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JP6702754B2 - ドルゾラミドを含有する防腐剤 - Google Patents

ドルゾラミドを含有する防腐剤 Download PDF

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JP6702754B2 JP2016030716A JP2016030716A JP6702754B2 JP 6702754 B2 JP6702754 B2 JP 6702754B2 JP 2016030716 A JP2016030716 A JP 2016030716A JP 2016030716 A JP2016030716 A JP 2016030716A JP 6702754 B2 JP6702754 B2 JP 6702754B2
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Description

本発明は、ドルゾラミド又はその塩に関する。
炭酸脱水酵素阻害剤であるドルゾラミドは、眼圧下降作用を示すことから緑内障又は高眼圧症の治療に有用であり、ドルゾラミドを含有する製剤がトルソプト(登録商標)点眼液として販売されている。また、ドルゾラミドとチモロールの両方を含有する組成物は高眼圧の処置に有用であることが特許文献1に記載されており、ドルゾラミドとチモロールを含有する製剤がコソプト(登録商標)配合点眼液として販売されている。
さらに、点眼液は、繰り返しの使用に伴う菌類等の繁殖を防止するため、一定以上の防腐効力が必要であり、上述のトルソプト(登録商標)点眼液及びトルソプト(登録商標)配合点眼液には防腐剤としてベンザルコニウム塩化物が配合されている。一方で、ベンザルコニウム塩化物の患者への影響を考慮して、ベンザルコニウム塩化物を含まないコソプト(登録商標)配合点眼液も販売されている。当該点眼液は防腐剤を含まないことから、一回使い切りのユニットドーズ容器又はPFMD(Preservative Free Multi Dose)容器が用いられている。つまり、ドルゾラミドを含有する点眼液は、繰り返し使用するためには、ベンザルコニウム塩化物を含有するか容器の構造によって防腐効果を担保する必要があると認識されており、ドルゾラミド又はその塩自体に防腐効果があることは知られていない。
ドルゾラミドを含有し、ベンザルコニウム塩化物を含まずに防腐効果を発揮する組成物が特許文献2に記載されているが、防腐効果を発揮するためにホウ酸が一定量添加されており、ドルゾラミド又はその塩自体に防腐効果があることを開示するものではない。
特許第2527513号公報 国際公開WO2011/013794号パンフレット
本発明の課題は、ドルゾラミド又はその塩の新たな用途を提供することである。
本発明者らは、意外にも、ドルゾラミド又はその塩を含有する医薬組成物が、他の防腐剤を含まないにもかかわらず、防腐効果を十分に発揮できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
(1) ドルゾラミド又はその塩を含有する防腐剤。
(2) マルチドーズ型容器に入れられる医薬組成物のための、(1)記載の防腐剤。
(3) ベンザルコニウム塩化物を含まない医薬組成物のための、(1)又は(2)のいずれか一項に記載の防腐剤。
(4) ホウ酸又はその塩を含まない医薬組成物のための、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の防腐剤。
(5) ドルゾラミド又はその塩がドルゾラミド塩酸塩である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の防腐剤。
(6) エデト酸又はその塩と組み合わせて使用される、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の防腐剤。
(7) エデト酸の塩が、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム又はエデト酸二ナトリウム二水和物である、(6)に記載の防腐剤。
(8) (1)〜(7)のいずれか一項に記載の防腐剤を含有し、前記防腐剤以外の防腐剤を含有しない又は所定量で含有する医薬組成物であって、
前記所定量は、前記防腐剤以外の防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、前記試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、前記試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、
医薬組成物にホウ酸又はその塩を含有する場合には、その含有量が、0.001%(w/v)未満であり、繰り返し使用可能な容器に入れられた、医薬組成物。
(9) エデト酸又はその塩を0.0001〜0.1%(w/v)含有する、(8)に記載の医薬組成物。
(10) (1)〜(7)のいずれか一項に記載の防腐剤を含有する医薬組成物であって、前記防腐剤並びにエデト酸及びその塩以外の防腐剤を含まず、
エデト酸又はその塩を0.0001〜0.1%(w/v)含有する、
繰り返し使用可能な容器に入れられた、医薬組成物。
(11) (1)〜(7)のいずれか一項に記載の防腐剤を含有し、ベンザルコニウム塩化物を含有せず、ドルゾラミド及びその塩、並びに前記防腐剤以外の防腐剤を含有しない又は所定量で含有する医薬組成物であって、
前記所定量は、前記防腐剤以外の防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、前記試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、前記試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、
エデト酸又はその塩を0.0001〜0.1%(w/v)含有し、
医薬組成物にホウ酸又はその塩を含有する場合には、その含有量が、0.001%(w/v)未満であり、繰り返し使用可能な容器に入れられた、医薬組成物。
(12) ドルゾラミド又はその塩の含有量が0.1−5%(w/v)である、(8)〜(11)のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(13) ドルゾラミド又はその塩を、医薬の有効成分として含有する、(8)〜(12)のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(14) (8)〜(13)のいずれか一項に記載の医薬組成物と、繰り返し使用可能な容器と、を備える製品。
(15) 繰り返し使用可能な容器に入れられた医薬組成物中に、ドルゾラミド又はその塩を含有させることによって、防腐効力を向上させる方法。
なお、前記(1)から(15)の各構成は、任意に2以上を選択して組み合わせることができる。
本発明によれば、ドルゾラミド又はその塩を含有する防腐剤を提供することができる。また、ドルゾラミド又はその塩を含有する医薬組成物であって、繰り返し容器を開閉して使用しても防腐効果を十分に発揮できる新たな医薬組成物を提供することができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の防腐剤に含有されるドルゾラミドは、化学名(4S, 6S)-4-Ethylamino-6-methyl-5, 6-dihydro-4H-thieno[2, 3-b]thiopyran-2-sulfonamide 7, 7-dioxideで表される化合物である。
本発明の防腐剤に含有されるドルゾラミドは塩であってもよく、医薬として許容される塩であれば特に制限はない。塩としては無機酸との塩、有機酸との塩、四級アンモニウム塩、ハロゲンイオンとの塩、アルカリ金属との塩、アルカリ土類金属との塩、金属塩、有機アミンとの塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、酢酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、グルコン酸、グルコヘプト酸、グルクロン酸、テレフタル酸、メタンスルホン酸、アラニン、乳酸、馬尿酸、1,2−エタンジスルホン酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、オレイン酸、没食子酸、パモ酸、ポリガラクツロン酸、ステアリン酸、タンニン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸ラウリル、硫酸メチル、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸等との塩が挙げられる。
四級アンモニウム塩としては、臭化メチル、ヨウ化メチル等との塩が挙げられる。
ハロゲンイオンとの塩としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等との塩が挙げられる。
アルカリ金属との塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等との塩が挙げられる。
アルカリ土類金属との塩としては、カルシウム、マグネシウム等との塩が挙げられる。
金属塩としては、鉄、亜鉛等との塩が挙げられる。
有機アミンとの塩としては、トリエチレンジアミン、2−アミノエタノール、2,2−イミノビス(エタノール)、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−2−D−ソルビトール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、プロカイン、N,N−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン等との塩が挙げられる。
ドルゾラミドの塩としては、一塩酸塩(ドルゾラミド塩酸塩)が特に好ましい。
本発明の防腐剤に含有されるドルゾラミド及びそれらの塩は、水和物又は溶媒和物の形態をとってもよい。
なお、本発明の防腐剤とは、ドルゾラミド又はその塩を含有するものであるが、ドルゾラミド又はその塩そのものが本発明の防腐剤であってもよい。
本発明の防腐剤は、医薬組成物のために用いることができる。
本発明の防腐剤は、単独で防腐効果を有するため、本発明の防腐剤以外の防腐剤を含有しない医薬組成物のために用いられるのに好適である。例えば、本発明の防腐剤の用途は、ベンザルコニウム塩化物を含まない医薬組成物、ホウ酸又はその塩を含まない医薬組成物、ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩を含まない医薬組成物等のために用いることができる。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物において、含有されるドルゾラミド又はその塩の含有量は、所望の防腐効力を奏するのに十分な量であれば特に制限されないが、0.1〜5%(w/v)が好ましく、0.2〜3%(w/v)がより好ましく、0.3〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.3〜1.2%(w/v)がさらにより好ましく、0.3〜1.0%(w/v)、0.3〜0.7%(w/v)、0.3〜0.5%(w/v)がもっと好ましく、0.5%(w/v)、1%(w/v)又は2%(w/v)が特に好ましい。なお、本発明の防腐剤が使用される医薬組成物においてドルゾラミドの塩が含有される場合、これらの値はフリーのドルゾラミドに換算した含有量である。なお、「%(w/v)」は、本発明の医薬組成物100mL中に含まれる対象成分(ここでは、ドルゾラミド)の質量(g)を意味する。以下、特に断りがない限り同様とする。
本発明の防腐剤は、防腐効果をより発揮するためにチモロール又はその塩と組み合わせて使用してもよい。チモロールとは、化学名(2S)-1-[(1, 1-Dimethylethyl)amino]-3-(4-morpholin-4-yl-1, 2, 5-thiadiazol-3-yloxy)propan-2-olで表される化合物である。「組み合わせて使用」とは、一つの医薬組成物中に本発明の防腐剤とチモロール又はその塩を含有することを意味する。
本発明の防腐剤において、組み合わせて使用されるチモロールは塩であってもよく、医薬として許容される塩であれば特に制限はなく、具体的には、上記ドルゾラミドの塩の例で挙げられた塩が挙げられ、一マレイン酸塩(チモロールマレイン酸塩)が特に好ましい。
本発明の防腐剤において、組み合わせて使用されるチモロール及びそれらの塩は、水和物又は溶媒和物の形態をとってもよい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物において、組み合わせて使用されるチモロール又はその塩の含有量は、所望の防腐効果を奏するのに十分な量であれば特に制限されないが、0.01〜2%(w/v)が好ましく、0.05〜1%(w/v)がより好ましく、0.1〜0.8%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜0.7%(w/v)がさらにより好ましく、0.5%(w/v)が特に好ましい。なお、本発明の医薬組成物においてチモロールの塩が含有される場合は、これらの値はフリーのチモロールに換算した含有量である。
本発明の防腐剤において、チモロール又はその塩を組み合わせて使用する場合、ドルゾラミド又はその塩の医薬組成物中の含有量は、防腐効果の観点から、チモロール又はその塩の医薬組成物中の含有量に対し、0.1〜10倍が好ましく、0.5〜8倍がより好ましく、1倍〜5倍であることがさらに好ましい。
本発明の防腐剤は、防腐効果をより発揮するために他の防腐剤と組み合わせて使用してもよい。「組み合わせて使用」とは、一つの医薬組成物中に本発明の防腐剤と他の防腐剤を含有することを意味する。他の防腐剤の例としては、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム臭化物、ベンゼトニウム塩化物、ベンジルドデシニウム臭化物、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、シクロヘキシジン、ホウ酸又はその塩、エデト酸又はその塩等が挙げられる。ホウ酸の塩の例としては、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられる。エデト酸の塩の例としては、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、エデト酸二ナトリウムが好ましく、エデト酸二ナトリウム二水和物が特に好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物において、組み合わせて使用される他の防腐剤の含有量は、所望の防腐効果を奏するのに十分な量であれば特に制限されないが、0.00001〜0.5%(w/v)が好ましく、0.00005〜0.1%(w/v)がより好ましく、0.0001〜0.05%(w/v)がさらに好ましく、0.0005〜0.01%(w/v)がさらにより好ましく、0.0007〜0.005%(w/v)が特に好ましい。より具体的には、ベンザルコニウム塩化物の場合は、0.0001〜0.001%(w/v)が好ましく、0.0002〜0.0008%(w/v)がより好ましく、0.0003〜0.0007%(w/v)が特に好ましく、0.0004〜0.0006%(w/v)が最も好ましい。ホウ酸及びその塩の場合は、総量としてその含有量は0.5%(w/v)以上含まれない(含有量が0.5%(w/v)未満)ことが好ましく、0.00001〜0.1%(w/v)が好ましく、0.00005〜0.05%(w/v)がより好ましく、0.0001〜0.01%(w/v)がさらに好ましく、0.0005〜0.005%(w/v)がさらにより好ましく、0.0007〜0.001%(w/v)が最も好ましい。なお、本発明の医薬組成物においてホウ酸の塩が含有される場合、これらの値はフリーのホウ酸に換算した含有量である。エデト酸又はその塩の場合は、総量としてその含有量は、0.00001〜0.5%(w/v)が好ましく、0.00005〜0.3%(w/v)がより好ましく、0.0001〜0.1%(w/v)がさらに好ましく、0.0005〜0.08%(w/v)がさらにより好ましく、0.001〜0.05%(w/v)が一層好ましく、0.005〜0.03%(w/v)が特に好ましく、0.007〜0.01%(w/v)が最も好ましい。なお、本発明の医薬組成物においてエデト酸の塩又はその水和物が含有される場合、これらの値はエデト酸の塩又はその水和物の質量を基に計算された含有量である。
上述のとおり、本発明の防腐剤は他の防腐剤と組み合わせて使用してもよい一方で、上述の本発明の防腐剤(ドルゾラミド又はその塩)は、単独で十分な防腐効果を発揮するため、本発明の医薬組成物は、上述の本発明の防腐剤以外の防腐剤を含まないか、又は所定量で含むことができる。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。これらの「所定量」は、防腐剤の種類によって異なるが、例えば、0.001%(w/v)以下が好ましく、0.0007%(w/v)以下がより好ましく、0.0005%(w/v)以下がさらに好ましく、0.0003%(w/v)以下がもっと好ましく、0.0001%(w/v)以下が特に好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。
特に、本発明の医薬組成物において、防腐剤としてベンザルコニウム塩化物は含有量が小さい又は含まれないことが望ましい。本発明の医薬組成物において、ベンザルコニウム塩化物が含まれる場合、ベンザルコニウム塩化物が所定量で含まれるのが好ましい。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。これらの「所定量」は、より具体的には、ベンザルコニウム塩化物は0.001%(w/v)以下が好ましく、0.0007%(w/v)以下がより好ましく、0.0005%(w/v)以下がさらに好ましく、0.0003%(w/v)以下がもっと好ましく、0.0001%(w/v)以下が特に好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。さらに、ベンザルコニウム塩化物以外の防腐剤として使用される4級アンモニウム塩も、含有量が小さい又は含まれないことが望ましい。ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩の例としては、ベンザルコニウム臭化物、ベンゼトニウム塩化物、ベンジルドデシニウム臭化物等が挙げられる。本発明の医薬組成物において、ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩が含まれる場合、その4級アンモニウム塩が所定量で含まれるのが好ましい。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。これら「所定量」は、4級アンモニウムの種類によって異なるが、例えば、ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩は0.01%(w/v)以上含まれない(含有量が0.01%(w/v)未満)ことが好ましく、0.005%(w/v)以上含まれないことがより好ましく、0.001%(w/v)以上含まれないことがさらに好ましく、0.0005%(w/v)以上含まれないことがもっと好ましく、0.0001%(w/v)以上含まれないことが特に好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。
本発明の医薬組成物において、4級アンモニウム塩以外の防腐剤(ドルゾラミド及びその塩を除く)も、含有量が小さい又は含まれないことが望ましい。4級アンモニウム塩以外の防腐剤としては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、シクロヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、ホウ酸又はその塩、エデト酸又はその塩、N−ヘキサデカニル−DABCO(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)等が挙げられる。本発明の医薬組成物において、4級アンモニウム塩以外の防腐剤が含まれる場合、その防腐剤が所定量で含まれるのが好ましい。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。これら「所定量」は、4級アンモニウム塩以外の防腐剤の成分の種類によっても異なるが、例えば、4級アンモニウム塩以外の防腐剤は、0.5%(w/v)以上含まれない(含有量が0.5%(w/v)未満)ことが好ましく、0.10%(w/v)以上含まれない(含有量が0.10%(w/v)未満)ことがより好ましく、0.05%(w/v)以上含まれないことがさらに好ましく、0.01%(w/v)以上含まれないことがもっと好ましく、0.005%(w/v)以上含まれないことが一層好ましく、0.001%(w/v)以上含まれないことが特に好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。特に、4級アンモニウム塩以外の防腐剤がホウ酸又はその塩の場合は、ホウ酸及びその塩は、0.5%(w/v)以上含まれない(含有量が0.5%(w/v)未満)ことが好ましく、0.10%(w/v)以上含まれない(含有量が0.10%(w/v)未満)ことがより好ましく、0.05%(w/v)以上含まれないことがさらに好ましく、0.03%(w/v)以上含まれないことがさらに一層好ましく、0.01%(w/v)以上含まれないことがもっと好ましく、0.005%(w/v)以上含まれないことが一層好ましく、0.001%(w/v)以上含まれないことが特に好ましく、実質的に含まれないことが最も好ましい。ホウ酸の塩の例としては、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等が挙げられる。なお、本発明の医薬組成物においてホウ酸の塩が含有される場合、これらの値はフリーのホウ酸に換算した含有量である。また、エデト酸又はその塩は安定化剤として医薬組成物に添加されることが多いが、これらは防腐効果を有することも知られており、本発明の医薬組成物にエデト酸又はその塩を含む場合、総量としてその含有量は0%(w/v)より多く(0.0001%以上、0.0005%以上、0.001%以上、0.002%以上、0.003%以上、0.005%以上、0.007%以上等)0.5%(w/v)以下が好ましく、0.3%(w/v)以下がより好ましく、0.1%(w/v)以下がさらに好ましく、0.08%(w/v)以下がもっと好ましく、0.05%(w/v)以下が一層好ましく、0.03%(w/v)以下が特に好ましく、0.01%(w/v)以下が最も好ましい。エデト酸の塩の例としては、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、エデト酸二ナトリウムが好ましく、エデト酸二ナトリウム二水和物が特に好ましい。特に、本発明の医薬組成物は、エデト酸及びその塩以外の防腐剤(ドルゾラミド及びその塩を除く)を含まないことが好ましい。または、本発明の医薬組成物は、エデト酸及びその塩以外の防腐剤を含む場合、その防腐剤が所定量で含まれるのが好ましい。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。あるいは、本発明の医薬組成物は、エデト酸及びその塩並びにベンザルコニウム塩化物以外の防腐剤(ドルゾラミド及びその塩を除く)を含まないことが好ましい。または、本発明の医薬組成物は、エデト酸及びその塩並びにベンザルコニウム塩化物以外の防腐剤を含む場合、その防腐剤が所定量で含まれるのが好ましい。ここで、「所定量」とは、例えば、単独で十分な防腐効果を発揮しない量を指し、具体的には、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下となる量であり、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.0以下、もっと好ましくは0.8以下、一層好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下、最も好ましくは0.3以下となる量である。あるいは、「所定量」とは、例えば、防腐剤及び水からなる試験試料中において、エスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、試験試料を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、試験試料をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下となる量であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.2以下、さらに好ましくは3.0以下、もっと好ましくは2.8以下、一層好ましくは2.6以下、特に好ましくは2.4以下、最も好ましくは2.0以下となる量である。なお、本発明の医薬組成物においてエデト酸の塩又はその水和物が含有される場合、これらの値はエデト酸の塩又はその水和物の質量を基に計算された含有量である。また、本発明における、ドルゾラミド又はその塩以外の防腐剤は、医薬組成物において防腐剤と表記される成分を指し、本発明の医薬組成物中の薬の有効成分自体が防腐効果を奏するが防腐剤としては表記されない成分を包含しない。
上述の本発明の医薬組成物に含まないのが好ましい防腐剤又は所定量で含むのが好ましい防腐剤は、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩、ホウ酸又はその塩である。医薬組成物に含まないのが好ましい防腐剤又は所定量で含むのが好ましい防腐剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、必要に応じて添加剤を用いることができ、添加剤としては、界面活性剤、緩衝化剤、等張化剤、安定化剤、抗酸化剤、高分子量重合体等を加えることができる。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な界面活性剤、例えばカチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を配合することができる。
アニオン性界面活性剤の例としては、リン脂質等が挙げられ、リン脂質としてはレシチン等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、アルキルアミンポリオキシエチレン付加物、脂肪酸トリエタノールアミンモノエステル塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、脂肪酸ポリアミン縮合物、アルキルイミダゾリン、1−アシルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシルエチル−2−アルキルイミダゾリン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンE TPGS等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、ポリソルベート80、ポリソルベート60、ポリソルベート40、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート、ポリソルベート65等が挙げられる。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、酸化エチレンの重合数の異なる種々のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いることができ、酸化エチレンの重合数は10〜100が好ましく、20〜80がより好ましく、40〜70が特に好ましく、60が最も好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の具体例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等が挙げられる。
ポリオキシエチレンヒマシ油としては、酸化エチレンの重合数の異なる種々のポリオキシエチレンヒマシ油を用いることができ、酸化エチレンの重合数は5〜100が好ましく、20〜50がより好ましく、30〜40が特に好ましく、35が最も好ましい。ポリオキシエチレンヒマシ油の具体例としては、ポリオキシル5ヒマシ油、ポリオキシル9ヒマシ油、ポリオキシル15ヒマシ油、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40ヒマシ油等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとしては、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリオキシエチレン(42)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(54)ポリオキシプロピレン(39)グリコール、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコール等が挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ステアリン酸エステル等が挙げられる。
ビタミンE TPGSは、トコフェロールポリエチレングリコール1000コハク酸エステルともいう。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物に界面活性剤を配合する場合の界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類等により適宜調整することができるが、0.001〜10%(w/v)が好ましく、0.01〜5%(w/v)がより好ましく、0.1〜3%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜2%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な緩衝剤を配合することができる。緩衝剤の例としては、リン酸又はその塩、クエン酸又はその塩、酢酸又はその塩、炭酸又はその塩、酒石酸又はその塩、ε−アミノカプロン酸、トロメタモール等が挙げられる。
リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられ、クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等が挙げられ、酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられ、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、酒石酸塩としては、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が挙げられる。クエン酸又はその塩が好ましく、クエン酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物に緩衝剤を配合する場合の緩衝剤の含有量は、緩衝剤の種類等により適宜調整することができるが、0.001〜10%(w/v)が好ましく、0.01〜5%(w/v)がより好ましく、0.1〜3%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜2%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な等張化剤を適宜配合することができる。等張化剤の例としては、イオン性等張化剤や非イオン性等張化剤等が挙げられる。イオン性等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられ、塩化ナトリウムが好ましい。非イオン性等張化剤としてはグリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられ、マンニトールが好ましい。本発明の医薬組成物に等張化剤を配合する場合の等張化剤の含有量は、等張化剤の種類等により適宜調整することができるが、0.01〜10%(w/v)が好ましく、0.02〜7%(w/v)がより好ましく、0.1〜5%(w/v)がさらに好ましく、0.5〜4%(w/v)が特に好ましく、0.8〜3%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な安定化剤を適宜配合することができる。安定化剤の例としては、エデト酸、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられ、エデト酸二ナトリウムが好ましく、エデト酸二ナトリウム二水和物が特に好ましい。本発明の医薬組成物に安定化剤を配合する場合の安定化剤の含有量は、安定化剤の種類等により適宜調整することができるが、0.0001〜0.5%(w/v)が好ましく、0.0005〜0.3%(w/v)がより好ましく、0.001〜0.1%(w/v)がさらに好ましく、0.002〜0.08%(w/v)がもっと好ましく、0.003〜0.05%(w/v)が一層好ましく、0.005〜0.03%(w/v)が特に好ましく、0.007〜0.01%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な抗酸化剤を適宜配合することができる。抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。本発明の医薬組成物に抗酸化剤を配合する場合の抗酸化剤の含有量は、抗酸化剤の種類等により適宜調整することができるが、0.0001〜1%(w/v)が好ましく、0.0005〜0.1%(w/v)がより好ましく、0.001〜0.02%(w/v)がさらに好ましく、0.005〜0.010%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能な高分子量重合体を適宜配合することができる。高分子量重合体の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール等が挙げられ、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。本発明の医薬組成物に高分子量重合体を配合する場合の高分子量重合体の含有量は、高分子量重合体の種類等により適宜調整することができるが、0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.01〜3%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.2〜1%(w/v)が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、医薬品の添加物として使用可能なpH調整剤を適宜配合することができる。pH調整剤の例としては、塩酸、リン酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、クエン酸が好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物には、使用可能な医薬品の有効成分を適宜配合することができるが、有効成分を配合しなくてもよい。有効成分の例としては、ブリモニジン等のα受容体作動薬、ベフノロール、カルテオロール、ニプラジロール、ベタキソロール、レボブノロール、メチプラノロール等のβ受容体遮断薬、イソプロピルウノプロストン、ラタノプロスト、トラボプロスト、ビマトプロスト等のプロスタグランジン誘導体等が挙げられる。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物のpHは、4.0〜8.0が好ましく、5.0〜7.5がより好ましく、5.5〜7.3がさらに好ましく、5.5〜7.0がもっと好ましく、5.5〜6.8が特に好ましく、6.0〜6.8が最も好ましい。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物は、繰り返し使用可能な容器に入れられることが好ましく、繰り返し使用可能な容器としては、マルチドーズ型容器やリキャップユニットドーズ容器等が挙げられる。マルチドーズ型容器とは、複数回使用することを目的にキャップ等の開閉を自由に行えるようにした容器である。ただし、逆流防止機能等の防腐効果を発揮するための特別な構造を有するPFMD(Preservative Free Multi Dose)容器は含まれない。リキャップユニットドーズ容器とは、リキャップすることで繰り返し使用できるユニットドーズ容器である。容器の素材に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製、ポリエチレンテレフタレート(PET)製等の容器を用いることができる。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物の剤形は、医薬品として使用可能なものであれば特に制限されないが、特に点眼剤が好ましく、当該技術分野における通常の方法に従って製造することができる。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物は、使用されるドルゾラミド又はその塩が炭酸脱水酵素阻害剤であり眼圧下降作用を有するため、緑内障又は高眼圧症の治療剤としても有用である。この場合、ドルゾラミド又はその塩は、例えば、第十六改正日本薬局方参考情報「保存効力試験法」による基準「カテゴリーIA」を満たすために使用されている等、その防腐剤としての用途を使用している限りは、緑内障又は高眼圧症の治療剤の有効成分(API)として医薬組成物中に含有されていても良い。
本発明の防腐剤が使用される医薬組成物を投与する場合、所望の薬効を奏するのに十分であれば用法用量に特に制限はないが、1回1〜3滴、1日1〜5回点眼するのが好ましく、1回1〜2滴、1日2〜4回点眼するのがより好ましく、1回1滴、1日3回点眼するのが最も好ましい。
本発明の医薬組成物は、コンタクトレンズ(装着者)用として有用である。適用されるコンタクトレンズの種類に特に制限はなく、具体的には、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ等が挙げられ、酸素透過性コンタクトレンズでもよい。ソフトコンタクトレンズとしては、含水ソフトコンタクトレンズ、非含水ソフトコンタクトレンズ、(非イオン性)シリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズ等が挙げられる。
上記の本発明の防腐剤及び本発明の防腐剤が使用される医薬組成物の詳細な説明は、本発明の医薬組成物繰り返し使用可能な容器(医薬組成物を収容する)とを備える製品、及び、防腐効力を向上させる方法にも適用される。
本発明の防腐効力を向上させる方法は、ベンザルコニウム塩化物を含まず、ホウ酸もしくはその塩を含まない又はホウ酸もしくはその塩の含有量が0.001%(w/v)未満であり、繰り返し使用可能な容器に入れられた医薬組成物中に、さらに、ドルゾラミド又はその塩を含有させることによって、防腐効力を向上させる方法であることが好ましい。
または、本発明の防腐効力を向上させる方法は、防腐剤を含まない又は所定量で含む、繰り返し使用可能な容器に入れられた医薬組成物中に、さらに、ドルゾラミド又はその塩を含有させることによって、防腐効力を向上させる方法であることが好ましい。ここで、本発明の防腐効力を向上させる方法における「防腐剤」、「所定量」は、上記の本発明の防腐剤及び本発明の医薬組成物において説明したものと同様のものであってよい。特に、医薬組成物中に含まない方が好ましい防腐剤又は所定量で含んだ方が好ましい防腐剤は、ホウ酸及びその塩、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物以外の4級アンモニウム塩である。これらのうち、含まない方が好ましい防腐剤又は所定量で含んだ方が好ましい防腐剤は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
本発明の防腐効力を向上させる方法は、ドルゾラミド又はその塩を含有させる前の医薬組成物が、該医薬組成物をエスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、医薬組成物を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、医薬組成物をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましく、0.7以下であることが一層好ましく、0.5以下であることが特に好ましく、0.3以下であることが最も好ましい。
本発明の防腐効力を向上させる方法は、ドルゾラミド又はその塩を含有させる前の医薬組成物が、該医薬組成物をエスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、医薬組成物を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、医薬組成物をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が4.0以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、3.2以下であることがさらに好ましく、3.0以下出ることがもっと好ましく、2.8以下であることが一層好ましく、2.6以下であることが特に好ましく、2.4以下であることがずっと好ましく、2.0以下であることが最も好ましい。
本発明の防腐効力を向上させる方法において、上述のドルゾラミド又はその塩を含有させた後の医薬組成物が、該医薬組成物をエスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、医薬組成物を遮光下において20〜25℃で保存してから7日経過後において、医薬組成物をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が2.5以上であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましく、3.5以上であることがさらに好ましく、4.0以上であることがより一層好ましい。あるいは、本発明の防腐効力を向上させる方法において、上述のドルゾラミド又はその塩を含有させた後の医薬組成物が、第十六改正日本薬局方参考情報「保存効力試験法」による基準「カテゴリーIA」を満たすことが好ましい。
本発明の防腐効力を向上させる方法において、上述のドルゾラミド又はその塩を含有させた後の医薬組成物が、該医薬組成物をエスケリシア・コリ(Escherichia Coli)のATCC 8739の菌液濃度が10〜10cfu/mLの範囲内となるように菌を接種して均一に混合し、医薬組成物を遮光下において20〜25℃で保存してから28日経過後において、医薬組成物をマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値が3.0以上であることが好ましく、3.5以上であることがより好ましく、4.0以上であることがさらに好ましく、4.5以上であることがより一層好ましい。あるいは、本発明の防腐効力を向上させる方法において、上述のドルゾラミド又はその塩を含有させた後の医薬組成物が、第十六改正日本薬局方参考情報「保存効力試験法」による基準「カテゴリーIA」を満たすことが好ましい。
以下に製剤例及び防腐効力試験の結果を示すが、これらは本発明をより良く理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
製剤例
以下に本発明の代表的な製剤例を示す。なお、下記製剤例において各成分の配合量は製剤1mL中の含量である。
製剤例1(マルチドーズ型容器中)
ドルゾラミド 10mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
製剤例2(マルチドーズ型容器中)
ドルゾラミド 20mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
なお、前記製剤例1及び2におけるドルゾラミド、チモロール及び添加剤の種類や配合量を適宜調整し所望の組成物を得ることができる。
防腐効力試験(1)
1.被験製剤の調製
ドルゾラミド塩酸塩(22.26mg)、チモロールマレイン酸塩(6.83mg)、クエン酸ナトリウム(2.94mg)、マンニトール(16mg)を水に溶解し濾過滅菌を行った液Aと、別途、ヒドロキシエチルセルロース(4.75mg)を水に溶解して高圧蒸気滅菌を行った液Bを混合し、pH調節剤にてpH5.7とした後、水を加えて全量を1mLとすることにより、実施例1の製剤を調製した。実施例2、及び比較例1〜2は、実施例1と同様に調製した。
実施例1(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 22.26mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 16mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.7
実施例1の調製方法と同様の方法にて、表1に示す実施例2〜3及び比較例1の製剤を調製した。
実施例2(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 30mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.7
実施例3(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 30mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.7
比較例1(1mL中)
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 30mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.8
2.試験方法
接種菌として以下の菌株を使用した。
細菌:
大腸菌,Escherichia Coli ATCC 8739(E.coliともいう)
緑膿菌,Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027(P.aeruginosaともいう)
黄色ブドウ球菌,Staphylococcus aureus ATCC 6538(S.aureusともいう)
酵母菌およびカビ類:
カンジダ,Candida albicans ATCC 10231(C.albicansともいう)
クロコウジカビ,Aspergillus brasiliensis ATCC16404(A.brasiliensisと
もいう)
各製剤からなる試験試料中の菌液濃度が10〜10個/mL(5菌種共)となるように、接種菌液を試験試料に接種した。具体的には、10〜10cfu/mLとなるように接種菌液を調製し、この接種菌液を10〜10cfu/mLとなるように、実施例1〜3及び比較例1の製剤からなる試験試料に各接種菌液を接種し、均一に混合し試料とした。これらの試料を遮光下20〜25℃に保存し、各サンプリングポイント(6時間後、24時間後、7日後、14日後又は28日後)において、各試料からマイクロピペットで1mLを採取し、生菌数を測定した。各サンプリングポイントでは、試料溶液の蓋を空けてサンプリングを実施し、蓋を閉める操作を行った。
3.試験結果及び考察
試験結果を表1に示す。表1の試験結果は、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値で示しており、例えば「1」の場合には、検査時の生菌数が接種菌数の10%に減少したことを示している。
Figure 0006702754
表1に示されるように、ドルゾラミド又はその塩を含有する実施例1〜3の製剤は、いずれの菌に対しても防腐効果を示した。これに対し、ドルゾラミド又はその塩を含まない比較例1の製剤は、防腐効果が劣っており、特に、大腸菌に対して防腐効果が弱かった。これにより、本発明の防腐剤は、幅広い菌種に対して優れた防腐効果を示し、マルチドーズ型容器に入れられて、繰り返し容器を開閉して使用されても防腐効果を十分に発揮できることが示唆された。また、ドルゾラミド又はその塩に加えて、さらにチモロール又はその塩を含有する実施例1〜2の製剤は、特に優れる防腐効果を示した。

防腐効力試験(2)
1.被験製剤の調製
実施例1の調製方法と同様の方法にて、実施例4〜7の製剤を調製した。
実施例4(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
塩化ナトリウム 9mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.65
実施例5(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
塩化ナトリウム 9mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 6.5
実施例6(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 30mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.65
実施例7(1mL中)
ドルゾラミド塩酸塩 11.13mg
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
マンニトール 30mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
エデト酸二ナトリウム二水和物 0.5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.65
2.試験方法
防腐効力試験(1)の2.試験方法と同様の方法にて防腐効力試験を実施した。ただし、サンプリングポイントは、7日後、14日後又は28日後とした。
3.試験結果及び考察
試験結果を表2に示す。表2の試験結果は、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値で示している。
Figure 0006702754
表2に示されるように、ドルゾラミド又はその塩を含有する実施例4〜7の製剤は、ベンザルコニウム塩化物を含まないにもかかわらず、いずれの菌に対しても防腐効果を示した。これにより、本発明の防腐剤は、幅広い菌種に対して優れた防腐効果を示し、マルチドーズ型容器に入れられて、繰り返し容器を開閉して使用されても防腐効果を十分に発揮できることが示唆された。

防腐効力試験(3)
1.被験製剤の調製
実施例1の調製方法と同様の方法にて、比較例2及び3の製剤を調製した。
比較例2(1mL中)
チモロールマレイン酸塩 6.83mg
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
エデト酸二ナトリウム二水和物 0.5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.65
比較例3(1mL中)
クエン酸ナトリウム水和物 2.94mg
ヒドロキシエチルセルロース 4.75mg
エデト酸二ナトリウム二水和物 0.5mg
希塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
精製水 適量
pH 5.65
2.試験方法
防腐効力試験(1)の2.試験方法と同様の方法にて防腐効力試験を実施した。ただし、サンプリングポイントは、7日後とした。
3.試験結果及び考察
試験結果を表3に示す。表3の試験結果は、生菌数を測定したときの菌数(A)に対する接種時の菌数(B)の比(B/A)の常用対数値で示している。
Figure 0006702754
表3に示されるように、防腐効果を多少有することが知られているエデト酸二ナトリウム二水和物を含有し、ドルゾラミド又はその塩を含有しない比較例2及び3の製剤は、ドルゾラミド又はその塩を含有する実施例7の製剤に比べて、特に、大腸菌や黄色ブドウ球菌に対して防腐効果が弱かった。

Claims (12)

  1. ドルゾラミド又はその塩を含有する防腐剤。
  2. マルチドーズ型容器に入れられる医薬組成物のための、請求項1記載の防腐剤。
  3. ベンザルコニウム塩化物を含まない医薬組成物のための、請求項1又は2のいずれか一項に記載の防腐剤。
  4. ホウ酸又はその塩を含まない医薬組成物のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防腐剤。
  5. ドルゾラミド又はその塩がドルゾラミド塩酸塩である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防腐剤。
  6. エデト酸又はその塩と組み合わせて使用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の防腐剤。
  7. エデト酸の塩が、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム又はエデト酸二ナトリウム二水和物である、請求項6に記載の防腐剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の防腐剤を含有し、前記防腐剤以外の防腐剤を含有しない、繰り返し使用可能な容器に入れられた、医薬組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の防腐剤を含有する医薬組成物であって、前記防腐剤並びにエデト酸及びその塩以外の防腐剤を含まず、
    エデト酸又はその塩を0.0001〜0.1%(w/v)含有する、
    繰り返し使用可能な容器に入れられた、医薬組成物。
  10. ドルゾラミド又はその塩の含有量が0.1−5%(w/v)である、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. ドルゾラミド又はその塩を、医薬の有効成分として含有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. 請求項8〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物と、繰り返し使用可能な容器と、を備える製品。
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