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JP6790567B2 - 多部品ゴルフクラブウェッジ - Google Patents

多部品ゴルフクラブウェッジ Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本願は、2015年10月6日に出願された米国特許出願第14/876731号の一部継続出願であり、この米国特許出願の内容は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。
[連邦政府による資金提供を受けた研究又は開発に関する記載]
該当なし
本開示は、包括的には、ゴルフクラブヘッドに関し、より具体的には、所望の性能特性を達成する目的で、クラブヘッドの構造特性を変更するために、複数の脱着可能なプレート又はインサートのうちの1つが選択的に取り付けられるようになっている本体を備えるゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブの物理的性質は、使用時のクラブの「フィーリング(feels、使用感)」に大きな影響を与えることがよく知られている。使用時のクラブの性能又はフィーリングに関してゴルフ業界で一般的に使用される1つの特定の用語に、ゴルフクラブの「有効バウンス(effective bounce)」がある。ゴルフクラブの有効バウンスは、ゴルフクラブの1つの物理的性質のみでは通常は決定付けられない。むしろ、有効バウンスは、クラブヘッドの複数の要因、例えば、ソール長さ、ソール幅、「打出し角(take-off angle)」(より詳細に後述する)等に関連する。ゴルファーの好ましい有効バウンスは、ゴルファーの特定のスイング特性及びゴルフコースのプレー条件によって決定付けられる場合がある。例えば、ローバウンスウェッジは、タイトライズ(tight lies)からのショット及び砂が非常に少ないか又は非常に堅いバンカーにおけるショット、並びに非常に急角度のスイングをするゴルファーにとって好ましい場合がある。ハイバウンスウェッジは、ラフ、柔らかいライ、砂が多いか又は砂が非常に柔らかいバンカーからのショット、及び全体的にフラットなスイングをするゴルファーにとって好ましい場合がある。
有効バウンスに関する多様性の観点において、ゴルフクラブの製造業者は、異なるバウンス特性を有する様々なクラブヘッドを設計している。クラブヘッドのバウンスの多様性は、ウェッジ型のゴルフクラブの設計に関して特に広く認められる。これに関して、所定のロフトを有する現在市販されている多くのウェッジは、ローバウンス、ミディアムバウンス、及びハイバウンスの別個のモデルで提供され、いずれかの特定のウェッジ設計は、所定の有効バウンスに限定される。したがって、例えば、ゴルファーが、異なるコース条件に対応するのにハイバウンスウェッジ及びローバウンスウェッジを利用したい場合、通常は、同じロフトを有する複数の異なるウェッジを購入しなければならない。なぜなら、上述したように、現在の従来的なウェッジ設計では、あらゆるバウンスの多様性には対応しないためである。さらに、クラブヘッドのソールの適切な特性、例えばバウンス角に合わせたいと望むプレーヤーは、そのようなフィッティングに対応するのにソールの単純な前後調整ができるテストクラブがないことで不便を感じるのが通常である。
したがって、クラブヘッド、より詳細には、クラブヘッドに関する有効バウンスに適応性を与えるウェッジが必要である。本開示の種々の態様は、下記により詳細に論じるようにこの特定の必要性に対処する。
本開示の1つの実施形態によれば、本体と、本体に交換式に組付け可能な第1のソール部品及び第2のソール部品とを備える、アイアン型(より詳細にはウェッジ型)のゴルフクラブヘッド組立キットが提供される。本体は、フェース中心と、リーディングエッジと、打球面の仮想平面とを有する打球面を有する。本体はまた、打球面の反対側の後面と、ホーゼル軸を規定するホーゼル部とを有する。第1のソール部品が本体に組み付けられる場合、本体と第1のソール部品とが集合的に第1のクラブヘッドを形成し、第1のクラブヘッドは、第1のソール部品と本体との間に形成される第1の分割線と、第1のソール外形とを有するソール面を有する。第1のクラブヘッドが基準位置を向いている場合、フェース中心を通り、打球面の平面に対して垂直な中央の仮想垂直平面において、打球面のこの仮想平面に対して垂直な方向に、分割線が打球面から後方に距離D1だけ離間しており、また、クラブヘッドは最大奥行きD2を有し、D1/D2が0.40以上になっている。第2のソール部品が本体に組み付けられる場合、本体と第2のソール部品とが集合的に第2のクラブヘッドを形成し、第2のクラブヘッドは、第2のソール部品と本体との間に形成される第2の分割線と、第1のソール外形とは異なる第2のソール外形とを有する第2のソール面を有する。
ゴルフクラブヘッド組立キットは、ねじ頭部及びねじ軸部(ねじ軸部の軸を規定する)を有するねじ部材を更に備えることができる。ねじ部材は、第1のソール部品又は第2のソール部品のうちの一方を本体に固定して、第1のクラブヘッド及び第2のクラブヘッドのうちの対応する一方を形成するように構成することができ、第1のクラブヘッド及び第2のクラブヘッドのいずれかが基準位置を向いている場合、ねじ軸部の軸は、ホーゼル軸を含むホーゼル部の仮想垂直平面が、約75度〜約110度のねじ軸部角度で交わるようになっている。
ゴルフクラブヘッド組立体が第1のクラブヘッドとして構成され、そのような第1のクラブヘッドが基準位置を向いている場合、中央の仮想垂直平面において、打球面の仮想平面に対して垂直な方向に測定すると、(a)第1のソール部品は、打球面の平面に対して平行なソール部品の前方平面を規定する最前点と、打球面の平面に対して平行なソール部品の後方平面を規定する最後点とを更に有することができ、(b)第1の分割線を通り、打球面の平面に対して平行な平面は、ソール部品の前方平面から後方に距離D3だけ離間していることができ、(c)ソール部品の後方平面は、ソール部品の前方平面から後方に距離D4だけ離間していることができ、D3/D4が0.30以上になっている。
第1のクラブヘッドが基準位置を向いている場合、中央の仮想垂直平面において、分割線は、リーディングエッジから後方に0.35インチを下回らない水平距離だけ離間していることができる。
第1のクラブヘッドは、38度以上のロフト角を更に有することができる。
それぞれ基準位置を向いている場合には、第1のクラブヘッドは、第1のリーディングエッジ高さを有することができ、第2のクラブヘッドは、第1のリーディングエッジ高さとは少なくとも0.15mmだけ異なる第2のリーディングエッジ高さを有することができる。
本開示の別の態様によれば、基準位置を向いている場合、本体と、本体に取外し可能に固定されるソール部品とを備えるアイアン型のゴルフクラブヘッド、例えばウェッジ型のゴルフクラブヘッドが提供される。本体は、フェース中心と、リーディングエッジと、打球面の仮想平面とを有する打球面を有する。本体はまた、打球面の反対側の後面と、ホーゼル軸を規定するホーゼル部とを備える。ソール面は、本体とソール部品とによって集合的に形成され、ソール面はソール外形を有し、ソール部品と本体との間には第1の分割線が形成される。フェース中心を通り、打球面の仮想平面に対して垂直な中央の仮想垂直平面において、打球面に対して垂直な方向に測定すると、分割線は、打球面から後方に距離D1だけ離間しており、また、クラブヘッドは最大奥行きD2を有し、D1/D2が0.50以上になっている。
D1/D2は0.70以上の場合があることが想定される。
ゴルフクラブヘッドは、ホーゼル軸を含むホーゼル部の仮想垂直平面と、ソール部品を本体に固定するように構成されている締結具とを更に備えることができる。
本開示の更に別の実施態様において、基準位置を向いている場合、本体と、本体に取外し可能に固定されるソール部品とを備えるアイアン型のゴルフクラブヘッド、例えばウェッジ型のゴルフクラブヘッドが提供される。本体は、フェース中心と、リーディングエッジと、打球面の仮想平面とを有する打球面を有する。本体はまた、打球面の反対側の後面と、ホーゼル軸を規定するホーゼル部とを有する。ソール面は、本体とソール部品とによって集合的に形成され、ソール面はソール外形を有し、第1のソール部品と本体との間には第1の分割線が形成される。フェース中心を通り、打球面の仮想平面に対して垂直な中央の仮想垂直平面において、分割線は打球面から後方に0.35インチ以上の水平距離D5だけ離間している。
D5は、約0.40インチ〜0.70インチとすることができる。
中央の仮想垂直平面において、ソール面は、ソール面水平長さD6を更に有することができ、D5/D6が0.50以上になっている。D5/D6は0.60以上の場合もある。
本開示の別の態様によれば、グラウンドの仮想平面に対して基準位置を向いている場合、トップラインと、トップラインとは概して対向関係にあるソール部とを有する本体を備え、ゴルフクラブヘッドが基準位置にある場合、ソール部の少なくとも一部がグラウンド平面に当接する(resting on)、アイアン型のゴルフクラブヘッドが提供される。本体は、トップラインとソール部との間に延在する打球面と、打球面とは概して対向関係にある後面とを更に有する。後部キャビティが後面から打球面に向かって延在し、ソールキャビティがソール内へと延在する。ゴルフクラブヘッドは、第1の軸に沿って後部キャビティ内に取外し可能に固定される少なくとも1つの後部プレートと、ソールキャビティ内に取外し可能に固定される少なくとも1つのソールプレートとを更に備える。ゴルフクラブヘッドは、グラウンドの仮想平面から垂直に13.5mm〜16.0mmだけ離間している重心を有する。
後部プレートは、互いに略平行な第1の対の対向面を有し、この対間に略均一な後部プレート厚を規定することができる。ソールプレートは、互いに略平行な第2の対の対向面を有し、この対間に略均一なソールプレート厚を規定することができる。
代替的な一実施態様によれば、後部プレートは、互いに平行でない1対の対向面を有し、この対間に可変の後部プレート厚を規定することができる。さらに、ソールプレートは、互いに平行でない1対の対向面を有し、この対間に可変のソールプレート厚を規定することができる。後部プレート厚及びソールプレート厚のうちの少なくとも一方は、クラブヘッドが基準位置にある場合、垂直方向に変化することができる。後部プレート厚及びソールプレート厚のうちの少なくとも一方は、クラブヘッドが基準位置にある場合、ヒール部からトゥ部にかけての方向に変化することができる。
クラブヘッドは、少なくとも1つの後部プレートを本体に結合するように構成されている後部プレート締結具と、少なくとも1つのソールプレートを本体に結合するように構成されているソールプレート締結具とのうちの少なくとも一方を備えることができる。後部プレート締結具及びソールプレート締結具のうちの少なくとも一方は、ねじ切りされたねじ部材を含んでもよい。後部プレート締結具及びソールプレート締結具のうちの少なくとも一方は、磁石を含んでもよい。
少なくとも1つの後部プレート及び少なくとも1つのソールプレートのうちの少なくとも一方は、タングステンから形成してもよい。
本開示は、添付の図面と併せて読むと、以下の詳細な説明を参照することにより最もよく理解される。
本明細書に開示される種々の実施形態のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、以下の説明及び図面に関連してよりよく理解される。
脱着可能なソール部品が本体から分解されているアイアン型又はウェッジ型のゴルフクラブヘッドの分解背面斜視図である。 図1に示されているゴルフクラブヘッドの組立背面斜視図である。 図2に示されているゴルフクラブヘッドの正面図である。 ソール部品が本体に取り付けられた状態における、図2及び図3に示されているゴルフクラブヘッドのトゥ側の図である。 ソール部品が本体に取り付けられた状態における、図2〜図4に示されているゴルフクラブヘッドの背面図である。 図5に示されている線6−6に沿ったゴルフクラブヘッドの側面断面図である。 図5に示されている線7−7に沿ったゴルフクラブヘッドの側面断面図である。 図5に示されている線8−8に沿ったゴルフクラブヘッドの分解側面断面図である。 クラブヘッドの或るパラメーターが強調されている、図5に示されている線9−9に沿ったゴルフクラブヘッドの組立側面断面図である。 クラブヘッドの或るパラメーターが強調されている、図5に示されている線9−9に沿ったゴルフクラブヘッドの組立側面断面図である。 クラブヘッドの或るパラメーターが強調されている、図5に示されている線9−9に沿ったゴルフクラブヘッドの組立側面断面図である。 クラブヘッドの或るパラメーターが強調されている、図5に示されている線9−9に沿ったゴルフクラブヘッドの組立側面断面図である。 第1のソール部品が本体に結合されているクラブヘッドの拡大された一部の側面断面図である。 第2のソール部品が本体に結合されているクラブヘッドの拡大された一部の側面断面図である。 第3のソール部品が本体に結合されているクラブヘッドの拡大された一部の側面断面図である。 本体と、本体に取り付けられている第1の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 本体と、本体に取り付けられている第1の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 図15及び図16に示されているクラブヘッドの断面図である。 本体と、本体に取り付けられている第2の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 本体と、本体に取り付けられている第2の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 図18及び図19に示されているクラブヘッドの断面図である。 本体と、本体に取り付けられている第3の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 本体と、本体に取り付けられている第3の実施形態の後部プレート及びソールプレートの組とを備えるクラブヘッドの斜視図である。 本体に結合されているソールプレートを示す第1の断面における、図21及び図22に示されているクラブヘッドの断面図である。 本体に結合されている後部プレートを示す第2の断面における、図21及び図22に示されているクラブヘッドの断面図である。
図面及び詳細な説明の全体を通して同じ要素を示すために共通の参照符号が用いられる。
添付図面に関連して以下に記載する詳細な説明は、調整可能なアイアン型のゴルフクラブヘッド、特に、ウェッジ型のゴルフクラブヘッドの調整可能な後部及び/又はソール部のいくつかの実施形態の説明として意図されており、開発又は使用され得る唯一の形態を代表することは意図していない。本説明は、図示の実施形態に関連して種々の構造及び/又は機能を記載するが、一方で、同じ若しくは均等な構造及び/又は機能を異なる実施形態によって達成してもよく、これらの実施形態も本開示の範囲内に包含されるように意図されることが理解されるべきである。例えば、本開示は、特にウェッジ型のゴルフクラブに対して使用されるが、以下に記載の構造的及び機能的な特徴は、他のアイアン型のゴルフクラブヘッドにも適用し得る。「第1の」及び「第2の」等の相関的な用語の使用等は、単に1つの実体を別の実体から区別するために用いられ、このような実体間のそうした実際の関係又は順序を必ずしも必要とするか又は含意することはないことが更に理解される。「およそ」の値として列挙される全てのパラメーター値は、これらのパラメーターが含まれる1つ又は複数の実施形態の任意の特性として、そのようなパラメーターの正確な値を暗に列挙する役目を果たすように意図されている。
図1〜図4を参照すると、1つの実施形態によれば、例えば、クラブヘッドの「バウンス」の所定の変更に基づいて、クラブヘッド10を用いるプレーヤーにとっての好ましい「フィーリング」を達成するように、複数の異なるソール部品のうちの1つが交換式に取付け可能になっている本体12を備えるゴルフクラブヘッド10が示されている。特に、異なるソール部品はそれぞれ異なる構造特性を規定し、そのため、各ソール部品が、本体12に取り付けられる場合、他のソール部品に対して異なるバウンスを提供する。上述したように、本明細書で用いられる場合の「バウンス」という用語は、「有効バウンス」を示しており、これは上述したように、ソールの1つの特定の測定可能な態様のみを包摂し得るものではなく、むしろ、芝との相互作用に基づくクラブヘッドのフィーリング、及び静止位置において芝に当接する際にクラブが置かれ得る様相に寄与し得る、ゴルフクラブのソール面の複数の態様を包括的に含む。バウンスの分類は、いくつかの場合では、1つのみの要因、例えば打出し角(後述する)に基づく場合がある。しかし、実際的には、「有効バウンス」の分類は、従来は、場合によって打出し角、ソール幅、前部から後部にかけてのソールキャンバー(camber、そり)、及びヒール部からトゥ部にかけてのソールキャンバーを含む又は含まない、ソール面の複数の態様によるものである。有効バウンスの分類(また、異なる「バウンス」特性を有する1つ又は複数の交換式のソール部における順次の区別)は、少なくとも「打出し角」及び/又はソール幅における違いを含むことが好ましい。ユーザーは、ユーザーのスイング特性、プレー環境、又は他の要因に基づいて特定のソール部品を選択することができる。
ゴルフクラブヘッド10は、アイアン型のゴルフクラブヘッド、より詳細にはウェッジであり、本体12は、打球面16と、打球面16とは対向関係にある後面18とを有する。クラブヘッド10は、上側部分であるブレード部と、(本体12とソール部品14との組合せにより)ブレード部に組み付けられる下側マッスル(muscle)部とを規定することが好ましい。ブレード部は、打球面16と後面18との間に打球壁厚「T」を規定することが好ましい。種々の実施形態によれば、打球壁厚Tは、好ましくはおよそ0.15インチ〜0.50インチに等しく、より好ましくは0.20インチ〜0.30インチに等しく、最も好ましくはおよそ0.22インチに等しい。打球面16は、フェース中心20及びリーディングエッジ21を有するとともに、打球面の平面22を規定し、打球面16は、クラブヘッド10の耐用期間の間、繰り返しゴルフボールを打てるようになっている。これに関して、打球面16は、衝突時にゴルフボールにスピンをかけるように、及び/又は、面16から水又は草を退けさせ、クラブヘッド10とゴルフボールとの間により直接的な衝突を可能にするように複数の溝を有してもよい。本体12は、ヒール部24と、トゥ部26と、トップライン28と、その反対側のソール部30とを更に有する。リセス31(例えば図1を参照)が、ソール部30に隣接して後面18から本体12内に延在し、ソール部品14を少なくとも部分的に受けるようになっている。このことはより詳細に後述する。本体12は、ソール部品14を本体12に取り付けるために、本体12内へと延在するボア33を更に有する。ボア33は、リセス31から後方に突出するボス35内に形成してもよい。本体12は、鍛造、鋳造、又は当該技術分野において既知の他の製造技法によって金属材料から作製される。ホーゼル部32は本体12に結合され、ヒール部24から延在するとともにホーゼル軸34を規定する。ホーゼル部32は、クラブシャフトに係合するようになっている。ゴルフクラブヘッド10は、ホーゼル軸34が、仮想平面22に対して垂直、すなわち打球面16の全体的な平面に対して垂直な、ホーゼル部の想定上の垂直平面35と同一平面上にある場合、グラウンドの仮想平面、例えばグラウンド平面37に対して「基準位置」にあると言える。また、スコアラインがグラウンド平面37に対して概して平行に延びている。別途示されない限り、本明細書における全てのパラメーターは、基準位置にあるゴルフクラブヘッド10に関して規定される。
本体12は、図4に示されているように、ホーゼル部の平面35と打球面の平面22との間の角度であるロフト角Φを規定する。種々の実施形態によれば、ロフト角Φは、好ましくは38度以上であり、更により好ましくは40度よりも大きく、より一層好ましくは45度〜70度であり、更により好ましくは55度〜60度であり、最も好ましくはおよそ56度に等しい。これらの範囲内のロフトを有するゴルフクラブヘッド、例えばアイアン型のクラブヘッドは、グラウンドを「掘る(dig)」傾向が大きい場合、特にソール外形の調整に適する。
上述したように、本体12は、具体的には、複数の異なる形態のソール部品14とともに交換式に用いるようになっており、それらのソール部品14の特定の例を、図12〜図14を参照してより詳細に後述する。これに関して、ゴルファーは、ゴルフクラブヘッド10を画定するために複数のソール部品14のうちのどのソール部品を本体12に取り付けるかを選択することができる。各ソール部品14は、本体12に取り付けられる場合、独自のバウンス、ひいては「フィーリング」の属性をもたらす。例えば、異なるソール部品14は、異なる寸法を有し、異なる外形を画定することができ、クラブヘッド10に特有のフィーリングをもたらすことができる。ソール部品14は、異なる重量、密度、材料、又はクラブヘッド10に特有の属性をもたらすことを目指した他の構造的な区別、及び特に上述のバウンス特性を有することができることも想定される。
通常、各ソール部品14は、内面36、頂面38、底面40、及び後面42を有し、ソール部品14はヒール部及びトゥ部を画定する。カウンターボア48が、ソール部品14を貫通して形成され、後面42及び内面36を通るカウンターボア軸50を規定する。
1つの実施形態によれば、ソール部品14は、ソール部品14をリセス31内に、ソール部品14の内面36が本体12に面した状態で位置決めすることによって、本体12に取り付けることができる。ボス35は、カウンターボア48が、本体12に形成されているボア33と同軸に位置合わせされるように、本体12に対してソール部品14を適切に位置付けるのを補助することができる。ねじ52等の機械的な締結具を用いて、ソール部品14を本体12に固定することができる。ソール部品14及び本体12は、ソール部品14がリセス31の内面36、リセス上側側壁31a及びリセス下側側壁31bの双方に当接するように構成されていることが好ましい。ソール部品14がこれらのそれぞれのリセス側壁31a及び31bに当接するように構成することによって、ソール部品14と本体12との組合せは、通常のプレー中にクラブヘッド10がゴルフボールに衝突する際に、一体の(solid)部品としての挙動をよりとりやすくなり得る。例えば、ソール部品の僅かな動き(これによりクリック音(clicking:カチャカチャ鳴ること)が生じ得る)を、互いに対して角度の付いている複数の面の当接(通常の単一平面における面に対する当接と対比される)によって、更に最小化することができる。これに関して、フィーリングが向上するので、このような調整可能なクラブヘッドは、(実際に単一の一体型部品で形成されている場合が多い)調整可能でないタイプの同様のクラブヘッドの代わりとしてより受け入れやすくなることが可能になる。結果として、より一体のフィーリングをこのような調整可能なクラブヘッドに与えることによって、フィッティング用のツールとして用いる場合、このような調整可能なクラブヘッドが対応することを意図され得る、従来から購入可能な調整可能でないクラブヘッドのようなフィーリングをより得やすい。この場合、バウンスフィッティングを行うゴルファーは、実際に購入したクラブが、この購入したクラブが発揮するはずのテストクラブのようなフィーリングではないことに落胆することが少なくなる(又はフィッティング作業がほとんど無意味であったと感じることが最小限になる)。いくつかの実施形態において、リセス31の側壁31a及び31bのうちの少なくとも一方(またいくつかの場合ではその双方)には、ソール部品14の上面38及び下面40のテーパー部分に対して相補的にテーパーが付けられている。このようにして、本体12とソール部品14との間の組付けは、よりぴったりと合い(snug)及び/又は製造公差に対応することができる。ソール部14を本体12に一体に固定することにより、(例えば、クラブヘッドのブレード部に組み合わせるために)ソール部品12の比較的薄い領域が生じることが回避され得る。このような薄い部分は、通常使用時に打球面16がゴルフボールに衝突する際に望ましくない振動が伝播することに結びつき得る。
ここで図5を参照すると、1つの規定のソール部品14が本体12に取り付けられているクラブヘッド10の背面図が示されている。図6は、クラブヘッド10のトゥ部に隣接して位置する横断平面において示されているクラブヘッド10の側面断面図であり、一方、図7は、クラブヘッド10のヒール部に隣接して位置する横断平面において示されているクラブヘッド10の側面断面図である。見てわかるように、ソール部品14のサイズは、ヒール部からトゥ部にかけての方向に変化し、ソール部品14は、トゥ部の近位(またヒール部の遠位)よりもヒール部の近位の方がより大きい断面積を有し得る。
ソール部品14及び本体12は、互いに取り付けられると、本体12とソール部品14とが交わる部分に分割線56を有するソール外形を有するソール面54を集合的に画定する。ソール面54の一部を画定するソール部品14に関して、ソール面54の外形は、1つのソール部品14を別のソール部品14に交換することによって変化させることができる。これに関して、少なくとも3つのソール部品14a、14b、及び14cの組が、図12〜図14に示されている。少なくとも3つのソール部品14a、14b、及び14cは、本体12と、本体12に固定されるソール部品(ソール部品14a、14b、及び14bの組のうちの1つ)との間に形成されるソール面の外形を変化させるために、本体12に交換式に取付け可能である。例えば、第1のソール部品14a(図12)が本体12に取り付けられる場合、第1のソール部品14aと本体12とは集合的に第1のクラブヘッド10aを形成し、第1のクラブヘッド10aは、第1の分割線が第1のソール部品14aと本体12との間に形成される第1のソール外形を規定する第1のソール面を有する。第1のソール部品14aが取り外され、例えば第2のソール部品14b(図13)と交換される場合、本体12と第2のソール部品14bとは集合的に、第1のクラブヘッド10aとは異なる第2のクラブヘッド10bを形成し、第2の分割線が第2のソール部品と本体12との間に形成される第2のソール外形を規定する第2のソール面を有する。
ここで図8及び図9を詳細に参照すると、フェース中心20を通り、打球面の平面22に対して垂直である断面垂直平面におけるクラブヘッド10の断面図が示されており、図8は分解図を示し、図9は組立図を示している。見て取ることができるように、ソール部品14は、ねじ頭部58と、ねじ軸部の軸62を規定する雄ねじ付きねじ軸部60とを有するねじ部材52によって、本体12に取り付けられる。1つの実施形態によれば、好ましくはねじ軸部60上に3つ以上のねじ山、より好ましくはねじ軸部60上に3つ〜5つのねじ山がある。当然ながら、他の実施形態は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、ねじ軸部60上に5つよりも多いねじ山を有することができる。
ねじ部材52は、ソール部品14を本体12に固定し、クラブヘッド10を形成するように構成されており、クラブヘッド10が基準位置を向いている場合、ねじ軸部の軸62が、約75度〜約110度、より好ましくは80度〜100度、より好ましくは約90度に等しいねじ軸部角度Θでホーゼル軸を含むホーゼル部の仮想垂直平面64に交わるようになっている。これに関して、ボア33は、雌ねじ付きであり、ねじ軸部60上の雄ねじと係合するように構成されており、ボア33は、ねじ軸部角度Θと等しいボア軸66の回りに配置されている。ボア33は、十分な回数のねじ回しを可能にするのに十分深く本体12内へと延在する。ソール部品14に形成されているカウンターボア48は、ねじ軸部60の直径よりも大きく、ねじ頭部58の直径よりも小さい第1の直径を有する第1のセクションと、ねじ頭部58の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のセクションとを有し、図9に示されているように、ねじが完全にボア33内に進むと、ねじ頭部58がカウンターボア48の第2のセクション内に収まるようになっている。1つの実施形態によれば、ねじ頭部58は、ソケット型のねじ頭部であり、調整可能/取外し可能な軸固定用ねじのための工具ソケットに適合するが、ねじ頭部58は、フィリップス頭部型のねじ頭部、平坦頭部型のねじ頭部、又は、レンチ、アレンレンチ、アレンキー、トルクス(登録商標)レンチ、多角形断面を有するレンチ、専用の断面形状を有するレンチと動作可能に係合するようになっているソケット、又は当該技術分野において既知の他のタイプのねじ頭部であってもよいことが理解される。いくつかの実施形態において、1組のソール部品は、本体12、及び/又は、ソール部品14a、14b、及び14cのうちのいずれかを本体12に適切に固定するための対応する締結用工具との組合せで提供することができる。このような工具は、従来のドライバー、レンチ、アレンレンチ、アレンキー、トルクス(登録商標)レンチ、多角形断面を有するレンチ、専用の断面形状を有するレンチ等を含むことができる。1つ又は複数の実施形態において、締結用工具は、トルク検知装置と、必要に応じて、ユーザーに、締結具に現在印加されているトルク及び/又はトルクが閾値に達するか若しくは閾値を超えた場合を示すインジケーターとを備える。さらに、本体12及びソール部品14は、単一のねじ部材52によってソール部品14を本体12に取り付けることを可能にするようになっており、これにより、使用の単純さ及び容易さがもたらされ、ソール部品14を本体12に対して素早く簡単に交換可能であることを可能にする。また、ボア33、カウンターボア48、及びねじ部材52の構成により、複数の接触点が間にあることに起因して使用中の「クリック音」を低減することができる。この構成の場合、詳細には、ねじ用ボア33がソール部品14の後面から上述の角度範囲内の角度で延在する場合、クラブヘッド12の比較的厚い部分に位置合わせされた場所及び方向において、ねじが本体12に入ることが確実になる。これにより、本体12の薄い壁及び/又は不必要な「中空」の存在が低減され、それにより有益なフィーリングが促進され得る。また、ねじ用ボア33をこのように向けることにより、ねじ材料の比較的長い部分が本体12に固定されることが確実になり、ソール部品14及び本体12の一体の組付けが更に可能になり、有益なフィーリングを促進するとともに、多部品クラブヘッドシステムの構造的完全性が確実になる。
ねじ部材52に加えて任意のテープ層又は他の接着剤を用いて、ソール部品14を本体12に結合することができることも想定される。テープ層はフィーリングを向上させるとともに「クリック音」を更に低減することができるが、ほとんどの場合、付加的なテープ層を用いないねじ部材52の使用で十分であるとみなされ得る。
別の実施形態によれば、キャプティブスクリュー(captive screw:脱落防止ねじ)を用いて、ソール部品14を本体12に固定することができる。キャプティブスクリューを使用すると、ソール部品14を取り外すのにねじを外しながらも、ねじを本体12に保持することができる。
ソール部品14及び本体12を、任意の締結要素又は当該技術分野において既知の技法を用いて結合することができることが更に想定される。例えば、ソール部品14は、1つ若しくは複数の磁石、又はばねを備えるねじを使用して、本体12に結合し、ソール部品の交換に関する時間を低減するのに迅速な解放又は迅速な回転の選択肢を可能にすることができる。
図10及び図11は、クラブヘッド10に関する種々の寸法及びパラメーターを説明するための、図9に示されているクラブヘッド10の複製である。図10を具体的に参照すると、ソール部品14は、打球面の平面22に対して平行なソール部品の前方平面68を規定する最前点と、打球面の平面22に対して平行なソール部品の後方平面72を規定する最後点70とを有する。クラブヘッド10は、分割線56を通り、打球面の平面22に対して平行な平面74を更に有する。打球面の平面22と分割線56を通る平面74との間の距離は、距離D1を規定する。打球面の平面22とソール部品の後方平面72との間の距離は、距離D2及び最大奥行きを規定する。ソール部品の前方平面68と分割線56を通る平面との間の距離は、距離D3を規定する。ソール部品の前方平面68とソール部品の後方平面72との間の距離は、距離D4を規定する。
1つの実施形態によれば、距離D1は、好ましくはおよそ0.25インチ以上であり、より好ましくはおよそ0.35インチ以上であり、更により好ましくはおよそ0.40インチ〜0.60インチであり、更により一層好ましくはおよそ0.42インチ〜0.50インチであり、最も好ましくはおよそ0.47インチに等しい。
別の実施形態によれば、距離D2は、好ましくはおよそ0.50インチ以上であり、より好ましくはおよそ0.60インチ〜0.75インチであり、最も好ましくはおよそ0.63インチに等しい。
更に別の実施形態によれば、距離D3は、好ましくはおよそ0.25インチ以上であり、より好ましくはおよそ0.30インチ〜0.40インチであり、最も好ましくはおよそ0.35インチに等しい。
更に別の実施形態によれば、距離D4は、好ましくはおよそ0.35インチより大きく、より好ましくはおよそ0.45インチ〜0.60インチであり、最も好ましくはおよそ0.51インチに等しい。
上述の寸法に加えて、クラブヘッド10に関していくつかの好ましい比が存在する。1つの実施形態によれば、D1/D2の比は、好ましくはおよそ0.40以上であり、より好ましくはおよそ0.50以上であり、更により好ましくはおよそ0.70以上であり、最も好ましくはおよそ0.74に等しい。D3/D4の比は、好ましくはおよそ0.30以上であり、より好ましくはおよそ0.50以上であり、更により好ましくは0.60以上であり、より一層好ましくはおよそ0.65以上であり、最も好ましくはおよそ0.68に等しい。調整可能なクラブヘッド10をこのように構成することによって、ソール面54の近位の分割線は、クラブヘッド10に対して比較的後方になる。これにより、最初の芝との相互作用の点に又はその点付近に分割線が位置する場合、分割線がフィーリングに対して及ぼし得る悪影響が最小限になる。したがって、上述の構成により、このような調整可能なクラブヘッドは、そのような通常の調整可能でないクラブヘッドの代わりとしてより受け入れやすくなることが可能になる。結果として、より似たようなフィーリングを提供することにより、このような調整可能なクラブヘッド10をフィッティング用のツールとして用いる場合、このような調整可能なクラブヘッド10が対応することを意図され得る従来から購入可能な調整可能でないクラブヘッドのようなフィーリングをより得やすい。この場合、例えばバウンスフィッティングを行うゴルファーは、実際に購入したクラブが、この購入したクラブが発揮するはずのテストクラブのようなフィーリングではないことに落胆することが少なくなる(又はフィッティング作業がほとんど無意味であったと感じることが最小限になる)。
ここで図11を参照すると、本体12とソール部品14との組合せによって形成されるクラブヘッド10は、重心76を規定し、重心76は、打球面の平面22から距離CG1だけ垂直に離間し、グラウンド平面37から距離CG2だけ上昇している。1つの実施形態によれば、CG1は、好ましくはおよそ1mm〜5mmに等しく、より好ましくはおよそ2mm〜4mmに等しく、より一層好ましくはおよそ2.2mmに等しく、一方、CG2は好ましくはおよそ10mm〜25mmに等しく、より好ましくはおよそ15mm〜20mmに等しく、より一層好ましくはおよそ17.5mmである。調整可能なクラブヘッド10をこのように構成することによって、このような調整可能なクラブヘッドは、そのような通常の調整可能でないクラブヘッドの代わりとしてより受け入れやすくなることが可能になる。結果として、より似たようなフィーリングを提供することにより、このような調整可能なクラブヘッド10をフィッティング用のツールとして用いる場合、このような調整可能なクラブヘッド10が対応することを意図され得る従来から購入可能な調整可能でないクラブヘッドのようなフィーリングをより得やすい。この場合、例えばバウンスフィッティングを行うゴルファーは、実際に購入したクラブが、この購入したクラブが発揮するはずのテストクラブのようなフィーリングではないことに落胆することが少なくなる(又はフィッティング作業がほとんど無意味であったと感じることが最小限になる)。
さらに、図11は、中央の仮想垂直平面において、分割線56が打球面のリーディングエッジ80から後方に水平距離D5だけ離間しており、ソール面がソール面水平長さD6を有することを示している。距離D5は、好ましくはおよそ0.35インチ以上であり、より好ましくはおよそ0.40インチ〜0.70インチであり、最も好ましくは約0.51インチに等しい。ソール面水平長さD6は、好ましくはおよそ0.50インチ以上であり、より好ましくはおよそ0.70インチ〜1.00インチであり、最も好ましくはおよそ0.815インチに等しい。1つの実施形態によれば、D5/D6の比は、およそ0.50以上であり、より好ましくはおよそ0.55〜0.70であり、更により好ましくはおよそ0.60〜0.65であり、最も好ましくはおよそ0.63に等しい。
図11は、(打球面の平面)に対して垂直であり、グラウンド接触点82を通る中央の仮想垂直平面において)(リーディングエッジ80及びグラウンド接触点82を通る)線78とグラウンド平面37との間の角度として規定される「打出し」角βを更に示している。1つの実施形態によれば、打出し角βは、好ましくはおよそ40度〜60度に等しく、より好ましくはおよそ45度〜55度に等しく、最も好ましくはおよそ51度に等しい。
クラブヘッド10は、好ましくはヘッドの質量がおよそ200g以上であり、より好ましくは240g〜300gであり、更により好ましくは250g〜290gであり、最も好ましくはおよそ276gに等しい。さらに、1つの実施形態によれば、重心76を通る垂直軸回りの慣性モーメントは、クラブヘッド10が基準位置にある場合、およそ3000g*cm2以上であり、より好ましくはおよそ3400g*cm2以上であり、更により好ましくはおよそ3500g*cm2〜3800g*cm2、最も好ましくはおよそ3600g*cm2に等しい。調整可能なクラブヘッド10をこのように構成することによって、クラブヘッドのフィーリングは、通常の調整可能でない一体型クラブヘッドとより似たものとなり得、このような調整可能なクラブヘッドをそのような通常の調整可能でないクラブヘッドの代わりとしてより受け入れやすくなることが可能になる。結果として、より似たようなフィーリングを提供することにより、このような調整可能なクラブヘッド10をフィッティング用のツールとして用いる場合、このような調整可能なクラブヘッド10が対応することを意図され得る従来から購入可能な調整可能でないクラブヘッドのようなフィーリングをより得やすい。この場合、例えばバウンスフィッティングを行うゴルファーは、実際に購入したクラブが、この購入したクラブが発揮するはずのテストクラブのようなフィーリングではないことに落胆することが少なくなる(又はフィッティング作業がほとんど無意味であったと感じることが最小限になる)。
ここで図12〜図14を参照すると、3つの異なる例示的なソール部品14a〜14cのうちのそれぞれ1つを伴って形成される3つのクラブヘッド10a〜10cの拡大された部分断面図が示されている。まず図12を参照すると、第1のソール部品14aが本体12に結合されて、第1のクラブヘッド10aを画定している。第1のソール部品14aは、第1のソール部品14aがグラウンド平面37aと交わる第1のグラウンド接触点82aを規定し、グラウンド平面37aと第1のグラウンド接触点82a及びリーディングエッジ80を通る軸との間に第1の打出し角β1を規定する。第1のグラウンド接触点82a及びリーディングエッジ80は、第1のリーディングエッジ高さH1を規定する。第1のソール部品14aは第1のグラインド(grind)部84aを更に画定し、第1のグラインド部84aは、第1のグラウンド接触点82aから後方に延在するとともに第1の最後点70aにおいて終端し、第1の最後点70aは、グラウンド平面37aから第1のグラインド高さG1だけ上昇している。
ここで図13を参照すると、第2のソール部品14bが本体12に結合されて、第2のクラブヘッド10bを画定している。第2のソール部品14bは、第2のソール部品14bがグラウンド平面37bと交わる第2のグラウンド接触点82bを規定し、グラウンド平面37bは、グラウンド平面37bと第2のグラウンド接触点82b及びリーディングエッジ80を通る軸との間に第2の打出し角β2を規定する。第2のグラウンド接触点82b及びリーディングエッジ80は、第2のリーディングエッジ高さH2を規定する。第2のソール部品14bは、第2のグラインド部84bを更に画定し、第2のグラインド部84bは、第2のグラウンド接触点82bから後方に延在するとともに第2の最後点70bにおいて終端し、第2の最後点70bは、グラウンド平面37bから第2のグラインド高さG2だけ上昇している。
ここで図14を参照すると、第3のソール部品14cが本体12に結合されて、第3のクラブヘッド10cを画定している。第3のソール部品14cは、第3のソール部品14cがグラウンド平面37cに交わる第3のグラウンド接触点82cを規定し、第3のグラウンド接触点82cは、グラウンド平面37cと第3のグラウンド接触点82c及びリーディングエッジ80を通る軸との間に第3の打出し角β3を規定する。第3のグラウンド接触点82c及びリーディングエッジ80は、第3のリーディングエッジ高さH3を規定する。第3のソール部品14cは、第3のグラインド部84cを更に画定し、第3のグラインド部84cは、第3のグラウンド接触点82cから後方に延在するとともに第3の最後点70cにおいて終端し、第3の最後点70cは、グラウンド平面37cから第3のグラインド高さG3だけ上昇している。
第1のソール部品14a、第2のソール部品14b、及び第3のソール部品14cはそれぞれ、各クラブヘッド10a〜10cに異なるバウンス特性を与えることを目指して、第1のクラブヘッド10a、第2のクラブヘッド10b、及び第3のクラブヘッド10cの全体的な構造特性を変更するそれぞれの外形を規定する。いくつかの場合、図示のように、ソール部の後部が様々な角度でグラインドしている。グラインドの度合いを増加させることにより、ソールの接触場所を変化させることができ、その結果、打出し角β及びリーディングエッジ高さHが変わる。より具体的には、例えば、1つの実施形態によれば、本体12に対する第1のグラウンド接触点82aの場所は、第2のグラウンド接触点82b及び第3のグラウンド接触点82cの場所とは異なり、第1のグラウンド接触点82aの場所は、第2のグラウンド接触点82b及び第3のグラウンド接触点82cの場所よりもリーディングエッジ80の近くに位置する。さらに、リーディングエッジ高さは、クラブヘッドごとに変化し得る。例えば、第1のリーディングエッジ高さH1は、第2のリーディングエッジ高さH2及び第3のリーディングエッジ高さH3よりも小さくてもよい。種々の実施形態によれば、第1のリーディングエッジ高さH1は、第2のリーディングエッジ高さH2及び/又は第3のリーディングエッジ高さH3とは、量Δだけ異なり、この量Δは、およそ0.15mm〜0.40mmに等しく、より好ましくはおよそ0.20mm〜0.25mmに等しく、最もおよそ0.218mmに等しい。1つの実施形態によれば、第1のリーディングエッジ高さH1は、第2のリーディングエッジ高さH2及び/又は第3のリーディングエッジ高さH3よりも量Δだけ小さい。さらに、グラインド高さG1〜G3は、ソール部品14a〜14c間で変化し得、1つの実施態様では、第1のグラインド高さG1は、第2のグラインド高さG2及び第3のグラインド高さG3よりも大きくなっている。調整可能なクラブヘッド10をこのように構成することによって、クラブヘッドのフィーリングは、通常の調整可能でない一体型クラブヘッドとより似たものとなり得、このような調整可能なクラブヘッドをそのような通常の調整可能でないクラブヘッドの代わりとしてより受け入れやすくなることが可能になる。結果として、より似たようなフィーリングを提供することにより、このような調整可能なクラブヘッド10をフィッティング用のツールとして用いる場合、このような調整可能なクラブヘッド10が対応することを意図され得る従来から購入可能な調整可能でないクラブヘッドのようなフィーリングをより得やすい。この場合、例えばバウンスフィッティングを行うゴルファーは、実際に購入したクラブが、この購入したクラブが発揮するはずのテストクラブのようなフィーリングではないことに落胆することが少なくなる(又はフィッティング作業がほとんど無意味であったと感じることが最小限になる)。
種々のソール部品14a〜14cは、様々なプレー環境及び/又は様々なスイング特性を有するプレーヤーにいくつかの利点を提供することができる。例えば、第1のソール部品14aは、堅いコンディション及びタイトライズからのプレー時に好ましい場合がある。また、第1のソール部品14aは、アタック角が浅いプレーヤーにとってより好適である場合がある。第2のソール部品14bは、非常に多種多様な砂、芝、及びスイングのタイプに最も対応することができる。第3のソール部品14cは、より柔らかい芝のコンディション及びバンカーにおいて使用される場合、又はプレーヤーのアタック角が急角度である場合の使用に好ましい場合がある。
ソール部品14a〜14cを交換することが可能であることにより、ユーザーが異なるフィーリングを容易にテストすることが可能になり、したがって、ソール部品14a〜14cは、3つのクラブヘッドを1つのクラブヘッドとして有効に提供する。ユーザーは、1つのソール部品14(例えば、ソール部品14a、14b、14c)を別のソール部品14と取り替えることにより、単一のクラブを用いて異なるバウンス間を迅速に移行する(move)ことができる。さらに、特にコースを回る際又はツアー時には、複数の異なるクラブを携行するよりも、複数のソール部品14を携えて回る方が容易である。また、ソール部品14は、完全に別個のクラブヘッドよりも少ないコストで製造することが容易である。さらに、ゴルファーによっては、長期間にわたり「使用(worked)」してきた特定の打球面に慣れてしまい、そのため、ゴルファーは、全く異なるクラブに切り替えるのではなく、同じ打球面を有する異なるソール部品14を用いて異なるバウンス特性を達成することができる場合がある。
本明細書に記載される種々の部品は、本体12が複数のソール部品14とともに販売される形でキットとして販売することができることが想定される。本体12は、クラブシャフトと合わせて販売してもよく、クラブシャフトとは別個に販売してもよい。本体12及びソール部品14は互いに別個に販売してもよいことが更に想定される。
ここで図15〜図24を参照すると、アイアン型のゴルフクラブヘッド110の適応性及びカスタマイズ性を更に提供する、本開示の別の態様が示されている。図1〜図14に示されている実施形態は、主として、交換式のソール部品14の使用によりクラブヘッドのバウンスを変更することに関し、そこでは、1つのソール部品14が任意の所与の時点でクラブヘッドに取り付けられるが、図15〜図24に示されているクラブヘッド110は、少なくとも2つのプレート又はインサート114、116を任意の所与の時点でクラブヘッドの本体112に取り付けることが可能である。このような適応性により、更なるカスタマイズ性(例えば、重心の場所の変更、所望の重量分布の生成等)を与え、ユーザーの特定のスイング特性及び選好に更に対応することができる。プレート114、116は、異なる色で形成するか又は特定のロゴ若しくは標示で表面を装飾することができるので、プレート114、116は、ユーザーがクラブヘッド110の見た目をカスタマイズすることも可能にすることができる。
通常、図15〜図24に示されているクラブヘッド110は、それぞれ、本体112と、後部プレート114と、ソールプレート116とを備え、双方のプレート114、116は、本体112に選択的に取付け可能である。図15〜図24に示されている各クラブヘッド110の本体112は同一であるが、後部プレート114及びソールプレート116の構成は、より詳細に後述するように異なっている。各クラブヘッド110の本体112は、トップライン118と、トップライン118とは概して対向関係にあるソール部120とを有し、クラブヘッド110が基準位置にある場合、ソール部120の少なくとも一部がグラウンド平面122に当接する。打球面124はトップライン118とソール部120との間に延在し、後面126は打球面124とは概して対向関係にある。
本体112は、後部キャビティ128及びソールキャビティ130のそれぞれを介して後部プレート114及びソールプレート116とそれぞれ協働し、後部キャビティ128とソールキャビティ130とは、クラブヘッド110の後部を横切ってヒール部134とトゥ部136との間に延在する仕切り部132によって互いに分離されている。1つの実施形態によれば、クラブヘッド110がグラウンド平面122に対して基準位置にある場合、仕切り部132は、ヒール部134とトゥ部136との間に概して水平方向に延在する。
後部キャビティ128は、後面126から打球面124に向かって本体112内へ第1の方向に延在するとともに、リセス付き後面138において終端し、後部キャビティ深さを規定する。また、後部キャビティ128は、仕切り部132からトップライン118に向かって第2の方向に延在し、後部キャビティ128の上側周縁部128aは、トップライン118と同様の形状、例えばトップライン118と平行である。これに関して、仕切り部132に隣接する後部キャビティ128の周縁部(すなわち下側周縁部128b)は、概して直線状の経路に従う。このように、後部キャビティ128の下側周縁部128bは、クラブヘッドのブレード部とクラブヘッド110のマッスル部との間の接合部に概して従う、例えばこの接合部と平行である。図15に示されている特定の実施形態において、このような接合部は概して直線状である。しかし、他の実施形態では、クラブヘッドのブレード部とマッスル部との間の接合部は、例えば上方に凹状であるか又は上方に凸状である弧状であってもよい。このような場合、後部キャビティ128の下側周縁部128bは、このような接合部の経路に従うことが好ましい。例えば、接合部が上方に凹状の経路に従う実施形態では、後部キャビティ128の下側周縁部128bも、上方に凹状の経路に従うことが好ましい。このような接合部が上方に凸状の経路に従う実施形態では、後部キャビティ128の下側周縁部128bも、上方に凸状の経路に従う。このような構成は、取外し可能な質量部に最大の空間をあてがい、カスタマイズ可能な範囲をより拡大することを確実にする。当然ながら、代替的な実施形態では、後部キャビティ128の下側周縁部128bの経路は、クラブヘッド110のブレード部とマッスル部との間の接合部の経路には従わず、例えば鏡像状の経路に従う場合がある。同様に、代替的な実施形態では、後部キャビティ128の上側周縁部128aの経路は、トップライン118の経路に概して従わず、例えば鏡像状の経路に従う場合がある。1つ又は複数のねじ切りされたキャビティ又はリセスは、より詳細に後述するように、リセス付き後面138から本体112内へと更に延在し、機械的な締結具の使用による後部プレート114の本体112への取付けを容易にすることができる。
ソールキャビティ130は、ソール部の後面140からソール部120内へ第1の方向に延在するとともに、ソール部のリセス付き面142において終端し、また、仕切り部132からソール部の底面144に向かって第2の方向に延在する。これに関して、ソールキャビティ130の仕切り部132に隣接する周縁部130a(すなわち上側周縁部130a)は、概して直線状の経路に従う。このように、ソールキャビティ130の上側周縁部130aは、クラブヘッドのブレード部とクラブヘッド110のマッスル部との間の接合部に概ね従う、例えばこの接合部と平行である。図15に示されている特定の実施形態では、このような接合部は概ね直線状である。しかし、他の実施形態では、クラブヘッドのブレード部とマッスル部との間の接合部は、例えば上方に凹状であるか又は上方に凸状である弧状であってもよい。このような場合、ソールキャビティ130の上側周縁部130aは、このような接合部の経路に従うことが好ましい。例えば、接合部が上方に凹状の経路に従う実施形態では、ソールキャビティ130の上側周縁部130aも、上方に凹状の経路に従うことが好ましい。このような接合部が上方に凸状の経路に従う実施形態では、ソールキャビティ130の上側周縁部130aも、上方に凸状の経路に従う。これらの構成は、取外し可能な質量部に最大の空間をあてがい、カスタマイズ可能な範囲をより拡大することを確実にする。当然ながら、代替的な実施形態では、ソールキャビティ130の上側周縁部130aの経路は、クラブヘッド110のブレード部とマッスル部との間の接合部の経路には従わず、例えば鏡像状の経路に従う場合がある。同様に、代替的な実施形態では、ソールキャビティ130の下側周縁部130bの経路は、ソール部120と後面140との間の接合線の経路に概して従わず、例えば鏡像状の経路に従う場合がある。1つ又は複数のねじ切りされたキャビティ又はリセスは、リセス付きソール面142から本体112内へ更に延在し、機械的な締結具の使用によるソールプレート116の本体112への着脱を容易にすることができる。
上述した本体112の構成は、図15〜図24に示されているとともにより詳細に後述する後部プレート114又はソールプレート116の任意のものとともに用いることができる。
まず図15〜図17を参照すると、クラブヘッド110の一種としてクラブヘッド110aが示されており、後部プレート114の一種として後部プレート114a、またソールプレート116の一種としてソールプレート116aが備え付けられている。クラブヘッド110aにおいて、後部プレート114a及びソールプレート116aは、全体的に略一定の厚さを有する。後部プレート114aは、後部キャビティ128に相補的な形状であり、第1の面148とその反対側の第2の面150とを有し、第1の面148と第2の面150との間には後部プレート厚が規定される。図15〜図17に示されている実施形態では、第1の面148と第2の面150との間の距離は、後部プレート114aの全体にわたって略一定のままである。これに関して、上記距離は、トップラインからソール部にかけての方向においても、ヒール部からトゥ部にかけての方向においても同じままである。後部プレート114aは、仕切り部132に隣接して位置する概して直線状の縁部と、トップライン118に隣接した位置にある弧状又は曲線状の縁部とを有する。
後部プレート114aは、後部キャビティ128内に取外し可能に固定されるように構成されている。いくつかの実施形態において、後部プレート114aは、締結具154を貫通させて受ける貫通ボアを有する。締結具154は、軸部の軸が後部キャビティの軸152と一致して規定されるねじ切りされたねじを含むことが好ましい。後部プレート114は、1対の開口又はそのような貫通ボアを有してもよく、これらの開口又は貫通ボアは、本体112に形成されている対応するリセスと位置合わせされ、ねじ又は他の機械的な締結具等の1対の後部プレート締結具154を、本体112に後部プレート114aを固定するために内部に受けることを可能にする。締結具が複数のねじ切りされたねじを含む場合、それぞれが互いに平行なねじ軸を規定する。テープ、磁石、又は当該技術分野において既知の他の締結具を、本体112に後部プレート114aを固定するのに用いてもよいことも想定される。
ソールプレート116aは、ソールキャビティ130に相補的な形状であり、第1の面156とその反対側の第2の面158とを有し、第1の面156と第2の面158との間にはソールプレート厚が規定される。図15〜図17に示されている実施形態では、第1の面156と第2の面158との間の距離は、ソールプレート116aの全体にわたって略一定のままである。これに関して、上記距離は、トップラインからソール部にかけての方向にも、ヒール部からトゥ部にかけての方向にも同じままである。ソールプレート116aは、仕切り部132に隣接して位置する概して直線状の縁部と、ソール部の底面144に隣接した位置にある弧状又は曲線状の縁部とを有する。
ソールプレート116aは、ソールキャビティ130内に取外し可能に固定されるように構成されている。いくつかの実施形態において、ソールプレート116aは、締結具162を貫通させて受ける貫通ボアを有する。締結具162は、軸部の軸がソールキャビティの軸160と一致して規定されるねじ切りされたねじを含むことが好ましく、この軸は、後部キャビティの軸152の角度からずれている。テープ、磁石、又は当該技術分野において既知の他の締結具を、本体112にソールプレート116aを固定するのに用いてもよいことも想定される。締結具が複数のねじ切りされたねじを含む場合、それぞれが互いに平行なねじ軸を規定する。
後部プレート114a及びソールプレート116aは、対応する後部キャビティ128及びソールキャビティ130を満たすか、後部キャビティ128及びソールキャビティ130を超えるか、又は代替的には後部キャビティ128及びソールキャビティ130を部分的にのみ満たすそれぞれの厚さを有するように構成することができる。好ましくは、後部プレート114及びソールプレート116は、後部キャビティ128及びソールキャビティ130をそれぞれ満たし、それにより、クラブヘッド110のそれぞれの隣接する周囲外面に対してそれらの外面が略面一になる(例えば製造公差を許容する)。このようにクラブヘッドの伝統的な外観が保持され、自信を促進し、塵芥を集め得る鋭い外形が最小限になる。
ここで図18〜図20を参照すると、クラブヘッド110の別種としてクラブヘッド110bが示されており、後部プレート114の別種として後部プレート114b、またソールプレート116の別種としてソールプレート116aが備え付けられている。クラブヘッド110bにおいて、後部プレート114b及びソールプレート116bは、それぞれ可変(例えば不均一)の厚さを有する。これに関して、後部プレート114bは、第1の面166とその反対側の第2の面168とを有し、第1の面166と第2の面168との間の距離は変化し、この場合、仕切り部132に隣接して距離が最小になり、トップライン118に沿って距離が最大になる。これに関して、プレート114bが本体112に結合され、クラブヘッド110bが基準位置にある場合、後部プレート114bの厚さは概して垂直方向に変化するので、後部プレート114bは「垂直方向の傾斜(vertical slant)」を有するものとみなされる。後部プレート114bのこの垂直方向の傾斜により、クラブヘッド110bの重心が上昇するように後部プレート114bが本体112に取り付けられる場合、トップライン118に隣接してより多くの質量部が位置する結果となる。
ソールプレート116bも、第1の面170とその反対側の第2の面172とによって規定される「垂直方向の傾斜」を有する。第1の面170と第2の面172との間の距離は変化し、この場合、ソール部の底面144に隣接して距離が最小になり、仕切り部132に隣接して距離が最大になる。ソールプレート116bの垂直方向の傾斜により、クラブヘッド110bの重心が上昇するようにソールプレート116bが本体112に取り付けられる場合、仕切り部132に隣接してより多くの質量部が位置する結果となる。
図18〜図20に示されている実施形態は、それぞれ概して厚さが上方向に増加する(例えば、プレート114b、116bのソール部120から遠ざかる方向に延在する部分が最も厚い)後部プレート114b及びソールプレート116bを備えるが、反対の構成を有してもよく、概して厚さが上方向に減少する(例えば、プレート114b、116bのソール部120の方に延在する部分が最も厚い)ことも想定される。
ここで図21〜図24を参照すると、クラブヘッド110の更なる別種としてクラブヘッド110cが示されており、後部プレート114の更なる別種として後部プレート114c、またソールプレート116の更なる別種としてソールプレート116cが備え付けられている。クラブヘッド110cにおいて、後部プレート114c及びソールプレート116cは、それぞれ概してヒール部からトゥ部にかけての方向に可変(例えば不均一)の厚さを有する。これに関して、後部プレート114cは、第1の面176とその反対側の第2の面178とを有し、第1の面176と第2の面178との間の距離は変化し、この場合、ヒール部134に隣接して距離が最小になり、トゥ部136に隣接して距離が最大になる。したがって、後部プレート114cが本体112に取り付けられる場合、より多くの質量部がトゥ部136に隣接した位置にあり、これにより、クラブヘッド110cの重心がトゥ部136のより近くに移動する結果となる。プレート114cに段階的な厚さ変化をもたらすことにより、クラブヘッドの伝統的な外観を損なうことがなく、又は製造コストを増加し得るような様々な密度を有する複数の部品を必要とすることがないように、適切な度合いに重心の場所を移動させることができる。
また、ソールプレート116cは、第1の面180及びその反対側の第2の面182を有し、第1の面180と第2の面182との間の距離は変化し、この場合、ヒール部134に隣接して距離が最小になり、トゥ部136に隣接して距離が最大になる。したがって、ソールプレート116cが本体112に取り付けられる場合、より多くの質量部がトゥ部136に隣接した位置にあり、これにより、クラブヘッド110cの重心がトゥ部136のより近くに移動する結果となる。
図21〜図24は、トゥ部136に隣接して最も厚いものとして後部プレート114c及びソールプレート116cを示しているが、反対の構成で提供してもよく、プレート114c、116cがヒール部134に隣接して最も厚いことが想定される。
図15〜図24に示されているような後部プレート114及びソールプレート116の使用により、ユーザーがクラブヘッド110の重量及び重心を調整することが可能になる。1つの実施形態によれば、重心は、X軸に沿って(すなわち、図17に示されている視点では右に向かって)およそ20.00mm〜22.50mm、Y軸に沿って(すなわち、ヒール部に向かって)6.00mm〜7.00mm、またZ軸に沿って(すなわち、トップラインに向かって)13.50mm〜16.00mmだけ基準点から離間している。各寸法の多様性は、本体112の構成及び各インサートに使用される材料に応じる。例えば、プレート114、116は、アルミニウム、タングステン、ステンレス鋼、表面が陽極酸化処理された材料、ゴム/ポリマーを含浸させたタングステン、又は当該技術分野において既知の他の材料から形成することができる。これに関して、プレート114、116は、異なる密度に関連させることができる。
図15〜図24は、ソールプレート116と組み合わせて用いられる種々の後部プレート114を示しているが、バウンス特性の更なる変化、及び打球面の反対側の重心又は重量変化を可能にするように、後部プレート114は、上述した、図1〜図14に示されているソール部品14と組み合わせて用いてもよいことも想定される。例えば、クラブヘッドの重心の場所は、自然なソール位置に配置される場合にクラブヘッドを静止させることが可能な向きに影響を与えるものとみなされ得る。また、クラブヘッドの重心は、通常のゴルフスイング時のゴルフボール及び/又は芝との衝突にクラブヘッドの動きが応じる態様に影響する。少なくともこれらの理由から、重心の場所は、いくつかの実施形態において、クラブヘッドに対して有効バウンス角を決定及び割り当てる要因となることが好ましい。このような様相は、更に詳細に上述されている。さらに、上述したソール部品14と組み合わせて用いる場合、後部プレート114及びソール部品14を本体112に対して着脱するのに同じツールを用いることができ、また、1つ又は複数の実施形態に同様に組み込まれている場合、任意の取外し可能なシャフト部品にも用いることができる。これに関して、プレート114、116、ソール部品(複数の場合もある)14、及び/又は調整ツールを、キットとしてまとめてパッケージ化して販売してもよい。
さらに、図15〜図24に示されているクラブヘッド110は、一度に1つのみの後部プレート114を受けるようになっている単一の後部キャビティ128と、一度に1つのソールプレート116を受けるようになっている単一のソールキャビティ130とを有するが、クラブヘッド110の他の実施形態は、複数の後部キャビティ及び複数のソールキャビティを有する本体112を備え、後部キャビティのそれぞれは、それぞれの後部プレートを受けるようになっており、各ソールキャビティは複数のソールプレートを受けるようになっていることが想定される。したがって、所与のクラブヘッド110において、複数の後部プレート及び複数のソールプレートが本体112に結合されてもよい。
本明細書に示されている事項は、説明的に論じるための単なる例であり、最も有用であると考えられるものを提供するために提示しているのではなく、本開示の種々の実施形態の原理及び概念的な態様の記載が容易に理解される。これに関して、種々の実施形態の異なる特徴の基本的な理解に必要とされるよりも多くの詳細を示すことは試みない。図面と併せて説明することで、これらの実施形態を実際に実施することができる方法が当業者には明らかとなる。

Claims (10)

  1. アイアン型のゴルフクラブヘッドであって、グラウンドの仮想平面に対して基準位置を向いている場合、
    本体であって、
    トップラインと、
    前記トップラインとは概して対向関係にあるソール部であって、該ゴルフクラブヘッドが前記基準位置にある場合、該ソール部の少なくとも一部が前記グラウンドの仮想平面に当接する、ソール部と、
    前記トップラインと前記ソール部との間に延在する打球面と、
    前記打球面とは概して対向関係にある後面と、
    前記後面から前記打球面に向かって延在する後部キャビティと、
    前記ソール部内へと延在するソールキャビティと、
    前記後部キャビティと前記ソールキャビティとの間に設けられる仕切り部と、
    を有する、本体と、
    第1の軸に沿って前記後部キャビティ内に取外し可能に固定される少なくとも1つの後部プレートと、
    前記ソールキャビティ内に取外し可能に固定される少なくとも1つのソールプレートと、
    前記グラウンドの仮想平面から垂直方向に13.5mm〜16.0mmだけ離間している重心と、
    を備え、
    前記トップラインと前記ソール部との間において、前記仕切り部の最大の幅は、前記後部キャビティの最大の幅、及び、前記ソールキャビティの最大の幅よりも狭い、アイアン型のゴルフクラブヘッド。
  2. 前記ゴルフクラブヘッドが、前記少なくとも1つの後部プレートのうちの第1の後部プレートが前記後部キャビティに固定され、前記少なくとも1つのソールプレートのうちの第1のソールプレートが前記ソールキャビティに固定されるような第1の状態にある場合、前記重心は前記グラウンドの仮想平面から垂直方向におよそ13.6mmだけ離間しており、
    前記ゴルフクラブヘッドが、前記少なくとも1つの後部プレートのうちの第2の後部プレートが前記後部キャビティに固定され、前記少なくとも1つのソールプレートのうちの第2のソールプレートが前記ソールキャビティに固定されるような第2の状態にある場合、前記重心は前記グラウンドの仮想平面から垂直方向におよそ15.9mmだけ離間している、請求項1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記少なくとも1つの後部プレートは、互いに略平行な第1の対の対向面を有し、該対間に略均一な後部プレート厚を規定するか、及び
    前記少なくとも1つのソールプレートは、互いに略平行な第2の対の対向面を有し、該対間に略均一なソールプレート厚を規定するか、の少なくとも一方である、請求項1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記少なくとも1つの後部プレートは、互いに平行でない1対の対向面を有し、該対間に不均一の後部プレート厚を規定するか、及び
    前記少なくとも1つのソールプレートは、互いに平行でない1対の対向面を有し、該対間に不均一のソールプレート厚を規定するか、の少なくとも一方である、請求項1に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記ゴルフクラブヘッドが前記基準位置にある場合、
    前記後部プレート厚は、前記仕切り部と前記トップラインとの間で変化すること、及び、前記ソールプレート厚は、前記ソール部の底面と前記仕切り部との間で変化すること、の少なくとも一方を満たす、請求項4に記載のアイアン型のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記後部プレート厚及び前記ソールプレート厚のうちの少なくとも一方は、前記ゴルフクラブヘッドが前記基準位置にある場合、ヒール部からトゥ部にかけての方向に変化する、請求項4に記載のアイアン型のクラブヘッド。
  7. 前記少なくとも1つの後部プレートを前記本体に結合するように構成されている後部プレート締結具と、
    前記少なくとも1つのソールプレートを前記本体に結合するように構成されているソールプレート締結具と、
    のうちの少なくとも一方を更に備える、請求項1に記載のアイアン型のクラブヘッド。
  8. 前記後部プレート締結具及び前記ソールプレート締結具のうちの少なくとも一方は、ねじ切りされたねじ部材を含む、請求項7に記載のアイアン型のクラブヘッド。
  9. 前記後部プレート締結具及び前記ソールプレート締結具のうちの少なくとも一方は、磁石を含む、請求項7に記載のアイアン型のクラブヘッド。
  10. 前記少なくとも1つの後部プレート及び前記少なくとも1つのソールプレートのうちの少なくとも一方は、タングステンから形成される、請求項1に記載のアイアン型のクラブヘッド。
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