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JP6723705B2 - 光学部材および撮像機器 - Google Patents

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JP6723705B2 JP2015170583A JP2015170583A JP6723705B2 JP 6723705 B2 JP6723705 B2 JP 6723705B2 JP 2015170583 A JP2015170583 A JP 2015170583A JP 2015170583 A JP2015170583 A JP 2015170583A JP 6723705 B2 JP6723705 B2 JP 6723705B2
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Description

本発明は、耐擦傷性および透明性が高い反射防止膜及び光学部材に関する。
従来、光学素子の光入出射界面での反射を抑えるために、屈折率の異なる光学膜を数十から数百nmの厚みで単層あるいは複数層を積層した反射防止膜を形成することが知られている。このような反射防止膜を形成するためには、蒸着、スパッタリング等の真空成膜法やディップコート、スピンコート等の湿式成膜法が用いられる。
反射防止膜の最表層に用いられる材料は、屈折率が低く、透明な材料である。このような材料として、シリカやフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなどの無機材料や、シリコーン樹脂や非晶質のフッ素樹脂などの有機材料を用いることが知られている。
近年、更に反射率を低く抑えるために、反射防止膜の中に空隙を設けることが知られている。シリカやフッ化マグネシウムの層内に空隙を形成することによって屈折率を下げることができる。空隙を形成する方法として、中空シリカ粒子を用いることが知られている。
また、中空粒子をバインダーで結合した反射防止膜に、耐摩耗性を向上させるために、平均粒径が10nm以下の中実粒子を塗料中に10質量%以上40質量%以下混合することが知られている(特許文献1)。
特開2012−108320号公報
しかしながら、中空粒子をバインダーで結合した反射防止膜に、中空粒子よりも小さな中実粒子を含有させる方法では、耐摩耗性を向上させるためには中実粒子を多く添加する必要がある。したがって、反射防止膜の透明性が低くなり、散乱度が大きくなるという課題があった。
本発明の光学部材は、基材上に反射防止膜が形成された光学部材であって、前記反射防止膜は、中空粒子と、中実粒子と、バインダーとを有し、前記反射防止膜における前記中実粒子の含有量は、前記中空粒子の含有量に対して0.05質量%以上0.66質量%以下であり、前記反射防止膜における前記バインダーの含有量は、前記反射防止膜に対して13.87質量%以上49.975質量%以下であり、前記中実粒子の平均粒子径は、前記中空粒子の平均粒子径以上であり、前記中実粒子の平均粒子径が85nm以下であることを特徴とする。
本発明は、耐擦傷性及び透明性が高く、散乱が少ない学部材を提供するものである。
本発明の光学部材の一実施態様の光学レンズを示す模式図である。 本発明の反射防止膜を示す模式図である。 本発明の反射防止膜を拡大して示す模式図である。 本発明の比較例3の反射防止膜を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(光学部材)
本発明の光学部材は、光学レンズ、光学プリズム、光学ファインダー等に用いることができる。なかでも、光学レンズに好適に用いることができる。
図1は、本発明の光学部材の一実施形態である光学レンズを示す模式図である。
図1で、光学レンズ1は、レンズの基材2の表面の少なくとも一部に反射防止膜3が形成されている。
基材2は、ガラスや樹脂を用いることができる。
(反射防止膜)
図2は、本発明の一実施形態である反射防止膜の断面を示した模式図である。本発明の反射防止膜3は、中空粒子4と、中実粒子5と、バインダー6を含有している。本明細書において、中空粒子4とは、粒子の内部に空孔を有する粒子をいう。空孔とは、空気等の気体、真空の空間等が存在している部分をいう。また、本明細書において、中実粒子とは、粒子の内部に実質的に空孔を含有しない粒子をいう。
本発明の反射防止膜3は、中実粒子5の含有量は、中空粒子4の含有量に対して0.05質量%以上0.66質量%以下であり、中実粒子5の平均粒径は、中空粒子4の平均粒径以上であることを特徴とする。反射防止膜3は、中空粒子4に対して平均粒径の大きい中実粒子5を含有しているので、反射防止膜3中で中実粒子5が柱構造となる。反射防止膜3中に柱構造があると、上部からの押圧に対し反射防止膜3の潰れを防止できるので、反射防止膜3の耐擦傷性が向上する。
反射防止膜3の平均膜厚は、80nm以上200nm以下が好ましく、100nm以上150nm以下が好ましい。
本発明の反射防止膜3は、中空粒子3を含有しているので、d線の屈折率を1.27以下にすることができ、中空粒子の含有量を多くすることにより、屈折率を1.22以下にすることができる。
図3は、図2の反射防止膜3の拡大図である。本発明の反射防止膜3を構成する要素について、以下に説明する。
(中空粒子)
中空粒子4は、内部に空孔7を有し、空孔7の外側の周囲にシェル8を有する。反射防止膜3の中に中空粒子4があると、中空粒子4の空孔7に含まれる空気(屈折率1.0)によって反射防止膜の屈折率を下げることができる。空孔は単孔、多孔どちらでも良く適宜選択することができる。中空粒子4を構成する材料としては、低屈折率のものが好ましく、SiOや、MgFや、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂を用いることができるが、粒子の製造が容易であるSiOを用いることが好ましい。SiOの中空粒子の製造方法は、例えば、特開2001−233611号公報、特開2008−139581等に記載されている方法で製造することができる。
中空粒子4の平均粒子径は15nm以上100nm以下が好ましく、15nm以上60nm以下がより好ましく、50nm以上60nm以下が更に好ましい。中空粒子の平均粒子径が15nm未満の場合、コアとなる粒子を安定的に作ることが難しい。また100nmを超える場合、粒子間の空隙の大きさが大きくなるため、大きなボイドが発生しやすく、また粒子の大きさや大きなボイドに伴う散乱が発生するため好ましくない。中空粒子4の平均粒径は、反射防止膜3の平均の膜厚以下である。中空粒子4の平均粒径が反射防止膜3の平均の膜厚より大きくなると、膜の表面粗さが大きくなり、散乱が発生し易くなる。
本明細書において、中空粒子(および中実粒子)の平均粒子径とは、平均フェレ径である。この平均フェレ径は透過電子顕微鏡像によって観察したものを画像処理によって測定することができる。画像処理方法としては、image Pro PLUS(メディアサイバネティクス社製)など市販の画像処理を用いることができる。所定の画像領域において、必要であれば適宜コントラスト調整を行い、粒子測定によって各粒子の平均フェレ径を測定し、平均値を算出し求めることができる。
中空粒子4のシェル15の厚みは、平均粒子径の10%以上50%以下、好ましくは20%以上35%以下が好ましい。シェルの厚みが10%未満であると粒子の強度が低下し、シェルの厚みが50%を超えると屈折率の低下が小さくなる。
中空粒子4の含有量は、反射防止膜3に対して50.0質量%以上85.0質量%が好ましく、75.0質量%以上85.0質量%がより好ましい。
(中実粒子)
中実粒子5の材料は、SiOや、MgFや、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂、TiO、ZrO、ALを用いることができる。これらの中でも、低屈折率のものが好ましく、SiOや、MgFや、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂を用いることが好ましく、SiOを用いることがより好ましい。
中実粒子5の含有量は、中空粒子5に対して、0.05質量%以上0.66質量%以下であることが好ましい。中実粒子5の含有量が0.05質量%未満であると、反射防止膜3中に中実粒子5の柱構造が少なく、耐擦傷性が低下する。また、中実粒子5の含有量が0.66質量%を超えると、反射防止膜3の透明性が低下し、散乱が大きくなる。また、中空粒子5の含有量は、反射防止膜3に対して、0.025質量%以上1.13質量%以下含有することが好ましい。
中実粒子5の平均粒子径は、中空粒子4の平均粒径以上である。中実粒子5の平均粒径が中空粒子4の平均粒径より小さいと、反射防止膜3で中実粒子5が柱構造となり難く、耐擦傷性が低下する。例えば、中空粒子の平均粒子径が50nm以上60nm以下であり、平均膜厚が150nm以下であれば、中実粒子の平均粒子径は60nm以上150nm以下が好ましい。
(バインダー)
バインダー6は、膜の耐擦傷性、密着力、環境信頼性によって適宜選択することが可能であるが、シランアルコキシ加水分解縮合物が好ましい。シランアルコキシ加水分解縮合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で1000以上3000以下が好ましい。重量平均分子量が1000未満であると硬化後のクラックが入りやすく、また塗料としての安定性が低下する。また3000をこえると粘度が上昇するためバインダー内部のボイド17が不均一に発生しやすくなるため大きなボイドが発生する。
バインダー6の含有量は、反射防止膜3に対して13.87質量%以上49.975質量%が好ましく、13.87質量%以上24.975質量%がより好ましい。
反射防止膜3のバインダー6内部には、複数のボイド9が含有されている。バインダー6内部にボイド9が含有されているとは、バインダー6自体が空隙を有している状態であり、中空粒子4の空孔7とは別に、ボイド9の空隙を有している状態のことである。このように中空粒子4の空孔7とは別にバインダー6が空隙を有することによって、さらに反射防止膜3の屈折率を下げることが可能となる。
バインダー6には、断面面積が1000nm以上のボイドの個数が、バインダーの断面面積1μmに対して10個/μm以下であることが好ましい。
このバインダー6内部のボイド7は、中空粒子4間の隙間の体積より、バインダー6の体積が少ない状態によって発生する。このようなボイド発生の有無は、成膜塗料に含まれる中空粒子とバインダーの比率によって調整することが可能である。しかしながら、塗料に含まれるバインダー6の量が減り、中空粒子4間の隙間の体積が大きくなるにつれて、バインダー6が局所的に偏在しやすくなるため、ボイド9のサイズが不均一になる。一般的な粒子である場合、このような不均一な状態は問題とならないが、中空粒子4で空孔の壁が薄くなってくると、ボイド9と中空粒子4の空孔7は屈折率の有効媒質近似によってより大きなボイドとして光に検知されるようになる。そのためボイドサイズが不均一になり、断面面積1000nm以上のボイドが発生し、個数が多くなってくると可視光において散乱が大きく透明性が悪くなってくるため、10個/μm以下であることが好ましい。より好ましくは断面面積1000nm以上のボイドがないことが望ましい。
ボイド9の全含有量は、反射防止膜3に対して体積基準で、5体積%以上25体積%以下が好ましく、10体積%以上20体積%以下がより好ましい。
(光学部材の製造方法)
本発明の光学部材の製造方法は、基材2に塗料を塗工して乾燥させることに製造することができる。
本発明に係る塗料は、少なくとも中空粒子4と、中実粒子5と、バインダー6と、溶剤を含有した塗料である。塗料は、塗料の全固形分に対して、中空粒子4の含有量が50.0質量%以上85.0質量%以下で、中実粒子の含有量が0.025質量%以上1.13質量%以下で、バインダー6の含有量が13.87質量%以上49.975質量%以下であることが好ましい。
塗料は、成膜温度における粘度が1.3mPa・s以上2mPa・s以下であることが好ましい。塗料の粘度がこの範囲であると、中空粒子間の隙間にバインダーの浸透性が良くなるため均一なボイドを含んだ膜を形成することができる。中空粒子4間の隙間にバインダー6を浸透させる為には、塗料の粘度は低いほど好ましいことが考えられるが、粘度の低い塗料にするためには低粘度の溶媒を用いる必要がある。このような溶媒は蒸気圧が高いため成膜時の乾燥速度が速く、スジやムラが発生しやすい。そのため外観などの成膜性の観点から塗料の粘度が1.3mPa・s以上となるような溶媒を選択することが好ましい。成膜温度は、20℃以上30℃以下であることが好ましい。
塗料の粘度は中空粒子スラリーの表面状態、濃度、バインダーの分子構造、分子量、濃度及び溶媒によって決定される。これらを低粘度となるように構成することによって低散乱で高透明の反射防止膜を形成することが可能となる。塗料中に中実粒子は含有量が少ないため、塗料の粘度にはほとんど影響を与えない。
中空粒子4は、スラリー時に粘度が低くなるので、表面がメチル基などによって表面修飾されているものが好ましい。中空粒子4として中空シリカを用いる場合には、中空粒子4のシェルを形成するための前駆体としてはメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどのメチル基が修飾された3官能シランを用いることが好ましい。また、前駆体に用いる材料としては上記3官能シランとテトラエトキシシランなどの4官能シランを混合して用いても良く、安定した粒子製造を実現できる組成を選択することが好ましい。
塗料に含まれる中空粒子4の濃度は、所望の膜厚が成膜できる範囲で低いことが好ましい。塗料の固形分濃度が高くなると粘度が高くなるため、バインダー内部に均一なボイドを形成することが困難となる。そのためより固形分濃度が低い状態で成膜可能な条件で成膜することが好ましい。また、塗料中のバインダー6濃度は、中空粒子4スラリーと同じ観点から低い状態で成膜することが好ましい。
中実粒子5は、中空粒子4と同様に、スラリー時に粘度が低くなることが好ましい。
塗料に用いる溶媒としては、中空粒子スラリー、中実粒子スラリー、バインダーとの親和性が良好なものを適宜選択することが可能である。親和性が低い溶媒であるとバインダーが相溶しないか、また塗料として相溶していたとしても、成膜中に分離を起こし、白化現象を生じる。溶媒として好適なものとしては、沸点が100℃以上200℃以下であり、粘度が2mPa以下のものを用いることが好ましい。例えば、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−エチル−2−ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどを用いることができる。
塗料に含まれる溶媒の含有量は95.0質量%以上98.5質量%以下、好ましくは96.0質量%以上98.0質量%以下であることが好ましい。ただし、塗布方法や塗布条件により、所望の平均膜厚を得るためにはこの範囲に制限されることはない。
塗工に用いる基板としてはガラス、樹脂などを用いることができる。またその形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良い。
塗工方法としては特に限定されることはなく、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法など液状塗工液の一般的な塗工方法を用いることができる。レンズのような形状を有する基板へは、膜厚を均一に成膜できる観点から、塗料をスピンコートで成膜することが好ましい。
塗工後は乾燥を行う。乾燥は乾燥機、ホットプレート、電気炉などを用いることができる。乾燥条件は、基板に影響を与えず且つ中空粒子内の有機溶媒を蒸発できる程度の温度と時間とする。基板と反射防止膜の熱膨張係数の違いがあり、高温の乾燥で反射防止膜の剥がれや割れが発生しないように一般的には200℃以下の温度を用いることが好ましい。
塗工回数は通常1回が好ましいが、乾燥と塗工を複数回繰り返しても良い。
また基板と塗工面との間には、高屈折率層及び中屈折率層などを単層あるいは複数層有していてもよい。高屈折率層、中屈折率層としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ハフニウム、アルミナ、シリカ、フッ化マグネシウムなどを挙げることができ、蒸着法、スパッタリングなどによって成膜することが可能である。
また塗工面の表面に撥水、撥油などの機能性を有する層を形成しても良い。例えば、フッ素を含有した塗料や、シリコーン塗料などが挙げられる。
これらの屈折率層や機能性を有する層は、真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法などを用いて形成することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
以下の実施例および比較例では、以下の評価方法を用いて評価した。
(透明性の評価)
透明性の測定は、微小光散乱度測定を用いた。
光源に150Wのハロゲンファイバー照明装置(PHL−150C)を用い、ハロゲンファイバー照明装置で発せられた光はロッドホモジナイザ(RHO−13S−E2)を通り、虹彩絞りで照度を4000xlにした。その光を光学素子に45°の角度で当て、測定サンプルの正面からカメラレンズ(Canon Compact−Macro Lens EF 50mm)を装着したカメラ(Canon EOS70D)で撮影した。撮影条件は、シャッタースピード10秒、絞りF10、ISO400で撮影した。本発明に係わる反射防止膜を形成した面を光源側に向けた。
得られた画像を汎用画像処理ソフト(Adobe Photo Shop)で解析した。700×700ピクセルを定量し、輝度を小数点1位まで表した。
基材の測定値をWとし、光学素子の測定値をWとすると、光学素子の微小光散乱度Wは次の式1で定義した。
W=W/W 式(1)
透明性は、以下の基準で評価した。
A:Wが7.0未満で透明性が良好であるもの。
B:Wが7.0以上で透明性がやや劣るもの。
(屈折率の評価)
屈折率の測定方法は、エルプソメーター(ジェイエイウーラムジャパン製M−2000V)で測定し、解析ソフトW−VASEを用いたシミュレーションによって光の波長550nmにおける屈折率を求めた。屈折率1.27以下を良好とした。
(耐擦傷性の評価)
耐擦傷性の測定方法は、薄膜硬度計(アジレントテクノロジー製ナノインデンターG−2000)でΦ50μmの球形圧子で3mNの荷重でスクラッチを行い、傷の有無を以下の基準で評価した。
耐擦傷性は、以下の基準で評価した。
A:目視で傷の発生がないもの。
B:目視で傷の発生があるもの。
(実施例1)
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均粒子径55nm、固形分濃度20.5質量%) 36.6g
中実シリカIPA分散液B1(日産化学工業株式会社製 IPA−ST−ZL、平均粒径85nm(粒子径70nm〜100nm)、固形分濃度30質量%) 0.165g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1(ハネウェル社製 T−111 固形分濃度4.5質量%) 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液1を作製した。
次にこの塗料原液110gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)23.5gで希釈して塗料1を作製した。塗料1は、固形分濃度4.0質量%であり、粘度(測定温度23℃)が1.8mPa・sであった。
実施例1は、中実シリカの含有量が、中空シリカに対して0.66質量%の塗料1を用いて光学部材を作製した。
(反射防止膜の成膜)
φ30mm厚さ1mmの石英基板上に、各塗料を0.2ml滴下し、スピンコーター(ミカサ社製 1H−DX7)で成膜を行った。平均膜厚を115nmになるように回転数2650rpmで30秒間回転させ成膜を行った。成膜温度は23℃であった。その後、成膜を行った基板を150℃、2hrで焼成を行い、基材2上に反射防止膜3を有する光学部材を作製した。
(評価)
実施例1で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例2は、実施例1と比較して、中実シリカの含有量が、中空シリカに対して0.33質量%に変更した塗料2を用いて光学部材を作製した。
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.083g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液2を作製した。
次に、この塗料原液2の10gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)23.5gで希釈した。塗料2は、固形分濃度約4.0質量%であり、粘度(測定温度23℃)が1.7mPa・sであった。
(反射防止膜の成膜)
塗料2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
(評価)
実施例2で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例3は、実施例1と比較して、中実シリカの中空シリカに対する含有量を0.05質量%に変更した塗料3を用いて光学部材を作製した。
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.013g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液3を作製した。
次に、この塗料原液3の10gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)23.5gで希釈した。得られた塗料は、固形分濃度が4.0質量%で、粘度(測定温度23℃)が1.7mPa・sであった。
(反射防止膜の成膜)
塗料3を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
(評価)
実施例3で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1は、実施例1と比較して、中実シリカを有しない塗料4を用いて光学部材を作製した。
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液4を作製した。
次に、この塗料原液4の10gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)23.5gで希釈した。得られた塗料は、固形分濃度が4.0質量%で、粘度(測定温度23℃)が1.7mPa・sであった。
(反射防止膜の成膜)
塗料4を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
(評価)
比較例1で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2は、実施例1と比較して、中実シリカの中実シリカの中空シリカに対する含有量を1.33質量%に変更した塗料5を用いて光学部材を作製した。
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.33g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1とB1とC1を上記の質量で混合して、塗料原液5を作製した。
次に、この塗料原液E10gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)23.5gで希釈した。前記により得られた塗料(固形分濃度4.0質量%)を粘度(測定温度23℃)を測定した結果1.8mPa・sであった。
(反射防止膜の成膜)
塗料5を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
(評価)
比較例2で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3は、特開2012−108320号公報に記載されているように、実施例1と比較して平均粒径の小さい中実シリカ粒子を多く含有する塗料6を用いて光学材料を作製した。
(塗料)
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B2(日産化学工業株式会社製 IPA−ST、平均粒子径12.5nm(粒子径10〜15nm)、固形分濃度30質量%)3.76g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1とB2とC1を上記の質量で混合して、塗料原液6を作製した。
次にこの塗料原液6の10gを1−メトキシ−2−プロパノール(関東化学製 鹿特級)24.2gで希釈した。得られた塗料6の固形分濃度は4.0質量%であり、粘度(測定温度23℃)は1.9mPa・sであった。
(反射防止膜の成膜)
塗料6を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
(評価)
比較例3で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 0006723705
(実施例と比較例の評価)
中実粒子の中空粒子に対する含有量が0.05質量%以上0.66質量%である実施例1〜3の反射防止膜3は、耐擦傷性および透明性に優れ、屈折率が低かった。中実粒子を含まない比較例1の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、耐擦傷性に劣っていた。また、中実粒子を中空粒子に対して多く含む比較例2の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、耐擦傷性及び透明性で劣っていた。また、平均粒子径が小さい中実粒子を多く含有する比較例3の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、透明性に劣り、屈折率も高くなっていた。
本発明の反射防止膜は、光の入出射面での界面反射光量を抑制する機能を有する光学部材、例えばカメラやビデオカメラはじめとする撮像機器等に利用することができる。
1 光学レンズ
2 基材
3 反射防止膜
4 中空粒子
5 中実粒子
6 バインダー
7 空孔
8 シェル
9 ボイド

Claims (7)

  1. 基材上に反射防止膜が形成された光学部材であって、
    前記反射防止膜は、中空粒子と、中実粒子と、バインダーとを有し、
    前記反射防止膜における前記中実粒子の含有量は、前記中空粒子の含有量に対して0.05質量%以上0.66質量%以下であり、
    前記反射防止膜における前記バインダーの含有量は、前記反射防止膜に対して13.87質量%以上49.975質量%以下であり、
    前記中実粒子の平均粒子径は、前記中空粒子の平均粒子径以上であり、
    前記中実粒子の平均粒子径が85nm以下であることを特徴とする光学部材。
  2. 前記中実粒子の平均粒子径が60nm以上85nm以下であり、
    前記中空粒子の平均粒子径が50nm以上60nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記反射防止膜の平均の膜厚が100nm以上150nm以下であり、
    前記中実粒子の平均粒子径は、前記反射防止膜の平均の膜厚以下であることを特徴とする請求項又はに記載の光学部材。
  4. 前記反射防止膜の前記バインダー内部にはボイドがあり、
    前記ボイドの含有量は、前記反射防止膜に対して5体積%以上25体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記基材がガラスまたは樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学部材であって、前記光学部材が光学レンズであることを特徴とする光学部材。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学部材を備えたことを特徴とする撮像機器。
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