JP6756642B2 - 改装サッシ - Google Patents
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Description
下枠ベースは、横板と、横板の室外縁部から垂下した縦板とを備えている。横板は既設下枠の室内側部に載せて窓台にねじ止めされる。縦板には、上下方向に沿った長孔が形成されており、この長孔から調整ねじを前述した取付部に螺合することで、下枠ベースを取付部に固着する。この調整ねじを緩めた場合には、下レールに取り付けられた取付部に対して下枠ベースを上下方向に位置調整可能となる。
このため、下枠ベースの取付部に対する上下方向の位置を最大幅に調整しても、取付部が下レールに対する取付位置までとどかないほどに、既設下枠の室内側部(室内部分)と下レール(室外部分)との上下方向における段差が大きい場合には、下部下地材を既設下枠に取り付けることが困難である。
一方、調整部材の第二取付向きで支持部材の取付片部に取り付けた第二取付状態では、取付片部の下辺から第二当接辺までの最大寸法分だけ調整部材を取付片部から下方に位置調整できる。
ここで、第一取付状態における前記最大寸法は第二取付状態における前記最大寸法よりも長いので、第一取付状態では第二取付状態よりも調整部材をさらに下方に位置調整できる。このため、第二取付状態で調整部材を最下方まで位置調整しても、第二当接辺が既設下枠の室外部分にとどかないほどに、既設下枠の室内部分と室外部分との上下方向における段差が大きい場合であっても、第一取付状態とすることで、第一当接辺を既設下枠に当接できる。これにより、下枠支持金具を既設下枠上に設置できて新設下枠を支持でき、既設下枠の室内部分と室外部分との段差に対応して新設下枠を設置できる。
このような構成によれば、第一取付向きにおける調整部材の位置調整可能な範囲と第二取付向きにおける調整部材の位置調整可能な範囲との間から位置調整できない範囲をなくすことができる。このため、既設下枠の歪み等に対応して調整部材の第一取付向きと第二取付向きとを切替えても、当該既設下枠の歪み等に対応して調整部材を適切な上下位置に位置調整できる。
このような構成によれば、調整部材の第一取付孔および第二取付孔に螺合する取付ねじを上下方向に沿った調整長孔に挿通するので、取付ねじを緩めた状態では、調整部材を第一取付向きまたは第二取付向きのままで取付片部に対して上下方向に位置調整できる。また、取付ねじを締めた状態では、調整部材を取付片部に不動に固定できる。
このような構成によれば、第一取付向きでは調整部材の各短辺が取付片部の上辺および下辺と平行に配置され、第二取付向きでは調整部材の各長辺が取付片部の上辺および下辺と平行に配置される。このため、調整部材の短辺や長辺が取付片部の上辺および下辺に対して傾いて配置される場合と比べて、上下方向に沿って長く延びた調整長孔を形成でき、調整部材の上下方向の位置調整範囲を拡げることができる。
また、第二取付向きでは調整部材の各長辺が取付片部の上辺および下辺と平行に配置されるので、調整部材を調整長孔に沿って上方に位置調整することで取付片部の下辺よりも下方に突出させずに収めることができる。
このような構成によれば、第一取付孔と第二取付孔とで螺合孔を共用することで、調整部材に形成される螺合孔の数を削減でき、孔加工を簡略化でき、また、調整部材の剛性を向上できる。
このような構成によれば、調整部材の位置調整後、固定具を取付片部の挿通孔に挿通して調整部材に固定することで、調整部材を取付片部へ不動に固定できる。
このような構成によれば、既設枠の内周側に新設枠が設置された後であっても、カバー材を新設下枠から取り外すことで、下枠支持金具を室外側に露出でき、この下枠支持金具を操作して調整部材の取付向きの変更や位置調整を簡単に行うことができる。
一方、調整金具を第二取付向きで新設下枠の見付け片部に取り付けた第二取付状態では、新設下枠の見付け片部の下辺から第二当接辺までの最大寸法分だけ調整金具を上下方向に位置調整できる。
ここで、第一取付状態における前記最大寸法は第二取付状態における前記最大寸法よりも長いので、第一取付状態では第二取付状態よりも調整金具をさらに下方に位置調整できる。このため、第二取付状態で調整金具を最下方まで位置調整しても、第二当接辺が既設下枠の室外部分にとどかないほどに、既設下枠の室内部分と室外部分との上下方向における段差が大きい場合であっても、第一取付状態とすることで、第一当接辺を既設下枠に当接できる。これにより、調整金具を既設下枠上に設置できて新設下枠を支持でき、既設下枠の室内部分と室外部分との段差に対応して新設下枠を設置できる。
さらに、調整金具を新設下枠の見付け片部に取り付けるだけであるので、既設枠の内周側に新設枠を設置した後でも、調整金具の着脱や位置調整を行うことができる。
このような構成によれば、第一長孔部または第二長孔部に取付ねじを挿通して新設下枠の見付け片部にねじ込むことで、調整金具を第一取付向きまたは第二取付向きで上下方向に位置調整可能に取り付けることができる。
このような構成によれば、既設枠の内周側に新設枠が設置された後であっても、カバー材を新設下枠から取り外すことで、調整金具を室外側に露出でき、この調整金具の取付向きの変更や位置調整を簡単に行うことができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3において、第1実施形態に係る改装サッシ1は、建物躯体2の開口部3に設置されるものである。
改装サッシ1の設置概要手順は次の通りである。先ず、既設サッシから既設パネル(図示省略)を取り外して既設枠10を建物躯体2に固定した状態で残存させる。次に、残存させた既設枠10の内周側に新設枠20を設置し、続いて、新設枠20内に新設パネルを配置する。このようにして、既設枠10と、新設枠20および新設パネルによって構成される新設サッシ4とを備える改装サッシ1を構成する。
図1,2に示すように、既設上枠11は建物躯体2のまぐさに固定されており、既設下枠12は建物躯体2の窓台に固定されており、左右の既設縦枠13は建物躯体2の柱にそれぞれ固定されている。
新設枠20は、本実施形態では樹脂製の押出形材によって形成された新設上枠21、新設下枠22および左右の新設縦枠23を枠組みして構成されている。
なお、図2に左側に示す既設縦枠13、新設縦枠23、取付金具35および中間枠材36は、右側に示す既設縦枠13、新設縦枠23、取付金具35および中間枠材36と同様に形成されており、左右逆向きに配置されているので、図に同符号を適宜付す。
改装サッシ1の下部構造は、図3に示すように、既設下枠12と、新設下枠22と、既設下枠12および新設下枠22間に配置される下枠支持金具50とによって構成されている。既設下枠12には下枠支持金具50が載置され、下枠支持金具50には新設下枠22が載置される。
室外延出片部125および中空枠部121の連続部分にはビスホール部128が形成されており、室外延出片部125のうちビスホール部128に対して上方に位置する上面129で後述する調整部材61が当接する。
中空枠部222の室内部分は、建物躯体2の窓台に固定された固定金具41にねじ止めされている。
下枠支持金具50を室外側から覆うカバー材72が取外し可能にねじ止めされている。
下枠支持金具50は、図4に示すように、支持部材51と、調整部材61とを備えている。図3に示すように、支持部材51は新設下枠22を支持しており、調整部材61は既設下枠12に当接している。
見込み片部52の室内部分には、固定孔521が形成されている。この固定孔521に挿通される固定ねじ9が建物躯体2の窓台にねじ込まれることで、支持部材51の室内部分は建物躯体2に固定される。
この取付片部53は、上辺531および下辺532が互いに平行であるとともに左右の縦辺533,534も互いに平行であり、各辺が直角に交わって長方形状に形成されている。
調整部材61の長辺611,612は、取付片部53の上辺531および下辺532よりも短く、調整部材61の短辺613,614は、取付片部の縦辺533,534よりも短い。
調整部材61の図4(C)に右側に示す短辺613によって第一当接辺が構成されており、長辺612によって第二当接辺が構成されている。
螺合孔62A,62Bは、短辺613と平行な方向に沿って間隔を隔てて配置されている。螺合孔62B,62Cは、長辺612と平行な方向に沿って間隔を隔てて配置されている。ここで、螺合孔62A,62Bを結ぶ仮想線と螺合孔62B,62Cを結ぶ仮想線との交差角は、長辺612と短辺613とがなす角度に対応した角度とされており、本実施形態では90°とされる。
螺合孔62B,62Cは、図4に示すように長辺612が横向きとされた調整部材61の第二取付向き(横長となる向き)で調整長孔54A,54Bに挿通される各取付ねじ57に螺合して取り付けられる第二取付孔64を構成している。
螺合孔62Bは、第一取付孔63と第二取付孔64とに共用されている。
下方向に位置調整可能に取り付けられる第二取付状態(図4(A)、図4(B)参照)とを切替え可能に構成される。
また、第一取付状態における取付片部53の下辺532から短辺613までの上下方向における最小寸法L4(図6(B)参照)は、第二取付状態における取付片部53の下辺532から長辺612までの上下方向における最大寸法L3以下の寸法とされる。
なお、最大寸法L2,L3は、各取付ねじ57を各調整長孔54A,54Bの下端に配置した状態における寸法であり、最小寸法L4は、各取付ねじ57を各調整長孔54A,54Bの上端に配置した状態における寸法である。
また、下枠支持金具50の見込み片部52は、新設下枠22がねじ止めされた固定金具41と、新設下枠22にねじ止めされたカバー取付部材71に当接している。これにより、新設下枠22が固定金具41およびカバー取付部材71を介して下枠支持金具50上に設置されており、下枠支持金具50は新設サッシ4の鉛直荷重を支持する。
以下、第1実施形態における下枠支持金具50の施工手順を説明する。
なお、第1実施形態では、既設下枠12の室内部分と室外部分との段差に対応して調整部材61を第二取付向き(横長となる向き)で支持部材51に取り付けることとする。
次に、支持部材51を建物躯体2の窓台に固定する。固定後、各取付ねじ57を緩めて調整部材61を下方に位置調整し、当該調整部材61の第二当接辺である長辺612を既設下枠12の上面129に当接し、各取付ねじ57を締めて調整部材61を取付片部53に取り付ける。そして、ドリルねじ55を挿通孔56に挿通して調整部材61の板部分にねじ込むことで、調整部材61を取付片部53に強固に固定する。
このようにして、下枠支持金具50を既設下枠12の内周側に設置する。
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図5において、第2実施形態に係る改装サッシ1は、既設下枠12の室内部分と室外部分との上下方向における段差が第1実施形態の改装サッシ1における当該段差よりも大きく形成されている構成を除き、第1実施形態の改装サッシ1と同様に構成されている。
このように、調整部材61が第一取付向きに配置された第一取付状態では、取付片部53の下辺532から調整部材61の短辺613までの上下方向における最大寸法L2は、図4(A)に示す最大寸法L3よりも長い寸法となる。
また、図6(B)に示す最小寸法L4は、図4(A)に示す最大寸法L3以下の寸法となる。
(1)第1、第2実施形態では、改装サッシ1は、建物躯体2に残存した既設枠10の内周側に新設枠20が設置される改装サッシ1であって、既設枠10の既設下枠12と新設枠20の新設下枠22との間には、下枠支持金具50が配置され、下枠支持金具50は、新設下枠22を支持する支持部材51と、支持部材51に取り付けられる調整部材61とを備え、支持部材51は、見込み片部52と、取付片部53とを有し、調整部材61は、その短辺613(第一当接辺)が既設下枠12に当接する第一取付向きで取付片部53に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第一取付状態(図5,6参照)と、当該調整部材61の長辺612(第二当接辺)が既設下枠12に当接する第二取付向きで取付片部53に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第二取付状態(図3,4参照)とを切替え可能に構成され、第一取付状態における取付片部53の下辺532から短辺613までの最大寸法L2は、第二取付状態における取付片部53の下辺532から長辺612までの最大寸法L3よりも長い寸法とされることを特徴とする。
上記構成を有するため、調整部材61の第一取付向きで支持部材51の取付片部53に取り付けた第一取付状態では、取付片部53の下辺532から短辺613までの最大寸法L2分だけ調整部材61を取付片部53から下方に位置調整できる。
一方、調整部材61の第二取付向きで支持部材51の取付片部53に取り付けた第二取付状態では、取付片部53の下辺532から長辺612までの最大寸法L3分だけ調整部材61を取付片部53から下方に位置調整できる。
ここで、第一取付状態における最大寸法L2は第二取付状態における最大寸法L3よりも長いので、第一取付状態では第二取付状態よりも調整部材61をさらに下方に位置調整できる。このため、第二取付状態で調整部材61を最下方まで位置調整しても、長辺612が既設下枠12の室外部分にとどかないほどに、既設下枠12の室内部分と室外部分との上下方向における段差が大きい場合であっても、第一取付状態とすることで、短辺613を既設下枠12に当接できる。これにより、下枠支持金具50を既設下枠12上に設置できて新設下枠22を支持でき、既設下枠12の室内部分と室外部分との段差に対応して新設下枠22を設置できる。
さらに、本実施形態では、以下の各効果を発揮できる。
(2)第一取付状態における取付片部53の下辺532から短辺613までの最小寸法L4は、第二取付状態における取付片部53の下辺532から長辺612までの最大寸法L3以下の寸法とされる。
このため、第一取付向きにおける調整部材61の位置調整可能な範囲と第二取付向きにおける調整部材61の位置調整可能な範囲との間から位置調整できない範囲をなくすことができる。このため、既設下枠12の歪み等に対応して調整部材61の第一取付向きと第二取付向きとを切替えても、当該既設下枠12の歪み等に対応して調整部材61を適切な上下位置に位置調整できる。
(3)取付片部53には、取付ねじ57が挿通する上下方向に沿った調整長孔54A,54Bが形成され、調整部材61には、取付ねじ57が螺合する第一取付孔63および第二取付孔64が形成され、取付ねじ57が調整長孔54A,54Bを挿通して第一取付孔63に螺合した状態では、調整部材61は第一取付向きに配置され、取付ねじ57が調整長孔54A,54Bを挿通して第二取付孔64に螺合した状態では、調整部材61は第二取付向きに配置される。
このため、調整部材61の第一取付孔63および第二取付孔64に螺合する取付ねじ57を上下方向に沿った調整長孔54A,54Bに挿通するので、取付ねじ57を緩めた状態では、調整部材61を第一取付向きまたは第二取付向きのままで取付片部53に対して上下方向に位置調整できる。また、取付ねじ57を締めた状態では、調整部材61を取付片部53に不動に固定できる。
(4)取付片部53の上辺531および下辺532は平行であり、調整部材61は矩形板状に形成され、調整部材61の短辺613によって既設下枠12に当接する第一当接辺が構成され、調整部材61の長辺612によって既設下枠12に当接する第二当接辺が構成される。
このため、第一取付向きでは調整部材61の各短辺613,614が取付片部53の上辺531および下辺532と平行に配置され、第二取付向きでは調整部材61の各長辺611,612が取付片部53の上辺531および下辺532と平行に配置される。このため、調整部材61の短辺や長辺が取付片部53の上辺531および下辺532に対して傾いて配置される場合と比べて、上下方向に沿って長く延びた調整長孔54A,54Bを形成でき、調整部材61の上下方向の位置調整範囲を拡げることができる。
また、第二取付向きでは調整部材61の各長辺611,612が取付片部53の上辺531および下辺532と平行に配置されるので、調整部材61を調整長孔54A,54Bに沿って上方に位置調整することで取付片部53の下辺532よりも下方に突出させずに収めることができる。
(5)調整長孔54A,54Bは、取付片部53に二つ形成され、調整部材61には、三つの螺合孔62A,62B,62Cが形成され、第一取付孔63は、三つの螺合孔62A,62B,62Cのうち短辺613に平行な方向に沿って位置する二つの螺合孔62A,62Bによって構成され、第二取付孔64は、三つの螺合孔62A,62B,62Cのうち長辺612に平行な方向に沿って位置する二つの螺合孔62B,62Cによって構成され、第一取付孔63および第二取付孔64は、三つの螺合孔62A,62B,62Cのうちの一つの螺合孔62Bを共用する。
このため、第一取付孔63と第二取付孔64とで螺合孔62Bを共用することで、調整部材61に形成される螺合孔の数を削減でき、孔加工を簡略化でき、また、調整部材61の剛性を向上できる。
(6)支持部材51の取付片部53には、調整部材61に固定されるドリルねじ55が挿通可能な挿通孔56が形成される。
このため、調整部材61の位置調整後、ドリルねじ55を取付片部53の挿通孔56に挿通して調整部材61にねじ込むことで、調整部材61を取付片部53へ不動に固定できる。
(7)新設下枠22には、既設下枠12および下枠支持金具50を室外側から覆うカバー材72が取外し可能に取り付けられる。
このため、既設枠10の内周側に新設枠20が設置された後であっても、カバー材72を新設下枠22から取り外すことで、下枠支持金具50を室外側に露出でき、下枠支持金具50を操作して調整部材61の取付向きの変更や位置調整を簡単に行うことができる。
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
図7において、第3実施形態に係る改装サッシ1Aは、既設枠10Aと、新設枠20Aおよび新設パネルによって構成される新設サッシ4Aとを備えており、建物躯体2の開口部3への設置手順は第1実施形態と概略同様である。
新設下枠22Aは、新設下枠本体部225と、新設下枠本体部225の室外端部から垂下した見付け片部226とを有している。
調整金具80は、図9に示すように、矩形板状の本体板部91と、本体板部91に段部92(図9(B)参照)を介して連続した延出板部93とを有している。図9(A)において、延出板部93は、本体板部91の左側半分の位置から下方に延出しており、本体板部91、段部92および延出板部93に連続した左側縁が第一当接辺81とされており、延出板部93の下縁が第二当接辺82とされている。第一当接辺81および第二当接辺82の長手方向は互いに直交している。
ここで、図9(A)に示す調整金具80を90度左回転させた状態における第一長孔部831および第一固定孔84の位置関係は、当該回転前における第二長孔部832および第二固定孔85の位置関係と概略同じである。従って、調整金具80を後述する第一取付向き、第二取付向きのいずれに配置した場合であっても、取付ねじ57および固定ねじ86を同様に新設下枠22Aの見付け片部226に螺合し、ねじ込むことが可能である。
また、第一取付状態における見付け片部226の下片から第一当接辺81までの上下方向における最小寸法(図示省略)は、前述した最大寸法L6以下の寸法とされる。
なお、最大寸法L5は、取付ねじ57が第一長孔部831の上端に配置された状態における寸法である。最大寸法L6は、取付ねじ57が第二長孔部832の上端に配置された状態における寸法である。また、第一取付状態における見付け片部226の下片から第一当接辺81までの上下方向における最小寸法は、取付ねじ57が第一長孔部831の下端に配置された状態における寸法である。第二取付状態における見付け片部226の下片から第二当接辺82までの上下方向における最小寸法は、取付ねじ57が第二長孔部832の下端に配置された状態における寸法である。
以上の調整金具80は、新設下枠22Aに取り付けられ、かつ既設下枠12Aに当接することで、新設サッシ4Aの鉛直荷重を支持する。
(1)第3実施形態では、改装サッシ1Aは、建物躯体2に残存した既設枠10Aの内周側に新設枠20Aが設置されるものであって、新設枠20Aの新設下枠22Aには見付け片部226が形成され、見付け片部226には、調整金具80が取り付けられ、調整金具80は、その第一当接辺81が既設枠10Aの既設下枠12Aに当接する第一取付向きで見付け片部226に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第一取付状態と、当該調整金具80の第二当接辺82が既設下枠12Aに当接する第二取付向きで見付け片部226に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第二取付状態とを切替え可能に構成され、第一取付状態における見付け片部226の下辺から第一当接辺81までの最大寸法L5は、第二取付状態における見付け片部226の下辺から第二当接辺82までの最大寸法L6よりも長い寸法とされることを特徴とする。
上記構成を有するため、調整金具80の第一取付向きで新設下枠22Aの見付け片部226に取り付けた第一取付状態では、新設下枠22Aの見付け片部226の下辺から第一当接辺81までの最大寸法分だけ調整金具80を新設下枠22Aの見付け片部226から下方に位置調整できる。
一方、調整金具80の第二取付向きで新設下枠22Aの見付け片部226に取り付けた第二取付状態では、新設下枠22Aの見付け片部226の下辺から第二当接辺82までの最大寸法分だけ調整金具80を新設下枠22Aの見付け片部226から下方に位置調整できる。
ここで、第一取付状態における最大寸法L5は第二取付状態における最大寸法L6よりも長いので、第一取付状態では第二取付状態よりも調整金具80をさらに下方に位置調整できる。このため、第二取付状態で調整金具80を最下方まで位置調整しても、第二当接辺82が既設下枠12Aの室外部分にとどかないほどに、既設下枠12Aの室内部分と室外部分との上下方向における段差が大きい場合であっても、第一取付状態とすることで、第一当接辺81を既設下枠12Aに当接できる。これにより、調整金具80を既設下枠12A上に設置できて新設下枠22Aを支持でき、既設下枠12Aの室内部分と室外部分との段差に対応して新設下枠22Aを設置できる。
さらに、調整金具80を新設下枠22Aの見付け片部226に取り付けるだけであるので、既設枠10Aの内周側に新設枠20Aを設置した後でも、調整金具80の着脱や位置調整を行うことができる。
(2)調整金具80には、第一当接辺81に直交する方向に沿った第一長孔部831と、第二当接辺82に直交する方向に沿った第二長孔部832とが形成されている。
このため、第一長孔部831または第二長孔部832に取付ねじ57を挿通して新設下枠22Aの見付け片部226にねじ込むことで、調整金具80を第一取付向きまたは第二取付向きで上下方向に位置調整可能に取り付けることができる。
(3)新設下枠22Aには、調整金具80を室外側から覆うカバー材73が取外し可能に取り付けられる。
このため、既設枠10Aの内周側に新設枠20Aが設置された後であっても、カバー材73を新設下枠22Aから取り外すことで、調整金具80を室外側に露出でき、この調整金具80の取付向きの変更や位置調整を簡単に行うことができる。
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、調整部材61の第一取付状態における取付片部53の下辺532から第一当接辺である短辺613までの最小寸法L4は、第二取付状態における取付片部53の下辺から第二当接辺である長辺612までの最大寸法L3以下の寸法とされているが、これに限られず、最大寸法L3よりも大きな寸法とされてもよい。この場合でも、窓種に応じて調整部材61の取付向きを選択でき、第一取付向きや第二取付向きに配置した状態における位置調整範囲内で調整部材61を位置調整できる。
また、ドリルねじ55によって調整部材61を取付片部53に固定する場合には、取付ねじ57の構成を省略し、その代わりに、調整長孔54A,54Bにガイドされるガイドピン(図示省略)を調整部材61に植設してもよい。このガイドピンは、調整部材61の取付向きに応じて第一取付孔63または第二取付孔64に取り付けられる。
また、ドリルねじ55に限らず調整部材61を取付片部53に固定できるものであればよく、例えばリベット等で固定してもよい。
Claims (10)
- 建物躯体に残存した既設枠の内周側に新設枠が設置される改装サッシであって、
前記既設枠の既設下枠と前記新設枠の新設下枠との間には、下枠支持金具が配置され、
前記下枠支持金具は、前記新設下枠を支持する支持部材と、前記支持部材に取り付けられる調整部材とを備え、
前記支持部材は、見込み片部と、取付片部とを有し、
前記調整部材は、その第一当接辺が前記既設下枠に当接する第一取付向きで前記取付片部に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第一取付状態と、当該調整部材の第二当接辺が前記既設下枠に当接する第二取付向きで前記取付片部に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第二取付状態とを切替え可能に構成され、
前記第一取付状態における前記取付片部の下辺から前記第一当接辺までの最大寸法は、前記第二取付状態における前記取付片部の下辺から前記第二当接辺までの最大寸法よりも長い寸法とされる
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項1に記載の改装サッシにおいて、
前記第一取付状態における前記取付片部の下辺から前記第一当接辺までの最小寸法は、前記第二取付状態における前記取付片部の下辺から前記第二当接辺までの最大寸法以下の寸法とされる
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項1または請求項2に記載の改装サッシにおいて、
前記取付片部には、取付ねじが挿通する上下方向に沿った調整長孔が形成され、
前記調整部材には、前記取付ねじが螺合する第一取付孔および第二取付孔が形成され、
前記取付ねじが前記調整長孔を挿通して前記第一取付孔に螺合した状態では、前記調整部材は第一取付向きに配置され、
前記取付ねじが前記調整長孔を挿通して前記第二取付孔に螺合した状態では、前記調整部材は前記第二取付向きに配置される
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項3に記載の改装サッシにおいて、
前記取付片部の上辺および下辺は平行であり、
前記調整部材は矩形板状に形成され、
前記調整部材の短辺によって前記第一当接辺が構成され、
前記調整部材の長辺によって前記第二当接辺が構成される
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項3または請求項4に記載の改装サッシにおいて、
前記調整長孔は、前記取付片部に二つ形成され、
前記調整部材には、三つの螺合孔が形成され、
前記第一取付孔は、前記三つの螺合孔のうち前記第一当接辺に平行な方向に沿って位置する二つの螺合孔によって構成され、
前記第二取付孔は、前記三つの螺合孔のうち前記第二当接辺に平行な方向に沿って位置する二つの螺合孔によって構成され、
前記第一取付孔および前記第二取付孔は、前記三つの螺合孔のうちの一つの螺合孔を共用する
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改装サッシにおいて、
前記支持部材の取付片部には、前記調整部材に固定される固定具が挿通可能な挿通孔が形成される
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の改装サッシにおいて、
前記新設下枠には、前記既設下枠および前記下枠支持金具を室外側から覆うカバー材が取外し可能に取り付けられる
ことを特徴とする改装サッシ。 - 建物躯体に残存した既設枠の内周側に新設枠が設置される改装サッシであって、
前記新設枠の新設下枠は見付け片部を有し、
前記見付け片部には、調整金具が取り付けられ、
前記調整金具は、その第一当接辺が前記既設枠の既設下枠に当接する第一取付向きで前記見付け片部に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第一取付状態と、当該調整金具の第二当接辺が前記既設下枠に当接する第二取付向きで前記見付け片部に上下方向に位置調整可能に取り付けられる第二取付状態とを切替え可能に構成され、
前記第一取付状態における前記見付け片部の下辺から前記第一当接辺までの最大寸法は、前記第二取付状態における前記見付け片部の下辺から前記第二当接辺までの最大寸法よりも長い寸法とされる
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項8に記載の改装サッシにおいて、
前記調整金具には、前記第一当接辺に直交する方向に沿った第一長孔部と、前記第二当接辺に直交する方向に沿った第二長孔部とが形成されている
ことを特徴とする改装サッシ。 - 請求項8または請求項9に記載の改装サッシにおいて、
前記新設下枠には、前記調整金具を室外側から覆うカバー材が取外し可能に取り付けられる
ことを特徴とする改装サッシ。
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