JP6854652B2 - 鉄筋組立方法及び鉄筋組立用治具 - Google Patents
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続いて、図2〜図4を参照しながら移動作業車121について説明する。図2、図3及び図4に示されるように、移動作業車121は、レール123上を橋軸方向に移動可能なワーゲンフレーム130と、ワーゲンフレーム130上に配置された上梁137とを備える。ワーゲンフレーム130および上梁137は、たとえば、複数のH形鋼が接合されることで形成される。本明細書において、ワーゲンフレーム130は、「トラベラー」と呼ばれるものを含む概念である。
図2及び図3に示すように、型枠支持部139は、上梁137から複数の吊材142を介して吊り下げられた型枠受梁143を有している。型枠支持部139の後方作業床144は、既設の橋桁104の前方で組立てられるコンクリート型枠(図示せず)を支持する。このコンクリート型枠にコンクリートが打設されることで、橋桁既設部分104aの前方に1ブロック分の箱桁ブロックPnが構築される。なお、施工される2本の箱桁105のそれぞれに対応して、型枠支持部139の後方作業床144は、橋軸直角方向Yに配列され設けられる2つの型枠を支持する。
図2に示すように、鉄筋先組部141は、上梁137及び横架材134から複数の吊材145を介して吊り下げられた前方作業床147を有している。本実施形態では、前方作業床147は、図3及び図4に示す上梁137の3本の連結梁137cの各前端部と、図2及び図4に示す横架材134の橋軸直角方向における両端部と中央部との合計6カ所で吊材145を介して吊下げ支持されている。前方作業床147上では、次回の箱桁ブロックP(n+1)に使用するための鉄筋籠である鉄筋150が組立てられる。図2に示すように、前方作業床147には、鉄筋150を組立てるための作業台となる鉄筋組立台170が設置される。鉄筋組立台170には、後述するように、鉄筋を等ピッチで配列するためのガイドとして鉄筋組立用治具が設置される。なお、施工される2本の箱桁105のそれぞれに対応して、鉄筋先組部141では、橋軸直角方向Yに配列される2つの鉄筋籠である鉄筋150が組立てられる。
型枠支持部139及び鉄筋先組部141は、前方作業床147上で組立てられた鉄筋150を吊下げて移動するためのトロリー装置151を有している。トロリー装置151は、延長梁132の下方に配置されている。また、トロリー装置151と前方作業床147との間には鉄筋150の組立て及び吊下げ用のスペースが十分に確保される。トロリー装置151は、延長梁132から吊材159により吊下げられ、橋軸方向に延びるトロリーレール153と、トロリーレール153に案内されて移動すると共に鉄筋150を吊下げ可能なトロリー155とを有している。このような鉄筋先組部141を備えることで、箱桁ブロックPnの型枠組立やコンクリート打設及び養生の作業に並行して、箱桁ブロックP(n+1)用の鉄筋150の組立作業を行うといった運用が可能になる。
前述の通り、4つのメインフレーム131は、それぞれが常に箱桁105のウェブ105bの上に配置される必要がある。本実施形態の箱桁105は張出架設工法が進行するに従って徐々に拡幅して行くので、2つの箱桁105のウェブ105b同士の間隔も徐々に広がっていくことになる。そこで、4つのメインフレーム131の内で少なくとも外側の2つのメインフレーム131は、橋軸直角方向Yに平行移動可能とされている。具体的には、外側の2つのメインフレーム131と横架材137a,137bとはスライド機構157を介して接合されている。そして、当該スライド機構157によって、外側の2つのメインフレーム131を横架材137a,137bに対して橋軸直角方向Yに摺動させることができる。このような機構によれば、張出架設の進行に従って2つの箱桁105が拡幅していく場合にも、メインフレーム131の橋軸直角方向Yの位置を追従させることができる。
このような移動作業車121によって実行される張出架設工法の手順は次の通りである。図5(a)に示されるように、橋桁既設部分104aの既設の箱桁ブロックP(n−1)の上方に移動作業車121が設置されて、箱桁ブロックPn用の鉄筋150が型枠支持部139の後方作業床144に設置され、鉄筋150を囲むように型枠が組立てられ、当該型枠に箱桁ブロックPnのコンクリートが打設され養生される。この作業に並行して、鉄筋先組部141では、後述する鉄筋組立用治具を用いて、前方作業床147上で箱桁ブロックP(n+1)用の鉄筋150が組立てられる。
以下、本実施形態の鉄筋組立用治具について説明する。まず、本実施形態の鉄筋組立用治具が配置される鉄筋組立台170について説明する。図6(a)に示すように、本実施形態の鉄筋組立台170は、鉄筋150が組立てられる床部174と、床部174を鉄筋先組部141の前方作業床147の上で支持する複数の支持柱171とを有する。床部174は、鉄筋150の組立の作業のために鉄筋組立用治具が配置される床面177と、床面177の反対側の鋼管176とを有する。鋼管176の支持柱171に対応する位置には、大引173が取り付けられている。大引173は、鋼管176に互いに密接しつつ取り付けられた2本の円管状の鋼管である。
次に、本実施形態の鉄筋組立方法及び鉄筋組立用治具が適用される鉄筋150について説明する。図7に示すように、鉄筋150が埋設される箱桁ブロックPは、前述の通り、略水平面に沿って広がる底版105aと、底版105aの両端縁から略鉛直上方に立ち上がる一対の平行なウェブ105b(側壁)と、を有する鉄筋コンクリート構造物であり、略長方形の断面形状をなす。この箱桁ブロックPの形状に対応して、図7に示すように、鉄筋150も同様の長方形の上辺を除去した断面形状を有する。
図8に示すように、鉄筋組立台170の床面177に対し、鉄筋コンクリート構造物における複数の鉄筋が横方向に互いに隣接して配筋される箇所に対応した位置、本実施形態では、鉄筋先組工法における鉄筋籠の底面の鉄筋と鉄筋籠の側面の鉄筋とが横方向に互いに隣接する鉄筋籠の角部の鉄筋である底版下筋17とウェブ鉄筋19の下部とが配筋される位置に、複数の底版下筋17とウェブ鉄筋19の下部とが横方向に互いに隣接しつつ収容される溝部181が形成された鉄筋組立用治具180を配置する治具配置工程が行われる。
Claims (1)
- コンクリートの内部に鉄筋が配筋された鉄筋コンクリート構造物の前記鉄筋を前記コンクリートの打設の前に組立てるための鉄筋組立方法であって、
前記鉄筋コンクリート構造物における複数の前記鉄筋が横方向に互いに隣接して配筋される箇所に対応した位置に、複数の前記鉄筋が横方向に互いに隣接しつつ収容される溝部が形成された鉄筋組立用治具を配置する治具配置工程と、
前記治具配置工程で配置された前記鉄筋組立用治具の前記溝部に、複数の前記鉄筋が横方向に互いに隣接しつつ収容されるように、前記鉄筋を配置する鉄筋配置工程と、
前記鉄筋配置工程により配置された前記鉄筋を結束することにより前記鉄筋を組み立てる鉄筋組立工程と、
を備え、
前記治具配置工程で配置される前記鉄筋組立用治具は、
前記鉄筋組立用治具が配置される床面に接する底板と、
前記底板の第1端部から上方に屈曲しつつ延在する第1側板と、
前記第1端部とは反対側の前記底板の第2端部から上方に屈曲しつつ延在する第2側板と、
を有し、
前記溝部は、前記第1側板及び前記第2側板の上端に設けられており、
前記鉄筋配置工程では、鉄筋先組工法において組立てられる前記鉄筋であって、鉄筋籠の底面の前記鉄筋と前記鉄筋籠の側面の前記鉄筋とが横方向に互いに隣接する前記鉄筋籠の角部の前記鉄筋を配置する、鉄筋組立方法。
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