JP6843423B2 - 口腔洗浄装置用のノズル装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、中心位置に水噴出孔を、その周囲に水の噴出方向に傾斜した複数個の空気噴出孔を設けたノズルを有する歯科用シリンジが開示されている。
この歯科用シリンジによれば、霧化作用が良好に行われると共に、その噴出方向の直進性が保持されるとする。
しかしながら、霧化された水の直進性が保持されるとするが、複数の空気噴出孔から空気が斜めに噴出されることから、各空気噴出孔からの空気がノズル先端で一旦交差した後、前方に向けて広がることから、満足できる直線性が得られないという課題がある。
すなわち、本発明に係る口腔洗浄装置用のノズル装置は、把持部と、該把持部に設けられたノズルを有し、前記ノズルから気液混合流体を噴出する口腔洗浄用のノズル装置において、前記把持部は、ノズル内の液送出路に液体を送り込む液送出口と、前記ノズル内の空気送出路に圧縮空気を送り込む空気送出口を具備し、前記ノズルは、先端部に、前記ノズル内に設けられた前記液送出路に通じる1つの液体噴出孔と、該液体噴出孔から0.8〜1.5mmの距離をおいて、かつ前記液体噴出孔の周囲に周方向に一定の間隔をおいて前記液体噴出孔と平行に、0.3〜0.7mmの孔径で3〜8個設けられ、前記ノズル内に設けられた前記空気送出路に通じる圧縮空気噴出孔を具備し、前記液体と前記圧縮空気が前記ノズルから噴出された後気液混合流体となって前記ノズル先端から5〜8mmの距離直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がるように設定されていることを特徴とする。
前記拡散角度が7〜13°であると好適である。
前記液体噴出孔に供給される液体が水であることを特徴とする。
図1は口腔洗浄装置10の全体の概要を示す斜視図、図2はノズル装置12の断面図である。
図1において、14は装置本体である。
16は液体容器であり、ノズル装置12から噴出する液体(水、薬液)が収容される。液体容器16は、送出口(図示せず)を下方に向けた状態で装置本体14に着脱自在に装着されるようになっている。
空気送出路にはレギュレーターが組み込まれ、レギュレーターの調整つまみ24によりノズル装置12に送り込まれる空気圧を調整可能になっている。また、空気送出路には、図示しない電磁弁が組み込まれ、この電磁弁をオン、オフ制御することによって、ノズル装置12への空気送出をオン、オフできるようになっている。
26は商用電源への接続口、28は装置本体14全体への電源スイッチである。
ノズル装置12は、把持部30の先端部に、ノズル32が取り付けられてなる。
把持部30内には、装置本体14からの液体送出ホース33と圧縮空気送出ホース34が導入されている。
液体送出ホース33は液送出口36に接続され、液送出口36からノズル32の中心に設けられた液送出路38に液体を送り込む。
圧縮空気送出ホース34は、空気送出口37から、ノズル32の、液送出路38の回りに設けられた空気送出路39に圧縮空気を送り込む。
液送出路38は、ノズル32の先端部中央において、小径の液体噴出孔38aとして開口している。
また、空気送出路39は、ノズル32の先端部において、一旦閉塞され、この閉塞部に、複数の小径の圧縮空気噴出孔39aとして開口されている。図4に示す例では、6個の圧縮空気噴出孔39aが設けられ、図5に示す例では、8個の圧縮空気噴出孔39aが設けられている。
液体噴出孔38aと圧縮空気噴出孔39aは、図3に示すように、数mmの長さで、互いに平行になるように形成されている。
また、複数の圧縮空気噴出孔39aは、1つの液体噴出孔38aの周囲に、等間隔で形成されている。
また、ノズル32は、把持部30の軸孔40に、軸線を中心に回転自在に設けられ、これによって、先端部が上を向く状態(図6)と先端部が下を向く状態(図7)とにすることができ、上の歯と下の歯の歯周の処置が容易に行えるようになっている。
41、42、43はOリングであり、軸孔40とノズル32の軸部との間の液密性、気密性が確保されるようになっている。
なお、ノズル32が、液圧、空気圧によって、軸孔40から飛び出して外れないように、ノズル飛び出し防止構造を設けるようにするとよい。ノズル飛び出し防止構造は、特に限定されないが、例えば、ノズル筒の外周にフランジ部46を設け、このフランジ部46の前面側を、把持部30の先端に螺着したキャップ47によって押さえる構造のものとすることができる(図2)。
ノズル32は、3Dプリンターを用いる光造形法や粉末積層等によって、二重パイプ構造に形成することができる。
なお、液送出路38内および空気送出路39内は、周方向の適所において、パイプの内外壁が連結部44によって連結され、強度を保てるようになっている(図3)。
図2において、45はボタンスイッチであり、オン、オフすることによって、液送出機構におけるモータのオン、オフ、空気送出路における電磁弁のオン、オフを行えるようになっており、これにより、液体と圧縮空気の送出および停止ができるようになっている。
この気液混合流体が、ノズル32先端から直線状に噴出する距離は、ノズル32先端から5mm〜8mmの範囲であると好適である。このように、直線状に噴出する距離が5mm〜8mm確保できることで、歯周ポケット内に流体を良好に噴出させることができ、歯垢の除去および歯周ポケット内の洗浄を容易に行える。
なお、その分、霧化効果は幾分低減されることになる。
なお、気液混合流体の直進性は、圧縮空気の元圧の大小にも影響されると言えるが、圧縮空気噴出孔39aの孔数、孔径、および液体噴出孔38aの中心からの距離ほどには直進性に影響しないことがわかった。
表1
表1において、孔数、孔径、距離は、圧縮空気噴出孔39aの孔数、孔径、液体噴出孔の中心からの距離を示す。拡散角度は図8に示す角度である。液体噴出孔の径は、0.3mm。直進性有は、気液混合流体のノズルからの噴出がほぼ直線となる範囲がノズル先端から5mm〜8mmである場合、無は5mm未満の場合を示す。なお、圧縮空気の圧力(元圧)は0.3MPaで、液体の流量は20ml/minである。
表1、図9および図10に示されるように、ノズルのサンプル1とノズルのサンプル2において、圧縮空気噴出孔の孔数が多くなれば、気液混合流体の拡散角度は大きくなる傾向にあり、また直進性も低くなる。また、表1、図9および図15および図16に示されるように、ノズルのサンプル1とノズルのサンプル7において、圧縮空気噴出孔の孔径が大きくなれば、やはり気液混合流体の拡散角度は大きくなる傾向にあり、また直進性も低くなる。また、孔数が少ない方が、気液混合流体の拡散角度が小さくなり、直線性も良好となる。また、ノズルのサンプル4とノズルのサンプル8からわかるように、圧縮空気噴出孔のノズル中心からの距離が、ある程度大きい方が、気液混合流体の拡散角度が小さくなり、直進性も良好となることがわかる。
また、圧縮空気噴出孔の孔径も、0.3〜0.7mm程度がよい。この場合、孔数やノズル中心からの距離を選定することで、気液混合流体の直進性(ノズル端部からの直進性が5〜8mm)が得られる。
圧縮空気噴出孔のノズル中心からの距離は、おおむね0.8〜1.5mm程度がよい。この場合、孔径や孔数を選定することで、気液混合流体の直進性(ノズル端部からの直進性が5〜8mm)が得られる。
これらの場合、気液混合流体の拡散角度はおおむね7〜13°となる。
このように直進性を確保したことによって、軽度な歯垢であれば、水と空気の気液混合流体のみで容易に除去できることがわかった。つまり、薬液を使用しなくてもよいので手軽に使えるようになる。
Claims (5)
- 把持部と、該把持部に設けられたノズルを有し、前記ノズルから気液混合流体を噴出する口腔洗浄用のノズル装置において、
前記把持部は、ノズル内の液送出路に液体を送り込む液送出口と、前記ノズル内の空気送出路に圧縮空気を送り込む空気送出口を具備し、
前記ノズルは、先端部に、前記ノズル内に設けられた前記液送出路に通じる1つの液体噴出孔と、該液体噴出孔から0.8〜1.5mmの距離をおいて、かつ前記液体噴出孔の周囲に周方向に一定の間隔をおいて前記液体噴出孔と平行に、0.3〜0.7mmの孔径で3〜8個設けられ、前記ノズル内に設けられた前記空気送出路に通じる圧縮空気噴出孔を具備し、
前記液体と前記圧縮空気が前記ノズルから噴出された後気液混合流体となって前記ノズル先端から5〜8mmの距離直線状に噴出した後、所要拡散角度で広がるように設定されていることを特徴とする口腔洗浄用のノズル装置。 - 前記圧縮空気噴出孔および前記液体噴出孔から噴出される各流体間において、コアンダ効果が発生し、圧縮空気が液体にまとわりつくことで、前記ノズル先端から前記5〜8mmの距離の直進性を確保できることを特徴とする請求項1記載の口腔洗浄装置用のノズル装置。
- 前記拡散角度が7〜13°であることを特徴とする請求項1または2記載の口腔洗浄装置用のノズル装置。
- 樹脂製であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の口腔洗浄装置用のノズル装置。
- 前記液体噴出孔に供給される液体が水であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の口腔洗浄装置用のノズル装置。
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