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JP6775930B2 - タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法 - Google Patents

タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法に関する。
ジェランガムは微生物(Sphingomonas elodea; 以前はPseudomonas elodeaと呼ばれた)が菌体外に産出する高分子多糖類であり,少ない添加量でゲルを形成するため、増粘安定剤として広く利用されている。ジェランガムには脱アシル型ジェランガムとネイティブジェランガムの2つのタイプがあるが、脱アシル型ジェランガムのゲルは、耐酸性があり、食感としては適度なかたさと崩壊性を有し、風味に関してフレーバーリリースが良好で、外観上も透明性が高いので、特にゼリーに関する食品分野で広く使用されている。
ジェランガムゲルにタンパク質を含有させるためには、一般に、カルシウムイオンを含有しない水性溶媒に脱アシル型ジェランガムを分散させ、90℃以上に加熱溶解した後、別途調整したカルシウムイオンを含むタンパク質溶液と混合し、90℃程度に再加熱し、30〜40℃に冷却しゲル化させるという方法が用いられている(特許文献1参照)。このとき、タンパク質の最終濃度は、多くても4〜7%であって、また、その場合でも大豆多糖類などの安定剤を添加して、ジェランガムとタンパク質との反応を抑制する必要がある。また、タンパク質とジェランガムを別々に加熱するのではなく、あらかじめ混合してから加熱し、冷却した場合も、タンパク質とジェランガムが反応し、ゲル化が阻害される。
特開2010−035517
本発明は、新規な、タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施態様は、タンパク質を含有したジェランガムゲルの製造方法であって、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液を加圧処理する工程を含む、製造方法である。前記溶液がカリウム塩またはカルシウム塩を含んでもよい。また、加圧処理した溶液にカリウム塩またはカルシウム塩を添加する工程を含んでもよい。また、前記溶液を加圧処理する前に加熱しなくてもよい。特に90℃以上に加熱しないことが好ましい。上記加圧処理は、50MPa以上の圧力であってもよく、70MPa以上の圧力であってもよい。また、上記加圧処理は、前記ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液で、キャビテーションが発生するように、摩擦力が発生するように、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液に衝突を起こすように、ジェランガム及びタンパク質に剪断力を加えるように、またはジェランガム及びタンパク質が微細化されるように、行ってもよい。加圧処理された前記溶液のpHが1以上7以下であってもよい。前記ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液中のジェランガム濃度が0.001〜4.00質量%であってもよい。この製造方法は、加圧処理された前記溶液を冷却する工程をさらに含んでもよい。その場合、5℃以上50℃以下になるように、加圧された前記溶液を冷却してもよい。また、前記タンパク質がホエイタンパク質であってもよい。
本発明の他の一実施態様は、8質量%以上40質量%以下のホエイタンパク質を含んだジェランガムゲルである。このゲルは、大豆多糖類を含まなくてもよい。
本発明によって、新規な、タンパク質を含んだジェランガムゲル及びその製造方法を提供することができるようになった。
以下、実施例を挙げながら、本発明の実施形態を詳細に述べる。
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==ジェランガム==
ジェランガムは直鎖状のヘテロ多糖類で、二つのD-グルコース残基とそれぞれ一つずつのL-ラムノース残基とD-グルクロン酸残基から構成される四糖の繰返し単位から構成されている。以下にその構造式を示す。
[D-Glc(β1→4)D-GlcA(β1→4)D-Glc(β1→4)L-Rha(α1→3)]n
ジェランガムには、ネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムの2種類が知られている。ネイティブ型ジェランガムでは、1−3結合したグルコースに由来するアシル基(アセチル基とグリセリル基)が存在するが、脱アシル型ジェランガムでは、これらアシル基が除去されている。本発明に用いるジェランガムは、脱アシル型ジェランガムが好ましい。
==タンパク質を含んだジェランガムゲル==
本発明にかかるジェランガムゲルは、タンパク質を含有する。
ジェランガムゲル中のタンパク質濃度の上限は特に限定されないが、例えば、タンパク質濃度は40質量%以下でもよく、30質量%以下でも良く、20質量%以下でもよく、16質量%以下でもよい。また、タンパク質濃度の下限も特に限定されないが、タンパク質濃度は1質量%以上でもよく、5質量%以上でもよく、8質量%以上でもよく、8.3質量%以上でもよく、9質量%以上でもよく、10質量%以上でもよい。
タンパク質の種類は特に限定されないが、WPI,WPCなどのホエイタンパク質やその加水分解物ならびにカゼインなどの乳タンパク質、卵白などの卵由来のタンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質、コラーゲン、ゼラチンなどが例示できる。
なお、大豆多糖類やペクチンなどの安定剤が含まれていないことが好ましい。
==タンパク質を含んだジェランガムゲルの製造方法==
本発明にかかるタンパク質を含んだジェランガムゲルの製造方法は、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液を加圧処理する工程を含む。これによって、ゲル化前に加熱する必要がなくなるが、加熱によってゲル化したジェランガムよりゼリーの食感が強くなり、より良好な食感が得られるようになる。また、ジェランガムゲルに、より高濃度のタンパク質を含有させることができる。以下、タンパク質を含んだジェランガムゲルの製造方法について、詳細に述べる。
まず、ジェランガムを水性溶媒に分散させることにより、ジェランガムの分散液を作製する。水性溶媒は特に限定されないが、水または塩を溶解した水溶液が好ましい。塩は特に限定されない。
ジェランガムの分散液にタンパク質を溶解させる。タンパク質濃度の上限は特に限定されないが、タンパク質濃度は40質量%以下でもよく、30質量%以下でも良く、20質量%以下でもよく、16質量%以下でもよい。また、タンパク質濃度の下限も特に限定されないが、タンパク質濃度は1質量%以上でもよく、5質量%以上でもよく、8質量%以上でもよく、8.3質量%以上でもよく、9質量%でもよく、10質量%以上でもよい。タンパク質の種類は特に限定されないが、WPI,WPCなどのホエイタンパク質やその加水分解物ならびにカゼインなどの乳タンパク質、卵白などの卵由来のタンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質、コラーゲン、ゼラチンなどが例示できる。なお、ジェランガムとタンパク質の添加順序を逆にして、水性溶媒にタンパク質を溶解させた後、ジェランガムを分散させてもよい。
ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液のpHは特に限定されないが、ジェランガムは酸性側でゲル化しやすいため、pH1.0以上7.0以下が好ましく、pH1.0以上4.0以下あるいはpH3.0以上7.0以下がより好ましく、pH3.0以上4.6以下がさらに好ましく、pH3.0以上4.0以下が最も好ましい。ジェランガムの下限濃度は特に限定されず、0.001質量%以上であってもよいが、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.07質量%以上がさらに好ましく、0.10質量%以上がさらに好ましく、0.15質量%以上がさらに好ましい。また、上限濃度も特に限定されないが、4.00質量%以下が好ましく、2.00質量%以下がより好ましく、1.00質量%以下がさらに好ましい。なお、本明細書で用いる濃度(%)は、いずれも質量%で表されるものとする。
本発明のゲル製造方法では、カチオンは必須ではないが、カチオン存在下でゲル化することにより、より硬いゲルができ、食感が良好になる。カチオンは、加圧工程の前に添加し、溶液に含有させてもよく、加圧工程の後、冷却工程の前に溶液に添加してもよい。加圧工程の前に添加する場合、上記水性溶媒にジェランガムやタンパク質を添加する前にカチオンを加えても、同時に加えても、添加した後に加えてもよい。
添加するカチオンは1価であっても2価であってもよく、カリウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが例示できるが、カチオンの種類によって、得られるゲルの物性が異なる。特に、カルシウムイオンの存在はゲル強度に影響を与え、少量の添加によって、ゲル強度や耐熱性が上昇するため、本方法においても、カルシウムイオンを添加することが好ましい。
カチオンは、塩として添加されるのが好ましい。添加される塩は特に限定されず、乳酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、塩化塩、炭酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩等が例示できる。具体的には、例えば、カルシウムイオンとしては乳酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム等を使用することができるが、乳酸カルシウムを使用することが好ましい。なお、添加する2価のカチオンの濃度は、0.005〜1.0%が好ましく、0.01〜0.5%がより好ましい。カリウムイオンとしては塩化カリウムや炭酸カリウム等を使用することができるが、塩化カリウムを使用することが好ましい。なお、添加する1価のカチオンの濃度は、0.005〜0.5%が好ましく、0.01〜0.3%がより好ましい。
このようにして製造した、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液を加圧する。溶液を加圧前または加圧時に加熱する場合、90℃未満、好ましくは70℃未満、さらに好ましくは50℃未満であればよい(すなわち、90℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは50℃以上に加熱しない)が、加圧前に加熱しないことが一層好ましい。また、加圧自体で温度が上昇する場合でも、100℃以上にならないことが好ましく、95℃以上にならないことがより好ましく、90℃以上にならないことがさらに好ましい。
加圧処理方法は特に限定されないが、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液においてキャビテーションまたは摩擦力が発生するように加圧してもよく、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液に衝突を起こすように、またジェランガム及びタンパク質に剪断力を加えるように、または、ジェランガム及びタンパク質が微細化されるように、加圧してもよい。ここで、衝突を起こす場合、衝突する対象物は特に限定されず、例えば、装置内に配置したセラミックボールであってもよい。また、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液を対象物として、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液同士を衝突させてもよいが、衝突させる溶液の組成は、互いに同じであっても異なっていてもよい。加圧に用いる装置も特に限定されないが、高圧ホモジナイザー(例えば、三和エンジニアリング(株)社製、(株)イズミフードマシナリ社製)、高圧噴射装置、湿式微粒化装置(例えば、装置名:スターバースト (株)スギノマシン社製、装置名:システマイザー (株)システムサポート社製、装置名:ナノメーカー アドバンスト・ナノ・テクノロジィ株式会社製)等が例示できる。加圧の際の圧力は特に限定されないが、50MPa以上であることが好ましく、70MPa以上であることがより好ましく、100MPa以上であることがさらに好ましい。また、1000MPa以下であることが好ましく、400MPa以下であることがより好ましく、350MPa以下であることがさらに好ましく、300MPa以下であることが一層好ましい。所定の圧力で加圧する時間は特に限定されないが、総処理時間は、30分以下であることが好ましく、10分以下であることがより好ましく、1分以下であることがさらに好ましく、30秒以下であることが一層好ましく、10秒以下であることがなお一層好ましい。加圧処理後の温度は、特に限定されないが、50℃以上であってもよく、70℃以上であってもよく、80℃以上であってもよく、また100℃以下であってもよく、90℃以下であってもよい。
このようにして溶液を加圧処理した後、冷却する。上限温度は50℃以下、または40℃以下、または30℃以下、そして下限温度は15℃以上、または10℃以上、または5℃以上となるように冷却すると、ジェランガムがゲル化する。冷却方法は特に限定されず、自然冷却でもよい。加圧処理後冷却前に、例えば殺菌などの理由により、溶液を加熱しても良い。加熱温度は特に限定されないが、65℃以上100℃以下であってもよく、好ましくは80℃以上100℃以下であってもよく、より好ましくは90℃以上100℃以下であってもよい。この加熱処理によって、例えばゲルの保存性が向上する。
なお、この溶液に、糖原料等の副原料を添加してもよい。添加段階は、ゲル化に影響がない限り特に限定されず、加圧前で、脱アシル型ジェランガムの添加前であっても後であってもよく、カルシウムイオンの添加前であっても後であってもよい。また加圧後で、冷却前であっても後であってもよい。また、溶液は、ジェランガム以外のゲル化剤を含んでいてもよい。
本発明の方法で製造されたゲルの用途は限定されないが、例えば、ゼリーなどの飲食品、内服液、医薬部外品、医薬品、化粧品などに使用可能であり、飲食品が好ましい。
(1)タンパク質およびジェランガムの濃度依存性(実施例1〜7)
Figure 0006775930
Figure 0006775930
本実施例1〜7で用いるジェランガム及びタンパク質を含有する溶液の成分を表1に、その処理条件を、表2に示す。脱アシル型ジェランガムはケルコ社から入手したものを用い、タンパク質はWPI8899(ホエイタンパク含有量:85%)(フォンテラ社製)を用いた。溶媒にはカルシウムを含まない水を用い、溶液中では、脱アシル型ジェランガムは分散状態としたが、他の成分は完全に溶解させた。最終的なpHは、3.6であった。なお、加圧処理は、ジェランガムとタンパク質の両者が共存する状態で行った。
これらの溶液を、加熱せずに(いずれも30℃未満)表2に記載の装置で加圧した。その後、20℃の水で15分間冷却したところ、やわらかいゼリー食感を有するゲルか、または良好なゼリー食感を有するゲルが生成した。ここで、「良好なゼリー食感」とは、ゲルが適度な弾力感を有し、均一でざらざらしないことを意味する。なお、食感として「良好なゼリー食感」であることが好ましいが、「やわらかいゼリー食感」であっても「かたいゼリー食感」であっても良い。
なお、ゲル強度は、レオメーター(サン科学社CR−500DX)を用いて各ゲルに対して圧縮試験(直径10mmの円柱型プランジャー、進入速度60mm/分)を行い、ゲルが破断したときの最大応力(N)とした。
(2)カルシウムの影響(実施例8〜14)
Figure 0006775930
本実施例8〜14では、実施例1〜3、5、7の溶液および条件を基準としてさらにカルシウムイオンを添加し(水および乳酸カルシウム以外の初期条件はそれぞれ実施例1〜3、5、7と同じである)、その影響を調べた。
具体的には、実施例8〜14のカルシウムイオンとして、乳酸カルシウムを最終濃度0.2%、0.5%または1.0%になるようにジェランガム及びタンパク質を含有する溶液に加え、溶解させた後に加圧した。これらの条件及び結果を、比較対照となる実施例とともに表3にまとめた。
カルシウムイオンを添加した実施例8〜14では、得られたゲルの強度が概して大きくなり、ゲルが硬くなった。
(3)圧力の影響(実施例15〜18)
Figure 0006775930
本実施例15〜18では、実施例12の溶液および条件を基準として圧力を減少させ(圧力及び処理前の温度以外の初期条件は実施例12と同じである)、その影響を調べた。
具体的には、実施例12の圧力を低下させた上で、処理後の温度が70℃台になるように、処理前の温度を設定した(いずれも50℃未満)。これらの条件及び結果を表4にまとめた。
実施例15〜18では、圧力が低下するほど、得られたゲルの強度が小さくなり、ゲルが柔らかくなった。
(4)処理装置の違いによる影響(実施例19、20)
Figure 0006775930
本実施例19、20では、実施例3の条件を基準とし、処理装置を変えて(処理装置、圧力、温度以外の初期条件は実施例3と同じである)、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液のゲル化を行った。処理装置として、実施例3ではスターバースト((株)スギノマシン社製)、実施例19ではシステマイザー((株)システムサポート社製)、実施例20ではナノメーカー(アドバンスト・ナノ・テクノロジィ株式会社製)を用いた。これらの条件及び結果を表5にまとめた。
使用装置によって、圧力および処理後の温度が実施例3とは若干異なるが、いずれの場合も、得られたゲルは、ゼリー食感が良好だった。
(5)pHの影響(実施例21)
Figure 0006775930
本実施例21では、実施例3の条件を基準とし、pHを6.2に変えて(pH以外の初期条件は実施例3と同じである)、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液のゲル化を行った。なお、pHは、クエン酸の代わりにクエン酸ナトリウムを添加することによって、6.2に調整した。これらの条件及び結果を表6にまとめた。
実施例21に示すように、酸性条件のみならず、中性条件でも良好なゼリー食感を有するゲルが得られた。
(6)タンパク質の種類による影響(実施例22)
Figure 0006775930
本実施例22では、実施例10の条件を基準とし、用いるタンパク質をホエイタンパク質WPI8899から大豆タンパク質に変えて(タンパク質以外の初期条件は実施例3と同じである)、ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液のゲル化を行った。なお、大豆タンパク質は、プロリーナ900(タンパク含有量:85%)(不二製油社)を用いた。これらの条件及び結果を表7にまとめた。
実施例21に示すように、ホエイタンパク質のみならず、大豆タンパク質でも良好なゼリー食感を有するゲルが得られた。
(7)圧力をかけない対照実験(比較例1〜2)
Figure 0006775930
実施例3の条件を基準とし、比較例1および2では圧力をかけない対照実験を行った。対照実験は、スターバースト処理のかわりにIHヒーターを用いて行なった。
具体的には、ジェランガムおよびタンパク質を含む溶液を、ステンレス缶に入れて、IHヒーター(Natiaonal社製 KZ−PH3)を用いて90℃まで加熱した。他の工程は、実施例3と同様である。これらの条件及び結果を表8にまとめた。
カルシウムの有無にかかわらず、いずれの場合もゲル化は起こらなかった。

Claims (12)

  1. タンパク質を含有した脱アシル型ジェランガムゲルの製造方法であって、
    脱アシル型ジェランガム及びタンパク質を含有するpH3.0〜4.6の溶液を、加圧し、そして以下の1)〜5)のうち少なくとも1つの処理をする、ゲル化工程:
    1)キャビテーションを発生する;
    2)摩擦力を発生する;
    3)前記溶液に衝突を起こす;
    4)前記脱アシル型ジェランガム及びタンパク質に剪断力を加える;
    5)前記脱アシル型ジェランガム及びタンパク質を微細化される、
    と、
    5℃以上50℃以下になるように、前記ゲル化工程後の溶液を冷却する工程を含む、
    製造方法。
  2. タンパク質を含有した脱アシル型ジェランガムゲルの製造方法であって、
    脱アシル型ジェランガム及びタンパク質を含有するpH3.0〜4.6の溶液を、高圧ホモジナイザー、高圧噴射装置又は湿式微粒化装置を用いて処理する、ゲル化工程と、
    5℃以上50℃以下になるように、前記ゲル化工程後の溶液を冷却する工程を含む、
    製造方法
  3. 前記溶液がカリウム塩またはカルシウム塩を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記ゲル化工程後の溶液にカリウム塩またはカルシウム塩を添加する工程を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記溶液を前記ゲル化工程前に加熱しないことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記溶液を前記ゲル化工程前に90℃以上に加熱しないことを特徴とする、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記ゲル化工程において、前記溶液を50MPa以上の圧力で処理する、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記ゲル化工程において、前記溶液を70MPa以上の圧力で処理する、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記ゲル化工程後の溶液の温度が、100℃以上にならないように、前記ゲル化工程を行う、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記ジェランガム及びタンパク質を含有する溶液中のジェランガム濃度が0.001〜4.00質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記タンパク質がホエイタンパク質又は大豆タンパク質である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記タンパク質が、前記脱アシル型ジェランガムゲル中、8質量%以上〜40質量%含まれる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
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