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JP6732420B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

タイヤトレッド用ゴム組成物及びその製造方法 Download PDF

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JP6732420B2 JP2015190187A JP2015190187A JP6732420B2 JP 6732420 B2 JP6732420 B2 JP 6732420B2 JP 2015190187 A JP2015190187 A JP 2015190187A JP 2015190187 A JP2015190187 A JP 2015190187A JP 6732420 B2 JP6732420 B2 JP 6732420B2
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Description

本発明は、タイヤトレッドに用いるのに好適なゴム組成物及びその製造方法、並びに、該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤのトレッドゴムにおいては、氷上路面での走行性能(即ち、氷上性能)や湿潤路面での走行性能(即ち、ウェット性能)を向上するために、様々な提案がなされている。例えば、特許文献1には、氷上性能を向上するために、トレッドゴムに酸処理シルク粉末を配合することが開示されている。市場の要求に対して十分に応えるべく、タイヤの走行性能を向上させるための更なる技術開発が求められている。
ところで、トレッドゴムには、一般に、石油系軟化剤であるオイルが配合されている。オイルは経時的に移行(ゴム表面へのブリードや、周辺ゴムへの移行)することから、オイルの移行によってトレッドゴムのゴム硬度が上昇し、それによって経年後のタイヤ性能の低下を招くという問題がある。
なお、特許文献2には、老化防止剤による耐オゾンクラック性を向上するために老化防止剤に油ゲル化剤(例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド)を添加することが提案されている。しかしながら、この文献は、油ゲル化剤により老化防止剤をゲル化させる点を開示したものであり、吸油性ポリマー粒子を用いる点についても、また、オイルの移行による硬度上昇を抑制する点についても開示されていない。
特開2015−059169号公報 特開平1−163228号公報
本発明は、以上の点に鑑み、オイルの経時移行に起因するゴム硬度の上昇を抑えることができるタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、オイルと、繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子とを配合してなるものであり、吸油性ポリマー粒子の含有量がオイル100質量部に対して2.5〜60質量部である。
一実施形態として、タイヤトレッド用ゴム組成物は、繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させたオイル−ポリマー複合体と、ジエン系ゴムとを配合してなり、ゴム組成物中に含まれるオイル100質量部に対する吸油性ポリマー粒子の含有量が2.5〜60質量部であるものでもよい。
本実施形態に係る空気入りタイヤは、上記ゴム組成物からなるトレッドゴムを備えたものである。
一実施形態に係るタイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法は、繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させてなるオイル−ポリマー複合体を、ジエン系ゴムと混合するものである。
本実施形態によれば、オイルの経時移行に起因するトレッドゴムの硬度の上昇を抑えることができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本実施形態に係るゴム組成物は、ジエン系ゴムと、オイルと、吸油性ポリマー粒子を配合してなるものである。
ゴム成分として用いられる上記ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなど、タイヤトレッド用ゴム組成物において通常使用される各種ジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは、いずれか1種単独で、又は2種以上ブレンドして用いることができる。より好ましくは、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、及びスチレンブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも一種である。
一実施形態として、ジエン系ゴムは、天然ゴム単独、又は天然ゴムと他のジエン系ゴム(例えば、ポリブタジエンゴム)とのブレンドでもよい。ブレンドの場合、ジエン系ゴム100質量部は、30〜80質量部の天然ゴムと、20〜70質量部の他のジエン系ゴムからなるものでもよい。
上記オイルとしては、ゴム組成物に配合される各種オイルを用いることができる。好ましくは、オイルとしては、炭化水素を主成分とする鉱物油を用いることである。すなわち、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、及びアロマ系オイルからなる群から選択される少なくとも1種の鉱物油を用いることが好ましい。
ゴム組成物中に含まれるオイルの含有量は、特に限定されず、例えば、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜50質量部でもよく、10〜40質量部でもよく、10〜30質量部でもよい。
上記吸油性ポリマー粒子としては、吸油量が100〜1500ml/100gであるものが用いられる。このような吸油量の高い吸油性ポリマー粒子をオイルとともに配合することにより、例えば氷上性能やウェット性能などのタイヤの走行性能を向上することができるとともに、オイルの経時移行によるトレッドゴムの硬度の上昇を抑えることができる。その理由は、特に限定するものではないが、次のように推測される。すなわち、ゴム組成物中に含まれるオイルが吸油性ポリマー粒子に吸収ないし吸着されるので、オイルの経時移行を軽減することができ、そのため、トレッドゴムの硬度上昇を抑えることができると考えられる。このようにトレッドゴムの硬度上昇を抑えることができれば、経年によるトレッドゴムの性能低下を抑えることができる。また、加硫ゴム中でオイルを吸収することによりゲル化(即ち、膨潤)した吸油性ポリマー粒子は、フィラー非偏在相を形成し、ヒステリシスロスを増大させると考えられ、これにより、ウェット性能などのタイヤの走行性能を向上させることができる。また、オイルを吸収ないし吸着した吸油性ポリマー粒子が密着効果を発現することで、氷上性能が向上すると考えられる。
ここで、吸油性ポリマー粒子の吸油量が上記のように100ml/100g以上であることにより、オイルの経時移行性を改良することができる。また、吸油量が1500ml/100g以下であることにより、耐摩耗性の低下を抑えることができる。吸油量は、300〜1300ml/100gであることが好ましく、より好ましくは500〜1200ml/100gでもよく、700〜1200ml/100gでもよい。
本明細書において、吸油量は、上記吸油性ポリマー粒子100g当たりの吸収可能なオイルの最大量(飽和状態での吸油量)であり、JIS K5101−13−1によって測定される値である。
一実施形態において、吸油性ポリマー粒子は、その繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなることが好ましい。また、吸油性ポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は−50〜−70℃であることが好ましく、より好ましくは−50〜−60℃である。吸油性ポリマー粒子がスチレン単位を含み、かつガラス転移温度が−60℃付近にあることにより、ウェット性能および氷上性能に有利に働く。なお、ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定される値(昇温速度20℃/分)である。
一実施形態において、吸油性ポリマー粒子は、多孔性であることが好ましい。多孔性であることにより、ウェット性能や氷上性能に有利に働く。
吸油性ポリマー粒子の平均粒径(吸油していない状態での平均粒径)は、特に限定されず、例えば10〜1000μmでもよく、100〜800μmでもよく、300〜700μmでもよい。ここで、平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して画像を得て、この画像を用いて、無作為抽出された50個の粒子の直径を計測することにより、その相加平均として求められる。粒子の直径は、例えば、MediaCybernetics社の画像処理ソフト「Image-Pro Plus」を用いて、粒子の外周の2点を結び、かつ重心を通る径を、2度刻みに測定した値の平均値とすることができる。
以上のような特性を持つ吸油性ポリマー粒子としては、名東化製(株)から「アクアN−キャップ」として市販されており、好ましく用いることができる。アクアN−キャップは、熱可塑性ブロックコポリマーからなる顆粒状パウダーであり、吸油性熱可塑性ポリマー粒子である。アクアN−キャップは、オイルは吸収するが水は吸収しない親油疎水性を持ち、オイルをマイクロカプセル封入することができる。すなわち、オイルを吸収して膨潤し、内部にオイルを保持することができる。
上記ゴム組成物中に含まれる吸油性ポリマー粒子の含有量は、オイル100質量部に対して、2.5〜60質量部である。この含有量が2.5質量部以上であることにより、オイルの経時移行性を改良することができ、また、氷上性能などのタイヤの走行性能を向上することができる。また、この含有量が60質量部以下であることにより、耐摩耗性の低下を抑えることができる。吸油性ポリマー粒子の含有量は、オイル100質量部に対して、10〜60質量部であることが好ましく、15〜50質量部でもよい。
なお、吸油性ポリマー粒子のジエン系ゴム100質量部に対する含有量は、特に限定されないが、0.1〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15質量部である。
一実施形態において、吸油性ポリマー粒子とオイルは、吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させたオイル−ポリマー複合体として配合してもよい。すなわち、吸油性ポリマー粒子とオイルを予め混合して、吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させ、これにより得られたオイルを含む吸油性ポリマー粒子を、ジエン系ゴムに添加し混合するようにしてもよい。オイル−ポリマー複合体は、吸油性ポリマー粒子と、当該ポリマー粒子に吸収されたオイルとを含むものであり、これをゴム混練時に添加することにより、オイルの経時移行性の改良効果と、タイヤ走行性能の改良効果を、より一層高めることができる。
ここで、オイル−ポリマー複合体において、両成分の割合は、オイル100質量部に対して吸油性ポリマー粒子の量が8〜60質量部でもよく、10〜60質量部でもよく、12〜50質量部でもよく、15〜50質量部でもよい。
このような好ましい一実施形態に係るゴム組成物には、オイル−ポリマー複合体とともに、別途、吸油性ポリマー粒子及び/又はオイルを配合してもよく、配合しなくてもよい。好ましくは、吸油性ポリマー粒子の50質量%以上(より好ましくは80質量%以上)は、オイル−ポリマー複合体として配合することである。いずれにしても、オイル−ポリマー複合体を配合する場合において、ゴム組成物中に含まれる吸油性ポリマー粒子及びオイルの含有量(複合体由来ではないものも含む含有量)は、上述したオイル−ポリマー複合体を用いない場合と同様、次の通りである。すなわち、オイル100質量部に対する吸油性ポリマー粒子の含有量が2.5〜60質量部であり、より好ましくは10〜60質量部であり、更に好ましくは15〜50質量部である。また、ゴム組成物中に含まれるオイルの含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜50質量部でもよく、10〜40質量部でもよく、10〜30質量部でもよい。また、ゴム組成物中に含まれる吸油性ポリマー粒子の含有量が、ジエン系ゴム100質量部に対して、0.1〜20質量部でもよく、0.5〜15質量部でもよい。
本実施形態に係るゴム組成物には、上記した各成分に加え、通常のゴム工業で使用されているカーボンブラックやシリカなどの補強性充填剤、亜鉛華、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤(アミン−ケトン系、芳香族第2アミン系、フェノール系、イミダゾール系等)、加硫剤、加硫促進剤(グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チウラム系等)などの配合薬品類を通常の範囲内で適宜配合することができる。
補強性充填剤としてのカーボンブラックとしては、特に限定されず、公知の種々の品種を用いることができる。例えば、SAF級(N100番台)、ISAF級(N200番台)、HAF級(N300番台)、FEF級(N500番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。これら各グレードのカーボンブラックは、いずれか1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
シリカとしても、特に限定されないが、湿式沈降法シリカや湿式ゲル法シリカなどの湿式シリカが好ましく用いられる。シリカを配合する場合、スルフィドシラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤を併用することが好ましく、その配合量はシリカ配合量に対して2〜20質量%であることが好ましい。
カーボンブラック及び/又はシリカからなる補強性充填剤の配合量は、特に限定されず、例えば、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部でもよく、20〜100質量部でもよく、30〜80質量部でもよい。補強性充填剤としては、好ましくは、カーボンブラック単独、又はカーボンブラックとシリカとの併用である。
上記加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などの硫黄が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、ジエン系ゴム100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
本実施形態に係るゴム組成物には、また、氷上性能をさらに向上するために、植物の多孔質性炭化物の粉砕物、多孔性セルロース粒子、及び、植物性粒状体からなる群より選択される少なくとも1種の防滑材を含有してもよい。ここで、多孔質性炭化物の粉砕物とは、木、竹などの植物を材料として炭化して得られる炭素を主成分とする固体生成物からなる多孔質性物質を粉砕してなるものであり、例えば、竹炭の粉砕物(竹炭粉砕物)などが挙げられる。また、多孔性セルロース粒子としては、ビスコース等のアルカリ型セルロース溶液に多孔化剤を加え、セルロースの凝固・再生と多孔化剤による発泡とを同時進行させて得られたセルロース粒子が挙げられ、例えば、レンゴー株式会社製「ビスコパール」などが挙げられる。植物性粒状体としては、種子の殻、果実の核、穀物及びその芯材からなる群から選択された少なくとも1種を粉砕してなる粉砕物が挙げられ、例えば、胡桃(クルミ)の粉砕物などが挙げられる。これらの防滑材を配合する場合、その配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。
本実施形態に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダー、ロール等の混合機を用いて、常法に従い混練し作製することができる。すなわち、ノンプロ練り工程で、ジエン系ゴムに対し、オイル及び吸油性ポリマー粒子とともに、加硫剤及び加硫促進剤を除く他の添加剤を添加混合し、次いで、得られた混合物に、プロ練り工程で加硫剤及び加硫促進剤を添加混合してゴム組成物を調製することができる。
オイルと吸油性ポリマー粒子は、ノンプロ練り工程において、それぞれジエン系ゴムに添加して混合してもよく、あるいはまた、上記のように吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させたオイル−ポリマー複合体(即ち、吸油性ポリマー粒子とオイルの混合物)をジエン系ゴムに添加し混合してもよい。また、オイル−ポリマー複合体を添加するとともに、追加のオイル及び/又は吸油性ポリマー粒子を添加し混合してもよい。オイル−ポリマー複合体の作製方法としては、例えば、攪拌機を用いてオイルと吸油性ポリマー粒子を撹拌混合し、所定時間放置する方法が挙げられる。
このようにして得られるゴム組成物は、空気入りタイヤの接地面を構成するトレッドゴムに用いられる。タイヤとしては、乗用車用タイヤ、トラックやバスの重荷重用タイヤなど各種用途及び各種サイズの空気入りタイヤが挙げられる。また、スタッドレスタイヤやスノータイヤなどのウインタータイヤ、サマータイヤ、オールシーズンタイヤなどの様々な種類のタイヤに用いることができる。空気入りタイヤのトレッドゴムには、キャップゴムとベースゴムとの2層構造からなるものと、両者が一体の単層構造のものがあるが、接地面を構成するゴムに好ましく用いられる。すなわち、単層構造のものであれば当該トレッドゴムが上記ゴム組成物からなり、2層構造のものであればキャップゴムが上記ゴム組成物からなることが好ましい。
空気入りタイヤの製造方法は、特に限定されない。例えば、上記ゴム組成物を、常法に従い、押出加工によって所定の形状に成形して未加硫のトレッドゴム部材を作製し、該トレッドゴム部材を他の部材と組み合わせて未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)を作製した後、例えば140〜180℃で加硫成型することにより、空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合(質量部)に従って、まず、ノンプロ練り工程で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し(排出温度=160℃)、次いで、得られた混練物に、プロ練り工程で、硫黄と加硫促進剤を添加し混練して(排出温度=90℃)、タイヤトレッド用ゴム組成物を調製した。表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
・NR:天然ゴム、RSS#3
・BR:宇部興産(株)製「BR150B」
・カーボンブラック:東海カーボン(株)製「シーストKH(N339)」
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・オイル:パラフィン系オイル、JX日鉱日石エネルギー(株)製「プロセスP200」
・シランカップリング剤:エボニック社製「Si69」
・吸油性ポリマー粒子:名東化製(株)製「アクアN−キャップ」(吸油量:1000ml/100g、Tg:−56℃、平均粒径:500μm)
・オイル−ポリマー複合体1:オイル(プロセスP200)100質量部と吸油性ポリマー粒子(アクアN−キャップ)25質量部を予め混ぜ合わせて、24時間放置したもの。混合は、オイルと吸油性ポリマー粒子を所定の容器に投入し、一般的なプロペラ型羽根撹拌機により撹拌することにより実施(回転数:60min-1、温度:50℃、時間:3min)。
・オイル−ポリマー複合体2:オイル(プロセスP200)100質量部と吸油性ポリマー粒子(アクアN−キャップ)50質量部を予め混ぜ合わせて、24時間放置したもの。混合方法は、オイル−ポリマー複合体1と同じ。
・ポリメタクリル酸メチル:東京化成工業(株)製「ポリメタクリル酸メチル」(吸油量:46.8ml/100g)
・シリコーン樹脂粉末:モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製「トスパール2000B」(吸油量:16.1ml/100g)
・油ゲル化剤:N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド、味の素(株)製「コアギュランGP−1」
・ステアリン酸:花王(株)製「ルナックS−20」
・亜鉛華:三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」
・ワックス:日本精鑞(株)製「OZOACE0355」
・老化防止剤:大内新興化学工業(株)製「ノクラック6C」
・加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製「ノクセラーD」
・硫黄:鶴見化学工業(株)製「粉末硫黄」
得られたゴム組成物について、160℃で30分間加硫した所定形状の試験片を用いて、耐摩耗性を評価した。また、各ゴム組成物を用いて乗用車用空気入りタイヤを作製した。空気入りタイヤは、スタッドレスタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)とサマータイヤ(タイヤサイズ:215/45ZR17)の2種類を作製した。それらのトレッドゴムに各ゴム組成物を適用し、常法に従い加硫成型することにより、タイヤを作製した。スタッドレスタイヤについては、氷上性能と老化硬度増加指数を評価し、サマータイヤについては、ウェット性能を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠し、岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用いて、荷重40N, スリップ率30%の条件で摩耗減量を測定し、摩耗減量の逆数について比較例1の値を100とした指数で示した。指数が大きいほど、摩耗減量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
・老化硬度増加指数:タイヤを80℃及び168時間の条件で空気加熱老化処理を行い、老化処理前後におけるトレッドゴム表面の硬度を測定し、(老化処理後のゴム硬度/老化処理前のゴム硬度)×100により、熱老化に伴うゴム硬度の増加率、即ち老化硬度増加率(%)を算出した。ゴム硬度は、JIS K6253に準拠したデュロメータ タイプAを用いて23℃の雰囲気下で測定した。算出した老化硬度増加率について、比較例1の値を100とする指数(老化硬度増加指数)で示し、この指数が小さいほど熱老化に伴うゴム組成物の硬化が抑制されたことを意味する。
・氷上性能:タイヤ4本を2000ccの4WD車に装着し、氷盤路(気温−3±3℃)上で40km/h走行からABS作動させて制動距離を測定し(n=10の平均値)、制動距離の逆数について比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど制動距離が短く、氷上路面での制動性能に優れることを示す。
・ウェット性能:タイヤ4本を乗用車に装着し、2〜3mmの水深で水をまいた路面上を走行した。時速100kmにて摩擦係数を測定して、ウェットグリップ性能を評価し、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど摩擦係数が大きく、ウェットグリップ性に優れることを示す。
結果は表1に示す通りである。コントロールである比較例1に対し、アミノ酸系油ゲル化剤を配合した比較例2では、耐摩耗性、熱老化に伴う硬化抑制及び氷上性能が悪化した。比較例3,4では、添加したポリメタクリル酸メチルやシリコーン樹脂粉末の吸油量が低いものであったため、熱老化に伴う硬化抑制効果は得られず、氷上性能及びウェット性能についても悪化傾向であった。
これに対し、吸油量の高い吸油性ポリマー粒子を配合した実施例1〜3であると、比較例1に対して、耐摩耗性を損なうことなく、熱老化に伴う硬化抑制効果が得られ、しかも、氷上性能とウェット性能についても向上効果がみられた。なお、実施例1〜3についてのオイル100質量部に対する吸油性ポリマー粒子の配合量は、それぞれ12.5質量部、25質量部、50質量部である。吸水性ポリマー粒子の配合量が多いほど、熱老化に伴う硬化抑制効果と氷上性能とウェット性能について良化傾向にあった。
実施例4,5は、オイル−ポリマー複合体を用いた例である。実施例4では、ジエン系ゴム100質量部に対するオイルの含有量が20質量部であり、吸油性ポリマー粒子の含有量が5.0質量部であって、実施例2と同量である。実施例5では、ジエン系ゴム100質量部に対するオイルの含有量が20質量部であり、吸油性ポリマー粒子の含有量が10質量部であって、実施例3と同量である。実施例2と実施例4との対比、及び、実施例3と実施例5との対比より、吸油性ポリマー粒子とオイルを事前混合したオイル−ポリマー複合体を用いることにより、熱老化に伴う硬化抑制効果と氷上性能とウェット性能について更なる改善効果が得られ、また、耐摩耗性についても向上していた。
実施例1〜3と比較例6との対比により、吸油性ポリマー粒子の配合量が多すぎると、耐摩耗性が悪化していた。
Figure 0006732420

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムと、オイルと、繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子とを配合してなり、吸油性ポリマー粒子の含有量がオイル100質量部に対して2.5〜60質量部である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. 繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させたオイル−ポリマー複合体と、ジエン系ゴムとを配合してなり、ゴム組成物中に含まれるオイル100質量部に対する吸油性ポリマー粒子の含有量が2.5〜60質量部である、タイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物からなるトレッドゴムを備えた空気入りタイヤ。
  4. 繰り返し単位としてスチレン単位とエチレン単位を含有するコポリマーからなり吸油量が100〜1500ml/100gでありかつガラス転移温度が−70〜−50℃である吸油性ポリマー粒子にオイルを吸収させてなるオイル−ポリマー複合体を、ジエン系ゴムと混合する、タイヤトレッド用ゴム組成物の製造方法。
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