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JP6843423B2 - 口腔洗浄装置用のノズル装置 - Google Patents

口腔洗浄装置用のノズル装置 Download PDF

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JP6843423B2 JP2016184269A JP2016184269A JP6843423B2 JP 6843423 B2 JP6843423 B2 JP 6843423B2 JP 2016184269 A JP2016184269 A JP 2016184269A JP 2016184269 A JP2016184269 A JP 2016184269A JP 6843423 B2 JP6843423 B2 JP 6843423B2
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Description

本発明は歯科に用いて好適な口腔洗浄装置用のノズル装置に関する。
歯科診療において、歯周病およびインプラント周囲炎の予防のため、歯周ポケット内を洗浄する各種口腔洗浄装置が開発されている。
特許文献1には、中心位置に水噴出孔を、その周囲に水の噴出方向に傾斜した複数個の空気噴出孔を設けたノズルを有する歯科用シリンジが開示されている。
この歯科用シリンジによれば、霧化作用が良好に行われると共に、その噴出方向の直進性が保持されるとする。
実公昭50−42628
特許文献1のものでは、水噴出孔の周囲に水の噴出方向に傾斜した複数個の空気噴出孔を設けたノズルを用いているので、複数の空気噴出孔から空気が斜めに噴出され、空気と水が強く混合されることから水の霧化が良好になされる。
しかしながら、霧化された水の直進性が保持されるとするが、複数の空気噴出孔から空気が斜めに噴出されることから、各空気噴出孔からの空気がノズル先端で一旦交差した後、前方に向けて広がることから、満足できる直線性が得られないという課題がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたもので、その目的とするところは、噴出液の良好な直進性が得られる口腔洗浄装置用のノズル装置皆を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係る口腔洗浄装置用のノズル装置は、把持部と、該把持部に設けられたノズルを有し、前記ノズルから気液混合流体を噴出する口腔洗浄用のノズル装置において、前記把持部は、ノズル内の液送出路に液体を送り込む液送出口と、前記ノズル内の空気送出路に圧縮空気を送り込む空気送出口を具備し、前記ノズルは、先端部に、前記ノズル内に設けられた前記液送出路に通じる1つの液体噴出孔と、該液体噴出孔から0.8〜1.5mmの距離をおいて、かつ前記液体噴出孔の周囲に周方向に一定の間隔をおいて前記液体噴出孔と平行に、0.3〜0.7mmの孔径で3〜8個設けられ、前記ノズル内に設けられた前記空気送出路に通じる圧縮空気噴出孔を具備し、前記液体と前記圧縮空気が前記ノズルから噴出された後気液混合流体となって前記ノズル先端から5〜8mmの距離直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がるように設定されていることを特徴とする。
前記圧縮空気噴出孔および前記液体噴出孔から噴出される各流体間において、コアンダ効果が発生し、圧縮空気が液体にまとわりつくことで、前記ノズル先端から前記5〜8mmの距離の直進性を確保できる。
前記拡散角度が7〜13°であると好適である。
樹脂製にすると好適である。
前記液体噴出孔に供給される液体が水であることを特徴とする。
本発明によれば、液体と圧縮空気がノズルから噴出された後気液混合流体となってノズル先端から5〜8mmの距離直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がる噴出液が得られる口腔洗浄装置用のノズル装置を提供できる。このように、気液混合流体(霧状ジェット)を5mm〜8mmの距離直線状に噴出できることによって、患部とノズルの距離を一定に確保することを意識しなくても、最適圧力範囲を保持しやすく、患部とノズルの距離を遠ざけて視認性を向上させることができ、洗浄効果が高いまま安定した洗浄ができる。すなわち、患部とノズルの距離を離してもスポット的に洗浄が可能になり、洗浄液を無駄なく噴霧でき、患部に効率よく洗浄液を到達させられる口腔洗浄装置用のノズル装置を提供できる。
口腔洗浄装置の斜視図である。 ノズル装置の断面図である。 ノズルの部分拡大断面図である。 孔数6個のノズル先端部の説明図である。 孔数8個のノズル先端部の説明図である。 先端部が上向きとなっているノズルの説明図である。 先端部が下向きとなっているノズルの説明図である。 拡散角度を示す説明図である。 ノズルのサンプル1のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル2のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル3のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル4のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル5のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル6のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル7のスプレー波形を示す説明図である。 ノズルのサンプル8のスプレー波形を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は口腔洗浄装置10の全体の概要を示す斜視図、図2はノズル装置12の断面図である。
図1において、14は装置本体である。
16は液体容器であり、ノズル装置12から噴出する液体(水、薬液)が収容される。液体容器16は、送出口(図示せず)を下方に向けた状態で装置本体14に着脱自在に装着されるようになっている。
液体容器16に収容されている液体は、液送出機構によりノズル装置12に送り込まれる。液送出機構は、公知のチューブポンプ18により液体をノズル装置12に送り込む。チューブポンプ18は図示しないモータによって駆動される。モータは切替スイッチ20によって回転速度が3段階に切り替え可能になっていて、これにより、ノズル装置12に送り込まれる液量を3段階に切り替え可能になっている。なお、ポンプはチューブポンプに限られず、他の適宜なポンプを使用できることはもちろんである。
また、装置本体14には、図示しないコンプレッサーがホースにより接続口22に接続される。コンプレッサーからの圧縮空気は、装置本体14内の空気送出路を介してノズル装置12に送り込まれる。
空気送出路にはレギュレーターが組み込まれ、レギュレーターの調整つまみ24によりノズル装置12に送り込まれる空気圧を調整可能になっている。また、空気送出路には、図示しない電磁弁が組み込まれ、この電磁弁をオン、オフ制御することによって、ノズル装置12への空気送出をオン、オフできるようになっている。
26は商用電源への接続口、28は装置本体14全体への電源スイッチである。
図2はノズル装置12の断面図、図3はノズル32の部分拡大断面図である。
ノズル装置12は、把持部30の先端部に、ノズル32が取り付けられてなる。
把持部30内には、装置本体14からの液体送出ホース33と圧縮空気送出ホース34が導入されている。
液体送出ホース33は液送出口36に接続され、液送出口36からノズル32の中心に設けられた液送出路38に液体を送り込む。
圧縮空気送出ホース34は、空気送出口37から、ノズル32の、液送出路38の回りに設けられた空気送出路39に圧縮空気を送り込む。
ノズル32内には、液送出路38と空気送出路39が二重パイプ状に延びている。
液送出路38は、ノズル32の先端部中央において、小径の液体噴出孔38aとして開口している。
また、空気送出路39は、ノズル32の先端部において、一旦閉塞され、この閉塞部に、複数の小径の圧縮空気噴出孔39aとして開口されている。図4に示す例では、6個の圧縮空気噴出孔39aが設けられ、図5に示す例では、8個の圧縮空気噴出孔39aが設けられている。
液体噴出孔38aと圧縮空気噴出孔39aは、それぞれ適宜な径のドリルによって開口される。
液体噴出孔38aと圧縮空気噴出孔39aは、図3に示すように、数mmの長さで、互いに平行になるように形成されている。
また、複数の圧縮空気噴出孔39aは、1つの液体噴出孔38aの周囲に、等間隔で形成されている。
ノズル32は、歯周ポケット内に液体を噴出しやすいように、先端部がL字状に曲げられている。
また、ノズル32は、把持部30の軸孔40に、軸線を中心に回転自在に設けられ、これによって、先端部が上を向く状態(図6)と先端部が下を向く状態(図7)とにすることができ、上の歯と下の歯の歯周の処置が容易に行えるようになっている。
41、42、43はOリングであり、軸孔40とノズル32の軸部との間の液密性、気密性が確保されるようになっている。
なお、ノズル32が、液圧、空気圧によって、軸孔40から飛び出して外れないように、ノズル飛び出し防止構造を設けるようにするとよい。ノズル飛び出し防止構造は、特に限定されないが、例えば、ノズル筒の外周にフランジ部46を設け、このフランジ部46の前面側を、把持部30の先端に螺着したキャップ47によって押さえる構造のものとすることができる(図2)。
ノズル32、液送出口36および空気送出口37は、耐薬品性を有するように樹脂製とするのがよい。
ノズル32は、3Dプリンターを用いる光造形法や粉末積層等によって、二重パイプ構造に形成することができる。
なお、液送出路38内および空気送出路39内は、周方向の適所において、パイプの内外壁が連結部44によって連結され、強度を保てるようになっている(図3)。
図2において、45はボタンスイッチであり、オン、オフすることによって、液送出機構におけるモータのオン、オフ、空気送出路における電磁弁のオン、オフを行えるようになっており、これにより、液体と圧縮空気の送出および停止ができるようになっている。
本実施の形態において、ノズル32先端から噴出される気液混合流体が、ノズル32先端から所要距離ほぼ直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がるように設定されていることを特徴とする。
この気液混合流体が、ノズル32先端から直線状に噴出する距離は、ノズル32先端から5mm〜8mmの範囲であると好適である。このように、直線状に噴出する距離が5mm〜8mm確保できることで、歯周ポケット内に流体を良好に噴出させることができ、歯垢の除去および歯周ポケット内の洗浄を容易に行える。
また、気液混合流体(霧状ジェット)が5mm〜8mm直線状に噴出できることによって、噴出角度が狭くなり、霧状ジェットが拡散されにくく、スプレー圧の減衰が少ないため、霧状ジェットの範囲内において圧力分布のばらつきを小さくできる。結果的に洗浄効果が発揮できる最適圧力範囲が広くなる。これにより、患部とノズルの距離を一定に確保することを意識しなくても、最適圧力範囲を保持しやすく、患部とノズルの距離を遠ざけて視認性を向上させることができ、洗浄効果が高いまま安定した洗浄ができるようになる。言い換えれば、術者の技術レベルに関係なく、安定的な洗浄が可能となると言える。また、患部とノズルの距離を離してもスポット的に洗浄が可能になり洗浄液を無駄なく噴霧でき、患部に効率よく洗浄液を到達させられる。より低圧、低液量での高洗浄効果も得ることができ、患者の負担が軽減される。
ところで、ノズル32先端から噴出される気液混合流体の直進性(直進する距離)は、圧縮空気噴出孔39aの孔数、孔径、および圧縮空気噴出孔39aの液体噴出孔38aの中心からの距離に比較的依存することがわかった。また、圧縮空気噴出孔39aが液体噴出孔38aと平行に延びていると気液混合流体の直進性が良好になる。このように、両孔38a、39aが平行に延びていることによって、コアンダ効果によって、あるいは流体の粘性によって、圧縮空気がいたずらにぶつかり合うのでなく、圧縮空気が液体噴出孔38aから噴出される液体にまとわりつくことによって、直進性が向上されると考えられる。
なお、その分、霧化効果は幾分低減されることになる。
圧縮空気噴出孔39aの、孔数が多くなったり、孔径が大きくなると、同じ圧縮空気の元圧の場合、圧縮空気噴出孔39aから噴出される圧縮空気の圧力がそれだけ減じられることから、気液混合流体の直進性に影響がでる。また、圧縮空気噴出孔39aの、液体噴出孔38aの中心からの距離(中心から中心までの距離)が、大きすぎても、小さすぎても、コアンダ効果に影響が出て、結果、気液混合流体の直進性に影響がでる。
なお、気液混合流体の直進性は、圧縮空気の元圧の大小にも影響されると言えるが、圧縮空気噴出孔39aの孔数、孔径、および液体噴出孔38aの中心からの距離ほどには直進性に影響しないことがわかった。
表1に各種ノズルのデータを示す。
表1
表1において、孔数、孔径、距離は、圧縮空気噴出孔39aの孔数、孔径、液体噴出孔の中心からの距離を示す。拡散角度は図8に示す角度である。液体噴出孔の径は、0.3mm。直進性有は、気液混合流体のノズルからの噴出がほぼ直線となる範囲がノズル先端から5mm〜8mmである場合、無は5mm未満の場合を示す。なお、圧縮空気の圧力(元圧)は0.3MPaで、液体の流量は20ml/minである。
図9〜図16は、ノズルのサンプル1〜ノズルのサンプル8のスプレー波形をそれぞれ示す。
表1、図9および図10に示されるように、ノズルのサンプル1とノズルのサンプル2において、圧縮空気噴出孔の孔数が多くなれば、気液混合流体の拡散角度は大きくなる傾向にあり、また直進性も低くなる。また、表1、図9および図15および図16に示されるように、ノズルのサンプル1とノズルのサンプル7において、圧縮空気噴出孔の孔径が大きくなれば、やはり気液混合流体の拡散角度は大きくなる傾向にあり、また直進性も低くなる。また、孔数が少ない方が、気液混合流体の拡散角度が小さくなり、直線性も良好となる。また、ノズルのサンプル4とノズルのサンプル8からわかるように、圧縮空気噴出孔のノズル中心からの距離が、ある程度大きい方が、気液混合流体の拡散角度が小さくなり、直進性も良好となることがわかる。
圧縮空気噴出孔の孔数は、3〜8程度がよい。この場合、孔径やノズル中心からの距離を選定することで、気液混合流体の直進性(ノズル端部からの直進性が5〜8mm)が得られる。
また、圧縮空気噴出孔の孔径も、0.3〜0.7mm程度がよい。この場合、孔数やノズル中心からの距離を選定することで、気液混合流体の直進性(ノズル端部からの直進性が5〜8mm)が得られる。
圧縮空気噴出孔のノズル中心からの距離は、おおむね0.8〜1.5mm程度がよい。この場合、孔径や孔数を選定することで、気液混合流体の直進性(ノズル端部からの直進性が5〜8mm)が得られる。
これらの場合、気液混合流体の拡散角度はおおむね7〜13°となる。
このように直進性を確保したことによって、軽度な歯垢であれば、水と空気の気液混合流体のみで容易に除去できることがわかった。つまり、薬液を使用しなくてもよいので手軽に使えるようになる。
10 口腔洗浄装置、12 ノズル装置、14 装置本体、16 液体容器、18 チューブポンプ、20 切替スイッチ、 22 接続口、24 調整つまみ、26 商用電源への接続口、28 電源スイッチ、30 把持部、32 ノズル、33 液体送出ホース、34 圧縮空気送出ホース、36 液送出口、37 空気送出口、38 液送出路、38a 液体噴出孔、39 空気送出路、39a 圧縮空気噴出孔、40 軸孔、41 Oリング、42 Oリング、43 Oリング、44 連結部、45 ボタンスイッチ、46 フランジ部、47 キャップ

Claims (5)

  1. 把持部と、該把持部に設けられたノズルを有し、前記ノズルから気液混合流体を噴出する口腔洗浄用のノズル装置において、
    前記把持部は、ノズル内の液送出路に液体を送り込む液送出口と、前記ノズル内の空気送出路に圧縮空気を送り込む空気送出口を具備し、
    前記ノズルは、先端部に、前記ノズル内に設けられた前記液送出路に通じる1つの液体噴出孔と、該液体噴出孔から0.8〜1.5mmの距離をおいて、かつ前記液体噴出孔の周囲に周方向に一定の間隔をおいて前記液体噴出孔と平行に、0.3〜0.7mmの孔径で3〜8個設けられ、前記ノズル内に設けられた前記空気送出路に通じる圧縮空気噴出孔を具備し、
    前記液体と前記圧縮空気が前記ノズルから噴出された後気液混合流体となって前記ノズル先端から5〜8mmの距離直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がるように設定されていることを特徴とする口腔洗浄用のノズル装置。
  2. 前記圧縮空気噴出孔および前記液体噴出孔から噴出される各流体間において、コアンダ効果が発生し、圧縮空気が液体にまとわりつくことで、前記ノズル先端から前記5〜8mmの距離の直進性を確保できることを特徴とする請求項1記載の口腔洗浄装置用のノズル装置
  3. 前記拡散角度が7〜13°であることを特徴とする請求項1または2記載の口腔洗浄装置用のノズル装置
  4. 樹脂製であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の口腔洗浄装置用のノズル装置
  5. 前記液体噴出孔に供給される液体が水であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の口腔洗浄装置用のノズル装置
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