JP6723705B2 - 光学部材および撮像機器 - Google Patents
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Description
本発明の光学部材は、光学レンズ、光学プリズム、光学ファインダー等に用いることができる。なかでも、光学レンズに好適に用いることができる。
図2は、本発明の一実施形態である反射防止膜の断面を示した模式図である。本発明の反射防止膜3は、中空粒子4と、中実粒子5と、バインダー6を含有している。本明細書において、中空粒子4とは、粒子の内部に空孔を有する粒子をいう。空孔とは、空気等の気体、真空の空間等が存在している部分をいう。また、本明細書において、中実粒子とは、粒子の内部に実質的に空孔を含有しない粒子をいう。
中空粒子4は、内部に空孔7を有し、空孔7の外側の周囲にシェル8を有する。反射防止膜3の中に中空粒子4があると、中空粒子4の空孔7に含まれる空気(屈折率1.0)によって反射防止膜の屈折率を下げることができる。空孔は単孔、多孔どちらでも良く適宜選択することができる。中空粒子4を構成する材料としては、低屈折率のものが好ましく、SiO2や、MgF2や、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂を用いることができるが、粒子の製造が容易であるSiO2を用いることが好ましい。SiO2の中空粒子の製造方法は、例えば、特開2001−233611号公報、特開2008−139581等に記載されている方法で製造することができる。
中実粒子5の材料は、SiO2や、MgF2や、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂、TiO2、ZrO2、AL2O3を用いることができる。これらの中でも、低屈折率のものが好ましく、SiO2や、MgF2や、フッ素、シリコーンなどの有機樹脂を用いることが好ましく、SiO2を用いることがより好ましい。
バインダー6は、膜の耐擦傷性、密着力、環境信頼性によって適宜選択することが可能であるが、シランアルコキシ加水分解縮合物が好ましい。シランアルコキシ加水分解縮合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で1000以上3000以下が好ましい。重量平均分子量が1000未満であると硬化後のクラックが入りやすく、また塗料としての安定性が低下する。また3000をこえると粘度が上昇するためバインダー内部のボイド17が不均一に発生しやすくなるため大きなボイドが発生する。
本発明の光学部材の製造方法は、基材2に塗料を塗工して乾燥させることに製造することができる。
透明性の測定は、微小光散乱度測定を用いた。
W=W1/W0 式(1)
透明性は、以下の基準で評価した。
A:Wが7.0未満で透明性が良好であるもの。
B:Wが7.0以上で透明性がやや劣るもの。
屈折率の測定方法は、エルプソメーター(ジェイエイウーラムジャパン製M−2000V)で測定し、解析ソフトW−VASEを用いたシミュレーションによって光の波長550nmにおける屈折率を求めた。屈折率1.27以下を良好とした。
耐擦傷性の測定方法は、薄膜硬度計(アジレントテクノロジー製ナノインデンターG−2000)でΦ50μmの球形圧子で3mNの荷重でスクラッチを行い、傷の有無を以下の基準で評価した。
A:目視で傷の発生がないもの。
B:目視で傷の発生があるもの。
(塗料の調整)
中空シリカスラリーIPA分散液A1(日揮触媒化成株式会社製 スルーリア1110、平均粒子径55nm、固形分濃度20.5質量%) 36.6g
中実シリカIPA分散液B1(日産化学工業株式会社製 IPA−ST−ZL、平均粒径85nm(粒子径70nm〜100nm)、固形分濃度30質量%) 0.165g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1(ハネウェル社製 T−111 固形分濃度4.5質量%) 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液1を作製した。
φ30mm厚さ1mmの石英基板上に、各塗料を0.2ml滴下し、スピンコーター(ミカサ社製 1H−DX7)で成膜を行った。平均膜厚を115nmになるように回転数2650rpmで30秒間回転させ成膜を行った。成膜温度は23℃であった。その後、成膜を行った基板を150℃、2hrで焼成を行い、基材2上に反射防止膜3を有する光学部材を作製した。
実施例1で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2は、実施例1と比較して、中実シリカの含有量が、中空シリカに対して0.33質量%に変更した塗料2を用いて光学部材を作製した。
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.083g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液2を作製した。
塗料2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例2で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例3は、実施例1と比較して、中実シリカの中空シリカに対する含有量を0.05質量%に変更した塗料3を用いて光学部材を作製した。
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.013g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1、B1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液3を作製した。
塗料3を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
実施例3で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例1は、実施例1と比較して、中実シリカを有しない塗料4を用いて光学部材を作製した。
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1およびC1を上記の質量で混合して、塗料原液4を作製した。
塗料4を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
比較例1で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例2は、実施例1と比較して、中実シリカの中実シリカの中空シリカに対する含有量を1.33質量%に変更した塗料5を用いて光学部材を作製した。
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B1 0.33g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1とB1とC1を上記の質量で混合して、塗料原液5を作製した。
塗料5を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
比較例2で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例3は、特開2012−108320号公報に記載されているように、実施例1と比較して平均粒径の小さい中実シリカ粒子を多く含有する塗料6を用いて光学材料を作製した。
中空シリカスラリーIPA分散液A1 36.6g
中実シリカIPA分散液B2(日産化学工業株式会社製 IPA−ST、平均粒子径12.5nm(粒子径10〜15nm)、固形分濃度30質量%)3.76g
シランアルコキシ加水分解縮合物C1 29.8g
A1とB2とC1を上記の質量で混合して、塗料原液6を作製した。
塗料6を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
比較例3で作製した光学部材を評価した。評価結果を表1に示す。
中実粒子の中空粒子に対する含有量が0.05質量%以上0.66質量%である実施例1〜3の反射防止膜3は、耐擦傷性および透明性に優れ、屈折率が低かった。中実粒子を含まない比較例1の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、耐擦傷性に劣っていた。また、中実粒子を中空粒子に対して多く含む比較例2の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、耐擦傷性及び透明性で劣っていた。また、平均粒子径が小さい中実粒子を多く含有する比較例3の反射防止膜3は、実施例1〜3の反射防止膜と比較して、透明性に劣り、屈折率も高くなっていた。
2 基材
3 反射防止膜
4 中空粒子
5 中実粒子
6 バインダー
7 空孔
8 シェル
9 ボイド
Claims (7)
- 基材上に反射防止膜が形成された光学部材であって、
前記反射防止膜は、中空粒子と、中実粒子と、バインダーとを有し、
前記反射防止膜における前記中実粒子の含有量は、前記中空粒子の含有量に対して0.05質量%以上0.66質量%以下であり、
前記反射防止膜における前記バインダーの含有量は、前記反射防止膜に対して13.87質量%以上49.975質量%以下であり、
前記中実粒子の平均粒子径は、前記中空粒子の平均粒子径以上であり、
前記中実粒子の平均粒子径が85nm以下であることを特徴とする光学部材。 - 前記中実粒子の平均粒子径が60nm以上85nm以下であり、
前記中空粒子の平均粒子径が50nm以上60nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学部材。 - 前記反射防止膜の平均の膜厚が100nm以上150nm以下であり、
前記中実粒子の平均粒子径は、前記反射防止膜の平均の膜厚以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学部材。 - 前記反射防止膜の前記バインダー内部にはボイドがあり、
前記ボイドの含有量は、前記反射防止膜に対して5体積%以上25体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。 - 前記基材がガラスまたは樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学部材であって、前記光学部材が光学レンズであることを特徴とする光学部材。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材を備えたことを特徴とする撮像機器。
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