JP6840536B2 - 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
「1.顔料と水とナノセルロースとヒドロキシアルキルセルロースを含むことを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
2.前記顔料が、機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料であることを特徴とする第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.前記機能性材料が、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、
を含んでなる可逆熱変色性組成物であることを特徴とする第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.前記ナノセルロースがセルロースナノクリスタルであり、その数平均繊維径が3〜70nmであり繊維長が100〜500nmであることを特徴とする第1項〜第3項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
5.20℃でBL型粘度計を用いて30rpmで測定した粘度が、1〜20mPa・sであることを特徴とする第1項〜第4項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
6.第1項〜第5項のいずれか1項に記載筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
7.前記筆記具が、くし溝を利用したインキ流量調節機構を備える筆記具であることを特徴とする第6項に記載の筆記具。」に関する。
本発明によるナノセルロースは、ナノレベルで均一に微細化されたセルロースであり、機械的解繊などの処理を施すことなどで得られる繊維である。本発明に用いるナノセルロースは、所謂セルロースナノファイバーと言われる、繊維径が1〜100nmであり、繊維長が5μm以上のアスペクト比の大きい繊維と、セルロースナノファイバーをさらに処理することなどで得られる、繊維径が3〜70nm、繊維長が100〜500nm程度の、セルロースナノクリスタルを含む。繊維径、繊維長などの測定方法としては、電子顕微鏡写真などにより測定することができる。
本発明に用いるヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
本発明には、顔料として通常筆記具用インキなどに用いられる顔料を用いることができる。例えば、通常筆記具用インキなどに用いられる有機顔料、プラスチック顔料、無機顔料の他、金属光沢を有する金属粉顔料、着色金属粉顔料、金属蒸着粉顔料、ガラスフレーク等や虹彩色のような色彩を有するパール顔料などの非変色性の顔料、液晶類、可逆熱変色性組成物、フォトクロミック材料などの機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン5.0部、1,1−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)n−デカン3.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる色彩記憶性を有する可逆熱変色性組成物を加温溶解し、壁膜材料として芳香族イソシアネートプレポリマー30.0部、助溶剤40.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で乳化分散し、加温しながら撹拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に撹拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。 前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
なお、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径Dは2.0μmであり、t1:−18℃、t2:−9℃、t3:45℃、t4:64℃、感温変色性色彩記憶組成物:壁膜=2.6:1.0のヒステリシス特性を有する挙動を示し、橙色から無色、無色から橙色へ可逆的に色変化した。
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料A 15.0質量部
セルロースナノクリスタル 0.05質量部
(繊維径5〜20nm、繊維長150〜400nm)
ヒドロキシエチルセルロース 0.3質量部
グリセリン 14.0質量部
尿素 20.0質量部
防腐剤 0.2質量部
(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン
アーチケミカル社製、商品名:プロキセルXL−2)
水 50.45質量部
上記組成物をホモジナイザーにより撹拌混合を行い、筆記具用水性インキ組成物を得た。
なお前記水性インキ組成物の粘度はBL型粘度計を用い、20℃で30rpmで測定したところ、6.6mPa・sであった。
表1、表2に示した配合で、実施例1と同じ方法で、筆記具用水性インキ組成物を得た。これらの例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・セルロースナノファイバー (BiNFi−s FMa−10002、スギノマシン社製)
・セルロースナノクリスタル (繊維径5〜20nm、繊維長150〜400nm)
・防腐剤 プロキセルXL−2(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、アーチケミカル社製)
分散安定性:実施例1〜9、比較例1〜5の筆記具用水性インキ組成物を20mlスクリュー管に充填し、分散安定性を目視により確認した。
○:2週間経過後も顔料の沈降、浮遊はみられず均一に分散した状態を保っているている。
△:2週間経過後にわずかに顔料の沈降または浮遊がみられるがほとんど均一に分散している。
×:3日後には、顔料の沈降または浮遊がみられ、顔料の分散安定性を保つことが出来ない。
××:スクリュー管に充填後から顔料の沈降または浮遊がみられ、分散安定性を保つことが出来ない。
筆記性能試験:(株)パイロットコーポレーション製万年筆(ルシーナ)に、筆記具用水性インキ組成物を充填し、1日間筆記先端を下向きにして放置した後、印刷用紙A(日本製紙(株)社製、しらおい四六判換算55kg)に筆記をし、筆記性能を評価した。
○:筆跡にかすれなど無く筆記性良好。
△:筆跡がかすれる。
×:筆記不能。
t2 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
t3 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
t4 加熱消色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
T1 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全消色温度
T2 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の消色開始温度
T3 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の発色開始温度
T4 加熱発色型の可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料の完全発色温度
ΔH ヒステリシス幅
Claims (8)
- 顔料と水とナノセルロースとヒドロキシアルキルセルロースを含む筆記具用水性インキ組成物であって、
前記筆記具用インキ組成物の全質量に対する前記ヒドロキシアルキルセルロースの配合割合が、0.001〜0.4質量%であり、
前記筆記具用水性インキ組成物の、20℃でBL型粘度計を用いて30rpmで測定した粘度が、1〜20mPa・sであることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。 - 前記顔料が、機能性材料を内包したマイクロカプセル顔料であることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記機能性材料が、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物からなる成分と、
(ロ)電子受容性化合物からなる成分と、
(ハ)前記(イ)成分および(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体と、
を含んでなる可逆熱変色性組成物であることを特徴とする請求項2に記載の筆記具用水性
インキ組成物。 - 前記ナノセルロースがセルロースナノクリスタルであり、その数平均繊維径が3〜70nmであり繊維長が100〜500nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される少なくともひとつであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 前記ナノセルロースと前記ヒドロキシアルキルセルロースとの配合比率が1:10〜1:1であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載筆記具用水性インキ組成物を内蔵してなる筆記具。
- 前記筆記具が、くし溝を利用したインキ流量調節機構を備える筆記具であることを特徴とする請求項7に記載の筆記具。
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