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JP6738338B2 - 熱電変換素子および熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子および熱電変換モジュール Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換素子および熱電変換モジュールに関する。
熱電変換素子は、石油やオゾンを使用しないクリーンなエネルギー変換素子として知られ、近年、高効率化や大面積化・薄型化が望まれている。例えば、ゼーベック効果を利用した発電用素子(熱電変換発電素子)やペルチェ効果を利用した冷却・加熱用素子(ペルチェ素子)の開発が進められている。
このような熱電変換素子について、その構成及び原理を説明する。図3は、従来の熱電変換素子100の構成を説明するための概念図である。
図3に示すような従来の熱電変換素子100は、基本的にπ型熱電変換素子と呼ばれるものであり、対向する複数の電極(金属電極)120,121,180と、電極間に配置されたn型熱電変換半導体からなるブロック体130及びp型熱電変換半導体からなるブロック体131とで構成されている。ブロック体130,131は、その一端(接合端)で電極180によって互いに電気的に接続され、n型熱電変換半導体のブロック体とp型熱電変換半導体のブロック体とが直列に接続されている。また、ブロック体130,131は、もう一方の端で電極120,121に接続されている。
このとき、電極180を高温とし、反対側の電極120,121を低温として両者の間に温度差を設けると、ゼーベック効果により熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。また、例えば電極180と電極120,121との間に直流電圧を印加し、電極120から電極180を介して電極121の方向に電流を流すことにより、電極180が吸熱作用電極、電極120,121が放熱作用電極として働き、ペルチェ効果により電気エネルギーが熱エネルギーに変換される。
ここで、上記従来の熱電変換素子がペルチェ素子として利用されるとき、その吸熱エネルギーについて考える。QPをペルチェ吸熱量、QRをジュール熱量、QKを熱伝導による熱量としたとき(図3参照)、電極180の上部側における吸熱エネルギーQは、次の(1)式であらわされる。
Q=QP−QR−QK・・・(1)式
現在、実用的な熱電変換素子の素子構造は、断面積Sが数mm2程度で長さLが数mm程度である。このような形状のブロック体が多数直列接続されてモジュール化され、モジュール化によって吸熱面積(冷却面積)を拡大させた熱電変換素子(ペルチェ素子)が実用化されている。しかし、このようなπ型熱電変換素子は長さLが数mm程度であり、熱源からの放射熱が低温部の電極に直接影響を与えるため電極間での温度差を確保することが難しい。また、形状が非フレキシブルであり、熱源や冷却源に対して電極部分を密着させることが難しく、電極間での温度差を確保することが難しいという問題がある。
上記の問題点を克服するため、最近はフレキシブルな絶縁性シートに熱電変換材料を形成して、その平面上の各端部に高温部電極と低温部電極を形成する図2に示すシート型の熱電変換素子の開発が盛んになってきている(例えば、非特許文献1参照)。このようなシート型の熱電変換素子は、高温部電極と低温部電極を平面状にある程度の距離をとって形成する構造であり、熱源からの直接的な放射熱の影響を避けることができ電極間での温度差を確保することが容易となる利点がある。また、フレキシブルなシートに形成することにより、熱源や冷却源に対して電極部分を密着させることができ、電極間での温度差を確保しやすくなる。
Yoshiyuki Nonoguchi, Kenji Ohashi, Rui Kanazawa, Koji Ashiba, Kenji Hata, Tetsuya Nakagawa, Chihaya Adachi, TomoakiTanase and Tsuyoshi Kawai, "Systematic Conversion of Single Walled Carbon Nanotubes into n-type Thermoelectric Materials by Molecular Dopants", Scientific Reports, Published 26 November 2013, Volume 3, Article number: 3344, doi:10.1038/srep03344.
しかしながら、シート型の熱電変換素子では、熱電変換材料層の厚みが薄く、高温部電極と低温部電極間の距離を長くする素子構造となるため、熱電変換材料層の内部抵抗が高くなり大きな出力を得ることは困難であるという問題がある。
また、従来の熱電変換素子は、熱電変換材料に高いゼーベック係数、高い電気伝導率、低い熱伝導率の三特性を同時に持たせることで熱電変換素子の開発を進めるものである。しかし、この三特性を同時に満たす材料を得ることは困難であり、特に、熱電変換材料層の内部抵抗を改善するため電気伝導率の高い熱電変換材料を使用するとゼーベック係数が低くなり(図4参照)、結果として大きな出力を得ることができないという問題がある。
本発明によれば、少なくとも電荷輸送層と、熱電変換材料層と、電極からなる熱電変換素子であり、該電荷輸送層が、n型半導体になるように電荷供与材料をドープする処理を行ったグラファイト、またはp型半導体になるように電荷受容材料をドープする処理を行ったグラファイトであることを特徴とする熱電変換素子が提供される。
また、本発明によれば、少なくともn型電荷輸送層と、n型熱電変換材料層と、電極からなるn型熱電変換素子であり、該n型電荷輸送層が、n型半導体になるように、電荷供与材料をドープする処理を行ったグラファイトであり、該電荷輸送層の両端部に前記n型熱電変換材料層を形成し、その上部に前記電極を形成したことを特徴とするn型熱電変換素子が提供される。
また、本発明によれば、少なくともp型電荷輸送層と、p型熱電変換材料層と、電極からなるp型熱電変換素子であり、該p型電荷輸送層が、p型半導体になるように、電荷受容材料をドープする処理を行ったグラファイトであり、該p型電荷輸送層の両端部に前記p型熱電変換材料層を形成し、その上部に前記電極を形成したことを特徴とするp型熱電変換素子が提供される。
また、本発明による熱電変換素子において、前記電荷供与材料が、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDT−TTF)、テトラセラナフルバレン(TSF)、トリフェニルフォスフィン(TPP)、トリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)、トリフッ化フェニルフォスフィン(F−TPP)、ジフェニルフォスフィン(DPP)、ジフェニルホスフィノエタン(DPPE)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、アミン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、Cu−フタロシアニン、Zn−フタロシアニン、およびそれらの誘導体の群のうち少なくとも一つであってもよい。
また、本発明による熱電変換素子において、前記電荷受容材料が、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF4)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)、トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)、カルバゾール、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、フェニルボロン酸、ピリジン、キノリン、イミダゾール、トリフェニルアミン、およびそれらの誘導体の群のうち少なくとも一つであってもよい。
また、本発明による熱電変換素子において、前記熱電変換材料層が、カーボンナノチューブ、Bi-Te系化合物、酸化物、或いはそれらの材料の組み合わせからなるものであってもよい。
また、本発明によれば、少なくとも1つの前記n型熱電変換素子と、少なくとも1つの前記p型熱電変換素子とを直列もしくは並列に接続し、または直列と並列を組み合わせて接続することによって構成された熱電変換モジュールが提供される。
また、本発明による熱電変換素子において、絶縁性基板をさらに備え、前記絶縁性基板は、第1基板の両端に2枚の第2基板をそれぞれ接合してなる複合基板からなり、前記第2基板は前記第1基板よりも熱伝導性が高い絶縁性材料からなり、前記絶縁性基板上に前記電荷輸送層を形成し、前記電荷輸送層の両端部のドープ層上に熱電変換材料層を形成したものであってもよい。
また、本発明による熱電変換素子において、前記電荷輸送層の両端部のドープ層上に熱電変換材料層を形成し、前記熱電変換材料層を形成していない前記電荷輸送層の中央部のドープ層が露出している部分にパッシベーション膜を形成したものであってもよい。
また、本発明によれば、少なくとも二つ以上の前記熱電変換素子を直列もしくは並列に接続し、または直列と並列を組み合わせて接続することによって構成された熱電変換モジュールが提供される。
本発明の熱電変換素子は、n型あるいはp型の半導体になるように、電荷供与材料あるいは電荷受容材料をドープしたグラファイトの表面を電荷輸送層として使用することに特徴がある。半導体の特性を有するグラファイトの表面は、電気導電特性が従来の熱電変換材料に比較して100倍以上高い。また、熱電変換材料と接触させても発熱・吸熱をほとんど起こさない。また、電荷供与材料あるいは電荷受容材料でドープされたグラファイトの表面は低い熱伝導特性を有する。
本発明は、電荷輸送層にn型あるいはp型の半導体になるように前処理を行ったグラファイトを使用することで、シート型の熱電変換素子の内部抵抗を低くすることができる。シート型の熱電変換素子は、高温部電極と低温部電極間で平面状にある程度の距離を有する構造で、電極間の温度差を大きく確保できる利点がある。また、電荷輸送層の両端に形成されるn型あるいはp型の熱電変換材料に、ゼーベック係数の高い材料を選択して使用することができる。ゼーベック係数が高くても電気伝導率が非常に低いために、これまであまり熱電変換材料として使用されることがなかった熱電変換材料を、電荷輸送層を設けることで使用することが可能となる。結果として、これまでにない大きな出力の熱電変換素子を提供できる。
また、本発明は、電荷輸送層のドープ層が露出している部分にパッシベーション膜を形成することで経時的に安定した熱電変換素子を提供することができる。
また、本発明は、熱伝導性が高い絶縁性材料と熱伝導性の低い絶縁材料を組み合わせた絶縁性基板を使用することで、積層したモジュールの一方の端部が加熱・高温部として効率よく機能し、積層したモジュールの他方の端部が冷却・低温部として効率よく機能する優れた熱電変換モジュールを提供できる。
本発明は、このような優れた熱電特性を有する熱電変換素子および熱電変換モジュールを提供するものである。そして、クリーンな新しいエネルギー変換技術を提供するものである。
本発明の実施形態1に係る熱電変換素子Aの上面図及び断面図である。 本発明の比較形態1に係る熱電変換素子Bの上面図及び断面図である。 従来の熱電変換素子の構成を説明するための概念図である。 熱電変換材料の熱電性能特性(室温)を示す概略図である。 本発明の実施形態2に係る熱電変換モジュールの製造工程の一例を示す説明図である。(1)は熱電変換モジュールの第1層(工程1)を示し、(2)は熱電変換モジュールの第2層(工程2)を示し、(3)は熱電変換モジュールの第3層(工程3)を示し、(4)は熱電変換モジュールの第4層(工程4)を示す。 本発明の実施形態3に係る熱電変換モジュールの概略図である。(1)は熱電変換モジュールの斜視図を示し、(2)は(1)の熱電変換モジュールのE−E線矢視断面図を示す。 本発明の実施形態2または3に係る熱電変換モジュールと出力測定器との接続例を示す説明図である。
〔本発明の熱電変換素子について〕
グラファイトは電気伝導特性に対して異方性を有しており、天然黒鉛から製造したシートは、層面内方向の電気伝導率が2000〜10000S/cm程度で、厚み方向の電気伝導率が1S/cm程度あり、ポリイミド等の高分子シートをグラファイト化させたグラファイトシートは、層面内方向の電気伝導率が10000〜25000S/cm程度であり、厚み方向の電気伝導率が5S/cm程度ある。従来から熱電変換材料として使用されているBi-Te系材料の電気伝導率が500〜1000S/cm程度であり、どちらのグラファイトシートを使用してもグラファイトの層面内方向の高い電気伝導率を利用して有効な電荷輸送層として利用することができる。
グラファイトを電荷輸送層として使用するにあたり、熱電変換材料とのキャリアの受け渡しをエネルギー的にロスすることなく行うために、グラファイトをn型あるいはp型の半導体になるように前処理を行う。前処理する手法としては、カーボンナノチューブやグラフェン等をn型あるいはp型の半導体になるように処理する方法を使用する事ができる。
グラファイトをn型半導体にする方法としては、グラファイトをカリウム雰囲気下で熱処理する方法、電荷供与材料をドープする方法等がある。
電荷供与材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDT−TTF)、テトラセラナフルバレン(TSF)、トリフェニルフォスフィン(TPP)、トリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)、トリフッ化フェニルフォスフィン(F−TPP)、ジフェニルフォスフィン(DPP)、ジフェニルホスフィノエタン(DPPE)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、アミン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、Cu−フタロシアニン、Zn−フタロシアニン等、およびその誘導体等の一般に知られた電荷供与材料を使用する事ができる。
グラファイトをp型半導体にする方法としては、グラファイトに格子欠陥を導入する方法、電荷受容材料をドープする方法がある。
電荷受容材料としては、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF4)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)、トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)、カルバゾール、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、フェニルボロン酸、ピリジン、キノリン、イミダゾール、トリフェニルアミン等、およびそれらの誘導体等の一般に知られた電荷受容材料を使用する事ができる。
また、本発明においては、電荷供与材料あるいは電荷受容材料をグラファイト表面にドープすることにより、グラファイト表面の熱伝導率が大幅に小さくなることがわかった。グラファイトのフォノン伝播はグラファイト表面を二次元伝播するものであり、バルク状の固体をフォノンが三次元伝播する場合とは異なり、グラファイト表面に格子欠陥を注入することによりフォノンの平均自由工程が格子欠陥間の距離に等しくなってしまい熱伝導率が大きく低下することが、従来より知られている。本発明における熱伝導率の低下は、格子欠陥の代わりにドープ元素がフォノンの二次元伝播を遮る役割をしたためと考えられる。
(1)熱電変換材料としては、本発明においてカーボンナノチューブ、Bi-Te系化合物、あるいは酸化物を使用する。
カーボンナノチューブの形成にはメタンやアセチレンを原料とするCVD法や、黒鉛にレーザーを当てて形成するレーザーアブレーション法が知られているが、本発明では市販のカーボンナノチューブ分散液を濾過して得られるカーボンナノチューブを使用する。n型カーボンナノチューブを作製するために、電荷供与材料をカーボンナノチューブにドープし、p型カーボンナノチューブを作製するために、電荷受容材料をカーボンナノチューブにドープする。ドープする方法は、電荷供与材料あるいは電荷受容材料の各ドーパントを数重量%含む有機溶剤を用意し、所定量のカーボンナノチューブをこれに加え、混合・撹拌した後濾過し、得られた濾過物を型に入れ加熱乾燥する。このようにして熱電変換材料層を形成する。
電荷供与材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDT−TTF)、テトラセラナフルバレン(TSF)、トリフェニルフォスフィン(TPP)、トリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)、トリフッ化フェニルフォスフィン(F−TPP)、ジフェニルフォスフィン(DPP)、ジフェニルホスフィノエタン(DPPE)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、アミン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、Cu−フタロシアニン、Zn−フタロシアニン等、およびその誘導体等の一般に知られた電荷供与材料を使用する事ができる。
電荷受容材料としては、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF4)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)、トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)、カルバゾール、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、フェニルボロン酸、ピリジン、キノリン、イミダゾール、トリフェニルアミン等、およびそれらの誘導体等の一般に知られた電荷受容材料を使用する事ができる。
(2)一般に、熱電変換材料の熱電性能特性は、図4に示すようにゼーベック係数:Sの二乗と電気伝導率:σの積:S2σで表わされ、その最大値付近にBi-Te系化合物がある。Bi-Te系化合物としては、500K以下の温度範囲で熱電性能特性が優れているとされているBi-Te-Se系化合物(n型熱電変換材料)、Bi-Te-Sb系化合物(p型熱電変換材料)を使用することが好ましい。しかしながら、Bi、Te、Se、Sb等は希少金属でありコストも高く、市場の需要に対して十分に供給することが困難となる等の問題がある。よって、Bi-Te系化合物以外に、ゼーベック係数の高いけれども電気伝導率が非常に低いためにこれまであまり熱電変換材料として使用されることがなかった酸化物材料を使用することを検討した。
酸化物材料としては、特に限定されるものではないが、FeO、Fe23、Fe34、CuO、Cu2O、ZnO、Zn1-XAlXO、MnO、NiO、CoO、TiO2、SrTiO3等の金属酸化物材料があげられる。
従来の熱電変換素子の構造では、高いゼーベック係数、高い電気伝導率、低い熱伝導率の三特性を熱電変換材料に要求するため、ゼーベック係数が300〜1000μV/Kと高いが、電気伝導率が0.5S/cm以下と低い酸化物材料を熱電変換材料として使用することは困難であった。しかしながら、本発明の電荷輸送層を有する熱電変換素子においては、電気伝導についてはグラファイトからなる電荷輸送層が役割を担い、熱伝導については電極間の温度差を確保しやすいシート型の素子構造が役割を担い、熱電変換材料層はゼーベック係数のみ高ければよいという利点を有する。このため、ゼーベック係数の高い酸化物材料を有効に使用する事ができ、熱電変換素子の出力の改善を大幅に図ることが可能となる。
(3)〔本発明の熱電変換モジュールについて〕
本発明の図5に示される実施形態2の熱電変換モジュールは、絶縁性基板と、電荷輸送層と、熱電変換材料層と、電極からなり、電荷輸送層が、グラファイト表面に電荷供与材料をドープする処理を行ったn型電荷輸送層、またはグラファイト表面に電荷受容材料をドープする処理を行ったp型電荷輸送層からなる熱電変換素子を、絶縁性基板上に多数直列に配列したものである。
図5の(2)に示すように、絶縁性基板上に複数枚のn型電荷輸送層2N及びp型電荷輸送層2Pを所定間隔離して交互に配置する。
次に、図5の(3)に示すように、n型電荷輸送層2Nの両端表面上にn型熱電変換材料層3Nを、p型電荷輸送層2Pの両端表面上にp型熱電変換材料層3Pをそれぞれ形成する。
次に、図5(4)に示すように、n型熱電変換材料層3Nとp型熱電変換材料層3Pに接触するように電極4を図5(3)の第3層の熱電変換材料層上に形成して複数枚のn型熱電変換材料層3N及びp型熱電変換材料層3Pを直列に接続する構成とする。
更に、n型電荷輸送層2N及びp型電荷輸送層2P上の熱電変換材料層が形成されていない中央部のドープ層が露出している表面部分にパッシベーション膜8を形成する。
パッシベーション膜8としては、窒化シリコン、窒化アルミニウム等の窒化膜、炭化シリコン等の炭化膜、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン等のフッ素樹脂等が好ましい。
(4)本発明の実施形態3の熱電変換モジュールは、図6の(1),(2)に示すように、熱電変換モジュールA,B,Cを厚み方向に積み重ねて電気的に接続する構造を有するものである。この場合、熱電変換モジュールの端部は、加熱・高温部、或いは冷却・低温部として作用するため、両端部における各熱電変換モジュール間は、それぞれ良好な熱伝導性を有することが好ましい。それに対して加熱・高温部と冷却・低温部の間はできるだけ熱伝導性が低いことが好ましい。このような熱電変換モジュール構造を実現するためには、図5の(1)に示すように、絶縁性基板は、両端部が熱伝導性の高い絶縁性素材からなる基板で構成され、中央部が熱伝導性の低い絶縁性素材からなる基板で構成される複合基板を使用することが好ましい。
熱伝導性の高い絶縁性素材からなる基板としては、窒化アルミニウム、炭化シリコン、アルミナ等からなるセラミック基板や、窒化アルミニウム、炭化シリコン、アルミナ等を表面に被膜した絶縁性基板が好ましい。
図6の(2)には、絶縁性基板としてセラミック基板5を使用した熱電変換モジュールの端部の断面図を示す。端部全体の熱伝導率が高い構造となっている。
熱伝導性の低い絶縁性素材からなる基板としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等をからなるプラスチック樹脂基板や、上記プラスチック樹脂材料にガラス繊維や酸化シリコンやアルミナの粉体を混合させた複合樹脂基板や、多孔質シリコンや多孔質アルミナ等の多孔質セラミック基板等が好ましい。
本発明の絶縁性基板を使用することによって、図7に示すように、積層した熱電変換モジュールの一方の端部が加熱・高温部として効率よく機能し、積層した熱電変換モジュールの他方の端部が冷却・低温部として効率よく機能し、優れた熱電変換特性が実現できる。
次に、図1に基づき、実施形態1に係る熱電変換素子について説明する。
〔実施形態1〕
実施形態1に係る熱電変換素子Aについて説明する。図1は、熱電変換素子Aの図面であり、図1(1)が上面図、図1(2)が図1(1)のA−A線における断面図、図1(3)が図1(1)のB−B線における断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る熱電変換素子Aは、耐熱性と絶縁性を有する絶縁性基板10上に互いに離れて形成されたn型熱電変換部1N及びp型熱電変換部1Pと、電極4とで構成されている。n型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10上に電荷輸送層2N、n型熱電変換材料層3Nの順で積層されている。p型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10上に電荷輸送層2P、p型熱電変換材料層3Pの順で積層されている。
本実施形態では、電荷輸送層2N,2Pとして、n型あるいはp型の半導体になるように前処理を行ったグラファイトシートを使用する。グラファイトシートとしては、ポリイミド等の高分子シートをグラファイト化させたPGSグラファイトシートを使用する。グラファイトシートの厚みは特に規定されるものではないが50〜300μm程度の厚みのグラファイトシートを使用する。
n型にする前処理として、電荷供与材料であるトリフェニルフォスフィン(TPP)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、或いはトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)等のn型ドーパントを5重量%含有するジメチルスルホキシド(DMSO)溶液をグラファイトシート表面に塗布し、N2雰囲気下200℃で加熱処理する。
これを5回繰り返すことにより電荷供与材料をグラファイト表面にドープする。このように前処理されたグラファイトシートを、n型熱電変換部1Nの電荷輸送層2Nに使用する。
p型に変換する前処理として、電荷受容材料であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、或いはカルバゾール等のp型ドーパントを5重量%含有するジメチルスルホキシド(DMSO)溶液をグラファイトシート表面に塗布し、N2雰囲気下200℃で加熱処理する。これを5回繰り返すことにより電荷受容材料をグラファイト表面にドープする。このように前処理されたグラファイトシートを、p型熱電変換部1Pの電荷輸送層2Pに使用する。
本実施形態では、n型熱電変換材料層3N及びp型熱電変換材料層3Pは、カーボンナノチューブ、Bi-Te系化合物、酸化物、或いはそれらの材料の積層で形成される。この熱電変換材料層は、焼結体を切り出した板状の熱電変換材料であっても良いし、周知の蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法で形成された層であっても良い。また熱電変換材料をペースト化し、ペーストをスクリーン印刷法やドクターブレード法等により印刷し加熱することにより熱電変換材料層を形成してもよい。
カーボンナノチューブ材料の場合、市販のカーボンナノチューブ分散液を濾過してカーボンナノチューブ(密度:0.5g/cm3)を用意する。
n型のカーボンナノチューブを形成するためには、電荷供与材料であるトリフェニルフォスフィン(TPP)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、或いはトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)等のn型ドーパントを5重量%含有するジメチルスルホキシド(DMSO)溶液10mlにカーボンナノチューブ5mgを加え、よく混合・撹拌した後に濾過し、この濾過物を型に入れ20分間130℃で加熱乾燥することによりn型カーボンナノチューブよりなる熱電変換材料層を作製する。
p型のカーボンナノチューブを形成するためには、電荷受容材料であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、或いはカルバゾール等のp型ドーパントを5重量%含有するジメチルスルホキシド(DMSO)溶液10mlにカーボンナノチューブ5mgを加え、よく混合・撹拌した後に濾過し、この濾過物を型に入れ20分間130℃で加熱乾燥することによりp型カーボンナノチューブよりなる熱電変換材料層を作製する。
Bi-Te系材料の場合、n型熱電変換材料としてBi2Te2.7Se0.3を、p型熱電変換材料としてBi0.5Sb1.5Te3を使用する。溶融法によりBi2Te2.7Se0.3或いはBi0.5Sb1.5Te3の組成で製造したBi-Te系材料を粉砕した粉末(平均粒径:約3μm)を使用して、下記の配合でBi-Te系材料ペーストを作製した。それらのBi-Te系材料ペーストを印刷し、N2雰囲気下、150℃で10分間焼成することにより熱電変換材料層を作製する。
Bi-Te系材料ペーストの配合(重量部)〕
・Bi-Te系材料粉末:100部
・テレピネオール:12部
・エチルセルロース:3部
また、酸化物材料の場合、n型熱電変換材料層3Nは、酸化鉄(Fe23)、あるいは酸化亜鉛(ZnO)で形成され、p型熱電変換材料層3Pは、酸化銅(Cu2O)で形成される。本実施形態においては、酸化鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(Cu2O)は、イオンプレーティング法で形成する。ターゲットにFe,Zn,Cuをそれぞれ使用し、電子銃により加熱させる。10-3Pa減圧下、反応性ガスとしては酸素ガス15〜20sccm、窒素ガス3〜5sccm流し、高周波によりプラズマを発生させてプラズマ中で反応させ基板(グラファイト)上に酸化膜を形成する。基板温度130℃、高周波電源出力は300W、基板バイアス0V、製膜速度は0.5〜1nm/secの条件で厚み約0.3μmの酸化膜を形成後、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールすることにより熱電変換材料層をグラファイトシート上に形成する。
本実施形態では、上記のように絶縁性基板10上にグラファイトよりなる電荷輸送層2N,2Pが形成され、電荷輸送層の両端部にカーボンナノチューブ、Bi-Te系化合物、酸化物、あるいはカーボンナノチューブとBi-Te系化合物の積層、または、カーボンナノチューブと酸化物の積層からなる熱電変換材料層3N,3Pが積層される。前記熱電変換材料層上にAg層を蒸着法で形成し、前記Ag層にAl基板を半田で取り付けることにより電極4を形成する。
以上の工程により、実施形態1に係る熱電変換素子A(図1)が製造される。
〔比較形態1〕
比較形態1に係る熱電変換素子Bについて説明する。図2は、熱電変換素子Bの図面であり、図2(1)が上面図、図2(2)が図2(1)のC−C線における断面図、図2(3)が図2(1)のD−D線における断面図である。
図2に示すように、比較形態1に係る熱電変換素子Bは、絶縁性基板10上に熱電変換材料層3N,3Pが形成されており、電荷輸送層2N,2Pを形成しない点が実施形態1と異なる点である。そして、熱電変換材料層3N,3Pの両端部に各電極が形成される構成である。
本比較形態では、n型熱電変換材料層3N及びp型熱電変換材料層3Pは、実施形態1と同様の工程により、カーボンナノチューブ、Bi-Te系材料、あるいは酸化物材料で形成される。その他、実施形態1と同様の工程により、比較形態1に係る熱電変換素子B(図2)が製造される。
以下に説明する実施例は、次のようにして作製した。
〔実施例1〕
以下の(1−1)〜(1−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(1)を作製した。
(1−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。
以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(1−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。
以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(1−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(1)を作製した。(以上、図1参照)
(1−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(1)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(1)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(1)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように1.80mWの出力が得られた。
〔実施例2〕
以下の(2−1)〜(2−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(2)を作製した。
(2−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。
以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(2−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。
以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(2−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(2)を作製した。(以上、図1参照)
(2−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(2)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(2)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(2)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように2.24mWの出力が得られた。
〔実施例3〕
以下の(3−1)〜(3−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(3)を作製した。
(3−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして電荷供与材料(n型ドーパント)であるジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、n型熱電変換材料としてBi2Te2.7Se0.3を印刷法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間焼成する。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(3−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして電荷受容材料(p型ドーパント)である4-ヒドロキシ-9H-カルバゾールをドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、p型熱電変換材料としてBi0.5Sb1.5Te3を印刷法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下,150℃で10分間焼成する。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部形成された構造とした。
(3−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(3)を作製した。(以上、図1参照)
(3−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(3)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(3)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(3)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように15.7mWの出力が得られた。
〔実施例4〕
以下の(4−1)〜(4−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(4)を作製した。
(4−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、n型熱電変換材料として酸化鉄(Fe23)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(4−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、p型熱電変換材料として酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(4−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(4)を作製した。(以上、図1参照)
(4−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(4)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(4)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(4)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように142mWの出力が得られた。
〔実施例5〕
以下の(5−1)〜(5−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(5)を作製した。
(5−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、n型熱電変換材料として酸化亜鉛(ZnO)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、n型熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(5−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、p型熱電変換材料として酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、p型熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(5−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(5)を作製した。(以上、図1参照)
(5−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(5)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(5)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(5)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように207mWの出力が得られた。
〔実施例6〕
以下の(6−1)〜(6−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(6)を作製した。
(6−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
図1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上にBi2Te2.7Se0.3を印刷法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下,150℃で10分間焼成する。このようにして、カーボンナノチューブ層とBi2Te2.7Se0.3層の積層からなるn型熱電変換材料層3Nを形成する。
以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(6−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)である4-ヒドロキシ-9H-カルバゾールをドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
図1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷受容材料(p型ドーパント)である4-ヒドロキシ-9H-カルバゾールをドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上にBi0.5Sb1.5Te3を印刷法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下,150℃で10分間焼成する。このようにして、カーボンナノチューブ層とBi0.5Sb1.5Te3層の積層からなるp型熱電変換材料層3Pを形成する。
以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(6−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(6)を作製した。(以上、図1参照)
(6−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(6)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(6)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(6)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように25.3mWの出力が得られた。
〔実施例7〕
以下の(7−1)〜(7−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(7)を作製した。
(7−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
図1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上に酸化鉄(Fe23)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。このようにして、カーボンナノチューブ層と酸化鉄(Fe23)層の積層からなるn型熱電変換材料層3Nを形成する。
以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(7−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
図1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み20μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上に酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。このようにして、カーボンナノチューブ層と酸化銅(Cu2O)層の積層からなるp型熱電変換材料層3Pを形成する。
以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(7−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(7)を作製した。(以上、図1参照)
(7−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(7)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(7)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(7)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように157mWの出力が得られた。
〔実施例8〕
以下の(8−1)〜(8−4)のように、実施形態1(図1)の態様の熱電変換素子A(8)を作製した。
(8−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートと、電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
図1の熱電変換材料層3Nの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上に酸化亜鉛(ZnO)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。このようにして、カーボンナノチューブ層と酸化亜鉛(ZnO)を層の積層からなるn型熱電変換材料層3Nを形成する。
以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、電荷輸送層2N、熱電変換材料層3Nの3層構造が、電荷輸送層2Nの両端部に形成された構造とした。
(8−2) 次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープした角40mm×100mm、厚さ100μmのPGSグラファイトシートを用意する。シリコン樹脂シートの端部から1mm及び電荷輸送層2Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置にグラファイトシートを配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する
1の熱電変換材料層3Pの所定位置であるグラファイトシート両端部上に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×20mm、厚み100μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。形成されたカーボンナノチューブ層の上に酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×20mm、厚み0.3μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。このようにして、カーボンナノチューブ層と酸化銅(Cu2O)層の積層からなるp型熱電変換材料層3Pを形成する。
以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、電荷輸送層2P、熱電変換材料層3Pの3層構造が、電荷輸送層2Pの両端部に形成された構造とした。
(8−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子A(8)を作製した。(以上、図1参照)
(8−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子A(8)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子A(8)のモジュールにおいて、一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃として、熱電変換素子A(8)よりなるモジュールの出力を検討した。表1に示すように224mWの出力が得られた。
以下に説明する比較例は、次のようにして作製した。
〔比較例1〕
以下の(比較1−1)〜(比較1−4)のように、比較形態1(図2)の態様の熱電変換素子B(1)を作製した。
(比較1−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートを用意し、シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、n型熱電変換材料層3Nの2層構造とした。
(比較1−2) 次いで、シリコン樹脂シートの端部から1mm及びn型熱電変換材料層3Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、p型熱電変換材料層3Pの2層構造とした。
(比較1−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子B(1)を作製した。(以上、図2参照)
(比較1−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子B(1)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子B(1)を直列に10個接続したモジュールの一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃としてモジュールの出力を検討した。表1に示すように、実施例1の1.80mWの出力に比較して0.013mWの出力しか得られなかった。
〔比較例2〕
以下の(比較2−1)〜(比較2−4)のように、比較形態1(図2)の態様の熱電変換素子B(2)を作製した。
(比較2−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートを用意し、シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)をドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、n型熱電変換材料層3Nの2層構造とした。
(比較2−2) 次いで、シリコン樹脂シートの端部から1mm及びn型熱電変換材料層3Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、電荷受容材料(p型ドーパント)であるカルバゾールをドープしたカーボンナノチューブを、ドクターブレード法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成し、20分間130℃で加熱乾燥する。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、p型熱電変換材料層3Pの2層構造とした。
(比較2−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子B(2)を作製した。(以上、図2参照)
(比較2−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子B(2)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子B(2)を直列に10個接続したモジュールの一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃としてモジュールの出力を検討した。表1に示すように、実施例2の2.24mWの出力に比較して0.0015mWの出力しか得られなかった。
〔比較例3〕
以下の(比較3−1)〜(比較3−4)のように、比較形態1(図2)の態様の熱電変換素子B(3)を作製した。
(比較3−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートを用意し、シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、n型熱電変換材料としてBi2Te2.7Se0.3を印刷法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間焼成する。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、n型熱電変換材料層3Nの2層構造とした。
(比較3−2) 次いで、シリコン樹脂シートの端部から1mm及びn型熱電変換材料層3Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、p型熱電変換材料としてBi0.5Sb1.5Te3を印刷法によって角40mm×100mm、厚み300μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間焼成する。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、p型熱電変換材料層3Pの2層構造とした。
(比較3−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子B(3)を作製した。(以上、図2参照)
(比較3−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子B(3)を、角82mm×20mm、厚さ50μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子B(3)を直列に10個接続したモジュールの一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃としてモジュールの出力を検討した。実施例3の15.7mW、実施例6の25.3mWと比較して、1.26mWの出力しか得られなかった。
〔比較例4〕
以下の(比較4−1)〜(比較4−4)のように、比較形態1(図2)の態様の熱電変換素子B(4)を作製した。
(比較4−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートを用意し、シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、n型熱電変換材料として酸化鉄(Fe23)をイオンプレーティング法によって角40mm×100mm、厚み1μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、n型熱電変換材料層3Nの2層構造とした。
(比較4−2) 次いで、シリコン樹脂シートの端部から1mm及びn型熱電変換材料層3Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、p型熱電変換材料として酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×100mm、厚み1μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、p型熱電変換材料層3Pの2層構造とした。
(比較4−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子B(4)を作製した。(以上、図2参照)
(比較4−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子B(4)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子B(4)を直列に10個接続したモジュールの一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃としてモジュールの出力を検討した。実施例4の142mW、実施例7の157mWと比較して、0.00093mWの出力しか得られなかった。
〔比較例5〕
以下の(比較5−1)〜(比較5−4)のように、比較形態1(図2)の態様の熱電変換素子B(5)を作製した。
(比較5−1) 絶縁性基板10として角84mm×102mm、厚さ1mmのシリコン樹脂シートを用意し、シリコン樹脂シートの端部から1mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、n型熱電変換材料として酸化亜鉛(ZnO)をイオンプレーティング法によって角40mm×100mm、厚み1μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりn型熱電変換部1Nは、絶縁性基板10、n型熱電変換材料層3Nの2層構造とした。
(比較5−2) 次いで、シリコン樹脂シートの端部から1mm及びn型熱電変換材料層3Nの端部から2mm離したシリコン樹脂シート上の位置に、p型熱電変換材料として酸化銅(Cu2O)をイオンプレーティング法によって角40mm×100mm、厚み1μmの大きさに形成する。続いて、N2雰囲気下、150℃で10分間アニールする。以上の工程よりp型熱電変換部1Pは、絶縁性基板10、p型熱電変換材料層3Pの2層構造とした。
(比較5−3) n型熱電変換材料層3N、p型熱電変換材料層3Pの両端部の角40mm×20mmの表面上にAg蒸着してAg層を形成した。角40mm×20mm、厚さ20μm、あるいは、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成した。
以上によりn型熱電変換部1Nとp型熱電変換部1Pからなる熱電変換素子B(5)を作製した。(以上、図2参照)
(比較5−4) 上記の工程で作製された熱電変換素子B(5)を、角82mm×20mm、厚さ20μmのAl基板を使用して直列に10個接続して形成された熱電変換素子の上部にラミネートフィルムを重ねて真空排気し200℃で加熱してラミネートすることによりモジュールを作製した。
以上の工程で作製された熱電変換素子B(5)を直列に10個接続したモジュールの一方の電極端部を50℃とし、他方の電極端部を0℃としてモジュールの出力を検討した。実施例5の207mW、実施例8の224mWと比較して、0.00061mWの出力しか得られなかった。
〔実施形態2〕
次に、図5に基づき、本発明の実施形態2に係る熱電変換モジュールについて説明する。
図5は、本発明の実施形態2に係る熱電変換モジュールの製造工程の一例を示す説明図である。図5(1)は熱電変換モジュールの第1層(工程1)を示し、図5(2)は熱電変換モジュールの第2層(工程2)を示し、図5(3)は熱電変換モジュールの第3層(工程3)を示し、図5(4)は熱電変換モジュールの第4層(工程4)を示す。
(工程1) 角310mm×51mm、厚さ1mmのセラミック基板5を2枚と、角310mm×50mm、厚さ1mmのフェノール樹脂からなる樹脂基板6を準備する。
図5の(1)第1層(工程1)に示すように、樹脂基板6が2枚のセラミック基板5の間に挟まれるように配置して耐熱性接着剤で接着し、角310mm×152mm、厚さ1mmの、セラミック基板5と樹脂基板6からなる複合基板を作製する。これを絶縁性基板10として使用する。
ここで、絶縁性基板10の長手方向をX方向、短手方向をY方向とすると、Y方向に、セラミック基板5、樹脂基板6およびセラミック基板5の順に並ぶように、絶縁性基板10が配置される。
(工程2) 電荷輸送層2Nとして、電荷供与材料(n型ドーパント)であるトリフェニルフォスフィン(TPP)を表面にドープした角50mm×150mm,厚さ100μmのPGSグラファイトシート(2N)を3枚用意する。次いで、電荷輸送層2Pとして、電荷受容材料(p型ドーパント)であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)を表面にドープした角50mm×150mm,厚さ100μmのPGSグラファイトシート(2P)を3枚用意する。
図5(2)第2層(工程2)に示すように、電荷輸送層2N,2Pの位置に、電荷輸送層としてグラファイトシート(2N,2P)を、それぞれドープ表面を上にして絶縁性基板10上に交互に配置する。配置には耐熱性接着剤を使用する。
各グラファイトシート(2N,2P)は、その長手方向がY方向を向くように配置される。その結果、各グラファイトシート(2N、2P)の両端は、絶縁性基板10の両端のセラミック基板5に接触するように配置される。
また、グラファイトシート(2N,2P)は、X方向において、N型とP型が交互になるように複数枚(図5ではそれぞれ3枚ずつ)配置される。
(工程3) 図(3)第3層(工程3)に示すように、第2層の各グラファイトシート(2N,2P)の両端部上に、角50mm×50mm,厚み100μmの大きさの熱電変換材料層N,Pをそれぞれ形成する。n型熱電変換材料としてBi2Te2.7Se0.3のペーストを使用し、型熱電変換材料としてBi0.5Sb1.5Te3のペーストを使用し、印刷法によって熱電変換材料層N,Pをそれぞれ形成する。続いて、N2雰囲気下,150℃で10分間焼成する。
(工程4) 図5(4)第4層(工程4)に示すように、グラファイトシート(2N)の中央表面上のドープ層が露出している部分に、ポリテトラフルオロエチレンを塗布し350℃で焼成することによりパッシベーション膜8を形成する。また、グラファイトシート(2P)の中央表面上のドープ層が露出している部分に、窒化シリコン膜をプラズマCVD法で形成することによりパッシベーション膜8を形成する。続いて、熱電変換材料層3N,3Pの表面上に角50mm×50mmのAg層を蒸着法で形成する。そして、角50mm×50mm,厚さ50μm、あるいは、角101mm×50mm,厚さ50μmのAl基板をAg層上に半田で固定して電極4を形成する。
電極4は、第2層のグラファイトシート(2N,2P)を流れる電荷の経路が蛇行(ミアンダ)形状をなすように、隣り合ったAg層同士を接合して配置する。
更に、電気接続端子7を半田付で上記蛇行配線の両端部の電極4の側面に固定する。電気接続端子7は銅線からなる端子であり、表面を絶縁体で被覆した構造である。
以上により、絶縁性基板10上に、n型熱電変換部とp型熱電変換部からなる熱電変換素子が3セット直列接続に配置された熱電変換モジュールが作製される。
このようにn型熱電変換部とp型熱電変換部からなる熱電変換素子が3セット直列に配置することによって、電荷輸送層を有する熱電変換モジュールを実現することができる。
〔実施形態3〕
次に、図6に基づき、本発明の実施形態3に係る熱電変換モジュールについて説明する。
図6は、本発明の実施形態3に係る熱電変換モジュールの概略図である。図6(1)は熱電変換モジュールの斜視図であり、図6(2)は図6(1)の熱電変換モジュールのE−E線矢視断面図である。
本発明の実施形態3に係る熱電変換モジュールは、図6(1)(2)に示すように、図5の熱電変換モジュールを3段厚み方向(Z方向)に重ね合わせた構造を有する。
具体的には、図6(2)に示すように、熱電変換モジュールAの電極4の上面に熱電変換モジュールB のセラミック基板5の底面が接触し、また、熱電変換モジュールBの電極4の上面に熱電変換モジュールCのセラミック基板5の底面が接触するように、3つの熱電変換モジュールを耐熱性接着剤で接着して配置する。
続いて、3段重ねた熱電変換モジュールの最上部に角310mm×152mm、厚さ1mmの絶縁基板10を配置する。
また、最上部と最下段の熱電変換モジュールと、中段の熱電変換モジュールのn型熱電変換部とp型熱電変換部の配置は、互いに入れ替わった配置となっている。続いて、厚み方向(Z方向)に重ねられた各熱電変換モジュールの電気接続端子7を1段目から3段目まで蛇行(ミアンダ)形状をなすように直列に接続する。次いで、積み重ねられた熱電変換モジュールの四方側部にフェノール樹脂基板を耐熱性接着剤で接着する。
最後にラミネートフィルムを四方側部の継ぎ目部分に配置し、真空排気後200℃で加熱してラミネートし密封する。モジュールの上部と下部のセラミック基板面にかかったラミネートフィルムを取り除きセラミック基板面を露出させる。
このように熱電変換モジュールを3段重ねて配置することによって、電荷輸送層を有し、優れた熱電変換特性を有する熱電変換モジュールを実現することができる。
図7は、本発明の実施形態2または3に係る熱電変換モジュールと出力測定器との接続例を示す説明図である。
図7に示すように、本発明の絶縁性基板を使用することによって、積層したモジュールの一方の端部が加熱・高温部として効率よく機能し、積層したモジュールの他方の端部が冷却・低温部として効率よく機能し、優れた熱電変換特性が実現できる。
なお、実施形態2においては、熱電変換素子を3セット使用した熱電変換モジュールの構造について説明したが、もちろん3セットに限られるものではない。
また、実施形態3においては、熱電変換モジュール3段直列接続に配置した熱電変換モジュールについて説明したが、もちろん3段に限られるものではないし、並列接続を組み合わせたものであってもよい。
熱電変換素子A:本発明の実施形態1の熱電変換素子
熱電変換素子B:比較形態1の熱電変換素子
1N:n型熱電変換部 1P:p型熱電変換部
2N:n型電荷輸送層 2P:p型電荷輸送層
3N:n型熱電変換材料層 3P:p型熱電変換材料
:電極
5:セラミック基板 6:樹脂基板
7:電気接続端子
8:パッシベーション膜
10:絶縁性基板
MA、MB,MC:熱電変換モジュール
100:従来の熱電変換素子
120,121,180:電極

Claims (8)

  1. 少なくとも電荷輸送層と、熱電変換材料層と、電極からなる熱電変換素子であり、
    該電荷輸送層は、n型半導体になるように電荷供与材料をドープする処理を行ったグラファイトの表面からなり、
    前記グラファイトの表面に前記電荷供与材料をドープすることによって、前記グラファイトのドープ表面の面内方向の熱伝導率を低減し、
    前記ドープ表面の面内方向にキャリアを移動させる処理を行ったグラファイトの表面からなるn型電荷輸送層であり、
    前記n型電荷輸送層の両端部のドープ表面上にn型熱電変換材料層を形成し、前記n型熱電変換材料層の上部に前記電極を形成することを特徴とする熱電変換素子。
  2. 少なくとも電荷輸送層と、熱電変換材料層と、電極からなる熱電変換素子であり、
    該電荷輸送層は、p型半導体になるように電荷受容材料をドープする処理を行ったグラファイトの表面からなり、
    前記グラファイトの表面に前記電荷受容材料をドープすることによって、前記グラファイトのドープ表面の面内方向の熱伝導率を低減し、
    前記ドープ表面の面内方向にキャリアを移動させる処理を行ったグラファイトの表面からなるp型電荷輸送層であり、
    前記p型電荷輸送層の両端部のドープ表面上にp型熱電変換材料層を形成し、前記p型熱電変換材料層の上部に前記電極を形成することを特徴とする熱電変換素子。
  3. 前記電荷供与材料が、テトラチアフルバレン(TTF)、テトラメチルテトラチアフルバレン(TMTTF)、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレン(BEDT−TTF)、テトラセラナフルバレン(TSF)、トリフェニルフォスフィン(TPP)、トリメトキシフェニルフォスフィン(MeO−TPP)、トリフッ化フェニルフォスフィン(F−TPP)、ジフェニルフォスフィン(DPP)、ジフェニルホスフィノエタン(DPPE)、ジフェニルホスフォノプロパン(DPPP)、アミン、ポリアミン、ポリエチレンイミン、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウム、Cu−フタロシアニン、Zn−フタロシアニン、およびそれらの誘導体の群のうち少なくとも一つである請求項1に記載の熱電変換素子。
  4. 前記電荷受容材料が、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF4)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)、トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)、カルバゾール、4-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール、フェニルボロン酸、ピリジン、キノリン、イミダゾール、トリフェニルアミン、およびそれらの誘導体の群のうち少なくとも一つである請求項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記熱電変換材料層が、カーボンナノチューブ、Bi-Te系化合物、酸化物、およびそれらの材料の組み合わせの群のうち少なくとも一つからなる請求項1または2に記載の熱電変換素子。
  6. 絶縁性基板をさらに備え、
    前記絶縁性基板は、第1基板の両端に2枚の第2基板を1枚ずつ接合してなる複合基板であり、
    前記第2基板は前記第1基板よりも熱伝導性が高い絶縁性材料からなり、
    前記絶縁性基板上に前記電荷輸送層を形成した請求項またはに記載の熱電変換素子。
  7. 前記電荷輸送層の両端部に熱電変換材料層を形成し、前記熱電変換材料層を形成していない前記電荷輸送層の中央部のドープ表面が露出している部分にパッシベーション膜を形成した請求項またはに記載の熱電変換素子。
  8. 複数の請求項に記載の熱電変換素子と、複数の請求項に記載の熱電変換素子とを電気的に接続することによって構成された熱電変換モジュール。
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