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JP6718551B1 - 粉体急結剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミン酸ナトリウム含有しカルシウムアルミネートを主成分としたセメント急結剤と同等以上の良好な急結性状を示す粉体急結剤を提供する。【解決手段】カルシウムアルミネート化合物を含有し、アルミン酸ナトリウムを含有しない粉体急結剤であって、前記カルシウムアルミネート化合物におけるSiO2含有量が7質量%以下であり、前記カルシウムアルミネート化合物のFT−IRによるAlO4基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO4とAlO6基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO6との比(IAlO6/IAlO4)が0.53〜0.75である粉体急結剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体急結剤に関し、特にアルミン酸ナトリウムを含有しない粉体急結剤に関する。
従来、セメントを急結させる急結剤としては、カルシウムアルミネートを主成分とし、アルミン酸ナトリウム等を含有するものが古くから知られている(例えば、特許文献1参照)。
アルミン酸ナトリウムはカルシウムアルミネートの反応を助長したり、それ自身がゲル化してごく初期のこわばりを与えたりするものであり、セメント急結剤には欠くことのできない成分であると考えられてきた。
特公平5−39899号公報
しかしながら、しかしながら、アルミン酸ナトリウムの取り扱いには充分な注意が必要な場合があり、環境衛生上の観点からはアルミン酸ナトリウムの使用を控えた方がいいこともある。一方で、カルシウムアルミネートを主成分とした急結剤にアルミン酸ナトリウムを使用しないと、急結性能が低下してしまう。
以上から、本発明は、アルミン酸ナトリウム含有しカルシウムアルミネートを主成分とした急結剤と同等以上の良好な急結性能を示す粉体急結剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、急結剤に使用するカルシウムアルミネート化合物中のSiO含有量を7質量%以下とし、FT−IRで観測されるAlO基伸縮振動に基づく吸収ピーク及びAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度比を所定の範囲とすると、アルミン酸ナトリウムを含有しカルシウムアルミネートを主成分とした急結剤と同等以上の良好な急結性能が得られること見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は下記のとおりである。
[1] カルシウムアルミネート化合物を含有し、アルミン酸ナトリウムを含有しない粉体急結剤であって、
前記カルシウムアルミネート化合物におけるSiO含有量が7質量%以下であり、前記カルシウムアルミネート化合物のFT−IRによるAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO4とAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO6との比(IAlO6/IAlO4)が0.53〜0.75である、粉体急結剤。
[2] 前記カルシウムアルミネート化合物を60質量%以上含有する[1]に記載の粉体急結剤。
[3] さらに、アルカリ金属硫酸塩類及びアルカリ土類金属硫酸塩類からなる群から選択される少なくとも1種を含む[1]又は[2]に記載の粉体急結剤。
[4] 前記アルカリ金属硫酸塩類が硫酸ナトリウムである[3]に記載の粉体急結剤。
[5] 前記アルカリ土類金属硫酸塩類が硫酸カルシウムである[3]又は[4]に記載の粉体急結剤。
[6] 前記硫酸ナトリウムを、前記カルシウムアルミネート化合物100質量部に対して1〜40質量部含有する[4]又は[5]に記載の粉体急結剤。
[7] 前記硫酸カルシウムを、前記カルシウムアルミネート化合物100質量部に対して2〜45質量部含有する[5]又は[6]に記載の粉体急結剤。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の粉体急結剤とセメントとを含むセメント組成物。
ここで、本発明における粉体急結剤とは、少なくとも使用温度域で粉末の状態であり、セメントペースト、セメントモルタル、セメントコンクリート等のセメント組成物に対して急結性能(凝結速度の増加や流動性消失の付与といった性能)を向上させることができるものとして定義する。
本発明によれば、アルミン酸ナトリウム含有しカルシウムアルミネートを主成分とした急結剤と同等以上の良好な急結性能を示す粉体急結剤を提供することができる。
以下、本発明の実施形態(本実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
本実施形態に係る粉体急結剤は、カルシウムアルミネート化合物を含有し、アルミン酸ナトリウムを含有しない粉体急結剤である。アルミン酸ナトリウムを含有しないため、これを用いた場合に生じ得る取り扱いの煩雑性を解消できる。
本実施形態に係るカルシウムアルミネート化合物は、SiO含有量が7質量%以下であり、6.5質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。SiO含有量が6質量%を超えると、急結剤として、極初期からの強度発現性が低下してしまう。SiO含有量は例えば、JIS R5202「セメントの化学分析方法」に準じた純粋二酸化ケイ素及び可溶性二酸化ケイ素の含有率の合計量により測定することができる。
また、カルシウムアルミネート化合物のFT−IRによるAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO6とAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO4との比(IAlO6/IAlO4)は0.53〜0.75であり、0.60〜0.75であることが好ましく、0.64〜0.75であることがより好ましい。
AlO基伸縮振動に基づく吸収ピークは、AlO八面体に帰属するピークであり、AlO基伸縮振動に基づく吸収ピークは、AlO四面体に帰属するピークである。そして、これらの強度比であるIAlO6/IAlO4が0.53未満では、極初期強度が低下し、付着性状や、強度発現性が低下してしまい、かつ、長期強度も低下傾向となる。また、IAlO6/IAlO4が0.75を超えると、極初期強度が低下してしまう。カルシウムアルミネート化合物のFT−IR測定は、実施例に記載の方法で行うことができる。
なお、AlO基伸縮振動に基づく吸収ピークは、例えば、波数690〜770cm−1付近で観察され、AlO基伸縮振動に基づく吸収ピークは、例えば、波数550〜610cm−1付近で観察される。これらの同定(確認)には例えば、固体NMR等を用いてもよい。
ここで、カルシウムアルミネート化合物(以下、CA化合物ということがある)とは、CaOとAlを主成分とし、水和活性を有する化合物の総称であり、急結性が良好であることから、非晶質のカルシウムアルミネート化合物が好ましい。
なお、本明細書において「主成分」とは、全体に占める割合が50質量%を超えることを意味する。
非晶質カルシウムアルミネート化合物は、カルシアを含む原料、アルミナを含む原料などを混合して加熱溶融し、これを急冷することによって得られるが、既述の強度比(IAlO6/IAlO4)を所定の範囲にすることを考慮すると、後述するような製造方法を適用することが好ましい。
非晶質カルシウムアルミネート化合物のAlに対するCaOのモル比(CaO/Al)は、特に限定されないが、水和活性、強度発現性などの観点から、1.6〜2.3であることが好ましく、1.75〜2.2であることがより好ましい。
非晶質カルシウムアルミネート化合物のガラス化率は、特に限定されないが、良好な急結性能、初期強度発現性等の観点から、60%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
非晶質カルシウムアルミネート化合物の結晶質部分は、特に限定されないが、例えば、3CaO・Al、12CaO・7Al等のカルシウムアルミネート、原料由来の副成分又は不可避不純物に起因するゲーレナイト、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムフェライト等が挙げられる。
非晶質カルシウムアルミネート化合物のガラス化率は、粉末X線回折/リートベルト解析によって求めることができる。具体的には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の内部標準物質を測定試料に所定量添加し、めのう乳鉢などで充分混合した後、粉末X線回折測定を行う。その後、測定結果を定量ソフトで解析することで、鉱物の生成量を求め、残部をガラス化率とする。定量ソフトには、Sietronics社製の「SIROQUANT」等を用いることができる。
非晶質カルシウムアルミネート化合物の粉末度は、特に限定されないが、ブレーン比表面積(JIS R 5201準拠)で、4000〜8000cm/gであることが好ましく、5000〜6000cm/gであることがより好ましい。ブレーン比表面積が4000〜8000cm/gであることで、急結性能、初期強度発現性等が良好となりやすい。また、作業性の観点からも好ましい。
本実施形態の粉体急結剤におけるカルシウムアルミネート化合物の含有量は、粉体急結剤中、60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましい。60%以上であると良好な凝結性状及び長期強度発現性が得られやすくなる。
本実施形態の粉体急結剤は、吹付け後のコンクリートの強度発現性の向上の観点から、アルカリ金属硫酸塩類及びアルカリ土類金属硫酸塩類からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらは、既述のカルシウムアルミネート化合物に添加混合すればよい。
(アルカリ金属硫酸塩)
アルカリ金属硫酸塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムの硫酸塩が挙げられ、これらの中で、強度増進効果としてリチウムやナトリムの硫酸塩(硫酸リチウム、硫酸ナトリウム)が好ましい。また、これらの中で、硫酸ナトリウムが好ましく、なかでも硫酸ナトリウムの無水物は、空気中の水分を吸湿する乾燥剤としての役割も有するので、貯蔵時の安定性にも寄与する点でより好ましい。
アルカリ金属硫酸塩のブレーン比表面積は、100〜1000cm/gであることが好ましく、300〜800cm/gであることがより好ましい。100〜1000cm/gであることで、24時間までの強度発現性が得られやすく、吹き付け時のモルタル及び/又はコンクリートの取扱い性を良好にすることができる。
アルカリ金属硫酸塩(硫酸ナトリウム等)は、粉体急結剤のカルシウムアルミネート化合物100質量部に対して、1〜40質量部含むことが好ましく、1〜35質量部含むことがより好ましい。1〜40質量部含むことで、24時間後までの圧縮強度の増進効果がより付与されやすくなる。
(アルカリ土類金属硫酸塩)
アルカリ土類金属硫酸塩としては、硫酸カルシウムが好ましく、無水石膏(無水硫酸カルシウム)、半水石膏(硫酸カルシウム半水和物)、及び二水石膏(硫酸カルシウム二水和物)等が挙げられる。これらの中では無水石膏が好ましい。
アルカリ土類金属硫酸塩のブレーン比表面積は、良好な急結性能や初期強度発現性の観点から、3,500cm/g以上が好ましく、4,000cm/g以上がより好ましい。
アルカリ土類金属硫酸塩(硫酸カルシウム等)は、粉体急結剤のカルシウムアルミネート化合物100質量部に対して、2〜45質量部含むことが好ましく、3〜40質量部含むことがより好ましい。2〜45質量部含むことで、良好な急結性を発揮しながら、長期強度が得られやすくなる。
本実施形態の粉体急結剤は、本発明の効果を実質的に喪失させない範囲で上記以外の成分の含有させることができる。かかる成分としては、硫酸アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態のカルシウムアルミネート化合物は、SiO含有量が7質量%以下となるように原料を用意し、用意した原料をアーク式電気炉(例えば、加熱室容積150リットル)に投入し、電気炉内を1500〜2000℃に加熱して1〜2時間保持して溶融する。その後、炉内から溶融物を取り出し、冷却設備により水を含む圧縮空気を用いて700〜1000℃に、1,100〜7,000K/秒で急冷する。その後は水を含む圧縮空気の供給を行わず、通常の大気雰囲気下で放冷して、本実施形態のカルシウムアルミネート化合物が得られる。
以上のような本実施形態の粉体急結剤はアルミン酸ナトリウム含有しカルシウムアルミネートを主成分とした急結剤と同等以上の良好な急結性能を示す。そのため、当該粉体急結剤を用いることで、初期凝結性、初期強度発現性及び施工性が良好なセメント組成物を調製することができる。すなわち、本実施形態のセメント組成物は、既述の本発明の粉体急結剤とセメントとを含む。
当該セメント組成物における本発明の粉体急結剤は、セメント100質量部に対し、5〜30質量部配合することが好ましく、10〜20質量部配合することがより好ましい。
また、セメントとともに、使用目的に応じてモルタルやコンクリートに使用できる他の混和材料や骨材を併用することができる。
ここで用いられるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、及びこれらのポルトランドセメントにフライアッシュや高炉スラグ等の成分を配合した各種混合セメントが挙げられる。このうち、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメントがより好ましい。
また、骨材としては、細骨材、粗骨材のいずれも用いることができる。細骨材としては川砂、山砂、石灰砂、珪砂等が挙げられ、粗骨材としては川砂利、山砂利、石灰砂利等が挙げられる。
以下、実施例、比較例を挙げてさらに詳細に内容を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
カルシア源として石灰石(CaO含有率95.36質量%、Al含有率0.01質量%、MgO含有率0.81質量%、SiO含有率1.53質量%)、アルミナ源としてボーキサイト(CaO含有率3.5質量%、Al含有率84.31質量%、MgO含有率1.24質量%、SiO含有率6.3質量%)を材料として使用した。これらをアーク式電気炉に投入し、1650℃で2時間保持して溶融した。その後に炉内から溶融物を取り出し、水を含む圧縮空気を供給できる冷却設備により1,000℃まで急冷した。冷却速度は5,000K/秒とし、圧縮空気中の水は0.1体積%とし、圧縮空気の圧力は0.4MPaとした。その後、水を含む圧縮空気の供給を止めた状態(大気雰囲気下)で放冷して、カルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。
CaO/Alモル比は2.0、ガラス化率は99%、ブレーン比表面積は5,800cm/gに調整した。
得られた粉体急結剤について、パーキンエルマー社製のFrontierを用いてFT−IR測定を行った。測定は、1回反射型ATRを用いてバックグラウンド測定を行った後、粉体急結剤からなるサンプルをセットし、スキャニング回数16回でサンプル表面を測定した。測定結果は、縦軸(Y軸)を吸光度、横軸を波数として出力し、AlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO6とAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO4とを解析ソフト(パーキンエルマー社製のSpectrum)によって算出し、これらの強度比(IAlO6/IAlO4)を求めた。結果を表1に示す。
また、普通ポルトランドセメント(ブレーン比表面積3200cm/g、比重3.15)100質量部と、粉体急結剤10質量部と、細骨材(JIS標準砂、市販品)300質量部と、水60質量部とを混錬してセメント組成物を作製した。当該セメント組成物を用いて、下記の凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
(評価)
凝結時間:ASTMC403に準じて、セメント組成物を迅速に型枠に詰めプロクター貫入抵抗値を測定して凝結時間の始発と終結を測定した。
圧縮強度:JIS R5201に準じて4×4×16cmのセメント組成物の試験体を作製し、3時間後に脱型して圧縮強度を測定した。
[実施例2]
冷却速度を3,000K/秒とした以外は実施例1と同様にしてカルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。当該粉体急結剤について実施例1と同様にしてFT−IR測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にしてセメント組成物を作製し、当該セメント組成物を用いて、凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
[実施例3]
冷却速度を7,000K/秒とした以外は実施例1と同様にしてカルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。当該粉体急結剤について実施例1と同様にしてFT−IR測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にしてセメント組成物を作製し、当該セメント組成物を用いて、凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
[比較例1]
材料にSiO源としてSiO試薬(99%)をCA化合物中のSiO含有量を8%となるように配合とした以外は実施例1と同様にしてカルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。当該粉体急結剤について実施例1と同様にしてFTIR測定を行った。結果を表1に示す。また、実施例1と同様にしてセメント組成物を作製し、当該セメント組成物を用いて、凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
[比較例2]
冷却速度を1,000K/秒とした以外は実施例1と同様にしてカルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。当該粉体急結剤について実施例1と同様にしてFT−IR測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にしてセメント組成物を作製し、当該セメント組成物を用いて、凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
[比較例3]
冷却速度を10,000K/秒とした以外は実施例1と同様にしてカルシウムアルミネート化合物を製造し、これを粉体急結剤とした。当該粉体急結剤について実施例1と同様にしてFT−IR測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様にしてセメント組成物を作製し、当該セメント組成物を用いて、凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表1に示す。
[実施例4〜14]
普通ポルトランドセメント(ブレーン比表面積3200cm/g、比重3.15)100質量部と、表2に示す粉体急結剤10質量部と、細骨材(JIS標準砂、市販品)300質量部と、水60質量部とを混錬してセメント組成物を作製した。当該セメント組成物を用いて、下記の凝結時間及び圧縮強度の評価を行った。これらの結果について表2に示す。尚、該粉体急結剤に配合するカルシウムアルミネート化合物は実施例1を使用し、以下に示すアルカリ金属硫酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩をカルシウムアルミネート化合物100部としたときの部として表2に示す。また、圧縮強度は3時間後、1日後のそれぞれについて測定した。
・アルカリ金属硫酸塩:硫酸ナトリウム、無水品、中性品、試薬、ブレーン500cm/g
・アルカリ土類金属硫酸塩:硫酸カルシウム、無水品、試薬、ブレーン5000cm/g
本発明の粉体急結剤は、例えば、土木、建築分野において好適に使用できる。

Claims (8)

  1. カルシウムアルミネート化合物を含有し、アルミン酸ナトリウムを含有しない粉体急結剤であって、
    前記カルシウムアルミネート化合物におけるSiO含有量が7質量%以下であり、前記カルシウムアルミネート化合物のFT−IRによるAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO4とAlO基伸縮振動に基づく吸収ピークの強度IAlO6との比(IAlO6/IAlO4)が0.53〜0.75である、粉体急結剤。
  2. 前記カルシウムアルミネート化合物を60質量%以上含有する請求項1に記載の粉体急結剤。
  3. さらに、アルカリ金属硫酸塩類及びアルカリ土類金属硫酸塩類からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の粉体急結剤。
  4. 前記アルカリ金属硫酸塩類を含有し、該アルカリ金属硫酸塩類が硫酸ナトリウムである請求項3に記載の粉体急結剤。
  5. 前記アルカリ土類金属硫酸塩類を含有し、該アルカリ土類金属硫酸塩類が硫酸カルシウムである請求項3に記載の粉体急結剤。
  6. 前記硫酸ナトリウムを、前記カルシウムアルミネート化合物100質量部に対して1〜40質量部含有する請求項4に記載の粉体急結剤。
  7. 前記硫酸カルシウムを、前記カルシウムアルミネート化合物100質量部に対して2〜45質量部含有する請求項5に記載の粉体急結剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉体急結剤とセメントとを含むセメント組成物。
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