛性を高める複数の水平サポートリブ142を有する。シャフト受け部138は、容器4内に延伸してシャフトを受容するためのスリーブ146を形成する側壁を有する。スリーブ146は、シャフト46の中心軸A−A’内の方向性を維持し、容器4内のインペラ組立体58のあらゆる水平動作を阻止する。
インペラ組立体58の底部切欠き部86は、ブレード50、54それぞれの底縁66の交点内に形成される。底部切欠き部86は、実質的に円筒状の中央突起114または円錐状の中央突起118の輪郭に従う。インペラ組立体58の底部切欠き部86に取り付けられたインペラOリング102は、容器4が直立位置にあるとき、円筒状および円錐状の中央突起114、118と接触することを意図しない。実際、インペラ組立体58とシャフト受け部138下方の容器4との間に接触箇所は存在し得ない。これは、細胞、マイクロキャリアまたはマイクロキャリア上の培養細胞が、ブレード50、54の底縁66と中央突起114、118との間に捕捉されるなら、あるいは剪断による細胞損傷の可能性を低減させるのに役立つことにおいて好都合である。底部内表面70上の円筒状および円錐状の中央突起114、118はまた、インペラ組立体58の中心軸A−A’の真下のあらゆる潜在的デッドスポット(回転インペラにより生じる乱流が最小の地点)を排除する。ブレード50、54の交点内の底部切欠き部86は、ブレード縁66を底部内表面70に最接近させる。一実施形態において、ブレード50、54と底部内表面70との距離は、約0.05インチ(約0.127cm)から約0.5インチ(約1.27cm)までである。容器4は、一体ユニットとして輸送されることが意図されるため、中央突起112との組合せのインペラOリング102はまた、容器4の衝突により生じる接触を介してインペラ組立体58が容器4の底から外れないように、あるいは側壁10が損傷しないように、輸送中のインペラ58を収容する機能も果たす。
具体的に、一実施形態の容器4の縦断面図である図8を参照すれば、各主ブレード50は、上部52および下部60を含む。上部52は、シャフト46および中心軸A−A’から徐々に傾斜していく外縁を有する実質的に三角形である。各主ブレード50の下部60は、実質的に長方形である。具体的に、図8で示される図から90度回転した容器4の断面図である図8を参照すれば、副ブレード54は、その全長にそって三角形を形成する。各副ブレード54の外縁48は、中心軸A−A’からブレード50、54の底縁66の地点に向かって直線的に拡がる。すべてのブレード50、54(副および主)の下部の底縁66は、通常、容器の底部内表面70に平行に拡がるが、底部内表面70には接触しない。ブレード50、54を含むインペラ組立体58は、ポリプロピレン、TPE、シリコーンまたは他の適当なポリマー材料製であり得る。
磁気攪拌子(磁石)94を受容する磁石受け部62は、2枚の主ブレード50の各下部60内に形成されている。副ブレード54およびシャフト46領域内の孔56は、磁石受け部62を完成する。円筒状のプラグまたは磁気攪拌子94は、2枚の主ブレード50の下縁に沿いかつ副ブレード54に対して直角の磁石受け部62内に取り付けられている。あるいは、磁石94それ自体が、インペラ組立体58内に取り付けられている。これを実現するためには、磁石94をモールド内に挿入し、磁石94自体がインペラ組立体58に包囲成形されたインペラ組立体58内に一体成形された磁石94を有することは、組立および輸送において利点をもたらし、磁石94がインペラ組立体58から外れず、容器本体8に損傷を与えない。
1以上のアクセスポート32は、容器4の上部12から外方に延びる。任意の雌ネジシールキャップ28は、外部ネジ付きアクセスポート32に差し込まれる。一実施形態において、シールキャップ28は、その中に、容器内にガスを透過させるが容器4から液体の漏出および容器4への汚染物質の進入を阻止する材料で作製された疎水性膜インサート90を有する。そのような膜材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが挙げられる。ある実施形態において、シールキャップ28は、さらに、必要なガスを外部環境と流通可能にするベント30を有する。他の実施形態では、無菌分配するために、チューブなどの付属品を用いて、1以上のアクセスポート32に接続することができる。
一実施形態において、1以上のアクセスポート32は、水平から角度をなして延び、たとえばピペットのような器具がインペラ組立体58のそばを通過し予め選択された深さを有する攪拌容器の隣接領域に到達することを可能にする。これに拘らず、1以上のアクセスポート32の寸法およびアクセスポート32が容器本体8から拡がる角度は、器具がさまざまな容器4内の領域にアクセスしやすく最適化するように選択することができる。さらに、 ある実施形態において、図に示すように、1以上のアクセスポートは、2つのアクセスポート32を示すが、ポート32の数はいくつでも可能であることは理解されよう。
複数の邪魔板24は、内壁に沿って、中心軸A−A’に平行な鉛直方向に延びる。各邪魔板24は、半円筒形または二等辺三角形の概略断面形状を有する。各邪魔板24は、容器底部70から始まり、垂直上方に延びて楕円形26で終わる。本明細書で図示される邪魔板24は、楕円形26で終わるものが示されるが、本開示の実施形態は、これに限定されず、どのような形状でも用いられ得る。複数の邪魔板24は、液体領域を完全に通過して延伸し(すなわち底部内表面70から液体表面上方の地点まで)、液体領域全体を通して乱流を強める。複数の邪魔板24は、容器キャビティ内に突出し、インペラ組立体58との組合せで容器内部に乱流を生じさせ有効にする。複数の邪魔板24は、好ましくは容器の壁と一体に成形される。ある実施形態において、複数の邪魔板24は、3枚の邪魔板24であり、各邪魔板は、円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある。他の態様では、複数の邪魔板は、円筒形の内壁に沿って対称に配置されるが、邪魔板24の数および密度は容器寸法に応じて異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、各邪魔板は、容器本体の側壁と一体であり、底部内表面から始まり側壁の所定距離だけ垂直上方に延びている。
ある実施形態において、本開示の容器4は、たとえばポリスチレン、ポリカーボナートまたは当業者に特定される他の適当なポリマーなどの射出成形ポリマー製である。一実施形態において、ポリマーは、光学的透明で非細胞毒性である。材料が軽量ポリマー製であって容器4が製造中に予め滅菌されているため、容器4自体は使い捨て可能であり、かつ最終利用者が使用に先立ってシステムの部品を殺菌する必要がない。
ある実施形態において、容器側壁10の上部12または底部16は、ガス透過性/液体非透過性フィルムまたは膜を含有し得る1以上の領域を有していてもよい。このガス透過性/液体非透過性フィルムまたは膜が細胞懸濁液と接触する容器4の領域内に配置されている実施形態では、外部環境とのガス交換の改善が達成される。そのようなものとして、ある実施形態では、前記領域は、側壁10の下半分または底部内表面70内に位置する。
製造および組立プロセスの説明において、インペラ組立体58、容器本体8の上部12および底部16は、上記のとおり別々に成形され、処理される。その後、磁石94が磁石受け部62内に配置される。前述のとおり、他の実施形態では、磁石94自体が包囲成形され、つまりインペラ組立体58と一体である。インペラ組立体58は、上部12のシャフト受け部42内に配置される。Oリング82は、シャフト46の上端を滑らせて受け溝130に接触させる。容器4の上部12および底部16は、たとえば、溶接線20に沿って超音波溶接により互いに恒久的に固定され、それにより完全かつ永久型一体ユニットとなる。同様に、円板頂上部122は、シャフト受け部42を封止する位置に溶接されている。他の実施形態では、該部分は、レーザー溶接されるか、または接着手段により取り付けられる。1以上の首付きアクセスポート32およびシールキャップ28を有する実施形態では、シールキャップ28が設置され、ユニットは輸送に対して効果的に封止される。一体ユニットは、その後滅菌される。ほとんどの細胞培養手順は、いわゆる滅菌技術を実践することにより無菌条件下で実施されるため、予め滅菌された容器4は、培養チャンバーを無菌閉鎖環境に保持することができる。培養チャンバーが機能的に外部環境から閉鎖され、器具が製造された時から処分されるまで無菌保全が維持されるシステムにおいて細胞培養プロセスを実施する上で有利である。予備滅菌の一方法としては、ガンマ線照射が挙げられる。エチレンオキサイドまたは電子ビーム照射処理などの当業者に公知の他の滅菌方法も用いることができる。
製造アプローチに基づいて、また溶接線20が容器4の側壁10領域中に存在するため、インペラ組立体58は、ブレード50、54が容器4の全長径近く延伸するようなサイズとし得る。一実施形態において、インペラブレード50、54は、中心軸A−A’から側壁10までとして測定される容器の半径のほぼ50−95%に至る。他の実施形態では、少なくとも1枚のブレード50、54は、容器の半径の75−95%まで拡がるが、デザインおよび製造方法にもより、任意の距離で延伸し得る。
本開示のシステムを操作するため、容器の1以上のアクセスポート32を介して液体(細胞を含む培養培地など)が送られる。液体は、好ましくはブレード50、54の上縁および邪魔板24の最上部より下であるが、主ブレード50の下部60よりは上である液体レベルに達するまで加えられる。
液体が容器4内に装入されたら、容器4は磁気攪拌具(図示せず)上に載置され、攪拌具が磁気攪拌子94を容器4内で回転させる。結果として、シャフト46およびブレード50、54含むインペラ組立体58はまた、容器4内で回転を生じる。組立体58の回転は、容器内に流体を生じさせる。あるいは、インペラ58は、シャフト46の最上部に係合するモーター機構により回転させ得る。ブレード50、54の形状および邪魔板24との相互作用は、流体レベルの表面近位から流体レベルの底近くの位置まで流体に循環を生じさせる。中央突起112は、材料が底部内表面70の中心に堆積するのを阻止する。主ブレード50の上部52は、流体レベルの上まで延びるため、容器内の液体の表面領域は、効果的に拡大され連続的にかき混ぜられ、結果として液体の通気を生じる。
装置は、培養培地中の懸濁された細胞の攪拌に使用される。細胞は、培養培地中に懸濁されたマイクロキャリアに付着されていてもよい。この混合は、比較的長期間(すなわち、数時間から最長数か月まで)にわたって実施することができるが、液体中に縣濁された細胞に大きな応力を生じさせてはならない。混合は、液体が装置の底から表面まで回転し、再び繰り返して、効果的でなければならない。 通常、細胞は、約27℃−37℃で保持され、5〜300rpmで混合される。勿論、これら条件は、個別の細胞または有用性に応じて変えることができる。細胞または細胞物質は、ピペット、注液またはポンプ排出の手段によりアクセスポートを介して採取することができる。
本開示の態様(1)によれば、細胞培養のための容器が提供される。該容器は、上部、底部内表面を含む底部および円筒形の側壁を有する容器本体;容器本体の上部に回転可能に連結された上部を含む、容器本体内部のインペラ組立体であって、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、磁石受け部内の磁石、および平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有するインペラ組立体;および容器本体の底部内表面にインペラOリングの内縁から離間して取り付けられた複数の位置決め突起、を含む。
本開示の態様(2)によれば、複数の位置決め突起が3つの位置決め突起であり、各突起は、円周方向に他の突起と互いにほぼ等間隔で離間する、前記態様(1)の容器が提供される。
本開示の態様(3)によれば、それぞれの突起が円錐形状である、前記態様(2)の容器が提供される。
本開示の態様(4)によれば、それぞれの突起が円筒形状である、前記態様(2)の容器が提供される。
本開示の態様(5)によれば、容器本体がポリマー材料を含む、前記態様(1)−(4)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(6)によれば、複数の平板状ブレードが可撓性シャフトに結合された4枚の平板状ブレードであり、各ブレードがそれに隣接するブレードに対し90°に配置されている、前記態様(1)−(5)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(7)によれば、さらに、複数の邪魔板を含み、各邪魔板は、容器本体の側壁と一体であり、底部内表面から始まり側壁の所定距離だけ垂直上方に延伸する、前記態様(1)−(6)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(8)によれば、各邪魔板の終端が楕円形状である、前記態様(7)の容器が提供される。
本開示の態様(9)によれば、複数の邪魔板が3枚の邪魔板であり、各邪魔板が円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある、前記態様(7)または(8)の容器が提供される。
本開示の態様(10)によれば、容器本体は、さらに、中心軸から側壁までの距離として測られる半径を含み、さらに、少なくとも1つのブレードが円筒形の側壁に向かって容器本体の前記半径の約50ないし95%まで延びる、前記態様(1)−(9)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(11)によれば、各ブレードは、底部内表面から約0.05インチ(約0.127cm)から約0.5インチ(約1.27cm)離間した底縁を有する、前記態様(1)−(10)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(12)によれば、インペラ組立体は、容器本体内に密閉される、前記態様(1)−(11)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(13)によれば、細胞培養のための容器を提供する。該容器は、上部、底部内表面を含む底部および円筒形の側壁を有する容器本体;容器本体の上部に回転可能に連結された上部を含む、容器本体内部のインペラ組立体であって、該インペラ組立体は、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、磁石受け部内の磁石、および平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有する;容器本体の底部内表面にインペラOリングの内縁から離間して取り付けられた複数の位置決め突起;および、容器本体の底部内表面に容器本体の底部内表面にインペラ組立体の中心軸に一致して取り付けられた中央突起、を含む。
本開示の態様(14)によれば、 複数の邪魔板が3枚の邪魔板であり、各邪魔板が円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある、前記態様(13)の容器が提供される。
本開示の態様(15)によれば、容器本体は、さらに、中心軸から側壁までの距離で測られる半径を含み、さらに、少なくとも1つのブレードが円筒形の側壁に向かって容器本体の前記半径の約50ないし95%まで延びる、前記態様(13)または(14)の容器が提供される。
本開示の態様(16)によれば、複数の位置決め突起が3つの位置決め突起であり、各突起は、円周方向に他の突起と互いにほぼ等間隔で離間する、前記態様(13)−(15)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(17)によれば、それぞれの突起が円錐形状である、前記態様(16)の容器が提供される。
本開示の態様(18)によれば、中央突起は、円筒形状または円錐形状である、前記態様(13)−(16)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(19)によれば、容器本体はポリマー材料である、前記態様(13)−(18)のいずれかの容器が提供される。
本開示の態様(20)によれば、複数の平板状ブレードは、可撓性シャフトに結合された4枚の平板状ブレードであり、各ブレードがそれに隣接するブレードに対し90°に配置されている、前記態様(13)−(19)のいずれかの容器が提供される。
本開示の実施形態を、さらに、その特定の例示的かつ具体的な実施形態について以下に説明するが、これらは、単に理解を助けるものであってこれに制限することを意図するものではない。以下の実施例は、インペラ組立体58の鉛直または水平動作を最小化し、細胞培養のための容器内の細胞およびマイクロキャリアへの損傷発生を阻止するための複数の位置決め突起98の使用の有用性および効果を示す。
<材料>
Cytodex−1マイクロキャリア(GE Healthcare#17−0448−01)および付着強化型マイクロキャリア(Corning♯3779)を、取扱説明書にしたがい使用した。ベロ細胞(ATCC#CCL81(商標))を、2mL L−グルタミン(Corning♯25−005)、1×MEM NEAA(Corning♯25−025)および10%ウシ胎仔血清(Corning♯35−010)を補充したDMEM(Corning♯10−010)中で培養した。市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ(Corning♯3580)および1Lガラススピナーフラスコ(Corning♯4500−1L)はコーニング社から供給された。
<方法および手順>
マイクロキャリアを、スピナーフラスコの低血清培養培地(≦0.5%血清)中に、10cm/mLで加えた。培地平衡のため、フラスコを5%COインキュベータ中、37℃で1〜2時間平衡化した。ベロ細胞を、密度15,000細胞/cmで播種し、細胞付着の間、培養物を30rpmで連続的に混合した。細胞がマイクロキャリアに付着後、培地を5%血清に調整した。培養物は、3日目の培地交換を含み、5日間で膨張させた。細胞およびマイクロキャリアは、Zeiss Axiovert 40C 倒立光学顕微鏡を5×および10×の倍率で用いて視覚化した。細胞を、Nucleocounter NC−200自動細胞計測器を用いて毎日定量化した。
(比較例1)
マイクロキャリアを含有する従来のガラススピナーフラスコ容器および使い捨てタイプのスピナーフラスコ容器
図12Aおよび12Bに示される画像は、両方とも、培養3日目に、倍率10×で撮影された。図12Aの画像は、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコ中のCytodex−1マイクロキャリアを示し、図12Bの画像は、市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中のCytodex−1マイクロキャリアを示す。図12Aは、Cytodex−1マイクロキャリアが、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコ中で、細胞またはマイクロキャリアへの観察可能な損傷なく首尾よく培養し得ることを示す。非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコは、インペラ組立体とフラスコの追加表面のどれとも接触しないように、フラスコの上面に固定されかつ底面から離間された硬質のインペラ組立体を含む。図12Bは、Cytodex−1マイクロキャリアが市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中で著しく損傷したことを示す。画像は、市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコは、Cytodex−1マイクロキャリアと適合しないことを明らかにする。
(比較例2)
細胞を有するマイクロキャリアを含有する、従来のガラススピナーフラスコ容器および使い捨てタイプのスピナーフラスコ容器
図13Aおよび13Bに示される画像は、両方とも、培養3日目に、倍率10×で撮影された。図13Aの画像は、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコ中の表面上の静止層化ベロ細胞の層を有するいくつかの付着強化型マイクロキャリアを示す。図13Aは、細胞の健康な、コンフルエント単層が観察されるため、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコはマイクロキャリアへの細胞増殖を促進することを示す。
図13Bの画像も、いくつかの付着強化型マイクロキャリアを示すが、ここでは、市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコを用いることから、ベロ細胞の層は、表面から剪断される。図13Bでは、マイクロキャリアは、表面から除去された大部分の細胞を有すると同様に剥がれている細胞を伴うマイクロキャリアも観察されることから、図13Bは、1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中のベロ細胞に生じた損傷を示す。市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコのインペラ組立体の固有のぐらつきと接触は、細胞およびマイクロキャリアへの物理的損傷を与える。
(予言的実施例1)
位置決め突起を有する使い捨てタイプのスピナーフラスコ
この予言的実施例は、市販の1L使い捨てタイプのスピナーフラスコを、インペラ組立体上のインペラOリングの内縁から離間された複数の位置決め突起を加えることで改変する。上記詳細な説明の実施形態で説明のとおり、容器底面上に位置する中央突起をインペラOリングの内縁から離間する複数の位置決め突起と組み合わせて用いることは、インペラの鉛直または水平動作を阻止し、それによりインペラぐらつきを阻止する。インペラ組立体のこの望まれない動作を排除することは、非使い捨てタイプの1Lガラススピナーフラスコに似た状態を呈し、図12Aおよび13A中に示されるマイクロキャリアおよび細胞を有するマイクロキャリアに与える損傷を最小化するであろう。図14Aに示す予測画像は、培養3日目に、倍率5×で撮影され、複数の位置決め突起を有する1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中のCytodex−1マイクロキャリアを予測して示す。図14Bに示す予測画像は、培養3日目に、倍率10×で撮影され、複数の位置決め突起を有する1L使い捨てタイプのスピナーフラスコ中の付着強化型マイクロキャリア上で培養されたベロ細胞を予測して示す。図14Aおよび14Bの両方とも、容器底面上に位置する中央突起と、インペラOリングの内縁から離間する複数の位置決め突起とによりインペラぐらつきが防止されるときには、Cytodex−1マイクロキャリアおよびベロ細胞の損傷が視認可能に低減または消去されることを予測して示す。
本発明の範囲は、上記に記載され図示された実施例に限定されることを意図するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等範囲により決定されることを意図する。
本発明の主旨を逸脱することなく、上述の構成および方法において変更および改変がなされ得ることも理解され、さらに、そのような主旨は、特許請求の範囲に特に文言表現による断りがない限り特許請求の範囲に包含されることを理解されることである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養のための容器において、
上部、底部内表面を含む底部および円筒形の側壁を有する容器本体;
容器本体の上部に回転可能に連結された上部を含む、容器本体内部のインペラ組立体であって、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、磁石受け部内の磁石、および平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有するインペラ組立体;および
容器本体の底部内表面にインペラOリングの内縁から離間して取り付けられた複数の位置決め突起、を含む容器。
実施形態2
複数の位置決め突起が3つの位置決め突起であり、各突起は、円周方向に他の突起と互いにほぼ等間隔で離間する、実施形態1の容器。
実施形態3
それぞれの突起が円錐形状である、実施形態2の容器。
実施形態4
それぞれの突起が円筒形状である、実施形態2の容器。
実施形態5
容器本体がポリマー材料を含む、実施形態1−4のいずれかの容器。
実施形態6
複数の平板状ブレードが可撓性シャフトに結合された4枚の平板状ブレードであり、各ブレードがそれに隣接するブレードに対し90°に配置されている、実施形態1−5のいずれかの容器。
実施形態7
さらに、複数の邪魔板を含み、各邪魔板は、容器本体の側壁と一体であり、底部内表面から始まり側壁の所定距離だけ垂直上方に延伸する、実施形態1−6のいずれかの容器。
実施形態8
各邪魔板の終端が楕円形状である、実施形態7の容器。
実施形態9
複数の邪魔板が3枚の邪魔板であり、各邪魔板が円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある、実施形態7または8の容器。
実施形態10
容器本体は、さらに、中心軸から側壁までの距離として測られる半径を含み、さらに、少なくとも1つのブレードが円筒形の側壁に向かって容器本体の前記半径の約50ないし95%まで延びる、実施形態1−9のいずれかの容器。
実施形態11
各ブレードは、底部内表面から約0.05インチ(約0.127cm)から約0.5インチ(約1.27cm)離間した底縁を有する、実施形態1−10のいずれかの容器。
実施形態12
インペラ組立体は、容器本体内に密閉される、実施形態1−11のいずれかの容器。
実施形態13
細胞培養のための容器において、
上部、底部内表面を含む底部および円筒形の側壁を有する容器本体;
容器本体の上部に回転可能に連結された上部を含む、容器本体内部のインペラ組立体であって、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、磁石受け部内の磁石、および平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有するインペラ組立体;
容器本体の底部内表面にインペラOリングの内縁から離間して取り付けられた複数の位置決め突起;および
容器本体の底部内表面に容器本体の底部内表面にインペラ組立体の中心軸に一致して取り付けられた中央突起、
を含む容器。
実施形態14
複数の邪魔板が3枚の邪魔板であり、各邪魔板が円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある、実施形態13の容器。
実施形態15
容器本体は、さらに、中心軸から側壁までの距離で測られる半径を含み、さらに、少なくとも1つのブレードが円筒形の側壁に向かって容器本体の前記半径の約50ないし95%まで延びる、実施形態13または14の容器。
実施形態16
複数の位置決め突起が3つの位置決め突起であり、各突起は、円周方向に他の突起と互いにほぼ等間隔で離間する、実施形態13−15のいずれかの容器。
実施形態17
それぞれの突起が円錐形状である、実施形態16の容器。
実施形態18
中央突起は、円筒形状または円錐形状である、実施形態13−16のいずれかの容器。
実施形態19
容器本体はポリマー材料である、実施形態13−18のいずれかの容器。
実施形態20
複数の平板状ブレードは、可撓性シャフトに結合された4枚の平板状ブレードであり、各ブレードがそれに隣接するブレードに対し90°に配置されている、実施形態13−19のいずれかの容器。
4 細胞培養のための容器
8 容器本体
10 側壁
24 邪魔板
32 アクセスポート
46 中心シャフト
50 平板状ブレード
54 平板状ブレード
58 インペラ組立体
82 Oリング
98 位置決め突起
102 インペラOリング
112 中央突起

Claims (10)

  1. 上部、底部内表面を含む底部および円筒形の側壁を有する容器本体;
    前記容器本体の上部に回転可能に連結された上部を含む、前記容器本体内部のインペラ組立体であって、複数の平板状ブレード、中心軸、インペラ組立体の上部から下方に延びる可撓性シャフト、複数の平板状ブレード内に成形された磁石受け部、磁石受け部内の磁石、および平板状ブレードの底面に取り付けられたインペラOリングを有するインペラ組立体;および
    容器本体の底部内表面にインペラOリングの内縁から離間して取り付けられた複数の位置決め突起
    を含む、細胞培養のための容器。
  2. 前記複数の位置決め突起が3つの位置決め突起であり、各突起は、円周方向に他の突起と互いにほぼ等間隔で離間する、請求項1に記載の容器。
  3. 前記突起のそれぞれが円錐形状である、請求項2に記載の容器。
  4. 前記突起のそれぞれが円筒形状である、請求項2に記載の容器。
  5. 前記容器本体がポリマー材料を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
  6. 前記複数の平板状ブレードが可撓性シャフトに結合された4枚の平板状ブレードであり、各ブレードがそれに隣接するブレードに対し90°に配置されている、請求項1〜5のいずれかに記載の容器。
  7. さらに、複数の邪魔板を含み、各邪魔板は、容器本体の側壁と一体であり、底部内表面から始まり側壁の所定距離だけ垂直上方に延伸する、請求項1〜6のいずれかに記載の容器。
  8. 各邪魔板の終端が楕円形状である、請求項7に記載の容器。
  9. 前記複数の邪魔板が3枚の邪魔板であり、各邪魔板が円筒形の側壁で定義される周縁沿いに、他の邪魔板と互いに等距離間隔にある、請求項7または8に記載の容器。
  10. 前記容器本体が、さらに、前記中心軸から前記側壁までの距離で測られる半径を含み、さらに、少なくとも1つの前記ブレードが前記円筒形の側壁に向かって前記容器本体の前記半径の約50ないし95%まで延びる、請求項1〜9のいずれかに記載の容器。
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