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JP6851127B2 - 遊技機 - Google Patents

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JP6851127B2
JP6851127B2 JP2017209009A JP2017209009A JP6851127B2 JP 6851127 B2 JP6851127 B2 JP 6851127B2 JP 2017209009 A JP2017209009 A JP 2017209009A JP 2017209009 A JP2017209009 A JP 2017209009A JP 6851127 B2 JP6851127 B2 JP 6851127B2
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高明 市原
渉 坂根
渉 坂根
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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機などの遊技機は、例えば特許文献1に記載されているように、遊技領域を視認可能とするための窓部を有する開閉可能な開閉部(特許文献1の「前面枠5」参照)を外枠の前面に備えており、その開閉部の前側であって前記窓部の周りに演出用の前面装飾部(特許文献1の「前方側演出部13」、「前面枠透明部18」参照)が設けられている。
特開2010−099190号公報
従来の遊技機の前面装飾部は、複数本のビスで開閉部の前面側に取り付けられているため、前面装飾部の着脱に時間が掛かる。このため、前面装飾部を外して修理或は新品に交換する際の利便性が十分でなかった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、その目的は、従来に比べて利便性の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
本発明は、
遊技媒体が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を具備する遊技機において、
前記遊技盤よりも前方に設けられ、前記遊技領域を視認可能とするための窓部を有する開閉可能な開閉部と、
前記開閉部の前側に位置し且つ前記窓部よりも前方に突出するように配置される前面装飾部と、
所定の報知を行う報知手段と、
前記報知手段による報知を制御する制御手段と、
を備え、
前記前面装飾部は、前記開閉部に形成される配置領域に対して着脱自在であり、該配置領域に対して装着する際に工具を必要としない工具レスの係止部によって係止されるものであり、
前記係止部は、所定の解除操作が行われることで外部から接触可能になるものであり、
前記制御手段は、
前記開閉部が閉鎖されており、且つ、前記配置領域から前記前面装飾部が離脱している場合には、前記報知手段により第1の報知を行う制御を実行可能であり、
前記第1の報知が行われているときに前記開閉部が開放状態になった場合には、前記報知手段により前記第1の報知とは異なる第2の報知を行う制御を実行可能であり、
さらに、
工具レスの前記係止部は複数種類設けられ、
該複数種類の前記係止部は、異なる係止態様によって異なる強度で前記前面装飾部を係止可能である
ことを特徴とする。
また、遊技媒体が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を具備する遊技機において、
前記遊技盤よりも前方に設けられ、前記遊技領域を視認可能とするための窓部を有する開閉可能な開閉部と、
前記開閉部の前側に位置し且つ前記窓部よりも前方に突出するように配置される前面装飾部と、
所定の報知を行う報知手段と、
前記報知手段による報知を制御する制御手段と、
を備え、
前記前面装飾部は、前記開閉部に形成される配置領域に対して着脱自在であり、該配置領域に対して装着する際に工具を必要としない工具レスの係止部によって係止されるものであり、
前記係止部は、所定の解除操作が行われることで外部から接触可能になるものであり、
前記制御手段は、
前記開閉部が閉鎖されており、且つ、前記配置領域から前記前面装飾部が離脱している場合には、前記報知手段により特定の報知を行う制御を実行可能であり、
前記特定の報知が行われているときに前記開閉部が開放状態になった場合にも、前記特定の報知を行う制御を実行可能であり、
さらに、
工具レスの前記係止部は複数種類設けられ、
該複数種類の前記係止部は、異なる係止態様によって異なる強度で前記前面装飾部を係止可能である
ことを特徴とする。
本発明によれば、従来に比べて利便性の向上を図ることができる遊技機を提供することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の左側面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を右前から見た斜視図である。 パチンコ機を左前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図である。 演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見た一部拡大図を含むパチンコ機の斜視図である。 他の形態を示すもので、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見た一部拡大図を含むパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体をそれぞれ分解して前から見た分解斜視図である。 外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠の左側面図である。 扉枠の右側面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。 (a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。 図38(a)のX−X線断面図である。 一部拡大図を含む図39のY−Y線断面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示す一部拡大分解図を含むファールカバーユニットの分解斜視図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの一部拡大図を含む横断平面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの一部拡大図を含む横断平面図である。 (a)は操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの縦断正面図、(b)は同横断平面図である。 他の不正防止手段を示すファールカバーユニットの縦断正面図である。 (a),(b)は遊技球(ファール球)の正常な流れを示す図45の要部拡大図、(c)は不正球の逆進防止状態を示す図45の要部拡大図である。 ファールカバーユニットの平面図である。 操作線無効化部材の他の形態を示すファールカバーユニットの平面図である。 他の不正防止手段を示すファールカバーユニットの縦断正面図である。 (a)は図49のZ部の拡大図、(b)はファール球が通過する状態を示す図49のZ部の拡大図である。 (a)、(b)は操作線が無効化される状態を示す図49のZ部の拡大図である。 (a)、(b)は操作線無効化部材を電動化した状態を示すもので、操作線が無効化される状態を示す図49のZ部に相当する拡大図である。 操作線無効化部材の他の形態を示す要部の斜視図である。 (a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図である。 皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作部ボタンユニットの進退方向から見た平面図である。 (a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。 (a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。 (a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図である。 回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 (a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。 演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。 演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。 (a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。 (a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。 扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図である。 扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。 各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。 パチンコ機を右側から見た斜視図である。 扉枠トップユニットを示すパチンコ機の上部右側面図である。 扉枠トップユニットがメンテナンス状態に変化した状態を示すパチンコ機の上部右側面図である。 第2の施錠ユニットを示す斜視図である。 他形態の扉枠トップユニットを示すパチンコ機の上部右側面図である。 他形態の扉枠トップユニットがメンテナンス状態に変化した状態を示すパチンコ機の上部右側面図である。 パチンコ機における本体枠の正面図である。 パチンコ機における本体枠の背面図である。 本体枠を右前から見た斜視図である。 本体枠を左前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。 本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。 (a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。 (a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。 払出羽根の回転位置を説明するための払出装置の背面図である。 球詰まり及び球抜け防止を説明するための払出装置の背面図である。 払出装置の変形例である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 本体枠における遊技球の流れを示す説明図である。 (a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。 基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。 (a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。 本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。 (a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。 図120(a)を分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。 本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。 本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。 図118(a)のC−C線で切断した断面図の一部を拡大した図である。 金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(第2実施形態に係る金属粉対策の構成)である。 金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(第3実施形態に係る金属粉対策の構成)である。 金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(第4実施形態に係る金属粉対策の構成)である。 金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(第5実施形態に係る金属粉対策の構成)である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 図131の遊技盤の要部拡大正面図である。 他の形態を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 他の形態を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 (a)、(b)は、他の形態を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 他の形態を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 他の形態を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 図137の遊技盤の一部拡大正面図である。 図132の変形例を示す遊技盤の要部拡大正面図である。 遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 は遊技領域の外側で前構成部材の左上隅に取付けられる機能表示ユニットの概略図である。 遊技盤を後ろから見た斜視図である。 主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。 主制御ユニットの斜視図である。 主制御ユニットの分解斜視図である。 主制御ユニットの斜視図である。 主制御ユニットの斜視図である。 主制御ユニットの要部拡大部分正面図である。 図144FのZ−Z線断面図である。 図144Fから変更抑制手段が第2状態に変化した状態を示す主制御ユニットの要部拡大部分正面図である。 主制御ユニットの分解斜視図である。 主制御ユニットの要部拡大断面図である。 主制御ユニットの要部拡大断面図である。 裏左可動装飾体等の内部構造の概略斜視図である。 周辺制御ユニットの正面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの背面分解斜視図である。 周辺制御ユニットの正面図である。 図148のX−X線の断面図である。 図148のA矢視図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 枠アース基板の構成を示す図である。 遊技盤に備える各種演出ユニットに備える大地に対して浮いた導体の扱いの概略図である。 電源基板の回路構成の概要を説明する回路図である。 電源基板を部分拡大した斜視図である。 図155のB矢視図である。 電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その1)である。 電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その2)である。 製造中止電子部品の概要を説明する斜視図である。 第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成である。 主制御基板の回路を示す概略回路図である。 払出制御基板の回路を示す概略回路図である。 主基板として扱われる基板への配線の概要を説明する斜視図である。 扉枠に備える各装飾基板の電気的な接続を説明するブロック図である。 LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板の一例を示すブロック図である。 LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板の一例を示すブロック図である。 LED定電流駆動回路の配置方法の概要図である。 図167のD部におけるLED非実装面から見た拡大図である。 第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成である。 第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成である。 図169のD’部又は図170のD’’部におけるLED非実装面から見た拡大図である。 第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成である。 図172のD’’’部におけるLED非実装面から見た拡大図である。 磁気式の磁極変化検知回路等を備える装飾基板の一例を示すブロック図である。 主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図175の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 設定変更処理の一例を示すフローチャートである。 設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートである。 エラー表示処理の一例を示すフローチャートである。 払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 図181の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 図182に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートである。 払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。 パチンコ機の正面図である。 扉枠の斜視図である。 扉枠の右側面図である。 遊技盤の斜視図である。 遊技盤の正面図である。 一部拡大図を含む遊技盤の中央縦断面図である。 一部拡大図を含む図195矢示Z1部の拡大図である。 図195矢示Z2部の拡大図である。 図194のX−X線断面図である。 図198のZ3部の拡大図である。 導光板の厚さ方向の中間を切断した遊技盤の端面正面図である。 奥装飾部材を省略した遊技パネルとセンター部材の正面図と分解して並べた正面図である。 遊技盤の分解斜視図である。 遊技パネルのベースパネルと前面囲い部材を示す分解斜視図である。 遊技パネルのベースパネルと奥装飾部材を示す斜視図である。 遊技パネルのベースパネルと奥装飾部材を示す分解斜視図である。 演出ユニットの分解斜視図である。 演出ユニットの演出支持枠とドラムユニットを示す分解斜視図である。 演出ユニットのドラムユニットを示す分解斜視図である。 演出ユニットの後カバーを示す分解斜視図である。 ドラムの移動状態を説明する要部の中央縦断面図である。 図191のZ4部の拡大図である。 ハンドルユニットを示す扉枠の一部拡大正面図である。 図212のS−S線断面図である。 ハンドルユニットを示す分解断面図である。 ハンドルユニットの他の形態を示す扉枠の要部拡大断面図である。 ハンドルユニットを二つ備えたパチンコ機の正面図である。 ハンドルユニットを二つ備えた扉枠の斜視図である。 扉枠の右側面図である。 図217のZ5部の拡大図である。 図216の向かって右側のハンドルユニットを示す扉枠の一部拡大正面図である。 図220のT−T線断面図である。 図221から直線移動させた状態を示すハンドルユニットの断面図である。 ハンドルユニットを示す分解断面図である。 図216の向かって左側のハンドルユニットを示す図220のT−T線相当断面図である。 図224から直線移動させた状態を示すハンドルユニットの断面図である。 図225のU−U線断面図である。 ハンドルユニットの他の形態を示す扉枠の要部拡大断面図である。 パチンコ機の上部を右前から見た要部拡大斜視図である。 パチンコ機の上部を後ろから見た要部拡大斜視図である。 パチンコ機の上部の要部拡大正面図である。 パチンコ機の上部の要部拡大右側面図である。 前面トップ天板の変形例を示すパチンコ機の上部の要部拡大右側面図である。 前面トップ天板の他の形態を示すパチンコ機上部の要部拡大右側面図である。 パチンコ機における遊技盤の正面図である。 図234の遊技盤の下半部を示す一部拡大正面図である。 遊技盤の斜視図である。 遊技盤の分解斜視図である。 遊技盤を後方から見た斜視図である。 遊技盤を図239の反対側の後方から見た斜視図である。 一部拡大図を含む中央縦断面図である。 遊技盤の下層遊技ゾーンを中心で切断位置を変えた組み合わせ平断面図である。 第3表示装置の斜視図である。 第3表示装置の正面図である。 変化した状態を示す第3表示装置の正面図である。 第3表示装置の前面側から見た分解斜視図である。 第3表示装置の後面側から見た分解斜視図である。 遊技盤の下層遊技ゾーンを分解して示す斜視図である。 図247とは異なる方向から見た遊技盤の下層遊技ゾーンを分解して示す斜視図である。 (a)は第三の振分け部の振分け装置を示す縦断面図、(b)は外力による振動を受けた遊技球の状態を示す振分け装置の縦断面図である。 球誘導部の他の形態を示す球転動部材の要部拡大断面図である。 一部拡大図を含む右打ち遊技ゾーンの斜視図である。 裏箱を上下方向に沿って一部左右方向に屈曲して切断した断面図であり振動検出スイッチと遊技球用の裏樋部材との取り付け方法を示す概略図(a)であり、その変形例(b)である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。 第1,第2振分けステッピングモータの回転軸に形成されるDカット角度位置を示す図である。 電圧切替回路の回路図である。 ポリスイッチの配置を示す概要図である。 第1振分けステッピングモータの駆動管理ブロックを説明するテーブルである。 第2振分けステッピングモータの駆動管理ブロックを説明するテーブルである。 電界効果トランジスタの実装方法の概略図である。 振動検出回路を示す回路図である。 振り分け装置用振動検知有効タイマ処理の一例を示すフローチャートである。 振り分け装置用異常振動2段階報知処理の一例を示すフローチャートである。 大入賞口用異常振動2段階報知処理の一例を示すフローチャートである。 振動判別処理の一例を示すフローチャートである。 スロットマシンの概略斜視図である。 (a)は本体枠の下方部分を左側から見た斜視図であり、(b)は本体枠の下方部分を右側から見た斜視図である。 扉枠の下方部分を後面側から見た斜視図である。 遊技盤の左上隅を示す要部拡大斜視図である。 パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。
[1.パチンコ機の全体構造]
以下に実施形態のパチンコ機1を図面を参照して詳細に説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ機の遊技者に対向する側を「前」又は「表」、反対側を「後」又は「裏」とする。
まず、図1乃至図13を参照してパチンコ機1の全体構成について説明する。図1はパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10、図11は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図13はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
パチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図106を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作する操作媒体たるハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している金属製の本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630のほかに払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが打ち込まれる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310X及び設定変更基板1310Yを有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な裏演出ユニット3100を備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、所定のゲージ配列で遊技パネル1100の前面に植設されていて遊技球Bの動きに変化を与える複数の障害釘2007と、遊技球Bの受け入れにより遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004及び大入賞口2005等の受入口と、遊技球Bの通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、第二始動口2004への入賞を所定時間可能にする。)を付与するゲート部2003と、遊技球Bが入球し得るもののそれによって利益がもたらされない不利な第1受入口2006(詳細については後述する。)が備えられている。この一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005及び第1受入口2006は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者が遊技者操作用のハンドルユニット180を操作して打力調節という遊技用の入力をすることで、任意の強さで遊技球Bを打込むことができる。これにより遊技球Bを、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004及び大入賞口2005等に受入れさせたり通過させ、不利な第1受入口2006へ入球させない、というように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏演出ユニット3100により可動演出や発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
パチンコ機1は、後述する上皿201に遊技球を貯留した状態で遊技者がハンドル182を回転操作すると、球発射装置540によってハンドル182の回転角度(ハンドル182の操作量)に応じた強さで遊技球が打ち出され、その遊技球が、発射レール544と外レール1001と内レール1002とによる発射通路部1012で形成された発射球通路を通って遊技盤5の遊技領域5a内へ案内される。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、前記一般入賞口2001等に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が後述する払出装置580によって球用開口から上皿201に払出される。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、遊技領域5aに到達不能な強さ、つまり弱い発射力で発射された遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、図10、図39に示したように、発射レール544の端部(終端部)と外レール1001の端部(始端部)との間に開設されたファール球落下口1013に落下し、それが後述する返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150のファール球受部150cに受けられ、ファールカバーユニット150内を通って球用開口たる下皿球供給口211cから下皿202に排出される。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図14乃至図19を参照して説明する。図14はパチンコ機における外枠の正面図であり、図15は外枠の背面図であり、図16は外枠の右側面図である。また、図17は外枠を前から見た斜視図であり、図18は外枠を後ろから見た斜視図である。図19は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体をそれぞれ分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、それぞれが上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図19を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。したがって、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。したがって、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図22を参照して詳細に説明する。図22(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。したがって、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図19を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図23〜図31を参照して詳細に説明する。図23はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図24は扉枠の背面図であり、図25は扉枠の左側面図であり、図26は扉枠の右側面図である。図27は扉枠を右前から見た斜視図であり、図28は扉枠を左前から見た斜視図であり、図29は扉枠を後ろから見た斜視図である。図30は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図31は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。また、ファールカバーユニット150は、球発射装置540により弱い発射力で発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込むものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。図32(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図34は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、それぞれ取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1−1.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺にそれぞれ接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1−2.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。したがって、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1−3.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1−4.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図33及び図34等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図99及び図100を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1−5.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1−6.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、それぞれ一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面しているそれぞれの辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1−7.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。したがって、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1−8.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図23等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1−9.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図23等を参照)。
[3−1−10.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図35及び図36を参照して詳細に説明する。図35(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図36(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145がそれぞれ配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図35(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、それぞれ回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態(待機位置に留まった状態)となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、待機位置である仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図36(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が待機位置にある遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図151を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図36(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700が収容されるように取付けられている。球送給ユニット140の操作線無効化部材700は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。なお、ここで、操作線の無効化とは、操作線を切断又は挟止(挟んで止める)又は絡める(巻き取る)又はホットメルト等で接着する等して不正球の操作が正常に行えない状態にすることをいう。
操作線無効化部材700は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している第一片部701及び第二片部702と、第一片部701及び第二片部702の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状にそれぞれ形成されている傾斜部703と、を備えている。操作線無効化部材700の第一片部701は、操作線無効化部材700の平板面に対して、図36(a)において正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。一方、第二片部702は、操作線無効化部材700の平板面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、第一片部701と第二片部702とによって、右方に向かうに従ってV字状に広がる剪断部700vを形成している。
操作線無効化部材700は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、第一片部701と第二片部702とで形成されるV字状の剪断部700vが打球供給口142a内と連通した状態となる。
この操作線無効化部材700によれば、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正球に取付けられた上皿201側に出ている操作線を操作して、不正球を用いて不正な球流路を形成したり、不正球を第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により遊技領域5aに到達可能な強さで発射(打球)された不正球の勢いによって、不正球に取付けられた操作線を、第一片部701と第二片部702との間に挿入させた上で、第一片部701と第二片部702とによって形成された剪断部700vの狭くなった部位によりハサミのごとくに切断させることができ、そうして操作線を無効化して不正球を用いた不正行為が行われるのを抑止することができる。
なお、球送給ユニット140に設けられる第1の不正防止手段としては、上記した形態のものに限らず、他の形態であってもよい。例えば、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止して、不正行為を抑止する構成であれば、金属板を上述と異なる形態に屈曲させたり、折り曲げた操作線無効化部材700を設ける構成としてもよいし、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止し得る形状を有した樹脂成型部材を、金属板に代えて設ける構成としてもよい。
また、不正球がアクリル等の合成樹脂製である場合には、球送給ユニット140の上述した待機位置(上述した仕切部143a上)にある金属製の遊技球を非接触タイプ(例えば近接スイッチ)のセンサーで検知し、その検知信号を電動送給手段たる球送給ソレノイド145の駆動条件に加えることで不正球の発射自体を防止することができる。非接触タイプのセンサーでは合成樹脂製の不正球が検知されず、球送給ソレノイド145が球送給用の駆動を行わないためである。
[3−1−11.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図37及び図38を参照して詳細に説明する。図37(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図38(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。
ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により所定の力(遊技領域5aに到達可能な発射力)より弱い力(遊技領域5aに到達不能な発射力)で発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の球用開口である上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540で発射レール544から発射されたにも関わらず勢い不足で遊技領域5a内へ到達することなく発射レール544と外レール1001との間に形成されたファール球落下口1013に落下した遊技球B(ファール球)を受けるファール球受部150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受部150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の球用開口たる下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、球放出口150d(厳密には後述する貯留通路150e)とファール球受部150cとをつなぐ連絡通路150hと、を備えている。この連絡通路150hは、ファール球受部150cの底壁150gの下側に底壁150gとは逆の勾配にして配設された上部通路壁150iと、上部通路壁150iから遊技球ほぼ1個(1球)分の間隔を離して平行に配設された下部通路壁150jとからなり、始端部がファール球受部150cの底壁150gの下傾端部に上向きに開口し、終端部が貯留通路150eに対して下向きに開口する。
なお、発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013からファール球受部150cと連絡通路150hと貯留通路150eを通って球放出口150dに至る一連の通路がファール球返却通路であり、これら一連の要素によって返却通路部1014が形成される。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受部150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受部150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図109を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
また、ファールカバーユニット150には、操作線Lを取付けた不正球Qによる不正を抑止するための第2の不正防止手段たる操作線無効化部材7000が設けられ、同じく発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013には第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sが設けられている。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの間の内部空間であって、図40拡大図に示したようにユニット本体151の取付孔151h及び蓋部材152の取付孔152hに両横の凸部7001が嵌合支持され且つ上部通路壁150iの上面に固着(接着)して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立作業員等の手が接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
具体的な操作線無効化部材7000は、球送給ユニット140に設けられた操作線無効化部材700と同等の構成要素を備えており、図36の屈曲した第一片部701に相当する第一片部7010と、真っ直ぐな第二片部702に相当する凸部7001から延設された第二片部7020とによって、連絡通路150hの球の流下方向と対向する向きに開口するV字状の剪断部7000vが形成されている。
なお、本形態のファールカバーユニット150は、図40拡大図に示したように、操作線無効化部材7000のV字状の剪断部7000vの中心が、ファールカバーユニット150を構成する蓋部材152の内面とほぼ面一になるように配設されると共にファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向けて操作線Lを誘導し得るテーパ状の誘導部150kが設けられている。具体的にはファール球受部150cの底壁150gは、その上面を遊技球が流下するに必要な面幅を有しつつ、上部通路壁150iとの折り返し部分に、蓋部材152側に向けて操作線無効化部材7000側に下る第一の傾斜部150kaと、その第一の傾斜部150kaに連続するように蓋部材152沿いに操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向かって幅が狭くなる先窄み形状(操作線Lを捕獲し得る形状)の第二の傾斜部150kbと、からなるテーパ状の誘導部150kを有している。そして、この誘導部150kに不正球Qの転がりや外部からの引張りで張力を受けた操作線Lが巻回状に摺接すると、操作線Lに加わる張力によって第一の傾斜部150kaから第二の傾斜部150kbを滑るようにして操作線Lが操作線無効化部材7000に誘導される。これにより、操作線Lを操作線無効化部材7000で確実に捉えることができる。このようにして正常なファール球の円滑な流下と、不正球Qに取り付けられた操作線Lの誘導を担っている。なお、操作線Lをより捕獲しやすくするために、誘導部150kの第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbの角部を湾曲状に形成しておくようにしてもよい。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は以上のように構成されているため、下皿球供給口211cから遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させるとともに、下皿球供給口211c側に出ている操作線Lを操作して、不正球Qを用いて不正な球流路を形成したり、不正球Qを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為を抑止することができる。
例えば、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させて球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為(以下「不正行為A」という。)が行われた場合、不正球Qが連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分を越えて発射レール544の発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に沿ってUターン状に回り込む。そうすると、操作線Lが、誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、第一片部7010と第二片部7020によるV字状の剪断部7000vに入り込んで最終的に切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして、球用開口である下皿球供給口211cからファール球となった不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為(以下「不正行為B」という。)が行われた場合にも、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分に存在する操作線Lが、後続の不正球Qの発射により引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に押し付けられ、上記と同様に操作線Lが剪断部7000vに入り込んで切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。なお、図39、図40は、不正行為Bが行われた場合を想定した説明図である。また、上述した不正行為Bに対しては、第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700等がファール球となる不正球Qに十分に効果を発揮できない可能性(例えば、ファール球となる程度の強さで不正球Qが発射されても操作線Lが第1の不正防止手段で無効化されない可能性)もあるため、本形態は、第1の不正防止手段による不正対策を補強する効果も有している。このため、不正行為Bを対象にする場合には、第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000、さらには後述する第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sを適宜併用することが好ましく、第1の操作線無効化部材700と、それとは別の第2の操作線無効化部材7000或は第3の操作線無効化部材7000H,7000Sを一台のパチンコ機1に一緒に設けるとよい。この場合、第1の操作線無効化部材700と第2の操作線無効化部材7000は、扉枠3側に一緒に且つ外部に露出しない状態に設けられているため目立ちにくく、従って球詰まり等のトラブルで扉枠3を開いても不正対策情報が漏れにくい。また、操作線無効化部材700,7000は、切れ味の低下等が防犯性能を左右するため、扉枠3と一緒に交換されるようにすれば防犯性能を維持することが容易である。
ところで上述した第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000は、剪断部700v,7000vによって操作線Lを切断して無効化するものであるが、操作線Lを挟止させる、つまり操作線Lを例えば二枚の金属板7011,7022間に挟み込んで柔軟な操作線Lを押し引き不能又は押し引き困難な状態にして操作線Lに繋がる不正球Qを容易に操作できないように無効化するようにしてもよい。
具体的には、例えば図41、図42に示したように操作線無効化部材7000を図41拡大図の斜線部で接合した二枚の金属板7011,7022で形成し、金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする。このような操作線無効化部材7000は、蓋部材152の内面に固着して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立者等の手に接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
かかる操作線無効化部材7000によれば、図42拡大図に示したように操作線Lが、不正球Qに引っ張られて連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分をUターン状に回り込むとき、同折り返し部分の誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、金属板7011と金属板7022の非接合部後半の挟止部7044によってピンセットのごとくに挟まれて挟止される。
これにより、上述した不正行為Aにより下皿球供給口211cから逆流した不正球Qが発射レール544の発射位置に到達すること、或は、不正行為Bにより意図的にファール球にした不正球Qが球用開口である下皿球供給口211cに到達することを抑制することが可能になると共に、仮にそこまで到達したとしても、操作線Lが操作線無効化部材7000に挟まれた状態にあるため、下皿球供給口211cから柔軟な操作線Lをいくら押し入れようとしてもそこで弛むのみであって結果的に操作線Lの繰り出し量が調整できない(遊技領域5aにぶら下がった不正球Qの高さが調整できない)ようになるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
なお、上述した形態では、二枚の金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする構成としたが、これに代えて、一枚の金属板を板面を重ねるように折り曲げて、折り曲がった一方の板面の先端部分をV字状に拡開させて導入案内部7033(誘導部)とし、両板面の挟幅部分を挟止部7044とする構成としてもよい。これにより、上述の不正抑止効果と同様の効果を奏しつつ、金属板の部品点数を減らすことによる組付作業効率を向上させることができる。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、図示しないが図42の第二の傾斜部150kbの隙間に両面テープを設置するか或は硬化しない性質の粘着剤を充填するなどして粘着部を形成し、そうして第二の傾斜部150kbに誘導された操作線Lがこの粘着部に接着されて動けなくなるようにしてもよい。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、二枚の金属板7011,7022からなる上記のものを、図43に示したようにコイルスプリングに変更し、このコイルスプリングを、誘導部150kの第二の傾斜部150kbの誘導方向と自己の中心軸線とが略直交するように設置して形成してもよい。かかるコイルスプリングの隣合うコイル同士の間に第二の傾斜部150kbで案内された操作線Lが嵌り込んで挟止される。
なお、コイルスプリングは、引張りコイルスプリングや捩りコイルスプリングのような無荷重時に隣合うコイル同士が当接している構造のものが、圧縮コイルスプリングのように圧縮状態にして設置する必要があるものに比べて設置作業上有利である。
また、コイルスプリングは、無荷重時の真っ直ぐな状態で設置してももちろんよいが、図43に示したように操作線Lの進入側のコイル同士が若干拡開する向きに湾曲させて設置する方が、操作線Lの進入が円滑になるため好ましい。このように、操作線無効化部材7000をコイルスプリングで形成した場合には、安価に製造できるため低コストにすることができる。
また、上述した操作線無効化部材7000に対し、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んでこのセル板で操作線無効化部材7000への誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作が考えられるが、これに対応すべく上述した形態では、ファール球の返却通路部1014の進路変更部分(本形態では下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、かかるセル板(異物)が入り込むスリット1015を形成している(図39参照)。これにより、球用開口(下皿球供給口211c)から異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作も抑止することができる。なお、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとする不正工作の対応としては、上述のスリット1015のようにセル板等の異物を取り込む取り込み口を形成するものに限らず、図39に二点鎖線で示したように、セル板等の異物を衝突させて誘導部150kまでの到達を阻害する突起状の障害部1016を設ける構成として、さらに高度な不正防止が達成できるようにしてもよい。
また、これまで説明した第1、第2の操作線無効化部材700,7000は、操作線Lの進入を待って無効化する静的構造になっているが、図49、図50、図51、図52、図53に示したように、不正球Qの存在によって操作線Lを積極的に無効化する動的な操作線無効化部材7000Dにしてもよい。
図49、図50、図51は、動的な操作線無効化部材7000Dの一つの具体例を示したものであり、その操作線無効化部材7000Dは、ファール球返却通路(返却通路部1014)の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する角部)に揺動可能に軸着されている。
つまり、操作線無効化部材7000Dは、図49において、水平な板状の球受部2645と、球受部2645の右端に垂直に突設した板状の無効化部2646と、球受部2645と無効化部2646が交わる角部に形成した軸孔2647と、無効化部2646の上縁から右側に突設された軸孔2647を中心とする弧状の球止部2648と、を有し、軸孔2647にファールカバーユニット150に植設された支持軸2649が回転自在に挿通されていて、図50(a)の球受け姿勢から反時計回りに約90゜回転した図50(b)のリリース姿勢に揺動し得る。また、操作線無効化部材7000Dには、球受部2645と無効化部2646の軸孔2647を挟んだ反対側にバランスウェイト2660が設けられており、バランスウェイト2660の付勢によって球受部2645に外力(具体的には遊技球1個分の荷重)が作用しない状態で図50(a)の球受け姿勢が保たれ、一方、球受部2645に遊技球1個分の荷重が作用したとき図50(b)のリリース姿勢に揺動するようになっている。
また、操作線無効化部材7000Dの無効化部2646の端縁は、軸孔2647を中心に旋回してファール球返却通路(返却通路部1014)を横切る交差辺部2651になっており、操作線無効化部材7000Dが図50(b)のリリース姿勢に揺動したとき交差辺部2651がファール球返却通路の受部2652に嵌まるようになっている。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、このファール球が図50(a)のようにファール球返却通路の連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。このファール球の荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図50(b)のリリース姿勢に変わる。そうすると、操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載っていたファール球が下流の貯留通路150eに放出されるため、このファール球から解放された操作線無効化部材7000Dがバランスウェイト2660の付勢により元の球受け姿勢に復動する。
なお、まれに複数のファール球が一度に発生する場合があるが、そうした場合でも先のファール球が操作線無効化部材7000Dで処理される間、後のファール球が図50(b)のように弧状の球止部2648で止められ、操作線無効化部材7000Dが復動してから続けて処理される。したがって、ファール球が複数個同時に発生しても、一個ずつ順番に支障なく処理することができる。
次に、動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上述した不正行為B(操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、その不正球を意図的に弱く発射することによりファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから取り出し、さらにその不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為)による不正球Qが流入した場合は、不正球Qが図51(a)のように連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。そしてこの不正球Qの荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図51(b)のリリース姿勢に変わる。このとき操作線無効化部材7000Dの無効化部2646も回動し、その端縁の交差辺部2651がファール球返却通路を横切って通路側の受部2652に嵌まるが、交差辺部2651がファール球返却通路を横切る際、そこを通る操作線Lも当然に横切るため、操作線Lが図51(b)のように交差辺部2651と受部2652の間に挟まって動けない状態(挟止)になる。そうすると、操作線Lに繋がっている不正球Qが落下不能になるため、操作線無効化部材7000Dの球受部2645が不正球Qから解放されずにリリース姿勢を継続することになる。もちろん操作線無効化部材7000Dは、球用開口たる下皿球供給口211cから手を入れても届かない位置にあるため、この位置に止まる不正球Qが外部から取り出されるおそれはない。
なお、交差辺部2651と受部2652の間で操作線Lを蛇行させるなどして操作線Lの逆進が困難になるようにしておけば、操作線無効化部材7000Dに捕捉された状態の不正球Qを打球供給口142a側に引き戻すことも困難になる。これにより、操作線無効化部材7000Dに残った不正球Qを証拠球として保存・回収することができる。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dは、不正球Qの自重を利用したものであるが、操作線無効化部材7000Dを図52に示したように電動駆動手段で作動させるようにしてもよい。
つまり図52の操作線無効化部材7000Dは、上述したバランスウェイト2660を設けた部分に電動駆動手段たるソレノイド2653のプランジャ2654を連結すると共に操作線無効化部材7000Dの無効化部2646に球検出器2655を設けてなり、球受部2645に遊技球が載ってそれが球検出器2655によって検出されるとソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが球受け姿勢からリリース姿勢に変化し、また、球受部2645から遊技球が放出されてそれが球検出器2655によって検出(遊技球有りから無しへの信号の変化)されるとソレノイド2653のプランジャ2654が下降して操作線無効化部材7000Dがリリース姿勢から球受け姿勢に復動するようになっている。
斯かる操作線無効化部材7000Dの球受部2645に正常なファール球が載った場合は、ファール球の発生と放出が球検出器2655の信号の変化によって検出され、それを受けてソレノイド2653が適宜作動するため、自重利用の操作線無効化部材7000Dと同様にファール球が一個ずつ処理される。
一方、操作線無効化部材7000Dの球受部2645に不正球Qが載った場合は、不正球Qが球検出器2655で検出されるため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが不正球Qを伴ってリリース姿勢に変化するものの、上述したように、操作線Lが無効化部2646の交差辺部2651と受部2652に挟止されて不正球Qが落下せず、球検出器2655から放出の信号が発せられないため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇位置に止まる。よって不正球Qが狙った球用開口から取り出せないため、不正を未然に防止することができる。
なお、上述した動的な操作線無効化部材7000Dは、無効化部2646の交差辺部2651及び/又は受部2652に切断刃を設けておくことにより、操作線Lを切断して無効化することができる。また、本形態の操作線無効化部材7000Dは、球受部2645が返却通路部104を塞いだ状態で球用開口側からの不正球Qの侵入を阻止する機能を有するため、後述する不正球逆進防止手段として利用することもできる。よって、より高い不正防止機能を発揮する。
また、動的な操作線無効化部材7000Dは、上述した構成以外にも、例えば無効化部を、直線的に進退して連絡通路150hを開閉するシャッター板構造に形成すると共にそのシャッター板の先端をファール球返却通路を横切る交差辺部となし、また、連絡通路150hの流路の途中であって交差辺部の可動領域より下流に球検出器を設置すると共に交差辺部の可動領域を通過した後の不正球Qをこの球検出器で検出して無効化部を作動させるようになし、そうして連絡通路150hを横切った交差辺部で操作線Lを挟止又は切断させるようにしてもよい。
また、上述した動的な操作線無効化部材7000Dは、球送給ユニット140の第1の操作線無効化部材700に適用することもできる。具体的には、球送給ユニット140に設けられている球送給ソレノイド145を操作線無効化部材7000Dのソレノイド2653に置き換え、球送給部材144を操作線無効化部材7000Dに置き換える。この場合、不正球Qが球送給ユニット140内に止まって球発射装置540へ供給されなくなるため、不正抑止効果を確実に高めることができる。
また、図53は、動的な操作線無効化部材7000Dであって、操作線Lを巻き取って無効化するものである。
つまり、この操作線無効化部材7000Dは、ファールカバーユニット150の連絡通路150h内にこの通路と直交する向きの回転軸2656を中心に回転し得るように取り付けられた角リング状の無効化部2646と、無効化部2646を回転させる電動駆動手段たるモーター2657と、無効化部2646の連絡通路150hを横切る横棒を交差辺部2651として交差辺部2651の可動(回転)領域より下流に設けられた球検出器2655と、からなり、球検出器2655でファール球が検出される度に無効化部2646を1回転させるようにしたものである。
斯かる操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、このファール球が連絡通路150hに入って無効化部2646を潜り抜け、そのファール球が球検出器2655で検出されることで無効化部2646が1回空回りするが、ファール球はそのまま流下して球用開口から外部に放出される。
一方、この操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上述した不正行為Bによる不正球Qが流入した場合は、不正球Qが無効化部2646を潜った時点で操作線Lも無効化部2646を通るため、不正球Qが球検出器2655で検出されて無効化部2646が1回転すると操作線Lが無効化部2646に巻き付く。したがって、不正球Qが連絡通路150h内に止まるため、不正者の手に渡るおそれがない。
なお、不正球Qを検出する球検出器2655は、不正球Qに付された操作線Lの張力を受けて変位するものでもよく、そうした場合は、不正球Qを確実に検出することができるため、上述した操作線Lを巻き取る操作線無効化部材7000Dの無駄な空回しをなくすることができる。
以上、動的な操作線無効化部材に関する説明には、次のような技術的思想が含まれる。
「遊技球で遊技を行う遊技領域と、
遊技球を発射する球発射装置と、
前記球発射装置の発射位置から前記遊技領域に連通する発射球通路を形成する発射通路部と、
前記発射球通路の途中に開設されたファール球落下口と機前の外部に遊技球を放出する球用開口とを結ぶファール球返却通路を形成する返却通路部と、
不正球に付された操作線の機前からの操作を防止し得る不正防止手段と、を備え、
前記不正防止手段は、前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化する操作線無効化部材であり、
該操作線無効化部材は、遊技球の前記ファール球返却通路を横切る交差辺部を備えると共に前記不正球が該交差辺部の可動領域を通過した後に該交差辺部を作動させて前記ファール球返却通路を横切らせるようになし、そうして前記交差辺部で前記ファール球返却通路を通る前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化するものであることを特徴とする遊技機。」
次に、上述したファール球落下口1013に設けられた第3の不正防止手段は、図10、図11、図39、図47、図48に示したように、発射レール544の端部(終端部)に設けられた操作線無効化部材7000Hと外レール1001の端部(具体的には樹脂製のレール基台1001x)に設けられた操作線無効化部材7000Sとからなる。
発射レール544の飛び出し側の端部に設けられた操作線無効化部材7000Hは、鋭利な切断刃であり、その刃先に作業者の手が直接触れないように金属製の三角プレートを櫛歯状に並べた安全カバー部1017でカバーしてなる。なお、切断刃は、この安全カバー部1017によって支持されている。
したがって、上述したように、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させ、球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為Aが行われた場合、不正球Qが発射レール544の端部に載って傾斜により転がって発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れて切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから不正球Qに繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為Bが行われた場合にも、不正球Qがファール球となって返却通路部1014を落下する過程で操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れるため、その段階で切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
一方、外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに設けられた操作線無効化部材7000Sは、図10、図39及び図47に示したように硬質樹脂製の線材をブラシ状に多数突設してなる。
かかる操作線無効化部材7000Sによれば、仮に不正球Qが遊技領域5aに到達して操作線Lにつながった状態でぶら下がり、その操作線Lの端を球用開口である下皿球供給口211cを介して不正者が掴んでいるとしても、遊技領域5aの不正球Qを上昇させるべく操作線Lを外部から引っ張ったとき、その張力により操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材同士の間に入り込むため、その後、不正球Qを下降させるべく操作線Lを操る手の力を緩めても、操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材群から受ける抵抗で滑りにくくなっているから緩めた手の動きが不正球Qに伝わらない。つまり遊技領域5aにある不正球Qが下げられないため、結果的に不正球Qを用いた不正行為を抑止することができる。
このように第3の不正防止手段は、不正行為A、Bの初期段階で発射レール544側の操作線無効化部材7000Hが効果を発揮し、また、仮にそれが破られたとしても外レール1001側の操作線無効化部材7000Sが効果を発揮するため、より高度な不正防止効果が得られる。
なお、操作線無効化部材7000H,7000Sの何れか一方を単独で使用することももちろん可能であり、また、操作線無効化部材7000Hと操作線無効化部材7000Sの具体的な無効化部材も両形態同士で入れ替えたり、同じ無効化部材を採用してもよい。
また、操作線無効化部材7000H,7000Sを本形態のように別部品化して発射レール544や外レール1001に取り付ける場合の他、例えば発射レール544を構成する金属板を適宜加工して操作線無効化部材7000Hを一体に形成したり、或は外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに線材を一体成形するか、またはレール基台1001xの角部に図8BのようにV溝状の挟止部7000Svを刻設し挟止部7000Svの溝奥に操作線Lを誘引して挟止するようにしてもよい。
更にまた、外レール1001の操作線無効化部材7000Sを、図48に示したように第2の操作線無効化部材7000と同じ構成、例えば図41、図42で説明した二枚の金属板7011,7022で形成し、外レール1001のレール基台1001xに第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbとからなる誘導部150kを設ける構成にしてもよい。
以上、不正球Qに取り付けられた操作線Lを無効化する第2の操作線無効化部材7000を返却通路部1014に設ける形態について、また、同じく第3の操作線無効化部材7000をファール球落下口1013に設ける形態について説明したが、もちろん本発明は上述の形態に限定されるものではない。
例えば、上述の形態では操作線無効化部材7000をファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分、つまり連絡通路150hの入口部分に設けたが、操作線無効化部材7000を連絡通路150hの出口部分(図39矢示z参照)に設けたり、図38(a)の球放出口150dの後面側に設けたり、ファール球落下口1013を構成する外レール1001の始端部と発射レール544の終端部のそれぞれに設ける等、操作線Lが返却通路部1014の一部に当接して屈曲する部位であって操作線Lが不正球Qの重量等と不正者による引張り力とによる張力を受けて真っ直ぐ張ろうとした場合に押圧力を受ける部位であることを条件として、返却通路部1014内のどの位置に設けるようにしてもよい。なお、本形態の操作線無効化部材7000の設置位置は、球用開口から遊技者が指先を挿入しても触れることができない位置としており、この位置が、遊技者の安全面及び操作線無効化部材7000自体に対する不正工作が困難になる防犯面を考慮すると好ましい。
また、本形態では操作線無効化部材7000を連絡通路150hの一方に片寄せて設けるようにしたが、図44(a),(b)のように通路幅一杯に操作線無効化部材7000として切断刃を配置するようにしてもよい。なお、図44(a),(b)では、ファール球受部150cの底壁150gの終端部分と連絡通路150hの始端部分を櫛歯状の安全カバー部1017にして切断刃の刃先が作業者に触れないようになっている。この場合の操作線無効化部材7000の切断刃は、周知の折れ刃構造又はチップ構造のものを使用し、これを上部通路壁150iの上面の鞘状ホルダー部1018に設置すると共にユニット本体151と蓋部材152のそれぞれに装填口1019と排出口1020を設け、そうして切断刃をところてん式に押し出して新旧交換し得るようにすれば、常にシャープな切れ味を持続させることができる。その他、図44(a),(b)において符合1021は、安全カバー部1017の谷部に切り込んだ操作線L用の挟止割線部であり、挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るようになっている。したがって、もし仮に切断刃の操作線無効化部材7000が操作線Lの切断に失敗したとしても、底壁150g等の挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るため、不正防止の確実性が向上する。
また、上述の形態ではファール球が下皿に返却される例を示したが、ファール球が上皿(下皿がない場合を含む)に返却される構造の遊技機もあり、こうした遊技機の場合、上皿球供給口(球用開口)から遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させる不正行為(上述した不正行為A、Bに類似する不正行為)が行われる虞がある。こうした遊技機の場合には、上皿球供給口から遊技領域5aに連通する空間に位置するファール返却通路の所定部位に、上述した実施例と同様に第2の不正防止手段を設けることが例示できる。
また、上述の形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150を扉枠3側に設けたが、ファールカバーユニット150は本体枠4側に設けてもよい。
また、上述の形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段を一つ設けるようにしたが、複数設けるようにしてもよい。例えば、返却通路部1014に上述した形態の折り返し部分のような屈曲部が複数形成される通路構成の場合、屈曲部の各々に(折り返し部分の各々に)、上述した形態のような第2の不正防止手段を設けるようにしてもよい。これにより、不正球Qを用いた不正行為の抑止効果を一層高めることが可能となる。
また、上述の形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段として金属板を設けるようにしたが、金属板でなく同様の構成の樹脂成型物を設けるものとしたり、あるいは、ファールカバーユニット150の成型そのものを特殊な形状として第2の不正防止手段として機能し得るようにしてもよい。例えば、前述した形態における第2の不正防止手段である金属板を設けず、代わりに、ファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に設けられるテーパ状の誘導部150kの最も幅が狭い部分(最狭部分)で操作線Lを捕獲し得るように、返却通路部1014を構成する樹脂成型部品にスリット状の捕獲部を形成するようにしておき、この誘導部150kの最狭部分である捕獲部で不正球Qに取り付けられた操作線Lが挟止される構成としてもよい。このような構成でも、上述した形態と同等の不正抑止効果を奏することができる。
また、上述の形態では不正球Qに取り付けられた操作線Lを操作線無効化部材7000によって切断又は挟止するようにしたが、上述した不正行為Aの対策に特化したものとして、図45,図46,図49では、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、球用開口からの不正球Qの侵入を阻止する(不正球Qの逆進・逆流を阻止する)不正球逆進防止手段を設けることによって、不正球Qによる不正を防止するようにしている。
具体的には、図45のように、返却通路部1014の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、例えば不正球Qを押し込むセル板(異物)のような専用工具だけでなく、不正球Qそのものを別通路に誘引して動きを封じるための誘引部1022を設けることが例示できる(第1の不正球逆進防止手段)。これにより、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。加えて、誘引部1022の入口部分に、逆流した不正球Qの誘引部1022への侵入方向にのみ揺動可能な捕獲弁(誘引部1022への侵入を許容し、且つ、誘引部1022からの離脱を不能とする片開き式の弁、図示省略)を設けるようにしてもよく、これにより不正球Qを使用した痕跡、不正行為を行った証拠を残すことができる。
また、図46のように、返却通路部1014の所定部位に遊技球の流下方向にのみ揺動可能な逆止弁1023を設けて、不正球Qの逆進(逆流)を阻止することが例示できる(第2の不正球逆進防止手段)。このような構成によっても、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。なお、図49の操作線無効化部材7000Dも一種の逆止弁であり、逆止弁1023と同様な効果を発揮する。
また、上述した静的な操作線無効化部材と動的な操作線無効化部材は、両方を兼ね備えるようにしてももちろんよい。
また、上述の形態では第1の操作線無効化部材700とは別の操作線無効化部材を返却通路部1014に設けるようにしたが、かかる操作線無効化部材を例えばファール球落下口1013と発射位置との間或はファール球落下口1013と内レール1002の上端との間に設けるようにしてもよい。
また、上述の形態では遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図30及び図31等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図116を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とにそれぞれ取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図116を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、それぞれ回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上述した手順と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。したがって、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図30及び図31等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。したがって、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図54等を参照して詳細に説明する。図54(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102(図30、図32〜図34参照)に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルキャップ185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転始端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視における左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から内向きに窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。したがって、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内にそれぞれ突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計回りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計回りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルキャップ185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルキャップ185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルキャップ185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルキャップ185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さ、つまり遊技者が入力した強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打ち込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ大きく回転させて、遊技球Bを強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図55〜図58を参照して詳細に説明する。図55は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図56は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図57は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図58は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。ここまでの説明で明らかなように、皿ユニット200の上皿201と演出操作ユニット300等が、扉枠3の前面下半部の左右方向の中間領域に遊技者側に向けて突設された前方膨出構造物を構成する。
[3−5−1.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図55〜図58等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図62を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(大地アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5−2.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図55〜図58等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5−3.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図59〜図62を参照して詳細に説明する。図59は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図60は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図61は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図62は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5−3a.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図61及び図62を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5−3b.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図61及び図62等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5−3c.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図61及び図62を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5−3d.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5−3e.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図55〜図62等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5−3f.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図61及び図62等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。したがって、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
したがって、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5−4.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。図63は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図64は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図65は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図66は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5−4a.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5−4b.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、それぞれの前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5−4c.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5−4d.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273は、皿左上装飾体271に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278は、皿右上装飾体276に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−4e.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275にそれぞれ沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283は、皿左下装飾体281に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288は、皿右下装飾体286に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−5.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図67〜図70等を参照して詳細に説明する。図67は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図68(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図69は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図70は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5−5a.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端とそれぞれ連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端とそれぞれ連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、それぞれの全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5−5b.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5−5c.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図71及び図72等を参照して詳細に説明する。図71(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図72(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、それぞれ透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5−5d.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図73〜図75等を参照して詳細に説明する。図73(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図74は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図75は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。したがって、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。したがって、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5−5e.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。したがって、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5−5f.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図69及び図70等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される前装飾基板352aと、後側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面のそれぞれに、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。したがって、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5−5g.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声、効果音、音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。このとき、遊技者は、演出操作ユニット300が震えたかのような感触を得ることとなる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提供することができる。
振動スピーカ354は音情報を与えて、演出操作部301を振動させることを目的としており、共振により振動が得られるように音情報を与えることとなる。ここで、共振させるにあたっては、遊技機に取り付けられる振動スピーカ354の特性、振動スピーカを取り付ける部材の材質、硬さ、取り付け方法に左右されるため、特定の周波数のみの音情報を入力するようにした場合には、特性のバラツキによって共振せずに振動が得られない場合がある。本実施形態では、これらの特性のバラツキを吸収すべく、入力する音情報の周波数を単一の周波数とはせずに、幅を持たせた周波数として入力している。具体的には、40Hz±2Hzの正弦波、38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期、およそ1秒間に8回変化(スイープ)させている。これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後再び入力することを繰り返し行っている。
なお、遊技機の組み立て作業において、出荷時における振動スピーカの検査(動作確認)については、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに設けられるRAMクリアスイッチが操作されることに基づいて行うようになっている。具体的には、検査員が遊技機の電源投入時に所定期間内にRAMクリアスイッチを操作すると(又は、検査員がRAMクリアスイッチを操作した状態で遊技機の電源を投入すると)、主制御基板1310XがRAMをクリアして初期化する旨のコマンドを後述する周辺制御ユニット1500の周辺制御基板へ送信(出力)する。周辺制御基板は、このコマンドを受信すると、振動スピーカの検査(動作確認)を行う振動スピーカ動作確認処理を行う。検査員は、この振動スピーカ動作確認処理により、振動スピーカ354による音声や音楽等のサウンド(音)を確認することができるほかに、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動を確認することもできる。
[3−5−5h.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図76〜図78等を参照して詳細に説明する。図76は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図77は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図78(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362がそれぞれ挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置にそれぞれ取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362がそれぞれ摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図78を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図78(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
したがって、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図79等を参照)。
この状態(図78(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図81(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図78において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図78(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図81(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図78(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5−5i.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5−5j.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図79〜図81等を参照して詳細に説明する。図79は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図80は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図81(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。したがって、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図79等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。したがって、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図80に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図81(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図81(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図81(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図81(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。したがって、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。したがって、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図82〜図84を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図85〜図87を参照して詳細に説明する。図85(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図86は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図87は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部にそれぞれ挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、サイド窓内装飾部材412に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bのそれぞれの後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、扉枠右サイド装飾体419に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。したがって、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図88〜図90等を参照して詳細に説明する。図88(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図89は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図90は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部の配置領域420に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463にそれぞれ取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bのそれぞれの外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aのそれぞれの左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、それぞれ左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図91A等を参照して詳細に説明する。図91Aは、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。したがって、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。したがって、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[3−10.扉枠の装飾の大型化対策]
近年のパチンコ機1は、遊技の興趣を増大させるため、扉枠3の前面の装飾である扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、扉枠トップユニット450が大型化しており、遊技者側に向けて迫り出す突出量が増えている。これにより従業員が営業時間中に扉枠3を開閉するとき、従業員自身や遊技者が扉枠トップユニット450等に接触するおそれがあった。また、隣接するパチンコ機1や台間球貸機との干渉を防止する必要があるため、扉枠3の開き角度が大きく制約されるおそれもある。
かかる課題に対応可能なパチンコ機1の実施形態について、図91B〜図91Gによって説明する。
これまでの説明から明らかなように実施形態のパチンコ機1は、前面側を構成し遊技領域5aを視認可能とするための扉窓101aを有する開閉可能な扉枠3と、閉状態にある扉枠3の所定部位の前側に位置し且つ扉窓101aよりも前方に突出するように配置される前面装飾部たる扉枠左サイドユニット400と扉枠右サイドユニット410と扉枠トップユニット450と、を備えている。なお、実施形態では、これら三ユニットの中から扉枠トップユニット450に前記課題を解消するための手段を施したものであり、よって扉枠トップユニット450を前面装飾部450として説明する。もちろん、これ以降の前面装飾部450に関する説明は、扉枠左サイドユニット400や扉枠右サイドユニット410にも適用可能である。
[3−10−1.前面装飾部]
前記前面装飾部450は、扉枠3の前面であって扉窓101aの上部に形成された配置領域420に回動自在且つ着脱自在に設けられており、図91Eに示した三方施錠ユニット6500で、図91C実線のように配置領域420にロックされた遊技可能状態と、図91D実線のように配置領域420から外れたメンテナンス状態とに切り替え得る。
[3−10−1−1.配置領域]
前記配置領域420は、扉枠ベース101の上部を前方に向けて膨出させた形態の扉側配置部421の前面と、該扉側配置部421の上端面にほぼ当接するように本体枠4の上部前面に桟状に突設された本体側配置部422の前面と、により形成されている。
なお、扉側配置部421は扉枠3と一体であり、一方、本体側配置部422は本体枠4と一体であるため、扉枠3の本体枠4から独立した開閉に支障がないよう、扉側配置部421の上端面と本体側配置部422の下端面とが向かい合う対向箇所には適宜な隙間(クリアランス)が設けられている。したがって、その隙間から異物挿入による不正行為が行われる可能性があるため、扉側配置部421と本体側配置部422の端面同士の対向箇所には、例えば互いの噛合片423と噛合溝424を入り組ませることにより前記隙間を蛇行させ、そうして異物の通過を困難にする、というような異物挿入防止部425が形成されている。
また、前記配置領域420には、図88(c)において扉枠トップユニット450に設けられていたトップ中央スピーカ462が、扉枠3側の基準演出部(前面装飾部450のデザインや機構に左右されず、全ての演出に共通使用可能な基準要素)として本体側配置部422の前面側に設けられており、したがって実施形態の前面装飾部450の後面には、図示しないが前記トップ中央スピーカ462(基準演出部)に対応する位置に該トップ中央スピーカ462が収まり得る収容空間が形成されている。
こうすることにより、前面装飾部450を仕様変更等により変更しても基準演出部はそのまま使い回しできるため、前面装飾部450を交換するコストや演出制御の変更コストが抑制できる。
[3−10−1−2.装飾部ヒンジ具]
前面装飾部450は、自己の後側上部に回動自在に軸着してなる装飾ヒンジ具450aを介して配置領域420に、具体的には本体側配置部422に回動自在且つ着脱自在に取り付けられている。
すなわち、装飾ヒンジ具450aは、図91Bの拡大図に示したように、平面視T字状の樹脂又は金属製の連結部材であって、前面装飾部450の内部に横設したヒンジ軸450bを自己の軸孔450cに通して該前面装飾部450に回動可能に軸着される軸受け片450dと、その軸受け片450dの後端から該軸受け片450dと直交する方向に設けられた取付け片450eと、からなる。
一方、配置領域420の本体側配置部422には、装飾ヒンジ具450aの取付け片450eの全部と軸受け片450dの基部が上方から抜き差し可能な形状のT溝422tが形成されており、このT溝422tに装飾ヒンジ具450aが抜き差し可能な状態に装着されている。
[3−10−1−3.係止部]
また、装飾ヒンジ具450aは、T溝422tに装着された状態で、着脱操作にドライバー等の工具を必要としない工具レスの係止部426によって係止されている。工具レスの係止部426としては、手回し用の摘みを頭部に設けたネジ(図91B参照)、図示しないがレバーを上又は下に動かすワンタッチ操作で着脱可能な周知のパチン錠や、レバーの回転で着脱可能な周知のクレセント錠、などがある。
係止部426は、一つの前面装飾部450に対して複数個(実施形態では2個)を適宜な間隔を置いて設けた方が安定性に優れるが、その場合、図91Bに示したように同一種類のもので統一してもよいし、或は係止構造の異なる複数種を混在させるようにしてもよい。好ましくは、一つの前面装飾部450に対して係止構造の異なる複数種類を混在させるとよく、例えば手回し用の摘みを頭部に設けたネジと、パチン錠やクレセント錠とを混在させれば、固定の確実性と、着脱操作の容易性という夫々の特徴を活かしつつ他方の欠点を補うことができる。
そしてさらに、一つの前面装飾部450に対して係止構造の異なる複数種類を混在させた場合には、着脱時の種類別(係止構造別)の操作順位、例えば作業性に優れた係止構造は、ワンタッチ操作によりクランプが一気に外れて前面装飾部450の落下防止措置(一時的に手で押さえる等)が講じにくいため先に外し、確実性に優れた係止構造は例えばネジを回しながら前面装飾部450の落下防止措置(一時的に手で押さえる等)を講じる時間的余裕があるため最後に外す、という種類別の操作順位を、例えばパチン錠のレバーに目印部(図示せず)を形成して作業者に認識させるとよい。この目印部としては、例えば赤などの膨張色で前記レバーを塗るか或は赤などのシールを貼る、等して強く注意を惹く手段が挙げられる。
なお、実施形態の係止部426は、好ましい例として工具レスのものを使用したがこれに限定されるものではなく、ドライバー等の工具を用いて係止する係止部426を使用することももちろん可能である。
[3−10−1−4.三方施錠ユニット]
図91Eに示した三方施錠ユニット6500は、後述する[4−10.施錠ユニット]と図117に記載した施錠ユニット650の一部を改変して三要素の組合せ、すなわち扉枠3と前面装飾部450、本体枠4と扉枠3、外枠2と本体枠4の組合せについて、それぞれの施錠と解錠を担うようにしたものである。
この三方施錠ユニット6500は、本体枠ベース501の後面側方に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出して前面装飾部450と係合可能な装飾部用鉤6520と、ユニットベース651から前方へ突出して扉枠3と係合可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出して外枠2と係合可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出して回転方向によって装飾部用鉤6520又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、ユニットベース651から前方へ突出して例えば操作ロッド427aの手動操作によって扉枠用鉤652を上下方向へ移動させる工具レスの開操作部427と、を備えている。
また、三方施錠ユニット6500は、装飾部用鉤6520を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
三方施錠ユニット6500は、本体枠4の後面側方に組み付けた状態で、開操作部427の操作ロッド427a、装飾部用鉤6520、扉枠用鉤652、伝達シリンダ654及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
三方施錠ユニット6500は、装飾部用鉤6520が前面装飾部450の後面に設けた鉤掛部材(図示せず)に係止され、扉枠用鉤652が扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
[3−10−1−5.その他の要素]
その他、図91B〜Eにおいて符合428は、前面装飾部450を前方に押す方向に付勢すべく前面装飾部450と配置領域420の間に設けられた付勢手段(具体的には、前面装飾部450の後面に取り付けたリーフスプリングであるが、このようなリーフスプリングやコイルスプリングを配置領域420側に取り付けてもよい。)であり、ロックが解けた前面装飾部450を、少なくとも装飾部用鉤部6520に再ロックされない位置まで回動させるようにしたものである。
また、符合429は、前面装飾部450の電気系統と遊技盤5の電気系統を直結させるためのドロワコネクタである。このドロワコネクタ429は、差込み側429Aを受け側429Bに差し込む周知のものであって、実施形態では差込み側429Aが前面装飾部450の後面に取り付けられ、受け側429Bが遊技盤5の上方であって遊技領域5aの外側に取り付けられている。もちろんこれとは逆に、ドロワコネクタ429の差込み側429Aを遊技盤5の遊技領域5a外に設け、受け側429Bを前面装飾部450の後面に設けてもよい。ドロワコネクタ429は横長の形状であり、その長手辺と前面装飾部450のヒンジ軸450bの軸線とが平行に揃えられている。前面装飾部450と遊技盤5の間には扉枠3(扉側配置部421)が介在しているため、そこにはドロワコネクタ429を通すためのコネクタ用貫通孔が設けられている。なお、ドロワコネクタ429の差込み側429A又は受け側429Bを扉枠3(扉側配置部421)に設けて、前面装飾部450と扉枠3を電気的に直結させるようにしてもよい。
また、符合430は前面装飾部450が遊技可能状態にあることを検知するための検知手段である。この検知手段430は、前面装飾部450が遊技可能状態からメンテナンス状態に変化するとき、その変化を前記ドロワコネクタ429が外れる前に検知し、その逆にメンテナンス状態から遊技可能状態に変化するとき、その変化をドロワコネクタ429が結合された後に検知し得る位置或は構造に設定するのがよい。そうすることにより、ドロワコネクタ429の抜き差しによる電気的な変化から各制御部を保護する手段が講じやすい。
また、符合4681は、後述する前面トップユニット4500の揺動可能な前面トップ天板4680と同じ構造の可動トップ天板であり、該可動トップ天板4681の閉姿勢と起立姿勢が周辺制御基板1510との連係により、遊技の進行に応じて或は遊技の進行とは別に定められた所定のタイミング(例えば皿ユニット200の適所に召還ボタンを設けて、その召還ボタンにより起立姿勢から閉姿勢に強制的に戻すことができるようにする。)で適宜切り替え得るようになっている。これにより前面装飾部450に可動トップ天板4681のような可動装飾部が組み込まれていて、その可動装飾部が作動中でも、召還ボタンを使って前面装飾部450を安全にメンテナンス状態に変化させることができる。
[3−10−2.大型化対策の作用・効果]
図91B〜Eのパチンコ機1は、以上のように構成されており、通常の遊技状態では、本体枠4が三方施錠ユニット6500の外枠用鉤653で外枠2に施錠され、扉枠3が三方施錠ユニット6500の扉枠用鉤652で本体枠4に施錠され、前面装飾部450が三方施錠ユニット6500の装飾部用鉤6520で扉枠3に施錠されている。なお、前面装飾部450が装飾部用鉤6520でロックされている状態は、配置領域420の前側にロックされた遊技可能状態として前記検知手段430で検知され、その検知信号が主制御部1310に送信されて制御上遊技が可能になる。
次ぎに、球詰まり等のトラブルなどに対処するために扉枠3を開いて遊技領域5aを開放する場合は、まず、シリンダ錠130の鍵穴132に鍵を差し込んでこれを正面視反時計回りの方向へ回転させる。これにより伝達シリンダ654を介して装飾部用鉤6520が上方へ移動し、配置領域420の前側にあって遊技可能状態にロックされている前面装飾部450が解錠され、それと同時に付勢手段428の付勢により前面装飾部450が僅かに回動する。この前面装飾部450の僅かな回動が検知手段430で検知され(検知手段430がOFF状態になり)、その検知信号(OFF信号)を受けることにより前面装飾部450が遊技可能状態にないものと判断され、主制御部1310や周辺制御部1511で必要な処理(例えば、ドロワコネクタ429の結合が外れる前に回路を保護するプログラムを実行し、或は不正行為に対する警戒プログラムを実行して、トップ中央スピーカ462などから適宜な音量で、扉枠3が開いている旨をフライング的にアピールする。)を実行する。具体的には、前面装飾部450の僅かな回動が検知手段430で検知されて検知手段430がOFF状態になるか、ドロワコネクタ429の結合が外れるか(検知手段430を設けない場合を含めて検知手段430による検知を条件に組み込まない)、或は検知手段430がOFF状態になり且つドロワコネクタ429の結合が外れると、その信号を受けて警戒プログラムとして、トップ中央スピーカ462などから「扉が開かれそうです」という事前警告用のメッセージ報知(扉枠3が実際に開放されたときに出力される「扉が開いています」のメッセージ報知とは異なる報知)を所定時間(20秒)に亘って出力するとともに各種のランプを事前警告用の態様で発光させる処理が開始される。事前警告用のメッセージ報知は、所定時間(20秒)の経過後に終了するが、事前警告用のランプ発光は、検知手段430がON状態になるまで(前面装飾部450が正常に接続されるまで)継続される。このように不正行為に対する警戒プログラムとして、前面装飾部450が遊技可能状態から外れる(検知手段430がOFF状態になる)と直ちに、或はドロワコネクタ429の結合が外れると直ちに、或は検知手段430がOFF状態になる条件とドロワコネクタ429の結合が外れた条件が重なると直ちに、扉枠3に関するメッセージ報知をフライング的(実際には扉枠3が開いていないとき)に開始すれば、その後に実際に扉枠3が開かれた場合に蒙るであろう実害を未然に防止することができる。
なお、上述では、事前警告用のメッセージ報知と、扉枠3が実際に開放されたときに出力されるメッセージ報知とを異なる内容の報知としたが、これに限らず、事前警告用のメッセージ報知と、扉枠3が実際に開放されたときに出力されるメッセージ報知を同じ内容の報知としてもよい。例えば、ドロワコネクタ429の結合が外れて前面装飾部450の僅かな回動が検知手段430で検知されて検知手段430がOFF状態になり、その検知信号(OFF信号)を受けたとき、扉枠3が実際に開放されたときに所定時間(たとえば20秒)出力される「扉が開放されています」という内容のメッセージ報知と、扉枠3が実際に開放されたときの態様で各種のランプを発光させる扉開放時の処理を先行して開始することとし、さらに、その後に扉枠3が実際に開放された場合には、その扉開放時の処理と同じ処理を新たに開始するようにしてもよい。このような形態によれば、検知手段430がOFF状態になり、所定時間が経過した後に扉枠3が実際に開放された場合には、扉開放時の処理が2度行われることとなり、所定時間で終了するメッセージ報知を複数回開始して扉枠3の開放に関する外部への報知を十分なものとすることができる。また、検知手段430がOFF状態になり、所定時間が経過する前に扉枠3が実際に開放された場合にも、扉開放時の処理が上書きされて延長するかたちで行われることとなり、所定時間で終了するメッセージ報知を延長して扉枠3の開放に関する外部への報知を十分なものとすることができる。
次ぎに、この状態で前面装飾部450を、装飾ヒンジ具450のヒンジ軸450bを中心に跳ね上げ方向に手動で回動させ、図91Eのように配置領域420の前側に位置しないメンテナンス状態に変化させる。具体的には前面装飾部450を扉枠3の開閉軌道と重ならない位置で待機させる。
なお、このメンテナンス状態は、図示しない係脱自在なストッパー等により手による支えが無くとも維持されるようになっている。また、このメンテナンス状態では、遊技可能状態で隠れていた前面装飾部450の底面と後面が外部に露呈するため、前面装飾部450の不具合や修理が行い易い。
また、前面装飾部450のメンテナンス状態への変化は、扉枠3の開閉とは異なる方向への動きによるものであって目立つため、前面装飾部450がメンテナンス状態であることが遠くにいる従業員からでも判り易い。したがって前面装飾部450をメンテナンス状態にしてから実行する手口の不正行為の発見が容易であり、さらにそのことが不正の抑止力にもなる。
前面装飾部450をメンテナンス状態に変化させると、図91Dに示したように三方施錠ユニット6500の開操作部427の操作ロッド427aが外部に露呈する。そして、この操作ロッド427aをコイルスプリング427bの付勢に抗して手で押し込むと、その操作ロッド427aの押し込み方向の直線運動がシリンダ427d内の図示しない螺旋機構で回転運動に変換され、さらにその回転運動が扉枠用鉤652を引き上げる直線運動に変換されて扉枠用鉤652による扉枠3の施錠が解除される。
そうすると図91D想像線のようにメンテナンス状態にある前面装飾部450の下を潜らせるようにして扉枠3を開くことができる。
このように実施形態のパチンコ機1は、メンテナンス状態の前面装飾部450が、扉枠3の開閉軌道と重ならない位置で待機し、つまり扉枠3の開閉と切り離されているため、扉枠3を開閉させても前面装飾部450が人と接触するおそれが殆どなく、また、扉枠3の開閉も隣接するパチンコ機等との干渉のおそれも殆どない。
そしてもし、扉枠3を開状態にして不正行為を行おうとする場合、その前提として前面装飾部450の前記した解除操作が必須であるため、不正が行われ難く且つ不正工作に時間が掛かるため発見も容易になる。
また、扉枠3の開操作に工具が要らないため作業性がよく、しかも従業員等は鍵や工具の大きな束を持ち歩く煩わしさもない。
なお、実施形態では前面装飾部450を本体枠4の本体側配置部422に設けたが、前面装飾部450を扉枠3の扉側配置部421に設けることも可能であり、そうした場合には前面装飾部450が扉枠3と一緒に動くものの、前面装飾部450の前方への突出量が、遊技可能状態で大きく、メンテナンス状態で小さく変化するようなデザインにしておけば、人への接触リスクを低減させることは十分可能であり、また、隣接するパチンコ機や台間球貸機等との干渉も回避することができる。
また、装飾ヒンジ具450aを外枠2に取り付けることにより、前面装飾部450を外枠2に支持させることも可能であり、そうした場合には、メンテナンス状態の前面装飾部450を扉枠3の開閉はもちろん、本体枠4の開閉からも切り離すことができるため、さらに人への接触リスクを低減させ、或は隣接するパチンコ機や台間球貸機等との干渉を回避することができる。
次ぎに、球詰まり等のトラブルを解消するなど必要な作業を終えて扉枠3を閉じると、扉枠用鉤652が自動的に施錠状態になって扉枠3が施錠され、その状態で前面装飾部450をメンテナンス状態から遊技可能状態に戻すと、まずドロワコネクタ429が接続され、そこからさらに付勢手段428(リーフスプリング)の付勢に抗して前面装飾部450を配置領域420にしっかり押し込むと、装飾部用鉤6520が自動的に施錠状態になって前面装飾部450が遊技可能状態にロックされ、その遊技可能状態が検知手段430により検知されて主制御部1310による前記した警戒プログラム等の実行を終了し、遊技が可能な状態に戻る。
なお、上記した前面装飾部450は、回動中心が装飾ヒンジ具450aのヒンジ軸450bに固定されていたが、もしメンテナンス状態に変化した前面装飾部450が、島設備の幕板側のデータ表示体(パチンコ機1上方の幕板に設けられた遊技の進行状況(大当り遊技の発生回数など)を示す表示装置。)等に干渉するおそれがある場合は、図91F、Gのように装飾ヒンジ具450aのヒンジ軸450bを通す軸孔450cを長孔状にして、前面装飾部450の回動中心を遊技者側に変化させ得るようにしてもよい。また、前面装飾部450は、装飾ヒンジ具450aのヒンジ軸450bを中心に回動させる場合の他、本体枠4や外枠2からガイドアームを突設してそのガイドアームに沿わせるようにしてもよい。
[3−11.扉枠の装飾の着脱構造]
実施形態のパチンコ機1は、上記のように、前面装飾部450が、配置領域420に対して装飾ヒンジ具450aを介して着脱自在に形成され且つ該装飾ヒンジ具450aがドライバー等の工具を必要としない工具レスの複数の係止部426によって係止されている。
したがって、例えば前面装飾部450に不具合が発生したとしても、まず前面装飾部450を上記の要領で図91Dのようにメンテナンス状態に変化させ、その状態で装飾ヒンジ具450aを止めている係止部426を手回し操作で外し、そうして図91C想像線のように前面装飾部450を装飾ヒンジ具450aごと引き上げて配置領域420から取り外し、その場で代替品に交換したのち、逆の順序で前面装飾部450を遊技可能状態に戻すことで遊技を再開させることができる。もちろん、前面装飾部450を新機種に対応した別モデルに変更することも容易且つ迅速に行える。
一方、前面装飾部450を係止している工具レスの係止部426は、例えば前面装飾部450の鍵による解除操作を前提として着脱操作が行えるようになっているため、たとえ係止部426が工具レスであっても遊技場の従業員などの特定の者以外の者によって取り外されるおそれは殆どない。
ところで、上記の一連の作業は、パチンコ機1の電源をOFFにして行うが、もし前面装飾部450の係止部426による係止が不十分である場合、前記ドロワコネクタ429が結合不良になるか或は検知手段430がON状態に切り替わらない可能性が高いため、パチンコ機1の電源をONにしたとき、検知手段430が設けられていない場合を含めてドロワコネクタ429単独の結合不良の信号、ドロワコネクタ429が設けられていない場合を含めて検知手段430単独のOFF状態の信号、ドロワコネクタ429の結合不良の信号と検知手段430のOFF状態の信号の双方の信号、の何れかの検出により係止部426の係止不良と判断し、例えば「前面装飾部の取り付けが十分ではありません」のような報知をトップ中央スピーカ462などで行うとよい。もちろんドロワコネクタ429の信号や検知手段430の信号を利用せず、係止部426の係止を検知する専用のセンサーを設けて同様の報知をするようにしてもよい。
なお、実施形態では、前面装飾部450の鍵による解除操作によって、係止部426の着脱操作が可能な状態に変化させるようにしたが、扉枠3の後面に係止部426の操作部を設けて、扉枠3の解除操作(この場合、前面装飾部450は、扉枠3に固定されていてもよく、後述する[4−10.施錠ユニット]と図117に記載した施錠ユニット650を使用してもよい。)によって係止部426の着脱操作を行い得るようにしてもよい。
[3−12.特許請求の範囲と実施形態の関係]
以上のように図91B〜図91Gで説明したパチンコ機1は、特許請求の範囲の請求項に記載された発明又は[課題を解決するための手段]の各解決手段に記載された発明の実施形態に相当する。この場合、特許請求の範囲等の「開閉部」が実施形態の「扉枠3」に相当し、同様に「所定部位」が「配置領域420」に相当し、「窓部」が「扉窓101a」に相当する。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図92〜図98を参照して詳細に説明する。図92はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図93はパチンコ機における本体枠の背面図である。図94は本体枠を右前から見た斜視図であり、図95は本体枠を左前から見た斜視図であり、図96は本体枠を後ろから見た斜視図である。図97は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる金属製の本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びている1条の誘導通路を有するタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図92〜図100等を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図100は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fの下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチ4aが取り付けられている。扉枠開放スイッチ4aは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチ4aからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310Xへ入力されている。また、本体枠ベース501は、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方のベース本体501aの後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bが取り付けられている。本体枠開放スイッチ4bは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310Xへ入力されている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺においてそれぞれ前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図100等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図100(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図100(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図101等を参照して詳細に説明する。図101(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端の発射位置に供給されるようになっており、発射レール544の発射位置に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544と遊技盤5の外レール1001及び内レール1002よりなる発射通路部1012の発射球通路(図39参照)を通って遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、発射した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、図39に示したように、発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013から返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150のファール球受部150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って球用開口たる下皿球供給口211cから下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図102等を参照して詳細に説明する。図102(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、透明な合成樹脂によって成型され、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。なお、背板上部551dの後面には、その下辺から所定長さ離間した部位に後方へ向かって突出する庇部551daが左右方向に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、非導電性の透明な合成樹脂によって成型され、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口することにより1条の誘導通路が形成されている。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における1条の誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。なお、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図111を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な赤色に成型されており、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。この複数屈曲した階段状に形成される部分のうち、一部の領域が、外部端子板558と枠アース基板559とを取付ける基板収容部551aaとして形成されている。外部端子板558の上側は、透明な合成樹脂によって成型される端子カバー551kにより覆われている。外部端子板558は、その実装面と複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))とが露出するように、払出ベース551を正面から見て、その実装面を払出ベース551の後方へ向けて垂直となるように基板収容部551aaに取付けられている。これに対して、枠アース基板559は、複数のアース端子(本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5という5個のアース端子を備えている。)が実装される実装面を下方へ向けて水平となるように、払出ベース551を正面から見て、外部端子板558の前方に配置して基板収容部551aaに取付けられて端子カバー551kにより覆われている。このため、枠アース基板559は、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容された状態となっている。端子カバー551kが透明な合成樹脂によって成型されているため、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容される枠アース基板559を端子カバー551kの外部から視認することができるようになっている。
なお、アース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2〜ECN4の高さは、13.4mm(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる。)であるのに対して、アース端子ECN1,ECN5の高さは、7mm(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる。)である。基板収容部551aaの内部に枠アース基板559が収容されて取付けられると共に、基板収容部551aaの後面に外部端子板558が取付けられる状態においては、パチンコ機1を背面から見ると、枠アース基板559が外部端子板558の存在により隠れて視認困難となるものの、枠アース基板559のアース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2,ECN4のみ、外部端子板558の下辺より飛び出した状態となり、パチンコ機1の背面から視認することができるようになっている(例えば、図93を参照)。アース端子ECN3は、その高さが上述したように13.4mmであり高いものの、パチンコ機1を背面から見ると、球整流部材556の存在により隠れて視認し難くなっている。アース端子ECN1,ECN5は、その高さが上述したように7mmであり低く、外部端子板558の下辺より飛び出すことができず、パチンコ機1を背面から見ると、外部端子板558の存在により隠れて視認困難となっている。枠アース基板559についての詳細な説明を後述する。
外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(大地アース)するためのものである。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。図103(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図104(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553の1条の誘導通路により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570の1条の誘導通路570aから供給された遊技球Bが流通可能な1条の払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している1条の球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7−1.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図111を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。したがって、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7−2.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図103〜図108等を参照して詳細に説明する。図105は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図106(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。図107は払出羽根の回転位置を説明するための払出装置の背面図である。図108は球詰まり及び球抜け防止を説明するための払出装置の背面図である。なお、図107は、払出羽根の回転位置を説明するために、払出装置の背面から視認できない払出ギア部材や各種ギアの一部を視認可能に記載していると共に、説明の対象となっている払出羽根589の球収容部589bの底部分に小さな丸印を付している。ここでは、まず払出装置580の構成について説明し、続いて払出羽根の回転位置、球詰まり防止及び球抜け防止について説明する。
[4−7−2a.払出装置の構成]
払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。なお、払出装置本体581、及び払出装置前蓋583は、ポリカーボネートの樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。払出装置後蓋582は、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。このため、払出装置580の払出通路580a及び払出通路580aを流下する遊技球Bを、透明な払出装置後蓋582を通して、払出装置580の背面側から視認することができる。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585(歯数Z0:9)と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586(歯数Z1:20)と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587(歯数Z2:20)と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a(歯数Z3:24)及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。払出モータ584は、払出制御基板633により制御されてステップ駆動される。払出モータ584は、ステップ駆動されると、これに応じて予め定めた角度(本実施形態では、18度)で回転軸をステップ回転する。つまり、払出モータ584は、1ステップ回転でその回転軸を18度回転する。羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御基板633に入力されている。なお、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。払出羽根589は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。なお、球抜可動片592は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されている。球抜レバー593は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な赤色に成型されている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図105に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。払出検知センサ591には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。この分岐する部位には、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かってリブ状に球詰まり防止部581rが突設され、球詰まり防止部581rの上面と払出通路580aを形成する通路内壁面とが同一平面状に形成されて背面視右下り傾斜面となっている。この球詰まり防止部581rについての詳細な説明を後述する。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するようにそれぞれから後方及び前方へ突出していると共に、それぞれが払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している円弧状を有する平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、その回転軸から同心円状に外方へ平板状に延出している円弧状を有する複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えており、円柱形状の外周部分に円弧で窪んだ球収容部589bが等間隔に形成されることで、山となる羽根片589aと、谷となる球収容部589bと、が交互に三つ形成される形状となっている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図106を参照)。このように、球抜レバー593を用いて球抜通路580bを開くことにより球抜きを行うことができるようになっている。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすることにより球抜きを行うと、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7−2b.払出羽根の回転位置]
払出装置580は、上述したように、払出モータ584の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア585(歯数Z0:9)、駆動ギア585と噛合する平歯車状の第一伝達ギア586(歯数Z1:20)、第一伝達ギア586と噛合する平歯車状の第二伝達ギア587(歯数Z2:20)、第二伝達ギア587と噛合する平歯車状の払出ギア588a(歯数Z3:24)と複数の検知片588bとを有する払出ギア部材588、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589、払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590等を備え、払出モータ584の回転軸が回転駆動すると、その回転が駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して払出羽根589を回転するように伝達される。
ここで、払出ギア部材588の回転速度は、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aによって、払出モータ584の回転速度を減速したものとなる。この減速比nは、機構学による計算により、駆動ギア585の歯数Z0(=9)/払出ギア部材588の払出ギア588aの歯数Z3(=24)に設定されている。本実施形態では、払出モータ584は1ステップ回転で18度回転する回転軸を有する2−2相励磁により励磁されるステッピングモータであり(払出モータ584の回転軸が20ステップ回転して360度(=18度×20ステップ)回転する。)、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589は、払出モータ584の回転軸が1ステップ回転すると、6.75度(=18度×減速比n)回転することとなる。これにより、払出モータ584の回転軸が54ステップ回転すると、払出羽根589が364.5度(=6.75度×54ステップ)回転することとなり、一回転(360度回転)すると、4.5度余分に回転することとなる。
このように、本実施形態では、払出モータ584の回転軸を54ステップ回転すると、払出羽根589が364.5度回転することとなるため、払出羽根589が一回転(360度回転)するには払出モータ584の回転軸を53.333・・・(=360度÷6.75度)ステップ回転する必要があり、払出羽根589の一回転(360度回転)に見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数であるステップ回数が整数とならないようになっている。
つまり、本実施形態では、払出羽根589に球収容部589bが等間隔に3つ形成され、払出モータ584の回転軸がステップ駆動されることに応じて予め定めた角度として18度だけ回転し、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して、払出羽根589が6.75度だけ回転する(つまり、払出モータ584の回転軸が1ステップ回転(18度回転)すると、払出羽根589が6.75度回転する)ようになっているため、払出羽根589が120度の回転ごとに1球の遊技球Bを送り出すことができ、払出羽根589を120度回転させるためには、払出モータ584の回転軸を17.777・・・ステップ回転(=120度÷6.75度)する必要がある。そこで、本実施形態では、この小数点以下を切り上げた整数となる18ステップ回転を、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数とすることで、払出羽根589を、120度を超えた回転(実際には、121.5度回転(=18ステップ回転×6.75度))することで、次の遊技球Bを受け入れる位置まで払出羽根589の回転位置を回転することができるようになっている。
払出羽根589は、一回転(360度回転)するごとに、3球の遊技球Bを払い出すことができるものの、1球のみ遊技球Bを払い出す場合もあるし、例えばタバコのヤニや埃などにより払出羽根589の回転位置を羽根回転検知センサ590が誤検出する場合もあるため、1球の遊技球Bを払い出すごとに、払出羽根589の回転位置の原点を設定する処理を行うことが好ましい。本実施形態では、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数として、上述したように、小数点以下を切り上げた整数となる18ステップ回転とすることで、払出羽根589を、120度を超えた回転(実際には、121.5度回転(=18ステップ回転×6.75度))とするとともに、1球の遊技球Bを払い出すごとに、払出羽根589の回転位置の原点を設定する処理を行って払出羽根589の回転位置の精度を高めている。
また、払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、上述したように、整数とならないようになっているため、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することにより、遊技球を1球払い出すごとに、その累積した誤差をリセットすることができるようになっている。これにより、仮にタバコのヤニや埃などの影響を受けて遊技球を1球払い出すごとに誤差が生じても、その累積した誤差を遊技球を1球払い出すごとに確実にリセットすることができるようになっている。したがって、遊技球を受け入れて送り出す払出羽根589の回転位置に誤差が生じ難くすることができる。
また、払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、上述したように、整数とならないようになっているため、遊技球を1球払い出すごとに位置決め位置が毎回異なる。これにより、遊技球と払出羽根589との接触位置が毎回異なることによりヤニや埃の付着位置を分散することができる。また当然このような位置決め誤差を生じるような回転伝達部材の減速比に設定すると、誤差が累積するものの、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた、図105の払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することにより、その累積した誤差がある程度溜まるとリセットされる。これにより、払い出される遊技球の数の正確さは担保される。したがって、パチンコ機1においては、遊技球を受け入れて送り出す球送り回転部の回転位置を、遊技球を払い出すごとに変化させてヤニや埃が付着する位置を分散させることによりヤニや埃などに対して強い払出装置580を持つことができる。なお、払出装置580は、上述したように、1条の払出通路580aを有している。このため、2条の払出通路にそれぞれ払出羽根を有する払出装置と比べると、遊技球の払出速度を同一とする場合、本実施形態における1条の払出通路580aを有する払出装置580の払出羽根589は、2倍速く回転する必要がある。そうすると、本実施形態における1条の払出通路580aを有する払出装置580の払出羽根589は、2条の払出通路にそれぞれ払出羽根を有する払出装置と比べて、遊技球と払出羽根589とが衝突する回数も2倍となるため、払出羽根589に対してタバコのヤニや埃が付着する蓋然性が高くなっている。
本実施形態では、払出モータ584の回転軸を54ステップ回転すると、上述したように、払出羽根589が1回転を超えるため、払出羽根589の1回転を払出モータ584の回転軸の54ステップ回転とするセットとして定めて管理する制御を行うと、払出モータ584の回転軸が54ステップ回転するごとに払出羽根589の1回転に対して4.5度の角度差が生ずることとなり、例えば、80セットの場合で角度差が最終的に360度(=4.5度×80セット)まで積み上がることとなって、遊技球Bを払い出す球数が3球増加することとなる。
払出ギア部材588は、上述したように、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で3つ備えられている。具体的には、検知片588bが形成されている60度の領域と検知片588bが形成されていない60度の領域とを有する120度の領域を、周方向に沿って3つ配置されている。検知片588bは、上述したように、羽根回転検知センサ590により検知され、羽根回転検知センサ590からの検出信号が払出制御基板633に入力されるようになっている。
そこで、本実施形態では、上述した角度差が生じないように、払出制御基板633は、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置として、検知片588bが形成されている60度の領域と検知片588bが形成されていない60度の領域とを有する120度の領域を1つの管理範囲とすることにより、遊技球Bを1球ずつ払い出す動作として管理することができるようになっている。
具体的には、まず、払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されている60度の領域は羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であるため遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転(払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の60.75度(=6.75度×9ステップ)回転に相当する。)として管理され、検知片588bが形成されていない60度の領域は羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であるため受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転(払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の60.75度(=6.75度×9ステップ)回転に相当する。)として管理されている。
つまり、本実施形態では、払出ギア部材588の周方向の120度の領域を、検知片588bが形成されている60度の領域を遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、検知片588bが形成されていない60度の領域を受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、を合わせた18ステップ回転により管理されており、遊技球Bの1球の払い出しに対して払出モータ584の回転軸が18ステップ回転することにより行われるようになっている。
なお、払出モータ584の回転軸が9ステップ回転すると、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589が60.75度(=6.75度×9ステップ)回転するため、遮光範囲である60度と受光範囲である60度とに比べて少し大きく払出モータ584の回転軸が回転することができるようになっているため、検知片588bが形成されている60度の領域(遮光範囲)と、検知片588bが形成されていない60度の領域(受光範囲)と、を確実に判別することができる。
ここで、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の原点の設定方法について、図107を参照して説明する。払出制御基板633は、図107(a)に示すように、払出ギア部材588の検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を遮断状態から非遮断状態へ遷移した状態(「第1のエッジ検出状態」という。)を払出羽根589の回転位置をA点として設定する。このA点においては、払出羽根589の羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが払出羽根589よりも下流側への移動が規制される状態となる。
払出制御基板633は、このA点から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転した払出羽根589の回転位置を、図107(b)に示すように、原点と設定する。この原点においては、払出通路580a内の遊技球Bが一つのみ払出羽根589の球収容部589bに収容される状態となる。この状態では、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bの中心(重心)と、払出羽根589の回転中心軸と、が同一垂直線上に配置される。
払出制御基板633は、原点から払出モータ584の回転軸を4ステップ回転した払出羽根589の回転位置をB点として設定する。このB点においては、払出ギア部材588の検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を非遮断状態から遮断状態へ遷移した状態(「第2のエッジ検出状態」という。)となる。払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置がA点から原点そしてB点までに亘って回転する領域において、図107(d)に示すように、受光範囲(つまり、上述した払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されていない60度の領域)となる。
払出制御基板633は、B点から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転した払出羽根589の回転位置を再び上述したA点として設定する。このとき、原点において払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bが払出通路580a内の払出羽根589よりも下流側へ移動される状態となる。払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置がB点からA点までに亘って回転する領域において、図107(d)に示すように、遮光範囲(つまり、上述した払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されている60度の領域)となる。
ここで、払出制御基板633による払出装置580の制御について簡単に説明する。払出制御基板633は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、払出制御側電源投入時処理を実行する。払出制御基板633は、払出制御側電源投入時処理において、初期設定処理、割り込み開始設定を実行すると、定常処理を繰り返し実行する。払出制御基板633は、割り込み開始設定後に、2ミリ秒(ms)ごとに割り込みが発生し、払出制御側2ms割り込み処理を実行する。払出制御基板633は、払出制御側2ms割り込み処理において、払出モータ制御処理、履歴作成処理、原点設定処理等の各種処理を繰り返し行う。
払出制御基板633は、払出モータ制御処理を繰り返し実行することにより、パルス幅を4msとする、2−2相励磁により払出モータ584を励磁している。払出制御基板633は、履歴作成処理を繰り返し実行することにより、2msごとに、羽根回転検知センサ590からの検出信号の入力の有無を確認している。払出制御基板633は、2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えする4msごとに、つまり今回と前回とにそれぞれ確認した羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であるか非遮断する状態であるかのうちいずれか一方の状態であるかを確認した結果を、8ビット幅を有する履歴情報の最下位ビットから最上位ビットへ向かって1つずつビットシフトした後に、今回と前回との確認結果がともに羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であったときには値0を最下位ビットにセットする一方、今回と前回との確認結果がともに羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であったとき、又は今回と前回との確認結果が異なるとき(例えば、今回と前回との確認結果の一方が羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であったときであって他方が羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であったとき)には値1を最下位ビットにセットする。
このように、払出制御基板633は、履歴作成処理において、8ビット幅を有する履歴情報を、2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えする4msごとに更新作成している。払出制御基板633は、4msごとに更新作成する履歴情報に基づいて、払出羽根589の回転位置を原点に設定する原点設定処理を実行する。払出制御基板633は、払出モータ制御処理を繰り返し実行することにより、払出羽根589の回転位置がA点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転すると、上述したように、払出羽根589の回転位置が原点となるため、上述した検知片588bが形成されていない60度の領域に羽根回転検知センサ590の光軸が位置し、羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態となる。
そうすると、8ビット幅を有する履歴情報に記憶保持される最上位ビットから最下位ビットまでの情報には、払出羽根589の回転位置がA点に位置する直前において検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を遮断状態から非遮断状態へ遷移した状態(第1のエッジ検出状態)となるため、00000001B(「B」はビット情報であることを示す。以下、同じ。)がセットされている。そして、払出羽根589の回転位置がA点から原点まで進むと、8ビット幅を有する履歴情報に記憶保持される最上位ビットから最下位ビットまでの情報には、00111111Bがセットされているため、払出制御基板633は、原点設定処理において、11110000Bという第1判定値を履歴情報に対して第1マスク処理することにより、履歴情報から8回前から5回前までのデータを演算結果として取り出した後に(ここでは、第1マスク処理により、演算結果が00110000Bとなる。)、この取り出したデータに対して00010000Bという第2判定値をさらに第2マスク処理することにより、履歴情報から5回前のデータを演算結果として取り出し(ここでは、第2マスク処理により、演算結果が00010000Bとなる。)、値0である場合には払出羽根589の現在の回転位置が原点にないと判別して払出羽根589の現在の回転位置を原点として設定しない一方、値0でない場合には払出羽根589の現在の回転位置が原点にあると判別して払出羽根589の現在の回転位置を原点として設定する。
なお、払出制御基板633は、原点設定処理において、払出羽根589の回転位置を原点として設定すると、払出羽根589の回転位置が原点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置をB点とし、そして、払出羽根589の回転位置がB点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転して(つまり、遮光範囲を超えて再び受光範囲となる)払出羽根589の回転位置を再びA点とする合計13ステップ回転において、本処理をそのまま終了する。つまり、本実施形態では、払出制御基板633は、原点設定処理において、払出羽根589の回転位置を原点として設定すると、払出モータ584の回転軸を合計13ステップ回転するまでの時間が経過するまで、払出羽根589に対する原点設定を禁止するという原点検出禁止時間が設けられている。
払出制御基板633は、払出モータ制御処理を実行することにより、4msごとに2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えしている。払出制御基板633は、図107に示したように、払出羽根589の回転位置がA点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置を原点とする時間は20ms(=4ms×5ステップ回転)となり、払出羽根589の回転位置が原点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置をB点とする時間は16ms(=4ms×4ステップ回転)となり、払出羽根589の回転位置がB点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転して(つまり、遮光範囲を超えて再び受光範囲となる)払出羽根589の回転位置を再びA点とする時間は36ms(=4ms×9ステップ回転)となる。遊技球Bの1球の払い出しには、上述したように、払出モータ584の回転軸の18ステップ回転により行われるようになっているため、遊技球Bの1球の払い出しにかかる時間は、払出モータ584の回転軸の18ステップ回転により行われることにより、72ms(=4ms×18ステップ回転)となる。
因みに、従来より、払出モータが駆動されることにより遊技球を受け入れて送り出す払出回転体の回転量に応じた個数の遊技球を払い出す払出装置を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2004−041261号公報(段落[0052]、及び図4))。この文献の遊技機では、払出モータの1ステップの回転時間が18mSに設定され、4ステップ分のデータ駆動データの出力によって払出モータが30度回転して遊技球を1球払い出すように設定されている。パチンコ店に設置されるパチンコ機において遊技球に付着したタバコのヤニや埃などが払出装置の内部に付着することは避けられない。また払出装置を分解して清掃することは行われないため、タバコのヤニや埃などに対して強い払出装置が求められている。ところで、この文献の遊技機では、払出モータの4ステップ分の駆動によって払出モータが30度回転して遊技球を1球払い出すように設定されているため、正確な動作を期待できる半面、遊技球と払出回転体との接触位置が毎回同じであることがわかる。このため、タバコのヤニや埃が付着する位置も固定されてしまい堆積されやすいという問題があった。
[4−7−2c.球詰まり防止及び球抜け防止]
次に、球詰まり防止及び球抜け防止について、図108を参照して説明する。ここでは、まず球抜き時における球詰まり防止について説明し、続いて払出モータ584の非通電状態による球抜け防止について説明する。
球抜レバー593は、上述したように、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができるようになっている。球抜きを行う場合には、この球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とする。このとき、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、図108(a)に示すように、払出羽根589の球収容部589bから、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かって突設されたリブ状の球詰まり防止部581rまでに亘って、合計4球の遊技球Bが停留されている状態となっている。この所定距離寸法としては、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球Bの中心(重心)位置が球詰まり防止部581rの左端辺より右側であって下流側(つまり、払出羽根589が存在する払出通路580aの下流側)に位置する長さとなっている。これにより、払出羽根589の球収容部589bから、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かって突設されたリブ状の球詰まり防止部581rまでに亘って複数の遊技球Bが払出通路580aに停留するときには、この停留する最後尾の遊技球Bの一部が球詰まり防止部581rにおいて球抜通路580bへ向かってはみ出す状態となる。つまり、所定距離寸法としては、球詰まり防止部581rの上面に遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が停留されているときにおいて、球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている上述した本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに沿って流下する遊技球Bが球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)と衝突しても、球抜通路580b側へ流下することができる長さとなっている。このように、球詰まり防止部581rの上面において遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)の一部が球抜通路580bへ向かってはみ出す状態で停留することにより(換言すると、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球Bの一部が球抜通路580bへ向かってはみ出す長さにより)、球抜通路580bの幅として1球の遊技球Bが流下することができる幅に規制することができるようになっている。
また、球詰まり防止部581rは、上述したように、その上面と払出通路580aを形成する通路内壁面とが同一平面状に形成されて背面視右下り傾斜面となっている。
つまり、球詰まり防止部581rの上面に遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が停留している状態で球抜きを行う場合においては、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)と衝突しても、球詰まり防止部581rの上面が背面視右下り傾斜面となっていると共に、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)の中心(重心)位置が球詰まり防止部581rの左端辺より右側であって下流側に位置するように形成されているため、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が衝突により弾けて球抜通路580bへ向かって流下することを防止することができるようになっている。これにより、球詰まり防止部581rの左端近傍において、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが球詰まりを生ずることを防止することができる。
この結果、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が球抜き経路(本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに沿って球抜通路580b側へ流下する経路)上の遊技球Bの流下経路を図108(a)の一点鎖線のように、球抜通路580bの幅として1球の遊技球Bが流下することができる幅に規制することにより球詰まりを防止することができる。したがって、球抜き時における球詰まりを確実に防止することができる。なお、本実施形態では、球抜通路580bの幅として、払出羽根589の回転位置により変動するものの、最小幅:12mmから最大幅:14mmまでとなるように設定されており、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において13mmに設定されている。因みに、各種通路の幅を遊技球の直径(11mm)の2倍より広いところから遊技球の直径の2倍より少し狭く(例えば21mm)絞る場所において球詰まりが発生しやすい。
次に、払出モータ584の非通電状態による球抜け防止について説明する。払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、図108(a)に示すように、払出羽根589の球収容部589bには払出通路580a内の遊技球Bが一つのみ収容される状態となると共に、この遊技球Bに数珠繋ぎで後続の遊技球Bが当接した状態で払出通路580aに停留される状態となる。この状態では、上述したように、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bの中心(重心)と、払出羽根589の回転中心軸と、が同一垂直線上に配置される。また、払出通路580aは、上述したように、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。
このため、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bと当接する遊技球Bの中心(重心)位置は、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bの中心(重心)位置と比べて少し左側にズレて位置することとなり、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bには後続する遊技球Bの自重による球圧により払出羽根589の回転中心軸に対して右向きの力(つまり、時計方向へ向かって回転する力)が作用する状態となっている。
このような状態において、払出モータ584が非通電状態となると、払出羽根589の回転中心軸に対して時計方向へ向かって自然に回転することとなり、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bが払出通路580aの下流側へ流下する(送り出される)こととなり、球抜けが生ずることとなる。
そこで、本実施形態では、払出モータ584が非通電状態となると、払出羽根589の回転中心軸に対して時計方向へ向かって自然に回転しても、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転で停止することができるように背面視において払出羽根589の右方の払出通路580aの形状が形成されている。
具体的には、図108(b),(c)に示すように、払出モータ584が非通電状態となると、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止した状態において、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bに当接する遊技球Bが、払出通路580aの側壁に当接するS1点と、払出羽根589の円弧状を有する羽根片589aの外周面のうち遊技球Bが収容された球収容部589b側寄り(つまり、遊技球Bが収容された球収容部589bと、この球収容部589bと後続する遊技球Bが収容されていない球収容部589bと、を繋ぐ羽根片589aの外周面のうち、この外周面の中心より遊技球Bが収容された球収容部589b側寄り)に当接するS2点と、にそれぞれもたれかかることにように払出通路580aの形状が形成されている。これにより、払出羽根589の羽根片589aの外周面を押さえつける球圧が生ずることができ、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止することができる。したがって、払出モータ584の非通電状態による球抜けを確実に防止することができる。
なお、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止した状態において、払出制御基板633が払出モータ584を制御開始する場合では、払出羽根589の原点から6ステップ回転して進んでいるため、図107(d)に示した、原点から4ステップ回転して進んだB点を超えて遮光範囲(9ステップ)のうち、2ステップ回転して進んだ状態となっているものの、払出モータ584の回転軸が13ステップ回転(図107(d)に示した、9ステップのうち2ステップ回転して進むため残りの7ステップ回転+A点から5ステップ回転)すると、払出羽根589の回転位置が原点となり、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bが払出通路580aの下流側へ流下し(送り出され)、払出検知センサ591により確実に検知されるようになっている。したがって、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点からズレて(6ステップ回転して進んで)停止した状態においても、遊技球Bが払い出される球数の過多は発生しない。
また、本実施形態では、払出制御基板633は、上述したように、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すため、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、まず払出モータ584を制御して払出羽根589の回転位置を原点に戻す動作を行わないようになっている。これは、上述したように、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点からズレて(6ステップ回転して進んで)停止した状態において、遊技球Bが払い出される球数の過多を発生することを防止するためである。
なお、上述した実施形態では、払出羽根589は、外方へ平板状に延出している円弧状を有する複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられていたが、周方向へ90度の角度の間隔で四つ備えられていてもよい。図109は、払出装置の変形例であり、円弧状を有する四つの羽根片589aを備える払出羽根589が設けられると共に、電波センサが設けられる払出装置の切断した背面断面図である。図109は、上述した図105と対応する払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、図105と同一の符号が付してある。円弧状を有する四つの羽根片589aを払出羽根589が備える場合には、図109に図示しないが、上述した払出ギア部材588は、外方へ延出している円弧状を有する平板状の検知片588bが、周方向へ90度の角度の間隔で四つ備えられることとなり、払出ギア部材588の周方向の90度の領域を、検知片588bが形成されている45度の領域を遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、検知片588bが形成されていない45度の領域を受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、を合わせた18ステップ回転により管理されるように、減速比nが選定され、遊技球Bの1球の払い出しに対して払出モータ584の回転軸が18ステップ回転することにより行われる構成となる。換言すると、払出モータ584の回転軸が18ステップ回転すると、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589が90度回転することができるように、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588の払出ギア588aの歯数がそれぞれ選定されることによって減速比nを定めることができる。
更に、上述した実施形態では、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591を備えていたが、この払出検知センサ591の近傍に電波を検知する電波センサを備えていてもよい。払出検知センサ591は、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いており、遊技球Bの通過を検知するものであるが、電波の影響を受けると、遊技球Bが実際に通過しているにもかかわらず、誤動作して遊技球Bが通過していない状態に見せかけることができる。この場合、払出検知センサ591からの検出信号が入力される払出制御基板633は、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、遊技球Bの払い出しが完了していないと判断して、払出モータ584の回転軸を過剰に回転する制御を行うことで遊技球Bを多量に払い出すこととなる。このような不正に遊技球Bを獲得するという不正行為(「電波ゴト」という。)を検出するために、図109に示すように、払出検知センサ591の上方近傍に電波センサ594を払出装置580に設けて構成することができる。電波センサ594からの検出信号は、払出制御基板633に入力されることにより、払出制御基板633は、電波センサ594からの検出信号に基づいて、異常な電波が照射されていると判別したときには、払出モータ584の回転軸を緊急停止すると共に、その旨を伝える電波ゴト報知コマンドを、主制御基板1310Xへ送信する。このとき、払出制御基板633は、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ電波ゴト報知信号を出力するように構成してもよい。主制御基板1310Xは、払出制御基板633からの8ビット幅の電波ゴト報知コマンドを受信すると、この電波ゴト報知コマンドを8ビット幅から16ビット幅として、電波ゴト警告音を最大音量に設定して各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から流すと共に各種LEDを警告報知発光態様(例えば、赤色に点滅する発光態様)に設定して電波ゴトを報知することができるという内容に整形して周辺制御基板1510へ送信する。周辺制御基板1510は、16ビット幅を有する電波ゴト報知コマンドを受信すると、演出表示装置1600に「異常が発生しています。」というメッセージを大きく表示して、各種LEDを警告報知発光態様に制御する。
なお、電波センサ594に代えて、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチである接触式球通過センサ594’を用いてもよい。接触式球通過センサ594’からの検出信号が払出制御基板633に入力され、払出制御基板633は、払出検知センサ591からの検出信号と、接触式球通過センサ594’からの検出信号と、に基づいて、遊技球Bを払い出した球数が合致しないときには何らかの不正が行われたとして判別することができるように構成することができる。払出制御基板633は、何らかの不正が行われたとして判別したときには、払出モータ584の回転軸を緊急停止すると共に、その旨を伝えるゴト報知コマンドを、主制御基板1310Xへ送信する。このとき、払出制御基板633は、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへゴト報知信号を出力するように構成してもよい。主制御基板1310Xは、払出制御基板633からの8ビット幅のゴト報知コマンドを受信すると、このゴト報知コマンドを8ビット幅から16ビット幅として、ゴト警告音を最大音量に設定して各種スピーカから流すと共に各種LEDを警告報知発光態様(例えば、赤色に点滅する発光態様)に設定してゴトを報知することができるという内容に整形して周辺制御基板1510へ送信する。周辺制御基板1510は、16ビット幅を有するゴト報知コマンドを受信すると、演出表示装置1600に「異常が発生しています。」というメッセージを大きく表示して、各種LEDを警告報知発光態様に制御する。
また、上述した実施形態では、払出モータ584はステッピングモータであったがDCモータとしてもよい。この場合、DCモータがステップ駆動されると、これに応じて予め定めた角度として18度で回転軸をステップ回転するように構成する。つまり、DCモータは、1ステップ回転でその回転軸を18度回転する。
更に、上述した実施形態では、払出モータ584の回転軸を、回転伝達部材を構成する、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して、減速し、払出羽根589を回転することができるように構成されていたが、払出モータ584の回転軸を低速に回転して回転伝達部材(複数のギア(例えば、第一伝達ギア586’、第二伝達ギア587’、払出ギア部材588の払出ギア588a’))を介して、増速し、払出羽根589を回転することができるように構成してもよい。こうすれば、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、整数とならないように回転伝達部材の増速比が予め決定されているため、遊技球を1球払い出すごとに位置決め位置が毎回異なる。これにより、遊技球と払出羽根589との接触位置が毎回異なることによりヤニや埃の付着位置を分散することができる。また当然このような位置決め誤差を生じるような上述した回転伝達部材の増速比に設定すると、誤差が累積するものの、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた払出ギア部材588の複数の検知片588b(遮光片)にて検出することにより、その累積した誤差がある程度溜まるとリセットされる。これにより、払い出される遊技球の数の正確さは担保される。したがって、このような回転伝達部材の増速比が予め決定されるパチンコ機1においても、遊技球を受け入れて送り出す払出羽根589の回転位置を、遊技球を払い出すごとに変化させてヤニや埃が付着する位置を分散させることによりヤニや埃などに対して強い払出装置580を持つことができる。
[4−7−3.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図111を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7−4.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、それぞれの上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとのそれぞれの前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、それぞれ上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、それぞれの前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7−5.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図111を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホールの島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図112〜図116等を参照して詳細に説明する。図112(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図113は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図114は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図115は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図116は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。したがって、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。この電源基板カバー631は、透明な合成樹脂で整形され、電源基板カバー631を後ベース626から取り外さなくても、電源基板カバー631を介して、電源基板630を目視することができるようになっている。なお、遊技ホールの島設備には図示しないトランスがあり、交流100ボルト(AC100V)の商用電源電圧を交流24ボルト(AC24V)の遊技機用電源電圧に降圧している。遊技ホールの島設備において降圧されるAC24Vが図示しない電源コードを介して電源基板630に供給されている。電源基板630は、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vから各種電源(直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧)を作成して各種基板へ供給している。また、電源基板630は、本来AC24Vの遊技機用電源電圧が供給されなければならないが、図示しない電源コードの誤接続によりAC100Vの商用電源電圧が供給されて破壊される可能性がある。そこで、本実施形態では、一般的な工具であるプラスドライバーを用いて電源ユニット620cを交換することができるように構成されている(なお、プラスドライバーなどの一般的な工具を用いず、締結具を手で操作して着脱できるように構成することもできる)。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図116を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。
払出制御基板ボックス632は、図示しないカバー体と図示しないベース体とから構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、払出制御基板633を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、払出制御基板633の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、払出制御基板ボックス632の外側から確認することができるようになっている。また、払出制御基板ボックス632は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて払出制御基板ボックス632を閉じると、次に、払出制御基板ボックス632を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、払出制御基板ボックス632の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、払出制御基板ボックス632の不正な開閉を発見することができ、払出制御基板ボックス632への不正行為に対する抑止力が高められている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図92〜図98を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されていると共に、上辺側に前方へ一段下がった当接部640aが形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面(上述した背板上部551dに形成される庇部551daの後面)と略同一面上に位置するように形成されている。また、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態では、当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となると共に、この当接した部分が、背板上部551dに突出して形成される庇部551daによって覆われている。
裏カバー640は、当接部640aを除いて、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図117を参照して詳細に説明する。図117(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
次に、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図118〜図125を参照して詳細に説明する。図118(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図119は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図120(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図121は、図120(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図122は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図123は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図124は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図125は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺からそれぞれ上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺からそれぞれ上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。
タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、樋状の主誘導部553aの底面と正面視において主誘導部553aの後壁とに左右方向に所定長さ(本実施形態では、約30mm)を有する矩形状の切り欠き部553aaが所定間隔(本実施形態では、約10mm)を有して三つ形成されている。矩形状の切り欠き部553aaにより、主誘導部553aの底面には主誘導部553aの後壁から前方へ向かってその後壁の厚み(本実施形態では、約2.5mm)を加えた約7mm、左右方向の長さ約30mmを有する長方形状の穴が形成されると共に、主誘導部553aの後壁には主誘導部553aの底面から上方へ向かってその底面の底板の厚み(本実施形態では、約2.5mm)を加えた高さ約7mm、左右方向の長さ約30mmを有する長方形状の穴が形成され、これらの長方形状の穴が連通して形成されている。
球タンク552からタンクレール553へ流入する遊技球Bは、遊技球Bが互いに衝突したり、擦れ合ったり等の摩耗により遊技球Bから金属粉が剥がれて落下する。このため、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が主誘導部553aに付着する状態となると、遊技球Bの下流方向への流れが妨げられることにより、遊技球Bを下流側へ向かってスムーズに供給することが困難となって、払出装置580による遊技球Bの払出しが停止することとなる。
そこで、本実施形態では、主誘導部553aに切り欠き部553aaを複数形成し、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるように構成されている。これにより、例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ自然に落下することで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるし、主誘導部553aを転動する遊技球Bの振動により主誘導部553aに付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下することで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるし、遊技ホールの店員等の係員により綿棒を切り欠き部553aaに挿入して主誘導部553aに付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を取り除く作業を行うことですることで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができる。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。したがって、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の各種演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上述した相用効果と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oのそれぞれの左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。したがって、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。したがって、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上述した形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、それぞれ前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図122において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、それぞれ低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、それぞれ左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図123を参照)。したがって、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(いわゆる、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図124に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。したがって、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。したがって、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。したがって、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図123において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図123に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。したがって、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
また、球タンク552は導電性の樹脂により成型されるのに対して、タンクレール553と後述する周辺制御ユニット1500の周辺制御基板ボックスとは非導電性の樹脂により成型されている。本実施形態では、タンクレール553と周辺制御基板ボックスとが帯電すると、同じ極性となるようになっているため、タンクレール553に付着した遊技球Bの金属粉は、同じ極性の周辺制御基板ボックスと反発し、周辺制御基板ボックスに引き寄せられないようになっている。
なお、上述した実施形態では、タンクレール553における主誘導部553aに切り欠き部553aaを複数形成して遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるように構成されていたが、遊技球Bが転動する球通路に対して切り欠き部553aaと同様一の切り欠き部、孔、又は溝を形成してもよい。具体的には、図111に示した、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路570aを有する球誘導ユニット570において、誘導通路570aにおける遊技球Bの金属粉を誘導通路570aから外部へ取り除くことができる切り欠き部、孔、又は溝を図104に示した誘導ユニット570の誘導ユニットベース571の後面に形成することができる。球誘導ユニット570の下方には、図111に示したように、払出装置580、そして基板ユニット620等が配置されており、払出装置580は羽根回転検知センサ590が実装される基板等を有し、基板ユニット620は図112に示した電源基板630、払出制御基板633、インターフェイス基板635等を有し、各種基板が配置されている。このため、誘導ユニットベース571の後面に切り欠き部、孔、又は溝を形成する場合には、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝を介して落下する遊技球Bの金属粉が誘導ユニット570の下方に配置される各種基板へ付着することを防止する必要がある。そこで、図103に示した払出装置580の払出装置後蓋582の上辺に沿って庇状の部材を後方へ向かって突出して形成して構成することができるし、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝の位置と、払出装置580における羽根回転検知センサ590が実装される基板等の各種基板の位置と、をズラして構成することができるし、両者を採用して構成することもできる。また、図112に示した電源基板630の電源基板カバー631、払出制御基板633の払出制御基板ボックス632、インターフェイス基板635のインターフェイス基板カバー636等の上辺に沿って庇状の部材を後方へ向かって突出して形成して構成することができるし、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝の位置と、電源基板カバー631、払出制御基板ボックス632、及びインターフェイス基板カバー636の位置と、をズラして構成することができるし、両者を採用して構成することもできる。なお、図112に示した電源基板630の電源基板カバー631、払出制御基板633の払出制御基板ボックス632、インターフェイス基板635のインターフェイス基板カバー636の上辺に設けられるカバー側壁に通風孔を形成しないことによっても遊技球Bの金属粉が各種基板へ付着することを防止できる。周辺制御基板ボックス1505の下方に配置される主制御基板1310Xにおいては、主制御基板1310Xを有している主制御ユニット1300を周辺制御基板ボックス1505が庇となる位置に配置したり、主制御ユニット1300に対応する庇状の部材を配置したり、主制御ユニット1300の上辺に設けられるカバー側壁に通風孔を形成しないことによっても遊技球Bの金属粉が付着することを防止できる。
[4−12.金属粉対策の構成]
次に、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉によって引き起こされる電気的なトラブル(短絡)を回避することができる金属粉対策の構成について、図126を参照して説明する。図126は、図118(a)のC−C線で切断した断面図の一部を拡大した図であり、金属粉対策の構成の概要図である。なお、図126では、遊技盤5の外形を実線により表し、説明上必要な遊技盤5の箇所のみ断面図として表した。
タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaから落下する遊技球Bの金属粉(異物)がタンクレール553の下方に配置される周辺制御ユニット1500に付着すると、電気的なトラブルが生じて周辺制御ユニット1500に不具合が発生したり、誤動作したりする等の原因となる。例えば、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510には、後述する周辺制御IC、ROM、SDRAM等のICを備え、後述する周辺データROM基板には、周辺データROM等のICを備えている。これらのICのピン間隔が小さくなっていると共に、周辺制御基板1510に備える各種コネクタ、特殊コネクタのピン間隔が狭くなり、周辺制御基板1510にコネクタの数が増大することで各種コネクタの間隔が狭くなり、コネクタと特殊コネクタとの間隔も狭くなっているため、タンクレールからの落下異物による電気的なトラブルの対策を講ずる必要がある。
まず、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaは、図126に示すように、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501と比べて後方へ向かってズレ(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法だけズレ)て配置されている。
タンクレール553が配置される払出ベース551の天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びている。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。また、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態では、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これにより、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、天板部551aにおいて受けられて付着したり、凸部551daにおいて受けられて付着したりすることができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と払出ベース551の背板上部551dの後面とが面接触する当接した部分は、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、払出ベース551の天板部551a、及び背板上部551dは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
また、本実施形態では、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaと、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501と、がズレ(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法だけズレ)た配置となっていることにより(つまり、切り欠き部553aaの真下に周辺制御ユニット1500が配置されない構造となっていることにより)、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる金属粉対策に効果がある。
また、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azは、カバー体1501の後面(後述するカバー平板)に設けられているのに対して、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられる各カバー側壁に設けられていないため、仮に、カバー体1501の上側壁(後述するカバー平板の上辺に形成されるカバー側壁)に遊技球Bの金属粉が付着してもカバー体1501の内部へ侵入することが困難とすることができるようになっている。
また、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501は、その中央側に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有する後述するFAN取付凹部が形成されると共に、FAN取付凹部の底面に複数の同心円上に沿って後述する円弧形状のスリット孔が複数それぞれ形成されている。また、カバー体1501は、その下辺側に沿って、カバー体1501の内側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える後述する7つのコネクタ、及び音量調整スイッチと対応する位置に、7つのコネクタ穴、及び音量調整穴がそれぞれ形成されていると共に、後述する液晶出力基板に備える2つのコネクタと対応する位置に、2つのコネクタ穴がそれぞれ形成されている。カバー体1501の内側に周辺制御基板1510が取り付けられた状態では、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、にすき間が形成されて、これらの7つコネクタ穴から周辺制御基板1510に備える7つのコネクタがそれぞれ露出すると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、にすき間が形成されて、この音量調整穴から周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが露出する。また、カバー体1501の内側に後述する液晶出力基板が取り付けられた状態では、液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、にすき間が形成されて、これらの2つコネクタ穴から液晶出力基板に備える2つのコネクタがそれぞれ露出する。
周辺制御ユニット1500に取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501に複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
カバー体1501のFAN取付凹部の底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔におけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、周辺制御ユニット1500に取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501に複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができる。これにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空気の流れの影響を受けて通風孔1501azを介してカバー体1501の内側空間へ侵入することを防止することができるようになっている。
因みに、周辺制御ユニット1500の空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、周辺制御ユニット1500の外部の空気をカバー体1501の内側空間へ向かって吸い込むときには、空冷ファンFANの羽部の回転による空気の流速が速くなるため、遊技球Bの金属粉という重い粉が空気の流れの影響を受けてカバー体1501の内側空間へ向かって吸い込まれる蓋然性が高くなり、吸い込んだ金属粉による電気的なトラブル(短絡)により、カバー体1501の内側に取り付けられる周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に備える各種電子部品等に不具合(故障)が生ずることとなる。
そこで、このような電気的なトラブル(短絡)を防止するために、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501の上辺に沿って突出部を形成することにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができるし、カバー体1501に形成されるFAN取付凹部の上辺近傍に沿って突出部を形成することにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができるし、空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法(厚み)を薄いタイプのものを選定して(つまり、FAN取付凹部の奥行き方向の距離寸法と比べて、空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法(厚み)が短い距離寸法を有するものを選定して)、カバー体1501に形成されるFAN取付凹部に空冷ファンFANを収容した際にFAN取付凹部の内壁により、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができる。なお、周辺制御ユニット1500の構成についての詳細な説明を後述する。
次に、遊技球Bの金属粉よって引き起こされる電気的なトラブルを回避することができるという金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至5実施形態に係る金属粉対策の構成」と記載する。)について、図127乃至図130を参照して説明する。図127は第2実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第2実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図128は第3実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第3実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図129は第4実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第4実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図130は第5実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第5実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。なお、図127乃至図130では、図126に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係る金属粉対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表すと共に、遊技盤5の外形を実線により表し、説明上必要な遊技盤5の箇所のみ断面図として表した。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第2実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、図127に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられず、屈曲した天板部551aの後辺が天板部551aに形成される樋状の主誘導部553aの前壁と平行となると共に、主誘導部553aの底部から上方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法)を有して形成されている。つまり、屈曲した天板部551aの端面が主誘導部553aの底部と比べて上方に配置されている。タンクレール553が天板部551aに取付けられると共に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、タンクレール553の下方に裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aが配置されると共に、タンクレール553の後面と裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dとが略同一面上に配置されるようになっている。なお、タンクレール553と略同一面上に配置される裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dは、演出表示装置1600を取り付ける部分から枝分かれして後方へ向かって延出されて形成されている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると共に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態において、タンクレール553の下方に裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aが配置されると共に、タンクレール553の後面と裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dとが略同一面上に配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われるという点で相違している。
第2実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aにおいて受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daとが面接触する当接した部分は、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010a、及び裏箱3010の後面3010dは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第2実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第3実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、図128に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられていない。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、この屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面寄りであって主誘導部553aに形成される切り欠き部553aaの下方まで突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面に面接触する当接した状態となっていると共に、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの上面と当接部640aの上面とが同一面に配置されている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面と、が略同一面上に配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面に面接触する当接した状態となっていると共に、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの上面と当接部640aの上面とが同一面に配置されるという点で相違している。
第3実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aや裏カバー640の当接部640aの上面において受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの端面と、が面接触する当接した部分は、当接していることにより、すき間が形成されない状態となっているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの端面と、が面接触する当接した部分は、当接していることにより、すき間が形成されない状態となっているが、裏カバー640に形成される当接部640aがタンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの下に密接して潜り込んだ状態の位置関係もしくは、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aが裏カバー640に形成される当接部640aの下に密接して潜り込んだ状態の位置関係においても裏カバー640に形成される当接部640aとタンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの密接した部分にはすき間が形成されない状態となっているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその密接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
また、第3実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第4実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、図129に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられていない。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面から後方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約3分の1の距離寸法)だけ突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面と比べて後方へ向かって少し突出するように配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われるという点で相違している。
第4実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aにおいて受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abと、が面接触する当接した部分は、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能していると共に、遊技球Bの金属粉の受け皿としても機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第4実施形態に係る金属粉対策の構成においては、タンクレール553の下方に配置される庇として機能する屈曲した天板部551aを、別部材(別の構造部品)として天板部551aに取付けるように構成することもできる。
また、天板部551aを、別部材(別の構造部品)とした場合は、付着した金属粉を取り除くことを目的として脱着可能または取り付け位置から動かせて取り付け位置に戻せる機構としても良い。この場合、天板部551aは周辺の部材と異なる色とすることにより、脱着可能または取り付け位置から動かせて取り付け位置に戻せる機構部分を明確にでき、付着した金属粉を取り除く作業の容易性を向上させる。
また、第4実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第5実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したようにタンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、図130に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられず、屈曲した天板部551aの後辺が天板部551aに形成される樋状の主誘導部553aの前壁と平行となると共に、主誘導部553aの底部から下方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法)を有して形成されている。つまり、屈曲した天板部551aの端面が主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に、主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に、屈曲した天板部551aが配置されず、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aが配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されるという点で相違している。
第5実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された、裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aの上面において受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面と、が面接触する当接した部分は、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されていると共に、当接しているため、すき間が形成されない状態となっている。このため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能していると共に、遊技球Bの金属粉の受け皿としても機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第5実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
因みに、従来より、球タンクからの遊技球を下流側へ導くタンクレールを備える遊技機が提案されている(例えば、特開2013−215440号公報(図2))。このタンクレールには、遊技球によって生ずる異物を排出する孔が設けられていた。ところが、タンクレールに設けられる孔から落下する異物がタンクレールの下方に配置される制御基板に付着すると、電気的なトラブルが生じて制御基板に不具合が発生したり、誤動作したりする等の原因となっていた。最近の制御基板では、制御対象の数が増大することによりコネクタのピン間隔が狭くなり、コネクタの数が増大することでコネクタの間隔が狭くなっていると共に、さらに、ICのピン間隔が小さくなっているため、タンクレールからの落下異物による電気的なトラブルの対策を講ずる必要がある。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図131乃至図141を参照して詳細に説明する。図131はパチンコ機における遊技盤の正面図、図132〜図139は遊技盤の要部拡大正面図である。図140は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図141は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図であり、図142は遊技領域の外側で前構成部材の左上隅に取付けられる機能表示ユニットの概略図であり、図143は遊技盤を後ろから見た斜視図であり、図144Aは主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。この遊技領域5aは、所定の発射力(遊技者によるハンドル182の操作量小の場合)で発射された遊技球が流下し得る第1遊技領域5a1と、所定の発射力よりも強い特定の発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える程度の強さの発射力/遊技者によるハンドル182の操作量大の場合)で発射された遊技球が流下し得る第2遊技領域5a2と、さらにこの第2遊技領域5a2と第1遊技領域5a1が合流する下流の第3遊技領域5a3と、に分けることができる。
遊技領域5aの第1遊技領域5a1とその下流側につながる第3遊技領域5a3の左半分には、遊技球Bの受け入れにより遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001が複数備えられており、また、第2遊技領域5a2とその下流側につながる第3遊技領域5a3の右半分には、遊技球Bの受け入れにより遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し。)を付与する一般入賞口2001と第二始動口2004と大入賞口2005及び遊技球Bの通過を検知して遊技者に対して所定の特典(例えば、第二始動口2004の開閉片850を所定時間開いて入賞可能に変化させる。)を付与するゲート部2003と、が備えられており、また、第3遊技領域5a3の中央には、遊技球Bの受け入れにより遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し等。)を付与する第一始動口2002が備えられている。
そしてさらに第2遊技領域5a2には、遊技球Bを受け入れ得る特異な受入口として、遊技球Bの受け入れが可能でありながらその遊技球Bを回収して遊技者に利益を与えない不利な第1受入口2006が備えられている。なお、第2遊技領域5a2において、遊技球Bを受け入れて遊技者に所定の特典を付与するようにした一般入賞口2001と第二始動口2004を、第1受入口2006よりも有利な第2受入口ともいう。この第2受入口は、第1受入口2006よりも相対的に有利であればよく、したがって第1受入口2006の設定が入球に対して遊技球を1個も付与しない、というものであれば、入球により1個の遊技球を付与する、という程度のものであってもよい。また、第1受入口2006の設定が入球に対して遊技球を1個付与する、というものであれば、入球により2個以上の遊技球を付与する、というものであってもよい。
また、遊技領域5aは、第1遊技領域5a1と第2遊技領域5a2を上方で連結することによって、特定の強い発射力で発射された遊技球Bが第2遊技領域5a2に進入するのに先立って通過可能な連絡通路部5a4を有する。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘2007が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310X(図151を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
更に、遊技盤5は、主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。また、裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のベースパネル1110と、ベースパネル1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5aの第3遊技領域5a3内の左右方向中央に取付けられていて第一始動口2002と一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、第1遊技領域5a1と第3遊技領域5a3の中間領域付近に内レール1002に沿うように取付けられていて二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、第2遊技領域5a2と第3遊技領域の中間領域付近に取付けられていて大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、一つの一般入賞口2001(第2受入口)、第二始動口2004(第2受入口)、ゲート部2003及び第1受入口2006を有し遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄り(第1遊技領域5a1と第2遊技領域5a2と第3遊技領域5a3で両横と下の三方を囲われた状態)に取付けられている枠状のセンター部材2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010a2を有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面における開口部3010a2よりも下側に取付けられている駆動基板ユニット1700と、裏箱3010内に取付けられている複数の裏演出ユニット3100と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310X(図151を参照)と遊技盤5に設けられる各種センサや各種スイッチとの接続を中継するパネル中継基板1710と、周辺制御ユニット1500に有する周辺制御基板1510からのコマンドに応じて各種装飾基板及び各種電気的駆動源(各種モータや各種ソレノイド)を駆動するパネル駆動基板1720と、パネル中継基板1710とパネル駆動基板1720とを収容する駆動基板ボックス1730と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図131乃至図141を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、外レール1001の遊技球Bの打球方向に対する終端と右レール1005の上端との交点に設けられたゴム等の衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト球口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト球口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、のそれぞれの部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図131乃至図141を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のベースパネル1110と、ベースパネル1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のベースパネル1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このベースパネル1110の板厚は、パネルホルダ1120よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってベースパネル1110が形成されている。
ベースパネル板1110は、後面に、複数の線状の溝により形成した装飾パターンを備えている。本実施形態の装飾パターンは、一定の間隔で水平に延びた複数の水平線と、複数の水平線と同じ間隔で反時計回りに60度回転させた複数の右上り斜線と、水平線と右上り斜線との交点を通り、複数の水平線と同じ間隔で時計回りに60度回転させた複数の左上り斜線と、で構成された幾何学模様の絵柄である。換言すると、装飾パターンは、水平線と右上り斜線と左上り斜線とで形成された正三角形の輪郭が一定のパターンで複数並んだ幾何学模様の絵柄である。この装飾パターンは、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2002の左右両側となる二つの正三角形の輪郭の部位と、内レール1002の上端付近の三つの正三角形の輪郭の部位とのそれぞれの内側に、大きさの異なる二つの正三角形の輪郭線からなる絵柄を、更に備えている。
装飾パターンは、断面形状がV字状に形成されている。この装飾パターン1150は、パネル装飾基板に実装されるベースパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LEDを発光させていない状態でも、前方の遊技者側から視認することができ、遊技領域5a内を装飾している。また、ベースパネル板1110は、パネル装飾基板のパネル装飾用LEDを発光させてベースパネル板1110の内部に光を入射させると、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄に形成された装飾パターンを発光装飾させることができる。
ベースパネル板1110の装飾パターンは、ベースパネル板1110の周面から内部へ照射された光を主に前方へ反射させる放射部と、ベースパネル板1110の周面から内部へ照射された光を前方へ反射させると共に線状に沿って導光する放射導光部と、から構成されている。放射導光部は、放射部と比較して、溝の深さが深い、及び、断面において周長が長い、の少なくとも一方を満たしているものである。放射導光部は、複数の放射部を結ぶように(あるいは交差するように)形成され、ベースパネル板1110の周面から内部へ照射された光を、ベースパネル板1110内において乱反射させることで、溝の延びている方向へ光を導くことができる。つまり、放射導光部は、自身が結ぶ複数の放射部のうちの一方から他方に光を導光する役割を担うものであり、これにより、パネル装飾用LEDの配置部位、配置数が限られたなかで、ベースパネル板1110の装飾パターン全体の感光率(前方へ放射(反射)される光の量の割合)が高められる。具体的には、放射導光部は、後述する左上パネル装飾基板1131のパネル装飾用LED1130aや左下パネル装飾基板のパネル装飾用LEDから通常導光領域の範囲内よりも外側に配置されている放射部へ光を導いて、その放射部を発光させ、装飾パターン全体の感光率が高められることとなる。
これにより、パネル装飾用LEDからの光が届き難い部位(通常導光領域よりも外側の部位)に形成されている装飾パターンの放射部に対して、放射導光部により多くの光を届かせて放射部を十分な光量で発光装飾させることができる。したがって、パネル装飾基板のパネル装飾用LEDを発光させると、ベースパネル板1110の内部に入射された光が、放射部及び放射導光部から前方へ反射し、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄に形成された装飾パターンを、略全体に亘って均一な明るさで発光装飾させることができる。
ベースパネル1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト球口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、ベースパネル1110には、表ユニット2000を取付けるための前後に貫通する貫通孔1112が複数形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、ベースパネル1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、ベースパネル1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、ベースパネル1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ上で、内側が略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図140及び図141を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト球口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図140、図141、図143及び図144A〜図144Kを参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技の進行を制御する主制御MPU1310a有する主制御部1310と、該主制御部1310を収容して基板ホルダ1200に取付けられる収容体たる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
[5−4−1.主制御基板ボックス]
主制御基板ボックス1320は、カバー体1301とベース体1302とから構成されている。カバー体1301とベース体1302は、ポリカーボネート製であり、透明な合成樹脂で成型されている。ベース体1302にカバー体1301を重ねて形成される内部空間1320sには、主制御部1310を収容することができるようになっている。カバー体1301とベース体1302とが合成樹脂(ポリカーボネート)により透明に成型されていることにより、主制御部1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICチップが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体1301とベース体1302とにそれぞれ対応するように複数の封印機構1320zを備えており、一つの封印機構1320zを用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその一つの封印機構1320zを破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、封印機構1320zに残る開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御部1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
[5−4−2.主制御部]
前記主制御部1310は、遊技の進行及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310X(図151を参照)と、後述する抽選の当り確率や遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等に関する遊技設定を複数段階の設定値のうちのいずれかに設定することができる設定変更基板1310Y(図151を参照)と、から概略構成される。なお、主制御部1310は、主制御基板1310Xと設定変更基板1310Yを一枚の基板にしてもよい。
[5−4−2−1.主制御基板]
主制御部1310の主制御基板1310Xは、インターフェイス基板635、周辺制御基板1510、設定変更基板1310Yと、接続されている。また、主制御基板1310Xは、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、第1受入口センサ2406、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003、アウト口左センサ1008a、アウト口右センサ1008b、と接続されている。
[5−4−2−2.設定変更基板]
主制御部1310の設定変更基板1310Yは、パチンコ機1の前記設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定スイッチ1311a、設定値を選択して切り替えることができる設定切替ボタン1311b、パチンコ機1の設定値の切り替えが許可されている状態を示す設定変更許可ランプ1311cと、を備えている。設定変更基板1310YのコネクタSMCNは、主制御基板1310XのコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1310YのコネクタSMCNと主制御基板1310XのコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネスを介して、電気的に接続してもよい)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定スイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号は、主制御基板1310Xと電気的に接続される。設定変更基板1310Yは、その右辺及び左辺の上下方向の距離寸法が主制御基板1310Xの右辺及び左辺の上下方向の距離寸法とほぼ同一であり、その左右方向の距離寸法が主制御基板1310Xの左右方向の距離寸法と比べて短く、主制御基板1310Xの右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、設定変更基板1310Yの右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、が合致している。
設定変更基板1310YのコネクタSMCNは、設定変更基板1310Yの右辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されているとともに、主制御基板1310XのコネクタMSCNは、主制御基板1310Xの左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されている。設定変更基板1310Yの中心線より下方に設定キーK1が挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定スイッチ1311aが配置され、設定変更基板1310Yの中心線より上方に押圧操作部1311pを有する設定切替ボタン1311bが配置され、設定変更基板1310Yの中心線上であって設定スイッチ1311aの左上方(設定切替ボタン1311bの左下方)に単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1311cが配置されている。主制御基板1310Xの中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310Xの中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタ1310hが配置され、主制御基板1310Xの下辺の中央寄りに前記設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311pと同様の押圧操作部を有するRAMクリアスイッチ1310fが配置されている。
本実施形態では、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダに形成される差し込み口に設定キーK1が差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定スイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に設定キーK1を差し込むことができるとともに、差し込み口から設定キーK1を抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、差し込み口に設定キーK1が差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーK1とが互いに干渉せずに損傷しないように設定スイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。また、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。本実施形態では、設定キーONという機能と決定キーONという機能とが全く異なる2つの機能を、設定キーシリンが回動操作される方向によって、設定スイッチ1311aという単体のみで実現することができ、設定スイッチ1311aという単体のみによって、設定キーONとする操作と決定キーONとする操作とをまとめて行うことができる。
設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの基部前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311p、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、それぞれ対応する主制御基板ボックス1320のカバー体1301に形成される開口部1301hを介して外部に露呈されているものの、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの基部前面、設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311p、及びRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部と、それぞれ対応する開口部1301hとに形成される「すき間」から針金などの異物を侵入させて設定変更基板1310Y及び主制御基板1310Xを改変することができないように、カバー体1301のこれらの開口部1301hに対応する部分と設定スイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、RAMクリアスイッチ1310fとの間に、針金等の異物の侵入を防止する異物侵入防止部1301v(例えば図144Hに示した筒体1301c同士の嵌め合わせ)がそれぞれ成型されている。設定表示器1310g、及びベースモニタ1310hは、カバー体1301とベース体1302とにより形成される内部空間1320sに収容されて全く触れることができないものの、カバー体1301が、上述したように透明に成型されているため、カバー体1301を通して、設定表示器1310gが表示する設定値と、ベースモニタ1310hが表示する球数と、を視認することができる。
なお、不正な改変を防止するために、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、設定スイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
[5−4−2−3.設定スイッチ、設定切替ボタン、設定表示器]
設定スイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、及び設定表示器1について簡単に説明する。ここで、まず遊技設定の設定値の変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーK1は、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なものであるため、遊技ホールの店長を含めた2〜3人の限られた者のみが所持している。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1が差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定スイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まず外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いてパチンコ機1の電源を電源スイッチ630aでOFFにしてから設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1を差し込み、その設定キーK1を時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONし、その後再び電源スイッチ630aでパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
したがって設定値の設定変更を行う者は、まず外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いてパチンコ機1の電源を図7の電源スイッチ630aでOFFにしてから設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1を差し込み、その設定キーK1を時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONとする。続いて電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
次ぎに、設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311pを押圧すると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部を押圧するごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
次ぎに、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダを反時計方向へ向かって120度回動操作して(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとする。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納する。
次ぎに、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより、設定スイッチ1311aをOFFとする。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gを非表示状態に切り替え、設定変更許可ランプ1311cを消灯する。
次ぎに、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーK1を抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
また、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1が差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで、設定スイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1を差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONすることとなる。
したがって、現在の設定値の確認を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されている状態(停電や瞬停が発生して電力が回復した状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1を差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONする。この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1311cを消灯した状態が維持され、また設定値の確認を行う者が設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311pを押圧しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
そして、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、設定表示器1310gによる設定値の状態が消える。
最後に、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーK1を抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1が差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1が差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーK1が差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「復電時」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「復電後」を要件とする点で相違する。
ここで、遊技設定の設定値について説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率(以上を総称して「抽選の当りの確率」ともいう。)、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、複数段階の設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310Xの主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1〜設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1〜設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
次に、ベースモニタ1310hについて簡単に説明すると、ベースモニタ1310hは、遊技領域5aに発射された遊技球のうち、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数が表示されるものである。遊技領域5aに発射された遊技球のうち、アウト口1008により回収された遊技球は、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bのうち、いずれか一方で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、アウト口1008により回収された遊技球の球数を計数し、計数結果(総数)を、その内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示するようになっている。
なお、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい。この場合、設定スイッチ1311a’を設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定スイッチ1311a’を決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようにしてもよい(設定スイッチ1311a’の態様を「決定キーの変形例(1)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、図示しないが、設定変更基板1310Yに押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体1301に形成される開口部を介して外部に露呈され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などの異物を侵入させて設定変更基板1310Y及び主制御基板1310Xを改変することができないように、設定切替ボタン1311bの異物侵入防止部1301vと同様の異物侵入防止部が設けられる。
決定キーボタンの押圧操作部が押圧されると、この操作信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、設定変更基板1310Yに決定キーボタンを配置する位置は、設定スイッチ1311aの近傍であってもよし、設定切替ボタン1311bの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体1301には、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとが混同されないように決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとに、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとが混同されないように、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、設定変更基板1310Yに決定キーボタンと設定切替ボタン1311bとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンと設定切替ボタン1311bへの配線パターンとの引き回しとして設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンと設定切替ボタン1311bからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、設定変更基板1310Yに決定キーボタンを設ける場合には、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(2)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、ハンドルユニット180おける、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、主制御MPU1310aは、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル182に手のひらや指が触れているときには決定キーONであると判定することができる一方、ハンドル182に手のひらや指が触れていないときには決定キーONでないと判定することができるし、及び/又は、単発ボタン操作センサ194からの検出信号に基づいて遊技球Bの打ち出しを強制的に停止しているときには決定キーONであると判定することができる一方、遊技球Bの打ち出しを強制的に停止していないときには決定キーONでないと判定することができる(ハンドルタッチセンサの態様(単発ボタン操作センサの態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(3)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、後述する払出制御基板633の発射制御部633bに備える発射タイミング制御回路から発射基準パルスが払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、これらの発射基準パルスに基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。発射基準パルスは、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出すことができる基準パルスであり、発振回路からのクロック信号に基づいて生成されるものである。この場合、主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの発射基準パルスが入力されると、決定キーONであると判定することができる一方、発射基準パルスが入力されないと、決定キーONでないと判定することができる(発射基準パルスの態様を「決定キーの変形例(4)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、パチンコ機1の対面に着座する遊技者の動作を検出することができる測距センサが遊技盤5に設けられ、この測距センサからの検出信号が中継基板を介して周辺制御基板1510へ入力されている場合には、この測距センサからの検出信号が中継基板において分岐されて中継基板を介して主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、この検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。測距センサは、発光部が発した光が扉枠3におけるガラスユニット160の透明なガラス板162を通過して、予め定めた距離寸法内において、遊技者の腕又は手等に反射し、この反射した光が再び透明なガラス板162を通過して受光部で受光されることにより遊技者の動作を検出することができるものである。この場合、主制御MPU1310aは、測距センサからの検出信号が中継基板を介して入力されると、この検出信号に基づいて動作の有無を判定し、動作があると判定したときには決定キーONであると判定することができる一方、動作がないと判定したときには決定キーONでないと判定することができる(測距センサの態様を「決定キーの変形例(5)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、シリアル情報として、外部へシリアル出力することができるシリアル出力回路を、設定スイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定スイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このシリアル出力回路が設けられる設定スイッチ1311aは、設定変更基板1310Yに備えていたが、これに代えて、主制御基板1310Xに備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このシリアル出力回路からシリアル出力されるシリアル情報が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、受信したシリアル情報から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝えるものであるかを判別することができる(シリアル回路を有する設定スイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(6)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、決定キーON、及びOFFを伝える情報を、パルス信号として、外部へ出力することができるパルス出力回路を、設定スイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定スイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このパルス出力回路が設けられる設定スイッチ1311aは、設定変更基板1310Yに備えていたが、これに代えて、主制御基板1310Xに備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、例えば、設定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が1msに設定され、決定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が3msに設定され、OFFを伝える情報である場合にはパルス幅が5msに設定される。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、入力されたパルス信号から設定キーON、決定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝える情報であるかを判別することができる(パルス出力回路を有する設定スイッチ1311aの態様を「決定キーの変形例(7)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キーシリンダが初期位置から反時計方向へ向かって60度回転操作されて第2のON操作されることにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、また、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができるとともに、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーONの信号の電圧レベル、決定キーONの信号の電圧レベル、及びOFFの信号の電圧レベルを、設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xまでに亘る基板間において、中間電位(例えば、ゼロVから5Vまでのうち、2Vから3Vまでの電位)を用い、主制御基板1310Xにおいてコンパレータ回路を設けて、コンパレータ回路による比較結果が主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aが設定キーONの信号のON/OFF、決定キーONの信号のON/OFF、及びOFFの信号のON/OFFを判定してもよい。これにより、設定スイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる(中間電位を用いる設定スイッチの態様を「決定キーの変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して払出制御基板633を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が払出制御基板633から主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、払出制御基板633に決定キーボタンを配置する位置は、後述する押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとが混同されないように決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとが混同されないように、決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633に決定キーボタンとエラー解除スイッチ633dとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンとエラー解除スイッチ633dへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310Xのコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、決定キーボタンからの検出信号が伝送される配線パターンとエラー解除スイッチ633dからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633に決定キーボタンを設ける場合には、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(9)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dからの信号が、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、この信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチ633dは、上述したように、エラーLED表示器633cに表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチ633dの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、エラー解除スイッチ633dからの信号に基づいてエラー解除スイッチ633dの押圧操作部が操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチ633dからの信号に基づいてエラー解除スイッチ633dの押圧操作部が操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(エラー解除スイッチの態様を「決定キーの変形例(10)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、払出制御基板633に押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dからの信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310Xへ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。エラー解除スイッチ633dは、上述したように、エラーLED表示器633cに表示されているエラーを解除するためのものであり、復電後においてパチンコ機1のシステムが起動完了し(各種制御基板の電源時投入時処理を完了して割り込み処理を行っている状態となり)、パチンコ機1の状態としてエラーが発生していない場合には、エラー解除スイッチ633dの押圧操作部を操作することが全くない。そこで、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、エラー解除スイッチ633dからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていると払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、エラー解除スイッチ633dからの信号に基づいて押圧操作部が操作されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(エラー解除スイッチの態様2を「決定キーの変形例(11)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RAMクリアスイッチ1310fが主制御基板1310Xに備えられ、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RAMクリアスイッチ1310fを払出制御基板633に備えるようにして、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号が払出制御基板633の払出制御MPU633aaへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、主制御MPU1310aが入力される操作信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる。
払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部は、RAMクリアスイッチ1310fと対応する払出制御基板ボックス632のカバー体に形成される開口部を介して露出され、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入させて払出制御基板633を改変することができないように、前記異物侵入防止部1301vと同様の異物侵入防止部が形成されている。
なお、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fを配置する位置は、後述する押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dの近傍であってもよい。払出制御基板633のカバー体には、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとが混同されないようにRAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとが混同されないように、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、RAMクリアスイッチ1310fとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。RAMクリアスイッチ1310fとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fとエラー解除スイッチ633dとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、RAMクリアスイッチ1310fへの配線パターンとエラー解除スイッチ633dへの配線パターンとの引き回しとして払出制御基板633において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、払出制御基板633のコネクタの端子(主制御基板1310Xのコネクタの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号が伝送される配線パターンとエラー解除スイッチ633dからの検出信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、払出制御基板633にRAMクリアスイッチ1310fを設ける場合には、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(12)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、RAMクリアスイッチ1310fが主制御基板1310Xに備えられ、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、RAMクリアスイッチ1310fを払出制御基板633に備えるようにして、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310Xへ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていると払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる(RAMクリアスイッチの態様2(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(13)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bがパネル中継基板1710を介して主制御基板1310Xに入力され、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bが払出制御基板633を介して(経由して)、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、主制御MPU1310aが入力されるアウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに発射された遊技球は、上述したように、この遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される。このアウト口1008により回収された遊技球は、上述したように、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bのうち、いずれか一方で検出される。そこで、主制御MPU1310aは、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号に基づいて、本体枠4に対して扉枠3が開放されている場合であって、かつ、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bのうち、いずれか一方からの検出信号に基づいて、アウト口1008が遊技球を回収したときには決定キーONであると判定することができる一方、本体枠4に対して扉枠3が開放されていない(つまり閉鎖されている)場合、及び/又は、アウト口左センサ1008aとアウト口右センサ1008bとの検出信号に基づいて、いずれもアウト口1008が遊技球を回収していないときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(アウト口スイッチの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(14)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、遊技球Bをアウト口1008へ送り込む必要がある。
また、上述した実施形態では、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bがパネル中継基板1710を介して主制御基板1310Xに入力され、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bからの検出信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310Xへ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに発射された遊技球は、上述したように、この遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される。このアウト口1008により回収された遊技球は、上述したように、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bのうち、いずれか一方で検出される。そこで、主制御MPU1310aは、後述する主制御タイマ割り込み処理における枠コマンド受信処理において、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bからの検出信号に基づいて、アウト口1008により遊技球が回収されたと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONであると判定することができる一方、アウト口1008により遊技球が回収されていないと払出制御MPU633aaが判定してその旨を伝えるコマンドを受信したときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(アウト口スイッチの態様2(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(15)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、遊技球Bをアウト口1008へ送り込む必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号が払出制御基板633の払出制御MPU633aaへ入力されるとともに、払出制御基板633において分岐されて払出制御基板633を介して主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよいし、満タン検知センサ154、球切検知センサ574、又は払出検知センサ591からの検出信号の論理を払出制御基板633の払出制御MPU633aaが後述する払出制御部電源投入時処理のポート入力処理において監視してコマンドを作成し、後述する払出制御部電源投入時処理のコマンド送信処理において作成したコマンドを主制御基板1310Xへ送信し、このコマンドを受信した主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(払出ユニットの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(16)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号に基づいて、外枠2に対して本体枠4が閉鎖されたときには決定キーONであると判定することができる一方、外枠2に対して本体枠4が開放されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(本体枠開放スイッチの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要があり、決定キーONした後に、外枠2に対して本体枠4を再び開放して、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーK1を抜き取り、外枠2に対して本体枠4を再び閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aは、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号に基づいて、本体枠4に対して扉枠3が開放されたときには決定キーONであると判定することができる一方、本体枠4に対して扉枠3が閉鎖されたままの状態が維持されているときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(扉枠開放スイッチの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(17)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放する必要があり、決定キーONした後に、本体枠4に対して扉枠3を再び閉鎖し、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口から設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定スイッチ1311aを主制御基板1310Xに備えるようにしてもよい(設定スイッチの態様を「決定キーの変形例(18)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定スイッチ1311aを主制御基板1310Xに備えるとともに、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置へ回動操作されてOFF操作されることにより設定スイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aは、OFFの信号が入力されたときには決定キーONであると判定することができる一方、OFFの信号が入力されていないときには決定キーONでないと判定することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(設定スイッチの態様2(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(19)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御基板1310Xに押圧操作部を有する決定キーボタンを設けてもよい。この場合、決定キーボタンの押圧操作部は、決定キーボタンと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体1301に形成される開口部を介して露出され、決定キーボタンの押圧操作部と、これに対応する開口部と、に形成される「すき間」から針金などを侵入して主制御基板1310Xを改変することができないように、カバー体1301の開口部に対応する部分と押圧操作部との間に、前記異物侵入防止部1301v(図144H参照)と同様の異物侵入防止部が形成されている。決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されると、この操作信号が主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、決定キーボタンからの検出信号に基づいて決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、決定キーボタンの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。
なお、主制御基板1310Xに決定キーボタンを配置する位置は、RAMクリアスイッチ1310fの近傍であってもよい。主制御基板ボックス1320のカバー体には、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとが混同されないように決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとにそれぞれ対応する位置に、各ボタンの名称が印刷されたシールが貼られている(このシールに替えてカバー体に各ボタンの名称が成型されていてもよい)。また、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとが混同されないように、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとのうちいずれか一方の押圧操作部を覆うカバー付きのボタン(押圧操作部を押圧操作するためにカバーを開放する必要がある。)を採用してもよいし、押圧操作部の色を異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとの外形の形状又は押圧操作部の形状が異なるものを採用してもよいし、決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチを採用してもよい。決定キーボタンとして押圧操作部を有するものでない他の種類のスイッチとしては、例えば、レバーを有するトグルスイッチ、スライド部を有するスライドスイッチ、回転操作部を有するロータリースイッチ、ロッカスイッチ、タッチスイッチ等の各種スイッチを挙げることができる。また、主制御基板1310Xに決定キーボタンとRAMクリアスイッチ1310fとを設ける場合には、不正な改変を防止するために、決定キーボタンへの配線パターンとRAMクリアスイッチ1310fへの配線パターンとの引き回しとして主制御基板1310Xにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。また、主制御基板1310Xに決定キーボタンを設ける場合には、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(決定キーボタンの態様2(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(20)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aが入力されるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。RAMクリアスイッチ1310fは、後述するように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが後述する設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を必ずクリアする。そこで、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながらパチンコ機1の電源投入が行われることで主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域を必ずクリアするため、RAMクリアスイッチ1310fを決定キーとして流用することができ、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには決定キーONであると判定することができる一方、払出制御基板633に備えるRAMクリアスイッチ1310fからの操作信号に基づいてRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには決定キーONでないと判定することができる。これにより、決定キーONの有無に対してセキュリティーを向上することができる。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(RAMクリアスイッチの態様3(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(21)」と記載する場合がある)。なお、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作される期間がパチンコ機1の電源投入時と限定されるとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号は、後述するように、払出制御基板633の払出制御MPU633aaに入力されるため、RAMクリアスイッチ1310fが後述するエラー解除スイッチ633dの機能を兼ねるように構成する場合には、払出制御基板633にエラー解除スイッチ633dが不要となる。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技盤5に設けられる、ゲート部2003のゲートセンサ2401、各種入賞口の各種センサ(例えば、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、第1受入口センサ2406、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002)、アウト口1008のアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bからの検出信号が入力される主制御MPU1310aがこれらの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(各種センサ等の態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(22)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、ゲート部2003へ遊技球Bを送り込んだり、各種入賞口へ遊技球Bを送り込んだり、アウト口1008へ遊技球Bを送り込んだりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、主制御MPU1310aがステッピングモータ、DCモータ、ソレノイド等の電気的駆動源の駆動制御を行って可動体(役物)の作動を制御し、光学式センサ(フォトセンサや測距センサ等)から検出信号に基づいて可動体(役物)の原位置や作動位置等を判定する場合には、この光学式センサからの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(光学式役物センサの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(23)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、本体枠4に対して扉枠3を開放して、光学式センサが可動体(役物)の原位置や作動位置等を検知するように、可動体(役物)を移動させる必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003からの検出信号が入力される主制御MPU1310aが磁気センサ3003からの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(磁気センサの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(24)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1の正面から遊技盤5の前面へ向かって磁石を近づける必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させる不正行為を検知する振動センサを遊技盤5に設ける場合には、主制御MPU1310aが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、振動センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(振動センサの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(25)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりする必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、パチンコ機1に電波を照射して遊技盤5に設けられる各種入賞口の各種センサや払出装置580に設けられる各種センサの誤動作をさせて遊技球Bを不正に獲得する不正行為を検知する電波センサを遊技盤5や払出装置580に設ける場合には、主制御MPU1310aが電波センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定するとともに、電波センサからの検出信号に基づいて決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(電波センサの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(26)」と記載する場合がある)。なお、この場合、設定値の設定変更を行う者は、決定キーONとするために、パチンコ機1に電波を照射する必要がある。
また、上述した実施形態では、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作して)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aを決定キーONとすることができ、この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、これに代えて、演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381からの検出信号、演出操作ボタンユニット360の回転操作部302の回転方向を検知する第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とからの検出信号が周辺制御基板1510へ入力されるとともに、周辺制御基板1510において分岐されて主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力され、これらの検出信号に基づいて主制御MPU1310aが決定キーONの有無を判定してもよい。この場合、設定スイッチ1311aを初期位置から設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置までに亘る範囲のみ回動操作することができる設定スイッチ1311a’としてもよい(演出操作ボタンユニットの態様(設定スイッチ1311a’の態様を含めてもよい。)を「決定キーの変形例(27)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、カバー体1301とベース体1302とから構成されている主制御基板ボックス1320の内部空間1320sに主制御基板1310X及び設定変更基板1310Yが収容されていたが、設定変更基板1310Yを別体の設定変更基板ボックスに収容して主制御基板ボックス1320の周囲又は隣接して配置してもよい。主制御基板ボックス1320は、カバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部1303は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体1301をベース体1302から取り外すことができない。このような主制御基板ボックス1320の構造は、設定変更基板ボックスの構造においても、適用することができる。この場合、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部は、それぞれと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1310Yを改変することができないように、カバー体の開口部に対応する部分と押圧操作部との間に、前記異物侵入防止部1301v(図144H参照)と同様の異物侵入防止部が形成される。なお、設定変更基板ボックスの構造として、上述した主制御基板ボックス1320の構造と異なり、カバー体をベース体から開放又は閉鎖することができるように構成されている場合には、ベース体に対してカバー体の開放を検出することができる設定変更基板カバー体用開閉スイッチを設けてもよい。この場合、設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号を主制御基板1310Xへ直接入力されるように構成してもよいし、設定変更基板1310Yを介して主制御基板1310Xへ(間接)入力されるように構成してもよい。設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号に基づいて、カバー体をベース体から開放されている場合ことを、上述した予め定めた設定値変更許可条件に含むことができる(設定変更基板ボックスの態様を「決定キーの変形例(28)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1310YのコネクタSMCNと主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子とが接続されるように構成され、不正な改変を防止するために、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、設定スイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されていたが、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、のうち、いずれか一方の配線パターンついては、設定変更基板1310YのコネクタSMCNと別体に設定変更基板1310Yに設けられる他のコネクタを介して、主制御基板1310XのコネクタMSCNと別体に主制御基板1310Xに設けられる他のコネクタとコネクタ接続(基板間接続)されてもよいし、この設定変更基板1310Yに設けられるの他のコネクタと主制御基板1310Xに設けられる他のコネクタとを、ハーネスを介して、電気的に接続されてもよい(配線パターンの引き回しの態様を「決定キーの変形例(29)」と記載する場合がある)。
また、上述した決定キーの変形例(1)〜(29)のうち、適宜選択して組み合わせた態様を採用してもよい(変形例の選択組み合わせの態様を「決定キーの変形例(30)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定値では、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されている。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されていた。ところで、本実施形態のパチンコ機1には、設定値1〜設定値6までに亘って複数の設定値が存在するものの、他のパチンコ機には遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定される単一の設定値が存在するものもある。つまり、本実施形態のパチンコ機1のように遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め複数の設定値として存在して設定変更が必要な遊技仕様のものと、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様のものと、がある。ところが、このような遊技仕様に応じて主制御基板1310Xのハードウェア構成を設計変更するとともに、設定変更基板1310Yのハードウェア構成を設計変更又は不使用とすると、主制御基板1310X及び設定変更基板1310Yが遊技仕様に依存されることとなるため、遊技仕様に応じてハードウェア構成が類似する又は異なる主制御基板1310X及び設定変更基板1310Yを有することとなる。そこで、主制御基板1310X及び設定変更基板1310Yを、遊技仕様に依存されない、つまりハードウェア構成の設計変更を伴わずに共通して使用することができるものが求められる。
例えば、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様においては、設定値を遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)として使用する必要が全くなくなるため、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6を、次のような内容として割り当てるソフトウェアによる設計変更により対応することができる。
例えば、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)をクリアした後に実機確認動作パターンを複数設定することができる(RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる)設定値として使用することができる。この場合には、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる(RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(1)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、RAMクリア後の実機確認動作を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた内容(実機確認動作パターン)で周辺制御基板1510が制御する対象となっている可動体(役物)の動作、発光体の点灯を行うことができる。このRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様により、RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後からデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)となるまでの時間を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「10秒」を指定する時間設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「15秒」を指定する時間設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「20秒」を指定する時間設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「25秒」を指定する時間設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「30秒」を指定する時間設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「35秒」を指定する時間設定パターン6が割り当てられる(図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(2)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた時間(時間設定パターン)でデモンストレーションを開始することができる。この図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様により、図柄の変動終了後からデモンストレーションとなるまでの時間にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後に行われるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)の内容を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「コミカル演出」を指定するデモ演出設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「コミカル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「シリアス演出」を指定するデモ演出設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「シリアル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「時代劇風演出」を指定するデモ演出設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「時代劇風演出、可動体(役物)」を指定するデモ演出設定パターン6が割り当てられる(デモ演出の内容の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(3)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデモ演出(デモ演出設定パターン)でデモンストレーションを行うことができる。このデモ演出の内容の変更設定の態様により、図柄の変動終了後に行われるデモ演出の内容にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dにより調整されるデフォルト音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。音量調整スイッチ1510dがスライド操作されることでデフォルト音量から音量を大きくしたり、小さくしたりすることができる。この場合には、設定値1として「音量1」を指定する音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「音量2」を指定する音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「音量3」を指定する音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定する音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「音量5」を指定する音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「音量6」を指定する音量設定パターン6が割り当てられる(デフォルト音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(4)」と記載する場合がある)。なお、設定値1から設定値6へ向かって音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた音量(音量設定パターン)でデフォルト音量が設定される。また、設定値1に割り当てられる「音量1」のデフォルト音量は、スライド方式の音量調整スイッチ1510dが音量を小さくする方向へ移動され(音量を大きくする方向と反対方向へ移動され)、音量最小側末端へ移動完了されて最小側音量に調整されたときには、消音となるようにしてもよいし、パチンコ機の前面で立ち止まると、音を認識することができる音量としてもよい。また、設定値6に割り当てられる「音量6」のデフォルト音量は、スライド方式の音量調整スイッチ1510dが音量を大きくする方向へ移動され(音量を小さくする方向と反対方向へ移動され)、音量最大側末端へ移動完了されて最大側音量に調整されたときには、最大音量としてもよいし、最大音量の所定割合(例えば、85%)の音量としてもよい。このデフォルト音量の変更設定の態様により、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dにより調整されるデフォルト音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるエラー報知音の音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。各種エラー報知音は、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dの操作により調整することができないもの(つまり、依存されないもの)であり、最大音量とすることでエラー報知音が発するパチンコ機を遊技ホールの店員等の係員が気付きやすいものの、他のパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して、耳障りに感じる場合もある。そこで、各種エラー報知音の音量を調整することができるものも求められる。この場合には、設定値1として「エラー報知音量1」を指定するエラー報知音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知音量2」を指定するエラー報知音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知音量3」を指定するエラー報知音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定するエラー報知音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知音量5」を指定するエラー報知音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知音量6(最大音量)」を指定するエラー報知音量設定パターン6が割り当てられる(エラー報知音の音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(5)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消音とならない音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機の前面で立ち止まると、そのエラー報知音を認識することができる音量)から設定値6(最大音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機から数メートル離れてもそのエラー報知音を十分に認識することができる音量)へ向かってエラー報知音の音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知音の音量(エラー報知音量設定パターン)でエラー報知音を発する制御を行う。このエラー報知音の音量の変更設定の態様により、エラー報知におけるエラー報知音の音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっている発光体に対して、デフォルト輝度から輝度を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合には、設定値1として「輝度1」を指定するデフォルト輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「輝度2」を指定するデフォルト輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「輝度3」を指定するデフォルト輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「輝度4」を指定するデフォルト輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「輝度5」を指定するデフォルト輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「輝度6」を指定するデフォルト輝度設定パターン6が割り当てられる(デフォルト輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(6)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、デフォルト輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデフォルト輝度(デフォルト輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このデフォルト輝度の内容の変更設定の態様により、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっているランプに対して、設定値1として「エラー報知輝度1」を指定するエラー報知輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知輝度2」を指定するエラー報知輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知輝度3」を指定するエラー報知輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「エラー報知輝度4」を指定するエラー報知輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知輝度5」を指定するエラー報知輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知輝度6(最大輝度)」を指定するエラー報知輝度設定パターン6が割り当てられる(エラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(7)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消灯とならないものの、ランプの輝度が低く、パチンコ機の前面で立ち止まると、エラー報知を認識することができるランプの輝度)から設定値6(最大輝度)へ向かってランプの輝度が高くなるように設定されている。主制御MPU1310aは、エラー報知における発光体の輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知輝度(エラー報知輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このエラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様により、エラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(7)に割り当てられる各種設定値は、主制御MPU1310aが行う後述する設定値確認表示処理において予め定めた設定値表示許可条件が成立したときに設定表示器1310gに表示されるようになっているが、パチンコ機1の電源投入後から電源遮断時までに亘って常に設定表示器1310gに表示されるようにしてもよい(設定値表示の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(8)のうち、いずれか1つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入が行われると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。また、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立すると、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。つまり、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合、パチンコ機1の復電時において上述した予め定めた設定値変更許可条件が成立する場合には、いずれにおいても、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。そこで、上述した予め定めた設定値変更許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていてもよい(「予め定めた設定値変更許可条件の変形例」と記載する場合がある)。
また、上述した予め定めた設定値表示許可条件は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復された復電後において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることが必要であった。主制御MPU1310aは、この予め定めた設定値表示許可条件が成立すると、後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行われる設定値確認表示処理において、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示する。また、RAMクリアスイッチ1310fは、上述したように、パチンコ機1の電源投入を行うときに押圧操作部が押圧操作されている必要があり、押圧操作される期間が限定されていた。そこで、上述した予め定めた設定値表示許可条件として、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることに加えて、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていなくてもよい(「予め定めた設定値表示許可条件の変形例」と記載する場合がある)。この場合、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立すると、設定値確認表示処理を後述する主制御側タイマ割り込み処理の一処理として行わずに後述する主制御側電源投入時処理において、内蔵WDTの初期設定及び起動設定を行う前までに行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行することとなる。なお、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合には、まだ割り込み許可設定を行っていないため、主制御側タイマ割り込み処理を行わず、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定スイッチ1311aが設定キーONされ、設定スイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取って後述する入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶していない。このため、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件の変形例が成立して設定値確認表示処理を行う場合に、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定スイッチ1311aからの設定キーONの信号と、を読み取る。
上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例と上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例とを共に採用することにより、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停も含む。)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キーON操作されていることを前提として、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されているときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行するのに対して、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されていないときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定値確認表示処理を行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。この態様を採用することにより、主制御MPU1310aは、遊技の進行を開始すると、設定値確認表示処理が一度も行われない。つまり、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示することが一度もない。主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理の球数計数処理において遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を計数して後述する主制御側電源投入時処理のポート出力処理においてベースモニタ1310hに出力してアウト口1008により回収された遊技球の球数をベースモニタ1310hに表示する。そこで、設定表示器1310gが表示する設定されている現状の設定値を、上述したベースモニタ1310hに表示するようにしてもよい(「ベースモニタの利用方法の変形例」と記載する場合がある)。これにより、主制御MPU1310aは、ベースモニタ1310hを用いて、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始するまでの期間において、設定されている現状の設定値を表示することができるとともに、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、アウト口1008により回収された遊技球の球数を表示することができるため、設定表示器1310gを設ける必要がなくなりコスト削減に寄与することができる。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した決定キーの変形例(30)に採用してもよい。
また、上述した予め定めた設定値変更許可条件の変形例、上述した予め定めた設定値表示許可条件の変形例、及び上述したベースモニタの利用方法の変形例のうち、いずれか一つを適宜選択して、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)〜(8)に採用してもよい。
因みに、従来より、遊技盤の遊技領域には、複数の釘が植設され、発射装置により発射された遊技球が入球することができる受入口が設けられている。遊技領域を流下する遊技球が受入口に入球すると、所定の確率による抽選手段によって当選すると、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する遊技機が提案されている(例えば、特開2008−012194号公報(段落[0029]、段落[0033]、及び図2))。このような遊技機では、釘の姿勢により遊技領域を流下する遊技球の進路が変化するため、この流下する遊技球の動きの変化を楽しむことができる。ところが、釘の姿勢を理解することができる遊技者のみが流下する遊技球の動きの変化に富んだ台を遊技ホールに設置される複数台の遊技機から選択することができるため、遊技の幅を広げることができる者が限定されていた。
また、従来より、電源が投入されると、主制御基板がメイン処理でタイマ割込を許可してタイマ割込み処理を実行することにより遊技を進行することができる遊技機が提案されている(例えば、特開2013−252306号公報(図2、及び図4))。ところが、この文献に記載される遊技機は、電源が投入されると、メイン処理の流れに沿って各種処理が進行されることで電源投入時からタイマ割込が許可されるまでの各種処理が同一となっているため、遊技機の起動方法を遊技ホールにおいて選択することができなかった。
また、従来より、電源が投入されると、主制御基板がメイン処理でタイマ割込を許可してタイマ割込み処理を実行することにより遊技を進行することができる遊技機が提案されている(例えば、特開2013−252306号公報(図2、及び図4))。ところが、この文献に記載される遊技機では、遊技ホールの店員等の係員がRAMの初期化を行って内容を消去するときにはRAMクリアスイッチを操作する必要があり、遊技ホールの店員等の係員による消去方法が1つに限定されていた。
[5−4−3.遊技設定の防犯構造]
以上のように本発明のパチンコ機1は、遊技者の利益に関係する遊技設定を複数段階の設定値として備えていて、その設定値を設定スイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、設定表示器1310g等の変更操作手段で変更し得るようになっており、そのような遊技設定の設定値の不正変更を防止するための防犯構造が設けられている。以下に、その防犯構造の具体例について説明する。
[5−4−3−1.変更操作手段の防犯構造(1)]
変更操作手段の不正操作を防止するための第一の防犯構造(1)は、図144A〜図144Cの実施形態について上記で説明したように、変更操作手段の、特に設定変更開始を制御する特定操作部を設定キーK1によってON操作させる設定スイッチ1311a(先端の面部にキー挿入部を有する)で構成してなる。これによって変更操作手段による遊技設定の設定値の変更が、設定キーK1を持つ遊技ホールの店長を含めた特定の者にしか行えない。
変更操作手段は、設定値の変更を行うためのものであって、実施形態では電源スイッチ630a、設定スイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、設定表示器1310gで構成され、このうち設定スイッチ1311aが、主制御部1310に設けられていて設定変更開始を制御する特定操作部であり、また、設定切替ボタン1311bが主制御部1310に設けられていて設定変更開始以外の設定操作を行う別操作部である。そして、この別操作部に対しては、針金などの異物の侵入を阻止する異物侵入防止部1301v以外の防犯対策は講じられておらず、したがって外部からの入力操作(設定切替ボタン1311bの押圧操作部1311pの押圧操作)は特定の者以外でも一応可能であるが、特定操作部たる設定スイッチ1311aが設定キーK1によって設定キーONされているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立していない状態での入力は制御上無効であるため、防犯上の問題は殆どない。
なお、変更操作手段の特定操作部である設定スイッチ1311aは、図示したように主制御部1310の基板面に対して直交する方向に軸線が向けられており、その先端部分がカバー体1301の外面に出っ張っているが、その出っ張りが遊技ホールの島設備の奥行きによっては邪魔になるおそれがあり、さらには保管時などにも邪魔になる可能性がある。
そのような場合には、図144A、Bに想像線で示したように、設定キーK1によって操作する変更操作手段(例えば、キー挿入部を有する設定スイッチ1311a)の軸線を主制御部1310の基板面に対して略平行となる向きに設定し、その先端面(キー挿入面)を主制御基板ボックス1320の側面側に臨ませるようにすることが例示できる。具体的には、キー挿入部を主制御部1310の基板面の正面視左端(ヒンジ部側)から突出するように(基板端からはみだすように)に変更操作手段を主制御部1310の基板面に対して略平行となる向きに配置するとともに、設定スイッチ1311aに嵌り合うように、収容体である主制御基板ボックス1320のベース体1302に形成した半円状の切欠き部と、主制御基板ボックス1320のカバー体1301に形成した切欠き部との双方によって、キー挿入部を外部に露呈した状態で変更操作手段の突出部分を収容することが例示できる。なお、キー挿入部を主制御部1310の基板面の正面視左端から突出させるにあたり、キー挿入部が設けられる面部を主制御基板ボックス1320の側面部と略同一の面にしてもよいし、キー挿入部が設けられる面部を主制御基板ボックス1320の側面部よりも突出させるようにしてもよい。
これにより変更操作手段の主制御基板ボックス1320の後方側(パチンコ機1の背面側)への出っ張りを殆ど無くすか或は小さくすることができる。また、主制御部1310の基板を主制御基板ボックス1320のベース体1302あるいはカバー体1301に配置する作業を行う際に、基板端から突出したキー挿入部を前記切欠き部に収めることによって、主制御部1310の基板の位置決め(位置合わせ)を容易にし、パチンコ機1の組立作業の負担を軽減することもできる。
[5−4−3−2.変更操作手段の防犯構造(2)]
変更操作手段の不正操作を防止するための第二の防犯構造(2)は、図144D〜図144Iに示されているように、変更操作手段の少なくとも一部を覆う変更抑制手段1312と、該変更抑制手段1312をロック(保持)する第1状態保持手段(以下、ロック部ともいう。)1313と、からなる。
この防犯構造(2)の変更操作手段は、上記防犯構造(1)と同様に電源スイッチ630a、設定スイッチ1311a、設定切替ボタン1311b、設定表示器1310gで構成され、このうち主制御部1310に設けられている変更操作手段は、電源ユニット620cに設けられている電源スイッチ630aを除く、設定スイッチ1311a(以下、「特定操作部1311a」ともいう。)と、設定切替ボタン1311b(以下、「別操作部1311b」ともいう。)と、設定値を表示するための設定表示器1310gである。この防犯構造(2)において、特定操作部たる設定スイッチ1311aと別操作部たる設定切替ボタン1311bは、共に押圧操作部1311pを押圧操作することでON・OFF可能な小型の操作ロッドスイッチであり、自身は針金などの異物の侵入を阻止する異物侵入防止部1301v以外の防犯構造を備えていない。
防犯構造(2)の変更抑制手段1312は、遊技設定の変更操作を困難にするべく変更操作手段の少なくとも一部を覆うものであり、具体的構成については後述するが、変更操作手段の少なくとも一部を覆って遊技設定の変更操作を困難にする第1状態と、該第1状態で覆われていた変更操作手段を露呈させて遊技設定の変更操作を可能にする第2状態とに変化し得る。
ここで変更操作手段の少なくとも一部とは、変更操作手段が複数の要素からなる場合の全部はもちろん、その複数の要素の中の遊技設定上必須の変更操作に拘わる一要素でも良いことを意味する。また、変更操作手段の一つの要素に対して、その要素が完全に覆われていなくとも、遊技設定の変更操作が困難であれば多少の隙間があっても良いことをも意味している。つまり、変更操作手段の少なくとも一部を覆う、という概念には、前記した数的なものと、前記した質的なものの何れをも含む。
防犯構造(2)のロック部(第1状態保持手段)1313は、具体的構成については後述するが、変更抑制手段1312を前記第1状態でロック(保持)し且つそのロック(保持)を特定の解除操作によって解除して、変更抑制手段1312の第1状態から第2状態への変化と、第2状態から第1状態への変化を切り替えるものである。
[5−4−3−2−1.変更抑制手段とロック部(第1状態保持手段)]
具体的な防犯構造(2)の変更抑制手段1312とロック部(第1状態保持手段)1313を図144D〜図144Iによって説明する。
先ず、図144Dの変更抑制手段1312(D)は、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の外面のほぼ片側半分(つまり収容体の一部)を覆う平板形状であって、主制御部1310に設けられた変更操作手段の特定操作部1311a(設定スイッチ1311a)と別操作部1311b(設定切替ボタン1311b)と、さらに前記RAMクリアスイッチ1310fを一括して覆い得る。この変更抑制手段1312は、一端側をカバー体1301の軸受け部1301aに軸着することにより片開きの扉状に回動可能であり、図144Dに実線で示したように、前記特定操作部1311a等を覆って遊技設定の変更操作を困難にする第1状態と、同図に想像線で示したように、特定操作部1311a等を露呈させて遊技設定の変更操作を可能にする第2状態とに変化(回動)し得る。
一方、図144Dのロック部(第1状態保持手段)1313(D)は、変更抑制手段1312(D)の自由端側に一体に設けられたシリンダー錠1313aであり、そのシリンダー錠1313aの回転錠軸1313bの先端に設けたロック部材1313cを主制御基板ボックス1320のカバー体1301に突設した錠受け部材1301bに係合させることによって、第1状態の変更抑制手段1312(D)とカバー体1301とを結合して該変更抑制手段1312(D)を第1状態にロックする。
また、ロック部(第1状態保持手段)1313(D)は、解錠キーK2を使ってシリンダー錠1313aの回転錠軸1313bを回転させ、そうしてカバー体1301の錠受け部材1301bからロック部材1313cを外す、という特定の解除操作によって変更抑制手段1312(D)の第1状態のロック(保持)を解除して第2状態への変化を可能とし、さらに第2状態から第1状態に変化させた変更抑制手段1312(D)を前記解錠キーK2でロック(保持)し得るものである。
したがって、図144Dの変更抑制手段1312(D)とロック部(第1状態保持手段)1313(D)の防犯構造(2)を備えたパチンコ機1は、変更操作手段による遊技設定の設定値の変更が、解錠キーK2を持つ特定の者にしか行えないため、変更操作手段自体に遊技設定の変更に掛かる防犯構造を備えなくとも、防犯構造(1)と同じく防犯上の問題は殆どない。
なお、変更抑制手段1312(D)は、透過性(例えば透明)を有する合成樹脂製であって、第1状態で変更操作手段を覆っても該変更操作手段の視認性を妨げない。また、カバー体1301と変更抑制手段1312(D)の夫々は、変更抑制手段1312(D)が第1状態にあってカバー体1301を覆ったとき、互いに重ならない位置に管理番号や所定の説明文を記載した情報表示部1314を備えている。これにより、不正の隠蔽を目的に行われるカバー体1301や変更抑制手段1312(D)のすり替え(状態の良い部品同士の寄せ集め)が容易に発見でき、さらに、変更操作手段、特に特定操作部1311aに対する不正工作への目視による確認が容易に行える。
また、変更抑制手段1312(D)は、カバー体1301の一部を覆う大きさ・形状にしたが、例えば変更抑制手段1312(D)を、主制御ユニット1300を丸ごと覆い得る大きさ・形状に形成すると共に前記軸受け部1301aとロック部(第1状態保持手段)1313(D)の錠受け部材1301bを本体枠4側の固定部材(例えば基板ホルダ1200)に設けるようにしてもよい。そうすることにより、主制御ユニット1300全体の安全性を高めることができる。
また、この変更抑制手段1312(D)の防犯性能は、図144Dに示したように回動中心(軸受け部1301a)を本体枠4の自由端側に設けることにより、仮にロック部(第1状態保持手段)1313(D)が破壊されたとしても、さらなる防犯が可能に構成されている。すなわち、同図に想像線で示したように、変更抑制手段1312(D)は、開いた状態で衝立状になって変更操作手段(特定操作部1311a、別操作部1311b)の左側近傍を壁状にガードする役割を担うように構成されており、本体枠4の自由端側から変更操作手段に対して不正に変更操作を行う行為を、開いた状態とされた変更抑制手段1312(D)そのものによってブロックできるようになっている。つまり、このように変更抑制手段1312(D)の回動中心を本体枠4の自由端側に設けることにより、第1状態で変更操作手段を保護し得ることはもちろん、第2状態で衝立状になって変更操作手段に対する不正な変更操作を妨害することができる。また、かかる効果を最大限に享受するため、図144Dの変更抑制手段1312(D)は、開いた状態とされたときに軸受け部1301aからパチンコ機1の後方に向けて突出する長さ(距離)を、軸受け部1301aから変更操作手段(特定操作部1311a、別操作部1311b)が配置される箇所までの長さ(距離)よりも大きく構成しており、開いた状態の変更抑制手段1312(D)の右方に変更操作手段(特定操作部1311a、別操作部1311b)が直近する構成としている。また、変更操作手段(特定操作部1311a、別操作部1311b)が配置される箇所を変更抑制手段1312(D)の上下長の中心に近い位置にし、変更操作手段(特定操作部1311a、別操作部1311b)の上方および下方からのアクセスを困難にするとともに、さらに変更抑制手段1312(D)の回動は衝立状に起立した状態で停止(固定)させるようにしている。なお、これら各構成の一部を有することで防犯性能を向上させることができるが、最も好ましくはこれらを全て満たすのがよい。
また、逆に変更抑制手段1312(D)を小さくして特定操作部1311aのみが覆われるようになし、別操作部1311bが第1状態、第2状態のいずれでも覆わないようにしてもよい。このように複数の要素(特定操作部と別操作部)からなる変更操作手段の防護対象をセキュリティー上の重要度の高いものに絞り込むことにより、セキュリティー上の重要度の低いものを外部に開放しておくことで設定変更の作業性を向上させることができる。
なお、防犯構造(1)で説明した、変更操作手段の軸線を主制御部1310の基板面に対して略平行となる向きに設定すると共に該変更操作手段の先端部を収容体の側面に臨ませるようにした技術的思想については、ロック部(第1状態保持手段)1313(D)のシリンダー錠1313aなどにも適用可能である。
次ぎに、図144Eの変更抑制手段1312(E)は、図144Dの変更抑制手段1312(D)とほぼ同一であり、よって詳細な説明を省略する。
一方、図144Eのロック部(第1状態保持手段)1313(E)は、変更抑制手段1312(E)の自由端側に一体に設けられた孔明き錠受け部材1315と、カバー体1301側に突設された前記孔明き錠受け部材1316とを逆さU字状のロック部材1313cで結合する南京錠1313dであり、両孔明き錠受け部材1315,1316をロック部材1313cで係合させることによって、第1状態の変更抑制手段1312(E)とカバー体1301とを結合して該変更抑制手段1312(E)を第1状態にロック(保持)する。
また、ロック部(第1状態保持手段)1313(E)は、解錠キーK2を使って南京錠1313dのロック部材1313cを解錠方向に変化させ、そうして変更抑制手段1312(E)の孔明き錠受け部材1315とカバー体1301の孔明き錠受け部材1316からロック部材1313cを外す、という特定の解除操作によって変更抑制手段1312(E)の第1状態のロック(保持)を解除して第2状態への変化を可能とし、さらに第2状態から第1状態に変化させた変更抑制手段1312(E)を前記南京錠1313dでロック(保持)し得るものである。
なお、ロック部(第1状態保持手段)1313(E)は、周知の南京錠1313dを使用するものであり、したがってロック解除状態では変更抑制手段1312(E)とカバー体1301のどちらからも離脱する。よってロック部(第1状態保持手段)(E)は、カバー体1301に対して例えばワイヤー状或はチェーン状の支持部1317で繋ぐことにより、ロック解除状態でカバー体1301(収容体)から離脱しないようになっている。これにより、ロック解除状態でロック部(第1状態保持手段)1313(E)を島設備内に落下させてしまうおそれがなく、また、外したロック部(第1状態保持手段)1313(E)を置いた場所を失念し、ロック段階でそれを探す、という時間の無駄をなくすることができる。
次ぎに、図144F〜Hの変更抑制手段1312(F)は、略横向き扇形状で扇の要に相当する部分を主制御基板ボックス1320のカバー体1301に軸着することにより揺動自在にしたものであり、図144Fのように変更操作手段の特定操作部1311aを覆う前記第1状態と、図144Hのように特定操作部1311aを外部に露呈させる前記第2状態とに変化し得る。また、変更抑制手段1312(F)は、特定操作部1311aに対して第1状態にあるとき別操作部1311bを覆わず、一方、特定操作部1311aに対して第2状態に変化したとき、別操作部1311bを覆うようになっている。このように特定操作部1311aと別操作部1311bを変更抑制手段1312(F)で択一的に覆うことにより、特定操作部1311aと別操作部1311bを同時に操作する誤操作が起きにくい。
なお、変更抑制手段1312(F)は、揺動中心に設けた図示しない巻きバネにより別操作部1311bを覆う方向に常時付勢されており、後述するロック部(第1状態保持手段)1313(F)による第1状態のロック(保持)が解除されると巻きバネの弾性により第2状態に変化する。このように変更抑制手段1312(F)を第2状態に向けて付勢することで変更抑制手段1312(F)が中途半端な位置で停止するおそれがなく、操作性が向上する。なお、変更抑制手段1312(F)の付勢方向は、第1状態と第2状態のどちらでもよいが、好ましくは第2状態に向けて付勢しておけば、変更抑制手段1312(F)のロック(保持)が解除されたとき、特別操作部1311aが自動的に外部に露呈するため、変更操作の手順が判り易い。
図144F〜図144Hのロック部(第1状態保持手段)1313(F)は、カバー体1301に突設された取付台部1301dと、その取付台部1301dに固着されたシリンダー錠1313aと、そのシリンダー錠1313aの回転錠軸1313bの先端に取り付けたカム1313eと、からなり、該カム1313eの周面(カム面)を変更抑制手段1312(F)の上側面に摺接させることによって変更抑制手段1312を前記巻きバネの付勢に抗して押し下げて特定操作部1311aを覆う第1状態にロック(保持)する。
また、ロック部(第1状態保持手段)1313(F)は、解錠キーK2を使ってシリンダー錠1313aの回転錠軸1313bを回転させ、それによるカム1313eの周面形状の変化によって変更抑制手段1312(F)のロック(保持)を外す、という特定の解除操作によって変更抑制手段1312(F)の第1状態のロック(保持)を解除して第2状態への変化を可能とし(実施形態の変更抑制手段1312(F)は、図示しない巻きバネによって第2状態に向かう向きに付勢されているため、第1状態のロック(保持)が解除されると、カム1313eの周面に摺接しつつ自動的に第2状態に変化する。)、さらに第2状態から第1状態に変化させた変更抑制手段1312(F)を前記解錠キーK2でロック(保持)し得るものである。
なお、設定値の変更操作において、変更抑制手段1312(F)が第2状態にあって別操作部1311bを覆っているとき、該別操作部1311bを操作する必要がある場合は、変更抑制手段1312(F)に突設した操作突片1312mに指を掛けるなどして手動で押し下げて別操作部1311bを露呈させればよい。
以上のように、図144F、図144Hの変更抑制手段1312(F)とロック部(第1状態保持手段)1313(F)の防犯構造(2)を備えたパチンコ機1は、変更操作手段による遊技設定の設定値の変更が、解錠キーK2を持つ特定の者にしか行えないため、変更操作手段自体に遊技設定の変更に掛かる防犯構造を備えなくとも、防犯構造(1)と同じく防犯上の問題は殆どない。
次ぎに、図144Iの変更抑制手段1312(I)は、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の設定変更基板1310Xに対応する部分を切り離して独立させた形態のものであり、主制御基板ボックス1320のベース体1302の一辺に形成された鍵型ヒンジ部1302aに自己の鍵型ヒンジ部1312bを係合させることにより、ベース体1302に対して回動自在であり、設定変更基板1310Yに設けられている特定操作部1311aと別操作部1311bとを一括して覆う第1状態と、特定操作部1311aと別操作部1311bを露呈させて変更操作を可能にする第2状態とに変化し得る。なお、主制御基板1310Xに対応するカバー体1301は、設定変更基板1310Yと主制御基板1310Xとの間にベース体1302から立ち上げた仕切壁1302bに回動自在に取り付けられている。
図144Iのロック部(第1状態保持手段)1313(I)は、変更抑制手段1312(I)のカバー体1301側の縁に設けられたダイヤル錠1313fであり、そのダイヤル錠1313fの進退錠軸1313gの先端を、カバー体1301の縁に設けた錠軸通し1301fに係合させることによって、第1状態の変更抑制手段1312(I)とカバー体1301とを結合して該変更抑制手段1312(I)を第1状態にロック(保持)する。
また、ロック部(第1状態保持手段)1313(I)は、ダイヤル錠1313fの複数のダイヤルを解錠番号通りに回転させて進退錠軸1313gを後退させ、そうしてカバー体1301の錠軸通し1301fから進退錠軸1313gを外す、という特定の解除操作によって変更抑制手段1312(I)の第1状態のロック(保持)を解除して第2状態への変化を可能とし、さらに第2状態から第1状態に変化させた変更抑制手段1312(I)をダイヤル錠1313fでロック(保持)し得るものである。
したがって、図144Iの変更抑制手段1312(I)とロック部(第1状態保持手段)1313(I)の防犯構造(2)を備えたパチンコ機1は、変更操作手段による遊技設定の設定値の変更が、ダイヤル錠1313fの解錠番号を知る特定の者にしか行えないため、変更操作手段自体に遊技設定の変更に掛かる防犯構造を備えなくとも、防犯構造(1)と同じく防犯上の問題は殆どない。なお、防犯構造(2)で例示した第1状態保持手段1313は、シリンダー錠1313a、南京錠1313d、ダイヤル錠1313fなど比較的防犯性能の高いものを採用しているが、仮にこれらより防犯性能が低くとも、第1状態に保持された変更抑制手段1312を特定の解除操作で解除し得る構成を備える限り、どのようなものであってもよい。
また、図144Iの変更抑制手段1312(I)は、カバー体1301から独立しているため、仮にカバー体1301を交換する必要が生じた場合でも変更抑制手段1312(I)はそのまま再利用可能である。また、カバー体1301のヒンジ部側に変更抑制手段1312(I)を連結した場合には、変更抑制手段1312(I)を回動させた第2状態でのみカバー体1301の回動が可能になるため、仮に不正者がカバー体1301の封印機構1320zを破壊したとしても、変更抑制手段1312(I)の特定の操作、つまりダイヤル錠1313fの解錠番号が判らなければ不正工作が行えない。したがって変更抑制手段1312(I)によってカバー体1301の不正防止機能をを向上させることができる。
[5−4−3−3.変更操作手段の防犯構造(3)]
変更操作手段の不正操作を防止するための第三の防犯構造(3)は、前記防犯構造(2)が、変更抑制手段1312を第2状態にして変更操作手段を外部に露呈させ、その状態で変更操作手段を直接操作するものであるのに対し、変更抑制手段1312を収容体(主制御基板ボックス1320)側の変更操作手段に被さる位置に設けてそれ自体で変更操作手段の変更操作を困難にする一方、その変更抑制手段1312に変更操作手段の操作を代行させるようにしたものである。
すなわち、防犯構造(3)の変更抑制手段1312(J)は、図144Jに示したように、収容体であるカバー体1301側であって特定操作部1311a(別操作部1311bでもよい。)に被さる位置、つまり特定操作部1311aを露呈させるための前記開口部1301hを覆う第1状態の位置に固定的に設けられたシリンダー錠1313aを備えており、特定操作部1311aに対する外部からの直接的な変更操作を困難にする。
また、変更抑制手段1312(J)は、外部からの特定の操作によってスイッチ入力の仲介動作が可能なように、シリンダー錠1313aの回転錠軸1313bに固着した端面カム1313iの回転を、押圧操作摺動子1313hの直線運動、すなわちスイッチ入力用の動作が可能な運動にする運動変換機構を備えている。
そして、変更抑制手段1312(J)に対して解錠キーK2を差し込んでシリンダー錠1313aの回転錠軸1313bを回転させる特定の操作がなされると、運動変換機構の上記作用により、特定操作部1311aに対する外部からの直接的な変更操作が、変更抑制手段1312(J)の押圧操作摺動子1313hによって代行され、換言すると、特定操作部1311aに対する外部からの直接的な変更操作が、変更抑制手段1312(J)の押圧操作摺動子1313hを介して実行される。
この変更抑制手段1312(J)によれば、変更操作手段による外部からの遊技設定の変更操作が、カバー体1301側に対して変更操作手段に被さる位置に固定的に設けられた変更抑制手段によって困難な状態になっているため、遊技設定が不正に変更されるおそれは殆どない。
一方、変更操作手段による遊技設定の変更を正規に行う場合は、変更抑制手段1312(J)に対する外部からの特定の操作として、例えば外部から解錠キーK2を差し込んで捻る、という動作がなされると、変更抑制手段1312(J)に対するその動作よって変更操作手段に対する直接的な変更操作が代行(仲介実行)されて遊技設定の変更が可能になる。
そして、遊技設定の変更が完了した後、変更抑制手段1312(J)に対する特定の操作を終了することにより、変更操作手段に対する外部からの直接的な変更操作が困難な状態に戻すことができる。
なお、変更抑制手段1312(J)は、シリンダー錠1313aの回転錠軸1313bを解錠キーK2で回転させる場合以外にも、例えば変更抑制手段1312(I)のダイヤル錠1313fを、進退錠軸1313gの軸線と特定操作部1311aの押圧操作部1311pの軸線とを一致させるように配置し、ダイヤル錠1313fの各ダイヤルを解錠番号に合わせた状態で進退錠軸1313gを介して特定操作部1311aの押圧操作部1311pが押圧できるようにしてもよい。
また、変更抑制手段1312(J)の端面カム1313iに、図144Kに示したように別操作部1311bを覆うシャッター板1319を一体に突設し、特定の操作で端面カム1313iを回転させたときシャッター板1319も回転して別操作部1311bを露呈させるようにしてもよい。これにより別操作部1311bの不正操作も防止できることはもちろん、主制御基板ボックス1320の内部空間1320sへの埃の侵入も防止することができる。
以上のように図144J、図144Kの変更抑制手段1312(J)の防犯構造(3)を備えたパチンコ機1は、変更操作手段による遊技設定の設定値の変更が、解錠キーK2を持つ或は解錠番号を知っている等の特定の者にしか行えないため、変更操作手段自体に遊技設定の変更に掛かる防犯構造を備えなくとも、防犯構造(1)と同じく防犯上の問題は殆どない。
なお、防犯構造(1)で説明した、変更操作手段の軸線を主制御部1310の基板面に対して略平行となる向きに設定すると共に該変更操作手段の先端部を収容体の側面に臨ませるようにした技術的思想については、変更抑制手段1312(J)のシリンダー錠1313aなどにも適用可能である。
[5−4−3−4.防犯構造に関する技術的思想]
上記した遊技設定の防犯構造は、以下に記載した背景技術に対する解決手段1〜8の実施形態に相当する。
[背景技術]
従来より、遊技盤の遊技領域には、複数の釘が植設されると共に遊技球が入球し得る受入口が設けられている。そして、発射装置により発射された遊技球が釘に当たって進路を変えながら遊技領域を流下して特定の受入口(例えば、始動入賞口)に入球すると、所定条件の成立により抽選が行われ、該抽選の結果が当りの場合に遊技者にとって有利な遊技状態が発生する、という遊技機が提案されている(例えば、特開2008−012194号公報)。このような遊技機では、釘の姿勢により遊技領域を流下する遊技球の進路が変化し、それにより特定の受入口に入球する確率も変化するため、遊技者は釘の状態を確認しつつ遊技機を選択するのが一般的であった。
ところが、釘の姿勢の違いは微妙であり、ごく一部の遊技者のみにしか遊技ホールに設置されている複数台の中から有利な遊技機を選択することができないため、遊技の利益を得ることができる者が一部に偏在する問題があり、見方を変えると、一部のプロ化した遊技者によって遊技ホールの利益が害される問題があった。
斯かる問題を解決するため、抽選の当りの確率を複数段階のうちのいずれかに変更し得るようにしたものも開発されているが、そうすると当りの確率を、一部の遊技者によって或はこれらと結託する遊技ホール側の従業員によって不正に変更されるおそれがあり、そのような不正を防止するための効果的な対策が望まれていた。
(解決手段1)
所定条件の成立により抽選を行い、該抽選の結果が当りの場合に遊技者に所定の利益を付与する遊技機であって、
遊技機の背面側に設けられ、遊技の進行を制御する主制御MPUを有する主制御部と、
該主制御部に設けられると共に、前記抽選の当り確率に関する遊技設定を複数段階のうちのいずれかに変更し得る変更操作手段と、
該変更操作手段の少なくとも一部を覆って前記遊技設定の変更操作を困難にする第1状態と、前記第1状態で覆われていた前記変更操作手段を露呈させて前記遊技設定の変更操作を可能にする第2状態と、に変化可能な変更抑制手段と、
該変更抑制手段を前記第1状態で保持し且つその保持を特定の解除操作によって解除し得るようにした第1状態保持手段と、を備えてなることを特徴とする遊技機。
かかる遊技機によれば、変更操作手段による遊技設定の変更操作が、第1状態に保持(ロック)された変更抑制手段によって困難な状態になっているため、遊技設定が不正に変更されるおそれは殆どない。
一方、管理者等が、変更操作手段による遊技設定の変更操作を正規に行う場合は、特定の解除操作として例えば鍵による解錠等により第1状態保持手段の保持(ロック)を解除して変更抑制手段を第2状態に変化させ、これにより外部に露呈した変更操作手段を操作して遊技設定を変更する。
そして、遊技設定の変更が完了した後、変更抑制手段を第1状態に戻して第1状態保持手段の保持(ロック)を施すことにより、遊技設定の変更操作が困難な状態に戻すことができる。
なお、同じ課題を解決すべく、専用の鍵でON・OFF可能なキースイッチを変更操作手段として主制御部の基板に直付けすることも可能であるが、現在の主制御部は、限られたスペースの中に高密度に電子部品が配置されているため、キースイッチを主制御部に直付けするとなると基板構成の大幅な変更が必要になる。これに対して解決手段1の遊技機では、変更操作手段を変更抑制手段と第1状態保持手段の組合せで不正な設定変更からブロックするようにしたため、変更操作手段を小さな操作ロッドスイッチで形成することが可能であり、したがって主制御部の基板構成の大幅な変更が不要になる。
(解決手段2)
上記解決手段1の遊技機は、
前記主制御部を収容する収容体と、
該収容体に収容された主制御部の前記変更操作手段を外部に連通させるために該収容体に設けられた開口部と、を有し、
さらに、前記収容体と前記変更操作手段との間に、前記開口部からの異物の侵入を防止する異物侵入防止部を設けるようにしてもよい。
そうすることにより、開口部から針金等の異物を侵入させて主制御部に不正な工作を施そうとする不正行為を予防することができる。
(解決手段3)
また、上記解決手段1又は2の遊技機において、
前記変更操作手段は、設定変更開始を制御する特定操作部と、それ以外の設定操作を行う別操作部と、を備え、
前記変更抑制手段は、前記特定操作部を覆って前記第1状態と第2状態に変化可能とする一方、前記別操作部を覆わないようにしてもよい。
このように複数の要素からなる変更操作手段の防護対象をセキュリティー上の重要度の高いものに絞り込むことにより、変更抑制手段の形状のコンパクト化と、それに伴う可動域の縮小等、設計の自由度が増すため、より高度な不正対策が可能であり、一方、セキュリティー上の重要度の低いものを外部に開放しておくことで設定変更の作業性を向上させることができる。
(解決手段4)
また、上記解決手段1又は2の遊技機において、
前記変更操作手段は、設定変更開始を制御する特定操作部と、それ以外の設定操作を行う別操作部と、を備え、
前記変更抑制手段は、前記特定操作部に対して前記第1状態と第2状態とに変化可能であり、且つ、特定操作部に対して第2状態に変化したとき前記別操作部を覆い得るように形成され、さらに前記第1状態保持手段による保持(ロック)が解除された状態で前記第1状態又は前記第2状態の何れか一方に向けて付勢するようにしてもよい。
かかる遊技機は、特定操作部と別操作部を変更抑制手段で択一的に覆うことで特定操作部と別操作部を同時に操作する誤操作が起きにくい。また、変更抑制手段を第1状態又は第2状態の何れか一方に向けて付勢することで変更抑制手段が中途半端な位置で停止するおそれがなく、操作性が向上する。なお、好ましくは、変更抑制手段を第2状態に向けて付勢しておけば、変更抑制手段の第1状態の保持(ロック)が解除されたとき、自動的に特別操作部が外部に露呈するため、変更操作の手順が判り易い。
(解決手段5)
また、上記解決手段1〜4の何れかの遊技機において、
前記第1状態保持手段は、第1状態の前記変更抑制手段と、前記収容体とをロック部材で結合して該変更抑制手段を第1状態にロックするようにしてもよい。
これにより変更抑制手段を第1状態に簡単確実にロックすることができる。
(解決手段6)
また、上記解決手段5の遊技機において、
前記第1状態保持手段は、前記収容体に対して支持部で繋ぐことにより、ロック解除状態で収容体から離脱しないようにしてもよい。
そうすることにより第1状態保持手段がロック解除状態でも収容体から離脱しないため、第1状態保持手段を島設備内に落下させてしまうおそれがなく、また、外した第1状態保持手段を置いた場所を失念し、ロック段階でそれを探す、という時間の無駄もなくすることができる。
(解決手段7)
また、上記解決手段1〜6の何れかの遊技機は、
前記主制御部を収容する収容体を備え、
前記変更抑制手段は、前記第1状態にあるときに前記収容体の一部又は全部を覆うものであり、
前記収容体と前記変更抑制手段は、透過性を有すると共に管理番号や所定の説明文を記載した情報表示部を夫々に備えており、
さらに各情報表示部は、前記変更抑制手段が前記第1状態にあるとき互いに重ならず且つ前記特定操作部の視認性を妨げない位置に設けるようにしてもよい。
そうすることにより、不正の隠蔽を目的に行われる収容体や変更抑制手段のすり替え(状態の良い部品同士の寄せ集め)が容易に発見でき、さらに、特定操作部に対する不正工作への目視による確認が容易に行える。
(解決手段8)
上記解決手段1〜7は、変更抑制手段を第2状態にして変更操作手段を外部に露呈させ、その状態で変更操作手段を直接操作するものであるが、変更抑制手段を収容体側の変更操作手段に被さる位置に設けて変更操作手段の変更操作を困難にする一方、その変更抑制手段に変更操作手段の操作を代行させるようにしてもよい。
すなわち、解決手段8の遊技機は、所定条件の成立により抽選を行い、該抽選の結果が当りの場合に遊技者に所定の利益を付与するものであって、
遊技機の背面側に設けられ、遊技の進行を制御する主制御MPUを有する主制御部と、
該主制御部を収容する収容体と、
該主制御部に設けられると共に、前記抽選の当り確率に関する遊技設定を複数段階のうちのいずれかに変更し得る変更操作手段と、
前記収容体側であって前記変更操作手段に被さる位置に設けられ、前記変更操作手段に対する外部からの直接的な変更操作を困難にする変更抑制手段と、を備え、
前記変更抑制手段は、外部からの特定の操作によって動作可能なものであり、
該変更抑制手段に対して前記特定の操作がなされると、前記変更操作手段に対する直接的な変更操作を前記変更抑制手段が代行するように動作することを特徴とする。
かかる遊技機によれば、変更操作手段による外部からの遊技設定の変更操作が、収容体側の該変更操作手段に被さる位置に固定的に設けられた変更抑制手段によって困難な状態になっているため、遊技設定が不正に変更されるおそれは殆どない。
一方、管理者等が、変更操作手段による遊技設定の変更を正規に行う場合は、変更抑制手段に対する外部からの特定の操作として、例えば外部から解錠キーを差し込んで捻る、という動作がなされると、変更抑制手段に対するその動作よって変更操作手段に対する直接的な変更操作が代行されて遊技設定の変更が可能になる。
そして、遊技設定の変更が完了した後、変更抑制手段に対する特定の操作を終了することにより、変更操作手段に対する外部からの直接的な変更操作が困難な状態に戻すことができる。
なお、この解決手段8も、収容体側に設けた変更抑制手段で変更操作手段を不正からブロックするようにしたため、変更操作手段を小さな操作ロッドスイッチで形成することが可能であり、したがって主制御部の基板構成の大幅な変更が不要になる。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、図131、図142〜図144Aを参照して詳細に説明する。ここでは、まず、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられる機能表示ユニット1400について説明し、続いて、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられる機能表示ユニット1400について説明する。
[5−5−1.遊技領域の外側で前構成部材の左下隅に取付けられる場合]
機能表示ユニット1400は、図131に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310Xからの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図131において拡大して示すように、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1403と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1404と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1405と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1406と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1407と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器1408、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−5−2.遊技領域の外側で前構成部材の左上隅に取付けられる場合]
機能表示ユニット1400は、図142に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。この機能表示ユニット1400の各種表示器の配置は、図131に示した機能表示ユニット1400の各種表示器の配置を時計回りに90度回転したものであり、各種表示の機能も図131に示した機能表示ユニット1400の各種表示器の機能と同一である。
ここで、機能表示ユニット1400が遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられる場合におけるノイズ対策として、特に機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続して、主制御基板1310Xから機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)について詳細に説明する。
機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた接続コネクタ1400aを介して電気的に接続される配線FCBLは、図143及び図144Aに示すように、遊技盤5の右上隅から裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて又はそのまま基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回される。
そして、その配線FCBLは、主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面であって主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されている。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
遊技パネル1100は、ベースパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LEDが実装されているパネル装飾基板と、パネル装飾基板をパネルホルダ1120に取付けている基板カバーと、を備えている場合において、パネル装飾基板は、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131と、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板と、から構成される。基板カバーは、左上パネル装飾基板1131をパネルホルダ1120に取付けるための左上基板カバーと、左下パネル装飾基板をパネルホルダ1120に取付けるための左下基板カバーと、から構成されている。
機能表示ユニット1400の後方には、左上パネル装飾基板1131が配置されている。左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBLは、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回される。そして、その配線UPCBLは、上述した配線FCBLの経路と別れて、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されている。このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
また、遊技球Bは、上述したように、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
また、主制御基板1310Xは、その詳細な説明を後述するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310a等(図151を参照)を備えている。この主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路が内蔵されており(以下、「内蔵リセット回路」と記載する。)、このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御MPU1310aに内蔵されているRAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。つまり、内蔵リセット回路により強制リセットされると、再び主制御MPU1310aが起動する際にRAMクリアを実行することとなる。
また、本実施形態では、主制御MPU1310aのパッケージとしてZIP(Zigzag Inline Package)タイプのものが採用されており、主制御基板1310Xの実装面に主制御MPU1310aを実装すると、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板1310Xのハンダ付け面(実装面と反対側の面)から突出した状態となる。つまり、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する状態となる。
このように、球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすいため、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、払出ユニット560の前方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるし、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線UPCBLに侵入する場合がある。これにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線UPCBLへ侵入する場合もあるし、これとは反対に、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線FCBLへ侵入する場合もある。
例えば、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLが、仮に、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を、主制御基板ボックス1320の右辺側の所定位置から主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって直線上に引き回され(例えば、主制御基板ボックス1320の右辺であって、主制御基板ボックス1320の上辺から約4分の1の長さを有するところで、主制御基板ボックス1320の上辺、又は下辺と平行となるように主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ)、主制御基板1310Xの下辺中央から左辺寄りに配置された機能表示ユニット用コネクタMFCNの上方を通り過ぎた段階で主制御基板ボックス1320の下辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される場合には、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310Xの前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
なお、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内に代えて、基板ホルダ1200の後面に配線収容溝が形成されている場合には、配線FCBLは、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間ではなく、配線収容溝に沿って収容され、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される。この場合にも、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310Xの前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
そこで、本実施形態では、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNの実装位置と、主制御MPU1310aの実装位置と、の位置関係として、機能表示ユニット用コネクタMFCNを主制御基板1310Xの下辺中央から左辺寄りに配置しているとともに、主制御MPU1310aを主制御基板1310Xの右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、主制御MPU1310aを主制御基板1310Xの右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることによって、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310Xにおいて離間する配置となっている。
これにより、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310Xにおいて離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
また、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することにより、配線FCBLに電磁波ノイズが侵入しても、主制御MPU1310aに影響が及ばないように、主制御基板1310X上において、又は機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310Xにおいて離間する空間において、この配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aは、そのパッケージ右辺が主制御基板1310Xの右辺から少なくとも所定の距離寸法(以下、「第1配線離間距離寸法」と記載する。)だけ離間して配置されている。これは、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLが主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されるため、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第1配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止するためである。
また、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLは、上述したように、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて)を引き回れずに、基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっているため、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って引き回される配線FCBLと、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンと、の距離寸法(以下、「第2配線離間距離寸法」と記載する。)を大きく確保することができる。この第2配線離間距離寸法は、第1配線離間距離寸法と比べて大きい距離寸法を有している。これにより、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第2配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを配線FCBLにより直接電気的に接続していたが、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、主制御基板1310Xから機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
また、パネル中継基板1710は、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線は、それぞれ電気的に接続されて集約されている。つまり、パネル中継基板1710は、各種センサからの2本の配線に加えて、機能表示ユニット1400からの配線FCBLも電気的に接続されて集約されている。なお、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402からの2本の配線とは、それぞれパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310Xのそれぞれの所定コネクタに電気的に接続されている。
パネル中継基板1710は、各種センサからの2本の配線に加えて、機能表示ユニット1400からの配線FCBLを、接続コネクタ1710aを介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。このため、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることにより(つまり、主制御基板1310Xから機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることにより)、各種センサからの2本の配線への電磁波ノイズの侵入を防止することができる。
なお、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、上述したように、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線UPCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されているため、このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、電磁波ノイズが侵入する場合がある。この配線UPCBLは、上述したように、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるため、配線UPCBLによる電磁波ノイズの影響が周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510に及ぶおそれがある。
具体的には、周辺制御ユニット1500の下辺側には、その詳細な説明を後述するが、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7(図148を参照。)、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9が配置されている(図148を参照)。このようなコネクタCN2〜CN9には、それぞれ対応する各種配線が電気的に接続されている。このため、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線UPCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)となることにより、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出してコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線に侵入すると、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズの影響を受けて、例えば、演出表示装置1600に描画される演出画像に乱れが生ずる(例えば、黒画面等の図柄の乱れが生ずる)。
そこで、本実施形態では、図示しないが、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線を、周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回すことにより、駆動基板ユニット1700の上辺から離間させている。これにより、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない。具体的には、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と平行に接触しないし、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線の一部の配線と接触しない。なお、本実施形態では、主制御MPU1310aが上述した内蔵リセット回路により強制的にリセットがかかることを防止するために、主制御基板1310Xと電気的に接続される各種配線が配線UPCBLと交差又は接触しないように配置されている。
また、本実施形態では、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLと、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC(図151に示す後述する周辺制御IC1510a)の実装位置と、の位置関係として、周辺制御IC1510aを周辺制御1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置していることによって、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する配置となっている。
これにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間を介して、周辺制御ユニット1500に収容されると共に周辺制御基板1510に実装される周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
また、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することにより、配線UPCBLに電磁波ノイズが侵入しても、周辺制御IC1510aに影響が及ばないように、周辺制御基板1510上において、又は配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間において、この配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
更に、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510と駆動基板ユニット1700のパネル駆動基板1720との基板間は、図示しない配線を介して、電気的に接続され、この配線と配線UPCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならないようになっているため、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズは、パネル駆動基板1720において減衰されることによって、パネル駆動基板1720から配線を介して周辺制御基板1510へ侵入すること極めて困難となり、電磁波ノイズの影響が周辺制御基板1510及ばない。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
なお、パネル駆動基板1720では、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズをグランド(ベタアース)により減衰させているが、さらに、電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、パネル駆動基板1720から機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131へ制御信号を伝える複数の配線UPCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズをパネル駆動基板1720において確実に減衰又は除去することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線UPCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線UPCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線UPCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線として、配線UPCBL、及び周辺制御基板1510とパネル駆動基板1720との基板間を電気的に接続する図示しない配線のうち、配線UPCBLは、球供給手段の近傍(球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580のうち少なくとも1つの近傍)を通るようになっていた。そして、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線のうち配線UPCBLは、左上パネル装飾基板1131を除く、扉枠側の各種装飾基板184,273,etc等と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線と交差又は接触しないように配置されていた。そこで、このような構成を、主制御基板1310Xに電気的に接続される各種配線に採用することもできる。例えば、主制御基板1310Xに電気的に接続される各種配線のうち、電磁波ノイズの影響を強く受ける環境下を通る配線と、この配線を除く他の配線と、を交差又は接触しないように配置することで、水晶発振器の高周波回路により動作することができる主制御MPU1310a(主制御基板1310X)が上述した内蔵リセット回路により強制的にリセットがかかることを防止することができる。したがって、電磁波ノイズの影響による誤動作を防止することができる。
また、上述した実施形態では、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線(左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続するための伝送経路を形成する配線)として、配線UPCBL、及び周辺制御基板1510とパネル駆動基板1720との基板間を電気的に接続する図示しない配線であったが、左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBL’を、直接、周辺制御基板1510と電気的に接続されるように引き回してもよい。この場合、配線UPCBL’は、周辺制御基板1510と電気的に接続される他の伝送経路を形成する配線(左上パネル装飾基板1131を除く、他の演出手段として扉枠側の各種装飾基板184,273,etc等と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線)と交差又は接触しないように配置される。これにより、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線、つまり左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aと周辺制御基板1510とを直接電気的に接続する配線UPCBL’に侵入した電磁波ノイズが飛び出して周辺制御基板1510と電気的に接続される他の伝送経路を形成する配線(特定の演出手段を除く他の演出手段と制御手段との伝送経路を形成する配線である周辺制御ユニット1500のコネクタCN2〜CN9(図148を参照。)に電気的に接続される各種配線)へ侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズの影響による誤動作を防止することができる。
更に、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
こうすれば、配線FCBLと主制御MPU1310aのパッケージ左辺との距離寸法を、上述した第1配線離間距離寸法より大きい距離寸法とすることができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから主制御MPU1310aのパッケージ左辺までの距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。なぜなら、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97及び図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている球タンク552やタンクレール553の下方に配置されることとなることによって、球タンク552やタンクレール553を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすく、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、球タンク552やタンクレール553の下方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるからである。
なお、このような態様を採用して、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が、上述したように、2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、上述したように、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、仮に、この配線処理片3011によりそれぞれ纏められた配線FCBLが周辺制御ユニット1500の下辺側において左辺へ向かって曲げられて周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回され、裏箱3010の後面の左辺側設けられた下方の配線処理片により纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されると、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが周辺制御ユニット1500に影響を及ぼすおそれがある。
具体的には、周辺制御ユニット1500の下辺側には、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7(図148を参照。)、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9が配置されている。このようなコネクタCN2〜CN9には、それぞれ対応する各種配線が電気的に接続されている。このため、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)となることにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズがコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線に侵入すると、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズの影響を受けて、例えば、演出表示装置1600に描画される演出画像に乱れが生ずる(例えば、黒画面等の図柄の乱れが生ずる)。
そこで、配線FCBLを周辺制御ユニット1500の下方(周辺制御ユニット1500の下辺側)に沿って引き回さないように(コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならないように)構成することが好ましい。例えば、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない配線FCBLの引き回し方法として、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回すと、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
こうすれば、さらに、配線FCBLと主制御MPU1310aのパッケージ左辺との距離寸法を、上述した第1配線離間距離寸法より大きい距離寸法とすることができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから主制御MPU1310aのパッケージ左辺までの距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。なぜなら、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97及び図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている球タンク552やタンクレール553の下方に配置されることとなることによって、球タンク552やタンクレール553を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすく、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、球タンク552やタンクレール553の下方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるからである。
なお、このような態様を採用して、機能表示ユニット1400と主制御基板1310Xとをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が、上述したように、2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、上述したように、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、主制御基板1310Xの右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していたが、この位置関係を逆転して、この中心線より下方に主制御MPU1310aを配置するのに対して、この中心線より上方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置するようにし、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310Xにおいて離間する配置としてもよい。このように構成しても、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310Xにおいて離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
また、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されていた。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されていた。この払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。換言すると、このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、球誘導ユニット570、払出装置580、及び下部満タン球経路ユニット610の前方に配置されていた。そこで、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる場合には、このような配線FCBLの引き回しのほかに、球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580のうち少なくとも1つの近傍を通り、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されないように(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されないように)、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400が遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられていたが、この領域に、機能表示ユニット1400に代えて、複数のフルカラーLEDが実装される装飾基板が取付けられてもよい。この装飾基板の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)は、例えば、図143を参照して説明すると、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方において左辺へ向かって曲げられて、対応する周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)のコネクタの下方までに引き回された後、このコネクタへ電気的に接続されるという配線の引き回し方法を挙げることができるし、又は、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方において右辺へ向かって曲げられて、対応する周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)のコネクタの下方までに引き回された後、このコネクタへ電気的に接続されるという配線の引き回し方法を挙げることができる。
このような配線の引き回し方法により配線が引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されたり、球タンク552の近傍(下方)に配置されたりするため、上述したように、配線に電磁波ノイズが侵入するおそれがある。
そこで、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方にコネクタを配置するのに対して、この中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置することによって、コネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する配置とする。これにより、配線が電気的に接続される周辺制御基板1510のコネクタから周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線に侵入した電磁波ノイズが、このコネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する空間を介して、周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
また、配線が電気的に接続される周辺制御基板1510のコネクタから周辺制御IC1510aを離して配置することにより、配線に電磁波ノイズが侵入しても、周辺制御IC1510aに影響が及ばないように、周辺制御基板1510上において、又は周辺制御基板1510のコネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する空間において、この配線を介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
なお、装飾基板と周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510とを配線により直接電気的に接続していたが、装飾基板と周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線に侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、周辺制御基板1510から装飾基板へ制御信号を伝える複数の配線に対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線を介して侵入する電磁波ノイズを周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線に対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線に対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線に対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の後方に左上パネル装飾基板1131が配置され、左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される配線UPCBLは、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されると、駆動基板ユニット1700の上辺において右辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようにしてもよい。この場合、周辺制御ユニット1500のコネクタCN2〜CN9(図148を参照。)に電気的に接続される各種配線を、図示しないが、周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回すことにより、駆動基板ユニット1700の上辺から離間させる。これにより、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線FCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない。このように構成することにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLと、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510a(図151を参照。)の実装位置と、の位置関係として、周辺制御IC1510aを周辺制御1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置することができる。つまり、周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置していることによって、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する配置とすることができる。これにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間を介して、周辺制御ユニット1500に収容されると共に周辺制御基板1510に実装される周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
因みに、従来より、普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う表示装置(表示部)が遊技盤の表面に配置された遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0014]、段落[0070]、図2、及び図21))。この表示装置(表示部)は、遊技制御装置のCPU(遊技制御マイクロプロセッサ)により表示制御されている。ところで、表示装置(表示部)と遊技制御装置(遊技制御手段)とを電気的に接続する配線に電磁波ノイズが侵入すると、この配線を介して、遊技制御装置のCPU(遊技制御マイクロプロセッサ)に影響を及ぼすおそれがあった。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図141を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図151を参照)等を収容している周辺制御基板ボックス1520を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310X、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、及び他の基板(後述する周辺データROM基板、液晶出力基板)等と接続されている。なお、周辺制御ユニット1500の構成については後述する。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図131乃至図141を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター部材2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした12inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニット]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図131乃至図141を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100のベースパネル1110に前方から取付けられており、前端がベースパネル1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が貫通孔1112を貫通してベースパネル1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、上述したように、遊技領域5aの第3遊技領域5a3内の左右方向中央に取付けられていて第一始動口2002と一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、第1遊技領域5a1と第3遊技領域5a3の中間領域付近に内レール1002に沿うように取付けられていて二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、第2遊技領域5a2と第3遊技領域の中間領域付近に取付けられていて大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、一つの一般入賞口2001(第2受入口)、ゲート部2003、第二始動口2004(第2受入口)、不利な第1受入口2006を有し遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄り(第1遊技領域5a1と第2遊技領域5a2と第3遊技領域5a3で両横と下の三方を囲われた状態)に取付けられている枠状のセンター部材2500と、を備えており、さらにセンター部材2500に取付けられている表演出ユニット2600を備えている。
[5−8−1.センター部材]
表ユニット2000のセンター部材2500は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、第1受入口2006に受け入れられた遊技球Bを検知する第1受入口センサ2406と、を備え、また、アタッカユニット2400は、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403(カウントセンサとも称する)を備えている(図126を参照)。また、センター部材2500は、ゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2404を備え、また、アタッカユニット2400は、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2405を備えている。
センター部材2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のベースパネル1110の前面に取付フランジ部830を介して取付けられている。センター部材2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター部材2500は、下辺を除いた周囲に遊技パネル1100のベースパネル1110の前面よりも前方へ突出する囲い枠832を有しており、囲い枠832により遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが枠内に侵入できないようになっている。
センター部材2500は、囲い枠832の正面視左側の外周面に、第1遊技領域5a1内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に第3遊技領域5a3へ放出可能なステージ棚2503と、を備えている。
センター部材2500のステージ棚2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター部材2500を遊技パネル1100(ベースパネル1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。このステージ棚2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(頂部)と、その左右両側の最も低くなっている部位(谷部)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを第3遊技領域5a3へ放出させることができる。
センター部材2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ棚2503の左右方向中央の高くなっている部位(頂部)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ棚2503の中央から遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
センター部材2500は、正面視右側に突設された第2遊技領域5a2の前面側に位置する領域形成部2504を延設して有しており、領域形成部2504に、図131において上から順に、ゲート部2003、第1受入口2006、一般入賞口2001(第2受入口)、開閉片850付きの第二始動口2004(第2受入口)が設けられ、これらが第2遊技領域5a2に形成された装着用開口に前方から装着されている。また、領域形成部2504には、第1遊技領域5a1と同様にベースパネル1110に障害釘2007が植設されている。なお、本実施形態では、センター部材2500と領域形成部2504とを一体で設けるように構成しているが、別の形態としてセンター部材2500と領域形成部2504とを別体で設けるように構成してもよい。また、第2遊技領域5a2の面積が小面積となる場合には、領域形成部2504に球流下面部や障害突起部を形成して、領域形成部2504が上述した第2遊技領域5a2と同等の機能を有するようにしてもよい。
センター部材2500は、遊技盤5に組み付けた状態で、囲い枠832の上面(具体的には、左右方向ほぼ中央より右側の上面)と、遊技領域5aの上側を囲う外レール1001との間で遊技球Bの外径(本実施形態では11mm)よりも若干大きい隙間(遊技球一個分強の幅の隙間。本実施形態では13mm)が形成されるように取付けられている。この隙間が、上述した第1遊技領域5a1と第2遊技領域5a2を上方で連結する連絡通路部5a4である。
図131に示した実施形態の連絡通路部5a4は、囲い枠832の上面ほぼ中央の段部832aのテーパ付きコーナー部832bから上述した外レール1001と右レール1005の交点に設けられた衝止部1006に至る左右方向に伸びる横方向通路部分と、この横方向通路部分の下流側に位置し、上下方向に伸びる縦方向通路部分とを有している。横方向通路部分は、ほぼ直線状の隙間であり、発射された遊技球Bが描く外レール1001に沿った円弧の頂点に対してほぼ接線方向に延びている。したがって、特定の強い発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える強さの発射力)で発射された遊技球Bが、囲い枠832の段部832aのテーパ付きコーナー部832bの上面に乗るか或は遠心力で外レール1001の内面に接しつつ転がって横方向通路部分の奥方(縦方向通路部分の入口付近)に移動し得る。
連絡通路部5a4の縦方向通路部分は、図131の要部を拡大した図132に示したように、衝止部1006の直下に開口部848aHを開設して下向きに連通する縦樋状の放出部848aと、遊技球Bの打球方向に対して放出部848aよりほぼ遊技球1個分手前側に開口部848bHを開設して下向きに連通する縦樋状の放出部848bとが所定幅を有する仕切部848eによって仕切られるかたちで設けられている。この仕切部848eは、開口部848aHと開口部848bHとを区分けする役割を担うものであり、その頂部(最上面)は、遊技球を右方へ流下させるように傾斜している。また、仕切部848eは、遊技球衝突を考慮して左右方向に所定幅を有して形成された補強部材(補強用樹脂848e1)と、その補強部材を収容する収容部848e2を有している。また、収容部848e2を形成する周囲の壁部から下方にかけて、放出部848aと放出部848bを左右方向に分断する左右仕切壁848e3が形成され、放出部848aを流下する遊技球Bと、放出部848bを流下する遊技球Bとが、その流下途中で混在することを防止している。また、図132の実施形態では、開口部848bHと開口部848aHの間の仕切部848eの頂部(最上面)が、連絡通路部5a4の底面(センター部材2500の囲い枠832の上面)を仮想的に延長した場合の延長線上と略同一面となる高さで形成されている。これにより、特定の強い発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える強さの発射力)で発射された遊技球Bのうち、仕切部848eを飛び越えない程度の速度にて連絡通路部5a4の底面を転がるような遊技球Bは、仕切部848eの手前の開口部848bHに入る。また、特定の強い発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える強さの発射力)で発射された遊技球Bのうち、遠心力で外レール1001の内面に接したまま仕切部848eの頂部を越えた遊技球B(連絡通路部5a4の底面から浮いた状態で仕切部848eの頂部を越えた遊技球B)は、衝止部1006に衝突する等して、開口部848aHに入る。また、この複数の放出部848a,848bは、第2遊技領域5a2の最頂部に横並びの状態、つまり第2遊技領域5a2に進入する箇所5a2a,5a2b(連絡通路部5a4の出口部分、あるいは第2遊技領域5a2の入口部分)を相違させる状態にしてつながっている。このように、本実施形態では、特定の強い発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える強さの発射力)で遊技球Bを発射させる遊技性を有しながらも、その特定の強い発射力の範囲内でのハンドル調節の強弱を加味して、第1遊技領域5a1を飛び越えた後の遊技球の行方が多様にする新たなゲーム性を有するようにしている。
上述したように第2遊技領域5a2には、遊技球Bを受け入れ又は通過させて遊技者に所定の特典を付与するようにした一般入賞口2001(第2受入口)、第二始動口2004(第2受入口)、ゲート部2003等と、これら第2受入口より入球に対する扱い(入球による結果)が不利に設定されている第1受入口2006(実施形態では入球=アウト)を備えており、それらへの入球確率が、連絡通路部5a4の出口の種類と、障害釘2007の配列とによって適宜設定されている。
例えば図132の例では、連絡通路部5a4を通って衝止部1006直下の放出部848aの開口部848aHに対応する箇所5a2aから第2遊技領域5a2に進入(落下)する遊技球Bは、第1受入口2006に入る入球確率が第2受入口に入る入球確率やゲート部2003を通る確率より大きくなるように設定されている。
一方、隣の放出部848bの開口部848bHに対応する箇所5a2bから第2遊技領域5a2に進入する遊技球Bは、第1受入口2006に入る入球確率は小さく相対的に第2受入口に入る入球確率やゲート部2003を通る確率が大きくなるように設定されている。
したがって遊技者は、第2遊技領域5a2に打ち込む場合、第2受入口に入りやすく第1受入口2006には入りにくい、という左側のルートに通じる放出部848bを狙うべく、衝止部1006に衝突させず、仕切部848eを飛び越えない程度の速度にて連絡通路部5a4の底面を遊技球Bが転がり得る勢いで遊技球Bが発射されるようハンドル182の打力調節を注意深く行うこととなる。
なお、放出部848a,848bには、流路の途中に障害凸条849や屈曲部849s等の減速手段が設けられており、この減速手段によって遊技球Bがどちらの放出部848a,848bを通っているかを遊技者に認識させる時間が確保されるようになっている。これは、遊技球Bがどちらの放出部848a,848bを通るかは、遊技者の利益に大きく影響するからである。なお、流路途中の減速手段については、上述した実施形態に限らず、放出部848a,848bの両方に障害凸条849を設けるようにしたり、放出部848a,848bの両方に屈曲部849sを設けるようにしたり、また、放出部848a,848bの両方の前方を覆う程度の幅を有する透明なカバー体を設け、その透明なカバー体の裏面側に障害凸条を設けることによって実現することとしてもよい。
また、放出部848a,848bの裏側に対応する位置にも演出表示装置1600の画像が表示されるように演出表示装置1600を大型化し、放出部848a,848bの通路面を透明に形成すると共に、その透明な通路面を通して演出表示装置1600の画像を視認できるようにし、この演出表示装置1600の画像によって放出部848a,848bを装飾するようにしてもよい。例えば、第2遊技領域5a2を用いることが必要な遊技状態(例えば時短遊技状態など)にて、放出部848bの後方で特定の画像(例えば炎画像)を表示するようにして、放出部848aに比べて放出部848bが有利である旨を遊技者に知らせるようにしてもよい。
また、第2遊技領域5a2を用いることが必要な遊技状態(例えば時短遊技状態など)の開始に先立って、放出部848aに比べて放出部848bが有利である旨を遊技者に事前に知らせるアナウンス画像(例えば「左側の通路を狙って右打ちしてね!」のメッセージ画像など)を所定の表示領域に表示するようにしたり、あるいは、放出部848bの後方に「ここを狙って右打ちしてね!」のメッセージ画像を表示するようにし、時短状態の開始時に遊技者が困惑しないように、従来よりも一層詳細な「右打ち」に関する説明演出を実行するようにしても良い。
更に、これらの場合、好ましくは、放出部848a,848bの例えば開口部848aH,848bHに遊技球Bを検出する演出用センサー(放出種別検出手段)を各々設けて、遊技球Bが通過した放出部848a,848bがいずれであるかによって、音声や画像表示、あるいは放出部848a,848bに設けた発光体の発光を用いた所定の通知を行うようにしてもよい。たとえば、各々の演出用センサーによって、放出部848aを通過した遊技球の数と、放出部848bを通過した遊技球の数とを各々計数し、それら計数値の状況によって、通知種別(通知パターン)を相違させることが例示できる。具体的には、時短遊技状態にて放出部848aを通過した遊技球数の計数値が所定数(例えば10個)に到達した場合に「がんばって!」との音声報知や特定の画像表示a、特定発光パターンaでの発光の全部あるいは一部を行うようにしたり、時短遊技状態にて放出部848bを通過した遊技球数の計数値が所定数(例えば10個)に到達した場合に「おめでとう!」との音声報知や特定の画像表示b、特定発光パターンbでの発光の全部あるいは一部を行うようにしたりすることが例示できる。また、放出部848bを遊技球が通過することなく放出部848aのみを連続して通過した遊技球数の計数値が所定数(例えば3個)に到達した場合には「注意して!」との音声報知や特定の画像表示c、特定発光パターンcでの発光の全部あるいは一部を行うようにしたり、放出部848aを遊技球が通過することなく放出部848bのみを連続して通過した遊技球数の計数値が所定数(例えば3個)に到達した場合には「うまい!うまい!」との音声報知や特定の画像表示d、特定発光パターンdでの発光の全部あるいは一部を行うようにすることが例示でき、これらによって、一層の満足感や達成感を遊技者に付与することが可能になる。
図133〜図139は、連絡通路部5a4又は放出部848a,848b又は第2遊技領域5a2の他の形態を示したものである。
図133に示したものは、連絡通路部5a4の高さ方向の幅を遊技球ほぼ二個分に広げたものであり、この高さを利用して開口部848bHと開口部848aHの間の仕切部848eの頂部が、連絡通路部5a4の底面(センター部材2500の囲い枠832の上面)より若干高くなっている。これにより連絡通路部5a4の底面を転がるような遊技球Bが、仕切部848eの頂部の左方側に当たって開口部848bHに入るため、遊技球Bの放出部848aへのハンドル調節による打ち分けをさらに容易にすることができる。
また、この連絡通路部5a4は、高さ方向の幅が広く、打ち出された遊技球Bの高低が一見して判るため、どちらの放出部848a,848bに入るかが早い段階で予測できる。したがって発射力の調節が短時間で行える。
そしてさらに、複数の遊技球Bをまとめて発射する俗に言う「ひねり打ち」が行われたとしても、図133に示したように複数の遊技球が上下に並んで移動した場合には、下の遊技球Bが仕切部848eに当たって放出部848bに流れ、上の遊技球Bが仕切部848eを飛び越して放出部848aに流れるため、「ひねり打ち」などによる損害が生じにくい。
ところで、図133のような形態では、上述したように仕切部848eには打ち出された遊技球Bが繰り返し衝突し、また、衝止部1006に当たって跳ね返った遊技球Bも衝突するため、前後双方からの衝撃に耐え得る、例えばリブの成形や金属板のインサート等の補強を施すとよい。また、遊技球Bが繰り返し接触することから、仕切部848eの表面に、例えば金属板等の耐摩耗性を有する材料のカバーを施すとよい。
また、図134に示したものは、図132や図133とは異なり、補強用樹脂848e1よりも上流側にも分岐部848cが延設された実施形態である。具体的には、図134では、連絡通路部5a4に、複数の放出部848a,848bよりも上流側で上下方向に複数の球通路が形成されるように通路を隔てる左右方向に延びた上下仕切壁848c1を有する分岐部848cが設けられており、その分岐部848cによって形成された複数の球通路のうちの第1球通路5a4aは、複数の放出部848a,848bのうちの放出部848a(第1放出部)に連通し、分岐部848cによって形成された複数の球通路のうちの第2球通路5a4bは、複数の放出部848a,848bのうちの放出部848b(第2放出部)に連通するように構成したものである。
分岐部848cは、その先端に金属製の緩衝ピン848dを備えており、この緩衝ピン848dが遊技球Bの衝撃を受け止めて分岐部848cの破損を防止する。もちろん分岐部848cの上下仕切壁848c1の先端を金属カバー等で覆って補強すれば緩衝ピン848dは無くてもよい。
この場合も遊技者は、遊技球Bの発射力をハンドル182で調節して第1球通路5a4aと第2球通路5a4bの何れかを狙うのであるが、打球の勢いが強い段階で第1球通路5a4aと第2球通路5a4bを打ち分ける必要があるためハンドル182の調節の難易度が高く、遊技者によるテクニックの差が反映されやすい。したがって、意図する結果が得られた場合の達成感・満足感が大きくなる。
なお、図134に示したものは、補強用樹脂848e1の収容部848e2の左方に空間部分が形成されているが、この空間部分には、補強用樹脂848e1を挿入したり、補強用樹脂848e1とは異なる別の補強用部材を装着したりする等して、一層の強度向上を図るようにしてもよい。また、この空間部分が大型化した際の見栄えを考慮して、その空間部分に装着される補強用樹脂や補強用部材の表面側に所定の装飾を施すようにしたり、補強用樹脂や補強用部材でなく何らかの演出装置(例えば第4図柄表示装置やサブ液晶など)を設けて補強面と演出面の両効果を有するようにしても良い。
図135(a)、(b)に示したものは、図134の連絡通路部5a4の分岐部848cの一部に第1球通路5a4aと第2球通路5a4bを繋ぐ落下口5a4cを設けて第1球通路5a4aを流れる遊技球の一部が第2球通路5a4bに落下して第2放出部848bから第2遊技領域5a2の特定の箇所5a2bに落下し得るようになっている。この場合、放出部848a,848bを打ち分けるハンドル182の調節のバリエーション(例えば、図135(b)のように分岐部848cの緩衝ピン848dに遊技球Bをぶつけて進行方向を上向きに変え、そうして遊技球Bを外レール1001に当てて跳ね返ったものが落下口5a4cに入るようにする。)が広がるため、遊技の興趣も増大する。
図136に示したものは、図134に示したものの分岐部848cの先端をセンター部材2500の囲い枠832の段部832a付近に設定したものであり、そうすることにより分岐部848cの先端に当たった遊技球Bが第1遊技領域5a1に跳ね返されやすくなるため、さらに第1球通路5a4a,5a4bの打ち分けの難度が向上する。ちなみに、図134、図135(a),(b)の例では、分岐部848cの先端とセンター部材2500の囲い枠832の段部832aとの間に跳ね返り空間832cが設けられているため、分岐部848cに当たって跳ね返った遊技球Bの多くは、囲い枠832の上面に載って転がりながら第2球通路5a4bに入る。
図137、図138に示したものは、図132の放出部848a,848bを長くし、逆に第2遊技領域5a2を上下方向に短くした例であり、この場合、放出部848a,848bを通る遊技球Bの滞留時間を長くすることができるため、放出部848a,848bを通る遊技球Bの視認性を高め得る効果がある。
また、図137、図138に示したものは、第1受入口2006をゲート部2003の上下に配置することによって第1受入口2006に入るリスクを大きくした例であり、そうすることによってゲート部2003を狙うスリルを高めることができるため、遊技の興趣を増大させ得る効果がある。
以上、図131〜図138の例では、第2遊技領域5a2に進入する箇所5a2a,5a2b同士でその後の落下経路に有利・不利の利益差を設け、そうして常に有利な方の箇所5a2bを狙うようにしたが、進入する箇所5a2a,5a2b同士でその後の落下経路に異なる種類の利益を設け、そうして遊技状態に応じて箇所5a2a,5a2bの何れか一方を適宜選択して狙うようにしてもよい。
つまり図139の例では、連絡通路部5a4を通って衝止部1006直下の放出部848aの開口部848aHに対応する箇所5a2aから進入する遊技球Bは、第1受入口2006に入る入球確率が、第2受入口に入る入球確率より大きくなるものの、ゲート部2003を通る可能性があるように設定されている。
一方、隣の放出部848bの開口部848bHに対応する箇所5a2bから進入する遊技球Bは、第1受入口2006に入る入球確率は極めて小さく第2受入口に入る入球確率が大きくなるように設定されている。
したがって遊技者は、第2遊技領域5a2に打ち込む場合、遊技状態に応じて第1受入口2006に入るリスクを負ってもゲート部2003を狙って衝止部1006に衝突させ、そうして放出部848aを狙い、例えば大当り状態のときには第1受入口2006に入りにくくて第2受入口に入りやすく、低リスクで大入賞口2005に達しやすい放出部848bを狙う、というように適宜ハンドル182の打力調節を行うこととなる。
なお、図示しないが、上述したセンター部材2500を、例えば、センター部材2500の第2遊技領域5a2に対応する部分と、それ以外の部分、というように、異なる機種同士で共通する部分と機種毎に変更する部分に分けて複数個(少なくとも2個)にブロック化し、そのブロックを組み合わせて一つのセンター部材2500が形成されるようにしてもよい。そうすることにより各機種間で共通する部分の量産化が可能になるため、センター部材2500のコストを抑制することができる。
また、放出部848aと放出部848bの間の部材を可動式にして特定の条件が成立すると一方の放出部848a又は848bの開口部848aH又は848bHの間隔が広がるようにしてもよい。
また、連絡通路部5a4の内面にも放出部848a,848bに設けた障害凸条849のごとき減速手段を設けて放出部848bへの進入が技術的に容易になるように調整してもよい。
表ユニット2000において、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて一般入賞口センサ3001により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
また、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて第一始動口センサ3002により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。第1受入口2006に受入れられた遊技球Bは、第1受入口センサ2406に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
なお、第一始動口センサ3002は、第一始動口センサ主側(以下、「第一始動口センサ主側3002a」と記載する。)と第一始動口センサ従側(以下、「第一始動口センサ従側3002b」と記載する。)とから構成されており、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとが少なくとも誤検出防止距離寸法(本実施形態では、14mmであり、遊技球の直径(11mm)と比べて大きい距離寸法を有している。)以上だけ上下方向に互いに離間して配置されている。第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとは、同一の非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているため、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとが誤検出防止距離寸法以下となる状態で配置されると、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球Bを、第一始動口センサ主側3002aと共に第一始動口センサ従側3002bにより検知される場合があり、また第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球Bを、第一始動口センサ主側3002aと共に第一始動口センサ従側3002bにより検知される場合があるからである。
そこで、本実施形態では、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとを誤検出防止距離寸法よりも大きい寸法距離(本実施形態では、43mm)だけ離間して配置することにより、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球Bを第一始動口センサ主側3002aが検知した際に、その検知による電気的な影響が第一始動口センサ従側3002bに及ぶことにより、その遊技球Bが第一始動口センサ従側3002bに未だ通過していない状態であるにもかかわらず、第一始動口センサ従側3002bが誤って検知することを物理的な構造により防止することができるようになっているし、かつ、第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球Bを第一始動口センサ従側3002bが検知した際に、その検知による電気的な影響が第一始動口センサ主側3002aに及ぶことにより、その遊技球Bが第一始動口センサ主側3002aをすでに通過している状態であるにもかかわらず、第一始動口センサ主側3002aが誤って検知することを物理的な構造により防止することができるようになっている。このように、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、まず第一始動口センサ主側3002aを通ることで第一始動口センサ主側3002aにより検知され、そして第一始動口センサ従側3002bを通ることで第一始動口センサ従側3002bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。
本実施形態では、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第一始動口センサ3002を採用することにより、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができるようになっている。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第一始動口センサ3002により検出して報知することができる不正行為検出処理についての詳細な説明を後述する。
[5−8−2.表演出ユニット]
表演出ユニット2600は、詳細に図示は省略するが、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、可動したり発光したりする複数の演出装飾体を備えており、可動演出や発光演出を行うことができるものである。表演出ユニット2600は、複数の演出装飾体を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、それらを適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
表演出ユニット2600は、枠状のセンター部材2500の枠内を閉鎖するように、センター部材2500に取付けられている。表演出ユニット2600は、センター部材2500の後側に取付けられており、センター部材2500の枠内を閉鎖する透明な平板状の導光板と、導光板の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄用の複数のLEDが実装されている第一絵柄用装飾基板と、導光板の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄用の複数のLEDが実装されている第二絵柄用装飾基板と、導光板の右側面と第二絵柄用の複数のLEDとの間に設けられており第二絵柄用の複数のLEDからの光を拡散させる複数の拡散レンズと、を備えている。第一絵柄用の複数のLED及び第二絵柄用の複数のLEDは、フルカラーLEDである。
導光板は、上方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の上反射部により形成されている第一絵柄と、右方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の右反射部により形成されている第二絵柄と、を備えている。つまり、表演出ユニット2600は、第一絵柄用装飾基板のLEDを発光させると、第一絵柄を発光表示させることができ、第二絵柄用装飾基板のLEDを発光させると、第二絵柄を発光表示させることができる。
導光板は、第一絵柄を形成している無数の上反射部や、第二絵柄を形成している無数の右反射部が、それぞれの凹凸が微細に形成されており、第一絵柄用装飾基板の第一絵柄用の複数のLEDや第二絵柄用装飾基板の第二絵柄用の複数のLEDを発光させていない状態では、透明に見えて、後側に配置されている裏ユニット3000の各種の装飾体や演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第一絵柄を形成している複数の上反射部や、第二絵柄を形成している右反射部は、それぞれが対応している第一絵柄用の複数のLEDや第二絵柄用の複数のLEDと結んだ直線に対して、直角方向へ延びていると共に導光板の後面に対して45度傾斜している平面を有している。上反射部や右反射部は、ペントルーフ状の三角形に凹んでいる。上反射部や右反射部は、対応している第一絵柄用の複数のLEDや第二絵柄用の複数のLEDから入射された光を、導光板の前面の垂直線に対して略平行な方向へ反射させる。一方、対応していない第一絵柄用の複数のLEDや第二絵柄用の複数のLEDから入射された光は、導光板の前面の垂直線に対して傾斜している方向へ反射させる。したがって、対応している第一絵柄用の複数のLEDや第二絵柄用の複数のLEDからの光のみを、導光板の前方に位置している遊技者の目に届かせることができる。
第一絵柄用装飾基板の下面に実装されている複数の第一絵柄用の複数のLEDは、左右方向へ一列に並べられており、第一LEDa、第二LEDb、第三LEDc、及び第四LEDdの四つのグループに分けられている。第一LEDa、第二LEDb、第三LEDc、及び第四LEDdは、左から所定個数(ここでは三個)ずつ二巡するように並んでいる。
第一絵柄は、装飾パターンを形成している水平線、右上り斜線、及び左上り斜線のそれぞれの延長線を境界にした複数の正三角形により構成された絵柄である。第一絵柄は、装飾パターンにおける一つの正三角形の輪郭が四つ集まって形成される正三角形と略同じ大きさの六つの大三角形の絵柄と、装飾パターンにおける一つの正三角形の輪郭の内部に収まる大きさの複数の小三角形の絵柄とで、構成されている。六つの大三角形の絵柄は、全体が六角形となるように遊技領域5aの中央付近を中心として円形状に配置されており、六つの大三角形の絵柄を囲むように複数の小三角形の絵柄が配置されている。
第一絵柄の大三角形の絵柄は、大きさの異なる複数の正三角形が、遊技領域5aの中央に近い頂点側へ偏芯した状態で、大きさが順番に小さくなるように重ね合わされたような絵柄に形成されている。第一絵柄の小三角形の絵柄は、正三角形の輪郭線が同心円状に並んだ絵柄に形成されている。
第一絵柄は、第一LEDaに対応した複数の上反射部により構成されている第一絵柄部と、第二LEDbに対応した複数の上反射部により構成されている第二絵柄部と、第三LEDcに対応した複数の上反射部により構成されている第三絵柄部と、第四LEDdに対応して複数の上反射部により構成されている第四絵柄部と、から構成されている。
第一絵柄における大きさの異なる複数の正三角形が重ね合われた大三角形の絵柄は、大きさが順番に小さくなるように、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、が遊技領域5aの中心側へ偏芯して重ね合わされている。また、第一絵柄における複数の正三角形の輪郭からなる小三角形の絵柄は、大きさが順番に小さくなるように、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、の順番で同心円状に配置されている。
第二絵柄は、「CHANCE!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)を有した絵柄である。
次に、表演出ユニット2600による発光演出について簡単に説明する。第一絵柄用装飾基板の第一LEDaを発光させると、導光板内に入射された光が、第一絵柄部では正面へ反射され、残りの第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、及び第二絵柄では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第一絵柄部のみが光って見える。また、第一絵柄用装飾基板の第二LEDbを発光させると、導光板内に入射された光が、第二絵柄部では正面へ反射され、残りの第一絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、及び第二絵柄では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第二絵柄部のみが光って見える。
また、第一絵柄用装飾基板の第三LEDcを発光させると、導光板内に入射された光が、第三絵柄部では正面へ反射され、残りの第一絵柄部、第二絵柄部、第四絵柄部、及び第二絵柄では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第三絵柄部のみが光って見える。更に、第一絵柄用装飾基板の第四LEDdを発光させると、導光板内に入射された光が、第四絵柄部では正面へ反射され、残りの第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、及び第二絵柄では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第四絵柄部のみが光って見える。
そして、第一絵柄では、大三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、が遊技領域5aの中心側へ偏芯して重ね合わされており、小三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部、の順番で同心円状に中心へ向かって配されていることから、第一LEDa、第二LEDb、第三LEDc、第四LEDd、の順番に発光させると、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部の順番に発光することとなり、外側から中心へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
一方、第四LEDd、第三LEDc、第二LEDb、第一LEDa、の順番に発光させると、第四絵柄部、第三絵柄部、第二絵柄部、第一絵柄部の順番に発光し、中心側から外側へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
更に、第一LEDa、第二LEDb、第三LEDc、第四LEDdをそれぞれ異なる色で発光させると、第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部を、それぞれ異なる色に発光させることができる。
また、第二絵柄用装飾基板の複数の第二絵柄用の複数のLEDを発光させると、導光板内に入射された光が、第二絵柄では正面へ反射され、残りの第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、及び第四絵柄部では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第二絵柄のみが光って見える。したがって、複数の第二絵柄用の複数のLEDにより「CHANCE!」の文字からなる第二絵柄を発光させることができる。
このように、表演出ユニット2600によれば、一枚の導光板により、複数(3つ以上)の互いに異なる絵柄(第一絵柄部、第二絵柄部、第三絵柄部、第四絵柄部)を発光させることができるため、アニメーション表示等をさせるために絵柄毎に複数の導光板を備える必要がなく、前後方向の厚さを可及的に薄くすることができる。したがって、導光板の後方に、広いスペースを確保し易くすることができるため、そのスペースに他の演出ユニットを配置することができ、遊技者に対する訴求力を高めさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板により、裏ユニット3000や演出表示装置1600の前方において、半透明な第一絵柄が浮かびあがってアニメーションのように動く発光装飾を見せることができるため、従来の導光板を用いた発光演出に見慣れた遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一絵柄や第二絵柄では、遊技パネル1100におけるベースパネル板1110に形成されている装飾パターン1150と関連した絵柄とすることにより、センター部材2500の枠内と枠外とが連続するような一体感のある装飾を遊技者に見せることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
また、パチンコ機1の前方正面に着座している遊技者のみが導光板による第一絵柄や第二絵柄の発光表示を良好に見ることができるため、正面から離れている他の遊技者からは第一絵柄や第二絵柄の発光表示が見辛くなり、他の遊技者に対して、導光板を用いた演出が行われていることを気付かせ難くすることができ、他の遊技者が注目するのを抑制することができると共に、他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行うことができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図131乃至図141を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図151を参照)。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010a2を有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面における開口部3010a2よりも下側に取付けられている駆動基板ユニット1700と、裏箱3010内に取付けられている裏演出ユニット3100と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010a2と、開口部3010a2の周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視右辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視左辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010a2は、演出表示装置1600の表示画面より若干小さく形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、裏演出ユニット3100等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
裏演出ユニット3100は、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、可動したり発光したりする複数の演出装飾体を備えており、可動演出や発光演出を行うことができるものである。裏演出ユニット3100は、複数の演出装飾体を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、それらを適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
ここで、可動演出や発光演出を行うことができる演出装飾体の一例について図145を参照して説明する。図145は演出装飾体の内部構造の概略斜視図である。演出装飾体である裏左上可動装飾体3310は、裏箱3010内の開口部3010a2の左側に取付けられている。
裏左上可動装飾体3310は、先端を右方へ向けた三角錐状に形成されており、図示しない駆動モータにより、図示しない機構を介して、左右方向へ移動したり、上下方向へ移動したりすることができるようになっている。裏左上可動装飾体3310は、正面視の外形形状が、正三角形に形成されている。また、三角錐状の裏左上可動装飾体3310は、左右方向に対して先端が、前方へ位置するように傾いている。
裏左上可動装飾体3310は、正面視の形状が右方へ窄まる台形状の基段装飾部3311と、基段装飾部3311の右側面に回転可能に取付けられており先端を右方へ向けた三角錐状の先段装飾部3312と、基段装飾部3311の内部に取付けられており先段装飾部3312を回転させるための裏左上回転駆動モータと、基段装飾部3311の内部に取付けられており基段装飾部3311を発光装飾させるための裏左上基段装飾基板と、基段装飾部3311の右側面に取付けられており先段装飾部3312を発光装飾させるための裏左上先段装飾基板3311aと、を備えている。基段装飾部3311及び先段装飾部3312は、透光性を有するように形成されている。
裏左上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3311の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装されている。裏左上先段装飾基板3311aは、先段装飾部3312の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3311aa(本実施形態では、8つのフルカラーLED3311aa(1)〜3311aa(8))が実装されている。
裏左上回転駆動モータの出力軸(回転軸)の回転は、裏左上回転駆動モータの出力軸(回転軸)に取付けられて固定される図示しない主歯車と、先段装飾部3312の回転軸に取付けられて固定される図示しない従歯車と、が噛合する図示しない裏左上回転伝達機構を介して、先段装飾部3312の回転となる。基段装飾部3311の右側面と対向する先段装飾部3312の左側面には、先段装飾部3312の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3312aが配置されて固定されている。具体的には、マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍であって、その軸心が先段装飾部3312の回転軸と平行となるように先段装飾部3312の左側面に対して垂直となる配置とされると共に、その左面が先段装飾部3312の左側面から基段装飾部3311の右側面へ向かって突出しないように、先段装飾部3312の内部空間に収容されて固定されている。マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍に配置されているが、これは、裏左上回転駆動モータによる先段装飾部3312の回転により先段装飾部3312の回転軸が共振現象を発生しない位置となっている。
マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍に固定されているため、裏左上回転駆動モータの出力軸(回転軸)の回転が上述した図示しない裏左上回転伝達機構を介して先段装飾部3312の回転軸へ伝達されて先段装飾部3312が回転開始すると、その軌跡が円軌道となる。
そこで、裏左上先段装飾基板3311aには、この円軌道上の一の位置と対応する位置に(小型の円柱形状を有するマグネット3312aの磁気を帯びた面と対向して)、ホール素子、及び周辺回路から構成されて磁極の変化を検知することができる裏左上磁極変化検知回路3311abが実装されている。この裏左上磁極変化検知回路3311abは、先段装飾部3312に固定されたマグネット3312aの磁気を検知することで先段装飾部3312の回転位置を特定して原位置を設定するために用いられる回路であり、その詳細な説明を後述する。なお、先段装飾部3312の回転位置の原位置(待機位置)としては、例えば、基段装飾部3311、及び先段装飾部3312のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成している状態を挙げることができる。
なお、上述した実施形態では、裏左上可動装飾体3310の正面視の形状を、正三角形としたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、「四角形」、「六角形」、「八角形」、「扇形」、「星形」、等としてもよい。
また、上述した実施形態では、先段装飾部3312の待機位置(原位置)を検知するセンサとして裏左上磁極変化検知回路3311abという小型の電子部品(磁気式のセンサ)を用いることにより可動体である先段装飾部3312の待機位置(原位置)を検知するセンサとして採用し、先段装飾部3312のマグネット3312の磁気を検知することで先段装飾部3312の回転位置を特定して待機位置(原位置)を設定していたが、磁石ゴトによる磁石の接近を検知するセンサとして用いることもできる。これは、裏左上磁極変化検知回路3311abという小型の電子部品(磁気式のセンサ)は、先段装飾部3312が連続回転されている状況において、間欠的に、先段装飾部3312のマグネット3312の磁気を検知するはずが、連続的に磁気を検知している場合には不正な磁石の接近を磁石ゴトとして検知することができるからである。
更に、上述した実施形態では、各種演出ユニットに備える各種駆動モータは、ステッピングモータであるが、エンコーダ等の回転検出器を備えるモータ(サーボモータ)を用いてもよい。この場合、サーボモータの出力軸(回転軸)の回転角度を回転検出器で検出してフィードバック制御により駆動パルスを制御する。これにより、サーボモータの出力軸(回転軸)を所定の回転速度とすることができる。
また、上述した実施形態では、球供給手段である球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580から供給される遊技球が皿ユニット200の上皿201に払い出されていたが、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる受入口である一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、第1受入口2006、及び大入賞口2005に受け入れた遊技球と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008に回収された遊技球とを合わせて回収する回収口を有する球回収装置を備えると共に、この球回収装置によって回収された遊技球を球発射装置540へ向けて搬送する球搬送装置を備え、遊技球の払い出しを皿ユニット200の上皿201に供給することなく、打球発射装置540、遊技盤5に区画形成される遊技領域5a、球回収装置、及び球搬送装置による遊技球の循環経路を形成して、所定数量の遊技球を閉鎖的に循環させるように構成して遊技を行うようにすることもできる。
[6.周辺制御ユニットの構成]
次に、図13に示した遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図146〜図150を参照して詳細に説明する。図146は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図147は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図148は周辺制御ユニットの正面図であり、図149は図148のX−X線の断面図であり、図150は図148のA矢視図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。
周辺制御ユニット1500は、図146及び図147に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有する透明なカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310Xからのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入する電磁波ノイズを低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540と、金属製のシールド板1540の所定箇所に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545と、カバー体1501の開口を塞ぐ透明なベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持され、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[6−1.カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、図113に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b〜1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1〜th4と対応する位置に、この貫通孔th1〜th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1〜1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2〜コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。このとき、コネクタCN1〜CN7に対応するプラグが挿入されると、実装高さは、コネクタ凹部1501acの底面からカバー平板1501aの表面までに亘る距離寸法と比べて低くなるようになっている。つまり、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1〜CN7に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっている。音量調整スイッチ1510dはコネクタCN1〜CN7の高さより低く、カバー平板1501aの表面から突出することができない。これにより、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dに付着することを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。このとき、コネクタCN8,CN9に対応するプラグが挿入されると、実装高さは、コネクタ凹部1501acの底面からカバー平板1501aの表面までに亘る距離寸法と比べて低くなるようになっている。つまり、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN8,CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっている。これにより、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN8,CN9に付着することを防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530に備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN10と接続される複数の配線(演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の配線)を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1〜1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1〜1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置する。そして、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4のうち、貫通孔1510r1,1510r4を、シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1a、シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c2a、及びカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4に合わせるように配置すると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3に合わせるように配置する。そして、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺制御基板1510の表面側に形成されるランド1510rf1〜1510rf4のうち、ランド1510rf1,1510rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となると共に、ランド1510rf2,1510rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となる。また、周辺制御基板1510の裏面側に形成されるランド1510rb1〜1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2は、周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1,1510rf4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1〜1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1〜1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1〜1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面側に形成されるランド1520rf1〜1520rf4のうち、ランド1520rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1520rf1〜1520rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となる。また、周辺データROM基板1520の裏面側に形成されるランド1520rb1〜1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1は、周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf4と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1〜1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1〜1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。この状態において、液晶出力基板1530の表面側に形成されるランド1530rf1〜1530rf4のうち、ランド1530rf1と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1530rf2〜1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面側に形成されるランド1530rb1〜1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2は、液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。
なお、カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、にすき間が形成されると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、にすき間が形成される。また、カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、にすき間が形成される。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、叙述した通風孔1501azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
[6−2.ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b〜1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7と干渉しない位置に、これらのコネクタCN2〜CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3がそれぞれ形成され、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1及び音量調整スイッチ1510dと干渉しない位置に、コネクタCN1に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力や音量調整スイッチ1510dを操作するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ左右方向に細長い断線防止リブ部1502aa4が形成されている。
また、ベース平板1502aは、その正面から見て、右側であって、後述する金属製のシールド板1540に屈曲して形成されるL字状回路接続片1540dと対応する位置に、L字状回路接続片1540dの裏面形状より一回り大きい形状となる、上下方向に長い長方形状の貫通口1502abが形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[6−3.シールド板]
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入する電磁波ノイズを低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の左辺中央上側と左辺中央下側において所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540b1,1540b2がそれぞれ形成されている。
また、金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の右辺上側、及び右辺下側において所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540c1,1540c2がそれぞれ形成されていると共に、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の中央であってL字状取付片1540c1,1540c2の間に所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から25mm)だけ後方へ屈曲したL字状回路接続片1540dが形成されている。L字状回路接続片1540dの裏面には、その上端から下端までに亘って導電性弾性部材1545が取り付けられている(接着されている)。
シールド平板1540aは、その周囲に、カバー側壁1501b〜1501eと干渉しないように切り欠きがそれぞれ形成されていると共に、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abと対応する位置に、略正方形状の開口部1540aaが形成されている。これにより、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eがシールド平板1540aの外形周囲とそれぞれ干渉せず、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abがシールド平板1540aの開口部1540aaに接触することなく挿入される状態となる。
金属製のシールド板1540は、L字状取付片1540b1,1540b2の裏面と、L字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、が同一平面に配置されるように屈曲して形成されていると共に、L字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面と、シールド平板1540aの表面と、がそれぞれ平行な面となるように形成されている。なお、本実施形態では、シールド平板1540aの表面からL字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面までに亘る距離寸法が13.2mmとなっている。
L字状取付片1540b1,1540b2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ah2,1501am1と対応する位置に、貫通孔1540b1a,1540b2aがそれぞれ形成されている。取付ボス孔1501ah2は、上述したように、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2のうちの1つの取付ボス孔である。取付ボス孔1501am1は、上述したように、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス孔1501am1,1501am2のうちの1つの取付ボス孔である。
L字状取付片1540c1,1540c2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4と対応する位置に、貫通孔1540c1a,1540c2aがそれぞれ形成されている。これらの取付ボス孔1501ag1,1501ag4は、上述したように、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4のうちの2つの取付ボス孔である。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。
この2つの空間は、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図149を参照。)と、後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図149を参照。)と、から構成されている。
第1の空間1505aには、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等(周辺制御IC1510a、後述する制御ROM1510b、後述するSDRAM1510c、図示しないリアルタイムクロックIC、後述するバックアップ電源1510e、図示しない電源作成回路、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述するLEDML1〜ML4、後述する特殊コネクタSCN1,SCN2等)、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等(後述する周辺データROM1520a、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述する特殊コネクタSCN3等)、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等(図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述する特殊コネクタSCN4等)が収容されているのに対して、第2の空間1505bには、各種電子部品等が全く収容されていない。これは、電磁波ノイズの影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えるためである。つまり、金属製のシールド板1540は、電磁波ノイズの低減(抑制)する機能に加えて、放熱板としての機能も有している。
シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azと対応する位置に、それぞれ同一形状の通風孔1540azが形成されている。つまり、これらの通風孔1540azは、通風孔1501azと同様に、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。カバー体1501のFAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される通風孔1501az、そしてシールド板1540のシールド平板1540aに形成される通風孔1540azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間のうち第1の空間1505a(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができると共に、金属製のシールド板1540を空冷することができる。
[6−4.導電性弾性部材]
金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に取り付けられる(接着される)導電性弾性部材1545は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1545aと、導電性被覆部1545aにより被覆される芯材としての矩形形状を有する発泡体1545bと、導電性被覆部1545aに貼られる導電性粘着テープ1545cと、から構成されている。被覆部1545aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1545bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。導電性粘着テープ1545cとしては、例えば、アクリル系粘着剤が使用された導電性両面接着テープを挙がることができる。導電性粘着テープ1545cの表面は、使用されるまでピール紙により保護されており、導電性被覆部1545aを他の部材へ取り付ける(接着する)ときにピール紙を剥がす。
なお、導電性弾性部材1545は、その幅が5mm、その高さが3mmである長方形状を有し、導電性粘着テープ1545cは、その幅が2mm、その高さが0.035mmである長方形状を有している。
[6−5.各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510は、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic
Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1〜CN7と、を備えている。このような周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510a、ROM1510b、SDRAM1510c、及び周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、ICのピン間隔が小さくなっていると共に、周辺制御基板1510に備える各種コネクタCN1〜CN7、特殊コネクタSCN1,SCN2のピン間隔が狭くなり、周辺制御基板1510にコネクタの数が増大することでコネクタCN1〜CN7の間隔が狭くなり、コネクタCN7と特殊コネクタSCN2との間隔も狭くなっている。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、128Mbitの記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter−Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310Xからのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用しているものもある(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、例えば、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、各種演出ユニットに備える各種モータであり、コネクタCN6又はコネクタCN7を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、演出操作ユニット300に備える操作リング駆動モータ342や操作ボタン昇降駆動モータ367等であり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(例えば、各種演出ユニットに備える各種検知センサであり、コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(例えば、演出操作ユニット300に備える各種検知センサであり、コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。また、本実施形態では、GPIOをシリアル通信として機能するように使用している。例えば、所定の割り込み処理(例えば、16ミリ秒(ms)ごとに発生する割り込み処理)において、GPIOからクロック信号を作り出すとともに、このクロック信号に基づいて、GPIOからデータを1ビットずつ出力することでシリアルデータを作り出すことができる。このようなGPIOをシリアル通信として機能するように使用することにより、所定の割り込み処理(例えば、16ミリ秒(ms)ごとに発生する割り込み処理)において、例えば、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN1を介して通信している。)に対して発光データを複数の遊技盤側シリアル系統として出力することができるとともに、扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN6を介して通信している。)に対して発光データを複数の扉枠側シリアル系統で送信することができる。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510は、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510は、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、後述するが、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。LEDML1は、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図149を参照。)と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図149を参照。)と、から構成されている。
第1の空間1505aには、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間1505a内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8〜CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1〜CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1〜CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520aを備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、非導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、非導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[6−6.周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となると共に、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となっているため、そのまま、又は、微調整する必要がある場合には周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように微調整して配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。つまり、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態となる。
このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と、におけるそれぞれの寸法公差により吸収することができるようになっている。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませ、金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dがベース体1502の貫通口1502abを通って、そのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、L字状回路接続片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。また、このように封印された状態において、金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、ベース体1502の裏面からL字状回路接続片1540dの裏面までに亘る距離寸法(突出長さ)が6.8mmとなっている。
なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
続いて、導電性弾性部材1545の導電性粘着テープ1545cのピール紙を剥がして、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に導電性弾性部材1545の粘着テープ1545cを取り付ける(接着する)。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600を収容する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を、透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する装着溝に挿入し、周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
演出表示装置1600は、上述したように、額縁状の金属製フレームと、この金属製フレームの後面全体を塞ぐ金属製裏蓋と、透明な合成樹脂製ボックスと、により構成されている。額縁状の金属製フレームには、液晶パネル、バックライト、駆動回路等が収容されている。この額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定された状態となっており、透明な合成樹脂製ボックスに収容されている。また、演出表示装置1600は、上述したように、自身の後側に取付けられる周辺制御ユニット1500により制御され、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されることにより同一のグランド(GND)となるようになっている。周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dが透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される図示しない貫通口を通って、図150に示すように、導電性弾性部材1545を介して、演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接した状態となる。このとき、導電性弾性部材1545が押し込まれて高さ方向につぶれる(本実施形態では、導電性弾性部材1545の高さが1mm〜1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを導電性弾性部材1545により吸収することができるようになっている。これにより、周辺制御ユニット1500の金属製のシールド板1540と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができるため、電磁波ノイズに対して強い環境を周辺制御ユニット1500とその周辺に対して構築することができる。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成され、カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定されると、金属製のシールド板1540が各種基板のグランド(GND)へ接続されるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去することができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このような電磁波ノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aに形成される複数の円形状を有する通風孔1540azの配置と、について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500を上述したように組み立てると、図148に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、制御ROM1510bの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bと周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、つまり、周辺データROM1520aの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容と、を多方向の角度からほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3と周辺データROM基板1520にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの改変、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺データROM1520aの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、それぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4と液晶出力基板1530にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、SDRAM1510c1,1510c2の表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図149を参照。)と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図149を参照。)と、から構成されている。第1の空間1505aには、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間1505a内を、照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができる。
また、シールド板1540が金属製であるため、光沢を有しており、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1〜LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510へ向かわせることができる反射部としての機能も有している。これらの反射部には、光沢を有する着色塗料をさらに塗布するように構成してもよい。
また、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図4に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲は電磁波ノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成し、カバー体1501の内部空間内に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けてシールド板1540をカバー体1501と各種基板とにより挟持して固定することにより、金属製のシールド板1540を各種基板のグランド(GND)と電気的に接続するという構成を採用した。また、本実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインを、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続することにより、同一のグランド(GND)とする構成を採用した。
これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)へ導いて除去することができる。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去することができる。
また、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図4に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態においては、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、を球タンク552の中央寄りに配置することで、タンクレール553から離して配置することができるようになっている。タンクレール553は、上述したように、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して外部へ遊技球Bの金属粉を落下することができるようになっているため、上述した基板間コネクタをタンクレール553から離して配置することにより、上述した基板間コネクタにおいて遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルの発生を防止することができる。
また、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、は、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態において、図148に示したように、上下方向に長い配置とすることができるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積を最小限とすることができる。なお、上述した基板間コネクタを左右方向に長い配置とする場合には、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大することとなる。これに対して、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、図148に示したように、左右方向に長い配置となり、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大する配置となっているが、上述したように、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1〜CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっているため、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1〜CN9に付着することを防止することができるようになっている。このように、塵、何らかの金属性を有する粉等が各電気端子への付着を防止することができるように、上述した基板間コネクタを配置する向きと、コネクタCN1〜CN9を配置する向きと、が選択されている。
なお、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に特殊コネクタSCN1,SCN2のプラグを備え、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3のソケットを備え、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4のソケットを備えていたが、情報や信号が流れる方向が視認できるように備えるように配置してもよい。このような場合には、情報や信号を送信する側をプラグ(又はソケット)とするとともに、これに対応して、情報や信号を受信する側をソケット(又はプラグ)とすることができる。例えば、上述した実施形態では、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)は、周辺データROM基板1520から周辺制御基板1510へ転送されるため、周辺データROM基板1520が送信側で周辺制御基板1510が受信側となる。このような場合には、周辺データROM基板1520にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、周辺制御基板1510にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510から複数種類の映像信号の方式が液晶出力基板1530へ出力されるため、周辺制御基板1510が送信側で液晶出力基板1530が受信側となる。このような場合には、周辺制御基板1510にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、液晶出力基板1530にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。
また、上述した実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成されていたが、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として不透明な黒色に成型されて構成されていてもよいし、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503が導電性の樹脂製であれば、半透明な有色に成型されて構成されていてもよい。このように構成しても、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503が導電性の樹脂製であるため、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に、上述した、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を金属製のナベねじによりそれぞれ固定することにより、上述したように、これら各種基板のグランド(GND)へ接続するように構成することができる。これにより、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを各種基板のグランド(GND)へ流し、ノイズを除去することができる。
更に、上述した実施形態では、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成され、この2つの空間が、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505aと、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505bと、から構成されていた。換言すると、第1の所定高さの距離寸法が第2の所定高さの距離寸法より大きく形成されていた。遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置した場合であって奥行き方向の距離寸法に余裕がある場合には、第1の所定高さの距離寸法と第2の所定高さの距離寸法とを同一の所定高さの距離寸法として構成してもよいし、第2の所定高さの距離寸法を第1の所定高さの距離寸法と比べて大きくするように構成してもよい。このように構成しても、電磁波ノイズの影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えることができる。
また、上述した実施形態では、金属製のシールド板1540dには、円形状を有す複数の通風孔1540azが形成されることにより、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように構成されていたが、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aと対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。なお、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aに加えて、その周囲も視認することができるように、金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。また、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできるし、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。
更に、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、いずれかに一つまたは組み合わせて通風孔1501azを複数形成してもよい。例えば、左辺に設けられるカバー側壁1501cにのみ通風孔1501azを複数形成してもよいし、下辺に設けられるカバー側壁1501dのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、右辺に設けられるカバー側壁1501eのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、カバー平板1510a、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eのうち複数組み合わせて通風孔1501azをそれぞれ複数形成してもよい。このように構成しても、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することを防止することができる。これにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、タンクレール553からの落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成してもよい。こうすれば、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成することにより周辺制御基板ボックス1505の温度上昇を抑制することに寄与することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、上述したように、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
因みに、従来より、図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データが記憶されるROM、種々の画像を表示する表示装置を制御するCPU等が実装される演出制御基板等を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−116667号公報(図2))。ところで、表示装置に入力される映像信号の方式には複数種類のものがある。このため、この文献に記載される遊技機においては、表示装置に入力される映像信号に合わせて演出制御基板を改変して製造する必要があり、演出制御基板のコストを抑制することが困難であった。
また、従来より、図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データが記憶されるROM、種々の画像を表示する表示装置を制御するCPU等が実装される演出制御基板(演出制御手段)等を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−116667号公報(図2))。ところで、遊技ホールの島設備から遊技機に供給される遊技球は、遊技ホールの島設備と遊技機とを循環する際に遊技球が互いに擦れ合うことで静電気を帯びるため、遊技機には遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの対策を講ずる必要がある。
[7.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図151を参照して説明する。図151は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310X及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、それぞれの制御が分担されている。主制御基板1310Xは、遊技動作(遊技の進行)を制御することができるものである。周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xからのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御することができるものである。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御することができる主制御基板1310Xは、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ1310fと、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器1310g、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を表示するためのベースモニタ1310hと、を備えている。なお、主制御MPU1310aは、主制御基板1310Xに備える図示しない水晶発振器の高周波回路により動作する。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002(上述した、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002b)、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、第1受入口2006に受け入れられた遊技球Bを検知する第1受入口センサ2406、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される遊技球Bをいずれか一方で検出するアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008b、等からのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、設定変更基板1310Yに備える設定キー1311a、設定切替ボタン1311bからのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号と本体枠開放スイッチ4bからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路633ab、そして払出制御出力回路633acを介すことなく、そのまま)、主制御基板1310Xへそれぞれ入力されると、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310Xに入力され、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2401、第1受入口センサ2406、大入賞口センサ2403、磁気センサ3003、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bからのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310Xに入力され、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路1310dから始動口ソレノイド2404、及びアタッカソレノイド2405へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から機能表示ユニット1400の状態表示器1401、普通図柄表示器1402、普通保留表示器1403、第一特別図柄表示器1404、第一特別保留数表示器1405、第二特別図柄表示器1406、第二特別保留数表示器1407、ラウンド表示器1408へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から設定変更基板1310Yの設定変更許可ランプ1311cへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から停電監視回路1310eに対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002(第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002b)、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2401、大入賞口センサ2403、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bには、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により多量に回収されるため、アウト口左センサ1008aによる遊技球Bの検出、及びアウト口右センサ1008bによる遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト口左センサ1008a、及びアウト口右センサ1008bに対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001や第1受入口センサ2406には、一般入賞口センサ3001や第1受入口センサ2406による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001や第1受入口センサ2406には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001や第1受入口センサ2406に遊技球Bが頻繁に入球するしないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板633は、主制御基板1310Xからの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310Xに対して出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU11310aは、払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に出力し、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から周辺制御基板1510に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310Xには、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が払出制御基板633を介して供給されている。この主制御基板1310Xに各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310Xに電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図160等を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310XのRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし主制御出力回路に出力され、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して出力されるようにもなっている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの直流+12V及び直流+35Vが供給されており、これら直流+12V及び直流+35Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、直流+12V及び直流+35Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力し、停電予告信号は、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるとともに、主制御基板1310X(主制御出力回1310cを介して出力され)、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310Xを介して周辺制御基板1510に入力される。なお、停電予告信号は、扉枠3の装着される基板等にそれぞれ入力されるように構成してもよい。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、直流+12Vが供給される電源ライン(+12V電源ライン)と、直流+35Vが供給される電源ライン(+35V電源ライン)と、の2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+35V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出制御のほかに、遊技球Bの発射制御や球送制御等を行う払出制御基板633は、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器633cと、エラーLED表示器633cに表示されているエラーを解除するための押圧操作部を有するエラー解除スイッチ633dと、を備えている。
[7−2−1.払出制御部]
払出制御基板633における払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU633aaと、払い出しに関する各種センサからの検出信号が入力される払出制御入力回路633abと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路633acと、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路633adと、を備えている。
払出制御MPU633aaには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「払出制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路633abは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路633acは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路は、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、球誘導ユニット570の球切検知センサ574からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310Xの停電監視回路1310eからの停電予告信号、エラー解除スイッチ633dからのエラー解除信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ4aからの検出信号は、上述したように、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、払出制御入力回路633ab、そして払出制御出力回路633acを介すことなく、そのまま)、主制御基板1310Xへ入力されている。また、外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、上述したように、払出制御基板633を介して(経由して)、主制御基板1310Xへ入力されている。
また、主制御基板1310Xからの払い出しに関する各種コマンドは、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式により受信されている。また、主制御基板1310XからのRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)は、払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU633aaは、主制御基板1310Xからの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から主制御基板1310Xに対して信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU633aaは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路に送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路から主制御基板1310Xに対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板1310Xは、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板633に対して出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ584を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から駆動信号を払出モータ駆動回路633adに出力し、払出モータ駆動回路633adから払出モータ584へ駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器633cに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路からエラーLED表示器633cへ駆動信号を出力したりする。
エラーLED表示器633dは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器633dが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310Xと払出制御基板633との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて球誘導ユニット570の誘導通路570a内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球ガミ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出羽根589と遊技球Bとがかみ合って払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいて下皿202が貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からパチンコ機1の外部に設置されているCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数等をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して賞球として実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板633は、主制御基板1310Xからの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して出力している。外部端子板558は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球Bの球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容又はエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板558とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板558を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板558を経由して遊技を進行することができる主制御基板1310X、払出等を制御することができる払出制御基板633、及び演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数、パチンコ機1の遊技情報等を把握することにより、パチンコ機1の払出動作による遊技球Bの払出情報(いわゆる、出球情報)と、遊技者の遊技と、を監視している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が図示しないCRユニット入出力回路を介して払出制御MPU633aaaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新すると共に、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示されるようになっている。
なお、払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、上述したように、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310Xに電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC0(図160等を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aに加えて払出制御MPU633aaは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310XのRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、その操作信号(RAMクリア信号)が払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、払出制御MPU633aaによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2−2.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種センサからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力すると共に、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310Xからの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力される。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル182に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310Xからの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310Xからの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[7−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、上述したように、主制御基板1310Xからの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御するものであり、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、図示しない周辺制御入力回路と、を備えている。各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/Oポート、各種パラレルI/Oポート等を挙げることができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時(停電から復電する場合も含む。)における初期設定処理の一処理として、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)をSDRAM1510c1,1510c2に転送する制御を行う。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSDRAM1510c1,1510c2との間においては、上述したように、2Gbpsという転送速度を有しているため、周辺データROM1520aに記憶される制御情報がSDRAM1510c1,1510c2へ高速に転送される。制御情報(周辺データ)としては、上述したように、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等である。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMを用いて、処理に伴う一時的に情報を記憶したり、その情報を削除したりする。また周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了すると、主制御基板1310Xから各種コマンドに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出して演出の進行を行う。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310Xから各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出し、演出表示装置1600に画像を描画する制御を行ったり、各種演出に合わせた各種LEDの発光態様となるように制御を行ったり、各種演出に合わせた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行ったりすることにより各種演出を進行する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを周辺制御IC1510aのVRAM上に生成して液晶出力基板1530に出力する制御を行う。この描画データは、液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600に伝送されて演出表示装置1600にさまざまな画像が描画される。なお、周辺制御IC1510aのVDPは、画面の構成を規定する画面データを受け入れることができる状態となると、Vブランク信号を周辺制御IC1510aのCPUに出力することで、その旨を伝える。
周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して生成して出力することにより、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dを操作すると、この音量調整操作信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、入力された音量調整操作信号に応じた音量を調整することができ、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622と、に対して音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、または、4.1chサラウンド信号、等)を出力することで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提供することができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310Xから各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、遊技盤5の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に対して送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720に対して送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したりする。なお、パネル駆動基板1720は、周辺制御基板1510(周辺制御IC1510a)からの遊技盤側駆動データを受信すると、受信した遊技盤側駆動データ(つまり、コマンド)に基づいて、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータに駆動信号を出力することができる図示しない駆動モータ制御回路が設けられている。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の各種演出ユニットに備えるの位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサからの検出信号は、パネル駆動基板1720、そして周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381からの検出信号、昇降検知センサ382からの検出信号、第一回転検知センサ347からの検出信号、及び第二回転検知センサ348からの検出信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに受信されている。また、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。
周辺制御基板1510には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。周辺制御基板1510に備える図示しない電源作成回路は、電源基板630からの各種電圧のうち、一の電圧(例えば、直流+12V)から周辺制御基板1510に備える各種電子部品に対応する制御電圧をそれぞれ複数種類作成して供給している。
なお、周辺制御IC1510aは、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)を備えており、周辺制御IC1510aは、外部WDTを利用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4.パネル駆動基板]
ここで、周辺制御基板1510の従属基板となるパネル駆動基板1720について簡単に説明する。ここでは、遊技盤5の各装飾基板との関係について説明し、続いて、各種演出ユニットの各種駆動モータとの関係、各種検知センサとの関係について説明する。
[7−4−1.遊技盤の各装飾基板との関係]
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、遊技盤5の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に対して送信する。遊技盤5の各装飾基板は、LEDに所定の定電流を流すことができるLED定電流駆動回路を1つ又は複数備えている。
遊技盤5の各装飾基板として、例えば、表演出ユニット2600における導光板の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄用の複数のLEDが実装されている第一絵柄用装飾基板と、表演出ユニット2600における導光板の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄用の複数のLEDが実装されている第二絵柄用装飾基板と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、例えば、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置されると共にベースパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aが実装される左上パネル装飾基板1131と、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置されると共にベースパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LEDが実装される左下パネル装飾基板と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、例えば、裏ユニット3000の裏演出ユニット3100における裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED3311aaが実装される裏左上先段装飾基板3311a等がある。
[7−3−1b.各種演出ユニットの各種駆動モータとの関係]
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720に対して送信する。パネル駆動基板1720は、上述したように、周辺制御基板1510(周辺制御IC1510a)からの遊技盤側駆動データを図示しない駆動モータ制御回路で受信すると、この図示しない駆動モータ制御回路は、受信した遊技盤側駆動データ(つまり、コマンド)に基づいて、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータに駆動信号を出力する。
各種演出ユニットに備える各種駆動モータとして、例えば、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を回転する裏左上回転駆動モータ等がある。
[7−3−1c.各種検知センサとの関係]
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサからの検出信号は、上述したように、パネル駆動基板1720、そして周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aの周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。
各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサとして、例えば、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の回転位置の待機位置(原位置)を検出する、裏左上先段装飾基板3311aに実装される磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311ab等がある。
なお、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の待機位置(原位置)は、裏左上先段装飾基板3311aに実装される磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311abからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
[8.アース線の系統]
図102に示した枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(大地アース)することができるものである。ここでは、枠アース基板559によるアース線の系統について、図152を参照して説明する。図152は枠アース基板559の構成を示す図であり、図152(a)は枠アース基板559の側面図であり、図152(b)は枠アース基板559の実装面であり、図152(c)は枠アース基板559の回路図であり、図152(d)は枠アース基板559に備える各アース端子の説明を示すテーブルである。なお、枠アース基板559は、図152(a)に示すように、その実装面が下向きとなった状態(つまり、アース端子ECN1〜ECN5のコネクタ差込口がそれぞれ下向きとなった状態)で、図102(b)に示した払出ベース551の天板部551aに形成される基板収容部551aaの内部に収容されて取付けられる。
枠アース基板559は、図152(b)に示すように、その上辺沿って右側から左側へ向かってアース端子ECN1,ECN5,ECN4,ECN2が一列に並んで配置されていると共に、その左辺の中央下寄りアース端子ECN3が配置されている。アース端子ECN1〜ECN5について簡単に説明すると、図152(d)に示すように、アース端子ECN1は、インターフェースアースとして、図115に示した本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635に設けられるアース接続端子とインターフェースアース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN2は、島設備アースとして、遊技ホールの島設備におけるアース接続端子と島設備アース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN3は、球タンクアースとして、図102(b)に示した球タンク552(具体的には、基板収容部551aa寄りの球タンク552の側壁の外側に)に図示しない金属ネジにより球タンクアース線の一端が取付けられると共に、この球タンクアース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN4は、本体枠金属アースとして、図97に示した本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530(具体的には、本体枠補強フレーム530の上側)に図示しない金属ネジにより本体枠金属アース線の一端が取付けられると共に、この本体枠金属アース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN5は、電源アースとして、図114に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630に設けられるアース接続端子と電源アース線を介して電気的に接続されるものである。
枠アース基板559の回路は、図152(c)に示すように、球タンクアースとしてのアース端子ECN3は、抵抗ER1の一端と電気的に接続され、この抵抗ER1の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4は、抵抗ER2の一端と電気的に接続されると共に、この抵抗ER2の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続されている。つまり、抵抗ER1の他端と抵抗ER2の他端とが電気的に接続されている。本実施形態では、抵抗ER1,ER2として、510オーム(Ω)、2ワット(W)を採用している。
インターフェースアースとしてのアース端子ECN1に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備の大地アースへ導かれて除去され、球タンクアースとしてのアース端子ECN3に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備の大地アースへ導かれて除去され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備の大地アースへ導かれて除去され、電源アースとしてのアース端子ECN5に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備の大地アースへ導かれて除去されるようになっている。
図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550には、球タンク552、及び払出ユニット560等が取付けられる。球タンク552は、遊技ホールの島設備からの遊技球Bが供給され、球タンク552から払出ユニット560に遊技球Bが供給される。遊技球Bは、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
そこで、本実施形態では、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置すると共に、静電気が溜まりやすい結果、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ抵抗ER1,ER2を介して、電磁波ノイズを徐々に流して減衰させて高電圧の瞬時的な放電を抑制し、島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備の大地アースへ導くことができるようになっている。換言すると、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズは、フレームグランドというフレームアースとして、球タンク552や金属製の本体枠補強フレーム530を介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備の大地アースへ導くことにより、球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズを遊技ホールの島設備の大地アースへ流して除去することができる。
本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5のうち、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、については、上述したように、電磁波ノイズの影響を強く受ける領域(その周囲)と対応するものであるため、大型のアース端子が採用されると共に、島設備アースとしてのアース端子ECN2は、上述したように、枠アース基板559に流れ込んだ電磁波ノイズを遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去するものであるため、大型のアース端子が採用されている。この大型のアース端子を採用したアース端子ECN2〜ECN4は、その端子の断面形状が一辺1.14mmを有する正方形であり、定格電流:7A(AC・DC、AWG#18使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#22〜#18という一般仕様を有し、図152(a)に示すように、その高さが13.4mmとなっている(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる)。
これに対して、インターフェースアースとしてのアース端子ECN1と、電源アースとしのアース端子ECN5と、に流れ込む電磁波ノイズは、上述したアース端子ECN2〜ECN4と比べて小さく、電流が小さいため、本実施形態では、アース端子ECN1,ECN5については、小型のアース端子が採用されている。この小型のアース端子を採用したアース端子ECN1,ECN5は、その端子の断面形状が一辺0.64mmを有する正方形であり、定格電流:3A(AC・DC、AWG#22使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#30〜#22という一般仕様を有し、図152(a)に示すように、その高さが7mmとなっている(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる)。
本実施形態では、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)は、アース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)と比べると、電磁波ノイズによる電流が大きいため、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)の太さがアース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)の太さと比べて太いものが採用されている。なお、本実施形態では、枠アース基板559の板厚として、図152(a)に示すように、1.6mmを採用している。
このように、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去することができるように構成されているため、枠アース基板559は、除電作用を発揮する機能を有している。
また、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去することができるように構成されているため、パチンコ機1の上側に配置される球タンク552からのアース線(配線)をパチンコ機1の下側に配置される電源基板630に引き回して、電源基板630において電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去するという構成と比べると、アース線(配線)の引き回しが極めて簡単となる。
また、外部端子板558と枠アース基板559とを近接した状態で払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、外部端子板558に設けられる複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))と、遊技ホールに設けられるホールコンピュータと、をそれぞれ配線で電気的につなげる作業と、枠アース基板559における島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を島設備アース線(配線)で電気的につなげる作業と、を一連の作業として行うことができるため、作業性の向上に寄与することができる。
また、枠アース基板559を払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を電気的に接続する島設備アース線(配線)を、遊技盤5に備える各種制御基板(例えば、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310X、演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530等)から引き離すように配置することができるため、各種制御基板に備える電子部品(コネクタも含む)等への悪影響を排除することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ電気的に接続するアース線(球タンクアース線、本体枠金属アース線)の長さを極めて短くして、電磁波ノイズを、枠アース基板559から遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、静電気が溜まりやすい球タンク552と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する球タンクアース線(配線)の長さは、金属製の本体枠補強フレーム530と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する本体枠金属アース線(配線)の長さと、電源基板630と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する電源アース線(配線)の長さと、インターフェイス基板635と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続するインターフェースアース線(配線)の長さと、比べて最短となるように構成することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、には大きな電流が流れるものの、枠アース基板559の抵抗ER1,ER2により低減されることにより、電源基板630の動作に影響が生ずることなく、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去することができる。
因みに、従来より、CRユニットの電源AC24Vを供給し易いように本体枠の下部のCRユニット側に配置された電源基板に各アースを一旦集約し、電源基板を介して島設備の大地アースに接続して接地する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−120593号公報(段落[0335]、図84、図85))。電源基板は一般的に重量があるため、遊技機において下方に配置されることが多い。そのため、アースを電源基板において集約するためには、遊技機の上部の球タンクや賞球装置等からアース線を下方の電源基板に向けて引き回す必要がある。このようにアース線を引き回すことによって、途中に存在する各種制御基板に電磁波ノイズが伝達して予期せぬ影響を及ぼすおそれがあった。また、電源基板にアース線を集約しているため、電源基板に何らかの問題が発生するとアースに影響が出たり、逆にアース線に電流が流れることによって、電源基板の動作に影響を与えるおそれがあった。また、島設備の大地アースを取る箇所が遊技機の上方にある場合などは、電源基板で集約したアース線を再度下方から上方に引き回して接続する必要があるため煩雑となることがあった。
[9.大地に対して浮いた導体]
次に、大地に対して浮いた導体の扱いとして遊技盤に備える部材について図153を参照して説明する。図153は、遊技盤に備える各種演出ユニットに備える大地に対して浮いた導体の扱いの概略図である。
遊技盤5の近傍には、上述したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲は電磁波ノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。
遊技盤5には、裏ユニット3000に各種演出ユニットが設けられている。各種演出ユニットには、剛性の向上に利用される構造物、駆動機構の機械部品、電気部品(電気部品の筐体を含む。)、装飾用の構造物に施された導電性のメッキ、及び導電性樹脂により成型される構造物(装飾用の構造物を含む。)等の複数の導体が用いられている。また、遊技盤5には、各種基板が設けられており、これらの各種基板と各種演出ユニットが接近した配置となっている。また、これらの導体は、その表面積の大きさによって静電放電した場合の電気回路に対して影響が変わる。導体の表面積が小さいものでは、電荷を蓄えられる量が小さく静電放電による電気回路への影響を無視できる程度であり、静電放電による電磁波ノイズを除去する必要がない。これに対して、導体の表面積が大きいものでは、電荷を蓄えられる量が大きく静電放電による電気回路への影響を無視することができず静電放電による電磁波ノイズを安全に除去する必要がある。
これらの導体が大地に対して浮いた状態では、遊技盤5が上述した電磁波ノイズの影響を極めて受け易い環境下にあるため、電磁波ノイズの影響を受けて導体に静電誘導が生ずる。そうすると、大地に対して浮いた導体から静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板が損傷するおそれがある。
そこで、本実施形態では、遊技盤5の裏ユニット3000に設けられる各種演出ユニットにおける複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものに対して、大地に対して浮いた状態とならないような構成を採用した。
[9−1.演出ユニットの導体に対する扱い例(その1)]
各種演出ユニットのうち、一の演出ユニットには、その剛性を高めるために、その裏面側を覆うように図示しない金属製の補強板が設けられると共に、この補強板の左右方向の両端のうち、駆動モータ3151の近傍に配置される一方が上下方向へ所定距離寸法だけスライド移動可能な金属製のスライドレール3151nsに取付けられていると共に、駆動モータ3151の近傍に配置されない他方が図示しない金属製の円柱棒に沿ってスライド移動(金属製の円柱棒の表面を、円柱棒の長手方向に沿ってすべらせながら移動)する図示しない摺動部(導電性の樹脂により成型されていてもよいし、非導電性の樹脂により成型されていてもよい。)が取付けられている。
本実施形態では、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、大地に対して浮いた状態とならない対象と選定され、それぞれを構造的に接触させて固定して導通する状態としている。例えば、金属製の補強板と金属製のスライドレール3151nsとを取付けて構造的に接触させて電気的に接続した導通する状態としている。
本実施形態では、図153(a)に示すように、駆動モータ3151の近傍に配置される上下方向へ所定距離寸法だけスライド移動可能な金属製の裏下移動アーム用スライドレール3151nsの金属製の筐体と、駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる一対の取付穴3151n,3151fのうち、スライドレール3151nsに近い方の取付穴3151nと、を第1導体電位変動防止配線3151ncを介して電気的に接続すると共に、スライドレール3151nsに遠い方の取付穴3151fとパネル駆動基板1720とを第2導体電位変動防止配線3151fcを介して電気的に接続する。
第1導体電位変動防止配線3151ncは、その両端に配線用端子が圧着され、その一端の配線用端子がスライドレール3151nsの金属製の筐体にネジ止めされて固定されると共に、その他端の配線用端子が駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる取付穴3151nにネジ止めされて固定される。このとき、取付穴3151nを形成する駆動モータ3151の金属製の筐体が演出ユニットに固定される。
第2導体電位変動防止配線3151fcは、その一端に配線用端子が圧着され、その他端にコネクタが設けられ、その一端の配線用端子が駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる取付穴3151fにネジ止めされて固定されると共に、その他端のコネクタがパネル駆動基板1720における対応するコネクタに挿入されて固定される。このとき、取付穴3151fを形成する駆動モータ3151の金属製の筐体が演出ユニットに固定される。第2導体電位変動防止配線3151fcは、パネル駆動基板1720と電気的に接続されると、抵抗Rs0を介して、グランド(GND)に電気的に接続される。パネル駆動基板1720のグランド(GND)ラインは、電源基板630、主制御基板1310X、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、各種中継基板及び各種装飾基板等の各種基板のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
駆動モータ3151を駆動する複数の電気配線(ハーネス)は、コネクタが設けられ、第2導体電位変動防止配線3151fcのコネクタが挿入されるコネクタと異なるパネル駆動基板1720における対応するコネクタに挿入される。
このように、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、それぞれを構造的に接触させて固定して導通する状態とし、例えば、金属製の補強板と金属製のスライドレール3151nsとを取付けて構造的に接触させて電気的に接続した導通する状態としていると共に、これらの導体は、第1導体電位変動防止配線3151nc、駆動モータ3151の金属製の筐体、第2導体電位変動防止配線3151fc、そしてパネル駆動基板1720の抵抗Rs0を介してグランド(GND)に電気的に接続されている。
これにより、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、これらの導体が大地から浮いた状態とならないように構成されているため、仮に、これらの導体に電磁波ノイズが侵入したとしても、この侵入した電磁波ノイズを、パネル駆動基板1720の抵抗Rs0を介して、回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて安全に除去することができる。したがって、静電放電(電磁波ノイズ)による遊技盤5に備える各種基板の誤作動や損傷を防止することができる。
また、上述したように、仮に、これらの導体に電磁波ノイズが侵入したとしても、この侵入した電磁波ノイズを、遊技盤5に備える各種基板における電気回路部が誤動作や故障等の影響を受けないように安全に除去することができるようになっているため、パチンコ機1が正常な動作を続けることができると共に、静電放電による衝撃、大当り遊技状態の発生の消滅、及び確変変動の発生状態の消滅等の遊技者の不快を防止することができる。
[9−2.演出ユニットの導体に対する扱い例(その2)]
各種演出ユニットは、他の演出ユニットには、その移動アームベースの上下方向の両端のうち、駆動モータ3151の近傍に配置される一方が左右方向へ所定距離寸法だけスライド移動可能な金属製のスライドレール3151nsに取付けられていると共に、駆動モータ3151の近傍に配置されない他方が図示しない金属製の円柱棒に沿ってスライド移動(金属製の円柱棒の表面を、円柱棒の長手方向に沿ってすべらせながら移動)する図示しない摺動部(導電性の樹脂により成型されていてもよいし、非導電性の樹脂により成型されていてもよい。)が取付けられている。
本実施形態では、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、大地に対して浮いた状態とならない対象と選定される。例えば、金属製のスライドレール3151ns。
本実施形態では、図153(b)に示すように、駆動モータ3151の近傍に配置される左右方向へ所定距離寸法だけスライド移動可能な金属製のスライドレール3151nsの金属製の筐体と、駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる一対の取付穴3151n,3151fのうち、スライドレール3151nsに近い方の取付穴3151n(3452n)と、を第1導体電位変動防止配線3151ncを介して電気的に接続すると共に、スライドレール3151nsに遠い方の取付穴3151fと演出ユニットに設けられる中継基板3151aとを第2導体電位変動防止配線3151fcを介して電気的に接続する。
第1導体電位変動防止配線3151ncは、その両端に配線用端子が圧着され、その一端の配線用端子がスライドレール3151nsの金属製の筐体にネジ止めされて固定されると共に、その他端の配線用端子が駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる取付穴3151nにネジ止めされて固定される。このとき、取付穴3151nを形成する駆動モータ3151の金属製の筐体が演出ユニットに固定される。
第2導体電位変動防止配線3151fcは、その一端に配線用端子が圧着され、その他端にコネクタが設けられ、その一端の配線用端子が駆動モータ3151の金属製の筐体に設けられる取付穴3151fにネジ止めされて固定されると共に、その他端のコネクタが演出ユニットに設けられる中継基板3151aにおける対応するコネクタに挿入されて固定される。このとき、取付穴3151fを形成する駆動モータ3151の金属製の筐体が演出ユニットに固定される。第2導体電位変動防止配線3151fcは、演出ユニットに設けられる中継基板3151aと電気的に接続されると、抵抗Rs2を介して、グランド(GND)に電気的に接続される。演出ユニットに設けられる中継基板3151aのグランド(GND)ラインは、パネル駆動基板1720、電源基板630、主制御基板1310X、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、各種中継基板及び各種装飾基板等の各種基板のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
駆動モータ3151を駆動する複数の電気配線(ハーネス)は、コネクタが設けられ、第2導体電位変動防止配線3151fcのコネクタが挿入されるコネクタと異なる演出ユニットに設けられる中継基板3151aにおける対応するコネクタに挿入される。演出ユニットに設けられる中継基板3151aは、電気配線(ハーネス)を介して、パネル駆動基板1720と電気的に接続されている。この電気配線(ハーネス)は、その両端にコネクタ設けられ、パネル駆動基板1720における対応するコネクタに挿入されて固定される。
このように、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、例えば、金属製のスライドレール3151nsの導体は、第1導体電位変動防止配線3151nc、駆動モータ3151の金属製の筐体、第2導体電位変動防止配線3151fc、そして演出ユニットに設けられる中継基板3151aの抵抗Rs2を介してグランド(GND)に電気的に接続されている。
これにより、各種演出ユニットに設けられる複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、これらの導体が大地から浮いた状態とならないように構成されているため、仮に、これらの導体に電磁波ノイズが侵入したとしても、この侵入した電磁波ノイズを、演出ユニットに設けられる中継基板3151aの抵抗Rs2を介して、回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて安全に除去することができる。したがって、静電放電(電磁波ノイズ)による遊技盤5に備える各種基板の誤作動や損傷を防止することができる。
また、上述したように、仮に、これらの導体に電磁波ノイズが侵入したとしても、この侵入した電磁波ノイズを、遊技盤5に備える各種基板における電気回路部が誤動作や故障等の影響を受けないように安全に除去することができるようになっているため、パチンコ機1が正常な動作を続けることができると共に、静電放電による衝撃、大当り遊技状態の発生の消滅、及び確変変動の発生状態の消滅等の遊技者の不快を防止することができる。
なお、上述したように、扉枠3や本体枠4における各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて除去することができるように構成されているため、枠アース基板559は、除電作用を発揮する機能を有している。つまり、扉枠3や本体枠4における各所で発生する電磁波ノイズを遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて安全に除去する経路が形成されている。これに対して、遊技盤5の裏ユニット3000に設けられる各種演出ユニットにおける複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものに対して、大地に対して浮いた状態とならないように、回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて安全に除去することができる。つまり、遊技盤5の裏ユニット3000に設けられる各種演出ユニットにおける複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものに対して電磁波ノイズを回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて安全に除去することができる経路が形成されている。このように、扉枠3や本体枠4と遊技盤5とに独立した電磁波ノイズを安全に除去する経路がそれぞれ形成されると共に、相互に影響を受けることがないようになっている。したがって、この点においても、静電放電(電磁波ノイズ)による誤動作や損傷を防止することができる。
導体は、上述したように、その表面積の大きさによって静電放電した場合の電気回路に対して影響が変わる。また、導体は、電気回路との距離寸法によって静電放電のし易さが変わる。そこで、本実施形態では、導体の表面積の大きさ、導体と電気回路との距離寸法、をそれぞれ加味して、複数の導体のうち、電磁波ノイズを遊技ホールの島設備の大地アースへ導いて安全に除去する必要がある導体を個別に選定している(大地アースへ落とす導体であるか否かを個別に区別している)とともに、電磁波ノイズを回路グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて安全に除去する必要がある導体を個別に選定している。
なお、上述した実施形態では、遊技盤5の裏ユニット3000に設けられる各種演出ユニットにおける複数の導体のうち、少なくとも、静電放電されると、遊技盤5に備える各種基板に影響を及ぼして誤作動するおそれがあるものや損傷するおそれがあるものとして導体単体の表面積が予め定めた表面積と比べて大きくなるものに対して、それぞれを構造的に接触させて固定して導通する状態とし、例えば、金属製の補強板と金属製のスライドレール3151nsとを取付けて構造的に接触させて電気的に接続した導通する状態としていると共に、これらの導体は、第1導体電位変動防止配線3151nc、駆動モータ3151の金属製の筐体、第2導体電位変動防止配線3151fc、そしてパネル駆動基板1720の抵抗Rs0を介してグランド(GND)に電気的に接続される経路となっていたが、駆動モータ3151の金属製の筐体に代えて、金属製のネジを設けて、この金属製のネジ単体を介して行うようにしてもよいし、ラグ板(金属製のラグ端子を絶縁基板に固定されるもの)を設けて、このラグ板を介して行うようにしてもよい。つまり、これらの導体は、第1導体電位変動防止配線3151nc、金属製のネジ(又はラグ板)、第2導体電位変動防止配線3151fc、そしてパネル駆動基板1720の抵抗Rs0を介してグランド(GND)に電気的に接続される経路としてもよい。遊技盤5の裏ユニット3000に設けられる各種演出ユニットにおける複数の導体についても同様に構成することができる。
更に、上述した実施形態では、金属製のスライドレール3151nsの導体は、第1導体電位変動防止配線3151ncという渡り配線を介して駆動モータ3151の金属製の筐体と電気的に接続されていたが、金属製のスライドレール3151nsの導体と他の導電性の部材(例えば、剛性の向上に利用される構造物、駆動機構の機械部品、電気部品(電気部品の筐体を含む。)、装飾用の構造物に施された導電性のメッキ、及び導電性樹脂により成型される構造物(装飾用の構造物を含む。)等の複数の導体のうち、一の導体)とを他の渡り配線で電気的に接続されていてもよい。つまり、2段以上の渡り配線で電気的に接続する構成としてもよい。この場合、複数の導体をぞれぞれ渡り配線で数珠繋ぎに電気的に接続してもよいし、複数の導体をそれぞれ渡り配線で直列接続及び並列接続してもよし、金属製のネジを設けて、一の導体と他の導体とを電気的に接続する渡り配線の中継を、この金属製のネジ単体を介して行うようにしてもよいし、ラグ板(金属製のラグ端子を絶縁基板に固定されるもの)を設けて、このラグ板を介して行うようにしてもよい。複数の渡り配線のそれぞれ長さが短くなるように構成することが好ましい。
[10.電源基板]
次に、図113に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備える電源基板630について、図154〜図159を参照して説明する。図154は電源基板の回路構成の概要を説明する回路図であり、図155は電源基板を部分拡大した斜視図であり、図156は図155のB矢視図であり、図157は電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その1)であり、図158は電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その2)であり、図159は製造中止電子部品の概要を説明する斜視図である。ここでは、まず電源基板の回路構成について説明し、続いて同一形状の電子部品の識別方法、ヒューズの溶断確認、キャパシタの容量、製造中止電子部品対策について説明する。
遊技ホールの島設備には、上述したように、図示しないトランスがあり、AC100Vの商用電源電圧をAC24Vの遊技機用電源電圧に降圧している。図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれると、AC24Vが電源基板630に供給される。電源基板630は、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vから各種電源(直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧)を作成して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給している。
[10−1.電源基板の回路構成]
電源基板630の回路は、図154に示すように、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、バックアップ電源回路630hを主として構成されている。
遊技ホールの島設備からのAC24Vが図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されている。遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源線を介して電源線コネクタDCN1に供給されると、ヒューズFUSE1,FUSE2(本実施形態では、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3,1に入力される。具体的には、電源スイッチ630aの入力側端子3にはAC24Vのライン1(以下、「AC24V1」と記載する(「L側」と記載する場合がある)。)が入力されており、電源スイッチ630aの入力側端子1にはAC24Vのライン2(以下、「AC24V2」と記載する(「N側」と記載する場合がある)。)が入力されている。電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、ノイズ対策回路630bに入力される。
遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをON操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に導通する状態となりAC24V1がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に導通する状態となりAC24V2がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始される。これにより、電源スイッチ630aのON操作によるパチンコ機1の電源投入を行うことができる。これに対して、遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをOFF操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に非導通する状態となりAC24V1が電源基板630の各種回路への供給が遮断されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に非導通する状態となりAC24V2が電源基板630の各種回路への供給が遮断される。これにより、電源スイッチ630aのOFF操作によるパチンコ機1の電源遮断を行うことができる。
なお、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源スイッチをON操作した状態のままとして、遊技ホール店員等の係員は、遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行う場合があるし、遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合がある。
[10−1−1.ノイズ対策回路]
ノイズ対策回路630bは、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力される。
コモンモードノイズ対策回路CMCは、コンデンサC1,C2、バリスタZNR1,ZNR2から構成されている。コンデンサC1,C2はその容量が同一のものであり、コモンモードノイズを除去するものである。一方バリスタZNR1,ZNR2は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、そのバリスタ電圧が同一のものである。バリスタZNR1,ZNR2は、コンデンサC1,C2で低減できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC1の他端がコンデンサC2の一端と電気的に接続され、コンデンサC2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR1の他端がバリスタZNR2の一端と電気的に接続され、バリスタZNR2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。コンデンサC1の他端と、コンデンサC2の一端と、バリスタZNR1の他端と、バリスタZNR1の一端と、が電気的に接続されてフレームグランドFG2としてアース接続端子DCN5に入力される。このアース接続端子DCN5は、図示しない電源アース線を介して、図152に示した枠アース基板559のアース端子ECN5に電気的に接続される。
ノーマルモードノイズ対策回路NMCは、コンデンサC3、バリスタZNR3から構成されている。コンデンサC3は、AC24V1、AC24V2に発生したノーマルモードノイズを除去するものである。バリスタZNR3は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、コンデンサC3で除去できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。
電源スイッチ630aの出力側端子4から出力されたAC24V1は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24VAとして電源線コネクタDCN2に入力され、電源スイッチ630aの出力側端子2から出力されたAC24V2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24Vとして電源線コネクタDCN2に入力される。チョークコイルL1は、AC24V1、AC24V2のコモンモードノイズの対策部品であり、ノイズ障害を防止している。電源線コネクタDCN2は、図示しないインターフェイス基板用電源線、図115に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、整流回路630cに入力される。
[10−1−2.整流回路]
整流回路630cは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q1,Q2、周辺回路630caから構成されている。周辺回路630caは、FETQ1,Q2の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、ツェナーダイオードなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1は、ショットキーバリアダイオードD1のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ1のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ2のドレイン端子に入力される。チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V2は、ショットキーバリアダイオードD2のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ2のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ1のドレイン端子に入力される。FETQ1,Q2のソース端子は、電源作成回路630fのCAI端子にそれぞれ入力される。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、FETQ1,Q2、及び周辺回路630caによるスイッチングによって直流に整流されてショットキーバリアダイオードD1のカソード端子2とショットキーバリアダイオードD2のカソード端子2とからそれぞれ出力される。なお、FETQ1、FETQ2、ショットキーバリアダイオードD1、及びショットキーバリアダイオードD2のパッケージの種類としては、いわゆるTO−220Fであり、同一種類であり、放熱フィンHS1(図155を参照。)に固定されている。この放熱フィンHS1は、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力される。
ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流は、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。
[10−1−3.力率改善回路]
力率改善回路630dは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q3,Q4、周辺回路630daから構成されている。周辺回路630daは、FETQ3,Q4の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、インダクタなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流は、ショットキーバリアダイオードD9,D10のアノード端子1とアノード端子3とにそれぞれ入力されるとともに、周辺回路630daを介さず直接FETQ3,Q4のドレイン端子にそれぞれ入力される。FETQ3,Q4のゲート端子は、電源作成回路のPFC−GATE端子からの力率改善回路用ゲート信号が周辺回路630daを介して入力される。FETQ3,Q4のソース端子とドレイン端子は、周辺回路630daを介して、電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流は、FETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングによって高調波の発生を抑制して力率が改善されてショットキーバリアダイオードD9,D10のカソード端子2からそれぞれ出力される。なお、FETQ3,Q4、ショットキーバリアダイオードD9,D10のパッケージの種類としては、FETQ1,Q2、ショットキーバリアダイオードD1,D2のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であり、放熱フィンHS2(図155を参照。)に固定されている。この放熱フィンHS2は、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流は、平滑化回路630eに入力される。
[10−1−4.平滑化回路]
平滑化回路630eは、図示しない複数の電解コンデンサから構成されている。これら複数の電解コンデンサは、そのマイナス端子が電源基板630のグランド(GND)にそれぞれ接地されるとともに、そのプラス端子が力率改善回路630dで力率が改善された直流がそれぞれ入力される。平滑化回路630eは、力率改善回路630dで力率が改善された直流から脈流をなだらかに(平滑化)して電源作成回路630fのPFC−OUT端子に出力するととともに、ヒューズFUSE3(本実施形態では、ヒューズFUSE1,FUSE2と同一の形状であり、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、直流+35Vとして電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。ヒューズFUSE3を介して供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+35V電源ラインとなる。
[10−1−5.電源作成回路]
電源作成回路630fは、平滑化回路630eからの直流がPFC−OU端子に入力されると、この入力された直流から直流+12V及び直流+5Vをそれぞれ作成する。電源作成回路630fは、作成した直流+12Vを+12V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給するとともに、作成した直流+5Vを+5V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。電源作成回路630fの+12V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+12V電源ラインとなり、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+5V電源ラインとなる。
電源作成回路630fは、PFC−GATE端子から力率改善用ゲート信号を力率改善回路630dに出力する制御を行うことにより力率改善回路630dにおけるFETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングを制御して高調波の発生を抑制する。
電源作成回路630fは、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2がダイオードD5,D6を介してAC−DET端子に入力されている。電源作成回路630fは、このAC−DET端子に入力された電圧を監視し、電源破壊回路630gに対してFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号を出力するか否かを判別している。
図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、平滑化回路630eから直流+35Vより高い電源電圧が電源作成回路630fのPFC−OUT端子へ入力されることとなる。
電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力することができるようになっている。
電源作成回路630fが電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力すると、電源破壊回路630gが自己破壊してショートモードとなる。電源破壊回路630gがショートモードとなると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gを介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなる。
電源作成回路630fのGND端子は、電源基板630のグランド(GND)に接地されている。電源作成回路630fのGND端子が接地される電源基板630のグランド(GND)がパチンコ機1内部の各基板のグランド(GND)ラインとなる。
[10−1−6.電源破壊回路]
電源破壊回路630gは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成されている。FETQ5のドレイン端子は、ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2と電気的に接続されている。FETQ5のゲート端子は、抵抗25の一端と電気的に接続されるとともに、抵抗R25の他端が電源作成回路630fのFUSE−GATE端子と電気的に接続されている。FETQ5のソース端子は、抵抗R24の一端と電気的に接続され、コンデンサC22の一端と電気的に接続され、そして電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されている。抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とは、一端がFETQ5のゲート端子と電気的に接続される抵抗R25と反対側の他端と電気的に接続されていることにより、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子に、抵抗R25の他端に加えて、抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とが電気的に接続されている。
電源破壊回路630gは、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことで、FETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持される。なお、FETQ5は、そのパッケージの種類として、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であるものの、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と異なり、放熱フィンHS1,HS2と接触されない位置に配置されている。具体的には、FETQ5は、放熱フィンHS1,HS2が配置される間に配置され、放熱フィンHS1,HS2に全く固定されていない(図155、及び図156を参照)。これは、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10が発熱により破壊されないように、放熱フィンHS1,HS2を介して、その熱を吸収して冷却することを目的とするのに対して、FETQ5は、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)際に、発熱によって短時間に破壊されるように寄与するためである。
つまり、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路用ゲート信号を電源破壊回路630gに対して出力してFETQ5が自己破壊するように制御する。これにより、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるとともに、FETQ5のソース端子が電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されているため、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630gのFETQ5が破壊された状態では、ヒューズFUSE1,FUSE2を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって大電流が流れることによって、交換したヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊された電源基板630を電源破壊回路630gのFETQ5が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
[10−1−7.バックアップ電源回路]
バックアップ電源回路630hは、ショットキーバリアダイオードD20、キャパシタBC0から構成されている。ショットキーバリアダイオードD20は、順方向の電圧降下が低くスイッチング速度が速いものである。ショットキーバリアダイオードD20のアノード端子は、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続され、ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子は、キャパシタBC0のプラス(+)端子と電気的に接続されている。キャパシタBC0のマイナス(−)端子はグランド(GND)に接地されている。ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子とキャパシタBC0のプラス(+)端子との端子間から、図151に示した主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる主VBBと、図151に示した払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる払VBBと、を取り出す配線パターンが形成される回路となっている。
つまり、キャパシタBC0のマイナス(−)端子はグランド(GND)に接地されている。ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子とキャパシタBC0のプラス(+)端子との端子間から、主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる主VBBと、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる払VBBと、の2系統に分けられている回路となっている。
パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)は、ショットキーバリアダイオードD20を介して、キャパシタBC0へ供給してキャパシタBC0を充電するとともに、主VBBとして主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持し、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。
一方、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなる。これに応じてキャパシタBC0は放電を開始する。この放電は、ショットキーバリアダイオードD20により、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)への供給が妨げられるの対して、主VBBとして主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持し、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。
つまり、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなっても、キャパシタBC0の放電により、主VBBとして主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっているとともに、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっている。
[10−2.同一形状を有する電子部品の識別方法]
次に、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品の識別方法について説明する。電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としては、上述したように、整流回路630cのFETQ1,Q2及びショットキーバリアダイオードD1,D2と、力率改善回路630dのFETQ3,Q4及びショットキーバリアダイオードD9,D10と、電源破壊回路630gのFETQ5と、におけるパッケージの種類が同一の種類(TO−220F)であり、またヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の形状も同一の形状(直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製))である。
FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、全く種類の異なる電子部品であるものの、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、破壊されない電子部品であり、FETQ5が唯一破壊される電子部品となっている。そこで、本実施形態では、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としてFETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10のうち、唯一破壊される電子部品を識別し易いように、電源基板630の実装面に印刷されるシルク印刷を他のものと異なる特徴を有したものを採用している。
具体的には、破壊されない電子部品である、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とに対しては、図157(a)に示すように、白色の外形線と、電子部品の配置する向きを示す白色の太線と、がシルク印刷として、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10に対してシルク印刷TSLK1〜4、FETQ1,Q2,Q3,Q4に対してTSLK5〜8が電源基板630の実装面に印刷されている。白色の太線が放熱フィンHS1,HS2に固定される側となっている。なお、図155では、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とを放熱フィンHS1,HS2に固定するために隣接して配置する必要があり、放熱フィンHS1,HS2が配置される白色の外形線のシルク印刷とシルク印刷TSLK1〜8の白色の太線の部分とが接続した配置となるように電源基板630の実装面に印刷されている。
これに対して、唯一破壊される電子部品であるFETQ5に対しては、図157(b)に示すように、白色の外形線と、この外形線内を等間隔に複数配置される白色の斜線ad1と、電子部品の配置する向きを示す白色の太線と、がシルク印刷として、シルク印刷TSLK9が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色の斜線ad1が特徴的な模様として表されるようになっている。
このように、FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とが同一形状を有する電子部品であっても、電源基板630の実装面に印刷されたシルク印刷TSLK1〜9のうち、特徴的な模様として表されている白色の斜線ad1を目視することにより、同一形状を有する種類の異なる電子部品のうち、どの電子部品が他の電子部品と比べて注視すべき電子部品であるかを識別することができるようになっている。これにより、同一形状を有する種類の異なる電子部品のうち、どの電子部品が唯一破壊される電子部品であるかを極めて簡単に特定することができる。
また、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でFETQ5を指示する場合には、特徴的な模様として表されている白色の斜線ad1を有するシルク印刷TSLK9を探す旨を指示することで、遊技ホールの店員等の係員がFETQ5の位置を的確に把握することができるため、サービスセンターの担当者と遊技ホールの店員等の係員との意思疎通がし易くなる。
これにより、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でFETQ5を指示する場合には、遊技ホールの店員等の係員は、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源基板630に実装される複数の電子部品のうち、注目すべきFETQ5を特定することできるようになっている。したがって、複数の電子部品のうち、注目すべきFETQ5を、他の電子部品であるFETQ1,Q2,Q3,Q4と、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と、から識別することができる。
FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、上述したように、全くことなる電子部品であるのに対して、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3は、同一種類の電子部品であるものの、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、上述したように、電源破壊回路630gのFETQ5が自己破壊されてショートモードが維持され、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断する。つまり、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡として、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のち、ヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が破壊される電子部品となっている。そこで、本実施形態では、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としてヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のうち、破壊される電子部品を識別し易いように、電源基板630の実装面に印刷されるシルク印刷を他のものと異なる特徴を有したものを採用している。
具体的には、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれても破壊されない電子部品であるヒューズFUSE3に対しては、図158(a)に示すように、白色の外形線がシルク印刷としてシルク印刷FSLK1が電源基板630の実装面に印刷されている。
これに対して、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡として破壊される電子部品であるヒューズFUSE1,FUSE2に対しては、図158(b)に示すように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の両端は、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
このように、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3が同一形状を有する電子部品であっても、電源基板630の実装面に印刷されたシルク印刷FSLK1〜3のうち、特徴的な模様として表されている白色にベタ塗りした領域ad2を目視することにより、同一形状を有する同一種類の電子部品のうち、どの電子部品が他の電子部品と比べて注視すべき電子部品であるかを識別することができるようになっている。これにより、同一形状を有する同一種類の電子部品のうち、どの電子部品が電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡を示す電子部品であるかを極めて簡単に特定することができるようになっている。
また、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でヒューズFUSE1,FUSE2を指示する場合には、特徴的な模様として表されている白色にベタ塗りした領域ad2を有するシルク印刷FSLK2,3を探す旨を指示することで、遊技ホールの店員等の係員がヒューズFUSE1,FUSE2の位置を的確に把握することができるため、サービスセンターの担当者と遊技ホールの店員等の係員との意思疎通がし易くなる。
これにより、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でヒューズFUSE1,FUSE2を指示する場合には、遊技ホールの店員等の係員は、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源基板630に実装される複数の電子部品のうち、注目すべきヒューズFUSE1,FUSE2を特定することできるようになっている。したがって、複数の電子部品のうち、注目すべきヒューズFUSE1,FUSE2を他の電子部品であるヒューズFUSE3から識別することができる。
[10−3.ヒューズの溶断確認]
次に、電源基板630に実装される同一形状を有する同一種類のヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の溶断確認について説明する。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3は、上述したように、透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)であり、溶断すると、透明なガラス管に収容されるヒューズ線が断線して透明なガラス管の内側にススが付着する。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のうち、ヒューズFUSE1,FUSE2は、上述したように、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡を示すことができる電子部品であり、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれると、溶断する。そこで、本実施形態では、溶断したヒューズ線の様子を確認し易いように、ヒューズFUSE1,FUSE2に対するシルク印刷として、上述したシルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。シルク印刷FSLK2,3は、上述したように、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっているため、ヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2を、透明なガラス管を介して、目視することで、ヒューズFUSE1,FUSE2の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の断線の有無を容易に確認することができる。
これにより、遊技ホールの店員等の係員やパチンコ機1を設置する(遊技盤5を交換する)作業者がパチンコ機1に電源電圧を供給する電源コードのプラグを遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントではなく、誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込んで電源基板630の電源スイッチ630aをON操作してパチンコ機1の電源投入を行うと、その痕跡として、ヒューズFUSE1,FUSE2のうち、一方又は両方の透明なガラス管に収容されるヒューズ線が断線して透明なガラス管の内側にススが付着するため、遊技ホールの店員等の係員や作業者等が「電源コートのプラグを電源コンセントに差し込んでも、電源投入できないから初期不良ではないか。」という主張をしても、自身の作業ミス(配線ミス)を、ごまかすことができない(言い訳できない)ようになっている。
一方、ヒューズFUSE3に対するシルク印刷として、上述したように、シルク印刷FSLK1が電源基板630の実装面に印刷されている。本実施形態では、電源基板630のレジストとして緑色を採用している。また、本実施形態では、ヒューズFUSE3に対するシルク印刷FSLK1と対応する電源基板630の実装面の領域には、緑色のレジストがベタ塗りされている。ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域には、配線パターンが全くレイアウトされていない(つまり、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を回避するように配線パターンが形成されているため、この領域には配線パターンが全く形成されていない)。これは、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視することにより、ヒューズFUSE3の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認することができるようになっている。
また、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域において、配線パターンが全てレイアウトされた状態でも配線パターンが全くレイアウトされていない場合と同じように、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視させることにより、ヒューズFUSE3の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認し易くできる。
なお、電源基板630の電源線コネクタDCN2は、上述したように、図示しないインターフェイス基板用電源線、図115に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。換言すると、インターフェイス基板635は、各種信号を中継する手段としての機能のほかに、図示しないCRユニットに対して電源を供給する手段としての機能も有している。インターフェイス基板635は、図示しないヒューズFUSE(本実施形態では、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)が設けられており、上述した電源基板630のヒューズFUSE3に対する図158(a)に示したシルク印刷がその実装面に印刷されている。図示しないヒューズFUSEに対するシルク印刷と対応するインターフェイス基板635の実装面の領域には、緑色のレジストがベタ塗りされている。図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域には、配線パターンが全くレイアウトされていない(つまり、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を回避するように配線パターンが形成されているため、この領域には配線パターンが全く形成されていない)。これは、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視することにより、ヒューズFUSEの透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認することができるようになっている。インターフェイス基板635に設けられる図示しないヒューズFUSEは、電源基板630の電源線コネクタDCN2から供給されるAC24VA、AC24Vのうち、一方に設けるように構成することができるし、両方にそれぞれ設けるように構成することもできる。
また、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域において、配線パターンが全てレイアウトされた状態でも配線パターンが全くレイアウトされていない場合と同じように、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視させることにより、ヒューズFUSEの透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認し易くできる。
[10−4.キャパシタの容量]
次に、キャパシタBC0の容量について説明する。キャパシタBC0は、上述したように、パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)により直流+5VがショットキーバリアダイオードD20を介してキャパシタBC0へ供給されることで充電することができるようになっているのに対して、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなることに応じて放電を開始する。
このキャパシタBC0の放電により、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生した状態において、主VBBとしてバックアップ電源が主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給されることで主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっているとともに、払VBBとしてバックアップ電源が払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給されることで払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっている。
遊技ホールの営業が終了すると、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う。そして、次の営業を開始するときに(通常、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源スイッチは、ON操作された状態のままとしてある。)、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行う。このとき、キャパシタBC0の容量が小さいものであると、遊技ホールの営業が終了して次の営業を開始するまでの期間に、キャパシタBC0の放電が完了することにより、主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの各種情報が保持できない。これにより、営業を開始するときに、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行うと、RAMクリアスイッチが操作されたか否かにかかわらず、主制御基板に備える主制御MPUが電源投入時処理において主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーを判定して主制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)した旨を伝えるRAMクリア報知をすべてのパチンコ機が一斉に実行することとなるため、すべてのパチンコ機のスピーカから流れるRAMクリア報知音が遊技ホール内に鳴り響くこととなる。なお、この場合、すべてのパチンコ機において、払出制御基板に備える払出制御MPUが電源投入時処理において払出制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーを判定して払出制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)する。
そこで、本実施形態では、遊技ホールの営業が終了して次の営業を開始しても、RAMクリア報知を実行しないようにキャパシタBC0の容量を選定している。具体的には、キャパシタBC0の容量として、遊技ホールの営業が終了してから約3日間(約72時間)に亘って、主VBBとして主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持することができるとともに、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持することができる容量のものが選定されている。この容量の選定は、主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに供給される主VBBの消費電力が、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給される払VBBの消費電力と比べると、約10倍程度大きい場合もある点も加味されている。なお、主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力と比べると、大きい。
[10−5.製造中止電子部品対策]
次に、製造中止電子部品対策について説明する。まず、パチンコ機1の諸事情により、電源基板、主制御基板、払出制御基板などの主基板として扱われる基板については、その表面側である実装面にリードタイプの電子部品を実装して、裏面側であるハンダ付け面でハンダ付けするする必要がある。ところが、リードタイプの電子部品は、パチンコ機、スロット、融合遊技機等の遊技機を製造するメーカにおいては、重要なものであるものの、他の一般電機メーカは、小型化可能な面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものを使用している。このため、リードタイプの電子部品の生産数が減少することで製造中止となる場合がある。仮に、一の電子部品製造メーカから入手していたリードタイプの電子部品が製造中止となって、その代替を探しても、他の電子部品製造メーカも製造中止となる蓋然性が高いため、代替となるリードタイプの電子部品を時限付きで使用することとなり、いずれ主基板として扱われる基板に対してリードタイプの電子部品を実装することが困難となる。
そこで、本実施形態では、SMDタイプの電子部品をリードタイプの電子部品として構成することができるリードタイプ化電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することができるようになっている。ここでは、電源基板630のバックアップ電源回路630hのショットキーバリアダイオードD20について説明する。
ショットキーバリアダイオードD20は、図159(a)に示すように、基板D20aの表面(実装面)に、SMDタイプのショットキーバリアダイオードD20bの端子となるアノード側D20ca,カソード側D20cbと対応する位置にSMD用ランドパターンD20da,D20dbが形成され、SMD用ランドパターンD20da,D20dbと対応するリードD20ea,D20ebの一端が配置される位置にリード用ランドパターンD20fa,D20fbが形成され、SMD用ランドパターンD20da,D20dbとリード用ランドパターンD20fa,D20fbとを電気的に接続する配線パターンD20ga,D20gbが形成されている。
基板D20aの表面(実装面)に形成されるSMD用ランドパターンD20da,D20dbにSMDタイプのショットキーバリアダイオードD20bの端子となるアノード側D20ca,カソード側D20cbと対応するように配置してハンダ付けし、アノード側D20ca,カソード側D20cbとSMD用ランドパターンD20da,D20dbとをハンダ付けするとともに、リードD20ea,D20ebの一端をリード用ランドパターンD20fa,D20fbにそれぞれハンダ付けする。そして、基板D20aの表面(実装面)及び裏面全体をエポキシ樹脂により包み込むことでモールディングして、SMDタイプのショットキーバリアダイオードD20b、リードD20ea,D20ebの一端を覆う電子部品本体D20hを形成し、この電子部品本体D20hから2本のリードD20ea,D20ebが突出するというリードタイプ化電子部品としてショットキーバリアダイオードD20を構成することができる。電子部品本体D20hの表面及び/又は裏面には、図159(b)に示すように、ショットキーバリアダイオードD20の順方向を示す記号D20haが印刷されている。また、電子部品本体D20hの表面及び/又は裏面には、図示しないが、ショットキーバリアダイオードD20の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)も印刷されている。
このように、SMDタイプの電子部品をリードタイプ化電子部品として構成することができるため、リードタイプの電子部品の生産数が減少することで製造中止となって入手困難となった場合でも、一般電機メーカが使用するSMDタイプの電子部品を利用して対応することができる。
なお、上述した実施形態では、ショットキーバリアダイオードD20について説明したが、SMDタイプのコンデンサ、SMDタイプの抵抗、SMDタイプのコイル等についても適用することができる。また、同一のSMDタイプの電子部品を一列に複数並べたアレイ状に配置してリードタイプ化電子部品として構成することもできる。
次に、遊技ホールの島設備からの交流電源をパチンコ機1へ供給するための電源コードのプラグが商用電源電圧(AC100V)の電源コンセントに誤って差し込まれた場合の商用電源電圧対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)について、図160を参照して説明する。図160は第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成である。なお、図160では、図154に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表した。
[第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成と第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成との対比]
第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、電源破壊回路630gは、上述したように、FETQ5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成され、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことでFETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるようになっている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、ノイズ対策回路630bは、上述したように、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力されている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力されている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、上述したように、図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されると、ヒューズFUSE1,FUSE2を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3,1に入力されている。ヒューズFUSE1,FUSE2に対しては、上述したように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1,FUSE2の両端は、上述したように、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
これに対して、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図160に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されると、そのL側(AC24V1)を、ヒューズFUSE1を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3に入力されるとともに、そのN側(AC24V2)を、電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力される。ヒューズFUSE1に対しては、上述したように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1の両端は、上述したように、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成におけるヒューズFUSE2を省略している。これについて簡単に説明すると、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、ヒューズFUSE1、FUSE2を両方の電源コード(L側(AC24V1)、N側(AC24V2))に入力されていたが、出願人が行った試験によって、片方(N側(AC24V2))を省略しても問題は発生しなかったためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図160に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vの片方(N側(AC24V2))を電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力することでコストダウンを実現している。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同一のものを採用している。これついて簡単に説明すると、電源スイッチ630aに関しては、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、確実に断/接を行う必要があるためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同様に、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、同時に断/接を行うことができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図160に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)と、電源スイッチ630aの入力側端子1と、の間にマイクロギャップ式のアレスタAL1の一方と電気的に接続されている。このマイクロギャップ式のアレスタAL1の他方はアース接続端子DCN5のフレームグランドFG2と電気的に接続されている。マイクロギャップ式のアレスタAL1は、落雷によって遊技ホールの島設備からのAC24Vに高電圧(「サージ電圧」という。)が侵入した際に、そのサージ電圧を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたり、電源スイッチ630aのON/OFFすることによって一時的に生じる高電圧(サージ電圧)を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたりしている。また、マイクロギャップ式のアレスタAL1は、パチンコ機1を遊技ホールに設置する際に、作業者が過って、図102(b)に示した枠アース基板559のアース端子ECN2(島設備アース)と遊技ホールの島設備におけるアース接続端子とを、島設備アース線を介して、電気的に接続し忘れた場合に、担保として、電磁波ノイズを遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)へ導いて除去することにより、ノイズ耐力を高めることができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1、に加えて、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、電源破壊回路630g’、そしてチョークコイルL1に入力されている。電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1は、コモンモードノイズ対策回路CMCのバリスタZNR1,ZNR2、及びノーマルモードノイズ対策回路NMCのバリスタZNR3と比べて反応速度が速いもの(例えば、サージアブソーバSA1としてシリコンサージアブソーバを挙げることができる。)であり、その一端が電源スイッチ630aを介してAC24VのL側(AC24V1)と電気的に接続され、その他端が電源スイッチ630aを介してAC24VのN側(AC24V2)と電気的に接続されており、定格電圧(ブレークダウン電圧)を超える回路電圧が入力されると、大電流が流れて破壊され、短絡してショートモードとなるものである。
サージアブソーバSA1として、バリスタを用いてもよいが、ここでは、シリコンサージアブソーバ(半導体バリスタ、VRD等とも呼ばれる。)を用いている。シリコンサージアブソーバは、通常のバリスタと比較して立ち上がりの急峻なサージ電圧を吸収することができるものであり、シリコンのpn接合のアバランシェ(電子雪崩)効果を利用したものである。このシリコンサージアブソーバは、サージに対して応答性が非常に速く、制御電圧特性が非常に優れているとともに、漏れ電流が非常に小さいという特長を有するものである。なお、サージアブソーバSA1は、交流回路であるので双方向型のものを使用し、定格電圧(ブレークダウン電圧)は入力電圧の2倍程度である47Vのものを選べばよい。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2は、リレーRL1の2番(COM)端子と電気的に接続されるとともに、サーミスタTH1の一端と電気的に接続されている。このサーミスタTH1の他端は、リレーRL1の3番(NO)端子と電気的に接続されるとともに、チョークコイルL2の一端と電気的に接続されている。チョークコイルL2の他端は、力率改善回路630dと電気的に接続されている。リレーRL1の4端子はグランド(GND)に接地され、リレーRL1の1番端子は後述するリレー駆動回路630iと電気的に接続されている。これにより、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に、サーミスタTH1の両端をそれぞれ電気的に接続している。なお、サーミスタTH1は、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、その特性として、縦軸を許容コンデンサ容量、横軸を交流電圧とすると、交流電圧の値が大きくなるのに連れて、許容コンデンサ容量の値が小さくなるという曲線を有し、商用電源電圧であるAC100Vが印加されても破壊されないものが選定されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流は、平滑化回路630eに入力され、電源作成回路630fに入力されるとともに、リレー駆動回路630iに入力される。リレー駆動回路630は、平滑化回路630eからの直流が入力されると、リレーRL1のコイルを作動することができる作動電圧(+24V)を作成してリレーRL1の1番端子へ供給する。
整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流は、電源スイッチ630aがON操作された際に、リレー駆動回路630iからの電力不足により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給が不足して)リレーRL1のコイルが作動していない状態となっているため、リレーRL1をONすることができず(つまり、リレーRL1がOFFしたままの状態となり)、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが非導通する状態となったままリレーRL1を通ることなく、サーミスタTH1、そしてチョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1のみへ向かって流れ、この直流がサーミスタTH1に流れ始めた時点では、抵抗値が高くサーミスタTH1の後続の負荷に弱い電流を流すものの、サーミスタTH1に流れる電流により徐々にサーミスタTH1の温度が上昇すると、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が低下することでサーミスタTH1の後続の負荷に強い電流を流す。
一方、電源スイッチ630aがON操作されてリレー駆動回路630iからの電力により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給により)リレーRL1のコイルが作動しない状態から作動する状態へ切り換わると、リレーRL1をONすることでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが導通する状態とし、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1の他に、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に分流してそれぞれ通り、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通ることでサーミスタTH1への電流が減少してサーミスタTH1の温度が低下し、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が上昇することでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通る電流が増大することとなる。
サーミスタTH1は、上述したように、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1に流れると、サーミスタTH1の温度が上昇して抵抗値が低下することに応じてサーミスタTH1の後続の負荷への電流が強くなる。換言すると、サーミスタTH1が温度上昇するまで、チョークコイルL2へ流す電流を制限している。この機能を利用すると、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、サーミスタTH1が温度上昇するまでに、サージアブソーバSA1に印加される回路電圧が定格電圧(ブレークダウン電圧)を大幅に超え、サージアブソーバSA1に大電流が流れることでサージアブソーバSA1が破壊されてショートモードとすることができる。
このような状態となると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ノイズ対策回路630bにおけるショートモードの状態となっているサージアブソーバSA1を介してヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が溶断することとなる。また、サージアブソーバSA1がショートモードとなっている状態でヒューズFUSE1が溶断することにより、さらにサージアブソーバSA1に大電流が流され続けることがないためサージアブソーバSA1の素子が飛散してサージアブソーバSA1がオープンモードに破壊されることを防ぐことができる。これによって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧を監視するためのAC−DET端子、電源破壊回路用ゲート信号を出力するFUSE−GATE端子、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流を流すためのCGND端子を設けずに済むため、回路構成が複雑とならない。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1が破壊された状態では、ヒューズFUSE1を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、サージアブソーバSA1を介して交換したヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊された電源基板630を、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
なお、上述した実施形態では、電源基板630という1つの基板に、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、各種の電子部品等を備えていたが、2つの基板に分けて備えるように構成することもできる。例えば、電源基板630は、第1電源基板630A、第2電源基板630Bから構成され、第1電源基板630A、第2電源基板630Bが図113に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備えるように構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図154に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図154に示した、ダイオードD5,D6、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力されると、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fに入力されることとなる。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
また、図160に示した電源基板630を、第1電源基板630A、第2電源基板630Bという2つの基板に分けて構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図160に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1、マイクロギャップ式のアレスタAL1、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図160に示した、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、リレー駆動回路630i、リレーRL1、サーミスタTH1、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力される。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
更に、上述した実施形態では、遊技盤5の各種演出ユニットに備える各種駆動モータへの駆動電源ライン(例えば、電源基板630からの+35V電源ライン、又は電源基板630からの+12V電源ライン)は、各種駆動モータからの配線が直接接続される基板(例えば、図153(a)に示したパネル駆動基板1720、図153(b)に示した中継基板3151a)において、ヒューズ(チップヒューズであってもよい)やリセッタブルヒューズとしてポリスイッチを設けるようにしてもよいし、又は、電源基板630において、駆動電源ラインとして供給されるもの(例えば、電源基板630からの+35V電源ライン、又は電源基板630からの+12V電源ライン)に対してヒューズ(チップヒューズであってもよい)やリセッタブルヒューズとしてポリスイッチを設けるようにしてもよい。
因みに、従来より、遊技機外から供給される外部電源に基づいて遊技装置に必要な各種電源を作成することができる電源手段を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2014−008221号公報(図2)。ところで、遊技機の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話で電源手段の特定の部品を指示する場合には、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源手段に実装される複数の部品のうち、注目すべき部品を特定することが難しいという問題があった。
また、従来より、遊技島設備からの電源に基づいて各種電源を作成して基板へ供給する電源手段を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2014−083337号公報(段落[0038]))。遊技島設備は、商用交流電源(AC100V)を降圧した遊技機用交流電源(AC24V)へ変換している。ところが、島設備からの電力を遊技機へ供給するための電源コードが遊技機用交流電源の電源コンセントではなく、商用交流電源の電源コンセントに差し込まれると、商用交流電源が遊技機用交流電源より高い電圧を有しているため、電源手段から異常電源が出力されて遊技機内部の各種基板が破壊されるおそれがあった。
[11.主制御基板の回路、払出制御基板の回路]
次に、図151に示した主制御基板1310X、払出制御基板633の回路等について、図161〜図162を参照して簡単に説明する。図161は主制御基板の回路を示す概略回路図であり、図162は払出制御基板の回路を示す概略回路図であり、図163は主基板として扱われる基板への配線の概要を説明する斜視図である。まず、主制御基板1310Xの回路における電源及び入力信号について説明し、払出制御基板633の回路における電源及び入力信号、主基板として扱われる基板への配線について説明する。
[11−1.主制御基板の回路における電源及び入力信号]
主制御基板1310Xの回路における電源のうち、主制御MPU1310aの制御電源は電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが供給されているとともに、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから主VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vは、図161に示すように、まず、主制御フィルタ回路1310hに入力される。この主制御フィルタ回路1310hは、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した直流+5Vが出力されている。1番端子に印加される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された直流+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される直流+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)と電気的に接続されている。
主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗MR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して印加されている。
主制御基板1310Xの回路における入力信号のうち、例えば、ゲートセンサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、第1受入口センサ2406からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、アウト口左センサ1008aからの検出信号、アウト口右センサ1008bからの検出信号、等は、パネル中継基板1710を介して、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力され、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号は、パネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力され、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、払出制御入力回路633ab、そして払出制御出力回路633acを介すことなく、そのまま)、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力され、設定スイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号は、設定変更基板1310Yから主制御入力回路1310bにそれぞれ入力されている。
ゲートセンサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、第1受入口センサ2406からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号は、それぞれ主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA6にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA7は空き端子となっている。この空き端子となっている入力端子PA7は空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
また、本実施形態では、第一始動口センサ3002が、上述したように、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されている。第一始動口センサ主側3002aからの検出信号は、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第一始動口センサ主側3002aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力されるとともに、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB2に入力されている。
RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)は、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に入力されている。この入力ポートPBは、入力ポートPAと同様に、8ビットにより構成されている。また、停電監視回路1310eからの停電予告信号が図示しないが入力ポートPBの入力端子PB1に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ主制御入力回路1310bを介して入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
また、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、アウト口左センサ1008aからの検出信号、アウト口右センサ1008bからの検出信号、設定スイッチ1311aからの信号、及び設定切替ボタン1311bからの信号は、図示しないが、それぞれ主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの所定の入力端子にそれぞれ入力されている。
[11−2.払出制御基板の回路における電源及び入力信号]
払出制御基板633の回路における電源のうち、払出制御MPU633aaの制御電源は電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが供給されているとともに、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから払VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vは、図162に示すように、まず、払出制御フィルタ回路633hに入力される。この払出制御フィルタ回路633hは、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と電気的に接続され、その3番端子からノイズ成分を除去した直流+5Vが出力されている。1番端子に印加される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と電気的に接続される、コンデンサPC1及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された直流+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとして印加されるようになっている。なお、主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力と比べると、大きいため、主制御基板1310Xの電解コンデンサMC2の容量(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))は、払出制御基板633の電解コンデンサPC2の容量本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))と比べると、大きいものが選定されている。これにより、主制御基板1310X、払出制御基板633は、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、主制御基板1310Xの電解コンデンサMC2、払出制御基板633の電解コンデンサPC2にそれぞれ充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとしてそれぞれ印加されるようになっている。
払出制御MPU633aaのVDD端子は一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される直流+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU633aaのグランド端子であるVSS端子はグランド(GND)と電気的に接続されている。
払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗PR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して印加されている。
払出制御基板633の回路における入力信号のうち、例えば、満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ194からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310XからのRAMクリア信号は、払出制御入力回路633abにそれぞれ入力されている。
満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ194からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310XからのRAMクリア信号、エラー解除スイッチ633dからのエラー解除信号は、それぞれ払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA5にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA6,PA7は空き端子となっている。これらの空き端子となっている入力端子PA6,PA7は空き端子処理としてグランド(GND)にそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板1310Xの停電監視回路1310eからの停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、図示しないが入力ポートPBの入力端子PB0に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ払出制御入力回路633abを介して入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA6,PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に電気的に接続されている。
[11−3.主基板として扱われる基板への配線]
主基板として扱われる基板には、電源基板630、主制御基板1310X、払出制御基板633などを挙げることができる。主基板として扱われる基板への配線に不正に改変される不正行為が行われると、主基板として扱われる基板の動作を不安にして遊技球を賞球として多量に払い出し、不正な遊技球を不正行為者に獲得されるおそれがあるため、これらの各基板への配線が不正に改変された際に、改変された配線を早期に発見する必要がある。
そこで、本実施形態では、電源基板630への配線については、図163(a)に示すように、コネクタSHG(図示しないが、コネクタSHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、コネクタSHGは、第1ピン〜第22ピンまでの合計22ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線SCBL1の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線SCBL2の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。電源基板630への配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子SLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線SCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線SCBL2〜SCBL22の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
主制御基板1310Xへの配線については、図163(b)に示すように、コネクタMHG(図示しないが、コネクタMHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、コネクタMHGは、第1ピン〜第30ピンまでの合計30ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線MCBL1の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線MCBL2の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。主制御基板1310Xへの配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子MLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線MCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線MCBL2〜MCBL30の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
払出制御基板633への配線については、図163(b)に示すように、コネクタHHG(図示しないが、コネクタHHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、コネクタHHGは、第1ピン〜第30ピンまでの合計30ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線HCBL1の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線HCBL2の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。払出制御基板633への配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子HLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線HCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線HCBL2〜HCBL30の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
このように、主基板として扱われる基板への配線が不正に改変されても、コネクタ、及びコネクタに接続される配線には、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されているため、改変された配線を早期に発見することに寄与することができる。なお、主基板として扱われる基板への配線として、カタログに掲載されるものであっても、入手困難な配線が好ましい。
なお、本実施形態では、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、遊技盤5に設けられる第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402からの2本の配線と、はそれぞれ図示しないコネクタを介して、主制御基板1310Xへ直接電気的に接続される。これに対して、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、遊技盤5に設けられる第1受入口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第1受入口センサ2406、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線は、それぞれのコネクタを介してパネル中継基板1710において電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。
このため、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、が主制御基板1310Xへ間違って電気的に接続されるおそれがある。そこで、本実施形態では、第一始動口センサ3002からの2本の配線の被覆部の色として、一方を黄色、他方をピンク色とするとともに、各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。第二始動口センサ2402からの2本の配線の被覆部の色として、一方を白色、他方を黒色とするとともに、各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。これにより、製造元においては、ラインの作業者は、第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、をそれぞれ識別することができるようになっているとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、をそれぞれ識別することができるようになっている。
更に、本実施形態では、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
なお、上述した本実施形態では、遊技盤5に一般入賞口2001が複数設けられているが、これらの一般入賞口2001に対して、個別に又は複数のグループに分けて複数の一般入賞口センサを用いるように構成することもできる。この場合、一般入賞口センサからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定されている。これは、一般入賞口2001が複数存在するものの、どの一般入賞口2001に遊技球が入球しても、入球にともない所定の球数の遊技球が賞球として払い出されるのみであって、遊技の進行、演出の変化に寄与するものでないからである。また、一般入賞口センサからの2本の配線をパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310Xへ電気的に接続する構成を採用する場合であっても、一般入賞口センサからの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定される。これは、上述したように、一般入賞口2001が複数存在するものの、どの一般入賞口2001に遊技球が入球しても、入球にともない所定の球数の遊技球が賞球として払い出されるのみであって、遊技の進行、演出の変化に寄与するものでないからである。
また、上述した実施形態では、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出されていたが、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402aと第二始動口センサ従側2402bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402a、及び第二始動口センサ従側2402bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第二始動口センサ2402を採用することにより、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができる。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、後述する主制御側タイマ割り込み処理における不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、まず第二始動口センサ主側2402aを通ることで第二始動口センサ主側2402aにより検知され、そして第二始動口センサ従側2402bを通ることで第二始動口センサ従側2402bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。また、第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力されるとともに、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB3に入力されている。
このパネル中継基板1710は、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号のほかに、上述したように、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、遊技盤5に設けられる第1受入口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第1受入口センサ2406、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線が、それぞれのコネクタを介して電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。
更に、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号と第二始動口センサ従側2402bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。このため、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、上述した実施形態では、遊技盤5に一般入賞口2001が複数設けられているが、これらの一般入賞口2001に対して、個別に分けて一般入賞口センサを用いるように構成することもできる。この場合、一般入賞口センサからのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタの形状を異なるものとして選定されていてもよい。例えば、各一般入賞口2001への入球にともない遊技の進行や演出の変化に寄与する場合には、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線のコネクタの形状をそれぞれ異なるようにしてもよい。こうすれば、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。なお、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310Xへ電気的に接続する構成を採用する場合には、コネクタの形状をそれぞれ異なるものが選定される。これは、上述したように、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲートセンサ2401により検知されていが、第一始動口センサ3002と同様に、ゲートセンサ主側2401aとゲートセンサ従側2401bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、ゲートセンサ主側2401a、及びゲートセンサ従側2401bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されるゲートセンサ2401を採用することにより、ゲート部2003を通過した遊技球Bを、確実に検知することができるようになっている。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、後述する主制御側タイマ割り込み処理における不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、まずゲートセンサ主側2401aを通ることでゲートセンサ主側2401aにより検知され、そしてゲートセンサ従側2401bを通ることでゲートセンサ従側2401bにより検知されることとなる。また、ゲートセンサ主側2401a、及びゲートセンサ従側2401bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。ゲートセンサ主側2401aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力されるとともに、ゲートセンサ従側2401bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPC(この入力ポートは、8ビットにより構成されている。)の入力端子PC0に入力されている。
更に、ゲートセンサ主側2401aからの検出信号とゲートセンサ従側2401bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。このため、ゲートセンサ主側2401aからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、ゲートセンサ従側2401bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、ゲートセンサ主側2401aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2401bからの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、ゲートセンサ主側2401aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2401bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、ゲートセンサ主側2401aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2401bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、上述した実施形態では、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されているが、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタが主制御基板1310Xへ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタと、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310Xへ電気的に接続するコネクタと、を別々な存在とせずに4本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、この態様を採用し、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出されていたが、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402aと第二始動口センサ従側2402bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402a、及び第二始動口センサ従側2402bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第二始動口センサ2402を採用することにより、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができる。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、後述する主制御側タイマ割り込み処理における不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、まず第二始動口センサ主側2402aを通ることで第二始動口センサ主側2402aにより検知され、そして第二始動口センサ従側2402bを通ることで第二始動口センサ従側2402bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。また、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402を構成する第二始動口センサ主側2402aからの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタが主制御基板1310Xへ電気的に接続される。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力されるとともに、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB3に入力されている。
このパネル中継基板1710は、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号のほかに、上述したように、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001、遊技盤5に設けられる第1受入口2006に受入れられた遊技球Bを検知する第1受入口センサ2406、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線が、それぞれのコネクタを介して電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されている。
更に、この態様を採用し、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号と第二始動口センサ従側2402bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xへ電気的に接続されているため、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710へ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタと、第二始動口センサ2402を構成する第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタと、を別々な存在とせずに4本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、遊技盤5に一般入賞口2001が複数設けられているが、これらの一般入賞口2001に対して、個別に分けて一般入賞口センサを用いるように構成することもできる。この場合、一般入賞口センサからのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして、1つのコネクタ(単一コネクタ)として構成することもできる。例えば、各一般入賞口2001への入球にともない遊技の進行や演出の変化に寄与する場合には、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線を1つにまとめた配線を1つのコネクタ(単一コネクタ)として構成し、この1つにまとめた配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710へ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線を別々な存在とせずに1つにまとめた配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。なお、1つにまとめた配線を1つのコネクタ(単一コネクタ)として構成し、1つにまとめた配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310Xへ電気的に接続する構成を採用することもできる。このように構成しても、上述したように、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線を別々な存在とせずに1つにまとめた配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、各一般入賞口センサ3001からのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
因みに、従来より、遊技盤の有利領域内に各種入球口を備え、各入球口に遊技球の通過を検出する各センサ(検知手段)が設けられている遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0014]〜段落[0016]、図2〜図4))。ところが、用途が類似する入球口を通る検知手段からの配線が誤って電気的に接続されると、電気仕様的には問題ないので、破損は免れるが入球口の検出信号が誤って受信されてしまい、遊技の進行に影響を与えてしまう。ところが、特に用途が類似しているため、場合によってはすぐには誤接続に気がつかない可能性があるという問題があった。
[12.扉枠に備える各装飾基板]
次に、図91に示した扉枠3に備える各装飾基板について、図164〜図168を参照して詳細に説明する。図164は扉枠に備える各装飾基板の電気的な接続を説明するブロック図であり、図165はLED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板の一例を示すブロック図であり、図166はLED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板の一例を示すブロック図であり、図167はLED定電流駆動回路の配置方法の概要図であり、図168は図167のD部におけるLED非実装面から見た拡大図である。ここでは、扉枠3に備える、各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続について説明し、LED定電流駆動回路の概要、LED定電流駆動回路を備える装飾基板、そしてLED定電流駆動回路の配置方法について説明する。
まず、扉枠3は、上述したように、扉窓101aの外周を囲うように、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410b、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453がそれぞれ配置されているとともに、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bがそれぞれ配置されている。
皿左上装飾体271は、その後方に、皿左上装飾体271に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左上装飾基板273が配置され、皿左上装飾基板273に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右上装飾体276は、その後方に、皿右上装飾体276に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右上装飾基板278が配置され、皿右上装飾基板278に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、5個)により発光装飾される。皿中央上装飾体312aは、その後方に、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314が配置され、皿中央上装飾基板314に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
扉枠左サイド装飾体404は、その後方に、扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとから構成される扉枠左サイド装飾基板402が配置され、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、左サイド上装飾基板402aには5個、左サイド下装飾基板402bには10個)により発光装飾される。サイド窓内装飾部410bは、サイド窓内装飾部材412の上下方向に複数列設され、その後方に、サイド窓内装飾部材412に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されるサイド窓内装飾部装飾基板413が配置され、サイド窓内装飾部装飾基板413に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、12個)により発光装飾される。扉枠右サイド装飾体419は、その後方に、扉枠右サイド装飾体419に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとから構成される扉枠右サイド装飾基板418が配置され、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、右サイド上装飾基板418aには4個、右サイド下装飾基板418bには10個)により発光装飾される。
扉枠トップ装飾体453は、その後方に、扉枠トップ装飾体453の中央部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ中央装飾基板455が配置され、扉枠トップ装飾体453の左側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ左装飾基板456が配置され、扉枠トップ装飾体453の右側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ右装飾基板457が配置され、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、扉枠トップ中央装飾基板455には11個、扉枠トップ左装飾基板456には7個、扉枠トップ右装飾基板457には6個)により発光装飾される。
皿左下装飾体281は、その後方に、皿左下装飾体281に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左下装飾基板283が配置され、皿左下装飾基板283に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右下装飾体286は、その後方に、皿右下装飾体286に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右下装飾基板288が配置され、皿右下装飾基板288に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿中央下装飾体312bは、その後方に、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央下装飾基板316が配置され、皿中央下装飾基板316に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
なお、扉枠3における皿ユニット200に備える図69に示した演出操作ユニット300は、上述したように、円環を前後に分割したような形態に形成される演出操作リング装飾基板352を備え、演出操作リング装飾基板352は、前側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される前装飾基板352aと、後側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される後装飾基板352bと、から構成されている。図69に示した演出操作ユニット300の回転操作部302は、前装飾基板352aに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、後装飾基板352bに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、により発光装飾される。
このように、扉枠3に備える各装飾基板は、細長い帯板状に形成されている。これにより、遊技盤5の上下方向及び左右方向の距離寸法を大きくすることで、図131に示した遊技盤5に可動体、装飾部材、表示装置等を複数設けることができるし、大型の可動体や大型の表示装置等も設けることができる。
[12−1.各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続]
扉枠3に備える各種装飾体や装飾部に配置される、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、左サイド上装飾基板402a、左サイド下装飾基板402b、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド上装飾基板418a、右サイド下装飾基板418b、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、皿中央下装飾基板316、前装飾基板352a、及び後装飾基板352b等の扉枠側装飾基板と、図33に示した扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105と、の電気的な接続について、図164を参照して簡単に説明する。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、図96に示した本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、図146に示した周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される、扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1と、扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2と、がそれぞれ独立して入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、図154に示した電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
[12−1−1.扉枠側第1シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、図56に示した皿ユニット200の皿ユニット中継基板214に入力されるとともに、図54に示したハンドルユニット180のハンドル装飾基板184に入力されている。
皿ユニット中継基板214に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び図70に示した演出操作ユニット300の操作部中継基板392にそれぞれ入力されている。
皿左下装飾基板283に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左上装飾基板273にそれぞれ入力されている。つまり、皿左下装飾基板283が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へ伝える橋渡し基板となることで、皿左下装飾基板283と皿左上装飾基板273とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿左下装飾基板283には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿左下装飾基板283と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿左下装飾基板283の後段であって最終段となる)皿左上装飾基板273には、皿左下装飾基板283の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
皿右下装飾基板288に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿右上装飾基板278にそれぞれ入力されている。つまり、皿右下装飾基板288が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へ伝える橋渡し基板となることで、皿右下装飾基板288と皿右上装飾基板278とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿右下装飾基板288には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿右下装飾基板288と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿右下装飾基板288の後段であって最終段となる)皿右上装飾基板278には、皿右下装飾基板288の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
演出操作ユニット300の操作部中継基板392に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、及び演出操作リング装飾基板352の前装飾基板352aにそれぞれ入力されている。
前装飾基板352aに入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、後装飾基板352bにそれぞれ入力されている。つまり、前装飾基板352aが扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへ伝える橋渡し基板となることで、前装飾基板352aと後装飾基板352bとが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる前装飾基板352aには、演出操作ユニット300の操作部中継基板392からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、前装飾基板352aと電気的に数珠繋ぎされる(つまり、前装飾基板352aの後段であって最終段となる)後装飾基板352bには、前装飾基板352aの図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左下装飾基板283について簡単に説明すると、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、熱分散回路283c、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を備えている。LED定電流駆動回路283aは、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。定電流駆動回路283xは、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、sdLED1〜sdLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路283xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路283xの発熱の一部を、熱分散回路283cで受け持つことにより、定電流駆動回路283xの発熱を分散することができるようになっている。
また、例えば、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左上装飾基板273について簡単に説明すると、皿左上装飾基板273は、LED定電流駆動回路273a、熱分散回路273c、6個のフルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を備えている。LED定電流駆動回路273aは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であり、suLED1〜suLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路273xと、suLED1〜suLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路273yと、から主として構成されている。定電流駆動回路273xは、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、suLED1〜suLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路273xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路273xの発熱の一部を、熱分散回路273cで受け持つことにより定電流駆動回路273xの発熱を分散することができるようになっている。
[12−1−2.扉枠側第2シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力されるとともに、サイド窓内装飾部装飾基板413、扉枠右サイド装飾基板418の右サイド下装飾基板418b、及び図89に示した扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467にそれぞれ入力されている。
扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力される、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド上装飾基板402aに入力されている。扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ右装飾基板457に入力されている。
扉枠トップ右装飾基板457に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ中央装飾基板455にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ右装飾基板457が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ右装飾基板457と扉枠トップ中央装飾基板455とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる扉枠トップ右装飾基板457には、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。また、扉枠トップ右装飾基板457と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ右装飾基板457の後段となる)扉枠トップ中央装飾基板455には、扉枠トップ右装飾基板457の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。
扉枠トップ中央装飾基板455に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ左装飾基板456にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ中央装飾基板455が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ中央装飾基板455と扉枠トップ左装飾基板456とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。これに対して、扉枠トップ中央装飾基板455と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ中央装飾基板455の後段であって最終段となる)扉枠トップ左装飾基板456には、扉枠トップ中央装飾基板455の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bについて簡単に説明すると、左サイド下装飾基板402bは、2つのLED定電流駆動回路402ba,402bb、熱分散回路402bc、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を備えている。
LED定電流駆動回路402baは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED1〜hdLED8に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402baxと、hdLED1〜hdLED8に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bayと、から主として構成されている。定電流駆動回路402baxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402ba、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402bbxと、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bbyと、から主として構成されている。定電流駆動回路402bbxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)のhdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402baの定電流駆動回路402baxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、huLED1〜huLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。LED定電流駆動回路402bbの定電流駆動回路402bbxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、hdLED9,hdLED10、huLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路402baxの発熱の一部を、熱分散回路402bcで受け持つことにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっている。また、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部を、熱分散回路402bcと、左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acと、により定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
このように、定電流駆動回路402baxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcのみにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっているのに対して、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcに加えて、後続の基板となる左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acにより定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
定電流駆動回路402bbxは、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装されるhuLED1〜huLED5に定電流を流すように構成されている。このため、左サイド下装飾基板402bと左サイド上装飾基板402aとの基板間を電気的に接続する作業が必ず伴う。この作業を行う作業者は、その指が左サイド下装飾基板402bのコネクタ、左サイド上装飾基板402aのコネクタ、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bc、又は左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acに触れるため、左サイド下装飾基板402b、及び左サイド上装飾基板402aが静電気による損傷を防止する必要がある。そこで、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、定電流駆動回路402bax,402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、左サイド上装飾基板402aは、上述したように、左サイド下装飾基板402bからの直流+12V、及びグランド(GND)が入力されるほかに、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すラインがそれぞれ入力されている。左サイド上装飾基板402aは、上述したように、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5のほかに、熱分散回路402acを備えている。熱分散回路402acは、上述したように、定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
[12−1−3.発光データ]
ここで、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2について簡単に説明すると、発光データSDAT1,SDAT2は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
[12−2.LED定電流駆動回路の概要]
次に、LED定電流駆動回路の概要について、図165を参照して詳細に説明する。本実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路は、同一の回路であるため、ここでは、皿左下装飾基板283に備えるLED定電流駆動回路283aについて説明する。LED定電流駆動回路283aは、上述したように、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。
[12−2−1.定電流駆動回路]
定電流駆動回路は、出力チャンネルが24本あり、チャンネルごとに、電流を出力することができるようになっている。本実施形態では、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、出力チャンネルLR,LG,LBを個別に制御することにより3本の出力チャンネルを使用している。つまり、本実施形態では、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、リニア電源283xa、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、定電流駆動部283xiから主として構成されている。
[12−2−1a.リニア電源]
リニア電源283xaは、+12V電源ラインからの直流+12Vが入力されて定電流駆動回路283x内で利用する内部電源Vreg(本実施形態では、直流+5V)を作成して供給することができる回路である。リニア電源283xaにより作成される内部電源Vregは、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiにそれぞれ供給され、この内部電源Vergによりリセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiが動作することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、図154に示した電源基板630の+5V電源ラインと電気的に接続されず、独自に+直流5Vを内部電源Vregとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、電源基板630からの+5V電源ラインを利用すると、この+5V電源ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、直流+5Vを供給する+5V電源ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズが+5V電源ラインに伝わって直流+5Vが定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けてLEDのちらつきが発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、電源基板630からの+5V電源ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、+5V電源ラインと比べて耐ノイズ性が極めて高い+12V電源ラインから定電流駆動回路283xのリニア電源283xaにおいて独自に直流+5Vを内部電源Vregとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部電源Vregを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部電源Vregに伝わり難くすることができるため、内部電源Vregを安定化することができるようになっている。これにより、内部電源Vregが安定化されることで外来ノイズによるフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6のちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、+5V電源ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[12−2−1b.リセット部]
リセット部283xbは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて内部リセット信号RSTを作成して定電流駆動回路283x内に出力し、定電流駆動回路283xを初期化して定電流駆動回路283xを動作開始することができる、いわゆるパワーオンリセット回路である。リセット部283xbから出力される内部リセット信号RSTは、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiに入力されると、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを初期化して、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを動作開始する。
定電流駆動回路283xは、例えば、図146に示した周辺制御基板1510からのリセット信号が入力されず、独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、例えば、周辺制御基板1510からのリセット信号を伝送するライン(以下、「リセット信号伝送ライン」と記載する。)を利用すると、このリセット信号伝送ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、リセット信号を伝えるリセット信号伝送ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズがリセット信号伝送ラインに伝わってリセット信号が定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けて定電流駆動回路283xがリセットされてLEDが消灯するおそれがある。そこで、本実施形態では、リセット信号伝送ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、定電流駆動回路283xのリセット部283xbにおいて独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、外部基板からリセット信号が入力されず、かつ、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部リセット信号RSTを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部リセット信号RSTに伝わり難くすることができるため、内部リセット信号RSTを安定化することができるようになっている。これにより、内部リセット信号RSTが安定化される(つまり、定電流駆動回路283xの初期化が安定化される)ことで外来ノイズによる定電流駆動回路283xがリセットされず、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8に対応するフルカラーLEDを構成するLED素子の予期せぬ消灯やちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、リセット信号伝送ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[12−2−1c.バッファ]
データライン用バッファ283xcは、定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)を伝送するライン(以下、「データライン」と記載する。)からシリアルデータが入力されてシリアルデータを伝える信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。クロックライン用バッファ283xdは、定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)を伝送するライン(以下、「クロックライン」と記載する。)からクロック信号が入力されてクロック信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。
データラインとクロックラインとは、上述したように、複数の基板や中継基板をまたいで伝送されている。このため、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなってノイズが侵入し易くなる。そこで、本実施形態では、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとを定電流駆動回路283xに備えることで、定電流駆動回路283xに入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、ロジック処理部283xg、そして後続の基板に伝えないように、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて波形を整形するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなる場合であっても、ノイズに強い、データラインとクロックラインとを形成することができる。これにより、ノイズに強い信号伝送を実現することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。
[12−2−1d.アドレス設定部]
アドレス設定部283xeは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて、図示しない3つのID抵抗により64通りのアドレスを定電流駆動回路283xのID(個体を識別することができるID)として設定することができるようになっている。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xの個体を識別することができるIDは、図示しない3つのID抵抗というハードウェアの構成によってアドレス設定部283xeにより予め設定されるようになっているものであって、ソフトウェアによるデータを受信して適宜設定されるものでない。
[12−2−1e.発振器、ロジック処理部]
ロジック処理部283xgは、データライン用バッファ283xcにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)と、クロックライン用バッファ283xdにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)と、が入力されている。ロジック処理部283xgは、アドレス設定部283xeが設定する自身のIDであるアドレスに基づいて、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれているときには、このシリアルデータから階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、発振器283xfからの信号(制御クロック信号)に基づいて、出力チャンネルにおける階調度をPWM部283xhに設定する制御を行う一方、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれていないときには、このシリアルデータにおける階調情報を取り込まず、PWM部283xhに設定される現状の内容を維持する制御を行う。
[12−2−1f.PWM部]
PWM部283xhは、各出力チャンネルにおけるLEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0(ゼロ)〜階調度127という合計128段階で階調制御することができるものであり、1つの出力チャンネルに対して図示しない1つのPWM階調制御部により階調制御されるようになっている。つまりPWM部283xhは、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8と対応するPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24を個別(つまり24個のPWM階調制御部)に備えている。これらのPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24は、階調度がそれぞれ設定されると、この設定された階調度となる電流を流すように定電流駆動部283xiの制御を行う。
[12−2−1g.定電流駆動部]
定電流駆動部283xiは、上述したPWM部283xhに備えるPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24に設定される階調度となるように、1つの出力チャンネルに対して1つの図示しない定電流ドライバによりフルカラーLEDを構成するLED素子に定電流を流すものである。つまり定電流駆動部283xiは、PWM階調制御部1〜PWM階調制御部24と対応して定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24を個別(つまり24個の定電流ドライバ)に備えている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8には、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16には、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24には、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子は、+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLR1〜LR8(つまり定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的にそれぞれ接続され、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する緑色(g)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLG1〜LG8(つまり定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLB1〜LB8(つまり定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24側へ吸い込むことができるようになっている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子を発光することができる。
このように、LED定電流駆動回路は、LED素子を24個、つまり8個のフルカラーLEDを個別に設定された定電流で発光することにより調光点灯することができるため、このよう調光点灯により、消灯、一の階調による点灯、一の階調による点滅などを行うことができるようになっている。
[12−2−2.最大電流設定回路]
最大電流設定回路は、上述した、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrと、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgと、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbと、から構成されている。
抵抗Rrの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8と電気的に接続されるとともに、抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rgの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16と電気的に接続されるとともに、抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rbの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24と電気的に接続されるとともに、抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
[12−3.LED定電流駆動回路を備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を備える装飾基板について、図165及び図166を参照して詳細に説明する。ここでは、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板について説明し、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板について説明する。なお、扉枠3の各装飾基板に備える上述したLED定電流駆動回路は、同一の回路として構成されている。このため、図165及び図166には、説明の便宜上、上述した出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を同一の符号で示した。
[12−3−1.LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板]
まず、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、例えば、図165に示すように、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6、熱分散回路283cを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
皿左下装飾基板283は、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が皿ユニット200の皿ユニット中継基板214介して入力されている。直流+12Vは、LED定電流駆動回路283aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRg1〜sdRg6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRb1〜sdRb6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路283aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路283aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱の一部を、熱分散回路283cを構成する、熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6,sdRg1〜sdRg6,sdRb1〜sdRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)は、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)を介して、皿左上装飾基板273に入力されるとともに、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283を介して皿左上装飾基板273に入力される。これにより、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)に入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、後続の基板である皿左上装飾基板273に伝えないように、LED定電流駆動回路283aにおいて(上述した定電流駆動回路283xに備えるデータライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて)波形を整形することができるようになっている。
直流+12Vは、LED定電流駆動回路273aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRr1〜suRr6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRg1〜suRg6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRb1〜suRb6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路273aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路273aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱の一部を、熱分散回路273cを構成する、熱分散抵抗suRr1〜suRr6,suRg1〜suRg6,suRb1〜suRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、皿左下装飾基板283、皿左上装飾基板273のほかに、皿右下装飾基板288、皿右上装飾基板278、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457がある。
[12−3−2.LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、例えば、図166に示すように、左サイド下装飾基板402bは、LED定電流駆動回路402ba,402bb、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10、熱分散回路402bcを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
左サイド下装飾基板402bは、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力されている。直流+12Vは、LED定電流駆動回路402ba,402bbに入力されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
本実施形態では、上述したように、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。このため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対してはLED定電流駆動回路402baにより発光態様が制御されるとともに、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対してはLED定電流駆動回路402bbにより発光態様が制御されるようになっている。また、LED定電流駆動回路402bbは、自身が実装される基板(つまり左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5の発光態様を制御するようになっている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対して、フルカラーLEDであるhdLED1〜sdLED8を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLR1〜LR8(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg1〜hdRg8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLG1〜LG8(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb1〜hdRb8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLB1〜LB8(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続されている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対して、フルカラーLEDであるhdLED9,sdLED10を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr9,hdRr10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR1,LR2(上述した定電流ドライバ1,定電流ドライバ2)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg9,hdRg10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG1,LG2(上述した定電流ドライバ9,定電流ドライバ10)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb9,hdRb10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB1,LB2(上述した定電流ドライバ17,定電流ドライバ18)と電気的に接続されている。
また、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対して、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRr1b〜huRr5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRr1a〜huRr5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR3〜LR7(上述した定電流ドライバ3〜定電流ドライバ7)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRg1b〜huRg5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRg1a〜huRg5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG3〜LG7(上述した定電流ドライバ11〜定電流ドライバ15)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRb1b〜huRb5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRb1a〜huRb5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB3〜LB7(上述した定電流ドライバ19〜定電流ドライバ23)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR8,LG8,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路402baは、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402baxにおけるデータライン用バッファ402baxc、クロックライン用バッファ402baxdを介して入力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を個別に制御して調光点灯するとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402baは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のhdLED1〜hdLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱の一部を、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8,hdRg1〜hdRg8,hdRb1〜hdRb8で受け持つことによりLED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱を分散することができるようになっている。
LED定電流駆動回路402bbは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に流れる定電流を吸い込むとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱の一部を、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に対しては、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr9,hdRr10,hdRg9,hdRg10,hdRb9,hdRb10で受け持つとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対しては、左サイド下装飾基板402bにおける熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗huRr1a〜hudRr5a,huRg1a〜huRg5a,huRb1a〜huRb5aと、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散回路402acを構成する、熱分散抵抗huRr1b〜hudRr5b,huRg1b〜huRg5b,huRb1b〜huRb5bと、で受け持つことによりLED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、上述したように、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、左サイド下装飾基板402bのほかに、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド下装飾基板418b、及び扉枠トップ中央装飾基板455がある。
また、LED定電流駆動回路を全く備えない装飾基板として、左サイド上装飾基板402aのほかに、右サイド上装飾基板418aがある。
[12−4.LED定電流駆動回路の配置方法]
次に、LED定電流駆動回路の配置方法について、図167及び図168を参照して詳細に説明する。本実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路は、上述したように、同一の回路である。ここでは、LED定電流駆動回路を構成する定電流駆動回路が1つの半導体チップ上に集積された電子部品として説明する。定電流駆動回路のICパッケージの種類としては、平面形状が正方形状(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)を有する表面実装型(SMD、高さ:0.9mm)であり、いわゆるVQFNである。定電流駆動回路の4端辺のうち、1つの端辺が入力側、残りの3つの端辺がそれぞれ出力側1〜出力側3となっている。なお、図168には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略するとともに、一部のシルク印刷を省略して示した。
本実施形態における扉枠3の各装飾基板は、上述したように、細長い帯板状に形成されており、LED定電流駆動回路を1つ備えるものと、LED定電流駆動回路を2つ備えるものと、がある。扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法はほぼ同一であるため、ここでは、LED定電流駆動回路を2つ備える、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bと、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314と、について説明する。
[12−4−1.左サイド下装飾基板]
左サイド下装飾基板402bは、図167(a)に示すように、LED定電流駆動回路402ba,402bb、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10等を備えている。10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、パチンコ機1の正面側となる左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されているのに対して、LED定電流駆動回路402ba,402bbは、パチンコ機1の背面側となる左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装されている。なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける上端辺側には、左サイド上装飾基板402aと電気配線を接続するためのコネクタLDUCNが実装され、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける下端辺側には、扉枠副中継基板105と電気配線を接続するためのコネクタLDLCNが実装されている。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。本実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号が白色のレジストによる抜き文字としても形成されていない。
これは、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率が低下することを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率が低下することを防止することができる。
また、扉枠3に設けられる図91Aに示した扉枠左サイド装飾体404は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化して、仮に、扉枠左サイド装飾体404に備える左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxを遊技者が視認することができる場合であっても、そもそも、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないため、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号)やフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができる。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNと対応する部品番号と、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。これにより、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないコネクタLDLCNと対応する部品番号、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、本実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字が覆われている。この箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。なお、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号は、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに代えて、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されていてもよいし、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byとに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)としてそれぞれ形成されていてもよい。また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx、LED非実装面402byは、後述するように、ベタアースとして形成されている。このため、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号は、箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成せずに、LED実装面402bxのベタアースとLED非実装面402byのベタアースとのうち、いずれか一方の面又は両方の面において文字を抜いた抜き文字として形成されていてもよい。
これに対して、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図168(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図168(a)を参照。)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図168(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図168(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)LSLK1〜LSLK10(図168(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する鎖線LSLK4,LSLK5のみそれぞれ表した。)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって上方又は下方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号(図168(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する部品番号であるLED4,LED5のみそれぞれ表した。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるコネクタLDLCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
更に、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
なお、実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED非実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷される。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx、LED非実装面402byは、電子部品やコネクタなどのランドパターンや配線パターンを除く領域をグランド(GND)に接地する、いわゆるベタアースとして形成されている。左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに形成されるベタアースと、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに形成されるベタアースは、図示しない複数のスルーホールにより電気的に接続されている。
左サイド下装飾基板402bは、上述したように、上下に延びた細長い帯板状に形成されているため、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1から右端辺402beg2までに亘る幅寸法が定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの左端辺から右端辺までの幅寸法の約1.78倍程度しかない。このため、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置すると、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺と、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法が極めて短くなるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから配線パターンを引き出そうとしても、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限があるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドからすべての配線パターンを引き出すことが困難となる。
そこで、本実施形態では、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用した。
本実施形態では、このような配置を採用することにより、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byから見て、定電流駆動回路402bax,402bbxの4端辺のうち、右下端辺が入力側の端子となるよう左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1寄りに配置することにより、入力側の端子は、図166に示した、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rr,Rgが入力され、左下端辺、左上端辺、及び右上端辺がそれぞれ主として出力側1の端子〜出力側3の端子となり、出力側1の端子〜出力側3の端子は、図166に示した、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8、及び扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)等を出力する。なお、出力側1の端子は、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rbが入力される端子を有し、出力側2及び出力側3は、グランド(GND)が入力される端子を有している。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの4端辺のうち、2端辺を左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1に対して45度傾斜した状態として配置することができるとともに、残りの2端辺を左サイド下装飾基板402bの右端辺402beg2に対して45度傾斜した状態として配置することができる。これにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの4端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限を受けても、すべての配線パターンを引き出すことができる。したがって、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bにおいて定電流駆動回路402bax,402bbxから配線(配線パターン)が引き出される領域を確保することができる。
また、このような配置を採用したことにより、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8のうち、4個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED4から構成されるグループ1と、4個のフルカラーLEDであるhdLED5〜hdLED8から構成されるグループ2と、の間に定電流駆動回路402baxを配置することができるため、定電流駆動回路402baxからグループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す際に、その長さを均等に形成することができる。これにより、グループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す長さがグループ1又はグループ2のいずれか一方のグループに偏って長くなったり、短くなったりするということを防ぐことができるため、アートワークにおいて配線パターンの配置や引き回しの効率を高めることができる。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路402baxを、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける上下方向の中央部分(図167(a)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて下側寄りに配置することができるとともに、定電流駆動回路402bbxを、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける上下方向の中央部分(図167(a)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて上側寄りであって、定電流駆動回路402baxにより発光制御されるグループ2に構成されるフルカラーLEDであるhdLED8の上方に配置することができる。これにより、定電流駆動回路402baxから、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8への配線パターンの引き回し用の領域を左サイド下装飾基板402bに確保することができるとともに、定電流駆動回路402bbxから、2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10及び図166に示した5個の左サイド上装飾基板402aに備えるフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5への配線パターンの引き回し用の領域を左サイド下装飾基板402bに確保することができる。
なお、本実施形態では、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rr,Rg,Rbのほかに、図示しないコンデンサが左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにハンダ付けされている。抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、平面形状が長方形状の表面実装型(SMD)であり、いわゆるEIA形式で0805(呼称で2012、横の長さ:2.0mm、縦の長さ:1.25mm)である。つまり、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの大きさは、定電流駆動回路402bax,402bbxの大きさ(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)と比べて極めて小さい。このため、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、定電流駆動回路402bax,402bbxと異なり、抵抗Rr,Rg,Rbは、その長手方向の一端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して平行となるように配置され、図示しないコンデンサは、その長手方向の一端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して垂直となるように配置されている。換言すると、ランドパターンの端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置される定電流駆動回路402bax,402bbxの各端辺と、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの長手方向の一端辺と、が非平行となるように、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ配置されている。
また、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法は、上述したように、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、装飾基板の左端辺と右端辺とに対して45度傾斜した状態として配置した、ほぼ同一となっているものの、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457は、扉枠3の他の装飾基板と異なり、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が扉枠トップ装飾体453に配置された状態において装飾基板の上端辺から下端辺までに亘る幅寸法が大きいため、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457の上端辺と下端辺とに平行となるよう配置されている。つまり、本実施形態では、定電流駆動回路のランドパターンの端辺が装飾基板の端辺と平行となるものと、定電流駆動回路のランドパターンの端辺が装飾基板の端辺と非平行となるものと、が混在している。本実施形態では、扉枠トップ中央装飾基板455は、自身に備える11個のフルカラーLEDに加えて、図示しない5個のフルカラーLEDが実装される他の中央装飾基板を、図示しない自身に備える2つのLED定電流駆動回路(第1のLED定電流駆動回路(第1の定電流駆動回路、第1の最大電流設定回路)、第2のLED定電流駆動回路(第2の定電流駆動回路、第2の最大電流設定回路))のうち1つのLED定電流駆動回路(ここでは、第2のLED定電流駆動回路(第2の定電流駆動回路、第2の最大電流設定回路))により図示しない自身に備える2つの熱分散回路(第1の定電流駆動回路は第1の熱分散回路(熱分散抵抗)、第2の定電流駆動回路は第2の熱分散回路(熱分散抵抗))を介して直接発光制御し、扉枠トップ左装飾基板456は、自身に備える7個のフルカラーLEDに加えて、図示しない1個のフルカラーLEDが実装される他の左装飾基板を、図示しない自身に備える1つのLED定電流駆動回路(定電流駆動回路、最大電流設定回路)により図示しない自身に備える1つの熱分散回路(熱分散抵抗)を介して直接発光制御し、扉枠トップ右装飾基板457は、自身に備える6個のフルカラーLEDに加えて、図示しない2個のフルカラーLEDが実装される他の右装飾基板を、図示しない自身に備える1つのLED定電流駆動回路(定電流駆動回路、最大電流設定回路)により図示しない自身に備える1つの熱分散回路(熱分散抵抗)を介して直接発光制御している。そして、他の中央装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の中央部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成され、他の左装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の左側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成され、他の右装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の右側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。他の中央装飾基板、他の左装飾基板、及び他の右装飾基板には、熱分散回路(熱分散抵抗)をそれぞれ設ける必要がある。扉枠トップ中央装飾基板455自身に備える熱分散回路(ここでは、第2の熱分散回路(熱分散抵抗))と他の中央装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ中央装飾基板455自身に備える第2のLED定電流駆動回路(正確には、第2の定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。また、扉枠トップ左装飾基板456自身に備える熱分散回路と他の左装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ左装飾基板456自身に備えるLED定電流駆動回路(正確には、定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。また、扉枠トップ右装飾基板457自身に備える熱分散回路と他の右装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ右装飾基板457自身に備えるLED定電流駆動回路(正確には、定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
また、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置するとともに、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て左サイド下装飾基板402bの右端辺402beg2寄りであって左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの上下方向に沿って所定間隔を有して配置するのに対して、定電流駆動回路402bax,402bbxを左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1寄りであって左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに配置するという構成を採用した。定電流駆動回路402bax,402bbxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。このため、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bにおいても、定電流駆動回路402bax,402bbxと、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、を離すことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxによる発熱が10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10に影響が受け難くすることができる。
また、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置したことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに平行となるよう配置するもの(つまり、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457)と比べて、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに非平行と配置するものの方が装飾基板の左端辺から右端辺までに亘る幅寸法をより短くすることができる。これにより、遊技盤5の左右方向の距離寸法を大きくすることに寄与することができる。
[12−4−2.皿中央上装飾基板]
皿中央上装飾基板314は、図167(b)に示すように、LED定電流駆動回路314a,314b、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10等を備えている。10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、演出操作ユニット300の上方へ向かう側となる皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されているのに対して、LED定電流駆動回路314a,314bは、演出操作ユニット300の上方へ向かう側となる皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装されている。なお、図167(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける上端辺314eg1に沿う右側には、操作部中継基板392と電気配線を接続するためのコネクタHCNが実装されている。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。本実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314の基板管理番号が白色のレジストによる抜き文字としても形成されていない。
これは、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける反射率が低下することを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける反射率が低下することを防止することができる。
また、扉枠3に設けられる図91Aに示したユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aは、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化して、仮に、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aに備える皿中央上装飾基板314のLED実装面314xを遊技者が視認することができる場合であっても、そもそも、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないため、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号)やフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができる。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNと対応する部品番号と、コネクタHCNを配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。これにより、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないコネクタHCNと対応する部品番号、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、本実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314の基板管理番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字が覆われている。この箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。なお、皿中央上装飾基板314の基板管理番号は、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに代えて、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されていてもよいし、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yとに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)としてそれぞれ形成されていてもよい。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x、LED非実装面314yは、は、後述するように、ベタアースとして形成されている。このため、皿中央上装飾基板314の基板管理番号は、箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成せずに、LED実装面314xのベタアースとLED非実装面314yのベタアースとのうち、いずれか一方の面又は両方の面において文字を抜いた抜き文字として形成されていてもよい。
これに対して、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるコネクタHCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
更に、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314x、LED非実装面314yは、電子部品やコネクタなどのランドパターンや配線パターンを除く領域をグランド(GND)に接地する、いわゆるベタアースとして形成されている。皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに形成されるベタアースと、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに形成されるベタアースは、図示しない複数のスルーホールにより電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED非実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷される。
皿中央上装飾基板314は、上述したように、半円弧状を有する細長い帯板状に形成されているため、図167(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける上端辺314eg1から下端辺314eg2までに亘る幅寸法が定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの左端辺から右端辺までの幅寸法の約1.78倍程度しかない。このため、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに平行となるように定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を配置すると、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺と、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1又は下端辺314eg2と、の距離寸法が極めて短くなるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから配線パターンを引き出そうとしても、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限があるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドからすべての配線パターンを引き出すことが困難となる。
そこで、本実施形態では、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用した。
本実施形態では、このような配置を採用することにより、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yから見て、定電流駆動回路314ax,314bxの4端辺のうち、左下端辺が入力側の端子となるよう皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1寄りに配置することにより、入力側の端子は、図164に示した、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rr,Rgが入力され、左上端辺、右上端辺、及び右下端辺がそれぞれ主として出力側1の端子〜出力側3の端子となり、出力側1の端子〜出力側3の端子は、上述した、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8、及び扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)等を出力する。なお、出力側1の端子は、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rbが入力される端子を有し、出力側2及び出力側3は、グランド(GND)が入力される端子を有している。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの4端辺のうち、2端辺を皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1に対して45度傾斜した状態として配置することができるとともに、残りの2端辺を皿中央上装飾基板314の下端辺314eg2に対して45度傾斜した状態として配置することができる。これにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの4端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限を受けても、すべての配線パターンを引き出すことができる。したがって、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314において定電流駆動回路314ax,314bxから配線(配線パターン)が引き出される領域を確保することができる。
また、このような配置を採用したことにより、8個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED8のうち、4個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED4から構成されるグループ1と、4個のフルカラーLEDであるhLED5〜hLED8から構成されるグループ2と、の間に定電流駆動回路314axを配置することができるため、定電流駆動回路314axからグループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す際に、その長さを均等に形成することができる。これにより、グループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す長さがグループ1又はグループ2のいずれか一方のグループに偏って長くなったり、短くなったりするということを防ぐことができるため、アートワークにおいて配線パターンの配置や引き回しの効率を高めることができる。
また、このような配置を採用したことにより、図167(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、定電流駆動回路314axを、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける半円弧状中央部分(図167(b)のフルカラーLEDであるhLED6が配置される部分)と比べて右側寄りに配置することができるとともに、定電流駆動回路314bxを、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける半円弧状中央部分(図167(b)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて左側寄りであって、定電流駆動回路314axにより発光制御されるグループ2に構成されるフルカラーLEDであるhLED8の左方に配置することができる。これにより、定電流駆動回路314axから、8個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED8への配線パターンの引き回し用の領域を皿中央上装飾基板314に確保することができるとともに、定電流駆動回路314bxから、2個のフルカラーLEDであるhLED9,hLED10への配線パターンの引き回し用の領域を皿中央上装飾基板314に確保することができる。
なお、本実施形態では、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rr,Rg,Rbのほかに、図示しないコンデンサが皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにハンダ付けされている。抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、平面形状が長方形状の表面実装型(SMD)であり、いわゆるEIA形式で0805(呼称で2012、横の長さ:2.0mm、縦の長さ:1.25mm)である。つまり、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの大きさは、定電流駆動回路314ax,314bxの大きさ(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)と比べて極めて小さい。このため、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、定電流駆動回路314ax,314bxと異なり、抵抗Rr,Rg,Rbは、その長手方向の一端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して平行となるように配置され、図示しないコンデンサは、その長手方向の一端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して垂直となるように配置されている。換言すると、ランドパターンの端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置される定電流駆動回路314ax,314bxの各端辺と、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの長手方向の一端辺と、が非平行となるように、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにそれぞれ配置されている。
また、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置するとともに、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を皿中央上装飾基板314のLED実装面314xから見て皿中央上装飾基板314の下端辺314eg2寄りであって皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの半円弧状に沿って所定間隔を有して配置するのに対して、定電流駆動回路314ax,314bxを皿中央上装飾基板314のLED実装面314xから見て皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1寄りであって皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに配置するという構成を採用した。定電流駆動回路314ax,314bxは、左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402bax,402bbxと同様、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。このため、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される中央上装飾基板314においても、定電流駆動回路314ax,314bxと、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、を離すことにより、定電流駆動回路314ax,314bxによる発熱が10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10に影響が受け難くすることができる。
また、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置したことにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに平行となるよう配置するもの(つまり、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457)と比べて、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに非平行と配置するものの方が装飾基板の左端辺から右端辺までに亘る幅寸法をより短くすることができる。これにより、演出操作ユニット300の左右方向の距離寸法や前後方向の距離寸法を大きくすることに寄与することができるため、大型の演出操作ユニット300を扉枠3に備えることできるとともに、演出操作ユニット300による発光演出を行うことができる。
[12−4−3.定電流駆動回路のICパッケージ底面における属パッド]
左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402bax,402bbx、及び皿中央上装飾基板314の定電流駆動回路314ax,314bxである定電流駆動回路のICパッケージの種類としては、上述したように、平面形状が正方形状を有する表面実装型であり、いわゆるVQFNである。ここでは、左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402baxのICパッケージについて、図168を参照して説明する。
定電流駆動回路402baxのICパッケージ底面の中央部分には、金属パッドFPが露出しており、いわゆる、Exposed Pad(以下、「EPad」と記載する。)が形成されている。このICパッケージは、基板にハンダ付けされることで、放熱性と接合性とを高くすることができるようになっている。
定電流駆動回路402baxのランドパターンには、各リードパッドに加えて、正方形状を有するEPad用ランドパターンEPが設けられている。EPad用ランドパターンEPは、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byのベタアースと電気的に接続されている。EPad用ランドパターンEPの領域内には、9つのサーマルビアTVが形成格子状に配列されている。これらのサーマルビアTVにより、EPad用ランドパターンEPと、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに形成されるベタアースと、が電気的に接続されることとなる。このため、EPad用ランドパターンEPの領域内には、各リードパッドからの配線パターンを引き出すことができない。
定電流駆動回路402baxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。つまり、定電流駆動回路402baxの発熱を、EPadからEPad用ランドパターンEPを介して、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byと、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと、に拡散することによって、左サイド下装飾基板402b全体で放熱することができるようになっている。
なお、EPad用ランドパターンEPと9つのサーマルビアTVとの関係について簡単に説明すると、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)がEPad用ランドパターンEPとハンダ付けされる接合領域は、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)に対して50%以上となるように、サーマルビアTVの数や直径の大きさが選定されている。これにより、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)とEPad用ランドパターンEPとがハンダ付けされる接合領域が大きくなりすぎずボイドの発生を防止するとともに、この接合領域が小さくなりすぎず安定した接合強度を得ることができるようになっている。なお、EPad用ランドパターンEPを格子状に分割して形成することもできるが、この場合においても、ボイドの発生の防止と安定した接合強度を得るために、上述したように、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)がEPad用ランドパターンEPとハンダ付けされる接合領域は、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)に対して50%以上となるようにする必要がある。
また、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合に対し、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置する場合は、定電流駆動回路402baxの発熱に対する放熱効果が高くなる。左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合は、EPad用ランドパターンEPも同じように左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、平行に配置され、45度傾斜した状態となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合は、EPad用ランドパターンEPも45度傾斜した状態で配置される。EPad用ランドパターンEP端辺が、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して平行に配置されている場合は、EPad用ランドパターンEP端辺と左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法が短くなり、基板端辺までの距離寸法が短くなっているということは、言い換えれば、基板上の放熱する余地が小さくなっていることになる。一方、EPad用ランドパターンEP端辺が、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態で配置される場合の左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法はEPad用ランドパターンEPの頂点と基板端辺との距離は短くなる部分となるがその頂点に接する二辺は基板端辺とは非平行となっているので、基板上の放熱する余地は広いので、EPad用ランドパターンEP端辺と基板端辺とが平行となっている場合に比べて放熱効果が高いと言える。
本実施形態における扉枠3の各装飾基板は、上述したように、細長い帯板状に形成されており、LED定電流駆動回路を1つ備えるものと、LED定電流駆動回路を2つ備えるものと、があり、本実施形態では、例として、上述したように、LED定電流駆動回路を2つ備える、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bと、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314と、についてそれぞれ説明し、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができるとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止することができるという反射率低下等の対策が講じられている点について詳細に説明した。ここでは、反射率低下等の対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成」と記載する。)について、図169乃至図173を参照して詳細に説明する。図169は第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図170は第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図171は図169のD’部又は図170のD’’部におけるLED非実装面から見た拡大図であり、図172は第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図173は図172のD’’’部におけるLED非実装面から見た拡大図である。なお、図169乃至図173では、図167及び図168に示した実施形態(以下、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表した。また、図171には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略するとともに、一部のシルク印刷を省略して示した。また、図173には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略した。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図169(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されている。具体的には、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線LSLK1〜LSLK10で左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10がシルク印刷として黄色で左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ印刷されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第2実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図171に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図171(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図171(a)を参照。)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図171(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図171(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図169(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されている。具体的には、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線HSLK1〜HSLK10で皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10がシルク印刷として黄色で皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ印刷されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第2実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
第2実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号(黄色の文字及び黄色の数字)と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域(黄色の実線)と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されているとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号(黄色の文字及び黄色の数字)と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域(黄色の実線)と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91Aに示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷することにより、LED実装面に形成される白色のレジスト上において、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷することにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成において、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
また、第2実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷される。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図170(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字(図170(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する部品番号として箔抜き文字LED7のみ表した。))として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域(図170(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として箔抜き領域LSLK7のみ表した。))として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。具体的には、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が箔抜き領域LSLK1〜LSLK10として左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ形成されているとともに、これらの箔抜き領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が抜き文字として左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ形成され、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第3実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図171に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図171(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図171(a)を参照。)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図171(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図171(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図170(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。具体的には、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が箔抜き領域HSLK1〜HSLK10として皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ形成されているとともに、これらの箔抜き領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が抜き文字として皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ形成され、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第3実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
第3実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われ、さらに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91Aに示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を箔抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成してLED実装面にベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字とその箔抜き領域とをそれぞれ覆うことにより、フルカラーLEDの配線パターンと、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)と、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)と、が銅箔により形成されることで同一色とするとともに、LED実装面に形成される白色のレジストにより覆われることで、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を箔抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成してLED実装面にベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字とその箔抜き領域とをそれぞれ覆うことにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、LED実装面に対してシルク印刷という工程を省くことができるため、シルク印刷の版代や基板の製造工程数の削減により基板製造コストを下げることができる。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成において、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
また、第3実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成される。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図172(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字(図172(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する部品番号として白色レジスト抜き文字のみ表した。)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域(図172(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLK7のみ表した。)として形成されている。具体的には、まず左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。図172(c)に示す、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLK7には、フルカラーLEDであるhdLED7の第5番ピンの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10としてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10として形成されているとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地(銅箔部分、及び銅箔部分を除く領域、以下同じ。)を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。つまり、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。第4実施形態では、上述したように、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第4実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図173に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号が左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。具体的には、まず左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。図173に示す、定電流駆動回路402baxと対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLKaには、定電流駆動回路402baxの第1番ピンと第36番ピンとの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域LSLKaとしてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図173(a)を参照。)が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、定電流駆動回路402baxと対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLKaとして形成されているとともに、定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1が白色レジスト抜き文字として形成されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成され、この領域の近傍に、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字R1,R2,R3として形成され、図示しない各種分散抵抗等抵抗やコンデンサ等の電子部品と対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成され、この領域の近傍に、コネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地(銅箔部分、及び銅箔部分を除く領域、以下同じ。)を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地を見ると、第1層目の白色のレジストに形成される白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっているとともに、白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図172(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されている。具体的には、まず皿中央上装飾基板314のLED実装面314xは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。例えば、フルカラーLEDであるhLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域HSLK7には、フルカラーLEDであるhLED7の第5番ピンの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10としてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10として形成されているとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。つまり、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。第4実施形態では、上述したように、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第4実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号が皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストに形成される白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっているとともに、白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されており、さらに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91Aに示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成することにより、フルカラーLEDの実装位置を示す白色レジスト抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成することにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、LED実装面及びLED非実装面に対してシルク印刷という工程をそれぞれ省くことができるため、シルク印刷の版代や基板の製造工程数の削減により基板製造コストを下げることに寄与することができる。
なお、第4実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面に実装される図示しない抵抗及びコンデンサ等の電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない白色レジスト抜き領域として形成されるとともに、この領域の近傍に、LED実装面に実装される図示しない抵抗及びコンデンサ等の電子部品やコネクタと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成される。
また、第4実施形態では、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面には、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成されていたが、他の方法を用いて白色レジスト抜き領域と白色レジスト抜き文字とを形成するようにしてもよい。例えば、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面に1回又は複数回だけ白色のレジストをベタ塗りした後に、この白色のレジストが乾燥する前に、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域の版を押し当てることで白色レジスト抜き領域として形成するとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号を示す版を押し当てることで白色レジスト抜き文字として形成するという方法、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面に1回又は複数回だけ白色のレジストをベタ塗りした後に、この白色のレジストが乾燥した後に、レーザ照射により、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域を白色レジスト抜き領域として形成するとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成するという方法を挙げることができる。
なお、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法はほぼ同一であり、図168に示したように、定電流駆動回路402baxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用するとともに、所定個のフルカラーLEDをグループ1とグループ2とに分けて、グループ1とグループ2との間に定電流駆動回路402baxを配置するという構成を採用したが、遊技盤5に備える細長い板状の装飾基板にも適用することができる。遊技盤5に備える細長い板状の装飾基板としては、例えば、遊技盤5の各種演出ユニットに備える装飾基板を挙げることができる。
また、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路は、8個のフルカラーLEDに定電流を流して発光制御を行っていたが、フルカラーLEDに限定されず、白色、赤色、緑色、黄色、橙色、青色、緑色等の単色のLEDであってもよい。単色のLEDを用いることもできる。この場合、1つのLED定電流駆動回路で最大24個の単色のLEDの発光制御を行うことができる。
更に、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED素子のカソード端子には、電源基板630からの直流+12Vが入力されていたが、LED定電流駆動回路の定電流駆動回路に備えるリニア電源(図165に示した、LED定電流駆動回路283aの定電流駆動回路283xに備えるリニア電源283xa)で作成した内部電源Vreg(直流+5V)をリニア電源の電流許容範囲内でLED点灯用の電圧として利用してもよい。例えば、上述した定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対してリニア電源の電流許容範囲内で最大1個の単色のLED(例えば、赤色のLEDを除くLED)を電気的に接続した場合にはその単色のLEDのアノード端子にリニア電源で作成した内部電源Vreg(直流+5V)が入力されるように構成するとともにその単色のLEDのカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して一の出力チャンネルと電気的に接続されるように構成する。また、上述した定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対してリニア電源の電流許容範囲内で最大2個の単色のLED(例えば、赤色のLED)を電気的に直列接続した場合には初段のLEDのアノード端子にリニア電源で作成した内部電源Vreg(直流+5V)が入力されるように構成するとともに最終段のLEDのカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して一の出力チャンネルと電気的に接続されるように構成することができる。このように構成される装飾基板は、扉枠3のほかに、遊技盤5に備える装飾基板においても適用することができる。
また、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED素子のカソード端子には、電源基板630からの直流+12Vが入力されるとともに、定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対して1個のフルカラーLEDを構成するLED素子のカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して電気的に接続されていたが、一の出力チャンネルに対して複数のフルカラーLEDを電気的に直列接続してもよい。この場合、フルカラーLEDの個数としては、2個〜3個となる。なお、一の出力チャンネルに対してさらにフルカラーLEDの個数を増加する必要がある場合には、電源基板630からの直流+12Vに代えて、電源基板630からの直流+35VをLED点灯用の電圧として利用してもよい。このように構成される装飾基板は、扉枠3のほかに、遊技盤5に備える装飾基板においても適用することができる。
更に、上述した実施形態では、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が扉枠トップ装飾体453に配置された状態において装飾基板の上端辺から下端辺までに亘る幅寸法が大きいため、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457の上端辺と下端辺とに平行となるよう配置されているが、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457のうち、いずれか1つの装飾基板、いずれか2つの装飾基板について、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、その装飾基板の上端辺と下端辺とに非平行となるよう配置されていてもよい。そして、扉枠トップ右装飾基板457は、自身に備えるフルカラーLEDに加えて、例えば2個のフルカラーLEDが実装される他の右装飾基板を、自身に備えるLED定電流駆動回路により直接発光制御してもよいし、扉枠トップ左装飾基板456は、自身に備えるフルカラーLEDに加えて、例えば1個のフルカラーLEDが実装される他の左装飾基板を、自身に備えるLED定電流駆動回路により直接発光制御してもよい。
また、上述した実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx及びLED非実装面402by、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x及びLED非実装面314y等の扉枠3に設けられる各装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面及びLED非実装面は、白色のレジストがベタ塗りされていたが、これに代えて、白色のシルク印刷により印刷されていてもよい。この場合、各種装飾基板のLED実装面及びLED非実装面を白色のシルク印刷で全体を印刷した後に、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を、シルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されることとなる。
更に、上述した実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402by、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314y等の扉枠3に設けられる各装飾体に備える各種装飾基板のLED非実装面において、各種装飾基板のLED実装面に実装されるフルカラーLEDと対応する領域をシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷していたが、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
因みに、従来より、電源基板からの電源から供給され、電飾の制御を行うことができる各種基板を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−192989号公報(図8))。ところで、遊技機内は、各種基板に対して電源を伝えるラインや制御信号を伝えるラインが引き回され、そのラインの長さが長くなることにより、各種基板が外来ノイズによる影響を受けて誤動作するおそれがあった。
また、従来より、遊技盤を透視保護板で前後に開口する窓口を覆うように構成される前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−192989号公報(段落[0014]、及び図1))。ところで、遊技盤に形成される遊技領域を大きくすることにより前枠における左右サイドの太さが細くなって左右サイド内に収容する装飾基板も帯板状のものとなる。また、表示装置や可動体を遊技盤に設けることで遊技盤内における表示装置や可動体が占める領域が大きくなることで遊技盤に設ける装飾基板も帯板状のものとなる。ところが、帯板状の装飾基板に発光手段を制御する発光制御手段が設けられる場合には、発光制御手段から発光手段に対する配線を引き出す領域の確保が難しいという問題があった。
また、従来より、演出表示装置の表示画面の前方の下方に待機して配置されるとともに、演出時に動作する可動役物装置を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2015−058064号公報(段落[0040]、図4、図8、及び図9))。可動役物装置内には、意匠面の発光部(レンズ)の裏面に対向する発光手段が実装される装飾基板が取り付けられている。ところが、遊技者にとって遊技と全く関係を持たない装飾基板に実装される発光手段を特定する番号や発光手段の実装位置を示す補助線等が発光部を通して遊技者に視認されるおそれがあった。
また、従来より、発光手段が実装される装飾基板が取り付けられた遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0019]、図5))。このような発光手段による発光演出を用いたバリエーションのある演出を遊技者に提供している。ところが、発光手段の発光を装飾基板の実装面で反射させる場合には、装飾基板に実装される発光手段を特定する番号や発光手段の実装位置を示す補助線等により反射率が低下して装飾基板を明るい発光面とすることが困難であった。
[13.遊技盤に備える各装飾基板]
次に、遊技盤5に備える各装飾基板のうち、特に、磁気式の磁極変化検知回路が実装される装飾基板について、図174を参照して詳細に説明する。図174は磁気式の磁極変化検知回路等を備える装飾基板の一例を示すブロック図である。
まず、遊技盤5に備える各装飾基板のうち、磁気式の磁極変化検知回路が実装される備える装飾基板としては、上述したように、裏ユニット3000の裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の回転位置の待機位置(原位置)を検出する磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311abが実装される裏左上先段装飾基板3311a等がある。
裏左上先段装飾基板3311aは、パネル駆動基板1720を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側シリアル系統である発光データPSDAT1、及びクロック信号PSCLK1がそれぞれ入力されている。また、裏左上先段装飾基板3311aは、パネル駆動基板1720を介して、周辺制御基板1510の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。なお、裏左上先段装飾基板3311aは、図154に示した電源基板630の+12V電源ラインと直接、電気的に接続されて直流+12Vが入力されるように構成してもよし、電源基板630のグランド(GND)ラインと直接、電気的に接続されるように構成してもよい。
裏左上先段装飾基板3311aは、裏左上磁極変化検知回路3311ab、LED定電流駆動回路3311ac、熱分散回路3311ad、8個のフルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)を備えている。
裏左上磁極変化検知回路3311abは、磁極の変化を検知することができるものであり、リニア電源3311aba、ホール素子3311abb、増幅回路3311abc、シュミット回路3311abd、出力電流制限回路3311abe、FET3311abfを主として構成され、オープンドレイン出力として構成されている。
リニア電源3311abaは、+12V電源ラインからの直流+12Vが入力されて裏左上磁極変化検知回路3311ab内で利用する内部電源を作成して供給する回路である。この内部電源は、ホール素子3311abb、増幅回路3311abc、及びシュミット回路3311abdにそれぞれ供給され動作することができるようになっている。リニア電源3311aba、増幅回路3311abc、シュミット回路3311abd、及びFET3311abfのソース端子は、グランド(GND)ラインに接地されている。
ホール素子3311abbは、磁束密度の強弱を検知することができるものであり、この磁束密度の強弱に応じて電圧が変化するアナログ信号を増幅回路3311abcに出力する。増幅回路3311abcは、ホール素子3311abbからのアナログ信号を増幅してシュミット回路3311abdに出力する。シュミット回路3311abdは、増幅回路3311abcで増幅された信号の波形を整えて最終段となるFET3311abfのゲート端子に出力する。FET3311abfは、そのゲート端子に入力されるシュミット回路3311abdからの信号に応じて、そのドレイン端子から検出信号ULORGの論理を出力する。FET3311abfは、オープンドレイン出力として使用しているため、FET3311abfのドレイン端子へのドレイン電流は、出力電流制限回路3311abeにより制限されている。
裏左上磁極変化検知回路3311abは、マグネットがホール素子3311abbに近づきホール素子3311abbの面に対して垂直方向の磁束密度が動作ポイント(Bop)より大きくなると、検出信号ULORGの論理をHIからLOWに切り替え、このマグネットがホール素子3311abbの面から遠ざかり磁束密度が復帰ポイント(Brp)より小さくなると、検出信号ULORGの論理をLOWからHIに切り替える。
なお、裏左上磁極変化検知回路3311abは、そのホール素子3311abbが図145に示した先段装飾部3312の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3312aの軌道真下の位置となるように配置されている。
本実施形態では、裏左上磁極変化検知回路3311abは、1つの半導体チップ上に集積された小型の電子部品であり、そのICパッケージの種類としては、平面形状が長方形状(横の長さ:2.9mm、縦の長さ:1.6mm)を有する表面実装型(SMD、高さ:1.1mm)であり、いわゆるSOTである。裏左上磁極変化検知回路3311abは小型の電子部品であるため、図145に示した基段装飾部3311の右側面に取付けられる先段装飾部3312の裏左上先段装飾基板3311a(つまり、裏左上磁極変化検知回路3311abのICパッケージの表面)と、図145に示した三角錐状の先段装飾部3312の底面となる先段装飾部3312の左面側と、の距離寸法(この距離寸法(クリアランス)として、本実施形態では、約1.5mmを有している。)を小さくすることができる。
また、裏左上可動装飾体3310は、小型の可動装飾体であるため、例えば、フォトカプラ等の大型となる光学式のセンサを用いて可動体である先段装飾部3312を検知するセンサとして配置することが構造的に困難となっている。
そこで、本実施形態では、裏左上磁極変化検知回路3311abを用いることにより可動体である先段装飾部3312の待機位置(原位置)を検知するセンサとして採用している。この磁気式のセンサは、上述した光学式のセンサと比べると、検出にバラツキが大きいものの、本実施形態では、可動体である先段装飾部3312の待機位置(原位置)にバラツキが生じてズレたとしても、このズレが小さく、遊技者に違和感を与える蓋然性が低いものとなっている。
裏左上可動装飾体3310は、上述したように、左右方向へ移動したり、上下方向へ移動したり、先段装飾部3312が回転したりするため、このような裏左上可動装飾体3310の作動中に、裏左上磁極変化検知回路3311abのLED実装面には、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が多方向から入射される場合がある。
このため、裏左上磁極変化検知回路3311abのLED実装面には、上述した光学式のセンサを実装すると、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が外乱光(光害)となって誤検出するおそれがある。
そこで、本実施形態では、このような理由からも、上述した磁気式のセンサを採用している。したがって、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)が発した光による先段装飾部3312の待機位置(原位置)の誤検出を防止することができる。
なお、本実施形態では、上述した各種演出ユニットに備える光学式のセンサは、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が他の部材によって遮られる(又は外乱光(光害)とならない程度まで弱められる)ように構成されているため、その光により誤検出するおそれが全くない。
LED定電流駆動回路3311acは、図165に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であり、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路3311acxと、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路3311acと、から主として構成されている。定電流駆動回路3311acは、図165に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aにおける定電流駆動回路283xと同一の回路であり、周辺制御基板1510からの遊技盤側シリアル系統(発光データPSDAT1、クロック信号PSCLK1)に基づいて、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路3311acは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路3311acの発熱の一部を、熱分散回路3311adで受け持つことにより、定電流駆動回路3311acの発熱を分散することができるようになっている。熱分散回路3311adは、図165に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aにおける熱分散回路283cと同一の回路である。
周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データPSDAT1は、上述した、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2と同一の構成とされている。発光データPSDAT1は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、遊技盤5の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
LED定電流駆動回路3311acは、上述したように、図165に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
なお、裏左上先段装飾基板3311aは、そのLED実装面には、8個のフルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)、及び裏左上磁極変化検知回路3311ab等が実装されている一方、そのLED非実装面にはLED定電流駆動回路3311ac等が実装されている。裏左上先段装飾基板3311aは、上述した、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、及び第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成のうち、いずれかの構成を採用することができる。
なお、上述した実施形態では、裏左上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3311の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装され、裏左上先段装飾基板3311aは、先段装飾部3312の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3311aaが実装されていたが、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよい。
因みに、従来より、遊技盤に設けられる表示装置や装飾装置の演出動作が演出制御装置(制御手段)により制御される遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0071]、図3、及び図22))。ところで、遊技盤には、電磁波ノイズの影響を強く受ける環境下が存在し、遊技盤の構造上、演出制御装置(制御手段)と接続される各種配線のうち電磁波ノイズの影響を受ける環境下を引き回される配線を介して他の配線へ電磁波ノイズが侵入すると、他の配線からの電磁波ノイズの影響を受けて演出制御装置(制御手段)が誤動作するおそれがあった。
また、従来より、遊技盤に可動体を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0067]、図18、及び図19))。この可動体は突設される検出片を有し、この検出片が可動体と別体に設けられる光学式の検出スイッチにより検出されることで可動体の位置を特定している。ところで、可動体に光学式の検出スイッチを設けて可動体の特定位置を検出する場合には、可動体が作動中に、遊技盤に設けられる複数の発光体が発した光によって、この光が外乱光となって光学式の検出スイッチへ入射され、検出スイッチが誤検出するおそれがあった。
[14.間接光と直接光との輝度設定]
ベースパネル板1110、及び表演出ユニット2600における導光板は、その端面から一列に並んで配置された複数のLED(ベースパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130a、導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄用の複数のLED、及び導光板の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄用の複数のLED。以下、「間接光として用いられるLED」と記載する倍がある。)の光が入光されて導光板内面から間接光が照射される。
図23の扉枠3に備える演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、及び扉枠トップユニット450等の扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、遊技盤5に備える各種のLEDであって導光板に利用されない他のLED(以下、「直接光として用いられるLED」と記載する場合がある。)は、直接光として照射される。このため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。遊技者は、遊技盤5や扉枠3に設けられる各種LEDの現状輝度が明るすぎる場合には暗く調整したいし、暗すぎず場合には明るく調整したい。
ところで、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板には各種のLEDが実装されると共に、1つ又は複数のLED定電流駆動回路が実装されている。このLED定電流駆動回路は、上述したように、LEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0(ゼロ)〜階調度127という合計128段階で階調制御することができるものである。
また、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2は、上述したように、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
また、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データPSDAT1は、上述したように、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2と同一の構成とされており、発光データPSDAT1は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、遊技盤5の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
上述した階調情報に指定される階調度は、周辺制御IC1510aが行う後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理における演出操作ユニット監視処理や受信コマンド解析処理におけるランプパレット設定処理において設定される。このランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御IC1510aは、主制御基板1310Xからの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して上述した階調情報を更新して周辺制御IC1510aのRAMにセットすることができるようになっているし、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において(例えば、特定の演出における予め定めた期間内において)、ランプパレット設定処理を実行して周辺制御IC1510aのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、デモンストレーションや演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値〜第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調整を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
因みに、従来より、遊技盤に設けられる演出部材に発光手段を備えて発光手段の光を直接光として用いて発光装飾を行うことができる遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0021]、図2、及び図5))。ところが、演出部材に設けられる発光手段の光を間接光として利用する場合には、演出部材に設けられる発光手段の光を直接光として利用する場合と比べて暗くなるため、間接光に用いられる発光手段と直接光として用いられる発光手段との輝度調整が難しいという問題があった。
[15.遊技内容]
以上のパチンコ機1による遊技内容について、図131、図132を参照して説明する。上記のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作して打力調節の入力を行うことで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、発射レール544と遊技盤5における外レール1001と内レール1002とによる発射通路部1012を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター部材2500の左側である第1遊技領域5a1か、或いは、連絡通路部5a4を通ってセンター部材2500の右側である第2遊技領域5a2か、の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
遊技領域5aの第1〜第3遊技領域5a1,5a2,5a3には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘2007が遊技パネル1100(ベースパネル1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘2007に当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘2007の他に、遊技球Bの当接により回転する風車2008が適宜位置に備えられている。
[15−1.第1遊技領域への打ち込み]
センター部材2500の上部へ所定の発射力(遊技球Bが、内レール1002の上端を飛び越え且つ連絡通路部5a4に至らない強さの発射力)で発射された遊技球Bは、センター部材2500の囲い枠832の段部832aより左側を転がって、複数の障害釘2007に当接しながら第1遊技領域5a1から第3遊技領域5a3を流下することとなる。そして、第1遊技領域5a1を流下する遊技球Bが、センター部材2500の囲い枠832の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ棚2503に供給される。
ステージ棚2503に供給された遊技球Bは、ステージ棚2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央の頂部、又は、頂部の左右両側の谷部、の何れかから前方へ放出される。ステージ棚2503の中央の頂部から遊技球Bが第3遊技領域5a3内に放出されると、その頂部が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310X及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
ステージ棚2503を転動している遊技球Bが、頂部の左右両側の谷部から第3遊技領域5a3内に放出されると、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター部材2500のステージ棚2503から第3遊技領域5a3内に放出された遊技球Bは、第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。
また、第1遊技領域5a1を流下する遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドユニット2200により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310X及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
[15−2.第一始動口への入賞、特別抽選結果の抽選]
本形態のパチンコ機1は、第一始動口2002(第二始動口2004も同じ。)に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310Xにおいて、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005への遊技球Bの入球には、第2遊技領域5a2への遊技球Bの打ち込みが必須であり、したがってこの段階で第2遊技領域5a2への打ち込み(いわゆる「右打ち」)が音声によるアナウンス又は画像等により案内されるが、本形態ではどちらの放出部848a,848bを狙って右打ちすべきかが、例えば「右打ちの左ルート」や「右打ちの右ルート」というように具体的に案内される。遊技球Bが、どの放出部848a,848bから第2遊技領域5a2に放出されるかによって前記第1受入口2006と第2受入口への入球確率が異なるからである。なお、第2遊技領域5a2への打ち込みについては後述する。
大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310X及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、それぞれ繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、それぞれ4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310Xによって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるようにそれぞれの絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び表演出ユニット2600や裏演出ユニット3100等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
[15−3.第2遊技領域への打ち込み(右打ち)]
センター部材2500の上部へ所定の発射力より強い特定の発射力(第1遊技領域5a1を飛び越える強さの発射力)で発射された遊技球Bは、囲い枠832の段部832aのテーパ付きコーナー部832bより奥の上面に乗るか或は遠心力で外レール1001の内面に接しつつ転がって連絡通路部5a4の奥に移動する。遊技球Bが、囲い枠832の段部832aのテーパ付きコーナー部832bより奥の上面に乗った場合は、そのままセンター部材2500の囲い枠832の上面を転がって放出部848bの開口部848bHに入り、或は外レール1001の内面に接しつつ転がっていた遊技球Bが失速して放出部848bの開口部848bHの手前で落下した場合もそのままセンター部材2500の囲い枠832の上面を転がって放出部848bの開口部848bHに入る。放出部848bの開口部848bHに入った遊技球Bは、図132のように、放出部848bの中を下って第2遊技領域5a2の左側の箇所5a2bに放出される。この左側の箇所5a2bに放出された遊技球Bは、上記のように第1受入口2006に入る入球確率は小さく、第2受入口に入る入球確率やゲート部2003を通る確率が大きくなるように設定されており、大入賞口2005への入賞も比較的容易である。
一方、遠心力で外レール1001の内面に接しつつ転がって衝止部1006に衝突した遊技球Bは、その殆どが放出部848aの開口部848aHに入る。放出部848aの開口部848aHに入った遊技球Bは、図132に示すように、放出部848aの中を下って第2遊技領域5a2の右側の箇所5a2aに放出される。この右側の箇所5a2aに放出された遊技球Bは、上記のように第1受入口2006に入る入球確率が第2受入口に入る入球確率やゲート部2003を通る確率より大きくなるように設定されており、早い段階で第1受入口2006に入ってアウト球と同様に処理され得る。
したがって図131、図132のゲージ構成では、ハンドル182を最強レベルより若干弱く調節して、遊技球Bが連絡通路部5a4から放出部848bに入るように努力し、そうして第2遊技領域5a2の左側の箇所5a2bを経て大入賞口2005へ効率的且つ安全に到達できるようにする。
なお、右打した遊技球Bが、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310Xにおいて普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310X及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
本形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。この普通変動時間が短いほど、ゲート部2003において「普通当り」を抽選した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられるようになる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
[16.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図151に示した主制御基板1310Xが行う各種制御処理について、図175〜図180を参照して説明する。図175は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図176は図175の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図177は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図178は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図179は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートであり、図180はエラー表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、設定値確認表示処理、エラー表示処理について説明する。
[16−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御基板1310XのRAMクリアスイッチ1310fが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図14に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲートユニット2300のゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[16−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPU1310aによる制御の下、図175及び図176に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS14)。この判定では、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作する者は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPU1310aは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPU1310aは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定スイッチ1311aが設定キーONされ、設定スイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。主制御MPU1310aは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定する。
ステップS18の判定において、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定変更許可フラグCS−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定変更許可フラグCS−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPU1310aは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPU1310aがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPU1310aがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、設定変更許可フラグCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS25)。設定変更許可フラグCS−FLGは、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS25の判定において、主制御MPU1310aは、設定変更許可フラグCS−FLGが値0とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可しないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、上述したように、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり各種情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、主制御MPU1310aは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPU1310aは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310Xの製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310Xが電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作したのちに、パチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPU1310aは、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS−FLGが値1であるとして、つまり設定値の設定変更を行うことを許可すると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPU1310aは、上述したステップS14の判定において、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値1であるとして、つまり各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RAMクリアスイッチ1310fによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310Xに照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPU1310aは、設定変更許可フラグCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作から第2のON操作されたことで設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPU1310aは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPU1310aは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPU1310aは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36又はステップS40に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPU1310aは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPU1310aは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPU1310aは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから主制御MPU1310aに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPU1310aは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、ベースモニタ1310h等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPU1310aは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPU1310aは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPU1310aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPU1310aは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPU1310aは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS28で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、設定変更許可フラグCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値の設定変更を行うことを許可するときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPU1310aが設定変更処理を行った場合)には、主制御MPU1310aが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、(結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2〜3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、図161に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時にRAMクリアスイッチ1310fが遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310Xを起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310Xがアタッカソレノイド2405を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310Xは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310Xからの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310Xが遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310Xが周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310Xは、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310Xから周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310Xが大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310Xから周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310Xが始動口ソレノイド2404を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310Xは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310Xからの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310Xが遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310Xが電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310Xの復帰先として、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310Xの復帰先として、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310X側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310Xの製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310Xが電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310Xが電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310Xの主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310Xが電源投入されると、主制御基板1310Xから最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、RAMクリアスイッチ1310fが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310X)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310Xを製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310Xが混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310Xを製造するために主制御基板1310Xが製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310Xを製造するために主制御基板1310Xが製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310Xを製造するために主制御基板1310Xが製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310Xを製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310Xが混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310Xがどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310Xを製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310Xが混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310Xが混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310Xを取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310Xを遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310Xが電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310Xを電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310Xがどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310Xを製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310Xが混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310Xの機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310Xごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310Xを遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310Xを遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[16−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図175及び図176に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図177に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPU1310aは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402が点灯する時間のほかに、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。なお、減算結果が値0となったものについては、次回の本ルーチンが行われてもタイマ減算処理でこれ以上の減算を行わない。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPU1310aは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPU1310aは、例えば、ゲートセンサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、第1受入口センサ2406からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定スイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号、アウト口左センサ1008aからの検出信号、アウト口右センサ1008bからの検出信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3002からの検出信号からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、ゲートセンサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、第1受入口センサ2406からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定スイッチ1311aからの信号、設定切替ボタン1311bからの信号、アウト口左センサ1008aからの検出信号、アウト口右センサ1008bからの検出信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPU1310aは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPU1310aは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPU1310aの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPU1310aは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図176に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図176に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPU1310aは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウト口左センサ1008aからの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口左センサ1008aが検出した場合にはアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行うとともに、アウト口右センサ1008bからの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口右センサ1008bが検出した場合には、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。つまり、球数計数処理では、アウト口左センサ1008aがアウト口1008により回収された遊技球を検出し、かつ、アウト口右センサ1008bがアウト口1008により回収された遊技球を検出した場合には、回収球カウンタの値に値2を加算する演算を行う。主制御MPU1310aは、演算結果である回収球カウンタの値を、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)として、主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPU1310aは、演算結果である回収球カウンタの値が最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPU1310aは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310Xと払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310Xと払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPU1310aは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPU1310aは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、第一始動口センサ主側3002aからの検出信号の論理と第一始動口センサ従側3002bからの検出信号の論理とを比較し、両者の論理が異なる場合には、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為(以下、「電波照射ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、電波照射ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この電波ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ここで、電波照射ゴトについて簡単に説明すると、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、第一始動口2002へ侵入させるとともに、第一始動口センサを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサの球通過検知領域)に、その遊技球を停留させた状態で電波照射を行う。これにより、第一始動口センサの球通過検知領域に遊技球が停留された状態において、電波照射が行われると(つまり、電波照射ONすると)、第一始動口センサからの検出信号の論理が遊技球を検知していないという論理となる一方、電波照射が行われなくなると(つまり、電波照射OFFすると)、第一始動口センサからの検出信号の論理が遊技球を検知したという論理となる。つまり、第一始動口センサの球通過検知領域に遊技球が停留された状態において、電波照射ONしたり、電波照射OFFしたり、することを繰り返すことによって、第一始動口センサの球通過検知領域に複数の遊技球が通過したという信号を、擬似的に作成して第一始動口センサから主制御基板4100へ出力することができることとなる。
そこで、本実施形態では、このような電波照射ゴトを発見することができるように、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとを誤検出防止距離寸法よりも大きい寸法距離(本実施形態では、43mm)だけ離間して配置した。これにより、仮に、柔軟な紐状の操作線を取付けた不正球を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、第一始動口2002へ侵入させて、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサ主側3002aの球通過検知領域)、又は第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサ従側3002bの球通過検知領域)に、停留させた状態を形成することができたとしても、不正行為を行う遊技者が電波照射ONしたり、電波照射OFFしたり、することを繰り返すことによって、第一始動口センサ主側3002aからの検出信号の論理と、第一始動口センサ主側3002bからの検出信号の論理と、が必ず異なる論理とすることができ、電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶することができるようになっている。本実施形態では、このような仕組みによって電波照射ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ3003からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。本実施形態では、このような仕組みによって磁石ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、電波照射ゴト及び/又は、磁石ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする一方、電波照射ゴト及び磁石ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD−FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPU1310aは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPU1310aは、上述した不正行為検出フラグFD−FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD−FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号が入力されて本体枠4に対して扉枠3が開放されていると扉枠開放スイッチ4aが検出した場合、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号が入力されて外枠2に対して本体枠4が開放されていると本体枠開放スイッチ4bが検出した場合には、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
ステップS113に続いて、主制御MPU1310aは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。なお、主制御MPU1310aは、大当り遊技状態を発生せないときには、その詳細な説明を省略するが、その主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている小当り判定値と、が一致するか否かを判定(小当り遊技状態を発生させるか否かを判定)し、一致しているときには小当り遊技状態を発生させる一方、一致していないときには小当り遊技状態を発生させずにリーチを伴うはずれとするか否かを判定し、リーチを伴うはずれとしたり、リーチを伴わないはずれとしたりする。
ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)と比べて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ3002によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2402によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2405への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器1408の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器1408の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器1401への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPU1310aは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2401からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2401からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器1403を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器1403の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2404への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、主制御MPU1310aは、設定値確認表示処理を行う(ステップS117)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定スイッチ1311aが設定キーONされ、設定スイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。設定値確認表示処理では、設定値表示許可条件が成立しているときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する一方、設定値表示許可条件が成立しているときには、そのまま終了し、本ルーチンへ戻る。
ステップS117に続いて、主制御MPU1310aは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPU1310aは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2405に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2404に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)を表示するベースモニタ1310hに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPU1310aは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド、その他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310Xが遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定キーのON操作コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が直流+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、受信した球回収コマンドごとに、アウト口1008で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310Xは、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310Xによる遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2404やアタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310Xは、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図175に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xからの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310Xによる遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310Xによる遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310Xの製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310Xが電源投入されると、上述したように、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図176に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310Xから受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16−4.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図178に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPU1310aは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPU1310aは、算出したチェックサムの値(サム値)が図176に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPU1310aは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK−FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可ランプ1311cに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1311cを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPU1310aは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPU1310aは、設定切替ボタン1311bが操作されているか否かを判定する(ステップS216)。この判定は、設定切替ボタン1311bからの検出信号を読み取り、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPU1310aは、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されているときには設定切替ボタン1311bが操作されていると判定する一方、設定切替ボタン1311bからの検出信号が入力されていないときには設定切替ボタン1311bが操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタン1311bが操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタン1311bが操作されていないと判定したときには、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されたか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPU1310aは、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から反時計方向へ向かって設定キーシリンダが120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作し、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することによりことで設定スイッチ1311aが決定キーONされ、設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号に基づいて行い、設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されているときには決定キーが操作されたと判定する一方、設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号が入力されていないときには決定キーが操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定切替ボタン1311bが操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPU1310aは、設定切替ボタン1311bが操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、決定キーが操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、決定キーが操作されるまで、設定切替ボタン1311bが操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、設定切替ボタン1311bが操作されないと、直前に設定切替ボタン1311bが操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で決定キーが操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPU1310aは、決定キーが操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPU1310aは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS226)。この判定では、主制御MPU1310aは、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定スイッチ1311aがOFFされ、設定スイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定スイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定スイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS226の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS226の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS226の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS226の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可ランプ1311cへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1311cを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPU1310aは、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定変更許可フラグCS−FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)の設定変更を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[16−5.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS117において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図179に示すように、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS350)。この確認表示フラグDCS−FLGは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認するためのフラグであり、設定値を確認表示しているとき値1、設定値を確認表示していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS350の判定において、主制御MPU1310aは、確認表示フラグDCS−FLGが値0であるとき、つまり設定値を確認表示していないときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS352)。この判定では、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定スイッチ1311aが設定キーONされ、設定スイッチ1311aからの設定キーONの信号と、により、外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する一方、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定スイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定する。
ステップS352の判定において、主制御MPU1310aは、予め定めた設定値表示許可条件が成立していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値を確認表示するとして確認表示フラグDCS−FLGに値1をセットし(ステップS354)、続いて、現状の設置値を取得する(ステップS356)。ここでは、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS356に続いて、主制御MPU1310aは、ステップS356で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS357)。「正常範囲」とは、図178の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS356で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1〜設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲であると判定したときにはステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS358)。
ステップS360に続いて、主制御MPU1310aは、設定キーのON操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのON操作コマンドの設定を行い(ステップS360)、本ルーチンを終了する。この設定キーのON操作コマンドは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのON操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が開始された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定キーのON操作履歴情報(設定値を確認した旨と日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのON操作コマンドを受信すると、上述した、球回収履歴情報、設定値履歴情報、エラー表示履歴情報、及び設定キーのON操作履歴情報等の特定履歴情報を表示許可することができるという予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態となる。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、この予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態において特定履歴情報を確認する者が回転操作部302の回転操作及び押圧操作部303の押圧操作を行うことにより、これまで表示していた画像から特定履歴情報を選択表示する特定履歴情報表示画像へ切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行う。
一方、ステップS350の判定において、主制御MPU1310aは、確認表示フラグDCS−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり設定値を確認表示しているときには、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS362)。この判定では、主制御MPU1310aは、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定スイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定スイッチ1311aがOFFされ、設定スイッチ1311aからのOFFの信号により行い、設定スイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定スイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS362の判定において、主制御MPU1310aは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、設定値を確認表示しないとして確認表示フラグDCS−FLGに値0をセットし(ステップS364)、続いて、ステップS356で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とし(ステップS366)、続いて、設定キーのOFF操作コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、設定キーのOFF操作コマンドの設定を行い(ステップS368)、本ルーチンを終了する。この設定キーのOFF操作コマンドは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において送信されるようになっている。設定キーのOFF操作コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
なお、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、設定キーのOFF操作コマンドを受信すると、上述した予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立しない状態となる。このとき、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、上述した特定履歴情報表示画像を演出表示装置1600の表示領域に表示する制御を行っていた場合には、特定履歴情報表示画像に切り替える直前まで演出表示装置1600の表示領域に表示されていた画像へ切り替えて元へ戻す制御を行う。
一方、ステップS357の判定において、主制御MPU1310aは、正常範囲でないと判定したときには割り込み非許可設定を行う(ステップS370)。この設定により、4msごとに繰り返し行われていた図177に示した主制御側タイマ割り込み処理が停止されることとなる。
ステップS370に続いて、主制御MPU1310aは、エラー表示処理を行い(ステップS372)、続いて、主制御内蔵WDTのクリアを行い続ける無限ループに入る(ステップS374)。この無限ループにより、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることとなるが、これは、主制御内蔵WDTを一度起動すると停止することができないため、主制御内蔵WDTのクリアを行い続けることにより、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることで主制御内蔵WDTによる計時がクリアされ、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。また、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[16−6.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図178に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図180に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図178に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPU1310aは、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理又は図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図178に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)として開始されると、主制御MPU1310aは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
本ルーチンであるエラー表示処理が図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPU1310aは、図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS357の判定において主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定している。主制御MPU1310aは、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定をすでに行っているものの、本ルーチンであるエラー表示処理が開始される前にすでに図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS370において割り込み非許可設定が行われているため、本ルーチンであるエラー表示処理を終了すると、上述したように、無限ループに入るため、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理として開始されると、主制御MPU1310aは、ステップS400において、主制御内蔵RAMの内容に異常がある状態で遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPU1310aは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400のの各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPU1310aは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図178に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図176に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図178に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図175に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図178に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図179に示した設定値確認表示処理におけるステップS372において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUは、エラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知として、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、図147に示した周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dが操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aのCPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[17.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図151に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図181〜図184を参照して説明する。図181は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図182は図181の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図183は図182に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図184は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[17−1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU633aaによる制御の下、図181〜図183に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU633aaは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU633aaの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPU633aaは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU633aaの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPU633aaは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310Xの停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310Xの停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310Xの停電監視回路1310eからの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPU633aaは、主制御基板1310XのRAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号の論理に基づいて、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPU633aaは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPU633aaは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPU633aaは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU633aaの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPU633aaは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPU633aaは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPU633aaは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPU633aaは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPU633aaに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPU633aaは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPU633aaは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPU633aaは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310Xの停電監視回路1310eから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPU633aaは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPU633aaは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPU633aaは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU633aaの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310Xからの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器633cに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310Xからの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310Xに出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器633cに表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPU633aaは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU633aaの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RAMクリアスイッチ1310fの操作信号(RAMクリア信号)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310Xが正常に受信した旨を伝える主制御基板1310Xからの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPU633aaは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPU633aaは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPU633aaは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU633aaは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPU633aaは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310Xからの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310Xと払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPU633aaは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPU633aaは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器633cに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310Xに送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310Xに送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310Xによる遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU633aaの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU633aaは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310Xからの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310Xに出力している。これにより、払出制御MPU633aaは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPU633aaは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPU633aaは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPU633aaは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPU633aaは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPU633aaは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU633aaにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU633aa)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[17−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図181〜図183に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPU633aaは、図184に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPU633aaは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[18.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図151に示した、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図185〜図189を参照して説明する。図185は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図186は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図187は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図188は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図189は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[18−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図185を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUによる制御の下、図185に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御IC1510a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御IC1510aのCPUは、まず周辺制御IC1510a自身を初期化する処理を行うが、周辺制御IC1510aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御IC1510aを初期化することができる。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310Xから出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御IC1510aのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御IC1510aのCPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御IC1510aのCPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御IC1510aのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御IC1510aのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御IC1510aのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御IC1510aのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ステップS1014に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御IC1510aのVDPが周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいてSDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して周辺制御IC1510aのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御IC1510aのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出を優先することができる仕組みとなっている。また、この表示データ出力処理では、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、扉枠3に設けられる各種装飾基板や遊技盤5に設けられる各種装飾基板(パネル駆動基板1720も含む。)に出力する。
ステップS1016に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御IC1510aの音源が周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいてSDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御IC1510aのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御IC1510aの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310Xから送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行う。主制御基板1310Xからの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御IC1510aのCPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御IC1510aは、主制御基板1310Xからの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御IC1510aのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310Xからのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310Xからの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド、その他に区分される各種コマンド、及び特定履歴に区分される各種コマンドがある。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、この受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行って、特定履歴に区分される各種コマンドが含まれているときには、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに特定履歴情報を更新する。具体的には、周辺制御IC1510aのCPUは、この受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドを解析し、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドが含まれていたときには上述した球回収情報を更新して球回収履歴情報を図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに格納したり、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンドが含まれていたときには上述した設定値履歴情報を更新して図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに格納したり、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンドが含まれていたときには上述したエラー表示履歴情報を更新して図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに格納したり、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定キーのON操作コマンドが含まれていたときには上述した設定キーのON操作履歴情報を更新して図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに格納したりする。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、この受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドを解析して設定キーのON操作コマンドが含まれていたときには、上述した、球回収履歴情報、設定値履歴情報、エラー表示履歴情報、及び設定キーのON操作履歴情報等の特定履歴情報を表示許可することができるという予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態となる。周辺制御IC1510aのCPUは、この予め定めた特定履歴情報表示許可条件が成立する状態において、ステップS1014の演出操作ユニット監視処理で特定履歴情報を確認する者が回転操作部302の回転操作及び押圧操作部303の押圧操作を行っているか否かを監視して、操作されている場合には、これまで表示していた画像から特定履歴情報を選択表示する特定履歴情報表示画像へ切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示するための画面生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aのCPUは、この受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドを解析して設定キーのOFF操作コマンドが含まれていたときには、特定履歴情報表示画像を演出表示装置1600の表示領域に表示していた場合には、特定履歴情報表示画像に切り替える直前まで演出表示装置1600の表示領域に表示されていた画像の画面生成用スケジュールデータへ切り替えて元へ戻す。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、この受信コマンド解析処理において、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドを解析してエラー表示コマンドが含まれていたときには、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「エラーが発生しました。」という白色の文字のメッセージ画像を表示するための画面生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットするとともに、「エラーが発生しました」というアナウンスを最大音量に設定して各種スピーカから流すための音生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。
ステップS1022に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御IC1510aのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御IC1510aのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのVDPに出力する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUから音指令データが入力されると、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチ1510dからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチ1510dのスライド位置を特定している。周辺制御IC1510aのCPUは、音量調整スイッチ1510dのスライド位置と対応する音量となるように、周辺制御IC1510aの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチ1510dのスライド操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御IC1510aのCPUが周辺制御IC1510aの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチ1510dをスライド操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、音量調整スイッチ1510dのスライド操作に基づく音量調整により設定されている現在の音量に基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて演出表示装置1600で繰り広げられている画面(画像)をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されている内容を周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAM1510c1,1510c2に記憶されている内容をSDRAM1510c1,1510c2に設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから周辺制御IC1510aのCPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[18−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図186に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図185の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図185の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図185の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図185の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図185の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図185の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[18−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図185の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図187に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図185の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンターである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図185の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御IC1510aのCPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されている内容を周辺制御IC1510aのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAM1510c1,1510c2に記憶されている内容をSDRAM1510c1,1510c2に設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御IC1510aのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAM1510c1,1510c2に設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAM1510c1,1510c2に設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図185の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御IC1510aが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[18−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310Xからの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310Xからの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御IC1510aのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図188に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310Xから送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310Xから送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御IC1510aのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310Xからの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310Xからの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310Xと周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御IC1510aのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310Xから送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[18−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310Xの停電監視回路1310eからの停電予告信号が主制御基板1310Xから入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御IC1510aのCPUは、図189に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御IC1510aのCPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310Xが送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御IC1510aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御IC1510aのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからない。なお、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかると、図185に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[19.技術的手段、作用効果など]
なお、上記形態には以下に記載したように、特開2012−29741号を先行特許文献とする背景技術並びに解決課題に対する多くの技術的手段が含まれている。
[背景技術]
パチンコ機等の遊技機は、遊技が行われる遊技領域を有している遊技盤と、遊技盤の前面側を閉鎖しており、前方から遊技領域を視認可能としている扉窓を有した扉枠と、を備えており、扉窓を通して見える遊技領域内において、遊技を行うことにより、遊技者を楽しませられるようにしている。
この種の遊技機として、遊技を行うための遊技媒体を貯留するための貯留皿を備えており扉枠の前面における扉窓の下方から前方へ膨出している膨出部と、膨出部の上面に取付けられている装飾体と、を備えたものが提案されている(例えば、先行特許文献)。この先行特許文献の技術によれば、装飾体によって膨出部の上面の見栄えを良くすることができる。
しかしながら、先行特許文献の技術では、装飾体が膨出部の上面に備えられていることから、前方や側方から遊技機を見た時に、装飾体が見え辛くなるため、遊技機全体における装飾体による装飾効果が弱く、遊技者に対する訴求力が不十分であった。また、遊技者が膨出部の上面に手をのせたり貯留皿に手を掛けたりすると、遊技者の手によって装飾体の一部が隠されてしまうことで、例えば、装飾体を発光装飾させた時に、遊技者が発光装飾に気付き難くなり、遊技者によっては発光装飾に気付かなかったことにより損した気分になって遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
[解決課題]
上記の実情に鑑み、遊技者に対する訴求力が高く、発光装飾により遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供する。
[課題を解決するための技術的手段]
手段1:遊技機において、
「遊技が行われる遊技領域を有している遊技盤と、
該遊技盤を前方から着脱可能に保持している本体枠と、
該本体枠の前面側を開閉可能に閉鎖しており、前方から前記遊技領域を視認可能としている扉窓を有している扉枠ベースと、
前記扉枠ベースの前面における前記扉窓よりも下側の部位から前方へ膨出しており、前記遊技領域内において遊技を行うための遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部と、
該膨出部に取付けられており、前記貯留皿の前端よりも前方で、前記扉枠ベースの前面から前方へ該扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の距離まで前端が突出している装飾体と、
該装飾体を前記遊技領域内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて発光装飾させる装飾体発光手段と、を具備している」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技」としては、「遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別抽選が行われる特定の受入口を狙って遊技媒体を打込み、特定の受入口への遊技媒体の受入れにより有利遊技状態が発生する特別抽選結果が抽選されると、遊技媒体の受入れにより所定数の遊技媒体を払出す特定の受入口が開放されるため、特定の受入口を狙って遊技媒体を打込む遊技」、「遊技媒体の払出しを含む特典が付与される受入口を狙って遊技媒体を打込む遊技」、「遊技媒体を投入した上で、それぞれに複数の図柄が備えられた複数の回胴体を回転させた後に、遊技媒体の払出しを含む特典が付与される図柄の組合せとなるようにそれぞれの回胴体の回転を停止させる遊技」、等が挙げられる。上記の「遊技媒体」としては、「球形状のもの(遊技球)」、「円盤状のもの(メダル)」、等が挙げられる。
また、遊技が行われる「遊技領域」としては、「遊技者の操作によって遊技媒体が打込まれ、遊技媒体の受入れに応じて遊技媒体の払出しを含む特典が付与される複数の受入口を有している領域」、「それぞれに複数の図柄が備えられており、遊技媒体の投入を契機として遊技者の始動操作によりそれぞれが回転させられると共に、遊技者の停止操作により停止した図柄の組合せに応じて遊技媒体の払出しを含む特典が付与される複数の回胴体が配置されている領域」、等が挙げられる。
また、「本体枠」としては、「遊技機が設置される遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠に対して、開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるもの」、「遊技機が設置される遊技ホールの島設備に直接取付けられるもの」、「遊技を行うための遊技媒体の払出装置を備えているもの」、等が挙げられる。
更に、「膨出部」としては、貯留皿の他に、「遊技を行うために遊技者が操作する操作部を備えているもの」、「遊技を行うための遊技媒体を貯留する貯留皿を備えているもの」、「遊技者参加型演出が実行された時に遊技者の操作が受付可能となる演出操作部を備えているもの」、「遊技を行うための遊技媒体を貸出す貸出操作部を備えているもの」、等が挙げられる。
また、「貯留皿」としては、「上下に離間して複数備えられているもの」、「一つのみ備えられているもの」、等が挙げられる。
更に、「装飾体」としては、「遊技機のコンセプトに沿った所定のアイテムを模したもの」、「遊技機のコンセプトに沿った所定のキャラクタを模したもの」、「遊技機のコンセプトに沿った所定の情景を模したもの」、等が挙げられる。扉枠ベースの前面から装飾体の前端までの距離を、扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の範囲内としている理由は、全幅の1/3よりも距離が短いと、前方への突出量が従来の遊技機と同じ程度となり遊技者に対する訴求力を十分に高めることができないためであり、全幅の2/3よりも距離が長いと、装飾体が前方へ突出しすぎることで遊技者の邪魔になり、遊技する遊技機として選択され難くなる虞があるためである。
また、「遊技状態に応じて」としては、「遊技領域内に配置された受入口(例えば、一般入賞口、始動口、大入賞口、役物入賞口、V入賞口、等)への遊技媒体の受入れに応じて」、「遊技領域内を流通する遊技媒体が特定領域(例えば、ゲート、ワープ通路、ステージ棚、等)を通過したことに応じて」、「遊技領域内に配置された受入口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別抽選結果に応じて」、「遊技領域内に配置された受入口(例えば、始動口)への遊技媒体の受入れにより抽選された特別抽選結果を示唆するための演出の種類(例えば、リーチ演出、大当り演出、ハズレ演出、等)に応じて」、「遊技媒体の投入を契機としてそれぞれに複数の図柄が備えられた複数の回胴体の回転に応じて」、「遊技媒体の投入を契機としてそれぞれに複数の図柄が備えられた複数の回胴体を回転させた後に順次停止させ、停止した回胴体の図柄の組合せに応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込量に応じて」、「遊技領域内へ打込まれる遊技媒体の打込ブランクの長さに応じて」、等が挙げられる。
また、「装飾体発光手段」としては、「フルカラーLED」、「単色LED」、「高輝度LED」、「有機EL」、「白熱球」、「ネオン球」、「冷陰極管」、等が挙げられる。
手段1の構成によると、遊技機に、遊技が行われる遊技領域を有している遊技盤と、遊技盤を前方から着脱可能に保持している本体枠と、本体枠の前面側を開閉可能に閉鎖しており、前方から遊技領域を視認可能としている扉窓を有している扉枠ベースと、扉枠ベースの前面における扉窓よりも下側の部位から前方へ膨出しており、遊技領域内において遊技を行うための遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部と、膨出部に取付けられており、貯留皿の前端よりも前方で、扉枠ベースの前面から前方へ扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の距離まで前端が突出している装飾体と、装飾体を遊技領域内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて発光装飾させる装飾体発光手段と、を備えるようにしたものである。
これにより、本体枠を開閉可能に閉鎖している扉枠ベースの前面における扉窓よりも下側の部位に、遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部が前方へ膨出していると共に、膨出部に、扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の長さで前端が扉枠ベースの前面から前方へ突出している装飾体を備えている。これにより、本遊技機を遊技ホールの島設備に取付けると、遊技領域内を視認可能な扉窓の下方において、装飾体が前方へ大きく突出しているため、他の遊技機よりも装飾体を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、扉枠の下方において、装飾体の前端を前方へ大きく突出させているため、貯留皿の前端から装飾体を前方へ遠ざけることができると共に、装飾体の左右方向の長さを従来よりも長くすることができる。従って、遊技者が膨出部の上面に手を置いたり貯留皿に手を掛けたりしても、装飾体の全体に対して、遊技者の手によって隠される部位を少なくすることができるため、装飾体発光手段により発光装飾させた時に、遊技者に対して装飾体の発光装飾に気付かせ易くすることができ、遊技者が損した気分になるのを回避させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉窓の下方において、装飾体を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が本遊技機の前方に着座すると、装飾体の前端が遊技者に対して可及的に接近した状態となるため、遊技状態に応じて装飾体発光手段により装飾体を発光装飾させると、その光が下方から遊技者を照射することとなり、装飾体の発光装飾によって遊技者の視線を装飾体へ向けさせることができると共に、遊技者の視線を下方の装飾体に向けさせることで、前方に備えられている遊技領域内を遊技者の視界から遠ざけて、遊技領域内を視認させ難くすることができる。従って、遊技領域内において、例えば、演出画像の場面が変化する時、可動体が可動する時、可変入賞口(第二始動口、大入賞口、役物入賞口、等)が開閉動作する時、等の際に、装飾体発光手段により装飾体を発光装飾させることで、遊技者を遊技領域の下方にある装飾体に注目させ、その後、遊技者が視線を遊技領域内に戻した時に、演出画像や可動体等が変化していることで、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上述したように、遊技状態に応じて装飾体を発光装飾させることで注目させて、その隙に遊技領域内での演出を変化させることで遊技者を驚かせることができるため、装飾体の発光装飾によって遊技者にチャンスの到来(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態(「大当り遊技」)の発生)を示唆することができる。これにより、装飾体の発光装飾に対してプレミアム感を付与することができるため、装飾体が発光装飾するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が装飾体の全体を見ようとすると、遊技機から遠ざかって見ることとなるため、遊技領域を含む遊技機全体が見易くなる。これにより、遊技者に対してワンテンポ置いたような気分にさせることができ、遊技者をリラックスさせて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、装飾体を、滑らかに湾曲させて前方へ突出させるようにしても良い。これにより、前方へ大きく突出している装飾体が、滑らかに湾曲しているため、遊技者と接触しても、遊技者を傷付ける虞はない。従って、遊技者が装飾体を一見しただけで、装飾体が怪我の原因となるような危険なものではないことを認識することができるため、遊技する遊技機として安心して本遊技機を選択させることができ、本遊技機での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体を、膨出部の左右方向中央に取付けることが望ましい。これにより、装飾体の存在感を際立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、前方へ突出している装飾体を左右方向中央に取付けた場合、遊技者の両手を前方へ伸ばし易くすることができるため、遊技領域内へ遊技媒体を打込むための操作部(ハンドル)の操作や、貯留皿内に貯留されている遊技媒体の取扱い等を行い易くすることができ、遊技者にストレスを与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体に、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第一装飾部を備えるようにしても良い。これにより、装飾体の第一装飾部を、円筒チューブ状のドーナツの半分が前方へ突出しているような形態としているため、遊技者に対して滑らかで柔らかな印象を与えることが可能となり、遊技者に対して落ち着いた気分で遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が一見しただけで接触しても怪我のし難い安全なものであることを認識させることができ、遊技者を安心させることで遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、装飾体に、半ドーナツ状の第一装飾部を備えるようにした場合、遊技状態に応じて装飾体発光手段により第一装飾部の全体を発光装飾させると、円環状の蛍光灯のような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、発光装飾させる際に、例えば、一方から光が流れるように発光装飾させると、ドーナツの内部を光が移動して回転しているような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、装飾体に、半ドーナツ状の第一装飾部を備えるようにした場合、前端が第一装飾部よりも後方に位置するように第一装飾部の下方に配置し、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第二装飾部を、更に備えるようにしても良い。これにより、第一装飾部と第二装飾部とで、半ドーナツが上下に並んだような装飾を遊技者に見せることができ、貯留皿を備えている膨出部の見栄えを良くすることができると共に、第二装飾部の先端が第一装飾部の先端よりも後方に位置していることから、第二装飾部により遠近感を強調して装飾体をより大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。また、この場合、半ドーナツ状の第一装飾部と第二装飾部とを上下に配置していることから、装飾体発光手段によりそれぞれを適宜発光装飾させることで、光が回転するような発光演出や、光が上下に移動するような発光演出を、遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができと共に、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体の上面における前端よりも後方に、遊技状態に応じて遊技者の操作が受付可能となる演出操作部を、備えるようにしても良い。これにより、遊技状態に応じて演出操作部の操作が受付可能となった時(遊技者参加型演出が実行された時)に、遊技者が演出操作部を操作することで、遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、装飾体発光手段によって装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部が取付けられている装飾体に引付けさせることができるため、演出操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を装飾体(演出操作部)に向けさせて演出操作部の操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部を、装飾体の上面における前端よりも後方に取付けるようにした場合、装飾体によって遊技者の身体の一部や衣類等が演出操作部に接触することを防止することができるため、演出操作部の誤操作を低減させることができ、演出操作部を操作する遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前方へ大きく突出している装飾体の上面に演出操作部を取付けているようにした場合、演出操作部が大きく見えて遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができると共に、演出操作部を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせて早期に遊技者参加型演出が実行されるように遊技の進行(例えば、遊技媒体(遊技球)の打込操作、遊技媒体(メダル)の投入による回動体の回転開始、等)を促すことができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体の上面における前端よりも後方に演出操作部を備えているようにした場合、演出操作部に、遊技者が回転操作可能な円環状の回転操作部と、回転操作部の環内において遊技者が押圧操作可能な押圧操作部とを、備えるようにすることが望ましい。これにより、演出操作部として回転操作可能な回転操作部と、押圧操作可能な押圧操作部とを備えていることから、演出操作部の操作が受付可能となる遊技者参加型演出において、回転操作と押圧操作とを適宜組み合わせて遊技者に操作させることが可能となり、より複雑な入力(遊技者の操作)を要求する演出に対応することができるため、より多彩な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、この場合、回転操作部や押圧操作部が上面に取付けられている装飾体を、装飾体発光手段によって発光装飾させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を装飾体(回転操作部や押圧操作部等の演出操作部)に向けさせて演出操作部の操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、装飾体の発光態様によって遊技者に対して回転操作部の回転操作を促したり、押圧操作部の押圧操作を促したりすることができるため、遊技者に対して回転操作部又は押圧操作部を的確に操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上記のように、装飾体の上面に演出操作部として、円環状の回転操作部と、回転操作部の環内に配置されている押圧操作部とを、備えるようにした場合、押圧操作部を、遊技状態に応じて回転操作部の上面よりも僅かに上方へ突出している後退位置と、後退位置よりも上方へ突出している突出位置との間で、移動可能とするようにしても良い。これにより、遊技状態に応じて押圧操作部を突出位置へ移動させると、押圧操作部が回転操作部よりも上方へ突出した状態となることで、回転操作部と合せて装飾体の上面が大きく上方へ膨出したような状態となるため、装飾体の周りを大きく見せて遊技者に強いインパクトを与えることができ、装飾体を目立たせて他の遊技機よりも遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、押圧操作部が上方へ大きく突出することで遊技者の関心を押圧操作部に強く引付けさせることができ、押圧操作部の操作に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体の上面に取付けられている回転操作部の環内の押圧操作部を、後退位置と突出位置との間で移動可能とした場合、押圧操作部を、突出位置の時に遊技者が押圧操作可能となる円筒状の外周押圧操作部と、外周押圧操作部の筒内に配置されており、後退位置と突出位置の何れの位置の時にも遊技者が押圧操作可能な円柱状の中央押圧操作部とで、構成するようにしても良い。これにより、前方へ大きく突出している装飾体の上面において、中央押圧操作部を中心に、外周押圧操作部、及び回転操作部が同心円状に並んだ状態となるため、見た目のインパクトを高めることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に各操作部を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。また、この場合、装飾体を発光装飾させることにより、遊技者の関心を装飾体、ひいては、回転操作部、外周押圧操作部、及び中央押圧操作部に強く引付けさせてそれらの操作を促すことができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、装飾体の上面に演出操作部を備えるようにした場合、演出操作部を遊技状態に応じて発光装飾させる操作部発光手段を、備えることが望ましい。これにより、遊技状態に応じて操作部発光手段によって演出操作部を発光装飾させることができるため、演出操作部の発光装飾と、装飾体発光手段による装飾体の発光装飾とを同時に実行させることで、扉窓の下方の前方へ膨出している膨出部の全体を発光装飾させることができ、膨出部を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、全体が発光装飾されることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、この場合、操作部発光手段によって演出操作部を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部へ強く引付けさせることができるため、演出操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、演出操作部を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部に向けさせて操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠ベースの前面に、膨出部に取付けられている装飾体と連続し、扉枠の外周を囲むように延びている周縁装飾体を更に備えるようにしても良い。これにより、遊技領域の外周全体を装飾することができ、遊技機の見栄えを良くして遊技者に対する訴求力を高めることができる。また、この場合、周縁装飾体を発光装飾させる周縁装飾体発光手段を備えることが望ましく、膨出部の装飾体と周縁装飾体とをそれぞれ発光装飾させることで、遊技領域の外周を発光装飾させることができるため、遊技者の関心を遊技領域内へ強く引付けさせることができ、遊技者に遊技領域内での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、正面視において遊技領域内の中央に、演出画像を表示可能な演出表示手段を備えるようにしても良い。これにより、遊技領域内で行われる遊技に加えて、演出表示手段に表示される演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。また、演出表示手段による演出画像の表示中において、演出画像を切換える時に、装飾体を発光させて遊技者の視線を遊技領域の下方に装飾体に向けさせることで、演出画像の切換えに気付き難くすることができる。そして、演出画像が切換わった後に遊技者が演出表示手段に視線を向けた時に、演出画像が変わっていることで驚かせることができ、演出画像をより楽しませることができると共に、いつの間にか演出画像が切換わっていることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記装飾体は、
滑らかに湾曲して前方へ突出している」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、装飾体を、滑らかに湾曲させて前方へ突出させるようにしたものである。
これにより、前方へ大きく突出している装飾体が、滑らかに湾曲しているため、遊技者と接触しても、遊技者を傷付ける虞はない。従って、遊技者が装飾体を一見しただけで、装飾体が怪我の原因となるような危険なものではないことを認識することができるため、遊技する遊技機として安心して本遊技機を選択させることができ、本遊技機での遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記装飾体は、
前記膨出部の左右方向中央に取付けられている」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、装飾体を、膨出部の左右方向中央に取付けるようにしたものである。
これにより、膨出部の左右方向中央に前方へ大きく突出した装飾体を取付けているため、装飾体の存在感を際立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、前方へ突出している装飾体を左右方向中央に取付けていることから、遊技者の両手を前方へ伸ばし易くすることができるため、遊技領域内へ遊技媒体を打込むための操作部(ハンドル)の操作や、貯留皿内に貯留されている遊技媒体の取扱い等を行い易くすることができ、遊技者にストレスを与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体は、
半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第一装飾部を備えている」ものであることを特徴とする。
手段4の構成によると、装飾体に、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第一装飾部を備えるようにしたものである。
これにより、装飾体の第一装飾部を、半円弧形状の断面が、外方へ膨出するように半円環状に延びるようにしていることから、円筒チューブ状のドーナツの半分が前方へ突出しているような形態としているため、遊技者に対して滑らかで柔らかな印象を与えることが可能となり、遊技者に対して落ち着いた気分で遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が一見しただけで接触しても怪我のし難い安全なものであることを認識させることができ、遊技者を安心させることで遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、第一装飾部を半ドーナツ状としているため、遊技状態に応じて装飾体発光手段により第一装飾部の全体を発光装飾させると、円環状の蛍光灯のような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。発光装飾させる際に、例えば、一方から光が流れるように発光装飾させると、ドーナツの内部を光が移動して回転しているような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記装飾体は、
前端が前記第一装飾部よりも後方に位置するように該第一装飾部の下方に配置されており、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第二装飾部を、更に備えている」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、装飾体に、前端が第一装飾部よりも後方に位置するように第一装飾部の下方に配置し、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第二装飾部を、更に備えるようにしたものである。
これにより、第一装飾部と第二装飾部とで、半ドーナツが上下に並んだような装飾を遊技者に見せることができ、貯留皿を備えている膨出部の見栄えを良くすることができると共に、第二装飾部の先端が第一装飾部の先端よりも後方に位置していることから、第二装飾部により遠近感を強調して装飾体をより大きく見せることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高い遊技機とすることができる。
また、半ドーナツ状の第一装飾部と第二装飾部とを上下に配置していることから、装飾体発光手段によりそれぞれを適宜発光装飾させることで、光が回転するような発光演出や、光が上下に移動するような発光演出を、遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができと共に、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記装飾体の上面における前端よりも後方に取付けられており、前記遊技状態に応じて遊技者の操作が受付可能となる演出操作部を、更に具備している」ものであることを特徴とする。
ここで、「演出操作部」としては、「回転操作可能な回転操作部」、「押圧操作可能な押圧操作部」、「タッチ操作可能なタッチ操作部」、「スライド操作可能なスライド操作部」、「スティック操作が可能なスティック操作部」、「回転操作と押圧操作とが可能な複合操作部」、等が挙げられる。また、「演出操作部」としては、装飾体の上面に接しているものであっても良いし、装飾体の上面から突出しているものであっても良い。
手段6の構成によると、遊技機に、装飾体の上面における前端よりも後方に取付けられ、遊技状態に応じて遊技者の操作が受付可能となる演出操作部を、更に備えるようにしたものである。
これにより、装飾体の上面に演出操作部を備えているため、遊技状態に応じて演出操作部の操作が受付可能となった時(遊技者参加型演出が実行された時)に、遊技者が演出操作部を操作することで、遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。この際に、装飾体発光手段によって装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部が取付けられている装飾体に引付けさせることができるため、演出操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を装飾体(演出操作部)に向けさせて演出操作部の操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部が装飾体の前端よりも後方に取付けられていることから、装飾体によって遊技者の身体の一部や衣類等が演出操作部に接触することを防止することができるため、演出操作部の誤操作を低減させることができ、演出操作部を操作する遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前方へ大きく突出している装飾体の上面に演出操作部を取付けているため、演出操作部が大きく見えて遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができると共に、演出操作部を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせて早期に遊技者参加型演出が実行されるように遊技の進行(例えば、遊技媒体(遊技球)の打込操作、遊技媒体(メダル)の投入による回動体の回転開始、等)を促すことができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体の上面における前端よりも後方に演出操作部を備えていることから、装飾体が演出操作部の外側を装飾することとなるため、演出操作部の見栄えを良くすることができると共に、演出操作部を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けられる遊技機とすることができる。
手段7:手段6の構成において、
「前記演出操作部は、
遊技者が回転操作可能な円環状の回転操作部と、
該回転操作部の環内において遊技者が押圧操作可能な押圧操作部と
を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「回転操作部」としては、「遊技者の回転操作の他にモータの駆動によっても回転させられるもの」、「遊技者の回転操作のみによって回転させられる」、等が挙げられる。
また、「押圧操作部」としては、「回転操作部の内周に沿った円筒状の外周押圧操作部と、外周押圧操作部内に備えられた円柱状の中央押圧操作部と、を備えたもの」、「一つの円柱状のもの」、「十字キーや矢印キーを備えたもの」、等が挙げられる。更に、「押圧操作部」としては、「後退位置と突出位置との間で上下方向へ進退可能とされているもの」、「上下方向へ移動不能とされているもの」、等が挙げられる。
手段7の構成によると、演出操作部に、遊技者が回転操作可能な円環状の回転操作部と、回転操作部の環内において遊技者が押圧操作可能な押圧操作部とを、備えるようにしたものである。
これにより、演出操作部として回転操作可能な回転操作部と、押圧操作可能な押圧操作部とを備えていることから、演出操作部の操作が受付可能となる遊技者参加型演出において、回転操作と押圧操作とを適宜組み合わせて遊技者に操作させることが可能となり、より複雑な入力(遊技者の操作)を要求する演出に対応することができるため、より多彩な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部や押圧操作部が上面に取付けられている装飾体を、装飾体発光手段によって発光装飾させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、装飾体を発光装飾させることで、遊技者の関心を装飾体(回転操作部や押圧操作部等の演出操作部)に向けさせて演出操作部の操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この際に、装飾体の発光態様によって遊技者に対して回転操作部の回転操作を促したり、押圧操作部の押圧操作を促したりすることができるため、遊技者に対して回転操作部又は押圧操作部を的確に操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、回転操作部の直径を、貯留皿の前後方向の距離よりも大きくすることが望ましい。これにより、回転操作部の前端側が貯留皿よりも前方へ大きく突出した状態となるため、回転操作部を大きく目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、一見して他の遊技機とは異なることを認識させることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、回転操作部の直径を大きくした場合、遊技者に対して回転操作部が回転操作するためのものであることを即座に認識させることができ、遊技者参加型演出が実行された時に遊技者を当該演出に参加させ易くすることができると共に、遊技者参加型演出の実行に対して期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。また、円環状の回転操作部の直径(外径)を大きくした場合、回転操作部の内径を大きくして環内の押圧操作部を大きくすることができるため、押圧操作部の押圧操作を行い易くすることができ、押圧操作部の押圧操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段8:手段7の構成において、
「前記押圧操作部は、
前記遊技状態に応じて前記回転操作部の上面よりも僅かに上方へ突出している後退位置と、該後退位置よりも上方へ突出している突出位置との間で、移動可能とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、後退位置と突出位置との間で移動可能な「押圧操作部」としては、「突出位置の時に遊技者が押圧操作すると、後退位置へ移動できるもの」、「突出位置の時に遊技者が押圧操作しても、後退位置へ移動できないもの」、等が挙げられる。
手段8の構成によると、押圧操作部を、遊技状態に応じて回転操作部の上面よりも僅かに上方へ突出している後退位置と、後退位置よりも上方へ突出している突出位置との間で、移動可能とするようにしたものである。
これにより、遊技状態に応じて押圧操作部を突出位置へ移動させると、押圧操作部が回転操作部よりも上方へ突出した状態となることで、回転操作部と合せて装飾体の上面が大きく上方へ膨出したような状態となるため、装飾体の周りを大きく見せて遊技者に強いインパクトを与えることができ、装飾体を目立たせて他の遊技機よりも遊技者に対する訴求力を高めることができると共に、押圧操作部が上方へ大きく突出することで遊技者の関心を押圧操作部強く引付けさせることができ、押圧操作部の操作に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部を後退位置と突出位置との間で移動可能としていることから、後退位置の時には遊技者の関心を回転操作部へ向けさせることができ、突出位置の時には遊技者の関心を押圧操作部へ向けさせることができるため、実行される遊技者参加型演出の内容に応じて押圧操作部を移動させることで、遊技者に対して操作させたい操作部を促すことができ、遊技者に対して回転操作部や押圧操作部を的確に操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
手段9:手段8の構成において、
「前記押圧操作部は、
前記突出位置の時に遊技者が押圧操作可能となる円筒状の外周押圧操作部と、
該外周押圧操作部の筒内に配置されており、前記後退位置と前記突出位置の何れの位置の時にも遊技者が押圧操作可能な円柱状の中央押圧操作部と
を備えている」ものであることを特徴とする。
手段9の構成によると、押圧操作部に、突出位置の時に遊技者が押圧操作可能となる円筒状の外周押圧操作部と、外周押圧操作部の筒内に配置されており、後退位置と突出位置の何れの位置の時にも遊技者が押圧操作可能な円柱状の中央押圧操作部と、を備えるようにしたものである。
これにより、前方へ大きく突出している装飾体の上面において、中央押圧操作部を中心に、外周押圧操作部、及び回転操作部が同心円状に並んだ状態となるため、見た目のインパクトを高めることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に各操作部を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。また、装飾体を発光装飾させることにより、遊技者の関心を装飾体、ひいては、回転操作部、外周押圧操作部、及び中央押圧操作部に強く引付けさせてそれらの操作を促すことができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部の内側にある押圧操作部を後退位置とした時には、中央押圧操作部、外周押圧操作部、及び回転操作部が互いに同じような高さとなると共に、回転操作部及び中央押圧操作部が操作可能となり、押圧操作部を後退位置から突出位置へ移動させた時には、中央押圧操作部と外周押圧操作部が回転操作部よりも上方へ突出した状態となると共に、中央押圧操作部、外周押圧操作部、及び回転操作部が操作可能となる。従って、遊技者参加型演出の内容に応じて、遊技者が操作可能な操作部を適宜使い分けることができ、より多彩な演出に対応させることができると共に、遊技者に多様な操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、押圧操作部を突出位置へ移動させた状態では、円筒状の外周押圧操作部の外周面が見えるようになるため、遊技者に対して外周押圧操作部を回転操作可能と錯覚させることができる。これにより、回転操作部や押圧操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、錯覚した遊技者が外周押圧操作部を回転操作しようとしても、外周押圧操作部が回転しないため、遊技者を焦らせることができ、演出の流れに緊張感を与えて遊技者を楽しませることができる。
手段10:手段6から手段9までの何れか一つの構成において、
「前記演出操作部を前記遊技状態に応じて発光装飾させる操作部発光手段を、更に具備している」ものであることを特徴とする。
ここで、「操作部発光手段」としては、「フルカラーLED」、「単色LED」、「高輝度LED」、「有機EL」、「白熱球」、「ネオン球」、「冷陰極管」、等が挙げられる。
手段10の構成によると、遊技機に、演出操作部を遊技状態に応じて発光装飾させる操作部発光手段を、更に備えるようにしたものである。
これにより、遊技状態に応じて操作部発光手段によって演出操作部を発光装飾させることができるため、演出操作部の発光装飾と、装飾体発光手段による装飾体の発光装飾とを同時に実行させることで、扉窓の下方の前方へ膨出している膨出部の全体を発光装飾させることができ、膨出部を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、全体が発光装飾されることで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、操作部発光手段によって演出操作部を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部へ強く引付けさせることができるため、演出操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、演出操作部を発光装飾させることで、遊技者の関心を演出操作部に向けさせて操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段11:遊技機において、
「遊技が行われる遊技領域を有している遊技盤と、
該遊技盤を前方から着脱可能に保持している本体枠と、
該本体枠の前面側を開閉可能に閉鎖しており、前方から前記遊技領域を視認可能としている扉窓を有している扉枠ベースと、
前記扉枠ベースの前面における前記扉窓よりも下側の部位から前方へ膨出しており、前記遊技領域内において遊技を行うための遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部と、
該膨出部の左右方向中央に取付けられており、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びており前端が前記貯留皿の前端よりも前方で前記扉枠ベースの前面から前方へ該扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の距離まで突出している第一装飾部、及び前端が該第一装飾部よりも後方に位置するように該第一装飾部の下方に配置されており半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第二装飾部を備えている装飾体と、
該装飾体を前記遊技領域内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて発光装飾させる装飾体発光手段と、
前記装飾体の上面における前端よりも後方に取付けられ、遊技者が回転操作可能な円環状の回転操作部、及び該回転操作部の環内において、前記遊技状態に応じて前記回転操作部の上面よりも僅かに上方へ突出している後退位置と、該後退位置よりも上方へ突出している突出位置との間で移動可能とされており、前記突出位置の時に遊技者が押圧操作可能となる円筒状の外周押圧操作部と、該外周押圧操作部の筒内に配置され前記後退位置と前記突出位置の何れの位置の時にも遊技者が押圧操作可能な円柱状の中央押圧操作部とからなる押圧操作部を備えており、前記遊技状態に応じて遊技者の操作が受付可能となる演出操作部と、
該演出操作部を前記遊技状態に応じて発光装飾させる操作部発光手段と
を具備している」ものであることを特徴とする。
手段11の構成によると、遊技機に、遊技が行われる遊技領域を有している遊技盤と、遊技盤を前方から着脱可能に保持している本体枠と、本体枠の前面側を開閉可能に閉鎖しており、前方から遊技領域を視認可能としている扉窓を有している扉枠ベースと、扉枠ベースの前面における扉窓よりも下側の部位から前方へ膨出しており、遊技領域内において遊技を行うための遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部と、膨出部の左右方向中央に取付けられており、半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びており前端が貯留皿の前端よりも前方で扉枠ベースの前面から前方へ扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の距離まで突出している第一装飾部、及び前端が第一装飾部よりも後方に位置するように第一装飾部の下方に配置されており半円弧形状の断面形状で外方へ膨出するように半円環状に延びている第二装飾部を備えている装飾体と、装飾体を遊技領域内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて発光装飾させる装飾体発光手段と、装飾体の上面における前端よりも後方に取付けられ、遊技者が回転操作可能な円環状の回転操作部、及び回転操作部の環内において、遊技状態に応じて回転操作部の上面よりも僅かに上方へ突出している後退位置と、後退位置よりも上方へ突出している突出位置との間で移動可能とされており、突出位置の時に遊技者が押圧操作可能となる円筒状の外周押圧操作部と、外周押圧操作部の筒内に配置され後退位置と突出位置の何れの位置の時にも遊技者が押圧操作可能な円柱状の中央押圧操作部とからなる押圧操作部を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作が受付可能となる演出操作部と、演出操作部を遊技状態に応じて発光装飾させる操作部発光手段と、を備えるようにしたものである。
これにより、本体枠を開閉可能に閉鎖している扉枠ベースの前面における扉窓よりも下側の部位に、遊技媒体を貯留可能な貯留皿を備えている膨出部が前方へ膨出していると共に、膨出部に、扉枠ベースの全幅に対して1/3〜2/3の長さで前端が扉枠ベースの前面から前方へ突出している装飾体を備えていると共に、装飾体の上面に同心円状に配置されている中央押圧操作部、外周押圧操作部、及び回転操作部を備えている。これにより、本遊技機を遊技ホールの島設備に取付けると、遊技領域内を視認可能な扉窓の下方において、上面に演出操作部が取付けられている装飾体が前方へ大きく突出しているため、他の遊技機よりも装飾体を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、扉枠の下方において、装飾体の前端を前方へ大きく突出させているため、貯留皿の前端から装飾体を前方へ遠ざけることができると共に、装飾体の左右方向の長さを従来よりも長くすることができる。従って、遊技者が膨出部の上面に手を置いたり貯留皿に手を掛けたりしても、装飾体の全体に対して、遊技者の手によって隠される部位を少なくすることができるため、装飾体発光手段により発光装飾させた時に、遊技者に対して装飾体の発光装飾に気付かせ易くすることができ、遊技者が損した気分になるのを回避させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉窓の下方において、装飾体を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が本遊技機の前方に着座すると、装飾体の前端が遊技者に対して可及的に接近した状態となるため、遊技状態に応じて装飾体発光手段により装飾体を発光装飾させたり、操作部発光手段により演出操作部を発光装飾させたりすると、その光が下方から遊技者を照射することとなり、装飾体や演出操作部の発光装飾によって遊技者の視線を下方の装飾体や演出操作部へ向けさせることができると共に、遊技者の視線を下方に向けさせることで、前方に備えられている遊技領域内を遊技者の視界から遠ざけて、遊技領域内を視認させ難くすることができる。従って、遊技領域内において、例えば、演出画像の場面が変化する時、可動体が可動する時、可変入賞口(第二始動口、大入賞口、役物入賞口、等)が開閉動作する時、等の際に、装飾体や演出操作部を発光装飾させることで、遊技者を遊技領域の下方に向けさせ、その後、遊技者が視線を遊技領域内に戻した時に、演出画像や可動体等が変化していることで、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上述したように、遊技状態に応じて装飾体を発光装飾させることで注目させて、その隙に遊技領域内での演出を変化させることで遊技者を驚かせることができるため、装飾体の発光装飾によって遊技者にチャンスの到来(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態(「大当り遊技」)の発生)を示唆することができる。これにより、装飾体の発光装飾に対してプレミアム感を付与することができるため、装飾体が発光装飾するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が装飾体の全体を見ようとすると、遊技機から遠ざかって見ることとなるため、遊技領域を含む遊技機全体が見易くなる。これにより、遊技者に対してワンテンポ置いたような気分にさせることができ、遊技者をリラックスさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、膨出部の左右方向中央に前方へ大きく突出した装飾体を取付けているため、装飾体の存在感を際立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技する遊技機として本遊技機を選択させ易くすることができる。また、前方へ突出している装飾体を左右方向中央に取付けていることから、遊技者の両手を前方へ伸ばし易くすることができるため、遊技領域内へ遊技媒体を打込むための操作部(ハンドル)の操作や、貯留皿内に貯留されている遊技媒体の取扱い等を行い易くすることができ、遊技者にストレスを与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、装飾体の上下に配置されている第一装飾部及び第二装飾部を、半円弧形状の断面が、外方へ膨出するように半円環状に延びるようにしていることから、円筒チューブ状のドーナツの半分が前方へ突出しているような形態としているため、遊技者に対して滑らかで柔らかな印象を与えることが可能となり、遊技者に対して落ち着いた気分で遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が一見しただけで接触しても怪我のし難い安全なものであることを認識させることができ、遊技者を安心させることで遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾体と、装飾体の上面に取付けられている演出操作部とを同時に発光装飾させることで、扉窓の下方の前方へ膨出している膨出部の全体を発光装飾させることができるため、膨出部を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、全体の発光装飾により遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、遊技者の関心を演出操作部に向けさせて操作を促すことができ、遊技者に演出操作部を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、第一装飾部及び第二装飾部を半ドーナツ状としているため、遊技状態に応じて装飾体発光手段により第一装飾部及び第二装飾部の全体を発光装飾させると、円環状の蛍光灯のような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。発光装飾させる際に、例えば、一方から光が流れるように発光装飾させると、ドーナツの内部を光が移動して回転しているような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、装飾体の上面に取付けられている回転操作部を、第一装飾部や第二装飾部の光が回転している方向へと同じ方向へ回転操作させるように遊技者を促すことができる。或いは、上下に配置されている第一装飾部と第二装飾部とを交互に発光装飾させることで、光が上下に移動するような発光演出を、遊技者に見せることができると共に、上下に移動する光により遊技者に対して外周押圧操作部や中央押圧操作部の押圧操作を促すことができる。従って、第一装飾部及び第二装飾部を適宜発光装飾させることにより遊技者に対して回転操作部の回転操作を促したり、押圧操作部の押圧操作を促したりすることができるため、遊技者に対して回転操作部又は押圧操作部を的確に操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前方へ大きく突出している装飾体の上面において、中央押圧操作部を中心に、外周押圧操作部、及び回転操作部が同心円状に並んだ状態としているため、見た目のインパクトを高めることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に各操作部を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部の内側にある押圧操作部を後退位置とした時には、中央押圧操作部、外周押圧操作部、及び回転操作部が互いに同じような高さとなると共に、回転操作部及び中央押圧操作部が操作可能となり、押圧操作部を後退位置から突出位置へ移動させた時には、中央押圧操作部と外周押圧操作部が回転操作部よりも上方へ突出した状態となると共に、中央押圧操作部、外周押圧操作部、及び回転操作部が操作可能となる。従って、遊技者参加型演出の内容に応じて、遊技者が操作可能な操作部を適宜使い分けることができ、より多彩な演出に対応させることができると共に、遊技者に多様な操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部を突出位置へ移動させた状態では、円筒状の外周押圧操作部の外周面が見えるようになるため、遊技者に対して外周押圧操作部を回転操作可能と錯覚させることができる。これにより、回転操作部や押圧操作部を操作する遊技者参加型演出が実行された時に、錯覚した遊技者が外周押圧操作部を回転操作しようとしても、外周押圧操作部が回転しないため、遊技者を焦らせることができ、演出の流れに緊張感を与えて遊技者を楽しませることができる。
手段12:手段1から手段11までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
前記遊技領域内に複数配置されており遊技媒体を受入可能な受入口と、
該受入口への遊技媒体の受入れに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と
を備えたパチンコ機であることを特徴とする。
ここで、「受入口」としては、「遊技領域内において常時開口している一般入賞口」、「遊技領域内において常時開口しており、遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる始動入賞口(始動口)」、「遊技領域内における特定の受入口(チャッカー)に遊技媒体が受入れられることで、遊技領域内において、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(ゲート、スルーチャッカー、等)を遊技媒体が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となる可変入賞口(可変始動口、役物入賞口、等)」、「遊技領域内における特定領域(例えば、ゲート、チャッカー、等)を遊技媒体が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技媒体の受入れが可能となり、遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるか否かの特別抽選が行われる可変始動入賞口(可変始動口)」、「役物入賞口に受入れられた遊技媒体が振分手段により振分けられて受入れられると、遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるV入賞口」、「遊技者が有利となる有利遊技状態として、所定のパターンで開閉して遊技媒体の受入れが可能となる大入賞口や役物入賞口」、等が挙げられる。
また、「パチンコ機」としては、「始動口への遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別抽選を行う抽選手段と、抽選手段により抽選された特別抽選結果に応じて特別図柄を変動表示させた後に停止表示させて、停止表示された特別図柄の組合せにより抽選され特別抽選結果を表示する特別抽選結果表示手段と、特別抽選結果表示手段において有利遊技状態を発生させる特別抽選結果が表示されると大入賞口を所定のパターンで開閉させて有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、デジパチ機)」、「役物入賞口に受入れられた遊技媒体を振分ける振分手段と、振分手段により振分けられた遊技媒体がV入賞口に受入れられると役物入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、を備えたもの(所謂、ハネモノ機)」、「大入賞口と役物入賞口を有し、始動口への遊技媒体の受入れにより抽選された特別抽選結果に応じて大入賞口又は役物入賞口を所定のパターンで開閉させ、役物入賞口に受入れられた遊技媒体がV入賞口に振分けられると役物入賞口又は大入賞口を所定のパターンで開閉させて遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段を備えたもの(所謂、複合機)」、等が挙げられる。
手段12の構成によると、遊技機を、遊技者の操作によって遊技媒体が打込まれる遊技領域と、遊技領域内に複数配置されており遊技媒体を受入可能な受入口と、受入口への遊技媒体の受入れに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と、を備えたパチンコ機としたものである。これにより、パチンコ機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾体発光手段による装飾体の発光装飾は、遊技領域内に打込まれた遊技媒体が受入口に受入れられることで実行させることが望ましい。これにより、受入口へ遊技媒体を受入れさせると、所定数の遊技媒体が払出される他に、装飾体が発光装飾されるため、遊技者を楽しませることで受入口を狙った遊技媒体の打込みを継続させ易くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、始動口への遊技媒体の受入れにより遊技者が有利となる有利遊技状態を発生させるための特別抽選を行い、その抽選された特別抽選結果を遊技者に示唆する際に、遊技者に提示する演出の一つとして、装飾体発光手段により装飾体を発光装飾させるようにしても良い。これにより、装飾体が発光装飾することで、上述したような作用効果により遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができるため、遊技者に対して抽選された特別抽選結果が、遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するもの(例えば、「大当り」)であると思わせることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、装飾体を発光装飾することでより演出効果の高い可動演出を遊技者に見せることができるため、抽選された特別抽選結果を遊技者に示唆するための演出(例えば、リーチ演出)に、好適に用いることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段13:手段1から手段11までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
それぞれに複数の図柄を備えている複数の回胴体と、
遊技媒体の投入後に遊技者が操作することで、複数の前記回胴体をそれぞれ回転させる始動操作部と、
複数の該回胴体をそれぞれ回転停止させるための複数の停止操作部と、
複数の該停止操作部を遊技者がそれぞれ操作することで回転停止された全ての前記回胴体による停止図柄の組合せに応じて、所定数の遊技媒体を払出す払出装置と
を備えたスロットマシンであることを特徴とする。
ここで、「スロットマシン」としては、「一回のゲームに用いる遊技媒体(メダル)の数に応じて停止図柄の組合せを判定する有効ラインの数が変化するもの」、「複数の回胴体の回転開始に伴い内部抽選を実行し、停止図柄の組合せと抽選された内部抽選結果とに応じて遊技者が有利となる特典を付与するもの」、「停止図柄の組合せを判定する有効ラインが固定されている」、等が挙げられる。また、「特典」としては、「ビッグボーナス(BB)」、「レギュラーボーナス(RB)」、「チェリーラッシュボーナス(CRB)」、「リプレイ」、「ロングリプレイタイム(LRT)」、「アシストタイム(AT)」、等が挙げられる。
手段13の構成によると、遊技機を、それぞれに複数の図柄を備えている複数の回胴体と、遊技媒体の投入後に遊技者が操作することで、複数の回胴体をそれぞれ回転させる始動操作部と、複数の回胴体をそれぞれ回転停止させるための複数の停止操作部と、複数の停止操作部を遊技者がそれぞれ操作することで回転停止された全ての回胴体による停止図柄の組合せに応じて所定数の遊技媒体を払出す払出装置と、を備えたスロットマシンとしたものである。これにより、パチスロ機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾体発光手段による装飾体の発光装飾は、有効ライン上において一つを除いて回転停止している図柄の組合せが当選役図柄の組合せを充足している時(所謂、リーチの時)に、遊技者に提示する演出の一つとして、駆動手段による複数の装飾体を回転させるようにしても良い。これにより、装飾体が発光装飾されることで、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、当選役となるように停止操作部の操作を楽しませることができる。また、内部抽選の抽選結果が、当選役の時に、装飾体が発光装飾するようにしても良く、これにより、装飾体が発光装飾することで、遊技者に強いインパクトを与えることができるため、特定の図柄の組合せで停止させると、遊技者が有利となる有利遊技状態が発生するもの(例えば、「BB」)であると思わせることができ、有利遊技状態の発生に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、装飾体を発光装飾させることでより演出効果の高い可動演出を遊技者に見せることができるため、抽選された内部抽選を遊技者に示唆するための演出に、好適に用いることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
手段14:手段1から手段11までの何れか一つの構成において、
前記遊技機は、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた「融合機」とは、複数の遊技媒体を投入した後、始動用操作部(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止操作部(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させ、停止図柄の組合せに応じて遊技媒体を払出したり、遊技者に有利な特典(例えば、有利遊技状態)を付与したりするものである。なお、所定時間が経過しても停止操作部が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであっても良い。
手段14の構成によると、遊技機を、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機としたものである。これにより、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた融合機において、上述した手段の何れかの作用効果を奏することができる。
なお、装飾体発光手段による装飾体の発光装飾は、有効ライン上において一つを除いて回転停止している図柄の組合せが当選役図柄の組合せを充足している時(所謂、リーチの時)に、遊技者に提示する演出の一つとして、装飾体発光手段により装飾体を発光装飾させるようにしても良いし、内部抽選の抽選結果が、当選役の時に、装飾体を発光装飾させるようにしても良く、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[効果]
このように、上記技術的手段によれば、遊技者に対する訴求力が高く、発光装飾により遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることが可能な遊技機を提供することができる。
[上記形態と上記技術的手段の関係]
本形態における扉枠3の皿ユニット200は本発明の膨出部に、本形態における上皿201及び下皿202は本発明の貯留皿に、本形態の演出操作ユニット300における演出操作部カバーユニット310のユニット下カバー311及びユニット前カバー312は本発明の装飾体に、本形態におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aは本発明の第一装飾部に、本形態におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bは本発明の第二装飾部に、本形態における皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316は本発明の装飾体発光手段に、本形態における演出操作リング装飾基板352、中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377は本発明の操作部発光手段に、それぞれ相当している。
[本形態の特徴的な作用効果]
このように、本形態のパチンコ機1によると、本体枠4を開閉可能に閉鎖している扉枠3における扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に、遊技球Bを貯留可能な上皿201及び下皿202を備えている皿ユニット200が前方へ膨出していると共に、皿ユニット200に、扉枠ベース101の全幅に対して約1/2の長さで前端が扉枠ベース101の前面から前方へ突出している演出操作部カバーユニット310を備えていると共に、演出操作部カバーユニット310の上面に同心円状に配置されている中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を備えている。これにより、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に取付けると、遊技領域5a内を視認可能な扉窓101aの下方において、上面に演出操作部301が取付けられている演出操作部カバーユニット310が前方へ大きく突出しているため、他のパチンコ機1よりも皿ユニット200(演出操作部カバーユニット310)を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、扉枠3の下方において、演出操作部カバーユニット310(ユニット前カバー312)の前端を前方へ大きく突出させているため、上皿201の前端から演出操作部カバーユニット310を前方へ遠ざけることができると共に、演出操作部カバーユニット310の左右方向の長さを従来よりも長くすることができる。従って、遊技者が皿ユニット200の上面に手を置いたり上皿201に手を掛けたりしても、演出操作部カバーユニット310の全体に対して、遊技者の手によって隠される部位を少なくすることができるため、皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316により演出操作部カバーユニット310(ユニット前カバー312)を発光装飾させた時に、遊技者に対してユニット前カバー312の発光装飾に気付かせ易くすることができ、遊技者が損した気分になるのを回避させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉窓101aの下方において、演出操作部カバーユニット310を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が本パチンコ機1の前方に着座すると、演出操作部カバーユニット310におけるユニット前カバー312の前端が遊技者に対して可及的に接近した状態となるため、遊技状態に応じて皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316によりユニット前カバー312を発光装飾させたり、演出操作リング装飾基板352、中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377により演出操作部301を発光装飾させたりすると、その光が下方から遊技者を照射することとなり、ユニット前カバー312や演出操作部301の発光装飾によって遊技者の視線を下方のユニット前カバー312や演出操作部301へ向けさせることができると共に、遊技者の視線を下方に向けさせることで、前方に備えられている遊技領域5a内を遊技者の視界から遠ざけて、遊技領域5a内を視認させ難くすることができる。従って、遊技領域5a内において、例えば、演出表示装置1600による演出画像の場面が変化する時、可動体が可動する時、第二始動口2004や大入賞口2005が開閉動作する時、等の際に、ユニット前カバー312や演出操作部301を発光装飾させることで、遊技者を遊技領域5aの下方に向けさせ、その後、遊技者が視線を遊技領域5a内に戻した時に、演出画像や可動体等が変化していることで、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上述したように、遊技状態に応じてユニット前カバー312を発光装飾させることで注目させて、その隙に遊技領域5a内での演出を変化させることにより遊技者を驚かせることができるため、ユニット前カバー312の発光装飾によって遊技者にチャンスの到来(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態(「大当り遊技」)の発生)を示唆することができる。これにより、ユニット前カバー312の発光装飾に対してプレミアム感を付与することができるため、ユニット前カバー312が発光装飾するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ユニット前カバー312を前方へ大きく突出させていることから、遊技者がユニット前カバー312の全体を見ようとすると、パチンコ機1から遠ざかって見ることとなるため、遊技領域を含む遊技機全体が見易くなる。これにより、遊技者に対してワンテンポ置いたような気分にさせることができ、遊技者をリラックスさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、皿ユニット200の左右方向中央に前方へ大きく突出した演出操作部カバーユニット310を取付けているため、演出操作部カバーユニット310の存在感を際立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、前方へ突出している演出操作部カバーユニット310を左右方向中央に取付けていることから、遊技者の両手を前方へ伸ばし易くすることができるため、遊技領域5a内へ遊技球Bを打込むためのハンドル182の操作や、上皿201内に貯留されている遊技球Bの取扱い等を行い易くすることができ、遊技者にストレスを与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作部カバーユニット310のユニット前カバー312の上下に配置されている皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを、半円弧形状の断面が、外方へ膨出するように半円環状に延びるようにしていることから、円筒チューブ状のドーナツの半分が前方へ突出しているような形態としているため、遊技者に対して滑らかで柔らかな印象を与えることが可能となり、遊技者に対して落ち着いた気分で遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が一見しただけで接触しても怪我のし難い安全なものであることを認識させることができ、遊技者を安心させることで遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310の上面から突出している演出操作部301とを同時に発光装飾させることで、扉窓101aの下方の前方へ膨出している皿ユニット200の全体を発光装飾させることができるため、皿ユニット200を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、全体の発光装飾により遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、遊技者の関心を演出操作部301に向けさせて操作を促すことができ、遊技者に演出操作部301を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを半ドーナツ状としているため、遊技状態に応じて皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316により皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの全体を発光装飾させると、円環状の蛍光灯のような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。発光装飾させる際に、例えば、一方から光が流れるように発光装飾させると、ドーナツの内部を光が移動して回転しているような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、演出操作部カバーユニット310の上面に取付けられている回転操作部302を、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの光が回転している方向へと同じ方向へ回転操作させるように遊技者を促すことができる。或いは、上下に配置されている皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bとを交互に発光装飾させることで、光が上下に移動するような発光演出を、遊技者に見せることができると共に、上下に移動する光により遊技者に対して外周押圧操作部303bや中央押圧操作部303aの押圧操作を促すことができる。従って、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを適宜発光装飾させることにより遊技者に対して回転操作部302の回転操作を促したり、押圧操作部303の押圧操作を促したりすることができるため、遊技者に対して回転操作部302又は押圧操作部303を的確に操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠3における扉枠ベース101の扉窓101aの横(右側辺の外側)から前方へ延出している平板状の扉枠右サイドユニット410に、サイド窓内装飾部材412の前後方向へ円柱状に延びた三つのサイド窓内装飾部410bが上下方向へ間隔をあけて配置されているサイド窓410aが形成されており、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。その後、遊技者が本パチンコ機1の前方に着座すると、扉枠3の扉窓101aを通して遊技盤5の遊技領域5a内や機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600を良好に視認することができるため、遊技領域5a内で遊技を行うことができ、遊技者に対して遊技を楽しませることができると共に、現在の遊技状態を機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600によって知ることができる。
この際に、本体枠4に対して左側の側辺が扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126によりヒンジ回転可能に取付けられている扉枠3において、扉窓101aの左右方向両外側のうちヒンジの軸芯から遠い右外側から扉枠右サイドユニット410が前方へ延出していることから、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。そして、遊技領域5a内において遊技が進行することで所定の遊技状態に変化すると、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させて、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることでサイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としているため、光を帯状且つ放射状に放射させることができ、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができると共に、サイド窓内装飾部410bの発光によって遊技者の視線をサイド窓内装飾部410bに向けさせることが可能となり、サイド窓410aを通した反対側に対する関心を薄れさせてサイド窓410aを通した視認性を低下させることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内や機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600を覗かれ難くすることができる。
詳述すると、遊技状態として、例えば、遊技者が有利となるチャンスの到来を示唆するような遊技状態(場面)の時に、三つのサイド窓内装飾部410bを発光させて、その眩しさによりサイド窓410aを通した視認性を低下させる。これにより、隣等の他の遊技者が、サイド窓410aを通して本パチンコ機1においてチャンスが到来していることを認識させ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。従って、チャンスの到来等の遊技状態の時に、サイド窓410aを通して他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれるのを防止することができるため、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サイド窓410a内において、前後方向に延びている三つのサイド窓内装飾部410bを、上下方向へ間隔をあけて配置していることから、サイド窓410aを横から見る角度が変化しても、三つのサイド窓内装飾部410bが重なって見えることはないため、サイド窓内装飾部410bを発光させていない時には、サイド窓410a内における三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して反対側(遊技領域5a内)を視認することができ、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができる。
また、三つのサイド窓内装飾部410bを上下方向へ間隔をあけて配置していることから、ある高さのサイド窓内装飾部410bを発光させると、遊技領域5a内における同じ高さの部位を、サイド窓410aを通して他の遊技者から視認し難くすることができるため、遊技状態に応じて三つのサイド窓内装飾部410bのうちの特定のサイド窓内装飾部410bを発光させることで、遊技領域5a内の高さ方向において特定の領域(部位)を視認し難くすることができ、チャンスの到来等を他の遊技者に知られ難くすることができる。従って、チャンスの到来等の遊技状態の時に、サイド窓410aを通して他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれるのを防止することができるため、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前方へ長く延出している扉枠右サイドユニット410に、左右に貫通しているサイド窓410aを備えていることから、三つのサイド窓内装飾部410bを消灯させて、サイド窓410aを通した視認性を確保している状態では、サイド窓410aを通して本パチンコ機1の横から遊技領域5a内を視認することができるため、本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、島設備の端から遊技領域5a内に対して不正行為が行われているのを発見し易くすることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、扉枠3の扉窓101aの左右両外側のうち、本体枠4にヒンジ回転可能に取付けられている左側辺側より遠ざかった右外側から扉枠右サイドユニット410を前方へ延出させているため、本体枠4に対して扉枠3を90度以上開くことができる。従って、扉枠3を開いてメンテナンスや遊技盤5の交換等の作業を行う際に、扉枠3を大きく開けることで扉枠3を邪魔になり難くすることができ、作業性の悪化を防止することができる。
また、遊技状態に応じて三つのサイド窓内装飾部410bを発光させるようにしていることから、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)に応じて、サイド窓内装飾部410bを発光させたり消灯させたりしても良い。詳述すると、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、期待値が低い時にサイド窓内装飾部410bを発光させて他の遊技者から覗かれ難くすることで、有利遊技状態が発生しなかった時(「ハズレ」の時)に、他の遊技者との間で気まずい雰囲気となるのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。或いは、期待値が高い時には、サイド窓内装飾部410bを発光させなかったり消灯させたりすることで、他の遊技者から覗かれ易い状態としても、有利遊技状態が発生する(「大当り」となる)ことで、気まずい雰囲気となることはなく興趣の低下を抑制させることができると共に、他の遊技者が応援しているような雰囲気にすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めさせて遊技をより楽しませることができる。
更に、三つのサイド窓内装飾部410bを上下方向へ間隔をあけて配置していることから、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)に応じて、三つのサイド窓内装飾部410bを順番(例えば、下から上、上から下、中央から上下両側、等)に発光させたり、三つのサイド窓内装飾部410bのうちの特定のサイド窓内装飾部410bを発光させたりしても良い。詳述すると、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、期待値が高くなるほど、三つのサイド窓内装飾部410bを、下から順に、或いは、上から順に、発光させることで、他の遊技者から覗かれ難くすると共に、期待値を示唆することができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
上記のような三つのサイド窓内装飾部410bの発光の態様は、発光(点灯)・消灯の他に、点滅パターンや発光色の違い、発光色の変化(例えば、冷めた感じの青色から熱い感じの赤色への変化、交通信号を模したような青黄赤の変化、等)、或いは、明るさ(輝度)の変化、等としても良く、上記と同様の作用効果を奏することができると共に、三つのサイド窓内装飾部410bにより扉枠3の装飾性をより高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
このようなことから、逆に、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、三つのサイド窓内装飾部410bの発光の有無や発光パターン等の発光態様により、遊技者に対して有利遊技状態の発生する可能性の度合い(期待値)を示唆することができるため、当該演出の実行中に三つのサイド窓内装飾部410bがどのような発光態様で発光するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3に設けられている演出操作ユニット300の演出操作部301の操作により、三つのサイド窓内装飾部410bを、任意に発光させたり消灯させたりすることができるようにしても良い。これにより、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の際に、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)が低い時に、演出操作部301を操作してサイド窓内装飾部410bを発光させることで、他の遊技者から覗かれるのを防止することができるため、有利遊技状態が発生しなかった時(「ハズレ」の時)に、他の遊技者に見られていることで気まずい雰囲気になるのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。或いは、有利遊技状態の発生する可能性(期待値)が高い時(又は、熱い演出が実行されている時)に、演出操作部301を操作してサイド窓内装飾部410bを発光させないようにする(或いは、サイド窓内装飾部410bを消灯させるようにする)ことで、他の遊技者から覗かれても、有利遊技状態が発生することで、気まずい雰囲気となることはなく興趣の低下を抑制させることができると共に、他の遊技者が応援しているような雰囲気にすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めさせて遊技をより楽しませることができる。
また、演出操作部301の操作により、三つのサイド窓内装飾部410bが発光するタイミングや発光態様等を設定できるようにしても良い。これにより、予め設定されているデフォルトの状態では、他の遊技者から覗かれたくない遊技者特有のタイミングが設定されていないことで、遊技者によっては覗かれることで不快に感じて遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があるが、演出操作部301の操作により遊技者の好みに応じてカスタマイズすることができるため、上述した作用効果を確実に奏することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、本体枠4における払出ユニット560の払出装置580において、球抜レバー593を下降(ロック)させて球抜可動片592を回動不能とすると共に球抜通路580bを閉鎖している状態(第一状態)とすると、上流から払出通路580aを流下してきた遊技球Bが、球抜可動片592によって球抜通路580bへの流通が不能とされているため、引続き払出通路580aの下流側へと流通することとなり、払出通路580aを介して払出羽根589へ送ることができる。一方、球抜レバー593を上昇(ロックを解除)させて球抜可動片592を回動可能な状態(第二状態)とすると、上流から払出通路580aを流下してきた遊技球Bが、払出通路580aの下流側へ流通することなく、球抜可動片592を越えて球抜通路580bへ流通することとなり、球抜通路580bを介して島設備側となるパチンコ機1の外部へ排出することができる。そして、払出通路580aの下流側に払出羽根589を備えていることから、通常の状態では、球抜レバー593によって球抜可動片592が回動不能な状態(第一状態)となっていると共に、払出羽根589より上流側では、遊技球Bが数珠繋ぎのように連続した状態で停留している。
この通常の状態で払出羽根589が回転駆動されると、払出羽根589より上流側の遊技球Bが下流側へ流れることとなり、球抜可動片592によって払出羽根589側へ遊技球Bが誘導されて払出羽根589へ送られると共に、払出羽根589では遊技球Bを一つずつ払出すことから、払出羽根589より上流側の遊技球Bの流れる速度が比較的遅くなるため、遊技球Bの当接により球抜可動片592に作用する力が比較的弱いと共に、球抜可動片592における遊技球Bと当接する部位の反対側が球抜通路580bの中央付近であることから、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、球抜可動片592が破損することはない。このことから、遊技中の球抜可動片592の破損を低減させることができるため、球抜可動片592の破損により遊技が中断して遊技者に不快感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
一方、パチンコ機1(或いは遊技盤5)の交換やメンテナンス等の際に、払出通路580aから遊技球Bを排出させる時には、球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態(第二状態)とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備に取付けられている枠状の外枠2に対して、左辺側において上下に延びている軸周りに開閉可能に取付けられている本体枠4が、外枠2の枠内を閉鎖するように閉じていると共に、本体枠4に対して左辺側の扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126(軸芯)を中心として開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられている扉枠3を閉じている状態では、本体枠4の前面と扉枠3の後面とが互いに対面して平行に延びていると共に、本体枠4側の払出制御基板633、主制御基板1310X、及び周辺制御基板1510等と、扉枠3側の球送給ユニット140、ハンドルユニット180、及び演出操作ユニット300等とを接続している接続ケーブル503が、本体枠4における本体枠ベース501の前面において後方へ窪んでいるケーブル取付凹部501hにおける軸芯より遠ざかった部位から軸芯側へ延びて、ケーブル取付凹部501h内に取付けられ本体枠4の前面及び扉枠3の後面と平行に延びている接続ケーブル案内部材502の案内本体502aに保持された上で更に軸芯付近まで延びた後に、折返して軸芯より遠ざかる方向へ延びて、扉枠3における接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でスピーカダクト103のケーブルホルダ103aによって保持された上で扉枠3側の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている。
そして、本体枠4の前面側を閉鎖している(閉じている)扉枠3を、本体枠4から開くように左辺側の軸芯を中心としてヒンジ回転させると、扉枠3の後面が本体枠4の前面から遠ざかることから、接続ケーブル503における扉枠3から延び出している部位が本体枠4から離れるように前方へ移動するため、折返されている接続ケーブル503が開くように変形し、接続ケーブル503の変形に伴って接続ケーブル案内部材502が本体枠4の前面に対して傾くように、軸芯から遠ざかった取付軸502cを中心にして回転(回動)する。このように、本体枠4に対して扉枠3を開くと、本体枠4と扉枠3との間の空間へ、接続ケーブル案内部材502における軸芯に近い先端側が突出するため、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503が軸芯の近くを通ることとなり、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503が邪魔になり難い状態となっている。
換言すると、接続ケーブル案内部材502が、回転可能に取付けられている取付軸502cから軸芯側へ先端部を延出させているため、従来のパチンコ機のように、案内部材の基端部を軸芯から遠ざかる方向へ延出させた場合と比較して、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503の折返している部位が、扉枠3の開閉の扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126に近い位置となり、接続ケーブル503の折返している部位を邪魔になり難い位置とすることができる。
一方、本体枠4に対して開いている扉枠3を閉じる時には、本体枠4の前面に対して扉枠3の後面が接近するように移動するため、接続ケーブル案内部材502と接続ケーブル503とが上記とは逆の動きをすると共に、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に保持(案内)されていることで、本体枠4と扉枠3との間に挟まれることなく扉枠3を閉じることができる。従って、扉枠3を開閉させるようなメンテナンスの際に、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503がメンテナンスの邪魔になることはなく、メンテナンスを円滑に行わせることができると共に、メンテナンスのために中断している遊技の中断時間の増加を低減させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、接続ケーブル案内部材502の先端から軸芯側へ延び出した後に折返されて軸芯より遠ざかる方向へ延びている接続ケーブル503を、接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でケーブルホルダ103aによって扉枠3側に保持していることから、本体枠4(ケーブル取付凹部501h)の前面に対する接続ケーブル案内部材502の回転角度が、軸芯を中心としてケーブルホルダ103aを通る円に接し、接続ケーブル案内部材502の取付軸502cの中心を通る接線が、扉枠3の後面と交差する角度以下となるため、接続ケーブル案内部材502の延びている長手方向の軸線が、扉枠3の後面に対して、直角に近い角度とならないようにすることができる。また、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を軸芯側へ引寄せることができる。
これらのことから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を基の状態へ復帰するように回転させることができ、扉枠3が閉まらなくなったり、接続ケーブル案内部材502の先端が扉枠3に当接して接続ケーブル503が断線してしまったりするような不具合の発生を防止することができる。従って、遊技中に、扉枠3を開閉させてメンテナンスを行わなければならないような不具合が発生した際に、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503がメンテナンスの作業を阻害することはなく、メンテナンスを円滑に行わせることができ、遊技の中断時間の増加を低減させて、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
また、接続ケーブル案内部材502が取付けられている本体枠4とは反対側の扉枠3において、閉じた時に接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置(ケーブルホルダ103aよりも軸芯に近い位置)に備えられており、当接することで接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502が取付けられている本体枠4側へ押圧可能な押圧部(スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも軸芯側で後方へ突出している部位)を、備える。これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として押圧部を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
更に、接続ケーブル案内部材502における案内本体502aの二つの長辺側にそれぞれ枠片502bを備えていることから、平板状の案内本体502aの剛性が高まって曲がり難くなるため、接続ケーブル503をしっかりと保持することができると共に、一対の枠片502bによって接続ケーブル503を長手方向へ案内させることができ、上述したような作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、上述したように、接続ケーブル案内部材502の剛性が高められていることから、接続ケーブル503として、多くの電線からなる重い接続ケーブル503とした場合でも、接続ケーブル案内部材502が曲がって歪むことはないため、取付軸502cを中心にして接続ケーブル案内部材502が確実に回転することができ、良好な状態で接続ケーブル503を案内させることができると共に、より多くの電線を案内させることが可能となるため、本体枠4と扉枠3との間の電気的な接続を、一か所に集約させることができ、パチンコ機1にかかる構成を簡略化させることができる。
また、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aにおける一対の枠片502bの間に接続ケーブル503を添わせた状態で、接続ケーブル503の両側の貫通孔502dに結束バンド504を通して、接続ケーブル503と接続ケーブル案内部材502とを結束バンド504で一緒に巻き付けることにより、接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502に保持させることができるため、接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502に保持させる作業を簡単に行うことができる。また、接続ケーブル案内部材502の貫通孔502dを通した結束バンド504により接続ケーブル503を保持させることで、結束バンド504が案内部材502から外れないようにすることができ、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503を確実に保持させることができると共に、接続ケーブル案内部材502から接続ケーブル503が外れることにより扉枠3を閉める際に接続ケーブル503が本体枠4と扉枠3との間に挟まれてしまうのを回避させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、本体枠4に取付けられているスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622の後側の空間を、接続部621c及び接続筒部43aを介して、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40におけるポート部材47と接続筒部43aとの間の空間(幕板内部空間40a)と連通させていることから、スピーカユニット620a内の空間と外枠2側の空間とにより本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を充分に確保することができるため、本体枠スピーカ622から重低音を出力させることができ、重低音のサウンドにより遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。従って、本体枠4に接続ケーブル案内部材502を取付けるためのケーブル取付凹部501hを備えることで、スピーカユニット620a内の容積が減少しても、本体枠スピーカ622から重低音のサウンドを出力させることができることから、本体枠4において本体枠スピーカ622の下方に後方へ窪んだケーブル取付凹部501hを備えることができ、本体枠4側に上述した作用効果を奏する接続ケーブル案内部材502を取付けることができる。また、接続ケーブル503の一部を保持している接続ケーブル案内部材502を、本体枠4における後方へ窪んだケーブル取付凹部501hの内部に取付けているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502がケーブル取付凹部501h内に収容された状態となり、本体枠4の前面からの突出を可及的に抑制することができ、扉枠3の後面との干渉を回避させて扉枠3を確実に閉じられるようにすることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、外枠2に対して本体枠4及び扉枠3を閉じている状態では、扉枠3における扉枠ベース101の扉窓101aを通して本体枠4における本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに保持されている遊技盤5の遊技領域5aを前方(遊技者側)から視認することができ、その扉窓101aの下方では、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40の幕板前部材42の前面においてその長手方向(左右方向)の右端部付近にポート部材47の前端が開口していると共に、扉枠3の前面の下部においてポート部材47とは左右方向の反対側となる左端部付近に皿ベースユニット210のスピーカ口211bが開口している。そして、スピーカ口211bが本体枠4の遊技盤挿入口501bの下方に取付けられている本体枠スピーカ622の前面側と連通していると共に、本体枠スピーカ622の後側を覆っているスピーカユニット620a(スピーカカバー621及びスピーカボックス623)の内部空間が、スピーカカバー621の接続部621c及び幕板後部材43の接続筒部43aを介してポート部材47の内部と連通している。この状態で、スピーカユニット620aに取付けられている本体枠スピーカ622を駆動させると、本体枠スピーカ622から前方へ出力された音声、音楽、及び効果音等のサウンドは、スピーカカバー621のスピーカ取付部621a及び扉枠3のスピーカ口211bを通して遊技者側へ放射される。一方、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドは、接続部621c及び接続筒部43aを通って幕板前部材42と幕板後部材43とで構成されている幕板内部空間40aの内部へと伝達され、ポート部材47から前方の遊技者側へ放射される。この際に、本体枠スピーカ622の後側の空間(エンクロージャ624)を、スピーカユニット620aの内部空間と、外枠下組立体40の幕板内部空間40aとで構成しているため、エンクロージャ624の容積を可及的に大きくすることができ、本体枠スピーカ622から前方へ低音域において伸びのあるサウンドを出力させることができる。また、外枠2における幕板後部材43の接続筒部43aを、枠内の中心側(上方)へ向かって開口させていることから、エンクロージャ624において外枠2と本体枠4(スピーカユニット620a)との接続部分における奥行方向(前後方向)の幅を、従来よりも大きくすることができるため、接続筒部43a及び接続部621cの前後方向の幅を大きくしており、スピーカユニット620aの内部空間から外枠2の幕板内部空間40a側へのサウンドの減衰を可及的に低減させることができる。更に、外枠2側では、ポート部材47を筒状としていることから、ポート部材47においてヘルムホルツ共振が発生するため、低音域を増幅させることができると共に、位相を反転させることができ、ポート部材47から低音が増幅されたサウンドを出力させることができる。そして、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが、パチンコ機1の前方において互いに干渉して合成されることで、音量がより大きくなるため、遊技者に対してより豊かな低音のサウンドを聴かせることができ、遊技者に音声、音楽、及び効果音等のサウンドを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、ポート部材47において本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドの位相を反転させて前方へ放射している(所謂、バスレフ型スピーカを構成している)ことから、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが重なると、互いの位相が同じであるため、音波の振幅が大きくなりサウンドの音量が大きくなり、従来のパッシブラジエータを用いた場合と比較して、簡単な構成でサウンドの出力を高めることができる。
更に、遊技盤5が保持される遊技盤挿入口501bよりも下方にスピーカユニット620aや外枠下組立体40を配置しているため、それらの上下寸法を大きくすることができ、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を大きくすることができる。詳述すると、一般的には、パチンコ機1の前方に遊技者が着座した時に、遊技者の目の位置(高さ)を、パチンコ機1の上下方向中央よりも上側に位置させるようにしているため、遊技が行われる遊技領域5aの中心を、パチンコ機1の中心よりも上側に位置させている。このことから、パチンコ機1の下部ではスペースを比較的確保し易くなることから、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40や本体枠4における遊技盤挿入口501bよりも下側の上下寸法を比較的大きくすることが可能となるため、外枠下組立体40やスピーカユニット620aの上下寸法を大きくすることで、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を大きくすることができ、低音がより豊かなサウンドを出力させることができると共に、遊技者にサウンドを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、接続筒部43aと接続部621cとを前後方向に対して傾斜させているため、外枠2に対して本体枠4を閉じるだけで、接続筒部43aに接続部621cが当接して互いに接続させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、接続筒部43aと接続部621cとの間で摺動抵抗が発生しないことから本体枠4の開閉動作が重くなることはなく、メンテナンス等の際の作業性の低下を抑制させることができる。
更に、シール部材48によって接続筒部43aと接続部621cとの間を密閉しているため、接続筒部43aと接続部621cとの間においてエンクロージャ624内のサウンドの漏れを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積の一部を、外枠2の外枠下組立体40において確保することができることから、スピーカユニット620aを小さくすることができるため、相対的に遊技盤挿入口501bを大きくしてより遊技領域5aの広い遊技盤5を備えることができ、広い遊技領域5aによって遊技者をより楽しませることができると共に、扉枠3の扉窓101aを通して広い遊技領域5aが見えることで本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、パチンコ機1の下部において、左右方向の右端部付近にポート部材47を配置していると共に、反対側の左端部付近にスピーカユニット620aのスピーカ取付部621aつまり本体枠スピーカ622を配置しているため、本体枠スピーカ622とポート部材47とが左右方向に離れていることで、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが、外枠2(パチンコ機1)から前方へある程度離れた位置において互いに干渉することとなり、パチンコ機1の前方に着座している遊技者付近でサウンドを増幅させることができ、上述したように、遊技者に対して豊かな低音のサウンドを聴かせることができる。
また、上述したように、本体枠スピーカ622とポート部材47とから前方へ出力されたサウンドを、遊技者付近で干渉させて増幅させるようにしているため、本パチンコ機1から離れている他の遊技者には増幅されていないサウンドが届くこととなる。これにより、チャンスの到来を示唆するようなサウンドが出力された時に、本パチンコ機1で遊技している遊技者には、音量が大きく低音が豊かなサウンドが聞えることで遊技に対する期待感を高めさせることができる。一方、他のパチンコ機で遊技している遊技者に対しては、本パチンコ機1からのサウンドが聞え難くなるため、本パチンコ機1においてチャンスの到来等が示唆されていることを認識させ難くすることが可能となり、他の遊技者が本パチンコ機1をのぞき込むのを低減させることができ、のぞき込みにより本パチンコ機1で遊技している遊技者に不快感を与えて興趣を低下させてしまうのを抑制させることができる。
また、外枠2の接続筒部43aの位置を、外枠下組立体40の長手方向(左右方向)の中央としていることから、接続筒部43aに接続される本体枠4側のスピーカユニット620aの接続部621cの位置が、左右方向の中央となるため、左右方向に対するスピーカユニット620aの長さを、スピーカ取付部621aが形成されている左端部付近から中央までとすることができ、本体枠4において中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側にスペースを確保することができる。従って、本体枠4において、左右方向の中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側に確保されたスペースに他の部材を配置したり、当該スペースに広がるように他の部材を大きくしたりすることができるため、他の部材によって他のパチンコ機との差別化を図ることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、外枠2の下辺の左右方向の中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側にスペースを確保することができるため、そのスペースに、遊技球Bを外部へ排出するための球抜誘導部627や排出球受部628等を備えたベースユニット620b、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5a内へ遊技球Bを打込むための球発射装置540、パチンコ機1での電源を制御する電源基板630、及び遊技媒球の払出しを制御する払出制御基板633、等を配置することができ、それらを確実に備えたパチンコ機1とすることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの前方且つ下方において前方へ膨出している皿ユニット200に、上面から上方へ突出している中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を囲み上皿201の前後方向の距離よりも大きい直径の環状の外周押圧操作部303bと、外周押圧操作部303bの外周を囲んでいる円環状の回転操作部302とが、上面の前端側が低くなるように傾斜している状態で配置されているため、それら回転操作部302及び押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)がある方向を向くこととなり、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、回転操作部302の全容を見え易くして、同心円状に配置されている三つの大きな操作部(押圧操作部303及び回転操作部302)を遊技者に見せることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、従来のパチンコ機に備えられている操作部とは明らかに異なる形態の操作部が備えられていることを一見して認識させることができ、他のパチンコ機に対して本パチンコ機1を差別化して遊技者の関心を強く引付けさせることができる。また、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302が目立つことから、遊技者に対して中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者参加型演出が実行される遊技状態となるように遊技を進めさせる(ここでは、遊技領域5a内へ遊技球Bを多く打込ませる)ことができると共に、遊技者参加型演出が実行された時に当該演出に参加させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて操作ボタン昇降駆動モータ367等からなる昇降機構により中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bを、回転操作部302の上面よりも僅かに突出している後退位置(下降位置)と、後退位置よりも上方へ突出している突出位置(上昇位置)との間で移動させることができると共に、後退位置の時には昇降カム部材371の係止部371cによって外周押圧操作部303bを押圧不能な状態としており、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bが後退位置にあることで、遊技者に対して外周押圧操作部303bの押圧操作が受付けられないことを明確に認識させることができるため、中央押圧操作部303aを確実に押圧操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、後退位置の状態では、外周押圧操作部303bが押圧不能な状態となっていることから、中央押圧操作部303aと回転操作部302の間に動かない外周押圧操作部303bが存在することとなるため、回転操作部302を回転操作したはずみに中央押圧操作部303aを押圧してしまったり、中央押圧操作部303aを押圧操作したはずみに回転操作部302を回転させてしまったりするような誤操作を発生し難くすることができ、遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、突出位置へ移動させることで、皿ユニット200の上面において、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとが上方へ大きく突出した状態となるため、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bを目立たせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、中央押圧操作部303aや外周押圧操作部303bの押圧操作に対するプレミアム感を付与することができ、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。従って、外周押圧操作部303bや中央押圧操作部303aを押圧操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この突出位置の状態では、外周押圧操作部303bが新たに押圧操作可能となると共に、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を同心円状に配置しているため、例えば、中央押圧操作部303aを押圧操作しなければならない時に、外周押圧操作部303bを押圧操作してしまったり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bの両方を押圧操作してしまったり、或いは、外周押圧操作部303bを押圧操作しなければならない時に、中央押圧操作部303aを押圧操作してしまったり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bの両方を押圧操作してしまったり、回転操作部302を回転させてしまったり、更には、回転操作部302を回転操作しなければならない時に、外周押圧操作部303bを押圧してしまったり、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとを押圧してしまったりすることを誘発させることができる。これにより、遊技者に対して、押圧操作や回転操作する際に、押圧操作すべき押圧操作部303や回転操作すべき回転操作部302に留意させながら押圧操作や回転操作をさせることができるため、押圧操作や回転操作に対して緊張感を付与することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、押圧操作や回転操作をおこなう遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、振動スピーカ354や演出表示装置1600等の告知手段を備えており、遊技者参加型演出において、外周押圧操作部303bの押圧操作が可能となる突出位置の状態で、遊技者が中央押圧操作部303aを押圧操作すべき時に、間違えて外周押圧操作部303bのみを押圧操作すると、告知手段によって中央押圧操作部303aを押圧操作する旨を告知することで、押圧操作をやり直させて押圧操作すべき中央押圧操作部303aを確実に押圧操作させることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができると共に、押圧操作の間違いが修正されるため、間違えることで遊技者が損した気分になるのを回避させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技者が正しく中央押圧操作部303aの押圧操作をしていると思い込んでいる場合、中央押圧操作部303aを押圧操作しているのにも関わらず遊技者参加型演出の反応(変化)が所望と異なることとなり、中央押圧操作部303aが故障していると遊技者が錯覚して興趣を低下させてしまう虞がある。これに対して、上記のように、告知手段によって押圧操作の間違えを告知しているため、遊技者の思い込みを修正させることができ、正しく中央押圧操作部303aを押圧操作させて、遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの前方且つ下方において、前方へ膨出し遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201及び下皿202を備えている皿ユニット200に、外周側面、上面、及び内周側面が外部に露出し上下に延びた軸周りに回転可能な円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとからなる押圧操作部303とが配置されていると共に、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて、回転操作部302を回転操作したり押圧操作部303を押圧操作したりする遊技者参加型演出が周辺制御基板1510によって実行される。そして、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が回転操作部302を適宜方向へ回転操作したり押圧操作部303を押圧操作したりすることで、その回転操作や押圧操作に応じて当該演出が変化することとなるため、遊技者が演出に参加することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この回転操作部302を回転操作する際に、遊技者が外部に露出している外周側面、上面、及び内周側面の何れかに触れて操作することとなり、回転操作部302の回転中心から最も遠い位置に触れて回転操作することが可能となるため、回転操作部302を相対的に小さい力で回転させることができ、回転操作部302の回転操作を行い易いものとすることができる。また、回転操作部302の外周側面に触れて回転操作する場合、遊技者の手によって外周側面を一方向へ擦るように操作することで、回転操作部302を簡単に早い速度で回転させることができる。従って、回転操作部302に対して高速回転を要求するような遊技者参加型演出が実行された場合でも、上述したように、回転操作部302を早い速度で回転させることができるため、遊技者に対して当該演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302を比較的小さい(軽い)力で回転させることができるため、回転操作部302を頻繁に回転操作しても、遊技者を早期に疲労させ難くすることが可能となり、回転操作部302を回転操作する遊技者参加型演出を継続して楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、回転操作部302を早く回転させたり、軽い力で回転させたりすることができるため、遊技者参加型演出において、遊技者に対して多様な回転操作を要求したり、それぞれにおいて異なる回転操作を要求したりすることが可能となり、より多種・多様な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、遊技者が触れて回転操作する操作カバー(リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって構成されている)の外周側面が、皿ユニット200に回転可能に取付けられている回転ベース332よりも外方(回転中心とは反対側の方向)へ円弧状に突出しているため、外周側面を擦るように回転操作しても、皿ユニット200が邪魔になることはなく、回転操作部302を容易に回転させることができると共に、回転操作部302の外周側面が丸くなっていることから、回転操作部302の真横(回転軸に対して直角方向)以外の方向からでも外周側面に触れ易くなるため、回転操作部302を回転操作する際に、遊技者が回転操作部302の外周側面の位置や向きを気にすることなく操作することができ、回転操作部302の操作性を高めることができる。従って、回転操作部302(操作カバー)の外周側面を擦るようにして回転操作部302を回転させることができるため、遊技者参加型演出において回転操作部302をより早い速度で回転させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を大きくしていることから、従来のパチンコ機のような直径の小さい回転操作部と比較して、微小な回転角度での回転操作をし易くしたり、回転操作の際の遊技者の動作を大きくしたりすることができるため、遊技者に対して回転操作部302を回転操作していることをより実感させることができ、遊技者参加型演出において回転操作部302の回転操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転操作部302を円環状として、外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させていることから、遊技者が回転操作部302を回転操作する際に、外周側面以外に、上面や内周側面等の遊技者の好みや状況に応じた部位に触れて回転操作することができるため、回転操作部302の操作性をより高めることができ、回転操作部302を回転操作する遊技者参加型演出をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させて遊技者が回転操作可能としているため、回転操作部302の環内に押圧操作部303を備えても、押圧操作部303が回転操作部302の回転操作を阻害することはなく、回転操作部302を快適に回転操作させることができ、回転操作と押圧操作の両方を充分に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転操作部302の外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させて遊技者が回転操作可能としており、回転操作部302を遊技者が握ることができない形態としているため、回転操作部302の外観を、自動車のステアリングホイールや飛行機の操縦桿、等とは全く異なる外観とすることできる。これにより、例えば、回転操作部を自動車のステアリングホイールのような形態とした場合、遊技者が回転操作部を見た瞬間に、回転操作部を握って操作するものであると思い込んでしまい、自動車のハンドルさばきのような操作しかできなくなるため、多彩な回転操作を要求する遊技者参加型演出が実行された時に、ハンドルさばきとは異なる回転操作を行うことができず、遊技者参加型演出を楽しめなくなって、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。しかしながら、本形態では、回転操作部302の外観を、自動車のステアリングホイールや飛行機の操縦桿、等とは全く異なる外観としているため、遊技者に対して回転操作部302の操作の仕方に対する先入観を払拭することが可能となり、回転操作部302を遊技者の思い思いに操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部303を突出位置へ移動させた状態でも、回転操作部302の外周側面や上面等が外部に露出しているため、回転操作部302の外周側面や上面等を回転操作することで、突出している押圧操作部303が邪魔になることはなく、回転操作部302を快適に回転操作することができ、回転操作部302の回転操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、遊技盤5において遊技が行われる遊技領域5aの前方且つ下方において、前方へ膨出し遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201や下皿202を備えている皿ユニット200の上面に、回転軸が上下に延びている円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとからなる押圧操作部303とが配置されており、回転操作部302を遊技者が回転させると、回転操作部302の回転ベース332のリングギア332aを介して、回転操作部302の回転軸とは直交する軸周りに回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が回転すると共に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知して回転を検知するため、伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、従来の回転操作部のように、下側に回転を検知するための検知片を全周に亘って備える必要がない。また、回転操作部302の回転を、リングギア332aを介して伝達検知ギア部材345へ伝達させているため、リングギア332aから伝達検知ギア部材345へ回転を伝達させる部位(操作リング用伝達ギア350と噛合している部位)が、回転操作部302の全周の一部で済む。従って、回転操作部302の下方に容易にスペースを確保することができ、回転操作部302と伝達検知ギア部材345との間の高さに十分な数のLEDが円環状に列設された演出操作リング装飾基板352を配置することができる。そして、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348による回転操作部302の回転検知とに応じて、演出操作リング装飾基板352の複数のLEDを適宜発光させることで、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337の全体を充分(均一)に発光装飾させることができ、回転操作部302を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348により伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができるため、回転操作部302の回転方向と同じ方向と同じ速度で、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを順次発光(点灯・消灯)させることができる。これにより、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337の特定の部位が発光装飾された状態で、回転操作部302が回転することとなるため、遊技者に対して、恰も回転操作部302の内部にLEDが備えられているように錯覚させることができ、回転操作部302の回転(回転操作)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。或いは、遊技状態に応じて、回転操作部302の回転操作を要求する遊技者参加型演出を実行した際に、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを、回転操作させたい方向へ順次発光させることで、遊技者に対して回転操作部302の回転操作を促すことができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348により回転操作部302の回転方向及び回転速度(rpm)を検知しており、演出操作リング装飾基板352において円環状に列設されている複数のLEDを、回転操作部302と同じ回転速度となるように順番に点灯させることができる。これにより、遊技者が回転操作部302を回転操作しているのにも関わらず、回転操作部302のとある部位が発光している状態で回転操作部302と一緒に回転することとなるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、回転操作部302の回転と発光装飾とでプレミアム感を付与することができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを順次発光させて、回転操作部302において光が回転する発光装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して円環状の回転操作部302が回転操作するためのものであることを即座位に認識させることができ、遊技者参加型演出が実行された時に遊技者を当該演出に参加させ易くすることができると共に、遊技者参加型演出の実行に対して期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、伝達検知ギア部材345を、回転操作部302の回転軸に対して直交する軸周りへ回転可能に取付けており、回転操作部302の回転面に対して垂直方向から見た時に、回転操作部302の投影範囲に可及的に近い位置、に伝達検知ギア部材345を配置しており、皿ユニット200において、回転操作部302に係る構成(演出操作ユニット300、或いは、回転駆動ユニット340)をコンパクトにまとめることができるため、相対的に回転操作部302の直径を大きくすることができ、回転操作部302を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
更に、遊技状態に応じて伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302を回転駆動させる操作リング駆動モータ342を備えており、上述したように、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能な回転操作部302を、遊技者の回転操作に加えて、操作リング駆動モータ342によっても回転させることができるため、遊技状態に応じて皿ユニット200の上面の回転操作部302をぐるぐる回転させと共に、発光装飾させることで、遊技領域5aの下方且つ前方において回転操作部302を目立たせることができ、遊技者の関心を回転操作部302へ強く引付けさせることができる。
また、回転操作部302の回転を伝達検知ギア部材345、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することができるため、遊技者が回転操作部302を回転操作した時に、回転操作部302と同じ方向へ操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させることで、回転操作部302の回転操作をアシストすることができ、回転操作部302の操作感を軽くすることができる。或いは、遊技者による回転操作とは逆方向へ操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させることで、回転操作部302の回転操作に負荷を与えることができ、回転操作部302の操作感を重くすることができる。更に、遊技者による回転操作に対して、所定の回転角度毎に、操作リング駆動モータ342により回転が停止する方向へ回転操作部302に回転力を与えることで、回転操作部302の回転操作にクリック感を付与することができる。また、回転操作部302を、操作リング駆動モータ342により所定の角度範囲内で往復回動させることで、回転操作部302を振動させることができる。このように、操作リング駆動モータ342により回転操作部302に対して様々な操作感を付与することができることから、より多彩な遊技者参加型演出に対応することができるため、多彩な演出によって遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352を備えていることから、操作リング駆動モータ342による回転操作部302の操作感を付与させる際に、演出操作リング装飾基板352の複数のLEDを、回転操作と同じ方向へ順次発光させたり、回転操作と逆方向へ順次発光させたりすることで、光によって操作感を支援することができるため、遊技者に対して回転操作部302の回転操作を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていることから、回転操作部302の下方のスペースが確保し易くなり、より多くの数のLEDが実装された演出操作リング装飾基板352を配置することができるため、回転操作部302をより均一且つ明るく発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376によって、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aを、それぞれ良好な状態に発光装飾させることができるため、それらを適宜発光させることで、回転操作部302のみを発光装飾させたり、押圧操作部303のみを発光装飾させたり、中央押圧操作部303aのみを発光装飾させたり、外周押圧操作部303bのみを発光装飾させたりすることができ、遊技者に対して操作させたい操作部を認識させ易くして遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、外周ボタン装飾基板377において複数のLEDを円環状に列設していることから、それらを順次発光させることで、光が回るような発光演出を行うことができるため、回転操作部302における演出操作リング装飾基板352による演出と、外周押圧操作部303bにおける外周ボタン装飾基板377による演出とを関連付けた演出を行うことができる。具体的には、例えば、遊技者に対して、回転操作部302の回転操作を促す際に、演出操作リング装飾基板352のLEDと外周ボタン装飾基板377のLEDの両方をそれぞれ順次発光させることで、二列になって光が回転する発光装飾を行う。或いは、遊技者が回転操作部302を回転操作している時に、外周ボタン装飾基板377のLED(外周押圧操作部303b)でも回転操作部302の回転に合わせて光を回転させたり、遊技者に対して回転操作部302の回転方向を逆方向へ促したい時に、外周ボタン装飾基板377のLEDにより逆方向へ光を回転させたりする発光装飾を行う。このように、多彩な発光による演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、同心円状に並んでいる回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aをそれぞれ発光装飾させる演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376を備えているため、例えば、演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376の順にそれぞれのLEDを発光させたり、逆の順に発光させたりすることで、回転操作部302から中央押圧操作部303aへ集中するような光の演出や、中央押圧操作部303aから回転操作部302へ拡散するような光の演出を見せることができる。これにより、より多彩な発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者の関心を中央押圧操作部303aへ向けさせたり、回転操作部302へ向けさせたりすることができ、中央押圧操作部303aや回転操作部302の操作を促して遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、本形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技領域5aを備えた遊技盤5を、本体枠4に対して前方から着脱可能に取付けていると共に、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖している扉枠3の扉枠ベース101に、遊技領域5aを前方から視認可能な扉窓101aを形成すると共に、透明平板状のガラス板162を備えたガラスユニット160を、扉窓101aを閉鎖するように扉枠3(扉枠ベース101)に取付け、扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に、遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201及び下皿202を備えた皿ユニット200を取付けている。
そして、皿ユニット200の上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
従って、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができると共に、遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302と皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとを同じような円柱形状(チューブ)を環状にしたようなドーナツ形状としていると共に、回転操作部302の下方に備えられている皿中央上装飾体312aと連続するように半円柱形状の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲んでいるため、遊技領域5aの外周を円柱形状のチューブで囲んだような装飾を遊技者に見せることができ、パチンコ機1前面の装飾に対して統一感を付与することができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができると共に、遊技者の関心を円柱形状のチューブで囲まれている内側(遊技領域5a及び回転操作部302や押圧操作部303)へ向けさせて訴求力を高めることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、回転操作部302を、円柱形状を環状にしたようなドーナツ形状としていることから、平らな円盤形状とした場合と比較して、回転操作部302の上面、外側側面、内側側面、等に手指がかかり易くなるため、遊技者が好きなように回転操作部302を回転操作することができる。また、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを回転操作部302よりも大きく形成していることから、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302よりも外側へ突出することとなるため、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bに腕を置いたり手指をかけたりすることができ、遊技者が楽な姿勢で回転操作部302を操作することができると共に、回転操作部302よりも前方へ突出している皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの存在によって、遊技者が回転操作部302に近付きすぎないようにすることが可能となり、回転操作部302の周りに遊技者が操作するための腕や手指が移動する空間を確保し易くすることができ、回転操作部302の操作性を高めることができる。このように、回転操作部302の回転操作が行い易いため、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が回転操作部302の操作を思うようにすることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の内側の外周押圧操作部303b及び中央押圧操作部303aからなる押圧操作部303を、後退位置(下降位置)と突出位置(上昇位置)との間で移動可能としていることから、押圧操作部303を上昇位置へ移動させると、押圧操作部303が回転操作部302よりも上方へ大きく突出した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303をより大きく見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、回転操作部302や押圧操作部303の操作に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部303が下降位置の時には、押圧操作部303よりもドーナツ形状の回転操作部302の方が相対的に目立ち易くなることから、遊技者の関心を回転操作部302へ向けさせることができる一方、押圧操作部303が上昇位置の時には、突出した押圧操作部303が回転操作部302よりも目立ち易くなることから、遊技者の関心を押圧操作部303へ向けさせることができる。従って、実行される遊技者参加型演出の内容に応じて、押圧操作部303を下降位置と上昇位置との間で移動させることで、遊技者に対して操作させたい演出操作部301を促すことができ、遊技者に対して回転操作部302や押圧操作部303を的確に操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、回転操作部302の内側にある押圧操作部303を下降位置とした時には、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが互いに同じような高さとなると共に、回転操作部302及び中央押圧操作部303aが操作可能となり、押圧操作部303を下降位置から上昇位置へ移動させた時には、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aが回転操作部302よりも上方へ突出した状態となると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが操作可能となる。従って、遊技者参加型演出の内容に応じて、遊技者が操作可能な演出操作部301を適宜使い分けることができ、より多彩な演出に対応させることができると共に、遊技者に多様な操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作リング装飾基板352、皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457を備えているため、回転操作部302、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、及び、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453を、発光装飾させることで、パチンコ機1全体の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、回転操作部302、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、及び、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453を、適宜発光装飾させることで、遊技者の視線を遊技領域5a内から演出操作部301(回転操作部302)へ誘導したり、演出操作部301から遊技領域5a内へ誘導したりすることができるため、遊技状態に応じて遊技者に演出操作部301を操作させたり、遊技領域5a内での遊技を行わせたりすることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段として図151の主制御基板1310Xを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、選択手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、決定手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを備えている。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定値として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択して選択信号として設定切替ボタン1311bからの検出信号を、第1伝送経路として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターン等を介して、主制御基板1310Xに出力することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値を決定して決定信号として設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号を、第1伝送経路と異なる第2伝送経路として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aからの信号が伝送される配線パターンを介して、主制御基板1310Xに出力することができるものである。第1伝送経路と第2伝送経路とは、相互に離間して配置されている。
具体的には、不正な改変を防止するために、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送され配線パターンと、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、設定スイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて設定値が決定されると、この決定された設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、第1伝送経路と第2伝送経路とを相互に離間して配置することにより、不正な改変を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択表示設定手段及び決定手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、表示手段として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備える設定表示器1310gを備えている。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択許可又は主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値の表示許可を設定することができるものであるとともに、設定値を決定することができるものである。設定表示器1310gは、設定値を表示することができるものである。
設定スイッチ1311aにより設定値の選択許可が設定された後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値が設定表示器1310gに表示されて設定スイッチ1311aにより決定され、この決定した設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっている。電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われた後に設定スイッチ1311aにより設定値の表示許可が設定されると、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値が設定表示器1310gに表示されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われた後に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作とされることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値が設定表示器1310gに表示されるようになっているため、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値を確認することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段として図151の主制御基板1310Xを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、選択許可設定手段及び決定手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを備えている。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択して選択信号として設定切替ボタン1311bからの検出信号を主制御基板1310Xに出力することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択を許可する選択許可信号として設定スイッチ1311aを設定キーONの信号を主制御基板1310Xに出力することができるものであるとともに、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値を決定して決定信号として設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号を主制御基板1310Xに出力することができるものである。
選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号は、主制御基板1310Xと別体に設けられる他の制御手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yを介して、主制御基板1310Xに入力されるようになっている。
主制御基板1310Xは、記憶手段として図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、信号有効制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理、信号無効制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理、設定変更制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理を含んでいる。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理は、選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を有効とすることができるものである。信号無効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理は、選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を無効とすることができるものである。設定変更制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理は、信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理が選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を有効としたときに設定値を主制御内蔵RAMに記憶保持することができるものである。
電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され得る状態となるように予め設定されて電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると(具体的には、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONとするという手順を行い、続いて電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。)、この設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され、信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理により選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、が有効とされるとともに、設定切替ボタン1311bにより選択された設定値が設定スイッチ1311aにより決定されると、この決定された設定値が設定変更制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理により主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっている。電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され得る状態とならないように予め設定されて電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると(具体的には、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONとするという手順を全く行わずに、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。)、この設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力されず、信号無効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理により選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、が無効とされるようになっている。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球し、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、第1操作部として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a及び図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、第2操作部として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、記憶手段として図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を備えている。設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bは、設定値の設定変更を行うことができる第1操作を受け付けることができるものである。RAMクリアスイッチ1310fは、設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bと別体であって、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアすることができる第2操作を受け付けることができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができることができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bが第1操作を受け付けることができる期間において第1操作を受け付けると、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理が主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行った後に、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理が主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行うことができる第1操作を行う場合には、まず、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。つまり、「第1操作を受け付けることができる期間」とは、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われてから図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行うまでの期間となる。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う)。続いて、設定値を決定するため、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に値0を書き込む(遊技バックアップ情報が初期化される)。
RAMクリアスイッチ1310fが第2操作を受け付けることができる期間において第2操作を受け付けると、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理が主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行うことなく、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理が主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるようになっている。
具体的には、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアすることができる第2操作を行う場合には、まず、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながら電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)が主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS14、ステップS16Aの処理を行う)。つまり、「第2操作を受け付けることができる期間」とは、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われてから図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS14、ステップS16Aの処理を行うまでの期間となる。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に値0を書き込む(遊技バックアップ情報が初期化される)。
このように、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bによる第1操作の受け付け又はRAMクリアスイッチ1310fによる第2操作の受け付けにより消去することができるようになっているため、遊技ホールの店員等の係員による第2情報である遊技バックアップ情報の消去方法にバリエーションを持たせることができる。したがって、消去方法にバリエーションを持たせることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球し、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、操作手段として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択許可手段及び決定手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理、起動実行制御手段として図177の主制御側タイマ割り込み処理を備えている。RAMクリアスイッチ1310fは、操作部として押圧操作部を有するものである。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技機の起動時に実行することができる複数の起動時動作設定情報としてRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様における設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。
RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様(上述した共通ハードウェア構成による変形例(1))として説明したように、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる。
主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる起動時動作設定情報である設定値の選択を許可することができるものであるとともに、起動時動作設定情報である設定値を決定することができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、設定スイッチ1311aにより決定された起動時動作設定情報である設定値を主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報を消去する制御を行うことができるものである。図177の主制御側タイマ割り込み処理は、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいて遊技機の起動を実行する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311aにより起動時動作設定情報である設定値の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される起動時動作設定情報である設定値が設定スイッチ1311aにより決定されて起動時動作設定情報である設定値が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理により主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持され、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去され、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動が図177の主制御側タイマ割り込み処理により実行されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う)。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアし(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行い)、図175の主制御側電源投入時処理のステップS40の処理で初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定するとともに主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行する。
一方、設定スイッチ1311aにより起動時動作設定情報である設定値の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの操作部が操作されると、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去され、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動が図177の主制御側タイマ割り込み処理により実行されるようになっている。
具体的には、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて主制御MPU1310aが図175の主制御側電源投入時処理が開始する。図175の主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図175の主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の処理までに亘る予め定めた期間内において、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたか否かを判定し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたときには、その後、図175の主制御側電源投入時処理のステップS38の処理で主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアし、図175の主制御側電源投入時処理のステップS40の処理で初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定するとともに主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行する。
このように、パチンコ機1の起動時に実行することができる複数の起動時動作設定情報である設定値1〜設定値6のうち、いずれか一つ選択された起動時動作設定情報である設定値が主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持されるようになっているため、パチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの操作部が操作されたことにより、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されると、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動を行うことができるようになっている。したがって、起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図131の第一始動口2002や第二始動口2004に入球し、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、操作手段として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択許可手段及び決定手段として図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を備えている。RAMクリアスイッチ1310fは、操作部として押圧操作部を有するものである。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択を許可することができるものであるとともに、設定値を決定することができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、設定スイッチ1311aにより決定された設定情報を主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報を消去する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311aにより設定値の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値が設定スイッチ1311aにより決定され、この決定した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持され、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う)。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。
設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されると、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるようになっている。
具体的には、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて主制御MPU1310aが図175の主制御側電源投入時処理が開始する。図175の主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図175の主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の処理までに亘る予め定めた期間内において、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたか否かを判定し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたときには、その後、図175の主制御側電源投入時処理のステップS38の処理で主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われ、設定切替ボタン1311bにより選択される設定情報が設定スイッチ1311aにより決定されて主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持されることに基づいて、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるという「設定変更に伴う情報消去」と、設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われ、予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されることに基づいて、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるという「RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部の操作に伴う情報消去」と、のうち、いずれか一方の情報消去を行うことができるようになっている。
以上、パチンコ機1について好適な形態を挙げて説明したが、上記パチンコ機1は、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の形態では、押圧操作部303を上昇位置へ移動させた状態で、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)を下降端まで押圧しても、外周押圧操作部303bの押圧が検知されないものを示したが、これに限定するものではなく、外周押圧操作部303bの押圧を検知できるようにしても良い。これにより、同じ押圧操作でも、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとで異なる演出態様に変化させたり、外周押圧操作部303bが押圧操作された時には中央押圧操作部303aの押圧操作を促したりすることが可能となり、より多彩な遊技者参加型演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の形態では、押圧操作部303(中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303b)を上昇位置へ移動させた状態では、押圧操作部303を押圧すると、下降位置まで移動するものを示したが、これに限定するものではなく、上昇位置の状態で押圧操作部303を押圧すると、上昇位置から僅かに下方へ移動した後に下方への移動が規制されるようにしても良い。
更に、上記の形態では、前方へ膨出している皿ユニット200の上面に回転操作部302を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、皿ユニットの内部に回転操作部を配置すると共に、皿ユニットの前面において回転操作部の外周側面を外部に露出させるようにしても良い。これによっても、上述と同様に回転操作部の回転操作を遊技者に楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の形態では、接続筒部43aを介して幕板内部空間40a(ポート部材47)と連通されるスピーカユニット620aを、本体枠4に備えものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠3(皿ユニット200)に内部がポート部材47と連通するスピーカユニットを備えるようにしても良く、上述と同様の作用効果を奏することができる。
ここまでで説明したパチンコ機には、次のような技術的思想が含まれる。
「発射された遊技球が流下し得る遊技領域が形成された遊技盤を具備し、該遊技領域として、所定の発射力で発射された遊技球が流下し得る第1遊技領域と、前記所定の発射力よりも強い特定の発射力で発射された遊技球が流下し得る第2遊技領域を有する遊技機において、
前記特定の発射力で発射された遊技球が前記第2遊技領域に進入するのに先立って通過可能な連絡通路部を備え、
前記連絡通路部には、通過した遊技球が前記第2遊技領域に進入する箇所を相違させるように、該通過した遊技球を前記第2遊技領域に放出する放出部が複数設けられ、さらに前記複数の放出部よりも上流側で上下方向に複数の球通路が形成されるように通路を隔てる分岐部が設けられており、
前記分岐部によって形成された前記複数の球通路のうちの第1球通路は、前記複数の放出部のうちの第1放出部に連通し、前記分岐部によって形成された前記複数の球通路のうちの第2球通路は、前記複数の放出部のうちの第2放出部に連通するように構成されてなる遊技機。」
かかる遊技機は、連絡通路部の球通路と各球通路に連通する放出部が複数設けられていて、どの球通路を通るかによって第2遊技領域への進入箇所が相違し、その結果、第2遊技領域内での落下態様が相違する。第2遊技領域内での落下態様が違うと、入球確率にも違いが出るため、遊技者は、ハンドル操作を注意深く行うようになり、そうして狙った球通路を捉えたことによって多くの遊技球が獲得できると、十分な達成感、満足感が得られる。したがって、第2遊技領域に向けて遊技球を発射することにも意識が集中するから、遊技の興趣が増大する。
なお、上記遊技機は、前記連絡通路部の分岐部の一部に第1球通路と第2球通路を繋ぐ落下口を設けて第1球通路を流れる遊技球の一部が第2球通路に落下して第2放出部から第2遊技領域の特定箇所に落下し得るようにしてもよい。
こうすることにより第1球通路につながる第1放出部を狙うためは、発射方向と発射力の双方が満たされる必要があるため、より注意深く意識を集中させてハンドル操作を行うようになる。
[20.パチンコ機の他の形態1]
次に、他形態1のパチンコ機1を図190〜図215について説明する。なお、本他形態1のパチンコ機1は、上記パチンコ機1の主として遊技盤5とハンドルユニット180を変更したものであるため、原則としてそれらに関連すること以外についてはその説明を省略する。よって図190〜図215と図1〜図189において、同一符合を付した構成要素は、原則として同一又は同機能の構成要素である。
[遊技盤]
本他形態1の遊技盤5は、図202の分解斜視図に示したように、前面に遊技領域5aを有する遊技パネル1100と、該遊技パネル1100に取り付けられるセンター部材2500と、該遊技パネル1100の後側に取り付けられる演出ユニット814と、からなる。
[遊技パネル]
遊技パネル1100は、図202の分解斜視図に示したように、不透明なベニヤ板製のベースパネル1110と、背景用の装飾816を施すための奥側装飾部材817と、遊技領域5aとセンター部材2500を囲う前構成部材1000と、を備えている。
[ベースパネル]
前記ベースパネル1110は、前記のようにベニヤ板で形成されていて、その前面全域に第一装飾面819となる合成樹脂製のセルが貼着されており、該第一装飾面819に背景用の装飾820a(本他形態1では少年の顔のランダムな配列)が印刷されている。また、ベースパネル1110の上寄りほぼ中央の位置に前記センター部材2500を取り付けるための大きな貫通孔1112が開設されている。
[奥側装飾部材]
背景用の装飾816を施すための奥側装飾部材817は、図204の斜視図、図205の分解斜視図、図198、図199の断面図に示したように、後述する演出ユニット814の演出支持枠852を介して(具体的には演出支持枠852の前面にビス止めされているため、形態的には演出支持枠852と一体。)ベースパネル1110の裏面に配設されており、その前面に第一装飾面819の装飾820aと統一性(外観上の統一性はもちろん、観念的な統一性も含む。)を有する背景用の装飾816(例えば、第一装飾面819の装飾820aと繋がって一つのキャラクタが完成する。)を施した第二装飾面822が形成されている。なお、第二装飾面822は、数ブロックの板片822pを前後に位置をずらして配置することにより、装飾816自体にも遠近の立体感が付与されている。
この奥側装飾部材817は、ベースパネル1110の前記センター部材2500取付用の貫通孔1112の上下左右の四方に対応するように上装飾部材817aと下装飾部材817bと右装飾部材817cと左装飾部材817dで形成され、そのうちの上装飾部材817aと下装飾部材817bと右装飾部材817cの各第二装飾面822が前記貫通孔1112の孔内に臨むように配置され、一方、左装飾部材817dの第二装飾面822が、図198に示したようにベースパネル1110の裏面に対向するように配置される。なお、このように左装飾部材817dの第二装飾面822は、不透明なベースパネル1110の裏面に対向配置されているため、通常の状態では遊技者の視界に入らないものの、図204に示したように斜めから見た場合には一部が認識し得る。したがって遊技者にベースパネル1110の見えない奥にまで背景用の装飾816が広がっているような感覚を与えることができるため、さらに立体感を高めることができる。
ベースパネル1110の前記前構成部材1000で囲われる遊技領域5aには、前記のように一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、大入賞口2005、図示しないが遊技球の落下に変化を与える風車や障害釘、等が遊技内容に応じて適宜設けられており、さらに最も低所にアウト球を回収するアウト球口1008が設けられている。
なお、これらの各部材は、殆どが透明な合成樹脂で形成されており、したがって第一装飾面819の背景用の装飾820aが殆ど隠れない。
[前構成部材]
前記前構成部材1000は、図203に示したように、遊技領域5aとセンター部材2500の上方の外側を区画する外レール1001と、遊技領域5aとセンター部材2500の側方と下方を区画する内レール1002と、を有する枠形状であり、発射レール544から発射された遊技球が外レール1001と内レール1002の間の発射通路部1012を通って遊技領域5aの上部又はセンター部材2500の上部に案内される。
この前構成部材1000は、全体が透明な合成樹脂で形成されており、ベースパネル1110に設置した状態でその表面が透けて見えるようになっている。一方、前記のように本他形態1のベースパネル1110は、前面全域に背景用の装飾820aを有するのであり、よって前構成部材1000は背景用の装飾820aでカモフラージュされた状態で殆ど目立たず、ベースパネル1110の前面の全てが大きな遊技領域5aであるかのように見える。したがって不透明な前構成部材で囲われた従来型のパチンコ機に比べて、遊技パネル1100全体が遊技領域5aに拡大されたかのような視覚効果が得られる。
なお、本他形態1では遊技領域5a内外の背景用の装飾820aをデザイン的に統一(外観上の統一性はもちろん、観念的な統一性も含む。)させて遊技領域5aの視覚的な拡大を可能にしたが、遊技領域5aと前構成部材1000に対応する部分の背景用の装飾820aを統一性のない別デザインにしてもよい。そうした場合には、前構成部材1000の装飾が第一装飾面819の印刷で賄えるため、前構成部材1000自体に装飾を施す必要がなく、その分コストを削減することができる。
本他形態1の遊技パネル1100は、以上のように構成されており、遊技パネル1100表面の第一装飾面819と、遊技パネル1100裏面の第二装飾面822との奥行きの違いにより、背景用の装飾816,20に遠近の立体感が生じるため、斬新な遊技機を提供することができる。
[センター部材]
前記センター部材2500は、ベースパネル1110の前記貫通孔1112の輪郭より若干大きな輪郭の取付フランジ部830と、前記貫通孔1112に遊嵌可能なように前記取付フランジ部830の裏側に突設された内枠部831と、前記遊技領域5aからの遊技球の流入を防ぎ得るように取付フランジ部830の表側に突設された囲い枠832と、を有するものであり、その全体が透明な合成樹脂で形成されている。
センター部材2500の取付フランジ部830の周端縁には、ベースパネル1110に向かって肉薄になる傾斜のテーパ部833が形成されている。本他形態1では図196の拡大図に示したように、少なくとも遊技中の遊技者の視界に入り得る部分(例えばセンター部材2500の上半部の取付フランジ部830)のテーパ部833が前記貫通孔1112の縁に掛かるように、従来より取付フランジ部830とベースパネル1110の引っ掛かりが浅く設定されている。こうすることにより貫通孔1112の内部を照らす光が取付フランジ部830のテーパ部833を通ってプリズムの如くに変化して外部に漏れ出すため、貫通孔1112から漏れ出る光でセンター部材2500の回りを簡単且つ効果的に装飾することができる。
また、センター部材2500は、囲い枠832の内側に、前記演出ユニット814の後述するドラム854に対向する演出領域834と、前記遊技領域5aとほぼ面一になる高さの装飾面835を有する板状の装飾部材836と、を有する。
[演出領域−導光板ユニット]
センター部材2500の演出領域834には、後述するドラムユニット855の前面を保護し且つ装飾するための導光板ユニット837が設けられている。この導光板ユニット837は、図200に示したように、発光装置838を内蔵した縦フレーム839と横フレーム840を含む額縁状の表示窓841に導光板842を嵌め込んだものであり、縦フレーム839と横フレーム840の発光装置838から導光板842の導光入射端面に光を照射して所定の画像を演出的に表示するものである。
なお、導光板842は、表示窓841に対して数mm(例えば3mm)程度のがたつきが生じる状態に嵌め込まれている。そうすることにより導光板842が熱膨張しても応力が加わり難くなるため、熱応力による導光板842の変形又は破損のリスクを低減させることができる。また、導光板842は、同様の趣旨から四辺の一部をビス(図示せず)などで固定し、それ以外の辺を非拘束で移動可能にした状態で取り付けるようにしてもよい。
[装飾部材]
センター部材2500の前記装飾部材836は、センター部材2500の囲い枠832の内側から前記表示窓841の縦フレーム839と横フレーム840に向けて突設した透明な合成樹脂板であり、表面に遊技領域5aとほぼ面一になる高さの装飾面835を有する。この装飾面835には、図201に示したように、ベースパネル1110の第一装飾面819に施された背景用の装飾820bと統一性(外観上の統一はもちろん、観念上の統一も含む。)を有する背景用の装飾843が描かれており、図200に示したように、演出領域834と、同図に想像線で示した貫通孔1112との位置及び大きさの差(余白的な部分)を自然な形で埋めることができる。つまり、第一装飾面819に施された背景用の装飾820bがセンター部材2500の内側に自然な形で食い込んでいる。また、装飾によって統一性を図るようにしたが、発光装飾体をセンター部材2500の外側と内側とに跨るように配置するようにしてもよい。
したがって演出領域834の大小に応じて装飾部材836の大小を調整することにより、センター部材2500の外形を保ったまま最小限の設計変更で多くの機種に対応することができる。
なお、本他形態1の装飾面835に描かれた装飾843は、遮光性に優れたインキで描かれており、したがって透明な装飾部材836の非装飾部分から透けて見える前記第二装飾面822の装飾816との対比により、さらに立体感が増す。また、装飾843の遮光性により、貫通孔1112の内側から照らされる光が間接照明的に和らげられるメリットもある。
また、本他形態1では、後述する演出支持枠852の前面上部であって後述するドラム854の上側に装飾用の飾りランプ844Hが設けられており、上記装飾部材836の該飾りランプ844Hと重なる位置に、重合回避のための切欠845が形成されている。これにより飾りランプ844Hの光が装飾部材836に反射して見難くなるおそれがないため、飾りランプ844Hの鮮明度が向上する。
[センター部材に付設された役物等]
センター部材2500は、図193、図194に示したように、囲い枠832の外側下方に、遊技球を左右方向に遊動させつつ遊技領域5a内へ落下させるステージ棚2503と、遊技領域5aから入った遊技球Bをステージ棚2503に案内するワープ通路847と、からなるいわゆる役物を一体に備えている。なお、遊技領域5aのステージ棚2503の直下には、前記のように第一始動口2002が配置されており、ステージ棚2503の中央から遊技球が落下すると高い確率で入賞し得る。
また、センター部材2500の囲い枠832の正面向かって右外側上半部には、外レール1001に沿って自己の上部を飛び越えた遊技球を遊技領域5aの右側下方に案内する放出部848が設けられている。この放出部848は、ほぼ遊技球一個分の広さを有すると共に通路内の正面視右内壁と同左内壁に蒲鉾状の障害凸条849が互い違いにほぼ等ピッチに突設されている。したがって、この放出部848に入った遊技球は、多数の障害凸条849に接触し蛇行しながら、あたかも遊技領域5a内で障害釘に衝突しながら落下するかのような状態で適度な時間を掛けて遊技領域5aの右側下方に導かれる。
また、センター部材2500の囲い枠832の右外側下半部には、開閉片850の回動で入賞口が開閉される第二始動口2004が設けられると共に、該第二始動口2004と放出部848の上下方向の中間に通過型のゲート部2003が設けられている。このゲート部2003は、センター部材2500の取付フランジ部830から横向き半島状に延設した延設部830aに設置されており、後方部分が、センター部材2500の延設部830aに合わせてベースパネル1110の貫通孔1112に刻設された湾状切込部1112aに収められている。このように取付フランジ部830から半島状に突出させた延設部830aにゲート部2003(それ以外の入賞口も同じ。)を設置し、これを貫通孔1112に切り込んだ湾状切込部1112aに設置するようにすることにより、独立形態で周囲に独自の取付フランジ部を有するゲート部2003等を別途設置する場合に比べて、センター部材2500側の取付フランジ部が不要となることによる設置スペースのコンパクト化が可能であり、その分、遊技球が流れる部分のベースパネル1110のベニヤ板の面積を大きくすることができる。なお、ベニヤ板は、釘の打ち込みや調整が容易であり且つ長期の使用によっても釘が抜けにくい等の特徴があり、したがって障害釘を設ける部分については、可能な限りベニヤ板にするのがよい。放出部848に入った遊技球は、一旦はセンター部材2500の合成樹脂板の領域に導かれるものの、センター部材2500の外側に遊技球を吐き出す場合には、障害釘を設けるベニヤ板の領域に吐き出す、ということである。
[演出ユニット]
演出ユニット814は、遊技パネル1100の後側に取り付けられるものであって、例えば第一始動口2002による遊技球の検知により開始される大当りに関する抽選の結果を遊技情報として表示し得る表示装置851と、該表示装置851を支持する枠状の演出支持枠852と、該演出支持枠852の後面に取り付けて表示装置851の後面をカバーする後カバー853と、を備えている。
[表示装置]
前記表示装置851は、前記した液晶表示装置等による画像表示タイプと、可動物の機械的な回転・停止等の変化で前記遊技情報を表示し得る実動タイプの何れでもよいが、本他形態1では後者の実動タイプが使われている。
具体的な実動タイプの表示装置851は、図206〜図210に示したように、可動物たるドラム854を回転及び上下動させ得るドラムユニット855を横一列に複数セット(本他形態1では3セット)並べてそれらの上下を連結板856で固定的に連結したものである。
[ドラムユニット]
各ドラムユニット855は、図208の分解斜視図に示したように、横向き円筒状のドラム854と、該ドラム854を同図矢示方向に回転させる回転駆動装置857と、ドラム854を回転駆動装置857ごと上下方向に移動させる移動駆動装置858と、ドラム854を内側から照らして遊技情報を明確にするための照明部材859と、から概略構成される。
ドラム854は、合成樹脂製の薄いシートで形成されており、周面に複数の文字や図柄が所定の配列で表示されている。
ドラム854を回転させる回転駆動装置857は、ドラム854の一方の開口縁に固着されたリム状のリング部材860と、ドラム854の中心に配設されると共にリング部材860に向かって漸次拡径し且つリング部材860側の外方に向けて開口する錐台筒形の中心部材861と、リング部材860と中心部材861を放射線状に連結する連結部材862と、前記中心部材861に直結された電動モータ863と、からなり、電動モータ863の駆動軸を回転又は停止させることにより、中心部材861と連結部材862とリング部材860とドラム854が一体になって回転又は停止する。
なお、回転駆動装置857には、ドラム854の内部に空気を通して冷却する空冷手段が設けられている。つまり、空冷手段は、中心部材861の周壁に形成されたシロッコファン状の吸気翼片864と、連結部材862に形成されたプロペラファン状の排気翼片865とからなり、ドラム854の図208矢示方向の回転により、シロッコファンの要領で中心部材861の開口から空気を吸い込んで中心部材861の外側とドラム854の内側の間の空間に排出し、さらにこの空間に導かれた空気をプロペラファンの要領で連結部材862と連結部材862の間からドラム854の外に排出する。したがってドラム854の中心部材861の内外で吸気と排気が逆向きになるUターン状の気流が発生するため、ドラム854の内部が効率的に冷却される。
ドラム854を回転駆動装置857ごと上下方向に移動させる移動駆動装置858は、ドラムユニット855の電動モータ863と前記照明部材859を支持する円盤型の支持基板866と、該支持基板866を上下摺動可能に支持するガイド軸867と、該ガイド軸867と平行に立設された雄ネジ状の駆動軸868と、該駆動軸868とガイド軸867を支持する上下の軸受台869と、上の軸受台869の上部に取り付けられた駆動軸868用の昇降モータ870と、からなる。
したがって、昇降モータ870で駆動軸868を回転させると、該駆動軸868の螺旋に沿って支持基板866が上昇又は下降し、これによりドラム854が回転駆動装置857ごと図210実線のように上昇し又は同図想像線のように下降する。なお、ドラム854は通常、移動可能範囲のほぼ中間位置(以下、「基準位置」という。)に停止しており、この状態から全ドラム854を一斉に上下動させてもよいし、各ドラム854をばらばらに上下動させてもよい。また、ドラム854が最も上昇し又は最も下降した位置にあるとき、図210に示したようにドラム854の一部は表示窓841から外れて見えなくなるが、その場合でも遊技情報を表示する部分は表示窓841の枠内に存在するようになっている。
ところで本他形態1の移動駆動装置858は、ドラム854を上下方向にのみ移動させ得るようになっているが、例えば駆動軸868とガイド軸867と軸受台869と支持基板866の組合せをもう一セット追加して駆動軸868とガイド軸867が水平になる向きに回転させ、そして、それを元の支持基板866と電動モータ863の間に組み込んで、つまり元の支持基板866に追加した二つの軸受台869を横並びに固着して駆動軸868とガイド軸867を横向きに差し渡し、その横向きの駆動軸868とガイド軸867に支持された新たな支持基板866に電動モータ863を取り付けるようにしてもよい。そうすることにより各ドラム854を上下と前後に自由に移動させ得るため、ドラム854による演出のバリエーションが格段に向し、また、上下動に際して邪魔になる部材を前後動により一旦回避させる、ということも可能になる。
また、本他形態1の表示装置851には、複数のドラムユニット855の各ドラム854間に正面視縦棒状の線状照明871a〜871dが設けられている。該線状照明871a〜871dは、例えば冷陰極管等の発光体であり、前面(遊技者)に向かって弧状(弓形)に湾曲するように形成されているが、3つのドラム854の両端に位置する線状照明871a,871dの曲がり具合が、ドラム854間に設けられる線状照明871b,871cの曲がり具合より緩やかに設定され、さらにドラム854間の線状照明871b,871cの最前部の方がドラム854の両端に位置する線状照明871a,871dより遊技者側に迫り出すように設置されている。これにより線状照明871a〜871dが点灯した状態で、ドラム854の前面に曲面状の立体感を付与することができる。
上記表示装置851は、次に詳述する演出支持枠852によって遊技盤5に後面側から取り付けられ、センター部材2500の前記表示窓841の枠内に正面視で前記基準位置にある全てのドラム854が収まるようになっている。つまり、可動物であるドラム854の上下の幅(ドラム854の直径)より表示窓841の上下の幅が大きくなっており、したがって表示窓841から、停止したドラム854の正面の遊技情報を現す部分(この部分の数字又は図柄の組み合わせによって抽選結果の当たり外れを表示する。)の他、ドラム854の上下の輪郭の少なくとも一方が遊技者から見える。このように表示窓841からドラム854の上下の輪郭の少なくとも一方が見えることにより、ドラム854が何らの支えもなく空中に存在しているかのような感覚を遊技者に与えることができる。
表示装置851は以上のように構成されているため、前記のように第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310Xにて当たり外れを決定する抽選が行われ、その抽選結果が、ドラム854の回転と上下の移動を適宜に組み合わせた機械的な変化による一定時間の演出動作を経て、表示窓841の枠内に停止したドラム854の図柄の組合せで表示される。そしてもし、その抽選結果が大当りであれば、所定の条件の範囲内で大入賞口2005への大量入賞が容易になる、という利益が与えられる。もちろん表示装置851の演出動作は、どのようなものであってもよい。
なお、本他形態1では、大入賞口2005への大量入賞が可能になるタイミング(好ましくは大入賞口2005が開く前)で、右打ちすべきであること、すなわち遊技球の打ち方を強レベルにして遊技領域5aの右側に打ち込むべきであることを指示する(例えば図190に想像線で示した表示パネル2005pをOFFからONに切り替えて「右打ちして下さい。」のような文字を表示するか、或は音声で「右打ちして下さい。」のような案内をする。)打ち方指示手段が設けられており、これによって遊技者の利益が最大限に図られるようになっている。
[演出支持枠]
前記演出支持枠852は、前記表示装置851を装着するための開口状の設置部872を有する額縁形態であって、ベースパネル1110の裏面にビス等で固定的に取り付けられる。この演出支持枠852には表示装置851の他にも、前記したように第二装飾面822を有する奥側装飾部材817が表示装置851の四方を囲う状態に取り付けられている。また、演出支持枠852には、前記のように前面上部にドラム854の上側に位置する装飾用の飾りランプ844Hが設けられているが、さらに演出支持枠852の前面下部にドラム854の下側に位置する装飾用の飾りランプ844Lが設けられている。この上下の飾りランプ844H,844Lを同時に点滅等させることにより、例えば複数のドラム854のうちの注目すべき対象を判りやすく知らせることができる。
[後カバー]
前記後カバー853は、前記演出支持枠852の後面に取り付けて表示装置851の後面をカバーするものであり、図209に示したように両側面に放熱用のファン873と通気孔874を備えると共に、後面にも放熱用の通気孔874を備えている。また、後カバー853の上下には、表示装置851のドラム854に向けて光を照射する演出照明875が設けられており、ドラム854の輪郭が後側からの照明で照らし出されるようになっている。なお、該演出照明875による光の演出効果を高めるため後カバー853は、少なくとも内面が暗色(具体的には黒色)になっている。また、演出照明875は、後カバー853の外側に取り付けられていて、そこから後カバー853内にLED等の発光体876を臨ませるようにしてある。また、後カバー853内の演出照明875に対応する部分にはハーフミラー877が設けられており、演出照明875がOFFの状態で鏡面にドラム854の後面側が写って見えるようになっている。これによりドラム854の後側も華やかに演出される。
なお、上記の本他形態1には次のような技術的思想が含まれている。
[技術的思想1]
遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技パネルと、
該遊技パネルに開設された貫通孔に取り付けられ前記遊技領域からの遊技球の流入を防ぎ得る囲い枠の内側に少なくとも演出領域を有するセンター部材と、を備えた遊技機であって、
前記センター部材の前記囲い枠の内側に、前記遊技領域とほぼ面一となる装飾面を設けた装飾部材を備えてなることを特徴とする遊技機。
[技術的思想2]
可動物の可動によって遊技情報を表示する表示装置と、
前記表示装置の存在を認識可能にする表示窓と、を備え、
前記表示窓を通して認識可能とされた前記可動体によって遊技者に遊技情報を認識させるようにした遊技機であって、
前記表示窓は、前記可動物の遊技情報を現す部分の他、可動物の上下の輪郭の少なくとも一方が遊技者から見え得る状態に形成されていることを特徴とする遊技機。
[技術的思想3]
遊技球が流下可能な遊技領域を有する遊技パネルを備えた遊技機であって、
前記遊技パネルの前面に形成された背景用の装飾を施すための第一装飾面と、
前記遊技パネルの前面より奥まった位置に形成された背景用の装飾を施すための第二装飾面と、を備えてなることを特徴とする遊技機。
[技術的思想4]
遊技者に対向する位置に配設された扉枠の前面に遊技操作用の操作媒体を備えてなる遊技機において、
前記扉枠の前面に、前記操作媒体を操作する遊技者の手の外周囲近傍を囲い得るハンドカバー部を設けたことを特徴とする遊技機。
[ハンドルユニット]
本他形態1の扉枠3におけるハンドルユニット180について、主として図211〜図215等を参照して説明する。なお、ハンドルユニット180の発射勢を調節するための基本構成は、前記段落[0247]〜段落[0262]及び[図54]等で説明したものとほぼ同じであるため、図211〜図215に図示されていない部品についての説明は図54を参照する。
ハンドルユニット180は、扉枠3(扉枠ベースユニット100)のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が手動回転操作することで球発射装置540を制御して上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられる操作媒体たるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられ前面に複数のLED184Lが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルキャップ185と、ハンドル182を操作する遊技者の手の外周近傍を囲うべく扉枠3の前面に設けられたハンドカバー部195と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188(図54参照)と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189a(図54参照)を有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189(図54参照)と、を備えている。
さらに、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転始端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191(図54参照)と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192(図54参照)と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視における左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193(図54参照)と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194(図54参照)と、を備えている。
[ハンドルベース]
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端に設けられたカップ状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から内向きに窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181c(図54参照)と、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内にそれぞれ突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
なお、ハンドルベース181の基部181aの回りには、白色系の色に着色された椀状のスクリーン部材196が、ハンドル取付部102に固着された状態で設けられており、本他形態1では扉枠右サイドユニット410の端部からスクリーン部材196に向けて照射されるフルカラーLEDの光を、ほぼその色のまま反射し得るようになっている。
[ハンドル]
ハンドル182は、遊技者が片手で握るに適した直径と厚みを有する円盤をベースとし、その外周面から周方向に指一本が挿通可能な高さ分以上の高さに突出し且つハンドル182の回転中心(軸部材187)を基準とするほぼ点対称の位置、すなわち等間隔(90度)に突出している四本の指掛部182g〜182jと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182f(図54参照)と、を備えている。
また、ハンドル182には、その外側に該ハンドル182と同心円状で環状の装飾部材たる装飾ハンドル1820が前記指掛部182g〜182jを介して一体に設けられている。この装飾ハンドル1820は、前面が透光性の装飾カバー1821で覆われ、外周面が前記ハンドルタッチセンサ192の感知部となる導電性のタッチカバー1822で覆われており、中空の内部に配設された多数の発光LED1823と指掛部182g〜182jの正面に点状に設けられた発光LED182Lによって、光による適宜なフルカラー演出が行えるようになっている。
なお、装飾ハンドル1820の発光LED182Lによる光の演出の一例として、複数の発光LED182Lの発光態様の変化により視覚的に装飾ハンドル1820が右回転しているかのように見せて、今が右打ちすべきタイミングであることを指示する、つまり前記した打ち方指示手段として利用することが挙げられる。また、好ましくは扉枠3の扉枠左サイドユニット400、扉枠トップユニット450、扉枠右サイドユニット410のフルカラーLEDを使って、扉枠3全体で右回りの光の流れを演出するとさらにダイナミックに右打ちを指示することができる。例えば、扉枠3の扉枠左サイドユニット400、扉枠トップユニット450、扉枠右サイドユニット410のフルカラーLEDを「左下→左→左上→上左→上中→上右→右上→右中→右下」の順に発光させて光が右回り(時計回り)に流れているように演出し、その光の流れを受け継ぐ形で装飾ハンドル1820の発光LED1823を時計回りに発光させるのである。特に、扉枠右サイドユニット410の最下部に位置するフルカラーLEDに最も近い発光LED1823から発光させるようにすると、より連動した(一体となった)演出とすることができる。この場合、扉枠3と装飾ハンドル1820の二つの点灯態様で打ち方を指示していることになるため、いずれか一方のLEDに不具合が生じた場合であっても、支障なく遊技者に打ち方を指示することができる。
このように、光の演出の一例として、右打ちすべきタイミングであることを指示するものを示したが、これに限定されるものではなく上記以外の演出にも実行可能であることは言うまでもない。例えば、右打ち状態のときから左打ちの指示を行う場合には、右打ちの場合の光の演出とは逆の一連の演出(例えば、装飾ハンドル1820側の発光LED1823を反時計周りに装飾的に回転させたあと、扉枠左サイドユニット400、扉枠トップユニット450、扉枠右サイドユニット410のフルカラーLEDを右下→右中→右上→上右→上中→上左→左上→左中→左下の順に発光させる演出)を行うようにしたり、打ち方の指示ではなく、例えば当りに対する期待度合いが高い演出が実行されたときにそれに合わせて連動した演出を実行したり、当りに対する期待度合いが高い演出が実行されるよりも前にそれに連動した演出を実行する、などである。また、ここでいう連動とは、上述した打ち方を指示する光の演出の連動であっても、例えばパチンコ機1の上側から下方へ光が流れるような演出(扉枠トップユニット450のフルカラーLEDを上中を発光させたあと上左と上右を発光させ、次に扉枠左サイドユニット400および扉枠右サイドユニット410の上→中→下を発光させ、最後に装飾ハンドル1820の発光LED1823を発光させる)であってもよい。
また、装飾ハンドル1820の発光LED182Lを打ち方指示手段として利用する場合の発光タイミングは、例えば他の打ち方指示手段たる表示パネル2005pの点灯と同じにしたり、演出表示装置1600(液晶表示装置)に表示される右打ち指示と同じにしたり、或はそれらの前後にしたりすればよいが、少なくとも大入賞口2005への大量入賞が可能になる前(大入賞口2005の開放前)に行う方が、遊技者の利益を護る上で好ましい。
また、指掛部182g〜182jの正面に点状に設けられた発光LED182Lの光の演出の一例として、球発射装置540の発射強度に応じて点灯パターンを変化させることが挙げられる。例えば、発射強度が「弱」であれば青色、発射強度が「中程度」であれば緑色といった具合である。一般的なパチンコ機1は、発射強度を「強」にした右打ち状態が大当り中や確変中といった有利な遊技状態であるため、発射強度を「強」にしたときには、心理的に興奮を促す作用があるとされる赤色に点灯するとよい。
四本の指掛部182g〜182jは、ハンドル182が初期回転位置にあるとき、二つの指掛部182g,182iが共に水平に、また、残り二つの指掛部182h,182jが共に垂直に向かう十字状に設定されており、遊技者が通常の握りスタイルでハンドル182を握ったとき、回転中心より左側の周面に位置する指掛部182gの下側に右手親指が自然に係合するようになっている。よって本他形態1では、指掛部182gが通常操作用の指掛部である。なお、この通常の握りスタイルのとき親指以外の指は、上の指掛部182hを挟むような状態でハンドル182に被さる。
一方、ハンドル182の回転中心より下側の周面に設けられている指掛部182jは、前記した通常の握りスタイルではどの指も触れることが殆どないものの、例えば、握っている手をハンドル182から離して人差し指等の指を該指掛部182jに引っ掛けるようにすれば、その指を左側に動かす変則操作で、ハンドル182を正面視時計回りに回転させることができる。本他形態1では、上記のように右打ちすべきであることを指示する打ち方指示手段(表示パネル2005p)が設けられており、かかる打ち方指示手段が遊技領域の右側に打ち込むべきであることを指示しているのに対して、ハンドル182の指掛部182jに指示とは反対方向の力(正面視左方向の力)を加える操作で対応し得る。
また、指掛部182g,182j以外の指掛部182h,182iに指を掛け、上向き又は下向きに引っ張る力でハンドル182を回転させるようにしてももちろんよい。
[カバー台座]
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している複数の取付ボス183aを備えている。この取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルキャップ185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度が規制される。本例では、ハンドル182を初期の停止位置から約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
[ハンドルキャップ]
ハンドルキャップ185は、前面が前方へ丸く膨出しており、中心部分が透光性を有している。ハンドルキャップ185の内部には、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルキャップ185は、ハンドル装飾基板184の前面のLED184Lを適宜発光させることで光による演出が可能である。
[ハンドル回転検知センサ]
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を正面視時計回りに回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて前記球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。なお、本他形態1では、ハンドル182を正面視時計回りへ回転させると遊技球の発射勢が強くなるように設定されている。
[ハンドルタッチセンサ]
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182又は指掛部182g〜182j又は装飾ハンドル1820のタッチカバー1822の何れかに接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、遊技者が調節(入力)したハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
[ハンドル取付部材]
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これによりハンドルユニット180のハンドル182が握り易くなり、遊技者に違和感がなく回転操作を行わせることができる。
[ハンドカバー部]
ハンドル182を操作する遊技者の手の外周近傍を囲う略筒状のハンドカバー部195は、扉枠3の前面であって前記ハンドル取付部102の外側を囲む状態に取り付けられており、図213に示したように、その前面開口部195hが前記装飾ハンドル1820の後面にほぼ整合するようになっている。また、ハンドカバー部195と装飾ハンドル1820は、装飾ハンドル1820の後面に突設したジョイント環1824と、ハンドカバー部195の前面に開設した環状スリット195aとの摺動可能な嵌め合わせによって継ぎ目部分が切れ目無く連結されている。
なお、このハンドカバー部195は、装飾ハンドル1820を設けない前記ハンドル182に対しても設けることが可能であり、その場合は、ハンドカバー部195の前面開口部195hをハンドル182のほぼ外周位置まで延設すると共に前面開口部195hに装飾ハンドル1820と同様の装飾手段を施せばよい。
本他形態1のハンドカバー部195には、胴部の一部に外部に通じる窓開口195wが開設されており、この窓開口195wによってハンドカバー部195内の湿気や煙草の煙或は故意又は過失により流入した飲料等の滞留を防止し、尚且つ、内部の視認性を良くすることにより不正行為をも防止する。
なお、ハンドカバー部195の内部の掃除や流入した飲料の拭き取りを容易にするため、図215に示したようにハンドル182を着脱自在にしてもよい。具体的には、ハンドルベース181の基部181aと、ハンドル取付部102側に固定のスクリーン部材196のそれぞれに、例えば爪片197aと弾性変形可能な受片197bとの組合せからなる係脱手段197を設け、その係脱手段197を係合(図215拡大図中実線参照)・離脱(図215拡大図中想像線参照)させることによって、図215のようにハンドル182をハンドルベース181ごとハンドル取付部102側から取り外し得るようにしてもよい。こうすることによりハンドル182をハンドル取付部102から外してハンドカバー部195の前面開口部195hを全開状態にすることができるため、内部の掃除や零れた飲料の拭き取り等が容易になる。また、好ましくは、係脱手段197の解除操作を図示しない専用の解除部材(例えば画鋲型ピンの差込み)で行うようにしておけば、ハンドル182が悪戯等で抜き取られるおそれがない。
以上のようにハンドル182の外側にハンドカバー部195を設けたことにより、ハンドル182を操作する遊技者の手(指)が、ハンドカバー部195の中、すなわちパチンコ機1の中に入ったような感覚を受けるため、パチンコ機1を操作していることをより強く実感させことが可能になる。
また、ハンドカバー部195に図示しない送風手段を連結して送風すれば、その風の殆どがハンドカバー部195の前面開口部195hから外部に抜けるため、遊技者の手に確実に風を当てることができる。したがって、例えば大当りへの期待が高いときや、有利当り(確変や出玉が多い当り)への期待が高いとき等、所定の演出(例えば空気砲のような状態)で風を送ったり、有利な遊技状態(例えば確変中、時短中、潜確中)に制御されているときに例えば5秒毎というような定期的なタイミングで風を送ったり、所定の抽選を行った上で該抽選に当選したときに風を送ったりするなどの演出が効果的に行える。もちろん常に風を送るようにしてもよい。
また、図示しないがハンドカバー部195の内部に遊技用のスピーカー(好ましくは振動スピーカー)を設けるようにしてもよい。そうした場合、ハンドカバー部195の前面開口部195hからスピーカーの音が抜けるため、音の振動を遊技者の手に効果的に感じさせることができる。
上記の他形態1には次のような技術的思想が含まれている。
[技術的思想5]
遊技盤の遊技領域に遊技球を打ち込むための球発射装置と、
前記球発射装置の発射勢を手動回転操作で調節するハンドルと、を備えてなる遊技機において、
前記ハンドルは、
自己の回転中心より左側の周面に設けられていて、通常の握りスタイルで操作する手の親指に係合し得る通常操作用の指掛部と、
前記指掛部とは別に該ハンドルの回転中心より下側の周面に設けられていて、遊技者の手の少なくとも一本の指に係合し得る変則操作可能な指掛部と、を有することを特徴とする遊技機。
なお、かかる遊技機において、
遊技状況に応じて遊技者に対して遊技球の打ち方を指示する打ち方指示手段を備え、
一方、前記ハンドルは、正面視時計回りへの回転で前記発射勢が強くなるように設定されており、
前記打ち方指示手段が遊技領域の右側に打ち込むべきであることを指示している場合に、前記ハンドルの前記変則操作用の指掛部に正面視左方向の力を加える操作で対応し得るようにしてもよい。
以上、パチンコ機の他形態について説明したが、もちろん上記他形態は適宜に変更することも可能である。例えば、上記形態では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。
また、上記形態では、回転駆動装置857の電動モータ863と移動駆動装置858の昇降モータ870をそれぞれ別の向き、具体的には、電動モータ863はその出力軸がドラム854の回転軸線と同じ水平になる向きに、一方、昇降モータ870はその出力軸がドラムユニット855の駆動軸868と同じ垂直になる向きに、というように別の向きになっているが、電動モータ863と昇降モータ870の向きを同じに揃えることもできる。もっとも上記形態のように電動モータ863と昇降モータ870をそれぞれ別の向きに設定した場合には、ドラム854の回転動作と昇降動作の何れかにトラブルが発生したとき原因となるモータの特定及び対応が迅速に行える点で優れている。
また、上記形態では、不透明なベースパネル1110を例に説明したが、透明な合成樹脂製のベースパネル1110にしてもよい。
また、上記形態では、背景用の装飾816,820a,820b,843を印刷等の模様としたが、LED等による発光体による装飾であってもよい。
また、上記形態では、ハンドルベース181にハンドルキャップ185を固定して、両者の間でハンドル182が回転するように形成したが、ハンドルキャップ185をハンドル182に固定してハンドル182と一体に回転し得るようにしてもよい。
また、上記形態では、ハンドル182と装飾ハンドル1820とハンドカバー部195とを組み合わせるようにしたが、ハンドル182の外側に装飾ハンドル1820を設けるだけでも、ハンドル182を大きく見せて目立たせる演出効果は十分に享受できる。
[他のパチンコ機]
次に、他のパチンコ機1を図216〜図227について説明する。なお、他のパチンコ機1は、図190〜図215のパチンコ機1に対して主としてハンドルユニット180の個数、配置、構造を変更したものであるため、原則としてそれらに関連すること以外についてはその説明を省略する。
パチンコ機1は、図216に示したように、皿ユニット200の上皿201や演出操作ユニット300等で構成される前方膨出構造物の両脇に、遊技用の入力媒体であるハンドルユニット180を二つ備えている。図216において右側のハンドルユニット(以下、「右ハンドルユニット」ともいう。)180(R)は、これまで説明したように球発射装置540の打球の強さを調節するものである。一方、左側のハンドルユニット(以下、「左ハンドルユニット」ともいう。)180(L)は、上記した遊技者参加型演出の遊技者用の入力手段として使用するものである。
各ハンドルユニット180(L),(R)は、上記のようにハンドル182と装飾ハンドル1820と指掛部182g〜182jとからなる操作部を備えていて、ハンドル182と装飾ハンドル1820の間に指を入れて回転(操作)させるものである。
各ハンドルユニット180(L),(R)は、ハンドル182周りの装飾ハンドル1820の外径が、ハンドカバー部195の前面開口部195hの内径より小さく形成され、なおかつ、ハンドルベース181の基部181aがハンドル取付部材102の筒部102aに摺動自在に支持されており、したがってユニット全体がハンドカバー部195内で前後方向に直線移動し得る。また、各ハンドルユニット180(L),(R)は、ハンドル取付部材102の筒部102a内に圧縮状態にして装填された後述するハンドル位置制御手段4000のスプリング4001により、遊技者側に向けて常時付勢されている。
[右ハンドルユニット]
右ハンドルユニット180(R)は、上記のようにハンドル182を回して球発射装置540の打力を調節するものであって、常態では図221に示したように装飾ハンドル1820がハンドカバー部195の前面開口部195hとほぼ面一の位置(以下、「前方位置」という。)にあり、この前方位置でハンドル位置制御手段4000によりロック(固定)されている。
[右ハンドルユニットのハンドル位置制御手段]
右ハンドルユニット180(R)のハンドル位置制御手段(以下、「右ハンドル位置制御手段」ともいう。)4000は、先端にローラ4003を有する揺動自在なロックアーム4004と、該ロックアーム4004を、水平なロック姿勢(図221実線参照)とローラ4003側を跳ね上げた解除姿勢(図221想像線参照)とに変化させるソレノイド4005と、からなる。
そして、ロックアーム4004が水平なロック姿勢にあるとき、それが右ハンドルユニット180(R)のハンドルベース181とハンドル取付部材102の間に突っ支い棒状に横たわって右ハンドルユニット180(R)を前方位置にロックし、この状態からソレノイド4005のプランジャ4006を引き上げてロックアーム4004を解除姿勢に揺動させると、ハンドルベース181からローラ4003が外れて(ロックアーム4004の突っ支いが外れて)右ハンドルユニット180(R)のロックが解除され、図222に示したようにハンドカバー部195の奥(以下、「後方位置」という。)に直線移動し得るようになっている。
なお、ロックアーム4004は、例えば捩りコイルばね(図示せず)により解除姿勢からロック姿勢に向かうように付勢されており、したがってソレノイド4005をOFFにした状態で右ハンドルユニット180(R)を前方位置に戻すと自動的にロック姿勢に戻る。
右ハンドルユニット180(R)は、ユニット全体をロック状態から移動させる操作を適宜センサで検知して前記遊技者参加型演出に入力信号を発する入力手段として利用してもよいが(つまり、一つのハンドルユニット180で、球発射装置540の打力用の入力と遊技者参加型演出の入力が行える。)、実施形態ではユニット全体を停止状態から移動させる操作によって球発射装置540の打力を調節する第二の入力手段として利用する。
具体的には、右ハンドル位置制御手段4000のロックが解除された状態で右ハンドルユニット180(R)を押し込む操作を行うと、その直線移動変位に比例して球発射装置540の打力がハンドル182の回転による直前の打力を引き継ぐ形(操作主体が切り替わるポイントで一時的に打力が低下する不具合を無くする意)で強くなり、そのまま後方位置まで押し込むと遊技球の打力が前記強レベルに変化して前記右打ちになり(段落[1776]参照)、また、右ハンドルユニット180(R)を後方位置から前方位置に戻す(右ハンドルユニット180(R)への押し込み力を緩めればスプリング4001の付勢により自然に戻る。)と、ハンドル182の回転角度に基づく打力(通常は前記直前の遊技時の打力)に戻るようになっている。
或は、右ハンドルユニット180(R)を押し込む操作を行うと、直ぐさま球発射装置540の打力が強レベルになるように打力の制御信号が送られて、直前のハンドル182の回転角度に基づく打力から強レベルに一気に変化し、また、右ハンドルユニット180(R)を前方位置に戻すとハンドル182の回転による打力(通常は前記直前の打力)に一気に戻るようにしてもよい。
以上要するに右ハンドルユニット180(R)は、異なる平面方向に変位可能な二つの可動要素を備えており、一つの可動要素の変位で球発射装置540の打力調節を実行している状態で他の可動要素の変位による球発射装置540の打力調節を可能にすると共に、前記他の可動要素による打力調節を終了したとき、前記一つの可動要素による打力調節に戻るようにしたものであり、例えば回転可能に支持されたハンドル182と、それとは異なる平面方向に移動可能に支持されたハンドルユニット180全体、という二つの可動要素を備えていて、ハンドル182の回転変位で球発射装置540の打力調節を実行している状態でハンドルユニット180全体の移動変位による球発射装置540の打力調節を可能にすると共に、前記ハンドルユニット182全体の移動変位による打力調節を終了したとき、前記ハンドル182による打力調節に戻るようにしたものであり、その結果、一つの可動要素による打力調節で通常の遊技を行い、特別な遊技状態に変化したとき必要とする強い打力を他の可動要素の変位によって所謂割り込み状態で行うことができ、一方、特別な遊技状態が終了した場合には、前記他の可動要素による打力調節を終了するだけで簡単且つ正確に通常の遊技状態に復帰させることができる。
右ハンドルユニット180(R)は上記のように構成されており、通常の遊技時には図221に示したようにハンドカバー部195の前方位置にあって、その前方位置に右ハンドル位置制御手段4000でロックされている。したがって、図190〜図215のパチンコ機1と同様にハンドル182を装飾ハンドル1820ごと回転させて球発射装置540の打力を調節することができる。
一方、パチンコ機1が、遊技の進行により例えば特別遊技状態に変化した場合には、右ハンドル位置制御手段4000のソレノイド4005がONになってロックアーム4004がローラ4003を跳ね上げる解除姿勢に変化し、右ハンドルユニット180(R)のロックが解除される。そして、パチンコ機1の前記した打ち方指示手段から遊技者に向けて「右ハンドルを奥に押し込んで下さい。」のような文字を表示するか音声を流して、右ハンドルユニット180(R)全体の移動による入力を促す指示が出される。これを受けて遊技者が、操作中のハンドル182の握りを変えることなくユニット全体をそのままスプリング4001の付勢に抗して後方位置まで押し込むと、その操作が検知されてこれまでの打力に新たな打力が加算される形で連続的に打力が強レベルに変化する。これにより右打ち状態になって、特別遊技の利益が遊技者により多くもたらされる。
そして、特別遊技状態が終了した場合には、それと同時に主制御ユニット1300の制御により右ハンドル位置制御手段4000のソレノイド4005がOFFになると共に、前記した打ち方指示手段によって遊技者に「右ハンドルを手前に戻して下さい。」のような文字表示或は音声で指示が出される。その指示に従って遊技者が右ハンドルユニット180(R)を押している力を緩めると、該右ハンドルユニット180(R)がスプリング4001の付勢により前方位置に戻る。そうするとロックアーム4004が、図示しない捩りコイルバネの付勢で水平なロック姿勢に変化し、右ハンドルユニット180(R)のハンドルベース181とハンドル取付部材102の間に突っ支い棒状に横たわって右ハンドルユニット180(R)を前方位置にロックする。
これによりパチンコ機1は、通常の遊技状態に戻るが、このとき右ハンドルユニット180(R)のハンドル182の握り具合(回転角度)は、特別遊技開始直前の状態で遊技者自身によって維持されているため、特別遊技状態に変化する直前の打力で通常の遊技が再開される。ちなみに従来のハンドルユニットは、一つのハンドルの操作で打力を調節するため、右打ち状態から通常の遊技状態に戻る場合に改めて最適な打力を探る必要があり、その間に打ち込まれる遊技球が無駄になるおそれがある。
[左ハンドルユニット]
左ハンドルユニット180(L)は、上記のように遊技者参加型演出の遊技者用の入力手段として使用するものである。この左ハンドルユニット180(L)は、概ね前記右ハンドルユニット180(R)に対して扉枠3の略中心を通る縦軸に対して略線対称な構造になっているが、対応するハンドル位置制御手段4000はカム機構による独自のものになっている。
[ハンドル位置制御手段(左)]
左ハンドルユニット180(L)のハンドル位置制御手段(以下、「左ハンドル位置制御手段」ともいう。)4000は、前記のようにカム機構によるものであって、ハンドルベース181の基部181aに設けた回転自在な従節ローラ4007と、その従節ローラ4007を通すためにハンドル取付部材102の筒部102aに開設された長孔4008と、該筒部102aの外側に回転自在に嵌められた円筒カム4009と、該円筒カム4009に設けられたカム部4010と、円筒カム4009の端部に設けられた歯車4011に回転力を伝達するモータ(図示せず)と、から概略構成される。
前記カム部4010は、円筒カム4009の歯車4011の反対側の端面(後端面)寄りの位置に該端面と平行に形成された第1カム面4012と、前記歯車4011側の端面(前端面)寄りの位置に該端面と平行に形成された第2カム面4013と、該第2カム面4013と前記第1カム面4012を結ぶ傾斜状の第3カム面4014と、からなる。
前記のように左ハンドルユニット180(L)は、ハンドル取付部材102の筒部102aに摺動自在に支持され且つ筒部102a内に装填されたスプリング4001により遊技者側に向けて常時付勢されているが、その位置は、左ハンドルユニット180(L)に設けられた前記従節ローラ4007と前記カム部4010の係合態様によって制御される。
つまり、図224に示したように従節ローラ4007がカム部4010の第1カム面4012に当接する状態で左ハンドルユニット180(L)は後方位置にあり、図225に示したように従節ローラ4007がカム部4010の第2カム面4013に当接する状態で左ハンドルユニット180(R)は前方位置にある。
したがって、左ハンドルユニット180(L)が図224に示したように後方位置にある状態で円筒カム4009を図216において時計回りに回転させると、従節ローラ4007が第1カム面4012から第3カム面4014の傾斜を経て第2カム面4013に至り、この従節ローラ4007と一体に左ハンドルユニット180(L)が図225に示したように前方位置に移動する。なお、カム部4010は、後方が開放された空間になっていて従節ローラ4007の後方への移動が自由に行えるようになっているため、前方位置にある左ハンドルユニット180(L)をスプリング4001の付勢に抗して押し込むとハンドカバー部195内で後方位置まで沈み、その力を緩めるとスプリング4001の付勢によって前方位置に戻る。よって前方位置にある左ハンドルユニット180(L)は、遊技者の力加減で前後方向への直線移動が自由に行える。
また、左ハンドルユニット180(L)が前方位置にある状態で円筒カム4009を図216において反時計回りに回転させて元の状態に戻すと、従節ローラ4007が第2カム面4013から第3カム面4014を通って第1カム面4012に戻り、この状態で図224に示したように左ハンドルユニット180(L)が後方位置に復動する。
左ハンドルユニット180(L)は上記のように構成されており、通常の遊技時には図224に示したようにハンドカバー部195内の後方位置にある。この後方位置にある左ハンドルユニット180(L)は、皿ユニット200の上皿201や演出操作ユニット300等で構成される前方膨出構造物に隠れて遊技者から目立ちにくい。また、ハンドカバー部195に囲われていて外部への突出が最小限に抑制できるため、破損につながる外からの衝撃を受けにくく、さらには接触による怪我のリスクも小さくなる。ちなみに、現在は遊技者参加型演出の遊技者用の入力手段として大型のレバーなどが用いられるが、それが遊技者の手や膝に近い位置に常時突出していると、破損につながる衝撃を受けやすく、しかも遊技者が接触して怪我をするおそれもある。
そして、遊技の進行より遊技者参加型演出が実行され、遊技者の入力が必要になった場面で、主制御ユニット1300の制御により、先ず左ハンドル位置制御手段4000の円筒カム4009が回転し、カム部4010の回転とスプリング4001の付勢により従節ローラ4007と一緒に左ハンドルユニット180(L)が遊技者側に向けて直線移動して前方位置で停止する。この状態で遊技者からは、左ハンドルユニット180(L)が出現したかのように見えるため、遊技者の注意を惹いているタイミングでパチンコ機1側から左ハンドルユニット180(L)のハンドル182の回転操作を求めたり、左ハンドルユニット180(L)の押し込み操作が表示や音声等で求められる。そして遊技者が、これに呼応する形で左ハンドルユニット180(L)のハンドル182を回転させ或は左ハンドルユニット180(L)を押し込むと、その操作が検知されて演出が次の場面に移行し、その後さらに演出が進行して適宜終了する。
なお、実施形態のハンドルユニット180は、握った手の周りが装飾ハンドル1820で囲われているため、回転や押し込み操作を行っても指がハンドカバー部195と接触するおそれがなく、その分、怪我のリスクが少ない。したがって握った手の周りを囲い且つ手と一緒に回転或は移動し得る装飾ハンドル1820は、実質的に、操作する指を保護可能な「外リング」と称することもできる。
次に、上記の演出が終了すると、左ハンドル位置制御手段4000の円筒カム4009が逆回転し、従節ローラ4007に当接するカム部4010が第2カム面4013から第3カム面4014を経て第1カム面4012へと変化する。その間に従節ローラ4007は、第3カム面4014の傾斜に沿って後ろ向きに押されるため、左ハンドルユニット180(L)がスプリング4001の付勢に抗して前方位置から後退し、従節ローラ4007が第1カム面4012に当接した時点で後方位置に到達する。左ハンドル位置制御手段4000の円筒カム4009はここで停止し、左ハンドルユニット180(L)は、次の演出が実行されるまで後方位置で待機する。
なお、上記の説明から明らかなように左ハンドルユニット180(L)は、前記演出操作部301とほぼ同等な動作演出や入力が可能である。
このため例えば、左ハンドルユニット180(L)と演出操作部301を同じ制御で動かし、両方のセンサからの入力を受け付ければ、左ハンドルユニット180(L)と演出操作部301の両方を使用できる。
その場合、例えば演出操作部301を操作する動作が大きくて恥ずかしいと考える遊技者は、予め左ハンドルユニット180(L)に手をかけて悟られにくい最小の動きで操作をすることができる。したがって、気楽に遊技者参加型演出に加わることが出来るため興趣が増す。
また、遊技者参加型演出で使用する操作部を左ハンドルユニット180(L)とするか演出操作部301とするかを、例えば前方膨出構造物の一部に選択スイッチを設けるなどして予め遊技者が選べるようにしても良い。
以上、他のパチンコ機について説明したが、もちろんパチンコ機は上記に限定されるものではない。例えば、左ハンドルユニット180(L)の設置場所に実施形態の右ハンドルユニット180(R)と同じ構造のハンドルユニットを設置して、それを遊技者参加型演出の遊技者用の入力手段としてもよく、また、その逆に、右ハンドルユニット180(R)の設置場所に実施形態の左ハンドルユニット180(L)と同じ構造のハンドルユニットを設置して、それを球発射装置540の打力調節用の入力手段とするようにしてもよい。
また、上記ではハンドルユニット180を二つ設けたが、ハンドルユニット180は一つであってもよい。
また、上記ではハンドルユニット180にハンドル182を設けたが、かかるハンドル182を設けることなくハンドルユニット180の直線移動操作のみで遊技用の入力を行い得るようにしてもよい。
また、上記では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。なお、スロットマシンに適用した場合には、一つ又は二つのハンドルユニット180を遊技者参加型演出の入力手段として使用すればよい。
[他の形態2−1]
次に、パチンコ機1の他の形態2−1について、主に図228〜図232を参照して詳細に説明する。
なお、他形態2−1のパチンコ機1は、扉枠3に設けられた上記の扉枠トップユニット450を、扉枠3に代えて例えば遊技盤5の上部等に設けることも可能(詳細は後述する。)であることから前面トップユニット4500としたものであり、それ以外の構成については上記と同じであるため説明を省略する。
また、前面トップユニット4500の構成は、上記の扉枠トップユニット450のそれを適宜変更したものであり、よって前面トップユニット4500として以下に記載があるものを除いて、扉枠トップユニット450の構成がそのまま当て嵌まる。
他形態2−1のパチンコ機1は、遊技を行う遊技領域5aを前方から視認可能な状態に覆う窓部(上記したパチンコ機1において、ガラス板162で塞がれた扉窓101aと同じ。)1010aを有し、その窓部1010aより上側に、上記の扉枠トップユニット450(図88〜図90参照。)に相当する庇状の前面トップユニット4500が突設されている。
この前面トップユニット4500は、例えば、図89のトップ上カバー452とトップ下カバー465とを、透光性を備え且つ好ましくは不透明な合成樹脂(例えば乳白色の合成樹脂)により一体成形した形状のトップ本体カバー4520を備えており、前記扉枠トップユニット450の中央スピーカボックス461と扉枠トップ底板454を無くして内部に空間4520Sが形成されている。
また、トップ本体カバー4520には、その上面に前記空間4520Sに連通し且つ後端から前方に向かって大きく切欠かれた上向きの開口部452aが形成され、さらにこの開口部452aが、これに整合する形状の開閉蓋たる前面トップ天板4680で塞がれている。
前記前面トップ天板4680は、後端側に設けた回転軸4680cでトップ本体カバー4520に揺動自在に軸着されており、開口部452aを塞ぐ閉姿勢(図231破線参照。)と、自由端側を跳ね上げて開口部452aを開き且つ外部から視認可能な状態に起立する起立姿勢(図228参照。)とに回動可能であり、さらに図示しないモータ等の駆動手段とこれを制御する周辺制御基板1510との連係により、前記閉姿勢と前記起立姿勢とに遊技の進行に応じて或は遊技の進行とは別に定められた所定のタイミングで適宜切り替え得るようになっている。
また、前面トップ天板4680には、閉姿勢で外に面する外面4680aに適宜な装飾(図示せず)が施され、一方、閉姿勢で空間4520Sに面する内面4680bが光の反射性能に優れたスクリーン状に加工されている。
前面トップ天板4680は、図228〜図231に示したように一枚のパネル構造にする場合の他、前面トップ天板4680を左右に中央で二分割すると共にその分割片同士を前記回転軸4680cで連結して蝶番状にするか、或は図232に示したように複数の要素をヒンジ4680pで繋いで屈曲自在にした折畳構造にしてもよい。後者の折畳構造にすることにより前面トップ天板4680を起立姿勢で展開して光の装飾をより高所且つ遊技者向きにして効果的に行うことができる。また、折畳構造の第1段を門型にするか或は透明にして後方の視界を遮断しないようにすれば、島設備のデータ表示体(パチンコ機1上方の幕板に設けられた遊技の進行状況(大当り遊技の発生回数など)を示す表示装置。)の運用を妨げないようにすることもできる。
さらに前面トップユニット4500は、前記空間4520Sの遊技者側の内縁に照明基台8000を備えており、その照明基台8000に複数の発光LED8001を横一列に並べた棒状の発光手段8002が揺動自在に軸着されている。
この発光手段8002も前面トップ天板4680と同じく周辺制御基板1510に接続されており、遊技の進行に応じて光の照射方向と発光パターンが適宜切り替え得るようになっている。具体的に発光手段8002は、前記前面トップ天板4680が起立姿勢にあるとき、遊技者側に向かう内面4680bに光を照射し得るように上向きになり、一方、前面トップ天板4680の閉姿勢への変化に連動して下側、すなわちトップ本体カバー4520の底部に光を照射し得るように下向きに切り替わるようになっている。
なお、他形態2−1において、トップ本体カバー4520の底部は、透光性を備え且つ不透明な合成樹脂で形成されているため、発光手段8002による光の演出だけが遊技者から見える。しかもその光の演出には前面トップ天板4680に光を照射する発光手段8002が利用出来るため、余分なコストが殆ど掛からない。
また、発光手段8002は、色付きの光を前面トップ天板4680の内面4680bに照射する照明タイプの他、キャラクタ等を前面トップ天板4680の内面4680bに投影する映像投影タイプでもよい。
[他形態2−2]
他形態2−2のパチンコ機1は、図233に示したように前面トップ天板4680の前端側をトップ本体カバー4520に揺動自在に軸着すると共に、発光手段8002をトップ本体カバー4520の空間4520Sの反遊技者側の内縁に設けたものであり、それ以外の構成については他形態2−1と同じである。この場合、前面トップ天板4680は、発光手段8002の光を内面4680b側(後側)から外面4680a側(前側)に透過させる必要があるため、トップ本体カバー4520と同じく透光性を備え且つ好ましくは不透明な合成樹脂(例えば乳白色の合成樹脂)により形成されている。
斯かる構造によれば、前面トップ天板4680が遊技者に近い位置で起立するため、遊技者により迫力を感じさせ且つ外部により目立たたせることができる。
他形態2−1,2−2のパチンコ機1は以上のように構成されているため、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中、或は、大当りに関する抽選の結果や大当りの実行中に、前面トップ天板4680を揺動させたり、起立姿勢にした前面トップ天板4680に発光手段8002で光を照射し、或は、前面トップ天板4680を閉姿勢にして発光手段8002でトップ本体カバー4520の底部に光を照射するなどして多用な演出を行うことができる。
なお、前面トップユニット4500の前面トップ天板4680(開閉蓋)を開くと、熱が開口部452aから上方外部に放出されるため、パチンコ機1内に熱がこもりにくい。したがって、例えば、発光手段8002をOFFにした状態で前面トップ天板4680を適宜な間隔で切り替えて開口部452aを開閉させ、何回目かの起立状態のときにいきなり演出表示装置1600に当たり図柄を表示させる演出パターンを設定しておけば、前面トップ天板4680の開閉動作を遊技の一部に組み込んで遊技者の興趣を増大させつつ、遊技者に気付かれることなく開口部452aから放熱することができる。
また、前面トップユニット4500の前面トップ天板4680は、遊技の進行とは関係のない所定のタイミング、すなわち遊技の進行とは無関係にデモンストレーション的に閉姿勢と起立姿勢を切り替えて開口部452aを開閉するようにしてもよい。
また、パチンコ機1が、前面トップ天板4680を起立させる演出を行っていないときには、閉姿勢になっている前面トップ天板4680で開口部452aが塞がれているため、トップ本体カバー4520の空間4520S内に塵、埃、煙草のヤニ等が入らず、さらには前面トップ天板4680が起立姿勢になっているときでも、パチンコ機1内で熱せられた空気が上昇して前面トップユニット4500の開口部452aから上方外部に抜ける気流が発生するため、空間4520S内に塵、埃、ヤニ等が入りにくい。
以上他形態2−1,2−2のパチンコ機1について説明したが、もちろんパチンコ機1は、上記他形態2−1,2−2に限定されるものではない。例えば、他形態2−1,2−2では、前面トップ天板4680(開閉蓋)を、回転軸4680cを中心に自由端側を跳ね上げて開口部452aを開き得る跳ね上げ式を採用したが、該前面トップ天板4680をスライド式のシャッター構造にしてもよい。
また、他形態2−1,2−2の前面トップ天板4680を一つのパチンコ機1に前後に分けて設けるようにしてもよい。
また、前面トップ天板4680は、常に全開させる必要はなく、例えば半開にするなどしてもよく、放熱目的での開閉であることが遊技者に気付かれにくい態様であることが望ましい。
また、他形態2−1,2−2では、発光手段8002を揺動自在に形成したが、発光手段8002をさらに昇降可能にしてパチンコ機1の高所から光を照射するようにしてもよい。
また、他形態2−1,2−2では、前面トップユニット4500を扉枠3に設けたが、扉枠3に代えて、例えば図140の遊技盤5の上端部を上方に拡張して前面トップユニット4500の取付部とし、その取付部に前面トップユニット4500を取り付けて、その前面トップユニット4500を備えた遊技盤5を本体枠4に装着するか、或は、遊技盤5は図140のままとする一方、本体枠4の上部に前面トップユニット4500の取付部を設けてそこに取り付けるようにしてもよい。なお、その場合、扉枠3には、窓部1010aより上側前方に突出する前面トップユニット4500の上面以外をカバーし得る透明な膨出部が一体に設けられる。
また、他形態2−1,2−2では、前面トップ天板4680の光で装飾される部分を平面形状にしたが、例えばキャラクタ等を模した立体形状にしてもよい。その場合、発光手段8002を映像投影タイプにして立体形状にプロジェクションマッピング方式でよりリアルに装飾を施すこともできる。こうすることにより前面トップ天板4680が閉姿勢にあるときと起立姿勢にあるときの視覚的な差が大きくなるため、起立姿勢に変化したときに周囲の注目を集めやすく、その分、開口部452aに対する防犯効果も大きくなる。
また、他形態2−1,2−2では、前面トップ天板4680と発光手段8002を前後に位置を分けて別々に形成したが、前面トップ天板4680の内部に発光手段8002を組み込むようにしてもよい。
また、他形態2−1の発光手段8002を使って島設備の幕板に光を照射し、そうして光の装飾や演出をパチンコ機1から飛び出た状態で行うようにすることもできる。
また、他形態2−1,2−2では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。この場合、遊技機前方から視認可能な状態に覆う窓部から見えるドラム等を設けた部分が、遊技を行う遊技領域に相当する。
[実施形態]
次に、本発明の実施形態のパチンコ機1について、主に図234〜図265を参照して詳細に説明する。なお、実施形態のパチンコ機1は、上記パチンコ機1を変更したものであるため、変更点以外についてはその説明を省略する。よって図234〜図265とそれら以外の図において、同一符合を付した構成要素は、原則として同一又は同機能の構成要素である。
[遊技盤]
実施形態の遊技盤5は、図237の分解斜視図に示したように、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する遊技パネル1100と、該遊技パネル1100の後側に取り付けられる裏箱3010と、該裏箱3010の下部を囲うように遊技パネル1100の後側下部に取付けられる基板ホルダ1200と、からなる。
[遊技パネル]
遊技パネル1100は、図237の分解斜視図に示したように、所定の厚みを有するベースパネル1110と、遊技領域5aを囲う前構成部材1000と、遊技の実体を構成する遊技要素群(詳細については後述する。)と、を備えている。
[ベースパネル]
実施形態のベースパネル1110は、不透明なベニヤ板で形成されていて、前記遊技要素群に対応する大小の貫通孔1112が開設されている。
なお、このベースパネル1110は、不透明なベニヤ板の他、透明な合成樹脂板或は不透明な合成樹脂板であってもよい。
[裏箱、基板ホルダ]
裏箱3010は、図237に示したように、前方が開放されている箱状であり、後述する上層遊技ゾーン4823、下層遊技ゾーン4825、右打ち遊技ゾーン4824の後側をカバーする状態に取り付けられ、また、基板ホルダ1200は、裏箱3010の下部外方をカバーする状態に取り付けられる。
また、裏箱3010の底板となるベースの前面左側には、上層遊技ゾーン4823における一般入賞口4801、及び下層遊技ゾーン4825におけるアウト誘導部1003(図234の遊技盤5を正面から見て左側のアウト誘導部1003)等に入球した遊技球を後方下流側へ向かって誘導してパチンコ機1から排出することができる前後左右方向に複数屈曲した左側遊技球用の裏樋部材1110taが演出裏カバー4886と干渉しないように取り付けられている。裏箱3010の底板となるベースの前面左側には、左側遊技球用の裏樋部材1110taに複数形成される図示しない止め穴と対応する位置に、前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する図示しない取付ボス穴が突出してそれぞれ形成されている。左側遊技球用の裏樋部材1110taを裏箱3010の底板となるベースの前面左側に寄せて被せて左側遊技球用の裏樋部材1110taに複数形成される止め穴から裏箱3010の底板となるベースの前面に複数形成される取付ボス穴へ向かって図示しないネジを挿入してそれぞれネジ止めする。
また、裏箱3010の底板となるベースの前面右側には、右打ち遊技ゾーン4824における、電動始動入賞口4871、第1大入賞口4807、一般入賞口4801、V入賞口4810、第2大入賞口4812、及び下層遊技ゾーン4825と共有するアウト誘導部1003(図234の遊技盤5を正面から見て右側のアウト誘導部1003)等に入球した遊技球を後方下流側へ向かって誘導してパチンコ機1から排出することができる前後左右方向に複数屈曲した右側遊技球用の裏樋部材1110tbが演出裏カバー4886と干渉しないように取り付けられている。裏箱3010の底板となるベースの前面右側には、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに複数形成される止め穴1110tba1〜1110tba5(5つの止め穴)と対応する位置に、前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴3010ab1〜3010ab5(5つの取付ボス穴)が突出してそれぞれ形成されている。右側遊技球用の裏樋部材1110tbを裏箱3010の底板となるベースの前面右側に寄せて被せて右側遊技球用の裏樋部材1110tbに複数形成される止め穴1110tba1〜1110tba5から裏箱3010の底板となるベースの前面に複数形成される取付ボス穴3010ab1〜3010ab5へ向かって図示しないネジを挿入してそれぞれネジ止めする。
裏箱3010の左側壁の上部近傍に上振動検出スイッチ3005が取り付けられると共に、裏箱3010の左側壁の下部近傍に下振動検出スイッチ3006aが取り付けられている。上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aは、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為を検出することができるものであり、特に、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができものである。
また、裏箱3010の右側壁の下部近傍であって裏箱3010の底板となるベースの前面に下振動検出スイッチ3006bが取り付けられている。下振動検出スイッチ3006bが裏箱3010の右側壁の下部近傍であって裏箱3010の底板となるベースの前面に取り付けられた状態では、下振動検出スイッチ3006bの上方と左方が前後左右方向に複数屈曲した右側遊技球用の裏樋部材1110tbの近傍に配置されるものの、互いに干渉しない配置した状態となっている。下振動検出スイッチ3006bは、上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aと同様に、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為を検出することができるものであり、特に、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができものである。
そして、基板ホルダ1200の後面には、遊技領域5a内での遊技球の検出状況に基づいて各種の遊技制御を行う主制御基板1310X(図253のブロック図参照。)を有する主制御ユニットが取り付けられ、また、裏箱3010の後面には、前記主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて各種の演出に関する制御を行う周辺制御基板1510を有する周辺制御ユニットが取り付けられている。
なお、裏箱3010の天板部には、前記球タンク552やタンクレール553と交錯する位置に箱内に貫通する干渉回避部3010aaが設けられており、これにより球タンク552やタンクレール553との干渉を回避して裏箱3010の天板高を高く設定すること、つまり大きい演出装置等への対応を容易にすることができる効果がある。
[遊技要素群]
実施形態の遊技要素群は、図234の正面図と図253のブロック図に示したように、
前記主制御基板1310Xからの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、
ベースパネル1110に植設されていて遊技球の落下方向をランダムに変化させる複数の障害釘2007と、
遊技球の接触で回転する風車2008と、
遊技球の入球により所定数の遊技球が放出されるように特典が設定されている一般入賞口4801(制御構成上は、図253のブロック図において〈一般入賞口センサ4872〉。以下〈 〉内は、図253のブロック図参照。)と、
前後方向にスライドする電動式の第1シャッター板4802〈始動口ソレノイド4873〉で入球・非入球を切り替え得る(前進状態で落下する遊技球を受けて入球、後退状態で落下する遊技球をそのまま通過させて非入球)電動始動入賞口4871〈電動始動口センサ4874〉と、
該電動始動入賞口4871の第1シャッター板4802の開閉に関する抽選を開始させる複数の始動ゲート4803〈ゲートセンサ4875〉と、
該始動ゲート4803による後述する普図当り抽選の抽選結果を演出用に表示する演出用普通図柄表示装置4804と、
後述する普通保留表示器に対応する保留数を演出用に表示する演出用普通図柄保留表示装置4805と、
前記第1シャッター板4802と同様に電動式の第2シャッター板4806〈第1大入賞口ソレノイド4876〉で入球・非入球を切り替え得る(後退状態で入賞開口を開いて入球、前進状態で入賞開口を閉じて非入球)第1大入賞口4807〈第1大入賞口センサ4807a〉と、
その第1大入賞口4807の中に設けられた回転球受け部材4808〈V回転ソレノイド4877〉と、
その回転球受け部材4808の球受け凹部4809に載った遊技球のみが入球可能なV入賞口4810〈V入賞口センサ4878〉と、
回転球受け部材4808の後ろ向きに下傾するテーパ周面に載った遊技球が入球する一般入賞口4801〈一般入賞口センサ4872〉と、
開閉板4811〈第2大入賞口ソレノイド4879〉を上開きの煽り窓方式に開閉させて開状態で多くの遊技球を入球させ得る第2大入賞口4812〈第2大入賞口センサ4812a〉と、
前記第1大入賞口4807の開閉に関する抽選を開始させる遊技領域5aの縦のセンターライン上に設けられた固定始動入賞口4813〈固定始動口センサ4880〉と、
該固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871への入球に伴う各種の抽選ゲームを演出表示する一群の表示ランプ4814で形成された第1表示装置4815と、
固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871への入球に伴う各種の抽選ゲームの結果を段階的に表示する場合の第一段階を示す一群(実施形態では3個)の図柄表示部材4816で形成された第2表示装置4817と、
遊技領域5aの縦のセンターライン上の上部に設けられ、固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871への入球に伴う各種の抽選ゲームの結果を段階的に表示する場合の第二(最終)段階を示す第3表示装置4818と、
固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871への入球に伴う各種の抽選ゲームの結果の表示を補完的に表示する第四図柄表示ランプ4819と、
後述する第一特別保留数表示器や第二特別保留数表示器に保留球数を演出用に表示する演出用特別図柄保留表示装置4820と、
適宜設けられた装飾用の発光部材4821と、
「右打ち」等のメッセージ画像を表示するアナウンス部4822と、
遊技球を最終的に機裏に回収する複数のアウト誘導部1003〈アウト球センサ4881〉と、
5桁の数字を表示可能なセグメント表示器による演出用のタイマーセグ4882と、
パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為を検出する上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006a,3006bと、
から概略構成されている。なお、必要な遊技要素群の詳細については後述する。
ここで、主制御基板1310X、及び周辺制御基板1510について簡単に説明する。固定始動口センサ4880、及び電動始動口センサ4874は、主制御基板1310Xに直接的に入力されている。主制御基板1310Xに入力される固定始動口センサ4880、電動始動口センサ4874からのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、ゲートセンサ4875、一般入賞口センサ4872、V入賞口センサ4878、飛び込みセンサ4831、第1球センサ4870a、第2球センサ4870b、及び磁気センサ3003、上振動検出スイッチ3005、下振動検出スイッチ3006a,3006b、アウト球センサ4881、第1大入賞口センサ4807a、及び第2大入賞口センサ4812a等の各種センサは、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310Xに間接的に入力されている。主制御基板1310Xに入力された各種センサからの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。上述した主制御基板1310Xに直接的又は間接的に入力されるセンサについては、適宜上述したダブルセンサとして構成することができる。複数のアウト誘導部1003(本実施形態では、3つのアウト誘導部1003)によって後方へ誘導された遊技球は、それぞれ対応するアウト口1008を通って遊技パネル1100の後方へそれぞれ排出される。これらのアウト口1008により回収された遊技球は、アウト球センサ4881により検出される。このアウト球センサ4881は、上述したアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bから構成され、アウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bのうち、いずれか一方で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。本実施形態では、1つのアウト誘導部1003に対してアウト球センサ4881を構成するアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bが対応付けられているため、3つのアウト誘導部1003に対して3つのアウト球センサ4881が対応付けられ、3つのアウト口左センサ1008aと3つのアウト口右センサ1008bとから構成されることとなる。
なお、本実施形態では、複数のアウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球は、それぞれ対応するアウト口1008を通ってアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bから構成されるアウト球センサ4881によりそれぞれ検出されているが、アウト球センサ4881を1つのセンサとしてアウト口センサから構成されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数のアウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球は、それぞれ対応するアウト口1008を通ってアウト口左センサ1008a及びアウト口右センサ1008bから構成されるアウト球センサ4881によりそれぞれ検出されているが、複数のアウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球が集約され1つのアウト球口1008を通ってアウト球センサ4881により検出されるように構成してもよい。この場合、アウト球センサ4881は、1つのセンサとしてアウト口センサから構成されてもよいし、2つのセンサとしてアウト口左センサ及びアウト口右センサから構成されてもよい。
上述した主制御基板1310Xに直接的又は間接的に入力されるセンサからのそれぞれの検出信号は、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ処理において、主制御MPU1310aが各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、上述した入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路1310dから始動口ソレノイド4873、V回転ソレノイド4877、第1大入賞口ソレノイド4876、及び第2大入賞口ソレノイド4879等の各種ソレノイドへそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から演出用普通図柄表示装置4804、演出用普通図柄保留表示装置4805、及び演出用特別図柄保留表示装置4820等の各種表示装置や第四図柄表示ランプ4819へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から後述する各種振分けステッピングモータ電圧切替回路や各種振分けステッピングモータ駆動ICに制御信号を出力することにより、第1振分けモータ4908、第2振分けモータ4909、及び駆動モータ4860等の各種ステッピングモータへそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したりする。
上述した主制御基板1310Xから出力されるそれぞれの駆動信号は、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において出力が実行され、主制御MPU1310aが上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から各種信号を出力する。
周辺制御ユニット1500には、空冷ファンFANを取付けて構成することができるようになっている。周辺制御基板1510は、上述したように、周辺制御IIC1510a等を備えている。遊技盤5に設けられた各種検知センサ等からの検出信号は、パネル駆動基板1720、そして周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。
上述した周辺制御基板1510に入力される各種検知センサ等からのそれぞれの検出信号は、図258に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1106の可動体情報取得処理において、周辺制御IC1510aのCPUが周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、各種センサからの検出信号等が入力されているか否かを判定することにより各種センサ等からの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御IC1510aのRAMにセットする。
また、周辺制御基板1510のCPUは、第1表示装置4815、第2表示装置4817、及び第3表示装置4818等の各種表示装置への駆動信号を出力するための各種データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して第1表示装置4815、第2表示装置4817、及び第3表示装置4818等の各種表示装置に備える各種基板へ送信する。また、周辺制御基板1510のCPUは、遊技盤5の各種装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各種装飾基板に対して送信する。周辺制御基板1510のCPUは、遊技盤5に設けられた各種駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720に対して送信する。
上述した周辺制御基板1510から出力されるそれぞれの駆動信号のうち、各種表示装置や遊技盤5の各種装飾基板に対しては、図256に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において出力が実行され、周辺制御基板1510のCPUは、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、扉枠3に設けられる各種装飾基板や遊技盤5に設けられる各種装飾基板(パネル駆動基板1720も含む。)に出力する。上述した周辺制御基板1510から出力されるそれぞれの駆動信号のうち、遊技盤5の各種駆動モータに対しては、図258に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1104のモータ及びソレノイド駆動処理において出力が実行され、周辺制御基板1510のCPUは、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
周辺制御IC1510aのCPUは、遊技盤5に液晶表示装置を設けていない場合であっても、周辺制御IC1510aのVDPへ指示して、ダミーとして、液晶表示装置に画像を描画するための描画データを周辺制御IC1510aのVRAM上に生成させて、画面の構成を規定する画面データを受け入れることができる状態となると、Vブランク信号を周辺制御IC1510aのCPUに出力するようにして、図185に示した周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理を実行するようにしてもよい。また、周辺制御IC1510aのCPUは、遊技盤5に液晶表示装置を設けていない場合に、周辺制御IC1510aのVDPを使用せず、図187に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理の実行回数をカウントして所定値(周辺制御部1msタイマ割り込み処理の実行回数が32回)に達すると、図185に示した周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理を実行するようにしてもよい。この判定は、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定に代えて行われる。この場合、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理のうちVDPに関する処理、ステップS1030の表示データ作成処理、及び図186に示した周辺制御部Vブランク割り込み処理等は実行されない。
ここで上記遊技要素群による遊技内容の一例を説明する。
遊技盤5の左上に設けられている機能表示ユニット1400は、例えば8つのLEDからなる第一特別図柄表示器や、別の8つのLEDからなる第二特別図柄表示器などを備えている。第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器では、それぞれの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を変動させて表示する抽選ゲーム(特別図柄変動遊技)が行われる。第1、第2特別図柄は、大当り、小当り、外れの判定(当り抽選)の結果を示す抽選結果導出用の図柄である。そして、本実施形態において、上記抽選ゲームは、第一特別図柄表示器または第二特別図柄表示器においてそれぞれの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を変動させて表示する図柄変動が開始されてから停止されるまでを1回の抽選ゲームとして実行されるものとなっている。以下、第一特別図柄表示器で行われる第1特別図柄に係る抽選ゲームを「第1抽選ゲーム」と示すことがあり、第二特別図柄表示器で行われる第2特別図柄に係る抽選ゲームを「第2抽選ゲーム」と示すことがある。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、抽選ゲームが開始されるに際して、複数の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のなかから、いずれの特別図柄を用いた当り抽選を行うかが選択されるようになっている。具体的には、固定始動入賞口4813に遊技球が入球することに基づいて、第一特別図柄表示器で行われる第1特別図柄に係る抽選ゲーム(第1抽選ゲーム)が選択され、電動始動入賞口4871に遊技球が入球することに基づいて、第二特別図柄表示器で行われる第2特別図柄に係る抽選ゲーム(第2抽選ゲーム)が選択される。そして、選択された側の特別図柄を用いた当り抽選が行われたとき、該当り抽選の結果に基づいて上記選択された側の特別図柄に対応する図柄表示器で8つのLEDを点滅させる図柄変動を開始させる制御が行われる(主制御基板1310X)。こうして開始された図柄変動では、当り抽選の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、大当りを認識し得る特別図柄の停止態様である大当り図柄(大当り表示結果)と、小当りを認識し得る特別図柄の停止態様である小当り図柄(小当り表示結果)と、外れを認識し得る特別図柄の停止態様である外れ図柄(外れ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで、図柄表示器における8つのLEDを所定の組み合わせ態様で点灯する(図柄変動が停止する)ことで、遊技者は、大当りに当選したのか、小当りに当選したのか、落選(外れ)したのかを認識することができるようになる。なお、大当り図柄が現れるかたちで停止した場合は、遊技者によって景品としての遊技球(賞球)が獲得可能とされる大当り遊技が主制御基板1310Xによって実行される。大当り遊技は、第2大入賞口4812の開閉板4811を15回開閉させるまで継続する遊技であり、遊技者に多くの賞球を付与し得る。また、小当り図柄が現れるかたちで停止した場合は、遊技者によって賞球が獲得可能とされる小当り遊技が主制御基板1310Xによって実行される。小当り遊技は、所定条件が成立することで、大当り遊技を実行可能にする遊技であり、小当り遊技だけでは、大当り遊技ほどの賞球を得ることはできない。
ここで、小当り遊技について説明する。本実施形態では、小当り図柄は複数設けられており、当り抽選と同時期に行われる図柄抽選で決定された小当り図柄の種類によって、後続して実行される小当り遊技の実行態様を複数態様のいずれかに設定することとしている。具体的に、小当り遊技は、第1大入賞口4807の第2シャッター板4806を動作させて、第1大入賞口4807内に遊技球を入球可能にする遊技であり、今回実行される小当り遊技に起因する小当り図柄が複数の小当り図柄の何れであるかによって第2シャッター板4806による入球開口の開閉パターン並びに開く場合の開放時間等の実行態様が相違するように設定されており、この実行態様によって第1大入賞口4807内への遊技球の入球可能性が相違することとなる。つまり、相対的に長い時間(例えば1.5)に亘り第2シャッター板4806を後退させる小当り遊技の実行態様は、相対的に短い時間(例えば0.5秒)に亘り第2シャッター板4806を後退させる小当り遊技の実行態様よりも、第1大入賞口4807への遊技球の入球が容易になる。
次に、小当り遊技にて、第1大入賞口4807に入った全ての遊技球は、第1大入賞口4807内部の回転球受け部材4808に到達し、その遊技球が回転球受け部材4808の球受け凹部4809で受けられた場合は、その回転球受け部材4808の回転動作によってV入賞口4810側に誘導され、球受け凹部4809に受けられなかった遊技球は、回転球受け部材4808の後ろ向きに下傾するテーパ周面を転がって一般入賞口4801に入球する。そして、回転球受け部材4808の回転動作によってV入賞口4810側に誘導された遊技球が上記のようにV入賞口4810に入球すると、その特典として第2大入賞口4812の開閉板4811を最大開閉回数に達するまで開閉させる大当り遊技が実行される。
第1〜第3表示装置4815,4817,4818は、詳細については後述するが、第一特別図柄表示器と第二特別図柄表示器のいずれよりも大きい表示領域で構成されており、大当り、小当り、外れという当り抽選の結果を上述した特別図柄よりも遊技者が認識し易い状態に表示して、遊技を盛り上げるように演出することを主としている。これにより、遊技者は、第1〜第3表示装置4815,4817,4818を確認することで、大当りに当選したのか、小当りに当選したのか、落選(外れ)したのかをより簡単に認識することができるようになる。
なお、機能表示ユニット1400には、図示を省略するものの、固定始動入賞口4813への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、電動始動入賞口4871への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、始動ゲート4803に対する遊技球の通過により判定される普図当り抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器と、始動ゲート4803に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器とが設けられている。
ここで、第一特別保留数表示器は、未実行の状態にて保留されている第1特別図柄側の当り抽選の記憶数(以下、第1保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。第1保留記憶数は、固定始動入賞口4813に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第1抽選ゲームが開始されることにより「1」減算される。したがって、第1抽選ゲームが行われている期間内で固定始動入賞口4813に遊技球が受け入れられると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第1上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、第二特別保留数表示器は、未実行の状態にて保留されている第2特別図柄側の当り抽選の記憶数(以下、第2保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。第2保留記憶数は、電動始動入賞口4871に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第2抽選ゲームが開始されることにより「1」減算される。したがって、第2抽選ゲームが行われている期間内で電動始動入賞口4871に遊技球が受け入れられると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第2上限数、本実施形態では「2」)まで累積される。
また、普通図柄表示器においては、普通当りか否かの判定(普図当り抽選)が行われるとき、該普図当り抽選の結果に基づいて複数種類の普通図柄を変動させる普通図柄変動が行われる。この普通図柄変動は、普図当り抽選の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、普通当りを認識し得る普通図柄の停止態様である普通当り図柄(普通当り表示結果)と、普通外れを認識し得る普通図柄の停止態様である普通はずれ図柄(はずれ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで停止されることで、遊技者は、普通当りに当選したのか落選(普通ハズレ)したのかを認識することができるようになる。なお、普通当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、電動始動入賞口4871の第1シャッター板4802が前進して入球可能状態になる。
また、普通保留表示器は、未実行の状態にて保留されている普図当り抽選の記憶数(以下、普図保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。普図保留記憶数は、遊技盤5に配設した始動ゲート4803に遊技球が受け入れられることで「1」加算される一方で、普通図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、普通図柄変動が行われている期間内で始動ゲート4803に遊技球が受け入れられると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(普図上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、本実施形態において、第1抽選ゲームと第2抽選ゲームとは同時に実行されないように構成されており、特別図柄を用いた図柄変動(第1抽選ゲームまたは第2抽選ゲーム)が終了した場合に第1保留記憶数と第2保留記憶数とが共に「1」以上であるときには、第2保留記憶数に基づく第2抽選ゲームが優先して実行される。また、本実施形態において、特別図柄を用いた図柄変動(第1抽選ゲームまたは第2抽選ゲーム)と普通図柄変動とは同時に実行可能である。
以上、実施形態の遊技要素群による遊技内容の一例を説明したが、ここからさらに、大当り、中当り、小当り、というように様々なバリエーションを加えてももちろんよい。
[遊技領域と遊技要素群の詳細]
実施形態の遊技領域5aは、上記の遊技要素群を3つの遊技ゾーンに配置して遊技の興趣が最大限に高められるようになっている。
つまり、遊技領域5aは、前記した図131の第1遊技領域5a1に相当する上層遊技ゾーン4823と、図131の第2遊技領域5a2に相当する右打ち遊技ゾーン4824と、図131の第3遊技領域5a3に相当する下層遊技ゾーン4825に分かれている。
[上層遊技ゾーン]
上層遊技ゾーン4823は、遊技要素群の前記した障害釘2007と、風車2008と、一般入賞口4801と、第2表示装置4817と、第3表示装置4818と、を備えている。
上層遊技ゾーン4823の下縁には、下層遊技ゾーン4825との間に棚板状の境界レール4826が設けられていて下層遊技ゾーン4825に遊技球が落下しないようになっているが、該境界レール4826の途中(遊技領域5aの縦のセンターライン上)に設けられた飛び込み部4827によって遊技球一個分の広さで下層遊技ゾーン4825と連通している。なお、飛び込み部4827の詳細は、下層遊技ゾーン4825の項で説明する。
また、境界レール4826には、該飛び込み部4827を頂点にして左右方向に下る傾きの勾配が設けられると共に下りきった両端にアウト誘導部1003が設けられている。
また、上層遊技ゾーン4823の前記内レール1002側(図234、図235において左側)の下隅角部には、内レール1002と下層遊技ゾーン4825の間を通って下層遊技ゾーン4825のアウト誘導部1003につながるアウトバイパス4828の上端が開口しており、境界レール4826の内レール1002側のアウト誘導部1003に排出能力を超える遊技球が一時的に集中したとしても、オーバーフローした遊技球がアウトバイパス4828を通って下層遊技ゾーン4825のアウト誘導部1003に流れるようになっている。入球の可能性の無いいわゆるアウト球は、遊技者に負の感情を抱かせ得るものであり、これを迅速に回収して遊技者の目に触れる時間を短くすることで遊技を快適に行わせることができる。
[第2表示装置]
第2表示装置4817は、境界レール4826の後側に3個横並びに配置された円形の図柄表示部材4816で形成されており、前記のように固定始動入賞口4813への入球に伴う抽選の結果を段階的に表示する場合の第一段階を示すものであって、第3表示装置4818による表示に進む場合は3個の図柄表示部材4816の全てに「GO」の図柄が、また、この第一段階で終わる場合は3個の図柄表示部材4816の少なくとも1つに「×」の図柄が表示されるようになっている。
この第2表示装置4817は、図柄表示部材4816の前面が、前記貫通孔1112の一部に被さる状態にしてベースパネル1110の前面に取り付けられ且つ前記境界レール4826と一体の透明なカバー板4883で覆われており、したがって図柄表示部材4816の前面を遊技球が頻繁に通っても表示面に傷が付くおそれがない。なお、実施形態では、図示を省略するが、このカバー板4883の前面に適宜な模様を印刷やシール等で施すと共に、このカバー板4883の後方に該カバー板4883前面の前記模様に関連する模様が形成された装飾板が適宜な間隔(好ましくはベースパネル1110の貫通孔1112の厚みの範囲内)を置いて立設されている。そうすることにより、例えばカバー板4883の前面と奥の装飾板に植物の図柄を描いて背景に視覚的な奥行きを出す、というように遊技領域5aに立体感を付与することができる。
[第3表示装置]
第3表示装置4818は、遊技領域5aの縦のセンターライン上の上部に設けられていて、前記のように固定始動入賞口4813への入球に伴う抽選の結果を段階的に表示する場合の第二(最終)段階を示すものである。
この第3表示装置4818は、1桁の数字に対応する7セグメント方式の表示部材4884と、その表示部材4884の取付ベースとなる表示フレーム4885と、から概略構成され、全体がベースパネル1110の貫通孔1112の後面を覆う演出裏カバー4886に上下動可能に装着されており、貫通孔1112の前側を縁取る枠状のセンター部材2500を通して前側(遊技者側)から視認し得る。
[表示部材]
第3表示装置4818の表示部材4884は、図240に示したように、7セグメント表示器の個々のセグメントの輪郭を象った前後方向に貫通する筒状のセグメント仕切枠4884aをLED基板4884bの前面に配設すると共に、そのセグメント仕切枠4884aの各枠内(7セグメントで囲われた上下2つの枠内を含む。)に複数の発光素子4884cを設置し、さらにセグメント仕切枠4884aの前方開口部分にレンズ4884dを取り付けてなる。これにより1桁の数字はもちろん、7セグメントで囲われた部分全体を使って効果的な演出が行える。なお、この表示部材4884は、液晶や有機EL等の画像表示器にしてもよい。
[表示フレーム]
第3表示装置4818の表示フレーム4885は、前方に膨らむ略半球状のフレーム本体4887と、該フレーム本体4887のほぼ中心の左右両横から突出していて拳を下向きに構えた格好になっている腕形状の第1可動部(以下、腕形可動部ともいう。)4888と、フレーム本体4887の下側の左右両横に約7時25分の方向(角度)に開いた格好で突設されている足形状の第2可動部(以下、足形可動部ともいう。)4889と、表示部材4884の表示の一部を覆うように表示フレーム4885に取付られた有色透明なサングラス形状の表示カバー部4890と、からなり、総合して擬人化された球形爆弾型のキャラクタ形状になっている。
[第1可動部(腕形可動部)]
前記腕形可動部4888は、樹脂成形品である左右の腕部材4888a同士を、中央に従動ギア4888bを固着した腕軸4888cで連結してなり、該腕軸4888cを表示フレーム4885の内部に取り付けられた腕支板4891に回転自在に軸着することによって、前記腕部材4888aが万歳方向と戻り方向の双方向に回転し得る。
[第2可動部(足形可動部)]
前記足形可動部4889は、全体が樹脂成形品であり、左右の足部材4889a同士が、それぞれの関節軸穴4889bに表示フレーム4885に突設された足関節軸4892を通して横揺れ自在に軸着されており、さらに、互いの端部に設けた扇形ギア4889c同士を噛合させることにより、左右の足部材4889a同士が縦の中心線を基準として左右対称に揺動する。
[腕形可動部+足形可動部]
前記腕形可動部4888と前記足形可動部4889は、表示フレーム4885の内部に垂直昇降可能に転がり支持された昇降スライダー4893を介して前記それぞれの動作が同時に進行するように連結されている。
すなわち腕形可動部4888は、腕軸4888cの従動ギア4888bが昇降スライダー4893に形成されたラックギア4894に噛合し、一方、足形可動部4889は、正面向かって右側の足部材4889aの上端部に設けられた長孔4889dに昇降スライダー4893に突設された連結ピン4895が遊嵌されている。
そして、腕形可動部4888が拳を下向きに構え、足形可動部4889が約7時25分の方向に開いた図243の状態で昇降スライダー4893は最上昇位置にあり、その昇降スライダー4893の最上昇位置が腕形可動部4888と足形可動部4889の自重(バランス)によって維持されている。したがって、この自重に抗する外力を加えて昇降スライダー4893を強制的に真っ直ぐ押し下げると、腕形可動部4888が、従動ギア4888bとラックギア4894の噛合により回動して腕部材4888aを万歳方向に変化させ、同時に足形可動部4889が、昇降スライダー4893の連結ピン4895の下動により長孔4889dを有する一方の足部材4889aが関節軸穴4889bを中心に回動し、それと一緒に扇形ギア4889cで噛合する他方の足部材4889aも関節軸穴4889bを中心に回動し、全体として図244のように球形爆弾型のキャラクタが拳を上に上げ両足を約8時20分の方向に跳ね上げた格好に変化する。しかる後、昇降スライダー4893に加えた外力を除去すると腕形可動部4888と足形可動部4889の自重により全てが逆向きに動いて図243の元の位置(姿勢)に戻る。
[表示カバー部]
サングラス形状の前記表示カバー部4890は、上記のように表示部材4884の表示の一部を覆うようにフレーム本体4887に固定的に取り付けられている。この表示カバー部4890の色はごく薄いものであり、したがって表示部材4884の表示の妨げになるおそれはない。なお、表示カバー部4890の色を濃くするか或は不透明にするなどして表示部材4884の表示の一部を敢えて見え難くし、表示の変化が止まったあと表示カバー部4890を例えばサングラスを上向きに回動させたり或は電気的に透明に切り替えるなどして表示部材4884の表示が完全にあらわれるようにしてもよい。そうすることにより、表示部材4884の一部を隠し、例えば先ず、表示が「0」であるのか「8」であるのかが判らないようにして遊技者の期待を高め、表示部材4884の表示の全貌が見えた瞬間に喜びを爆発させる、という具合に結果表示の落差を大きくして遊技の興趣をさらに高めることができる。
[演出裏カバー]
前記演出裏カバー4886は、ベースパネル1110の貫通孔1112の後面を覆うものであり、図245と図246の分解斜視図に示したように、前方に位置する裏カバー本体4896と、その裏カバー本体4896の後面に取り付けられる昇降装置4897と、から概略構成される。
[裏カバー本体]
裏カバー本体4896は、前記センター部材2500に対応する貫通孔1112の後面を囲う前方開放形のボックス形態であり、センター部材2500の開口に連通する演出空間4898を形成する。この裏カバー本体4896は、演出空間4898の奥に十分な上下幅(高さ)を確保するべく、底部が図240の中央縦断面図に示したように前方から奥に向かって下る湾曲形状になっている。また、裏カバー本体4896の底部には、前後方向に延びる複数本の畝4899が横並び状態に形成されている。この畝4899は、海の波を表現するためのものであるが、例えばトラブルに対処するために従業員が扉枠3を開いたとき、誤って演出空間4898に遊技球を落としたとしても、畝4899伝いに遊技球を転がして簡単に取り出すことができる。ちなみに、もし裏カバー本体4896の底部に前後方向の畝4899(遊技球掻き出し用の筋状誘導部)がない場合は、遊技球が横方向に自由に転がるため、捕捉するのに時間が掛かる。なお、畝4899を横方向に並べることと、溝を横方向に並べることとは、単なる表現の違いであって実質的に同義である。
[昇降装置]
昇降装置4897は、前記第3表示装置4818を演出裏カバー4886内で上下動させるものであり、図245と図246の分解斜視図に示したように、裏カバー本体4896の後壁4896rの後面に取り付けられる固定的な昇降ベース4900と、その昇降ベース4900と裏カバー本体4896の間に立設された昇降ガイド軸4918に対して昇降自在に取り付けられる昇降パネル4901と、昇降パネル4901の後面に形成された昇降ラックギア4902にピニオンギア4903を噛合させて該昇降パネル4901を昇降させる昇降モータ4904と、から概略構成される。
[第3表示装置と昇降装置]
第3表示装置4818の表示フレーム4885は、昇降装置4897の昇降パネル4901と一体に接合されている。具体的には、第3表示装置4818の表示フレーム4885の後面に突設された連結杆4905が、裏カバー本体4896の後壁4896rに開設された連通口4896wを通って昇降パネル4901にビス止めされている。したがって第3表示装置4818は、昇降モータ4904の駆動により昇降パネル4901が上昇すると図243に示したようにこれと一緒に上昇し、逆に昇降パネル4901が下降すると図244に示したようにこれと一緒に下降する。なお、昇降装置4897には昇降パネル4901を上向きに牽引する引張りバネ4906が設けられており、昇降パネル4901と第3表示装置4818の重量を引張り弾性で支えて昇降モータ4904に対する負担が軽減されるようになっている。
また、昇降装置4897は、第3表示装置4818の腕形可動部4888と足形可動部4889を可動させるに必要な外力を加える手段としても機能する。
つまり、昇降装置4897の固定要素である昇降ベース4900には、図245の拡大図に示したように、正面が導火線形状である鍵型の押さえ部材4907が中央上端から前方に向けて突設されており、該押さえ部材4907の下端が、図240の拡大図に示したように、腕形可動部4888と足形可動部4889に連結されている昇降可能な昇降スライダー4893の頂部に適宜な隙間を設けた状態で対向している。
したがって昇降装置4897で第3表示装置4818を上昇させると、昇降スライダー4893の頂部が押さえ部材4907の下端に当接するまで、つまり前記隙間分上昇するまで腕形可動部4888も足形可動部4889も当初の姿勢のまま上昇し、続けて昇降スライダー4893の頂部が押さえ部材4907の下端に当接して該昇降スライダー4893のそれ以降の上昇が妨げられ、それでも第3表示装置4818が上昇し続けると、相対的に昇降スライダー4893が強制的に押し下げられた格好になるため、図244のように球形爆弾型のキャラクタが万歳状態に拳を上げ両足を約8時20分の方向に跳ね上げてジャンプした格好に変化する。このように第3表示装置4818は、昇降装置4897による上昇にリンクして、拳を上に上げ、同時に両足を開きながら跳ね上がっているかのような動作をする。
一方、第3表示装置4818が、図244の上昇位置から下降に転ずると、その下降により昇降スライダー4893に加えられていた外力が除去される状態になるため、腕形可動部4888と足形可動部4889の自重により昇降スライダー4893が相対的に上昇し、最終的に第3表示装置4818の位置と姿勢が図243の状態に戻る。
なお、図243の静止状態にある腕形可動部4888と足形可動部4889を、図244のジャンプ状態に変化させる場合、静止状態にある昇降スライダー4893の上昇と、腕形可動部4888と足形可動部4889の揺動とを同時にスタートさせるには大きな力を必要とするため、実施形態では、前記のように昇降装置4897側の導火線型の押さえ部材4907と昇降スライダー4893の頂部との間に若干の隙間を設けて、最初に昇降スライダー4893のみを上昇させ、前記隙間分の時間差を設けて腕形可動部4888と足形可動部4889を揺動させるようになっている。これにより昇降装置4897の昇降モータ4904に掛かる負荷分散させ、軽減することができる。
さらにラックギア4894を、裏カバー本体4896の固定要素ではなく敢えて昇降スライダー4893に設けたことにより、第3表示装置4818が下降しきったとき、その反動で腕形可動部4888と足形可動部4889が昇降スライダー4893と一緒に若干バウンド(外観上は、腕と足が2、3度僅かに振れる。)するため、そのバウンドによる僅かな動きが、機械的になりがちなキャラクタの動作に人間味を帯びさせることができる。
また、第3表示装置4818の周囲を囲う前記センター部材2500には、正面視左側の外周面に、上層遊技ゾーン4823内の遊技球が入球可能なように開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とすべく枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球を左右方向に転動させた後に上層遊技ゾーン4823へ放出可能なステージ棚2503と、が設けられており、このステージ棚2503の中央から落下する遊技球が、前記飛び込み部4827に高い確率で入球し得るようになっている。
[下層遊技ゾーン]
下層遊技ゾーン4825は、図235、図240、図241,図247〜図250に示したように、遊技要素群の前記した第1表示装置4815と、始動ゲート4803と、普通図柄表示装置4804と、固定始動入賞口4813と、を備えており、上層遊技ゾーン4823の飛び込み部4827から下層遊技ゾーン4825に入った遊技球が、後述する複数(実施形態では3つ)の振分け部4829a〜4829cを経て固定始動入賞口4813に入球するか、始動ゲート4803を通過してアウト誘導部1003に回収されるか、或は何らの特典も得られないままアウト誘導部1003に回収されるかに振り分けられる。
[飛び込み部]
前記飛び込み部4827は、図240の拡大図に示したように、前記上層遊技ゾーン4823の下部に上向き開口する飛び込みポケット4830と、その飛び込みポケット4830に設けた通過型の飛び込みセンサ4831と、飛び込みポケット4830に入った遊技球を一旦遊技パネル1100の後方に転がしてそこから遊技パネル1100の前面位置まで前向きに転がす、というように前から後、後から前へと遊技球を前後方向に移動させる側面視横V字状の前後屈曲通路4832と、からなる。
[第一の振分け部]
前記振分け部4829a〜4829cのうちの第一の振分け部4829aは、前記前後屈曲通路4832の終端に対しほぼ球一個分の段差部4833を介して左右方向に交差する球通路4834と、前記段差部4833に設けられた常時ワイパー状に揺動する第1電動振分け片4835〈第1振分けモータ4908〉と、からなり、前後屈曲通路4832を通って段差部4833に落下した遊技球が第1電動振分け片4835の揺動タイミングによって、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路と左側に流れる左進路に振り分けられるようになっている。そして、球通路4834の右進路は、螺旋状に下るスクリュー通路4836を介して後述する第三の振分け部4829cに直結され、一方、左進路は第二の振分け部4829bを経由して間接的に第三の振分け部4829cに接続される。
なお、後述するように第三の振分け部4829cは、目標とする固定始動入賞口4813へ入球が期待できる最終段階であり、したがってこの第三の振分け部4829cに直結する前記右進路への振り分けは遊技者が望むものである。そのため遊技者は、右進路に振り分けられるタイミングを狙って飛び込み部4827に入球させようとするが、第一の振分け部4829aに対して飛び込み部4827は、飛び込みポケット4830に入球した遊技球が前後屈曲通路4832により前後方向に屈曲して第1電動振分け片4835に到達するようになっているため、その前後方向への遠近の変化が正面にいる遊技者には判りにくく、その分タイミングが捉えにくい。よって第1電動振分け片4835の動きに飛び込み部4827の入球タイミングが合わせにくくなるため、遊技本来の運・不運の要素が向上して、遊技の興趣を増大させることができる。
[第二の振分け部]
第一の振分け部4829aの球通路4834の左進路につながる第二の振分け部4829bは、該球通路4834の左端に接続される浅い盃状に窪んだ円形旋回部4837と、その円形旋回部4837の中心領域に貫設した複数(実施形態では3個)の球落下口4838と、その球落下口4838から落下する遊技球を受けて遊技パネル1100のほぼ前面位置まで案内する前傾樋4839と、該前傾樋4839の前端部下方に設けられた常時ワイパー状に揺動する第2電動振分け片4840〈第2振分けモータ4909〉と、該第2電動振分け片4840が図235において左傾倒したときに連通する右奥通路4841と、第2電動振分け片4840が起立したときに連通する左手前通路4842と、からなり、第一の振分け部4829aで左進路に振り分けられた遊技球が、第2電動振分け片4840の揺動タイミングによってさらに右奥通路4841と左手前通路4842に振り分けられるようになっている。そして、右奥通路4841は、前記第三の振分け部4829cに接続され、一方、左手前通路4842は、前記始動ゲート4803に接続されている。
なお、ここで第一の振分け部4829aの第1電動振分け片4835と、第二の振分け部4829bの第2電動振分け片4840は、双方とも常時揺動するが、両者は互いに異なる周期で揺動するように設定されている。具体的には、第1電動振分け片4835に対して第2電動振分け片4840は、2倍弱の周期でゆっくり揺動するように設定されており、両者の揺動タイミングにズレが生ずるように設定されている。そうすることにより第一の振分け部4829aと第二の振分け部4829bが同期して第一の振分け部4829aから第二の振分け部4829bに向かった時点で振り分け方向が概ね判ってしまう、つまり第二の振分け部4829bの存在価値が著しく低下する、という弊害を防ぐことができる。
[第三の振分け部]
第三の振分け部4829cは、下層遊技ゾーン4825の下部であって前記飛び込み部4827と同じく遊技領域5aの縦のセンターライン上に中心を位置させた一般に「クルーン」とも称される球旋回型の振分け装置4843と、その振分け装置4843の直下に設けられた振分け基台4844と、からなる。
[振分け装置]
振分け装置4843は、遊技球を勢いよく転がして惰性で旋回させる球転動部材4845と、その球転動部材4845の中心を通る垂直軸を中心に回転可能な回転部材4846と、該回転部材4846を支持して一定方向に低速で回転させる駆動装置4847と、から概略構成される。
[球転動部材]
球転動部材4845は、浅い盃のように円の中心に向かって緩やかに下り傾斜し且つ中心に円孔4848を有する底壁部4849と、その底壁部4849の外周を囲う短筒状の周壁部4850と、からなる円環状にカーブさせた球流路を備えると共に、その球流路に図241に示したように、周壁部4850の内側且つ略接線方向に向けて遊技球を投入し得る投入樋4851a,4851bを前後二箇所に設けてなる。
そして、この球転動部材4845の前方の投入樋4851aに、前記した第一の振分け部4829aの球通路4834の右進路に繋がるスクリュー通路4836が接続され、一方、後方の投入樋4851bに、前記した第二の振分け部4829bの右奥通路4841が接続されており、したがって第一の振分け部4829aから右進路とスクリュー通路4836を通って前方の投入樋4851aから球転動部材4845に投入された遊技球と、第一の振分け部4829aから左進路と第二の振分け部4829bの右奥通路4841を通って後方の投入樋4851bから球転動部材4845に投入された遊技球は、周壁部4850側に向かう遠心力を作用させつつ惰性で底壁部4849上を図241において時計回りに旋回する。また、旋回する遊技球は、速度の低下と共に徐々に遠心力を失うため、底壁部4849の下り傾斜によって少しずつ円孔4848側に下降する。
なお、球転動部材4845には、上記のように二つの投入樋4851a,4851bから遊技球が投入されるが、実施形態では、落差の大きいスクリュー通路4836につながる投入樋4851aから投入される遊技球の方が、投入樋4851bから投入される遊技球より速度が速く、したがって投入タイミングによって、一方の遊技球が他方の遊技球に追突して思わぬ展開に発展する可能性がある。このように一つの球転動部材4845に複数の投入樋を設けて異なる設計速度(傾斜の距離や角度)で遊技球を投入することにより、遊技の偶然性を高めて効果的に興趣を増大させることができる。
実施形態の球転動部材4845は、図249に示したように、底壁部4849に載る遊技球の中心より下側に接触して該遊技球を周壁部4850から若干離れた位置に誘導し得る球誘導部4852を設けてなる。この球誘導部4852は、遊技球の底壁部4849との接触点に向かって下傾(水平線に対して約20゜)する断面くさび形の突起形状になっているが、図250のように底壁部4849の傾斜を途中からきつくした形態にしてもよい。
[回転部材]
前記回転部材4846は、前記球転動部材4845の円孔4848より若干小径で該円孔4848とほぼ同じかそれより若干低い高さ位置に設けられた振分け円盤4853と、その振分け円盤4853の縁に沿って下向きに突設された下垂筒部4854と、振分け円盤4853の中心(=底壁部4849の中心)に対して点対称となる位置に複数個(実施形態では4個)設けられた遊技球用の受入口4855と、その受入口4855のうちの一つを特定受入口4855vにすべく該受入口4855の下側をカバーして入球落下する遊技球を下垂筒部4854の外側に横送りする横送り樋4856と、特定受入口4855vを含む全ての受入口4855の隣合うもの同士を仕切る平面視十字状の仕切壁4857と、後述する駆動装置4847の駆動軸4858を挿通させる軸受筒4859と、から概略構成される。
[駆動装置]
駆動装置4847は、図247、図248に示したように、前記振分け基台4844の下面に設けられた駆動モータ4860と、振分け基台4844の上面に上向きに突出する駆動軸4858と、振分け基台4844の内部にあって前記駆動モータ4860の回転を駆動軸4858に伝達するギア群4861と、からなり、前記駆動軸4858を前記回転部材4846の軸受筒4859に下から挿通させて回転部材4846を傘状に支えると共に該回転部材4846を一定の方向(実施形態では、前記球転動部材4845における遊技球の旋回方向と反対の反時計回り)に低速で回転させるようになっている。
[振分け基台]
前記振分け基台4844は、下層遊技ゾーン4825の下部に固定的に取り付けられており、その前面に、図240の拡大図に示したようにポケット状の固定始動入賞口4813を備えると共にその直上に該固定始動入賞口4813に通じる入賞通路4862を有し、さらに前面の該入賞通路4862の両横に下層遊技ゾーン4825のアウト誘導部1003に通じる外れ通路4863が形成されている。
また、振分け基台4844の上部には、前記振分け装置4843における回転部材4846の特別受入口4855v以外の受入口4855に入った遊技球を受けて前記外れ通路4863に導く外れ仕分け通路4864と、回転部材4846の特別受入口4855vに入った遊技球を受けて前記入賞通路4862に導く入賞仕分け通路4865と、振分け装置4843における球転動部材4845の外部に飛び出して落下した遊技球を遊技場側に回収する落下回収通路4866と、が形成されている。
[外れ仕分け通路]
前記外れ仕分け通路4864は、図247〜図249に示したように、振分け基台4844の上面から、振分け装置4843の回転部材4846の下垂筒部4854に近接する高さに突設された該回転部材4846とほぼ同径の湾曲部を有する平面視略U字状の囲い枠4867で形成されており、回転部材4846の特別受入口4855v以外の受入口4855に入って下垂筒部4854内を真っ直ぐ落下する遊技球を受けて外れ通路4863に導くものである。
[入賞仕分け通路]
前記入賞仕分け通路4865は、図247〜図249に示したように、振分け基台4844の上面に対して前記回転部材4846の周囲を取り巻くように取り付けられた回廊樋4868で形成されており、回転部材4846の特別受入口4855vに入って横送り樋4856で下垂筒部4854の外に横送りされた遊技球を受けて前方の入賞通路4862に導くものである。なお、図249(a)のように回転部材4846の特別受入口4855vが入賞通路4862の上方に位置しているタイミングで該特別受入口4855vに遊技球が入った場合には、横送り樋4856から入賞通路4862に直に落下する。
[落下回収通路]
前記落下回収通路4866は、後ろ向きに下り傾斜させた振分け基台4844の上面と、振分け基台4844の後部に設けた樋状段部4869と、からなり、振分け装置4843の球転動部材4845から外方に飛び出して落下した遊技球を樋状段部4869に集めてアウト球などと一緒に遊技場側に回収するものである。
[振分け装置のドツキゴト対策]
球旋回型の振分け装置に対するドツキゴトは、底壁部上を旋回している遊技球が特定受入口に近づいたタイミングを見計らってパチンコ機の前面を強く叩き、その衝撃でパチンコ機を振動させ、その振動により遊技球の軌道を旋回方向から径方向に変えて狙った特定受入口に入球させる、というものである。
これに対し実施形態の振分け装置4843の球転動部材4845は、遊技球が遠心力の作用を受けつつ惰性で底壁部4849上を転がるとき、球誘導部4852によって周壁部4850から若干離れた位置に誘導されるため、遊技球が周壁部4850に最も接近した状態でも図249(a)のように若干の隙間がある。
したがって、ドツキゴトをたくらむ遊技者が、図249(b)の矢示Fのようにパチンコ機1に衝撃を加えて球転動部材4845を前後方向に振動させ、周壁部4850で遊技球を叩いてその軌道を径方向に変更しようとしても、周壁部4850と遊技球の間には隙間があるため、周壁部4850の動きが直ぐには遊技球に伝わらない。また、遊技球に接している球誘導部4852は、遊技球の中心より下側に斜めに当たっていて、振動により遊技球の下側に潜り込んで図249(b)矢示Mのように遊技球を不正者が意図する方向とは異なる方向に移動させようとする。よって実質的にドツキゴトを困難にすることができる。
[その他]
その他、下層遊技ゾーン4825には、第1の振分け部4829aの球通路4834に右進路を通る遊技球を検知する通過型の第1球センサ4870aと、第2の振分け部4829bの右奥通路4841を通る遊技球を検知する通過型の第2球センサ4870bが設けられており、これらの第1,第2球センサ4870a,4870bで遊技球を検知することによって第3の振分け部4829cの振分け装置4843に入った球数を管理することができる。そして、この振分け装置4843に入った球数と、第2の振分け部4829bの左手前通路4842を通って始動ゲート4803で検知された球数を合計して前記飛び込み部4827の飛び込みセンサ4831で検知される下層遊技ゾーン4825に入った球数と比較することで、下層遊技ゾーン4825に入ったまま出ていかない遊技球の存在を知ることができ、それによって何らかの不正行為が疑われる、という警告を管理者に発することができる。
また、実施形態では飛び込み部4827から固定始動入賞口4813までの流路が長く、遊技球の滞留時間が長いため、例えば未実行の状態で保留されている当り抽選の記憶数に応じて遊技球の発射を一時的に止めるいわゆる止め打ちが行い難くなる。したがって、遊技場にとって不利に作用する止め打ちが有効に防止できる効果がある。
[右打ち遊技ゾーン]
右打ち遊技ゾーン4824は、遊技球の流れ順に、遊技要素群の前記した障害釘2007と、始動ゲート4803と、電動始動入賞口4871と、第1大入賞口4807と、回転球受け部材4808と、回転球受け部材4808の後ろ向きに下傾するテーパ周面に載った遊技球が入球する一般入賞口4801と、V入賞口4810と、一般入賞口4801と、第2大入賞口4812と、を備えており、アウト誘導部1003は下層遊技ゾーン4825と共有している。
右打ち遊技ゾーン4824は、図131〜図139、図194と同じく、特定の強い発射力で発射された遊技球が通過可能な連絡通路部5a4で前記上層遊技ゾーン4823と連結されている。なお、この連絡通路部5a4の詳細は、図131〜図139、図194による説明と同じであるため省略する。
また、右打ち遊技ゾーン4824には、上記の遊技要素群を巡る右打ち球流路が設けられている。
この右打ち球流路は、
前記連絡通路部5a4の出口部分の直下に形成され、複数の障害釘2007と始動ゲート4803を有する上自由落下領域4910と、
その上自由落下領域4910の下端に上向きに開口し、前記始動ゲート4803を通過した遊技球と始動遊技ゲート4803を通過せずにその横を単に通過した遊技球を受ける第1樋4911と、
該第1樋4911の終端に連続すると共に4本の障害釘2007がコーナーポスト状に植設され、真っ直ぐ落下する方向に電動始動入賞口4871の第1シャッター板4802がある分岐領域4912と、
その分岐領域4912の図234において左側に開口して電動始動入賞口4871の外側を横U字状に迂回すると共に分岐領域4912の前記真っ直ぐ落下する方向の流路に合流する第2樋4913と、
該第2樋4913から連続すると共に第1大入賞口4807の第1シャッター板4802の上面を流路の一部に含む第3樋4914と、
該第3樋4914の出口部分の直下から第2大入賞口4812の間に位置し、複数の障害釘2007と一般入賞口4801を有する下自由落下領域4915と、から形成される。
なお、右打ち遊技ゾーン4824には、図234、図251に示したように、上層遊技ゾーン4823と下層遊技ゾーン4825との間を仕切る境界壁4916の内面側に上記右打ち球流路を側方から照らす演出用の照明基板4917が設けられている。この照明基板4917は、その位置と向きにより、遊技者側から見て専ら不透明な基板の前端面乃至背面が見え、光源である発光LEDの光が直接視界に入り難いため、右打ち遊技ゾーン4824を明るく照らしつつも眩しさを抑制することができる。
また、右打ち遊技ゾーン4824には、前記第3樋4914の終端部近傍に、5桁の数字を表示可能なセグメント表示器によるタイマーセグ4882が設けられており、このタイマーセグ4882で当たりのタイマー予告をする等して遊技の興趣を高めるようになっている。
実施形態のパチンコ機1は、以上の構成を備えており、遊技の概要は既に説明したとおりであるが、さらに説明を補足すると、遊技者は、まず上層遊技ゾーン4823に遊技球を打ち込んで飛び込み部4827への入球を狙う。もちろん狙い通り飛び込み部4827に入球するのは一部であり、一般入賞口4801に入球するものもあれば、早々とアウト誘導部1003に入って遊技を終えるものもある。
この上層遊技ゾーン4823で飛び込み部4827に入球して下層遊技ゾーン4825に入り、上記した複数の振分けを経て固定始動入賞口4801に遊技球が入球した場合には、第一特別図柄表示器で行われる第1特別図柄に係る抽選ゲーム(第1抽選ゲーム)が行われ、この第1抽選ゲームにて、第1表示装置4815、第2表示装置4817、第3表示装置4818による段階的な演出表示により、上述した大当り遊技や小当り遊技に当たったことを期待させる。つまり、上述した抽選ゲームの進行に基づいて、先ず、第1表示装置4815の表示ランプ4814を下から上に向けて順に点灯させることにより、あたかも導火線の火が燃え進むイメージで抽選の開始が表示され、続けて第2表示装置4817で表示する3個の図柄の内容(例えば「GO」表示が3個並ぶ)で第一段階の抽選結果が表示され、最後に第3表示装置4818で最終段階の表示(具体的には大きいセグメント表示器による1桁の数字の表示や、表示フレーム4885と腕形可動部4888と足形可動部4889による球形爆弾型のキャラクタのジャンピング動作)されて、大当り、小当り、外れを遊技者に認識させる。
また、上層遊技ゾーン4823に打ち出された遊技球のうち、飛び込み部4827に入球したものの、固定始動入賞口4801に入球しなかった遊技球の一部は、第二の振分け部4829bを経て始動ゲート4803を通過可能とされており、始動ゲート4803を遊技球が通過すると、その信号がゲートセンサ4875で検出されて第1シャッター板4802の動作に関する上述した普通図柄抽選が行われる。
そして、普通図柄抽選で当り(1/10)になると、その抽選結果に応じた分だけ右打ち遊技ゾーン4824の第1シャッター板4802が前進して電動始動入賞口4871への入球が可能になり、その時間が経過すると第1シャッター板4802が後退して電動始動入賞口4871への入球が不能になる。
なお、その抽選の結果は、演出用普通図柄表示装置4804で表示(具体的にはセグメント表示器による1桁の数字の表示)される。
また、大当り遊技の終了後には、普通図柄抽選における普通図柄の変動時間が通常の遊技状態での変動時間(例えば120秒)よりも短縮された短縮時間(例えば1秒)とされる時短遊技状態に制御され、飛び込み部4827ではなく、右打ち遊技ゾーン4824の始動ゲート4803を直接狙うことにより、第二特別図柄表示器で行われる第2特別図柄に係る抽選ゲーム(第2抽選ゲーム)を主とする遊技を進行させることが可能になる。時短遊技状態は、所定の終了条件(たとえば特別図柄の10回の変動表示など)で終了し、通常遊技状態に復帰することとなる。
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。
また、実施形態では、遊技領域5aを3つの遊技ゾーンで形成したが、2つの遊技ゾーンや、単体の遊技領域5aで構成されるものであってもよい。
また、実施形態では、球転動部材4845を振分け装置4843の一部として説明したが、この球転動部材4845は、遊技領域5a内で遊技者から視認可能な状態で遊技球を転動させるものなら振分け装置4843に限定されない。
因みに、従来より、遊技機の一例であるパチンコ機は、レールで囲われ且つ前方を窓部で覆った遊技領域が遊技盤に設けられており、その遊技領域の上方に遊技者が遊技球を打ち込み、その遊技球が流下する過程で特定の受入口等に入球したとき、その入球の景品として所定数の遊技球が遊技者に提供(放出)され、一方、特定の受入口に入球しなかった遊技球は、アウト球口を通って遊技場側に回収されるようになっている。
ところで一部の遊技者の中には、パチンコ機に強い外力(具体的には叩いたり、球皿を強く引くなど)を加えて全体を振動させ、その振動により遊技球の軌道を強制的に変えて特定の受入口に入球させ、そうして不正に景品を得ようとする者が存在する(以下、このような手口の不正行為を単に「ドツキゴト」という。)。
例えば、上記のようなドツキゴトの被害を受けやすいパチンコ機の役物として、一般に「クルーン」とも称される球旋回型の振分け装置がある。
この振分け装置は、浅い盃のように円の中心に向かって緩やかに下り傾斜する底壁部と、その底壁部の外周を囲う周壁部と、からなる球流路を備えると共に、その球流路に周壁部の内側且つ略接線方向に向けて遊技球を投入することによって周壁部側に向かう遠心力を作用させつつ底壁部上を旋回させるようにした球転動部材と、前記底壁部の中心に対して点対称となる位置に複数個(例えば2個〜4個)設けられた遊技球用の受入口と、その受入口の一つであって入球に対する特典が付与されるように設定されている特定受入口と、からなり、球転動部材の球流路に投入されて当初遠心力により周壁部沿いを旋回する遊技球が、次第に勢いを失って底壁部の中心側に徐々に下降し、最終的に特定受入口を含む受入口の何れに入球するかを遊技の要素とするものである。
かかる球旋回型の振分け装置に対するドツキゴトは、底壁部上を旋回している遊技球が特定受入口に近づいたタイミングを見計らってパチンコ機の前面を強く叩くなどして外力を加え、その衝撃でパチンコ機を振動させ、その振動により遊技球の軌道を旋回方向から径方向に変えて狙った特定受入口に入球させる、というものである。
しかして、このようなドツキゴトに対する従来の対策は、例えば文献(特開2008−229209号公報)に記載されているようにパチンコ機に振動センサーを設置し、その振動センサーにより検出された振動によってドツキゴトであるか否かを判定し、その判定結果に基いて遊技場側が必要な措置を執る、というものであった。
従来の振動センサーによるドツキゴト対策は、パチンコ機の異常振動を検知することでドツキゴトが行われたと推定するのみであって、仮に異常振動の直後に特定受入口へ入球したとしても、その入球と異常振動との因果関係を立証することは困難であり、ドツキゴトによる現実の被害を未然に防止することはできなかった。
[振動検出スイッチと遊技球用の裏樋部材との取り付け方法]
裏箱3010の底板となるベースの前面左側には、上述したように、左側遊技球用の裏樋部材1110taが取り付けられ、裏箱3010の左側壁の上部近傍には、上述したように、上振動検出スイッチ3005が取り付けられると共に、裏箱3010の左側壁の下部近傍には、上述したように、下振動検出スイッチ3006aが取り付けられている。また、裏箱3010の底板となるベースの前面右側には、上述したように、右側遊技球用の裏樋部材1110tbが取り付けられ、裏箱3010の右側壁の下部近傍に下振動検出スイッチ3006bが取り付けられている。左側遊技球用の裏樋部材1110ta及び右側遊技球用の裏樋部材1110tbには止め穴がそれぞれ形成されると共に、裏箱3010の底板となるベースの前面には、これら複数の止め穴と対応する位置に前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴がそれぞれ形成されている。ここでは、右側遊技球用の裏樋部材1110tbについて、図252を参照して詳細に説明する。図252は、裏箱を上下方向に沿って一部左右方向に屈曲して切断した断面図であり振動検出スイッチと遊技球用の裏樋部材との取り付け方法を示す概略図(a)であり、その変形例(b)である。なお、図252における右側遊技球用の裏樋部材1110tbは、電動始動入賞口4871、第1大入賞口4807、一般入賞口4801、V入賞口4810、及び第2大入賞口4812等に入球した遊技球を後方下流側へ向かって誘導するための樋部分を図面の見易さから省略した。
右側遊技球用の裏樋部材1110tbには、右側遊技球用の裏樋部材1110tbが裏箱3010の底板となるベースの前面右側へ取り付けるための止め穴1110tba1〜1110tba5(5つの止め穴)が、図252(a)に示すように、下振動検出スイッチ3006bが取り付けられる領域を除いて、全く形成されていない。具体的には、止め穴1110tba1,1110tba2,1110tba3が上下方向の距離寸法を等間隔に離間して配置されていると共に、止め穴1110tba3と止め穴1110tba4,1110tba5とが下振動検出スイッチ3006bの上下方向の中心点からほぼ同一の上下方向の距離寸法だけ離間して配置されている。
裏箱3010の底板となるベースの前面右側には、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに複数形成される止め穴1110tba1〜1110tba5(5つの止め穴)と対応する位置に、前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴3010ab1〜3010ab5(5つの取付ボス穴)が突出してそれぞれ形成されていため、取付ボス穴3010ab1,3010ab2,3010ab3が上下方向の距離寸法を等間隔に離間して配置されていると共に、取付ボス穴3010ab3と取付ボス穴3010ab4,3010ab5とが下振動検出スイッチ3006bの上下方向の中心点からほぼ同一の上下方向の距離寸法だけ離間して配置されている。
このように、右側遊技球用の裏樋部材1110tbが裏箱3010の底板となるベースの前面に取り付けられた状態では、裏箱3010の底板となるベースの前面に形成される上述した所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴3010ab1〜3010ab5(5つの取付ボス穴)により、右側遊技球用の裏樋部材1110tbの裏面と裏箱3010の底板となるベースの前面との間に所定高さ(本実施形態では、6mm)だけの空間が形成される。これにより、下振動検出スイッチ3006bが裏箱3010の右側壁の下部近傍であって裏箱3010の底板となるベースの前面に取り付けられた状態において、下振動検出スイッチ3006bの上方と左方が前後左右方向に複数屈曲した右側遊技球用の裏樋部材1110tbの近傍に配置されていても、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動を、この空間を利用して逃がすことができるため、右側遊技球用の裏樋部材1110tbの裏面を介して、裏箱3010の底板となるベースの前面へ伝わることを防止することに寄与することができる。これにより、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動が上述した空間を利用して逃がすことができることにより下振動検出スイッチ3006bに伝わり難くすることができるため、この振動による下振動検出スイッチ3006bの誤検出を防止することができる。
また、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに複数形成される止め穴1110tba1〜1110tba5(5つの止め穴)のうち、止め穴1110tba1,1110tba2,1110tba3が上下方向の距離寸法を等間隔に離間して配置されていると共に、止め穴1110tba3と止め穴1110tba4,1110tba5とが下振動検出スイッチ3006bの上下方向の中心点からほぼ同一の上下方向の距離寸法だけ離間して配置されている。そして、これら止め穴1110tba1〜1110tba5(5つの止め穴)と対応するように、裏箱3010の底板となるベースの前面に形成される取付ボス穴3010ab1〜3010ab5(5つの取付ボス穴)のうち、取付ボス穴3010ab1,3010ab2,3010ab3が上下方向の距離寸法を等間隔に離間して配置されていると共に、取付ボス穴3010ab3と取付ボス穴3010ab4,3010ab5とが下振動検出スイッチ3006bの上下方向の中心点からほぼ同一の上下方向の距離寸法だけ離間して配置されている。これにより、右側遊技球用の裏樋部材1110tbと裏箱3010の底板となるベースの前面との取付面を、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成する5つの止め穴と、裏箱3010の底板となるベースの前面に形成される5つの取付ボス穴と、に限定することにより、面積を十分小さくすることにより、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動を、取付面を介して、裏箱3010の底板となるベースの前面へ伝わることを防止することに寄与することができる。この点についても、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動が下振動検出スイッチ3006bに伝わり難くすることができるため、この振動による下振動検出スイッチ3006bの誤検出を防止することができる。
また、右側遊技球用の裏樋部材1110tbと裏箱3010の底板となるベースの前面との取付面を、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成する5つの止め穴と、裏箱3010の底板となるベースの前面に形成される5つの取付ボス穴と、に限定することにより、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動経路を、取付面に限定することができる。
このような効果を奏することができるように、左側遊技球用の裏樋部材1110taには止め穴がそれぞれ形成されると共に、裏箱3010の底板となるベースの前面にはこれら複数の止め穴と対応する位置に前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴がそれぞれ形成されている。
なお、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動を、裏箱3010の底板となるベースの前面へ伝わることを防止することができる構成として、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに下振動検出スイッチ3006bの上下方向の距離寸法と比べて大きい距離寸法を有する切り欠き部を、下振動検出スイッチ3006bと対応する位置に右側遊技球用の裏樋部材1110tbの裏面側に形成するように構成することもできる。具体的には、図252(b)に示すように、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに下振動検出スイッチ3006bの上下方向の距離寸法と比べて大きい距離寸法を有する切り欠き部1110tbbを下振動検出スイッチ3006bと対応する位置に右側遊技球用の裏樋部材1110tbの裏面側に形成する。図252(a),(b)との相違点は、図252(a)における取付ボス穴3010ab1〜3010ab5が前方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有して突出して裏箱3010の底板となるベースの前面に形成されているのに対して、図252(b)における取付ボス穴3010ab1〜3010ab5が後方へ向かって所定高さ(本実施形態では、6mm)を有して突出して裏箱3010の底板となるベースの後面に形成されているという点であり、図252(a)における右側遊技球用の裏樋部材1110tbが裏箱3010の底板となるベースの前面に取り付けられた状態では裏箱3010の底板となるベースの前面に形成される上述した所定高さ(本実施形態では、6mm)を有する取付ボス穴3010ab1〜3010ab5(5つの取付ボス穴)により、右側遊技球用の裏樋部材1110tbの裏面と裏箱3010の底板となるベースの前面との間に所定高さ(本実施形態では、6mm)だけの空間が形成されているのに対して、図252(b)における右側遊技球用の裏樋部材1110tbが裏箱3010の底板となるベースの前面に取り付けられた状態では裏箱3010の底板となるベースの裏面と裏箱3010の底板となるベースの前面とが右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される切り欠き部1110tbb(取付ボス穴3010ab1〜3010ab5の所定高さ(本実施形態では、6mm)と同一の高さを有している。)を除いて、面接触しているという点である。これにより、右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される球誘導路BSを通る遊技球が球誘導路BSの誘導壁に衝突した際に生ずる振動が右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される切り欠き部1110tbbという空間を利用して逃がすことができることにより下振動検出スイッチ3006bに伝わり難くすることができるため、この振動による下振動検出スイッチ3006bの誤検出を防止することができる。なお、このような右側遊技球用の裏樋部材1110tbに形成される切り欠き部1110tbbを左側遊技球用の裏樋部材1110taに形成されてもよい。
[ステッピングモータの回転軸に形成されるDカット面の角度位置]
次に、常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に第1電動振分け片4835を揺動する第1振分けステッピングモータ4908の回転軸と、常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と起立した(以下、「垂直方向に倒立した」と記載する。)メカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に第2電動振分け片4840を揺動する第2振分けステッピングモータ4909の回転軸と、にそれぞれ形成されるDカット面の角度位置について説明する。図254は、第1,第2振分けステッピングモータの回転軸に形成されるDカット角度位置を示す図である。ここでは、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の回転軸に形成されるDカット面の角度位置の配置方法が同一であるため、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の回転軸に形成されるDカット面の角度位置の配置方法の説明において、第1振分けステッピングモータ4908に関する符号に続いて第2振分けステッピングモータ4909に関する符号を括弧書きで表した。
第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909は、φ1、φ2、/φ1、/φ2という相を有するユニポーラ型ステッピングモータであり、ローターに回転軸が圧入されている。第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909は、その詳細な説明を後述するが、基準励磁相からのステップ数に応じて、回転軸の回転位置が決まるように、ローターに回転軸が圧入されている。つまり、本実施形態では、回転軸の角度を正確に測定するためのロータリーエンコーダ等の回転角センサを設けることなく、回転軸の位置をほぼ把握することができるようになっている。
第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、図254(a)に示すように、その回転軸4908a(4909a)の左右側にそれぞれ取付穴4908b(4909b)が形成されている。左側取付穴4908b(4909b)、回転軸4908a(4909a)、及び右側取付穴4908b(4909b)は、同一の直線上に配置され、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の水平方向の中心線となっている。この水平方向の中心線と垂直に交わるとともに、回転軸4908a(4909a)を通る直線が第1振分けステッピングモータ4908(4909)の垂直方向の中心線となっている。回転軸4908a(4909a)の直径は、4mm(φ4)である。
第1振分けステッピングモータ4908(4909)の回転軸4908a(4909a)は、予めDカット面が形成されており、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)された状態において、このDカット面が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となるように、ローターに圧入されている。これにより、第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されると、回転軸4908a(4909a)に形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となって絶対位置となるDカット角度位置となる。
第一の振分け部4829aにおける第1電動振分け片4835は、左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状に揺動する。第1電動振分け片4835が揺動して左側のメカエンドの位置までに達すると、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられて螺旋状に下るスクリュー通路4836を介して第三の振分け部4829cに接続されるのに対して、第1電動振分け片4835が揺動して右側のメカエンドの位置までに達すると、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続される。本実施形態では、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。なお、第1振分けステッピングモータ4908は、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることで、ワイパー状に揺動する第1電動振分け片4835の回転位置は、左側のメカエンドの位置又は右側のメカエンドの位置に決まる。この点についての詳細な説明を後述する。
第一の振分け部4829aの球通路4834の左進路につながる第二の振分け部4829bにおける第2電動振分け片4845は、左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状に揺動する。第2電動振分け片4840が揺動して垂直方向に倒立したメカエンドの位置までに達すると、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続されるのに対して、第2電動振分け片4840が揺動して左側のメカエンドの位置までに達すると、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される。本実施形態では、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。なお、第2振分けステッピングモータ4909は、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることで、ワイパー状に揺動する第2電動振分け片4840の回転位置は、左側のメカエンドの位置又は垂直方向に倒立したメカエンドの位置に決まる。この点についての詳細な説明を後述する。
第三の振分け部4829cは、上述したように、目標とする固定始動入賞口4813へ入球が期待できる最終段階であり、第1電動振分け片4835が揺動して左側のメカエンドの位置までに達すると、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられて螺旋状に下るスクリュー通路4836を介して第三の振分け部4829cに接続されるようになっているため、第三の振分け部4829cに直結する右進路への振り分けは、遊技者が望むものであり、遊技者にとって有利となる領域への振り分けとなっている。また、第一の振分け部4829aの球通路4834の左進路につながる第二の振分け部4829bにおける第2電動振分け片4845が揺動して左側のメカエンドの位置までに達すると、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続されるようになっているため、第三の振分け部4829cに接続される振り分けは、遊技者が望むものであり、遊技者にとって有利となる領域への振り分けとなっている。
これに対して、第1電動振分け片4835が揺動して右側のメカエンドの位置までに達すると、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続されるようになっているため、第二の振分け部4829bにおいて、第三の振分け部4829cに接続される振分けの機会を得ることができるものの、上述した第三の振分け部4829cに直結する右進路と比べると、第三の振分け部4829cへの接続を第二の振分け部4829bによる振分けが介在することとなり、第三の振分け部4829cへ接続される確率が低下することで遊技者にとって有利となる領域への振り分けと言い難い。また、第2電動振分け片4840が揺動して垂直方向に倒立したメカエンドの位置までに達すると、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続されるようになっているため、第三の振分け部4829cへ全く接続さらず、遊技者にとって有利となる領域への振り分けとならない。
第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)は、水平方向の中心線から時計回りに135°(公差±3°)だけ回転した位置に設けられており、図254(b)に示すように、1番ピンに/φ2が割り当てられ、2番ピンに/φ1が割り当てられ、3番ピンにφ2C(コモン)が割り当てられ、第4ピンにφ1C(コモン)が割り当てられ、第5ピンにφ2が割り当てられ、第6ピンにφ1が割り当てられている。第3ピンに割り当てられるφ2C(コモン)に、各種電圧(後述する作動用電圧、後述する停止用電圧)が印加され、第1ピンに割り当てられる/φ2又は第5ピンに割り当てられるφ2へ向かって電流が流れる。第4ピンに割り当てられるφ1C(コモン)に、各種電圧(後述する作動用電圧、後述する停止用電圧)が印加され、第2ピンに割り当てられる/φ1又は第6ピンに割り当てられるφ1へ向かって電流が流れる。
第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、φ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として、回転軸4908a(4909a)の回転状態に応じて、作動用電圧と停止用電圧とに相互に切り替えられている。
このように、第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されると、回転軸4908a(4909a)に形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2という各相の励磁の組み合わせとして後述する8通り(φ1、φ2、/φ1、/φ2という各相をすべて励磁しないものを除く。)が存在し、この8通りの各相の励磁の組み合わせにより、回転軸4908a(4909a)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)を決定することができるようになっている。
このように、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2という各相の励磁の組み合わせと、回転軸4908a(4909a)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、の対応関係が全く形成されていない場合には、例えば、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となる状態において検出されるようにセンサを設け、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aを回転させて、第1電動振分け片4835を左側のメカエンドの位置へ移動する押し込み動作を行って、センサにより検出されると、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の左側のメカエンドの位置との対応関係を把握する必要があるという欠点があるし、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となる状態において検出されるようにセンサを設け、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aを回転させて、第2電動振分け片4840を左側のメカエンドの位置へ移動する押し込み動作を行って、センサにより検出されると、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の左側のメカエンドの位置との対応関係を把握する必要があるという欠点がある。
これに対して、本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、上述したように、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されると、回転軸4908a(4909a)に形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように構造的に決まり、さらに、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への8通りの励磁の組み合わせと、回転軸4908a(4909a)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、の対応関係が電気的に決まるため、上述した押し込み動作を全く行うことなく、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の励磁相と、第1電動振分け片4835(4840)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっている。
また、電源投入時に加えて、停電及び瞬停により電力が回復する復電時において、最初の励磁により第1振分けステッピングモータ4908(4909)を制御して第1電動振分け片4835(4840)の回転位置が想定した回転位置と異なったとしても、次回の励磁により第1振分けステッピングモータ4908(4909)を制御して第1電動振分け片4835(4840)の回転位置を意図する回転位置へ合わせることができるため、リカバリを容易に行うことができる。これは、今回の励磁により第1振分けステッピングモータ4908(4909)が脱調した場合にも適用することができ、次回の励磁により第1振分けステッピングモータ4908(4909)を制御して第1電動振分け片4835(4840)の回転位置を意図する回転位置へ合わせることができるため、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の脱調のリカバリを容易に行うことができる。
ここで、本実施形態では、第1電動振分け片4835を常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動する電気的駆動源としてステッピングモータを採用したとともに、第2電動振分け片4840を常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動する電気的駆動源としてステッピングモータを採用した理由について簡単に説明する。
第1電動振分け片4835、及び第2電動振分け片4840は、遊技球を振り分け比率に応じて振り分けるものであり、正確性が求められるものである。このため、電気的駆動源としてソレノイドを採用すると、ソレノイドの励磁駆動開始したときのプランジャ移動速度と、ソレノイドの励磁駆動を停止したときのバネの復元力により戻るプランジャ移動速度と、に違いが生ずる。また、バネの復元力によりプランジャが戻るためにプランジャ移動速度を常に一定でなく、かつ、バネのバラツキによるプランジャ移動速度もソレノイドによって異なる。また、第1電動振分け片4835、及び第2電動振分け片4840は、上述したように、常時ワイパー状に揺動するため、電気的駆動源としてソレノイドを採用すると、ソレノイドは、耐久性がなく、バネの経年劣化があり、設計時に設定された振り分け比率通りに第1電動振分け片4835、及び第2電動振分け片4840による振り分け動作を継続することが困難である。このように、電気的駆動源としてソレノイドを用いると、第1電動振分け片4835、及び第2電動振分け片4840による振り分け動作を正確に制御することが困難であり、かつ、振り分け動作を細かく制御することが困難である。
そこで、本実施形態では、耐久性があり、経年劣化が小さく、個体間の性能のバラツキが小さく、振り分け動作を正確に制御することができるとともに、振り分け動作を細かく制御することができる電気的駆動源として、第1電動振分け片4835に対してステッピングモータである第1振分けステッピングモータ4908を採用し、第2電動振分け片4840に対してステッピングモータである第2振分けステッピングモータ4909を採用した。
なお、本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908(4909)は、上述したように、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されると、回転軸4908a(4909a)に形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように構造的に決まり、さらに、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への8通りの励磁の組み合わせと、回転軸4908a(4909a)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、の対応関係が電気的に決まるため、上述した押し込み動作を全く行うことなく、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の励磁相と、第1電動振分け片4835(4840)の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができる仕組みとなっていたが、このような仕組みを、ステッピングモータにより作動する可動体が設けられる他の演出装置に用いることができる。このような他の演出装置を遊技盤5に備えてもよいし、扉枠3に備えてもよい。他の演出装置が主制御基板1310Xにより制御される場合には可動体を作動するステッピングモータが主制御基板1310Xにより駆動制御され、他の演出装置が周辺制御基板1510により制御される場合には可動体を作動するステッピングモータが周辺制御基板1510により駆動制御される。
因みに、従来より、各種演出に合わせて各種の映像を表示する液晶ディスプレイの前面に可動演出体(可動体)を駆動モータ(ステッピングモータ)により駆動して演出を行う遊技機が提案されている(例えば、特開2008−012194号公報(段落[0039]、段落[0045]〜段落[0051]、図2〜図4))。この可動演出体(可動体)の原位置となるところにフォトセンサが配置され、このフォトセンサに検出されることで可動演出体(可動体)が原位置に存在することが把握されるようになっている。ところが、この文献に記載される遊技機では、フォトセンサからの検出信号に基づいて可動演出体(可動体)の原位置を特定するように構成されているため、復電時(電源投入時のほかに、停電及び瞬停により電力が回復する時を含む。)において、可動演出体(可動体)の原位置を特定できない場合には、駆動モータ(ステッピングモータ)への励磁相と可動体演出(可動体)の位置とを特定することができないという問題があった。
[電圧切替回路]
次に、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の回転軸4908a(4909a)の回転状態に応じて、φ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁として、作動用電圧と停止用電圧とに相互に切り替えることができる電圧切替回路について説明する。図255は、電圧切替回路の回路図である。
第1振分けステッピングモータ4908は、常時ワイパー状に第1電動振分け片4835を揺動するとともに、第2振分けステッピングモータ4909は、常時ワイパー状に第2電動振分け片4840を揺動するため、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を常時駆動する必要がある。ところが、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を常時駆動すると、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909が過剰に発熱することによって、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909に不具合や故障が発生するおそれがある。このため、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を常時駆動しても発熱を抑制する必要がある。
そこで、本実施形態では、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を駆動して第1,第2電動振分け片4835,4840をワイパー状に揺動する場合には、作動用電圧を使用するのに対して、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を駆動して第1,第2電動振分け片4835,4840を停止する場合には、停止用電圧を使用するという電圧切替回路を制御して実現している。
まず、主制御基板1310Xは、図255に示すように、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909へ印加する電圧として作動用電圧と停止用電圧とを相互に切り替えることができる第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m、1310pと、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を駆動することができる第1,第2振分けステッピングモータ駆動IC1310n,1310qと、を備えている。
ここでは、第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m、1310pが同一の回路構成であるとともに、第1,第2振分けステッピングモータ駆動IC1310n,1310qが同一の回路構成であるため、第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m、1310pの説明、及び第1,第2振分けステッピングモータ駆動IC1310n,1310qの説明において、第1振分けステッピングモータ4908に関する符号に続いて第2振分けステッピングモータ4909に関する符号を括弧書きで表した。
第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m(1310p)は、トランジスタMTR50(MTR60)、電界効果トランジスタ(FET)MF50(MF60)、ダイオードM50(M60)、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチMPS50(MPS60)を主として構成されている。トランジスタMTR50(MTR60)のベース端子は、抵抗MR50(MR60)の一端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)に電気的に接続された抵抗MR51(MR61)の他端と電気的に接続されている。抵抗MR50(MR60)の他端は、電圧切替1という信号を伝送するラインとして図示しない第1電動振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ(電圧切替2という信号を伝送するラインとして図示しない第2電動振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第1電動振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ(第2電動振分け片電圧切替用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第1電動振分け片電圧切替用出力端子(第2電動振分け片電圧切替用出力端子)と電気的に接続されている。
トランジスタMTR50(MTR60)のエミッタ端子は、グランド(GND)に電気的に接続され、トランジスタMTR50(MTR60)のコレクタ端子は、抵抗MR52を介して電界効果トランジスタMF50(MF60)のゲート端子Gと電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のゲート端子Gは、抵抗MR53(MR63)を介して、電界効果トランジスタMF50(MF60)のソース端子Sと電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のソース端子Sは、+12V電源ラインと電気的に接続されている。電界効果トランジスタMF50(MF60)のドレイン端子Dは、整流ダイオードであるダイオードMD50(MD60)のカソード端子と電気的に接続されるとともに、ポリスイッチMPS50(MPS60)の一端と電気的に接続されている。ダイオードMD50(MD60)のアノード端子は、+5V電源ラインと電気的に接続されている。ポリスイッチMPS50(MPS60)の他端は、ツェナーダイオードMD51,MD52(MD61,MD62)のアノード端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインとしてコネクタ1310z(図256を参照。)の端子と電気的に接続される。
第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)は、チップ化されたNPN型ダーリントントランジスタが4素子、ダイオードが4素子、を同一のパッケージとして内蔵されている。NPN型ダーリントントランジスタの4素子のうち、第1のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1は、抵抗MR54(MR64)の一端と電気的に接続され、第2のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5は、抵抗MR55(MR65)の一端と電気的に接続され、第3のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8は、抵抗MR56(MR66)の一端と電気的に接続され、第4のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12は、抵抗MR57(MR67)の一端と電気的に接続されている。
第1のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1を励磁する電流が流れるUφ1ライン(Dφ1ライン)としてコネクタ1310z(図256を参照。)の端子と電気的に接続され、第2のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の/φ1を励磁する電流が流れるU/φ1ライン(D/φ1ライン)としてコネクタ1310z(図256を参照。)の端子と電気的に接続され、第3のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ2を励磁する電流が流れるUφ2ライン(Dφ2ライン)としてコネクタ1310z(図256を参照。)の端子と電気的に接続され、第4のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の/φ2を励磁する電流が流れるU/φ2ライン(D/φ2ライン)としてコネクタ1310z(図256を参照。)の端子と電気的に接続されている。
一端が第1のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子1と電気的に接続される抵抗MR54(MR64)の他端は、第1振分けステッピングモータ4908のφ1に対する励磁の開始や停止を指示するPD0(PD4)という信号を伝送するラインとして図示しない第1振分けステッピングモータ4908のφ1用Dタイプフリップフロップ(図示しない第2振分けステッピングモータ4909のφ1用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第1振分けステッピングモータ4908のφ1用Dタイプフリップフロップ(第2振分けステッピングモータ4909のφ1用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第1振分けステッピングモータ4908のφ1用出力端子(第2振分けステッピングモータ4909のφ1用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第2のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子5と電気的に接続される抵抗MR55(MR65)の他端は、第1振分けステッピングモータ4908の/φ1に対する励磁の開始や停止を指示するPD1(PD5)という信号を伝送するラインとして図示しない第1振分けステッピングモータ4908の/φ1用Dタイプフリップフロップ(図示しない第2振分けステッピングモータ4909の/φ1用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第1振分けステッピングモータ4908の/φ1用Dタイプフリップフロップ(第2振分けステッピングモータ4909の/φ1用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第1振分けステッピングモータ4908の/φ1用出力端子(第2振分けステッピングモータ4909の/φ1用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第3のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子8と電気的に接続される抵抗MR56(MR66)の他端は、第1振分けステッピングモータ4908のφ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD2(PD6)という信号を伝送するラインとして図示しない第1振分けステッピングモータ4908のφ2用Dタイプフリップフロップ(図示しない第2振分けステッピングモータ4909のφ2用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第1振分けステッピングモータ4908のφ2用Dタイプフリップフロップ(第2振分けステッピングモータ4909のφ2用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第1振分けステッピングモータ4908のφ2用出力端子(第2振分けステッピングモータ4909のφ2用出力端子)と電気的に接続されている。
一端が第4のNPN型ダーリントントランジスタのベース端子12と電気的に接続される抵抗MR57(MR67)の他端は、第1振分けステッピングモータ4908の/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD3(PD7)という信号を伝送するラインとして図示しない第1振分けステッピングモータ4908の/φ2用Dタイプフリップフロップ(図示しない第2振分けステッピングモータ4909の/φ2用Dタイプフリップフロップ)の出力端子と電気的に接続されている。この第1振分けステッピングモータ4908の/φ2用Dタイプフリップフロップ(第2振分けステッピングモータ4909の/φ2用Dタイプフリップフロップ)の入力端子は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの第1振分けステッピングモータ4908の/φ2用出力端子(第2振分けステッピングモータ4909の/φ2用出力端子)と電気的に接続されている。
第1のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第2のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子6とパッケージ内部において電気的に接続されている。第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子6は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第3のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子と第4のNPN型ダーリントントランジスタのエミッタ端子とは、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子7とパッケージ内部において電気的に接続されている。第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のエミッタ端子7は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)は、ダイオードを4素子内蔵しており、第1,第2のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されるとともに、第3,第4のダイオードが一対となってパッケージ内に配置されている。
第1のダイオードのアノード端子は、第1のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子2とパッケージ内部において電気的に接続され、第2のダイオードのアノード端子は、第2のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子4とパッケージ内部において電気的に接続され、第1のダイオードのカソード端子と第2のダイオードのカソード端子とは、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子3とパッケージ内部において電気的に接続されている。第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子3は、ツェナーダイオードMD51(MD61)のカソード端子と電気的に接続されている。
第3のダイオードのアノード端子は、第3のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子9とパッケージ内部において電気的に接続され、第4のダイオードのアノード端子は、第4のNPN型ダーリントントランジスタのコレクタ端子11とパッケージ内部において電気的に接続され、第3のダイオードのカソード端子と第4のダイオードのカソード端子とは、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子10とパッケージ内部において電気的に接続されている。第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のカソード端子10は、ツェナーダイオードMD52(MD62)のカソード端子と電気的に接続されている。
第1〜第4のダイオードは、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を熱に変換して除去することによって、第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタを保護している。
第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインは、コネクタ1310z(図256を参照。)の端子と図示しない配線を介して第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)の第3ピンのφ2C(コモン)及び第4ピンのφ1C(コモン)と電気的に接続される。第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1を励磁する電流が流れるUφ1ライン(Dφ1ライン)は、コネクタ1310z(図256を参照。)の端子と図示しない配線を介して第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)の第6ピンのφ1と電気的に接続される。第1振分けステッピングモータ4908(4909)の/φ1を励磁する電流が流れるU/φ1ライン(D/φ1ライン)は、コネクタ1310z(図256を参照。)の端子と図示しない配線を介して第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)の第2ピンの/φ1と電気的に接続される。第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ2を励磁する電流が流れるUφ2ライン(Dφ2ライン)は、コネクタ1310z(図256を参照。)の端子と図示しない配線を介して第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)の第5ピンのφ2と電気的に接続される。第1振分けステッピングモータ4908(4909)の/φ2を励磁する電流が流れるU/φ2ライン(D/φ2ライン)は、コネクタ1310z(図256を参照。)の端子と図示しない配線を介して第1振分けステッピングモータ4908(4909)のコネクタ4908c(4909c)の第1ピンの/φ2と電気的に接続される。
第1振分けステッピングモータ4908のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD0〜PD3と、第2振分けステッピングモータ4909のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD4〜PD7と、を合わせた8ビットの情報である揺動駆動データPD0〜PD7が主制御MPU1310aから出力されると、上述した対応するDタイプフリップフロップ、そして各抵抗を介して、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nのベース端子1,5,8,12と、第2振分けステッピングモータ駆動IC1310qのベース端子1,5,8,12と、にそれぞれ入力される。第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)は、主制御MPU1310aからの揺動駆動データPD0〜PD3(PD4〜PD7)に応じて、第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m(1310p)により作動用電圧又は停止用電圧に切り替えられた電圧で第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2を励磁する電流を流す。
ここで、第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m(1310p)の動作について簡単に説明すると、主制御MPU1310aからの電圧切替1(電圧切替2)という信号の論理が作動用電圧論理として出力されるときには、トランジスタMTR50(MTR60)がOFFし、第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインの電圧が電界効果トランジスタMF50(MF60)により+12V側に引き上げられることで第1振分けステッピングモータ4908(4909)に対して作動用電圧として+12VがポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給される。なお、+12V−U(+12V−D)という電源ラインからダイオードMD50(MD60)を介して+5電源ラインへ供給されることがない。
これに対して、主制御MPU1310aからの電圧切替1(電圧切替2)という信号の論理が作動用電圧論理の論理を反転させた停止用電圧論理として出力されるときには、トランジスタMTR50(MTR60)がONし、電界効果トランジスタMF50(MF60)による+12Vが遮断されることにより第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ電源を供給する+12V−U(+12V−D)という電源ラインの電圧がダイオードMD50(MD60)を介して+5V側に引き上げられることで第1振分けステッピングモータ4908(4909)に対して停止用電圧として+5VがポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給される。
ここで、作動用電圧の消費電力と停止用電圧の消費電力とによる温度上昇の違いについて簡単に説明する。消費電力Wは、オームの法則:電圧V×電圧V÷抵抗Rにより算出することができる。作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは144/抵抗Rとなり、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsは25/抵抗Rとなる。そうすると、作動用電圧である+12Vによる消費電力Woは、停止用電圧である+5Vによる消費電力Wsと比べて5倍以上(5.76=144/25)となるため、温度上昇も約5倍以上となる。これは、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)に対しても、同様である。
つまり、作動用電圧である+12Vによる単独(連続)の駆動で温度上昇が問題となっても、停止用電圧である+5Vによる駆動により温度上昇を約5分の1以下に抑えることができる。
第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージは、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2を励磁する第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタによる発熱と、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2からの逆起電力を熱に変換する第1〜第4のダイオードによる発熱と、を吸収し、この吸収した熱を外気(第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)の周囲)に逃がしている。遊技ホールの島設備は他のパチンコ機と背向で列設されためパチンコ機の電源基板や各種制御基板等から発せられる熱によって遊技ホールの島設備内の温度が高くなっている。
このため、第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタと第1〜第4のダイオードとによる発熱を、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージが吸収しても、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)の周囲、つまり外気の温度が高くなっている状態では、その吸収した熱を外気に逃がす効率が低下するため、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージに熱が蓄えられることとなる。そうすると、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージの温度が高くなって、第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタの接合温度がジャンクション温度まで高くなると、第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタが故障するおそれがある。
そこで、本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908(4909)を駆動して回転軸4908a(4909a)をCW(時計回り)又はCCW(反時計回り)に回転している場合には、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁をできるだけそれぞれ連続して行うことにより第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止される回数を少なくし、第1振分けステッピングモータ4908(4909)のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁が停止されたときに発生する逆起電力を第1〜第4のダイオードにより熱に変換して除去する回数を少なくすることができる。これにより、第1〜第4のダイオードによる発熱を小さく抑えることができるため、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310n(1310q)のパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱による第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタの故障を防止することができる。
本実施形態では、第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m(1310p)に、リレーを使用せず、半導体である電界効果トランジスタ(FET)MF50(MF60)を使用している。これは、リレーには、タイムラグが発生するし、個体間の性能のバラツキが大きいため、振り分け動作を正確に制御することが困難であるからである。
因みに、従来より、各種演出に合わせて各種の映像を表示する液晶ディスプレイの前面に可動演出体を駆動モータ(ステッピングモータ)により駆動して演出を行う遊技機が提案されている(例えば、特開2008−012194号公報(段落[0039]、段落[0045]〜段落[0049]、図2、図3))。ところで、この文献に記載される遊技機では、駆動モータ(ステッピングモータ)により可動演出体を作動開始して演出位置で停止する場合に、駆動モータ(ステッピングモータ)を励磁して可動演出体が演出位置から移動しないようにする必要があるため、駆動モータ(ステッピングモータ)への励磁が常に行われる場合には、駆動モータ(ステッピングモータ)が過剰に発熱するという問題があった。
[ポリスイッチ]
ここで、リセッタブルヒューズとしてポリスイッチについて説明する。図256はポリスイッチの配置を示す概要図である。
作動用電圧又は停止用電圧は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)に対してポリスイッチMPS50(MPS60)を介して+12V−U(+12V−D)という電源ラインとして供給されている。ポリスイッチMPS50(MPS60)は、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰するものであり、これを利用すると、負荷である第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ流れる電流を制限して負荷である第1振分けステッピングモータ4908(4909)を保護することができる。負荷への電流を制限するものとしては、ヒューズを挙げることができる。このヒューズは、過電流が流れると、溶断することで負荷へ流れる電流を遮断することができるものの、ヒューズそのものを新しいものと交換する必要がある。
ところが、パチンコ機1のように、遊技の進行を制御する重要な主制御基板1310Xを不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者からを防止する必要がある。このため、主制御基板1310Xは、図256に示すように、透明なカバー体1301と透明なベース体1302とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されるとともに、カバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部1303は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体1301をベース体1302から取り外すことができない。そうすると、主制御基板1310Xにヒューズを実装し、仮にヒューズが溶断した場合には、カシメ部1303を破壊しなければならない。ところが、パチンコ機1が遊技ホールに設置されると、このパチンコ機1に備える主制御基板ボックス1320のカシメ部1303を破壊することができないため、ヒューズの交換を行うことができず、遊技を行うことができない状態となる。
そこで、本実施形態では、ヒューズと同様に、過電流を制限する素子として、ポリスイッチを採用した。これにより、ポリスイッチに過電流が流れると、ポリスイッチの特定により、負荷へ流れる電流を制限して負荷を保護することができる。つまり、ヒューズと異なり過電流によるポリスイッチ自体が破壊されないし、交換する必要が全くなく、負荷である第1振分けステッピングモータ4908(4909)を保護することができるし、カシメ部1303を破壊する必要が全くない。
ポリスイッチMPS50(MPS60)は、本体が直方体の形状を有し、底面から下方に向かって2本のリードが突出するリード線形である。ポリスイッチMPS50(MPS60)は、上述したように、素子抵抗と素子温度との関係において、特定温度から急激に抵抗値が増加して本体が発熱し、この熱により導電性が低下して電流を遮断し、本体が冷却されると導電性が戻り、復帰する。このため、ポリスイッチMPS50(MPS60)の発熱を効率良く冷却するために、ポリスイッチMPS50(MPS60)の2本のリードを垂直方向に配置することで、ポリスイッチMPS50(MPS60)の本体の厚みが小さくなる面を垂直方向とすることができ、ポリスイッチMPS50(MPS60)の本体による発熱を上方へ向かって対流し易くしている。
また、ポリスイッチMPS50(MPS60)は大きな電流が流れるため、第1振分けステッピングモータ4908(4909)への電源を供給する端子、電源第1振分けステッピングモータ4908(4909)の各相(φ1、/φ1、φ2、/φ2)を励磁する端子などを有するコネクタ1310zの近傍に配置されている。これにより、第1振分けステッピングモータ4908(4909)への電流によるノイズの影響を、主制御基板1310Xに実装される他の電子部品に対して小さくすることに寄与することができる。
また、ポリスイッチMPS50(MPS60)は、第1振分けステッピングモータ4908(4909)へ流れる電流を制限することができるため、第1振分けステッピングモータ4908(4909)の過熱を保護することができる。
なお、本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908に対してポリスイッチMPS50を主制御基板1310Xの第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mに1つ専用に設けるとともに、第2振分けステッピングモータ4909に対してポリスイッチMPS60を主制御基板1310Xの第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pに1つ専用に設けたが、これに代えて、第1,第2振分けステッピングモータ駆動IC1310n,1310qのコレクタ端子2,4,9,11と、これに対応する第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909のコネクタ4908c,4909cの端子と、の間にポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設けるように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908に対してポリスイッチMPS50を主制御基板1310Xの第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mに1つ専用に設けるとともに、第2振分けステッピングモータ4909に対してポリスイッチMPS60を主制御基板1310Xの第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pに1つ専用に設けたが、これに代えて、第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m,1310pにそれぞれ供給される+12V及び+5Vというモータ電源に対して共通ポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設けるように構成してもよいし、第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m,1310pにそれぞれ供給される+12Vというモータ電源のみに対して共通ポリスイッチを1つ専用に設けるように構成してもよい。
また、例えば、第1振分けステッピングモータ4908とともに他のステッピングモータ駆動する場合(第1振分けステッピングモータ4908は第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nにより駆動されるとともに、他のステッピングモータは他のステッピングモータ駆動ICにより駆動される場合)には、第1振分けステッピングモータ4908とともに他のステッピングモータに供給するモータ電源を第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mにより切り替えて構成することができる。この場合、第1振分けステッピングモータ4908と他のステッピングモータとに対する共通ポリスイッチがポリスイッチMPS50となり、このポリスイッチMPS50を介して、+12V又は+5Vというモータ電源が第1振分けステッピングモータ4908とともに他のステッピングモータにそれぞれ供給される。
また、本実施形態では、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909としてユニポーラ型ステッピングモータを用いていたが、これに代えて、バイポーラ型ステッピングモータを用いてもよい。この場合、バイポーラ型ステッピングモータに対して+12V及び+5Vというモータ電源が供給される各端子には、ポリスイッチをそれぞれ1つずつ専用に設ける。
また、本実施形態では、リセッタブルヒューズとして採用したポリスイッチは、ポリマー系PTC(Positive Temperature Coefficienの略)サーミスタ等のPPTC(Polymer Positive Temperature
Coefficientの略)素子であるが、リセッタブルヒューズとしてセラミックPTC(Positive Temperature Coefficienの略)素子やバイメタルを採用しても上述したポリスイッチと同一の効果を奏することができる。
因みに、従来より、ベース部材(ベース体)に収納部材(カバー体)に遊技制御基板(制御基板)が収納され、ベース部材と収納部材とがカシメ部(固着手段)により固着される基板ボックを備える遊技機が提案されている(例えば、特開2010−234125号公報(段落[0017]、段落[0027]、図7))。ところで、この文献に記載される遊技機では、基板ボックスに収容される遊技制御基板(制御基板)に過電流対策としてヒューズを設けた場合に、ヒューズが溶断すると、ベース部材(ベース体)と収納部材(カバー体)とがカシメ部(固着手段)により固着されているため、ヒューズを交換することができず、遊技制御基板(制御基板)を使用することができないという問題があった。
[第1,第2振分けステッピングモータの駆動管理ブロック]
次に、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の駆動管理ブロックについて説明する。図257は第1振分けステッピングモータ4908の駆動管理ブロックを説明するテーブルであり、図258は第2振分けステッピングモータ4909の駆動管理ブロックを説明するテーブルである。
設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6では、第1振分けステッピングモータ4908の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと第2振分けステッピングモータ4909の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されており、遊技者にとって不利となる第1電動振分け片4835と第2電動振分け片4840との停止時間が異なるように予め設定されている。これは、遊技者にとって有利となる第1電動振分け片4835と第2電動振分け片4840との停止時間が異なるように設定する場合では、遊技者にとって有利となる時間を少し変更するだけで確率が大幅に変わるためである。
また、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6において、第1振分けステッピングモータ4908の駆動管理ブロックでは、設定値1、設定値2、及び設定値3の励磁時間が相互に変更されているとともに、第2振分けステッピングモータ4909の駆動管理ブロックでは、設定値4、設定値5、及び設定値6の励磁時間が相互に変更されている。これは、励磁時間が変更される第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909を別々に行うことにより、第1電動振分け片4835と第2電動振分け片4840とのうち、どちらに変更されたかを遊技者に察知され難くすることができるからである。
ここでは、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までのうち設定値1に予め設定されている駆動管理ブロックについて説明する。第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の駆動管理ブロックは、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aの主制御内蔵ROMに予め記憶されている。主制御MPU1310aは、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において、駆動管理ブロックに従って、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の駆動制御として第1,第2振分けステッピングモータ駆動IC1310n,1310qに揺動駆動データPD0〜PD7を出力するとともに、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909の電圧切替制御として第1,第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310m,1310pに論理が設定された電圧切替1,2という信号を出力する。
第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909は、上述したように、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されると、回転軸4908a,4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909のφ1、φ2、/φ1、/φ2という各相の励磁の組み合わせとして後述する8通り(φ1、φ2、/φ1、/φ2という各相をすべて励磁しないものを除く。)が存在し、この8通りの各相の励磁の組み合わせにより、回転軸4908a,4909aの回転位置を決定することができるようになっている。
本実施形態では、第1,第2振分けステッピングモータ4908,4909のφ1、φ2、/φ1、/φ2という各相の励磁の8通りの組み合わせとしては、組み合わせ1:φ1,φ2励磁(ON)、組み合わせ2:φ2のみ励磁(ON)、組み合わせ3:φ2,/φ1励磁(ON)、組み合わせ4:/φ1のみ励磁(ON)、組み合わせ5:/φ1,/φ2励磁(ON)、組み合わせ7:/φ2のみ励磁(ON)、組み合わせ8:/φ2,φ1励磁(ON)が存在する。
本実施形態では、回転軸4908a,4909aの回転方向と回転位置とを、各相の励磁の8通りの組み合わせから構成される駆動管理ブロックとして規定され、この駆動管理ブロックに従って、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが第1振分けステッピングモータ4908のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD0〜PD3と、第2振分けステッピングモータ4909のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2に対する励磁の開始や停止を指示するPD4〜PD7と、を合わせた8ビットの情報である揺動駆動データPD0〜PD7のうち、PD0〜PD3を第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nに対して出力し、PD4〜PD7を第2振分けステッピングモータ駆動IC1310qに対して出力する。このとき、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aは、駆動管理ブロックに従って、第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mに対して電圧切替1という信号の論理を設定して出力し、第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pに対して電圧切替2という信号の論理を設定して出力することで、作動用電圧又は停止用電圧に切り替えられた電圧で第1振分けステッピングモータ4908のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2を励磁する電流を流して第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aを時計回りに回転したり、反時計回りに回転したり、回転を停止したりし、第2振分けステッピングモータ4909のφ1、/φ1、φ2、及び/φ2を励磁する電流を流して第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aを時計回りに回転したり、反時計回りに回転したり、回転を停止したりする。これにより、第1振分けステッピングモータ4908は、第1電動振分け片4835を揺動して常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動するとともに、第2振分けステッピングモータ4909は、第2電動振分け片4840を揺動して常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動する。
[第1振分けステッピングモータの駆動管理ブロック]
第1振分けステッピングモータ4908の駆動管理ブロックは、図257に示すように、駆動管理ブロックの管理番号(No.)、回転方向、ステップ数、パルス幅(ミリ秒(ms))、励磁時間(ミリ秒(ms))、励磁モード、電圧(V)、及び励磁相指定から構成されている。管理番号としては、No.1〜No.20まで規定されている。
管理番号No.1には、回転方向:停止、ステップ数:なし(図中「−」記号)、パルス幅(ms):なし(図中「−」記号)、励磁時間(ms):12、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧、図中「12」と記載、以下同じ。)励磁相指定:φ1,φ2(図中、励磁する相を「○」記号、以下同じ。)が規定されている。管理番号No.1に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1電動振分け片4835は、右側のメカエンドの位置までに達し、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続される。
なお、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置となる。
管理番号No.2には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2が規定されている。管理番号No.2に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.1から管理番号No.2へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.3には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2,/φ1が規定されている。管理番号No.3に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.2により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.2から管理番号No.3へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.4には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1が規定されている。管理番号No.4に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.3により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.3から管理番号No.4へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.5には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):0(ゼロ)、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1,/φ2が規定されている。管理番号No.5に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.4により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.5により回転された第1電動振分け片4835の位置は、左側のメカエンドの位置から右側のメカエンドの位置までに亘る範囲の中間となる位置であって、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる。管理番号No.4から管理番号No.5へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.5では、励磁時間(ms):0(ゼロ)と規定されている。これは、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する際に、第1電動振分け片4835のイナーシャが小さいため、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる直前において、第1振分けステッピングモータ4908のトルクを弱くすることにより管理番号No.5が規定する位置よりさらに第1電動振分け片4835が回転することを防ぐためであり、追従性を確保するためである。
具体的には、高速度カメラによる測定により、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する際に、後述する管理番号No.9に規定する条件に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動される前に、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置に達しているという結果を得て、管理番号と第1電動振分け片4835の回転位置との対応関係が崩れている事実を確認した。そこで、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる直前において、つまり管理番号No.5において励磁時間(ms):0(ゼロ)と規定して第1振分けステッピングモータ4908のトルクを弱くすることにより管理番号と第1電動振分け片4835の回転位置との対応関係が崩れることを防止することができるという技術を考え出した。
管理番号No.6には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2が規定されている。管理番号No.6に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.5により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.5から管理番号No.6へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.7には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2,φ1が規定されている。管理番号No.7に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.6により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.6から管理番号No.7へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.8には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1が規定されている。管理番号No.8に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.7により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.7から管理番号No.8へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.9には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.9に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.8により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。これにより、第1電動振分け片4835は、左側のメカエンドの位置までに達し、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられて螺旋状に下るスクリュー通路4836を介して第三の振分け部4829cに接続される。管理番号No.8から管理番号No.9へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置となる。管理番号No.8から管理番号No.9へすすむことにより、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となり、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。
管理番号No.10には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):8、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.10に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、管理番号No.9により回転された第1電動振分け片4835の位置が維持される。これにより、第1電動振分け片4835は、左側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられて螺旋状に下るスクリュー通路4836を介して第三の振分け部4829cに接続される状態が維持される。管理番号No.9から管理番号No.10へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが継続して2相に維持される。
管理番号No.11には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1が規定されている。管理番号No.11に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.10(管理番号No.9)により回転された第1電動振分け片4835の位置である左側のメカエンドの位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.11により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.8により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.10から管理番号No.11へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.12には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2,φ1が規定されている。管理番号No.12に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.11により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.12により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.7により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.11から管理番号No.12へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.13には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2が規定されている。管理番号No.13に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.12により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.13により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.6により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.12から管理番号No.13へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.14には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):0(ゼロ)、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1,/φ2が規定されている。管理番号No.14に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.13により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.14により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.5により回転された第1電動振分け片4835の位置となり、右側のメカエンドの位置から左側のメカエンドの位置までに亘る範囲の中間となる位置であって、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる。管理番号No.13から管理番号No.14へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.14では、励磁時間(ms):0(ゼロ)と規定されている。これは、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置へ向かって回転する際に、第1電動振分け片4835のイナーシャが小さいため、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる直前において、第1振分けステッピングモータ4908のトルクを弱くすることにより第1電動振分け片4835が管理番号No.14が規定する位置よりさらに回転することを防ぐためであり、追従性を確保するためである。
具体的には、高速度カメラによる測定により、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置へ向かって回転する際に、後述する管理番号No.18に規定する条件に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動される前に、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置に達しているという結果を得て、管理番号と第1電動振分け片4835の回転位置との対応関係が崩れている事実を確認した。そこで、第1電動振分け片4835が垂直方向に倒立する状態となる直前において、つまり管理番号No.14において励磁時間(ms):0(ゼロ)と規定して第1振分けステッピングモータ4908のトルクを弱くすることにより管理番号と第1電動振分け片4835の回転位置との対応関係が崩れることを防止することができるという技術を考え出した。
管理番号No.15には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1が規定されている。管理番号No.15に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.14により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.15により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.4により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.14から管理番号No.15へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.16には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2,/φ1が規定されている。管理番号No.16に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.15により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.16により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.3により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.15から管理番号No.16へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.17には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2が規定されている。管理番号No.17に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.16により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.17により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.2により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。管理番号No.16から管理番号No.17へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.18には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.18に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4908aの回転が歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わり、管理番号No.17により回転された第1電動振分け片4835の位置から1ステップに相当する角度だけ右側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.18により回転された第1電動振分け片4835の位置は、管理番号No.1により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。これにより、第1電動振分け片4835は、右側のメカエンドの位置までに達し、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続される。管理番号No.17から管理番号No.18へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4908aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置となる。管理番号No.17から管理番号No.18へすすむことにより、第1電動振分け片4835が右側のメカエンドの位置となり、管理番号No.1により回転された第1電動振分け片4835の位置となる。
管理番号No.19には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):12、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.19に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、管理番号No.18により回転された第1電動振分け片4835の位置が維持される。これにより、第1電動振分け片4835は、右側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続される状態が維持される。管理番号No.18から管理番号No.19へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが継続して2相に維持される。
管理番号No.20には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):324、励磁モード:2相、電圧(V):+5(停止用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.20に従って第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、管理番号No.19(管理番号No.18)により回転された第1電動振分け片4835の位置が維持される。これにより、第1電動振分け片4835は、右側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられ第二の振分け部4829bに接続される状態が維持される。管理番号No.19から管理番号No.20へすすむと、第1振分けステッピングモータ4908の励磁モードが継続して2相に維持されるとともに、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り換わる。
管理番号No.20では、管理番号No.19における回転方向:停止、励磁モード:2相がそれぞれ維持される一方、電圧が+12V(作動用電圧)から+5V(停止用電圧)へ切り換わっている。また、管理番号No.19では、励磁時間(ms):12であるのに対して、管理番号No.20では、励磁時間(ms):324となっている。つまり、管理番号No.20では、管理番号No.19に規定される電圧の約42%と小さく、かつ、励磁時間が27倍大きくなっており、停止時間が長くなっている。これにより、第1振分けステッピングモータ4908を常時駆動しても、第1振分けステッピングモータ4908が過剰に発熱することを防止(抑制)することができることによって、第1振分けステッピングモータ4908に不具合や故障が発生することを防止することができる。
ここで、設定値1における上述した管理番号No.20では、励磁時間(ms):324が予め設定されている。これに対して、設定値2における管理番号No.20では励磁時間(ms):320が予め設定され、設定値3における管理番号No.20では励磁時間(ms):316が予め設定され、設定値4における管理番号No.20では励磁時間(ms):316が予め設定され、設定値5における管理番号No.20では励磁時間(ms):316が予め設定され、設定値6における管理番号No.20では励磁時間(ms):316が予め設定されている。
なお、管理番号No.20に続いて、再び管理番号No.1へ戻り、管理番号No.1〜管理番号No.20に規定される各条件に従って第1振分けステッピングモータ4908が繰り返し駆動され、第1電動振分け片4835は、左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状に揺動する。そして、第1電動振分け片4835は、その右側のメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.19に規定される励磁時間(ms):12、管理番号No.20に規定される励磁時間(ms):324、そして管理番号No.1に規定される励磁時間(ms):12を加えた348msであるのに対して、その左側のメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.10に規定される励磁時間(ms):8という単独のみであり、8msとなっており、左右側のメカエンドの位置における停止時間が異なり、停止時間が長くなる左側のメカエンドの位置において、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り替えられている。
また、第1電動振分け片4835が停止される(つまり、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが停止される)、管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.19、及び管理番号No.20の励磁モードには2相が規定され、管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.19、及び管理番号No.20の励磁相指定にはφ1,φ2が規定され、管理番号No.1、管理番号No.10、及び管理番号No.19の電圧には+12Vが規定され、管理番号No.20の電圧には+5Vが規定されている。つまり、第1電動振分け片4835が停止されるときは(第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが停止されるときは)、電圧の大きさにかかわらず、励磁モードとして常に2相、励磁相指定としてφ1,φ2となって第1振分けステッピングモータ4908が駆動されている。
また、電源投入時に加えて、停電及び瞬停により電力が回復する復電時において、管理番号No.1〜管理番号No.20のうち、回転方向:停止と規定されている管理番号である管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.19、及び管理番号No.20を除いて、一の管理番号から開始して管理番号No.20へ向かって1つずつ管理番号に規定する条件に従って第1振分けステッピングモータ4908を駆動する。そして、管理番号No.20に続いて、管理番号No.1、管理番号No.2、・・・、一の管理番号の1つ手前の管理番号に規定される各条件に従って第1振分けステッピングモータ4908を駆動し、管理番号No.1〜管理番号No.20に規定される各条件に従って第1振分けステッピングモータ4908を繰り返し駆動する。「一の管理番号」は、初期値(デフォルト)として予め定められていてもよいし、復電時において乱数を取得し、この取得した乱数に応じて、又はこの取得した乱数を所定の演算を実行して得た結果に基づいて定めてもよいし、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出しIDコードに基づいて定めてもよい。
なお、パチンコ機1の電源遮断直前(停電や瞬停も含む。)における管理番号を上述した遊技バックアップ情報に含まれるものとしてもよい。この場合、主制御MPU1310aは、復電時に遊技バックアップ情報から管理番号を読み出して、この読み出した管理番号に規定される条件に従って第1振分けステッピングモータ4908を駆動開始することとなる。
本実施形態では、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aがCW(時計回り)又はCCW(反時計回り)に回転しているときには、第1振分けステッピングモータ4908のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁がいわゆる1−2相励磁として行われていたが、1−1相励磁、2−2相励磁により行われてもよい。例えば、CW(時計回り)で1−1相励磁を行う場合であれば、φ1、φ2、/φ1、そして/φ2という順番で励磁すると、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nの第1〜第4のダイオードは、第1振分けステッピングモータ4908のφ1、φ2、/φ1、/φ2からの逆起電力を熱に変換する順番が、第1のダイオード、第3のダイオード、第2のダイオード、そして第4のダイオードとなる。これにより、上述したように、第1のダイオード及び第2のダイオードが一対となったチップと、第3のダイオード及び第4のダイオードが一対となったチップと、が交互に発熱することができ、第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nのパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱による第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタの故障を防止することができる。
また、本実施形態では、上述したように、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置と、において各メカエンドの位置が重複していたが、各メカエンドの位置を重複しないように、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置と、を決定することができるように構成してもよい。例えば、第1振分けステッピングモータ4908が駆動されると、上述したように、第1振分けステッピングモータ4908の回転軸4908aが歯車機構(図240、図247、及び図248を参照)を介して第1電動振分け片4835に伝わるように構成されているため、この歯車機構において、上述した本実施形態におけるギア比(現状のギア比)を変更してステップ数を減らして各メカエンドの位置を重複しないように、第1電動振分け片4835を常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動する範囲を、第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、第1電動振分け片4835の回転位置と、を決定することができるように構成するとともに、第1振分けステッピングモータ4908の駆動管理ブロックを規定することができる。
[第2振分けステッピングモータの駆動管理ブロック]
第2振分けステッピングモータ4909の駆動管理ブロックは、図258に示すように、駆動管理ブロックの管理番号(No.)、回転方向、ステップ数、パルス幅(ミリ秒(ms))、励磁時間(ミリ秒(ms))、励磁モード、電圧(V)、及び励磁相指定から構成されている。管理番号としては、No.1〜No.21まで規定されている。
管理番号No.1には、回転方向:停止、ステップ数:なし(図中「−」記号)、パルス幅(ms):なし(図中「−」記号)、励磁時間(ms):12、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧、図中「12」と記載、以下同じ。)励磁相指定:φ1,φ2(図中、励磁する相を「○」記号、以下同じ。)が規定されている。管理番号No.1に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2電動振分け片4840は、垂直方向に倒立したメカエンドの位置までに達し、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続される。これにより、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が閉鎖される。
なお、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置となる。
管理番号No.2には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2が規定されている。管理番号No.2に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.1から管理番号No.2へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.3には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2,/φ1が規定されている。管理番号No.3に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.2により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.2から管理番号No.3へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.4には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1が規定されている。管理番号No.4に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.3により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.3から管理番号No.4へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.5には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1,/φ2が規定されている。管理番号No.5に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.4により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.4から管理番号No.5へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.6には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2が規定されている。管理番号No.6に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.5により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.5から管理番号No.6へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.7には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2,φ1が規定されている。管理番号No.7に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.6により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.6から管理番号No.7へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.8には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1が規定されている。管理番号No.8に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.7により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。管理番号No.7から管理番号No.8へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.9には、回転方向:CW(時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.9に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCW(時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.8により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ左側のメカエンドの位置へ向かって(つまりCCW(反時計回り))回転する。これにより、第2電動振分け片4840は、左側のメカエンドの位置までに達し、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される。つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される。管理番号No.8から管理番号No.9へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置となる。管理番号No.8から管理番号No.9へすすむことにより、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となり、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。
管理番号No.10には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):12、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.10に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、管理番号No.9により回転された第2電動振分け片4840の位置が維持される。これにより、第2電動振分け片4840は、左側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される)状態が維持される。管理番号No.9から管理番号No.10へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持される。
管理番号No.11には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):32、励磁モード:2相、電圧(V):+5(停止用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.11に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、管理番号No.10(管理番号No.9)により回転された第2電動振分け片4840の位置が維持される。これにより、第2電動振分け片4840は、左側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される)状態が維持される。管理番号No.10から管理番号No.11へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持されるとともに、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り換わる。
管理番号No.11では、管理番号No.10における回転方向:停止、励磁モード:2相がそれぞれ維持される一方、電圧が+12V(作動用電圧)から+5V(停止用電圧)へ切り換わっている。また、管理番号No.10では、励磁時間(ms):12であるのに対して、管理番号No.11では、励磁時間(ms):32となっている。つまり、管理番号No.11では、管理番号No.10に規定される電圧の約42%と小さく、かつ、励磁時間が約2.7倍大きくなっており、停止時間が長くなっている。これにより、第2振分けステッピングモータ4909を常時駆動しても、第2振分けステッピングモータ4909が過剰に発熱することを防止(抑制)することができることによって、第2振分けステッピングモータ4909に不具合や故障が発生することを防止することができる。
管理番号No.12には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.12に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、管理番号No.11(管理番号No.10、管理番号No.9)により回転された第2電動振分け片4840の位置が維持される。これにより、第2電動振分け片4840は、左側のメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される)状態が維持される。管理番号No.11から管理番号No.12へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持されるとともに、電圧が停止用電圧である+5Vから作動用電圧である+12Vへ再び切り換わる。
電圧を停止用電圧である+5Vから作動用電圧である+12Vへ再び切り換わる理由は、第2電動振分け片4840は、第1電動振分け片4835と比べると、そのサイズが大きくイナーシャが大きくなるため、第2電動振分け片4840を左側のメカエンドの位置(つまり第2電動振分け片4840が斜めに倒れた状態)から垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって回転開始する際に、強いトルクが必要となるためであり、管理番号No.12では、その準備として電圧を停止用電圧である+5Vから作動用電圧である+12Vへ切り替えている。
管理番号No.13には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):8、励磁時間(ms):8、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2,φ1が規定されている。管理番号No.13に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.12により回転された第1電動振分け片4835の位置である左側のメカエンドの位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.13により回転された第1電動振分け片4840の位置は、管理番号No.8ではなく管理番号No.7により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.12から管理番号No.13へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持される。
これは、上述したように、第2電動振分け片4840は、第1電動振分け片4835と比べると、そのサイズが大きくイナーシャが大きくなるため、第2電動振分け片4840を左側のメカエンドの位置(つまり第2電動振分け片4840が斜めに倒れた状態)から垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって回転開始する際に、強いトルクが必要となるためであり、管理番号No.12から管理番号No.13へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持され、回転開始する際に、強いトルクを得ることができる。そして、管理番号No.8に規定される励磁時間(ms):4、そして管理番号No.7に規定される励磁時間(ms):4を加えた、励磁時間(ms):8を管理番号No.13として規定することにより、管理番号No.13により回転された第1電動振分け片4840の位置は、管理番号No.8ではなく管理番号No.7により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。
管理番号No.14には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):8、励磁時間(ms):8、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ2が規定されている。管理番号No.14に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.13により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.14により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.6により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.13から管理番号No.14へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.14では、励磁時間(ms):8が規定されているが、これは、第2電動振分け片4840が斜めに倒れた状態から垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって徐々に回転する態様を作り出すことにより、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される)状態が徐々に閉鎖される状態へ移行する態様を実現することできるためである。
管理番号No.15には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):8、励磁時間(ms):8、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1,/φ2が規定されている。管理番号No.15に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.14により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.15により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.5により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.14から管理番号No.15へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.15では、管理番号No.14において規定される同一の励磁時間(ms):8が規定されているが、これは、上述したように、第2電動振分け片4840が斜めに倒れた状態から垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって徐々に回転する態様を作り出すことにより、右奥通路4841を介して、第三の振分け部4829cに接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が開放される)状態が徐々に閉鎖される状態へ移行する態様を実現することできるためである。
管理番号No.16には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:/φ1が規定されている。管理番号No.16に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.15により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.16により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.4により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.15から管理番号No.16へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.17には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2,/φ1が規定されている。管理番号No.17に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.16により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.17により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.3により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.16から管理番号No.17へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
管理番号No.18には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:1相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ2が規定されている。管理番号No.18に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.17により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.18により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.2により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。管理番号No.17から管理番号No.18へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが2相から1相へ切り換わる。
管理番号No.19には、回転方向:CCW(反時計回り)、ステップ数:1、パルス幅(ms):4、励磁時間(ms):4、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.19に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが1ステップだけCCW(反時計回り)した回転位置となり、回転軸4909aの回転が歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わり、管理番号No.18により回転された第2電動振分け片4840の位置から1ステップに相当する角度だけ垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって(つまりCW(時計回り))回転する。管理番号No.19により回転された第2電動振分け片4840の位置は、管理番号No.1により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。これにより、第2電動振分け片4840は、垂直方向に倒立したメカエンドの位置までに達し、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続される。つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が閉鎖される。管理番号No.18から管理番号No.19へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが1相から2相へ切り換わる。
基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、上述したように、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となる。本実施形態では、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となる状態において、回転軸4909aに形成されるDカット面の角度が水平方向の中心線から反時計回りに10°(公差±3°)だけ回転した位置となってDカット角度位置となるように予め設計されている。
本実施形態では、上述したように、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置(各メカエンドの位置を除く。)と、を決定することができるようになっているため、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が左側のメカエンドの位置となるのに対して、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置へ向かって回転する場合には、基準励磁相に設定されるφ1及びφ2が励磁(ON)されることにより、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置となる。管理番号No.18から管理番号No.19へすすむことにより、第2電動振分け片4840が垂直方向に倒立したメカエンドの位置となり、管理番号No.1により回転された第2電動振分け片4840の位置となる。
管理番号No.20には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):12、励磁モード:2相、電圧(V):+12(作動用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.20に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、管理番号No.19により回転された第2電動振分け片4840の位置が維持される。これにより、第2電動振分け片4840は、垂直方向に倒立したメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が閉鎖される)状態が維持される。管理番号No.19から管理番号No.20へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持される。
管理番号No.21には、回転方向:停止、ステップ数:なし、パルス幅(ms):なし、励磁時間(ms):428、励磁モード:2相、電圧(V):+5(停止用電圧)、励磁相指定:φ1,φ2が規定されている。管理番号No.21に従って第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、管理番号No.20(管理番号No.19)により回転された第2電動振分け片4840の位置が維持される。これにより、第2電動振分け片4840は、垂直方向に倒立したメカエンドの位置に達して停止した状態が維持され、左手間通路4842を介して、始動ゲート4803に接続される(つまり、第三の振分け部4829cに接続される右奥通路4841が閉鎖される)状態が維持される。管理番号No.20から管理番号No.21へすすむと、第2振分けステッピングモータ4909の励磁モードが継続して2相に維持されるとともに、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り換わる。
管理番号No.21では、管理番号No.20における回転方向:停止、励磁モード:2相がそれぞれ維持される一方、電圧が+12V(作動用電圧)から+5V(停止用電圧)へ切り換わっている。また、管理番号No.20では、励磁時間(ms):12であるのに対して、管理番号No.21では、励磁時間(ms):428となっている。つまり、管理番号No.21では、管理番号No.20に規定される電圧の約42%と小さく、かつ、励磁時間が約35.7倍大きくなっており、停止時間が長くなっている。これにより、第2振分けステッピングモータ4909を常時駆動しても、第2振分けステッピングモータ4909が過剰に発熱することを防止(抑制)することができることによって、第2振分けステッピングモータ4909に不具合や故障が発生することを防止することができる。
ここで、設定値1における上述した管理番号No.21では、励磁時間(ms):428が予め設定されている。これに対して、設定値2における管理番号No.21では励磁時間(ms):428が予め設定され、設定値3における管理番号No.21では励磁時間(ms):428が予め設定され、設定値4における管理番号No.21では励磁時間(ms):420が予め設定され、設定値5における管理番号No.21では励磁時間(ms):416が予め設定され、設定値6における管理番号No.21では励磁時間(ms):412が予め設定されている。
なお、管理番号No.21に続いて、再び管理番号No.1へ戻り、管理番号No.1〜管理番号No.21に規定される各条件に従って第2振分けステッピングモータ4909が繰り返し駆動され、第2電動振分け片4840は、左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状に揺動する。そして、第2電動振分け片4840は、その垂直方向に倒立したメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.20に規定される励磁時間(ms):12、管理番号No.21に規定される励磁時間(ms):428、そして管理番号No.1に規定される励磁時間(ms):12を加えた452msであり、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り替えられているとともに、その左側のメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.10に規定される励磁時間(ms):12、管理番号No.11に規定される励磁時間(ms):32、そして管理番号No.12に規定される励磁時間(ms):4を加えた48msであり、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り替えられている。このように、左側のメカエンドの位置における停止時間と垂直方向に倒立したメカエンドの位置における停止時間とが異なるものの、第2電動振分け片4840が停止する場合には、必ず、電圧が作動用電圧である+12Vから停止用電圧である+5Vへ切り替えられている。
また、第2電動振分け片4840が停止される(つまり、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが停止される)、管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.11、管理番号No.12,管理番号No.20、及び管理番号No.21の励磁モードには2相が規定され、管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.11、管理番号No.12,管理番号No.20、及び管理番号No.21の励磁相指定にはφ1,φ2が規定され、管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.12、及び管理番号No.20の電圧には+12Vが規定され、管理番号No.11、及び管理番号No.21の電圧には+5Vが規定されている。つまり、第2電動振分け片4840が停止されるときは(第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが停止されるときは)、電圧の大きさにかかわらず、励磁モードとして常に2相、励磁相指定としてφ1,φ2となって第2振分けステッピングモータ4909が駆動されている。
また、電源投入時に加えて、停電及び瞬停により電力が回復する復電時において、管理番号No.1〜管理番号No.21のうち、回転方向:停止と規定されている管理番号である管理番号No.1、管理番号No.10、管理番号No.11、管理番号No.12、管理番号No.20、及び管理番号No.21を除いて、一の管理番号から開始して管理番号No.21へ向かって1つずつ管理番号に規定する条件に従って第2振分けステッピングモータ4909を駆動する。そして、管理番号No.21に続いて、管理番号No.1、管理番号No.2、・・・、一の管理番号の1つ手前の管理番号に規定される各条件に従って第2振分けステッピングモータ4909を駆動し、管理番号No.1〜管理番号No.21に規定される各条件に従って第2振分けステッピングモータ4909を繰り返し駆動する。「一の管理番号」は、初期値(デフォルト)として予め定められていてもよいし、復電時において乱数を取得し、この取得した乱数に応じて、又はこの取得した乱数を所定の演算を実行して得た結果に基づいて定めてもよいし、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出しIDコードに基づいて定めてもよい。
なお、パチンコ機1の電源遮断直前(停電や瞬停も含む。)における管理番号を上述した遊技バックアップ情報に含まれるものとしてもよい。この場合、主制御MPU1310aは、復電時に遊技バックアップ情報から管理番号を読み出して、この読み出した管理番号に規定される条件に従って第2振分けステッピングモータ4909を駆動開始することとなる。
本実施形態では、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aがCW(時計回り)又はCCW(反時計回り)に回転しているときには、第2振分けステッピングモータ4909のφ1、φ2、/φ1、/φ2への励磁がほぼいわゆる1−2相励磁として行われていたが、1−1相励磁、2−2相励磁により行われてもよい。例えば、CW(時計回り)で1−1相励磁を行う場合であれば、φ1、φ2、/φ1、そして/φ2という順番で励磁すると、第2振分けステッピングモータ駆動IC1310qの第1〜第4のダイオードは、第2振分けステッピングモータ4909のφ1、φ2、/φ1、/φ2からの逆起電力を熱に変換する順番が、第1のダイオード、第3のダイオード、第2のダイオード、そして第4のダイオードとなる。これにより、上述したように、第1のダイオード及び第2のダイオードが一対となったチップと、第3のダイオード及び第4のダイオードが一対となったチップと、が交互に発熱することができ、第2振分けステッピングモータ駆動IC1310qのパッケージの温度上昇の低減に寄与することができる。したがって、熱による第1〜第4のNPN型ダーリントントランジスタの故障を防止することができる。
また、本実施形態では、上述したように、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置と、において各メカエンドの位置が重複していたが、各メカエンドの位置を重複しないように、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置と、を決定することができるように構成してもよい。例えば、第2振分けステッピングモータ4909が駆動されると、上述したように、第2振分けステッピングモータ4909の回転軸4909aが歯車機構(図241を参照)を介して第2電動振分け片4840に伝わるように構成されているため、この歯車機構において、上述した本実施形態におけるギア比(現状のギア比)を変更してステップ数を減らして各メカエンドの位置を重複しないように、第2電動振分け片4840を常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動する範囲を、第2振分けステッピングモータ4909の励磁相と、第2電動振分け片4840の回転位置と、を決定することができるように構成するとともに、第2振分けステッピングモータ4909の駆動管理ブロックを規定することができる。
因みに、従来より、ソレノイドを駆動して振分部材により遊技球を特定の領域に振り分ける振分け装置を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−036378号公報(段落[0029]、図4))。ところで、この文献に記載される遊技機では、振分部材をソレノイドで駆動しているものの、ソレノイドは、駆動される場合における振分部材の移動速度と、駆動解除されてバネの復元力により元の位置へ戻る振分部材の移動速度と、に差が生ずるし、ソレノイドの個体差もあり、振分け装置による振分比率を安定化することができないとともに、振分比率を細かく調整することができないという問題があった。
[電界効果トランジスタの実装方法]
次に、第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mの電界効果トランジスタMF50及び第2振分けステッピングモータ電圧切替回路1310pの電界効果トランジスタMF60の配置方法について、簡単に説明する。図259は電界効果トランジスタの実装方法の概略図である。
主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320は、図259に示すように、透明なカバー体1301と透明なベース体1302とから構成され、主制御基板1310Xが収容されている。このように主制御基板1310Xが主制御基板ボックス1320に収容されている状態では、本実施形態における主制御基板1310Xの実装面からカバー体1301の裏面(天井)までの距離寸法が15.0mmであり、この距離寸法内に、主制御基板1310Xに各種電子部品を実装する必要がある。
ところが、本実施形態で採用した電界効果トランジスタMF50,MF60のパッケージは、いわゆるTO系のものであり、電界効果トランジスタMF50,MF60の本体の高さが大きく、電界効果トランジスタMF50,MF60の本体から突出する各種端子をそのままの状態で主制御基板1310Xの実装面に実装すると、電界効果トランジスタMF50,MF60の本体がカバー体1301の裏面(天井)と干渉し、主制御基板1310Xを主制御基板ボックス1320に収容することができない。
そこで、本実施形態では、電界効果トランジスタMF50,MF60の各種端子を、所定のジグを用いて所定角度に折り曲げたのち、主制御基板1310Xの実装面に実装するように構成した。これにより、電界効果トランジスタMF50,MF60の本体が斜めに傾いた状態で、かつ、互いに所定距離寸法dを保って主制御基板1310Xの実装面に実装されることで、電界効果トランジスタMF50,MF60の本体がカバー体1301の裏面(天井)と干渉することがなくなり主制御基板1310Xを主制御基板ボックス1320に収容することができるとともに、斜めに傾いた状態となった電界効果トランジスタMF50の本体の下方に実装される電子部品である抵抗MR52,MR53(実装面に付された部品番号も含む。)を透明なカバー体1301を通して視認することができるし、斜めに傾いた状態となった電界効果トランジスタMF60の本体の下方に実装される電子部品である抵抗MR62,MR63(実装面に付された部品番号も含む。)を、所定距離寸法dを保って配置され斜めに傾いた状態となった電界効果トランジスタMF50,MF60の本体の間から透明なカバー体1301を通して視認することができる。
[ドツキゴト対策]
次に、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為(「ドツキゴト」という。)を検出する回路について説明する。図260は振動検出回路を示す回路である。
遊技盤5には、所定箇所に上振動検出スイッチ3005、下振動検出スイッチ3006a,3006bがそれぞれ配置されている(図237を参照)。振動を検出するための感度を設定することができる回路がパネル中継基板1710に設けられている。パネル中継基板1710は、図260に示すように、上振動検出スイッチ3005による振動検出の感度を設定することができる上振動検出スイッチ用感度設定回路1710za、下振動検出スイッチ3006aによる振動検出の感度を設定することができる下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zb、下振動検出スイッチ3006bによる振動検出の感度を設定することができる下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zcなどを備えている。
上振動検出スイッチ3005は、上述したように、裏箱3010の左側壁の上部近傍に取り付けられ、下振動検出スイッチ3006aは、上述したように、裏箱3010の左側壁の下部近傍に取り付けられている。上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aは、上述したように、下振動検出スイッチ3006aが取り付けられている。パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為を検出することができるものであり、特に、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができものである。
これに対して、下振動検出スイッチ3006bは、上述したように、裏箱3010の右側壁の下部近傍であって裏箱3010の底板となるベースの前面に下振動検出スイッチ3006bが取り付けられている。下振動検出スイッチ3006bは、上述したように、上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aと同様に、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球の進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲートに入球させる不正行為を検出することができるものであり、特に、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができものである。
ここでは、上振動検出スイッチ用感度設定回路1710zaと、下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zb、及び下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zcが同一の回路構成であるため、上振動検出スイッチ用感度設定回路1710za、下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zb、及び下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zcの説明において、上振動検出スイッチ用感度設定回路1710zaに関する符号に続いて下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zbそして下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zcに関する符号を括弧書きで表した。
上振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1は、パネル中継基板1710においてワイヤードオアー接続された信号となって振動検出センサ1として主制御基板1310Xへ伝送され、上述した主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力されている。また、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である下振動検出センサ2は、パネル中継基板1710において振動検出センサ2として主制御基板1310Xへ伝送され、上述した主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力されている。主制御MPU1310aは、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において、ワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1、及び振動検出センサ2をそれぞれ読み取り、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理における後述する大入賞口用異常振動2段階報知処理において、この読み取ったワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1に基づいてドツキゴトの有無を判別したり、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理における後述する振り分け装置用異常振動2段階報知処理)において、この読み取った振動検出センサ2に基づいてドツキゴトの有無を判別したりし(大入賞口用異常振動2段階報知処理や振り分け装置用異常振動2段階報知処理では、ドツキゴトを検出したときには不正行為の検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする一方、ドツキゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD−FLGに値0をセットする。)、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において、この判別結果(ドツキゴトの有無)を上述した外部端子板558へ出力し、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、ドツキゴトが行われているという判別結果を伝えるコマンドを周辺制御基板1510へ送信するようになっている。
パネル中継基板1710は、主制御基板1310Xから+35Vが供給され、主制御基板1310Xのグランド(GND)と同一のグランド(GND)となっている。上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006a,3006bへのグランド(GND)は、パネル中継基板1710のグランド(GND)に電気的に接続されている。
上振動検出スイッチ用感度設定回路1710za(1710zb、1710zc)は、シャントレギュレータMIC70(MIC80、MIC90)を主として、抵抗MR70〜MR73(MR80〜MR83、MR90〜MR93)、ツェナーダイオードMD70(MD80、MD90)、電解コンデンサMC70(MC80、MC90)から構成されている。このシャントレギュレータMIC70(MIC80、MIC90)は、周囲温度による温度ドリフトが低減されたものであり、負荷に対して一定電圧に保持される安定化電源を作成して供給することができる。
一端が+35V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR70(MR80、MR90)の他端は、アノード端子がグランド(GND)に電気的に接続されるツェナーダイオードMD70(MD80、MD90)のカソード端子と電気的に接続されるとともに、抵抗MR71(MR81、MR91)の一端と電気的に接続されている。抵抗MR71(MR81、MR91)の他端は、抵抗MR72(抵抗MR82、MR82)の一端と電気的に接続されるとともに、シャントレギュレータMIC70(MIC80、MIC90)のカソード端子であるK端子と電気的に接続されて振動検出電源1(振動検出電源2、振動検出電源3)として上振動検出スイッチ3005(3006a、3006b)へ供給されている。この振動検出電源1(振動検出電源2、振動検出電源3)を供給するラインには、マイナス端子がグランド(GND)に電気的に接続された電解コンデンサMC70(MC80、MC90)のプラス端子が電気的に接続されており、振動検出電源1(振動検出電源2、振動検出電源3)のリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。電解コンデンサMC70(MC80、MC90)は、ローパスフィルタとしての役割も担っている。
抵抗MR72(MR82、MR92)の他端は、一端がグランド(GND)に電気的に接続された抵抗MR73(MR83、MR93)の他端と電気的に接続されるとともに、シャントレギュレータMIC70(MIC80、MIC90)の基準電圧入力端子であるREF端子と電気的に接続されている。シャントレギュレータMIC70(MIC80、MIC90)のアノード端子であるA端子は、グランド(GND)に電気的に接続されている。
振動検出電源1は、抵抗MR72,MR73の抵抗値により、2.5V×(MR72+MR73)÷MR73により決まる。振動検出電源2は、振動検出電源1と同様に、抵抗MR82,MR83の抵抗値により、2.5V×(MR82+MR83)÷MR83により決まる。
上振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bは、供給される電源により、振動検出の感度を可変することができるものであり、上振動検出スイッチ用感度設定回路1710za、下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zb、及び下振動検出スイッチ用感度設定回路1710zcは、上振動検出スイッチ3005、下振動検出スイッチ3006a,3006bによる振動検出の感度をそれぞれ設定することができる。
本実施形態では、上振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1は、上述したように、パネル中継基板1710においてワイヤードオアー接続されて振動検出センサ1として主制御基板1310Xへ伝送され、主制御側入力回路を介して、主制御MPU1310aに入力されている。これは、ドツキゴトによる態様(叩く位置、叩く角度、叩く強さなど)によっては、上振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006aのうち、いずれか一方又は両方が全く反応しなかったり、いずれか一方又は両方が過剰に反応したりする場合があるため、上振動検出スイッチ3005の振動検出の感度と、下振動検出スイッチ3006aの振動検出の感度と、を相互に補うためである。
また、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である下振動検出センサ2は、上述したように、パネル中継基板1710において振動検出センサ2として主制御基板1310Xへ伝送され、主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力されている。これは、ドツキゴトによる態様(叩く位置、叩く角度、叩く強さなど)によっては、下振動検出スイッチ3006bが全く反応しなかったり、過剰に反応したりする場合があるため、下振動検出スイッチ3006bの振動検出の感度を調整することができるようするためである。
さまざまな試験により、抵抗MR72,MR73の抵抗と、抵抗MR82,MR83の抵抗値と、抵抗MR92,MR93の抵抗値と、がそれぞれ選定され、上振動検出スイッチ3005の振動検出の感度と、下振動検出スイッチ3006aの振動検出の感度と、下振動検出スイッチ3006bの振動検出の感度と、がそれぞれ設定される。
なお、本実施形態では、上振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1は、上述したように、パネル中継基板1710においてワイヤードオアー接続されて振動検出センサ1として主制御基板1310Xへ伝送され、主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力されていたが、パネル中継基板1710においてワイヤードオアー接続されず、そのまま主制御基板1310Xへ独立して伝送され、主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力されるようにしてもよい。こうすれば、上振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサと、下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1と、の組み合わせを用いて、ドツキゴトのモードを主制御MPU1310が判別して外部(外部端子板558から遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ)へ伝えることができる。
ドツキゴトのモードとしては、例えば、上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aの両方が反応しない場合にはドツキゴトが行われていない第0(ゼロ)叩きモード、上振動検出スイッチ3005が反応して下振動検出スイッチ3006aが反応しない場合にはドツキゴトが行われている可能性がある第1叩きモード、上振動検出スイッチ3005が反応せず下振動検出スイッチ3006aが反応する場合にはドツキゴトが行われている可能性がある第2叩きモード、上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aの両方が反応する場合にはドツキゴトが行われている第3叩きモードを挙げることができる。
[各種振分け部の異常報知]
次に、第一,第二,第三振分け部4829a,4829b,4829cの異常報知について簡単に説明する。第一の振分け部4829aは、上述したように、第1電動振分け片4835の揺動タイミングによって、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路と左側に流れる左進路とに振り分けられるように構成されている。第1電動振分け片4835は、上述したように、常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動するものであり、揺動しているか否かを検出する図示しない光学式の第1電動振分け片用センサが第一の振分け部4829aに設けられている。第二の振分け部4829bは、上述したように、第2電動振分け片4840の揺動タイミングによって、右奥通路4841と左手間通路4842とに振り分けられるように構成されている。第2電動振分け片4840は、上述したように、常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と垂直方向に倒立したメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動するものであり、揺動しているか否かを検出する図示しない光学式の第2電動振分け片用センサが第二の振分け部4829bに設けられている。第三の振分け部4829cは、上述したように、球旋回型の振分け装置4843の回転部材4846が常時回転されるように構成され、回転しているか否かを検出する図示しない光学式の回転部材用センサが第三の振分け部4829cに設けられている。
第1,第2電動振分け片用センサ、及び回転部材用センサからの検出信号は、主制御基板1310Xへ入力され、上述した主制御側入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aに入力される。主制御MPU1310aは、主制御MPU1310aは、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において、第1,第2電動振分け片用センサ、及び回転部材用センサからの検出信号を読み取り、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理において、この読み取った第1,第2電動振分け片用センサ、及び回転部材用センサからの検出信号に基づいて揺動異常又は回転異常を判別し、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において、この判別結果(第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生の有無、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生の有無、又は回転部材4846の回転動作異常発生の有無)を遊技盤5に設けられるそれぞれ対応する装飾ランプに対して個別に点灯信号を出力し、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、この判別結果(第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生、又は回転部材4846の回転動作異常発生)を伝えるコマンドを周辺制御基板1510へ送信するようになっている。
主制御基板1310X(主制御MPU1310a)は、第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生があると、遊技盤5に設けられる対応する第1電動振分け片用装飾ランプが赤色の発光態様で点灯し、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生があると、遊技盤5に設けられる対応する第2電動振分け片用装飾ランプが緑色で点灯し、回転部材4846の回転動作異常発生があると、遊技盤5に設けられる対応する回転部材用装飾ランプが青色の発光態様で点灯する。なお、1つのフルカラーLEDを用いて、赤色のLED素子を第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生の有無として対応付けて報知し、緑色のLED素子を第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生の有無として対応付けて報知し、及び青色のLED素子を回転部材4846の回転動作異常発生の有無として対応付けて報知することもできる。
周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xからの第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生、又は回転部材4846の回転動作異常発生を伝えるコマンドを受信すると、コマンドに基づいて、第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生がある場合には第1電動振分け片用報知音を各種スピーカから流す制御を行い、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生がある場合には第1電動振分け片用報知音と異なる第2電動振分け片用報知音を各種スピーカから流す制御を行い、回転部材4846の回転動作異常発生がある場合には第1電動振分け片用報知音及び第2電動振分け片用報知音と異なる回転部材用報知音を各種スピーカから流す制御を行う。第1電動振分け片用報知音、第2電動振分け片用報知音、及び回転部材用報知音は、それぞれ音色が異なるようになっている。
このように、第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生、及び回転部材4846の回転動作異常発生を報知することにより、異常発生の有無を遊技ホールの店員や係員に速やかに伝えることができる。また、第1電動振分け片4835、第2電動振分け片4840、及び回転部材4846の動作を、針金や紐などにより停止させるという不正行為が行われたとしても、不正行為者にとって有利となる領域への振り分けとなっている状態を遊技ホールの店員や係員に速やかに伝えることができる。
また、主制御基板1310X(主制御MPU1310a)は、第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生があると、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝える信号を出力してもよいし、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生があると、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝える信号を出力してもよいし、回転部材4846の回転動作異常発生があると、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝える信号を出力してもよい。このような信号を個別に出力して外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることができるが、第1電動振分け片4835、第2電動振分け片4840及び回転部材4846のうち、いずれか1つに異常が発生したときに(つまり、異常が発生した対象を特定することができないものの)、信号を出力して外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることができるようにしてもよい。
また、遊技盤5に液晶表示装置等の表示装置を設けている場合において、周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xからの第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生、又は回転部材4846の回転動作異常発生を伝えるコマンドを受信すると、コマンドに基づいて、第1電動振分け片4835の揺動動作異常発生がある場合にはその旨を伝えるメッセージを表示装置に表示する制御を行うようにしてもよいし、第2電動振分け片4840の揺動動作異常発生がある場合にはその旨を伝えるメッセージを表示装置に表示する制御を行うようにしてもよいし、回転部材4846の回転動作異常発生がある場合にはその旨を伝えるメッセージを表示装置に表示する制御を行うようにしてもよい。なお、周辺制御基板1510は、主制御基板1310Xからの第1電動振分け片4835、第2電動振分け片4840、及び回転部材4846のうち、いずれか1つに異常が発生したときに(つまり、異常が発生した対象を特定することができないものの)、異常の発生を伝えるメッセージを表示装置に表示する制御を行うようにしてもよい。
[ドツキゴトの監視方法]
次に、ドツキゴトの監視方法について、図261〜図264を参照して説明する。図261は振り分け装置用振動検知有効タイマ処理の一例を示すフローチャートであり、図262は振り分け装置用異常振動2段階報知処理の一例を示すフローチャートであり、図263は大入賞口用異常振動2段階報知処理の一例を示すフローチャートであり、図264は振動判別処理の一例を示すフローチャートである。なお、振り分け装置用振動検知有効タイマ処理、振り分け装置用異常振動2段階報知処理、及び大入賞口用異常振動2段階報知処理は、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理の一処理として行われるものである。
ドツキゴトの有無の判別は、上述したように、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができる上振動検出スイッチ3005及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号と、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を検出することができる下振動検出スイッチ3006bからの検出信号と、に基づいて主制御基板1310Xの主制御MPU1310aが行う。
下層遊技ゾーン4825には、上述したように、第1の振分け部4829aの球通路4834に右進路を通る遊技球を検知する通過型の第1球センサ4870aと、第2の振分け部4829bの右奥通路4841を通る遊技球を検知する通過型の第2球センサ4870bが設けられており、主制御MPU1310aは、これらの第1,第2球センサ4870a,4870bで遊技球を検知することによって第3の振分け部4829cの振分け装置4843に入った球数を管理することができる。
このため、主制御MPU1310aは、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為(ドツキゴトの有無)の判別を、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理における振り分け装置用振動検知有効タイマ処理を行い、続けて振り分け装置用異常振動2段階報知処理を行って報知している。
不正行為検出処理における振り分け装置用振動検知有効タイマ処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図261に示すように、振り分け装置への球通過があったか否かを判定する(ステップS420)。この判定では、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において、下層遊技ゾーン4825における、第1の振分け部4829aの球通路4834に右進路を通る遊技球を検知する通過型の第1球センサ4870aからの検出信号と、第2の振分け部4829bの右奥通路4841を通る遊技球を検知する通過型の第2球センサ4870bからの検出信号と、を読み取り、この読み取った検出信号に基づいて行い、球通過がなかったと判定したときにはそのまま本ルーチンを終了する一方、いずれか一方の検出信号に基づいて球通過があったと判定したときには、有効タイマVT1の開始を設定し(ステップS422)、本ルーチンを終了する。この有効タイマVT1は30000ミリ秒(30秒)に予め設定されており、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算される。図177に示した主制御タイマ割り込み処理が4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われるため、ステップS102のタイマ減算処理において有効タイマVT1の値が値4ずつ減算されることとなり、値0(ゼロ秒)となると、有効タイマVT1が経過したこととなる。
なお、主制御MPU1310aは、本ルーチンを行うごとに、ステップS422の判定を行うようになっているため、振り分け装置への球通過があるごとに、有効タイマVT1を繰り返し開始設定することにより、30000ミリ秒(30秒)を再設定することとなる。
続いて、振り分け装置用異常振動2段階報知処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図262に示すように、有効タイマVT1が30000ミリ秒(30秒)を経過したか否かを判定する(ステップS430)。この判定では、有効タイマVT1の値が図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算されて値0(ゼロ秒)であるか否かにより行い、有効タイマVT1の値が値0(ゼロ秒)であるときには30000ミリ秒(30秒)が経過したと判定する一方、有効タイマVT1の値が値0(ゼロ秒)でないときには30000ミリ秒(30秒)が経過していないと判定する。
ステップS430の判定において、主制御MPU1310aは、有効タイマVT1の値が値0(ゼロ秒)であるとき、つまり30000ミリ秒(30秒)が経過したと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、有効タイマVT1の値が値0(ゼロ秒)でないとき、つまり30000ミリ秒(30秒)が経過していないと判定したときには、振動判別処理を行う(ステップS432)。この振動判別処理では、その詳細な説明を後述するが、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において読み取った、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1を有効なものとして処理する場合に、ステップS104のスイッチ入力処理を行うごとに、読み込んだ振動検出センサ1の論理がドツキゴト検出論理であるときの回数を振動カウンタVCでカウントする。なお、本実施形態では、この振動カウンタVCは、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2を有効なものとして処理する場合に、ステップS104のスイッチ入力処理を行うごとに、読み込んだ振動検出センサ2の論理がドツキゴト検出論理であるときの回数もカウントされるため、共通カウンタとなっている。
ステップS432に続いて、主制御MPU1310aは、異常振動があるか否かを判定する(ステップS434)。この判定では、ステップS430の振動判別処理においてカウントした振動カウンタVCの値に基づいて行い、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達しているときには異常振動があると判定する一方、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していないときには異常振動がないと判定する。
ステップS434の判定において、主制御MPU1310aは、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していないと判定したときには、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であるか否かを判定する(ステップS436)。この異常振動カウンタAVCは、異常振動と判定した回数をカウントするものであり、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。異常振動カウンタAVCは、パチンコ機1の電源投入時や停電後の電力回復時における復電時や大当り遊技状態の終了時においてリセットされて初期値(値0(ゼロ))となる(瞬間的に停電が発生する瞬停後の電力回復時には、瞬停期間が短い場合(例えば、数秒以内の期間の場合)には異常振動カウンタAVCがリセットされないし、停電と言えないまでも瞬停期間が長い場合(例えば、数十秒に亘る期間の場合)には異常振動カウンタAVCがリセットされる)。主制御MPU1310aは、ステップS434の判定時において異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であるときには、異常振動と判定した回数がゼロであり、遊技者がドツキゴトを行っていないと判断する。
ステップS436の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であると判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、ステップS434の判定において、主制御MPU1310aは、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していると判定したときには、異常振動カウンタAVCの値に値1を加算し(インクリメントし、ステップS438)、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下であるか否かを判定する(ステップS440)。このしきい値THは、値5に設定されており、異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えているときと超えていないときとにおいて報知方法を変えることができるようになっている。
ステップS440の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下であるとき、つまり異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えていないとき、又はステップS436の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)でないと判定したときには、弱報知として第1報知態様の設定を行い(ステップS442)、本ルーチンを終了する。
この第1報知態様は、ドツキゴトを検出した早い段階において、ドツキゴトを行っているパチンコ機1と隣接するパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して不快な思いとならないように、遊技ホールの店員や係員がドツキゴトを行っているパチンコ機1の前面を通ったときに、その旨を報知することができるものであり、例えば、図91Aに示した扉枠3に備える扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455及び扉枠トップ左装飾基板456にそれぞれ実装される複数のLEDを赤色に5分間点滅する発光態様とする。なお、扉枠3に備える他の各種装飾基板に実装される複数のLEDと、遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される複数のLEDと、は演出の進行に沿った発光態様となっている。
このような発光態様は5分間行われると、元の演出の進行に沿った内容(発光態様)に戻るものの、第1報知態様による発光態様が進行している間、実際には元の演出の進行に沿った内容(発光態様)も進行しているため、第1報知態様に切り替わる直前における元の演出の内容(発光態様)に戻らず、この元の演出から5分間だけ進んだ内容(発光態様)となって切り替わる。
主制御MPU1310aは、第1報知態様となる報知表示に区分されるドツキゴト弱報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理で解析し、解析したコマンドにドツキゴト弱報知コマンドが含まれているときには、ドツキゴト弱報知に設定されている発光態様生成用スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。そして、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、図91Aに示した扉枠3に備える扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455、及び扉枠トップ左装飾基板456に実装される複数のLEDを赤色に5分間点滅する発光態様とする。
一方、ステップS440の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下でないとき、つまり異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えているときには、強報知として第2報知態様の設定を行う(ステップS444)。
この第2報知態様は、上述した第1報知態様と比べて強くドツキゴトを報知するものであって遊技ホールを巡回する店員や係員がドツキゴトを行っているパチンコ機1へ早急に駆け付けることができるものであり、例えば、図91Aに示した扉枠3に備える、皿左上装飾ユニット270、皿右上装飾ユニット275、皿左下装飾ユニット280、皿右下装飾ユニット285、及び演出操作ユニット300における各種装飾基板にそれぞれ実装される複数のLEDと、扉枠トップユニット450における扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装される複数のLEDと、を赤色に5分間点滅する発光態様とするとともに、扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455に実装される複数のLEDを白色に5分間点滅する発光態様とし、さらに、強報知用警告音に加えて「振動を検出しました」という強報知用アナウンスが最大音量で各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から90秒間流れる音態様とし、さらに、図4に示した外部端子板558を介して、遊技ホールのホールコンピュータに対して、ドツキゴトが行われている旨を伝える信号を出力し、さらに、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止とするために、遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくすることができる不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする。なお、遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される複数のLEDは演出の進行に沿った発光態様となっている。
このような発光態様は5分間行われると、元の演出の進行に沿った内容(発光態様)に戻るものの、第2報知態様による発光態様が進行している間、実際には元の演出の進行に沿った内容(発光態様)も進行しているため、第2報知態様に切り替わる直前における元の演出の内容(発光態様)に戻らず、この元の演出から5分間だけ進んだ内容(発光態様)となって切り替わる。音態様についても同様に、音態様が90秒間行われると、元の演出の進行に沿った内容(音声、効果音、音楽等のサウンド)に戻るものの、第2報知態様による音態様が進行している間、実際には元の演出の進行に沿った内容(サウンド)も進行しているため、第2報知態様に切り替わる直前における元の演出の内容(サウンド)に戻らず、この元の演出から90秒間だけ進んだ内容(サウンド)となって切り替わる。この元の演出から90秒間だけ進んだ内容(サウンド)に切り替える場合には、第2報知態様による音態様を消灯すると共に、このサウンドの音量を設定された音量へ向かって徐々に大きくなるようにフェードインするようにして切り替わるようにして、切り替えるによる音量の差異で遊技者をびっくりさせないようになっている。
主制御MPU1310aは、第2報知態様となる報知表示に区分されるドツキゴト強報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、ドツキゴトが行われている旨をホールコンピュータへ伝える浸透の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理で解析し、解析したコマンドにドツキゴト強報知コマンドが含まれているときには、ドツキゴト強報知に設定されている、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。そして、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、図91Aに示した扉枠3に備える、皿左上装飾ユニット270、皿右上装飾ユニット275、皿左下装飾ユニット280、皿右下装飾ユニット285、及び演出操作ユニット300における各種装飾基板にそれぞれ実装される複数のLEDと、扉枠トップユニット450における扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装される複数のLEDと、を赤色に5分間点滅する発光態様とするとともに、扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455に実装される複数のLEDを白色に5分間点滅する発光態様とし、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1018の音データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、ポインタが指示する音指令データに従って、周辺制御IC1510aのCPUから音指令データが入力される周辺制御IC1510aの音源がSDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って強報知用警告音及び「振動を検出しました」という強報知用アナウンスの音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定し、設定した出力チャンネルから各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)に出力する。
さらに、主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からドツキゴトが行われている旨をホールコンピュータへ伝える信号を外部端子板558に出力する。
さらに、主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理において、不正行為検出フラグFD−FLGに値1がセットされていることにより、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から払出制御基板633の発射制御部633bへ出力し、発射制御部633bにより遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくなる。これにより、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止する状態となる。
ステップS444に続いて、主制御MPU1310aは、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットし(ステップS446)、本ルーチンを終了する。この不正行為検出フラグFD−FLGは、上述したように、不正行為の有無を報知するためのフラグであり、不正行為の未検出であるときには値0がセットされ、不正行為の検出であるときには値1がセットされる。
ステップS446において、主制御MPU1310aは、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットすることにより、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理において、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から払出制御基板633の発射制御部633bへ出力し、発射制御部633bにより遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくなる。これにより、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止する状態となる。
主制御MPU1310aは、上述したように、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理において当り抽選と同時期に行われる図柄抽選で決定された小当り図柄の種類によって、後続して実行される小当り遊技の実行態様を複数態様のいずれかに設定することとしている。具体的には、小当り遊技は、右打ち遊技ゾーン4824における、第1大入賞口4807の第2シャッター板4806を動作させて、第1大入賞口4807内に遊技球を入球可能にする遊技であり、今回実行される小当り遊技に起因する小当り図柄が複数の小当り図柄の何れであるかによって第2シャッター板4806による入球開口の開閉パターン並びに開く場合の開放時間等の実行態様が相違するように設定されており、この実行態様によって第1大入賞口4807内への遊技球の入球可能性が相違することとなる。つまり、相対的に長い時間(例えば1.5)に亘り第2シャッター板4806を後退させる小当り遊技の実行態様は、相対的に短い時間(例えば0.5秒)に亘り第2シャッター板4806を後退させる小当り遊技の実行態様よりも、第1大入賞口4807への遊技球の入球が容易になる。小当り遊技にて、第1大入賞口4807に入った全ての遊技球は、第1大入賞口4807内部の回転球受け部材4808に到達し、その遊技球が回転球受け部材4808の球受け凹部4809で受けられた場合は、その回転球受け部材4808の回転動作によってV入賞口4810側に誘導され、球受け凹部4809に受けられなかった遊技球は、回転球受け部材4808の後ろ向きに下傾するテーパ周面を転がって一般入賞口4801に入球する。主制御MPU1310aは、回転球受け部材4808の回転動作によってV入賞口4810側に誘導された遊技球がV入賞口4810に入球すると、その特典として第2大入賞口4812の開閉板4811を最大開閉回数に達するまで開閉させる大当り遊技を実行する。
このため、主制御MPU1310aは、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為を(ドツキゴトの有無)の判別を、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理における大入賞口用異常振動2段階報知処理を行って報知している。
不正行為検出処理における大入賞口用異常振動2段階報知処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図263に示すように、小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS460)。この判定は、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理において小当り遊技状態を発生させているか否かにより行う。
ステップS460の判定において、主制御MPU1310aは、小当り遊技状態を発生させていないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、小当り遊技状態を発生させていると判定したときには、第1大入賞口4807に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS462)。この判定では、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において、右打ち遊技ゾーン4824における第1大入賞口4807に入球した検知する第1大入賞口センサ4807aからの検出信号を読み取り、この読み取った検出信号に基づいて行う。
ステップS462の判定において、主制御MPU1310aは、第1大入賞口4807に遊技球が入球していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、第1大入賞口4807に入球したと判定したときには、振動判別処理を行う(ステップS464)。この振動判別処理では、その詳細な説明を後述するが、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において読み取った、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2を有効なものとして処理する場合に、ステップS104のスイッチ入力処理を行うごとに、読み込んだ振動検出センサ2の論理がドツキゴト検出論理であるときの回数を振動カウンタVCでカウントする。なお、本実施形態では、この振動カウンタVCは、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1を有効なものとして処理する場合に、ステップS104のスイッチ入力処理を行うごとに、読み込んだ振動検出センサ1の論理がドツキゴト検出論理であるときの回数もカウントされるため、共用カウンタとなっている。
ステップS464に続いて、主制御MPU1310aは、異常振動があるか否かを判定する(ステップS466)。この判定では、ステップS462の振動判別処理においてカウントした振動カウンタVCの値に基づいて行い、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達しているときには異常振動があると判定する一方、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していないときには異常振動がないと判定する。
ステップS466の判定において、主制御MPU1310aは、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していないと判定したときには、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であるか否かを判定する(ステップS468)。この異常振動カウンタAVCは、図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるものと共用する変数であって(つまり、本ルーチンと振り分け装置用異常振動2段階報知処理とにおいてそれぞれ変更されることができる変数であって)、上述したように、異常振動と判定した回数をカウントするものであり、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。異常振動カウンタAVCは、パチンコ機1の電源投入時や停電後の電力回復時における復電時や大当り遊技状態の終了時においてリセットされて初期値(値0(ゼロ))となる(瞬間的に停電が発生する瞬停後の電力回復時には、瞬停期間が短い場合(例えば、数秒以内の期間の場合)には異常振動カウンタAVCがリセットされないし、停電と言えないまでも瞬停期間が長い場合(例えば、数十秒に亘る期間の場合)には異常振動カウンタAVCがリセットされる)。主制御MPU1310aは、ステップS468の判定時において異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であるときには、異常振動と判定した回数がゼロであり、遊技者がドツキゴトを行っていないと判断する。
ステップS468の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)であると判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、ステップS466の判定において、主制御MPU1310aは、振動カウンタVCの値が判定値(本実施形態では、値4)に達していると判定したときには、異常振動カウンタAVCの値に値1を加算し(インクリメントし、ステップS470)、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下であるか否かを判定する(ステップS472)。このしきい値THは、図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるものと同一となる定数であって(つまり、本ルーチンと振り分け装置用異常振動2段階報知処理とにおいてそれぞれ同一の値が設定されている定数であって)、上述したように、値5に設定されており、異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えているときと超えていないときとにおいて報知方法を変えることができるようになっている。
ステップS472の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下であるとき、つまり異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えていないとき、又はステップS468の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値が値0(ゼロ)でないと判定したときには、弱報知として第1報知態様の設定を行い(ステップS474)、本ルーチンを終了する。この第1報知態様は、図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるものと同一であり、ここでの詳細な説明を省略する。
一方、ステップS472の判定において、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下でないとき、つまり異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えているときには、強報知として第2報知態様の設定を行う(ステップS476)。この第2報知態様は、図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるものと同一であり、ここでの詳細な説明を省略する。
ステップS476に続いて、主制御MPU1310aは、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットし(ステップS478)、本ルーチンを終了する。この不正行為検出フラグFD−FLGは、上述したように、不正行為の有無を報知するためのフラグであり、不正行為の未検出であるときには値0がセットされ、不正行為の検出であるときには値1がセットされる。
ステップS478において、主制御MPU1310aは、不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットすることにより、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理において、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から払出制御基板633の発射制御部633bへ出力し、発射制御部633bにより遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくなる。これにより、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止する状態となる。
次に、図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるステップS432の処理、及び図263に示した大入賞口用異常振動2段階報知処理におけるステップS464の処理としてそれぞれ行われる振動判別処理について説明する。
この振動判別処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図264に示すように、振動が生じているか否かを判定する(ステップS480)。この判定では、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理において読み取った、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1の論理と、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2の論理と、に基づいて行う。主制御MPU1310aは、振動検出センサ1の論理と振動検出センサ2の論理とのうちいずれか一方又は両方がドツキゴト検出論理であるときには異常振動と判断して振動ありと判定する一方、振動検出センサ1の論理と振動検出センサ2の論理とが共にドツキゴト検出論理を反転させたドツキゴト非検出論理であるときには異常振動と判断せず振動なしと判定する。
ステップS480の判定において、主制御MPU1310aは、振動なしと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、振動ありと判定したときには、振動判別無効タイマVDDTが起動している状態(起動中)であるか否かの判定を行う(ステップS482)。振動判別無効タイマVDDTは、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1と、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2と、を無効なものとして処理する時間を規定するものであり、本実施形態では、1020ミリ秒(1.020秒)に予め設定されている。振動判別無効タイマVDDTの開始が設定されると、振動判別無効タイマフラグに値1がセットされると共に、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算される。図177に示した主制御タイマ割り込み処理が4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われるため、ステップS102のタイマ減算処理において振動判別無効タイマVDDTの値が値4ずつ減算されることとなり、値0(ゼロ秒)となると、振動判別無効タイマVDDTが経過したこととなる。これにともない振動判別無効タイマVDDTが起動していない状態(起動完了を含む。)として振動判別無効タイマフラグに初期値である値0がセットされる。振動判別無効タイマフラグの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶され、パチンコ機1の電源投入時や停電後の電力回復時における復電時に初期値である値0がセットされる。なお、瞬間的に停電が発生する瞬停後の電力回復時には、瞬停期間が短い場合(例えば、数秒以内の期間の場合)には振動判別無効タイマフラグが初期値にセットされないし、停電と言えないまでも瞬停期間が長い場合(例えば、数十秒に亘る期間の場合)には振動判別無効タイマフラグが初期値にセットされる。
ステップS482の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別無効タイマフラグが値1でない(値0である)とき、つまり振動判別無効タイマVDDTが起動中でないと判定したときには、振動判別有効タイマVDETが起動している状態(起動中)であるか否かの判定を行う(ステップS484)。振動判別有効タイマVDETは、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1と、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2と、を有効なものとして処理する時間を規定するものであり、本実施形態では、12ミリ秒(0.012秒)に予め設定されている。振動判別有効タイマVDETの開始が設定されると、振動判別有効タイマフラグに値1がセットされると共に、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算される。図177に示した主制御タイマ割り込み処理が4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われるため、ステップS102のタイマ減算処理において振動判別有効タイマVDETの値が値4ずつ減算されることとなり、値0(ゼロ秒)となると、振動判別有効タイマVDETが経過したこととなる。これにともない振動判別有効タイマVDETが起動していない状態(起動完了を含む。)として振動判別有効タイマフラグに初期値である値0がセットされる。振動判別有効タイマフラグの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶され、パチンコ機1の電源投入時や停電後の電力回復時における復電時に初期値である値0がセットされる。なお、瞬間的に停電が発生する瞬停後の電力回復時には、瞬停期間が短い場合(例えば、数秒以内の期間の場合)には振動判別有効タイマフラグが初期値にセットされないし、停電と言えないまでも瞬停期間が長い場合(例えば、数十秒に亘る期間の場合)には振動判別有効タイマフラグが初期値にセットされる。
ステップS484の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別有効タイマフラグが値1でない(値0である)とき、つまり振動判別有効タイマVDETが起動中でないと判定したときには、振動判別有効タイマVDETの開始を設定する(ステップS486)。主制御MPU1310aは、振動判別有効タイマVDETの開始を設定することにより振動判別有効タイマフラグに値1をセットする。振動判別有効タイマVDETは、本ルーチンが終了すると、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算開始されることとなる。
ステップS486に続いて、主制御MPU1310aは、振動カウンタVCに値1を加算し(インクリメントし、ステップS488)、本ルーチンを終了する。振動カウンタVCは、振動判別有効タイマVDETの起動中に、上述したステップS480の判定において振動ありと判定した回数をカウントするものである。振動判別有効タイマVDETは、本ルーチンが終了すると、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算開始されるため、振動カウンタVCの値は、振動判別有効タイマVDETが減算される前に、値1が加算されている。これにより、振動カウンタVCの値は、振動判別有効タイマVDETが値0(ゼロ秒)となった時点で値4となっている。この値4が図262に示した振り分け装置用異常振動2段階報知処理におけるステップS434の判定に使用する判定値となっていると共に、図263に示した大入賞口用異常振動2段階報知処理におけるステップS466の判定に使用する判定値となっている。
一方、ステップS484の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別有効タイマフラグが値1であるとき、つまり振動判別有効タイマVDETが起動中であると判定したときには、振動判別有効タイマVDETが12ミリ秒(0.012秒)を経過したか否かを判定する(ステップS490)。この判定では、振動判別有効タイマVDETの値が図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算されて値0(ゼロ秒)であるか否かにより行い、振動判別有効タイマVDETの値が値0(ゼロ秒)であるときには12ミリ秒(0.012秒)が経過したと判定する一方、振動判別有効タイマVDETの値が値0(ゼロ秒)でないときには12ミリ秒(0.012秒)が経過していないと判定する。
ステップS490の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別有効タイマVDETの値が値0(ゼロ秒)でないとき、つまり12ミリ秒(0.012秒)が経過していないと判定したときには、上述したステップS488において、振動カウンタVCに値1を加算し(インクリメントし、ステップS488)、本ルーチンを終了する。
一方、ステップS490の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別有効タイマVDETの値が値0(ゼロ秒)であるとき、つまり12ミリ秒(0.012秒)が経過したと判定したときには、振動判別有効タイマVDETが起動していない状態(起動完了を含む。)として振動判別有効タイマフラグに初期値である値0をセットし、振動判別無効タイマVDDTの開始を設定し(ステップS492)、本ルーチンを終了する。主制御MPU1310aは、振動判別無効タイマVDDTの開始を設定することにより振動判別無効タイマフラグに値1をセットする。振動判別無効タイマVDDTは、本ルーチンが終了すると、図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算開始されることとなる。
一方、ステップS482の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別無効タイマフラグが値1であるとき、つまり振動判別無効タイマVDDTが起動中であると判定したときには、振動判別無効タイマVDDTが1020ミリ秒(1.020秒)を経過したか否かを判定する(ステップS494)。この判定では、振動判別無効タイマVDDTの値が図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS102のタイマ減算処理において減算されて値0(ゼロ秒)であるか否かにより行い、振動判別無効タイマVDDTの値が値0(ゼロ秒)であるときには1020ミリ秒(1.020秒)が経過したと判定する一方、振動判別無効タイマVDDTの値が値0(ゼロ秒)でないときには1020ミリ秒(1.020秒)が経過していないと判定する。
ステップS494の判定において、主制御MPU1310aは、振動判別無効タイマVDDTの値が値0(ゼロ秒)でないとき、つまり1020ミリ秒(1.020秒)が経過していないと判定したときには、そのまま本ルーチンを終了する一方、振動判別無効タイマVDDTの値が値0(ゼロ秒)であるとき、つまり1020ミリ秒(1.020秒)が経過したと判定したときには、振動判別無効タイマVDDTが起動していない状態(起動完了を含む。)として振動判別無効タイマフラグに初期値である値0をセットし、振動カウンタVCの値に値0(ゼロ)をセットすることによりリセットし(ステップS496)、本ルーチンを終了する。ステップS496において振動カウンタVCの値をリセットすることにより、次回、振動判別有効タイマVDETが起動中に上述したステップS480の判定において振動ありと判定した回数を正確にカウントすることができる。
このように、12ミリ秒(0.012秒)という振動判別有効タイマVDETが起動中では、振動カウンタVCを更新することができる一方、振動判別有効タイマVDETが経過すると、1020ミリ秒(1.020秒)という振動判別無効タイマVDDTが起動中では、振動カウンタVCを更新することができないようになっている。つまり、振動判別有効タイマVDETが起動中されているという限定された期間においてのみ、上述したステップS480の判定において振動ありと判定した回数を、振動カウンタVCを用いて正確にカウントすることができるようになっている。これにより、例えば、外枠2に対して本体枠4を開放したときに生ずる振動、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したときに生ずる振動、本体枠4に対して扉枠3を開放したときに生ずる振動、本体枠4に対して扉枠3を閉鎖するときに生ずる振動、及び演出操作ユニット300の演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を遊技者が操作したときに生ずる振動等を検出しても、ドツキゴトとして誤って報知することを防止することができる。
なお、上述した実施形態では、振動カウンタVCは、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1を有効なものとして処理する場合と、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2を有効なものとして処理する場合と、において共用カウンタとなっていたが、振動検出スイッチ3005からの検出信号である上振動検出センサ、及び下振動検出スイッチ3006aからの検出信号である下振動検出センサ1がワイヤードオアー接続された信号である振動検出センサ1を有効なものとして処理する場合には、第1振動カウンタを用いるとともに、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号である振動検出センサ2を有効なものとして処理する場合には、第2振動カウンタを用いるように構成して個別にカウントしてもよい。
この場合、第1振動カウンタに基づく弱報知と第2振動カウンタに基づく弱報知とを同一の態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。異なる態様とする場合には、第1振動カウンタに基づく弱報知と第2振動カウンタに基づく弱報知とのうちいずれであるのかを理解することができるため、第1振動カウンタに基づく弱報知であれば、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為が行われていることを把握することができるし、第2振動カウンタに基づく弱報知であれば、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為が行われていることを把握することができる。また、第1振動カウンタに基づく強報知と第2振動カウンタに基づく強報知とを同一の態様としてもよいし、異なる態様としてもよい。異なる態様とする場合には、第1振動カウンタに基づく強報知と第2振動カウンタに基づく強報知とのうちいずれであるのかを理解することができるため、第1振動カウンタに基づく強報知であれば、下層遊技ゾーン4825における球旋回型の振分け装置4843に備える振分け円盤4853の特定受入口4855vへ向かって遊技球が入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為が行われていることを把握することができるし、第2振動カウンタに基づく強報知であれば、右打ち遊技ゾーン4824における回転球受け部材4808に形成される球受け凹部4809へ向かって遊技球を載せてV入賞口4810に入球することができるようにパチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加える不正行為が行われていることを把握することができる。
また、上述した実施形態では、弱報知及び強報知として、周辺制御基板1510により発光態様が制御される各装飾基板に実装される複数のLEDにより行われていたが、主制御基板1310Xにより発光態様が制御される単一又は複数のLEDにより行われてもよい。
因みに、遊技盤の振動を検出する振動センサ(振動検出部)を設けて遊技機を叩く等の不正行為を検出する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−042689号公報(段落[0026]、及び図2))。ところで、この文献に記載される遊技機では、振動センサが遊技球を通る球誘導路(球樋部)に近傍に配置されると共に、振動センサと球誘導部とが同一の取付部材に取り付けられている場合には、球誘導部を通る遊技球の振動が取付部材を介して振動センサへ伝わって異常な振動として誤報知するおそれがあった。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図247の第1振分けステッピングモータ4908の励磁を制御することができる図255の主制御基板1310Xが図256の主制御基板ボックス1320に収容されている。主制御基板ボックス1320は、図256の透明なカバー体1301と図256の透明なベース体1302とからボックス状に構成されているとともに、固着部である図256のカシメ部1303を破壊することにより透明なカバー体1301と透明なベース体1302との固着状態が開放されることができるようになっている。主制御基板1310Xは、リセッタブルヒューズである図255のポリスイッチMPS50を備えている。このポリスイッチMPS50は、第1振分けステッピングモータ4908への過電流により発熱されることで導電性が低下して電流を遮断し、その後、冷却されることで導電性が復帰することができるものである。
このように、第1振分けステッピングモータ4908へ過電流が流れると、ポリスイッチMPS50により電流が遮断されて冷却されることにより第1振分けステッピングモータ4908への電流を自動的に復帰することができるようになっているため、第1振分けステッピングモータ4908への過電流に伴い、固着部であるカシメ部1303を破壊する必要が全くなく、主制御基板1310Xを使用することができなくなることを防止することができる。したがって、主制御基板1310Xが過電流により使用不能となることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図247の第1振分けステッピングモータ4908の励磁を制御することができる図255の主制御基板1310Xを備え、図234の遊技盤5に設けられるとともに、球入球部である図235の飛び込み部4827から入球された遊技球を複数の球放出部である図235の球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路と球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路とに第1振分けステッピングモータ4908の励磁が制御されることにより振り分けることができる振分け装置である図235の第一の振分け部4829aを備えている。この第一の振分け部4829aは、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路と球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路とのうち、遊技者にとって有利となる領域へ放出することができる特定球放出部である球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路を有している。主制御基板1310Xは、球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられる時間と、特定球放出部を除く他の球放出部である球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられる時間と、が異なるように第1振分けステッピングモータ4908の励磁を制御することできるようになっている。
具体的には、第1電動振分け片4835は、その右側のメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.19に規定される励磁時間(ms):12、管理番号No.20に規定される励磁時間(ms):324、そして管理番号No.1に規定される励磁時間(ms):12を加えた348msであるのに対して、その左側のメカエンドの位置に停止する時間は、管理番号No.10に規定される励磁時間(ms):8という単独のみであり、8msとなっており、左右側のメカエンドの位置における停止時間が異なり、停止時間が長くなっている。
このように、第一の振分け部4829aを第1振分けステッピングモータ4908により制御することで特定球放出部である球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路に振り分けられる時間と特定球放出部を除く他の球放出部である球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路に振り分けられる時間とを細かく調整することができるし、第一の振分け部4829aによる振分比率を安定化することができる。したがって、第一の振分け部4829aによる振分比率を安定化することができるとともに、振分比率を細かく調整することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図247の第1振分けステッピングモータ4908の励磁を制御することができる図255の主制御基板1310Xを備え、第1振分けステッピングモータ4908の励磁が制御されることで予め定めた範囲内を移動することができる可動体である図235の第1電動振分け片4835を備えている。第1振分けステッピングモータ4908の励磁相と、可動体である第1電動振分け片4835の位置と、が重複することなく予め対応付けられている。主制御基板1310Xは、復電時において、予め定めた範囲における可動体である第1電動振分け片4835の位置のうちいずれかの位置と予め対応付けられた第1振分けステッピングモータ4908の励磁相に対して制御することができるようになっている。
具体的には、主制御基板1310Xの主制御MPU1310aは、4ミリ秒(ms)ごとに繰り返し行われる図177に示した主制御タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において、駆動管理ブロックに従って、第1振分けステッピングモータ4908の駆動制御として第1振分けステッピングモータ駆動IC1310nに揺動駆動データを出力するとともに、第1振分けステッピングモータ4908の電圧切替制御として第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mに論理が設定された電圧切替1という信号を出力する。また、電源投入時に加えて、停電及び瞬停により電力が回復する復電時において、第1振分けステッピングモータ4908の駆動管理ブロックに規定される各条件に従って第1振分けステッピングモータ4908を繰り返し駆動する。
このように、復電時において、予め定めた範囲におけるいずれかの位置と予め対応付けられた第1振分けステッピングモータ4908の励磁相に対して制御することにより可動体である第1電動振分け片4835の位置を特定することができるようになっている。したがって、復電時において、第1振分けステッピングモータ4908への励磁相と可動体である第1電動振分け片4835の位置とを特定することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図247の第1振分けステッピングモータ4908の励磁を制御することができる図255の主制御基板1310Xを備え、図234の遊技盤5に設けられるとともに、第1振分けステッピングモータ4908の励磁が制御されることで、予め定めた範囲内を往復移動する図235の第1電動振分け片4835により球入球部である図235の飛び込み部4827から入球された遊技球を複数の球放出部である図235の球通路4834の正面向かって右側に流れる右進路と球通路4834の正面向かって左側に流れる左進路とに振り分けることができる振分け装置である図235の第一の振分け部4829aを備えている。第1電動振分け片4835は、図235の第1電動振分け片4835が常時ワイパー状(左側のメカエンドの位置と右側のメカエンドの位置との間を常時往復移動するワイパー状)に揺動することにより予め定めた範囲内を往復移動することができるようになっている。主制御基板1310Xは、第1振分けステッピングモータ4908の励磁を復電後から常時制御して予め定めた範囲内を第1電動振分け片4835が往復移動する状態において、第1振分けステッピングモータ4908の停止中に使用する停止用電圧である+5Vと、この停止用電圧より高い電圧であって第1振分けステッピングモータ4908の作動中に使用する作動用電圧である+12Vと、を相互に切り替えることができる電圧切替部である図255の第1振分けステッピングモータ電圧切替回路1310mを備えている。
このように、復電後から常時制御して第1振分けステッピングモータ4908が励磁されている状態において、作動用電圧が停止用電圧より高い電圧となっているため、第1振分けステッピングモータ4908の停止中に使用する停止用電圧と、第1振分けステッピングモータ4908の作動中に使用する作動用電圧と、を相互に切り替えることにより、第1振分けステッピングモータ4908の停止中に第1振分けステッピングモータ4908の発熱を抑制することができるようになっている。したがって、第1振分けステッピングモータ4908の発熱を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段として図253の主制御基板1310Xを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、選択手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、決定手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを備えている。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定値として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択して選択信号として設定切替ボタン1311bからの検出信号を、第1伝送経路として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターン等を介して、主制御基板1310Xに出力することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値を決定して決定信号として設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号を、第1伝送経路と異なる第2伝送経路として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aからの信号が伝送される配線パターンを介して、主制御基板1310Xに出力することができるものである。第1伝送経路と第2伝送経路とは、相互に離間して配置されている。
具体的には、不正な改変を防止するために、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送され配線パターンと、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、設定スイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定スイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、設定スイッチ1311aの決定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定スイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)と設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて設定値が決定されると、この決定された設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、第1伝送経路と第2伝送経路とを相互に離間して配置することにより、不正な改変を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択表示設定手段及び決定手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、表示手段として図256の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備える設定表示器1310gを備えている。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択許可又は主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値の表示許可を設定することができるものであるとともに、設定値を決定することができるものである。設定表示器1310gは、設定値を表示することができるものである。
設定スイッチ1311aにより設定値の選択許可が設定された後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値が設定表示器1310gに表示されて設定スイッチ1311aにより決定され、この決定した設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっている。電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われた後に設定スイッチ1311aにより設定値の表示許可が設定されると、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値が設定表示器1310gに表示されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われた後に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作とされることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。この設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定スイッチ1311aの設定キーシリンダが第1のON操作された時点における設定値1〜設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値が設定表示器1310gに表示されるようになっているため、主制御内蔵RAMに記憶保持される設定値を確認することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段として図253の主制御基板1310Xを備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、選択許可設定手段及び決定手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aを備えている。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択して選択信号として設定切替ボタン1311bからの検出信号を主制御基板1310Xに出力することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択を許可する選択許可信号として設定スイッチ1311aを設定キーONの信号を主制御基板1310Xに出力することができるものであるとともに、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値を決定して決定信号として設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号を主制御基板1310Xに出力することができるものである。
選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号は、主制御基板1310Xと別体に設けられる他の制御手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yを介して、主制御基板1310Xに入力されるようになっている。
主制御基板1310Xは、記憶手段として図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、信号有効制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理、信号無効制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理、設定変更制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理を含んでいる。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理は、選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を有効とすることができるものである。信号無効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理は、選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を無効とすることができるものである。設定変更制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理は、信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理が選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、を有効としたときに設定値を主制御内蔵RAMに記憶保持することができるものである。
電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され得る状態となるように予め設定されて電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると(具体的には、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONとするという手順を行い、続いて電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。)、この設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され、信号有効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定してステップS20Aで設定変更許可フラグCS−FLGに値1をセットする処理により選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、が有効とされるとともに、設定切替ボタン1311bにより選択された設定値が設定スイッチ1311aにより決定されると、この決定された設定値が設定変更制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップ37の設定変更処理により主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっている。電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力され得る状態とならないように予め設定されて電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると(具体的には、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作して第1のON操作することにより設定スイッチ1311aを設定キーONとするという手順を全く行わずに、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。)、この設定スイッチ1311aからの選択許可信号である設定キーONの信号が入力されず、信号無効制御手段である図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18の判定において予め定めた設定値変更許可条件が成立していないと判定してステップS20Bで設定変更許可フラグCS−FLGに値0をセットする処理により選択信号である設定切替ボタン1311bからの検出信号と、決定信号である設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号と、が無効とされるようになっている。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球し、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、第1操作部として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a及び図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、第2操作部として図253の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、記憶手段として図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を備えている。設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bは、設定値の設定変更を行うことができる第1操作を受け付けることができるものである。RAMクリアスイッチ1310fは、設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bと別体であって、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアすることができる第2操作を受け付けることができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができることができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bが第1操作を受け付けることができる期間において第1操作を受け付けると、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理が主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行った後に、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理が主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行うことができる第1操作を行う場合には、まず、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。つまり、「第1操作を受け付けることができる期間」とは、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われてから図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行うまでの期間となる。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う。)。続いて、設定値を決定するため、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に値0を書き込む(遊技バックアップ情報が初期化される)。
RAMクリアスイッチ1310fが第2操作を受け付けることができる期間において第2操作を受け付けると、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理が主制御内蔵RAMの特定領域に第1情報である設定値を記憶保持する制御を行うことなく、図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理が主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を消去する制御を行うことができるようになっている。
具体的には、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアすることができる第2操作を行う場合には、まず、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が押圧操作されながら電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)が主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS14、ステップS16Aの処理を行う)。つまり、「第2操作を受け付けることができる期間」とは、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われてから図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS14、ステップS16Aの処理を行うまでの期間となる。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に値0を書き込む(遊技バックアップ情報が初期化される)。
このように、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される第2情報である遊技バックアップ情報を設定スイッチ1311a及び設定切替ボタン1311bによる第1操作の受け付け又はRAMクリアスイッチ1310fによる第2操作の受け付けにより消去することができるようになっているため、遊技ホールの店員等の係員による第2情報である遊技バックアップ情報の消去方法にバリエーションを持たせることができる。したがって、消去方法にバリエーションを持たせることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球し、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、操作手段として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択許可手段及び決定手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理、起動実行制御手段として図177の主制御側タイマ割り込み処理を備えている。RAMクリアスイッチ1310fは、操作部として押圧操作部を有するものである。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技機の起動時に実行することができる複数の起動時動作設定情報としてRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様における設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。
RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様(上述した共通ハードウェア構成による変形例(1))として説明したように、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる。
主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる起動時動作設定情報である設定値の選択を許可することができるものであるとともに、起動時動作設定情報である設定値を決定することができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、設定スイッチ1311aにより決定された起動時動作設定情報である設定値を主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報を消去する制御を行うことができるものである。図177の主制御側タイマ割り込み処理は、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいて遊技機の起動を実行する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311aにより起動時動作設定情報である設定値の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される起動時動作設定情報である設定値が設定スイッチ1311aにより決定されて起動時動作設定情報である設定値が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理により主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持され、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去され、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動が図177の主制御側タイマ割り込み処理により実行されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う)。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアし(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行い)、図175の主制御側電源投入時処理のステップS40の処理で初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定するとともに主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行する。
一方、設定スイッチ1311aにより起動時動作設定情報である設定値の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの操作部が操作されると、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去され、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動が図177の主制御側タイマ割り込み処理により実行されるようになっている。
具体的には、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて主制御MPU1310aが図175の主制御側電源投入時処理が開始する。図175の主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図175の主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の処理までに亘る予め定めた期間内において、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたか否かを判定し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたときには、その後、図175の主制御側電源投入時処理のステップS38の処理で主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアし、図175の主制御側電源投入時処理のステップS40の処理で初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定するとともに主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行する。
このように、パチンコ機1の起動時に実行することができる複数の起動時動作設定情報である設定値1〜設定値6のうち、いずれか一つ選択された起動時動作設定情報である設定値が主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持されるようになっているため、パチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの操作部が操作されたことにより、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されると、主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持される起動時動作設定情報である設定値に基づいてパチンコ機1の起動を行うことができるようになっている。したがって、起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、発射手段として図92の球発射装置540により発射された遊技球Bが遊技領域5aに設けられる受入口として図235の固定始動入賞口4813や電動始動入賞口4871に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる。
本実施形態のパチンコ機1は、操作手段として図144Aの主制御ユニット1300の主制御基板1310Xに備えるRAMクリアスイッチ1310f、電源投入手段として図7の電源スイッチ630a、選択手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、記憶手段として図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、選択許可手段及び決定手段として図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、情報記憶制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理、情報消去制御手段として図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を備えている。RAMクリアスイッチ1310fは、操作部として押圧操作部を有するものである。電源スイッチ630aは、パチンコ機1の電源投入を行うことができるものである。設定切替ボタン1311bは、遊技者にとって有利となる複数の設定情報として設定値1〜設定値6のうちいずれか一つの設定値を選択することができるものである。主制御内蔵RAMは、パチンコ機1の電源遮断後においても各種情報を記憶保持することができるものである。設定スイッチ1311aは、設定切替ボタン1311bによる設定値の選択を許可することができるものであるとともに、設定値を決定することができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理は、設定スイッチ1311aにより決定された設定情報を主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持する制御を行うことができるものである。図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理は、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報を消去する制御を行うことができるものである。
設定スイッチ1311aにより設定値の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われると、設定切替ボタン1311bにより選択される設定値が設定スイッチ1311aにより決定され、この決定した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持され、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるようになっている。
具体的には、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われる前に設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定スイッチ1311aが設定キーONとされる。続いて、電源スイッチ630aが操作されてパチンコ機1の電源投入が行われる。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS18、ステップS20Aの処理を行う)。続いて、設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されると、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される。設定切替ボタン1311bの押圧操作部が押圧操作されるごとに、主制御MPU1310aは、設定変更基板1310Yの設定切替ボタン1311bからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う(図178の設定変更処理におけるステップS216〜S222の処理を繰り返し行う)。続いて、設定値を決定する場合には、設定キーシリンダが反時計方向へ向かって120度回動操作されて(つまり、設定スイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定スイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作とされ、さらに反時計方向へ向かって60度回転操作されて)第2のON操作することにより設定スイッチ1311aが決定キーONとされる。この決定キーONの信号が設定変更基板1310Yから主制御基板1310Xの主制御MPU1310aへ入力される(図178の設定変更処理におけるステップS222の処理を行う)。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御内蔵RAMの特定領域(設定値専用領域)に格納する(図178の設定変更処理におけるステップS224の処理を行う)。続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする(図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理を行う)。
設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されると、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるようになっている。
具体的には、設定スイッチ1311aの設定キーシリンダの差し込み口に設定キーが差し込まれて設定キーシリンダが時計方向へ向かって60度回動操作されず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われて主制御MPU1310aが図175の主制御側電源投入時処理が開始する。図175の主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図175の主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の処理までに亘る予め定めた期間内において、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたか否かを判定し、RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されたときには、その後、図175の主制御側電源投入時処理のステップS38の処理で主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域をクリアする。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定値(設定値1〜設定値6)のうちいずれか一つの設定値が選択されて決定された設定値が主制御内蔵RAMに記憶保持されるようになっているため、この設定値に基づく遊技が進行されることで、設定値ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にした後に電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われ、設定切替ボタン1311bにより選択される設定情報が設定スイッチ1311aにより決定されて主制御内蔵RAMの特定領域に記憶保持されることに基づいて、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるという「設定変更に伴う情報消去」と、設定スイッチ1311aにより設定情報の選択が許可される状態にせず電源スイッチ630aによりパチンコ機1の電源投入が行われ、予め定めた期間内にRAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部が操作されることに基づいて、主制御内蔵RAMの特定領域を除く他の領域に記憶保持される情報が図175の主制御側電源投入時処理におけるステップS38の処理により消去されるという「RAMクリアスイッチ1310fの押圧操作部の操作に伴う情報消去」と、のうち、いずれか一方の情報消去を行うことができるようになっている。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310Xによる抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技の進行を行うことができるものであり、振動を検出することができる振動検出部として図237の振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bと、下振動検出スイッチ3006bからの検出信号を監視すると共に、遊技演出装置として図91Aの扉枠3に備える各種装飾基板を制御することができる制御手段として図253の主制御基板1310X、及び周辺制御基板1510と、を備えている。主制御基板1310Xは各種コマンドを周辺制御基板1510へ送信して周辺制御基板1510が扉枠3に備える各種装飾基板を制御することができるようになっているため、主制御基板1310Xと周辺制御基板1510とにより遊技演出装置である扉枠3に備える各種装飾基板を制御することができるようになっている。
主制御基板1310Xと周辺制御基板1510とのうち、主制御基板1310Xは、遊技を進行する予め定めた期間として振動判別有効タイマVDETの起動中(12ミリ秒(0.012秒))における振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bからの検出信号に基づいて、パチンコ機1に振動を与える不正行為が行われている状況を、扉枠3に備える各種装飾基板を制御して段階的に報知することができるようになっている。
具体的には、段階的に報知する場合として、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下であるときには弱報知として第1報知態様の設定を行う。この第1報知は、ドツキゴトを検出した早い段階において、ドツキゴトを行っているパチンコ機1と隣接するパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して不快な思いとならないように、遊技ホールの店員や係員がドツキゴトを行っているパチンコ機1の前面を通ったときに、その旨を報知することができるものであり、例えば、図91Aに示した扉枠3に備える扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455及び扉枠トップ左装飾基板456にそれぞれ実装される複数のLEDを赤色に5分間点滅する発光態様とする。
主制御MPU1310aは、第1報知態様となる報知表示に区分されるドツキゴト弱報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理で解析し、解析したコマンドにドツキゴト弱報知コマンドが含まれているときには、ドツキゴト弱報知に設定されている発光態様生成用スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。そして、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、図91Aに示した扉枠3に備える扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455、及び扉枠トップ左装飾基板456に実装される複数のLEDを赤色に5分間点滅する発光態様とする。
そして、主制御MPU1310aは、異常振動カウンタAVCの値がしきい値TH以下でないとき、つまり異常振動カウンタAVCの値がしきい値THを超えているときには、強報知として第2報知態様の設定を行う。この第2報知は、上述した第1報知態様と比べて強くドツキゴトを報知するものであって遊技ホールを巡回する店員や係員がドツキゴトを行っているパチンコ機1へ早急に駆け付けることがえきるものであり、例えば、図91Aに示した扉枠3に備える、皿左上装飾ユニット270、皿右上装飾ユニット275、皿左下装飾ユニット280、皿右下装飾ユニット285、及び演出操作ユニット300における各種装飾基板にそれぞれ実装される複数のLEDと、扉枠トップユニット450における扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装される複数のLEDと、を赤色に5分間点滅する発光態様とするとともに、扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455に実装される複数のLEDを白色に5分間点滅する発光態様とし、さらに、強報知用警告音に加えて「振動を検出しました」という強報知用アナウンスが最大音量で各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)から90秒間流れる音態様とし、さらに、図4に示した外部端子板558を介して、遊技ホールのホールコンピュータに対して、ドツキゴトが行われている旨を伝える信号を出力し、さらに、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止とするために、遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくすることができる不正行為検出フラグFD−FLGに値1をセットする。
主制御MPU1310aは、第2報知態様となる報知表示に区分されるドツキゴト強報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、ドツキゴトが行われている旨をホールコンピュータへ伝える浸透の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1022の受信コマンド解析処理で解析し、解析したコマンドにドツキゴト強報知コマンドが含まれているときには、ドツキゴト強報知に設定されている、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。そして、周辺制御基板1510のCPUは、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1016の表示データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、ポインタが指示する発光データに従って、図91Aに示した扉枠3に備える、皿左上装飾ユニット270、皿右上装飾ユニット275、皿左下装飾ユニット280、皿右下装飾ユニット285、及び演出操作ユニット300における各種装飾基板にそれぞれ実装される複数のLEDと、扉枠トップユニット450における扉枠トップ左装飾基板456及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装される複数のLEDと、を赤色に5分間点滅する発光態様とするとともに、扉枠トップユニット450における扉枠トップ中央装飾基板455に実装される複数のLEDを白色に5分間点滅する発光態様とし、図185に示した周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1018の音データ出力処理において、すでに周辺制御IC1510aのRAMにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、ポインタが指示する音指令データに従って、周辺制御IC1510aのCPUから音指令データが入力される周辺制御IC1510aの音源がSDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って強報知用警告音及び「振動を検出しました」という強報知用アナウンスの音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定し、設定した出力チャンネルから各種スピーカ(振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等)に出力する。
さらに、主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からドツキゴトが行われている旨をホールコンピュータへ伝える信号を外部端子板558に出力する。
さらに、主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理において、不正行為検出フラグFD−FLGに値1がセットされていることにより、発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。主制御MPU1310aは、図177に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS118のポート出力処理において上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から払出制御基板633の発射制御部633bへ出力し、発射制御部633bにより遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができなくなる。これにより、ドツキゴトを行う不正な遊技者がこれ以上遊技を行うことができないように遊技停止する状態となる。
このように、遊技を進行する予め定めた期間である振動判別有効タイマVDETの起動中(12ミリ秒(0.012秒))における振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bからの検出信号に基づいて、パチンコ機1に振動を与える不正行為が行われている状況を、扉枠3に備える各種装飾基板を制御して段階的に報知することができるようになっているため、例えば、遊技を進行することができない状況となる図10の本体枠4から扉枠3を開放する際に生ずる振動を振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bが検出したとしても、主制御基板1310Xと周辺制御基板1510とのうち、主制御基板1310Xは、パチンコ機1に振動を与える不正行為と判断せず、この開放する際に生ずる振動を異常な振動として誤報知しない。したがって、異常な振動として誤報知することを防止することができる。
以上の実施形態には、次のような背景技術と解決課題に対し、次のような解決手段が技術的思想として含まれている。
[背景技術]
従来より、遊技盤の振動を検出する振動センサ(振動検出部)を設けて遊技機を叩く等の不正行為を検出する遊技機が提案されている(例えば、特開2014−42689号公報(段落[0026]及び図2))。
[発明が解決しようとする課題]
ところで、従来の遊技機では、遊技を進行することができない状況となる前枠(本体枠)からガラス枠(扉枠)を開放する際に生ずる振動を振動センサが検出すると、異常な振動として誤報知するおそれがあった。
[課題を解決するための手段]
(解決手段I)
抽選手段による抽選結果に基づいて遊技を進行することができる遊技機であって、振動を検出することができる振動検出部と、前記振動検出部からの検出信号を監視すると共に、遊技演出装置を制御することができる制御手段と、を備え、前記制御手段は、遊技を進行する予め定めた期間における前記振動検出部からの検出信号に基づいて、前記遊技機に振動を与える不正行為が行われている状況を、前記遊技演出装置を制御して段階的に報知する、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機では、抽選手段による抽選結果に基づいて遊技を進行することができるものであり、振動を検出することができる振動検出部と、振動検出部からの検出信号を監視すると共に、遊技演出装置を制御することができる制御手段と、を備えている。
制御手段は、遊技を進行する予め定めた期間における振動検出部からの検出信号に基づいて、遊技機に振動を与える不正行為が行われている状況を、遊技演出装置を制御して段階的に報知することができるようになっている。
このように、遊技を進行する予め定めた期間における振動検出部からの検出信号に基づいて、遊技機に振動を与える不正行為が行われている状況を、遊技演出装置を制御して段階的に報知することができるようになっているため、例えば、遊技を進行することができない状況となる本体枠から扉枠を開放する際に生ずる振動を振動検出部が検出したとしても、制御手段は、遊技機に振動を与える不正行為と判断せず、この開放する際に生ずる振動を異常な振動として誤報知しない。したがって、異常な振動として誤報知することを防止することができる。
本実施形態では、例えば、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等が「抽選手段による抽選結果」に相当し、図1のパチンコ機1が遊技機に相当し、図237の振動検出スイッチ3005、及び下振動検出スイッチ3006a,3006bが振動検出部に相当し、図91Aの扉枠3に備える各種装飾基板が遊技演出装置に相当し、図253の主制御基板1310、及び周辺制御基板1510が制御手段に相当し、「振動判別有効タイマVDETの起動中」が「遊技を進行する予め定めた期間」に相当し、第1報知及び第2報知が「段階的に報知」に相当する。
(解決手段II)
解決手段Iに記載の遊技機であって、前記遊技機は、回胴式遊技機であることを特徴とする遊技機。
遊技機が回胴式遊技機であるため、回胴式遊技機において、解決手段Iの作用効果が得られる。回胴式遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄情報を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、始動レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、停止ボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えると共に、遊技媒体としてメダルが使用され、利益付与状態の発生時に多量のメダルが払い出されるように構成されたものである。
(解決手段III)
解決手段Iに記載の遊技機であって、前記遊技機は、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機であることを特徴とする遊技機。
遊技機がパチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機であるため、パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機において、解決手段Iの作用効果が得られる。パチンコ遊技機と回胴式遊技機とを融合させた融合遊技機の基本構成としては、複数の図柄情報からなる図柄情報列(例えば、複数の図柄を付した複数のリール列)を変動表示した後に、図柄情報の表示結果を停止表示する変動表示手段を備えると共に、始動用操作手段(例えば、始動レバー)の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、停止用操作手段(例えば、停止ボタン)の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止する。そして、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させる利益付与状態発生手段を備えると共に、遊技媒体として遊技球が使用され、利益付与状態の発生時に多量の遊技球が払い出されるように構成されたものである。
上記解決手段I〜IIIの遊技機においては、異常な振動として誤報知を防止することができる。
また、以上の実施形態には次のような技術的思想も含まれる。
「遊技球を転動させる球転動部材を遊技者から視認可能な遊技領域内に備えてなる遊技機であって、
前記球転動部材は、
少なくとも底壁部と周壁部とを有すると共に前記底壁部上を転がる遊技球に前記周壁部側に向かう遠心力が加わるように円環状又は弧状にカーブさせた球流路と、
該球流路に設けられていて前記底壁上を転がる遊技球の中心より下側に接触して該遊技球を前記周壁から若干離れた位置に誘導し得る球誘導部と、を設けてなる遊技機。」
かかる技術的思想によれば、ドツキゴトによる現実の被害を未然に防止し得る球転動部材を備えた遊技機を提供することができる。
なお、球誘導部を振動により遊技球の下により確実に潜り込ませるために、該球誘導部の形状は、遊技球の底壁部との接触点に向かって下傾する断面くさび形にするのがよい。
また、以上のことから実施形態には次のような技術的思想が含まれる。
「遊技媒体を用いて所定の遊技を行うと共に遊技領域内に演出用の表示装置を備えてなる遊技機であって、
前記表示装置(第3表示装置)は、
文字、図形、画像等を可変表示し得る表示部材と、
該表示部材を支持する表示フレームと、を有しており、
前記表示フレームは、
前記遊技領域内に変動可能に取り付けられたフレーム本体と、
該フレーム本体に変動可能に取り付けられた可動部と、を備えてなる遊技機。」
かかる遊技機は、表示装置の表示部材により画像等による演出を行いつつ、フレーム本体を遊技領域内で変動させることによって表示部材の位置或は姿勢を変化させ、さらにフレーム本体に対して可動部を動かすことで表示部材の演出を効果的に高めることができる。
以上本発明を実施の形態について説明したが、実施形態では、表示装置の一例である第3表示装置4818について、第1可動部4888と第2可動部4889を該第3表示装置4818の昇降装置4897で変動させるようにしたが、昇降装置4897とは別の駆動源を設けて第1可動部4888と第2可動部4889の動作を独立させるようにしてもよい。そうすることによってより複雑な演出が行える。
もちろん本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。ここで、スロットマシンについて図265を参照して説明する。図265はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図265に示すように、前面扉6002、本体部分6004を備えて構成されている。前面扉6002と本体部分6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉6002の右側端に設けた鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉6002を本体部分6004から開放することができるようになっている。
前面扉6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310Xに電気的に接続されている。主制御基板1310Xは、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310Xにより駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310Xからの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530を備えている。
主制御基板1310Xは、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310Xは、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310Xは、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310Xは、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。
なお、以上の記載には次のような技術的思想イが含まれている。
(技術的思想イ)
発射手段により発射された遊技球が遊技領域に設けられる受入口に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段を備える遊技機であって、遊技者にとって有利となる複数の設定情報のうちいずれか一つを選択して選択信号を第1伝送経路を介して前記遊技制御手段に出力することができる選択手段と、前記選択手段により選択される設定情報を決定して決定信号を前記第1伝送経路と異なる第2伝送経路を介して前記遊技制御手段に出力することができる決定手段と、を備え、前記第1伝送経路と前記第2伝送経路とは、相互に離間して配置される、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機では、発射手段により発射された遊技球が遊技領域に設けられる受入口に入球したことに基づいて遊技の進行を行うことができる遊技制御手段を備えている。
この遊技機は、選択手段、決定手段を備えている。選択手段は、遊技者にとって有利となる複数の設定情報のうちいずれか一つを選択して選択信号を第1伝送経路を介して遊技制御手段に出力することができるものである。決定手段は、選択手段により選択される設定情報を決定して決定信号を第1伝送経路と異なる第2伝送経路を介して遊技制御手段に出力することができるものである。第1伝送経路と第2伝送経路とは、相互に離間して配置されている。
このように、遊技者にとって有利となる複数の設定情報のうちいずれか一つが選択されて設定情報が決定されると、この決定された設定情報に基づく遊技が進行されることで、設定情報ごとの遊技を遊技者に提供することができる。したがって、遊技の幅を広げることができる。また、第1伝送経路と第2伝送経路とを相互に離間して配置することにより、不正な改変を防止することができる。
本実施形態では、例えば、図92の球発射装置540が発射手段に相当し、図131の第一始動口2002、第二始動口2004、図235の固定始動入賞口4813、電動始動入賞口4871が受入口に相当し、図151の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310a、図253の主制御基板1310Xに備える主制御MPU1310aが遊技制御手段に相当し、図1のパチンコ機1が遊技機に相当し、設定値1〜設定値6が複数の設定情報に相当し、設定切替ボタン1311bからの検出信号が選択信号に相当し、図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターン(図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターン)等が第1伝送経路に相当し、図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311b、図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定切替ボタン1311bが選択手段に相当し、設定キーK1による設定スイッチ1311aからの決定キーONの信号が決定信号に相当し、図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aからの信号が伝送される配線パターン(図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aからの信号が伝送される配線パターン)等が第2伝送経路に相当し、図144Aの主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311a、図256の主制御ユニット1300の設定変更基板1310Yに備える設定スイッチ1311aが決定手段に相当し、「設定スイッチ1311aへの配線パターンと設定切替ボタン1311bへの配線パターンとの引き回しとして設定変更基板1310Yにおいて相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1310YのコネクタSMCNの端子(主制御基板1310XのコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310Xにおいても、設定スイッチ1311aからの信号が伝送される配線パターンと設定切替ボタン1311bからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、RAMクリアスイッチ1310fからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。」という記載が「前記第1伝送経路と前記第2伝送経路とは、相互に離間して配置される」という点に相当する。
[遊技設定の上記以外の防犯構造]
上記実施形態のパチンコ機1では、遊技設定の防犯構造として、主制御部1310に設けられている変更操作手段を対象にしたが、それ以外にパチンコ機1の構造を使って遊技設定の防犯対策を行うようにしてもよい。以下にそのような防犯構造について説明する。
[遊技設定変更装置]
実施形態の遊技機(パチンコ機1)は、上記のように、施設(遊技ホール)内の遊技機設置部(島設備)に固定的に取り付けられる枠状の外枠2又は箱状の本体部分6004等である固定部(以下、外枠2で説明する。)と、前記外枠2の前面を覆うと共に片開き状に回動し得るように形成された扉枠3と、前記扉枠3の後側に位置すると共に該扉枠3及び前記外枠2に対して片開き状に回動し得るように形成された本体枠4と、を有すると共に、抽選による当り確率の遊技設定を所定の範囲内で変更し得る遊技設定変更装置を備えている。
この遊技設定変更装置は、前記した主制御部1310にて行われる当り外れを決定する抽選の当り確率を変更するものであり、専用の設定キーでON・OFFさせる設定キースイッチ131Xaと、押し込み或は回転等の操作で当り確率の設定値を変更させる設定切替部131Xbと、当り確率の設定値を表示する設定表示部131Xcと、パチンコ機1の電源ユニット620cの電源スイッチ630aと、からなる変更操作手段を備えている。なお、変更操作手段をどのような要素で構成するかは任意に設定可能であり、例えば構成要素から電源スイッチ630aを除外したり、或はパスワードを入力させる入力キーを構成要素に加えても良い。
[変更操作手段による設定値の変更方法]
次ぎに、上記遊技設定変更装置の変更操作手段による当り確率の設定値の変更方法について説明する。なお、変更操作手段を操作する前提として、扉枠3や本体枠4を回動させる解錠工程が必要であるが、そのような解錠工程を含めた変更操作手段の操作については後述する。
まず、設定キースイッチ131Xaに設定変更用の設定キーを差し込み、そのままの状態で電源スイッチ630aにより電源をOFFにする。
次ぎに設定キースイッチ131Xaの設定キーを回してOFFからONに切り替え、その状態で前記電源スイッチ630aにより電源を投入する。これにより主制御部1310が設定変更モードに切り替わり、設定表示部131Xcで当り確率の現在の設定値が7セグメント表示器やLEDの点灯等で可視表示される。なお、遊技設定の当り確率は、例えば「設定1=1/20.0」、「設定2=1/19.8」、「設定3=1/19.6」、「設定4=1/19.4」、「設定5=1/19.2」、「設定6=1/19.0」というように段階的に設定されている。
次ぎに設定表示部131Xcを見ながら設定切替部131Xbを操作して当り確率の設定値を変更し、変更予定の設定値になったところで設定キースイッチ131XaをOFFに戻して抜き取る。これにより当り確率の設定値が確定して設定表示部131Xcによる設定値の表示が消え、設定変更モードが終了して遊技が可能な状態になる。
また、現在の設定値を確認する場合は、電源投入状態のまま設定変更用の設定キーで設定キースイッチ131XaをONにすればよく、確認後、設定キースイッチ131XaをOFFにして設定キーを抜けば設定表示部131Xcによる設定値の表示が消える。
もちろん上記変更方法の手順は一例であって、変更操作手段の要素の組合せに応じて適宜変更してもよい。
[変更操作手段の具体例]
次ぎに、遊技設定変更装置の変更操作手段の具体例について、主として図234、図236、図266〜図269を参照して説明する。
[具体例1]
図234、図236に示した遊技設定変更装置の変更操作手段は、遊技盤5の遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に全てが設置されている。
すなわち具体例1の変更操作手段は、前記機能表示ユニット1400によって兼用される設定表示部131Xcと、遊技領域5aに沿って前記機能表示ユニット1400の近傍の斜め上方に配置した設定キースイッチ131Xaと、同じく設定キースイッチ131Xaの斜め上方に配置した電源スイッチ630aと、同じく電源スイッチ630aの斜め上方に配置した操作ロッド式の設定切替部131Xbと、からなる。
なお、遊技盤5は、本体枠4の前面に着脱自在に装着されているものであって、実質的に本体枠4の一部を構成するものである。したがって図234、図236に示した遊技設定変更装置は、設定値を変更する変更操作手段の全てが本体枠4の前側に設けられている。
また、電源スイッチ630aは、前記電源ユニット620cに設けられていたものを移設したものであり、電源をON・OFFする機能は変わらない。
この具体例1の変更操作手段によって遊技設定変更装置の設定値を変更する手順について説明する。
まず、パチンコ機1は、上記のように本体枠4に取付けられた施錠ユニット650により本体枠4と外枠2が施錠され、また、本体枠4と扉枠3が施錠されており、結局扉枠3は、本体枠4を介して外枠2に施錠されている。
したがって変更操作手段を操作する前に、扉枠3の正面からシリンダ錠130の鍵穴132に設定キーを差し込み、それを所定の方向(例えば正面視反時計回り)に回転させて扉枠3の施錠を解き、扉枠3のみを開方向に回動させた後、従業員は、開いた扉枠3を左側に見る状態で本体枠4(遊技盤5)の正面に立つ(解錠工程)。
そして、その状態で先に説明した手順により遊技設定変更装置の変更操作手段による設定値の変更を実行し、その後扉枠3を元に戻して施錠する。
なお、全ての具体例の遊技設定変更装置は、扉枠3に扉枠開放スイッチ4a(図269参照)を設けて扉枠3の開放を検知し、扉枠3が開放されて設定変更モードに切り替わった場合に、本体枠スピーカ622等から大音量で「設定変更中」の音声が流れると共に外部端子板558から設定変更中信号が発信されるようになっている。これにより遊技設定変更装置の設定変更操作が、周囲にいる者と管理者に明確に伝わるため、不正な設定変更が行われ難い。また、扉枠3の開き具合によって、本体枠スピーカ622から流れる設定変更中であることを知らせる音声を、例えば扉枠3の開きが小さいときは大音量で、一方、扉枠3の開きが外部から確認容易な角度(例えば開き角度80度以上)より大きいときは中音量以下で、というよう音量差を設けるようにしてもよい。そうすることにより、扉枠3の開きが小さいときは音声を中心として、一方、扉枠3の開きが大きいときは目視を中心としてそれぞれ不正を発見することができ、且つ、扉枠3を大きく開いて行う正規の設定変更作業に対しては、音によるストレスを軽減することができる。
上記した具体例1の遊技設定変更装置の変更操作手段は、遊技盤5の遊技領域5aの外側に対応する左上隅に設けたが、それ以外にも、図示しないが遊技領域5aの外側の右上隅、同じく左下隅、同じく右下隅に設けるようにしてもよい。また、図266(a)、(b)に示したように本体枠4の遊技盤5より下側に設けるようにしてもよい。
この場合、扉枠3を開いて球詰まり等のトラブルに対処している従業員の目を盗み、変更操作手段をこっそり操作しようとする悪意を持った者の不正行為に対して、変更操作手段の少なくとも一要素(好ましくは、設定値を直接入力する設定切替部131Xb)を遊技盤5の左上隅と右上隅の何れか一方に設けるか、或は複数要素を両者に分散して設ける(例えば設定キースイッチ131Xaを右上隅、設定切替部131Xbを左上隅)とよい。これらの位置に変更操作手段があれば、椅子に着座している状態の遊技者からは遠い上、手を上に伸ばす仕草が不自然で従業員に気付かれるリスクが高いため、不正行為を思い止まらせる心理的な圧力になり得るからである。このことから、椅子に着座している遊技者から最も遠くに位置し且つ作業する従業員によって視界が遮られて遊技者から見えにくいことから、遊技盤5の左上隅に変更操作手段の全部又は一部(好ましくは変換操作の要となる一部)を設けるのが最もよい。
逆に図266(a)、(b)に示したように変更操作手段を本体枠4の遊技盤5より下側に設ける場合は、低位置で遊技者に近いことから防犯上不利になるおそれがあるが、そのような防犯面の課題に対して、本体枠4に、開いた扉枠3を避けて斜め方向から見る視点からは陰になって見えにくい隠れ領域131Xdが形成される段部131Xeを設け、その隠れ領域131Xdに変更操作手段の全部又は一部を設けるようにしてもよい。図266(a)、(b)では前記の視点(例えば、球詰まり対応で開いた扉枠3の開放側(反ヒンジ側)から斜めに見る視点)から陰になる段部131Xeの隠面131Xfに、フラット又は図266(a)拡大図に示したようにさらに凹みを設けてLEDによる設定表示部131Xcが設けられており、止むを得ず営業時間中に扉枠3を開いても遊技者から設定値が殆ど見えないようになっている。もちろん、段部131Xeの隠面131Xfに変更操作手段の全てを設ければ防犯対策上最も有利であるが、変更操作手段の一部のみを段部131Xeの隠面131Xfに設けるだけでも、不正が行い難くなるため防犯対策として有効である。特に変更操作手段の設定表示部131Xcは、LEDを一列に並べるだけの小さな段部131Xeがあれば設置可能であるため、設置場所の確保が容易になる。
[具体例2]
具体例2の変更操作手段は、図267に示したように扉枠3の後側に設けられている。変更操作手段を構成する各要素は上記で説明したとおりであり、その説明を省略する。
変更操作手段を扉枠3の後側に設けた場合には、前記のようにトラブル対応で扉枠3を開いたとき、結果的に遊技者の手元近くに変更操作手段が位置するため、従業員の隙を突いて不正に操作されるおそれがあるが、具体例2では、扉枠3の後側に開閉自在なカバー体131Xgを設けて変更操作手段を覆うことにより、不正操作が簡単には行えないようになっている。
このカバー体131Xgは、片方にヒンジ部131Xhを設けて片開き状に回動し得るが、そのヒンジ部131Xhを扉枠3の自由端側に設けることにより、図267の想像線で示したように、開いた状態で衝立状になって変更操作手段が遊技者から隠れるようになっている。このようなカバー体131Xgは、前記具体例1にも適用し得るのであり、ヒンジ部を変更操作手段と遊技者の間に設けることにより、閉じた状態で変更操作手段を保護し得ることはもちろん、開いた状態で衝立状に立って変更操作手段を遊技者の視点から隠すことができる。
なお、具体例1、2では、合成樹脂製の扉枠3に熱した棒等で孔を開け、その孔から変更操作手段を不正操作されるおそれがあるため、図示しないが変更操作手段の前方に耐熱性と剛性に優れた防護板(例えば金属板)を設けるとよい。もちろん前記カバー体131Xgを耐熱性と剛性に優れた素材で形成することにより、開閉式の防護板としてもよい。
[具体例3]
具体例3の変更操作手段は、具体例1又は2の変更操作手段の一部を前記本体枠4の後側及び/又は閉じた状態の本体枠4より後側の外枠2に設けるようにしたものである。
例えば具体例3の変更操作手段は、図7に示されている本体枠4の後側に取り付けられた電源ユニット620cと一体の電源スイッチ630aを一つの要素に含み、他の要素を具体例1、2と同様に扉枠3の後側や本体枠4の前側に設けてなる。なお、変更操作手段の一要素である例えば電源スイッチ630aは、外枠2(固定部)の内側に設けてもよい。
この具体例3の変更操作手段によって遊技設定変更装置の設定値を変更する場合は、解錠工程として扉枠3の前から鍵をシリンダ錠130に差し込んで所定方向(例えば正面視時計回り)に回転させ、そうして本体枠4の外枠2に対する施錠を解いた後、シリンダ錠130に差し込んだ鍵を逆回しに回転させることにより扉枠3の本体枠4に対する施錠も解き、その状態で上記の要領で各変更操作手段を操作すればよい。なお、本体枠4にも扉枠3と同様に、本体枠4の開放を検知する本体枠開放スイッチ4b(図269参照)を設けて、扉枠3と本体枠4の双方が開放されて設定変更モードに切り替わった場合に、本体枠スピーカ622等から大音量で「設定変更中」の音声が流れると共に外部端子板558から設定変更中信号が発信されるようになっている。
以上のように具体例3の変更操作手段は、変更操作を実行するために扉枠3と本体枠4をそれぞれ解錠させる必要があるため、その分不正に時間が掛かる。不正に時間が掛かると発見されるリスクが高まるため、不正を企む者に攻略し難い機種と認識されて狙われにくくなり、もちろん不正に要する時間が長い分、摘発率も向上する。
[変更操作手段用の設定補助装置]
図268は、具体例1〜3の変更操作手段の何れにも対応可能な設定補助装置131Xiを示す斜視図である。
この設定補助装置131Xiは、携帯サイズの装置ケース131Xjに、少なくとも設定キースイッチ131Xaに合致する設定変更用の設定キー131Xkと、設定切替部131Xbを操作する補助設定操作部131Xlと、遊技設定変更装置の設定情報を取得して可視表示する補助設定可視表示部131Xmと、を備えてなる。
設定キースイッチ131Xaに合致する設定キー131Xkは、装置ケース131Xjの後側に突出しており、装置ケース131Xjの表側に突出する補助鍵レバー131Xnで時計回りにも反時計回りにも回転させ得る。
設定切替部131Xbを操作する補助設定操作部131Xlは、例えば装置ケース131Xjの後側に突出させた補助設定連結部131Xo(六角レンチ)と、その補助設定連結部131Xoを手動で作動(回転)させるための補助入力部131Xpと、からなる。この補助設定操作部131Xlに合わせてパチンコ機1側の遊技設定変更装置は、設定切替部131Xbが、補助設定連結部131Xoと同規格の六角レンチで回転させ得る構造になっている。なお、遊技設定変更装置の設定切替部131Xbと補助設定連結部131Xoを特別な規格の組み合わせに設定しておけば、補助設定連結部131Xoを用いないと設定切替部131Xbの変更操作が行えないため、防犯性能が向上する。
遊技設定変更装置の設定情報を取得して可視表示する補助設定可視表示部131Xmは、丸軸形の光センサ131Xqと、その光センサ131Xqで取得した光の信号を可視的な表示に変換して表示する補助設定表示手段131Xrと、からなる。遊技設定変更装置の設定表示部131Xcは、例えば前記光センサ131Xqが嵌まり得る丸穴形になっていて、その丸穴の奥に光の点滅等の非可視的な手段で設定値が一方的に送られており、その光の点滅を光センサ131Xqで取得して補助設定表示手段131Xrにより可視的な表示に変換するようになっている。したがって、遊技設定変更装置の設定値は、補助設定可視表示部131Xmを介してしか見ることができないため、設定補助装置131Xiを持たない者には設定値が判らないから防犯性能が向上する。
かかる設定補助装置131Xiによれば、上記の要領で変更操作手段の設定値を変更するとき、扉枠3を開く解錠工程の後、設定補助装置131Xiの設定キー131Xkを根元までしっかり差し込むと、長さの順に補助設定操作部131Xlの補助設定連結部131Xo(六角レンチ)が設定切替部131Xbに嵌り、補助設定可視表示部131Xmの光センサ131Xqが設定表示部131Xcの丸穴に嵌まる。なお、このように設定キー131Xkと補助設定連結部131Xoで案内されつつ光センサ131Xqが最後に収まるようにすれば、デリケートな光センサ131Xqの破損が防止できる。
次ぎに設定補助装置131Xiを上記のようにセットした状態で、変更操作手段の一要素である電源スイッチ630a(各電源スイッチ630aの位置は、具体例1〜3参照)の電源をOFFにし、補助鍵レバー131Xnで設定キー131Xkを回して設定キースイッチ131XaをONに切り替え、その状態で電源スイッチ630aをONにすると設定変更モードに切り替わる。そうすると、設定表示部131Xcの丸穴の奥で一方的な光の信号として発せられている設定情報が、光センサ131Xqで読み取られて補助設定表示手段131Xrで可視表示されるから、その補助設定表示手段131Xrで目視で確認しつつ補助入力部131Xpを手回しして設定値を変える。
そして、予定の設定値になったところで設定キースイッチ131XaをOFFに戻して設定補助装置131Xiをパチンコ機1から外し、扉枠3或は本体枠4を施錠すれば設定作業が完了する。
なお、図示した設定補助装置131Xiは、現在の設定値を表示する補助設定表示手段131Xrとは別に、変更予定の設定値を表示する予定表示部131Xsが設けられている。この変更予定の設定値は、パチンコ機1の個体番号と一緒に設定補助装置131Xiの内部データに予め入力されている。
一方、パチンコ機1の遊技設定変更装置の設定表示部131Xcは、現在の設定値と一緒に自己の個体番号も光の信号として発信しており、それを設定補助装置131Xiの光センサ131Xqで読み取ることで、対象となるパチンコ機1の変更予定の設定値が表示される。
したがって、設定変更をする者は、予定表示部131Xsに表示された変更予定の設定値と、現在の設定値を示す補助設定表示手段131Xrの表示が一致するまで補助設定操作部131Xlの補助入力部131Xpを回転させればよいため、設定作業が効率良く行え、しかも設定ミスが生じ難い。
さらに、この設定補助装置131Xiの補助入力部131Xpを図示しない電動手段で駆動させると共に、設定変更モードでは、少なくとも変更予定の設定値を示す予定表示部131Xsを非表示にして補助入力部131Xpを自動回転させ、設定変更が完了したことを例えば補助設定表示手段131Xrの一斉点灯で表示するようにすれば、設定作業をする者自身にも当り確率の設定値が判らないため、従業員から当り確率の高いパチンコ機1の情報が漏洩するおそれがない。
[具体例と技術的思想の関係について]
具体例1,2の遊技設定変更装置は、次のような技術的思想の実施形態に相当する。
「施設内の遊技機設置部に固定的に取り付けられる枠又は箱状の固定部と、
前記固定部の前面を覆うと共に片開き状に回動し得るように形成された扉枠と、
前記扉枠の後側に位置すると共に該扉枠及び前記固定部に対して片開き状に回動し得るように形成された本体枠と、を有する遊技機であって、
抽選による当り確率の遊技設定を所定の範囲内で変更し得る遊技設定変更装置を備えており、
前記遊技設定変更装置の設定値を変更する変更操作手段の全てを前記扉枠の後側及び/又は前記本体枠の前側に設けてなることを特徴とする遊技機。」
かかる遊技機によれば、遊技設定変更装置で当り確率の設定変更を行う際に、主として演出用の部品が設けられた扉枠を回動させればよいため、回動させる際の断線のリスクが小さく、また、扉枠を回動させても島設備の内部は本体枠で塞がれているため、工具類等の異物を落下させることによる球循環設備の損傷リスクが小さく、しかも従業員により遊技機の裏側に不正部品が仕込まれる不正リスクも小さい。また、扉枠を回動させてもアウト球・セーフ球のカウンタ設定がずれるおそれが殆どないため、カウンタ設定のずれによるデータ不良の発生リスクが殆どなく、また、扉枠は、球タンクを備えていない分軽いため、設定変更の肉体的負担を小さくすることができる、等の効果がある。
具体例3の遊技設定変更装置は、次のような技術的思想の実施形態に相当する。
[具体例3の技術的思想]
「施設内の遊技機設置部に固定的に取り付けられる枠又は箱状の固定部と、
前記固定部の前面を覆うと共に該固定部に対して片開き状に回動し得るように形成された扉枠と、
前記扉枠の後側に位置すると共に該扉枠及び前記固定部に対して片開き状に回動し得るように形成された本体枠と、を有する遊技機であって、
抽選による当り確率の遊技設定を所定の範囲内で変更し得る遊技設定変更装置を備えており、
前記遊技設定変更装置の設定値を変更する変更操作手段の一部を前記扉枠の後側及び/又は前記本体枠の前側に設けると共に、該変更操作手段の他の部分を前記本体枠の後側及び/又は閉じた状態の前記本体枠より後側の前記固定部に設けてなる遊技機。」
かかる遊技機によれば、変更操作を実行するために扉枠と本体枠をそれぞれ解錠させる必要があるため、その分不正に時間が掛かる。不正に時間が掛かると発見されるリスクが高まるため、不正を企む者に攻略し難い機種と認識されて狙われにくくなり、もちろん不正に要する時間が長い分、摘発率も向上する。
以上、パチンコ機1の構造を使った遊技設定の防犯構造について説明したが、上記以外にも、例えば、主制御部1310は、設定変更モードに切り替わることにより内部のRAMが自動的にクリアされるが、変更操作手段の近くに主制御部1310のRAMを手動でクリアするためのRAMクリアスイッチを設けて、当り確率の変更を含む遊技機のメンテナンスが、効率的に行えるようにしてもよい。
また、上記では、遊技設定変更装置で、抽選による当り確率の遊技設定を所定の範囲内で変更し得るようにしたが、既に説明したように特定の受入口(例えば固定始動入賞口4813)への入球確率(役物抽選)を変更し得るようにしてもよい。
具体的には、図257の管理番号No.20における第1振分けステッピングモータ4908の励磁時間(ms)を「設定1=324」、「設定2=320」、「設定3〜設定6=316」とし、図258の管理番号No.21における第2振分けステッピングモータ4909の励磁時間(ms)を「設定1〜設定3=428」、「設定4=420」、「設定5=416」、「設定6=412」のようにしてもよい。こうすることにより、第1電動振分け片4835と第2電動振分け片4840の遊技者に不利な方で停止している時間が変わるため、特定の受入口への入球確率が変わる。なお、設定1から設定3において変更の対象を第1電動振分け片4835とし、設定4から設定6において変更の対象を第2電動振分け片4840とし、そうして動きの変化が現れる場所を分散させることにより、設定変更による変化を遊技者に察知され難くすることができる。
また、上記では、遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機、前記融合機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。
1 …パチンコ機(遊技機)
3 …扉枠(開閉部)
5a …遊技領域
101a …扉窓(窓部)
420 …配置領域
426 …係止部
450 …扉枠トップユニット(前面装飾部)

Claims (2)

  1. 遊技媒体が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を具備する遊技機において、
    前記遊技盤よりも前方に設けられ、前記遊技領域を視認可能とするための窓部を有する開閉可能な開閉部と、
    前記開閉部の前側に位置し且つ前記窓部よりも前方に突出するように配置される前面装飾部と、
    所定の報知を行う報知手段と、
    前記報知手段による報知を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記前面装飾部は、前記開閉部に形成される配置領域に対して着脱自在であり、該配置領域に対して装着する際に工具を必要としない工具レスの係止部によって係止されるものであり、
    前記係止部は、所定の解除操作が行われることで外部から接触可能になるものであり、
    前記制御手段は、
    前記開閉部が閉鎖されており、且つ、前記配置領域から前記前面装飾部が離脱している場合には、前記報知手段により第1の報知を行う制御を実行可能であり、
    前記第1の報知が行われているときに前記開閉部が開放状態になった場合には、前記報知手段により前記第1の報知とは異なる第2の報知を行う制御を実行可能であり、
    さらに、
    工具レスの前記係止部は複数種類設けられ、
    該複数種類の前記係止部は、異なる係止態様によって異なる強度で前記前面装飾部を係止可能である
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技媒体が流下可能な遊技領域を有する遊技盤を具備する遊技機において、
    前記遊技盤よりも前方に設けられ、前記遊技領域を視認可能とするための窓部を有する開閉可能な開閉部と、
    前記開閉部の前側に位置し且つ前記窓部よりも前方に突出するように配置される前面装飾部と、
    所定の報知を行う報知手段と、
    前記報知手段による報知を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記前面装飾部は、前記開閉部に形成される配置領域に対して着脱自在であり、該配置領域に対して装着する際に工具を必要としない工具レスの係止部によって係止されるものであり、
    前記係止部は、所定の解除操作が行われることで外部から接触可能になるものであり、
    前記制御手段は、
    前記開閉部が閉鎖されており、且つ、前記配置領域から前記前面装飾部が離脱している場合には、前記報知手段により特定の報知を行う制御を実行可能であり、
    前記特定の報知が行われているときに前記開閉部が開放状態になった場合にも、前記特定の報知を行う制御を実行可能であり、
    さらに、
    工具レスの前記係止部は複数種類設けられ、
    該複数種類の前記係止部は、異なる係止態様によって異なる強度で前記前面装飾部を係止可能である
    ことを特徴とする遊技機。
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