以下、この発明の水熱交換器収容ユニットを図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の温調システムの概略構成図を示している。
<温調システムの全体構成>
上記温調システムは、図1に示すように、室外機100と、この室外機100に接続された冷温水供給ユニット200と、この冷温水供給ユニット200に接続された熱交換端末の一例としての第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4とを備える。上記冷温水供給ユニット200は、室内に設置される水熱交換器収容ユニットの一例である。
<室外機100の構成>
上記室外機100は、圧縮機101と、四路切換弁102と、室外熱交換器103と、電動膨張弁104およびアキュムレータ105を有する。この電動膨張弁104の一端には、室外熱交換器103の一端が接続され、電動膨張弁104の他端には、冷温水供給ユニット200の水熱交換器201の他端が接続されている。また、四路切換弁102の第1ポートが圧縮機101の吐出側に接続され、四路切換弁102の第2ポートが室外熱交換器103の他端に接続されている。また、四路切換弁102の第3ポートがアキュムレータ105を介して圧縮機101の吸入側に接続され、四路切換弁102の第4ポートが冷温水供給ユニット200側の水熱交換器201の一端に接続されている。
暖房運転時、四路切換弁102を実線の切換位置に切り換える一方、冷房運転時、四路切換弁102を点線の切換位置に切り換える。
上記室外機用制御装置120は、圧縮機101の運転周波数を制御すると共に、水熱交換器201および室外熱交換器103の熱交換効率が最適となるように、電動膨張弁104の開度も制御する。
また、上記室外熱交換器103と圧縮機101と水熱交換器201および電動膨張弁104を環状に接続することにより冷媒回路を構成している。この冷媒回路では、可燃性冷媒の一例として、微燃性冷媒であるR32の単一冷媒またはR32を主成分とする混合冷媒を用いている。
また、図示しないが、室外熱交換器103の近傍には室外ファンが配置されている。この室外ファンが室外熱交換器103に送風を行う。
上記室外機用制御装置120によって、冷房運転時に四路切換弁102を点線の切換位置にして、圧縮機101を運転すると、圧縮機101から吐出した高温高圧の冷媒は、室外熱交換器103で凝縮した後、電動膨張弁104で減圧されて水熱交換器201で凝縮し、アキュムレータ105を介して圧縮機101の吸入側に戻る。このとき、蒸発器として機能する水熱交換器201で冷媒と水との熱交換が行われて、所望の温度の冷水が生成される。
一方、暖房運転時に四路切換弁102を実線の切換位置にして、圧縮機101を運転すると、圧縮機101から吐出した高温高圧の冷媒は、水熱交換器201で凝縮した後、電動膨張弁104で減圧されて室外熱交換器103で蒸発し、アキュムレータ105を介して圧縮機101の吸入側に戻る。このとき、凝縮器として機能する水熱交換器201で冷媒と水との熱交換が行われて、所望の温度の温水が生成される。
<冷温水供給ユニット200の構成>
上記冷温水供給ユニット200は、水熱交換器201と、膨張タンク202と、循環ポンプ203と、往きヘッダ204および戻りヘッダ205と、圧力センサ215と、受液器216を有する。
上記水熱交換器201は、冷房運転時に蒸発器として機能し、暖房運転時に凝縮器として機能する。また、水熱交換器201には、室外機100からの冷媒が流れる流路と、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4からの戻り水が流れる流路とが設けられている。
上記膨張タンク202は、正負圧弁が付いており、水熱交換器201からの冷水(または温水)が溜まる。また、膨張タンク202の上部には給水口202aが設けられており、給水口202aから膨張タンク202内に水が必要時に補充される。
上記循環ポンプ203は、吸入側が膨張タンク202に接続されている一方、吐出側が往きヘッダ204に接続されている。これにより、循環ポンプ203は、水熱交換器201を通過する冷媒と熱交換した冷水(または温水)を第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4に送ることができるようになっている。
また、上記往きヘッダ204には、第1〜第4熱動弁V1〜V4の一端と、水抜き栓V5の一端とが接続されている。この第1〜第4熱動弁V1〜V4の他端には、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4の水入口が接続されている。なお、第1〜第4熱動弁V1〜V4は、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4に冷水(または温水)を供給するための流路を開閉する。
上記第1〜第4熱動弁V1〜V4は、冷水(または温水)の流れを制御する。より詳しくは、第1〜第4熱動弁V1〜V4は、冷温水供給ユニット用制御装置220によって制御され、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4の冷暖房能力設定に対応する開閉動作を行う。
また、上記戻りヘッダ205には、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4の水出口が接続されている。これにより、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4の冷水(または温水)が、冷温水供給ユニット200に戻るようになっている。
また、上記冷温水供給ユニット用制御装置220は、図示しない信号線を介して室外機用制御装置120に接続されており、室外機用制御装置120と冷温水供給ユニット用制御装置220は、互いに協調動作する。
<第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4の構成>
上記第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4は、第1〜第4熱動弁V1〜V4を介して、冷水(または温水)の供給を受けて、温調ゾーンの冷暖房を行う。より詳しくは、第1〜第4床冷暖房パネルP1〜P4は、蛇行形状に形成された第1〜第4水循環パイプ301〜304を有する。この第1〜第4水循環パイプ301〜304内には、水熱交換器201からの冷水(または温水)が流れる。
図2は上記冷温水供給ユニット200の正面図を示している。
この冷温水供給ユニット200は、室内の壁面かつ床400から所定の高さの取付位置に設置されている。図2に示すように、冷温水供給ユニット200は、直方体のケーシング231の底フレーム231aに冷媒配管接続部234と冷媒配管接続部235を設けている。この冷媒配管接続部234に冷媒配管L1(往配管)の一端が接続されると共に、冷媒配管接続部235に冷媒配管L2(復配管)の一端を接続している。この冷媒配管L1(往配管)と冷媒配管L2(復配管)は、床400に設けられた穴400aを介して床400の下側に配設され、室外機100(図1に示す)に接続される。
また、ケーシング231の底フレーム231aに設けられた接続口232に、一端が接続された排出ホース230によって、ケーシング231内と、そのケーシング231が設置された室内空間の床下とを連通している。上記排出ホース230は、排出部材の一例である。
図3は上記冷温水供給ユニット200の構成を示しており、前面パネル231c(図2に示す)と天板231d(図2に示す)を外した状態を正面から見た図である。図3では、図2と同一の構成部には同一参照番号を付している。また、図3において、238,239は、水抜き栓である。
この冷温水供給ユニット200は、直方体のケーシング231と、このケーシング231の底フレーム231aに取り付けられた循環ポンプ203と、ケーシング231内の左側に設置された水熱交換器201を有している。また、ケーシング231内の水熱交換器201の右側の電装品部に、冷温水供給ユニット用制御装置220を取り付けている。
上記水熱交換器201は、室外機100(図1に示す)の圧縮機101から供給される高温高圧の冷媒が、冷媒配管接続部234から冷媒配管234aを介して供給される。これに対して、水熱交換器201内で熱交換した後の低温高圧の冷媒は、冷媒配管235aを介して冷媒配管接続部235から電動膨張弁104(図1に示す)に供給される。
上記冷媒配管234aに圧力センサ215を配設すると共に、冷媒配管235aに受液器216を配設している。
上記循環ポンプ203の吸入口203aと水熱交換器201の給湯口201aが給湯管236を介して接続されている。また、循環ポンプ203の吐出口203bと往きヘッダ204(図1に示す)が吐出管237を介して接続されている。さらに、水熱交換器201の吸水口201bと戻りヘッダ205(図1に示す)が吸水管240を介して接続されている。
上記構成の温調システムにおいて、室外機100(図1に示す)の圧縮機101が駆動されると、四路切換弁102が実線の切換位置の状態で圧縮機101からの高温高圧の冷媒が水熱交換器201に供給される。そして、水熱交換器201内において、戻りヘッダ205および吸水管240を介して供給される水と熱交換を行う。次に、熱交換後の低温高圧の液冷媒が水熱交換器201から電動膨張弁104(図1に示す)に送出される。一方、水熱交換器201において熱交換後の温水は、循環ポンプ203の駆動による負圧によって給湯管236を介して吸入口203aから循環ポンプ203に吸入され、吐出口203bから吐出管237および往きヘッダ204(図1に示す)を介して供給される。
上記構成の冷温水供給ユニット200によれば、図2,図3に示すように、水熱交換器201が収容されたケーシング231内と、そのケーシング231が設置された室内空間の床下とを排出ホース230(排出部材)により連通することによって、室内に設置された状態でケーシング231内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング231内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままケーシング231内から排出ホース230を介して流れ落ちて床下に速やかに排出されるので、可燃性冷媒の漏洩時に室内への冷媒漏れを防ぐことができる。したがって、室内に可燃性冷媒が滞留してガス濃度が高くなって発火などのリスクが高まるのを抑制できる。
また、排出部材に排出ホース230を用いることによって、ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く経路を容易に設けることができ、可撓性を有するホースを用いることで設置の自由度が高まると共に作業性が向上する。
また、上記ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒(特に液冷媒)がケーシング231内の底部に溜まるので、ケーシング231の下部と床下とを排出ホース230(排出部材)により連通することによって、漏洩した可燃性冷媒のうちの多くを占める液冷媒を、ケーシング231の下部から排出ホース230を介して床下に速やかに排出することができる。
また、上記ケーシング231内の水熱交換器201の下部に設けられた接続口232に、排出ホース230(排出部材)を接続することによって、水熱交換器201の冷媒配管接続部分から漏れ出た可燃性冷媒は、水熱交換器201の下側に流れ落ちて、下側の接続口232を介して排出ホース230により床下に排出することができる。
ここで、水熱交換器201の冷媒配管接続部分は、水熱交換器201、圧力センサ215、受液器216、冷媒配管接続部234,235の夫々に冷媒配管が接続されるロウ付け部分である。
〔第2実施形態〕
図4はこの発明の第2実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の正面図を示している。この冷温水供給ユニット200は、第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
また、ケーシング231内の下側に液体受け部材251を配置している。この液体受け部材251の最も低い位置が接続口232に接続されている。これによって、排出ホース230を介して、冷温水供給ユニット200のケーシング231内部と、そのケーシング231が設置された室内空間の床下とを連通している。
上記液体受け部材252の底面の傾斜角度θ1[deg]を所定角度θ1min[deg]よりも大きい値に設定している。この所定角度θ2min[deg]は、ケーシング231内で可燃性冷媒が急速漏洩したときの冷媒量やケーシング231の構成などに応じて適宜決定される。ここで、傾斜角度θ1は、液体受け部材252の底面と水平面とのなす角度である。
上記第2実施形態の冷温水供給ユニット200は、第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の効果を有する。
また、上記液体受け部材251の傾斜した底面によって、ケーシング231内で漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース230が接続された接続口232にスムーズに案内することができる。
なお、上記第2実施形態では、ケーシング231内の下側に底面が傾斜した液体受け部材251を配置したが、ケーシング231内の底フレーム231aの底面を傾斜させて、排出ホース230が接続された接続口232にスムーズに案内するようにしてもよい。また、ケーシング231内の下側に配置した液体受け部材251は、ケーシング231の底面のほぼ全てに渡って設けたが、少なくともケーシング231内の冷媒配管接続部分の下側の領域に液体受け部材を配置してもよい。
〔第3実施形態〕
図5はこの発明の第3実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の正面図を示している。この冷温水供給ユニット200は、第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
この第3実施形態の冷温水供給ユニット200は、図5に示すように、ケーシング231の下面側から床面に延びる置台250を備えている。上記置台250は、冷媒配管L1,L2および排出ホース230の一部を収容する箱状の通路を構成している。この冷媒配管L1,L2は、床400に設けられた穴400aを介して床400の下側に配設され、室外機100(図1に示す)に接続される。
上記排出ホース230と置台250で排出部材を構成している。
また、置台250内の下側に液体受け部材252を配置している。この液体受け部材252の最も低い位置に設けられた接続口252aに排出ホース230の上端を接続することによって、置台250と排出ホース230を介して、冷温水供給ユニット200のケーシング231内部と、そのケーシング231が設置された室内空間の床下とを連通している。
上記液体受け部材252の底面の傾斜角度θ2[deg]を所定角度θ2min[deg]よりも大きい値に設定している。この所定角度θ2min[deg]は、冷温水供給ユニット200から可燃性冷媒が急速漏洩したときの冷媒量やケーシング231および置台250の構成などに応じて適宜決定される。
上記第3実施形態では、置台250内の下側に液体受け部材252を配置したが、液体受け部材または排出ホースの少なくとも一方を備えない構成でもよい。この場合でも、箱状の通路を構成する置台によりケーシング内から漏洩した可燃性冷媒を床下に案内することができる。
上記第3実施形態の冷温水供給ユニット200は、第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の効果を有する。
また、壁面に設置するタイプの冷温水供給ユニット200において、ケーシング231下部に箱状の通路として置台250を用いることによって、壁面に設置したケーシング231の下側空間(配管などが敷設される空間)を置台250で覆って、美観を損ねることなく、ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く通路を形成できる。
また、上記置台250内に配置された液体受け部材252により、漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース230(排出部材)が接続された接続口252aに確実に案内することができる。
また、上記液体受け部材252の傾斜した底面によって、ケーシング231下部から漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース230が接続された接続口252aにスムーズに案内することができる。
また、上記ケーシング231外において、冷媒配管L1,L2が接続された冷媒配管接続部234,235から可燃性冷媒が漏れ出ても、置台250内で受けて排出ホース230により床下に排出することができ、より安全性が高まる。
〔第4実施形態〕
図6はこの発明の第4実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の構成を示す図を示している。この冷温水供給ユニット200は、排出ホース230の接続部分と液体受け部材260を除いて第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
この第4実施形態の冷温水供給ユニット200は、図6に示すように、ケーシング231内の水熱交換器201よりも下側に液体受け部材260を配置している。
この液体受け部材260の接続口260aに、排出ホース230の上端が接続されている。この液体受け部材260で受けた結露水や漏洩冷媒などの液体を排出ホース230の接続口260aに案内する。排出ホース230は、排出部材の一例である。
上記第4実施形態の冷温水供給ユニット200は、第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の効果を有する。
また、上記ケーシング231内に配置された液体受け部材260により、漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース230(排出部材)が接続された接続口260aに確実に案内することができる。
なお、上記液体受け部材260の底面を傾斜させて、漏洩した可燃性冷媒などの液体を、排出ホース230(排出部材)が接続された接続口252aにスムーズに案内するようにしてもよい。
〔第5実施形態〕
図7はこの発明の第5実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の構成を示している。この冷温水供給ユニット200は、排出ホース230の接続部分と第1カバー部材270を除いて第1実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
この第5実施形態の冷温水供給ユニット200は、図7に示すように、ケーシング231の底フレーム231aに、冷媒配管接続部234と冷媒配管接続部235を覆うように第1カバー部材270を取り付けている。この第1カバー部材270は、底フレーム231aの接続口241に接続されており、冷媒配管接続部234に接続された冷媒配管L1および冷媒配管接続部235に接続された冷媒配管L2が貫通する穴270a,270bを有する。また、第1カバー部材270は、排出ホース230の上端が接続された接続穴270cを有する。なお、第1カバー部材270の穴270aと冷媒配管L1との隙間、および、第1カバー部材270の穴270bと冷媒配管L2との隙間は、シール剤などにより密閉している。
上記排出ホース230と第1カバー部材270で排出部材を構成している。
なお、第5実施形態の冷温水供給ユニット200において、冷温水供給ユニット用制御装置220が取り付けられた電装品部を覆う基板カバー部材221を取り付けてもよい。これにより、ケーシング231内に漏れた冷媒に対して電装品部の発火点を隔離することができ、安全性が向上する。
また、図8は図7のVII−VII線から見た第1カバー部材270を含む要部の断面図を示している。この第1カバー部材270は、前側カバー部271と後側カバー部272を有する。前側カバー部271の上端にフック271aを設けている。また、後側カバー部272の上端にフック272aを設けている。
ケーシング231の底フレーム231aに設けられた長穴状の接続口241に冷媒配管234a,235a(図8では235aのみを示す)を挿通している。この接続口241の対向する縁の一方に前側カバー部271のフック271aを係止すると共に、接続口241の対向する縁の他方に後側カバー部272のフック272aを係止している。
上記構成の冷温水供給ユニット200によれば、水熱交換器201が収容されたケーシング231内と、そのケーシング231が設置された室内空間の床下とを第1カバー部材270,排出ホース230(排出部材)により連通することによって、室内に設置された状態でケーシング231内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング231内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままケーシング231内から排出ホース230を介して流れ落ちて床下に速やかに排出されるので、可燃性冷媒の漏洩時に室内への冷媒漏れを防ぐことができる。したがって、室内に可燃性冷媒が滞留してガス濃度が高くなって発火などのリスクが高まるのを抑制できる。
また、排出部材に排出ホース230を用いることによって、ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く経路を容易に設けることができ、可撓性を有するホースを用いることで設置の自由度が高まると共に作業性が向上する。
また、上記ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒(特に液冷媒)がケーシング231内の底部に溜まるので、ケーシング231の下部と床下とを第1カバー部材270,排出ホース230(排出部材)により連通することによって、漏洩した可燃性冷媒のうちの多くを占める液冷媒を、ケーシング231の下部から第1カバー部材270,排出ホース230を介して床下に速やかに排出することができる。
また、上記ケーシング231内の水熱交換器201の下部に設けられた接続口241に、第1カバー部材270を接続することによって、水熱交換器201の冷媒配管接続部分から漏れ出た可燃性冷媒は、水熱交換器201の下側に流れ落ちて、下側の接続口241を介して第1カバー部材270,排出ホース230により床下に排出することができる。
また、上記ケーシング231外において、冷媒配管L1,L2が接続された冷媒配管接続部234,235から可燃性冷媒が漏れ出ても、第1カバー部材270内で受けて排出ホース230により床下に排出することができ、より安全性が高まる。
また、ケーシング231内の冷媒配管接続部分よりも下側に設けられた接続口241に排出部材(第1カバー部材270と排出ホース230)が接続され、ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒を接続口241から第1カバー部材270と排出ホース230によりケーシング231外に排出することによって、室内に設置された状態でケーシング231内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング231内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままであるので、液体の可燃性冷媒がケーシング231内から第1カバー部材270と排出ホース230を介して流れ落ちて床下に速やかに排出することが可能になる。
なお、気化した上記可燃性冷媒が空気よりも重い場合、気体の可燃性冷媒も下方に流れてケーシング231内から第1カバー部材270と排出ホース230を介して下方に排出される。
なお、第1カバー部材270に液体を案内するように、ケーシング231内の底部を傾斜させてもよい。この場合、ケーシング231の傾斜した底面によって、ケーシング231内で漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を接続口241にスムーズに案内することができる。
また、上記第5実施形態の冷温水供給ユニット200において、第2実施形態の図4に示す液体受け部材251をケーシング231内の下側に配置してもよい。この場合、液体受け部材251の傾斜した底面によって、ケーシング231内で漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を接続口241にスムーズに案内することができる。
また、上記ケーシング231内かつ第1カバー部材270よりも上側に冷温水供給ユニット用制御装置220(制御基板)を配置することによって、ケーシング231内の底部に漏れた可燃性冷媒に対して冷温水供給ユニット用制御装置220が有するような発火点を上方に引き離すことができ、安全性が向上する。
〔第6実施形態〕
図9はこの発明の第6実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の構成を示している。この第6実施形態の冷温水供給ユニット200は、第2カバー部材280を除いて第5実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
この第6実施形態の冷温水供給ユニット200は、図9に示すように、ケーシング231の底フレーム231aに冷媒配管接続部234と冷媒配管接続部235を覆う第1カバー部材270を取り付けている。
また、ケーシング231内に、冷媒回路の冷媒配管接続部分を覆う第2カバー部材280を取り付けている。この第2カバー部材280は、断熱材(例えば発泡樹脂)からなり、本体部280aと、本体部280aの下端から下方に延びる案内部280bを有する。第2カバー部材280の本体部280aは、水熱交換器201の前面側の一部(圧力センサ215,受液器216を含む)すなわち冷媒配管接続部分を覆っている。
図10は図9のIX−IX線から見た断面図を示しており、図9と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図10に示すように、ケーシング231内の後面側に背面断熱部材290を取り付けている。この背面断熱部材290に設けられた縦長の凹部290a内に水熱交換器201が嵌め込まれている。
ここで、圧力センサ215が配設された冷媒配管234a(図3に示す)や、受液器216が配設された冷媒配管235a(図3に示す)において、ロウ付けされた配管接続部分から可燃性冷媒が漏洩した場合、図10の矢印に示すように、漏洩した可燃性冷媒は、第2カバー部材280の本体部280a内を下方に流れて、本体部280aの下端から案内部280bを介して第1カバー部材270内に案内される。この後、第1カバー部材270の接続穴270c(図7に示す)に接続された排出ホース230を介して、そのケーシング231が設置された室内空間の床下に排出される。
上記排出ホース230と第1カバー部材270で排出部材を構成している。第1カバー部材270は、前側カバー部271と後側カバー部272を有する。
図11は図9の第1カバー部材270を含む要部の拡大断面図を示している。図11において、第5実施形態の図8と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図11に示すように、上方の配管接続部分から漏洩した可燃性冷媒は、第2カバー部材280の案内部280bに案内されて、底フレーム231aに設けられた接続口241を介して第1カバー部材270内に流れ落ちる。
図12は上記冷温水供給ユニット200の分解斜視図を示している。図12では、前面パネル231c(図2に示す)と天板231d(図2に示す)を省略している。
上記冷温水供給ユニット200は、図12に示すように、底フレーム231aと、その底フレーム231aの背面側と左側面および右側面を囲う背面パネル231bと、背面パネル231bに嵌め込まれた背面断熱部材290と、背面断熱部材290の左側に設けられた縦長の凹部290a内に嵌め込まれた水熱交換器201と、背面断熱部材290の右側に設けられた凹部290b内に後面側が嵌め込まれた膨張タンク202と、膨張タンク202の前面側を覆う前面断熱部材295と、その前面断熱部材295の前面に取り付けられた冷温水供給ユニット用制御装置220と、冷媒回路の冷媒配管接続部分を覆う第2カバー部材280と、底フレーム231aの下側に取り付けられた第1カバー部材270(前側カバー部271,後側カバー部272)とを有する。
また、図13は上記冷温水供給ユニット200の底フレーム231aに背面断熱部材290と第1,第2カバー部材270,280が取り付けられた状態の斜視図を示している。図13において、図9と同一構成部には同一参照番号を付している。
また、図14は上記冷温水供給ユニット200の底フレーム231aに背面断熱部材290と第1,第2カバー部材270,280が取り付けられた状態の正面図を示している。図14において、図9と同一構成部には同一参照番号を付している。
また、図15(a)は上記第2カバー部材280の右斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。また、図15(b)は上記第2カバー部材280の右斜め後方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。また、図15(c)は上記第2カバー部材280の左斜め後方かつ斜め上方から見た斜視図を示している。
図15(a)〜図15(c)に示すように、第2カバー部材280の本体部280aは、後面側が開口する縦長のドーム形状をしている。この本体部280aの下端かつ開口側の縁から下方に延びる長方形状の案内部280bは、上辺を除く各辺に周壁281,282,283を設けている。
上記第6実施形態の冷温水供給ユニット200は、第5実施形態の冷温水供給ユニット200と同様の効果を有する。
なお、上記カバー部材280の案内部280bを、ケーシング231の底フレーム231aに設けられた接続口241に係合するように構成してもよい。これにより、漏洩した冷媒の接続口241への案内と共に、カバー部材280の位置決めが可能になる。
〔第7実施形態〕
図16はこの発明の第7実施形態の温調システムの冷温水供給ユニット200の構成を示している。この冷温水供給ユニット200は、第1カバー部材275を除いて第5実施形態の冷温水供給ユニット200と同一の構成をしており、同一構成部には同一参照番号を付している。
この第7実施形態の冷温水供給ユニット200は、図16に示すように、ケーシング231の底フレーム231aに冷媒配管接続部234と冷媒配管接続部235を覆う第1カバー部材275を取り付けている。この第1カバー部材275は、冷媒配管接続部234に接続された冷媒配管L1および冷媒配管接続部235に接続された冷媒配管L2が貫通する穴275a,275bを有する。また、第1カバー部材275は、排出ホース230の上端が接続された接続穴275cを有する。
上記排出ホース230と第1カバー部材275で排出部材を構成している。
さらに、第1カバー部材275は、ケーシング231の左側面に設けられた接続口276を介して排出ホース230が接続された接続穴275cに案内する案内通路275dを有する。
上記第7実施形態の冷温水供給ユニット200は、第5実施形態の冷温水供給ユニット200と同様の効果を有する。
また、上記ケーシング231内の水熱交換器201の左側面に設けられた接続口276に、第1カバー部材275を接続することによって、水熱交換器201の冷媒配管接続部分から漏れ出た可燃性冷媒は、水熱交換器201の下側に流れ落ちて、下側かつ左側面の接続口276を介して第1カバー部材275,排出ホース230により、ケーシング231が設置された室内空間の床下に排出することができる。
また、上記ケーシング231内に漏洩した可燃性冷媒(特に液冷媒)がケーシング231内の底部に溜まるので、ケーシング231内の冷媒配管接続部分よりも下側かつケーシング231の側部からの漏洩冷媒を第1カバー部材275により排出することで、漏洩した可燃性冷媒のうちの多くを占める液冷媒を、ケーシング231の下部から第1カバー部材275と排出ホース230を介して床下に速やかに排出することができる。
〔第8実施形態〕
図17はこの発明の第8実施形態の貯湯ユニット1001を備えた給湯装置を示す簡略構成図を示し、図18は上記給湯装置の回路図を示している。
この第1実施形態の給湯装置は、図17,図18に示すように、貯湯ユニット1001およびヒートポンプユニット1002を備えている。
上記貯湯ユニット1001は、ケーシング1040と、ケーシング1040内に配置された貯湯タンク1011と、この貯湯タンク1011に貯留される温水を生成するための水熱交換器1012とを有する。上記貯湯ユニット1001は、室内に設置される水熱交換器収容ユニットの一例である。
上記貯湯ユニット1001の底部には、給水源Eに接続された給水配管1032が接続されている。これにより、貯湯ユニット1001は、給水源Eの市水(水道水)を、水配管用接続口1076に接続された給水配管1032から分岐した入水配管1032aを介して、貯湯タンク1011の底部に導入できるようになっている。また、貯湯タンク1011の底部には、循環配管1033の一端が接続されている。一方、貯湯タンク1011の頂部には、循環配管1033の他端が接続されている。この循環配管1033には、循環ポンプ1034および水熱交換器1012が配設されている。
また、貯湯タンク1011の頂部には、給湯配管1035を介して、混合弁1036が接続されている。この混合弁1036には、給水配管1032から分岐した他方の入水配管1032bと、給湯端末Tとが接続されている。これにより、上記給湯装置は、貯湯タンク1011の頂部から出湯された温水と給水源Eから供給される水を混合弁1036で混合することによって、給湯端末Tにおいて、所望の温度の温水を供給できるようになっている。なお、図18では省略しているが、貯湯タンク1011には、図17に示す風呂用循環配管1090が接続されている。
上記水熱交換器1012は、貯湯タンク1011下部に配置され、凝縮器として作用する。より詳しくは、水熱交換器1012では、ヒートポンプユニット1002からの高温冷媒と貯湯タンク1011からの水とが熱交換する。これにより、貯湯ユニット1001は、貯湯タンク1011からの水を水熱交換器1012で温めて、貯湯タンク1011に戻すことができるようになっている。
上記ヒートポンプユニット1002は、水熱交換器1012を含まないが、水熱交換器1012に接続された圧縮機1021と、膨張手段1022および空気熱交換器1023を含む。この圧縮機1021と、水熱交換器1012と、膨張手段1022および空気熱交換器1023は、冷媒配管1031(往配管1031a,復配管1031b)を介して環状に接続されている。この空気熱交換器1023は蒸発器として作用する。なお、膨張手段1022は例えば膨張弁である。
また、冷媒配管1031の往配管1031aは、冷媒配管接続部1074を介して冷媒配管1031cの一端に接続されている。一方、復配管1031bは、冷媒配管接続部1073を介して冷媒配管1031cの他端に接続されている。また、この冷媒配管1031cは、水熱交換器1012を介して冷媒配管接続部1073,1074を接続している。
上記圧縮機1021と膨張手段1022と空気熱交換器1023および水熱交換器1012を環状に接続することにより冷媒回路を構成している。この冷媒回路では、可燃性冷媒の一例として、微燃性冷媒であるR32の単一冷媒またはR32を主成分とする混合冷媒を用いている。
上記圧縮機1021および循環ポンプ1034を駆動させると、貯湯タンク1011内の水が、貯湯タンク1011の底部から循環配管1033を流れる。このとき、循環配管1033を流れる水は、水熱交換器1012で高温冷媒との熱交換で温水になった後、貯湯タンク1011の頂部から貯湯タンク1011内に戻る。このような動作を継続して行うことによって、貯湯タンク1011内に高温の温水を貯留することができる。貯湯タンク1011内の温水は、水配管1037と水配管用接続口1075および水配管1080を介して給湯端末Tや風呂に供給される。
図19は上記貯湯ユニット1001の斜視図を示し、図20は図19の配管などを取り除いた状態を示している。図19,図20において、図17,図18と同一の構成部には同一参照番号を付している。
上記貯湯ユニット1001は、図19,図20に示すように、ケーシング1040を有する。このケーシング1040内には、貯湯タンク1011、水熱交換器1012、給湯配管1035(図18に示す)、入水配管1032a、入水配管1032b(図18に示す)、冷媒配管1031cなどが収容されている。この貯湯タンク1011は断熱材1013で覆われている。また、水熱交換器1012も断熱材1014で覆われている。
上記貯湯タンク1011は、3つの缶体脚1050,1050,1050に支えられ、底板1045上に起立している。この3つの缶体脚1050,1050,1050のうちの1つは前面側にあり、他の2つは後面側にある。
上記貯湯タンク1011は、缶体脚1050の支持により、底板1045から離隔されている。この貯湯タンク1011の底面と底板1045との間に水熱交換器1012を配置している。
上記ケーシング1040の前部にメンテナンス用開口部1047が設けられている。また、ケーシング1040には、メンテナンス用開口部1047を覆うように、蓋板1048が着脱可能に取り付けられている。
図21は上記貯湯ユニット1001の下部の正面図を示している。図21において、図19,図20と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図21に示すように、蓋板1048の前方に水配管用接続口1071,1072を設けている。水配管用接続口1071,1072は、ケーシング1040内の水配管1061,1063(図19に示す)を介して、貯湯タンク1011の頂部に接続されている。これにより、水配管用接続口1071,1072に水配管(図示せず)を接続すれば、貯湯タンク1011内の温水を他の給湯端末に流すことができるようになっている。なお、図17では、水配管1061,1063および水配管用接続口1071,1072の図示を省略している。
上記水配管用接続口1071,1072の一側方に冷媒配管接続部1073,1074を設けている。この冷媒配管接続部1073,1074の高さ方向の位置は、水配管用接続口1071,1072の高さ方向の位置よりも低い。
また、上記水配管用接続口1071,1072の他側方には、水配管用接続口1075,1076が設けられている。
上記構成の貯湯ユニット1001は、図21に示すように、床1400上に設置されている。貯湯ユニット1001は、冷媒配管接続部1073に冷媒配管1031の復配管1031bの一端が接続されると共に、冷媒配管接続部1074に冷媒配管1031の往配管1031aの一端を接続している。この冷媒配管1031(往配管1031a,復配管1031b)は、床1400に設けられた穴1400aを介して床1400の下側に配設され、室外に設置されたヒートポンプユニット1002(図17に示す)に接続される。
また、ケーシング1040の底板1045に一端が接続された排出ホース1230によって、ケーシング1040内と、そのケーシング1040が設置された室内空間の床下とを連通している。上記排出ホース1230は、第1カバー部材の一例である。
上記構成の貯湯ユニット1001によれば、水熱交換器1012が収容されたケーシング1040内と、そのケーシング1040が設置された室内空間の床下とを排出ホース1230(排出部材)により連通することによって、室内に設置された状態でケーシング1040内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング1040内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままケーシング1040内から排出ホース1230を介して流れ落ちて床下に排出されるので、可燃性冷媒の漏洩時に室内への冷媒漏れを防ぐことができる。したがって、室内に可燃性冷媒が滞留してガス濃度が高くなって発火などのリスクが高まるのを抑制できる。
また、排出部材に排出ホース1230を用いることによって、ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く経路を容易に設けることができ、可撓性を有するホースを用いることで設置の自由度が高まると共に作業性が向上する。
また、上記ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒(特に液冷媒)がケーシング1040内の底部に溜まるので、ケーシング1040の下部と床下とを排出ホース1230(排出部材)により連通することによって、漏洩した可燃性冷媒のうちの多くを占める液冷媒を、ケーシング1040の下部から排出ホース1230を介して床下に速やかに排出することができる。
また、上記ケーシング1040内の水熱交換器1012の下部に設けられた接続口1232に、排出ホース1230(排出部材)を接続することによって、水熱交換器1012の冷媒配管接続部分から漏れ出た可燃性冷媒は、水熱交換器1012の下側に流れ落ちて、下側の接続口1232を介して排出ホース1230により床下に排出することができる。
なお、上記第8実施形態において、底板1045上に底面が傾斜した液体受け部材を配置して、排出ホース1230が接続された接続口1232に漏洩した冷媒をスムーズに案内するようにしてもよい。また、底板1045の底面を傾斜させて、排出ホース1230が接続された接続口1232に漏洩した冷媒をスムーズに案内するようにしてもよい。
〔第9実施形態〕
図22はこの発明の第9実施形態の貯湯ユニット1001の下部の正面図を示している。この第9実施形態の貯湯ユニット1001は、接続口1232がない点と排出ホース1230と化粧パネル1250を除いて第8実施形態の貯湯ユニット1001と同一の構成をしており、図17〜図20を援用する。
この第9実施形態の貯湯ユニット1001は、図22に示すように、ケーシング1040の底板1045と床1400との間に、全周を囲うように化粧パネル1250が配置されている。
上記化粧パネル1250は、冷媒配管1031(1031a,1031b)および排出ホース1230の一部を収容する箱状の通路を構成している。この冷媒配管1031(1031a,1031b)は、床1400に設けられた穴1400aを介して床1400の下側に配設され、ヒートポンプユニット1002(図8に示す)に接続される。
上記排出ホース1230と化粧パネル1250で排出部材を構成している。
また、化粧パネル1250内の下側に液体受け部材1252を配置している。この液体受け部材1252の最も低い位置に設けられた接続口1252aに排出ホース1230の上端を接続することによって、化粧パネル1250と排出ホース1230を介して、貯湯ユニット1001のケーシング1040内部と、そのケーシング1040が設置された室内空間の床下とを連通している。
上記液体受け部材1252の底面の傾斜角度θ3[deg]を所定角度θ3min[deg]よりも大きい値に設定している。この所定角度θ3min[deg]は、貯湯ユニット1001から可燃性冷媒が急速漏洩したときの冷媒量やケーシング1040および化粧パネル1250の構成などに応じて適宜決定される。
上記第9実施形態では、化粧パネル1250内の下側に液体受け部材1252を配置したが、液体受け部材または排出ホースの少なくとも一方を備えない構成でもよい。この場合でも、箱状の通路を構成する置台によりケーシング内から漏洩した可燃性冷媒を床下に案内することができる。
上記第9実施形態の貯湯ユニット1001は、第8実施形態の貯湯ユニット1001と同一の効果を有する。
また、壁面に設置するタイプの貯湯ユニット1001において、ケーシング1040下部に箱状の通路として化粧パネル1250を用いることによって、壁面に設置したケーシング1040の下側空間(配管などが敷設される空間)を化粧パネル1250で覆って、美観を損ねることなく、ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く通路を形成できる。
また、上記化粧パネル1250内に配置された液体受け部材1252により、漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース1230(排出部材)が接続された接続口1252aに確実に案内することができる。
また、上記液体受け部材1252の傾斜した底面によって、ケーシング1040下部から漏洩した可燃性冷媒(または冷水供給時の結露水などの液体)を、排出ホース1230が接続された接続口1252aにスムーズに案内することができる。
また、上記ケーシング1040外において、冷媒配管1031(1031a,1031b)が接続された冷媒配管接続部1074,1073から可燃性冷媒が漏れ出ても、化粧パネル1250内で受けて排出ホース1230により床下に排出することができ、より安全性が高まる。
〔第10実施形態〕
図23はこの発明の第10実施形態の貯湯ユニット1001の下部の正面図を示している。この第10実施形態の貯湯ユニット1001は、排出ホース1230と第1カバー部材1270を除いて第8実施形態の貯湯ユニット1001と同一の構成をしており、図17〜図20を援用する。
この第10実施形態の貯湯ユニット1001は、図23に示すように、蓋板1048に冷媒配管1031(往配管1031a,復配管1031b)を覆う第1カバー部材1270を取り付けている。この第1カバー部材1270は、冷媒配管接続部1074に接続された冷媒配管1031の往配管1031aおよび冷媒配管接続部1073に接続された冷媒配管1031の復配管1031bが貫通する穴(図示せず)を有する。また、第1カバー部材1270は、排出ホース1230の上端が接続された接続穴(図示せず)を有する。また、ケーシング1040内の水熱交換器1012の下部に設けられた接続口1232を介して、ケーシング1040内と第1カバー部材1270内とが連通している。
上記排出ホース1230と第1カバー部材1270で排出部材を構成している。
上記構成の貯湯ユニット1001によれば、水熱交換器1012が収容されたケーシング1040内と、そのケーシング1040が設置された室内空間の床下とを第1カバー部材1270,排出ホース1230(排出部材)により連通することによって、室内に設置された状態でケーシング1040内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング1040内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままケーシング1040内から排出ホース1230を介して流れ落ちて床下に速やかに排出されるので、可燃性冷媒の漏洩時に室内への冷媒漏れを防ぐことができる。したがって、室内に可燃性冷媒が滞留してガス濃度が高くなって発火などのリスクが高まるのを抑制できる。
また、排出部材に排出ホース1230を用いることによって、ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒を床下に導く経路を容易に設けることができ、可撓性を有するホースを用いることで設置の自由度が高まると共に作業性が向上する。
また、上記ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒(特に液冷媒)がケーシング1040内の底部に溜まるので、ケーシング1040の下部と床下とを第1カバー部材1270,排出ホース1230(排出部材)により連通することによって、漏洩した可燃性冷媒のうちの多くを占める液冷媒を、ケーシング1040の下部から第1カバー部材1270,排出ホース1230を介して床下に速やかに排出することができる。
また、上記ケーシング1040内の水熱交換器1012の下部に設けられた接続口1232に、第1カバー部材1270を接続することによって、水熱交換器1012の冷媒配管接続部分から漏れ出た可燃性冷媒は、水熱交換器1012の下側に流れ落ちて、下側の接続口1123を介して第1カバー部材1270,排出ホース1230により床下に排出することができる。
また、上記ケーシング1040外において、冷媒配管1031(往配管1031a,復配管1031b)が接続された冷媒配管接続部1073,1074から可燃性冷媒が漏れ出ても、第1カバー部材1270内で受けて排出ホース1230により床下に排出することができ、より安全性が高まる。
なお、ケーシング1040内に配置されたカバー部材によって、少なくとも冷媒回路の冷媒配管接続部分を覆うと共に漏洩した可燃性冷媒をケーシング1040外に案内するようにしてもよい。
また、上記ケーシング1040内の冷媒配管接続部分よりも下側に設けられた接続口1232に排出部材(第1カバー部材1270と排出ホース1230)が接続され、ケーシング1040内に漏洩した可燃性冷媒を接続口1232から第1カバー部材1270と排出ホース1230によりケーシング1040外に排出することによって、室内に設置された状態でケーシング1040内に可燃性冷媒が急速漏洩した場合、ケーシング1040内に漏洩した直後の可燃性冷媒のうちの多くは蒸発しきらずに液体のままであるので、液体の可燃性冷媒がケーシング1040内から第1カバー部材1270と排出ホース1230を介して流れ落ちて床下に速やかに排出することが可能になる。
なお、気化した上記可燃性冷媒が空気よりも重い場合、気体の可燃性冷媒も下方に流れ落ちてケーシング1040内から第1カバー部材1270と排出ホース1230を介して下方に排出される。
〔第11実施形態〕
図24はこの発明の第11実施形態の貯湯ユニット1001の下部の正面図を示している。この第10実施形態の貯湯ユニット1001は、第1カバー部材1275を除いて第10実施形態の貯湯ユニット1001と同一の構成をしており、図17〜図20を援用する。
この第11実施形態の貯湯ユニット1001は、図24に示すように、蓋板1048に冷媒配管1031(往配管1031a,復配管1031b)を覆う第1カバー部材1275を取り付けている。この第1カバー部材1275の本体部1275aは、冷媒配管接続部1074に接続された冷媒配管1031の往配管1031aおよび冷媒配管接続部1073に接続された冷媒配管1031の復配管1031bが貫通する穴(図示せず)を有する。また、第1カバー部材1275の本体部1275aは、排出ホース1230の上端が接続された接続穴(図示せず)を有する。
さらに、第1カバー部材1275は、本体部1275aの右側からケーシング1040の右側面に沿って上方に延びる案内通路1275bを有する。
上記排出ホース1230と第1カバー部材1275で排出部材を構成している。
上記構成の貯湯ユニット1001において、貯湯タンク1011(図20に示す)の底面と底板1045(図20に示す)との間の空間に漏れ出た冷媒は、ケーシング1040の右側面に設けた接続口1233を介して第1カバー部材1275の案内通路1275bを介して本体部1275aに導かれ、排出ホース1230を介して床1400の下側に排出する。
このように第1カバー部材1275は、第7実施形態の図16に示す冷温水供給ユニット200における第1カバー部材275と同様の効果を有する。
上記可燃性冷媒として、微燃性のR32からなる単一冷媒またはR32を主成分とする混合冷媒を用いることによって、R32はオゾン破壊係数や地球温暖化係数GWPが低いので、地球温暖化への影響を抑えることができると共に、成績係数COP(Coefficient Of Performance)が向上してエネルギー消費を低減することができる。
上記第1〜第11実施形態では、可燃性冷媒として、微燃性のR32の単一冷媒またはR32を主成分とする混合冷媒を用いたが、これに限らず、他の可燃性冷媒を用いた水熱交換器収容ユニットにこの発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第11実施形態では、水熱交換器収容ユニットとして冷温水供給ユニット200および貯湯ユニット1001について説明したが、水熱交換器収容ユニットはこれに限らず、可燃性冷媒が流れる水熱交換器と、その水熱交換器が収容されたケーシングを備えた装置にこの発明を適用することができる。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1〜第11実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、上記第1〜第11実施形態で記載した内容を適宜組み合わせたものを、この発明の一実施形態としてもよい。