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JP6790508B2 - データ流量制御方法、無線基地局装置、サーバ装置、中継装置、通信システム、プログラム - Google Patents

データ流量制御方法、無線基地局装置、サーバ装置、中継装置、通信システム、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、データ流量制御方法、無線基地局装置、サーバ装置、中継装置、通信システム、プログラムに関する。
TCP(Transmission Control Protocol)で送信されるパケットにはシーケンス番号(SN:Sequence Number)が付与され、受信側では、受信したパケットをシーケンス番号順に上位レイヤへ送る順序制御が行われる(非特許文献1)。なお、TCPはOSI(Open Systems Interconnection)基本参照モデルにおけるレイヤ4(トランスポート層)のプロトコルである。
また、TCPでは、送信したパケットが正しく受信側で受理されたことを送信側に送り返す確認応答(ACK:Acknowledgement)が行われる。パケットを送信してから一定時間の間に確認応答が得られなかったパケットは再送される(非特許文献1)。この再送するまでの待ち時間を、「再送タイムアウト」(RTO:Retransmission Time Out)と呼ぶ。
また、TCPでは、ネットワークの輻輳状況に応じて、送信側が送信する単位時間当たりのデータ量を制御する輻輳制御が行われる(非特許文献2)。具体的には、送信側に設けられた「輻輳ウィンドウ」(CWND:Congestion Window)と呼ばれるウィンドウ内のパケットが送信される。この輻輳ウィンドウのサイズ(Congestion Window Size)は、基本的に、送信したパケットの確認応答が得られた場合に増加し、再送タイムアウトが発生した場合に減少する。
近年、インターネットの普及に伴うネットワークトラヒックの増加に対応するため、有線通信では、光ファイバーによる通信など、大容量化が進んでいる。
また、ネットワークの大容量化や端末機器の高度化に伴うリッチコンテンツやリッチアプリケーションの増加から、通信フロー毎の高速化のため、輻輳制御方式の検討も盛んに提案されている。
また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の普及を背景に、上記ネットワークトラフィックを無線通信で送信及び/又は受信する割合も増大している。そのため、無線通信の高速化も重要である。例えば3GPP(Third Generation Partnership Project)では、LTE(Long Term Evolution)やLTE Advancedの標準化が進められている。
LTEやLTE Advancedで規定されるプロトコルは、OSI基本参照モデルにおけるレイヤ2(データリンク層)以下のプロトコルに該当する。そのため、LTEなどの無線通信システムを含む通信システムでは、図14に例示するように、無線端末910とサーバ装置930とは、TCPなど、OSI基本参照モデルにおけるレイヤ3(ネットワーク層)以上のプロトコルを用いて通信する。一方、無線端末910と無線基地局920とはレイヤ2以下のプロトコル(LTEまたはLTE Advanced)を用いて通信する。図14は、LTEを用いた通信システムにおけるU−Plane(User−Plane)のプロトコルスタックを模式的に示す図である。無線端末910と無線基地局920間の無線区間においてレイヤ1はPHY(Physical Layer:物理層)、レイヤ2はMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)、RLC(Radio Link Control:無線リンク制御)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol:パケットデータコンバージェンスプロトコル)からなる。なお、C−Plane(Control Plane)では、PDCPの上のRRC(Radio Resource Control)が無線区間のチャネルの割り当てなどを行い、呼の制御等は無線端末910とコアネットワークノード(例えばMME(Mobility Management Entity)やSGSN(Serving GPRS(General Packet Radio Service) Support Node))との間でNAS(Non−Access Stratum)プロトコルによって行われる。無線基地局920のコアネットワーク側のUDP(User Datagram Protocol)上のGTP−U(GPRS Tunneling Protocol User plane)はユーザデータを伝送するトンネルプロトコルである。コアネットワークのS−GW(Serving−Gateway)(不図示)を介して無線基地局に接続するとともに、パケットデータネットワーク(例えばインターネット等)と接続するP−GW(PDN(Packet Data Network)−Gateway)960とサーバ装置930間のL2インタフェースはイーサネット(Ethernet)(登録商標)であってもよい。
図15は、LTEを用いた通信システムを模式的に説明する図である。図15に模式的に示すように、無線基地局920とサーバ装置930とは、通信回線ネットワーク940(例えば、インターネットおよびLTEのコアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core))を介して接続され、無線端末910と無線基地局920とは無線インタフェース950を介して接続される。
このように、LTEを含む通信システムでは、無線端末910と無線基地局920との間(無線区間)と、無線基地局920とサーバ装置930との間(有線区間)とでプロトコルや通信特性が異なる。
また、一般的に、無線区間は、有線区間と比較して帯域変動(通信速度の変動)が大きい。このため、無線区間の帯域変動の影響を吸収することを目的として、無線基地局920は、無線端末910宛のデータを一時的に蓄積するバッファ921を備える。無線基地局920のバッファ921は、例えばサーバ装置930から到着した無線端末910宛のデータを、無線端末910へのレイヤ2での送信が完了するまで蓄積する。
ただし、無線区間の通信速度(スループット)の変動幅は、例えば数Kbps(Kilo bits per second)〜数百Mbps(Mega bits per second)と非常に広範囲である。
このため、サーバ装置930から無線基地局920のバッファ921へのデータ流入量を、バッファ921から無線端末910へのデータ送出量に合わせるように制御することが必要とされる。これは、仮に、このような制御を行わないと、バッファ921のオーバーフロー(データ溢れ)やアンダーフロー(データ枯渇)が発生する可能性があるためである。
例えば、輻輳によりバッファ921のオーバーフローが発生すると、バッファ921に入りきらなかったデータは、パケットごと破棄される(パケットロス)。そして、パケットが破棄されると、TCPにより、該パケットの送信元であるサーバ装置930から再送が行われる。同時に、TCPでは、上記した輻輳制御が行われる。すなわち、輻輳等によりパケットが喪失した場合、送信側が一度に送信できるデータ量の上限値である輻輳ウィンドウを減少させることで、輻輳を回避する。この結果、輻輳ウィンドウが減少し、サーバ装置930と無線基地局920間の通信回線940上での通信速度が低下する、という問題が発生する。
一方、無線基地局920のバッファ921にアンダーフローが発生すると、バッファ921から無線端末910へ送信するデータ(パケット)がなくなり、無線基地局920と無線端末910間の無線インタフェース950の無線帯域の使用効率が低下する、という問題が発生する。
上述の問題を解決するため、無線基地局920のバッファ921に蓄積される無線端末910宛のデータ量が、当該無線端末910の無線区間の通信速度に基づく所定時間分の送信データ量に近づくように、バッファ921へのデータ流入量を制御する技術がいくつか提案されている。
例えば特許文献1には、移動局宛てのデータを中継する制御局と、前記制御局から送出された前記データを一時的にバッファに格納して前記移動局に送出する基地局とにおいて用いられる前記基地局へのデータ流入量制御方法であって、前記基地局と前記移動局との無線リンクの伝送レートと、前記バッファに滞留している前記データの量とに基づいて、前記データが前記移動局に送出されるまでに前記バッファに滞留するバッファ滞留予定時間を決定するステップと、決定した前記バッファ滞留予定時間に基づいて、前記制御局から送出される前記データの送出量を制御するステップと、を備えるデータ流入量制御方法が開示されている。特許文献1に開示された方法によれば、基地局は、当該基地局と移動局との間の無線リンクの伝送レート(無線区間の通信速度)を監視する。そして、基地局は、監視して得られた現在の伝送レートと、当該基地局のバッファに滞留する移動局宛のデータ量と、を用いて、該バッファに滞留する移動局宛のデータ量を、当該移動局の伝送レートに基づく所定時間分の送信データ量とするために必要となる該バッファへのデータ流入量を計算し、計算した前記データ流入量に関する情報を制御局に通知する。制御局は、基地局から通知された前記データ流入量に関する情報に基づき、該制御局から送出される該移動局宛のデータの送出量を制御する。
また、特許文献2には、無線基地局と、基地局制御装置(PCF:Packet Control Function)と、を備える移動体通信システムに関する技術が開示されている。無線基地局は、無線通信端末の受信状態に基づき推定される下りデータレートの期待値を示すデータレート情報を、無線通信端末から受信し、該データレート情報の一定期間における平均値が予め設定されたデータレート閾値を超えているか否かを判定し、前記平均値が前記データレート閾値を超えていないと判定された場合に、前記平均値が前記データレート閾値を超えていないことを示す閾値下通知を、前記基地局制御装置に送信する。前記基地局制御装置は、前記閾値下通知を受信した場合、前記無線通信端末と前記無線通信端末の通信先装置との間で実行される通信に割り当てる通信帯域を減少させることを決定し、決定した前記通信帯域を、通信先装置に通知する。
なお、モバイル通信では、通信に利用可能な周波数帯域や送信電力などの無線資源が限られている。このため、高速・大容量化の実現には、無線資源の利用の効率化が求められる。
モバイル通信において、無線資源の管理は、一般に、無線基地局のスケジューラで行われる。
一般的に、無線基地局のスケジューラは、無線端末から周期的にフィードバックされる無線回線の品質情報などを基に、各無線端末または各ベアラへの無線資源の割り当てを行う。ここで、ベアラとは、無線端末と無線基地局との間、無線端末とモバイルコアネットワークとの間、無線基地局とモバイルコアネットワークとの間、などにそれぞれ設定される論理的な回線をいう。LTEでは、無線ベアラ(RB:Radio Bearer)、ネットワークベアラ(Evolved Packet System(EPS) Bearer、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network) Radio Access Bearer(E−RAB)、S1 Bearer、S5/S8 Bearerなど)がある。EPSベアラは、無線端末(UE:User Equipment)毎にPGWと無線端末との間で確立されるユーザIPパケットを転送するベアラである。E−RABは、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)内において無線基地局(eNodeB)と無線端末(UE:User Equipment)の間に設定される無線アクセスベアラである。S1ベアラは、無線基地局(eNodeB)とSGWとの間で確立されるベアラである。S5/S8ベアラは、SGWとPGWとの間で確立されるベアラである。
非特許文献3に開示した方法によれば、無線基地局のスケジューラは、無線端末から周期的にフィードバックされる無線回線の品質情報から計算した無線資源を割り当てたときに期待される瞬時レートと、同無線端末の送信履歴から計算した平均レート、の2つから計算される無線資源の割り当て指標(「無線資源の割り当て優先度」ともいう)に基づき、無線資源を割り当てる。
LTEの場合、無線基地局のスケジューラは、各無線端末または各ベアラへ割り当てることができる周波数ブロックの割り当て最小単位であるリソースブロック(RB:Resource Block)、または、複数のRBからなるリソースブロックグループ(RBG:Resource Block Group)毎に割り当て指標を計算する。
割り当て指標の計算に用いる瞬時レートは、無線端末から無線基地局にフィードバックされる無線回線の品質情報であるCSI(Channel State information)に含まれるCQI(Channel Quality Indicator)が用いられる。
無線基地局は、CQIから換算した無線回線品質に基づき決定したMCS(Modulation and Coding Scheme)で送信可能なRBあたりのTBS(Transport Block Size)又はRBGあたりのTBSとするのが一般的である。
また、平均レートは、無線資源割り当てを行う最小時間単位であるTTI(Transmission Time Interval)毎の送信ビット数を時間平均した値である。例えば、瞬時レートを平均レートで割った値が無線資源の割り当て指標(割り当て優先度)として用いられる。
一般的に、無線基地局のスケジューラは、該割り当て指標の大きい無線端末またはベアラから順にRBを割り当てる。その結果、各無線端末は、平均的な無線回線品質に対して、瞬時の無線回線品質が相対的に高いRBへの割り当てが優先されることになる。このため、無線容量の改善に寄与できる。
また、平均レートは、無線資源が割り当てられない場合には、減少する。平均レートが減少すると、瞬時レートを平均レートで割った値(無線資源の割り当て指標)が増大し、無線資源の次の割り当て機会での割り当て確率が増加する。その結果、通信路品質が劣悪な無線端末であっても、無線資源の割り当て機会が回ってくる。このため、無線端末間で、無線資源の割り当て機会の公平性にも寄与できる。
近年、モバイルデータトラフィックの内訳も多様化していることから、高速・大容量化の実現に加え、各アプリケーションを、良好な体感品質(QoE:Quality of Experience)で安定的に提供することが、モバイル通信事業者の競争戦略上、重要テーマの1つとなっている。そのため、QoEを考慮したスケジューラが注目されている。
特許文献3に開示された方法によれば、無線基地局は、モバイルコアネットワークから到着したパケットのトラフィック種別を識別し、識別されたトラフィック種別に応じた許容遅延量や目標伝送レートを設定する。そして、無線基地局は、当該許容遅延量や当該目標伝送レートを満足するように、各パケットに対する無線リソースの割り当てを制御する。例えば、無線基地局にて測定された特定の通信の伝送レートが、当該通信のトラフィック種別によって規定される目標伝送レートに満たない場合には、当該通信に対する無線リソースの割り当て優先度が増加される。
また、特許文献4に開示された方法によれば、無線基地局は、トラフィック種別毎に、無線資源の割り当てとQoEとの関連を示すQoE関数を管理する。無線基地局のスケジューラは、各無線端末のトラフィック種別を識別するとともに、非特許文献1に開示した方法などにより無線端末への無線資源の仮割り当てを行い、その仮割り当て結果に基づき、QoE関数を用いて各無線端末のQoEを計算する。そして、無線基地局のスケジューラは、計算したQoEがトラフィック種別毎に規定される所要条件を満たす無線端末に対し、同無線端末が所定条件を満たす範囲で、仮割り当てた無線資源の一部を、計算したQoEがトラフィック種別毎に規定される所要条件を満たせない無線端末に融通する。その結果、前記所要条件を満たす無線端末に対して規定のQoEを満足させながら、前記所定条件を満たせない無線端末のQoEを改善できる。
特許第4176576号公報 特開2008−141258号公報 特許第4335619号公報 特許第5011408号公報
J. Postel,"Transmission Control Protocol",STD 7, RFC 793, Sept. 1981 M.Allman, V. Paxson,W. Stevens, "TCP Congestion Control", RFC 2581, April 1999 Christian Wengerter et al,"Fairness and Throughput Analysis for Generalized Proportional Fair Frequency Scheduling in OFDMA," VTC 2005−Spring. 2005 IEEE 61st (Volume:3) 大森その他、"下りリンクSpread OFDMブロードバンド無線アクセスにおけるQoSに基づく遅延を考慮した周波数スケジューリングの効果", 信学技報RCS2004−276 (2005年1月)
以下に関連技術の分析を与える。
各無線端末に対する無線資源の割り当て優先度が変更されると、各無線端末に割り当てられる無線資源の量が増減するため、各無線端末の無線区間のスループットは急激に変化する。
このとき、特許文献1または特許文献2に開示された技術では、無線基地局のスケジューラによる無線区間の通信速度の急激な変化への対応が不十分である、という問題がある。この点について、図16、図17を参照して説明する。なお、図16、図17は、本発明の課題を説明するために本願発明者が新たに作成した図である。
例えば、現在の無線区間のスループットが低く、許容遅延内の送信完了が厳しい無線端末に対し、無線基地局のスケジューラにより、無線資源の割り当て優先度を更新し(増加させ)(図16の(1)から(2))、ある無線端末の割り当て優先度が相対的に高くなると、当該無線端末は、割り当て無線資源の増加により、無線区間のスループットが急増する。このため、無線基地局のバッファから送出されるデータ量が急増する。
このとき、特許文献1または特許文献2に開示された技術では、制御に用いる無線区間のスループットの実測値または平均値に基づく無線基地局のバッファへのデータ流入量に係る情報を、無線基地局から制御局(制御装置)にフィードバックしていることから、無線区間のスループットの急増を反映した制御が制御局(制御装置)で行われるまでには、時間を要する。無線区間のスループットの急増を反映した制御が開始されるまでの間、無線基地局のバッファへのデータ流入量は増加しない。
このため、特許文献1または特許文献2に開示された技術では、無線基地局のバッファへ流入されるデータ量(データ流入量)が、無線基地局の該バッファから送出されるデータ量(データ送出量)よりも小さくなり、該バッファに蓄積される無線端末宛のデータ量が減少する時間帯が発生する。すなわち、図16の(2)に示すように、割り当て優先度を増加した結果、無線基地局のバッファのデータ蓄積量は目標サイズよりも少なくなる。図16の(2)の状態が長く続くと、図16の(3)に示すように、バッファのアンダーフロー(データ枯渇)が発生する。バッファのアンダーフロー(データ枯渇)が発生すると、許容遅延内の送信完了に必要なデータ量を前記無線端末へ送信することができず、当該無線端末のQoEを改善できない。
また、許容遅延内の送信完了が厳しい無線端末に対して割り当てる無線資源を増加させると、他の無線端末は、該他の無線端末に対して割り当てられる無線資源の低下により、無線区間のスループットが急減する。そのため、該他の無線端末では、バッファから送出されるデータ量が急減する場合がある。この場合、特許文献1または特許文献2に開示された技術では、制御局(制御装置)が無線区間のスループット急減を反映した制御を行うまでに時間を要する。このため、無線基地局のバッファへ流入されるデータ量(データ流入量)が、該バッファから送出されるデータ量(データ送出量)よりも大きくなり、該バッファに蓄積される該他の無線端末宛のデータ量が増加する時間帯が発生する(図17の(2))。この時間帯が長いと、バッファのオーバーフロー(図17の(3)のデータ溢れ)が発生する。バッファのオーバーフロー(データ溢れ)が発生すると、バッファに入りきらず破棄(パケットロス)されたデータ(パケット)が、TCPにより再送され、輻輳制御により通信速度が低下する。その結果、前記無線端末のQoEが低下してしまう。
なお、上述の問題は、スケジューラ等により各無線端末に対する無線資源の割り当て優先度を変更する場合に限らない。
例えば、アプリケーションの状態や無線回線品質を考慮して、
・リファレンス信号(RS:Reference Signal)に割り当てる送信電力、
・下りデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)に割り当てる送信電力に関するパラメータ(RS−to−PDSCH Offset、P、P、ρ/ρ、δpower-offset)、
・送信モード(Transmission Mode)、
・実際に使用されるアンテナコンフィギュレーション(Antenna Configuration)、
・ビームフォーミング(Beam Forming)にて形成する送信ビーム、
・無線通信に使用するキャリア周波数(Carrier Frequency)または
・キャリア周波数に係るパラメータ(E−UTRA(Evolved−Universal Terrestrial Radio Access) Operating Band、EARFCN(EUTRA Absolute Radio−Frequency Channel Number))、または
・キャリア周波数に係る無線回線品質やトラフィック負荷、
・キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)で使用するコンポーネントキャリア(Component Carrier)、
・無線端末のカテゴリ(UE(User Equipment) Category、DL(Down Link) Category、UL(Uplink) Category)、RAT(Radio Access Technology)など、
無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更する場合においても、同様に発生する。
無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合でも、当該無線基地局のバッファへのデータ流入量を適正化し、該バッファのオーバーフローやアンダーフローを回避可能とするシステムの実現が望まれる(本願発明者による知見)。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的の一つは、無線基地局が無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合でも、当該無線基地局のバッファへのオーバーフローやアンダーフローを回避可能とするデータ流量制御方法、装置、通信システム及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の形態によれば、無線資源の割り当てに係る無線パラメータに変更があると、無線端末宛のデータを受けた無線基地局が前記データを一時的に格納するバッファからの無線端末に対するデータ送出量の推定値を、前記無線パラメータの変更を考慮して算出する送出量推定ステップと、
前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量とに基づき、前記バッファへのデータ流入量を制御する流入量制御ステップと、を有するデータ流量制御方法が提供される。
本発明の第2の形態によれば、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、前記データ流入量を前記送信元に通知する情報通知部と、を含む無線基地局装置が提供される。
本発明の第3の形態によれば、無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を、通信網を介して受信する機能と、前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する流入量制御部と、を含むことを特徴とするサーバ装置が提供される。
本発明の第4の形態によれば、無線基地局とサーバ装置との間に接続され、前記サーバ装置から前記無線基地局に向けて送信される無線端末宛てのデータを中継する機能と、
無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を、通信網を介して、受信する受信機能と、前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御するデータ量制御部と、を含む中継装置が提供される。
本発明の第5の形態によれば、無線端末と、無線基地局と、サーバ装置と、を備えた通信システムが提供される。
前記無線基地局は、前記サーバ装置から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記サーバ装置から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、前記データ流入量を前記サーバ装置に通知する情報通知部と、を含む。
前記サーバ装置は、前記無線基地局から送信されたデータ流入量を受け、前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する流入量制御部を含む。
本発明の第6の形態によれば、無線端末と、無線基地局と、サーバ装置と、前記無線基地局と前記サーバ装置との間に接続された中継装置と、を備えた通信システムが提供される。
前記無線基地局は、前記サーバ装置から前記中継装置を介して送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、前記データ流入量を前記中継装置に通知する情報通知部と、を含む。
前記中継装置は、前記無線基地局で算出された前記無線端末宛てのデータ流入量情報を受信する受信機能と、前記サーバ装置から送信された前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に中継するにあたり、前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御するデータ量制御部と、を含む。
本発明の第7の形態によれば、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファを備え、前記バッファに格納したデータを無線資源の割り当て結果に基づき前記無線端末宛てに送出する機能を含む基地局装置を構成するコンピュータに、
前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する処理と、
前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する処理と、
前記データ流入量を前記送信元に通知する処理と、
を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第8の形態によれば、サーバ装置を構成するコンピュータに、
無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を通信網を介して受信する処理と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する処理と、
を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第9の形態によれば、無線基地局とサーバ装置との間に接続され、前記サーバ装置から前記無線基地局に向けて送信される無線端末宛てのデータを中継する中継装置を構成するコンピュータに、
無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を通信網を介して受信する処理と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する処理と、を実行させるプログラムが提供される。
本発明によれば、第7乃至第9の上記プログラムをそれぞれ記憶したコンピュータ読み出し可能な記録媒体(例えばHDD(Hard Disk Drive)又はCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)あるいは半導体ストレージデバイス等のnon−transitory computer readable recording medium)が提供される。
本発明によれば、無線基地局が無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合でも、バッファのオーバーフローやアンダーフローを回避することを可能としている。
本発明の第1の実施形態における通信システムの構成の一例を例示する図である。 本発明の第1の実施形態における無線基地局とサーバ装置の機能の一例を模式的に例示する図である。 本発明の第1の実施形態における無線基地局の変更検出部と送出量推定部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 本発明の第1の実施形態における無線基地局の送出量推定部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 本発明の第1の実施形態と第2の実施形態における無線基地局の流入量制御部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 (A)、(B)は、本発明の第1の実施形態と第2の実施形態におけるサーバ装置の流入量制御部の処理手順を説明する流れ図である。 本発明の第2の実施形態における無線基地局の送出量推定部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 本発明の第3の実施形態における通信システムの構成の一例を模式的に例示する図である。 本発明の第3の実施形態における無線基地局とサーバ装置の機能の一例を例示する図である。 本発明の第3の実施形態における無線基地局の送出量推定部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 本発明の第4の実施形態における無線基地局の送出量推定部の動作手順の一例を説明する流れ図である。 本発明の第5の実施形態における通信システムの変形例の構成例を例示する図である。 (A)、(B)、(C)は本発明の実施形態における無線基地局、サーバ装置送信制御装置の構成例(情報処理装置への実装例)を例示する図である。 LTEを用いた通信システムのプロトコルスタックを表す図である。 LTEを用いた通信システムを表す図である。 本発明の課題を説明するために作成した図である。 本発明の課題を説明するために作成した図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態を含む本発明の実施の形態の説明で参照される図面上の参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
<第1の実施形態>
[構成・機能の説明]
図1は、本発明の例示的な第1の実施形態に係る通信システム1の構成の一例を模式的に例示する図である。図1を参照すると、通信システム1は、無線端末10と、無線基地局20と、サーバ装置30と、を備える。なお、単に、説明の便宜上、図1において、通信システム1は、無線端末10と無線基地局と20サーバ装置と30をそれぞれ1つ備えた構成として例示されている。なお、無線端末10の数は幾つであってもよい。同様に、無線基地局20の数やサーバ装置30の数も幾つであってもよい。無線端末10と無線基地局20はモバイルアクセスネットワーク11を介して通信するように構成されている。
また、無線基地局20とサーバ装置30は、通信回線ネットワーク50(NW:Network)を介して、通信するよう構成されている。
通信回線ネットワーク50は、モバイルコアネットワーク51と、インターネットなどの外部ネットワーク52とを少なくとも含む。モバイルコアネットワーク51は不図示のゲートウェイを介して外部ネットワーク52に接続される。本明細書では、モバイルコアネットワーク51と外部ネットワーク52を併せて通信回線ネットワーク50とも称する。
特に制限されないが、本発明の第1の実施の形態では、モバイルアクセスネットワーク11とモバイルコアネットワーク51は、それぞれ、LTEの無線システム(RAT:Radio Access Technology)におけるモバイルアクセスネットワーク(EUTRAN:Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)と、モバイルコアネットワーク(EPC:Evolved Packet Core)と、を想定する。ただし、UTRANやUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)やGSM(Global System for Mobile communications)などのLTE以外の他の無線システムにおけるモバイルアクセスネットワークとモバイルコアネットワークを想定してもよい。あるいは、モバイルアクセスネットワーク11とモバイルコアネットワーク51は別の無線システムとしてもよい。例えば、モバイルコアネットワーク51はLTEの無線システムにおけるEPCとし、モバイルアクセスネットワーク11はWi―Fi(Wireless Fidelity:Wi−Fi Allianceの登録商標)や無線LAN(Local Area Network)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLoRaWAN(Long Range Wide Area Network:LoRa Allianceの登録商標)やMultiFireなど、LTE以外の他の無線システムとしてもよい。後述する他の実施形態についても同様とされる。
無線端末10は、携帯電話端末、パーソナル・コンピュータ、PHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、スマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション端末、または、ゲーム端末等の何れかである。無線端末10は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置(メモリ)、トランシーバ(トランスミッタ及びレシーバ)、入力装置(キーボタン及びマイクロフォン)、及び、出力装置(ディスプレイ及びスピーカ)を備える。
無線端末10は、不図示の記憶装置に記憶されているプログラムを不図示のCPUが実行することにより、無線端末10が備える機能を実現する構成としてもよい。特に制限されるものではないが、無線端末10が備える機能として、例えば以下の機能がある。
・無線基地局20を介してサーバ装置30と通信を行う機能。
・サーバ装置30が提供する各種通信サービスを実行する機能。
・無線端末10と接続中の(通信リンク(RRC(Radio Resource Control) Connection)が確立されている)無線基地局20の間で無線信号を送信及び/又は受信する機能。
・無線基地局20から受信した測定設定情報に基づき、無線基地局20が送信するリファレンス信号の受信品質指標であるCQI(Channel Quality Indicator)やRSRP(Reference Signal Received Power)やRSRQ(Reference Signal Received Quality)などを測定し、接続中の無線基地局20へ報告(測定報告:Measurement Report)する機能。
無線端末10が備える上記各機能は当業者の周知事項であるため、無線端末10の各構成要素の説明は省略する。
無線基地局20は、例えば不図示の情報処理装置及びトランシーバ(トランスミッタ及びレシーバ)を備える。情報処理装置は、不図示の中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD:Hard Disk Drive))を備える。無線基地局20は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されてもよい。
サーバ装置30は、無線端末10に対して、各種通信サービスを提供する装置である。特に制限されるものではないが、サーバ装置30は、例えば、
・WWW(World Wide Web)サーバ、
・FTP(File Transfer Protocol)サーバ、
・メールサーバ、
・ファイルサーバ、
・データベースサーバ、
・アプリケーションサーバ、
・ストリーミングサーバ、
・DNS(Domain Name System)サーバ、
・プロキシサーバ、
・エッジサーバなどであってもよい。
サーバ装置30は、不図示の情報処理装置及び通信インタフェースを備える。情報処理装置は、不図示の中央処理装置(CPU)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD:Hard Disk Drive))を備える。サーバ装置30は、不図示の記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、各種通信サービスを無線端末10に対して提供する機能を実現するように構成されてもよい。
図2は、図1の通信システム1の無線基地局20とサーバ装置30の機能の一例を模式的に例示した図である。
図2を参照すると、無線基地局20は、基本機能部201と、バッファ202と、通信制御部203と、変更検出部204と、送出量推定部205と、流入量制御部206と、情報通知部207を備えている。前述の通り、以下で説明する各機能部の動作は、無線基地局20の中央処理装置(CPU)、トランシーバ(トランスミッタ及びレシーバ)、及び記憶装置(メモリ及びHDD)が互いに協調して動作することにより実現される。
図2において、無線基地局20の基本機能部201は、一般的な無線通信システムにおける無線基地局が備える機能を有する。特に制限されるものではないが、基本機能部201は、例えば以下の機能を含む。
・無線基地局20と接続中の(通信リンクが確立されている)無線端末10の間で無線信号を送信及び/又は受信する機能。
・無線端末10が無線基地局20との通信路品質を測定するために用いるリファレンス信号を生成する機能。
・通信回線ネットワーク50を介して到着する各無線端末10宛の送信データを蓄積する機能。
・送信データに関するQCI(QoS(Quality of Service) Class Identifier)を取得して管理する機能。
・無線端末10から報告されるCQIやRSRPやRSRQを保持する機能。
・無線端末10の無線区間スループットの履歴を管理する機能。
・物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)使用率や当該無線基地局20に接続する無線端末10の数(「Active UE数」(アクティブ無線端末数)とも称される)などの無線基地局20が測定可能な情報を測定して管理する機能。なお、1物理リソースブロックは、周波数軸上で180KHz(KiloHerz)(15KHz間隔の12個のサブキャリア)、時間軸上で1msの大きさを持つ時間・周波数リソースで形成される。
無線基地局20において、基本機能部201が備える上記各機能は、いずれも当業者には周知であるため、本明細書では、さらなる説明は省略する。
図2において、無線基地局20のバッファ202は、サーバ装置30側から通信回線ネットワーク50を介して到着する各無線端末10宛の送信データを一旦蓄積して管理する機能を有する。
無線基地局20の通信制御部203は、一般的な無線通信システムにおける無線基地局が備える無線資源の管理機能を有する。特に制限されるものではないが、通信制御部203は、例えば以下の機能を含む。
・無線基地局20と無線端末10との間の無線の接続状態を制御するRRC(Radio Resource Control)機能。
・各無線端末10の送信モード(Transmission Mode)を決定する機能。
・各無線端末10の物理下りリンク共有データチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)(下りリンクのユーザデータを送信するための共有データチャネル)に割り当てる送信電力を決定する機能。
・各無線端末10のアンテナコンフィギュレーションを決定する機能。
・各無線端末10の通信に用いるキャリア周波数を決定する機能。
・各無線端末10のキャリアアグリゲーションの適用可否を決定する機能。
各無線端末10の通信に用いるコンポーネントキャリアを決定する機能。
・各無線端末10の割り当て指標を計算する機能。
・計算した当該割り当て指標に基づき、各無線端末10に割り当てる周波数ブロックを決定する機能。
なお、通信制御部203の上述の各機能は、当業者には周知であるため、さらなる説明は省略する。
本実施形態では、無線資源の割り当て指標M(i,k)を、例えば次の数式(1)に基づき計算する。なお、数式(1)については、例えば非特許文献4等の記載が参照される。
数式(1)において、
・iは無線端末10の識別番号、
・kはリソースブロックの識別番号を表す。
数式(1)において、右辺第1項で、パケットの送信遅延を考慮できる。また、第2項で、再送か否かを考慮できる。さらに、第3項で希望信号対干渉信号比SINR(Signal−to−Interference plus Noise power Ratio)を考慮できる。

Figure 0006790508

・・・(1)
上記数式(1)において、
右辺の第1項αDelay・MDelay(i)は、パケットの送信遅延を考慮可能とした割り当て指標である。MDelay(i)は、例えば次の数式(2)で与えられる。MDelay(i)は、パケットが送出元から送出されてからの経過時間に基づき制御される。

Figure 0006790508
・・・(2)
上記数式(2)において、
req(i)はパケットの許容遅延、
t(i)はパケットが送信元から送出されてからの経過時間、
thresh(i)は任意の閾値、
をそれぞれ表す。
本実施形態では、パケットの許容遅延Treq(i)は、基本機能部201が取得して管理する無線端末10宛の送信データに関するQCIから決定される許容遅延とする。
一般的に、アプリケーションを良好な体感品質(QoE)で安定的に提供するには、パケットの許容遅延内での該パケットの送信完了が求められる。
そのため、送信元から送出されたパケットについて、当該パケットの許容遅延までの残りの時間、すなわち、パケットの許容遅延Treq(i)からパケットの経過時間t(i)を差し引いた時間:Treq(i)−t(i)が閾値Tthresh(i)以下の場合、MDelay(i)の値をa(>0)として増加させる。なお、Treq(i)−t(i)の値が閾値Tthresh(i)よりも大きい場合、MDelay(i)の値は0とする。
上記数式(1)において、右辺の第1項αDelay・MDelay(i)のαDelayは、MDelay(i)の重みづけ係数である。
次に、上記数式(1)において、右辺の第2項αType・MType(i)は、再送か否かを考慮可能とした割り当て指標である。MType(i)は、例えば次の数式(3)で与えられる。

Figure 0006790508

・・・(3)
上記数式(3)において、Nretrans(i)は再送回数を表す。再送パケットである場合(再送回数Nretrans(i)が1以上の場合)、MType(i)は1、再送パケットでない場合(再送回数Nretrans(i)が0の場合)、MType(i)は0である。
上記数式(1)において、第2項αType・Mtype(i)のαTypeは、Mtype(i)の重みづけ係数である。
本実施形態では、上記数式(1)の第3項αSINR・MSINR(i、k)のMSINR(i、k)は、例えば次の数式(4)で与えられる。

Figure 0006790508

・・・(4)
上記数式(4)において、
CQIinst(i、k)は、識別番号iの無線端末10から報告された識別番号kのリソースブロック(RB)の瞬時CQI(直近のCQI)表している。
SINR(・)は、CQIをSINRに変換する関数を表している。
SINRave(i,k)は、SINR(・)で計算した所定期間のSINRの平均値を表している。
SINRthreshは任意の閾値である。
SINR(・)は、CQIとSINRとが対応付けられたCQI−SINR変換テーブルに基づき、リソースブロック毎の瞬時CQIinst(i、k)からSINR(CQIinst(i、k))を出力するようにしてもよい。
上記数式(1)において、第3項αSINR・MSINR(i、k)のαSINRは、MSINR(i、k)の重みづけ係数である。
なお、上記数式(2)は、非特許文献4の数式(2)、特許文献3の数式(5)、(8)に対応し、上記数式(4)は、非特許文献4の数式(4)、特許文献3の数式(4)に対応している。
上式数式(4)において、閾値SINRthreshを大きな値に設定すると、平均値:SINRave(i,k)に対する瞬時のSINR(CQIinst(i、k))の比が大きいときに、MSINR(i,k)が増大し、平均値:SINRave(i,k)が低い(受信状態の悪い)無線端末10の通信であっても、SINR(CQIinst(i、k))が比較的良好なときには、MSINR(i,k)は大きくなる。一方、閾値SINRthreshを小さな値に設定すると(SINRave(i,k)>SINRthresh)、瞬時のSINR(CQIinst(i、k))が高いほど、MSINR(i,k)の増加量は大きくなり、平均的に受信状態が良好な無線端末10との通信ほど無線リソースの割り当て機会が増加する。
図2において、無線基地局20の変更検出部204は、無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更を検出する機能を有する。特に制限されるものでないが、本実施形態では、変更検出部204で変更を検出する無線資源の割り当てに係る無線パラメータとして、上記数式(2)のMDelay(i)とする。
上記数式(2)において、識別番号iの無線端末10宛てのパケットが送信元から送出されてからの経過時間t(i)は、例えば特許文献3等に開示された手法を用いて取得されるものであってもよい。この場合、変更検出部204は、通信回線ネットワーク50を介して到着する無線端末10宛てのパケットを蓄積する機能を具備した基本機能部201と連携して上記経過時間t(i)を取得し、上記数式(2)のMDelay(i)の値の変更を検出するようにしてもよい。無線パラメータMType(i)やMSINR(i、k)についても、変更検出部204は、基本機能部201で取得した、パケットの再送の有無や、無線端末10での受信SINR情報に基づき、それぞれの無線パラメータの変更を検出するようにしてもよい。
無線基地局20の送出量推定部205は、変更検出部204で無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更が検出された後から、所定時間経過後までに、バッファ202から送出される無線端末10宛のデータ量(「データ送出量」と呼ぶ)を推定する機能を有する。
無線基地局20の送出量推定部205が推定したバッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量は、流入量制御部206で用いられる。
無線基地局20の流入量制御部206は、送出量推定部205が推定した無線端末10宛てのデータ送出量と、バッファ202で蓄積管理する当該無線端末10宛のデータ量(「データ蓄積量」と呼ぶ)とを用いて、サーバ装置30側からバッファ202へ流入させる無線端末10宛のデータ量(「データ流入量」と呼ぶ)を計算する機能を有する。流入量制御部206が計算した、バッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量は、情報通知部207で用いられる。
無線基地局20の情報通知部207は、流入量制御部206が計算した無線端末10宛てのデータ流入量に係る情報を、サーバ装置30に通知する機能を有する。
本実施形態では、無線基地局20の情報通知部207は、OSI基本参照モデルにおけるレイヤ3以上のパケットのヘッダ領域、および、ペイロード領域を操作できる機能を備えている。
無線基地局20の情報通知部207における、無線端末10のデータ流入量に係る情報のサーバ装置30への通知は、当該無線端末10が送信したサーバ装置30宛のデータに対応するIP(Internet Protocol)パケットに当該情報をコンカチネーション(連結、連接)することで行われる。ただし、当該IPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで行うようにしてもよい。この場合、IPヘッダの例えば未使用フィールド等に当該情報を追加してもよい。
また、当該IPの上位層で使用されるTCP(Transmission Control Protocol)にて、当該IPパケットに対応するTCPセグメント(「TCPパケット」という)に当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。また、当該TCPパケットのヘッダ領域(TCPヘッダ:最小20バイト)に、当該情報を追加することで行うようにしてもよい。この場合、TCPヘッダの未使用フィールド等に当該情報を追加してもよい。
あるいは、TCPの代わりに、UDP(User Datagram Protocol)を用いて、当該IPパケットに対応するUDPデータグラム(「UDPパケット」という)に当該情報をコンカチネーションすることで、上記通知を行うようにしてもよい。また、当該UDPパケットのヘッダ領域(UDPヘッダ:8バイト)に、当該情報を追加することで上記通知を行うようにしてもよい。
あるいは、サーバ装置30と無線基地局20との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースを介して通知してもよい。
図2において、サーバ装置30は、基本機能部301と、流入量制御部302、とから構成されている。前述の通り、以下で説明する各機能部の動作は、サーバ装置30が備える、情報処理装置、通信インタフェース、及び記憶装置(メモリ及びHDD等)が互いに協調して動作することにより実現される。
サーバ装置30の基本機能部301は、上記で説明したように無線端末10に対して各種通信サービスを提供する機能や、無線基地局20や無線端末10と通信回線ネットワークを介して信号を送信及び/又は受信する機能を有する。なお、基本機能部301が備える機能は、当業者に周知の機能を用いることができる。基本機能部301が備える各機能の説明は省略する。
サーバ装置30の流入量制御部302は、無線基地局20から通知される無線端末10のデータ流入量に係る情報に基づき、通信回線ネットワーク50を介して無線基地局20へ送出する無線端末10宛のデータ量を制御する機能を有する。
本実施形態では、サーバ装置30の流入量制御部302は、例えば、通信回線ネットワーク50を介して無線基地局20から到着したIPパケット(無線端末10が送信したサーバ装置30宛のデータに対応する)から、無線基地局20のバッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量に関する情報を取得するようにしてもよい。
なお、無線基地局20のバッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量に関する情報のサーバ装置30への通知において、IPパケットの代わりに、TCPパケットやUDPパケットを用いる場合も、上記と同様である。すなわち、サーバ装置30の流入量制御部302は、通信回線ネットワーク50を介して、無線基地局20から到着した、TCPパケットまたはUDPパケット(無線端末10が送信したサーバ装置30宛のデータに対応する)から、無線端末10のデータ流入量に関する情報を取得するようにしてもよい。
また、無線基地局20とサーバ装置30との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置した場合には、以下のようになる。
無線基地局20は、当該新たなインタフェースを介して、無線基地局20のバッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量に関する情報を、サーバ装置30に通知する。
サーバ装置30の流入量制御部302は、当該インタフェースを介して情報を取得する機能を備えている。サーバ装置30は、当該インタフェースを介して通知される、バッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量に係る情報を取得する。
[動作の説明]
次に、無線基地局20が無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合に、無線基地局20のバッファ202へのデータ流入量を適正化するための動作手順について説明する。
図3は、図2を参照して説明した無線基地局20の変更検出部204と送出量推定部205の動作手順の一例を説明する流れ図である。図3を参照すると、無線基地局20の変更検出部204が無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更を検出する(ステップS100)。
変更検出部204によって無線パラメータの変更が検出されると、送出量推定部205では、例えば、無線基地局20と無線リンクを確立している全ての無線端末10を対象に、バッファからのデータ送出量の推定処理(ステップS101)を実行する。なお、図3では、単に説明の簡易化のために、無線基地局20と無線リンクを確立している全ての無線端末10(N台、Nは1以上の整数)に対して、データ送信量推定処理(ステップS101)をサブルーチンとして繰り返し実行するフローチャートで表しているが、送出量推定部205の処理(データ送信量推定処理)はサブルーチンの実装に限定されるものでないことは勿論である。
図4は、図3のステップS101の送出量推定部205でのデータ送出量の推定処理の動作手順の一例を説明する流れ図である。
第1の実施形態では、バッファ202からの識別番号iの無線端末10宛てのデータ送出量と無線資源の割り当て指標M(i,k)とは正の相関関係にあるという仮定を前提としている。
まず、送出量推定部205は、識別番号iの無線端末における過去の履歴からバッファ202からの当該無線端末宛てのデータ送出量D(i)を求める(ステップS102)。
次に、送出量推定部205は、無線端末10について、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の、バッファ202から無線端末宛てのデータ送出量Dout(i)を計算する(ステップS103)。
送出量推定部205は、無線端末10に対して無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の、バッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量を、次の数式(5)に基づき算出する。数式(5)は、送信元から送出された無線端末(識別番号=i)へのパケットの経過時間t(i)の値が、{Treq(i)−Tthresh(i)}よりも大から、{Treq(i)−Tthresh(i)}以下となった場合、すなわち、無線端末(識別番号=i)の無線資源の割り当てに係る無線パラメータMDelay(i)の値が0からaに変更となった場合のバッファ202から無線端末(識別番号=i)宛てのデータ送出量Dout(i)である。

Figure 0006790508

・・・(5)
数式(5)において、
左辺のDout(i)は、識別番号iの無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータMDelay(i)の変更時において時間Δt(i)当たりのバッファ202からの当該無線端末宛てのデータ送出量[単位:bit]である。
右辺のD(i)は、識別番号iの無線端末における過去の履歴(無線パラメータMDelay(i)が変更される前)から導出した時間t(i)における当該無線端末宛てのバッファ202へのデータ流入量[単位:bit]である。
右辺の係数βは、任意に設定可能な係数である。特に制限されないが、本実施形態では、β=1とする。
右辺の分子の第1項αDelay・aのαDelayは、上記数式(1)のαDelayであり、aは、上記数式(2)において、t(i)≧Treq(i)−Tthresh(i)の場合のMDelayの値である。分子と分母のαTypeとMType(i)は、上記数式(1)と上記数式(3)、分子と分母のαSINRとMSINR(i)は、上記数式(1)と上記数式(4)に対応する。
上記数式(5)では、上記数式(1)において、MDelay(i)がaに変更となったときの値M(i,k)(分子)と、MDelay(i)が0であるときの値M(i,k)(分母)との比率を、D(i)×{Δt(i)/t(i)}に乗ずることで、MDelay(i)が0からaに変更後の時間Δt(i)におけるバッファ202からのデータ送出量Dout(i)を求めている。
図5は、第1の実施形態において、無線基地局20の流入量制御部206が、無線基地局20のバッファ202へ流入させるデータ流入量を制御する動作手順を説明する流れ図である。
無線基地局20は、図3、図4に記載の動作を実行した後、該無線基地局20と無線リンクが確立しており、当該無線基地局20において、無線資源の割り当てに係る無線パラメータMDelayの変更が検出された識別番号iの無線端末10に対して、図5に記載の動作を実行する。以下、図5を参照して、図2の無線基地局20の流入量制御部206の動作を説明する。
無線基地局20の流入量制御部206は、送出量推定部205が計算した無線端末10のデータ送出量と、バッファ202が管理する当該無線端末10のデータ蓄積量とを用いて、無線端末10に対するバッファ202へのデータ流入量を計算する(ステップS201)。
流入量制御部206が、無線端末10に対するバッファ202へのデータ流入量の計算式は、例えば以下の数式(6)で与えられる。

Figure 0006790508

・・・(6)
上記数式(6)において、
左辺のDin(i)は、識別番号iの無線端末10に対するバッファ202へのデータ流入量である。
右辺のBtarget(i)は、無線基地局20のバッファ202が管理する識別番号iの無線端末10宛てのデータ蓄積量の目標値である。
B(i)は、現在時刻tにおいて無線基地局20のバッファ202に蓄積されている識別番号iの無線端末10宛てのデータ量(データ蓄積量)である。
out(i)は、識別番号iの無線端末10宛てのバッファ202からのデータ送出量である。
r(i)は、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量である。なお、r(i)は、時間に依存して変化する場合、r(i,t)と表記されるが、簡単のため、r(i)で表記している。
上記数式(6)において、右辺の第2項(・)は、識別番号iの無線端末10に関して、現在時刻tでのバッファ202における無線端末10宛てのデータ蓄積量B(i)に、時間Δtの間にバッファ202に流入された無線端末10宛てのデータ量(tからt+Δtまでの時間Δtのr(i)の積分値)を加算した値から、バッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量Dout(i)を差し引いた値が、例えば時刻t+Δtでのバッファ202における無線端末10宛てのデータ蓄積量である。
上記数式(6)の右辺第1項の目標値Btarget(i)から、第2項(・)のバッファ202における無線端末10宛てのデータ蓄積量を差し引いた値が、バッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量Din(i)(上記数式(6)の左辺)となる。
無線基地局20の流入量制御部206は、当該無線基地局20と無線リンクが確立している全ての無線端末10に対し、図5のステップS201に記載の処理を実行したのち、動作を終了する。
なお、上記数式(6)において、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量であるr(i)は、直近に観測した値としてもよい。この場合、上記数式(6)の右辺の()内の第3項の積分は、r(i)×Δtで与えられる。
あるいは、上記数式(6)において、r(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した値の平均値としてもよい。あるいは、r(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した値に対して、例えば最小二乗法を用い、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量と時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出(例えば線形補間)される、所定時間経過後の値としてもよいし、あるいは、現在時刻から所定時間経過後までの値の平均値としてもよい。この場合、上記数式(6)の右辺の()内の第3項の積分は、r(i)×Δtで与えられる。あるいは、r(i)は、時間に依存して変化する前記近似曲線としてもよい。この場合、数式(6)の右辺の()内の第3項の積分は、例えば無線基地局20の情報処理装置上での数値積分で計算される。
あるいは、上記数式(6)において、r(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した値から、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量と時間に関する確率的な広がり(Stocatic Diffusion:確率的拡散)を求め、前記確率的拡散から導出される、所定時間経過後の値としてもよく、現在時刻から所定時間経過後までの値の平均値としてもよい。あるいは、r(i)は、前記確率的拡散の関数としてもよい。
また、上記数式(6)において、右辺の計算結果が0未満の値となる場合、Din(i)を0としてもよい。
図6(A)は、図2のサーバ装置30の流入量制御部302が、無線端末10宛てのデータ流入量を制御する動作手順の一例を説明する流れ図である。図2のサーバ装置30は、無線基地局20から、識別番号iの無線端末10に対するバッファ202へのデータ流入量に関する情報を受信した場合に、該無線端末10に対して、図6(A)に記載の動作を実行する。
サーバ装置30の流入量制御部302は、無線基地局20から通知された識別番号iの無線端末10宛てのバッファ202へのデータ流入量に係る情報から、該無線端末10宛てのバッファ202へのデータ流入量が0以上か否かを判定する(ステップS301)。
該無線端末10に対するバッファ202へのデータ流入量が正の値の場合(ステップS301のYES分岐)、サーバ装置30の流入量制御部302は、該無線端末10に対するバッファ202へのデータとして、前記データ流入量分のデータを追加して無線基地局20に送信する(ステップS302)。
サーバ装置30の流入量制御部302は、例えば、前記データ流入量に相当するTCPパケット数が送信されるまで、TCPの輻輳ウィンドウを拡大することで、前記データ流入量分のデータの追加送信を実現するようにしてもよい。
サーバ装置30の流入量制御部302は、前記データ流入量分のデータの追加送信する場合の、TCPパケットの数を、例えば次の数式(7)の計算式を用いて求めるようにしてもよい。

Figure 0006790508

・・・(7)
上記数式(7)において、
TCPは、無線基地局20のバッファ202への無線端末10(識別番号=i)宛ての前記データ流入量(上記数式(6)のDin(i))に相当するTCPのパケット数である。
MSS[単位:bit]は、TCPの最大セグメントサイズ(Maximum Segment Size)である。なお、MSSは、TCPにおける1セグメントで転送可能なデータの最大長を表す(ただし、TCPのヘッダーサイズ分は含めない)。

Figure 0006790508
は、Ceiling(天井)関数であり、実数xを超えない最大の整数nを表す(Zは整数を表す)。
図6(A)を参照すると、図2の無線基地局20のバッファ202への該無線端末10宛てのデータ流入量が正の値ではない場合(ステップS301のNO分岐)、サーバ装置30の流入量制御部302は、ステップS302の処理を行わない。
サーバ装置30の流入量制御部302は、以上の動作を、無線基地局20の流入量制御部206からバッファ202へのデータ流入量に関する情報を受信した各無線端末10に対して実行する。その後、サーバ装置30の流入量制御部302は、図6(A)に記載の動作を終了する。
あるいは、サーバ装置30の流入量制御部302は、図6(B)に示すように、図2の無線基地局20のバッファ202への該無線端末10のデータ流入量が正の値ではない場合(ステップS301のNO分岐)、流入量制御部302は、当該無線端末10に対するデータ送信を抑制するようにしてもよい(ステップS303)。
この場合、サーバ装置30の流入量制御部302は、次の数式(8)から計算される時間(tstop)、当該無線端末10に対する送信を停止することで、当該無線端末10に対するデータ送信の抑制を実現するようにしてもよい。

Figure 0006790508

・・・(8)
上記数式(8)において、
TCP(i)は、識別番号iの無線端末10における直近のTCPスループットである。なお、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(8)において、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットから最小二乗法を用い、識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される(あるいは線形補間で導出される)、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットとしてもよく、現在時刻から所定時間経過後までの識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(8)において、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットから、識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの時間に関する確率的な広がり(確率的拡散(Stochastic Diffusion))を予測し、前記確率的拡散から導出される、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットとしてもよく、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。
また、図6(A)、図6(B)のステップS302における当該無線端末10のデータ流入量分のデータの追加送信は、TCPのACKパケットを受信したときの輻輳ウィンドウの拡大率を上げることにより実現してもよい。
なお、図6(B)のステップS303における当該無線端末10に対するデータ送信の抑制は、TCPのACKパケットを受信したときの輻輳ウィンドウの拡大率を下げることにより実現してもよい。
以上、説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後に想定される、バッファへのデータ流出量を計算し、無線基地局のバッファへのデータ流入量を制御することで、当該バッファのオーバーフローやアンダーフローを回避することができる。このため、TCPスループットの低下を回避し、ユーザの体感品質(QoE)を改善することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の例示的な第2の実施形態について説明する。第2の実施形態のシステムの構成、無線基地局およびサーバ装置の構成は、それぞれ図1、図2を参照して説明した前記第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では、図2の無線基地局20の送出量推定部205の処理動作が、図4を参照して説明した前記第1の実施形態の送出量推定部205の処理動作と相違している。以下では、システム構成、無線基地局20の構成等の説明は省略し、主に、無線基地局20の送出量推定部205の動作について説明する。
[動作の説明]
無線基地局20が無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合に、無線基地局20のバッファ202へのデータ流入量を適正化するための動作手順について説明する。
図7は、図2に示した無線基地局20の送出量推定部205が、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ後の各無線端末10のデータ送出量を推定する動作手順の一例を説明する流れ図である。無線基地局20は、変更検出部204が無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更を検出した後に、当該無線基地局20と無線リンクが確立している全ての無線端末10を対象に、図7に記載の動作を実行する。図2、図7を参照して、無線基地局20の送出量推定部205の動作を以下に説明する。
無線基地局20の送出量推定部205は、無線基地局20と無線リンクが確立している無線端末10を、「優先無線端末」と、それ以外の無線端末10である「非優先無線端末」とに分類する(ステップS111)。
優先無線端末は、無線基地局20の通信制御部203において変更された無線資源の割り当てに係る無線パラメータにより無線資源の割り当ての増加を期待する無線端末10である。
第2の実施形態では、一例として、優先無線端末は、上記数式(2)により計算される無線資源の割り当てに係る無線パラメータ(MDelay(i))の値がaとなる無線端末10(識別番号=i)とする。すなわち、パケットの許容遅延Treq(i)からパケットの経過時間t(i)を差し引いた時間:Treq(i)−t(i)が閾値Tthresh(i)以下となった無線端末10である。
次に、送出量推定部205は、優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値を計算する(ステップS112)。
送出量推定部205では、無線端末10に対して無線資源の割り当てに係る無線パラメータ(MDelay(i))が0からaに変更後の無線区間スループットの期待値を計算するために、以下の数式(9)を用いる。
ここで、無線端末10は、優先無線端末に分類される無線端末であって、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値を計算していない無線端末である。
既に、優先無線端末として無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値を計算している無線端末10については、計算済みの期待値を用いるものとする。
数式(9)では、無線区間スループットと無線資源の割り当て指標とは正の相関関係にあると仮定し、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値を計算している。

Figure 0006790508

・・・(9)
上記数式(9)において、
左辺のE(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値である。
右辺のR(i)は、識別番号iの優先無線端末における直近の無線区間スループットである。
分子のαDelayは、上記数式(1)、aは、上記数式(2)においてt(i)≧Treq(i)−Tthresh(i)の場合のMDelay(i)の値、
分子と分母のαType、MType(i)は上記数式(1)と上記数式(3)、
分子と分母のαSINR、MSINR(i)は上記数式(1)と上記数式(4)に対応する。
βは、任意に設定可能な係数であり、本実施形態では1とする。
次いで、送出量推定部205は、優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、ステップS112で計算した無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値の実現に必要な無線資源である要求無線資源を計算する(ステップS113)。
次の数式(10)は、送出量推定部205が要求無線資源を求めるための計算式である。本実施形態では、無線資源はリソースブロックである。

Figure 0006790508

・・・(10)
上記数式(10)において、
reqRB(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値の実現に必要な無線資源(リソースブロックの個数)である。
E(i)は、上記数式(9)を用いて算出した識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更された後の無線区間スループットの期待値である。
CQI(i)は、識別番号iの優先無線端末における直近のWideband CQIである。
MCS(・)は、CQIをMCS(Modulation and Coding Scheme)に換算する関数である。
TBS(・)は、MCSとリソースブロック数とからTBS(Transport Block Size)を導出する関数である。
本実施形態では、上記数式(10)においては、リソースブロック数は1として計算する。
LTEにおいて、レイヤ2以上のデータはトランスポートブロックとよばれる単位で管理される(7バイトヘッダ)。トランスポートブロックはリソースブロック(RB)単位に分割され、サブフレーム(フレーム長1ms)に収容される。各TTI(Transmission Time Interval:送信時間間隔)で、RBが割り当てられた無線端末毎に1つのトランスポートブロックが生成される。トランスポートブロックのサイズは、物理リソースブロックの数とMCSから決定される。上記数式(10)においては、リソースブロック数は1としてトランスポートブロックのサイズを計算する。LTEにおいては高データレート化を実現するために、1[ms]などの短いTTIを採用している。1000[TTI/sec]は、ミリ秒(mllisecond)単位のTTIを秒(second)単位に変換するためのものである。上記数式(10)は、1トランスポートブロック送信に1リソースブロック必要という前提で、無線区間スループットの期待値(通信速度:bps)を、トランスポートブロックのサイズ(bpsに換算)で除算することで、無線リソースブロックの個数を求めている。
続いて、無線基地局20の送出量推定部205は、無線基地局20が有する無線資源である総無線資源と、ステップS113で計算した要求無線資源NreqRB(i)とを用いて、非優先無線端末に割り当て可能な無線資源である残無線資源を計算する(ステップS114)。
本実施形態では、総無線資源は、システム帯域幅から決定されるリソースブロック数である。次の数式(11)は、本実施形態における、残無線資源の計算式である。

Figure 0006790508

・・・(11)
上記数式(11)において、
RBは、システム帯域幅から決定されるリソースブロック数である。
左辺のNrestRBは、非優先無線端末に割り当て可能なリソースブロック数である。
priorUEは、優先無線端末の数である。
MAX[・]は、引数の最大値を戻り値として返す関数である。NRBから優先無線端末の各々の要求無線資源であるリソースブロック数NreqRB(i)の総和を差し引いた値が負の場合、0を返し、当該値が正又は0の場合、当該値を返す。
その後、無線基地局20の送出量推定部205は、非優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値を計算する(ステップS115)。
以下の数式(12)は、無線基地局20の送出量推定部205が、非優先無線端末iにおける無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)を計算するための数式である。

Figure 0006790508

・・・(12)
上記数式(12)では、割り当て無線資源の最小単位あたりの送信ビット数であるTBSについて、各非優先無線端末への割り当てる無線資源の期待値であるη(ηは非優先無線端末1台あたりのリソースブロック)に基づき、無線区間スループットの期待値E(i)を導出している。
Figure 0006790508
はfloor(床)関数である(Zは整数)。

Figure 0006790508
は、ceiling(天井)関数である。

Figure 0006790508
の関係が成り立つ。
MCS(CSI(i),floor(η))に対応するTBS(MCS(CSI(i),floor(η)))と、MCS(CSI(i),ceiling(η))に対応するTBS(MCS(CSI(i),ceiling(η)))を、内分比
(ceiling(η)―η):{1−(ceiling(η)―η)}
で内挿(intepolate)することで、ηに対応するTBSを求めている。
上記数式(12)において、ηは以下の数式(13)を用いて計算される。

Figure 0006790508

・・・(13)
上記数式(13)において、NnpriorUEは、非優先無線端末の数である。NrestRBは、上記数式(11)に基づき導出される。
その後、無線基地局20の送出量推定部205は、ステップS112、または、ステップS115において計算された、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更された後の無線区間スループットの期待値E(i)を用いて、バッファ202からの各無線端末10宛てのデータ送出量を計算する(ステップS116)。
次の数式(14)は、無線基地局20の送出量推定部205が、バッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量の計算に用いる数式である。

Figure 0006790508

・・・(14)
上記数式(14)において、
左辺のDout(i)は、バッファ202からの識別番号iの無線端末宛てのデータ送出量である。また、
tは、現在時刻であり、Δtは、任意に設定可能な所定の時間である。本実施形態では、Δtは、数式(2)で用いた許容遅延Tthresh(i)とする。優先無線端末または非優先無線端末に対する無線パラメータ変更後の無線区間のスループットの期待値E(i)を時刻tからt+Δtの期間にわたって積分している。
ステップS116の終了により、無線基地局20の送出量推定部205は、動作を終了する。
なお、上記数式(9)において、R(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測した無線区間スループットの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(9)において、R(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測した無線区間スループットから最小二乗法を用い、無線区間スループットと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後の無線区間スループットとしてもよい。無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までの無線区間スループットの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(9)において、R(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測した無線区間スループットから、無線区間スループットと時間に関する確率的拡散を求め、前記確率的拡散から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後の無線区間スループットとしてもよく、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までの無線区間スループットの平均値としてもよい。
また、上記数式(10)において、CQI(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したWideband CQIの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、CQI(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したWideband CQIから最小二乗法を用い、Wideband CQIと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のWideband CQIとしてもよい。あるいは、上記数式(10)において、CQI(i)は、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのWideband CQIの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、CQI(i)は、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したWideband CQIから、Wideband CQIと時間に関する確率的拡散を求め、前記確率的拡散から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のWideband CQIとしてもよく、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのWideband CQIの平均値としてもよい。
なお、上記数式(10)において、CQI(i)は、上記Wideband CQIの代わりに、上記数式(4)で用いられる各リソースブロックのCQIinst(i、k)を全リソースブロックで平均した値を用いてもよい。あるいは、上記数式(4)で用いられる各リソースブロックのCQIinst(i、k)の中から任意のリソースブロックのCQIを用いてもよい。
また、上記数式(10)において、MCS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における直近のMCSを用いてもよく、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したMCSの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、MCS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したMCSから最小二乗法を用い、MCSと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のMCSとしてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのMCSの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、MCS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したMCSから、MCSと時間に関する確率的拡散を求め、前記確率的拡散から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のMCSとしてもよく、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのMCSの平均値としてもよい。
また、上記数式(10)において、TBS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における直近のTBSを用いてもよい。
上記数式(10)において、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したTBSの平均値としてもよい。
あるいは、上記数式(10)において、TBS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したMCSから最小二乗法を用い、TBSと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のMCSとしてもよい。
上記数式(10)において、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのTBSの平均値としてもよい。あるいは、TBS(・)を用いる代わりに、識別番号iの優先無線端末における無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更前の任意の時間に観測したTBSから、TBSと時間に関する確率的拡散を求め、前記確率的拡散から導出される、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後のMCSとしてもよく、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後から所定時間経過後までのTBSの平均値としてもよい。
以上の各変形例は、上記数式(12)において適用してもよい。
また、上記数式(9)において、βは、無線区間スループットと無線資源の割り当て指標との相関関係から導出してもよい。
本発明の第2の実施形態において、無線基地局20の流入量制御部206が無線基地局20のバッファ202へ流入させるデータ流入量を制御する動作手順は、図5を参照して説明した前記第1の実施形態と同様である。
無線基地局20の送出量推定部205は、図7に示したステップS111〜S116の動作を実行したのち、当該無線基地局20と無線リンクが確立している全ての無線端末10毎に、図5に記載の動作を実行する。
無線基地局20の流入量制御部206は、送出量推定部205が計算した無線端末10のデータ送出量と、バッファ202が管理する当該無線端末10のデータ蓄積量とを用いて、バッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量を計算する(ステップS201)。
無線基地局20の流入量制御部206は、バッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量Din(i)の計算式として、例えば次の数式(15)を用いる。なお、数式(15)は前述した数式(6)と同一であるため、その説明は省略する。
Figure 0006790508

・・・(15)
無線基地局20の流入量制御部206は、当該無線基地局20と無線リンクが確立している全ての無線端末10に対して、図5のステップS201に記載の処理を実行したのち、図5の動作を終了する。
なお、上記数式(15)において、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量であるr(i)は、直近に観測した値としてもよく、現在時刻以前の任意の時間に観測した値の平均値としてもよい。あるいは、r(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した値から最小二乗法を用い、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量と時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される、所定時間経過後の値としてもよく、現在時刻から所定時間経過後までの値の平均値としてもよい。あるいは、r(i)は、前記近似曲線としてもよい。あるいは、r(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した値から、バッファ202へ流入された識別番号iの無線端末10宛の単位時間あたりのデータ量と時間に関する確率的拡散(Stochastic Diffusion)を求め、前記確率的拡散から導出される、所定時間経過後の値としてもよく、現在時刻から所定時間経過後までの値の平均値としてもよい。あるいは、r(i)は、前記確率的拡散の関数としてもよい。
また、前記第1の実施形態と同様、上記数式(15)において、右辺の計算結果が0未満の値となる場合、データ流入量Din(i)を0としてもよい。
第2の実施形態において、図2のサーバ装置30の流入量制御部302が、無線端末10のデータ流入量を制御する動作手順は、図6(A)と図6(B)を参照して説明した前記第1の実施形態と同様である。サーバ装置30は、無線基地局20から、無線端末10のデータ流入量に係る情報を受信した場合に、無線端末10毎に、図6(A)又は図6(B)に記載の動作を実行する。
まず、サーバ装置30の流入量制御部302は、無線基地局20から通知された無線端末10のデータ流入量に係る情報から、該無線端末10のデータ流入量が0以上か否かを判定する(ステップS301)。
サーバ装置30の流入量制御部302は、該無線端末10宛てのバッファ202からのデータ流入量が正の値の場合(ステップS301のYES分岐)、当該無線端末10に対し、前記データ流入量分のデータを追加送信する(ステップS302)。本実施形態では、流入量制御部302は、前記データ流入量に相当するパケット数が送信されるまで、TCPの輻輳ウィンドウを拡大することで、前記データ流入量分のデータの追加送信を実現するものとする。TCPパケット数NTCPの計算式は、次の数式(16)で与えられる。数式(16)は前述した数式(7)と同一である。

Figure 0006790508

・・・(16)
一方、当該無線端末10宛てのバッファ202からのデータ流入量が正の値ではない場合(ステップS301のNO分岐)、サーバ装置30の流入量制御部302は、ステップS302の処理を行わない。
流入量制御部302は、以上の動作を、要求データ流入量に係る情報を受信した各々の無線端末10に対して実行する。その後、流入量制御部302は、図6(A)又は図6(B)に記載の動作を終了する。
また、図6(B)に示すように、当該無線端末10のデータ流入量が正の値ではない場合(ステップS301、NO分岐)、流入量制御部302は、当該無線端末10に対するデータ送信を抑制してもよい(ステップS303)。この場合、サーバ装置30の流入量制御部302は、数式(17)から計算される時間(tstop)、当該無線端末10に対する送信を停止することで、当該無線端末10に対するデータ送信の抑制を実現するようにしてもよい。次の数式(17)において、RTCP(i)は、識別番号iの無線端末10における直近のTCPスループットである。なお、数式(17)は、前述した数式(8)と同一である。

Figure 0006790508

・・・(17)
上記数式(17)において、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。あるいは、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットから最小二乗法を用い、識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットと時間との関係を示す近似曲線(一次方程式)を求め、前記近似曲線から導出される(線形補間で導出される)、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットとしてもよく、現在時刻から所定時間経過後までの識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。あるいは、RTCP(i)は、現在時刻以前の任意の時間に観測した識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットから、識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの時間に関する確率的な広がり(確率的拡散(Stochastic Diffusion))を予測し、前記確率的拡散から導出される、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットとしてもよく、現在時刻から所定時間経過後の識別番号iの無線端末10におけるTCPスループットの平均値としてもよい。
また、ステップS302における当該無線端末10のデータ流入量分のデータの追加送信は、TCPのACKパケットを受信したときの輻輳ウィンドウの拡大率を上げることにより実現してもよい。
なお、ステップS303における当該無線端末10に対するデータ送信の抑制は、TCPのACKパケットを受信したときの輻輳ウィンドウの拡大率を下げることにより実現してもよい。
以上、説明したように、本発明の例示的な第2の実施形態によれば、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後に想定される無線区間のスループットの期待値を計算し、前記期待値を用いて無線基地局のバッファへのデータ流入量を制御することで、同バッファのオーバーフローやアンダーフローを回避できるため、TCPスループットの低下を回避し、ユーザの体感品質(QoE)を改善できる。
以上、上記実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の構成及び詳細に、本発明の範囲内において、当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
<変形例>
例えば、本実施形態において、無線基地局20の流入量制御部206が有する機能は、サーバ装置30の流入量制御部302に実装するようにしてもよい。この場合、無線基地局20の情報通知部207は、無線基地局20の送出量推定部205が計算した無線端末10のデータ送出量に係る情報と、無線基地局20のバッファ202が管理する当該無線端末10のデータ蓄積量に係る情報とを、サーバ装置30へ通知する。
さらに、無線基地局20の送出量推定部205を、サーバ装置30に備えた構成としてもよい。この場合、無線基地局20の情報通知部207は、送出量推定部205が計算した無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値に係る情報と、無線基地局20のバッファ202が管理する当該無線端末10のデータ蓄積量に係る情報と、をサーバ装置30へ通知する。
また、本実施形態において、変更検出部204は、通信制御部203において、上記数式(2)により計算される値MDelay(i)を無線資源の割り当てに係る無線パラメータとして、前記無線パラメータの変更を検出するが、この場合に限らず、無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更を検出することもできる。
例えば、
・無線端末10から報告されたCQIやRSRPやRSRQ、
・リファレンス信号に割り当てる送信電力、
・下りデータチャネルに割り当てる送信電力、
・送信モード、
・実際に使用されるアンテナコンフィギュレーション、
・ビームフォーミングにて形成する送信ビーム、
・無線通信に使用するキャリア周波数、
・前記キャリア周波数に係る無線回線品質やトラフィック負荷、
・キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリア、
・無線端末のカテゴリ、
・RAT
などを、無線資源の割り当てに係る無線パラメータとして、前記無線パラメータの変更を検出してもよい。
この場合、送出量推定部205は、変更する前記無線パラメータに基づき、各無線端末10のデータ送出量を計算する。
さらにまた、本実施形態において、変更検出部204は、所定時間経過後に、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更する場合を検出してもよい。この場合、実際に無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更される前に、送出量推定部205と、流入量制御部206と、情報通知部207と、流入量制御部302が動作し、データ送出量を、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更する前に、送信する。
そして、本実施形態において、無線基地局20の変更検出部204を、無線端末10に備えた構成としてもよい。例えば、変更検出部204は、無線端末10が測定するCQIやRSRPやRSRQを無線資源の割り当てに係る無線パラメータとし、前記無線パラメータが所定値以下となる状態を、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更される状態として検出してもよい。
この場合、無線端末10に設けられた変更検出部204は、無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更について、無線基地局20に通知する。無線基地局20への通知では、RRCメッセージ(例えば、RRC Connection Setup Complete、RRC Connection Reconfiguration Complete、Measurement Report)など、無線端末10と無線基地局20との間で送信される既存の情報に含めて通知してもよい。あるいは、当該通知を行うための新たな情報メッセージを定義し、新たな情報メッセージを用いて通知してもよい。
以上の変更を含めた変形例は、以降の実施形態も同様に行うことができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の例示的な第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第3の実施形態では、無線基地局とサーバ装置の間に、中継装置を配設し、該中継装置が、無線端末におけるアプリケーションに関する品質要件を取得すると共に、無線基地局のバッファへのデータ流入量を制御する。無線端末におけるアプリケーションは、例えば無線端末において実行される、ユーザの体感品質(QoE)に影響を及ぼすアプリケーションプログラムを含むものとする。特に制限されるものではないが、アプリケーションプログラムは、例えば、
・Webブラウザ、
・メールプログラム(メーラ)、
・位置情報表示プログラム、
・電話プログラム、
・ショートメッセージサービスプログラム、
・ストリーミングサービスプログラム、
・マルチメディアサービスプログラム、
・ゲーミングプログラム、
・ソーシャルネットワーキングサービスプログラム
等を含む。
[構成の説明]
図8は、本発明の例示的な第3の実施形態に係る通信システムの構成を模式的に示す図である。図8を参照すると、通信システム1Aは、図1に示した前記第1の実施形態に係る通信システム1と比較して、無線基地局20とサーバ装置30の代わりに、無線基地局21とサーバ装置31を備える。さらに、通信システム1Aは、前記第1の実施形態に係る通信システム1と比較して、中継装置40を新たに備える。以下では、第3の実施形態について、前記第1、第2の実施形態と同一要素の説明は適宜省略し、主に、前記第1、第2の実施形態から変更された構成について説明する。
中継装置40は、サーバ装置31と無線基地局21間に配置される。図8の例では、中継装置40は、外部ネットワーク52に配置されている。中継装置40は、サーバ装置31と無線基地局21との間で送信又は受信されるデータを中継する。その際、無線基地局21からのデータ流入量情報等に基づき、無線基地局21へのデータの送信(したがって、無線基地局21のバッファへの無線端末10宛てのデータ流入量)を制御する。
中継装置40とサーバ装置31は、インターネットなどの外部ネットワークを介して、通信するよう構成されている。また、中継装置40と無線基地局21は、通信回線ネットワークを介して通信するよう構成されている。
通信回線ネットワーク50は、前記第1の実施形態と同様、インターネットなどの外部ネットワークと、モバイルコアネットワークから構成される。なお、説明の便宜上、図8において、通信システム1Aは、無線端末10と無線基地局21とサーバ装置31と中継装置40とをそれぞれ1つ備えた構成として例示されている。しかしながら、無線端末10の個数は幾つでもよい。同様に、無線基地局21の数とサーバ装置31の数と中継装置40の個数は幾つでもよい。
図8において、無線基地局21は、前記第1の実施形態に係る無線基地局20と同様、図示しない情報処理装置及びトランシーバ(トランスミッタ及びレシーバ)を備える。情報処理装置は、図示しない中央処理装置(CPU)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD))を備える。無線基地局21は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されてもよい。
図8において、サーバ装置31は、前記第1の実施形態に係るサーバ装置30と同様、無線端末10に対して、各種通信サービスを提供する装置である。また、サーバ装置31は、前記第1、第2の実施形態のサーバ装置30と同様、不図示の情報処理装置及び通信インタフェースを備える。情報処理装置は、不図示の中央処理装置(CPU)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD))を備える。サーバ装置31は、不図示の記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、各種通信サービスを無線端末10に対して提供する機能を実現するように構成されてもよい。
中継装置40は、図示しない情報処理装置及び通信インタフェースを備える。情報処理装置は、不図示の中央処理装置(CPU)、及び、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD))を備える。中継装置40は、不図示の記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されてもよい。
図9は、図8に示した第3の実施形態の通信システム1Aの機能を模式的に示す図である。以下では、第1、第2の実施形態と比較して、第3の実施形態で追加された機能と変更された機能について説明する。
図9に示すように、サーバ装置31は、図2のサーバ装置30の流入量制御部302の機能を具備せず、基本機能部301を備えている。
中継装置40は、基本機能部401と、情報取得部402と、情報通知部403と、流入量制御部404とを備えている。
前述の通り、以下の機能部の動作は、中継装置40が備える中央処理装置(CPU)、情報処理装置、通信インタフェース、および、記憶装置(メモリ及びHDD)が互いに協調して動作することにより実現される。
図9において、中継装置40の基本機能部401は、例えば、
・サーバ装置31とインターネットなどの外部ネットワークを介して信号を送信及び/又は受信する機能、
・無線基地局21と通信回線ネットワークを介して信号を送信及び/又は受信する機能、
・中継装置40と無線端末10との間の所定時間毎の通信スループット(中継装置40と無線端末10との間の通信速度)を測定して管理する機能、
等を有する。
中継装置40の情報取得部402は、各無線端末10におけるアプリケーションに関する所定の情報を取得する機能を有する。
本実施形態では、アプリケーションに関する所定の情報は、アプリケーションの品質要件情報として、例えば、
・当該アプリケーションのQoEを満足させるための要求遅延、及び、
・当該アプリケーションのQoEを満足させるための要求スループット、
を含む。
中継装置40において、情報取得部402で取得したアプリケーションに関する情報(品質要件情報)は、情報通知部403で用いられる。
中継装置40において、情情報通知部403は、情報取得部402が取得した各無線端末10におけるアプリケーションに関する情報(品質要件情報)を、基本機能部401を介して、無線基地局21に通知する機能を有する。
無線端末10におけるアプリケーションに関する情報(品質要件情報)の無線基地局21への通知は、当該無線端末10宛のデータに対応するIP(Internet Protocol)パケットに、当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。この場合、当該IPパケットのヘッダ領域に、当該情報を追加することで行うようにしてもよい。また、当該IPの上位層で使用されるTCP(Transmission Control Protocol)にて、当該IPパケットに対応するTCPパケットに、当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。また、当該TCPパケットのヘッダ領域に、当該情報を追加することで行うようにしてもよい。あるいは、TCPの代わりに、UDP(User Datagram Protocol)にて、当該IPパケットに対応するUDPパケットに当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。また、当該UDPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで行うようにしてもよい。あるいは、中継装置40と無線基地局21との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースを介して通知してもよい。
中継装置40の流入量制御部404は、図2を参照して説明した前記第1、第2の実施形態に係るサーバ装置30の流入量制御部302と同一の機能を具備する。すなわち、中継装置40の流入量制御部404は、無線基地局21の流入量制御部206からバッファ202への無線端末(識別番号=i)宛てのデータ流入量情報を受け取り、該データ流入量が正値の場合、データ流入量分のデータを追加送信する(図6(A)のステップS302)。データ流入量が0か負値の場合、追加データの送信は行わないか、抑制する(図6(B)のステップS303)。なお、流入量制御部404のさらなる説明は省略する(前記第1、第2の実施形態のサーバ装置30の流入量制御部302の記載が参照される)。
無線基地局21は、前記第1、第2の実施形態に係る無線基地局20と比較して、通信制御部203と、送出量推定部205の代わりに、通信制御部213と送出量推定部215の機能を備える。以下、無線基地局21における通信制御部213と、送出量推定部215の機能について説明する。
無線基地局21において、通信制御部213は、中継装置40から通知された無線端末10におけるアプリケーションに関する情報(品質要件情報)を取得する機能を新たに備える。
無線基地局21の通信制御部213は、例えばDPI(Deep Packet Inspection)の機能を備えた構成としてもよい。通信制御部213のDPIは、中継装置40から送信された当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットから、無線端末10で稼働するアプリケーションに関する情報を取得する。なお、DPIは、パケットのヘッダ情報だけでなく、ペイロード(データ部分)の情報を基に、パケットの種類を特定することで、アプリケーションや、振る舞いなどを識別し、アプリケーションに関する予め定められた情報を取得する。
このとき、無線基地局21の通信制御部213は、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得した後、当該IPパケットから当該情報を削除してもよい。なお、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報の無線基地局21への通知において、IPパケットの代わりに、TCPパケットやUDPパケットを用いる場合も、同様に、無線基地局21の通信制御部213は、DPIの機能を備え、中継装置40から送信された当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットから、無線端末10におけるアプリケーションに係る情報を取得するようにしてもよい。また、このとき、無線基地局21の通信制御部213は、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得した後、当該パケットから当該アプリケーションに関する情報を削除するようにしてもよい。
また、中継装置40と無線基地局21との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースを介して無線端末10におけるアプリケーションに係る情報を通知する構成としてもよい。この場合、無線基地局21の通信制御部213は、当該インタフェースを介して情報を取得する機能を備え、当該インタフェースを介して通知される無線端末10におけるアプリケーションに関する情報(品質要件情報)を取得する構成としてもよい。
さらに、無線基地局21の通信制御部213は、一般的な無線通信システムにおける無線基地局が備える無線資源の管理機能において、取得した無線端末10におけるアプリケーションに係る情報を用いる点が、図2を参照して説明した前記第1、2の実施形態の通信制御部203と相違している。
本実施形態では、前記第1、2の実施形態と同様、無線資源の割り当て指標M(i,k)を、上記数式(1)〜(4)に基づき計算する。ただし、本実施形態では、上記数式(2)における閾値Tthresh(i)を、無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求遅延とする。
また、上記数式(2)のMDelay(i)の値aは、無線区間スループットと無線資源の割り当て指標との相関関係を導出し、前記相関関係を基に、無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットの達成に必要となる値を設定してもよい。
無線基地局21の送出量推定部215は、中継装置40から通知された無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得する機能を備えている。
無線基地局21の送出量推定部215は、DPI(Deep Packet Inspection)の機能を備え、中継装置40から送信された当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットから、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得する構成としてもよい。
無線基地局21の送出量推定部215は、無線端末10におけるアプリケーションに係る情報を取得した後、当該IPパケットから、当該アプリケーションに係る情報を削除するようにしてもよい。
なお、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報の無線基地局21への通知において、IPパケットの代わりに、TCPパケットやUDPパケットを用いる場合も、無線基地局21の送出量推定部215はDPIの機能を備え、中継装置40から送信された当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットから、無線端末10におけるアプリケーションに係る情報を取得するようにしてもよい。また、送出量推定部215は、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得した後、当該パケットから当該アプリケーションに関する情報を削除してもよい。
また、中継装置40と無線基地局21との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースを介して無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を通知する構成としてもよい。この場合、無線基地局21の送出量推定部215は、当該インタフェースを介して情報を取得する機能を備え、当該インタフェースを介して通知される無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得する構成としてもよい。
無線基地局21の送出量推定部215は、取得した無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を用いて、バッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量を推定する機能を有する。
無線基地局21の送出量推定部215が推定した、バッファ202からの無線端末10宛てのデータ送出量は、流入量制御部206で用いられる。
[動作の説明]
次に、無線基地局21が無線資源の割り当てに係る無線パラメータを変更した場合に、無線基地局21のバッファ202へのデータ流入量を適正化するための動作手順について説明する。
図10は、図8、図9を参照して説明した第3の実施形態において、無線基地局21の送出量推定部215が、各無線端末10のデータ送出量を推定する動作手順の一例を説明する流れ図である。無線基地局21は、変更検出部204が無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更を検出した後に、当該無線基地局20と無線リンクが確立している全ての無線端末10を対象に、図10に記載した動作を実行する。
図10を参照すると、図7のステップS112(優先無線端末に対する無線パラメータ変更後の無線区間スループット期待値の計算)が、ステップS401(優先無線端末のアプリケーションの要求スループットを無線パラメータ変更後の無線区間スループット期待値として設定)で置き換えられている。図10において、ステップS111、ステップS113、ステップS114、ステップS115、ステップS116は、図7を参照して説明した前記第2の実施形態と同様である。以下では、図10のステップS401の動作について説明する。
無線基地局21の送出量推定部215は、ステップS101(優先無線端末と非優先無線端末の分類)の処理終了後、優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、当該無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットを、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値として設定する(ステップS401)。すなわち、ステップS401では、送出量推定部205は、優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、上記数式(9)の右辺を計算するかわりに、当該無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットを、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)[bps]として設定する。
次のステップS113では、無線基地局21の送出量推定部205は、ステップS401で計算した無線区間スループットの期待値E(i)[bps]の実現に必要な無線資源である要求無線資源を、上記数式(10)を用いて計算する。
以下のステップは前記第2の実施形態と同様とされる。すなわち、ステップS114では、無線基地局21の送出量推定部215は、上記数式(11)を用いて残無線資源を計算する。次のステップS115では、上記数式(12)を用いて非優先無線端末に対する無線パラメータ変更後の無線区間スループット期待値E(i)[bps]を計算する。最後のステップS116では、無線基地局21の送出量推定部215は、ステップS401、または、ステップS115において計算された、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更された後の無線区間スループットの期待値E(i)について、上記数式(14)を用いて、各無線端末10に対するバッファ202からのデータ送出量Dout(i)を計算する。
本発明の例示的な第3の実施形態によれば、アプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットを用いて、無線基地局21のバッファ202への無線端末10宛てのデータ流入量を制御している。このため、前記第1、2の実施形態と比較して、ユーザの体感品質(QoE)を高めることができる。
<第4の実施形態>
次に本発明の例示的な第4の実施形態について説明する。本発明の例示的な第4の実施形態の通信システムにおける無線端末10、無線基地局21、中継装置40、サーバ装置31の構成は、図8、図9を参照して説明した前記第3の実施形態と実質同一とされる。図11は、第4の実施形態における無線基地局21の送出量推定部215の動作手順の一例を説明する流れ図である。第4の実施形態では、例えば、図8の無線基地局21の送出量推定部215は、図10に記載の動作(ステップS111、S401、S113−S116の一連の処理)を実行する代わりに、図11に記載の動作を実行してもよい。
図11を参照すると、図10のステップS401をステップS501で置き換え、図10のステップS113〜S115をステップS502〜S504で置き換えている。以下では、追加されたステップS501〜S504の動作について主に説明する。
無線基地局21の送出量推定部215は、ステップS101(優先無線端末と非優先無線端末の分類)の処理終了後、非優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、当該無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットを、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値として設定する(ステップS501)。すなわち、ステップS501では、無線基地局21の送出量推定部215は、非優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、当該無線端末10におけるアプリケーションのQoEを満足させるための要求スループットを、無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)[bps]として設定する。
次いで、無線基地局21の送出量推定部215は、非優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、ステップS501で計算した無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)[bps]の実現に必要な無線資源である要求無線資源を、上記数式(10)を用いて計算する(ステップS502)。すなわち、ステップS502において、上記数式(10)のNreqRB(i)は、識別番号iの非優先無線端末における無線資源割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)[bps]の実現に必要な無線資源である。
次のステップS503において、無線基地局21の送出量推定部215は、以下の数式(18)を用いて残無線資源を計算する。

Figure 0006790508

・・・(18)
上記数式(18)は、上記数式(11)における優先無線端末における無線資源割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値の実現に必要な無線資源を、非優先無線端末における無線資源割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値の実現に必要な無線資源に置き換え、その総和を、上記数式(11)における優先無線端末の数から、非優先無線端末の数に置き換えたものである。すなわち、上記数式(18)において、左辺のNrestRBは、優先無線端末に割り当て可能なリソースブロック数である。
右辺のNRBは、システム帯域幅から決定されるリソースブロック数である。
右辺のNreqRB(i)は、上記ステップS502で求めた識別番号iの非優先無線端末に割り当て可能なリソースブロック数である。
npriorUEは、非優先無線端末の数である。
MAX[・]は、引数の最大値を戻り値として返す関数である。NRBから非優先無線端末の各々の要求無線資源であるリソースブロック数NreqRB(i)の総和を差し引いた値が負の場合、0を返し、当該値が正又は0の場合、当該値を返す。
その後、無線基地局21の送出量推定部215は、優先無線端末に分類した各々の無線端末10について、無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)[bps]を計算する(ステップS504)。
ステップS503において、無線基地局21の送出量推定部215は、優先無線端末の無線資源の割り当てに係る無線パラメータ変更後の無線区間スループットの期待値E(i)の計算には、上記数式(12)を用いる。ただし、本実施形態では、上記数式(12)におけるηは、上記数式(13)の代わりに、以下の数式(19)が用いられる。数式(19)に示すように、ηは、上記数式(18)を用いて算出したNrestRBを優先無線端末の数NpriorUEで除した値である。

Figure 0006790508

・・・(19)
次のステップS116では、無線基地局21の送出量推定部215は、ステップS501、または、ステップS504において計算された、無線資源の割り当てに係る無線パラメータが変更された後の無線区間スループットの期待値E(i)について、上記数式(14)を用いて、各無線端末10に対するバッファ202からのデータ送出量Dout(i)を計算する。
本発明の例示的な第4の実施形態によれば、無線資源の割り当てに係る無線パラメータの変更により無線資源の割り当ての増加を期待する無線端末10が発生した場合において、前記無線端末10以外の無線端末10の最低保証レートを担保しながら、前記無線端末10への無線資源の割り当てを増加できる。
また、本発明の例示的な第4の実施形態において、中継装置40が有する機能は、サーバ装置31にあってもよい。すなわち、サーバ装置31が、情報取得部402と、情報通知部403と、流入量制御部404とを備えてもよい。また、この場合、中継装置40は必須の構成要素ではない。
<第5の実施形態>
次に本発明の例示的な第5の実施形態について説明する。前記第3、第4の実施形態では、図8に示した通信システム1Aにおいて、中継装置40は、外部ネットワーク52内に配置されているが、第5の実施形態の通信システム1Bにおいては、図12に示すように、中継装置40は、モバイルコアネットワーク51内に配置されている。例えば、中継装置40は、EPCに配置されたP−GW(PDN(Packet Data Network)−GateWay)、または、S−GW(Serving−GateWay)であってもよい。
この場合、中継装置40の情報通知部403において、無線端末10におけるアプリケーションに係る情報の無線基地局21への通知は、当該無線端末10宛のデータに対応するGTP(GPRS(General Packet Radio Service) Tunneling Protocol)パケットに、当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。あるいは、当該GTPパケットのヘッダ領域(GTPヘッダ)に、当該情報を追加することで行うようにしてもよい。
また、当該GTPの下位層で使用されるUDPにて、当該GTPパケットに対応するUDPパケットに当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。また、当該UDPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで行うようにしてもよい。また、当該UDPの下位層で使用されるIPにて、当該GTPパケットに対応するIPパケットに当該情報をコンカチネーションすることで行うようにしてもよい。また、当該IPパケットのヘッダ領域に当該情報を追加することで行うようにしてもよい。
なお、第5の実施形態において、中継装置40と無線基地局21との間に、当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースを介して通知してもよい。また、この場合、無線基地局21の送出量推定部215はDPIの機能を要することなく、中継装置40から送信された当該無線端末10宛のデータに対応する各種パケットから、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を取得する。
モバイルコアネットワーク51に配置された中継装置40から送信された無線端末10におけるアプリケーションに関する情報を伝達する信号は、モバイルコアネットワーク51内で変換されて無線基地局21に転送されてもよい。
例えば、無線端末10におけるアプリケーションに関する情報が、当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットにコンカチネーションされて通知される場合、モバイルネットワーク51内において、当該IPパケットにコンカチネーションされた無線端末10におけるアプリケーションに関する情報が、当該IPパケットに対応するGTPパケットへのコンカチネーションにより転記され、無線基地局21に転送されてもよい。あるいは、当該GTPパケットのヘッダ領域に、当該アプリケーションに関する情報が転記され、無線基地局21に転送されてもよい。また、当該GTPの下位層で使用されるUDPやIPにて、当該パケットへのコンカチネーションにより転記され、無線基地局21に転送されてもよく、あるいは、当該パケットに転記され、無線基地局21に転送されてもよい。あるいは、モバイルネットワークにて無線基地局21に当該情報を通知するための新たなインタフェースを設置し、当該インタフェースに転記して介して無線基地局21に転送されてもよい。
なお、本実施形態にて説明した、当該無線端末10宛のデータに対応するIPパケットにコンカチネーションされる以外の手段により、無線端末10におけるアプリケーションに係る情報が中継装置40から無線基地局21へ通知された場合においても、上記で説明した各種方法により、当該情報に係る信号がモバイルコアネットワーク内で変換され、無線基地局21に転送されてもよい。
なお、上記変換は、モバイルコアネットワーク51内に設置される何れのノードにおいても実施できるものとする。また、上記変換は、前記第1、第2の実施形態においても実施することができる。
上述の第1乃至第5の実施形態は、各々独立に実施されてもよいし、あるいは、複数の実施形態同士、あるいは、実施形態の部分(要素)同士を適宜組み合わせて実施するようにしてもよい。例えば第1の実施形態の無線基地局と第3又は第4の実施形態の中継装置40の組み合わせ、あるいは、第3又は第4の実施形態の中継装置40の情報取得部402及び又は情報通知部403を、第1又は第2の実施形態のサーバ装置に実装する等、実施形態同士や部分(要素)同士を、適宜組み合わせで実施するようにしてもよい。
<変形例>
上述の実施形態は、上記した実施形態の可能な組み合わせのほか、次のような変形例で実施されてもよい。
例えば、無線端末10は、アプリケーションに係る情報をアプリケーションレイヤから下位のRRCレイヤへ提供する。無線端末10のRRCレイヤ処理部は、上位のアプリケーションレイヤから提供されたアプリケーションに係る情報(例えば、送信可能なデータ量を計算するための情報)を、RRCメッセージ(例えば、RRC Connection Setup Complete、RRC Connection Reconfiguration Complete、Measurement Report)に含めて送信する。この際、アプリケーションに係る情報は、無線区間スループット(例えば、所定時間経過後までに送信可能なデータ量)を計算するための情報(例えば、RSRP、RSRQ)と共に、同一のRRCメッセージで送信するようにしてもよいし、別々に送信するようにしてもよい。
上記RRCメッセージを受信した無線基地局20(21)は、上記RRCメッセージに含まれるアプリケーションに係る情報と、無線区間スループットを計算するための情報とに基づいて、上述した通信制御部の動作を行うようにしてもよい。
さらに(あるいは)、上述の実施形態は、無線基地局内又は近傍に配置されたMEC(Mobile Edge Computing)を含む構成に適用されてもよい。すなわち、上述の実施形態におけるサーバ装置30(31)としてのMECサーバと、無線端末10、無線基地局20(21)及び中継装置40とを含む通信システムにおいて、上述の実施形態の動作が行うようにしてもよい。この場合、中継装置40は必須の構成要素ではない。あるいは、中継装置40はMECサーバ内に仮想的に実装するようにしてもよい。
さらに(あるいは)、上述の実施形態は、無線基地局の機能とモバイルコアネットワークの機能を含むデータセンタ(DC:Data Center)を含む構成に適用するようにしてもよい。すなわち、上述の実施形態における無線基地局21としてのDCと、サーバ装置31、無線端末10及び中継装置40とを含む通信システムにおいて、上述の実施形態の動作が行うようにしてもよい。
DCはコアDCでもよく、分散DCでもよい。また、この場合、中継装置40は必須の構成要素ではない。あるいは、中継装置40はDCに仮想的に実装するようにしてもよい。
上記した無線基地局20(21)、サーバ装置30(31)、中継装置40の機能をプログラムで実施する例について説明する。無線基地局20(21)は、例えば図13(A)に模式的に示すように、トランシーバ20−1、情報処理装置20−2、通信インタフェース20−3を備えている。トランシーバ20−1のトランスミッタ20―11は、送信対象のベースバンド信号を搬送波帯域に周波数変換(アップコンバート)したRF(Radio Frequency)信号を電力増幅してアンテナ20−13から送信する。トランシーバ20−1のレシーバ20−12はアンテナ20−13で受信したRF信号を低雑音増幅し、ベースバンド信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。情報処理装置20−2は、例えばベースバンド信号処理、呼処理、監視制御等を行う。情報処理装置20−2は、モバイルコアネットワーク51側から通信インタフェース20−3を介して受信したダウンリンクパケットデータをベースバンド信号に変調し、トランスミッタ20−11に送信する。また、情報処理装置20−2は、レシーバ20−12から受信したベースバンド信号を復調し、通信インタフェース20−3を介してモバイルコアネットワーク51に送信する。情報処理装置20−2は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)20−21、及び、記憶装置20−22を備える。記憶装置20−22は、例えば半導体メモリ、及びハードディスク駆動装置(HDD)等を含む。記憶装置20−22は、CPU20−21が実行するプログラムを記憶する。通信インタフェース20−3は、コアネットワークと通信する。なお、記憶装置20−22は、図2のバッファ202を備えた構成としてもよい。無線基地局20(21)は、記憶装置20−22に記憶されているプログラムをCPU20−21が実行することにより、図2(図9)の基本機能部201、通信制御部203(213)、変更検出部204、送出量推定部205(215)、流入量制御部206、情報通知部207の機能の一部又は全部を実現するように構成されてもよい。
サーバ装置30(31)は、例えば図13(B)に模式的に示すように、外部ネットワーク52と通信する通信インタフェース30−1、及び、情報処理装置30−2を備える。情報処理装置30−2は、中央処理装置(CPU)30−21、及び、記憶装置30−22を備える。記憶装置30−22は、例えば半導体メモリ、及びハードディスク駆動装置(HDD)等を含む。記憶装置30−22はCPU30−21が実行するプログラムを記憶する。サーバ装置30(31)は、記憶装置30−22に記憶されているプログラムをCPU30−21が実行することにより、図2(図9)の基本機能部301、図2の流入量制御部302の機能の一部又は全部を実現するように構成されてもよい。
中継装置40は、図13(C)に示すように、情報処理装置40−1及び通信インタフェース40−2を備える。情報処理装置40―1は中央処理装置(CPU)40−11、及び、記憶装置40−12(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD))等を備える。記憶装置40−12は、CPU40−11が実行するプログラムを記憶する。中継装置40は、記憶装置40−12に記憶されているプログラムをCPU40−11が実行することにより、基本機能部401、情報取得部402、情報通知部403、流入量制御部404の機能の一部又は全部を実現するように構成されてもよい。
なお、上記の特許文献、非特許文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ乃至選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
上記した実施形態は以下のように付記される(ただし、以下に制限されない)。
(付記1)
無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、
送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を、前記無線パラメータの変更を考慮して、算出する送出量推定ステップと、
前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量と、に基づき、前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を制御する流入量制御ステップと、
を含むことを特徴とするデータ流量制御方法。
(付記2)
前記無線パラメータは、
前記無線端末におけるアプリケーションの状態と、
前記無線基地局と前記無線端末との間の無線回線品質と、
のうちの少なくとも一つに基づき変更されることを特徴とする付記1に記載のデータ流量制御方法。
(付記3)
前記無線パラメータは、
前記無線端末における無線資源の割り当て優先度と、
前記無線端末におけるアプリケーションの利用状態を表す指標(QoE(Quality of Experience)指標)と、
前記無線端末における無線回線品質と、
前記無線端末に設定される下りデータチャネルの送信電力と、
前記無線端末における送信モード(Transmission Mode)と、
前記無線端末におけるアンテナコンフィギュレーションと、
前記無線端末が利用可能なコンポーネントキャリアの数と、
前記無線端末が利用可能なRAT(Radio Access Technology)の種類と、
前記基地局における前記無線資源割り当てポリシと、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする付記1又は2に記載のデータ流量制御方法。
(付記4)
前記送出量推定ステップは、
前記無線パラメータの変更前後の無線区間のスループットの期待値を計算するステップと、
前記スループットの期待値を用いて所定時間経過後までの前記データ送出量を推定するステップと、
を含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一に記載のデータ流量制御方法。
(付記5)
前記流入量制御ステップは、
前記データ流入量を前記バッファへ流入させるステップを含むことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一に記載のデータ流量制御方法。
(付記6)
前記流入量制御ステップは、
前記データ流入量の値が0又は負の場合、前記バッファへのデータ流入を抑制する、ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一に記載のデータ流量制御方法。
(付記7)
更に、前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得するアプリケーション情報取得ステップと、
取得した前記アプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記無線パラメータの変更を検出するステップと、
を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一に記載のデータ流量制御方法。
(付記8)
更に、前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得するアプリケーション情報取得ステップを有し、
前記送出量推定ステップは、
前記取得したアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記データ送出量を推定することを特徴とする付記1乃至6のいずれか一に記載のデータ流量制御方法。
(付記9)
送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、
無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、
前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、
前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、
前記データ流入量を前記送信元に通知する情報通知部と、
を含むことを特徴とする無線基地局装置。
(付記10)
前記無線端末におけるアプリケーションの状態と、
前記無線基地局と前記無線端末との間の無線回線品質と、
のうちの少なくとも一つに基づき変更される前記無線パラメータの変更を検出する変更検出部をさらに含むことを特徴とする付記9に記載の無線基地局装置。
(付記11)
前記無線パラメータは、
前記無線端末における無線資源の割り当て優先度と、
前記無線端末におけるアプリケーションの利用状態を表す指標(QoE(Quality of Experience)指標)と、
前記無線端末における無線回線品質と、
前記無線端末に設定される下りデータチャネルの送信電力と、
前記無線端末における送信モード(Transmission Mode)と、
前記無線端末におけるアンテナコンフィギュレーションと、
前記無線端末が利用可能なコンポーネントキャリアの数と、
前記無線端末が利用可能なRAT(Radio Access Technology)の種類と、
前記基地局における前記無線資源割り当てポリシと、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする付記9又は10に記載の無線基地局装置。
(付記12)
前記送出量推定部は、
前記無線パラメータの変更前後の無線区間のスループットの期待値を計算し、
前記スループットの期待値を用いて所定時間経過後までの前記データ送出量を推定することを特徴とする付記9乃至11のいずれか一に記載の無線基地局装置。
(付記13)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する機能を備え、
前記変更検出部は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記無線パラメータの変更を検出することを特徴とする付記10に無線基地局装置。
(付記14)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する機能を備え、
前記送出量推定部は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記データ送出量を推定することを特徴とする付記9乃至12のいずれか一に記載の無線基地局装置。
(付記15)
無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を、通信網を介して受信する機能と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する流入量制御部と、を含むことを特徴とするサーバ装置。
(付記16)
前記流入量制御部は、
前記データ流入量情報が正の場合、前記無線端末宛てのデータを前記データ流入量分、前記無線基地局に追加送信し、
前記データ流入量情報がゼロ又は負の場合、前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に送信しないか、送信を抑制することを特徴とする付記15に記載のサーバ装置。
(付記17)
無線基地局とサーバ装置との間に接続され、前記サーバ装置から前記無線基地局に向けて送信される無線端末宛てのデータを中継する機能と、
前記無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を、前記無線基地局から通信網を介して受信する受信機能と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御するデータ量制御部と、
を含むことを特徴とする中継装置。
(付記18)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する情報取得部と、
前記アプリケーションに関する予め定められた情報を前記無線基地局に通知する情報通知部と、
をさらに含むことを特徴とする付記17に記載の中継装置。
(付記19)
前記流入量制御部は、
前記データ流入量情報が正の場合、前記無線端末宛てのデータを前記データ流入量分、前記無線基地局に追加送信し、
前記データ流入量情報がゼロ又は負の場合、前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に送信しないか、送信を抑制することを特徴とする付記17又は18に記載の中継装置。
(付記20)
送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファを備え、前記バッファに格納したデータを無線資源の割り当て結果に基づき前記無線端末宛てに送出する機能を含む無線基地局を構成するコンピュータに、
前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する処理と、
前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する処理と、
前記データ流入量を前記送信元に通知する処理と、
を実行させるプログラム。
(付記21)
前記無線端末におけるアプリケーションの状態と、
前記無線基地局と前記無線端末との間の無線回線品質と、
のうちの少なくとも一つに基づき変更される前記無線パラメータの変更を検出する処理を、前記コンピュータに実行させる付記20に記載のプログラム。
(付記22)
前記無線パラメータは、
前記無線端末における無線資源の割り当て優先度と、
前記無線端末におけるアプリケーションの利用状態を表す指標(QoE(Quality of Experience)指標)と、
前記無線端末における無線回線品質と、
前記無線端末に設定される下りデータチャネルの送信電力と、
前記無線端末における送信モード(Transmission Mode)と、
前記無線端末におけるアンテナコンフィギュレーションと、
前記無線端末が利用可能なコンポーネントキャリアの数と、
前記無線端末が利用可能なRAT(Radio Access Technology)の種類と、
前記基地局における前記無線資源割り当てポリシと、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする付記20又は21に記載のプログラム。
(付記23)
前記送出量の推定値を算出する処理部は、
前記無線パラメータの変更前後の無線区間のスループットの期待値を計算し、
前記スループットの期待値を用いて所定時間経過後までの前記データ送出量を推定する付記20乃至22のいずれか一に記載のプログラム。
(付記24)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する処理をさらに備え、
前記変更を検出する処理は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記無線パラメータの変更を検出する、ことを特徴とする付記20に記載のプログラム。
(付記25)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する処理をさらに備え、
前記送出量を推定する処理は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記データ送出量を推定することを特徴とする付記20乃至23のいずれか一に記載のプログラム。
(付記26)
サーバ装置を構成するコンピュータに、
無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を通信網を介して受信する処理と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する処理と、
を実行させるプログラム。
(付記27)
前記データ流入量情報が正の場合、前記無線端末宛てのデータを前記データ流入量分、前記無線基地局に追加送信し、
前記データ流入量情報がゼロ又は負の場合、前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に送信しないか、送信を抑制する処理を、前記コンピュータに実行させる付記26に記載のプログラム。
(付記28)
無線基地局とサーバ装置との間に接続され、前記サーバ装置から前記無線基地局に向けて送信される無線端末宛てのデータを中継する中継装置を構成するコンピュータに、
前記無線基地局で算出された無線端末宛てのデータ流入量情報を、前記無線基地局から通信網を介して受信する処理と、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する処理と、
を実行させるプログラム。
(付記29)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する処理と、
前記アプリケーションに関する予め定められた情報を前記無線基地局に通知する処理と、を前記コンピュータにさらに実行させる付記28に記載のプログラム。
(付記30)
前記データ流入量情報が正の場合、前記無線端末宛てのデータを前記データ流入量分、前記無線基地局に追加送信し、
前記データ流入量情報がゼロ又は負の場合、前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に送信しないか、送信を抑制する処理と、を前記コンピュータにさらに実行させる付記28又は29に記載のプログラム。
(付記31)
無線端末と、
無線基地局と、
サーバ装置と、
を備え、
前記無線基地局は、
前記サーバ装置から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、
無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、
前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、
前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記サーバ装置から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、
前記データ流入量を前記サーバ装置に通知する情報通知部と、
を含み、
前記サーバ装置は、
前記無線基地局から送信されたデータ流入量を受け、
前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御する流入量制御部を含むことを特徴とする通信システム。
(付記32)
前記無線基地局は、
前記無線端末におけるアプリケーションの状態と、
前記無線基地局と前記無線端末との間の無線回線品質と、
のうちの少なくとも一つに基づき変更される前記無線パラメータの変更を検出する変更検出部をさらに含むことを特徴とする付記31に記載の通信システム。
(付記33)
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する機能を備え、
前記送出量推定部は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記データ送出量を推定することを特徴とする付記31又は32に記載の通信システム。
(付記34)
無線端末と、
無線基地局と、
サーバ装置と、
前記無線基地局と前記サーバ装置との間に接続された中継装置と、
を備え、
前記無線基地局は、
前記サーバ装置から前記中継装置を介して送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、
無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、
前記無線資源の割り当てに係る予め定められた無線パラメータに変更があると、前記無線パラメータの変更を考慮して、前記バッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を算出する送出量推定部と、
前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されているデータ蓄積量と、に基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、
前記データ流入量を前記中継装置に通知する情報通知部と、
を含み、
前記中継装置は、
前記無線基地局で算出された前記無線端末宛てのデータ流入量情報を受信する受信機能と、
前記サーバ装置から送信された前記無線端末宛てのデータを前記無線基地局に中継するにあたり、前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御するデータ量制御部と、を含むことを特徴とする通信システム。
(付記35)
前記中継装置は、
前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を取得する情報取得部と、
前記アプリケーションに関する予め定められた情報を前記無線基地局に通知する情報通知部と、をさらに含むことを特徴とする付記34記載の通信システム。
(付記36)
前記無線基地局の前記送出量推定部は、前記無線端末におけるアプリケーションに関する予め定められた情報を用いて、前記データ送出量を推定することを特徴とする付記34又は35に記載の通信システム。
(付記37)
前記中継装置は、前記無線基地局が接続するコアネットワーク又は、前記コアネットワークに接続するパケットデータネットワークに配置されることを特徴とする付記34乃至36のいずれか一に記載の通信システム。
(付記38)
前記無線基地局は、
前記無線端末におけるアプリケーションの状態と、
前記無線基地局と前記無線端末との間の無線回線品質と、
のうちの少なくとも一つに基づき変更される前記無線パラメータの変更を検出する変更検出部をさらに含むことを特徴とする付記34乃至37のいずれか一に記載の通信システム。
(付記39)
前記無線パラメータは、
前記無線端末における無線資源の割り当て優先度と、
前記無線端末におけるアプリケーションの利用状態を表す指標(QoE(Quality of Experience)指標)と、
前記無線端末における無線回線品質と、
前記無線端末に設定される下りデータチャネルの送信電力と、
前記無線端末における送信モード(Transmission Mode)と、
前記無線端末におけるアンテナコンフィギュレーションと、
前記無線端末が利用可能なコンポーネントキャリアの数と、
前記無線端末が利用可能なRAT(Radio Access Technology)の種類と、
前記基地局における前記無線資源割り当てポリシと、
のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする付記33又は38に記載の通信システム。
(付記40)
前記無線基地局において、
前記送出量推定部は、
前記無線パラメータの変更前後の無線区間のスループットの期待値を計算し、
前記スループットの期待値を用いて所定時間経過後までの前記データ送出量を推定することを特徴とする付記31又は34に記載の通信システム。
1、1A、1B 通信システム
10、910 無線端末
11 モバイルアクセスネットワーク
20、21、920 無線基地局
20−1 トランシーバ(TRX)
20−11 トランスミッタ(TX)
20−12 レシーバ(RX)
20−13 アンテナ
20−2 情報処理装置
20−21 CPU
20−22 記憶装置
20−3 通信インタフェース
30、31、930 サーバ装置
30−1 通信インタフェース
30−2 情報処理装置
30−21 CPU
30−22 記憶装置
40 中継装置
40−1 情報処理装置
40−2 通信インタフェース
40−11 CPU
40−12 記憶装置
50、940 通信回線ネットワーク
51 モバイルコアネットワーク
52 外部ネットワーク
201 基本機能部
202、921 バッファ
203、213 通信制御部
204 変更検出部
205、215 送出量推定部
206 流入量制御部
207 情報通知部
301 基本機能部
302 流入量制御部
401 基本機能部
402 情報取得部
403 情報通知部
404 流入量制御部
931 記憶装置
950 無線インタフェース
960 P−GW

Claims (10)

  1. 無線端末に対する無線資源の割り当て指標として予め定められた複数の無線パラメータに関する指標を重み付け加算した指標を用い、
    少なくとも1つの前記無線パラメータに変更があると、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を、前記無線資源の割り当て指標の前記無線パラメータ変更前後での変化の度合と、前記無線パラメータが変更される前の前記無線端末に対するバッファからのデータ送出量とに基づき算出する送出量推定ステップと、
    前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて前記バッファにおける前記無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記無線端末宛に送信され前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を制御する流入量制御ステップと、を含むことを特徴とするデータ流量制御方法。
  2. 無線端末に対する無線資源の割り当て指標として、予め定められた複数の無線パラメータに関する指標を重み付け加算した指標を用い、
    少なくとも1つの前記無線パラメータに変更があると、前記無線資源の割り当て指標の前記無線パラメータ変更前後での変化の度合と、前記無線パラメータが変更される前の前記無線端末と基地局間の無線区間のスループットからの無線区間のスループットの期待値を算出し、
    前記無線区間のスループットの期待値に基づき、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量を求め、
    前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて、前記バッファにおける前記無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記無線端末宛に送信され前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を制御する、ことを特徴とするデータ流量制御方法。
  3. 前記無線区間のスループットの期待値の実現に必要な要求無線資源を求め、
    第2の無線端末に割り当て可能な無線資源を算出し、
    前記第2の無線端末に対する前記無線パラメータ変更後の第2の無線区間のスループットの期待値を求め、
    前記第2の無線区間のスループットの期待値から、前記第2の無線端末へのデータ送出量を求め、
    前記第2の無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記第2の無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて、前記バッファにおける前記第2の無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記第2の無線端末宛に前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記第2の無線端末宛てのデータ流入量を制御する、ことを特徴とする請求項2に記載のデータ流量制御方法。
  4. 前記前記無線資源の割り当て指標が、
    前記送信元からパケットが送信されてから無線端末に到着するまでの経過時間、
    前記パケットは再送か否か、
    前記無線端末の前記無線資源での通信品質
    の三つの無線パラメータのうち少なくとも二つを重み付け加算した指標からなる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のデータ流量制御方法。
  5. 送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファと、
    無線資源の割り当て結果に基づき、前記バッファに格納したデータを無線端末宛てに送出する機能と、
    無線端末に対する無線資源の割り当て指標として、予め定められた複数の無線パラメータに関する指標を重み付け加算した指標を用い、少なくとも1つの前記無線パラメータに変更があると、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を、前記無線資源の割り当て指標の前記無線パラメータ変更前後での変化の度合と、前記無線パラメータが変更される前の前記無線端末に対するバッファからのデータ送出量と、に基づき算出する送出量推定部と、
    前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて前記バッファにおける前記無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記無線端末宛に送信され前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記送信元から前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、
    前記データ流入量を前記送信元に通知する情報通知部と、
    を含むことを特徴とする無線基地局装置。
  6. 無線端末に対する無線資源の割り当て指標として、予め定められた複数の無線パラメータに関する指標を重み付け加算した指標を用い、
    少なくとも1つの前記無線パラメータに変更があると、前記無線資源の割り当て指標の前記無線パラメータ変更前後での変化の度合と、前記無線パラメータが変更される前の前記無線端末と基地局間の無線区間のスループットからの無線区間のスループットの期待値を算出し、
    前記無線区間のスループットの期待値に基づき、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量を求め送出量推定部と、
    前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて、前記バッファにおける前記無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記無線端末宛に送信され前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する流入量制御部と、
    前記無線端末宛ての前記データ流入量を前記送信元に通知する情報通知部と、
    を含むことを特徴とする無線基地局装置。
  7. 前記送出量推定部は、
    前記無線区間のスループットの期待値の実現に必要な要求無線資源を求め、
    第2の無線端末に割り当て可能な無線資源を算出し、
    前記第2の無線端末に対する前記無線パラメータ変更後の第2の無線区間のスループットの期待値を求め、
    前記第2の無線区間のスループットの期待値から、前記第2の無線端末へのデータ送出量を求め
    前記流入量制御部は、
    前記第2の無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記第2の無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて、前記バッファにおける前記第2の無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記第2の無線端末宛に前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記第2の無線端末宛てのデータ流入量を算出し、
    前記情報通知部は、前記第2の無線端末宛ての前記データ流入量を前記送信元に通知する、ことを特徴とする請求項6に記載の無線基地局装置。
  8. 前記前記無線資源の割り当て指標が、送信元からパケットが送信されてから無線端末に到着するまでの経過時間、
    前記パケットは再送か否か、
    前記無線端末の前記無線資源での通信品質
    の三つの無線パラメータのうち少なくとも二つを重み付け加算した指標からなる、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項の前記無線基地局装置前記送信元のサーバ装置との間に接続され、前記サーバ装置から前記無線基地局装置に向けて送信される前記無線端末宛てのデータを中継する機能と、
    前記無線基地局装置で算出された前記無線端末宛てのデータ流入量情報を、前記無線基地局装置から通信網を介して受信する受信機能と、
    前記データ流入量情報に基づき、前記無線基地局装置に送信する前記無線端末宛てのデータ量を制御するデータ量制御部と、
    を含むことを特徴とする中継装置。
  10. 送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファを備え、前記バッファに格納したデータを無線資源の割り当て結果に基づき前記無線端末宛てに送出する機能を含む無線基地局を構成するコンピュータに、
    前記無線端末に対する前記無線資源の割り当て指標として、予め定められた複数の無線パラメータに関する指標を重み付け加算した指標を用い、少なくとも1つの前記無線パラメータに変更があると、送信元から送信された無線端末宛のデータを一時的に格納するバッファからの前記無線端末に対するデータ送出量の推定値を、前記無線資源の割り当て指標の前記無線パラメータ変更前後での変化の度合と、前記無線パラメータが変更される前の前記無線端末に対するバッファからのデータ送出量と、に基づき算出する処理と、
    前記無線端末に対する前記バッファからの前記データ送出量の推定値と、前記バッファに蓄積されている前記無線端末宛てのデータ蓄積量に加えて、前記バッファにおける前記無線端末宛てのデータ蓄積量の目標値、前記送信元から前記無線端末宛てに送信され前記バッファに流入する単位時間あたりのデータ量のうちの少なくとも1つに基づき、前記バッファへの前記無線端末宛てのデータ流入量を算出する処理と、
    前記データ流入量を前記送信元に通知する処理と、
    を実行させるプログラム。
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