JP6707160B2 - 情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラム - Google Patents
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Description
機器から送信される機器情報の提供を要求する提供要求を取得し、前記機器情報に対して許諾する加工方法である利用許諾情報に基づいて前記機器情報を加工し、加工した前記機器情報を加工情報として前記提供要求の要求元に送信する提供部とを備えた情報提供装置において、
前記提供部は、
前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴を利用履歴として生成し、前記利用履歴に基づいて、前記加工情報が、前記機器情報を提供する提供条件であって前記機器情報のデータの種類の数と前記機器情報のデータの種類の組み合わせとの少なくともいずれかを含む提供条件が設定されたデータ提供ルールに合致するか否かを判定し、前記データ提供ルールに合致しないと判定されると、前記加工情報を提供せずにエラーメッセージを出力する。
***構成の説明***
図1を用いて、本実施の形態に係る情報提供システム500の構成について説明する。
情報提供システム500は、機器20と、情報提供装置30と、情報利用装置40とを備える。機器20と、情報提供装置30と、情報利用装置40とは、ネットワーク50を介して通信する。
なお、機器情報の利用許諾を設定する者は、ユーザ60だけではなく、情報提供装置30において機器情報を管理するデータ管理者70の場合もある。以降において、機器情報の利用許諾を設定する者をデータ許諾者701とする。データ許諾者701には、ユーザ60およびデータ管理者70が含まれる。
図2から図4に示すように、機器20と情報提供装置30と情報利用装置40のそれぞれは、コンピュータである。
情報提供システム500の各装置は、プロセッサ910、記憶装置920、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といったハードウェアを備える。記憶装置920は、メモリ921と補助記憶装置922とを含む。なお、プロセッサ910、記憶装置920、入力インタフェース930、出力インタフェース940、および通信装置950といったハードウェアは、情報提供システム500の各装置に個別に備えられているが、説明の簡単のため、同一の符号を付して説明する。
データ送信部21の機能は、ソフトウェアで実現される。
記憶部22は、メモリ921により実現される。また、記憶部22は、補助記憶装置922のみ、あるいは、メモリ921および補助記憶装置922で実現されてもよい。記憶部22の実現方法は任意である。
機器情報受信部31と、許諾情報取得部32と、ルール生成部33と、データ提供部34と、データ加工部35と、参照部36の機能は、ソフトウェアで実現される。すなわち、機器情報受信部31と、設定画面表示部501と、可視化部502と、方法取得部503と、ルール生成部33と、データ提供部34と、データ加工部35と、参照部36の機能は、ソフトウェアで実現される。
記憶部37は、メモリ921により実現される。また、記憶部37は、補助記憶装置922のみ、あるいは、メモリ921および補助記憶装置922で実現されてもよい。記憶部37の実現方法は任意である。
データ要求部41の機能は、ソフトウェアで実現される。
記憶部42は、メモリ921により実現される。また、記憶部42は、補助記憶装置922のみ、あるいは、メモリ921および補助記憶装置922で実現されてもよい。記憶部42の実現方法は任意である。
なお、機器20のデータ送信部21と、情報提供装置30の機器情報受信部31、設定画面表示部501、可視化部502、方法取得部503、ルール生成部33、データ提供部34、データ加工部35、および参照部36と、情報利用装置40のデータ要求部41とを、各装置の各部と称する場合がある。
通信装置950は、レシーバとトランスミッタとを有する。通信装置950は、有線または無線で、LAN、インターネット、あるいは電話回線といった通信網に接続している。通信装置950は、具体的には、通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。通信装置950は、データを通信する通信部である。レシーバは、データを受信する受信部である。トランスミッタは、データを送信する送信部である。
補助記憶装置922には、各装置の各部の機能を実現するプログラムが記憶されている。各装置の各部の機能を実現するプログラムを情報提供プログラムともいう。このプログラムは、メモリ921にロードされ、プロセッサ910に読み込まれ、プロセッサ910によって実行される。また、補助記憶装置922に記憶されているOSの少なくとも一部がメモリ921にロードされる。プロセッサ910はOSを実行しながら、情報提供プログラムを実行する。
なお、情報提供プログラムプロダクトとは、情報提供プログラムが記録された記憶媒体および記憶装置である。情報提供プログラムプロダクトは、外観に関わらず、コンピュータ読み取り可能なプログラムをロードしているものを指す。
次に、図2に示した機器20の機能について説明する。
機器情報201は、機器20で発生したデータである。具体的には、機器20が持つ各種センサから得られた情報、あるいは機器20の所有者による操作履歴といった情報である。
データ送信部21は、通信装置950を介して、機器情報201を情報提供装置30に送信する。
利用許諾情報301は、データ許諾者701による機器情報201の利用に関する許諾を示した情報である。具体的には、利用許諾情報301は、データの利用用途、データの提供先、データの種類、データの範囲、加工方法、および参照回数といった情報である。
加工ルール302は、機器20から送信される機器情報201に対して許諾された加工方法を許諾加工方法として含む。加工ルール302は、機器情報201を情報利用装置40に提供する際のデータ加工方法を許諾加工方法として含む情報である。具体的には、平均、分散あるいは標準偏差といった統計分析方法、データの利用用途、データの提供先、提供可能なデータの種類、およびデータ有効期限といった情報である。
提供要求303は、機器情報201を加工して提供することを要求する。また、提供要求303は、機器情報201の加工方法を要求加工方法として含む。つまり、提供要求303は、情報提供装置30に蓄積された機器情報201に対し、特定の目的に応じた処理がなされた機器情報201を要求する情報である。特定の目的に応じた処理とは要求加工方法のことであり、具体的には、平均、分散、あるいは標準偏差といった処理である。提供要求303には、機器情報201の所有者であるユーザ60の識別子、要求元である情報利用装置40の識別子あるいはサービスタイプ、データの利用用途、取得したいデータの種類、データの範囲、および取得したい統計値といった情報が含まれる。データの範囲は、時系列データであれば期間といった情報である。以下において、提供要求303の要求元とは、加工情報304の提供を要求する要求元のことである。具体的には、要求元とは、提供要求303の送信元である。
加工情報304は、機器情報201に対し、加工ルール302に従って加工されたデータである。加工情報304は、提供要求303に含まれる要求加工方法で加工した機器情報201である。具体的には、加工情報304は、機器情報201に対し、平均、分散、あるいは標準偏差といった統計処理、あるいは一部のデータを意図的に欠損させる処理を施したデータである。
利用履歴305は、提供要求303に応じて加工情報304を提供した際の、提供日時、提供先、利用用途、データ加工方法、および参照回数といった、機器情報201を利用した履歴を示す情報である。機器情報201を利用したとは、機器情報201を加工して提供したことである。
機器情報記憶部371は、機器情報受信部31により受信された機器情報201を記憶する。
許諾情報取得部32は、機器情報201に対して許諾された許諾条件であって、機器情報201に対して許諾された加工方法を含む許諾条件を表す利用許諾情報301を取得する。許諾情報取得部32は、利用許諾情報301を取得し、ルール生成部33に出力する。
ルール生成部33は、利用許諾情報301に基づいて加工ルール302を生成し、ルール記憶部372に記憶する。具体的には、ルール生成部33は、許諾情報取得部32から利用許諾情報301を取得し、利用許諾に応じた加工ルール302を生成する。具体的には、ルール生成部33は、利用許諾と対応したデータ加工方法を予め定義しておき、その定義に従って加工ルール302を生成する。具体的な例は動作の説明にて記載する。
ルール記憶部372は、機器20から送信される機器情報201に対して許諾された加工方法を許諾加工方法として含む加工ルール302を記憶する。ルール記憶部372は、ルール生成部33が作成した加工ルール302を記憶する。
また、提供部330は、加工情報304を提供要求303の要求元に送信した履歴を利用履歴305として生成する。
データ提供部34は、提供要求303を受信し、データ加工部35から加工情報304を取得するとともに、加工情報304に関する履歴を利用履歴305として、履歴記憶部373に記憶する。データ提供部34は、機器情報201の加工と連動して、機器情報201の利用履歴305の保存を実行する。
利用履歴305は、提供日時、提供先、利用用途、データ加工方法、および参照回数の項目を有する。提供日時には、加工情報304を提供した日時を記録する。提供先には、加工情報304を提供した情報利用装置40の識別子を記録する。利用用途には、提供要求303の利用目的を記録する。データ加工方法には、機器情報201に対して実施した処理を記録する。参照回数には、加工を実施した機器情報201に対する参照回数を記録する。
情報利用装置40は、加工された機器情報201、すなわち加工情報304を利用したサービスを提供する。なお、本実施の形態では、どのようなサービスでもよいため、サービスを実現する機能ブロックは説明せず、加工情報304の取得に必要な機能のみを説明する。
データ要求部41は、情報提供装置30に対して、機器情報201の提供を要求する提供要求303を送信する。そして、データ要求部41は、提供要求303に従った加工情報304を受信する。
次に、本実施の形態に係る情報提供システム500の情報提供方法および情報提供プログラムの処理について説明する。情報提供プログラムは、以下に示す各処理を情報提供システム500の各装置に実行させる。
ステップS101において、機器20のデータ送信部21は、通信装置950を介して、機器情報201を情報提供装置30に送信する。データ送信部21は、定期的に機器情報201を情報提供装置30に送信してもよい。あるいは、データ送信部21は、機器情報201を機器20の記憶部22に蓄積しておき、所定のデータ量の機器情報201を情報提供装置30に送信してもよい。
ステップS102において、情報提供装置30の機器情報受信部31は、機器20から送信された機器情報201を、通信装置950を介して受信する。機器情報受信部31は、機器情報201を、機器20の所有者、すなわち機器情報201の所有者であるユーザ60の情報と対応付けて、機器情報記憶部371に記憶する。なお、情報提供装置30の機器情報受信部31が、特定の機器20に対して機器情報201を要求し、その要求に対する応答として機器情報201を受信してもよい。
データの利用用途、データの提供先、データの種類、データの範囲、および参照回数については、データ許諾者701は、許諾設定画面702に設けられた設定エリアから設定する。例えば、データの利用用途の設定エリアでは、データの利用用途の選択肢がプルダウンにより表示され、データ許諾者701はデータの利用用途の選択肢から選択する。
ステップS210において、設定画面表示部501は、機器20から送信される機器情報201に対して許諾する加工方法を利用許諾情報301として設定させる許諾設定画面702を表示する。具体的には、設定画面表示部501は、許諾設定画面702をWEBページのフォームとして、データ許諾者701の端末装置に表示する。許諾設定画面702は、GUIを備えている。
例えば、許諾の対象となるデータの種類が、電力消費量であり、機器20を識別する機器名としてエアコンディショナーが選択されているものとする。また、データの範囲が2016年1月から2016年12月であるとする。このとき、図9の上段に示すような折れ線グラフが可視化情報703として許諾設定画面702に表示される。また、許諾の対象となるデータの種類が、エラーコードであり、機器20を識別するID(Identifier)と機器名のデータセットが選択されているものとする。このとき、図10の上段に示すような表が可視化情報703として許諾設定画面702に表示される。グラフの種類あるいは表の種類は複数あり、許諾設定画面702においてデータ許諾者701により選択可能である。
具体的には、方法取得部503は、許諾設定画面702を介して、グラフあるいは表に対してデータ許諾者701により行われるデータ加工を受け付ける。方法取得部503は、データ許諾者701によりグラフあるいは表に対して行われたデータ加工に応じて、グラフあるいは表を加工し、許諾設定画面702に表示する。方法取得部503は、データ加工として、データの塗りつぶし、データの置き換え、データの単位の変更、データの単位の丸め処理、および、データの攪乱処理のうち少なくとも1つを受け付ける。
(1)データを塗りつぶす方式:データの「非開示」である。
(2)データを置き換える方式:データの「仮ID化」である。例えば、データにアクセスする度に仮IDを変化させるかどうかを選択し、固定値への置き換えか、毎回乱数に置き換えるかを仮ID化のパラメータとする。
(3)グラフの単位を変更する方式:「データの統計化:平均」である。例えば、30分、1時間、あるいは1日といったグラフの表示単位である時間軸は、平均を取る際の区間情報をパラメータとする。
(4)単位の丸め方式:「丸め処理」である。例えば、10単位、100単位、あるいは1000単位といったグラフの表示単位である値軸を、丸め処理のパラメータとする。丸め処理は、単位の粒度を粗くする処理である。例えば「100単位の丸め」であれば、120→100、1560→1500のように値を変更する。また、同様に、「1000単位の丸め」であれば、120→0、1560→1000のように値を変更する。
(5)ノイズを加える方式:「データ攪乱」である。具体的には、電力データのみに適用可能である。電力データに含まれる家電の情報を選択することで、ノイズの大きさを決定するパラメータとする。
このように、許諾情報取得部32では、利用許諾情報の設定をグラフあるいは表を利用したGUIで実施する。許諾情報取得部32は、グラフの形、データの墨塗り、あるいは置き換えといったデータ加工を視覚的に実施し、視覚化されたデータから適用するデータ加工技術を設定させる。つまり、グラフあるいは表データの「見た目」から加工方式を選択させるので、データ許諾者は期待通りのデータ加工方式を特定することができる。
ステップS202において、ルール生成部33は、許諾情報取得部32により取得された利用許諾情報301を取得する。ルール生成部33は、利用許諾情報301に基づいて、加工ルール302を生成する。利用許諾情報301から加工ルール302への変換方法は予め変換定義306として定義しておく、ルール生成部33は、その変換定義306に従って変換する。
変換定義306は、利用許諾情報301から加工ルール302の変換を以下のように定義する。変換定義306は、予め生成され、記憶部37に記憶される。なお、上述したように、利用許諾情報301には、データの利用用途、データの提供先、データの種類、データの範囲、加工方法、および参照回数が含まれる。
利用用途は、提供要求303の目的を許諾の範囲内に限定する。提供先は、提供要求303の要求元を許諾の範囲内に限定する。データの種類は、提供要求303の取得したいデータの種類を許諾の範囲内に限定する。データの範囲は、提供要求303の取得したいデータの範囲を許諾の範囲内に限定する。加工方法は、提供要求303の加工方法を許諾の範囲内に限定する。参照回数は、許諾対象の機器情報201の累積参照回数の上限を設定する。
利用用途には、見守りサービス、デマンドレスポンスを設定。
提供先には、見守りサービスA、デマンドレスポンスサービスBを設定。
データの種類には、電源オンオフ状態、消費電力量を設定。
データの範囲には、2016/1/1〜2018/12/31を設定。
加工方法には、1時間毎の平均、最大、および最小を設定。
参照回数には、1000を設定。
利用用途321は、見守りサービス、デマンドレスポンスに限定。
提供先322は、見守りサービスA、デマンドレスポンスサービスBに限定。
データの種類323は、電源オンオフ状態、消費電力量のみ参照可能。
データの範囲324は、2016/1/1〜2018/12/31。
許諾加工方法325は、1時間毎の平均、最大、最小のみ提供。
参照回数326は、累積参照回数1000回で利用不可とする。
ステップS301において、情報利用装置40のデータ要求部41は、提供要求303を生成する。データ要求部41は、通信装置950を介して、提供要求303を情報提供装置30に送信する。
提供要求303は、データの所有者331、要求元332、利用用途333、データの種類334、データの範囲335、および要求加工方法336といった情報を含む。具体例としては以下の通りである。
データの所有者331には、ユーザID「A1000234」が設定される。
要求元332には、見守りサービスAが設定される。
利用用途333には、見守りサービスが設定される。
データの種類334には、消費電力量が設定される。
データの範囲335には、2016/11/28が設定される。
要求加工方法336、すなわち取得したい統計値には、1時間毎の平均が設定される。
該当する加工ルール302が存在する場合、処理はステップS303に進む。
該当する加工ルール302が存在しない場合、該当する機器情報201が存在しないか、あるいは利用許諾が得られていないことを意味するため、データ提供部34は、情報利用装置40に対し、該当する機器情報201が存在しないか、あるいは利用許諾が得られていない旨を返信し、加工情報304は返信しない。
利用用途321は、見守りサービス、デマンドレスポンスに限定。
提供先322は、見守りサービスA、デマンドレスポンスサービスBに限定。
データの種類323は、電源オンオフ状態、消費電力量のみ参照可能。
データの範囲324は、2016/1/1〜2018/12/31。
許諾加工方法325は、1時間毎の平均、最大、最小のみ提供。
参照回数326は、累積参照回数1000回で利用不可とする。
要求日時は、2016/11/29、すなわちデータ要求を実施した日時。
要求元は、見守りサービスA。
利用用途は、見守りサービス。
不可となった要求加工方法は、1時間毎の標準偏差。
また、データ提供部34は、提供要求303の要求元の情報利用装置40に、加工された機器情報201を提供することはできない旨を返信する。
ステップS304において、データ加工部35は、加工ルール302に対応する機器情報201を機器情報記憶部371から取得する。データ加工部35は、加工ルール302に従って、機器情報記憶部371から取得した機器情報201を加工し、加工情報304を生成する。データ加工部35は、加工情報304をデータ提供部34に出力する。
このとき、加工ルール302は、以下の通りであった。
利用用途321は、見守りサービス、デマンドレスポンスに限定。
提供先322は、見守りサービスA、デマンドレスポンスサービスBに限定。
データの種類323は、電源オンオフ状態、消費電力量のみ参照可能。
データの範囲324は、2016/1/1〜2018/12/31。
許諾加工方法325は、1時間毎の平均、最大、最小のみ提供。
参照回数326は、累積参照回数1000回で利用不可とする。
この加工ルール302は、以下の図14の提供要求303と合致している。
データの所有者331には、ユーザID「A1000234」が設定。
要求元332には、見守りサービスAが設定。
利用用途333には、見守りサービスが設定。
データの種類334には、消費電力量が設定。
データの範囲335には、2016/11/28が設定。
要求加工方法336、すなわち取得したい統計値には、1時間毎の平均が設定。
そこで、データ加工部35は、2016/11/28の機器情報201に対して、1時間ごとの平均値を計算し、その計算結果を加工情報304とする。
図15は、本実施の形態に係る利用履歴305の具体例を示す図である。
図14の提供要求303を受信した具体例の場合、利用履歴305は図15のようになる。
提供日時には、2016/11/29、すなわち提供要求を受信した日時が設定される。
提供先には、見守りサービスAが設定される。
利用用途には、見守りサービスが設定される。
データ加工方法には、1時間毎の平均が設定される。
参照回数には、1が設定される。
ステップS401において、情報提供装置30の参照部36は、機器20の所有者であるユーザ60から、機器情報201の利用履歴305の参照要求307を受信する。この時、参照部36は、ユーザ60に対し、本人認証を実施してもよい。参照部36は、利用履歴305の参照要求307を、入力インタフェース930を介して取得してもよい。あるいは、参照部36は、利用履歴305の参照要求307を、通信装置950を介して取得してもよい。
具体的には、参照部36は、出力インタフェース940を介して、利用履歴305をディスプレイに表示することにより、ユーザ60に対して提示する。あるいは、参照部36は、通信装置950を介して、利用履歴305をユーザ60に対して送信してもよい。ユーザ60は、提示された利用履歴305が想定する利用許諾に反していないかをチェックする。
ステップS402aにおいて、参照部36は、ユーザ60によるチェック結果を受け付ける。
ステップS403において、参照部36は、チェック結果に基づいて、利用履歴305が利用許諾に反しているか否かを判定する。利用履歴305が利用許諾に反していない場合、利用履歴305の確認を終了する。利用履歴305が利用許諾に反している場合、処理はステップS404に進む。
具体的には、参照部36は、利用許諾情報301の見直しを推奨する画面をディスプレイに表示することにより、ユーザ60に対して提示する。この利用許諾情報301の見直しを推奨する情報に基づいてユーザ60が利用許諾情報301の見直しをする場合、許諾情報取得部32は、ユーザ60から、新しい利用許諾情報301を取得し、利用許諾情報301を更新する。
また、参照部36は、利用履歴305を提示する際、提供要求303を受信したが利用許諾に反しているため提供されなかった旨の履歴をユーザ60に開示し、許諾を促してもよい。
さらに、個人情報保護に関する法律に沿うため、個人情報の利用に関する監査が実施される場合に、参照部36を用いてもよい。この個人情報の利用に関する監査において指摘があった場合、情報提供装置30の管理者が、加工ルール302を変更してもよい。
図17の例では、HEMS対応の家電を機器20とする。また、情報利用装置40は、見守りサービスを提供する。
(0)情報提供装置30は、利用許諾情報301を設定するためのGUIである許諾設定画面702をWEBページのフォームとして、例えば、家電所有者であるユーザ60の端末装置に表示する。
(1)ユーザ60が、利用許諾情報301を情報提供装置30に登録する。このとき、ユーザ60は、許諾設定画面702を用いて、利用許諾情報301を設定する。
(2)情報提供装置30は、利用許諾情報301から加工ルール302を作成し、保管する。(1)および(2)の処理は、図7の加工ルール記憶処理S20に対応する。
(3)機器情報201が、家電から情報提供装置30に対して送信され、情報提供装置30内に保管される。(3)の処理は、図6の機器情報収集処理S10に対応する。
(4)見守りサービスは情報提供装置30に対して機器情報201の提供要求を行う。
(5)情報提供装置30は、機器情報201を加工し、その利用履歴を記録し、加工情報304を返却する。(4)および(5)の処理は、図13の提供処理S30に対応する。(6)見守りサービスは、取得した加工情報304を活用して、見守りサービスを実現する。
(7)最後に、家電所有者であるユーザ60は、所有する家電が提供した機器情報201の利用履歴305を情報提供装置30に確認する。ユーザ60は、想定した利用許諾と反する利用があったといった問題があれば、利用許諾の見直しを実施する。(7)の処理は、図16の利用履歴参照処理S40に対応する。
以降、情報提供システム500は、(0)から(7)のサイクルを繰り返す。
<変形例1>
本実施の形態では、許諾情報取得部32は、許諾設定画面702をWEBページのフォームとして表示し、データ許諾者701に利用許諾情報301を設定させている。しかし、許諾情報取得部32は、特定のフォーマットの電子ファイルにより、データ許諾者701に利用許諾情報301を設定させてもよい。あるいは、許諾情報取得部32は、電子メールにより、データ許諾者701に利用許諾情報301を設定させてもよい。
また、本実施の形態では、許諾情報取得部32は、機器情報201を用いて、許諾設定画面702に表あるいはグラフを表示し、表示された表あるいはグラフに対するデータ加工を受け付けている。しかし、許諾情報取得部32は、機器情報201ではなくサンプルデータを用いて、許諾設定画面702に表あるいはグラフを表示してもよい。
すなわち、情報提供システム500の各装置は、プロセッサ910に代えて、電子回路を備えていてもよい。
本実施の形態に係る情報提供システム500によれば、GUIである許諾設定画面を用いて、データ許諾者に利用許諾情報を設定させることができる。よって、本実施の形態に係る情報提供システム500によれば、適切な利用許諾情報を容易に得ることができる。
また、データ許諾者は、グラフあるいは表の「見た目」から加工方法を選択することができるので、期待通りの出力を得ることができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同様の機能を有する構成には同一の符号を用いて説明する。
図18を用いて、本実施の形態に係る情報提供装置30aの構成について説明する。
図18において、図1の情報提供装置30と異なる点は、許諾情報取得部32が所有者別設定部504を備える点である。
所有者別設定部504は、許諾対象データに対応するデータ許諾者701を設定し、データ許諾者701に利用許諾情報301を設定させる。所有者別設定部504は、許諾対象データが取得されると、許諾対象データに対応するデータ許諾者701による利用許諾情報301の設定を促す表示を許諾設定画面702に表示するとしてもよい。
図19を用いて、本実施の形態に係る利用許諾情報301の設定方法について説明する。図19のステップS221からステップS228の処理は図7のステップS201の詳細処理である。
ステップS221において、所有者別設定部504は、機器情報201のデータの所有者が複数いるか否かを判定する。情報提供装置30aは、データの種類とデータの所有者とのデータセットをスキーマとして保持している。具体例として、図10に示すようなデータセット704を備えている。図10のデータセット704では、機器IDと機器名は家電所有者が所有するデータであり、エラーコードはメーカが所有するデータであることを表している。機器情報201の所有者が2人以上いる場合、ステップS222に移行する。機器情報201の所有者が1人の場合、ステップS227に移行する。
ステップS223において、所有者別設定部504は、選択されたデータの種類のデータ許諾者701を設定する。例えば、所有者別設定部504は、画面にアクセスしているユーザをデータ許諾者701として設定してもよい。あるいは、所有者別設定部504は、選択されたデータの種類に対応するデータ許諾者701による利用許諾情報301の設定を促す表示を画面に表示し、画面にアクセスしているユーザから、データ許諾者701の設定を受け付けてもよい。あるいは、所有者別設定部504は、データセット704に基づいてデータ許諾者701を設定してもよい。
ステップS225において、所有者別設定部504は、利用許諾情報301あるいは加工ルール302が既に存在するかを判定する。存在しない場合、ステップS226に移行する。存在する場合、ステップS228に移行する。ステップS228において、所有者別設定部504は、既に利用許諾情報301が設定されていることを表すエラーメッセージをデータ許諾者701に表示する。
本実施の形態に係る情報提供装置30aによれば、機器情報に対してデータ許諾者が複数いる場合であっても、データの種類によってデータ許諾者を変えることができ、より適切な利用許諾情報を設定することができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同様の機能を有する構成には同一の符号を用いて説明する。
図20において、NO.1日時と、NO.2機器のシリアル番号と、NO.9外気温と、一般の気象データとを突合することにより、ユーザの居住地域が推定可能となる。また、NO.1日時と、NO.2機器のシリアル番号と、NO.6電源オンオフとを突合することにより、ユーザの基本的な生活パターンが推定可能となる。
このように、データを複数の提供先に提供した場合、データが突合され、情報が漏えいする可能性がある。
図21を用いて、本実施の形態に係る情報提供装置30bの構成について説明する。
図21において、図1の情報提供装置30と異なる点は、記憶部37にデータ提供ルール308を有する点である。また、許諾情報取得部32が、条件受付部505を備える点である。
データ提供ルール308には、機器情報201を提供する提供条件であって、機器情報201のデータの種類の数と機器情報201のデータの種類の組み合わせとの少なくともいずれかを含む提供条件が設定されている。
条件受付部505は、利用許諾情報301の設定を受け付ける前に、データ提供ルール308に設定する提供条件の設定を受け付ける。
提供部330は、加工情報304を提供要求303の要求元に送信した履歴を利用履歴305として生成する。そして、提供部330は、利用履歴305に基づいて、加工情報304を提供する際にデータ提供ルール308に合致するか否かを判定し、データ提供ルール308に合致しないと判定すると、加工情報304を提供せずにエラーメッセージを出力する。
図22を用いて、本実施の形態に係るデータ提供ルール308の設定処理について説明する。データ提供ルール308の設定処理は、図7のステップS201の利用許諾情報301の設定処理において実行される。図22の処理は、図7のステップS201の詳細処理である。
ステップS233において、条件受付部505は、データの種類に応じた利用許諾情報301の設定を受け付ける。実施の形態1で説明した許諾設定画面702により利用許諾情報301の設定を受け付けてもよい。あるいは、その他の方法、具体的には、特定のフォーマットの電子ファイルあるいは電子メールにより利用許諾情報の設定を受け付けてもよい。
ステップS332において、データ加工部35は、過去の利用履歴305に基づいて、今回の提供要求303によりデータを提供した場合に、データ提供ルール308に合致するか否かを判定する。すなわち、データ加工部35は、今回の提供要求303による提供により、提供するデータの種類が提供できるデータの種類の上限を超えるか否かを判定する。データ提供ルール308に合致する場合は、ステップS333に進む。データ提供ルール308に合致しない場合は、データを提供することはできないことを意味しており、図13のステップS305aに進む。
本実施の形態に係る情報提供装置30bによれば、データが突合されることによる情報漏えいを防止することができる。
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態1と同様の機能を有する構成には同一の符号を用いて説明する。
実施の形態1で説明した図17の情報提供システム500の動作例では、家電の所有者であるユーザ60が、家電の情報を外部のデータ活用サービスに提供する場合の構成を説明した。図17の情報提供システム500の動作例では、機器情報201のデータ許諾者701がユーザ60であり、ユーザ60が加工情報304を外部のデータ活用サービスに提供する。
本実施の形態では、情報提供システム500が、業務用機器およびシステムのログの開示制御を行う場合について説明する。本実施の形態では、データ収集対象の機器20が業務用機器であり、業務用機器のデータ許諾者701がデータ管理者70である。本実施の形態では、加工情報304を業務用機器の保守担当者といった社内関係者に提供する動作例について説明する。
業務用機器の機器情報201は、業務用機器の利用者あるいは利用場所に関する機密情報を含むことがある。よって、データ管理者70は、業務用機器を管理する会社内であっても保守サービスといった特定の部署以外には開示したくない場合がある。
なお、本実施の形態に係る情報提供システム500の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
(0)情報提供装置30は、利用許諾情報301を設定するためのGUIである許諾設定画面702をWEBページのフォームとして、例えば、機器20の管理者であるデータ管理者70の端末装置に表示する。
(1)データ管理者70が、利用許諾情報301を情報提供装置30に登録する。このとき、データ管理者70は、許諾設定画面702を用いて、利用許諾情報301を設定する。
(2)情報提供装置30は、利用許諾情報301から加工ルール302を作成し、保管する。(1)および(2)の処理は、図7の加工ルール記憶処理S20に対応する。
(3)業務用機器から情報提供装置30に対して機器情報201として業務用機器の稼働データがログ情報として送信され、情報提供装置30内に保管される。(3)の処理は、図6の機器情報収集処理S10に対応する。
(4)保守サービスは情報提供装置30に対してログ情報の提供要求を行う。
(5)情報提供装置30は、ログ情報を加工し、その利用履歴を記録し、ログ情報の加工情報304を返却する。(4)および(5)の処理は、図10の提供処理S30に対応する。
(6)保守サービスは、ログ情報の加工情報304を活用して、業務用機器の異常を検知することで保守作業を実施する。
(7)最後に、データ管理者70は、ログ情報の利用履歴305を情報提供装置30に確認する。データ管理者70は、想定した利用許諾と反する利用があったといった問題があれば、利用許諾の見直しを実施する。(7)の処理は、図13の利用履歴参照処理S40に対応する。
以降、情報提供システム500は、(1)から(7)のサイクルを繰り返す。
また、情報提供システムの各装置は、1つの装置でなく、複数の装置から構成されたシステムでもよい。
なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物および用途の範囲を制限することを意図するものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
Claims (12)
- 機器から送信される機器情報の提供を要求する提供要求を取得し、前記機器情報に対して許諾する加工方法である利用許諾情報に基づいて前記機器情報を加工し、加工した前記機器情報を加工情報として前記提供要求の要求元に送信する提供部と
を備えた情報提供装置において、
前記提供部は、
前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴を利用履歴として生成し、前記利用履歴に基づいて、前記加工情報が、前記機器情報を提供する提供条件であって前記機器情報のデータの種類の数と前記機器情報のデータの種類の組み合わせとの少なくともいずれかを含む提供条件が設定されたデータ提供ルールに合致するか否かを判定し、前記データ提供ルールに合致しないと判定されると、前記加工情報を提供せずにエラーメッセージを出力する情報提供装置。 - 前記情報提供装置は、
前記提供条件の設定を受け付ける条件受付部を備えた請求項1に記載の情報提供装置。 - 前記機器情報に対して許諾する加工方法を前記利用許諾情報として設定させる許諾設定画面を表示する設定画面表示部と、
前記許諾設定画面を介して前記機器情報における許諾の対象を許諾対象データとして取得し、前記許諾対象データを可視化した可視化情報を生成し、前記可視化情報を前記許諾設定画面に表示する可視化部と、
前記許諾設定画面を介して前記可視化情報に対するデータ加工を受け付け、前記可視化情報に対するデータ加工に基づいて特定された加工方法を前記利用許諾情報として取得する方法取得部と
を備えた請求項1または請求項2に記載の情報提供装置。 - 前記許諾設定画面は、GUI(Graphical User Interface)を備え、
前記可視化部は、前記許諾設定画面におけるGUIを用いて、前記許諾対象データを取得し、
前記方法取得部は、前記許諾設定画面におけるGUIを用いて、前記可視化情報に対するデータ加工を受け付ける請求項3に記載の情報提供装置。 - 前記可視化部は、
前記許諾設定画面を介して前記機器情報におけるデータの種類およびデータの範囲を前記許諾対象データとして取得し、前記許諾対象データをグラフあるいは表により可視化する請求項3に記載の情報提供装置。 - 前記方法取得部は、
前記データ加工として、データの塗りつぶし、データの置き換え、データの単位の変更、データの単位の丸め処理、および、データの攪乱処理のうち少なくとも1つを受け付ける請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記機器情報は、複数の所有者の各々により所有される複数のデータの種類を有し、
前記情報提供装置は、さらに、
前記許諾対象データに対応するデータ許諾者を設定し、前記データ許諾者に前記利用許諾情報を設定させる所有者別設定部を備えた請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記所有者別設定部は、
前記許諾対象データが取得されると、前記許諾対象データに対応する前記データ許諾者による前記利用許諾情報の設定を促す表示を前記許諾設定画面に表示する請求項7に記載の情報提供装置。 - 前記提供部は、
前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴であって、前記提供要求の利用目的である利用用途と前記加工方法とが対応付けられた履歴を利用履歴として生成する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 前記提供部は、前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴を利用履歴として生成し、
前記情報提供装置は、
前記利用履歴に基づいて、前記利用許諾情報の見直しをさせる機能を有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報提供装置。 - 提供部が、機器から送信される機器情報の提供を要求する提供要求を取得し、前記機器情報に対して許諾する加工方法である利用許諾情報に基づいて前記機器情報を加工し、加工した前記機器情報を加工情報として前記提供要求の要求元に送信し、前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴を利用履歴として生成し、前記利用履歴に基づいて、前記加工情報が、前記機器情報を提供する提供条件であって前記機器情報のデータの種類の数と前記機器情報のデータの種類の組み合わせとの少なくともいずれかを含む提供条件が設定されたデータ提供ルールに合致するか否かを判定し、前記データ提供ルールに合致しないと判定されると、前記加工情報を提供せずにエラーメッセージを出力する情報提供方法。
- 機器から送信される機器情報の提供を要求する提供要求を取得し、前記機器情報に対して許諾する加工方法である利用許諾情報に基づいて前記機器情報を加工し、加工した前記機器情報を加工情報として前記提供要求の要求元に送信する提供処理と、
前記加工情報を前記提供要求の要求元に送信した履歴を利用履歴として生成し、前記利用履歴に基づいて、前記加工情報が、前記機器情報を提供する提供条件であって前記機器情報のデータの種類の数と前記機器情報のデータの種類の組み合わせとの少なくともいずれかを含む提供条件が設定されたデータ提供ルールに合致するか否かを判定し、前記データ提供ルールに合致しないと判定されると、前記加工情報を提供せずにエラーメッセージを出力する処理と
をコンピュータに実行させる情報提供プログラム。
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