以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るイベント送受信システム100について説明する。まず、図1を参照して、第1実施形態に係るイベント送受信システム100に含まれる電子時計1の構成の概要について説明する。図1は、電子時計の外観の一例を示す平面図である。
電子時計1は、いわゆるアナログ腕時計の外観を有し、携帯端末20に対して近距離無線通信(以下、単に無線通信ともいう)により接続される。近距離無線通信の規格は特に限定されず、公知のいかなるものであってもよいが、第1実施形態ではBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)を用いる。
電子時計1は、時刻針の時刻合わせや機能の使用に用いる竜頭2と、プッシュボタン3を有する。電子時計1は、外装である胴内に文字板4を有する。文字板4上には、電子時計1が携帯端末20との接続を確立する処理を行っていることを表す接続処理表示(図1中のACT)8と、携帯端末20との接続が切断されたことを表すリンクロス表示(図1中のLL)9と、携帯端末20に電子メールの受信があったことを通知する電子メール受信表示(図1中のMAIL)10と、携帯端末20に電話の着信があったことを通知する電話着信表示(図1中のCALL)11とを有する。電子時計1は、接続処理表示8、リンクロス表示9、電子メール受信表示10及び電話着信表示11のいずれかを秒針7により指し示すことで、ユーザに対しそれぞれの情報を通知する。
電子時計1は、モータにより駆動される複数の時刻針を有する。具体的には、電子時計1は、時刻針として、ステッピングモータにより駆動される時針5、分針6及び秒針7を有する。なお、電子時計1は、これら以外の指針を時刻針として有してもよい。電子時計1には、文字板4を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防が胴に取り付けられているとよい。また、風防の反対側においては裏蓋が胴に取り付けられているとよい。
図1に示した電子時計1のデザインは一例である。例えば、胴を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭2やプッシュボタン3の有無、数、配置は任意である。
図2を参照して、第1実施形態に係るイベント送受信システム100の全体構成を説明する。図2は、第1実施形態に係るイベント送受信システムの全体構成を示すシステム構成図である。
図2に示すように、イベント送受信システム100は、電子時計1と、携帯端末20とを含む。以下の説明において、携帯端末20に発生したユーザに通知すべき情報をイベントという。また、イベントが発生したことをユーザに通知する情報をイベント発生情報という。イベントとしては、例えば、電子メール(以下、単にメールともいう)、電話の着信、リマインダ、チャット、SNS(Social Networking Service)等各種アプリケーションにおける通知等がある。
イベント送受信システム100は、携帯端末20に発生したイベントに関するイベント発生情報を電子時計1へ送信するシステムである。ここで、ユーザが携帯端末20を操作している場合等において、電子時計1へイベント発生情報を送信すると、携帯端末20にイベントが発生したことをユーザが携帯端末20を確認することにより容易に気がつくにも関わらず、ユーザは電子時計1からもイベント発生情報の通知を受けることとなる。このような二重の通知はユーザにとって煩わしく、また、電子時計1の電力を不要に消費することとなる。そこで、イベント送受信システム100においては、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高い状況においては、イベント発生情報を電子時計1へ送信する可能性を低くし、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことを気がつく可能性が低い状況においては、イベント発生情報を電子時計1へ送信する可能性を高くした。
電子時計1は、時計通信部12と、時計制御部13と、イベント通知部14とを含む。
時計通信部12は、近距離無線通信を行うための通信回路やアンテナ等を含み、それらは外装である胴内に納められている。電子時計1は、時計通信部12により、近距離無線通信に用いられる電波を送受信する。電子時計1は、時計通信部12により、例えば、携帯端末20からイベント発生情報がエンコードされた電波を受信する。受信された電波は、エンコード/デコード回路によりデコードされ、時計制御部13に受け渡されるとよい。
時計制御部13は、時刻調整や、指針の動作など、電子時計1全体を制御する。時計制御部13は、電子時計1の内部に備えられる時計回路を制御し、内部時刻を計時する機能を有しているとよい。内部時刻は、携帯端末20より送信される時刻情報に基づいて修正され、正確に保たれるとよい。
また、時計制御部13には、ユーザによる外部からの操作を受け付ける入力部(竜頭2及びプッシュボタン4)からの信号が入力される。また、時計制御部13からは、内部時刻に基づいてモータを駆動する信号が出力される。時計制御部13から出力された信号により指針(時針5、分針6及び秒針7)が駆動し、時刻が表示される。
イベント通知部14は、近距離無線通信を行うことで時計通信部12が受信したイベント発生情報をユーザに通知する。例えば、携帯端末20が電子メールを受信したことを電子時計1のユーザに通知する場合、秒針7が電子メール受信表示10を指し示すとよい。また、イベント通知部14は、携帯端末20にイベントが発生したことを、音声や振動によりユーザに通知する構成であってもよい。ユーザは、着用する電子時計1からイベントが発生したことについての通知を受けることにより、携帯端末20にイベントが発生したことに気がつくこととなる。
さらに、図2を参照して、携帯端末20について説明する。携帯端末20は、端末制御部21と、入力部22と、イベント取得部23と、イベント通知部24と、端末通信部25とを含む。携帯端末20は、ユーザが手持ち可能な電子機器であり、例えば、スマートフォン等である。携帯端末20の外観については図示しないが、例えば、携帯端末20は、液晶ディスプレイ等を有し、その表示画面(以下、単に画面ともいう)に静止画像や動画像を表示する。
携帯端末20は、アンテナを含む端末通信部25で近距離無線通信に用いられる電波を送受信する。携帯端末20は、例えば、エンコード/デコード回路により時刻修正情報をエンコードして、電子時計1に送信する。また、携帯端末20は、インターネット回線や電話回線に無線接続され、時刻情報を取得したり、電子メールの送受信や電話通信を行ったりする。
端末制御部21は、携帯端末20全体の動作を制御し、その内部に時計回路を有しており、内部時刻を計時する機能を有している。時計回路は、インターネット回線より取得される時刻情報に基づいて適宜修正され、正確な計時が維持される。
入力部22は、例えば、ユーザによる外部からの操作を受け付けるタッチパネルである。外部からの操作を受け付けた入力部22は、端末制御部21へ信号を出力する。入力部22からの信号を入力した端末制御部21は、携帯端末20が備えるディスプレイに映像信号を出力する。
イベント取得部23は、携帯端末20に発生する各種イベントを取得する。イベント通知部24は、イベント取得部23が取得した各種イベントをユーザへ通知する。イベント通知部24によるユーザへの通知の方法としては、例えば、音声、振動、携帯端末20の画面へのテキスト表示などがある。
また、携帯端末20は、近接センサ26a、加速度センサ26b、照度センサ26c、及びカメラ26dを備える。なお、詳細な説明は省略するが、携帯端末20は、センサとして、温度センサ、ジャイロセンサ、方位センサ等、携帯端末20又は携帯端末の周囲の状態を認識するために用いる各種センサをさらに備えてもよい。
近接センサ26aは、携帯端末20の画面等に近接した対象物(例えばユーザ)を検知するセンサである。携帯端末20は、近接センサ26aが携帯端末20に近接した対象物を検知した場合、携帯端末20の画面に触れてもタッチパネルの操作が行われないようにする機能を有するとよい。これにより、例えば、ユーザの耳元が携帯端末20に近接した通話中において、携帯端末20の画面に表示されるボタンが誤って押され、通話が終了してしまうこと等を防止できる。
加速度センサ26bは、携帯端末20に生じる重力加速度の向きや大きさを検知するセンサである。携帯端末20は、加速度センサ26bが検知した重力加速度の向きや大きさに基づいて、例えば、画面の表示向きを縦表示又は横表示に自動調整する機能を有するとよい。
照度センサ26cは、携帯端末20の周囲の照度を検知するセンサである。携帯端末20は、照度センサ26cが検知した周囲の照度に基づいて、例えば、携帯端末20の画面の明るさを自動調整する機能を有するとよい。
カメラ26dは、レンズ等を含み、携帯端末20の周囲の情景や人物を撮像するものである。
また、携帯端末20は、インストールされたアプリケーション30を、携帯端末20が備えるメモリ等に記憶する。アプリケーション30は、CPU(Central Processing Unit)を含む端末制御部21により動作が制御される。なお、アプリケーション30に備えられる各機能は、携帯端末20に予め搭載されていてもよい。
端末制御部21は、状態認識部31、判定条件記憶部34、利用可能判定要素認識部35、選択部36、判定部37、記録部38の動作を制御することによりアプリケーション30を機能させる。
状態認識部31は、端末状態認識部32と、周囲状態認識部33とを含む。
端末状態認識部32は、携帯端末20の状態を認識する。携帯端末20の状態としては、例えば、姿勢、使用状態、通話状態、画面ロック状態、無操作時間、無線通信における無線信号の強度、最後にイベントが発生してからの経過時間などがある。
第1実施形態においては、利用可能な判定要素に基づいて、判定条件記憶部34に記憶される複数の判定条件のうちいずれかを選択部36が選択する。利用可能な判定要素は、携帯端末20が搭載する機能や、その機能にアクセスする権限を有するか否かに基づき、利用可能判定要素認識部35により認識される。そして、選択部36により選択された判定条件と、状態認識部31により認識された判定要素についての状態に基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定部37が判定する。ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高い場合は、イベント発生情報を時計通信部12へ送信する必要性は低く、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が低い場合は、イベント発生情報を時計通信部12へ送信する必要性が高いといえる。
端末状態認識部32は、携帯端末20に搭載される加速度センサ26bが検知した出力値に基づいて、携帯端末20の姿勢を認識する。加速度センサ26bが検知した出力値により、例えば、携帯端末20が伏せ置き状態であるか否か等が認識される。携帯端末20が伏せ置き状態であると認識された場合、ユーザが携帯端末20を操作している可能性は低い。すなわち、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。
端末状態認識部32は、携帯端末20に搭載される加速度センサ26bが検知した出力値に基づいて、携帯端末20の使用状態を認識する。加速度センサ26bが検知した出力値により、例えば、携帯端末20が静止状態であるか、携帯端末20がユーザにより手持ちされた状態であるか、又は携帯端末20を鞄等にしまって移動中であるか等が認識される。携帯端末20が静止状態であると認識された場合、ユーザが携帯端末20を操作している可能性は低い。すなわち、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性は低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。携帯端末20が手持ち状態であると認識された場合、ユーザが携帯端末20を操作している可能性が高い。すなわち、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性は高いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が低いといえる。携帯端末20が移動状態であると認識された場合、ユーザが鞄等に携帯端末20をしまっている等携帯端末20を操作している可能性は低い。すなわち、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性は低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は高いといえる。
端末状態認識部32は、ユーザが通話中であるか否か等、携帯端末20の通話状態を認識する。通話中であると認識された場合、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性は低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。
端末状態認識部32は、携帯端末20の画面ロック状態を認識する。携帯端末20は、ユーザが携帯端末20の操作を所定時間行わなかった場合、画面ロック状態にすることを予め設定することができる。携帯端末20が画面ロック状態であると認識された場合、ユーザは所定時間携帯端末20を操作していない。すなわち、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。
端末状態認識部32は、最後に入力部22への入力が行われてからの経過時間に基づいて、携帯端末20の無操作時間を認識する。携帯端末20の無操作時間が長ければ、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。一方、携帯端末20の無操作時間が短ければ、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性が高いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は低いといえる。
端末状態認識32は、携帯端末20と電子時計1との距離に基づいて変化する無線信号の強度を認識する。無線信号の強度が弱ければ、携帯端末20は電子時計1から離れた位置にある可能性が高く、ユーザが携帯端末20を操作している可能性が低い。すなわち、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。一方、無線信号の強度が強ければ、携帯端末20は電子時計1の近くにある可能性が高く、ユーザが携帯端末20を操作している可能性が高い。すなわち、ユーザが携帯端末20に発生したイベントに気がつく可能性が高いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は低いといえる。
端末状態認識部32は、携帯端末20が備える計時機能、及びイベント取得手段23が取得したイベントに基づいて、最後にイベントが発生してからの経過時間を認識する。最後にイベントが発生した直後においては、ユーザが最後に発生したイベントの通知を確認するために携帯端末20を操作している可能性が高い。すなわち、最後にイベントが発生してからの経過時間が短ければ、ユーザがイベントの発生に気がつく可能性が高く、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は低いといえる。また、電子時計1の消費電力の抑制の観点からも、最後にイベントが発生してからの経過時間が短ければ、イベント発生情報を電子時計1へ送信しない方が好ましい。一方、最後にイベントが発生してからの経過時間が長ければ、ユーザがイベントの発生に気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は高いといえる。
また、周囲状態認識部33は、携帯端末20の周囲の状態を認識する。携帯端末20の周囲の状態としては、例えば、携帯端末20に近接する対象物の有無、周囲の照度、カメラ26dによる顔検知の有無などがある。
周囲状態認識部33は、携帯端末20に搭載される近接センサ26aが検知した出力値に基づいて、携帯端末20に近接する対象物があるか否かを認識する。例えば、ユーザが通話中の場合においては、周囲状態認識部33は携帯端末20に近接する対象物(ユーザ)があると認識する。近接センサ26aが近接物を検知した場合、ユーザが通話中であり、イベントの発生に気がつく可能性が低い。そのため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は高いといえる。
周囲状態認識部33は、携帯端末20に搭載される照度センサ26cが検知した出力値により、携帯端末20の周囲の照度を認識する。照度センサ26cが検知した出力値により、例えば、携帯端末20が暗所にあるか、屋内にあるか、又は屋外にあるか等が認識される。照度センサ26cが検知した出力値が小さければ、携帯端末20は暗所にあると認識され、照度センサ26cが検知した出力値が大きければ、携帯端末20は明るい屋外にあると認識される。携帯端末20が暗所にあると認識された場合、携帯端末20は鞄の中にしまわれている等、ユーザがイベントの発生に気がつく可能性が低い状態にあるため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。一方、携帯端末20が屋内又は屋外にあると認識された場合、ユーザがイベントの発生に気がつく可能性が高いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が低いといえる。
周囲状態認識部33は、携帯端末20に搭載されるカメラ26dによるユーザ等の顔の検知の有無を認識する。例えば、ユーザ等の顔が検知された場合においては、ユーザは携帯端末20を操作している状態にあり、イベントの発生に気がつく可能性が高い。そのため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性は低いといえる。
なお、図2においては、判定条件記憶部34、選択部36、判定部37が携帯端末20に含まれる構成について示したが、これに限られるものではなく、電子時計1にこれら各部の機能が設けられる構成であってもよい。その場合、まず、携帯端末20において、状態認識部31が携帯端末20の状態を認識して、認識された状態に関する情報が、無線通信により電子時計1へ送信される。そして、電子時計1において、選択部36が、利用可能な判定要素に基づいて、判定条件記憶部34に記憶される複数の判定条件のうちいずれかを選択する。そして、電子時計1において、判定部37がイベント発生情報を送信の可否を判定し、判定結果に関する情報を、無線通信により携帯端末20に送信する。携帯端末20は、判定結果に基づいて、イベント発生情報を電子時計1へ送信する、又はしない。
以下、イベント発生情報の送信の可否の判定についての具体的な例について説明する。
図3〜図6を参照して、第1実施形態について説明する。図3〜図6は、第1実施形態における判定条件の一例を示す図である。第1実施形態においては、判定条件記憶部34が図3〜図6に示す判定条件1〜4を記憶しており、利用可能な判定要素に基づいて、選択部36が判定条件1〜4のいずれかを選択する例について説明する。なお、図3に示す判定条件1は、後述する第2実施形態において説明する基本判定条件に対応する判定条件である。ここで、基本判定条件とは、スマートフォン等の携帯端末に一般的に搭載される機能に関する判定要素を含む判定条件をいう。また、図4〜図6に示す判定条件2〜4は、後述する第2実施形態において説明する付加判定条件を基本判定条件に合成した合成判定条件に対応する判定条件である。ここで。付加判定条件とは、仕様や、アクセス権限の設定などによって、利用可能できるか否か携帯端末の機種毎等に異なる付加的な機能に関する判定要素を含む判定条件をいう。
図3に示すように、判定条件1においては、端末状態認識部32により認識される画面ロック状態(判定要素1)と、端末状態認識部32により認識される携帯端末20の姿勢(判定要素2)を判定要素として用いる。すなわち、選択部36が判定条件1を選択した場合においては、判定部37は、端末状態認識部32により携帯端末20が画面ロック状態であると認識されたか否か、及び端末状態認識部32により携帯端末20が伏せ状態であると認識されたか否かに基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図3に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく(アンロックともいう)、かつ、携帯端末20が伏せ状態でないと認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
図4に示すように、判定条件2においては、判定条件1で用いた判定要素に加えて、周囲状態認識部33により認識される顔検知の有無(判定要素A)を判定要素として用いる。すなわち、選択部36が判定条件2を選択した場合においては、判定部37は、端末状態認識部32により携帯端末20が画面ロック状態であると認識されたか否か、端末状態認識部32により携帯端末20が伏せ状態であると認識されたか否か、及び周囲状態認識部33により顔検知が有ると認識されたか否かに基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図4に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態であり、顔検知が有ると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。また、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、顔検知が有ると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
図5に示すように、判定条件3においては、判定条件1で用いた判定要素に加えて、端末状態認識部32により認識される通話状態(判定要素B)を判定要素として用いる。すなわち、選択部36が判定条件3を選択した場合においては、判定部37は、端末状態認識部32により携帯端末20が画面ロック状態であると認識されたか否か、端末状態認識部32により携帯端末20が伏せ状態であると認識されたか否か、及び端末状態認識部32により通話中であると認識されたか否かに基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図5に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、通話中以外であると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
図6に示すように、判定条件4においては、判定条件1で用いた判定要素に加えて、周囲状態認識部33により認識される顔検知の有無(判定要素A)及び端末状態認識部32により認識される通話状態(判定要素B)を判定要素として用いる。すなわち、選択部36が判定条件4を選択した場合においては、判定部37は、端末状態認識部32により携帯端末20が画面ロック状態であると認識されたか否か、端末状態認識部32により携帯端末20が伏せ状態であると認識されたか否か、周囲状態認識部33により顔検知が有ると認識されたか否か、及び端末状態認識部32により通話中であると認識されたか否かに基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図6に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態であり、顔検知が無く、通話中以外であると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。また、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、顔検知が無く、通話中以外であると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。また、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、顔検知が有り、通話中以外であると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
第1実施形態においては、選択部36は、利用可能な判定要素に応じて、判定条件1〜4のいずれかを選択する。判定要素を多く用いた判定条件の方が、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつくか否か、すなわち、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要があるか否かについて正確に判定することができるため、選択される判定条件の優先順位は、判定条件4が最も高く、判定条件1が最も低いとよい。例えば、利用可能判定要素認識部35により、顔検知の有無を認識するために用いるカメラ26d及び通話状態を認識するために用いる通話機能を利用可能であると認識された場合、選択部36は、判定条件1〜4のうち、判定条件4を選択するとよい。カメラ26dを利用可能であり、通話機能が利用できないと認識された場合、選択部36は、判定条件1〜4のうち、判定条件3を選択するとよい。カメラ26dを利用できず、通話機能が利用できると認識された場合、選択部36は、判定条件1〜4のうち、判定条件2を選択するとよい。カメラ26dも通話機能も利用できないと認識された場合、選択部36は、判定条件1〜4のうち、判定条件1を選択するとよい。
以上説明したように、第1実施形態においては、複数の判定要素を含む判定条件を用いて、イベント発生情報の送信の可否を判定するため、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性の高い場合における、イベント発生情報の送信をしないという判定を精度良く行うことができる。また、複数の判定条件のうち、携帯端末20の仕様やアクセス権限に応じた最も精度の良い判定を行う判定条件を選択する構成を採用するため、二重に通知がなされることによる煩わしさをより確実に抑制することができる。また、携帯端末20から電子時計1に不要にイベント発生情報を送信することによる電子時計1の消費電力を抑制することができる。
図7〜図9を参照して、第2実施形態について説明する。図7〜図9は、第2実施形態における判定条件に一例を示す図である。なお、電子時計1の構成、イベント送受信システム100の構成については、図1、図2を参照して説明した第1実施形態と同様であるため、その説明は省略する。なお、後述する第3実施形態〜第6実施形態においても同様とする。
第2実施形態においては、判定条件記憶部34が、図7〜図9に示す基本判定条件、及び付加判定条件1、2を記憶しており、選択部36が、利用可能な判定要素に基づいて、付加判定条件1、2のいずれか、及び基本判定条件を選択する例について説明する。第2実施形態においては、選択された付加判定条件、及び基本判定条件に基づいて生成される合成判定条件に基づいて、判定部37が、イベント発生条件の送信の可否を判定する。
ここで、基本判定条件とは、スマートフォン等の携帯端末に一般的に搭載される機能に関する判定要素を含む判定条件をいう。付加判定条件とは、仕様や、アクセス権限の設定などによって、利用可能できるか否か携帯端末の機種毎等に異なる付加的な機能に関する判定要素を含む判定条件をいう。
基本判定条件においては、端末状態認識部32により認識される画面ロック状態(判定要素1)と、端末状態認識部32により認識される携帯端末20の姿勢(判定要素2)を判定要素として用いる。なお、基本判定条件は、第1実施形態で説明した判定条件1(図3参照)と同じ条件であるため、その詳細な説明については省略する。
付加判定条件1においては、周囲状態認識部33により認識される顔検知の有無(判定要素A)を判定要素として用いる。付加判定条件2においては、端末状態認識部32により認識される通話状態(判定要素B)を判定要素として用いる。
顔検知の有無を判定要素として利用でき、通話状態を判定要素として利用できないと利用可能判定要素認識部35により認識された場合、選択部36が、基本判定条件及び付加判定条件1を選択し、それらを組み合わせて図7に示す合成判定条件1を生成する。そして、判定部37は、合成判定条件1に基づいて、イベント発生情報の送信の可否を判定する。選択部36が合成判定条件1を選択した場合においては、判定部37は、端末状態認識部32により携帯端末20が画面ロック状態であると認識されたか否か、端末状態認識部32により携帯端末20が伏せ状態であると認識されたか否か、及び周囲状態認識部33により顔検知が有ると認識されたか否かに基づいて、端末通信部25から時計通信部12へのイベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図7に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、顔検知が有ると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
顔検知の有無を判定要素として利用できず、通話状態を判定要素として利用できると利用可能判定要素認識部35により認識された場合、選択部36が、基本判定条件及び付加判定条件2を選択し、それらを組み合わせて図8に示す合成判定条件2を生成する。そして、判定部37は、合成判定条件2に基づいて、イベント発生情報の送信の可否を判定する。なお、合成判定条件2は、第1実施形態で説明した判定条件3(図5参照)と同じ条件であるため、その詳細な説明については省略する。
顔検知の有無を判定要素として利用でき、通話状態も判定要素として利用できると利用可能判定要素認識部35により認識された場合、選択部36が、基本判定条件、付加判定条件1、及び付加判定条件2を選択し、それらを組み合わせて図9に示す合成判定条件3を生成する。そして、判定部37は、合成判定条件3に基づいて、イベント発生情報の送信の可否を判定する。具体的には、図9に示すように、携帯端末20が画面ロック状態でなく、携帯端末20が伏せ状態でなく、顔検知が有り、通話中以外であると認識された場合、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。
なお、第2実施形態において、付加判定条件1、2に用いられる判定要素のいずれも利用できないと利用可能判定要素認識部35により認識された場合は、選択部36は基本判定条件を選択するとよい。そして、判定部37は、基本判定条件に基づいて、イベント派生情報の送信の可否を判定するとよい。
以上説明したように、第1実施形態においては判定条件記憶部34が4種類の判定条件を記憶する必要があるところ、第2実施形態においては、判定条件記憶部34は、3種類の判定条件(1種類の基本判定条件と、2種類の付加判定条件)を記憶していればよい。すなわち、第1実施形態と比較して、判定条件記憶部34が記憶する情報量を少なくし、かつ第1実施形態で説明した判定条件と同様の条件により、イベント発生情報の送信の可否を判定することができる。また、第2実施形態においては、判定条件として用いる判定要素の増減や組み合わせを容易に行うことができる。
図10、図11を参照して、第3実施形態について説明する。図10は、第3実施形態における判定条件の一例を示す図である。図11は、第3実施形態における重要度条件の一例を示す図である。
第3実施形態においては、判定条件記憶部34が、図10に示す重み付け判定条件と、図11に示す重要度条件を記憶する例について説明する。選択部36は、図10に示す重み付け判定条件に含まれる複数の判定要素のうち、利用可能判定要素認識部35により利用可能であると認識された判定要素に基づいて、判定条件を選択する。具体的には、選択部36は、10種類の判定要素(近接状態、姿勢、使用状態、通話状態、画面ロック状態、無操作時間、時計との無線信号強度、最後にイベントが発生してからの経過時間、照度、顔検知の有無)のうち利用可能な判定要素を用いた判定条件を選択する。図10においては、携帯端末20が照度センサ26cを備えないことより判定要素として照度を利用できず、また、アクセス権限を有しないことより判定要素として顔検知の有無を利用できず、その他の8種類の判定要素が利用できる場合の例について示している。すなわち、判定部37が、10種類の判定要素のうち8種類の判定要素を用いた判定条件を選択した例について示している。
また、第3実施形態においては、図10に示すように、利用可能な判定要素についての状態毎に、イベント発生情報の送信の必要性に応じて重み付けされた送信ポイントが設定されている。図10に示す判定条件においては、送信ポイントが大きい程、イベント発生情報の送信の必要性が高いことを示している。例えば、無操作時間が長い方が、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が低いため、イベント発生情報を電子時計1へ送信する必要性が高いといえる。したがって、無操作時間が長い方が、送信ポイントを大きく設定している。また、イベント毎に異なる送信ポイントの最大値を設定している。例えば、通話状態が通話中であると、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が極めて低いため、送信ポイントの最大値を、他の判定要素と比較して大きく設定している。
図11に示すように、重要度条件においては、イベント毎に重要度に応じた必要送信レベルが設定されている。図11においては、重要度の数字が大きいほど、重要なイベントであり、イベント発生情報を送信する必要性が大きいことを示している。すなわち、図11は、電話の着信、リマインダ、チャット、電子メールの順に重要度が高いと設定した例を示している。なお、イベントの重要度については、予め設定されていてもよいし、ユーザが設定することにより変更可能としてもよい。または、イベントの発生頻度に応じて、CPUが自動設定してもよい。その場合、例えば、発生頻度の高いイベントについては、重要度が低くなるよう設定されるとよい。発生頻度の高いイベントについて、イベント発生情報が送信される可能性を低くすることにより、電子時計1の消費電力を抑制することができる。
第3実施形態においては、利用可能な判定要素についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの合計ポイントの最大値に対する、現在の状態の送信ポイントの合計ポイントの割合(図10中の送信レベル)が、図11に示す必要送信レベル以上か否かに基づいて、判定部37がイベント発生情報の送信の可否を判定する。ここで、現在の状態とは、イベントが発生した際に状態認識部31が認識した携帯端末20又は携帯端末20の周囲の状態である。
具体的には、電話の着信があった場合においては送信レベルが10%以上であれば、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。リマインダがあった場合においては送信レベルが50%以上であれば、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。チャットがあった場合においては送信レベルが70%以上であれば、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。電子メールを受信した場合においては送信レベルが90%以上であれば、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。
図10に示す例においては、利用可能な判定要素(近接状態、姿勢、使用状態、通話状態、画面ロック状態、無操作時間、時計との無線信号強度、最後にイベントが発生してからの経過時間)についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの合計ポイントの最大値は550である。また、図10に示す例においては、現在の状態の項目に「○」が記載される状態にあると状態認識部31が認識したことを示しており、現在の状態の送信ポイントの合計ポイントは220である。すなわち、送信レベルは40%(220÷550)である。したがって、電話の着信があった場合においては、必要送信レベル10%<送信レベル40%であるため、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。一方、リマインダ、チャット、又は電子メールがあった場合においては、必要送信レベル50%、70%、90%>送信レベル40%であるため、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。
以上説明したように、第3実施形態においては、携帯端末20に発生したイベント毎にイベント発生情報の送信の可否を判定するため、イベントの重要度に応じた、イベント発生情報の送信を行うことができる。すなわち、重要度の高いイベントを漏れなくユーザに通知し、重要度の低いイベントが携帯端末20及び電子時計1から二重に通知されることによる煩わしさを抑制することができる。なお、第3実施形態においては、送信レベルが必要送信レベル以上であるか否かに基づいて、イベント発生情報の送信の可否の判定を行う例について示したが、これに限られるものではなく、送信ポイントの合計ポイントがイベント毎に設定された所定の閾値以上か否かに基づいて、イベント発生情報の送信の可否を判定してもよい。
図11〜図13を参照して、第3実施形態の変形例について説明する。図12、図13は、第3実施形態の変形例における判定条件に一例を示す図である。
第3実施形態の変形例においては、判定条件記憶部34が、図11に示す重要度条件と、図12に示す基本判定条件と、図13に示す重み付け判定条件を記憶する例について説明する。本変形例においては、選択部36は、少なくとも図12に示す基本判定条件を選択する。基本判定条件においては、端末状態認識部32により認識される画面ロック状態(判定要素1)と、端末状態認識部32により認識される携帯端末20の姿勢(判定要素2)と、最後にイベントが発生してからの経過時間(判定要素3)を判定要素として用いる。
また、選択部36が、重み付け判定条件に示される7種類の判定要素(近接状態、使用状態、通話状態、無操作時間、時計との無線信号強度、照度、顔検知の有無)のうち利用可能な判定要素を用いた判定条件を選択する。図13においては、携帯端末20が照度センサ26cを備えないことより判定要素として照度を利用できず、また、アクセス権限を有しないことより判定要素として顔検知の有無を利用できない場合の例を示している。すなわち、選択部36が、その他の5種類の判定要素を用いた判定条件を選択した例について示している。
第3実施形態の変形例においては、図12に示す基本判定条件に含まれる判定要素についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの最大値と、図13に示す利用可能な判定要素についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの合計ポイントの最大値とを合わせた値に対する、現在の状態の送信ポイントの合計ポイントの割合が、図11に示す必要送信レベル以上か否かに基づいて、判定部37がイベント発生情報の送信の可否を判定する。
なお、基本判定条件に含まれる判定要素としては、携帯端末20に一般的に搭載される機能に関する判定要素であって、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつくか否かの判定に大きく影響するものを用いた。例えば、画面ロック状態であると認識された場合、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性は極めて低い。また、基本判定条件に設定される送信ポイントが、図13に示す重み付け判定条件に含まれる判定要素に設定される送信ポイントと比較して大きくなるように重み付けを行った。
図12に示す例においては、基本判定条件に含まれる判定要素についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの最大値は300である。図13に示す例においては、利用可能な判定要素(近接状態、使用状態、通話状態、無操作時間、時計との無線信号強度)についての状態毎に重み付けされた送信ポイントの合計ポイントの最大値は300である。すなわち、それらを合わせた値は600である。
また、図12に示す例においては、現在の状態の項目に「○」が記載される状態にあると状態認識部31が認識したことを示しており、その送信ポイントは300である。図13に示す例においては、現在の状態の項目に「○」が記載される状態にあると状態認識部31が認識したことを示しており、現在の状態の送信ポイントの合計ポイントは120である。すなわち、送信レベルは70%((120+300)÷600)である。したがって、電話の着信又はリマインダがあった場合においては、必要送信レベル10%、50%<送信レベル70%であるため、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信すると判定する。一方、チャット又は電子メールがあった場合においては、必要送信レベル70%、90%≧送信レベル70%であるため、判定部37は、端末通信部25から時計通信部12へイベント発生情報を送信しないと判定する。
以上説明したように、第3実施形態の変形例においては、基本判定条件に含まれる判定要素についての送信ポイントが大きくなるように重み付けをした。これにより、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高い状況において、携帯端末20及び電子時計1からイベント発生情報が二重に通知されることをより精度よく抑制することができる。
図14、図15を参照して、第4実施形態について説明する。図14、図15は、第4実施形態における判定条件に一例を示す図である。
第4実施形態においては、判定条件記憶部34が、図14に示す判定条件と、図15に示す判定条件とを含む複数の判定条件を記憶している。選択部36は、携帯端末20の姿勢及び使用状態を判定要素として利用できる場合、図14に示す判定条件を選択し、照度及び使用状態を判定要素として利用できる場合、図15に示す判定条件を選択する。なお、図14、図15において、判定部37がイベント発生情報を送信すると判定する場合を「時計へ送信許可」とし、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する場合を「時計への送信禁止」として示す。後述する図17〜図20においても同様とする。
図14においては、横軸が加速度センサ26bにより検知された加速度の向きに関する出力値を示し、縦軸が加速度センサ26bにより検知された加速度変化に関する出力値を示す。状態認識部31は、加速度の向きに関する出力値の大きさに応じて、携帯端末20の姿勢が、伏せ状態であるか否かを認識する。また、状態認識部31は、加速度変化に関する出力値の大きさに応じて、携帯端末20の使用状態が、移動状態、ユーザによる手持ち状態、又は静止状態のいずれの状態であるかを認識する。
図15においては、横軸が照度センサ26cにより検知された照度に関する出力値を示し、縦軸が加速度センサ26bにより検知された加速度変化に関する出力値を示す。状態認識部31は、照度センサ26cにより検知された照度に関する出力値の大きさに応じて、携帯端末20が暗所、屋内、又は屋外のいずれにある状態であるかを認識する。
選択部36が図14に示す判定条件を選択した場合において、携帯端末20の姿勢が伏せ以外の状態であり、かつユーザに手持された状態であると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。携帯端末20の姿勢が伏せ以外の状態であり、かつユーザに手持ちされた状態においては、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高いためである。その他の場合においては、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。
選択部36が図15に示す判定条件を選択した場合において、携帯端末20が屋内又は屋外にあり、ユーザに手持ちされた状態であると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。携帯端末20が暗所にある状態でなく、かつユーザに手持ちされた状態においては、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高いためである。その他の場合においては、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。
図14、図16を参照して、第4実施形態の変形例について説明する。第4実施形態の変形例においては、判定条件記憶部34が、図14に示す判定条件と、図16に示す判定条件とを含む複数の判定条件を記憶している。選択部36は、携帯端末20の姿勢及び使用状態を判定要素として利用できる場合、図14に示す判定条件を選択し、照度及び使用状態を判定要素として利用できる場合、図16に示す判定条件を選択する。選択部36が図14に示す判定条件を選択した場合におけるイベント発生情報の送信の可否の判定については、上述の第4実施形態と同様であるため、説明は省略する。
選択部36が図16に示す判定条件を選択した場合において、図15に示す判定条件と同様に、携帯端末20が屋内又は屋外にあり、ユーザに手持ちされた状態であると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。
図16に示す判定条件においては、携帯端末20が手持ち状態であると状態識別部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲を図15に示す判定条件よりも広くした。具体的には、図16に示すように、照度センサ26cが検知した出力値が、携帯端末20が屋内にあると状態認識部31が認識する範囲内にあり、その出力値が大きくなるにつれて、携帯端末20が手持ち状態であると状態認識部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲を広くした。そして、照度センサ26cが検知した出力値が、携帯端末20が屋外にあると状態認識部31が認識する範囲内にある場合、その出力値が大きくなるにつれて、携帯端末20が手持ち状態であると状態認識部31が認識する加速度26bの出力値の範囲を狭くした。
そして、携帯端末20が手持ち状態であると状態識別部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲を図15に示す判定条件よりも広くするのに合わせて、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値を広くした。すなわち、照度センサ26cが検知した出力値が、携帯端末20が屋内にあると状態認識部31が認識する範囲内にあり、その出力値が大きくなるにつれて、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を広くした。そして、照度センサ26cが検知した出力値が、携帯端末20が屋外にあると状態認識部31が認識する範囲内にある場合、その出力値が大きくなるにつれて、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を狭くした。
図16に示す携帯端末20が手持ち状態にあると状態認識部31が認識する加速度26bが検知する出力値の閾値は一例であり、これに限られるものではない。例えば、照度センサ26cが検知した出力値が、携帯端末20が屋外にあると状態認識部31が認識する範囲内にある場合においても、その出力値が大きくなるにつれて、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を広くしてもよい。
なお、図16においては、携帯端末20が手持ち状態であると状態識別部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲を図15に示す判定条件よりも広くするのに合わせて、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値を広くする例について示したがこれに限られるものではない。例えば、イベント発生情報を送信しないと判定部37が判定する加速度センサ26bの出力値の範囲のみを図15に示す判定条件よりも広くし、携帯端末20が手持ち状態であると状態識別部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲については図15に示す判定条件と同じであってもよい。この場合、状態認識部31が、携帯端末20の使用状態がいずれに該当すると認識するかに依らず、単純に加速度センサ26bの出力値に基づいて、判定部37がイベント発生情報を送信するか否かを判定することとなる。なお、後述する図17〜図20についても同様である。
以上説明したように、第4実施形態の変形例においては、携帯端末20が手持ち状態であって、屋内又は屋外にあると認識された場合でなくても、ユーザが携帯端末20にイベントが発生したことに気がつく可能性が高い場合においては、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定することとした。これにより、携帯端末20及び電子時計1からイベント発生情報が二重に通知されることによる煩わしさをより確実に抑制することができる。
図17、図18を参照して、第5実施形態について説明する。図17、図18は、第5施形態における判定条件に一例を示す図である。
第5実施形態においては、判定条件記憶部34が、図17に示す判定条件と、図18に示す判定条件とを含む複数の判定条件を記憶している。選択部36は、携帯端末20の使用状態を判定要素として利用できる場合、図17に示す判定条件を選択し、照度を判定要素として利用できる場合、図18に示す判定条件を選択する。
第5実施形態においては、発生したイベントの重要度に応じて、携帯端末20が手持ち状態にあると状態認識部31が認識する加速度センサ26bが検知する出力値の範囲、及び携帯端末20が屋内にあると状態認識部31が認識する照度センサ26cが検知する出力値の範囲を変える例について示す。また、それら出力値の範囲を変えるのに合わせて、判定部37がイベント発生条件を送信するか否かを判定する出力値の範囲を変える例について示す。例えば、図17に示す判定条件においては、電話の着信、電子メール、SNSによる通知の順に重要度が高いとした場合、重要度の最も高い電話の着信については、他のイベントと比較して、携帯端末20が手持ち状態にあると状態認識部31が認識する加速度センサ26bが検知する出力値の範囲を狭くした。これに合わせて、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を狭くした。このように、携帯端末20が手持ち状態にあると状態認識部31が認識する場合、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定することとした。
一方、重要度の最も低いSNSによる通知については、他のイベントと比較して、携帯端末20が手持ち状態にあると状態認識部31が認識する加速度センサ26bが検知する出力値の範囲を広くした。これに合わせて、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を広くした。
また、図18に示す判定条件においては、重要度の最も高い電話の着信については、他のイベントと比較して、携帯端末20が屋内にあると状態認識部31が認識する照度センサ26cが検知する出力値の範囲を狭くした。これに合わせて、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する照度センサ26cの出力値の範囲を狭くした。このように、携帯端末20が屋内にあると状態認識部31が認識する場合、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定することとした。
以上説明したように、第5実施形態においては、発生したイベントの重要度に応じて、イベント発生情報の送信の可否の基準を変えた。これにより、重要度の高いイベントを漏れなくユーザに通知し、重要度の低いイベントに関するイベント発生情報が携帯端末20及び電子時計1から二重に通知されることによる煩わしさを抑制することができる。
図19、図20を参照して、第6実施形態について説明する。図19、図20は、第6実施形態における判定条件に一例を示す図である。
第6実施形態においては、判定条件記憶部34が、図19に示す2つの判定条件a、bと、図20に示す2つの判定条件c、dとを含む複数の判定条件を記憶する例について説明する。
選択部36は、携帯端末20の使用状態を判定要素として利用できる場合、図19に示す判定条件a又は判定条件bを選択する。また、選択部36は、判定条件a及び判定条件bのうち、最後にイベント発生情報を送信してから所定時間外であれば判定条件aを選択し、最後にイベント発生情報を送信してから所定時間内であれば判定条件bを選択する。
選択部36が判定条件aを選択した場合、使用状態が手持ち状態であると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合は、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。
選択部36が判定条件bを選択した場合においても、使用状態が手持ち状態であると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。ここで、判定条件bにおいては、携帯端末20が手持ち状態であると状態認識部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲を、判定条件aと比較して広くした。それに合わせて、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する加速度センサ26bの出力値の範囲を広くした。
選択部36は、使用状態及び照度を判定要素として利用できる場合、図20に示す判定条件c又は判定条件dを選択する。また、選択部36は、判定条件c又は判定条件dのうち、最後にイベント発生情報を送信してから所定時間外であれば判定条件cを選択し、最後にイベント発生情報を送信してから所定時間内であれば判定条件dを選択する。
選択部36が判定条件cを選択した場合、携帯端末20の使用状態が手持ち状態であり、携帯端末20が屋内又は屋外にあると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。その他の場合においては、判定部37はイベント発生情報を送信すると判定する。
選択部36が判定条件dを選択した場合においても、使用状態が手持ち状態であり、携帯端末20が屋内又は屋外にあると認識された場合、判定部37はイベント発生情報を送信しないと判定する。ここで、判定条件dにおいては、携帯端末20が手持ち状態であると状態認識部31が認識する加速度センサ26bの出力値の範囲、及び携帯端末20が屋内又は屋外にあると状態認識部31が認識する照度センサ26cの出力値の範囲を判定条件cと比較して広くした。それに合わせて、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する加速度センサ26bの出力値の範囲、及び照度センサ26cの出力値の範囲を広くした。
以上説明したように、第6実施形態においては、最後にイベント発生情報を送信してからの経過時間に応じて、選択部36が選択する判定条件を変えた。具体的には、最後にイベント発生情報を送信してから所定時間内であれば、イベント発生情報をユーザに通知する必要性が低いため、判定部37がイベント発生情報の送信をしないと判定する可能性が高い判定条件b又は判定条件dが選択部36により選択されることとした。
また、第6実施形態においては、例えば、最後に送信されたイベント情報と同じ種類のイベント発生情報が発生するまでの経過時間が所定の範囲内にあるか否かに基づいて、選択部36が複数の判定条件のうちいずれかを選択してよい。具体的には、最後に送信されたイベント情報と同じ種類のイベント発生情報が所定の経過時間内に発生した場合、イベント発生情報を送信する可能性が低い判定条件を選択部36が選択するとよい。電子時計1の消費電力を抑制するためである。
上記各実施形態においては、イベント発生情報を不要に送信することが抑制される。その結果、ユーザが携帯端末20及び電子時計1から二重の通知を受けることによる煩わしさを抑制し、電子時計1の消費電力を抑制することができる。
なお、上記各実施形態で説明した判定要素は一例であって、他の判定要素を判定条件に含めてもよい。例えば、判定要素として、イベント発生情報の発生頻度を判定条件に含めてもよい。具体的には、他のイベントよりも1日の中で発生する頻度が高いイベントについては、イベント発生情報の送信をしないと判定する可能性が高い判定条件を、選択部36が選択するとよい。電子時計1の消費電力を抑制するためである。また、第3実施形態及び第5実施形態で説明した、イベント発生情報の重要度を判定要素として、他の実施形態の判定条件に含めてもよい。
また、判定要素として、予め設定した時間帯であるか否かを判定条件に含めてもよい。具体的には、例えば、ユーザの勤務時間であれば、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する可能性が高い判定条件を用いるとよい。また、判定要素として、携帯端末20の位置情報を判定条件に含めてもよい。具体的には、例えば、携帯端末20が勤務地の敷地内にある場合、判定部37がイベント発生情報を送信しないと判定する可能性が高い判定条件を用いるとよい。なお、この場合、位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)機能を携帯端末20が備えておくとよい。
また、電子時計1以外の他の外部電子機器が携帯端末20に対して近距離無線通信により接続されており、イベント発生情報が他の外部電子機器に送信されるよう設定されている場合は、判定部37がイベント発生情報を電子時計1へ送信しないと判定する可能性が高い判定条件を用いるとよい。
さらに、判定要素として、携帯端末20において、画面が消灯しているか否か、画面がフルスクリーン(動画再生中やゲームプレイ中)になっているか否か、タッチパネルに指が触れているか否か、音楽再生中であるか否か、スリープモードになっているか否か、マナーモードになっているか否か、バイブレーションモードになっているか否か、サイレントモードになっているか否か、ナイトモードになっているか否か、通知音がOFF状態になっているか否か、バイブレーションがOFF状態になっているか否か、カメラ26dのレンズが塞がれているか否か、カメラ26dで検知した人物の目線がカメラ26dを見る方向に向いているか否か、等を判定条件に含めてもよい。
なお、上記各実施形態における端末通信部25が本発明の送信部に対応し、時計通信部12が受信部に対応する構成である。
さらに、イベント発生情報を送信したか否かに関する送信履歴を記録部38に記録し、ユーザが送信履歴を確認できるよう、図21に示すように、送信履歴を携帯端末20の画面に表示させる構成を採用してもよい。
図21は、送信履歴が表示される携帯端末の画面の一例を示す図である。図21においては、12時3分、12時39分、12時40分、15時12分にイベントが発生した場合における、携帯端末20の画面に表示される送信履歴を示す。また、図21においては、12時40分に発生したイベントである電子メールに関するイベント発生情報は、電子時計1へ送信されなかったことを示しており(図中の「×」)、他の時間に発生したイベントに関するイベント発生情報は、電子時計1へ送信されたことを示している(図中の「○」)。ユーザは、このような送信履歴を見ることにより、電子時計1からイベント発生情報の通知を受けなかった場合であっても、携帯端末20が正常に動作していることを確認することができる。
なお、記録部38は、電子時計1に設けられてもよい。この場合、例えば、電子時計1にテキスト表示が可能な表示画面を設け、その表示画面に、送信履歴を表示するとよい。
図22は、第1〜第6実施形態における、イベント発生情報の送信の可否の判定について説明するフローチャートである。まず、イベント取得部23が携帯端末20に発生したイベントを取得する(ステップS1)。次に、選択部36が、利用可能な判定要素に基づいて、判定条件記憶部34に記憶される複数の判定条件のうちいずれかを選択する(ステップS2)。また、状態認識部31が、携帯端末20又は携帯端末20の周囲の状態を認識する(ステップS3)。そして、判定部37が、選択部36により選択された判定条件と、状態認識部31により認識された判定要素についての状態に基づいて、イベント発生情報の送信の可否を判定する(ステップS4)。判定部37がイベント発生情報を電子時計1へ送信すると判定した場合(ステップS4のYES)、端末通信部25が時計通信部12へイベント発生情報を送信する(ステップS5)。イベント発生情報が送信されると、記録部38がイベント発生情報を送信したことを送信履歴として記録する(ステップS6)。一方、判定部37がイベント発生情報を電子時計1へ送信しないと判定した場合(ステップS4のNO)、端末通信部25は時計通信部12へイベント発生情報を送信せず、記録部38がイベント発生情報を送信しなかったことを未送信履歴として記録する(ステップS7)。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。