(第1実施形態)
図1を参照して第1実施形態の建設機械の油圧システム1について説明する。
油圧システム1(油圧制御機構)は、建設機械に設けられ、例えばショベルに設けられる。油圧システム1が設けられる建設機械は、下部走行体と、下部走行体に旋回自在に取り付けられる上部旋回体と、上部旋回体に取り付けられるアタッチメントと、を備える(それぞれ図示なし)。例えば、アタッチメントは、上部旋回体に起伏自在に取り付けられるブームと、ブームに回転自在に取り付けられるアームと、アームに回転自在に取り付けられるバケットと、を備える。油圧システム1は、主に、作動油を貯留するタンク11と、ポンプ13と、モータ21と、アクチュエータ31と、モータ指令手段41と、アクチュエータ指令手段43と、方向制御弁50と、タンク管路79と、を備える。
ポンプ13は、タンク11中の作動油を吐出する。ポンプ13には、供給管路15がつながれる。供給管路15は、ポンプ13とモータ方向制御弁51(後述)とにつながれ、ポンプ13とアクチュエータ方向制御弁53(後述)とにつながれ、ポンプ13とアンロード弁55(後述)とにつながれる。
モータ21は、ポンプ13から作動油(圧油)が供給されることで駆動する。モータ21は、油圧式である(油圧モータである)。モータ21は、下部走行体に対して上部旋回体を旋回させる旋回モータである。モータ21は、下部走行体を走行させる走行モータでもよい。モータ21は、例えば草刈り機用のモータなどでもよい。モータ21の回転速度は、減速機RGにより減速される。モータ21への作動油の供給不足が生じると、キャビテーションが生じる場合がある。モータ21への作動油の供給不足は、モータ21の外部からモータ21が回転させられる場合などに生じる。例えば、モータ21が旋回モータの場合、作動油の供給不足は、次のように生じる。上部旋回体の減速時(例えば急減速時)、ポンプ13からモータ21への作動油の供給が減らされる。このとき、上部旋回体は、慣性により回り続けようとする。そのため、モータ21が、上部旋回体により回転させられる。このとき、モータ21への作動油の供給不足が生じ、キャビテーションが発生する場合がある。キャビテーションが発生すると、モータ21で音や振動が発生し、モータ21の寿命が短くなるおそれがある。なお、モータ21が旋回モータ以外の場合でも、キャビテーションの問題が生じ得る。
このモータ21とモータ方向制御弁51(後述)とに、第1モータ管路23aおよび第2モータ管路23bがつながれる。第1モータ管路23aと自吸管路65(後述)との間に、第1自吸弁25aが設けられる。上記「間」は、管路(油路、回路)における間である(以下の「間」について同様)。第2モータ管路23bと自吸管路65との間に、第2自吸弁25bが設けられる。
第1自吸弁25aは、自吸管路65(後述)から第1モータ管路23aに作動油を流すことが可能であり、第1モータ管路23aから自吸管路65には作動油を流さない。第2自吸弁25bは、自吸管路65から第2モータ管路23bに作動油を流すことが可能であり、第2モータ管路23bから自吸管路65には作動油を流さない。なお、モータ21、第1モータ管路23aの一部、第2モータ管路23bの一部、第1自吸弁25a、第2自吸弁25b、および自吸管路65(後述)の一部などにより、モータ装置Mが構成される。
アクチュエータ31は、ポンプ13から作動油が供給されることで駆動する。アクチュエータ31は、油圧式である(油圧アクチュエータである)。アクチュエータ31は、モータ21とは別に設けられる。アクチュエータ31は、例えば油圧シリンダであり、例えばモータ21とは別の油圧モータでもよい。例えば、アクチュエータ31は、上部旋回体に対してブームを起伏させるブームシリンダ、ブームに対してアームを回転させるアームシリンダ、または、アームに対してバケットを回転させるバケットシリンダなどである。モータ21が旋回用の場合は、アクチュエータ31は、例えば走行モータなどでもよい。アクチュエータ31が油圧シリンダの場合、アクチュエータ31は、ヘッド室31aと、ロッド室31bと、を備える。ヘッド室31aとアクチュエータ方向制御弁53(後述)とに、第1アクチュエータ管路33aがつながれる。ロッド室31bとアクチュエータ方向制御弁53とに、第2アクチュエータ管路33bがつながれる。
モータ指令手段41は、モータ指令41sを出力する。モータ指令41sは、モータ21の駆動を制御するための指令であり、モータ方向制御弁51を制御するための指令である。モータ指令手段41は、レバーの操作量に応じたモータ指令41sを出力する。モータ指令41sは、レバーの操作量に応じたパイロット圧力(油圧)である。モータ指令手段41は、リモートコントロール弁(リモコン弁)である(アクチュエータ指令手段43も同様)。なお、モータ指令41sは、レバーの操作量に応じた電気信号でもよい。この場合、電気信号のモータ指令41sが、パイロット圧力のモータ指令41sに変換されてもよい。
アクチュエータ指令手段43は、アクチュエータ指令43sを出力する。アクチュエータ指令43sは、アクチュエータ31の駆動を制御するための指令であり、アクチュエータ方向制御弁53を制御するための指令である。アクチュエータ指令手段43は、レバーの操作量に応じたアクチュエータ指令43sを出力する。アクチュエータ指令43sは、レバーの操作量に応じたパイロット圧力である。アクチュエータ指令43sは、レバーの操作量に応じた電気信号でもよい。この場合、電気信号のアクチュエータ指令43sが、パイロット圧力のアクチュエータ指令43sに変換されてもよい。
方向制御弁50(コントロールバルブ)は、ポンプ13から吐出された作動油を、モータ21およびアクチュエータ31に流し(供給し)、モータ21およびアクチュエータ31などから排出された作動油をタンク11に流す(戻す、排出する)。方向制御弁50は、モータ方向制御弁51と、アクチュエータ方向制御弁53と、アンロード弁55と、を備える。方向制御弁50は、リターン管路61と、背圧保持弁63と、自吸管路65(の一部)と、バイパス管路67と、開口制御弁71と、リターン合流管路73と、リターン合流チェック弁75と、を備える。
モータ方向制御弁51は、ポンプ13からモータ21への作動油の給排(供給および排出)を制御する。モータ方向制御弁51は、パイロット圧力のモータ指令41sに応じて作動する(油圧制御される)。モータ方向制御弁51は、開度および管路の連通方向を変えることで、モータ21の回転速度および回転方向を変える。モータ方向制御弁51は、モータ指令41sの値(指令値)が大きいほど、モータ21の回転速度が大きくなるように制御される。モータ方向制御弁51は、スプールが移動することで、開度および管路の連通方向を変えるスプール弁であり、いわばモータスプール(例えば旋回スプール)である。
アクチュエータ方向制御弁53は、ポンプ13からアクチュエータ31への作動油の給排を制御する。アクチュエータ方向制御弁53は、パイロット圧力のアクチュエータ指令43sに応じて作動する。アクチュエータ方向制御弁53は、開度および管路の連通方向を変えることで、アクチュエータ31の作動速度および作動方向を変える。アクチュエータ方向制御弁53は、アクチュエータ指令43sの値が大きいほど、アクチュエータ31の作動速度が大きくなるように制御される。アクチュエータ方向制御弁53は、スプールが移動することで、開度および管路の連通方向を変えるスプール弁であり、いわばアクチュエータスプールである。
アンロード弁55は、ポンプ13とリターン管路61とを連通可能に構成される。アンロード弁55は、ポンプ13から吐出された作動油を、モータ21にもアクチュエータ31にも供給することなく、リターン管路61に流すための弁である。アンロード弁55は、アンロード弁55に入力されるアンロード弁指令55sに応じて、開度を変える。アンロード弁55の開度は、アンロード弁指令55sの値が大きいほど、大きくなる(開く)。アンロード弁指令55sは、例えばパイロット圧である。アンロード弁55は、スプールが移動することで開度を変えるスプール弁であり、いわばアンロードスプールである。
リターン管路61は、作動油をタンク11に流す(戻す)ための管路である。リターン管路61は、モータ方向制御弁51とタンク11とにつながれる。リターン管路61は、モータ21から排出された作動油であってモータ方向制御弁51を通った作動油を、タンク11に流すための管路である。リターン管路61は、アンロード弁55とタンク11とにつながれ、アンロード弁55からタンク11に作動油を流すための管路である。
背圧保持弁63は、リターン管路61に所定の圧力(背圧)を発生させる。上記「所定の圧力」は、背圧保持弁63に予め設定される。背圧保持弁63は、モータ方向制御弁51とタンク11との間に設けられ、アクチュエータ方向制御弁53とタンク11との間に設けられ、アンロード弁55とタンク11との間に設けられる。
自吸管路65は、リターン管路61とモータ21とにつながれ、リターン管路61からモータ21に作動油を供給するための管路(メイクアップ管路)である。自吸管路65は、リターン管路61のうち背圧保持弁63よりも上流側(タンク11とは反対側)につながれる。自吸管路65は、第1自吸弁25aおよび第1モータ管路23aを介して、モータ21につながれる。自吸管路65は、第2自吸弁25bおよび第2モータ管路23bを介して、モータ21につながれる。
バイパス管路67は、アクチュエータ方向制御弁53とタンク11とにつながれる。バイパス管路67は、アクチュエータ31から排出された作動油であって、アクチュエータ方向制御弁53を通った作動油を、タンク11に流すための管路である。
開口制御弁71は、アクチュエータ31から排出された作動油が通る管路での圧力損失を抑制するための弁である。開口制御弁71は、バイパス管路67に設けられ、アクチュエータ方向制御弁53とタンク11との間に設けられる。開口制御弁71は、アクチュエータ31から排出された作動油であって、アクチュエータ方向制御弁53を通った作動油を、タンク11に流すことが可能である。開口制御弁71は、開口制御弁71に入力されるパイロット圧力に応じて、開度を変える。開口制御弁71は、モータ指令手段41が出力したモータ指令41s(パイロット圧力)に応じて作動する(後述)。開口制御弁71の開度の状態には、開状態と閉状態とがある(後述)。
リターン合流管路73は、開口制御弁71とアクチュエータ方向制御弁53との間のバイパス管路67につながれ、リターン管路61につながれる。リターン合流管路73は、開口制御弁71とアクチュエータ方向制御弁53との間のバイパス管路67の作動油を、リターン管路61に流す(合流させる)。リターン合流管路73は、アクチュエータ31から排出された作動油であって、アクチュエータ方向制御弁53を通った作動油を、リターン管路61に流す。
リターン合流チェック弁75は、開口制御弁71が開状態のときに、リターン管路61から(例えばアンロード弁55から)自吸管路65に作動油を供給できるようにするための弁である。リターン合流チェック弁75が設けられなければ、開口制御弁71が開状態のときに、リターン管路61の作動油が、開口制御弁71を介してタンク11側に流れる。そのため、リターン管路61から自吸管路65に作動油を供給できない。リターン合流チェック弁75は、リターン合流管路73に設けられる。リターン合流チェック弁75は、バイパス管路67から(アクチュエータ方向制御弁53から)リターン管路61に作動油を流すことが可能であり、リターン管路61からバイパス管路67(開口制御弁71)には作動油を流さない。
タンク管路79は、方向制御弁50とタンク11とにつながれ、方向制御弁50からタンク11に作動油を流すための管路である。
(作動)
油圧システム1は、次のように作動する。開口制御弁71は、予め定められた特定状態に該当する場合に、閉状態とされる。開口制御弁71の「閉状態」は、例えば全閉状態であり、例えばわずかな作動油の漏れが生じる状態でもよい。
特定状態には、モータ21への作動油の供給不足が発生し得る状態(例えばモータ21の減速時など)が含まれる。特定状態には、モータ21でのキャビテーションが発生し得る状態が含まれる。特定状態には、モータ21への作動油の供給不足が発生し得ない状態(例えばモータ21の加速時など)が含まれてもよい。特定状態には、モータ21でのキャビテーションが発生し得ない状態が含まれてもよい。
特定状態に該当し、開口制御弁71が閉状態とされる場合の例は、下記の例A1〜例A3の通りである。
[例A1]モータ21の作動時に、開口制御弁71は、閉状態とされる。上記「モータ21の作動時」は、モータ21の減速時、加速時、および定速での駆動時である。
[例A2]モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態の場合に、開口制御弁71は、閉状態とされる。
[例A3]モータ方向制御弁51に入力されるパイロット圧力が、モータ21を駆動させる指令の場合に、開口制御弁71は、閉状態とされる。このとき、モータ指令手段41が出力したパイロット圧力は、モータ方向制御弁51および開口制御弁71に入力される。
開口制御弁71が閉状態になり、アクチュエータ31が作動したときの油圧システム1の作動は次の通りである。このとき、アクチュエータ31から排出された作動油は、アクチュエータ方向制御弁53を介して、バイパス管路67側に流れる。バイパス管路67の作動油は、リターン合流管路73およびリターン管路61を介して、自吸管路65側に流れる。ここで、第1モータ管路23aからモータ21に作動油が供給され、モータ21から第2モータ管路23bに作動油が排出される場合について説明する。この場合、自吸管路65の作動油は、第1自吸弁25aを介して第1モータ管路23aに供給される。そして、第1モータ管路23aの作動油が、モータ21に供給される。よって、モータ21でのキャビテーションが抑制される。
開口制御弁71は、特定状態に該当しない場合に、開状態とされる。開状態は、閉状態よりも開口制御弁71が開かれた状態であり、例えば全開状態であり、例えば略全開状態でもよい。
特定状態に該当せず、開口制御弁71が開状態とされる場合の例は、下記の例B1〜例B3の通りである。
[例B1]モータ21の非作動時(停止時)に、開口制御弁71は、開状態とされる。
[例B2]モータ方向制御弁51が、モータ21を駆動させる状態ではない場合(中立状態の場合)に、開口制御弁71は、開状態とされる。
[例B3]モータ方向制御弁51に入力されるパイロット圧力が、モータ21を駆動させる指令ではない場合(モータ方向制御弁51を中立状態とする指令の場合)に、開口制御弁71は、開状態とされる。
開口制御弁71が開状態になり、アクチュエータ31が作動したときの油圧システム1の作動は次の通りである。このとき、アクチュエータ31から排出された作動油は、アクチュエータ方向制御弁53を介して、バイパス管路67側に流れる。バイパス管路67の作動油は、開口制御弁71を通ってタンク11側に流れる。その結果、バイパス管路67の圧力を、背圧保持弁63の設定圧よりも低い圧力(タンク11の圧力)にできる。よって、アクチュエータ31から排出された作動油が通る管路での圧力損失を抑制できる。よって、建設機械を作動させるためのエネルギーの消費を抑制できる。
(第1の発明の効果)
図1に示す油圧システム1による効果は次の通りである。油圧システム1は、作動油を貯留するタンク11と、作動油を吐出するポンプ13と、モータ21と、アクチュエータ31と、モータ方向制御弁51と、アクチュエータ方向制御弁53と、リターン管路61と、背圧保持弁63と、自吸管路65と、を備える。モータ21は、ポンプ13から作動油が供給されることで駆動する。アクチュエータ31は、ポンプ13から作動油が供給されることで駆動し、モータ21とは別に設けられる。モータ方向制御弁51は、ポンプ13からモータ21への作動油の給排を制御する。アクチュエータ方向制御弁53は、ポンプ13からアクチュエータ31への作動油の給排を制御する。リターン管路61は、モータ21から排出されモータ方向制御弁51を通った作動油をタンク11に流す。背圧保持弁63は、リターン管路61に所定の圧力を発生させる。自吸管路65は、リターン管路61からモータ21に作動油を供給する。また、油圧システム1は、バイパス管路67と、開口制御弁71と、リターン合流管路73と、を備える。
[構成1−1]バイパス管路67は、アクチュエータ31から排出されアクチュエータ方向制御弁53を通った作動油をタンク11に流す。
[構成1−2]開口制御弁71は、バイパス管路67に設けられ、アクチュエータ方向制御弁53とタンク11との間に設けられる。
[構成1−3]リターン合流管路73は、開口制御弁71とアクチュエータ方向制御弁53との間のバイパス管路67の作動油を、リターン管路61に流す。
[構成1−4]開口制御弁71は、予め定められた特定状態に該当する場合に、閉状態とされる。
[構成1−5]開口制御弁71は、特定状態に該当しない場合に、開状態とされる。
[構成1−6]特定状態には、モータ21でのキャビテーションが発生し得る状態が含まれる。
油圧システム1では、特定状態(上記[構成1−6]参照)に該当する場合に、開口制御弁71が閉状態とされる(上記[構成1−4])。また、油圧システム1は、上記[構成1−3]のリターン合流管路73を備える。よって、特定状態に該当する場合、アクチュエータ31から排出された作動油は、アクチュエータ方向制御弁53、バイパス管路67、リターン合流管路73、およびリターン管路61を介して、自吸管路65側に流れる。そして、作動油は、自吸管路65からモータ21に供給される。よって、モータ21でのキャビテーションが抑制される(キャビテーション抑制の効果)。
油圧システム1では、特定状態に該当しない場合に、開口制御弁71が開状態とされる(上記[構成1−5])。また、油圧システム1は、上記[構成1−1]のバイパス管路67を備える。よって、特定状態に該当しない場合、アクチュエータ31から排出された作動油は、アクチュエータ方向制御弁53、およびバイパス管路67を介して、タンク11側に流れる。よって、アクチュエータ31から排出された作動油が通る管路での圧力を小さくでき、例えば背圧保持弁63で設定された圧力よりも小さくできる。よって、この作動油が通る管路での圧力損失を抑制できる(圧力損失抑制の効果)。
油圧システム1は、上記[構成1−2]を備える。よって、アクチュエータ31の作動方向ごとに開口制御弁71を設けなくても、キャビテーション抑制の効果および圧力損失抑制の効果を得ることができる。よって、開口制御弁71(キャビテーション抑制の効果および圧力損失抑制の効果を得るための弁)にかかるコストを抑制できる。
また、上記[構成1−2]により、次の効果が得られる。アクチュエータ31の作動速度を制御する際、アクチュエータ方向制御弁53で制御(メータアウト制御)すればよく、開口制御弁71で制御する必要がない。ここで、この作動速度の制御が1つの弁で行われる場合に比べ、作動速度の制御が2つの弁で行われる場合は、2つの弁の特性(指令と開度との関係など)のバラつきの影響が問題となるおそれがある。一方、本実施形態では、1つの弁(アクチュエータ方向制御弁53)でアクチュエータ31の作動速度を制御できるので、上記のバラつきの影響を抑制できる。
また、上記[構成1−2]などにより、次の効果が得られてもよい。アクチュエータ31が複数設けられる場合、各アクチュエータ方向制御弁53につながれる各バイパス管路67を合流させる。そして、この合流位置とタンク11との間に、1つの開口制御弁71を設ける。これにより、アクチュエータ31が複数設けられる場合であっても、アクチュエータ31ごとに開口制御弁71を設けなくても、キャビテーション抑制の効果および圧力損失抑制の効果を得ることができる。
(第2の発明の効果)
[構成2−1]開口制御弁71は、モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態の場合に、閉状態とされる。
[構成2−2]開口制御弁71は、モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態ではない場合に、開状態とされる。
モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態の場合、モータ21でキャビテーションが生じる場合がある。そこで、上記[構成2−1]では、モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態の場合に、開口制御弁71が閉状態とされる。よって、この場合に、上記のキャビテーション抑制の効果が得られる。
モータ方向制御弁51が、モータ21を駆動させる状態ではない場合、モータ21が作動しないので、通常、モータ21でキャビテーションが生じない。そこで、上記[構成2−2]では、モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態ではない場合に、開口制御弁71が開状態とされる。よって、この場合に、圧力損失抑制の効果が得られる。
上記[構成2−1]および[構成2−2]では、開口制御弁71を制御する指令を、モータ方向制御弁51を制御する指令に連動させることができる。よって、これらの指令を連動させない場合に比べ、開口制御弁71を制御する指令を容易に行える。
(第3の発明の効果)
油圧システム1は、モータ方向制御弁51にパイロット圧力を出力するモータ指令手段41を備える。
[構成3]モータ指令手段41が出力したパイロット圧力は、開口制御弁71に入力される。開口制御弁71は、モータ指令手段41が出力したパイロット圧力がモータ21を駆動させる指令の場合に、閉状態とされる。開口制御弁71は、モータ指令手段41が出力したパイロット圧力がモータ21を駆動させる指令ではない場合に、開状態とされる。
上記[構成3]により、モータ方向制御弁51を制御するためのパイロット圧力を利用して、開口制御弁71を制御できる。よって、開口制御弁71を制御する指令と、モータ方向制御弁51を制御する指令と、を連動させるための構成を、簡易な構成にできる。具体的には例えば、モータ方向制御弁51が出力した指令をセンサなどで検出し、センサの検出値に基づいて開口制御弁71を制御する、といった構成を用いる必要がない。
(第2実施形態)
図2〜図5を参照して、第2実施形態の油圧システム201について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第2実施形態の油圧システム201のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付し、説明を省略した。主な相違点は次の通りである。第1実施形態では、図1に示す開口制御弁71は、モータ方向制御弁51を制御するためのパイロット圧力により制御された。一方、第2実施形態では、図2に示す開口制御弁71は、センサの検出値などに基づいて制御される。油圧システム201は、モータ速度検出手段281と、モータ指令検出手段282と、アクチュエータ指令検出手段283と、アンロード弁用電磁弁285と、開口制御弁用電磁弁286と、コントローラ290と、を備える。
モータ速度検出手段281は、モータ21の回転速度(駆動速度)を検出する。モータ速度検出手段281は、モータ21を駆動させるための指令を検出するのではなく、モータ21の実際の回転速度を直接的または間接的に検出する。モータ速度検出手段281は、減速機RGで減速された後のモータ21の回転速度を検出してもよく、減速機RGで減速される前のモータ21の回転速度を検出してもよい。モータ21が旋回モータの場合、モータ速度検出手段281は、下部走行体に対する上部旋回体の旋回速度を検出してもよい。モータ速度検出手段281は、例えばジャイロセンサ(角度センサ)などである。
モータ指令検出手段282は、モータ指令41sを検出する。モータ指令検出手段282は、モータ指令手段41から出力されるパイロット圧力を検出する、圧力センサである。モータ指令検出手段282は、モータ指令手段41のレバーの角度などを検出してもよい。モータ指令手段41が電気信号のモータ指令41sを出力する場合、モータ指令検出手段282は、この電気信号を検出してもよい。
アクチュエータ指令検出手段283は、アクチュエータ指令43sを検出する。アクチュエータ指令検出手段283は、アクチュエータ指令手段43から出力されるパイロット圧力を検出する、圧力センサである。アクチュエータ指令検出手段283は、アクチュエータ指令手段43のレバーの角度などを検出してもよい。アクチュエータ指令手段43が電気信号のアクチュエータ指令43sを出力する場合、アクチュエータ指令検出手段283は、この電気信号を検出してもよい。
アンロード弁用電磁弁285は、アンロード弁指令55sを、電気信号からパイロット油圧に変換する。
開口制御弁用電磁弁286は、開口制御弁71の開度を制御するための指令を、電気信号からパイロット油圧に変換する。
コントローラ290は、各種電気信号の入出力、および、判定などの演算を行う。コントローラ290には、モータ速度検出手段281の検出値(検出結果)、モータ指令検出手段282の検出値、アクチュエータ指令検出手段283の検出値が入力される。コントローラ290は、開口制御弁71の開度を制御する。コントローラ290は、開口制御弁71の開度を制御するための指令を、開口制御弁用電磁弁286を介して開口制御弁71に出力する。コントローラ290は、アンロード弁指令55sを出力し、アンロード弁55の開度を制御する。コントローラ290は、モータ指令41sおよびアクチュエータ指令43sの値が大きい程、アンロード弁55弁の開度を小さくする。コントローラ290は、モータ指令41sおよびアクチュエータ指令43sの値に基づいてアンロード弁指令55sの値を算出する。コントローラ290は、特定状態に該当するか否かを、電気信号に基づいて判定する。
(作動)
油圧システム201の作動の概要は次の通りである。第1実施形態では、図1に示すモータ21が作動する場合に開口制御弁71が閉じられた。そのため、モータ21の加速時および定速での駆動時のように、モータ21でキャビテーションが生じる可能性が低いと想定される場合でも、開口制御弁71が閉じられた。一方、本実施形態では、モータ21でキャビテーションが生じる可能性が低いと想定される場合には、開口制御弁71が開かれる。以下では、油圧システム201を構成する機器および管路については図2を参照し、以下の各ステップについて図3を参照して説明する。なお、以下の各ステップの順序は適宜変更されてもよい。
(S11〜S13)建設機械のキーがオンにされる(ステップS11)。このキーは、ポンプ13の駆動源であるエンジンの、停止状態(オフ)と駆動状態(オン)とを切り換えるものである。次に、開口制御弁71が開状態とされる(ステップS12)。また、建設機械がアイドリング状態になる。アイドリング状態では、モータ21が作動せず、アクチュエータ31が作動しない。次に、実働作業が開始される(ステップS13)。実働作業中には、モータ指令手段41およびアクチュエータ指令手段43の操作に応じて、モータ21およびアクチュエータ31が作動する。次に、ステップS21に進む。
ステップS21では、モータ速度検出手段281が、モータ21の回転速度を検出する。ステップS22では、モータ指令検出手段282が、モータ指令41sを検出する。
ステップS23では、コントローラ290は、モータ21の回転速度、およびモータ指令41sに基づいて、モータ21が制動状態であるか否かを判定する。コントローラ290は、モータ21の回転速度の判定と、モータ指令41sの判定と、を行う。
モータ21の回転速度の判定は、次のように行われる。コントローラ290は、モータ21が、停止しているか否かを判定する。具体的には、コントローラ290は、モータ21の回転速度が、第1閾値T1(図4参照)以上か否かを判定する。第1閾値T1は、コントローラ290に予め設定される(他の閾値も同様)。例えば、第1閾値T1は、ほぼ0に設定され、0よりも大きい値に設定される。なお、第1閾値T1は、上記のように設定されなくてもよく、様々に設定可能である(他の閾値も同様)。
モータ指令41sの判定は、次のように行われる。コントローラ290は、モータ指令41sが、モータ21を駆動させる指令か否かを判定する。コントローラ290は、モータ指令41sが、第2閾値T2(図4参照)以下か否かを判定する。第2閾値T2は、例えば次のように設定される。第2閾値T2は、モータ21の停止と駆動とが切り替わるときのモータ指令41sの値(またはその近傍の値)に設定され、モータ方向制御弁51の中立状態と非中立状態とが切り換わるときのモータ指令41sの値(またはその近傍の値)に設定される。
コントローラ290は、モータ21の回転速度が第1閾値T1以上、かつ、モータ指令41sが第2閾値T2以下の場合に、モータ21が制動状態である、と判定する。モータ21が制動状態の場合(S23でYESの場合)、ステップS31に進む。コントローラ290は、モータ21の回転速度が第1閾値T1未満、または、モータ指令41sが第2閾値T2を超える場合、モータ21が制動状態ではない、と判定する。この場合(S23でNOの場合)、例えばステップS21に戻る。
ステップS31では、アンロード弁55の開度(開閉状態)が、取得または検出される。アンロード弁55の開度はコントローラ290に制御されるので、コントローラ290が、アンロード弁55の開度を取得(利用)できる。例えば、コントローラ290は、アンロード弁指令55sの値を取得する。なお、アンロード弁55の開度を検出するための手段であって、コントローラ290とは別の手段が設けられてもよい。例えば、アンロード弁55の開度を検出するための手段は、パイロット圧力のアンロード弁指令55sを検出する圧力センサなどでもよい。
ステップS32では、アクチュエータ指令検出手段283が、アクチュエータ指令43sを検出する。アクチュエータ31が複数設けられる場合、コントローラ290は、各アクチュエータ31へのアクチュエータ指令43sの、例えば合計値を算出する。以下ではこの合計値を、アクチュエータ指令43sという。
ステップS33では、コントローラ290が、次の[判定A]および[判定B]のうち、いずれかの判定を行う。コントローラ290は、[判定A]および[判定B]の、両方の判定を行ってもよい。なお、[判定A]のみが行われる場合は、ステップS32は不要である。[判定B]のみが行われる場合は、ステップS31は不要である。
[判定A]コントローラ290は、ステップS31で検出されたアンロード弁55の開度に関する判定を行う。具体的には、コントローラ290は、アンロード弁指令55sが、第3閾値T3(図5参照)以下か否かを判定する。第3閾値T3は、例えば次のように設定される。アンロード弁55を全閉の状態から開いていくと、アンロード弁指令55sの値がある値のときに、アンロード弁55から自吸管路65を介してモータ21に作動油が供給されるようになる。このときのアンロード弁指令55sの値(またはその近傍の値)が、第3閾値T3として設定される。コントローラ290は、アンロード弁指令55sが第3閾値T3以下の場合、キャビテーション発生状態である、と判定する。この場合(S33でYESの場合)、ステップS41に進む。コントローラ290は、アンロード弁指令55sが第3閾値T3を超える場合、キャビテーション発生状態ではない、と判定する。この場合(S33でNOの場合)、例えばステップS31に戻る(ステップS21に戻ってもよい)。
[判定B]コントローラ290は、ステップS32で検出されたアクチュエータ指令43sに関する判定を行う。具体的には、コントローラ290は、アクチュエータ指令43sが、第4閾値T4(図5参照)以上か否かを判定する。第4閾値T4は、例えば次のように設定される。アンロード弁55が全閉の状態から、アクチュエータ指令43sを小さくしていくと、アンロード弁55が開いていく。そして、アクチュエータ指令43sがある値のときに、アンロード弁55から自吸管路65を介してモータ21に作動油が供給されるようになる。このときのアクチュエータ指令43sの値(またはその近傍の値)が、第4閾値T4として設定される。コントローラ290は、アクチュエータ指令43sが第4閾値T4以上の場合、キャビテーション発生状態である、と判定する。この場合(S33でYESの場合)、ステップS41に進む。コントローラ290は、アクチュエータ指令43sが第4閾値T4未満の場合、キャビテーション発生状態ではない、と判定する。この場合(S33でNOの場合)、例えばステップS31に戻る(ステップS21に戻ってもよい)。
ステップS41では、コントローラ290は、開口制御弁71を閉状態とする。ステップS42では、コントローラ290は、キャビテーション発生状態が継続中であるか否かを判定する。具体的には、コントローラ290は、ステップS23およびステップS33と同様の判定を行う。コントローラ290は、キャビテーション発生状態が継続中の場合(S42でYESの場合)、開口制御弁71を閉状態のままとする(ステップS41に戻る)。コントローラ290は、キャビテーション発生状態が継続していない場合(S42でNOの場合)、開口制御弁71を開状態とし(ステップS43)、ステップS21に戻る。
本実施形態では、コントローラ290は、ステップS23でYES、かつ、ステップS33でYESの場合に、「特定状態に該当する」と判定し、開口制御弁71を閉状態にする。コントローラ290は、ステップS23およびステップS33の少なくともいずれかでNOの場合に、「特定状態に該当しない」と判定し、開口制御弁71を開状態にする。
(第4の発明の効果)
図2に示す本実施形態の油圧システム201による効果は次の通りである。
[構成4]油圧システム201は、コントローラ290を備える。コントローラ290は、特定状態に該当するか否かを電気信号に基づいて判定し、開口制御弁71の開度を制御する。
上記[構成4]では、特定状態に該当するか否かが電気信号に基づいて判定される。よって、電気信号に基づく判定が行われない場合に比べ、特定状態に該当するか否かの判定を、キャビテーション発生のリスクに応じて行いやすい。その結果、キャビテーションが発生しやすい状態(リスクが高い場合)のときに開口制御弁71を閉状態にしやすく、キャビテーションが発生しにくい状態のときに開口制御弁71を開状態にしやすい。
(第5の発明の効果)
油圧システム201は、モータ21の回転速度を検出するモータ速度検出手段281と、モータ21の駆動を制御するための指令(モータ指令41s)を出力するモータ指令手段41と、を備える。
[構成5]コントローラ290は、モータ速度検出手段281に検出されたモータ21の回転速度、および、モータ指令手段41が出力した指令(モータ指令41s)に基づいて、特定状態に該当するか否かを判定する。
モータ21の回転速度およびモータ指令41sの状態によって(例えばモータ21が制動状態か否かなどによって)、モータ21でのキャビテーション発生のリスクが変わる。そこで、油圧システム201は、上記[構成5]を備える。よって、特定状態に該当するか否かの判定を、キャビテーション発生のリスクに応じて行いやすい。
(第6の発明の効果)
油圧システム201は、アクチュエータ31の駆動を制御するための指令(アクチュエータ指令43s)を出力するアクチュエータ指令手段43を備える。
[構成6]コントローラ290は、アクチュエータ指令手段43が出力した指令(アクチュエータ指令43s)に基づいて、特定状態に該当するか否かを判定する。
アクチュエータ指令43sに応じて、ポンプ13からアクチュエータ31に作動油が供給される結果、モータ21への作動油の供給が不足する場合がある。このように、アクチュエータ指令43sに応じて、モータ21でのキャビテーション発生のリスクが変わる。そこで、油圧システム201は、上記[構成6]を備える。よって、特定状態に該当するか否かの判定を、キャビテーション発生のリスクに応じて行いやすい。
(第7の発明の効果)
油圧システム201は、ポンプ13とリターン管路61とを連通可能なアンロード弁55を備える。コントローラ290は、モータ21およびアクチュエータ31を駆動させる指令に応じてアンロード弁55の開度を指令する。
[構成7]コントローラ290は、アンロード弁55の開度に基づいて特定状態に該当するか否かを判定する。
アンロード弁55の開度が小さくなると、アンロード弁55からモータ21に供給される作動油が少なくなり、モータ21への作動油の供給が不足する場合がある。このように、アンロード弁55の開度に応じて、モータ21でのキャビテーション発生のリスクが変わる。そこで、油圧システム201は、上記[構成7]を備える。よって、特定状態に該当するか否かの判定を、キャビテーション発生のリスクに応じて行いやすい。
(変形例)
図6に変形例の油圧システム301を示す。図2に示す例では、方向制御弁50に2本のタンク管路79がつながれる。一方、図6に示す例では、方向制御弁50に1本のタンク管路79がつながれる。この場合、方向制御弁50の内部に、内部合流管路377が設けられてもよい。内部合流管路377は、背圧保持弁63よりも下流側のリターン管路61と、開口制御弁71よりも下流側のバイパス管路67と、を合流させる。
上記実施形態において方向制御弁50に含まれる物が、方向制御弁50の外部に設けられてもよい。例えば、開口制御弁71は、方向制御弁50の外部に設けられてもよい。
図2に示す例では、アンロード弁55および開口制御弁71は、パイロット圧力により制御された。一方、図6に示すように、アンロード弁55および開口制御弁71の少なくとも一方は、電気信号により制御される電磁弁でもよい。
(他の変形例)
各実施形態の構成は変更されてもよい。例えば、図2などに示す機器および管路の接続は変更されてもよい。図3に示すフローチャートの各ステップの順序は変更されてもよい。機器、管路、および、フローチャートのステップなどの一部が省略されてもよい。検出は、直接でも間接でもよい。
第2実施形態では、コントローラ290は、図3に示すステップS23でYES、かつ、ステップS33でYESの場合に、特定状態に該当する(キャビテーション発生状態である)、と判定した。一方、特定状態に該当するか否かを判定するための条件、すなわち、図2に示す開口制御弁71を開状態にするか閉状態にするかを決定するための条件は、様々に設定可能である。特定状態の変形例は以下の通りである。
[特定状態の変形例1]コントローラ290は、ステップS33の判定を行わなくてもよい。例えば、コントローラ290は、ステップS23でYESの場合(モータ21が制動状態の場合)に、特定状態に該当すると判定し、開口制御弁71を閉状態にしてもよい(S41)。コントローラ290は、ステップS23でNOの場合に、特定状態に該当しないと判定し、開口制御弁71を開状態にしてもよい(ステップS12、S43)。
[特定状態の変形例2]コントローラ290は、ステップS23の判定を行わなくてもよい。コントローラ290は、ステップS33でYESの場合に、特定状態に該当すると判定し、開口制御弁71を閉状態にしてもよい(S41)。コントローラ290は、ステップS33でNOの場合に、特定状態に該当しないと判定し、開口制御弁71を開状態にしてもよい(ステップS12、S43)。
[特定状態の変形例3]上記実施形態では、モータ21が制動状態であるか否かの判定(ステップS23)は、モータ21の回転速度およびモータ指令41sに基づいて行われた。一方、ステップS23の判定は、モータ21の回転速度のみに基づいて行われてもよい。例えば、コントローラ290は、モータ21の回転速度が時間の経過とともに減少している場合に「制動状態である」と判定し、それ以外の場合に「制動状態ではない」と判定してもよい。
[特定状態の変形例4]モータ21が制動状態か否かの判定(ステップS23)は、モータ指令41sのみに基づいて行われてもよい。例えば、コントローラ290は、モータ指令41sが時間の経過とともに減少している場合に「制動状態である」と判定し、それ以外の場合に「制動状態ではない」と判定してもよい。
[特定状態の変形例5]第1実施形態の内容と第2実施形態の内容とが組み合わされてもよい。例えば、第2実施形態のステップS23の判定を、モータ方向制御弁51がモータ21を駆動させる状態か否か(第1実施形態参照)の判定に替えてもよい。また、上記の特定状態の各変形例の内容が適宜組み合わされてもよい。