JP6753254B2 - ポリエチレンスパンボンド不織布 - Google Patents
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Description
密度が0.945〜0.965g/cm3の線状低密度ポリエチレンからなり、単糸繊度が0.5dtex以上、2.0dtex以下であり、単糸のΔnが0.035以上、0.038以下であることを特徴とするポリエチレンスパンボンド不織布。
本発明のポリエチレン(以下、PEとも言う)スパンボンド不織布はポリエチレン樹脂の繊維からなる。ポリエチレン樹脂とは繰り返し単位としてエチレン単位を有するポリマーを意味する。ポリエチレン樹脂を用いることで柔軟性に優れた不織布とすることができる。
またPE樹脂には着色のための顔料、酸化防止剤、ポリエチレンワックス等の滑剤、耐熱安定剤等が添加されていても良い。
用いる原料はLLDPE樹脂であり、その密度、共重合種と量、その他の添加物は前記したとおりである。
紡糸速度(km/分)=Q・10/D
Q:単孔吐出量(g/分)、D:単糸繊度(dtex)
紡糸速度は3.0km/分以上が細繊度、高強度化のためには好ましく、4.0km/分がより好ましい。なお空気流速も同様に3.0km/分以上が好ましい。また紡糸速度の上限は10.0km/分程度である。
一つは密度が0.945〜0.965g/cm3のLLDPEを用いる点である。スパンボンドは溶融紡糸かつ高速紡糸のプロセスになるため、従来から曳糸性に優れるLLDPEを用いる技術が提案されていた。ここで重要になるのが密度、すなわち結晶化度である。発明者らは細繊度かつ高強度のポリエチレンスパンボンド不織布を得るため、吐出した糸条の細化と固化の挙動を調べた結果、HDPEでは結晶化が早いため固化が早く高速紡糸で糸切れする一方で、密度が低いLLDPEでも高速紡糸において糸切れすることが分かった。このためLLDPEの中でも密度が0.945〜0.965g/cm3と高いものを用いることで細繊度かつ糸切れの少ないシートを得ることに成功した。これはHDPEとは異なる分岐成分(オクテン、ヘプテン由来)に起因した伸長粘度特性のため曳糸性が向上し細化が緩やかとなり、かつ結晶性はHDPE同等であるため結晶化に起因する固化も速やかに起こるためと推測している。
繊維の側面の顕微鏡観察から繊維の直径を求め、1水準につき10回測定を行い、平均値を繊維直径とした。次に繊維を丸断面として扱い、繊維直径から以下の式を用いて単糸繊度を求めた。
単糸繊度(dtex)=π・ρ・d2/400
ρ:樹脂密度(g/cm3)、d:繊維直径(μm) 。
不織布から抜き出した単糸を用い、偏光顕微鏡(OLYMPUS社製BH−2)を用いコンペンセーター法により試料1水準につき3回の測定を行い、平均値として求めた。
示差走査熱量計(TA Instruments社製DSCQ1000)で窒素下、昇温速度16℃/分の条件で示差走査熱量測定を行い、吸熱ピークの温度を融点(Tm)とし、Tmでの融解熱量をΔHm(J/g)とした。
カレンダー加工を行う前のウェッブを採取し、ここから単糸を約50mm引き出し、JIS L1013:2010記載の方法に準じて、試料長20mm、引張速度20mm/分の条件で、(株)オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、平均値を強力(cN)とした。またA.で求めた繊維直径を丸断面と仮定して繊維断面積を求め、強力を繊維断面積で除して単糸強度(MPaとした。
スパンボンド不織布の幅(CD)方向の中心で10cm角の領域をルーペで目視観察し、糸切れに起因して繊維径が平均の繊維直径よりも3倍以上太くなっているもの、また繊維の切れ端が丸くなって平均の繊維直径よりも3倍以上太く見えるものを欠点として扱い、その個数を数えた。この観察を不織布の長手(MD)方向に5回繰り返し、合計の個数をシート欠点数とした。
シート触感の官能評価を行い、柔軟性に優れるものを5点、劣るものを1点として絶対評価で点数をつけた。これを10名で行い平均点を柔軟性(点)とした。
シートをゴム製のニップローラーを用いて20m/分で5分間走行させた。このときのロール付着物、シートの状態を観察し、以下の基準で点数付けを行い加工性(点)とした。
5点:ロールに繊維付着物がなく、シートの毛羽、破れも見られない。
4点:ロールに繊維付着物があるが、シートの毛羽、破れは見られない。
3点:ロールに繊維付着物があり、シートの毛羽もあるが、破れは見られない。
2点:ロールに繊維付着物があり、シートの毛羽もあり、破れがある。
1点:シートの破れによりロールにシートが巻きつく。
密度、MIが表1に記載された値を持つLLDPE樹脂(オクテン共重合比率0.3mol%)を用い、単軸エクストルーダーにて溶融押出しし、ギアーポンプで計量しつつ紡糸口金に樹脂を供給した。紡糸温度(口金温度)は230℃とし、孔径Dが0.30mm、ランド長Lが0.70mmの口金孔をCD方向に600個/m有する口金より、単孔吐出量0.6g/分の条件でポリマーを吐出した。なお、口金孔の直上に位置する導入孔はストレート孔とし、導入孔と口金孔の接続部分はテーパーとしたものを用いた。吐出したポリマーは50mmの保温領域を通過させた後、25℃、40m/分の空気流により糸条の外側から冷却し固化させた。その後、口金から550mmの位置に設置したエジェクターにて加速した空気流で牽引した。エジェクターを通過した糸条はネットコンベアー上に捕集させ、20m/分の速度で搬送した。その後、カレンダー加工を行い18g/m2のポリエチレンスパンボンド不織布を得た。
単糸繊度と単孔吐出量から計算した紡糸速度も表1に示す。紡糸速度は4.0km/分となったが、約10分のテスト中、目立った糸切れは見られず曳糸性は良好であった。
得られたシート特性も表1に示す。表1から分かるようにシート欠点が少なく、単糸繊度が2.0dtex以下と細いため柔軟性に優れ、加工性にも優れることが分かる。
エジェクターでの牽引速度を変更し紡糸速度を変化させた以外は実施例1と同様の条件でテストを行い、ポリエチレンスパンボンド不織布を得た。
単糸繊度と単孔吐出量から計算した紡糸速度を表1に示す。紡糸速度が5.0km/分の実施例2は10分のテスト中、目立った糸切れは見られず曳糸性は良好であった。
得られたシート特性を表1に示す。比較例1では単糸繊度が2.5dtexのため柔軟性に劣り、かつΔnが小さいため単糸強度が低く、加工性にも劣る。実施例2、3では単糸繊度が小さいため柔軟性に優れ、シート欠点が少なく、単糸強度も高く加工性に優れることが分かる。
PEを表1のように変更した以外は実施例1と同様の条件でテストを行った。いずれも糸切れが多発しシートが得られなかったため、表1の紡糸速度とすることでポリエチレンスパンボンド不織布を得た。
得られたシート特性も表1に示す。比較例2は単糸繊度が2.5dtexのため柔軟性に劣り、かつΔnが小さいため単糸強度が低く、シート欠点も多いため加工性に劣る。比較例3も同様にシート欠点が多いため加工性に劣ることが分かる。
Claims (1)
- 密度が0.945〜0.965g/cm3の線状低密度ポリエチレンからなり、単糸繊度が0.5dtex以上、2.0dtex以下であり、単糸のΔnが0.035以上、0.038以下であることを特徴とするポリエチレンスパンボンド不織布。
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