JP6748930B2 - 免震機構 - Google Patents
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Description
可動子が傾斜面に沿って移動することにより、地震が生じた際の加速度の低減、振動の減衰、および変位の回復を図ることができる。
これに対し、上部案内部材および下部案内部材を可動子と相対変位する方向に長くすることが考えられるが、免震機構が大型化し設置スペースが増大してしまうという問題がある。
また、上部案内部材および下部案内部材を可動子と相対変位する方向に長くする必要がないため、免震機構を小型化することができる。
このような構成とすることにより、第1上部重ね範囲、第2上部重ね範囲、第3上部重ね範囲および第4上部重ね範囲の寸法を調整することにより、可動子と上部案内部材との相対変位および可動子と下部案内部材との相対変位を所望の位置で減速させることができるため、可動子と上部案内部材との相対変位および可動子と下部案内部材との相対変位の減速を早い段階で行うことができる。
また、可動子と下部案内部材との相対変位についても可動子と上部案内部材との相対変位と同様に、可動子が第1下部傾斜面の上側から第3下部傾斜面の上側に移動して第3下部当接部材が第3下部傾斜面と接触した際に、この接触の衝撃を第3下部当接部材が転動することで吸収することができるため、可動子と下部案内部材との相対変位をスムーズに行うことができる。可動子が第2下部傾斜面の上側から第4下部傾斜面の上側に移動して第4下部当接部材が第4下部傾斜面と接触した際に、この接触の衝撃を第4下部当接部材が転動することで吸収することができるため、可動子と下部案内部材とがスムーズに相対変位することができる。
また、転動部材は摺動部材と比べて転動面(摺動面)との摩擦係数が少ないため、可動子が初期状態に復元しやすくなる。
以下、本発明の実施形態による免震機構について、図1乃至図18に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、第1実施形態による免震機構1Aは、上部構造体11と下部構造体12との間の免震層13に設けられている。下部構造体12は地盤に支持されている。上部構造体11と下部構造体12とは水平方向に相対変位可能に構成されている。なお、免震層13には複数の免震機構1Aが設けられているものとする。
免震機構1Aは、上部構造体11の底部に固定される上部案内部材2と、上部案内部材2の下側に配置され下部構造体12の上部に固定される下部案内部材3と、上部案内部材2および下部案内部材3との間に介装される可動子4と、を有している。
上部案内部材2と下部案内部材3とは、水平方向に相対変位可能に構成されていて、鉛直方向の相対変位は水平方向の相対変位により決定される。
図2および図3に示すように、上部案内部材2の下面は、X方向に沿ってX方向の略中央部が上側に凸となるように形成されている。この上部案内部材2の下面を上部当接面21とし、上部当接面21のX方向の略中央部を上側中央部21aとする。
上部当接面21は、上側中央部21aからX方向の一方側に延びる第1上部傾斜面211と、上側中央部21aからX方向の他方側に延びる第2上部傾斜面212と、第1上部傾斜面211のX方向の一方側の端部からX方向の一方側に延びる第3上部傾斜面213と、第2上部傾斜面212のX方向の他方側の端部からX方向の他方側に延びる第4上部傾斜面214と、を有している。
第2上部傾斜面212は、上側中央部21aからX方向の他方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成されている。第2上部傾斜面212の水平面に対する傾斜角度は、第1上部傾斜面211の水平面に対する傾斜角度と同じθ1となっている。第1上部傾斜面211と第2上部傾斜面212とは、上側中央部21aにおいて連続している。
第4上部傾斜面214は、X方向の他方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成されている。第4上部傾斜面214の水平面に対する傾斜角度は、第2上部傾斜面212の水平面に対する傾斜角度θ1よりも大きく、かつ第3上部傾斜面213の水平面に対する傾斜角度と同じθ2となっている。傾斜角度のθ1とθ2とは、θ2>θ1となっている。
これらの第1から第4上部傾斜面214には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材が設けられている。
緩衝材24,24には、例えば、弾性体、粘性体、粘弾性体などが用いられていて、具体的には、防振ゴム、シリコン系粘性体、高減衰ゴムなどが用いられている。
図1および図3に示すように、下部案内部材3の上面は、Y方向に沿ってY方向の略中央部が下側に凸となるように形成されている。この下部案内部材3の上面を下部当接面31とし、下部当接面31のY方向の略中央部を下側中央部31aとする。
下部当接面31は、下側中央部31aからY方向の一方側に延びる第1下部傾斜面311と、下側中央部31aからY方向の他方側に延びる第2下部傾斜面312と、第1下部傾斜面311のY方向の一方側の端部からY方向の一方側に延びる第3下部傾斜面313と、第2下部傾斜面312のY方向の他方側の端部からY方向の他方側にのびる第4下部傾斜面314と、を有している。
第2下部傾斜面312は、下側中央部31aからY方向の他方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成されている。第2下部傾斜面312の水平面に対する傾斜角度は、第1下部傾斜面311の水平面に対する傾斜角度と同じθ1となっている。第1下部傾斜面311第2下部傾斜面312とは、下側中央部31aにおいて連続している。
第4下部傾斜面314は、Y方向の他方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成されている。第4下部傾斜面314の水平面に対する傾斜角度は、第2下部傾斜面312の水平面に対する傾斜角度θ1よりも大きく、かつ第3下部傾斜面313の水平面に対する傾斜角度と同じθ2となっている。傾斜角度のθ1とθ2とは、θ2>θ1となっている。
これらの第1から第4下部傾斜面314には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材が設けられている。
緩衝材34,34には、例えば、弾性体、粘性体、粘弾性体などが用いられていて、具体的には、防振ゴム、シリコン系粘性体、高減衰ゴムなどが用いられている。
第1〜第4上部当接部材42〜45は、上部当接面21に沿って摺動可能な摺動部材で構成され、第1〜第4下部当接部材46〜49は下部当接面31に沿って摺動可能な摺動部材で構成されている。
基部411は、上面および下面がそれぞれ上下方向を向き、対向する一対の側面がそれぞれX方向を向き、他の対向する一対の側面がそれぞれY方向を向くように配置されている。
一対の上部突出板部412,412の互いに対向する面における上端部近傍には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材414,414(図1および図5参照)が設けられている。
一対の上部突出板部412,412それぞれの上端部近傍は、第1〜第4上部当接部材42〜45よりも上側に突出し、可動子4が上部案内部材2の下側に配置されると、上部案内部材2をY方向の両側から挟み込むように上部案内部材2の側方に配置され、それぞれに設けられた滑り材414,414が上部案内部材2の側面と当接するように構成されている。
一対の下部突出板部413,413の互いに対向する面における下端部近傍には、それぞれテフロン(登録商標)などの滑り材415,415(図2および図6参照)が設けられている。
一対の下部突出板部413,413それぞれの下端部近傍は、第1〜第4下部当接部材46〜49よりも下側に突出し、可動子4が下部案内部材3の上側に配置されると、下部案内部材3をX方向の両側から挟み込むように下部案内部材3の側方に配置され、それぞれに設けられた滑り材415,415が下部案内部材3の側面と当接するように構成されている。
第1〜第4上部当接部材42〜45は、X方向に配列されていて、X方向の他方側に向かって第3上部当接部材44、第1上部当接部材42、第2上部当接部材43、第4上部当接部材45の順番に配置されている。
また、第1上部当接部材42と第2上部当接部材43とは同じ高さに配置され、第3上部当接部材44と第4上部当接部材45とは同じ高さに配置されていて、第1上部当接部材42および第2上部当接部材43が第3上部当接部材44および第4上部当接部材45よりも上側に配置されている。
第2上部当接部材43は、上面43aがX方向の他方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成されている。第2上部当接部材43の上面43aの水平面に対する傾斜角度は、第1上部当接部材42の上面42aの水平面に対する傾斜角度θ1と同じθ1となっている(図7参照)。第2上部当接部材43は、第2上部傾斜面212と面接触可能に構成されている。
第4上部当接部材45は、上面45aがX方向の他方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成されている。第4上部当接部材45の上面45aの水平面に対する傾斜角度は、第2上部当接部材43の上面43aの水平面に対する傾斜角度θ1よりも大きく、第3上部当接部材44の上面44aの水平面に対する傾斜角度と同じθ2となっている(図7参照)。第4上部当接部材45は、第4上部傾斜面214と面接触可能に構成されている。
第1〜第4下部当接部材46〜49は、Y方向に配列されていて、Y方向の他方側に向かって第3下部当接部材48、第1下部当接部材46、第2下部当接部材47、第4下部当接部材49の順番に配置されている。
また、第1下部当接部材46と第2下部当接部材47とは同じ高さに配置され、第3下部当接部材48と第4下部当接部材49とは同じ高さに配置されていて、第1下部当接部材46および第2下部当接部材47が第3下部当接部材48および第4下部当接部材49よりも下側に配置されている。
第2下部当接部材47は、下面47aがY方向の他方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成されている。第2下部当接部材47の下面47aの水平面に対する傾斜角度は、第1下部当接部材46の下面46aの水平面に対する傾斜角度θ1と同じθ1となっている(図8参照)。第2下部当接部材47は、第2下部傾斜面312と面接触可能に構成されている。
第4下部当接部材49は、下面49aがY方向の他方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成されている。第4下部当接部材49の下面49aの水平面に対する傾斜角度は、第2下部当接部材47の下面47aの水平面に対する傾斜角度θ1よりも大きく、第3下部当接部材48の下面48aの水平面に対する傾斜角度と同じθ2となっている(図8参照)。第4下部当接部材49は、第4下部傾斜面314と面接触可能に構成されている。
図2に示すように、第1上部当接部材42は、上面42aが第1上部傾斜面211と面接触し、第2上部当接部材43は、上面43aが第2上部傾斜面212と面接触している。なお、第3上部当接部材44は、第1上部傾斜面211の下側に配置されていて上面44aが第1上部傾斜面211と離間している。また、第4上部当接部材45は、第2上部傾斜面212の下側に配置されていて、上面45aが第2上部傾斜面212と離間している。
図1に示すように、第1下部当接部材46は、下面46aが第1下部傾斜面311と面接触し、第2下部当接部材47は、下面46aが第2下部傾斜面312と面接触している。なお、第3下部当接部材48は、第1下部傾斜面311の上側に配置されていて下面46aが第1下部傾斜面311と離間している。また、第4下部当接部材49は、第2下部傾斜面312の上側に配置され、下面46aが第2下部傾斜面312と離間している。
図9乃至図16に示すように、地震が生じて上部構造体11と下部構造体12とが水平方向に相対変位すると、上部案内部材2と下部案内部材3とが水平方向に相対変位して、上部案内部材2と下部案内部材3に対して交差部5が移動する。
可動子4は、常に上部案内部材2と下部案内部材3との交差部5に配置されている。このため、図1および図2に示す初期状態から、図9乃至図12に示すように、可動子4と下部案内部材3とがY方向に相対変位した状態となると、下部案内部材3に対する可動子4の位置が初期状態よりも高い位置となり、ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)が蓄積される。また、初期状態から図13乃至図16に示すように、可動子4と上部案内部材2とがX方向に相対変位した状態となると、可動子4に対する上部案内部材2の位置が初期状態よりも高い位置となり、ポテンシャルエネルギー(位置エネルギー)が蓄積される。
なお、可動子4は、下部案内部材3のストッパ33の緩衝材34と当接すると、下部案内部材3に対する更にY方向の一方側へ向かう移動が拘束される。
なお、可動子4は、下部案内部材3のストッパ33の緩衝材34と当接すると、下部案内部材3に対する更にY方向の他方側へ向かう移動が拘束される。
なお、可動子4は、上部案内部材2のストッパ23の緩衝材24と当接すると、上部案内部材2に対する更にX方向の一方側へ向かう移動が拘束される。
なお、可動子4は、上部案内部材2のストッパ23の緩衝材24と当接すると、上部案内部材2に対する更にX方向の他方側へ向かう移動が拘束される。
また、第1上部当接部材42の摩擦係数をμ1=0.1とすると、上部案内部材2に作用する復元力F1は式(3)で表される。
第2上部当接部材43の摩擦係数をμ2とすると、(μ2+tanθ2)>(μ1+tanθ1)となる。
第1〜第4上部当接部材42〜45および第1〜第4下部当接部材46〜49が摺動する際の摩擦抵抗による復元力特性(μ1W1、μ2W2)、傾斜による復元力特性(F1=Wtanθ1、F2=Wtanθ2)およびストッパ23,33による復元力特性を合成したものが本実施形態による免震機構1Aの復元力特性となる。
図18におけるL1は、上部当接面21および下部当接面31の傾斜角度がθ1の範囲を示し、L2は上部当接面21および下部当接面31の傾斜角度がθ2の範囲を示している。
上述した第1実施形態による免震機構1Aでは、第3上部傾斜面213の水平面に対する勾配は、第1上部傾斜面211の水平面に対する勾配よりも大きくなるように構成されている。これにより、初期状態から可動子4が上部案内部材2に対してX方向の一方側に向かうように可動子4と上部案内部材2とが相対変位した際に、可動子4が第1上部傾斜面211に沿ってX方向の一方側に向かう相対変位と比べて、可動子4が第3上部傾斜面213に沿ってX方向の一方向に向かう相対変位の方が傾斜角度によって減速されるため、可動子4が第3上部傾斜面213よりもX方向の一方側に移動することを抑制でき、可動子4が上部案内部材2から外れることを防止することができる。
同様に、第4上部傾斜面214の水平面に対する勾配は、第2上部傾斜面212の水平面に対する勾配よりも大きくなるように構成されていることにより、可動子4が第4上部傾斜面214よりもX方向の他方側に移動することを抑制でき、可動子4が上部案内部材2から外れることを防止することができる。
同様に、第4下部傾斜面314の水平面に対する勾配は、第2下部傾斜面312の水平面に対する勾配よりも大きくなるように構成されていることにより、可動子4が第4下部傾斜面314よりもY方向の他方側に移動することを抑制でき、可動子4が下部案内部材3から外れることを防止することができる。
また、第1〜第4上部当接部材42〜45、および第1〜第4下部当接部材46〜49は、それぞれ傾斜面を摺動可能な摺動部材で構成されていることにより、これらの第1〜第4上部当接部材42〜45、および第1〜第4下部当接部材46〜49が、傾斜面を転動可能な転動部材で構成されている場合と比べて、免震機構の1つあたりの耐荷重を大きくすることができる。
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図19に示すように、第2実施形態による免震機構1Bは、可動子4Bの第3上部当接部材44B、第4上部当接部材45B、第3下部当接部材48B、および第4下部当接部材49Bが、第1実施形態のような摺動部材に代わって、それぞれ略同じ形状の3つのローラー(転動部材)7,7,7で構成されている。なお、上部案内部材および下部案内部材は、第1実施形態の上部案内部材2および下部案内部材3(図1および図2参照)と同様に構成されている。
また、可動子4Bの第4上部当接部材45Bがローラー7,7,7で構成されていることにより、上部案内部材2に対してX方向の他方側に向かう可動子4が第1上部傾斜面211と第2上部傾斜面212との境界を通過し第2上部傾斜面212と接触したときや、第2上部傾斜面212と第4上部傾斜面214の境界を通過し第4上部傾斜面214に接触したときに、第4当接部材のローラー7,7,7が転動することで接触の衝撃を吸収することができる。
これらのことにより、可動子4と上部案内部材2とがスムーズに相対変位することができる。
また、可動子4の第4下部当接部材49がローラー7,7,7で構成されていることにより、下部案内部材3に対してY方向の他方側に向かう可動子4が第1下部傾斜面311と第2下部傾斜面312との境界を通過し第2下部傾斜面312と接触したときや、第2下部傾斜面312と第4下部傾斜面314の境界を通過し第4下部傾斜面314に接触したときに、第4下部当接部材49Bのローラー7,7,7が転動することで接触の衝撃を吸収することができる。
これらのことにより、可動子4と下部案内部材3とがスムーズに相対変位することができる。
また、第3、第4上部当接部材44,45および第3、第4下部当接部材のローラー7,7,7は、第1上部当接部材42および第2上部当接部材43のような摺動部材と比べて摩擦係数が小さいため、可動子4が自重のみでも初期状態の位置に戻りやすくなる。
図21および図22に示すように、第3実施形態による免震機構1Cでは、上部案内部材2Cの第1上部傾斜面211Cと第3上部傾斜面213CとがX方向に連続しておらず、第3上部傾斜面213CのY方向の両側にそれぞれ第1上部傾斜面211C,211Cが形成されている。第1上部傾斜面211C,211Cの水平面に対する傾斜角度は、上記の実施形態と同様にθ1となっていて、第3上部傾斜面213Cの水平面に対する傾斜角度は、上記の実施形態と同様にθ2となっている。
2つの第1上部傾斜面211C,211Cは、Y方向から見て重なる位置に配置されている。2つの第1上部傾斜面211C,211CのX方向の一方側の部分と、第3上部傾斜面213CのX方向の他方側の部分とは、Y方向から見て重なる位置に配置されている。この2つの第1上部傾斜面211C,211Cと、第3上部傾斜面213CのY方向から見て重なる部分を第1上部重ね範囲215とする。
2つの第2上部傾斜面212C,212Cは、Y方向から見て重なる位置に配置されている。2つの第2上部傾斜面212C,212CのX方向の他方側の部分と、第4上部傾斜面214CのX方向の一方側の部分とは、Y方向から見て重なる位置に配置されている。この2つの第2上部傾斜面212C,212Cと、第4上部傾斜面214CのY方向から見て重なる部分を第2上部重ね範囲216とする。
2つの第1下部傾斜面311C,311Cは、X方向から見て重なる位置に配置されている。2つの第1下部傾斜面311C,311CのY方向の一方側の部分と、第3下部傾斜面313CのY方向の他方側の部分とは、X方向から見て重なる位置に配置されている。この2つの第1下部傾斜面311C,311Cと、第3下部傾斜面313CのX方向から見て重なる部分を第1下部重ね範囲315とする。
2つの第2下部傾斜面312C,312Cは、X方向から見て重なる位置に配置されている。2つの第2下部傾斜面312C,312CのY方向の他方側の部分と、第4下部傾斜面314CのY方向の一方側の部分とは、X方向から見て重なる位置に配置されている。この2つの第2下部傾斜面312C,312Cと、第4下部傾斜面314CのX方向から見て重なる部分を第2下部重ね範囲316とする。
第1上部当接部材42C,42Cの上面42aの水平面に対する傾斜角度は、上記の実施形態と同様にθ1となっている。第3上部当接部材44の上面44aの水平面に対する傾斜角度は、上記の実施形態と同様にθ2となっている。
2つの第1上部当接部材42C,42Cは、それぞれ第1上部傾斜面211C,211Cと面接触可能に構成されている。第3上部当接部材44Cは、第3上部傾斜面213Cと面接触可能に構成されている。
2つの第2上部当接部材43C,43Cは、それぞれ第2上部傾斜面212C,212Cと面接触可能に構成されている。第4上部当接部材45Cは、第4上部傾斜面214Cと面接触可能に構成されている。
2つの第1下部当接部材46C,46Cは、それぞれ第1下部傾斜面311C,311Cと面接触可能に構成されている。第3下部当接部材48Cは、第3下部傾斜面313Cと面接触可能に構成されている。
2つの第2下部当接部材47C,47Cは、それぞれ第2下部傾斜面312C,312Cと面接触可能に構成されている。第4下部当接部材49Cは、第4下部傾斜面314Cと面接触可能に構成されている。
第1上部当接部材42Cは、上面42aが第1上部傾斜面211Cと面接触し、第2上部当接部材43Cは、上面43aが第2上部傾斜面212Cと面接触している。なお、第3上部当接部材44Cは、第1上部傾斜面211Cと上下方向に重ならず離間している。
また、第4上部当接部材45Cは、第2上部傾斜面212Cと上下方向に重ならず離間している。
また、第4下部当接部材49Cは、第2下部傾斜面312Cと上下方向に重ならず離間している。
また、可動子4Cが第1上部重ね範囲215をX方向の一方側に向かって移動することによって、可動子4Cと上部案内部材2Cとの相対変位を減速させることができるとともに、可動子4Cが第2上部重ね範囲216をX方向の他方側に向かって移動することによって、可動子4Cと上部案内部材2Cとの相対変位を減速させることができる。これにより、可動子4CがX方向に大きく移動することがないため、上部案内部材2CのX方向の長さを抑えることができる。
例えば、上記の第1実施形態では、第1〜第4上部当接部材42〜45は上部当接面21を摺動可能に構成されているが、転動可能に構成されていてもよい。また、第1〜第4下部当接部材46〜49は下部当接面31を摺動可能に構成されているが、転動可能に構成されていてもよい。
また、上記の第2実施形態では、第3上部当接部材44、第4上部当接部材45、第3下部当接部材48、および第4下部当接部材49は、それぞれ3つのローラー7,7,7を有しているが、ローラー7の数は適宜設定されていてもよい。
また、上記の第2実施形態では、第1〜第4上部当接部材42〜45および第1〜第4下部当接部材46〜49はローラー7で構成されているが、ローラー7に代わってベアリングで構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、ローラー7は、減衰材73を有しているが、減衰材73を有していなくてもよい。
2,2C 上部案内部材
3,3C 下部案内部材
4,4B,4C 可動子
5 交差部
7 ローラー(転動部材)
11 上部構造体
12 下部構造体
13 免震層
21,21C 上部当接面
21a 上側中央部
23 ストッパ
31,31C 下部当接面
31a 下側中央部
33 ストッパ
42,42C 第1上部当接部材
43,43C 第2上部当接部材
44,44B,44C 第3上部当接部材
45,45B,45C 第4上部当接部材
46,46C 第1下部当接部材
47,47C 第2下部当接部材
48,48B,48C 第3下部当接部材
49,49B,49C 第4下部当接部材
73 減衰材
211,211C 第1上部傾斜面
212,212C 第2上部傾斜面
213,213C 第3上部傾斜面
214,214C 第4上部傾斜面
215 第1上部重ね範囲
216 第2上部重ね範囲
311,311C 第1下部傾斜面
312,312C 第2下部傾斜面
313,313C 第3下部傾斜面
314,314C 第4下部傾斜面
315 第1下部重ね範囲
316 第2下部重ね範囲
Claims (4)
- 水平方向に相対変位可能な上部構造体と下部構造体との間に設けられる免震機構において、
前記上部構造体の底部に固定される上部案内部材と、
前記下部構造体の上部に固定される下部案内部材と、
前記上部案内部材および前記下部案内部材との間に介装され、前記上部案内部材と一の水平方向に相対変位可能であるとともに、前記下部案内部材と前記一の水平方向に直交する他の水平方向に相対変位可能な可動子と、を有し、
前記上部案内部材は、前記可動子が当接する上部当接面を有し、
該上部当接面は、前記一の水平方向の中央部となる上側中央部から前記一の水平方向の一方側に配置された第1上部傾斜面と、前記上側中央部から前記一の水平方向の他方側に配置された第2上部傾斜面と、前記第1上部傾斜面よりも前記一の水平方向の一方側に配置された第3上部傾斜面と、前記第2上部傾斜面よりも前記一の水平方向の他方側に配置された第4上部傾斜面と、を有し、
前記第1上部傾斜面は、前記上側中央部から前記一の水平方向の一方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成され、
前記第2上部傾斜面は、前記上側中央部から前記一の水平方向の他方側に向かうに従って漸次下側に向かう平面に形成され、
前記第3上部傾斜面は、前記一の水平方向の一方側に向かうに従って前記第1上部傾斜面よりも大きな勾配で漸次下側に向かう平面に形成され、
前記第4上部傾斜面は、前記一の水平方向の他方側に向かうに従って前記第2上部傾斜面よりも大きな勾配で漸次下側に向かう平面に形成され、
前記下部案内部材は、前記可動子が当接する下部当接面を有し、
該下部当接面は、前記他の水平方向の中央部となる下側中央部から前記他の水平方向の一方側に配置された第1下部傾斜面と、前記下側中央部から前記他の水平方向の他方側に配置された第2下部傾斜面と、前記第1下部傾斜面よりも前記他の水平方向の一方側に配置された第3下部傾斜面と、前記第2下部傾斜面よりも前記他の水平方向の他方側に配置された第4下部傾斜面と、を有し、
前記第1下部傾斜面は、前記下側中央部から前記他の水平方向の一方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成され、
前記第2下部傾斜面は、前記下側中央部から前記他の水平方向の他方側に向かうに従って漸次上側に向かう平面に形成され、
前記第3下部傾斜面は、前記他の水平方向の一方側に向かうに従って前記第1下部傾斜面よりも大きい勾配で漸次上側に向かう平面に形成され、
前記第4下部傾斜面は、前記他の水平方向の他方側に向かうに従って前記第2下部傾斜面よりも大きい勾配で漸次上側に向かう平面に形成され、
前記可動子は、本体部と、
該本体部に固定されて前記第1上部傾斜面と当接可能な第1上部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第2上部傾斜面と当接可能な第2上部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第3上部傾斜面と当接可能な第3上部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第4上部傾斜面と当接可能な第4上部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第1下部傾斜面と当接可能な第1下部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第2下部傾斜面と当接可能な第2下部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第3下部傾斜面と当接可能な第3下部当接部材と、
前記本体部に固定されて前記第4下部傾斜面と当接可能な第4下部当接部材と、を有し、
初期状態では、前記可動子が前記上側中央部の下側に配置されて、前記第1上部当接部材が前記第1上部傾斜面と当接し、前記第2上部当接部材が前記第2上部傾斜面と当接し、前記第3上部当接部材および前記第4上部当接部材が前記上部当接面と離間するとともに、前記可動子が前記下側中央部の上側に配置されて、前記第1下部当接部材が前記第1下部傾斜面と当接し、前記第2下部当接部材が前記第2下部傾斜面と当接し、前記第3下部当接部材および前記第4下部当接部材が前記下部当接面と離間していて、
前記初期状態から前記上部案内部材に対して前記一の水平方向の一方側に向かうように前記上部案内部材と相対変位し、前記第1上部当接部材が前記第1上部傾斜面と当接するとともに前記第3上部当接部材が前記第3上部傾斜面と当接するまでの間は、前記第1上部当接部材が前記第1上部傾斜面と当接し、前記第2上部当接部材、前記第3上部当接部材、および前記第4上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記初期状態から前記上部案内部材に対して前記一の水平方向の他方側に向かうように前記上部案内部材と相対変位し、前記第2上部当接部材が前記第2上部傾斜面と当接するとともに前記第4上部当接部材が前記第4上部傾斜面と当接するまでの間は、前記第2上部当接部材が前記第2上部傾斜面と当接し、前記第1上部当接部材、前記第3上部当接部材、および前記第4上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記第1上部当接部材が前記第1上部傾斜面と当接するとともに前記第3上部当接部材が前記第3上部傾斜面と当接した状態から、前記上部案内部材に対して前記一の水平方向の一方側に向かうように前記上部案内部材と相対変位すると、前記第3上部当接部材が前記第3上部傾斜面と当接し、前記第1上部当接部材、前記第2上部当接部材、および前記第4上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記第2上部当接部材が前記第2上部傾斜面と当接するとともに前記第4上部当接部材が前記第4上部傾斜面と当接した状態から、前記上部案内部材に対して前記一の水平方向の他方側に向かうように前記上部案内部材と相対変位すると、前記第4上部当接部材が前記第4上部傾斜面と当接し、前記第1上部当接部材、前記第2上部当接部材、および前記第3上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記初期状態から前記下部案内部材に対して前記他の水平方向の一方側に向かうように前記下部案内部材と相対変位し、前記第1下部当接部材が前記第1下部傾斜面と当接するとともに前記第3下部当接部材が前記第3下部傾斜面と当接するまでの間は、前記第1下部当接部材が前記第1下部傾斜面と当接し、前記第2下部当接部材、前記第3下部当接部材、および前記第4下部当接部材が前記下部当接面と離間し、
前記初期状態から前記下部案内部材に対して前記他の水平方向の他方側に向かうように前記下部案内部材と相対変位し、前記第2下部当接部材が前記第2下部傾斜面と当接するとともに前記第4下部当接部材が前記第4下部傾斜面と当接するまでの間は、前記第2下部当接部材が前記第2下部傾斜面と当接し、前記第1下部当接部材、前記第3下部当接部材、および前記第4下部当接部材が前記下部当接面と離間し、
前記第1下部当接部材が前記第1下部傾斜面と当接するとともに前記第3下部当接部材が前記第3下部傾斜面と当接した状態から、前記下部案内部材に対して前記他の水平方向の一方側に向かうように前記下部案内部材と相対変位すると、前記第3下部当接部材が前記第3下部傾斜面と当接し、前記第1下部当接部材、前記第2下部当接部材、および前記第4下部当接部材が前記下部当接面と離間し、
前記第2下部当接部材が前記第2下部傾斜面と当接するとともに前記第4下部当接部材が前記第4下部傾斜面と当接した状態から、前記下部案内部材に対して前記他の水平方向の他方側に向かうように前記下部案内部材と相対変位すると、前記第4下部当接部材が前記第4下部傾斜面と当接し、前記第1下部当接部材、前記第2下部当接部材、および前記第3下部当接部材が前記下部当接面と離間し、
前記第1上部傾斜面と前記第3上部傾斜面とは、前記他の水平方向にずれた位置に配置されるとともに、前記第1上部傾斜面の前記一の水平方向の一方側の部分と、前記第3上部傾斜面の前記一の水平方向の他方側の部分と、が前記他の水平方向から見て重なる第1上部重ね範囲を有し、前記可動子が前記第1上部重ね範囲の下側に位置している状態では、前記第1上部当接部材が前記第1上部傾斜面と当接するとともに前記第3上部当接部材が前記第3上部傾斜面と当接し、前記第2上部当接部材および前記第4上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記第2上部傾斜面と前記第4上部傾斜面とは、前記他の水平方向にずれた位置に配置されるとともに、前記第2上部傾斜面の前記一の水平方向の他方側の部分と、前記第4上部傾斜面の前記一の水平方向の一方側の部分と、が前記他の水平方向から見て重なる第2上部重ね範囲を有し、前記可動子が前記第2上部重ね範囲の下側に位置している状態では、前記第2上部当接部材が前記第2上部傾斜面と当接するとともに前記第4上部当接部材が前記第4上部傾斜面と当接し、前記第1上部当接部材および前記第3上部当接部材が前記上部当接面と離間し、
前記第1下部傾斜面と前記第3下部傾斜面とは、前記一の水平方向にずれた位置に配置されるとともに、前記第1下部傾斜面の前記他の水平方向の一方側の部分と、前記第3下部傾斜面の前記他の水平方向の他方側の部分と、が前記一の水平方向から見て重なる第1下部重ね範囲を有し、前記可動子が前記第1下部重ね範囲の上側に位置している状態では、前記第1下部当接部材が前記第1下部傾斜面と当接するとともに前記第3下部当接部材が前記第3下部傾斜面と当接し、前記第2下部当接部材および前記第4下部当接部材が前記下部当接面と離間し、
前記第2下部傾斜面と前記第4下部傾斜面とは、前記一の水平方向にずれた位置に配置されるとともに、前記第2下部傾斜面の前記他の水平方向の他方側の部分と、前記第4下部傾斜面の前記他の水平方向の一方側の部分と、が前記一の水平方向から見て重なる第2下部重ね範囲を有し、前記可動子が前記第2下部重ね範囲の上側に位置している状態では、前記第2下部当接部材が前記第2下部傾斜面と当接するとともに前記第4下部当接部材が前記第4下部傾斜面と当接し、前記第1下部当接部材および前記第3下部当接部材が前記下部当接面と離間していることを特徴とする免震機構。 - 前記第1上部当接部材、前記第2上部当接部材、前記第3上部当接部材および前記第4上部当接部材は、前記上部当接面を摺動可能な摺動部材で構成され、
前記第1下部当接部材、前記第2下部当接部材、前記第3下部当接部材および前記第4下部当接部材は、前記下部当接面を摺動可能な摺動部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の免震機構。 - 前記第1上部当接部材および前記第2上部当接部材は、前記上部当接面を摺動可能な摺動部材で構成され、
前記第3上部当接部材および前記第4上部当接部材は、前記上部当接面を転動可能な転動部材で構成され、
前記第1下部当接部材および前記第2下部当接部材は、前記下部当接面を摺動可能な摺動部材で構成され、
前記第3下部当接部材および前記第4下部当接部材は、前記下部当接面を転動可能な転動部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の免震機構。 - 前記第3上部当接部材、前記第4上部当接部材、前記第3下部当接部材、および前記第4下部当接部材を構成する転動部材は、それぞれ転動する面との接触の衝撃を減衰させる減衰材を有することを特徴とする請求項3に記載の免震機構。
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