以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
図4において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、吸込風路体(風路形成体)である管部12と、この管部12が着脱可能に接続される掃除機本体13とを有している。
管部12は、掃除機本体13に接続される接続管部15と、この接続管部15の先端側に連通する可撓性を有するホース体16と、このホース体16の先端側に設けられた手元操作部17と、この手元操作部17の先端側に着脱可能に接続される延長管18と、この延長管18の先端側などに着脱可能に接続される吸込口体としての床ブラシ19とを備えている。
手元操作部17には、把持部21がホース体16側へと突設され、この把持部21の上部には、操作用の設定ボタン22が複数設けられている。
また、掃除機本体13は、大径の走行輪23を両側に有し図示しない旋回輪を下部に有する本体ケース25を備え、この本体ケース25の上部には、集塵部としての集塵装置26が着脱可能となっている。そして、掃除機本体13は、走行輪23および旋回輪によって被掃除面である床面上を走行(移動)可能に構成されている。なお、以下、掃除機本体13の走行方向を前後方向とし、この前後方向に直交する水平方向を左右方向とする。
本体ケース25は、例えば合成樹脂などにより形成されており、本体部31と、この本体部31の前部下側に突設された突出受部32とを一体的に有している。そして、本体ケース25の内部には、これら本体部31と突出受部32とに亘って、図示しないL字状の風路部が配置されている。
本体部31には、電源部と、電動送風機35と、この電動送風機35の制御用の本体制御部とが収容されている。また、この本体部31の両側部には、走行輪23が位置している。そして、本体部31の前部には、図示しないが、電動送風機35の吸込側と連通する吸気開口部と、風路部の下流側と連通する連通開口部とが上下に開口されている。
電源部は、本実施形態では例えば電源コード37を巻回したコードリール装置とするが、例えば(二次)電池などでもよい。
電動送風機35は、設定ボタン22の操作に応じて、本体制御部により動作が制御されるもので、例えば上下方向に沿って軸方向を有するように配置され、上側が吸込側、下側が排気側となっている。
突出受部32は、集塵装置26の前側の下部を支持する部分であり、平面視で有底円筒状に形成され、本体部31の前側下部から前方に向けて上方へと傾斜して突出している。さらに、この突出受部32の前面には、風路部の上流と連通し管部12の接続管部15が接続される本体吸込口39が形成されている。
風路部は、本体ケース25に対して装着された集塵装置26の上流側に連通することでこの集塵装置26を介して電動送風機35の吸込側と連通する部分であり、上流側である前端側が本体吸込口となっており、下流側である上端側が連通開口部となっている。
集塵装置26は、図1ないし図4に示すように、電動送風機35の駆動により吸い込まれた空気から塵埃を分離して溜める塵埃分離装置であり、集塵部本体としてのカップ部41と、このカップ部41の内部に収容された分離本体部としての内筒部42と、カップ部41に着脱可能に取り付けられるフィルタ部43と、カップ部41に対して着脱可能でフィルタ部43を覆うカバー部44とを備えている。なお、以下、集塵装置26において、上下方向とは、集塵装置26の軸方向における一端側と他端側(図1中の一点鎖線Lの一端側である上側と他端側である下側)とをいうものとする。すなわち、集塵装置26における上下方向は、集塵装置26単体の状態での上下方向を基準とするものとし、本体ケース25に対して装着した状態での集塵装置26の上下方向とは必ずしも一致しない場合もある。
カップ部41は、例えば透光性を有する合成樹脂などにより円筒状に形成された本体としてのカップ部本体46と、このカップ部本体46の下端部を開閉可能な円形状の蓋体としての底蓋47とを備えた有底円筒状となっており、電動送風機35の駆動により含塵空気が内部に吸い込まれて流入するようになっている。
カップ部本体46は、本体ケース25の本体部31に対向する後部に、吸込口51が開口されている。また、このカップ部本体46の上部には、フィルタ部43を受けるフィルタ受部52が一体に設けられている。さらに、このカップ部本体46の下端部は、底蓋47により開閉されるカップ部41内の塵埃を廃棄するための廃棄開口部53となっている。そして、このカップ部本体46の下端部の前部には、底蓋47を係止するための蓋体係止部としての底蓋係止部54が取り付けられている。
吸込口51は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で連通開口部と連通することで、風路部および本体吸込口39と連通するものであり、カップ部本体46内の接線方向に沿って含塵空気を導くように形成されている。
フィルタ受部52は、カップ部本体46の上端部に対して上方へと拡径状に傾斜した拡径部56と、この拡径部56の上端部に連続する円筒状の外壁部57と、中心軸に向かってフランジ状に突出するフランジ部58とを備えている。このフランジ部58は、フィルタ部43の外周側を下方から支持するもので、外縁部から中心軸側に向けて下方へと、例えばカップ部41(集塵装置26)の中心軸と直交する方向に対して45°未満に傾斜しているとともに、略中央部に、円形状の嵌合開口部59が開口されている。さらに、このフランジ部58の下部には、フィルタ部43の上端部を保持する保持部60が、嵌合開口部59の縁部の位置に突設されている。
底蓋係止部54は、一側に突出するボタン部54aと、底蓋47を係止する図示しない係止爪部とを備え、ボタン部54aの操作によって、係止爪部による底蓋47の係止を解除可能となっている。
底蓋47は、カップ部本体46の下端側に回動可能に軸支されており、底蓋係止部54により係止された状態で廃棄開口部53を気密に閉塞するようになっている。
内筒部42は、略円筒状となっており、カップ部41(カップ部本体46)と同軸状に配置される。この内筒部42は、円筒状のフィルタ筒部63と、このフィルタ筒部63の下端部に連続する下部隔壁64と、この下部隔壁64の下端部に連続する塵埃収容部65と、この塵埃収容部65の周囲に位置するシェード部66とを一体的に備えている。
フィルタ筒部63は、円筒状に形成された筒部本体71と、この筒部本体71に周方向に複数開口された通気開口72と、これら通気開口72を覆って配置されたメッシュ状の一次フィルタ73とを一体的に備えている。そして、このフィルタ筒部63の外周側とカップ部41(カップ部本体46)との間には、吸込口51からカップ部41内に流入した含塵空気を旋回させて比較的大きい塵埃である粗塵を遠心分離する遠心分離部を構成する旋回風路74が形成される。
筒部本体71は、上端部の外周側に、保持部60に例えばねじ止め、あるいはねじ込みなどによって固定される被固定部76が突設されている。また、この筒部本体71は、上端部の内周側に、中心軸側へと突出する突出部77が設けられており、この突出部77の略中央部に、円形状の上部連通孔78が開口されている。そして、この突出部77は、被固定部76が保持部60に固定されることによりフランジ部58の下端部の嵌合開口部59に嵌合されて、フランジ部58とともに上部隔壁79を構成する。
また、この突出部77は、上部がフランジ部58に対して面一に連続して傾斜する上部傾斜部81となっており、下部が上部傾斜部81に対して交差する方向に傾斜する下部傾斜部82となっている。
上部傾斜部81は、フィルタ部43の中央側を下方から支持するもので、フランジ部58と連続する外縁部から中心軸側に向けて下方へと、例えばカップ部41(集塵装置26)の中心軸と直交する方向に対して45°未満に傾斜している。
下部傾斜部82は、一次フィルタ73を通過した空気が上部連通孔78へと整流される部分であり、外縁部から中心軸側に向けて上方へと、例えばカップ部41(集塵装置26)の中心軸と直交する方向に対して45°未満に傾斜している。
上部連通孔78は、一次フィルタ73の下流側と連通してフィルタ部43へと空気を導くもので、本実施形態では、カップ部41(集塵装置26)の中心軸に対して同軸状に形成されている。
上部隔壁79は、一次フィルタ73の上方で、かつ、フィルタ部43の下方に位置している。
各通気開口72は、筒部本体71の外周面を径方向に貫通して設けられ、例えば筒部本体71の周方向に互いに略等角度(略等間隔)で離間されている。
一次フィルタ73は、例えば円筒状に形成して複数の通気開口72全体を覆ってもよいし、各通気開口72それぞれを覆っていてもよいが、全体として筒部本体71の外周面または内周面に沿って円筒状に配置されている。そして、この一次フィルタ73は、旋回風路74を旋回した含塵空気が通気開口72を通過する際、すなわちこの一次フィルタ73の外周側から内周側へと通過する際に、塵埃の一部を濾過捕集するものである。
下部隔壁64は、上端部に位置する第1傾斜部85と、この第1傾斜部85の下端部に連続する第2傾斜部86とを一体に備え、全体として上端側から下端側へと縮径する略円筒状となっている。そして、この下部隔壁64の第2傾斜部86の下端部には、塵埃収容部65と連通する下部連通孔87が開口されている。
第1傾斜部85は、フィルタ筒部63(筒部本体71)の下端部と連続する上端部が、このフィルタ筒部63(筒部本体71)と略等しい径寸法に形成され、この上端部から下端部へと徐々に縮径されている。そして、この第1傾斜部85の上面は、一次フィルタ73に近接した第1傾斜面85aとなっている。
第2傾斜部86は、第1傾斜部85の下端部と連続する上端部から下端部へと徐々に縮径されている。そして、この第2傾斜部86の上面は、一次フィルタ73に対して離間された傾斜面である第2傾斜面86aとなっている。この第2傾斜面86aは、例えばカップ部41(集塵装置26)の中心軸と直交する方向に対して第1傾斜面85aよりも大きく傾斜しており、例えば45°以上の傾斜に設定されている。
下部連通孔87は、塵埃収容部65の上端部に位置し、細塵Dを塵埃収容部65へと落下させる部分であり、円形状に形成されている。すなわち、この下部連通孔87は、一次フィルタ73の下方に位置し、この一次フィルタ73の下流側に連通している。換言すれば、この下部連通孔87は、一次フィルタ73の下流側と塵埃収容部65とを連通している。そして、この下部連通孔87は、本実施形態では上部連通孔78と同軸状に配置されている。
ここで、この下部連通孔87と、上部連通孔78と、下部隔壁64の第2傾斜面86aの上端部(一次フィルタ73)とのそれぞれの位置での直径の大小関係は、上部連通孔78の直径Aが第2傾斜面86aの上端部の位置(一次フィルタ73)の直径Bより小さく、かつ、第2傾斜面86aの下端部の位置である下部連通孔87の直径Cより大きく設定されている(C<A<B)。したがって、上部連通孔78の下方(鉛直下方)へと投影した領域は、第2傾斜面86aの上端側、本実施形態では第2傾斜面86aの上端部に囲まれる領域よりも内方、すなわち集塵装置26(カップ部41)の中心軸側に位置している。換言すれば、第2傾斜面86aの上端部の位置を含み集塵装置26(カップ部41)の軸方向に直交する平面P1と上部連通孔78の内縁部を鉛直下方に延ばした円筒とが交差する仮想円は、この平面P1において第2傾斜面86aの上端部により囲まれる仮想円の内方に同心状に位置している。このため、上部連通孔78から落下した細塵Dが、第1傾斜面85aには殆ど落下せず、第2傾斜面86aまたは下部連通孔87内に略全て落下するようになっている。
塵埃収容部65は、フィルタ部43で捕集した比較的小さい塵埃である細塵Dを溜める部分であり、底蓋47によって廃棄開口部53を開いた状態で下端部が廃棄開口部53と連通するとともに、底蓋47によって廃棄開口部53を閉塞した状態で下端部が気密に閉塞されるようになっている。また、この塵埃収容部65は、下部連通孔87の直径Cよりも上下寸法が大きい、すなわち縦長の形状となっている。さらに、この塵埃収容部65は、一次フィルタ73の下流側で、かつ、この一次フィルタ73よりも下方に、一次フィルタ73を下方に投影した円領域に対して中心側(内方)に位置している。
シェード部66は、旋回風路74にて遠心分離されてカップ部41内に溜められた粗塵を圧縮するもので、下方に向けて開口した略有蓋円筒状に形成されている。このシェード部66は、フィルタ筒部63よりも大きい径寸法を有している。そして、このシェード部66の上部には、通気開口部91が周方向に複数開口され、これら通気開口部91を覆ってネット状(メッシュ状)の通気フィルタである圧縮フィルタ92が配置されている。
フィルタ部43は、略円環状の保持枠部95と、この保持枠部95に保持されたプリーツフィルタである二次フィルタ96と、保持枠部95に取り付けられた除塵機構97とを備えている。したがって、二次フィルタ96と一次フィルタ73との間に上部隔壁79が介在されている。
保持枠部95は、二次フィルタ96の周囲を囲む円環状の保持枠部本体95aと、この保持枠部本体95aに対して複数立ち上げられ二次フィルタ96の稜線をそれぞれ保持するリブ状の稜線保持部95bと、これら稜線保持部95bの上部に突設された突起部95cと、保持枠部本体95aと同軸状に位置する円筒状の中心軸部95dとを一体的に有している。
各稜線保持部95bは、保持枠部本体95aに対して、所定の直径方向にそれぞれ平行となるように互いに離間されて設けられている。
突起部95cは、全体として保持枠部95の中心軸(中心軸部95d)を中心とする略同一の円周上に配置されている。
二次フィルタ96は、例えば四フッ化エチレン樹脂(polytetrafluoroethylene、PTFE)などの部材によりシート状に形成された表面集塵フィルタであり、一次フィルタ73で捕集しなかった(捕集できなかった)塵埃よりも小さい細塵Dを捕集可能となっている。この二次フィルタ96は、上下に交互に突出する突出部96aを備えるように山折りおよび谷折りが交互に繰り返されて形成され、突出部96aの上側の稜線が稜線保持部95bによってそれぞれ保持されている。
除塵機構97は、二次フィルタ96から細塵Dを除去する塵落とし部101と、この塵落とし部101によって落とされた細塵Dを上部連通孔78へと導いてこの上部連通孔78から落下させる掃出部102とを備えている。
塵落とし部101は、二次フィルタ96の上部に取り付けられており、保持枠部95の中心軸部95dに対して一方向およびこの一方向と反対方向である他方向にそれぞれ回動(回転)可能に、すなわち反転回動可能に軸支されている。この塵落とし部101は、二次フィルタ96の径方向に沿って放射状に延びる例えば一対の塵落とし体101aを備えており、回転によりこれら塵落とし体101aがフィルタ部43の各稜線保持部95bの突起部95cを順次弾くことで、二次フィルタ96に振動を付与してこの二次フィルタ96に捕集された細塵Dを除去するように構成されている。
掃出部102は、二次フィルタ96の下部に取り付けられており、保持枠部95の中心軸部95dに対して塵落とし部101と一体的に一方向およびこの一方向と反対方向である他方向にそれぞれ回動(回転)可能に、すなわち反転回動可能に軸支されている。すなわち、この掃出部102は、塵落とし部101と連動して回動するようになっている。この掃出部102は、二次フィルタ96の径方向に沿って放射状に延びる例えば一対の腕部102aを備えており、これら腕部102aの下部に、弾性を有する部材により形成されたスクレーパであるブレード102bがそれぞれ突出して取り付けられている。そして、この掃出部102は、回転により各ブレード102bが上部隔壁79上を摺接しながら回転することで、塵落とし部101によって二次フィルタ96から除去されて上部隔壁79上に落下した細塵Dを上部連通孔78から塵埃収容部65へと掃き出すように構成されている。
カバー部44は、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で掃除機本体13の最上部となる上部に、反転回動可能な回転式摘みである円盤状の被操作部である操作つまみ104が外部に露出して取り付けられている。さらに、このカバー部44の後部には、集塵装置26の排気口となる排気開口部105が形成されている。そして、このカバー部44の後部上側には、集塵装置26を本体ケース25に対して係止固定およびこの係止固定を解除可能な着脱操作部としての取り外しレバー106が可動的に配置されている。
操作つまみ104は、使用者が外周部を掴んで回動操作することで塵落とし部101および掃出部102を一体的に回動させるものであり、フィルタ部43を覆ってカバー部44を取り付けた状態で、塵落とし部101と連結され、この塵落とし部101および掃出部102を一体的に回動させるように構成されている。
取り外しレバー106は、例えば上下方向に回動可能に取り付けられており、下端部が排気開口部105の上側の縁部を区画している。さらに、この取り外しレバー106には、集塵装置26を本体ケース25に装着した状態で本体ケース25の各ガイド部の係止凹部に挿入係止される図示しない係止突出部がそれぞれ突設されている。そして、この取り外しレバー106は、例えばコイルばね、あるいはトーションばねなどの図示しない付勢体によって下方へと回動する方向に向けて付勢されており、各係止突出部が各係止凹部に挿入係止された状態を維持するように構成されている。
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
掃除をする際には、まず、集塵装置26を本体ケース25に装着するとともに、本体吸込口39に接続管部15(管部12)を接続する。予め集塵装置26が本体ケース25に装着されている場合、あるいは本体吸込口39に接続管部15(管部12)が接続されている場合には、これらの作業は不要である。
集塵装置26を本体ケース25に装着すると、係止突出部が係止凹部に挿入係止されて集塵装置26が本体ケース25に固定され、排気開口部105と吸気開口部とが気密に接続されるとともに、吸込口51と連通開口部とが気密に接続される。すなわち、集塵装置26の上流側が風路部に、集塵装置26の下流側が電動送風機35の吸込側に、それぞれ気密に接続される。
また、本体吸込口39に接続管部15を接続すると、管部12の各部、すなわちホース体16、延長管18および床ブラシ19のそれぞれが、集塵装置26を介して電動送風機35の吸込側と連通する。
そして、電源コード37を図示しない壁面などのコンセントに接続するなど、電源部から給電可能な状態とした後、把持部21を把持し、所望の設定ボタン22を操作すると、この操作により設定された動作モードで本体制御部が電動送風機35を駆動させる。この電動送風機35の駆動により生じた負圧は、集塵装置26を介して、管部12のホース体16、延長管18および床ブラシ19と順次作用し、この床ブラシ19から空気とともに塵埃を吸い込むことが可能になる。すなわち、電動送風機35の駆動により、管部12から集塵装置26を介して電動送風機35の吸込側へと空気の流れが形成される。
使用者は、床ブラシ19を床面上に載置し、掃除する箇所で前後に走行させて床面上の塵埃を吸い込む。なお、掃除する箇所を床面上で移動する場合には、ホース体16を引っ張ることで掃除機本体13を床面上で移動させる。
床ブラシ19から吸い込まれた含塵空気は、延長管18、ホース体16、本体吸込口39、風路部および連通開口部を介して吸込口51から、すなわち管部12側から集塵装置26内(カップ部41内)へと吸い込まれ、カップ部本体46内の旋回風路74で旋回される。この結果、比較的大きい綿ごみなどの塵埃すなわち粗塵が空気から遠心分離され、この粗塵がカップ部本体46の内側面に沿って自重落下する。そして、この落下した粗塵は、気流によってシェード部66内へと運ばれ、圧縮フィルタ92を空気が通過することによって圧縮フィルタ92に押し付けられて圧縮される。圧縮フィルタ92を通過した空気は、シェード部66の外周側を通過してシェード部66内へと循環するように繰り返し流れ込むことで、粗塵がシェード部66内で効果的に圧縮される。
粗塵が除去された空気は、一次フィルタ73を外周側から内周側へと、上方に向けて傾斜状に通過した後、下部傾斜部82によって整流されつつ上部連通孔78を通過した後、二次フィルタ96を通過することで、微細な塵埃すなわち細塵Dが二次フィルタ96に捕集される。
この後、二次フィルタ96を下流側へと通過した空気は、排気開口部105および吸気開口部を介して電動送風機35へと吸い込まれる。そして、この電動送風機35を冷却した後、排気風となって電動送風機35から排気され、本体ケース25に設けられた図示しない排気孔から掃除機本体13(本体ケース25)の外部へと排気される。
掃除が終了すると、使用者が設定ボタン22を操作することにより、本体制御部が電動送風機35を停止させる。
集塵装置26に一定量以上の塵埃が溜まった場合には、本体ケース25から集塵装置26を取り外してこの塵埃を廃棄する。この廃棄の際には、まず、使用者は、取り外しレバー106を上方へと回動させることにより、各係止突出部と各ガイド部の係止凹部との係合を解除した後、集塵装置26を上方に持ち上げて本体ケース25から取り外す。本体ケース25から取り外した集塵装置26は、図1に示すように、自重によって軸方向が鉛直上下方向に沿う状態となる。この後、使用者は必要に応じて操作つまみ104を掴み、左右方向(時計回り方向および反時計回り方向)に交互に反転させるように回動させると、この操作つまみ104と連結されている塵落とし部101が掃出部102とともに一体的に反転回動する。
塵落とし部101は、回転により各塵落とし体101aがフィルタ部43の突起部95cに当接するとともに、この当接した突起部95cを順次側方へと弾くことで、二次フィルタ96に振動を付与し、この二次フィルタ96に捕集された細塵Dがこの二次フィルタ96から落下除去される。この二次フィルタ96から落下除去された細塵Dの一部は、塵埃収容部65に直接落下して溜められる。また、二次フィルタ96から落下除去された細塵Dの残りの他部は、上部隔壁79上に溜まる。
この上部隔壁79上に溜まった細塵Dは、塵落とし部101とともに回転する掃出部102の各ブレード102b,102bが上部隔壁79に対して可撓変形しつつ摺接することにより、上部隔壁79上から上部連通孔78へと導かれ、この上部連通孔78から掃き出されて落下する。このとき、上部連通孔78を下方へと投影した領域が第2傾斜面86aの上端部に囲まれる領域よりも内方に位置しているため、上部連通孔78から落下した細塵Dは、直接下部連通孔87から塵埃収容部65へと落下されて溜められ、または、第2傾斜面86a上に落下して自重によりこの第2傾斜面86aの傾斜に沿って下方へと導かれて下部連通孔87から塵埃収容部65へと落下されて溜められる。すなわち、細塵Dが一次フィルタ73の近傍の位置(例えば第1傾斜部85の第1傾斜面85a上など)で下部隔壁64上に溜まることがない。
次いで、塵埃を廃棄するごみ箱などの上に集塵装置26を運び、底蓋係止部54のボタン部54aを押し込むことで、係止爪部による底蓋47の係止が解除され、底蓋47が自重によって下方へと回動して廃棄開口部53が開く。この結果、底蓋47上に溜まった粗塵、シェード部66に保持された粗塵、および、塵埃収容部65に溜まった細塵Dが自重により廃棄開口部53から下方へと落下して廃棄される。
捕集した塵埃を廃棄した集塵装置26は、再度本体ケース25に装着して使用できる。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、上部連通孔78を下方へと投影した領域が、第2傾斜面86aの上端部に囲まれる領域よりも内方に位置することで、上部連通孔78から落下された細塵Dを塵埃収容部65に確実に溜めて二次フィルタ96への再付着を抑制できる
なお、上記第1の実施形態において、集塵装置26は、例えば本体ケース25に対して軸方向が鉛直上下方向に対して傾斜するように取り付けられ、この状態のまま操作つまみ104を操作して除塵機構97により二次フィルタ96から細塵Dを除去することも想定される。この場合には、図5に示す第2の実施形態のように、集塵装置26を本体ケース25に取り付けた状態での鉛直上下方向において、上記第1の実施形態と同様に、上部連通孔78を鉛直下方へと投影した領域が第2傾斜面86aの上端側に囲まれる領域よりも内方に位置するようにする。換言すれば、第2傾斜面86aの上端部、すなわち第1傾斜面85aと連続する部分のうち、最も下側の位置を含み集塵装置26(カップ部41)の軸方向に直交する平面P2と上部連通孔78の内縁部を鉛直下方に延ばした円筒とが交差する仮想円が、この平面P2において第2傾斜面86aにより囲まれる仮想円の内方に同心状に位置するようにする。この結果、この集塵装置26を本体ケース25に装着したままの状態で操作つまみ104を操作して除塵機構97により二次フィルタ96に捕集されて付着した細塵Dをこの二次フィルタ96から除去して上部連通孔78から落下させた場合に、この細塵Dが、第1傾斜面85aには殆ど落下せず、第2傾斜面86aまたは下部連通孔87内に略全て落下するようになるので、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記第1の実施形態において、図6に示す第3の実施形態のように、下部隔壁64を、徐々に傾斜が大きくなるように連続的に湾曲させてもよい。この場合には、集塵装置26(カップ部41)の軸方向に対して所定以上の傾斜となる位置よりも上方の部分を第1傾斜面85a、下方の部分を第2傾斜面86aとして、上記第1の実施形態と同様に直径A〜Cを設定することで、同様の作用効果を奏することができる。
さらに、この第3の実施形態を、上記第2の実施形態に適用してもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、上部連通孔78を下方へと投影した領域を第2傾斜面86aの上端側(上端部)に囲まれる領域よりも内方に位置させることで、除塵機構97によって二次フィルタ96から除去され上部連通孔78へと導かれて落下された細塵Dが下部連通孔87へと下方に傾斜する第2傾斜面86a上、または下部連通孔87から塵埃収容部65へと直接落下するので、この細塵Dを塵埃収容部65に確実に溜めることができるとともに、第2傾斜面86a上に細塵Dが仮に多少残留したとしても、この第2傾斜面86aは一次フィルタ73の下流側(内周部)から離間されているため、一次フィルタ73を二次フィルタ96側へと上方に向けて通過する空気によって二次フィルタ96へと持ち上げられにくく、二次フィルタ96への再付着を抑制できる。
また、上部連通孔78の直径Aを必要以上に小さく設定せずに済むので、電動送風機35により吸い込まれた空気が必要以上に上部連通孔78で絞られず、吸込効率の低下を抑制できる。
さらに、集塵装置26(カップ部41)の中心軸に向けて下方へと傾斜した第1傾斜面85aの下部に第2傾斜面86aを設けることで、第2傾斜面86aを一次フィルタ73の下流側に対して中心軸側(内方)へとより確実に離間させることができ、第2傾斜面86a上に細塵Dが仮に多少残留したとしても、一次フィルタ73を通過する空気によって細塵Dが二次フィルタ96へと持ち上げられにくくできるとともに、第1傾斜面85aの上端側の位置から直接第2傾斜面を傾斜させる場合と比較して第2傾斜面86aの傾斜をより大きく取ることができるので、上部連通孔78から第2傾斜面86a上に落下された細塵Dを、第2傾斜面86aに付着させたままとしにくく、塵埃収容部65へと、より確実に導いて溜めることができる。
また、上記第1の実施形態において、図7に示す第4の実施形態のように、上部連通孔78を下方へ投影した領域を下部連通孔87に囲まれる領域よりも内方に位置させる、すなわち、上部連通孔78と下部連通孔87とを同軸状に配置し、かつ、上部連通孔78の直径Aを下部連通孔87の直径Cよりも小さくしてもよい(A<C<B)。この場合には、上部連通孔78から落下された細塵Dの略全てが下部隔壁64上に落下することなく下部連通孔87を介して塵埃収容部65へと直接落下する。したがって、上部連通孔78から落下された細塵Dを塵埃収容部65により確実に溜めることができるとともに、一次フィルタ73の下流側の近傍(下部隔壁64上)に細塵Dが残留しにくく、一次フィルタ73を二次フィルタ96側へと上方に向けて通過する空気によって細塵Dが持ち上げられることを抑制でき、この細塵Dの二次フィルタ96への再付着をより確実に抑制できる。しかも、この第3の実施形態の場合には、細塵Dを下部連通孔87(塵埃収容部65)に導くための下方へ傾斜した傾斜面を下部隔壁64に設ける必要がなく、構成をより簡略化できるとともに、塵埃収容部65を上下により長くとることができ、内部の細塵Dの舞い上がりをより確実に抑制でき、かつ、より多くの細塵Dを塵埃収容部65に溜めることができる。
そして、この第4の実施形態の、上部連通孔78を下方へ投影した領域を下部連通孔87に囲まれる領域よりも内方に位置させる関係を、上記第2の実施形態に適用してもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、上部連通孔78から落下された細塵Dを塵埃収容部65に確実に溜めて二次フィルタ96への再付着を抑制できる。
特に、塵埃収容部65に細塵Dを落下させる下部連通孔87は、塵埃収容部65内から上方への細塵Dの舞い上がりや吸い上げを抑制するために直径Cを小さくする方が好ましい一方で、直径Cが小さくなるほど上部連通孔78から落下した細塵Dを塵埃収容部65へと落下させにくくなり、一次フィルタ73の下流側の近傍に細塵Dが溜まり易くなって、一次フィルタ73を二次フィルタ96側である上方に向けて通過する空気の流れにより二次フィルタ96への再付着が懸念される。そこで、上記各実施形態のように、上部連通孔78を下方へと投影した領域を第2傾斜面86aの上端側に囲まれる領域よりも内方とする、または、上部連通孔78を下方へ投影した領域を下部連通孔87に囲まれる領域よりも内方とすることで、塵埃収容部65からの細塵Dの舞い上がりや空気の流れによる持ち上げを抑制しつつ、確実に溜めることができる。
そして、二次フィルタ96に細塵Dが再付着しにくくなるので、二次フィルタ96の目詰まりを効果的に抑制できて長期に亘って性能を維持でき、吸込効率の低下による性能低下を確実にカバーできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。