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JP6749669B1 - 金型用中空ガラス含有離型剤、これを用いた塗布方法、及び成形方法 - Google Patents

金型用中空ガラス含有離型剤、これを用いた塗布方法、及び成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は鋳造、及び鍛造に共通して用いることができ、十分な断熱性、及び潤滑性を有するとともに、取り扱い性に優れた離型剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、中空ガラス、バインダー、及び溶媒を含む離型剤に関する。本発明は、さらに、中空ガラスの配合量が3〜50質量部である離型剤であることが好ましい。本発明は、さらに、中空ガラスの中空率が25〜95体積部である離型剤であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の鋳造及び鍛造加工において、金型に使用される中空ガラス含有離型剤、その離型剤の塗布方法、及びその離型剤を塗布して成形品を成形する方法に関する。
周知のごとく、金属の加工において金型を使う工程には、鋳造、鍛造、プレス加工、押し出し加工等の方法がある。工程から見ると、鋳造は高圧鋳造、重力鋳造、低圧鋳造、スクイズ鋳造等に大別され、鍛造は冷間鍛造、熱間鍛造に大別される。また、加工の対象となる材料面から見ると、鉄、及び非鉄金属に大別される。金型面に塗布する離型剤から見ると、水溶性離型剤及び油性離型剤に大別され、水溶性離型剤は透明な溶液型と牛乳状の不透明な乳化型に分類される。離型剤中の成分から見ると、粉体が含有したタイプと粉体を含有しないタイプに分類できる。塗布する方法から見ると、刷毛塗り、液滴落下、及びスプレーに大別される。スプレーは、二流体方式及び一流体方式と、非静電型及び静電型の組み合わせに分類できる。
鋳造は、高温にして溶解させた金属(以下、溶湯という)を金型に流し込み、冷やし固めた後に製品を取り出す加工法である。鋳造は、溶湯を金型に流し込むだけで同じ形状のものができるので、成形にかかる時間が短く、複雑な形状でも、比較的容易に加工できることがメリットとしてあげられる。また、コスト面においても、鍛造よりも安くなる傾向がある。ただし、鋳造では内部に気泡(以下、鋳巣という)が生じることがあり、強度が低下する原因となる。
一方、鍛造は、金属を叩いて成形する加工方法であり、金型を使用する場合は、金属を圧縮することで成形を行っている。鍛造では、叩く過程で金属の結晶が整うため、強度に優れた成形品が得やすい。しかし、コスト面では鋳造よりも高くなる傾向がある。
すなわち、鋳造、及び鍛造にはそれぞれ長所、短所があるため、製造する製品に求められる強度や生産効率などの観点から加工方法を選択する必要がある。
いずれの加工法においても、金属が金型に固着する(以下、焼き付きという)ことを防止するために、金型には離型剤が塗布される。しかしながら、金属の加工法に係る技術は種類によって大きく異なるため、異なる加工法においては異なる種類の離型剤を使用するのが一般的であった。
この問題を解決するために、油からなる油性潤滑剤、可溶化剤、無機粉体、及び水を含有し、高圧鋳造、重力鋳造、低圧鋳造、及び鍛造の金型に使用できる油性潤滑剤が提案されている(特許文献1参照)。この方法によれば、複数の加工法において共通に使用できる離型剤を得ることができる。
しかしながら、この離型剤では、主に断熱性を発揮しているのは無機粉体であり、無機粉体のみでは十分な断熱性を有するとは言えなかった。離型剤の断熱性が十分でないと、鋳造においては溶湯が金型内部の隅々まで行きわたる前に凝固する、湯廻り不良が起こり、鍛造においては素材(以下、ワークという)の温度が低下して硬度が増し、どちらの加工法においても製品の成形性が低下する原因となる。
特開2010−077321号公報
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、鋳造、及び鍛造に共通して用いることができ、取り扱い性に優れるとともに、優れた断熱性、及び潤滑性を有する離型剤を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記目的は[1]〜[8]を提供することにより達成される。
[1]中空ガラス、バインダー、及び溶媒を含む、離型剤;
[2]中空ガラスの配合量が3〜50質量%である、前記[1]の離型剤;
[3]中空ガラスの中空率が25〜95体積%である、前記[1]又は[2]の離型剤;
[4]中空ガラスの平均粒子径が10〜100μmである、前記[1]〜[3]のいずれかの離型剤;
[5]溶媒が、水、及び有機溶媒からなる群より選ばれる1種以上の溶媒である、前記[1]〜[4]のいずれかの離型剤;
[6]さらに、無機粉体を含む、前記[1]〜[5]のいずれかの離型剤;
[7]前記[1]〜[6]のいずれかの離型剤を金型へ塗布する方法;
[8]前記[1]〜[6]のいずれかの離型剤を金型へ塗布し、成形品を成形する方法。
本発明の離型剤によれば、鋳造、及び鍛造において、金型に用いることができ、優れた断熱性、及び潤滑性を有する塗布膜を形成し、成形品の成形性を向上させることができる。
本発明の離型剤によれば、微量の塗布で十分な断熱性を有することができるため、鋳造の際に本発明の離型剤を用いることで、成形品における鋳巣の発生を低下させ、成形品の品質を向上させることができる。また、微量の塗布で十分な断熱性を有するため、金型から流れ落ちて廃水に混入することもなく、廃水処理が容易となるため環境的にも優れている。さらに、従来の離型剤よりも微量の塗布で十分な断熱性を有するため、製造コストの低減、及び生産性の向上を実現することができる。
鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験に用いる装置の全体図、及び断面図である。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鋳造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鍛造用離型剤を用いた保温性試験における、経過時間と温度データの関係を示すグラフである。 鍛造用離型剤を用いた保温性試験に用いる装置の模式図である。 鍛造用離型剤を用いた成形性試験における、アルミテストピースの表面の写真データである。 鍛造用離型剤を用いた成形性試験に用いる装置の模式図である。
<離型剤>
本発明の離型剤によれば、断熱性、及び潤滑性に優れた塗布膜を形成し、金属の成形性を向上させることができる。また、本発明の離型剤は、微量の塗布で金属の成形が可能となり、環境負荷の軽減、製造コストの低減、及び生産性の向上を実現することができる。以下に、本発明の離型剤について、詳細に説明する。
本発明の離型剤は、中空ガラス、バインダー、及び溶媒を含む組成物である。離型剤が上記組成であることにより、断熱性、及び潤滑性に優れた塗布膜を形成し、金属の成形性を向上させることができる。
a)中空ガラス
本発明の中空ガラスは、略球形であり、内部に空洞を有するものである。中空ガラスが内部に空洞を有しているため、本発明の離型剤は優れた断熱性を発揮することできる。中空ガラスの断熱性は非常に優れているため、本発明の離型剤は微量の塗布で、十分な断熱性を有する塗布膜を形成することができる。また、中空ガラスは表面が平滑であるため、離型剤中で凝集しにくく、塗布膜全体に均一に分散しやすい。そのため、本発明の離型剤によれば、金型全体に、断熱性の高い塗布膜を均一に形成することができる。
さらに、本発明の中空ガラスは、略球形であり、かつ十分な強度を有しているため、本発明の離型剤は優れた潤滑性を発揮することができると考えられる。これは、中空ガラスが略球形であることでワークが滑り、かつ、中空ガラスに十分な強度があることでワークが滑る際に離型剤中の中空ガラス以外の無機粉体がワークと金型との潤滑境界面に保持、供給されるためであると推測される。
中空ガラスに用いられるガラスの種類は、特に限定されず、ソーダ石灰ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、アルミノケイ酸ガラス、セラミック、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ石灰ガラス、カリ鉛ガラスなどがあげられるが、入手のしやすさから、ソーダ石灰ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラスなどが好ましい。
中空ガラスの含有量は、離型剤の全量に対して、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。また、中空ガラスの含有量は、離型剤の全量に対して、3質量%以上であることが好ましく、8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることがさらに好ましい。中空ガラスの含有量が上記範囲内であることで、断熱性に優れるとともに、取り扱い性に優れ、金型に容易に塗布できる離型剤が得られやすくなる。
また、水溶性離型剤の場合は、中空ガラスの含有量は、離型剤の不揮発分に対し、85質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。また、水溶性離型剤の場合は、中空ガラスの含有量は、離型剤の不揮発分に対し、25質量%以上であることが好ましく、28質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。油性離型剤の場合は、中空ガラスの含有量は、離型剤の不揮発分に対し、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。また、油性離型剤の場合は、中空ガラスの含有量は、離型剤の不揮発分に対し、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。中空ガラスの含有量が上記範囲内であることで、断熱性に優れるとともに、取り扱い性に優れ、容易に金型に塗布できる離型剤が得られやすくなる。
本発明の中空ガラスの中空率は、95体積%以下であることが好ましく、85体積%以下であることがより好ましく、80体積%以下であることがさらに好ましい。また、中空ガラスの中空率は、25体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることがより好ましく、60体積%以上であることがさらに好ましい。中空ガラスの中空率が上記範囲内であることで、断熱性に優れた離型剤が得られやすくなる。
また、中空ガラスの平均粒子径は、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。さらに、中空ガラスの平均粒子径は、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。中空ガラスの平均粒子径が上記範囲内であることで、断熱性に優れるとともに、微細な構造の金属の成形が可能な、薄い被膜を形成できる離型剤が得られやすくなる。
中空ガラスの平均粒子径は、例えば、レーザ回折・散乱法や画像解析法などの方法により測定することができる。
b)バインダー
本発明のバインダーは、離型剤の中に含まれる中空ガラス、及びその他粒子をつなぎ合わせ、塗布膜の強度を上げるためのものである。バインダーの種類としては、水溶性離型剤に使用されるバインダーの場合は、例えば、ケイ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、多価金属アルコキシドなどがあげられるが、比較的安価であることから、ケイ酸ナトリウムなどが好ましい。油性離型剤に使用されるバインダーの場合は、例えば、セルロース及びロジン等の天然樹脂、ポリブテン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アセタール樹脂、ブチラール樹脂、亜麻仁油などの植物油などがあげられるが、油性溶媒への溶解性が良好であることから、炭化水素ポリマー(主に炭素と水素から成る有機化合物であり、酸素を含有してもよい)などが好ましい。
水溶性離型剤の場合は、バインダーの不揮発分の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、水溶性離型剤の場合は、バインダーの不揮発分の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、油性離型剤の場合は、バインダーの不揮発分の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、油性離型剤の場合は、バインダーの不揮発分の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。バインダーの含有量が上記範囲内であることで、より強度に優れた塗布膜を形成できる離型剤が得られやすくなる。
c)溶媒
本発明の溶媒は、水、及び有機溶媒からなる群より選ばれる1種以上のものであることが好ましい。なお、有機溶媒には、アルコール、石油系炭化水素溶媒などが含まれる。水溶性離型剤の場合は、主な溶媒として、水、及び/又はアルコールなどの、極性の高いものを使用し、油性離型剤の場合は、主な溶媒として、石油系炭化水素溶媒などの、極性の低いものを使用することが好ましい。本発明の離型剤は、水溶性離型剤、油性離型剤、どちらのタイプの離型剤としても優れた断熱効果を発揮できる。そのため、使用したい塗布装置や廃水設備等の事情を鑑みて、最適な溶媒の選択が可能となる。
アルコールとしては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、ブタノール、イソブタノール、ノルマルプロピルアルコール、ターシャリーブタノール、セカンダリーブチルアルコール、1、3−ブタンジール、1、4−ブタンジオール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコールなどがあげられるが、入手のしやすさなどから、イソプロピルアルコール、及びエタノールなどが好ましい。
石油系炭化水素溶媒としては、例えば、パラフィン系炭化水素溶媒、オレフィン系炭化水素溶媒、ナフテン系炭化水素溶媒、芳香族系炭化水素溶媒、鉱物系炭化水素溶媒などがあげられる。
パラフィン系炭化水素溶媒は、環状ではない鎖状の飽和炭化水素化合物を含む溶媒であり、他の炭化水素溶媒と比較して、作業者の健康障害が引き起こされにくく、また、温度による粘度変化が少ない。そのため、パラフィン系炭化水素溶媒を離型剤の溶媒として用いた場合、離型剤を安定して塗布することができる。また、パラフィン系炭化水素溶媒は、他の炭化水素溶媒と比較して、反応性が低く、化学的安定性が高い。そのため、パラフィン系炭化水素溶媒を離型剤の溶媒として用いた場合、離型剤中の他の成分が変質しにくくなる。パラフィン系炭化水素溶媒の種類としては、例えば、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、またはペンタデカン等のアルカン溶媒があげられる。
オレフィン系炭化水素溶媒は、二重結合を有する炭化水素化合物を含む溶媒である。オレフィン系炭化水素溶媒の種類としては、例えば、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、または1−デセンなどがあげられる。
ナフテン系炭化水素溶媒は、分子中に少なくとも1つの飽和脂肪族環を有する化合物を含む溶媒であり、後述する芳香族系炭化水素溶媒よりも乾燥性が高いという性質を有する。ナフテン系炭化水素溶媒の種類としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、またはシクロオクタンなどがあげられる。
芳香族系炭化水素溶媒は、分子中に少なくとも1つの芳香族環を有する化合物を含む溶媒である。芳香族系炭化水素溶媒の種類としては、例えば、トルエン、またはキシレンなどがあげられる。
これらの石油系炭化水素溶媒の中では、作業者の健康上の問題、化学的な安定性などの観点から、パラフィン系炭化水素溶媒などを用いることが好ましい。
なお、炭化水素溶媒としては、上記のような溶媒を単独で用いてもよいし、複数用いてもよい。また、炭化水素溶媒には、本発明の趣旨に反しない範囲で、添加物や不純物等が含まれていてもよい。
水溶性離型剤の場合は、溶媒の含有量は、離型剤の全量に対して、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、水溶性離型剤の場合は、溶媒の含有量は、離型剤の全量に対して、35質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。また、油性離型剤の場合は、溶媒の含有量は、離型剤の全量に対して、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。さらに、油性離型剤の場合は、溶媒の含有量は、離型剤の全量に対して、40質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることがさらに好ましい。溶媒の含有量が上記範囲内であることで、取り扱い性に優れ、金型に容易に塗布できる離型剤が得られやすくなる。
d)無機粉体、その他
本発明の離型剤は、さらに、中空ガラス以外の無機粉体を含んでいることが好ましい。中空ガラス以外の無機粉体は高温で劣化しにくく、厚い塗布膜を維持し、断熱性を発揮することが確認されているため、鋳造においては焼き付き防止及び湯廻り向上に、鍛造においては焼き付き防止及びワーク変形圧力の低減に効果があり、成形性を向上させることができる。
中空ガラス以外の無機粉体の例としては、例えば、タルク、酸化チタン、マイカ、雲母、粘土、シリカ、耐火モルタル、ボロンナイト、フッ素樹脂、セリサイト、ホウ酸塩、アルミナ粉、ピロリン酸塩、重曹、酸化チタン、ベンガラ、ラジオライト、酸化ジルコニウム、黒鉛、カーボンブラック、アジピン酸ナトリウムなどがあげられるが、価格が安価であることなどから、タルク、酸化チタン、黒鉛などが好ましい。
水溶性離型剤の場合は、中空ガラス以外の無機粉体の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。さらに、水溶性離型剤の場合は、中空ガラス以外の無機粉体の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、0質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、油性離型剤の場合は、中空ガラス以外の無機粉体の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。さらに、油性離型剤の場合は、中空ガラス以外の無機粉体の含有量は、離型剤の不揮発分に対し、0質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。中空ガラス以外の無機粉体の含有量が上記範囲内であることで、高温で劣化しにくい、優れた断熱性を有する塗布膜を形成できる離型剤が得られやすくなる。
なお、本発明の離型剤には、本発明の趣旨に反しない範囲で、酸化防止剤、金属不活性剤、防錆剤、増粘剤、または消泡剤などの添加物等が含まれていてもよい。
<離型剤の金型への塗布方法>
本発明の離型剤を金型に塗布する方法としては、金型に離型剤が塗布される方法であれば特に限定されず、例えば、刷毛塗り、ローラー塗り、液滴落下、スプレー塗布などがあげられる。刷毛塗りまたはローラー塗りは、離型剤を金型に厚く塗る観点からは好適であるが、離型剤によって形成される塗布膜の厚さにむらが生じやすい傾向にある。また、小型の金型や、微細な構造をもつ金型に対しては、刷毛塗りやローラー塗りでは塗布が困難である傾向がある。したがって、金型に離型剤を塗布する際は、スプレー塗布することが好ましい。スプレー塗布には、ハンドスプレーによるものと装置による自動スプレーなどがあげられるが、生産性の観点から、装置による自動スプレーが好ましい。装置による自動スプレー塗布には、二流体方式及び一流体方式と、非静電型及び静電型を組み合わせたものがあげられる。静電塗布に用いられる離型剤は、塗布するのに適した電気伝導性を有していなければならないが、本発明の離型剤によれば、溶媒の組成を任意に選択することで、離型剤の電気伝導性を調整することが可能であるため、いずれの塗布方法でも問題なく選択することができる。
<離型剤を金型に塗布した成形方法>
本発明の離型剤を金型に塗布し、成形品を成形する方法としては、金型を使用する成形方法であれば特に限定されず、鋳造、鍛造、プレス加工、押し出し加工などの方法などがあげられる。鋳造であれば、例えば、高圧鋳造、重力鋳造、低圧鋳造、スクイズ鋳造などの方法があげられ、鍛造であれば、例えば、冷間鍛造、温間鍛造、熱間鍛造などの方法があげられる。本発明の離型剤によれば、いずれの成形方法においても、優れた断熱性を有する塗布膜を形成することができる。
以下に、実施例および比較例を用いて、本発明の離型剤について詳細に説明する。なお、この発明は、以下の実施例そのままに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更には、異なる実施形態となるよう構成要素を適宜組み合わせてもよい。
(実施例1)
<水溶性離型剤の作製>
水64.5質量部、中空ガラス(ソータ石灰ホウケイ酸ガラス製、真密度0.60g/cm、粒子径30μm)30質量部、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO・xHO)5質量部、キサンタンガム(マンノース、グルコース、グルクロン酸で構成される多糖類)0.5質量部を混合することで、水溶性離型剤−1を得た。
水溶性離型剤−1を、乾燥後の塗布膜の厚さが50μmとなるように金型に塗布し、下記保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図1に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表1に示す。
<鋳造用離型剤の塗布膜の保温性試験>
鋳造に用いる離型剤の塗布膜の保温性試験は、以下のように行った。図2(a)は、鋳造に用いる離型剤の塗布膜の保温性試験の全体図であり、図2(b)は、全体図を、図2(a)に示すX−Xの線分で切断した際の断面図である。金型1(材質:SKD61、縦200mm、横200mm、高さ30mm)の内部には、金型1の表面から1mm下にあたる位置に熱電対2の先端がくるように、熱電対2を設置した。熱電対2の先端は、後述するリング4の中央部に位置するようにした。まず、金型1を200〜250℃に昇温した。次に、金型1の表面にスプレー塗布にて、離型剤を塗布した。このとき、電磁膜厚計(株式会社ケツト科学研究所社製、LE−300J)を用いて塗布膜の厚さを測定しながら離型剤の塗布膜3を形成した。離型剤の塗布膜3を形成した金型1の上に、リング4(内径78mm)を設置し、金型1の表面温度が200℃であることを確認した後、670℃のアルミ溶湯5(JIS規格:ADC12)250gをリング4内に投入した。熱電対2により感知された温度を、50ミリ秒毎に記録した。
(比較例1)
水74.5質量部、タルク(平均粒子径4.5μm)20質量部、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO・xHO)5質量部、キサンタンガム(マンノース、グルコース、グルクロン酸で構成される多糖類)0.5質量部を混合することで、水溶性離型剤−2を得た。得られた水溶性離型剤―2について、実施例1と同様の方法で、塗布膜を作製し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図1に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表1に示す。
(実施例2)
乾燥後の塗布膜の厚さが100μmとなるように離型剤を金型に塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法で、塗布膜を作製し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図3に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表1に示す。
(比較例2)
水溶性離型剤−1の代わりに水溶性離型剤−2を用いたこと以外は、実施例2と同様の方法で、塗布膜を作製し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図3に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表1に示す。
(実施例3)
中空ガラスとして、ホウケイ酸ガラス製、真密度1.10g/cm、粒子径12μmのものを用いたこと以外は、水溶性離型剤−1と同様の方法で水溶性離型剤−3を得た。得られた水溶性離型剤―3について、実施例2と同様の方法で、塗布膜を作製し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図4に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表1に示す。
図1、図3、及び表1から、水溶性離型剤−1は、水溶性離型剤−2と比較して、保温性試験において記録された最高温度は低く、最高温度に達した時間は遅いことが分かる。これは、水溶性離型剤−1は、水溶性離型剤−2と比較して、保温性に優れているため、アルミ溶湯5から金型1への熱の移動が少なかったことを意味している。
また、図1、図3、及び表1から、水溶性離型剤−1は、乾燥後の塗布膜の厚さを50μmから100μmに厚くすることで、保温性試験において記録された最高温度をより低くできることが分かる。それに対し、水溶性離型剤−2は、乾燥後の塗布膜の厚さを50μmから100μmに厚くしても、保温性試験において記録された最高温度にほとんど変化がないことが分かる。つまり、水溶性離型剤−1は、乾燥後の塗布膜の厚さを厚くすることで、より高い保温性を発揮することができる。
図4、及び表1から、水溶性離型剤−3は、水溶性離型剤−1と同じように、水溶性離型剤−2と比較して、保温性試験において記録された最高温度は低く、最高温度に達した時間は遅いことが分かる。これは、水溶性離型剤−3は、水溶性離型剤−1と同じように、水溶性離型剤−2と比較して、保温性に優れているため、アルミ溶湯5から金型1への熱の移動が少なかったことを意味している。
(実施例4)
<油性離型剤の作製>
イソパラフィン(引火点95℃)62質量部、中空ガラス(ソータ石灰ホウケイ酸ガラス製、真密度0.60g/cm、粒子径30μm)30質量部、乾性植物油(亜麻仁油、ヨウ素価110以上)0.5質量部、炭化水素ポリマー(平均分子量2650)2質量部、酸化ポリエチレンワックス(平均粒子径6μm、融点115℃)0.5質量部、有機クレイ(有機変性ベントナイト、オレガノフィロケイ酸塩)5質量部を混合することで、油性離型剤−1を得た。
得られた油性離型剤−1について、実施例1と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図5に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表2に示す。
(比較例3)
イソパラフィン(引火点95℃)74質量部、乾性植物油(亜麻仁油、ヨウ素価110以上)0.5質量部、炭化水素ポリマー(平均分子量2650)2質量部、酸化ポリエチレンワックス(平均粒子径6μm、融点115℃)0.5質量部、有機クレイ(有機変性ベントナイト、オレガノフィロケイ酸塩)3質量部、タルク(平均粒子径4.5μm)10質量部、炭酸カルシウム(表面改質炭酸カルシウム、比表面積2500cm/g)10質量部を混合することで、油性離型剤−2を得た。得られた油性離型剤−2について、実施例4と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図5に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表2に示す。
(実施例5)
乾燥後の塗布膜の厚さが100μmとなるように離型剤を金型に塗布したこと以外は、実施例4と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図6に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表2に示す。
(比較例4)
油性離型剤−1の代わりに油性離型剤−2を用いたこと以外は、実施例5と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図6に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表2に示す。
(実施例6)
中空ガラスとして、ホウケイ酸ガラス製、真密度1.10g/cm、粒子径12μmのものを用いたこと以外は、実施例3と同様の方法で油性離型剤−3を得た。得られた油性離型剤−3について、実施例5と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図7に、保温性試験において記録された最高温度、及び最高温度に達した時間を表2に示す。
図5、図6、及び表2から、油性離型剤−1は、油性離型剤−2と比較して、保温性試験において記録された最高温度は低く、最高温度に達した時間は遅いことが分かる。これは、油性離型剤−1は、油性離型剤−2と比較して、保温性に優れているため、アルミ溶湯5から金型1への熱の移動が少なかったことを意味している。
また、図5、図6、及び表2から、油性離型剤−1は、乾燥後の塗布膜の厚さを50μmから100μmに厚くすることで、保温性試験において記録された最高温度をより低くできていることが分かる。それに対し、油性離型剤−2は、乾燥後の塗布膜の厚さを50μmから100μmに厚くしても、保温性試験において記録された最高温度にほとんど変化がないことが分かる。つまり、油性離型剤−1は、乾燥後の塗布膜の厚さを厚くすることで、より高い保温性を発揮することができる。
図7、及び表2から、油性離型剤−3は、油性離型剤−1と同じように、油性離型剤−2と比較して、保温性試験において記録された最高温度は低く、最高温度に達した時間は遅いことが分かる。これは、油性離型剤−3は、油性離型剤−1と同じように、油性離型剤−2と比較して、保温性に優れているため、アルミ溶湯5から金型1への熱の移動が少なかったことを意味している。
(実施例7)
<油性離型剤の作製>
イソパラフィン(引火点95℃)59.5質量部、中空ガラス(ソータ石灰ホウケイ酸ガラス製、真密度0.60g/cm、粒子径30μm)10質量部、黒鉛(鱗状黒鉛、平均粒子径4.0μm)10質量部、アジピン酸ナトリウム5質量部、脂肪酸アマイド(高級脂肪酸アマイド)5質量部、カチオン基含有ポリマー(カチオン基含有アクリルポリマー、アミン価10)0.5質量部、乾性植物油(亜麻仁油、ヨウ素価110以上)5質量部、炭化水素ポリマー(平均分子量2650)5質量部を混合することで、油性離型剤−4を得た。
油性離型剤−4を金型に塗布し、下記保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図8に、測定開始120秒後の温度、及び測定開始120秒後までに低下した温度を表3に示す。
<鍛造用離型剤の塗布膜の保温性試験>
鍛造に用いる離型剤の塗布膜の保温性試験は、以下のように行った。図9は、鋳造に用いる離型剤の塗布膜の保温性試験の模式図である。まず、カートリッジヒーター11が埋め込まれたダイベース12に設置された金型13(材質:SKD−61、直径200mm、高さ50mm)を、250℃に昇温した。次に、金型13の表面にスプレー塗布にて、離型剤10mlを塗布し、離型剤の塗布膜14を形成した。アルミテストピース15(A2011、直径43mm、高さ40mm)の中央部に穴を開け、上部表面から20mm内部に熱電対16の先端がくるように熱電対16を設置した。アルミテストピース15を恒温槽に入れ、アルミテストピース15の温度が480℃以上になったときに恒温槽からアルミテストピース15を取り出した。アルミテストピース15の温度が470℃になったときにアルミテストピース15を離型剤の塗布膜14中央部に設置し、熱電対16により感知された温度を、50ミリ秒毎に記録した。
(比較例5)
イソパラフィン(引火点95℃)62質量部、黒鉛(鱗状黒鉛、平均粒子径4.0μm)20質量部、アジピン酸ナトリウム5質量部、脂肪酸アマイド(高級脂肪酸アマイド)2.5質量部、カチオン基含有ポリマー(カチオン基含有アクリルポリマー、アミン価10)0.5質量部、乾性植物油(亜麻仁油、ヨウ素価110以上)5質量部、炭化水素ポリマー(平均分子量2650)5質量部を混合することで、油性離型剤−5を得た。得られた油性離型剤−5について、実施例7と同様の方法で、塗布膜を作成し、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図8に、測定開始120秒後の温度、及び測定開始120秒後までに低下した温度を表3に示す。
(比較例6)
金型に離型剤を塗布しなかったこと以外は、実施例7と同様の方法で、保温性試験を行った。保温性試験において記録された温度データのグラフを図8に、測定開始120秒後の温度、及び測定開始120秒後までに低下した温度を表3に示す。
図8、及び表3から、油性離型剤―4は、油性離型剤―5と比較して、また、離型剤を塗布しないものと比較して、測定開始120秒後の温度は高く、測定開始120秒後までに低下した温度は低いことが分かる。これは、油性離型剤―4は、油性離型剤―5と比較して、また、離型剤を塗布しないものと比較して、保温性に優れているため、アルミテストピース15から金型13への熱の移動が少なかったことを意味している。
(実施例8)
油性離型剤−4を金型に塗布し、下記成形性試験を行った。成形性試験において記録された荷重データを表4に、成形性試験後のアルミテストピースの表面の写真データを図10(a)に示す。
<鍛造用離型剤の成形性試験>
鍛造に用いる離型剤の成形性試験は、以下のように行った。図11は、鍛造用離型剤の成形性試験の模式図である。成形性試験は、プレス部の内側上下にカートリッジヒーター21が埋め込まれたダイベース22を備えた100t油圧プレス機(株式会社岩城工業製)を用いて行った。上下のダイベース22に、それぞれ金型23(材質:SKD−61、直径200mm、高さ50mm)を設置し、カートリッジヒーター21によって成形性試験中の金型23の温度を350℃に維持した。上下それぞれの金型上に離型剤を2mlずつスプレー塗布し、離型剤塗布膜24を形成した。恒温槽で450℃に加熱したアルミテストピース25(材質:A−6061、直径30mm、高さ40mm)を、プレス面下部に設置し、プレス面下部を上昇させることでアルミテストピース25圧縮した。所定の位置までプレス面下部を上昇させたときの、圧縮荷重を、ロードセル26(アイコーエンジニアリング株式会社製、CS−100T)によって計測し、記録した。また、圧縮後のアルミテストピース25の表面の焼き付きの有無を目視により確認した。
(実施例9)
イソパラフィン(引火点95℃)49.5質量部、中空ガラス(ソータ石灰ホウケイ酸ガラス製、真密度0.60g/cm、粒子径30μm)10質量部、黒鉛(鱗状黒鉛、平均粒子径4.0μm)20質量部、アジピン酸ナトリウム5質量部、脂肪酸アマイド(高級脂肪酸アマイド)5質量部、カチオン基含有ポリマー(カチオン基含有アクリルポリマー、アミン価10)0.5質量部、乾性植物油(亜麻仁油、ヨウ素価110以上)5質量部、炭化水素ポリマー(平均分子量2650)5質量部を混合することで、油性離型剤−6を得た。得られた油性離型剤−6について、実施例8と同様の方法で、塗布膜を形成し、成形性試験を行った。成形性試験において記録された荷重データを表4に、成形性試験後のアルミテストピースの表面の写真データを図10(b)に示す。
(比較例7)
油性離型剤−4の代わりに油性離型剤−5を用いたこと以外は、実施例8と同様の方法で、塗布膜を形成し、成形性試験を行った。成形性試験において記録された荷重データを表4に、成形性試験後のアルミテストピースの表面の写真データを図10(c)に示す。
表4から、油性離型剤―4、及び油性離型剤―6は、油性離型剤―5と比較して、所定の位置までプレス面下部を上昇させたときの、圧縮荷重が小さいことが分かる。これは、油性離型剤―4、及び油性離型剤―6は、油性離型剤―5と比較して、潤滑性に優れるため、小さい荷重で成形品の成形が可能であることを意味している。
また、図10から、油性離型剤―4、及び油性離型剤―6を用いてアルミテストピース25の成形を行った場合には、成形されたアルミテストピース25の表面に焼き付きが生じなかったのに対し、油性離型剤―5を用いてアルミテストピース25の成形を行った場合、成形されたアルミテストピース25の表面に焼き付きが生じたことが分かる。これは、油性離型剤―4、及び油性離型剤―6は、油性離型剤―5と比較して、潤滑性に優れるため、表面の焼き付きなく成形品の成形が可能であることを意味している。
1 金型
2 熱電対
3 塗布膜
4 リング
5 アルミ溶湯
11 カートリッジヒーター
12 ダイベース
13 金型
14 塗布膜
15 アルミテストピース
16 熱電対
21 カートリッジヒーター
22 ダイベース
23 金型
24 離型剤塗布膜
25 アルミテストピース
26 ロードセル

Claims (9)

  1. 中空ガラス、バインダー、及び溶媒を含む、
    鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  2. 中空ガラスの配合量が3〜50質量%である、
    請求項1に記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  3. 中空ガラスの中空率が25〜95体積%である、
    請求項1又は2に記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  4. 中空ガラスの平均粒子径が10〜100μmである、
    請求項1〜3のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  5. 溶媒が、水、及び有機溶媒からなる群より選ばれる1種以上の溶媒である、
    請求項1〜4のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  6. さらに、無機粉体を含む、
    請求項1〜5のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  7. 溶媒の含有量が、20〜90質量%である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤を金型へ塗布する方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の鋳造用、及び鍛造用離型剤を金型へ塗布し、成形品を成形する方法。
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