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JP6762156B2 - 組電池及び組電池の製造方法 - Google Patents

組電池及び組電池の製造方法 Download PDF

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JP6762156B2 JP2016140755A JP2016140755A JP6762156B2 JP 6762156 B2 JP6762156 B2 JP 6762156B2 JP 2016140755 A JP2016140755 A JP 2016140755A JP 2016140755 A JP2016140755 A JP 2016140755A JP 6762156 B2 JP6762156 B2 JP 6762156B2
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Description

本発明は、組電池及び組電池の製造方法に関する。
自動車業界では近年、環境保護や燃費などの観点から二次電池や燃料電池の開発が行なわれている。二次電池は電池ひとつひとつの出力がそれほど大きくないため、自動車の航続を可能にするために、所望の数積層されて組電池とされる。このように組電池では構成部品の数が多くなるため、組電池を構成する部品間の接合についての検討が行われる。例えば、特許文献1では隣接する単電池の電極タブ同士を接合する第1結合領域と、コアパック及び保護回路モジュールを接続するリード部材と隣接する単電池の一つの電極タブとが接合される第2結合領域と、が異なる位置に形成される技術が開示されている。
特開2012−190797号公報
特許文献1では第1接合領域の面と第2接合領域の面とが、偏平な電池の面と平行な同一平面内における別々の場所に設けられる。このように第1結合箇所と第2結合箇所とが同一平面内における別々の場所に設けられると、偏平な電池の面と平行な方向において組電池の寸法が大きくなってしまい、その分、組電池としての体積が増加してしまうおそれがある。
本発明は、小型化を図った組電池及び組電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る組電池は、発電要素を含み偏平に形成した電池本体と、電池本体から導出した電極タブと、を備え、厚さ方向に複数積層した単電池と、電極タブよりも電池本体から離れて配置され、一以上の単電池の電圧を検出する検出部と、隣接する複数の単電池同士を電気的に接続し、かつ、隣接する複数の単電池と検出部とを電気的に接続する接続部と、を有する。本発明において接続部は、隣接する複数の単電池同士を電気的に接続し、隣接する複数の単電池同士の電極タブの間に位置する第1領域と、隣接する複数の単電池と検出部とを電気的に接続し、隣接する複数の単電池同士の電極タブの間に位置する第1領域から延びる第2領域と、を備える。第1領域は偏平な電池本体の面と平行に形成され、第2領域は第1領域と交差して形成される。
本発明に係る組電池の製造方法は、発電要素を含み偏平に形成した電池本体と、電池本体から導出した電極タブと、を備えた単電池を厚さ方向に複数積層する。そして、電気的な接続領域を備える接続部における、隣接する複数の単電池同士を電気的に接続し、隣接する複数の単電池同士の電極タブの間に位置する第1領域において、隣接する複数の単電池を互いに接合する。そして、接続部における一以上の単電池の電圧を検出し、電極タブよりも電池本体から離れて配置される検出部と、隣接する複数の単電池と、を電気的に接続し、隣接する複数の単電池同士の電極タブの間に位置する第1領域から延びる第2領域において、検出部と接続部とを接合する。第1領域は偏平な電池本体の面と平行に形成され、第2領域は第1領域と交差して形成される。
本発明に係る組電池及びその製造方法によれば、偏平な電池本体の延びる方向に組電池の外形が大きくなることが抑制され、小型化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る組電池を示す斜視図である。 図1の組電池を示す平面図である。 図1に示される組電池から上部加圧板と下部加圧板および左右の側板を分解した状態を示す斜視図である。 組電池を構成する積層体、電圧検出モジュール、および保護カバーを分解して示す斜視図である。 電圧検出モジュールの構成を示す正面図である。 電圧検出モジュールをホルダとその他の構成に分解し、ターミナルを長手方向に並べて示す斜視図である。 図5において電圧検出モジュールを構成するバスバの取り付け箇所を示す拡大図である。 ホルダの取り付け部を示す図5の8−8線に沿う断面図である。 単電池に一対のスペーサを取り付けた構成(単電池アセンブリ)を示す平面図である。 図9における単電池と一対のスペーサを示す分解斜視図である。 図9とは別の単電池アセンブリを示す平面図である。 図11における単電池と一対のスペーサを示す分解斜視図である。 図9および図11とは別の単電池アセンブリを示す平面図である。 図13における単電池と一対のスペーサを示す分解斜視図である。 図9、図11および図13とは別の単電池アセンブリを示す平面図である。 図15における単電池および一対のスペーサを示す分解斜視図である。 図9に示す一対のスペーサを示す斜視図である。 隣接する複数の単電池とバスバ(検出部)との電気的な接続について示す、図5の18−18線に沿う位置での部分断面図である。 積層された単電池の電気的な接続について説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る組電池の製造方法を示すフローチャートである。 積層工程において隣接する部材を溶接する様子を示す斜視図である。 積層工程において部材を積層する様子を示す斜視図である。 第2接合工程において電圧検出モジュールを取り付ける様子を示す斜視図である。 第2接合工程においてバスバ(検出部)を積層体に溶接する様子を示す斜視図である。 図18の変形例を示す断面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。図中において、X、Y、およびZで表す矢印を用いて、方位を示している。Xによって表す矢印の方向は、単電池11A〜11Dの積層方向と交差し、かつ、電池本体12から電極タブ15、16を導出する長手方向を示している。Yによって表す矢印の方向は、単電池11の積層方向と交差し、かつ、電極タブ15、16が並べられる短手方向(または電極タブ15、16の幅方向)を示している。Zによって表す矢印の方向は、後述する単電池11A〜11Dの積層方向を示している。
まず、第1実施形態の組電池100を図1〜図19を参照しつつ説明する。図1〜図19は組電池100の説明に供する図である。
なお、図1に示される状態において、左手前側を組電池100全体および各構成部品の「前面側」といい、右手奥側を組電池100全体および各構成部品の「背面側」といい、右手前側および左手奥側を組電池100全体および各構成部品の左右の「側方側」という。
(組電池)
組電池100は、図1から図3に示すように、積層体10と、電圧検出モジュール30と、保護カバー40と、筐体50と、を有する。
(積層体)
積層体10は、単電池11A〜11Dと、スペーサ21A〜21D、28と、を複数積層し、積層方向Zにおける端部にアノード側のターミナル17と、カソード側のターミナル18と、を配置して構成している(図4、9〜17参照)。
単電池11A〜11Dは、例えば、扁平なリチウムイオン二次電池に相当する。単電池11A〜11Dは、図18に示すように、発電要素13を一対のラミネートフィルム14によって封止した電池本体12と、発電要素13に電気的に接続され電池本体12から外部に導出された薄板状の電極タブ15、16(接続部に相当)と、を備えている。
発電要素13は、正極と負極をセパレータで挟持したものを複数枚積層して構成している。発電要素13は、外部から電力の供給を受けて充電した上で、外部の電気デバイスに対して放電しつつ電力を供給する。
ラミネートフィルム14は、絶縁性を備えたシートによって金属箔の両側を覆って構成している。一対のラミネートフィルム14は、発電要素13を積層方向Zに沿った両側から被覆して、その四辺を封止している。一対のラミネートフィルム14は、図10、18に示すように、短手方向Yに沿った一端部12aから外部に向かって、アノード側の電極タブ15およびカソード側の電極タブ16を導出している。
また、ラミネートフィルム14には、図10等に示すようにスペーサ21A〜21Dにおいて下向きに突出する凸状の位置決め部25a、25b(図17参照)を挿通させる位置決め部14a、14bを設けている。位置決め部14a、14bはスペーサ21A〜21Dの位置決め部25a、25bと嵌合するように、断面が円形状の孔を設けている。しかし、スペーサ21A〜21Dを単電池11A〜11Dに取り付けることができれば、断面形状はこれに限定されない。
電極タブは、図10などに示すように、アノード側の電極タブ15およびカソード側の電極タブ16から構成している。アノード側の電極タブ15は、発電要素13中のアノード側の構成部材の特性に合わせて、アルミニウムからなる。カソード側の電極タブ16は、発電要素13中のカソード側の構成部材の特性に合わせて、銅からなる。電極タブ15、16はラミネートフィルム14との密着性を増加または向上させるために酸化被膜等を形成している。
電極タブ15、16は、図18に示すように、金属部材27と接触するように途中部分を折り曲げて構成している。図18では直線状の電極タブ15を略90度、電極タブ16を約45度に折り曲げているが、折り曲げの形状は、電極タブが金属部材27と接触できればよく、上記以外の角度でもよい。また、電極タブ15、16は直線形状ではなく、曲線形状に構成して金属部材27と接触するように構成してもよい。
電極タブ15、16は、図18に示すようにスペーサ21A〜21Dに取り付けられた金属部材27と積層方向Zにおいて接触して接合されている。本実施形態において、電極タブ15、16の先端部15a、16aは、図18に示すように発電要素13の偏平な面と略平行に構成している。先端部15a、16aにおいて電極タブ15、16は上記のように金属部材27と接触して接合され、一体となるように構成している。本明細書では、図18に示すように電極タブ15、16の先端部15a、16aがスペーサ21A〜21Dの金属部材27と接触し、溶接によって接合される領域を第1領域Aと呼ぶことにする。
本実施形態における単電池は、図9〜図16に示すように電池本体12の一辺に配置する電極タブ15、16の位置によって4種類の単電池11A〜11Dに分類されるように構成している。単電池11A〜11Dは、電極タブ15、16の先端部15a、16aが積層方向Zにおいて隣接する単電池11A〜11Dの電極タブ15、16の先端部15a、16aと接触しないように、短手方向Yにおいて電極タブ15、16の配置を適宜変えている。これにより、単電池は上記のように4種類に分類される。しかし、積層方向Zに隣接する電極タブ15、16同士が接触しないようにできれば、単電池の種類は4種類に限定されない。単電池11A〜11Dにおける電極タブ15、16の配置については、後述する。
ターミナル17、18は、図4に示すように単電池11の積層方向Zにおける端部に配置され、不図示である外部の入出力端子と接続される。ターミナル17はアノード側のターミナルを示し、ターミナル18はカソード側のターミナルを示す。ターミナル17はターミナル18と極性が異なる程度の差異であるため、以下にターミナル18について説明する。ターミナル18は、図6に示すように絶縁部材18aと、バスバ18bと、外部接続部18cと、ロケート孔18d、18eと、を有する。
絶縁部材18aは絶縁性の材料から構成し、スペーサ21の中間部22と同様に単電池11に積層する部位を構成するとともに、当該積層される部位から外部接続部18cを繋ぐ部位を構成する。絶縁部材18aは、例えばL字形状などを折り曲げて構成される。バスバ18bは絶縁部材18aに接合され、組み付けによって電極タブ15と接続される。バスバ18bは、スペーサ21Aの金属部材27を介してカソード側の電極タブ16と電気的に接続される。バスバ18bは、短手方向Yにおける端部側に配置している。
外部接続部18cは、矩形状の面を備えるとともにバスバ18bと接続される。外部接続部18cは、外部の入出力端子との接続部位にあたる。外部接続部18cは、当該矩形状の面の中央部に孔が設けられ、図8に示す導電性の材料からなるボルト18fなどを挿通できるように構成している。ロケート孔18d、18eは、上部加圧板51のロケート孔51c、下部加圧板52のロケート孔52c、およびスペーサ21A〜21Dのロケート孔24a、24bと組み付け時に連通する。
ターミナル17の絶縁部材17aは絶縁部材18aと、バスバ17bはバスバ18bと、外部接続部17cは外部接続部18cと、ロケート孔17d、17eはロケート孔18d、18eと同様であるため、重複する説明を省略する。ターミナル17において、バスバ17bは、短手方向Yにおける端部側に配置される。バスバ17bは、本実施形態において単電池11Dの下に配置している。バスバ17bは、本実施形態においてスペーサ21A〜21Dを単電池11A〜11Dの上に配置しているため、スペーサ21A〜21Dの金属部材27を介さずに単電池の電極タブ15と接続される。また、ターミナル17とターミナル18は、組電池100の組み付け時に図6に示すように上下を反転させて配置している。
一対のスペーサ21A〜21D、28は、図9〜図16に示すように、矩形状の単電池11の向かい合う一対の辺に各々配置している。スペーサ21A〜21Dは、図10等に示すように、電池本体12において電極タブ15、16が導出される一端部12aに沿って配置している。スペーサ28は、図10等に示すように、電池本体12において一端部12aとは反対側の他端部12bに沿って配置している。
スペーサ28は、スペーサ21A〜21Dの形状を簡略した構成からなる。各々の単電池11A〜11Dは、スペーサ21A〜21Dのいずれかと、スペーサ28を取り付けた上で、積層方向Zに沿って複数枚積層する。スペーサ21A〜21Dおよびスペーサ28は、絶縁性を備えた強化プラスチックスからなる。以下、スペーサ21A〜21Dの構成について説明した後に、スペーサ28の構成についてスペーサ21A〜21Dの構成と比較しつつ説明する。
スペーサ21A〜21Dは、図17に示すように、中間部22と、端部23a、23bと、ロケート孔24a、24bと、位置決め部25a、25bと、絶縁部26と、金属部材27(接続部に相当)と、を有する。
中間部22は、単電池11に取り付けた際に矩形状の電池本体12の一端部12aに沿って延在するように形成される。中間部22は、図18に示すように単電池11A〜11Dに組み付けた際に電池本体12の一端部12aに接するように構成される。中間部22には、図17に示すように長手方向における所定箇所において単電池11への取り付け時に外方に突出する絶縁部26を設けている。中間部22は、絶縁部26と同様に、取り付け時に外方に突出し、絶縁部26と短手方向Yにおいて離間する金属部材27を取り付けている。中間部22は断面が略矩形状に構成されるが、これに限定されない。
端部23a、23bは、中間部22の長手方向(短手方向Y)における端部に設けられ、長手方向Xにおける幅を中間部22よりも大きく構成している。ロケート孔24a、24bは、端部23a、23bにおいて組み付け時に単電池11A〜11Dの積層方向Zに沿うように穴を形成している。ロケート孔24a、24bは、組み付け時に後述する上部加圧板51のロケート孔51c、下部加圧板52のロケート孔52c及びターミナル17、18のロケート孔17d、17e、18d、18eと連通するように構成している。
位置決め部25a、25bは、図17における端部23a、23bの下面から下方に向かって突出して設けている。位置決め部25a、25bは、単電池11A〜11Dのラミネートフィルム14の隅部に設けられた孔状の位置決め部14a、14bに挿通してスペーサ21A〜21Dを単電池11A〜11Dに取り付け可能にする。位置決め部25a、25bは、本実施形態において円柱形状にて構成しているが、スペーサ21A〜21Dを単電池11A〜11Dに取り付けることができれば、形状はこれに限定されない。
絶縁部26は、中間部22から組み付け時に外方に向かって突出するように形成しており、積層方向Zにおいて近接する電極タブ15、16を絶縁する。絶縁部26は、中間部22と一部品で構成してもよく、別部品を中間部22に接合して構成してもよい。
金属部材27は、図18に示すように隣接する単電池11A、11Bを電気的に接続するとともに、電圧検出モジュール30を構成するバスバ31を単電池11A、11Bに電気的に接続する。本明細書において金属部材27は、電極タブ15、16と共に、隣接する複数の単電池とバスバ31とを電気的に接続する接続部を構成する。金属部材27は、平面部27a、27bと、屈曲部27c、27dと、を有する。
平面部27a、27bは、金属部材27の組み付け時に電極タブ15、16の先端部15a、16aと略平行に構成している。平面部27aは、上記のように組み付け時に電極タブ15の先端部15aと接触して接合される。平面部27bは、積層方向Zにおいて電極タブ16の先端部16aと接触して接合される。
屈曲部27c、27dは、金属部材27の先端部分を根元部分にあたる平面部27a、27bに対して屈折させている。屈曲部27c、27dは、金属部材27の組み付け時にバスバ31の面または積層方向Zに略平行となるように構成している。屈曲部27cは平面部27aと同一部材であり、電極タブを屈折させた際のX方向において外方に配置される。屈曲部27cは、バスバ31の偏平な面と接触して接合される。本明細書では、図18に示すように屈曲部27cとバスバ31とが接合される領域を第2領域Bと呼ぶことにする。
屈曲部27dは平面部27bと同一部材であり、電極タブを屈折させた際にX方向において内方に位置する。図18において第1領域Aを直交する方向から平面視した際の(第1)面積は、第2領域Bを直交する方向から平面視した際の(第2)面積よりも大きくなるように構成している。
金属部材27は、図18に示す断面においていわゆる略L字形状に構成している。しかし、電極タブ15、16およびバスバ31との接触が可能であれば、形状はL字形状に限定されない。
金属部材27は、本実施形態において電極タブ15、16とバスバ31との接触部分において、同種の材料同士が接合されるように電極タブ15、16やバスバ31と同種の材料で構成している。本実施形態において金属部材27は、アルミと銅のクラッド材として構成している。金属部材27のクラッド材において、平面部27aおよびバスバ31と接合される屈曲部27cは、融点が比較的低いアルミを配置するように構成している。逆に、平面部27bおよび屈曲部27dは、銅で構成している。
また、金属部材27は、上記のように酸化被膜を形成した電極タブ15、16とは対称的に金属が露出するように構成している。
電池本体12の一端部12aに取り付けられるスペーサは、図10〜16に示すように、中間部22上での短手方向Yにおける絶縁部26と金属部材27の位置によって4種類のスペーサ21A〜21Dに分類される。スペーサ21A〜21Dにおける絶縁部26と金属部材27の配置については後述する。
スペーサ28は、図17に示すようにスペーサ21から絶縁部26と金属部材27を備えていない形状として構成している。スペーサ28が備える中間部22、端部23a、23b、ロケート孔24a、24b、位置決め部25a、25bはスペーサ21と同様であるため、説明を省略する。
(電圧検出モジュール)
電圧検出モジュール30は、図5に示すように、バスバ31(検出部に相当)と、ホルダ32と、配線33と、コネクタ34と、を有する。
バスバ31は平板状に形成され、図18に示すように積層体10への組み付け時に偏平な面がスペーサ21の金属部材27の屈曲部27cと略平行に積層方向Zに沿って配置される。バスバ31は、組み付けによって金属部材27の屈曲部27cと接触して接合される。上記のように単電池11A〜11Dは、電極タブ15、16の位置によって4種類に分類しており、バスバ31は図5に示すように電極タブ15、16の位置に対応して複数用意し、ホルダ32において4列に並べて取り付けられるように構成している。
バスバ31は、図7に示すように略矩形状に構成し、矩形の長辺が組み付け時に短手方向Yに沿うように構成している。バスバ31の長辺の一端部は配線33に向かって窄むように形成され、先端に配線33の端末を接続できるように構成している。バスバ31は、図18に示すように金属部材27がアノード側の電極タブ15と接する側の面で金属部材27の屈曲部27cと接合される。そのため、バスバ31は本実施形態においてアルミにて構成している。
ホルダ32は、図5に示すように外壁32a、32b、32c、32dと、縦壁32e、32fと、絶縁部32gと、取り付け部32h、32jと、を有する。
ホルダ32は、積層体10を長手方向Xから平面視した際の輪郭と同様に外形を矩形状に構成している。ホルダ32は、バスバ31や配線33を設置できるように内部を中空に構成している。図5において、外壁32aは上部の側壁にあたり、外壁32bは下部の側壁にあたり、外壁32cは左側の側壁、外壁32dは右側の側壁に当たる。
縦壁32e、32fは、図5、図7に示すように、外壁32a、32b、32c、32dよりも内方であって、バスバ31を配置する付近に配置される。縦壁32e、32fは、端部において外壁32a、32bと接合されている。縦壁32eは、バスバ31と接触する位置であって、図7に示すように短手方向Yにおいて配線33が接続される端部付近に配置される。縦壁32fは、短手方向Yにおいて配線33が接続される側と逆側の端部付近に配置される。
縦壁32eには金具32kが設けられており、金具32k部分にバスバ31の一部を挿通させることによって、バスバ31をホルダ32に固定している。バスバ31は、図5に示すようにホルダ32に4列で取り付けできるように構成しており、縦壁32e、32fについてもバスバ31と同様に4列に配置して設けている。ホルダ32は、縦壁32e、32fを上記のように構成することによって複数のバスバ31を一体的に保持する。
絶縁部32gは、単電池11A〜11Dの積層方向Zにおいて想定していない電極タブ同士が導通することを防止する。絶縁部32gは、図7、図18に示すようにバスバ31を配置する上部において水平方向(長手方向X)に延在する形状として設けている。絶縁部32gは、ホルダ32に配置するバスバ31と一対一で対応するようにホルダ32に4列に配置している。
取り付け部32jは、図5に示すように、ホルダ32の短手方向Yにおける右側の端部に設けられる。取り付け部32jは矩形状の開口にて構成し、図8に示すように組電池100を形成した際にターミナル18の外部接続部18cの先端面を外部に露出するように構成している。取り付け部32hは、図5に示すように取り付け部32jと反対に短手方向Yにおける左側の端部に設けられるが、その他の点については同様である。
取り付け部32jは、図5、8に示すように外部接続部17cの先端面を露出させる開口部を比較的上部に設けている。一方、取り付け部32hは、図5に示すように、取り付け部32jとは対称的に外部接続部18cの先端面を露出させる開口部を比較的下側に設けている。しかし、取り付け部32j、32hは、ターミナル17の外部接続部17cおよびターミナル18の外部接続部18cを組み付け時に外部に露出できれば、形状や設けられる位置は上記に限定されない。
配線33は、図5、7に示すようにホルダ32に取り付けられたバスバ31と電気的に接続され、束ねられてコネクタ34に接続される。配線33は、一つのバスバ31に対して一本接続され、全体としてバスバ31の数と同様に多数設けられるため、図面では便宜的に簡略化して図示している。
コネクタ34は、複数の配線33の端末に設けられ、電圧を検出する機器などとの接続部位として従来から存在する一般的なコネクタの形状に構成している。本実施形態における電圧検出モジュール30は上記のように構成することによって、例えば単電池11A〜11Dの各々の電圧を検出することができる。
ここで、積層体10における複数の単電池11の電気的な接続について図9〜16、19を用いて説明する。図19は、複数の単電池11A〜11Dの電気的な接続を説明するための模式図である。なお、図19では電気的な接続について説明するため、スペーサ21A〜21Dを金属部材27のみで図示している。
単電池11A〜11Dの電極タブ15、16およびスペーサ21A〜21Dの絶縁部26および金属部材27は、図9〜16に示すように、電池本体12の一端部12a上で短手方向Yにおいて両端部2箇所または中央部2箇所のいずれかの位置に並べて配置される。
単電池11Aにおいて、電極タブ15、16は、図9、10に示すように短手方向Yにおける両端側に配置されている。スペーサ21Aにおいて、絶縁部26は短手方向Yにおける中央側に配置されている。金属部材27は、短手方向Yにおける端部側に配置されている。
単電池11Bにおいて、電極タブ15は、図11、12に示すように短手方向Yにおける中央側に配置されている。電極タブ16は、短手方向Yにおいて端部側に配置されている。スペーサ21Bにおいて、絶縁部26および金属部材27は、短手方向Yにおける端部側に配置されている。
単電池11Cにおいて、電極タブ15、16は、図13、14に示すように短手方向Yにおける中央側に配置されている。スペーサ21Cにおいて、絶縁部26は、短手方向Yにおける端部側に配置されている。金属部材27は、短手方向Yにおける中央側に配置されている。
単電池11Dにおいて、電極タブ15は、図15、16に示すように短手方向Yにおける端部側に配置されている。電極タブ16は、短手方向Yにおける中央側に配置されている。スペーサ21Dにおいて、絶縁部26および金属部材27は、短手方向Yにおける中央側に配置されている。
図19において最も下の位置には、アノード側のターミナル17が配置され、バスバ17bの直上にアノード側の電極タブ15を備えた単電池11Dが配置される。単電池11Dの上には、カソード側の電極タブ16の直上に金属部材27を配置したスペーサ21Dが配置される。スペーサ21Dの上には、金属部材27の直上に電極タブ15を備えた単電池11Cが配置される。単電池11Dは、金属部材27を介して単電池11Cと電気的に接続される。
単電池11Cの上には、電極タブ16の直上に金属部材27を備えたスペーサ21Cが配置される。スペーサ21Cの上には、金属部材27の直上に電極タブ15を備えた単電池11Bが配置される。単電池11Cは、金属部材27を介して単電池11Bと電気的に接続される。
単電池11Bの上には、電極タブ16の直上に金属部材27を備えたスペーサ21Bが配置される。スペーサ21Bの上には、金属部材27の直上に電極タブ15を備えた単電池11Aが配置される。単電池11Bは、金属部材27を介して単電池11Aと電気的に接続される。
単電池11Aの上には、電極タブ16の直上に金属部材27を備えたスペーサ21Aが配置される。それ以降は、図19の最上段に配置された単電池11Aまで上記と同様の順番で単電池とスペーサとが交互に積層される。図19における最上段の単電池11Aの上にはカソード側のターミナル18が配置される。ターミナル18は、バスバ18bがスペーサ21Aの金属部材27と短手方向Yにおいて同様の位置に配置され、電気的に接続される。積層体10は以上のように構成することによって、図19の二点鎖線に示すように電気経路を形成する。図19からわかるように、積層体10では各単電池を直列で接続するように構成している。
上記のように、複数の単電池11A〜11Dは、電極タブ16、金属部材27、および電極タブ15が積層方向Zに並んで配置される。一の電極タブ16、金属部材27、および電極タブ15の組み合わせは、隣接する他の電極タブ16、金属部材27、および電極タブ15と短手方向Yに離間するように配置している。なお、上記において「直上」という用語と、「短手方向Yにおいて同様の位置」とは、同様の意味として使用している。
(保護カバー)
保護カバー40は、図1、図3および図4に示すように、取り付け部32h、32jを除くホルダ32の中央部を被覆することによって、バスバ31同士が短絡したり、バスバ31が外部の部材に接触して短絡したり漏電したりすることを防止する。保護カバー40は、絶縁性を備えたプラスチックスからなる。
保護カバー40は、図4に示すように、平板状に形成し、積層方向Zにおける両端部を略90度程度に折り曲げて構成している。保護カバー40は、その側面40aの上端40bと下端40cを長手方向Xに沿って屈折した形状からなり、ホルダ32に嵌合させて取り付けている。保護カバー40は、ホルダ32に取り付けることによって、ホルダ32においてバスバ31が4列になって取り付けられている箇所を覆い、取り付け部32h、32jを外部に露出した状態とする。
(筐体)
筐体50は、図1および図2等に示すように、積層体10を積層方向に沿って加圧した状態において収容している。筐体50は、上部加圧板51、下部加圧板52、および一対の側板53を有する。
上部加圧板51および下部加圧板52は、積層体10に備えられた各々の単電池11の発電要素13を挟持しつつ加圧することによって、発電要素13に適正な面圧を与える。別の言い方をすれば、組電池100における積層体10の高さは、上部加圧板51および下部加圧板52によって、単電池11を無負荷状態で積層体10と同じ数だけ積層した際の高さよりも高さが低くなるように構成している。
上部加圧板51は、図1および図3に示すように、積層体10の積層方向Zに沿った上方に配設している。上部加圧板51は、積層方向Zに沿って下方に突出した加圧面51aを、中央に備えている。加圧面51aによって、各々の単電池11の発電要素13を下方に押圧する。上部加圧板51は、短手方向Yに沿った両側から、長手方向Xに沿って延在した保持部51bを備えている。
保持部51bは、スペーサ21A〜21Dおよびスペーサ28を被覆する。保持部51bには、図17に示すスペーサ21、28のロケート孔24a、24bと連通するロケート孔51cを開口して設けている。ロケート孔51cには、単電池11同士を連結する不図示のボルトを挿通する。上部加圧板51は、十分な厚みを備えた金属板からなる。上部加圧板51は、また、図3に示すように側板53との接合部として積層方向Zと交差する短手方向Yにおける両端を折り曲げた折り曲げ部51dを有している。
下部加圧板52は、図1および図3に示すように、上部加圧板51と同一の構成からなり、上部加圧板51の上下が逆転した状態で配置している。下部加圧板52は、積層体10の積層方向Zに沿った下方に配設している。下部加圧板52は、積層方向Zに沿って上方に突出した加圧面52aによって、各々の単電池11の発電要素13を上方に押圧する。下部加圧板52は、上部加圧板51と同様に、図3に示すように側板53との接合部として積層方向Zに交差する短手方向Yにおける両端を折り曲げた折り曲げ部52dを有している。
一対の側板53は、図1および図3に示すように、積層体10を積層方向Zの上下から挟持しつつ加圧する上部加圧板51および下部加圧板52が互いに離間しないように、接合によって上部加圧板51および下部加圧板52を固定する。側板53は、図3に示すように金属板からなり、組み付け時に積層方向Zに沿って起立した状態で配置している。一対の側板53は、上部加圧板51の折り曲げ部51dおよび下部加圧板52の折り曲げ部52dよりも外方に配置している。
一対の側板53は、上部加圧板51および下部加圧板52に対して積層体10の短手方向Yの両側からレーザ溶接等によって接合される。各々の側板53は、上部加圧板51と当接している上端付近に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接等で線状の溶接部を数箇所形成している。同様に、各々の側板53は、下部加圧板52と当接している下端付近に対して、長手方向Xに沿って、シーム溶接等で線状の溶接部を数箇所形成している。一対の側板53は、積層体10の短手方向Yの両側を被覆して保護する。
(組電池の製造方法)
次に組電池100の製造方法を図20〜図24を参照して説明する。図20は組電池100の製造方法を示すフローチャート、図21〜図24は上記製造方法に含まれる工程について説明する斜視図である。
組電池100の製造方法について図20を参照して概説すれば、積層工程(ST1)と、加圧工程(ST2)と、第1接合工程(ST3)と、第2接合工程(ST4)と、実装工程(ST5)と、を有する。
ここでスペーサ21A、28は、積層工程の前に位置決め部14a、14bおよび位置決め部25a、25bを用いて単電池11Aに取り付けられる。また、カソード側の電極タブ16は積層工程の前に金属部材27と接合される。そのため、以下の工程ではスペーサ21A、28、および単電池11Aを一部品として扱う。スペーサ21A、28、および単電池11Aが組み合わされた部品を単電池アセンブリ19Aと呼ぶことにする(図9参照)。
同様に、単電池11Bにスペーサ21B、28が組み合わされた部品を単電池アセンブリ19Bと呼ぶことにする(図11参照)。単電池11Cにスペーサ21C、28が組み合わされたものを単電池アセンブリ19Cと呼ぶことにする(図13参照)。単電池11Dにスペーサ21D、28が組み合わされた部品を単電池アセンブリ19Dと呼ぶことにする(図15参照)。
(積層工程)
積層工程では、図21に示すように主に載置台701およびレーザ発振器705を使用する。載置台701は、板状に形成し、水平面に沿って設けている。載置台701は、下から順に、下部加圧板52、単電池アセンブリ19A〜19D、上部加圧板51等の相対的な位置を合わせる位置決め用のロケートピン702を備えている。ロケートピン702は、載置台701の上面701aにおいて所定の間隔で4本設置している。4本のロケートピン702の間隔は、例えば上部加圧板51の4隅に備えられたロケート孔51cの間隔とほぼ一致して対応するように構成している。積層工程では、ロボットアーム、ハンドリフター、および真空吸着タイプのコレット等を用いて、積層体10を構成する部材を積層する。
レーザ発振器705は、積層方向において隣接する部材同士の導電部分を接合する。レーザ発振器705は、例えばYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザから構成する。レーザ発振器705から導出したレーザは、例えば光ファイバーやミラーによって光路を調整し、集光レンズによって集光した状態において電極タブ15と金属部材27との接触部分等に照射する。
積層工程では、まず、下部加圧板52のロケート孔52cをロケートピン702に挿入して下部加圧板52を載置台701の上面701aまで降下させる。次に、ロケート孔17d、17eをロケートピン702に挿入して、図6に示すターミナル17を下部加圧板52の上に載置する。次に、ロケート孔24a、24bにロケートピン702を挿入して単電池アセンブリ19Dを載置する。次に、レーザ発振器705からレーザー光を照射して、バスバ17bの直上に位置する単電池アセンブリ19Dの電極タブ15とターミナル17のバスバ17bとを接合する。
次に、ロケートピン702を用いて単電池アセンブリ19Cを単電池アセンブリ19Dの上に載置し、単電池アセンブリ19Cを構成する電極タブ15を単電池アセンブリ19Dを構成する金属部材27にレーザ溶接を用いて接合する。
以降は、単電池アセンブリ19B、単電池アセンブリ19A、単電池アセンブリ19D、単電池アセンブリ19C、単電池アセンブリ19B、単電池アセンブリ19Aの順に積層を行う。単電池アセンブリを積層する際には、既に載置された単電池アセンブリの金属部材27にこれから載置する単電池アセンブリの電極タブ15を位置合わせし、上記と同様に電極タブ15を金属部材27にレーザ溶接を用いて接合する。上記レーザ溶接は、単電池アセンブリを一つ積層する毎に行なう。
次に、ターミナル18を載置し、ターミナル18のバスバ18bを単電池アセンブリ19Aの金属部材27に接合する。次に、図22に示すようにロケート孔51cをロケートピン702に挿入して上部加圧板51をターミナル17の上に載置する。
(加圧工程)
加圧工程では、治具などを上部加圧板51の上に設置して積層方向に荷重を付加する。積層体10を構成する各々の単電池11の発電要素13には適正な面圧が与えられる。加圧治具703による加圧は、第1接合工程が完了するまで継続する。
(第1接合工程)
第1接合工程ではレーザ発振器を用いてレーザー光を照射し、上部加圧板51と側板53、および下部加圧板52と側板53に溶接箇所を形成して接合する。側板53は、積層体10の左右両方に配置されるため、両方の側板53に対して上記接合を行なう。これにより、上部加圧板51と下部加圧板52を用いて積層体10を加圧した状態で上部加圧板51と一対の側板53および下部加圧板52と一対の側板53とが接合される。
(第2接合工程)
第2接合工程では、載置台701を回転させて電圧検出モジュール30を取り付ける面がレーザ発振器706と対面するようにする。次に、図23に示すようにロボットアーム等によってホルダ32にバスバ31、配線33、およびコネクタ34が取り付けられた電圧検出モジュール30を搬送する。そして、電圧検出モジュール30を図18に示すように単電池アセンブリ19A〜19Dの金属部材27と接合する位置に配置する。第2接合工程の際には、電圧検出モジュール30のバスバ31が単電池アセンブリ19A〜19Dの金属部材27に向かって押し付けられた状態を維持する。
次に、図24に示すようにレーザ発振器706からバスバ31にレーザ光を照射し、バスバ31と金属部材27の屈曲部27cとをシーム溶接またはスポット溶接等で接合する。
(実装工程)
次に、ロボットアームを用いて、保護カバー40の上端40bと下端40cをホルダ32に嵌合させて、保護カバー40を電圧検出モジュール30を構成するホルダ32に取り付ける。なお、保護カバー40は接着剤を用いてホルダ32に接合してもよい。製造が完了した組電池100は載置台701から取り外して電池性能等を検査する工程に搬出する。
図21から図27に示す組電池100の製造方法は、工程全般をコントローラによって制御する自動機、工程の一部を作業者が行う半自動機、または工程全般を作業者が行うマニュアル機のいずれの形態で行なってもよい。
(作用効果)
次に本実施形態に係る作用効果について説明する。本実施形態では図18に示すように、隣接する単電池11Aの電極タブ15の先端部15aと金属部材27および単電池11Bの電極タブ16の先端部16aと金属部材27が第1領域Aにおいて接合される。これにより、隣接する単電池11A、11Bは電気的に接続される。また、スペーサ21A〜21Dに設けられた金属部材27は、第2領域Bにおいてバスバ31と接合され、バスバ31が隣接する単電池11A、11Bと電気的に接続される。第1領域Aは偏平な電池本体12の面と平行に形成され、第2領域Bは第1領域Aと交差して形成される。
このように、第2領域Bを第1領域Aと同一面内でなく交差するように構成することによって、組電池100が電池本体12の偏平な面に沿って大型化することを抑制し、小型化に寄与することができる。
また、接続部を構成するスペーサ21A〜21Dの金属部材27は、電池本体12の偏平な面と平行な平面部27a、27bと、平面部27a、27bに対して略直角に屈曲した屈曲部27c、27dとを有する。第1領域Aは平面部27a、27bに設けられ、第2領域Bは屈曲部27c、27dに設けられる。そのため、上記と同様に組電池100のXY方向における体積上昇を抑制し、小型化を図ることができる。また、第1領域Aと第2領域Bの方向が異なることによって、組電池をXY方向に大型化せずに第2領域Bにおける金属部材27とバスバ31との接触面積を大きくすることができる。
また、金属部材27の屈曲部27cとバスバ31とは、単電池11A〜11Dの積層方向Zに沿って延在するように構成している。そのため、組電池100の大型化を抑制しつつ、バスバ31と金属部材27との接触面積を比較的大きくとることができ、両者を強固に接合することができる。また、屈曲部27cとバスバ31とが積層方向Zに沿って延在しているため、屈曲部27cとバスバ31とは積層工程の際に接合する必要がなく、積層工程とは別の第2接合工程にて接合すれば足りる。そのため、積層工程をより簡素化できる。
また、第1領域Aにおける平面部27aと先端部15aおよび平面部27bと先端部16aとの接触面積は、第2領域Bにおける屈曲部27cとバスバ31との接触面積よりも大きくなるように構成している。電極タブ15、16には比較的強電が流れるため、第1領域Aの面積は大きくする必要がある。一方、電圧検出に流れる電流は比較的弱電であるため、接合部分の面積は比較的小さくできる。そのため、図18における屈曲部27cに比べて平面部27a、27bにおける長手方向Xの長さを比較的大きく取ることができ、電極タブ15、16の金属部材27に対する接合時にタブを固定するための治具等を設置することもできる。よって、両者を強固に接合することができる。なお、屈曲部21c、21dの長さは単電池11A〜11Dの厚さより大きく構成してもよい。
また、電極タブ15、16には金属部分に酸化被膜等が形成される一方で、金属部材27には被膜がされていない状態として構成している。電極タブ15、16はラミネートフィルム14との密着性を増すために上記のように構成される。このようにバスバ31には電極タブ15、16ではなく、金属部材27を接合することによって、被膜のない金属を接合することができ、電圧の検出精度を良好にすることができる。
また、接続部においてバスバ31は金属部材27においてクラッド材を構成するアルミと銅のうち融点が低い側にあたるアルミ部分をバスバ31と接合するように構成している。そのため、比較的低い融点において両者を効率的に接合することができる。
また、バスバ31と金属部材27とはレーザ溶接によって接合するように構成している。そのため、他の溶接方法に比べて治具等の大きさを小さく出来るか、または治具等を接合部の付近に設置しなくても接合ができ、その分、小型化を図ることができる。
また、電圧検出モジュール30を構成するホルダ32は、複数のバスバ31を一体的に保持するように構成している。そのため、複数のバスバ31を一つずつ位置合わせして接合する作業が不要になり、組み付け作業性を向上させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されることなく、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。図25は図18の変形例を示す断面図である。図18では、接続部を電極タブ15、16と金属部材27とによって構成する実施形態について説明した。図18では、上記のように金属部材27の平面部27aが電極タブ15の先端部15aと接合され、平面部27bが電極タブ16の先端部16aと接合される。また、金属部材27の屈曲部27cはバスバ31と接合される。
しかし、隣接する複数の単電池同士を電気的に接続でき、かつ、接続された複数の単電池を検出部に電気的に接続できれば、接続部の構成は図18に限定されない。上記以外にも、接続部を電極タブのみによって構成してもよい。その場合として一例を挙げれば、図25に示すように電極タブ15の先端部15aが電極タブ16bの先端部16dではなく根元部分16cと接合され、先端部16dが根元部分16cに対して交差する方向に変形した状態でバスバ31と接合される。このように構成することによっても組電池の大型化を抑制し、小型化を図ることができる。
また、上記では金属部材27と電極タブ15、16とはレーザ溶接によって接合すると説明したが、これに限定されず、図25に示すように電極タブ同士を接合する場合、超音波溶接を利用してもよい。
また、上記では図19に示すように単電池11A〜11Dが直列に接続される実施形態について説明した。しかし、上記に限定されず、例えば複数の単電池を並列に接続したり、組電池内に直接接続と並列接続とが両方存在するように単電池を電気的に接続してもよい。また、電圧検出モジュール30は、上記において単電池一つの電圧を検出すると記載したが、これに限定されず、上記以外にも例えば並列に接続した複数の単電池の電圧を検出するように構成してもよい。
10 積層体、
11A〜11D 単電池、
12 電池本体、
13 発電要素、
15 アノード側の電極タブ(接続部)、
16 カソード側の電極タブ(接続部)、
21、28 スペーサ、
26 絶縁部、
27 金属部材(接続部)、
27a、27b 平面部、
27c、27d 屈曲部、
30 電圧検出モジュール、
31 バスバ(検出部)、
32 ホルダ、
100 組電池、
A 第1領域、
B 第2領域、
X 長手方向(電極タブを導出する方向)、
Y 短手方向(電極タブの並ぶ方向)、
Z 積層方向。

Claims (10)

  1. 発電要素を含み偏平に形成した電池本体と、前記電池本体から導出した電極タブと、を備え、厚さ方向に複数積層した単電池と、
    前記電極タブよりも前記電池本体から離れて配置され、一以上の前記単電池の電圧を検出する検出部と、
    隣接する複数の単電池同士を電気的に接続し、かつ、前記隣接する複数の前記単電池と前記検出部とを電気的に接続する接続部と、を有し、
    前記接続部は、前記隣接する複数の前記単電池同士を電気的に接続し、前記隣接する複数の前記単電池同士の前記電極タブの間に位置する第1領域と、前記隣接する複数の前記単電池と前記検出部とを電気的に接続し、前記隣接する複数の前記単電池同士の前記電極タブの間に位置する前記第1領域から延びる第2領域と、を備え、
    前記第1領域は偏平な前記電池本体の面と平行に形成され、前記第2領域は前記第1領域と交差して形成される組電池。
  2. 前記接続部は、偏平な前記電池本体の面方向に平行な平面部と、前記平面部とは異なる方向に屈曲した屈曲部と、を有し、
    前記第1領域は前記平面部に設けられ、前記第2領域は前記屈曲部に設けられる請求項1に記載の組電池。
  3. 前記屈曲部において屈曲した先端部と前記検出部とは、前記単電池の積層方向に沿って延在する請求項2に記載の組電池。
  4. 前記第1領域と交差する方向から前記第1領域を平面視した際の第1面積は、前記第2領域と交差する方向から前記第2領域を平面視した際の第2面積よりも大きい請求項1から3のいずれか1項に記載の組電池。
  5. 前記接続部は、少なくとも導電性部材を被覆してなる前記電極タブと前記導電性部材と同一または異なる前記導電性部材を露出してなる金属部材とを備え、
    前記金属部材は前記屈曲部を備え、前記検出部と接合される請求項2または3に記載の組電池。
  6. 前記金属部材はクラッド材であり、前記検出部は当該クラッド材を構成する金属において融点が低い側の金属と接合される請求項5に記載の組電池。
  7. 前記検出部と前記接続部とは、前記第2領域においてレーザ溶接によって接合される請求項1から6のいずれか1項に記載の組電池。
  8. 前記検出部は複数設けられ、
    複数の前記検出部を一体的に保持するホルダをさらに有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の組電池。
  9. 前記接続部は、前記隣接する複数の前記単電池における前記電極タブのみから構成する請求項1〜4、7、8のいずれか1項に記載の組電池。
  10. 発電要素を含み偏平に形成した電池本体と、前記電池本体から導出した電極タブと、を備えた単電池を厚さ方向に複数積層し、
    電気的な接続領域を備える接続部における、隣接する複数の単電池同士を電気的に接続し、前記隣接する複数の前記単電池同士の前記電極タブの間に位置する第1領域において、前記隣接する複数の前記単電池を互いに接合し、
    前記接続部における一以上の前記単電池の電圧を検出し、前記電極タブよりも前記電池本体から離れて配置される検出部と、前記隣接する複数の前記単電池と、を電気的に接続し、前記隣接する複数の前記単電池同士の前記電極タブの間に位置する前記第1領域から延びる第2領域において、前記検出部と前記接続部とを接合し、
    前記第1領域は偏平な前記電池本体の面と平行に形成され、前記第2領域は前記第1領域と交差して形成される組電池の製造方法。
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