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JP6853572B2 - 走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法 - Google Patents

走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、白色光源を用いた干渉計測により三次元形状計測を行う方法に関する。
走査型白色干渉顕微鏡は、白色光を試料に照射し、得られる干渉信号を高さ情報に変換することで三次元計測を行う装置であり、得られる干渉信号から各種計算をして表面形状、高さ、段差、膜厚、表面粗さ、同種材・異種材等の判定をする。
走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元計測において、従来は、センサにて計測される干渉信号の情報を失わないために、干渉信号強度はセンサの出力飽和値を超えないように光源の光量は調整されてきた。
例えば、特許文献1では、OCT(optical coherence tomography;光干渉断層撮影)による画像化が行われているが、検出が飽和すると、飽和アーティファクトが発生するため、光源の電力を減少させ再スキャンするなどの対策が取られている。特許文献2ではナイキスト間隔以上の標本点間隔でデータを取得して標本点間隔内のデータを内挿して高さ情報を得ている。
特表2015−523578号公報 特開2009−047527号公報
従来の走査型白色干渉顕微鏡による三次元形状計測には、光源の光量の設定に関し、次のような2つの問題を抱えている。1つ目は、光を検出するセンサの出力の飽和に関する問題である。すなわち、計測対象物の特性によっては、計測される干渉縞のコントラストが小さい、すなわちビジビリティがよくないことがある。この場合、干渉信号強度を大きくしたいため、光源の光量をできるだけ大きくすることが望ましい。しかしながら、光源の光量を大きくすると、光を検出するセンサに入射する入射光の強度も増大する。そして、入射光の強度に対応してセンサの出力値が増大し、当該出力値が容易にセンサの出力飽和値に達し、センサの出力が容易に飽和してしまう。例えば、計測対象物の反射率が小さく反射光強度が弱いような場合は、このような問題が発生しやすいと考えられる。
2つ目は、センサのS/N比(信号対雑音比)に関する問題である。一般に光を検出するセンサは、入射光強度が大きくなるに従い、累乗関数的にS/N比は増加する。言い換えると、信号に対するノイズの比率は入射光強度が大きくなるに従い累乗関数的に小さくなる。このため光源の光量を大きくすることにより、できるだけS/N比を稼ぎたい、すなわちノイズの比率を小さくしたいという要求がある。
本発明は、より適切な計測を実現し得る走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法を提供する。
本発明は、走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法であって、センサを用いて、計測対象物に対し照射した光源からの照射光に対応した干渉信号を取得し、干渉信号のうち、信号強度のオフセット値に相当するベースラインより信号強度が小さい負の干渉信号を取得し、負の干渉信号の信号強度に基づき、前記計測対象物の高さ情報を計測するための前記照射光の光量である計測光量を設定する。
本発明によれば、光源の光量を大きくし、センサの出力値が最大値に達した、すなわち飽和したとしても、負の干渉信号の成分を利用することにより、高い光量で計測対象物(試料)の表面の形状を計測することができる。よって、ビジビリティのよくない計測対象物についても、表面の形状を容易に把握することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る走査型白色干渉顕微鏡の全体構成図である。 図2は、センサの信号に対するN/S曲線を描いた図である。 図3は、走査型白色干渉顕微鏡により観測される一般的な干渉信号のグラフである。 図4は、光源の光量設定値を変化させたときの干渉信号のビジビリティの観測結果を示すグラフである。 図5は、光源の光量設定値に対する正の干渉信号および負の干渉信号の計測結果の例を示すグラフである。 図6(a)〜(e)は、図5において(a)〜(e)で示した代表点における干渉信号のグラフである。 図7は、干渉信号波形の包絡線を求めるために使用される例の一つである二乗検波の例を示したグラフである。 図8(a)〜(e)は、図6(a)〜(e)のグラフに対して二乗検波を適用した後、包絡線を求める波形を示したグラフである。 図9は、光源の光量設定値を変化させた際の干渉信号波形の包絡線をセンサの出力値に対して変化していく様子を示した概念図である。 図10は、計測された図5の結果を図9の解釈のもと、再度説明したグラフである。 図11は、一実施形態における計測光量を設定するための方法を示す図であり、(a)は当該方法のフローチャートを示し、(b)は、ベースラインがセンサの出力飽和値に達しつつも、負の干渉信号の信号強度が最大値になっていない状態の干渉信号の概念図を示し、(c)は、ベースラインがセンサの出力飽和値に達し、かつ負の干渉信号の信号強度が最大値になっている状態の干渉信号の概念図を示す。 図12は、他の実施形態における計測光量を設定するための方法を示すフローチャートであり、多重スキャンによる三次元形状計測方法のフローチャートである。 図13は、図12のフローチャートに沿った処理を示す概念図である。 図14は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法の例を示し、(a)は、一例のフローチャートであり、(b)は、(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。 図15は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法の他の例を示し、(a)は、この例のフローチャートであり、(b)は、(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。 図16は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法のさらに他の例を示し、(a)は、この例のフローチャートであり、(b)は、(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。
以下、本発明に係る走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法の好適な実施形態を、図1〜図11に基づいて詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る走査型白色干渉顕微鏡の全体構成図である。走査型白色干渉顕微鏡100は、装置本体10と、計測対象の試料S(計測対象物)が載置されたステージ20と、得られたデータを処理するコンピュータ(プロセッサ)30とを含む。装置本体10は、光源(白色光源)11と、フィルタ12と、ビームスプリッタ13と、二光束干渉対物レンズ(対物レンズ)14と、センサ(検出器)15と、ピエゾアクチュエータ16と、を含む。
矢印Aで示すように光源11から出射された照射光(白色光)は、フィルタ(例えば波長フィルタ、偏光フィルタなど)12を通過した後、ビームスプリッタ13で二光束干渉対物レンズ14へ導かれる(矢印B)。照射光は二光束干渉対物レンズ14内のビームスプリッタで、計測対象物(試料S自体およびその内部の物質を含む)側へ向かう第1の照射光と、図示せぬ参照ミラー側へ向かう第2の照射光の2つに分割される。計測対象物に対して対向して配置される二光束干渉対物レンズ14内のビームスプリッタから計測対象物までの光学距離と、当該ビームスプリッタから参照ミラーまでの光学距離が等しくなった時に、計測信号が2つの照射光の干渉信号の形態で観測可能となり、センサ15がこの干渉信号を干渉縞(干渉パターン)として撮像し、干渉信号がコンピュータ30に保持、格納される。また、図1の実施形態では、ビームスプリッタ13から図示せぬ参照ミラーまでの距離が固定されているため、ピエゾアクチュエータ16を用いて掃引させることにより(矢印Cの動き)、計測対象物との距離を変化させている。走査型白色干渉顕微鏡100はコヒーレンス長の短い光源を用いるため(例えばコヒーレンス長が1μm以下)、干渉信号が得られた位置が、計測対象物が存在するz位置(高さ位置)となる。操作者は、走査型白色干渉顕微鏡100のコンピュータ30を操作し、矢印Cに沿って高さ方向に二光束干渉対物レンズ14を移動させ、計測対象物(試料D及びその内部の物質を含む)を高さ方向(z方向)にスキャン(走査)し、計測対象物の表面の性状(凹凸など)を観察する。
図2は、照射光に対応した干渉信号を取得するセンサ15の、出力信号強度に対するノイズの割合であるN/S比を、両対数で示した特性の図である。一般的に、センサへの入射光量が大きいほど累乗関数にしたがって、センサ15から発生するノイズの割合は小さくなる(グラフは対数表示なので線形的に下がっている)。このセンサ15の特性から入射光量、すなわち出力信号強度はできるだけ大きい方がノイズの比率が小さくなり、ひいてはS/N比の良い条件で計測できることが分かる(グラフの右側)。尚、センサ15は光を捉えることが可能な装置であり、広義には撮像素子、カメラなどを含み特に限定はされない。
図3は、走査型白色干渉顕微鏡100により観測される一般的な干渉信号、すなわち計測対象物に対し、光源11から所定の光量Iをもって照射光(白色光)を照射した際に得られる干渉信号を示すグラフである。横軸は、試料S中の計測対象物の位置であるz位置(高さ位置)に相当する。ここで、横軸は光路長差(OPD:Optical Path Difference)Δpに相当するが、光路長差Δpは、上述した二光束干渉対物レンズ14内のビームスプリッタから計測対象物までの光学距離と、このビームスプリッタから参照ミラーまでの光学距離の差に相当する。光路長差Δp=0の位置では干渉信号がピーク値をとり、この位置で計測対象物が存在している。
走査型白色干渉顕微鏡100のセンサ15で観測される信号強度S(I)は、ある入射光量Iにおいて下記の式(1)で示すように、参照光強度Iおよび計測対象物からの反射光強度Iのオフセット項(第1項および第2項)、および干渉信号である第3項からなる。第3項中のΔpは上述した光路長差である。図3に示すように、オフセット項は、干渉信号の信号強度0に対して、計測対象物の存在とは無関係に、標準的に与えられる信号強度のオフセット値となる。
Figure 0006853572
式(1)の干渉項である第3項は図3の実線で示す干渉信号に相当する。一般的にIおよびIのオフセット項よりも上側部分は正に干渉している正の干渉信号と呼ばれ、オフセット項より下側部分は負に干渉している負の干渉信号と呼ばれる。正の干渉信号の部分では、干渉信号は明るくなり、負の干渉信号の部分では、干渉信号は暗くなり、明暗パターンが繰り返される干渉縞が形成される。この干渉縞は、計測対象物の高さ情報(高さ位置)である凹凸に対応したものとなる。
式(1)において正の干渉信号の最大値S(+)は、cos(Δp)=1のときであり、次の式(2)より求められる。
Figure 0006853572
一方、式(1)において負の干渉信号の最大値S(−)は、cos(Δp)=−1のときであり、次の式(3)より求められる。
Figure 0006853572
図3においては、IおよびIのオフセット項(I+I)はベースラインB(I)に相当し、以下の式(4)となる。ベースラインB(I)より上側に位置し、ベースラインより信号強度が大きい部分が正の干渉信号であり、ベースラインB(I)より下側に位置し、ベースラインより信号強度が小さい部分が負の干渉信号である。
Figure 0006853572
なお、式(1)は物理現象を表しているため、現実に干渉現象が起きてから、センサ15により計測されていることに注意する。よって、たとえIおよびIによるオフセット項、すなわち式(4)のベースラインB(I)がセンサ15の出力の飽和値、すなわちセンサ15の出力飽和値(最大出力値)を超えていたとしても、ベースラインB(I)より下側部分、すなわちベースラインB(I)より小さい負の干渉信号は、センサ15により検出可能であり、このとき式(3)の信号強度がセンサ15により検出される。
ここで、光源11の照射光の光量Iを大きくしていった際、IおよびIのオフセット項であるベースラインBの上昇速度(Iの変化に対するB(I)の変化であり、B(I)のIによる微分)は、次の式(5)で表される。
Figure 0006853572
光源11の光量Iを大きくしていった際、式(1)において、第3項の干渉信号の大きさの上昇速度が、上記式(5)で表されるオフセット項の上昇速度より大きければ、光源11の光量Iを大きくするにつれて干渉信号も大きくなり、測定上好ましい。しかしながら現実にはそれは起こりえない。なぜなら、次の式(6)のように、相加・相乗平均の関係から見れば、必ずオフセット項B(I)は、第3項の最大値以上となり、式(6)を微分して得られる式(7)に示すように、オフセット項の上昇速度は、必ず第3項の上昇速度以上となるからである。
Figure 0006853572
Figure 0006853572
図2の様にS/N比の観点からは、光源の照射光の光量が大きければ大きいほど好ましいという前提があるが、光量の増大は、当然ながらオフセット項であるベースラインの増加を招く。そして、上式(5)〜(7)によれば、ベースラインの増加速度は、計測に重要な干渉信号の増加速度に比して大きく、光量の増加により、干渉信号が容易にセンサ15の出力の飽和値に到達してしまい、正確な強度を検出することが難しくなると一般的に考えられてきた。
このような事情を鑑み、高さ情報の計測に好ましい干渉信号の選定には、一般的にビジビリティ(visibility)Vと呼ばれる干渉縞の鮮明度を示す概念が用いられている。すなわち、ビジビリティVは、干渉縞の明暗の対比を表す量であり、コントラスト、伝達関数MTF(Modulated Transfer Function)と同義と考えられる。
ビジビリティVは以下の式(8)により表され、一般的にはビジビリティVが大きい干渉信号が、計測に好ましいと考えられている。式(8)において、Imaxは最大の観測干渉信号強度、Iminは最小の観測干渉信号強度であり、それぞれ、図3に示すように、センサ15の信号強度0を基準とした絶対値としての強度である。すなわち、ビジビリティVは、最大の観測干渉信号強度と最小の観測干渉信号強度の和に対する両者の差の比である。
Figure 0006853572
図4は、光源11の照射光の光量設定値を変化させたときの正の干渉信号のビジビリティの観測結果を示すグラフである。光源11の照射光の光量は、横軸に沿って変動する。横軸の光量の変化量に対するビジビリティの変化量は、dV/dIであり、図4において線を引いた傾きγ(=0.33)、γ(=0.13)に相当する。二つの傾きは、2種の異なる計測対象物に対応している。図4は、正の干渉信号におけるビジビリティの変化を示しており、傾きγ(+)は以下の式(9)となり、0≦γ≦1の値をとる。一方、負の干渉速度との比の場合には、γ(−)と定義すると式(10)となり、−1≦γ≦0の値をとる。
Figure 0006853572
Figure 0006853572
尚、傾きγは、照射光の光量の変化に対するビジビリティの変化の度合いを示し、光量の変化に対するビジビリティの感応度ともいえ、本書面では、γを「ビジビリティ感応度」とも言う。計測対象物は、その種類に応じて固有のビジビリティ感応度を有する。
従来は、図4に示すように、正の干渉信号におけるビジビリティの変化に着目し、このビジビリティが最も良い値に対応した光量が、光源11の最適な光量と考えられてきた。図4では、第1の傾き(第1のビジビリティ感応度)γを有する第1の計測対象物は、光量Lで最もビジビリティが大きくなる。一方、第2の傾き(第2のビジビリティ感応度)γを有する第2の計測対象物は、光量Lで最もビジビリティが大きくなる。第1の計測対象物と第2の計測対象物は、反射率などの物性(表面形状、傾斜角度などを含む)が異なっており、第1の傾き(第1のビジビリティ感応度)と第2の傾き(第2のビジビリティ感応度)が異なっている。
すなわち、従来の一般的な考え方によれば、第1の計測対象物は光量L、第2の計測対象物は光量Lが、それぞれ最適な照射光の光量設定値である。すなわち、傾きγ、γが成立する範囲では、式(9)が成立しており、光量の増加に対し、ビジビリティも増大する。しかしながら、光量L、光量Lより大きな光量では(グラフの右側では)、センサ15の出力の飽和値を超えているため、ビジビリティが減少しており、光源11の出力は光量L、光量L以下に抑えられるのが従来の考え方である。この状態下で、例えば図3において点線で示した上側の包絡線、すなわち正の干渉信号の包絡線を所定の方法(例えばサンプリングにより得られる正の干渉信号の標本点のモデル関数によりフィッチングなど)で取得し、そのピークから高さ情報を得ている。
しかしながら、本来は最も大きな信号強度が得られる光量が最適な光量であると考えるべきである。そこで発明者は、これまでの考え方とは異なり、負の干渉信号、特に光量の変化に対する負の干渉信号の変化に着目した。図3において一点鎖線で示した下側の包絡線のように、負の干渉信号から包絡線のピークを取得することも可能だからである。図5は光源11の光量の設定値に対する正の干渉信号の強度および負の干渉信号の強度をプロットしたグラフである。なお、現象を把握しやすくするために、光源11は、出力される光量が線形的に変化するものを選択した。本図から、光量の設定を大きくするに従って、正の干渉信号の強度がピークを迎えた後、負の干渉信号の強度が最も小さい値(負のピーク)を迎えることになる。傾きγの計測対象物については、代表点(c)と(d)で表した部分である。
図6は、図5におけるγ=0.33の計測対象物について、光源の光量設定値のうち(a)〜(e)で示した代表点における干渉信号のグラフである。光源の光量設定値の小さい場合を示す図6(a)においては、ベースラインも低く干渉信号も小さいが、光量設定値を大きくしていくと、図6(b)のようにベースラインの上昇と共に干渉信号も大きくなっていく。なお、この時、式(7)の条件は満たされていることに注意する。そして、さらに光量設定値を上げて行くと、図6(c)に示されるように、正の干渉信号がセンサの最大出力値、すなわち飽和値(グラフにおける上限)に達する。そして、さらに光量設定値を上げて行くと、図6(d)のように、ベースラインがセンサの飽和値に達する。そして、さらに光量設定値を上げて行くと、負の干渉信号さえも飽和値に達して、図6(e)のように徐々に観測される干渉信号の大きさは小さくなっていく。
このような事象は、式(7)が成立していること、すなわち、光量の増大下で、式(1)の第3項の干渉信号の大きさの上昇速度が、式(5)のオフセット項、すなわちベースラインの上昇速度以下であることに由来する。γ=1の場合(式(9)における分子と分母の比が同じ、すなわち平均輝度値が増えた分だけ等しく干渉信号強度も大きくなる場合)以外の場合は、光量設定値を上げると、干渉信号の大きさは、最終的に図6(e)に示すように小さくなる。尚、図6(d)では、正の干渉信号は0であり、本来なら図5(d)でも正の干渉信号の部分(白抜きひし形◇の記号)は理論的には0にならなければいけないが、測定上の誤差のため、所定値が出力されている。
図7は、包絡線を求める手法の1つである二乗検波による例を示したものである。正の干渉信号および負の干渉信号の包絡線の最大ピーク位置(大きさは4I)は、もとは式(1)の第3項からなるものであるため、合致することに注意する。二乗検波を用いることにより、正の干渉信号と負の干渉信号を併せた2倍のデータを活用することが可能となる。
図8(a)〜(e)は、図6(a)〜(e)の波形に対して、図7に示すような二乗検波による包絡線の生成を適用した結果である。特に、図8(d)および(e)のように干渉信号の一部が飽和している状態においても、包絡線を生成することが可能である。この場合、元は負の干渉信号のみであったが、二乗検波を用いることにより、図8(a)〜(c)の正の干渉信号と、絶対値による比較が可能となる。ただし、ここでは、包絡線を求める手法の例として二乗検波を例にあげたが、これに限らずどの手法を用いてもよい。
図9は、光源11の光量設定値を増加させた際の干渉信号の包絡線の変化を示したものである。なお、観測者はセンサ15を通してのみ干渉信号を観測できるが、センサ15の出力値が飽和し、観測者が干渉信号を観測できないとしても、現実に物理現象としての干渉現象は発生している。すなわち、図9(d)、図9(e)は、センサ15の飽和値以上においても予想される干渉信号を示している。
図9(a)、図9(b)のように、光源11の光量設定値が小さい時には、センサ15の出力値は飽和していないため、観測される正の干渉信号強度および負の干渉信号強度は、それぞれS(+)−BおよびS(−)−Bで表される。そして、図9(c)に示すように、正の干渉信号の最大値が、センサ15の出力値の飽和値に達すると、正の干渉信号の信号強度(正の干渉信号強度)は最大となる。観測される正の干渉信号の信号強度は、飽和値−Bが観測されることとなる。一方、このとき負の干渉信号はまだ飽和値に達していないため、S(−)−Bで負の干渉信号の信号強度(負の干渉信号強度)は観測される。
さらに光源11の光量設定値を大きくすると、図9(d)に示すように、ベースラインが飽和値に達し、観測される正の干渉信号の信号強度は0となる。そして、ベースラインが飽和値に達したとき、負の干渉信号の信号強度は最大となる。ベースラインが飽和値に達したため、S(−)−飽和値の信号強度が観測される。
さらに光源11の光量設定値を上げていくと、図9(e)に示すように、負の干渉信号の信号強度の最大値S(−)−飽和値は徐々に小さくなっていき、さらに光量設定値を上げれば、やがて正の干渉信号と同様に0に達する。
図10は、図5のグラフに関し、図9の考え方に基づき、光源11の光量の変化と干渉信号の信号強度の変化との関係を解析したグラフである。第1の傾き(第1のビジビリティ感応度)γ(=0.33)の計測対象物の正の干渉信号である白抜きひし形(◇)は、低光量側では光源11の光量設定値に対して干渉信号強度が増加する(矢印A参照)。そして、正の干渉信号の信号強度が、センサ15の飽和値に達したときの光量設定値はL1である(図4参照)。そしてL1以上の光量では正の干渉信号は既にセンサ15の飽和値に達しているため、信号強度が大きくなることはなく、図9(d)、(e)に示すようにベースラインの上昇にもかかわらず、信号強度は減少する(矢印B参照)。
一方、負の干渉信号の信号強度は正の干渉信号の信号強度がL1で飽和値に達した後も、しばらくは増加する。負の干渉信号の信号強度が最大値となったときの、光量設定値をL2とすると、光量はΔLの分大きい。そして、光量L2における負の干渉信号の大きさは、光量L1における正の干渉信号の大きさより、ΔIの分だけ増加する。すなわち、最適な光量設定値はL1ではなく、それよりもΔLの分だけ大きいL2となる。そして、負の干渉信号の信号強度が最大値となるときは、ベースライン強度が飽和値に達した時と考えることができる。
第2の傾き(第2のビジビリティ感応度)γ(=0.13)の計測対象物についても同様の結論が得られ、正の干渉信号の信号強度がピークをむかえる光量L3(図4参照)よりもΔLだけ大きい光量L4において、負の干渉信号の信号強度がピークをむかえ、光量L4における干渉信号の信号強度は、光量L3における干渉信号の信号強度よりもΔIの分だけ増加する。
上述した様に、従来は、光源11の光量の最適値は、ビジビリティが最も大きくなったとき、または干渉信号が飽和していない、すなわち正の干渉信号が最大値に達する前の光量が最適として設定されるのが一般的であった(図4参照)。
しかしながら、計測対象物の三次元形状を求めるためには、図3で示すような包絡線の最大値、すなわち包絡線のピークが得られれば良く、たとえ正の干渉信号の一部が飽和していても包絡線を求めることは可能である。すなわち、負の干渉信号のみでも包絡線のピーク位置を求めることは可能であり、ましてや、負の干渉信号の一部からでも包絡線のピークを求めることが可能である(例えば図8(e)参照)。特に少なくとも負の干渉信号の包絡線を取得するとともに、少なくとも当該包絡線を二乗検波することにより得られる新たな二乗検波後の包絡線のピークに基づき計測光量を設定することが可能である。この場合、問題ない限り飽和した正の干渉信号の包絡線を取得し、負の干渉信号の包絡線とあわせて計測光量を設定してもよい。また、正の干渉信号の包絡線と負の干渉信号の包絡線とをあわせて二乗検波してもよい。
本発明は、ビジビリティではなく、干渉信号の大きさが最大となると推定される負の干渉信号について、信号強度が最大値を取る光量が、高さ情報の取得に最適な光量であるという結論を導き出した。本書面では、計測対象物の高さ情報を計測するため、設定すべきこの最適な光量を「計測光量」と呼ぶ。
図11(a)は、本発明の一実施形態により、計測光量を設定するためのフローチャートである。操作者は、走査型白色干渉顕微鏡100のコンピュータ30を操作し、高さ方向にスキャン(走査)し、計測対象物の所定の観察位置(所定の高さ位置)に焦点を合わせるように、二光束干渉対物レンズ14を移動させる。そして、所定の観察位置で光源11の照射光の光量を増加させるモードを設定し、光量を増加させる(ステップS1)。コンピュータ30は、センサ15が取得した干渉信号をモニタしながら、正の干渉信号の最大値(例えば包絡線のピーク)がセンサ15の出力飽和値(最大出力値)に達したか否かを判定し(ステップS2)、達していない場合は(図9(a)、(b)参照)ステップS1に戻り、光量の増加を続行する(ステップS2;No)。正の干渉信号の最大値が飽和値に達したと判定した場合(ステップS2;Yes)、コンピュータ30は、正の干渉信号の最大値を取得する(ステップS3;図9(c)参照)。
次にコンピュータ30は、干渉信号のベースラインがセンサの出力飽和値に達したか否かを判定し(ステップS4)、達していない場合はステップS1に戻り、光量の増加を続行する(ステップS4;No)。ベースラインが出力飽和値に達している場合(ステップS4;Yes)、コンピュータ30は、現在の高さ位置であって、現在観察している計測対象物の領域(xy面内)である観察領域(例えば二光束干渉対物レンズの14の視野)内において、当該光量が計測対象物の高さ情報を計測するための最適な光量であると判定し、当該光量を照射光の計測光量として設定する(ステップS5)。本状態は図9(d)の状態であり、干渉信号のうち、正の干渉信号の少なくとも一部(図9(d)では全て)の信号強度がセンサ15の出力飽和値を超えることにより、正の干渉信号の少なくとも一部(図9(d)では全て)が飽和している状態となっている。
更にコンピュータ30は、負の干渉信号(の包絡線)が最大値に達しているか否か(例えば包絡線のピークが最大値か否か)をも判定し(ステップS6)、達していない場合はステップS1に戻り、光量の増加を続行する(ステップS6;No)。負の干渉信号(の包絡線)が最大値に達している場合(ステップS6;Yes)、コンピュータ30は、当該干渉信号における光量を、照射光の計測光量として設定する(ステップS5)。
ここで、ベースラインの信号強度が図3の様に直線であれば、あらゆる観察領域において、ベースラインが出力飽和値に達するときと、負の干渉信号のピークが最大値になるときが同じであるため、図11の処理はステップS4にて終了する。しかしながら、ベースラインの信号強度は一般的に図3の様に一定値ではなく、例えばxy面内等、計測対象物内の任意の方向において変動する。図11(b)、(c)は、ステップS6の判定を行う前提として、ベースラインの信号強度が図3の様に直線ではなく、横軸がxy面内の任意の方向であり、この方向でベースラインの信号強度が変動している状態(ベースライン曲線をとる)を示している。この場合、観察領域内において各画素のベースラインの信号強度が変動することとなる。
図11(b)は、ベースラインがセンサの出力飽和値に達しつつも、負の干渉信号(の包絡線)の信号強度が最大になっていない状態の干渉信号の概念図を示す(ステップS6;No)。ここでは、計測対象物内の任意の方向においてベースラインの信号強度が変動しており、ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に達した状態である。この状態は、ステップS6のNoに対応するが、さらに光量を増加させず、この状態における光量を計測光量として設定してもよい。しかしながら、この状態から、光量を増加させることにより、さらに負の干渉信号を飽和させずに、その信号強度を増加させることができる。図11(c)は、図11(b)から光量を増加させた状態を示し、ベースラインがセンサ15の出力飽和値に達し、かつ負の干渉信号(の包絡線)の信号強度が最大値になっている状態の干渉信号の概念図を示す(ステップS7)。これは着目している画素において、最適な光量が得られていることを意味する。この状態では、干渉信号のうち、ベースラインより信号強度が大きい正の干渉信号の全てが、センサ15の出力飽和値を超えることにより、正の干渉信号がセンサ15により検出されない状態となっており、この点では図9(d)、(e)と同じである。
上記の処理においては、コンピュータ30は、干渉信号の信号強度のオフセット値に相当するベースラインより信号強度が小さい負の干渉信号を取得し、この負の干渉信号の信号強度に基づき、計測対象物の高さ情報を計測するための照射光の光量である計測光量を設定している。さらに詳しくは、コンピュータ30は、すでに説明した様に負の干渉信号の包絡線を取得し、この包絡線のピークに基づき計測光量を設定している。
尚、図4について説明したように、第1のビジビリティ感応度を有する第1の計測対象物に対しては、第1の計測対象物のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に達した状態において、第1の計測光量を設定する。一方、第2のビジビリティ感応度を有する第2の計測対象物に対しては、第2の計測対象物のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に達した状態において、第1の計測光量と異なる第2の計測光量を設定する。このように、異なるビジビリティを有する材料(2種以上であってもよい)ごとに、最適な計測光量を設定することが可能となる。
図12は、本発明の他の実施形態の最適な光量を決定するためのフローチャートであり、多重スキャンによる三次元形状計測方法を示している。多重スキャンとは、一度の高さ方向(z方向)のスキャン(走査)により、観察領域に対応した画像内の全画素、又は当該画像における所定数以上の画素の情報(高さ情報)を取得するのではなく、一度のスキャン毎に、観察領域に対応した画像のうち部分的にのみ画素の情報を取得する。多重スキャンとはこのような処理を繰り返すことにより、この画像のうち所定の割合以上の画素の情報を取得する概念である。
操作者は、走査型白色干渉顕微鏡100のコンピュータ30を操作し、高さ方向にスキャン(走査)し、計測対象物の所定の観察位置(所定の高さ位置)に焦点を合わせるように、二光束干渉対物レンズ14を移動させる。そして、所定の観察位置で光源11の照射光の光量を増加させるモードを設定し、光量を増加させる(ステップS11)。次にコンピュータ30は、干渉信号のベースラインがセンサの出力飽和値に達したか否かを判定し(ステップS12)、達していない場合はステップS11に戻り、光量の増加を続行する(ステップS12;No)。ベースラインが出力飽和値に達している場合(ステップS12;Yes)、コンピュータ30は、当該光量を計測光量に設定し、干渉信号の測定を行う(ステップS13)。
次にコンピュータ30は、光源の光量が最大出力値に達したか否かを判定し(ステップS14)、光量が最大出力値に達した場合は(ステップS14;Yes)、処理を終了する。一方、光量が最大出力値に達していない場合は(ステップS14;No)、コンピュータ30は、走査型白色干渉顕微鏡100が多重スキャンを行うモードに設定されているか否かを判定し(ステップS15)、多重スキャンを行うモードに設定されていない場合は(ステップS15;No)、処理を終了する。
一方、多重スキャンを行うモードに設定されている場合は(ステップS15;Yes)、コンピュータ30は、既に行ったスキャン回数が、あらかじめ指定された多重スキャンの指定回数に達したか否かを判定する(ステップS16)。また、コンピュータ30は、既に行ったスキャンにおいて高さ情報を取得した画素が、予め指定した画素の取得率に到達したか否をも並行して判定する(ステップS17)。既に行ったスキャン回数が、多重スキャンの指定回数に達していない場合(ステップS16;No)、または、既に行ったスキャンにおいて高さ情報を取得した画素が、指定した画素の取得率に到達していない場合(ステップS17;No)、ステップS13における計測光量で得られた干渉信号から高さ情報が得られた画素を計測対象から除去し(ステップS18)、それ以外の残された画素について、再びステップS11からの処理を開始する。ステップS11以降においては、残された画素の干渉信号のベースラインが、センサの出力飽和値に達するように照射光の光量を増やし、新たな計測光量を設定する。
一方、既に行ったスキャン回数が、多重スキャンの指定回数に達している場合(ステップS16;Yes)、または、既に行ったスキャンにおいて高さ情報を取得した画素が、指定した画素数の取得率に到達している場合(ステップS17;Yes)、いずれの場合においても処理を終了する。
図13は、図12のフローチャートに沿った処理を概念図で示したものであり、図11(b)、(c)と同様に、横軸が計測対象物内のxy面内の任意の方向であり、この方向でベースラインの信号強度が変動している状態を示している。(1)、(2)は、図12のステップS11、S12の処理を示し、(3)は、図12のステップS13〜S17で、xy面の観察領域に対応する画像のうち、一部の画素のみについて高さ情報が得られていることを示している。(4)は図12のステップS18の処理を示し、(5)、(6)は、再度図12のステップS11、S12の処理が実施されることを示している。
図14は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法の例を示している。図14(a)は、本手法のフローチャートであり、図14(b)は、図14(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。予め、操作者が走査型白色干渉顕微鏡100を操作して、干渉縞が観測される所定の高さ位置(z位置)、すなわち干渉信号のピークを取得する(ステップS21)。操作者は、走査型白色干渉顕微鏡100を操作して、この位置から正または負の干渉信号の半値幅に相当するコヒーレンス長L以上の間隔L(L>L)で離れた上方位置においてベースラインを取得する(ステップS22)。この位置では、干渉縞の波形が観察できないため、ベースラインのみを取得できる。
ここで、光源11の光量を上げることにより、ベースラインの強度をセンサ15の出力飽和値まで上昇させる(ステップS23)。その後、ステップS21における元の高さ位置まで、焦点を戻すことにより(ステップS24)、ベースラインがセンサ15の出力飽和値まで達した状態における干渉縞波形を得ることができる(ステップS25)。結果的に、ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に等しくなる照射光の光量を、計測光量として設定することになる。本手法によれば、スキャンの際には必ず上方向に移動するので、無駄な動きはなく、計測時間を短縮することができる。
図15は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法の他の例を示している。図15(a)は、本手法のフローチャートであり、図15(b)は、図15(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。予め、操作者が走査型白色干渉顕微鏡100を操作して、干渉縞が観測される所定の高さ位置(z位置)、すなわち干渉信号のピーク位置を取得する(ステップS31)。そして、スキャンをして、高さ方向の信号強度を示す高さ方向(z方向)の干渉信号を得る(ステップS32)。
次に、コンピュータ30は、高さ方向の干渉信号から、正の干渉信号および負の干渉信号を除去して、ベースラインを求める(ステップS33)。そして、このベースラインの強度が、センサ15の出力飽和値に達したか否かを判定する(ステップS34)。ベースラインの信号強度が、センサ15の出力飽和値に到達していない場合は(ステップS34;No)、光量を上げ(ステップS35)、再度ステップS32以降の処理を行う。ベースラインの信号強度が、センサ15の出力飽和値に到達している場合は(ステップS34;Yes)、ベースラインが、センサ15の出力飽和値に到達した状態の干渉信号を得る(ステップS36)。結果的に、ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定することになる。
図16は、干渉信号のベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサの出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定する手法のさらに他の例を示している。図16(a)は、本手法のフローチャートであり、図16(b)は、図16(a)の該当するステップを干渉信号上で示した概念図である。予め、操作者が走査型白色干渉顕微鏡100を操作して、干渉縞が観測される所定の面内方向位置(xy面内位置)、すなわち面内方向の信号強度を示す面内方向(xy方向)の干渉信号のピーク位置を取得する(ステップS41)。
次に、コンピュータ30は、面内方向の干渉信号から正の干渉信号および負の干渉信号を除去して、面内方向のベースラインを求める(ステップS42)。そして、このベースラインの信号強度が、センサ15の出力飽和値に達したか否かを判定する(ステップS43)。ベースラインの信号強度が、センサ15の出力飽和値に到達していない場合は(ステップS43;No)、光量を上げ(ステップS44)、再度ステップS42以降の処理を行う。ベースラインの強度が、センサ15の出力飽和値に到達している場合は(ステップS43;Yes)、ベースラインが、センサ15の出力飽和値に到達した状態の干渉信号を得る(ステップS45)。結果的に、ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、センサ15の出力飽和値に等しくなる光量を、計測光量として設定することになる。
本発明の走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法は、コンピュータ30、特にコンピュータ30が有する演算装置が、種々の記憶装置に記憶されたプログラムを読み込み、当該方法の各工程を実行する。言い換えると、このプログラムは、コンピュータに三次元形状計測方法を実行させるように作用する。
本発明によれば、干渉信号の一部が飽和しても包絡線を求めることは可能であり、最大値ピークを求めることは可能である。よって、計測対象物の表面の形状を計測することができる。
特に本発明によれば、干渉信号の半分が飽和に達した状況においても負に干渉した干渉信号の成分を利用することで包絡線のピークを求めることが可能であり、計測対象物の表面の形状を計測することができる。
また、本発明によれば、干渉信号の半分以上が飽和している状況でさえも負に干渉した干渉信号から包絡線を求め最大値ピークを求めることは可能である。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明によれば、走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法にあたって、反射率の小さい計測対象物、すなわち暗い物体においても適切な表面形状の計測を可能とすることができる。
10 装置本体
11 光源(白色光源)
12 フィルタ(波長フィルタを含む)
13 ビームスプリッタ
14 二光束干渉対物レンズ(対物レンズ)
15 センサ
16 ピエゾアクチュエータ
20 ステージ
30 コンピュータ
100 走査型白色干渉顕微鏡
D 試料(計測対象物を含む)

Claims (11)

  1. 走査型白色干渉顕微鏡を用いた三次元形状計測方法であって、
    センサを用いて、計測対象物に対し照射した光源からの照射光に対応した干渉信号を取得し、
    当該干渉信号のうち、信号強度のオフセット値に相当するベースラインより信号強度が小さい負の干渉信号を取得し、
    当該負の干渉信号の信号強度の包絡線のピークが最大値に達している場合に、当該干渉信号における光量を前記計測対象物の高さ情報を計測するための前記照射光の光量である計測光量として設定する、
    三次元形状計測方法。
  2. 請求項1に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記干渉信号のうち、ベースラインより信号強度が大きい正の干渉信号の少なくとも一部の信号強度が前記センサの出力飽和値を超えることにより、前記正の干渉信号の少なくとも一部が飽和している、
    三次元形状計測方法。
  3. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    少なくとも前記負の干渉信号の包絡線を取得するとともに、少なくとも一部が飽和した前記正の干渉信号の包絡線を取得し、前記二つの包絡線に基づき前記計測光量を設定する、
    三次元形状計測方法。
  4. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    少なくとも前記負の干渉信号の包絡線を取得するとともに、少なくとも当該包絡線を二乗検波することにより得られる二乗検波後の包絡線のピークに基づき前記計測光量を設定する、
    三次元形状計測方法。
  5. 請求項1に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記計測対象物内の任意の方向においてベースラインの信号強度が変動し、
    ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、前記センサの出力飽和値に達した状態において、前記計測光量を設定する、
    三次元形状計測方法。
  6. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    干渉信号のうち、ベースラインより信号強度が大きい正の干渉信号の全てが、前記センサの出力飽和値を超えることにより、正の干渉信号が前記センサにより検出されない、
    三次元形状計測方法。
  7. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記計測対象物が複数の場合であって、当該複数の計測対象物は、各々固有のビジビリティ感応度を有し、当該固有のビジビリティ感応度の下で前記複数の計測対象物について、それぞれの計測光量を設定する、
    三次元形状計測方法。
  8. 請求項1に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記計測対象物の観察領域に対応した画像のうち、前記計測光量で得られた干渉信号から、前記高さ情報が得られた画素を計測対象から除去し、
    残された画素の干渉信号のベースラインが、前記センサの出力飽和値に達するように照射光の光量を増やし、新たな計測光量を設定する、
    三次元形状計測方法。
  9. 請求項1に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記干渉信号のピークから、コヒーレンス長以上の間隔で離れた上方位置においてベースラインを取得し、
    当該ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、前記センサの出力飽和値に等しくなる照射光の光量を、前記計測光量として設定する、
    三次元形状計測方法。
  10. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記計測対象物の高さ方向の干渉信号から、正の干渉信号および負の干渉信号を除去して、高さ方向のベースラインを取得し、
    当該ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、前記センサの出力飽和値に等しくなる照射光の光量を、前記計測光量として設定する、
    三次元形状計測方法。
  11. 請求項に記載の三次元形状計測方法であって、
    前記計測対象物の所定の面内方向の干渉信号から、正の干渉信号および負の干渉信号を除去して、当該面内方向のベースラインを取得し、
    当該ベースラインの少なくとも一部の信号強度が、前記センサの出力飽和値に等しくなる照射光の光量を、前記計測光量として設定する、
    三次元形状計測方法。
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